JP2017007213A - 3次元印刷装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】原料フィラメントとして硬質フィラメントよりも柔らかいフィラメントを用いて印刷する際にも長時間に亘って安定的に立体造形物を印刷することができる熱溶解積層法(FDM)を利用した3次元印刷装置を提供する。
【解決手段】データ処理部と印刷部12とから構成され、印刷部12は、印刷部本体と、印刷部本体に移動可能に設けられたヘッド部16と、原料フィラメント25の搬送をガイドするガイド部19とを備えた3次元印刷装置であって、ガイド部19はチューブであり、チューブ19の先端部はヘッド部16に、後端部は印刷部本体の非移動部に其々固定され、全体が湾曲して配設されており、チューブ19はショアD硬度が50未満の素材又はショアA硬度が90以下の素材により形成されたチューブ本体部を有し、チューブ本体部の内面には高密度ポリエチレン層又は超高密度ポリエチレン層が形成されている3次元印刷装置。
【選択図】図6

Description

本発明は、熱溶解積層法(FDM)を利用した3次元印刷装置の改良に関する。
従来より、試作品や治具等の立体造形品の作成には3次元印刷装置が利用されている。3次元印刷装置は、3Dプリンターとも称され、3Dプリンターはコンピュータ上に取り込まれた立体図面データに従って樹脂等の原材料によって立体造形品を作成することができる。
立体造形品を形成する方法には種々の方法があり、その1つに熱溶解積層法(FDM)が存在する。熱溶解積層法(FDM)は、熱可塑性樹脂等の原料フィラメントをヒーターにより加熱溶解しながらノズルより吐出し、ノズルを例えば平面方向に稼動させて立体造形品の第一層を形成し、次に第一層の上面に第二層、第三層というように積層させていくことにより立体造形品を得る方法である。
熱溶解積層法(FDM)の3Dプリンターは、レーザーや粉末焼結による造形法を利用した3Dプリンターと比べて安価であり広く普及している。一般に熱溶解積層法(FDM)の3Dプリンターでは、原料フィラメントが巻回されたスプールがあり、原料フィラメントは、スプールからノズルを備えた可動のヘッドまで供給され、印刷によりヘッド側で消費されることによって順次スプールから引き出される。
原料フィラメントは立体造形品の印刷中に絡まることのないように、ヘッドまでの搬送経路において、搬送チューブによりガイドされている。一般に、詰りなどを抑制するため搬送性を維持するため摩擦係数の小さいポリテトラフルオロエチレン製の搬送チューブが用いられている。
搬送チューブは、先端部がヘッドに固定され、後端部はスプール近傍の本体支柱等の非可動部に固定されて略逆U字状に湾曲して設けられている。ポリテトラフルオロエチレンは硬質であるが可撓性を有するため、立体造形品の印刷中は、ヘッドの動作に追従することができる。
このような従来の熱溶解積層法(FDM)の3Dプリンターは、例えば、ABS樹脂やポリ乳酸(PLA)といった原料フィラメントとして硬質樹脂からなるフィラメントを用いて立体造形物を印刷することができる。
一方で、原料フィラメントとして硬質フィラメントよりも柔らかいフィラメントを用いて印刷することができれば、柔軟性を必要とする部品等の製作が可能となり、利用範囲はさらに広がることとなる。
しかしながら、フィラメントは一般に柔らかいものは硬質フィラメントに比べてフィラメント表面の摩擦係数が大きく滑り性が良くない。また、このような硬質よりも柔軟性のあるフィラメントは、表面が搬送チューブに対して強く接触する状況にあっては、接触部において搬送チューブ内面とフィラメント表面との間で発生する抵抗が特に大きくなり、フィラメントの供給動作の拘束とヘッド側より伝わる引張力による拘束の解放が起こることから定速での供給が困難となる。
一般にポリテトラフルオロエチレンは硬度が大きいため、ポリテトラフルオロエチレン製の搬送チューブを用いて柔軟性のあるフィラメントを搬送供給する場合、互いの硬度は異なっている。
従って、図7(a)に示すように、搬送チューブ60の湾曲の曲率半径R2と搬送チューブ60内を挿通されているフィラメント61の湾曲の曲率半径R1は大きく異なるため、搬送チューブ60内面にフィラメント61が強く接触する強接点64を生じる。
このため、硬質よりも柔軟性のあるフィラメントを用いた場合、強接点64におけるフィラメント供給動作の拘束が発生しやすくなり、定速での供給が困難であった。また、図7(b)に示すように、ポリテトラフルオロエチレン製の搬送チューブ60は硬度が大きいために、印刷の際にヘッド部62が急に動作して搬送チューブ60の曲率半径に変化が生じた際には、搬送チューブ60の一部に屈曲部63を生じてしまうことがあり、屈曲部63にフィラメント61が強く接触することにより、接触面における摩擦抵抗が大きくなり供給の拘束が発生する原因となってしまっていた。
また、熱溶解積層法(FDM)の3Dプリンターにおいては、前述のように原料フィラメントの供給量が安定せずに、例えば一時的に供給量が少なくなると、その際に形成している層の一部が形成されないまま次の層が形成されてしまうため、空洞や陥没が発生してしまい精度ある立体造形物を印刷することができない。
特に熱溶解積層法(FDM)の3Dプリンターにおいては、立体造形品の大きさや積層ピッチにより、作成時間が長時間に及ぶこともあり、印刷時に不具合がないか作業者が終始監視することは困難であるため、これまで硬質よりも柔軟性のある樹脂フィラメントでは小物等の印刷はできても、大型の物や精度を要求される立体造形品を得ることはできなかった。
