JP2024011142A - レンズユニット、カメラモジュール、撮像システムおよび移動体 - Google Patents

レンズユニット、カメラモジュール、撮像システムおよび移動体 Download PDF

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【課題】鏡筒の像側の開口部の内径が従来に比して大きくなっても、従来と等しい大きさの光学フィルタを取り付けることができるレンズユニット、カメラモジュール、撮像システムおよび移動体提供する。【解決手段】レンズユニット11は、複数のレンズ13~17が光軸に沿って並べられたレンズ群Lと、このレンズ群を収容保持する鏡筒12とを有し、最も像側に位置する最像側レンズ17の直径より鏡筒12の像側の開口部の内径が大きくなっており、最像側レンズ17に光学フィルタ35が取り付けられている。【選択図】図1

Description

本発明は、特に自動車等の車両に搭載される車載カメラを構成するレンズユニット、カメラモジュール、撮像システムおよび撮像システムを搭載した移動体に関する。
従来から、自動車に車載カメラを搭載し、駐車をサポートしたり、画像認識により衝突防止を図ったりすることが行なわれており、さらにそれを自動運転に応用する試みもなされている。また、このような車載カメラ等のカメラモジュールは、一般に、複数のレンズが光軸に沿って並べられて成るレンズ群と、このレンズ群を収容保持する鏡筒(バレル)と、レンズ群の少なくとも一個所のレンズ間に配置される絞り部材とを有するレンズユニットを備える(例えば、特許文献1参照)。
特開2013-231993号公報
ところで、レンズユニットにおいて、使用しない赤外波長の光をセンサーに入れないため、IRCF(赤外線カットフィルタ)を鏡筒の像側最後部に接着することもある。例えば図7に示すレンズユニット1のように、鏡筒2に、物体側(図において上側)から順に複数(例えば6枚)のレンズL1~L6が挿入されることでレンズユニットが構成されている場合、鏡筒2の像側の端面にIRCF33を接着している。
しかし、鏡筒2の像側の開口部の径(内径)が大きくなると、図7に示すような、IRCF33の鏡筒径方向における長さが、鏡筒2の像側の開口部の内径より小さくなる場合があり、この場合、IRCF33を鏡筒2の像側の端面に接着することができない。IRCF33を鏡筒2の像側の端面に接着するには、IRCF33を大型(大径)にせざるを得ず、コスト高になるという問題がある。
また、物体側の端部と像側の端部との間に、光軸と直交する中間壁が設けられた鏡筒では、中間壁より物体側において、鏡筒の物体側端部からレンズが挿入され、中間壁より像側において、鏡筒の像側端部からレンズが挿入されることになる。この場合、鏡筒の像側の開口部の径(内径)が大きくなりがちであるため、上記と同様に、IRCFを鏡筒の像側の端面に接着するには、IRCFを大型(大径)にせざるを得ず、コスト高になるという問題がある。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、鏡筒の像側の開口部の内径が従来に比して大きくなっても、従来と等しい大きさのIRCF(赤外線カットフィルタ)等の光学フィルタを取り付けることができるレンズユニット、カメラモジュール、撮像システムおよび移動体提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明のレンズユニットは、複数のレンズが光軸に沿って並べられたレンズ群と、このレンズ群を収容保持する鏡筒とを有するレンズユニットにおいて、
最も像側に位置する最像側レンズの直径より前記鏡筒の像側の開口部の内径が大きくなっており、
前記最像側レンズに光学フィルタが取り付けられていることを特徴とする。
ここで、光学フィルタとしては、IRCF(赤外線カットフィルタ)が挙げられるが、可視光フィルタ、可視光および赤外光透過用バンドパスフィルタ等の他の光学フィルタであってもよい。
また、最像側レンズに光学フィルタを取り付ける場合、例えば、当該最像側レンズの像側を向く面に、最像側レンズのレンズ面を覆うようにして、光学フィルタを接着剤等によって貼り付けるのが好ましい。
本発明においては、最像側レンズの直径より鏡筒の像側の開口部の内径が大きくなっているが、最像側レンズに光学フィルタが取り付けられているので、従来と等しい大きさのIRCF(赤外線カットフィルタ)等の光学フィルタを取り付けることができる。
