JP2023023904A - ヒータ、レンズユニット、カメラモジュール、車載システム、移動体およびヒータ組み込み方法 - Google Patents

ヒータ、レンズユニット、カメラモジュール、車載システム、移動体およびヒータ組み込み方法 Download PDF

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Abstract

【課題】部品点数の増大および組み込み精度の低下を招くことなく容易な組み付けおよび高い電気的信頼性を確保できるヒータ、レンズユニット、カメラモジュール、車載システム、移動体およびヒータ組み込み方法を提供する。【解決手段】本発明のヒータ30は、レンズ間に配置され、給電により熱を発生させる環状体としての加熱部32と、電源側に電気的に接続されるコネクタ34と、コネクタ34と加熱部32とを電気的に接続するように延在して加熱部32に電力を供給する給電部36とを有し、加熱部32と給電部36とコネクタ34とが一体に形成されるとともに、加熱部32の環状体の一部が分断されている。【選択図】図2

Description

本発明は、特に自動車等の車両に搭載される車載カメラを構成し得るヒータ、レンズユニット、カメラモジュール、車載システム、車載システムを搭載した移動体およびヒータ組み込み方法に関する。
近年、自動車に車載カメラを搭載し、駐車をサポートしたり、画像認識により衝突防止を図ったりすることが行なわれており、さらにそれを自動運転に応用する試みもなされている。また、このような車載カメラのカメラモジュールは、一般に、複数のレンズが光軸に沿って並べられて成るレンズ群と、このレンズ群を収容保持する鏡筒と、レンズ群の少なくとも一個所のレンズ間に配置される絞り部材とを有するレンズユニットを備える(例えば、特許文献1参照)。
前記構成のレンズユニット(カメラモジュール)は、車載カメラに限らず、様々な光学機器で使用され得るが、とりわけ、寒冷地で外部環境に晒される場合には、レンズ表面の凍結やレンズへの着雪が想定し得るため、一般に融雪機能や防曇機能等を備えるようになっている。具体的には、そのようなレンズユニットは、例えば、図16の(a)に概略的に示されるように、鏡筒120内に収容保持されたレンズ群L(図16の(a)には、簡略化のため、レンズ群Lのうちの物体側の2つのレンズのみが示される)のうち最も物体側に位置されて鏡筒120から露出される(外部環境に晒される)第1のレンズ101を暖めるべく、第1のレンズ101の像側に面する表面101aと第1のレンズ101に像側で隣接する第2のレンズ102の物体側に面する表面102aとの間にヒータ130を介挿するようにしている。
このように鏡筒120内に組み込まれるヒータ130は、発生した熱を効率良く第1のレンズ101の表面に伝えることができる最も有効な加熱手段として広く用いられている。
特開2013-231993号公報
ところで、ヒータ130に対する給電は、電気的な配線を介して、一般的にはフレキシブルプリント回路基板(FPC)を介して行なわれる。そのため、ヒータ130は、例えば、図16の(b)に示されるように、レンズ101,102間に介挿される円環状のヒータ本体である加熱部130aと、加熱部130aから側方に延在するFPCから成る給電部130bとから構成され、給電部130bを通じた電力供給によって加熱部130aが発熱してレンズ101へ熱が伝えられるようになる。そして、給電部130bは、一般に、加熱部130aをレンズ101,102間に配置した後、鏡筒120の側面に設けられた引き出し孔120aを通じて鏡筒外部へと導出されて電源側に電気的に接続されるようになっている。
このようなヒータ130の給電部130bは、コネクタを介して電源側に電気的に接続されるが、電装部品の信頼性等の問題から、具体的には、電気的な接続不良を防止する観点から、ヒータ130をコネクタと一体化することが望ましい。すなわち、図17に示されるように、加熱部130aと、給電部130bと、コネクタ130cとが一体に形成されて成る一体型ヒータ130Aを構築することが望まれる。これにより、電気的な信頼性が高まるだけでなく、部品点数も抑えられることから、製造コストの低減にも寄与し得る。
しかしながら、そのような一体型ヒータ130Aは、特に自動車等の車両に搭載されるレンズユニットに設置されて車両側から電力供給を受ける場合には、コネクタ130cのサイズが大きくなる(時としてレンズユニットの大きさを上回る大きさになる)傾向があり、そのため、鏡筒120の側面に設けられた引き出し孔120aを通じて給電部130bと共にコネクタ130cを外部に導出することが難しく、一体型ヒータ130Aをレンズユニットに対してどのようにして組み込むかが問題となる。
これに関し、例えば、一体型ヒータ130Aを設置すべき位置付近で鏡筒120を2分割し、その分割状態で、加熱部130aをレンズ102,102間に設置して給電部130bおよびコネクタ130cを鏡筒120の外部に引き出した後、2分割した鏡筒部分同士を接続するようにするヒータ組み込み方法も考えられるが、その場合には、レンズユニットの部品点数が増えるだけでなく、組み込み精度等にも起因して、光学系やヒータの位置ずれが生じる可能性もあり、所望の光学性能が得られなかったり、融雪・防曇機能が十分に得られないといった問題が生じ得る。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、部品点数の増大および組み込み精度の低下を招くことなく容易な組み付けおよび高い電気的信頼性を確保できるヒータ、レンズユニット、カメラモジュール、車載システム、移動体およびヒータ組み込み方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明は、複数のレンズを鏡筒内に収容して成るレンズユニットに設置されて、給電により発生する熱を前記レンズに伝えるヒータであって、前記レンズ間に配置され、給電により熱を発生させる環状体としての加熱部と、電源側に電気的に接続されるコネクタと、前記コネクタと前記加熱部とを電気的に接続するように延在して前記加熱部に電力を供給する給電部とを有し、前記加熱部と前記給電部と前記コネクタとが一体に形成されるとともに、前記加熱部の環状体の一部が分断されていることを特徴とする。
このように、本発明の上記構成によれば、加熱部および給電部とコネクタとが一体に形成されている(一体型ヒータである)ため、電気的な接続不良等を防止でき、電気的な信頼性が高まるだけでなく、部品点数も抑えられることから、製造コストの低減にも寄与し得る。また、加熱部の環状体の一部が分断されているため、例えば鏡筒の側面に設けられた通孔から分断部を利用して加熱部をその環形状に沿って鏡筒内へ導入するなどして、加熱部を鏡筒の外側から内側へと容易に導入することが可能となる。これは、特に、自動車等の車両に搭載されるレンズユニットに設置されて車両側から電力供給を受ける場合にコネクタのサイズが大きくなる(とりわけ、コネクタのサイズがレンズユニットの大きさを上回る)ケースにおいて、従来のように鏡筒の通孔を通じて給電部と共にコネクタを鏡筒外部に導出することが難しい状況でも、一体型ヒータのレンズユニットに対する組み込みを容易にし得るという点で有益である。また、このように、本発明の上記構成によれば、鏡筒に通孔さえ形成すれば一体型ヒータを鏡筒内に外部から組み込めるため、わざわざ鏡筒を2分割してヒータを組み込む必要もなく、したがって、レンズユニットの部品点数の増大を招くことがなく、また、2分割した鏡筒部分同士の接続時に光学系やヒータの位置ずれ等が生じるといった事態(組み込み精度の低下)も回避でき、その結果、所望の光学性能を確保しつつ、ヒータによって十分な融雪・防曇機能を得ることができる。