従って、内面の滑り性が良く、柔軟性のあるフィラメントのように曲率半径が大きく接触面積を小さくすることができ、且つ印刷によってヘッドの動作が発生した場合にも、屈曲することのない搬送チューブを備えた3Dプリンターが望まれていた。
本発明者は、このような観点から特許調査を実施して特許文献1を確認したが、前述のような現象を解決しうる発明ではなかった。
公開特許第2015−39883号公報
そこで、本発明は、このような従来の要請に基づくものであって、原料フィラメントとして硬質フィラメントよりも柔らかいフィラメントを用いて印刷する際にも長時間に亘って安定的に立体造形物を印刷することができる熱溶解積層法(FDM)を利用した3次元印刷装置を提供することを課題とする。
前記課題達成のため、請求項1記載の発明における3次元印刷装置にあっては、データ処理部と前記データ処理部より供給される制御信号に基づいて3次元印刷を行う印刷部とから構成され、前記印刷部は、印刷部本体と、前記印刷部本体に移動可能に設けられヒーター部及びノズル部を備えたヘッド部と、前記ノズル部より溶解された原料フィラメントが吐出されて印刷物が形成される造形テーブル部と、前記原料フィラメントを収容する原料フィラメント収容部と、前記原料フィラメント収容部と前記ヘッド部との間には前記ヘッド部へと供給される原料フィラメントの搬送をガイドするガイド部とを備えた熱溶解積層法(FDM)を利用した3次元印刷装置であって、前記ガイド部は、チューブであり、前記チューブの先端部は前記ヘッド部に固定されていると共に、後端部は前記印刷部本体の非移動部に固定され、全体が湾曲して配設されており、前記原料フィラメントは、前記チューブ内に挿通されて搬送されるように形成されており、前記チューブは、ショアD硬度が50未満の素材又はショアA硬度が90以下の素材により形成されたチューブ本体部を有し、前記チューブ本体部の内面には高密度ポリエチレン層又は超高密度ポリエチレン層が形成されていることを特徴とする。
ショアA硬度とは、JIS K 6253に規定された方法においてタイプAデュロメータを用いて測定される硬度である。一方でショアD硬度は、材料が硬くタイプAデュロメータでは測定をしにくい硬さの測定を目的とした測定方法であり、JIS K 7215に規定された方法においてタイプDデュロメータを用いて測定される硬度である。
一般にポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEと称する)は、ショアD硬度が50〜55である。樹脂やゴムにおける硬質の定義は種々のものがあるが、ここではショアA硬度95以上、ショアD硬度50以上のものを硬質と定義する。
従って、請求項1に記載の3次元印刷装置にあっては、前記チューブは、ショアD硬度が50未満の素材又はショアA硬度が90以下の素材により形成されたチューブ本体部を有していることから、PTFEよりも柔軟であり、印刷を行った際のヘッド部の移動に対して柔軟に追従して屈曲しにくい。
また、PTFEのチューブを用いた場合に比べてチューブの先端部から後端部までの湾曲具合である曲率半径が大きくなり、原料フィラメントとして硬質フィラメントよりも柔軟なフィラメントを用いた場合には、互いの硬度が近くなるためにチューブとチューブ内を挿通するフィラメントとの曲率半径が近くなる。従って、チューブ内面に原料フィラメントが強く接触することを抑制でき、原料フィラメントとチューブ内面との摩擦抵抗を小さく維持することができる。
以下、曲率半径は、チューブの先端部から後端部までに形成される湾曲具合が長さ方向の位置により異なる場合は、最も小さい曲率半径を示す。原料フィラメントにおいてもチューブ内に位置する部分を対象として同様とする。
一般に高密度ポリエチレン及び超高密度ポリエチレンは、PTFEよりも安価であり、且つ同等の滑り性を有する素材である。ここで、高密度ポリエチレンとは比重0.942以上のポリエチレンを指し、超高密度ポリエチレンとは、分子量100万から700万のポリエチレンである。
前記チューブ本体部の内面には高密度ポリエチレン層又は超高密度ポリエチレン層が形成されていることから、原料フィラメントは、PTFEと同等の滑り性を備える高密度ポリエチレン層又は超高密度ポリエチレン層と一部が接しながら搬送される。
請求項2記載の発明における3次元印刷装置にあっては、前記チューブ本体部は、前記ショアA硬度が90以下の素材により形成され、ショアA硬度が90以下のポリオレフィン系エラストマーであることを特徴とする。
ポリオレフィン系エラストマーとは、熱可塑性エラストマーのうち、塩ビ系エラストマー以外のエラストマーを含む概念であり、例えばオレフィン系エラストマー及びスチレン系エラストマーが含まれる。
前記ポリオレフィン系エラストマーのうち、一般にオレフィン系エラストマーとは、ポリプロピレン(PP)の中に、エチレン−プロピレンゴム(EPDM,EPM)を微分散させた熱可塑性エラストマーであり、常温でゴムのような柔軟性と復元性を備えると共に大きな摩擦係数を備え、一般の樹脂と同様な成形加工のできる合成樹脂である。
従って、請求項2記載の発明における3次元印刷装置にあっては、チューブ本体部はゴムのような柔軟性があり、チューブの先端部から後端部までの全体の曲率半径を大きくすることができる。また、復元性が高いため形状のくせがつき難い。
軟質の原料フィラメントを用いた場合にも、チューブと原料フィラメントとの曲率半径を近くすることができ、チューブ内面に原料フィラメントが強く接触して原料フィラメントの摩擦抵抗が大きくなることを防止することができる。