また、本発明の前記構成において、前記鏡筒の物体側の端部と像側の端部との間に、光軸と直交する中間壁が設けられており、
前記中間壁より物体側において、前記鏡筒の物体側端部からレンズが挿入され、前記中間壁より像側において、前記鏡筒の像側端部からレンズが挿入され、
前記中間壁より像側に位置する前記鏡筒の内周面の内径は、前記中間壁より像側に配置されるレンズの直径より大きくなっていてもよい。
このような構成によれば、中間壁が設けられた鏡筒において、中間壁より像側に位置する鏡筒の内周面の内径が、中間壁より像側に配置されるレンズの直径より大きくなっているので、当該レンズを中間壁より像側の鏡筒に容易に配置できる。
また、本発明の前記構成において、前記最像側レンズの像側を向く面に、前記最像側レンズのレンズ面より径方向外側において、前記光学フィルタが取り付けられる取付面が設けられ、当該取付面に前記光学フィルタの外縁部が取り付けられていてもよい。
このような構成によれば、最像側レンズの像側を向く面に、取付面が設けられているので、当該取付面に光学フィルタの外縁部を取り付けることによって、最像側レンズに容易に光学フィルタを取り付けることができる。
また、本発明は、前記レンズユニットを有するカメラモジュール、当該カメラモジュールを有する撮像システム、および、撮像システムを搭載して成る移動体も提供する。このようなカメラモジュール、撮像システムおよび移動体によっても上述したレンズユニットと同様の作用効果を得ることができる。なお、「移動体」とは、移動できる物体の全てを指し、例えば車両等を挙げることができる。
本発明によれば、鏡筒の像側の開口部の内径が従来に比して大きくなっても、従来と等しい大きさの光学フィルタを取り付けることができる。
本発明の実施形態に係るレンズユニットを示すもので、概略断面図である。 同、要部の拡大断面図である。 同、最像側レンズを像側から見た平面図である。 本発明の実施形態に係るカメラモジュールを示す概略断面図である。 本発明の実施形態に係るカメラモジュールを備える撮像システム(車載システム)が搭載される移動体としての車両の概略図である。 図5に示す撮像システムを構成する撮像装置の構成を示すブロック図である。 従来のレンズユニットの一例を示す要部の概略断面図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明するが、本実施形態は、国連の提唱する持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)の「9.産業と技術革新の基盤をつくろう」の、「9.1 すべての人々に安価で公平なアクセスに重点を置いた経済発展と人間の福祉を支援するために、地域・越境インフラを含む質の高い、信頼でき、持続可能かつ強靭(レジリエント)なインフラを開発する。」に貢献する。
なお、以下で説明する本実施形態のレンズユニットは、特に車載カメラ等のカメラモジュール用のものであり、例えば、自動車の外表面側に固定して設置され、配線は自動車内に引き込まれてディスプレイやその他の装置に接続される。また、図1、図4および図7において複数のレンズについてはハッチングを省略している。
図1は、実施形態のレンズユニット11を示している。このレンズユニット11は、例えば、車載カメラ用のものであり、自動車の外側に少なくともレンズユニット11の物体側の端部(図1では上端部)を露出して設置される。
レンズユニット11は、円筒状の鏡筒12と、鏡筒12内に配置される複数(例えば、5つ)のレンズ13,14,15,16,17と、1つの絞り部材20とを備えている。このレンズユニット11を備える車載カメラは、レンズユニット11と、図示しないイメージセンサを有する基板と、当該基板を自動車等の車両に設置する図示しない設置部材とを備えるものである。
また、最も物体側に位置する第1レンズ13と第3レンズ15はガラスレンズであり、第2レンズ14、第4レンズ16および第5レンズ17は樹脂レンズであるが、これに限定されない(例えば、レンズ13,15が樹脂レンズであっても構わない)。
また、レンズ13~17の表面には、必要に応じて、反射防止膜、親水膜、撥水膜等が設けられる。
鏡筒12に固定されて支持されている複数のレンズ13~17は、それぞれの光軸を一致させた状態に配置されており、1つの光軸Оに沿って各レンズ13~17が並べられた状態となって、撮像に用いられる1群のレンズ群Lを構成している。
また、第4レンズ16と第5レンズ17とは接着剤によって貼合わされた貼合わせレンズ18となっている。