なお、上記構成において、「分断」とは、環状体の一部が繋がっていない分離された状態を指し、例えば、単なるスリット(切れ目)、環形状に沿って所定の長さにわたって延在する(所定の幅で開口する)切り欠きなど、閉じられた環状体の内側と外側とを連通させる部分のことを言う。また、本発明において「一体に形成され」とは、機械的に破壊しなければ分離できない取り外し不能に接続された状態に形成されることを意味する。
また、上記構成において、加熱部は、その環状体の形状が特に限定されず、第1のレンズを効率的かつ効果的に加熱できる形状であれば、例えば円形、矩形など、どのような形状であっても構わない。また、加熱部としては、例えば、PTC(positive temperature coefficient)ヒータを挙げることもできる。また、上記構成において、給電部は、金属板や、電気配線、例えば、リード線によって形成されてもよく、あるいは、FPC(Flexible printed circuits)製の配線から成っていてもよい。この場合、給電部の電気抵抗は、加熱部よりも下げて給電部で発熱しないようにしなければならない。また、給電部と加熱部とを電気的に接続する場合には、導電性接着剤を用いてもよく、また、導電性接着剤として例えばACP(異方性導電性接着剤)を用いてもよい。ACPは、電極+-が近傍にある場合に押圧された部分のみ導通される特長があるため、製造プロセスを簡易化できるメリットがある。また、コネクタは、電源側に電気的に接続されるが、コネクタが接続される電源側としては、例えば、リチウム蓄電池、鉛蓄電池、全固体電池などが挙げられる。
また、本発明は、前述した課題を解決するために、複数のレンズを鏡筒内に収容して成るレンズユニットに設置されて、給電により発生する熱を前記レンズに伝えるヒータであって、電源側に電気的に接続されるコネクタと一体に形成される一対の第1および第2のヒータ部を有し、前記第1のヒータ部は、前記レンズ間に配置されて給電により熱を発生させる第1の加熱部と、前記コネクタと前記第1の加熱部とを電気的に接続するように延在して前記第1の加熱部に電力を供給する第1の給電部とを有し、前記第2のヒータ部は、前記レンズ間に配置されて給電により熱を発生させる第2の加熱部と、前記コネクタと前記第2の加熱部とを電気的に接続するように延在して前記第2の加熱部に電力を供給する第2の給電部とを有し、前記第1および第2の加熱部は、互いに対向して1つの環状体を形成することを特徴とする。
このように、本発明の上記構成によれば、加熱部および給電部とコネクタとが一体に形成されている(一体型ヒータである)ため、前述したように、電気的な信頼性が高く、部品点数を抑えて製造コストの低減に寄与できる。また、一体型ヒータが一対の第1および第2のヒータ部に分離され、各ヒータ部の加熱部が互いに対向して1つの環状体を形成するようになっていることから、例えば鏡筒の側面に設けられた通孔から環状体の単なる一部(環状体よりも小さい非環状部)を成す各ヒータ部の加熱部を個別に鏡筒内へ導入するなどして、加熱部を段階的に鏡筒の外側から内側へと容易に導入することが可能となる。したがって、前述したように、コネクタのサイズが大きい場合でも、一体型ヒータのレンズユニットに対する組み込みが容易となる。また、本発明の上記構成によれば、第1の加熱部と第2の加熱部とが協働して分断されない完全に閉じられた環状体を形成するため、十分な発熱量を確保して、レンズ全体にわたって加温分布(温度分布)を均一にできる。なお、上記構成において、一対の第1および第2のヒータ部は、対応するコネクタとそれぞれ個別に一体形成されてもよく、あるいは、共通のコネクタと一体に形成されてもよい。
また、本発明は、前述した課題を解決するために、複数のレンズを鏡筒内に収容して成るレンズユニットに設置されて、給電により発生する熱を前記レンズに伝えるヒータであって、前記レンズ間に配置され、給電により熱を発生させる環状体としての加熱部と、電源側に電気的に接続されるコネクタと、前記コネクタと前記加熱部とを電気的に接続するように前記環状体の中心線に沿って延在して前記加熱部に電力を供給する給電部とを有し、前記加熱部と前記給電部と前記コネクタとが一体に形成されるとともに、前記加熱部および前記給電部が前記環状体の中心線に沿って折り曲げ可能であることを特徴とする。
このように、本発明の上記構成によれば、加熱部および給電部とコネクタとが一体に形成されている(一体型ヒータである)ため、前述したように、電気的な信頼性が高く、部品点数を抑えて製造コストの低減に寄与できる。また、加熱部および給電部が環状体の中心線に沿って折り曲げ可能であるため、加熱部および給電部を環状体の中心線に沿って折り曲げた状態で、例えば鏡筒の側面に設けられた通孔から加熱部を鏡筒内へ導入するなどして、加熱部を鏡筒の外側から内側へと容易に導入することが可能となる。したがって、前述したように、コネクタのサイズが大きい場合でも、一体型ヒータのレンズユニットに対する組み込みが容易となる。また、本発明の上記構成によれば、加熱部が分断されることなく完全に閉じられた環状体を形成するため、十分な発熱量を確保して、レンズ全体にわたって加温分布(温度分布)を均一にできる。
また、このような折り曲げ可能な一体型ヒータにおいて、加熱部は、発熱体と、発熱体に電気的に接続される少なくとも一対の電極とを有し、電極間に電圧が印加されることにより発熱体に電流が流れてその表面でジュール熱を発生させてもよく、その場合、加熱部および給電部は、電極および発熱体が環状体の中心線に沿って分離されることにより折り曲げ可能であることが好ましい。これによれば、給電・発熱機能を損なうことなくヒータの容易な折り曲げを効果的に実現できる。
また、本発明は、前述のヒータを有するレンズユニット、レンズユニットを有するカメラモジュール、該カメラモジュールを有する車載システム、車載システムを搭載して成る移動体、および、ヒータ組み込み方法も提供する。このようなレンズユニット、カメラモジュール、車載システム、移動体、および、ヒータ組み込み方法によっても前述したヒータと同様の作用効果を得ることができる。なお、「移動体」とは、移動できる物体の全てを指し、例えば車両等を挙げることができる。
本発明によれば、一体型ヒータの加熱部の環状体の一部が分断されているため、または、一体型ヒータが一対の第1および第2のヒータ部に分離されて各ヒータ部の加熱部が互いに対向して1つの環状体を形成するようになっているため、あるいは、一体型ヒータの加熱部および給電部が加熱部の環状体の中心線に沿って折り曲げ可能であるため、部品点数の増大および組み込み精度の低下を招くことなくヒータの容易な組み付けおよび高い電気的信頼性を確保できる。