また、ゴムのような柔軟性があり屈曲しにくいため、チューブの屈曲点に原料フィラメントの応力が集中して大きな摩擦抵抗が生じるという事態を防止することができる。
請求項3記載の発明における3次元印刷装置にあっては、前記高密度ポリエチレン層又は超高密度ポリエチレン層は、厚さ寸法10μm〜100μmに形成されていることを特徴とする。
従って、請求項3記載の発明における3次元印刷装置にあっては、高密度ポリエチレン層又は超高密度ポリエチレン層は、厚さ寸法10μm〜100μmの薄膜状に形成されていることから、チューブ全体としてはショアD硬度50未満又はショアA硬度が90以下の素材からなるチューブ本体部の柔軟性を維持しながら、チューブ内面の滑り性を確保することができる。
請求項4記載の発明における3次元印刷装置にあっては、前記印刷部本体は、高さ方向に沿って配設されたZ軸軸部と、平面方向に沿って配設されたX軸軸部とを備え、前記X軸軸部は、前記Z軸軸部に沿って移動可能に配設されていると共に、前記ヘッド部は、前記X軸軸部に沿って移動可能に配設されており、前記造形テーブル部は、前記X軸軸部に対して平面方向に直行するY軸方向に移動可能に配設されていることを特徴とする。
従って、請求項4記載の発明における3次元印刷装置にあっては、X軸軸部は、Z軸軸部に沿って移動可能に配設されていると共に、ヘッド部は、X軸軸部に沿って移動可能に配設されていることから、ヘッド部は、特定の平面方向及び高さ方向の2次元方向に移動可能である。
また、造形テーブル部は、X軸軸部に対して平面方向に直行するY軸方向に移動可能に配設されていることから、造形テーブル部が移動することによって、ヘッド部は造形テーブル部上を相対的に移動可能であり、ヘッド部は造形テーブル部上を3次元方向に移動可能である。
請求項5記載の発明における3次元印刷装置にあっては、前記印刷部本体は、上部フレーム部、下部フレーム部及び立設フレーム部により全体略直方体の枠状に形成されており、前記Z軸軸部の端部は、上部フレーム部及び下部フレーム部に其々固定されており、前記原料フィラメント収納部は前記印刷部本体とは別体に形成されたフィラメントスプールであることを特徴とする。
従って、請求項5記載の発明における3次元印刷装置にあっては、印刷部本体は、全体略直方体の枠状に形成されていることから軽量である。また、原料フィラメント収納部はフィラメントスプールであることから、原料フィラメントを引き出す方向に力が加わることにより、スプールが回転して原料フィラメントを順次供給することができる。
請求項6記載の発明における3次元印刷装置にあっては、前記ヒーター部は、前記ノズル部の径方向外方に固定されて配設されており、前記ヘッド部内部には、前記原料フィラメントを前記ノズル部へ供給するプーリ部が設けられていることを特徴とする。
従って、請求項6記載の発明における3次元印刷装置にあっては、ヘッド部内部には、原料フィラメントをノズル部へ供給するプーリ部が設けられていることから、プーリ部が回転することにより、原料フィラメントがノズル部へと供給される。
請求項7記載の発明における3次元印刷装置にあっては、前記チューブは、全体略逆U字状に形成されていると共に、前記ヘッド部の上面部には、前記チューブの先端部を差込み固定することができる差込孔部を備え、前記差込孔部に前記チューブの先端部が差し込まれて固定されていることを特徴とする。
従って、請求項7記載の発明における3次元印刷装置にあっては、ヘッド部上面部の差込孔部にチューブの先端部が差し込まれて固定され、チューブは全体略逆U字状に配設される。
請求項8記載の発明における3次元印刷装置にあっては、前記プーリ部と前記ノズル部の間には前記原料フィラメントの搬送をガイドするチューブからなるノズルガイド部が設けられていることを特徴とする。
請求項1記載の発明における3次元印刷装置にあっては、大きな摩擦抵抗を生じる原因となる屈曲の発生やチューブと軟質フィラメントとの曲率半径の差の発生を抑制できるため、原料フィラメントとして比較的滑り性の良い硬質フィラメントを用いて印刷する場合は勿論のこと、軟質フィラメントを用いて印刷する際にも長時間に亘って安定的に立体造形物を印刷することができる熱溶解積層法(FDM)を利用した3次元印刷装置を提供することができる。
また、チューブ本体部の内面には高密度ポリエチレン層又は超高密度ポリエチレン層が形成されていることから、PTFEと同等の滑り性を確保しながらも安価に提供することができる。
請求項2記載の発明における3次元印刷装置にあっては、チューブは、ポリオレフィン系エラストマーであり、一般の樹脂と同様に成形加工することができるためコストを維持することができ、高い摩擦係数を備えるため、例えば、チューブ先端の固定方法が、孔への差込み固定であっても、印刷時のヘッド部の移動によって抜け落ちて脱落してしまうことを抑制することができ、より長時間に亘って安定的に立体造形物を印刷することができる。
また、チューブ本体部はゴムのような高い柔軟性を備えることから、チューブの先端部から後端部までの全体の曲率半径が大きくなりやすく屈曲しにくいため、チューブの屈曲点に原料フィラメントの応力が集中して大きな摩擦が生じることを防止することができ、原料フィラメントとして軟質フィラメントを用いて印刷する際にも長時間に亘って安定的に立体造形物を印刷することができる。