絞り部材20は、物体側から2番目の第2レンズ14と後述する中間壁26との間に配置されている。絞り部材20は透過光量を制限し、明るさの指標となるF値を決定する「開口絞り」またはゴーストの原因となる光線や収差の原因となる光線を遮光する「遮光絞り」である。
また、本実施形態において、第1レンズ13と鏡筒12との間には、熱硬化性の接着剤G1,G2が設けられており、当該接着剤G1,G2によって鏡筒12の物体側端部が気密封止されている。接着剤G1は、第1レンズ13のフランジ部の外周面の上端部(光軸方向の上端部)と鏡筒12の物体側の物体側開口部の内周面との間に介在しており、これらを接着している。
また、接着剤G2は、第1レンズ13のフランジ部の外周面の下端部および同フランジ部の下面(像側を向く面)と、鏡筒12の先端部開口との間に介在しており、これらを接着している。第1レンズ13のフランジ部の外周面と下面との稜線部は面取りされたC面13cとなっている。また、鏡筒12の先端部開口には、物体側を向き、かつ第1レンズ13のフランジ部が近接される近接面12cが設けられている。この近接面12cには、溝状の接着剤溜り12pが周方向に円環状に形成されている。そして、接着剤G2は、C面13cと、鏡筒12の先端部内周面および近接面12cとの間に充填されたうえで、前記接着剤溜り12pに流入している。
また、鏡筒12は、その内側収容空間内にレンズ群Lが組み込まれて収容保持された状態で、その物体側の端部(図1において上端部)のカシメ部23が径方向内側に熱的にカシメられることにより、レンズ群Lの最も物体側に位置する第1レンズ13をこのカシメ部23により鏡筒12の物体側端部に光軸方向で固定する。なお、第1レンズ13を鏡筒12の物体側端部に光軸方向で固定する手段は、このようなカシメ部23に限らない。例えば、鏡筒12が特に金属で形成される場合には、鏡筒12の物体側端部に螺合されるキャップによって第1レンズ13が鏡筒12の物体側端部に光軸方向で固定されてもよい。
また、鏡筒12の物体側の端部と像側の端部との間には、光軸Оと直交し、かつ光を通す光通過孔25を有する中間壁26が設けられている。中間壁26は、鏡筒12の光軸方向における略中央部に鏡筒12と一体的に設けられており、中間壁26より物体側(図1において上側)に、第1収容部31が設けられ、中間壁26より像側(図1において下側)に第2収容部32が設けられている。第2収容部32は、第1収容部31より小径であり、内径面が光軸Oと同軸の円筒面状または角筒面状に形成されている。
また、第1収容部31は、内径面が光軸Oと同軸の円筒面形状または角筒面状に形成されている。
中間壁26は、その中央部に光を通す光通過孔25を有している。この光通過孔25は光軸方向に中間壁26を貫通して設けられた円形状の貫通孔であり、第3レンズ15の外周面が当接される内径面25aと、この内径面25aに連続して設けられ、第3レンズ15の像側を向くレンズ面の外周部が当接されることで、第3レンズ15を支持する当接面25bとを有している。内径面25aは光軸Oと同軸の円筒面状に形成され、当接面25bは像側に向かうほど縮径し、かつ光軸Оと同軸の円錐面状に形成されている。
第3レンズ15は、その外周面が内径面25aに圧入または当接されるとともに接着され、像側を向くレンズ面の外周部が当接面25bに当接されることによって、中間壁26の光通過孔25に装着されている。
第1収容部31は、鏡筒12の物体側の端部に配置されて、第1レンズ13を収容する第1レンズ収容部31aと、当該第1レンズ収容部31aより像側に配置されて、第2レンズ14を収容する第2レンズ収容部31bとを有している。
第1レンズ収容部31aは、第2レンズ収容部31bより大径(光軸Oと直交する方向の径が大径)に形成されている。また、第1レンズ収容部31aは、第1レンズ13のフランジ部が近接される前記近接面12cを備え、第2レンズ収容部31bは第2レンズ14の下面(像側を向く面)が当接される当接面31fを備えている。当接面31fは中間壁26の上面(物体側を向く面)によって構成されている。
第1レンズ収容部31aの内径面と第2レンズ収容部31bの内径面とは、光軸Oと同軸の円筒面状に形成され、さらに、前記第2収容部32の内径面と同軸となっている。
そして、中間壁26より物体側(上側)において、第1収容部31の第1レンズ収容部31aに第1レンズ13が収容され、第2レンズ収容部31bに第2レンズ14が収容されている。