本発明の一実施の形態に係るレンズユニットの光軸方向に沿う概略縦断面図である。 図1のレンズユニットに組み込まれる第1の実施の形態に係る一体型ヒータの概略平面図である。 図2のA-A’線に沿う断面図である。 図1のレンズユニット内へ図3のヒータを組み込む組み込み方法の第1のステップを示すレンズユニットの光軸方向に沿う概略縦断面図である。 図1のレンズユニット内へ図3のヒータを組み込む組み込み方法の第2のステップを示すレンズユニットの光軸方向に沿う概略縦断面図である。 図1のレンズユニット内へ図3のヒータを組み込む組み込み方法の第3のステップを示すレンズユニットの光軸方向に沿う概略縦断面図である。 図1のレンズユニットの鏡筒の側面に設けられた通孔を通じて図2のヒータの加熱部を鏡筒内へ導入していく状態を示す模式的な横断面図である。 図1のレンズユニットを有するカメラモジュールの光軸方向に沿う概略縦断面図である。 図1のレンズユニットに組み込み可能な第2の実施の形態に係る一体型ヒータの概略平面図である。 図1のレンズユニットの鏡筒の側面に設けられた通孔を通じて図9のヒータの加熱部を鏡筒内へ導入していく状態を示す模式的な横断面図である。 図1のレンズユニットに組み込み可能な第3の実施の形態に係る一体型ヒータの概略平面図である。 図11のB-B’線に沿う断面図である。 図1のレンズユニットの鏡筒の側面に設けられた通孔を通じて図11のヒータの加熱部を鏡筒内へ導入していく状態を示す模式的な横断面図である。 本発明の一実施の形態に係るカメラモジュールを備える撮像システム(車載システム)が搭載される移動体としての車両の概略図である。 図14の撮像システムを構成する撮像装置の構成を示すブロック図である。 (a)は従来のヒータを伴うレンズユニットの部分的な概略断面図、(b)は従来のヒータの一例を示す平面図である。 従来の一体型ヒータの概略平面図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明するが、本実施の形態は、特にセンシングシステムにおいて信頼性の高いシステムを実現でき、強靭なインフラの開発に貢献するものであり、国連の提唱する持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)の「9.産業と技術革新の基盤をつくろう」の、「9.1 すべての人々に安価で公平なアクセスに重点を置いた経済発展と人間の福祉を支援するために、地域・越境インフラを含む質の高い、信頼でき、持続可能かつ強靭(レジリエント)なインフラを開発する。」をターゲットとするものである。
なお、以下で説明される本実施の形態のヒータが組み込まれるレンズユニットは、特に車載カメラ等のカメラモジュール用のものであり、例えば、自動車の外表面側に固定して設置され、配線は自動車内に引き込まれてディスプレイやその他の装置に接続される。また、前述した図16を含む全ての図において、レンズについてはハッチングを省略している。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るレンズユニット11を示している。図示のように、レンズユニット11は、円筒状の鏡筒(バレル)12と、鏡筒12の内側収容空間S内に配置される複数のレンズ、例えば、第1のレンズ13、第2のレンズ14、第3のレンズ15、第4のレンズ16、第5のレンズ17および第6のレンズ18から成る6つのレンズとを有する。この場合、第3のレンズ15はIRCF(赤外線カットフィルタ)20と共に中間環19によって支持されており、それにより、レンズとフィルタとがユニットとして一体化されたサブアセンブリ21が構成されている。また、第4のレンズ16および第5のレンズ17は互いに貼り合わされて成る貼り合わせレンズ24を構成しており、第2のレンズ14と第3のレンズ15との間には、絞り部材22Aと中間環23とが重ね合わされた状態で介挿されている。また、第5のレンズ17と第6のレンズ18との間にも絞り部材22Bが介挿されている。絞り部材22A,22Bは、透過光量を制限し、明るさの指標となるF値を決定する「開口絞り」またはゴーストの原因となる光線や収差の原因となる光線を遮光する「遮光絞り」である。このようなレンズユニット11を備える車載カメラは、レンズユニット11と、図示しないイメージセンサを有する基板と、当該基板を自動車等の車両に設置する図示しない設置部材とを備えるものである。
なお、本実施の形態では、外部に露出され得る第1のレンズ13がガラス製のレンズであり、それ以外の内側の第2~第6のレンズ14,15,16,17,18が全て樹脂(プラスチック)によって形成される樹脂レンズであるが、これに限定されない。また、これらのレンズ13,14,15,16,17,18を収容する鏡筒12は、本実施の形態では樹脂製であるが、金属製であっても構わない。また、鏡筒およびレンズの形状、レンズの数等については用途等に応じて任意に設定できる。
鏡筒12に固定されて支持されている複数のレンズ13,14,15,16,17,18は、それぞれの光軸を一致させた状態で配置されており、1つの光軸Oに沿って各レンズ13,14,15,16,17が並べられた状態となって、撮像に用いられる一群のレンズ群Lを構成している。また、これらのレンズ13,14,15,16,17、18の表面には、必要に応じて、反射防止膜、親水膜、撥水膜等が設けられる。
鏡筒12の物体側の端部(図1において上端部)には、当該端部を径方向内側に熱的にカシメてなるカシメ部25が設けられており、このカシメ部25によってレンズ群Lの最も物体側に位置される第1のレンズ13が鏡筒12の物体側の端部に固定されている。
また、鏡筒12の像側の端部(図1において下端部)には、第6のレンズ18よりも径の小さい開口部を有する内側フランジ部26が設けられている。この内側フランジ部26とカシメ部25とにより、鏡筒12内にレンズ群Lを構成する複数のレンズ13,14,15(サブアセンブリ21),16,17、18と中間環19,23と絞り部材22A,22Bとが保持されている。
最も物体側に位置される第1のレンズ13の外周面には、当該レンズ13の像側部分に径が小さくなった縮径部が設けられ、当該縮径部にシール部材としてのOリング27が設けられ、レンズ13の外周面と鏡筒12の内周面との間を、鏡筒12の物体側端部で封止した状態となっている。これにより、レンズユニット11の物体側の端部から鏡筒12内に水や塵埃等の微粒子が浸入するのを防止している。なお、第1のレンズ13と鏡筒12との間に介挿されるシール部材は、Oリングに限定されず、第1のレンズ13と鏡筒12との間をシールできる環状体であればどのような形態であっても構わない。なお、鏡筒12の外周面には、鏡筒12を車載カメラに設置する際に用いられる外側フランジ部29が鏡筒12の外周面に鍔状に設けられている。
また、本実施の形態において、鏡筒12内には、給電により発生する熱をレンズ群Lの最も物体側に位置される第1のレンズ13に伝えるためのヒータ30が配設されている。ヒータ30は、図2に明確に示されるように、給電によって熱を発生させる例えばPTC(positive temperature coefficient)ヒータ部としての加熱部32と、図示しない電源側に電気的に接続されるコネクタ34と、コネクタ34と加熱部32とを電気的に接続するように延在して加熱部32に電力を供給する給電部36とを有し、加熱部32と給電部36とコネクタ34とが一体に形成されて成る。なお、本実施の形態において、コネクタ34は、自動車等の車両に搭載されるレンズユニット11に設置されて車両側から電力供給を受けるようになっていることから、加熱部32と比べてかなり大きいサイズを有する(例えば、コネクタ34のサイズがレンズユニット11の大きさを上回る)。しかしながら、図2(後述する図9および図11においても同様)では、加熱部32および給電部36を主体に描く関係上、便宜的に、これらとほぼ同等のサイズでコネクタ34が描かれている。