請求項3記載の発明における3次元印刷装置にあっては、チューブ全体としてはショアD硬度50未満又はショアA硬度が90以下の素材からなるチューブ本体部の柔軟性を維持しながら、チューブ内面の滑り性を確保することができることから、印刷を行った際にヘッド部の移動によって、チューブの屈曲が発生することを抑制することができ、且つ原料フィラメントとの摩擦を低く抑えることができるため、軟質フィラメントを用いて印刷する際にも長時間に亘って安定的に立体造形物を印刷することができる。
請求項4記載の発明における3次元印刷装置にあっては、ヘッド部と造形テーブル部とが互いに移動することにより、ヘッド部は造形テーブル部上を3次元方向に移動可能であるため、固定された造形テーブルに対してヘッド部のみを3次元方向に移動可能に形成する場合に比べて構造を簡略化することでき、低コストに製造することができ、且つメンテナンス性を確保することができる。
請求項5記載の発明における3次元印刷装置にあっては、原料フィラメントを引き出す方向に力が加わることにより、スプールが回転して原料フィラメントを順次供給ことができることから、原料フィラメントは、印刷部本体において印刷が行われて消費されることにより、スプールが回転して順次供給され、供給のための動力が不要で低コストに製造することができる。
請求項6記載の発明における3次元印刷装置にあっては、ヘッド部内方に配設されたプーリ部が回転することにより、原料フィラメントがノズル部へと供給されるため、モータ動力によって原料フィラメントを供給することができ、低コストに製造することができる。
請求項7記載の発明における3次元印刷装置にあっては、ヘッド部の差込孔部にチューブの先端部が差し込まれて固定されるため、ヘッド部からのチューブの取外しが容易であり、メンテナンス性に優れる。また、チューブはヘッド部上面部から印刷部本体の非移動部に亘って全体略逆U字状に配設されていることから、印刷を行った際のヘッド部の移動時にチューブが巻き込まれることなく長時間に亘って安定して印刷することができる。
請求項8記載の発明における3次元印刷装置にあっては、プーリ部とノズル部の間には原料フィラメントの搬送をガイドするチューブからなるノズルガイド部が設けられていることから、プーリ部とノズル部との間隙において原料フィラメントが屈曲して詰まりを発生することを抑制でき、印刷を行った際に長時間に亘って安定して印刷することができる。
図1は、本実施の形態に係る3次元印刷装置の一実施の形態を示した斜視図である。 図2は、本実施の形態に係る3次元印刷装置の一実施の形態を示し、印刷部の下方からの斜視図である。 図3は、本実施の形態に係る3次元印刷装置の一実施の形態を示し、原料フィラメントを挿通したチューブ端面の概念図である。 図4は、本実施の形態に係る3次元印刷装置の一実施の形態を示し、ボルトを外してカバーを外し、ヘッド部内部の状態を示した側面図である。 図5は、本実施の形態に係る3次元印刷装置の一実施の形態を示し、チューブの後端部の立設フレームへの固定状態を示した斜視図である。 図6は、本実施の形態に係る3次元印刷装置の一実施の形態を示し、チューブと原料フィラメントとの関係を模式的に描いており、(a)は、ヘッド部が立設フレーム部の遠方に位置する場合、(b)はヘッド部が立設フレーム部の近傍に位置する場合を夫々描いた概念図である。 図7は、従来の3次元印刷装置におけるチューブと原料フィラメントとの関係を模式的に描いており、(a)はヘッド部が立設フレーム部の遠方に位置する場合、(b)はヘッド部が立設フレーム部の近傍に位置する場合を夫々描いた概念図である。
以下、本発明に係る3次元印刷装置を実施の形態に基づき、図面を参照して詳細に説明する。
本実施の形態に係る3次元印刷装置10は、熱溶解積層法(FDM)を利用しており、図1に示すようにデータ処理部11とデータ処理部11より供給される制御信号に基づいて3次元印刷を行う印刷部12とから構成されている。本実施の形態においては、データ処理部11はノートパソコンであり、制御信号出力ケーブル33を介して印刷部12へと接続されている。
図2に示すように、印刷部12は、印刷部本体13と、印刷部本体13に移動可能に設けられヒーター部14及びノズル部15を備えたヘッド部16と、ノズル部15より溶解されたが吐出されて印刷物が形成される造形テーブル部17と原料フィラメント25を収容する原料フィラメント収容部18とを備えている。
図1及び図2に示すように、印刷部本体13は、上部フレーム部26、下部フレーム部27及び立設フレーム部28により形成される全体略直方体の枠部65を有している。
立設フレーム部28は高さ方向に沿って4本形成されており、上部フレーム部26は立設フレーム部28,28,28,28の上端部を互いに繋いで設けられると共に、下部フレーム部27は立設フレーム部28,28,28,28の下端部を互いに繋ぐように配設されている。下部フレーム27は、内方に角柱形状に形成された2本の造形テーブル部支持部29,29を備えている。
図1及び図2に示すように、印刷部本体13は、高さ方向に沿って配設されたZ軸軸部30と、平面方向に沿って配設されたX軸軸部31とを備えている。Z軸軸部30の両端部は、上部フレーム部26及び下部フレーム部27に其々固定されており、印刷部本体13の長さ方向両端部に其々設けられている。
Z軸軸部30,30の内側には、長さ方向全体に亘ってネジ溝が形成された昇降軸部32,32がZ軸軸部30に平行に夫々設けられている。Z軸軸部30、X軸軸部31及び昇降軸部32は其々断面円形の軸状に形成されている。