第1レンズ13および第2レンズ14を第1収容部31に収容する場合、その前に第3レンズ15を鏡筒12に収容する。すなわち、鏡筒12に上端部開口(物体側端部開口)から第3レンズ15を挿入したうえで、当該第3レンズ15を中間壁26の光通過孔25に装着する。この場合、第3レンズ15の外周面を光通過孔25の内径面25aに圧入または当接するとともに接着し、像側を向くレンズ面の外周部を当接面25bに当接することによって、中間壁26の光通過孔25に第3レンズ15を装着する。これによって、第3レンズ15の光軸方向と径方向の位置決めがなされる。
次に、鏡筒12の上端部開口(物体側端部開口)から絞り部材20と第2レンズ14を挿入したうえで、当該第2レンズ14を、絞り部材20を介して当接面31fに当接するとともに、第2レンズ14を第2レンズ収容部31bの内径面に圧入または当接することによって、第2レンズ14の光軸方向と径方向の位置決めがなされる。この状態において、第2レンズ14のフランジ部の上面(物体側を向く面)14fは、前記近接面12cより僅かに上側(物体側)に突出している。なお、第2レンズ14の物体側を向くレンズ面14sは、前記上面14fより物体側に突出しており、第1レンズ13の像側を向く凹状のレンズ面13sより内側に入り込んでいる。
次に、鏡筒12の上端部開口(物体側端部開口)から第1レンズ13を挿入したうえで、当該第1レンズ13を第2レンズ14のフランジ部の上面14fに当接するとともに、第1レンズ13を第1レンズ収容部31aの内径面に圧入または当接することによって、第1レンズ14の光軸方向と径方向の位置決めがなされる。
第1レンズ13を第2レンズ14の上面14fに当接する前に、第1レンズ収容部31aの近接面12cの接着剤溜り12pより径方向外側において、近接面12cと第1レンズ収容部31aの内径面とが交差している角部に接着剤G2を充填するとともに、第1レンズ収容部31aの内径面の上部に接着剤G1を充填しておく。そして、第1レンズ13を第2レンズ14のフランジ部の上面14fに当接するとともに、第1レンズ13を第1レンズ収容部31aの内径面に圧入または当接することによって、第1レンズ13と鏡筒12との間に、接着剤G1,G2が拡がっていき、当該接着剤G1,G2によって鏡筒12の物体側端部が気密封止される。
次に、鏡筒12の物体側端部のカシメ部23を径方向内側に熱的にカシメることにより、第1レンズ13をこのカシメ部23により鏡筒12の物体側端部に光軸方向で固定する。また、第1レンズ13の固定によって、第2レンズ14は当接面31fに押し付けられて固定される。
上述したように、中間壁26より像側(下側)において、第2収容部32が設けられている。第2収容部32は、光軸Oと同軸の円筒面状または角筒面状に形成されており、その上面(像側を向く面)は、第4レンズ15のフランジ部が当接される当接面33fとなっている。この当接面33fは中間壁26の像側を向く下面によって構成されている。
このような第2収容部32に、第4レンズ16および第5レンズ17を収容する場合、その前に、第4レンズ16と第5レンズ17とを接着剤によって貼合わして、貼合わせレンズ18としておく。また、第5レンズ17に赤外線カットフィルタ等の光学フィルタ35を接着等によって取り付けておく。
次に、鏡筒12の下端部開口(像側端部開口)から貼合わせレンズ18を、第4レンズ16を物体側(上側)に向けて挿入したうえで、当該第4レンズ16のフランジ部を当接面33fに当接するとともに、第5レンズ17を第2収容部32の内径面に圧入または当接するとともに接着することによって、貼合わせレンズ18(第4レンズ16および第5レンズ17)の光軸方向と径方向の位置決めがなされる。
ここで、本実施形態では、第2収容部32に、第4レンズ16と第5レンズ17とを接着剤によって貼合わせててなる貼合わせレンズ18が収容されている。貼合わせレンズ18を構成する第5レンズ17が、最も像側に位置する最像側レンズ17となっている。最像側レンズ(第5レンズ)17は、第4レンズ16より大径に形成されているが、これらレンズ17,16の直径より、鏡筒12の像側の開口部12b、すなわち、第2収容部32の開口部12bの内径が大きくなっている。第4レンズ16の外周面と第2収容部32の内周面との間には間隔が設けられているが、第5レンズ(最像側レンズ)17の外周面は、第2収容部32の内周面に当接もしくは近接している。