加熱部32は、その物体側表面が鏡筒12から露出されて外部環境に晒される第1のレンズ13を暖めるべく、第1のレンズ13の像側の表面13aの形状にほぼ対応させて、一部が分断された円形の環状体として形成されるとともに、第1のレンズ13の像側に面する表面13aと第1のレンズ13に像側で隣接する第2のレンズ14の物体側に面する表面14aとの間に介挿されている。特に、本実施の形態において、加熱部32は、第2のレンズ14の物体側に面する表面14aの外周に形成された環状の溝14b内にレンズ14の有効径の範囲外で位置決めされている。
また、加熱部32は、その環状体の一部を分断する分断部39を有し、本実施の形態では、この分断部39は、加熱部32と給電部36との接続部位から所定の角度範囲にわたって環状体を開口させるように形成されて、環状体の内側と外側とを連通させている。しかしながら、分断部39は、このような形成形態に限定されず、環状体に沿う他の箇所に設けられてもよく、また、その開口幅も任意に設定できる(単なる切り込み状のスリットであってもよい)。
また、加熱部32は、図2のA-A’線に沿う断面として図3に示されるような積層構造を成している。具体的には、加熱部32は、環状に延びる基板40、例えばFPC(Flexible printed circuits)製の配線基板40と、この基板40上の径方向内側および径方向外側のそれぞれの所定位置に銅箔接着剤層41を介して配設された一対の環状に延びる電極42A,42Bと、電極42A,42B間で延在して電極42A,42Bに電気的に接続される発熱体43とを有する。この場合、本実施の形態では、第1の電極42Aが図示しない電源側の+極と電気的に接続され、第2の電極42Bが図示しない電源側の-極と電気的に接続され(無論、第1の電極42Aが-極で、第2の電極42Bが+極であってもよい)、いずれの電極42A,42Bも例えば銅箔メッキにより形成されている。また、発熱体43は、樹脂、例えばポリエチレン、エポキシ樹脂等によって形成されており、この発熱体43を外側から覆うようにカバーレイ接着剤層44を介して環状に延びるカバーレイ(例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)材から成る)45が銅箔接着剤層41上に積層形成されている。この場合、基板40の厚さは例えば0.05mmに設定され、電極42A,42Bの厚さは例えば0.038mmに設定され、発熱体43の厚さは例えば0.075mmに設定され、カバーレイ45の厚さは例えば0.075mmに設定される。
また、給電部36は、加熱部32の環状体の中心線O’に沿って延在しており、加熱部32から延びるFPC配線基板40と、基板40上に形成された一対の導電性の第1および第2の給電ライン48A,48Bと、これらを覆うカバーレイ45(カバーレイ接着剤層44を介して接着される)とを有する。この場合、第1の給電ライン48Aは、加熱部32の第1の電極42Aに電気的に接続されるとともに、図示しない電源側の+極と電気的に接続されるようにコネクタ34へと延びている。また、第2の給電ライン48Bは、加熱部32の第2の電極42Bに電気的に接続されるとともに、図示しない電源側の-極と電気的に接続されるようにコネクタ34へと延びている。また、給電部36は、鏡筒12内では、鏡筒12の内面に形成された案内溝12a内に位置決めされて光軸O方向に沿って案内されるとともに、鏡筒12の側面に設けられる通孔12bを通じて鏡筒12の外部へ導出され、鏡筒12の外部に位置されるコネクタ34に電気的に接続される。なお、鏡筒12が多角形の内面を有する場合には、円形断面のレンズと鏡筒12の内面との間に形成される隙間を通じて給電部36が光軸O方向に沿って鏡筒12内で案内されてもよい。
このような構成のヒータ30は、コネクタ34を例えば車体の電源側に電気的に接続した状態では、給電部36を通じて加熱部32の電極42A,42B間に電圧が印加され、電極42A,42B間で発熱体43を通じて電流が流れることによって発熱体43の表面でジュール熱が発生し、その熱がレンズ13に伝えられてレンズ13が暖められることになる。
次に、図1および図4~図7を参照して、コネクタ34が一体化されたヒータ30を鏡筒12(レンズユニット11)に対して外部から組み込む方法について説明する。
まず最初に、鏡筒12内に、第6のレンズ18、絞り部材22B、貼り合わせレンズ24を構成する第5のレンズ17および第4のレンズ16をこの順番で物体側から組み込んでいく。そして、この組み込み状態で、今度は、図7に示されるように、鏡筒12の側面に設けられた通孔12b(図1も参照)から、ヒータ30の環状の加熱部32を、その分断部39を利用してその環形状(円弧)に沿って鏡筒12内へ導入していく。具体的には、例えば、図7に破線で示される状態で、分断部39により形成される加熱部32の環状体の一端縁32aを通孔12bに挿通し、破線矢印で示されるように加熱部32を給電部36と共に回転させながら、加熱部32および給電部36が有する弾力性も利用しつつ、加熱部32を、実線で示されるような状態を経由して、その環形状(円弧)に沿って鏡筒12内へと徐々に導入し、最終的に加熱部32全体を鏡筒12内に挿入する。その後、給電部36の一部も通孔12bを通じて鏡筒12内へ引き込んで、弾力性を有する給電部36を折り曲げるようにして加熱部32を鏡筒12内で物体側へと引き込むとともに、鏡筒12内に引き込んだ給電部36を鏡筒12の内面に形成された案内溝12a内に位置させつつ光軸O方向に沿って案内して、鏡筒12内へのレンズ組み込み経路からヒータ30(加熱部32および給電部36)を退避させる。その退避状態で、今度は、鏡筒12内に、第3のレンズ15を含むサブアセンブリ21、中間環23、および、絞り部材22を組み込む。その状態が図4に示される。
次に、図4の状態(鏡筒12内へのレンズ組み込み経路から加熱部32および給電部36を退避させた状態)から、第2のレンズ(像側のレンズ)14を図5に示されるように鏡筒12内に組み込み、その後、図6に示されるように、組み込み完了した第2のレンズ14の物体側の表面14a上に加熱部32を給電部36との境界付近で折り曲げるようにして載置して、第2のレンズ14の表面14aの外周に形成された環状の溝14b内に加熱部32を位置決めする。そして、最終的に、第2のレンズ14上にOリング27が装着された第1のレンズ(他の物体側のレンズ)13を載置して、加熱部32をこれらのレンズ13,14間に位置させ、カシメ部23を径方向内側に熱カシメすることによって、第1のレンズ13を鏡筒12の物体側端部に固定する(図1の状態)。
なお、レンズ13,14間の位置で鏡筒12の側面に図1に破線で示されるような通孔12b’を形成できる場合には、前述した組み込み方法に代えて、第2のレンズ14を鏡筒12内に組み込んだ状態で、側方から通孔12b’を通じて加熱部32および給電部36をそのまま折り曲げることなく直線的に水平に鏡筒12内へ差し入れて第2のレンズ14上に位置決めする組み込み方法を採用できる。
また、図8は、以上のような構成を成すレンズユニット11を有する本実施の形態のカメラモジュール300の概略断面図である。図示のように、このカメラモジュール300は、ヒータ30が組み込まれた図1のレンズユニット11を含んで構成される。