Z軸軸部30,30及び昇降軸部32,32には、Z軸軸部30,30及び昇降軸部32,32に装着されZ軸軸部30,30及び昇降軸部32,32に沿って昇降可能な移動ユニット34,34が挿通されて配設されており、移動ユニット34,34は、水平方向に2本延設されたX軸軸部31,31によって連結されている。X軸軸部31は、移動ユニット34,34を介してZ軸軸部30に沿って移動可能に配設されている。
図1及び図2に示すように、移動ユニット34,34の昇降軸部32,32に当接する箇所は昇降軸部32のネジ溝に対応するネジ山が形成されていると共に、昇降軸部32,32の下端部には昇降軸部32を回転させる昇降モータ35,35が設けられている。昇降モータ35,35はステッピングモータである。
一方の移動ユニット34には、駆動歯車(図示せず)と前記駆動歯車を駆動するステッピングモータ(図示せず)が備えられており、他方の移動ユニット34には、アイドラー歯車(図示せず)が設けられており、前記駆動歯車とアイドラー歯車とには1本のタイミングベルト(図示せず)が掛けられて、一体に動作するように形成されている。
ヘッド部16は、下端部においてX軸軸部31,31に挿通されて摺動可能に形成されると共に、前記タイミングベルト(図示せず)に対して固定されており、タイミングベルトを介して前記駆動歯車とアイドラー歯車の間をX軸軸部31に沿って水平移動可能に配設されている。
図1及び図2に示すように、造形テーブル部支持部29,29は、X軸軸部31に対して水平方向に直交するY軸方向に沿って2本設けられており、両端部は下部フレーム部27,27に固定されている。造形テーブル部支持部29,29の長さ方向中央部の上面には、棒状に形成された軸受部42がX軸軸部31と平行に設けられている。
造形テーブル部支持部29,29には断面円形の軸状に形成された2本の造形テーブル部軸部43,43が固定されている。造形テーブル部軸部43は、X軸軸部31に水平方向に直交するY軸方向に沿って配設されており、長さ方向中央において造形テーブル部支持部29に固定されている。
図1及び図2に示すように、造形テーブル部17は、立体印刷物が形成される造形テーブル板部44と造形テーブル板部44の裏面から下方に向って突出する突出板部45とを備えている。突出板部45は、造形テーブル板部44のX軸軸部31に水平方向に直交するY軸方向において両端部に対向して設けられている。
図1及び図2に示すように、突出板部45,45には、造形テーブル部軸部43,43の外形よりもわずかに大きく形成された挿通孔部が形成され、造形テーブル部軸部43,43は突出板部45,45に形成された挿通孔部に挿通されて摺動可能に形成されている。従って造形テーブル部17は、造形テーブル部軸部43上をY軸方向に沿って移動可能に形成されている。
また、一方の造形テーブル部支持部29には、駆動歯車(図示せず)を備えた造形テーブル部移動モータ36が固定されており、造形テーブル部支持部29の長さ方向において対向する位置にアイドラー歯車(図示せず)が回転可能に設置されている。造形テーブル部移動モータ36はステッピングモータである。
前記駆動歯車及びアイドラー歯車(図示せず)は、1本のタイミングベルト(図示せず)が掛けられて、一体に動作するように形成されている。造形テーブル部17は、前記タイミングベルトに固定されることにより、造形テーブル部支持部29,29に沿って移動可能に設けられ、X軸軸部31に対して水平方向に直行するY軸方向に移動可能に配設されている。制御信号出力ケーブル33は、昇降モータ35、移動モータ(図示せず)、造形テーブル部移動モータ36に其々接続されている。
図1及び図2に示すように、原料フィラメント収納部18はフィラメントスプールにより形成され、円形のスプール部23と脚部24とを備え、スプール部23は脚部24に回動可能に固定されており、長尺の原料フィラメント25が巻き付けられて収容されている。本実施の形態においては、フィラメントスプール18は、印刷部本体13とは別体に形成されている。また、原料フィラメント25は熱可塑性ポリエーテルエステルエラストマーであり、直径1.75mm±0.1mm、ショアA硬度は87(ショアD硬度は30)である。
図1及び図2に示すように、印刷部12は、さらに原料フィラメント収容部18とヘッド部16との間にはヘッド部16へと供給される原料フィラメント25の搬送をガイドするガイド部19とを備えており、ガイド部19はチューブである。
図1及び図2に示すように、チューブ19の先端部20はヘッド部16に固定されていると共に、後端部21は印刷部本体13の非移動部である立設フレーム部28に固定され、全体が略逆U字状に湾曲して配設されており、原料フィラメント25は、チューブ19内に挿通されて搬送されるように形成されている。
図3に示すように、チューブ19は、ショアA硬度が63のオレフィン系エラストマーにより形成されたチューブ本体部22を有している。チューブ本体部22の内面には高密度ポリエチレン層55が形成されている。内部に挿通された原料フィラメント25と高密度ポリエチレン層55との間にはチューブ空隙部66が形成されている。
本実施の形態においては、高密度ポリエチレン層55は、厚さ寸法20μmに形成されている。チューブ19は、外径寸法5.7mm、内径寸法4mm、長さ寸法50cmに形成されている。
図4に示すように、ノズル部15は、金属製であり、円筒形状に形成されている。ヒーター部14は、熱電対であり略直方体に形成され、ノズル部15の直径寸法よりもやや大きい直径寸法に形成された装着用孔部が厚さ方向に貫通して設けられており、ヒーター部14は、装着用孔部にノズル部15を挿入するようにしてノズル部15の軸方向中央部位において、ネジ留めにより固定されている。ヘッド部16内部には、原料フィラメント25をノズル部15へ供給するプーリ部37が設けられている。