そして、第4レンズ16の上面(物体側を向く面)が、後述する当接面33fに当接され、第5レンズ(最像側レンズ)17の外周面と第2収容部32に内周面が接着剤によって接着されている。
最像側レンズ(第5レンズ)17にはIRCF(赤外線カットフィルタ)35が取り付けられている。
すなわち、図2および図3に示すように、最像側レンズ17の像側を向く像側面17fに、最像側レンズ17のレンズ面17aより径方向外側において、IRCF35が取り付けられる取付面17bが設けられ、当該取付面17bにIRCF35の外縁部が取り付けられている。具体的には、最像側レンズ17の像側面17fには、当該像側面17fから像側に向けて突出する円環状の突出部17cが最像側レンズ17と一体的に設けられている。この突出部17cは像側から見て円形状のレンズ面17aと同軸でかつ当該レンズ面17aより径方向外側に配置されている。
IRCF35は正方形板状または長方形板状に形成されており、4つの角部が前記突出部17cの内周面に当接されている。これによって、IRCF35は、光軸Оと直交する方向の位置決めがなされている。
また、前記像側面17fには、突出部17cより径方向内側に前記取付面17bが設けられている。この取付面17bは、後述する環状凸部17eより物体側に凹んだ凹部17dの底面によって構成されている。凹部17dは、レンズ面17aを取り囲むようにして配置されており、凹部17dの一部に接着剤Gが充填されている。すなわち、接着剤Gは、IRCF35の4つの角部と凹部17dの底面とが光軸方向において重なる部位に充填されている。そして、この接着剤GによってIRCF35が取付面17bに接着によって取り付けられている。レンズ面17aの外周部には、環状凸部17eが外周部に沿って設けられており、当該環状凸部17eがIRCF35の表面(物体側を向く面)に密接することによって、接着剤Gのレンズ面17a側への流出を防止している。
なお、本実施形態では、鏡筒12を、中間壁26を有する一体物として構成したが、鏡筒12を、光軸方向において複数に分割された略筒状の分割鏡筒を光軸方向に接合することによって構成してもよい。この場合、鏡筒12を複数の分割鏡筒の少なくとも1つに、高面間感度となるレンズが当接される中間壁を設ければよい。
以上のように、本実施形態によれば、最像側レンズ17の直径より鏡筒12の像側の開口部の内径が大きくなっているが、最像側レンズ17にIRCF35が取り付けられているので、従来と等しい大きさのIRCFを取り付けることができる。
また、中間壁26より物体側において、鏡筒12の物体側端部からレンズ13~15が挿入され、中間壁26より像側において、鏡筒12の像側端部からレンズ16,17が挿入され、中間壁26より像側に位置する鏡筒12の内周面の内径は、中間壁26より像側に配置されるレンズ16,17の直径より大きくなっているので、当該レンズ16,17を中間壁26より像側の鏡筒12に容易に配置できる。
さらに、最像側レンズ17の像側を向く面に、最像側レンズ17のレンズ面17aより径方向外側において、IRCF35が取り付けられる取付面17bが設けられ、当該取付面17bにIRCF35の外縁部のうちの4つの角部が取り付けられているので、最像側レンズ17に容易にIRCF35を取り付けることができる。
図4は、図1に示すレンズユニット11を有する本実施形態のカメラモジュール300の概略断面図である。図示のように、カメラモジュール300は、レンズユニット11を含んで構成されている。
カメラモジュール300は、外装部品である上ケース(カメラケース)301と、レンズユニット11を保持するマウント(台座)302とを備えている。また、カメラモジュール300は、シール部材303およびパッケージセンサ(撮像素子;イメージセンサ)304を備えている。
上ケース301は、鏡筒12の外周面に鍔状に設けられるフランジ部27に係合されるとともに、レンズユニット11の物体側の端部を露出させて他の部分を覆う部材である。マウント302は、上ケース301の内部に配置されており、レンズユニット11の雄ねじ11aと螺合する雌ねじ302aを有する。シール部材303は、上ケース301の内面とレンズユニット11の鏡筒12の外周面との間に介挿された部材であり、上ケース301の内部の気密性を保持するための部材である。
パッケージセンサ304は、赤外線カットフィルタ35と対向してマウント302の内部に配置されており、かつ、レンズユニット11により形成される物体の像を受光する位置に配置されている。また、パッケージセンサ304は、CCDやCMOS等を備えており、レンズユニット11を通じて集光されて到達する光を電気信号に変換する。変換された電気信号は、カメラにより撮影された画像データの構成要素であるアナログデータやデジタルデータに変換される。