カメラモジュール300は、外装部品である上ケース(カメラケース)301と、レンズユニット11を保持するマウント(台座)302とを備えている。また、カメラモジュール300は、シール部材303およびパッケージセンサ(撮像素子)304を備えている。
上ケース301は、鏡筒12の外周面12cに鍔状に設けられるフランジ部29に係合されるとともに、レンズユニット11の物体側の端部を露出させて他の部分を覆う部材である。マウント302は、上ケース301の内部に配置されており、レンズユニット11の雄ねじ11aと螺合する雌ねじ302aを有する。シール部材303は、上ケース301の内面とレンズユニット11の鏡筒12の外周面12cとの間に介挿された部材であり、上ケース301の内部の気密性を保持するための部材である。
パッケージセンサ304は、マウント302の内部に配置されており、かつ、レンズユニット11により形成される物体の像を受光する位置に配置されている。また、パッケージセンサ304は、外側に透明カバーを有し、その内部にCCDやCMOS等を備えており、レンズユニット11を通じて集光されて到達する光を電気信号に変換する。変換された電気信号は、カメラにより撮影された画像データの構成要素であるアナログデータやデジタルデータに変換される。
以上説明したように、本実施の形態によれば、ヒータ30が、加熱部32および給電部36とコネクタ34とが一体に形成されて成る一体型ヒータであるため、電気的な接続不良等を防止でき、電気的な信頼性が高まるだけでなく、部品点数も抑えられることから、製造コストの低減にも寄与し得る。また、加熱部32の環状体の一部が分断されているため、鏡筒12の側面に設けられた通孔12bから分断部39を利用して加熱部32をその環形状に沿って鏡筒12の外側から鏡筒12内へ容易に導入することが可能となる。これは、特に、本実施の形態のようにヒータ30が自動車等の車両に搭載されるレンズユニット11に設置されて車両側から電力供給を受ける場合にコネクタ34のサイズが大きくなる(とりわけ、コネクタ34のサイズがレンズユニット11の大きさを上回る)ケースにおいて有益である。また、本実施の形態によれば、このように、鏡筒12に通孔12bさえ形成すれば一体型ヒータ30を鏡筒12内に外部から組み込めるため、わざわざ鏡筒12を2分割してヒータ30を組み込む必要もなく、したがって、レンズユニット11の部品点数の増大を招くことがなく、また、2分割した鏡筒部分同士の接続時に光学系やヒータの位置ずれ等が生じるといった事態(組み込み精度の低下)も回避でき、その結果、所望の光学性能を確保しつつ、ヒータ30によって十分な融雪・防曇機能を得ることができる。
図9は、図1のレンズユニット11に組み込み可能な第2の実施の形態に係る一体型ヒータ30Aを示している。図示のように、本実施の形態に係る一体型ヒータ30Aは、電源側に電気的に接続される対応するコネクタ34A,34Bと一体に形成される一対の別個の第1および第2のヒータ部35A,35Bを有する。この場合、第1のヒータ部35Aは、レンズ13,14間に配置されて給電により熱を発生させる第1の加熱部32Aと、対応するコネクタ34Aと第1の加熱部32Aとを電気的に接続するように延在して第1の加熱部32Aに電力を供給する第1の給電部36Aとを有し、一方、第2のヒータ部35Bは、レンズ13,14間に配置されて給電により熱を発生させる第2の加熱部32Bと、対応するコネクタ34Bと第2の加熱部32Bとを電気的に接続するように延在して第2の加熱部32Bに電力を供給する第2の給電部36Bとを有しており、第1および第2の加熱部32A,32Bは、前述した第2のレンズ14の環状溝14b内に位置決めされた状態で互いに対向して1つの環状体を形成するようになっている。特に、本実施の形態では、各加熱部32A,32Bが半円形状を成している。
また、第1および第2の加熱部32A,32Bは、前述した第1の実施の形態と同様、図9のA-A’線に沿う断面として図3に示されるような積層構造を成している。すなわち、各加熱部32A,32Bは、半円状に延びる基板40、例えばFPC(Flexible printed circuits)製の配線基板40と、この基板40上の径方向内側および径方向外側のそれぞれの所定位置に銅箔接着剤層41を介して配設された一対の半円状に延びる電極42A,42Bと、電極42A,42B間で延在して電極42A,42Bに電気的に接続される発熱体43とを有する。この場合も、例えば、第1の電極42Aが図示しない電源側の+極と電気的に接続され、第2の電極42Bが図示しない電源側の-極と電気的に接続され、いずれの電極42A,42Bも例えば銅箔メッキにより形成されている。また、発熱体43を外側から覆うようにカバーレイ接着剤層44を介して半円状に延びるカバーレイ45が銅箔接着剤層41上に積層形成されている。
また、第1および第2の給電部36A,36Bはそれぞれ、対応する第1および第2の加熱部32A、32Bの一端から、加熱部32A,32Bが協働して形成する環状体の中心線O’に沿って延在しており、対応する加熱部32A,32Bから延びるFPC配線基板40と、基板40上に形成された一対の導電性の第1および第2の給電ライン48A,48Bと、これらを覆うカバーレイ45(カバーレイ接着剤層44を介して接着される)とを有する。この場合、第1の給電ライン48Aは、対応する加熱部32A,32Bの第1の電極42Aに電気的に接続されるとともに、図示しない電源側の+極と電気的に接続されるように対応するコネクタ34A,34Bへと延びている。また、第2の給電ライン48Bは、対応する加熱部32A,32Bの第2の電極42Bに電気的に接続されるとともに、図示しない電源側の-極と電気的に接続されるように対応するコネクタ34A,34Bへと延びている。また、各給電部36A,36Bは、鏡筒12内では、鏡筒12の内面に形成された案内溝12a内に位置決めされて光軸O方向に沿って案内されるとともに、鏡筒12の側面に設けられる通孔12bを通じて鏡筒12の外部へ導出され、鏡筒12の外部に位置される対応するコネクタ34A,34Bに電気的に接続される。
なお、本実施の形態では、第1および第2の給電部36A,36Bがそれぞれ対応する別個のコネクタ34A,34Bと一体に形成されるが、図9に破線で示されるように第1および第2の給電部36A,36Bが共通の1つのコネクタ34と一体に形成されても構わない。
このような構成のヒータ30Aを鏡筒12(レンズユニット11)に対して外部から組み込む場合には、前述した第1の実施の形態と同様、まず最初に、鏡筒12内に、第6のレンズ18、絞り部材22B、貼り合わせレンズ24を構成する第5のレンズ17および第4のレンズ16をこの順番で物体側から組み込んでいく。そして、この組み込み状態で、今度は、図10に示されるように、鏡筒12の側面に設けられた通孔12bから、第1および第2のヒータ部35A,35Bの第1および第2の加熱部32A,32Bを鏡筒12内へ個別に導入していく。その後、第1および第2の給電部36A,36Bの一部も通孔12bを通じて鏡筒12内へ引き込んで、2本のヒータ部35A,35Bが鏡筒12内に並列状態で引き込まれた前述した図4の状態と同様の状態に至らせる。その後、第2のレンズ(像側のレンズ)14を図5に示されるように鏡筒12内に組み込んだ後、組み込み完了した第2のレンズ14の物体側の表面14a上に第1および第2の加熱部32A,32Bを給電部36との境界付近で折り曲げるようにして載置して、第2のレンズ14の表面14aの外周に形成された環状溝14b内に環状体を形成するべく対向状態で加熱部32A,32Bを位置決めする。そして、最終的に、第2のレンズ14上にOリング27が装着された第1のレンズ(他の物体側のレンズ)13を載置して、加熱部32A,32Bをこれらのレンズ13,14間に位置させ、カシメ部23を径方向内側に熱カシメすることによって、第1のレンズ13を鏡筒12の物体側端部に固定する(図1の状態)。