図4に示すように、ヘッド部16は側面略正方形状のヘッド部本体部56を有しており、プーリ部37はヘッド部本体部56に固定されており、ステッピングモータ(図示せず)により回転可能に形成されている。
ヘッド部16の上面部38には、チューブ19の先端部20を差込み固定することができる差込孔部39を備えている。本実施の形態においては、差込孔部39は、ヘッド部本体部56に回動可能に固定された爪部46の上面部38に形成されており、チューブ19の外形と略同一径寸法に形成されている。
図4に示すように、爪部46は側面略「へ」の字形状に形成され、長辺側が上面部38を形成している。差込孔部39は、爪部46の上下寸法の半分程度の深さまで形成されており、差込孔部39から爪部46下面にかけては、直径2mmの円筒形状の孔部51aが形成されて貫通している。
孔部51aには直径2mmのPTFEチューブからなる搬送ガイド47が挿入固定されており、搬送ガイド47はプーリ部37の1mm近傍に至るまで延設されている。
図4に示すように、爪部46は、短辺側の先端部50にはアイドラープーリ48を回動可能に有しており、アイドラープーリ48は、プーリ部37に隣接して配設され、アイドラープーリ48とプーリ部37とにより原料フィラメント25を左右から挟持して搬送するように配置されている。
爪部46は、頂点部52には、厚さ方向に貫通して形成された軸ボルト孔部49に挿通されるボルト(図示せず)を回転軸として回動可能に固定されており、長辺側の先端部53には、下面をヘッド部本体部56に支持されて長辺側の先端部53を上面部38側へ付勢するバネ54が設けられている。
プーリ部37とノズル部15の間には、直径2mmの孔部51bが貫通して設けられており、プーリ部37近傍からノズル部15までの原料フィラメント25の搬送をガイドするチューブからなるノズルガイド部41が孔部51b内に挿入されて高さ方向に沿って配設されている。
本実施の形態においては、ノズルガイド部41は、直径2mmのPTFEチューブであり、ノズルガイド部41の上端部57とプーリ部37との距離は1mmである。
ノートパソコン11より延設される制御信号出力ケーブル33は、ヒーター部14及びプーリ部37を駆動するステッピングモータ(図示せず)へ接続されている。
図4及び図5に示すように、本実施の形態に係る3次元印刷装置10は、ヘッド部16の上面部38に形成された差込孔部39にチューブ19の先端部20が差し込まれて固定されると共に、チューブ19の後端部21は、立設フレーム28に沿って固定されている。
本実施の形態においては、フィラメントスプール18側の立設フレーム部28には、高さ方向全体に亘って断面円形の係止孔部40が形成されており、係止孔部40は周方向の一部が外部と連通するように形成されている。チューブ19の後端部21は、係止孔部40に嵌入されることにより固定されており、立設フレームの上面部58から高さ方向中央付近まで嵌入されている。
図1及び図2に示すように、チューブ19は、立設フレームの上面部58からヘッド部16の上面部38にかけて略逆U字状に湾曲して形成されている。
以下、本実施の形態に係る3次元印刷装置10の作用について、図面を参照して詳細に説明する。
本実施の形態に係る3次元印刷装置10は、以上のような構成を備えていることから、利用する際には、図1及び図2に示すように、事前にノートパソコン11に、制御用ソフトウェアをインストールすると共に、フィラメントスプール18に原料フィラメント25を設置する。原料フィラメント25はチューブ19内方を通じてヘッド部16ノズル部15まで挿入される。
ノートパソコン11を起動して、目的とする立体造形物の3次元図面を設定すると共にヒーター部14の温度、印刷速度、印刷ピッチ等を入力する。前記制御用ソフトウェアによって立体造形物を製作するためのヘッド部16の動作が演算され、昇降モータ35、移動モータ(図示せず)、造形テーブル部移動モータ36、プーリ部37を回転させるステッピングモータ(図示せず)及びヒーター14への動作及び温度に関する制御信号が出力されることにより印刷が開始される。
以下、印刷の際のヘッド部16の動作について図面を用いて説明する。
図1及び図2に示すように、昇降モータ35,35を回転させることにより、昇降軸部32に形成されたネジ溝と、移動ユニット34に形成されたネジ山とが互いに摺動して移動ユニット34,34をZ軸軸部30に沿って移動させることができる。
続いて、一方の移動ユニット34に設けられた移動モータ(図示せず)を回転させることにより、駆動歯車(図示せず)が回転し、タイミングベルト(図示せず)が動作することにより、前記タイミングベルトに固定されているヘッド部16は、X軸軸部31に沿って移動させることができる。
さらに、造形テーブル部移動モータ36を回転させることにより、駆動歯車(図示せず)が回転し、タイミングベルト(図示せず)が動作することにより、前記タイミングベルトに固定されている造形テーブル部17は、X軸軸部31に水平方向に直交するY軸方向に沿って移動させることができる。
以上の動作を組合わせることにより、ヘッド部16は造形テーブル部17上を3次元方向に移動可能である。
以下、印刷の際の原料フィラメント25の搬送について図面を用いて説明する。