図5には、図4に示すカメラモジュール300を含む撮像装置250を備える車載システム(撮像システム)が搭載される移動体としての車両240が概略的に示されている。図示のように、撮像装置250は車両240に搭載することができ、図5は、車両240における撮像装置250の搭載位置を例示する配置例である。車両240に搭載される撮像装置250は、車載カメラと呼ぶこともでき、車両240の種々の場所に設置することができる。例えば、第1の撮像装置250aは、車両240が走行する際の前方を監視するカメラとして、フロントバンパーまたはその近傍に配置されてもよい。また、前方を監視する第2の撮像装置250bは、車両240の車室内のルームミラー(Inner Rearview Mirror)の近傍に配置されてもよい。第3の撮像装置250cは、運転者の運転状況を監視するカメラとしてダッシュボード上またはインスツルメントパネル内等に配置されてもよい。第4の撮像装置250dは、車両240の後方モニター用に車両240の後部に設置されてもよい。撮像装置250a、250bはフロントカメラと呼ぶことができる。第3の撮像装置250cは、インカメラと呼ぶことができる。第4の撮像装置250dはリアカメラと呼ぶことができる。撮像装置250は、これらに限られず、左後ろ側方を撮像する左サイドカメラおよび右後ろ側方を撮像する右サイドカメラ等、種々の位置に設置される撮像装置を含む。
撮像装置250により撮像された画像の画像信号は、車両240内の情報処理装置242および/または表示装置243等に出力され得る。これらの情報処理装置242および表示装置243は、撮像装置250と共に車載システムを構成する。車両240内の情報処理装置242は、撮像装置250により取得される画像信号を処理し、画像を認識して運転者の運転を支援する装置を含む。また、情報処理装置242は、例えば、ナビゲーション装置、衝突被害軽減ブレーキ装置、車間距離制御装置、および、車線逸脱警報装置等を含むが、これらに限定されない。表示装置243は、情報処理装置242により処理されて出力される画像を表示するが、撮像装置250から直接に画像信号を受信することもできる。また、表示装置243は、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ、および、無機ELディスプレイを採用し得るが、これらに限定されない。表示装置243は、リアカメラ等の運転者から視認しづらい位置の画像を撮像する撮像装置250から出力された画像信号を、運転者に対して表示することができる(乗員への情報を出力できる)。
図6には、図5に示す車載システムを構成する撮像装置の構成が示される。図示のように、実施形態に係る撮像装置250は、制御部252と、記憶部254と、前述した図3に示すカメラモジュール300を備える。
制御部252は、カメラモジュール300を制御するとともに、カメラモジュール300の撮像素子304から出力される電気信号を処理する。この制御部252は例えばプロセッサとして構成されてもよい。また、制御部252は1つ以上のプロセッサを含んでもよい。プロセッサは、特定のプログラムを読み込ませて特定の機能を実行する汎用のプロセッサ、および、特定の処理に特化した専用のプロセッサを含んでもよい。専用のプロセッサは、特定用途向けIC(Integrated Circuit)を含んでもよい。特定用途向けICは、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)とも称される。プロセッサは、プログラマブルロジックデバイスを含んでもよい。プログラマブルロジックデバイスは、PLD(Programmable Logic Device)とも称される。PLDは、FPGA(Field-Programmable Gate Array)を含んでもよい。制御部252は、1つ以上のプロセッサが協働するSoC(System-on-a-Chip)、および、SiP(System In a Package)のいずれかであってもよい。
記憶部254は、撮像装置250の動作に係る各種情報またはパラメータを記憶する。記憶部254は、例えば半導体メモリ等で構成されてもよい。記憶部254は、制御部252のワークメモリとして機能してもよい。記憶部254は、撮像画像を記憶してもよい。記憶部254は、制御部252が撮像画像に基づく検出処理を行なうための各種パラメータ等を記憶してもよい。記憶部254は制御部252に含まれてもよい。