以上説明したように、本実施の形態によれば、前述した第1の実施の形態と同様の作用効果を得ることができるとともに、第1の加熱部32Aと第2の加熱部32Bとが協働して分断されない完全に閉じられた環状体を形成するため、十分な発熱量を確保して、レンズ全体にわたって加温分布(温度分布)を均一にできる。
図11は、図1のレンズユニット11に組み込み可能な第3の実施の形態に係る一体型ヒータ30Bを示している。図示のように、本実施の形態に係る一体型ヒータ30Bは、レンズ13,14間に配置されて給電により熱を発生させる環状体としての加熱部32と、電源側に電気的に接続されるコネクタ34と、コネクタ34と加熱部32とを電気的に接続するように環状体の中心線O’に沿って延在して加熱部32に電力を供給する給電部36とを有し、加熱部32と給電部36とコネクタ34とが一体に形成されて成る。
また、本実施の形態の一体型ヒータ30Bは、加熱部32の環状体の中心線O’に沿って分離領域50A,50Bが形成されることによって加熱部32および給電部36が中心線O’に沿って折り曲げ可能になっている。具体的には、中心線O’に沿って径方向で対向して加熱部32に形成された一対の分離領域50Aによって加熱部32が第1の加熱領域32A’と第2の加熱領域32B’とに分離され、また、中心線O’に沿って直線的に延びるように給電部36に形成された分離領域50Bによって給電部36が第1の給電領域36A’と第2の給電領域36B’とに分離されている。
第1および第2の加熱領域32A’,32B’はそれぞれ、前述した第1の実施の形態と同様、図11のA-A’線に沿う断面として図3に示されるような積層構造を成している。すなわち、各加熱領域32A’,32B’は、これらの2つの加熱領域32A’,32B’に跨って全体的に環状に連続して延在する2つの領域に共通の基板40、例えばFPC(Flexible printed circuits)製の配線基板40と、この基板40上の径方向内側および径方向外側のそれぞれの所定位置に銅箔接着剤層41を介して配設された一対の半円状に延びる電極42A,42Bと、電極42A,42B間で延在して電極42A,42Bに電気的に接続される発熱体43とを個別に有する。この場合も、各加熱領域32A’,32B’の第1の電極42Aが図示しない電源側の+極と電気的に接続され、また、各加熱領域32A’,32B’の第2の電極42Bが図示しない電源側の-極と電気的に接続され、いずれの電極42A,42Bも例えば銅箔メッキにより形成されている。また、発熱体43を外側から覆うようにカバーレイ接着剤層44を介してカバーレイ45が銅箔接着剤層41上に積層形成されている。このカバーレイ45は、第1の加熱領域32A’と第2の加熱領域32B’とにわたって全体的に環状に連続して延在している。
また、加熱部32を第1の加熱領域32A’と第2の加熱領域32B’とに分離する分離領域50Aでは、電極42A,42Bおよび発熱体43並びに銅箔接着剤層41が第1の加熱領域32A’と第2の加熱領域32B’との間で分離されることによって図12(分離領域50Aにおける図11のB-B’線に沿う断面図)に示されるように基板41およびカバーレイ接着剤層44並びにカバーレイ45のみとなっており、それにより、可撓性が増して加熱部32の環状体の中心線O’に沿って折り曲げ可能となっている。
また、第1および第2の給電領域36A’,36B’はそれぞれ、対応する第1および第2の加熱領域32A’、32B’の一端から、加熱部32の環状体の中心線O’に沿って延在しており、加熱部32から延びて2つの領域に共通のFPC配線基板40上に一対の導電性の第1および第2の給電ライン48A,48Bを個別に有して成る。この場合、給電ライン48A,48Bはカバーレイ接着剤層44を介してカバーレイ45によって覆われており、カバーレイ45は2つの給電領域36A’,36B’に跨って連続的に延在している。
各給電領域36A’,36B’の第1の給電ライン48Aは、対応する加熱領域32A’,32B’の第1の電極42Aに電気的に接続されるとともに、図示しない電源側の+極と電気的に接続されるようにコネクタ34へと延びている。また、各給電領域36A’,36B’の第2の給電ライン48Bは、対応する加熱領域32A’,32B’の第2の電極42Bに電気的に接続されるとともに、図示しない電源側の-極と電気的に接続されるようにコネクタ34へと延びている。
給電部36を第1の給電領域36A’と第2の給電領域36B’とに分離する分離領域50Bは、第1の給電領域36A’の給電ライン48A,48Bと第2の給電領域36B’の給電ライン48A,48Bとを加熱部32の環状体の中心線O’を境に左右に分離することによって加熱部32の分離領域50Aと同様に基板41およびカバーレイ接着剤層44並びにカバーレイ45のみとなっており、それにより、可撓性が増して加熱部32の環状体の中心線O’に沿って折り曲げ可能となっている。
このような構成のヒータ30Bを鏡筒12(レンズユニット11)に対して外部から組み込む場合には、前述した第1の実施の形態と同様、まず最初に、鏡筒12内に、第6のレンズ18、絞り部材22B、貼り合わせレンズ24を構成する第5のレンズ17および第4のレンズ16をこの順番で物体側から組み込んでいく。そして、この組み込み状態で、今度は、図13に示されるように、加熱部32および給電部36を環状体の中心線O’に沿って折り曲げた状態で、鏡筒12の側面に設けられた通孔12bから、加熱部32を鏡筒12内へ導入していく。その後、給電部36の一部も通孔12bを通じて鏡筒12内へ引き込んで、
加熱部32および給電部36を元の状態(図11に示される展開状態)まで展開させて、前述した図4の状態に至らせる。その後、第2のレンズ(像側のレンズ)14を図5に示されるように鏡筒12内に組み込んだ後、組み込み完了した第2のレンズ14の物体側の表面14a上に加熱部32を給電部36との境界付近で折り曲げるようにして載置して第2のレンズ14の表面14aの外周に形成された環状溝14b内に位置決めする。そして、最終的に、第2のレンズ14上にOリング27が装着された第1のレンズ(他の物体側のレンズ)13を載置して、加熱部32をこれらのレンズ13,14間に位置させ、カシメ部23を径方向内側に熱カシメすることによって、第1のレンズ13を鏡筒12の物体側端部に固定する(図1の状態)。
以上説明したように、本実施の形態によれば、前述した第1の実施の形態と同様の作用効果を得ることができるとともに、加熱部32が分断されることなく完全に閉じられた環状体を形成するため、十分な発熱量を確保して、レンズ全体にわたって加温分布(温度分布)を均一にできる。