図4に示すように、原料フィラメント25はフィラメント樹脂の溶融温度以上に設定及び昇温されたヒーター部14において溶融される。プーリ部37はステッピングモータにより駆動され反時計周りに回転する。
図4に示すように、ヘッド部16内部のプーリ部37からノズル部15にかけての搬送は、プーリ部37の原料フィラメント25との当接点下方1mmの位置からノズルガイド部41によってガイドされており、プーリ部37からノズル部15に搬送される箇所にて原料フィラメント25が屈曲して詰まりを発生することを防止することができる。
また、ノズル部15への原料フィラメント25の供給の際、爪部46はバネ54により上面部38側に付勢されているため、軸ボルト孔部49に挿通される軸ボルトを回動軸として、アイドラープーリ48はプーリ部37側へと押圧される。
従って、プーリ部37は空回りせずに原料フィラメント25をノズル部15へと供給することができる。また、図1及び図2に示すように、フィラメントスプール18側においては、フィラメントスプール18が自由回転することにより、ノズル部15へと供給された分の原料フィラメント25が引き出される。
ヒーター14により加熱された溶融状態の原料フィラメント25は、造形テーブル部17上にノズル部15の下端部67より吐出される。その際、ヘッド部16と造形テーブル部17の3次元の動作により層状に立体印刷物が形成されていく。
図6(b)に示すように、チューブ本体部22は、ショアA硬度が63のオレフィン系エラストマーにより形成されていることから、印刷の際にヘッド部16の移動に柔軟に追従すると共に、ヘッド部16が立設フレーム28側に最も近くに位置した際にもチューブ19に屈曲が発生することを防止することができる。
また、図6(a)に示すように、チューブ19は、軟質フィラメントに近い柔軟性を備えるため、チューブ19とチューブ19内を挿通する原料フィラメント25との曲率半径の差の発生を抑制することができる。
曲率半径の差が小さいため、チューブ19内面に原料フィラメント25が接することがない又は強く接触することがない。従って、チューブ19内面と原料フィラメント25との接触による大きな摩擦抵抗を生じることはないため、原料フィラメント25は安定的に搬送及び供給される。
図3に示すように、チューブ本体部22の内面には高密度ポリエチレン層55が形成されていることから、チューブ19としては、チューブ本体部22の柔軟性を維持しながら、チューブ19の内面の滑り性を確保することができる。
また、チューブ19の外周面はオレフィン系エラストマーによって形成されていることから、グリップ性があり、チューブ19の先端部20をヘッド部16の差込孔部39に差込固定するのみであっても外れて脱落することを抑制することができる。
本願発明者は、本実施の形態に係る3次元印刷装置10を用いて印刷試験を行った。以下、印刷試験の詳細を説明する。
〈比較例〉
本実施の形態に係る3次元印刷装置10のガイド(チューブ)19について、従来より用いられているPTFE素材のチューブであり、ショアD硬度が50〜60、外径寸法5.5〜6mm、内径寸法4〜4.5mm、長さ寸法50cmを用いたものである。
〈実施例〉
本実施の形態に係る3次元印刷装置10のとおりの構成を備えているものである。
〈実験条件〉
ヒーター部14の設定温度:210〜220度
印刷速度:20〜50mm/s
印刷ピッチ:0.1または0.2mm
原料フィラメント25に用いた熱可塑性ポリエーテルエステルエラストマーは、直径1.75mm±0.1mm、ショアA硬度は87(ショアD硬度は30)の東レ・デュポン株式会社製のハイトレル(登録商標)を用いている。
連続印刷時間:印刷所要時間として30分〜2時間程度かかる立体印刷物を複数回に亘って印刷した。
〈結果〉
比較例における印刷試験では、複数回に亘って連続印刷を行ったが、連続印刷時間30分〜2時間にてPTFE素材のチューブ内において原料フィラメント25の供給不良が生じ、立体印刷物の印刷不良が発生することがあった。また、印刷途中のヘッド部16の移動により、チューブが差込孔部39から外れてしまい印刷不良が発生する事例があった。
また、印刷ピッチを0.1mmとして精度を上げた場合には、前記の印刷不良が発生する確率が高くなった。
実施例における印刷試験では、印刷所要時間として30分〜2時間程度かかる立体印刷物を100個以上印刷したが、差込孔部39からチューブ19が外れてしまう事例やチューブ19内方にて原料フィラメント25が摩擦により拘束され供給不良が発生するという事例の発生はなく、これに起因して成形不良となったものはなかった。
前記実施の形態においては、データ処理部は印刷部とは別体に設けられたノートパソコンである例を説明したが、これに限定されることはなく、印刷部に組み込まれて一体に形成されていても良い。
前記実施の形態においては、チューブ本体部はショアA硬度が63のものを使用したが、これに限定されることはなく、ショアD硬度が50未満の素材又はショアA硬度が90以下の素材であれば良い。
チューブ本体部は、原料フィラメントよりも外径が大きいことから、同じ硬度の場合、原料フィラメントの方が曲率半径が大きくなってしまう。従って、原料フィラメントとの曲率半径を近似させるためには、チューブ本体部を構成する素材のショアA硬度及びショアD硬度は、使用する原料フィラメントよりも一定割合小さいことが好ましい。特にショアA硬度80〜90の原料フィラメントに対しては、チューブ本体部はショアA硬度56〜63程度の素材から形成することが好ましい。