前述したように、カメラモジュール300は、レンズユニット11を介して結像する被写体像を撮像素子304で撮像し、撮像した画像を出力する。カメラモジュール300で撮像された画像は、撮像画像とも称される。
撮像素子304は、例えば、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサまたはCCD(Charge Coupled Device)等で構成されてよい。撮像素子304は、複数の画素が並ぶ撮像面を有する。各画素は、入射した光量に応じて電流または電圧で特定される信号を出力する。各画素が出力する信号は、撮像データとも称される。
撮像データは、全ての画素についてカメラモジュール300で読み出され、撮像画像として制御部252に取り込まれてもよい。全ての画素について読み出された撮像画像は、最大撮像画像とも称される。撮像データは、一部の画素についてカメラモジュール300で読み出され、撮像画像として取り込まれてもよい。言い換えれば、撮像データは、所定の取り込み範囲の画素から読み出されてもよい。所定の取り込み範囲の画素から読み出された撮像データは、撮像画像として取り込まれてもよい。所定の取り込み範囲は、制御部252によって設定されてもよい。カメラモジュール300は、制御部252から所定の取り込み範囲を取得してもよい。撮像素子304は、レンズユニット11を介して結像する被写体像のうち所定の取り込み範囲の画像を撮像してもよい。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。例えば、本発明において、レンズ、鏡筒などの形状等は、上述した実施形態に限定されない。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、上述した実施形態の一部または全部を組み合わせてもよく、あるいは、上述した実施形態のうちの1つから構成の一部が省かれてもよい。
11 レンズユニット
12 鏡筒
13~17 レンズ
17 最像側レンズ
26 中間壁
35 IRCF(光学フィルタ)
240 車両(移動体)
242 処理装置
243 表示装置
250 撮像装置
252 制御部
300 カメラモジュール
304 撮像素子
L レンズ群
O 光軸

Claims (6)

  1. 複数のレンズが光軸に沿って並べられたレンズ群と、このレンズ群を収容保持する鏡筒とを有するレンズユニットにおいて、
    最も像側に位置する最像側レンズの直径より前記鏡筒の像側の開口部の内径が大きくなっており、
    前記最像側レンズに光学フィルタが取り付けられていることを特徴とするレンズユニット。
  2. 前記鏡筒の物体側の端部と像側の端部との間に、光軸と直交する中間壁が設けられており、
    前記中間壁より物体側において、前記鏡筒の物体側端部からレンズが挿入され、前記中間壁より像側において、前記鏡筒の像側端部からレンズが挿入され、
    前記中間壁より像側に位置する前記鏡筒の内周面の内径は、前記中間壁より像側に配置されるレンズの直径より大きくなっていることを特徴とする請求項1に記載のレンズユニット。
  3. 前記最像側レンズの像側を向く面に、前記最像側レンズのレンズ面より径方向外側において、前記光学フィルタが取り付けられる取付面が設けられ、当該取付面に前記光学フィルタの外縁部が取り付けられていることを特徴とする請求項2に記載のレンズユニット。
  4. 請求項1~3のいずれか1項に記載のレンズユニットと、前記レンズユニットの前記レンズ群を通じて集光される光を電気信号に変換する撮像素子とを備えることを特徴とするカメラモジュール。
  5. 請求項4に記載のカメラモジュールと、前記カメラモジュールを制御するとともに前記カメラモジュールの撮像素子から出力される電気信号を処理する制御部とを有する撮像装置と、
    前記撮像装置により取得される画像信号を処理する処理装置と、
    前記処理装置により処理されて出力される画像を表示する表示装置と、
    を有することを特徴とする撮像システム。
  6. 請求項5に記載の撮像システムを搭載し、前記表示装置により乗員への情報を出力することを特徴とする移動体。
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