図14には、図8のカメラモジュール300を含む撮像装置250を備える車載システム(撮像システム)が搭載される移動体としての車両240が概略的に示されている。図示のように、撮像装置250は車両240に搭載することができ、図14は、車両240における撮像装置250の搭載位置を例示する配置例である。車両240に搭載される撮像装置250は、車載カメラと呼ぶこともでき、車両240の種々の場所に設置することができる。例えば、第1の撮像装置250aは、車両240が走行する際の前方を監視するカメラとして、フロントバンパーまたはその近傍に配置されてもよい。また、前方を監視する第2の撮像装置250bは、車両240の車室内のルームミラー(Inner Rearview Mirror)の近傍に配置されてもよい。第3の撮像装置250cは、運転者の運転状況を監視するカメラとしてダッシュボード上またはインスツルメントパネル内等に配置されてもよい。第4の撮像装置250dは、車両240の後方モニター用に車両240の後部に設置されてもよい。撮像装置250a、250bはフロントカメラと呼ぶことができる。第3の撮像装置250cは、インカメラと呼ぶことができる。第4の撮像装置250dはリアカメラと呼ぶことができる。撮像装置250は、これらに限られず、左後ろ側方を撮像する左サイドカメラおよび右後ろ側方を撮像する右サイドカメラ等、種々の位置に設置される撮像装置を含む。
撮像装置250により撮像された画像の画像信号は、車両240内の情報処理装置(制御部)242および/または表示装置(出力装置)243等に出力され得る。これらの情報処理装置242および表示装置243は、撮像装置250と共に車載システムを構成する。車両240内の情報処理装置242は、撮像装置250により取得される画像信号(撮像画像)を処理し、画像を認識(撮像画像の中の対象物を認識)して運転者の運転を支援する装置を含む。また、情報処理装置242は、撮像画像の中の対象物の認識情報を表示装置243に出力するように構成され、例えば、ナビゲーション装置、衝突被害軽減ブレーキ装置、車間距離制御装置、および、車線逸脱警報装置等を含むが、これらに限定されない。表示装置243は、情報処理装置242により処理されて出力される画像を表示するが、撮像装置250から直接に画像信号を受信することもできる。また、表示装置243は、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ、および、無機ELディスプレイを採用し得るが、これらに限定されない。表示装置243は、リアカメラ等の運転者から視認しづらい位置の画像を撮像する撮像装置250から出力された画像信号を、運転者に対して表示することができる(乗員への情報を出力できる)。
図15には、図14の車載システムを構成する撮像装置の構成が示される。図示のように、一実施の形態に係る撮像装置250は、制御部252と、記憶部254と、前述した図8のカメラモジュール300を備える。
制御部252は、カメラモジュール300を制御するとともに、カメラモジュール80の撮像素子304から出力される電気信号を処理する。この制御部252は例えばプロセッサとして構成されてもよい。また、制御部252は1つ以上のプロセッサを含んでもよい。プロセッサは、特定のプログラムを読み込ませて特定の機能を実行する汎用のプロセッサ、および、特定の処理に特化した専用のプロセッサを含んでもよい。専用のプロセッサは、特定用途向けIC(Integrated Circuit)を含んでもよい。特定用途向けICは、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)とも称される。プロセッサは、プログラマブルロジックデバイスを含んでもよい。プログラマブルロジックデバイスは、PLD(Programmable Logic Device)とも称される。PLDは、FPGA(Field-Programmable Gate Array)を含んでもよい。制御部252は、1つ以上のプロセッサが協働するSoC(System-on-a-Chip)、および、SiP(System In a Package)のいずれかであってもよい。また、制御部252は、前述した情報処理装置242と同様の機能を有してもよく、例えば、撮像素子304から出力される撮像画像を処理して、前記撮像画像の中の対象物の認識を行なってもよい。
記憶部254は、撮像装置250の動作に係る各種情報またはパラメータを記憶する。記憶部254は、例えば半導体メモリ等で構成されてもよい。記憶部254は、制御部252のワークメモリとして機能してもよい。記憶部254は、撮像画像を記憶してもよい。記憶部254は、制御部252が撮像画像に基づく検出処理を行なうための各種パラメータ等を記憶してもよい。記憶部254は制御部252に含まれてもよい。
前述したように、カメラモジュール300は、レンズユニット11を介して結像する被写体像を撮像素子304で撮像し、撮像した画像を出力する。カメラモジュール300で撮像された画像は、撮像画像とも称される。
撮像素子304は、例えば、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサまたはCCD(Charge Coupled Device)等で構成されてよい。撮像素子304は、複数の画素が並ぶ撮像面を有する。各画素は、入射した光量に応じて電流または電圧で特定される信号を出力する。各画素が出力する信号は、撮像データとも称される。
撮像データは、全ての画素についてカメラモジュール300で読み出され、撮像画像として制御部252に取り込まれてもよい。全ての画素について読み出された撮像画像は、最大撮像画像とも称される。撮像データは、一部の画素についてカメラモジュール300で読み出され、撮像画像として取り込まれてもよい。言い換えれば、撮像データは、所定の取り込み範囲の画素から読み出されてもよい。所定の取り込み範囲の画素から読み出された撮像データは、撮像画像として取り込まれてもよい。所定の取り込み範囲は、制御部252によって設定されてもよい。カメラモジュール300は、制御部252から所定の取り込み範囲を取得してもよい。撮像素子304は、レンズユニット11を介して結像する被写体像のうち所定の取り込み範囲の画像を撮像してもよい。
以上、本発明を様々な実施の形態と関連して説明してきたが、本発明は、前述した実施の形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。例えば、本発明において、レンズ、鏡筒などの形状は、前述した実施の形態の形状に限定されない。また、ヒータの設置個所や数も限定されない。さらに、ヒータを挿通するために鏡筒に設けられる通孔の位置や数も限定されない。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、前述した実施の形態の一部または全部を組み合わせてもよく、あるいは、前述した実施の形態のうちの1つから構成の一部が省かれてもよい。
11 レンズユニット
12 鏡筒
13 第1のレンズ(物体側のレンズ)
14 第2のレンズ(像側のレンズ)
30 ヒータ
32 加熱部
32A 第1の加熱部
32B 第2の加熱部
34 コネクタ
35A 第1のヒータ部
35B 第2のヒータ部
36 給電部
36A 第1の給電部
36B 第2の給電部
39 分断部
42A,42B 電極
43 発熱体
300 カメラモジュール
240 車両(移動体)
L レンズ群
O 光軸

Claims (11)

  1. 複数のレンズを鏡筒内に収容して成るレンズユニットに設置されて、給電により発生する熱を前記レンズに伝えるヒータであって、