前記実施の形態においては、チューブの後端部は立設フレームに沿って配設された係止孔部に嵌入して固定する例を説明したが、これに限定されることはなく、例えば、チューブを通じることができる孔部と、上部、下部、立設の各フレーム部の面に対して係止可能な係止部又は接着可能な接着層部を有するガイド部材を用いて固定しても良い。
さらに、ガイド部材の孔部にチューブの湾曲を補助するため予め緩やかな湾曲を形成しておくことにより、例えば、チューブが各フレーム部の角に接触して屈曲してしまう事態を低減することができる。
本発明に係る3次元印刷装置は、より硬度の小さい樹脂やゴムの立体印刷物を製作することができ、製造販売することにより、物品の試作等において広く利用することができるため産業上利用可能性を有している。
10 3次元印刷装置
11 データ処理部(ノートパソコン)
12 印刷部
13 印刷部本体
14 ヒーター部
15 ノズル部
16 ヘッド部
17 造形テーブル部
18 原料フィラメント収容部(フィラメントスプール)
19 ガイド部(チューブ)
20 先端部
21 後端部
22 チューブ本体部
23 スプール部
24 脚部
25 原料フィラメント
26 上部フレーム部
27 下部フレーム部
28 立設フレーム部(非移動部)
29 造形テーブル部支持部
30 Z軸軸部
31 X軸軸部
32 昇降軸部
33 制御信号出力ケーブル
34 移動ユニット
35 昇降モータ
36 造形テーブル部移動モータ
37 プーリ部
38 上面部
39 差込孔部
40 係止孔部
41 ノズルガイド部
42 軸受部
43 造形テーブル部軸部
44 造形テーブル板部
45 突出板部
46 爪部
47 搬送ガイド
48 アイドラープーリ
49 軸ボルト孔部
50 短辺側の先端部
51a、51b 孔部
52 頂点部
53 長辺側の先端部
54 バネ
55 高密度ポリエチレン層
56 ヘッド部本体部
57 上端部
58 立設フレーム部の上面部
60 搬送チューブ
61 フィラメント
62 ヘッド部
63 屈曲部
64 強接点
65 枠部
66 チューブ空隙部
67 下端部

Claims (8)

  1. データ処理部と前記データ処理部より供給される制御信号に基づいて3次元印刷を行う印刷部とから構成され、
    前記印刷部は、印刷部本体と、前記印刷部本体に移動可能に設けられヒーター部及びノズル部を備えたヘッド部と、前記ノズル部より溶解された原料フィラメントが吐出されて印刷物が形成される造形テーブル部と、前記原料フィラメントを収容する原料フィラメント収容部と、前記原料フィラメント収容部と前記ヘッド部との間には前記ヘッド部へと供給される原料フィラメントの搬送をガイドするガイド部とを備えた熱溶解積層法(FDM)を利用した3次元印刷装置であって、
    前記ガイド部は、チューブであり、前記チューブの先端部は前記ヘッド部に固定されていると共に、後端部は前記印刷部本体の非移動部に固定され、全体が湾曲して配設されており、前記原料フィラメントは、前記チューブ内に挿通されて搬送されるように形成されており、
    前記チューブは、ショアD硬度が50未満の素材又はショアA硬度が90以下の素材により形成されたチューブ本体部を有し、前記チューブ本体部の内面には高密度ポリエチレン層又は超高密度ポリエチレン層が形成されていることを特徴とする3次元印刷装置。
  2. 前記チューブ本体部は、前記ショアA硬度が90以下の素材により形成され、ショアA硬度が90以下のポリオレフィン系エラストマーであることを特徴とする請求項1に記載の3次元印刷装置。
  3. 前記高密度ポリエチレン層又は超高密度ポリエチレン層は、厚さ寸法10μm〜100μmに形成されていることを特徴とする請求項1または2の何れか1項に記載の3次元印刷装置。
  4. 前記印刷部本体は、高さ方向に沿って配設されたZ軸軸部と、平面方向に沿って配設されたX軸軸部とを備え、前記X軸軸部は、前記Z軸軸部に沿って移動可能に配設されていると共に、前記ヘッド部は、前記X軸軸部に沿って移動可能に配設されており、前記造形テーブル部は、前記X軸軸部に対して平面方向に直行するY軸方向に移動可能に配設されていることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の3次元印刷装置。
  5. 前記印刷部本体は、上部フレーム部、下部フレーム部及び立設フレーム部により全体略直方体の枠状に形成されており、前記Z軸軸部の端部は、上部フレーム部及び下部フレーム部に其々固定されており、前記原料フィラメント収納部は前記印刷部本体とは別体に形成されたフィラメントスプールであることを特徴とする請求項4に記載の3次元印刷装置。
  6. 前記ヒーター部は、前記ノズル部の径方向外方に固定されて配設されており、前記ヘッド部内部には、前記原料フィラメントを前記ノズル部へ供給するプーリ部が設けられていることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の3次元印刷装置。
  7. 前記チューブは、全体略逆U字状に形成されていると共に、前記ヘッド部の上面部には、前記チューブの先端部を差込み固定することができる差込孔部を備え、前記差込孔部に前記チューブの先端部が差し込まれて固定されていることを特徴とする請求項1に記載の3次元印刷装置。
  8. 前記プーリ部と前記ノズル部の間には前記原料フィラメントの搬送をガイドするチューブからなるノズルガイド部が設けられていることを特徴とする請求項6に記載の3次元印刷装置。
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