    前記レンズ間に配置され、給電により熱を発生させる環状体としての加熱部と、
    電源側に電気的に接続されるコネクタと、
    前記コネクタと前記加熱部とを電気的に接続するように延在して前記加熱部に電力を供給する給電部と、
    を有し、
    前記加熱部と前記給電部と前記コネクタとが一体に形成されるとともに、前記加熱部の環状体の一部が分断されていることを特徴とするヒータ。
  2. 複数のレンズを鏡筒内に収容して成るレンズユニットに設置されて、給電により発生する熱を前記レンズに伝えるヒータであって、
    電源側に電気的に接続されるコネクタと一体に形成される一対の第1および第2のヒータ部を有し、
    前記第1のヒータ部は、前記レンズ間に配置されて給電により熱を発生させる第1の加熱部と、前記コネクタと前記第1の加熱部とを電気的に接続するように延在して前記第1の加熱部に電力を供給する第1の給電部とを有し、
    前記第2のヒータ部は、前記レンズ間に配置されて給電により熱を発生させる第2の加熱部と、前記コネクタと前記第2の加熱部とを電気的に接続するように延在して前記第2の加熱部に電力を供給する第2の給電部とを有し、
    前記第1および第2の加熱部は、互いに対向して1つの環状体を形成することを特徴とするヒータ。
  3. 複数のレンズを鏡筒内に収容して成るレンズユニットに設置されて、給電により発生する熱を前記レンズに伝えるヒータであって、
    前記レンズ間に配置され、給電により熱を発生させる環状体としての加熱部と、
    電源側に電気的に接続されるコネクタと、
    前記コネクタと前記加熱部とを電気的に接続するように前記環状体の中心線に沿って延在して前記加熱部に電力を供給する給電部と、
    を有し、
    前記加熱部と前記給電部と前記コネクタとが一体に形成されるとともに、前記加熱部および前記給電部が前記環状体の中心線に沿って折り曲げ可能であることを特徴とするヒータ。
  4. 前記加熱部は、発熱体と、前記発熱体に電気的に接続される少なくとも一対の電極とを有し、前記電極間に電圧が印加されることにより前記発熱体に電流が流れてその表面でジュール熱を発生させ、
    前記加熱部および前記給電部は、前記電極および前記発熱体が前記環状体の中心線に沿って分離されることにより折り曲げ可能であることを特徴とする請求項3に記載のヒータ。
  5. 複数のレンズが当該レンズの光軸に沿って並べられて成るレンズ群と、このレンズ群が収容される鏡筒と、給電により発生する熱を前記レンズに伝えるヒータとを備えるレンズユニットであって、
    前記ヒータが請求項1から4のいずれか一項に記載のヒータであり、前記鏡筒は、その内部へ前記ヒータの前記加熱部を導入するための通孔を有することを特徴とするレンズユニット。
  6. 請求項5に記載のレンズユニットと、前記レンズユニットの前記レンズ群を通じて集光される光を電気信号に変換する撮像素子とを備えることを特徴とするカメラモジュール。
  7. 車両に搭載される車載システムであって、
    請求項6に記載のカメラモジュールと、
    前記カメラモジュールの前記撮像素子から出力される撮像画像を処理して、前記撮像画像の中の対象物の認識を行なう制御部と、
    を有することを特徴する車載システム。
  8. 請求項7に記載の車載システムと乗員への情報を出力する出力装置とを搭載した移動体であって、
    前記制御部は、前記対象物の認識情報を前記出力装置に出力するように構成されていることを特徴とする移動体。
  9. 複数のレンズが当該レンズの光軸に沿って並べられたレンズ群を鏡筒内に収容して成るレンズユニットに対して、コネクタが一体に形成されて成るヒータを組み込む方法であって、
    給電により熱を発生させる環状体としての加熱部と、電源側に電気的に接続されるコネクタと、前記コネクタと前記加熱部とを電気的に接続するように延在して前記加熱部に電力を供給する給電部とが一体に形成されて成り、前記加熱部の環状体の一部を分断する分断部を有するヒータを用意するステップと、
    前記鏡筒の側面に設けられた通孔から前記分断部を利用して前記加熱部をその環形状に沿って前記鏡筒内へ導入していくステップと、
    前記給電部が前記通孔に挿通されるように前記加熱部を前記鏡筒内へ引き込んで前記レンズ群を構成する像側のレンズ上に位置決め配置するステップと、
    前記像側のレンズ上に他の物体側のレンズを載置して前記加熱部をこれらのレンズ間に位置させるステップと、
    を含むことを特徴とする方法。
  10. 複数のレンズが当該レンズの光軸に沿って並べられたレンズ群を鏡筒内に収容して成るレンズユニットに対して、コネクタが一体に形成されて成るヒータを組み込む方法であって、
    電源側に電気的に接続されるコネクタと一体に形成される一対の第1および第2のヒータ部を有するとともに、前記第1のヒータ部が、前記レンズ間に配置されて給電により熱を発生させる第1の加熱部と、前記コネクタと前記第1の加熱部とを電気的に接続するように延在して前記第1の加熱部に電力を供給する第1の給電部とを有し、前記第2のヒータ部が、前記レンズ間に配置されて給電により熱を発生させる第2の加熱部と、前記コネクタと前記第2の加熱部とを電気的に接続するように延在して前記第2の加熱部に電力を供給する第2の給電部とを有し、前記第1および第2の加熱部が、互いに対向して1つの環状体を形成する、ヒータを用意するステップと、
    前記鏡筒の側面に設けられた通孔から前記第1および第2の加熱部を前記鏡筒内へ個別に導入していくステップと、
    前記第1および第2の給電部が前記通孔に挿通されるように前記第1および第2の加熱部を前記鏡筒内へ引き込んで前記レンズ群を構成する像側のレンズ上に前記環状体を形成するべく対向状態で位置決め配置するステップと、
    前記像側のレンズ上に他の物体側のレンズを載置して前記第1および第2の加熱部をこれらのレンズ間に位置させるステップと、
    を含むことを特徴とする方法。
  11. 複数のレンズが当該レンズの光軸に沿って並べられたレンズ群を鏡筒内に収容して成るレンズユニットに対して、コネクタが一体に形成されて成るヒータを組み込む方法であって、
    給電により熱を発生させる環状体としての加熱部と、電源側に電気的に接続されるコネクタと、前記コネクタと前記加熱部とを電気的に接続するように前記環状体の中心線に沿って延在して前記加熱部に電力を供給する給電部とが一体に形成されて成り、前記加熱部および前記給電部が前記環状体の中心線に沿って折り曲げ可能であるヒータを用意するステップと、
    前記加熱部および前記給電部を前記環状体の中心線に沿って折り曲げた状態で、前記鏡筒の側面に設けられた通孔から前記加熱部を前記鏡筒内へ導入していくステップと、
    前記給電部が前記通孔に挿通されるように前記加熱部を前記鏡筒内へ引き込みつつ、前記加熱部および前記給電部を元の状態まで展開させて、前記レンズ群を構成する像側のレンズ上に前記加熱部を位置決め配置するステップと、
    前記像側のレンズ上に他の物体側のレンズを載置して前記加熱部をこれらのレンズ間に位置させるステップと、
    を含むことを特徴とする方法。
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