JP2023025370A - カメラモジュール、撮像システムおよび移動体 - Google Patents

カメラモジュール、撮像システムおよび移動体 Download PDF

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【課題】撮像素子の反射光によるゴーストの発生を抑制できるカメラモジュール、撮像システムおよび移動体を提供する。【解決手段】複数のレンズが当該レンズの光軸方向に沿って並べられたレンズ群Lと、当該レンズ群Lの結像位置に配置されて、前記レンズ群を通じて集光される光を電気信号に変換する撮像素子22とを備え、撮像素子22は、光軸Оに対して傾斜して配置され、撮像素子22で反射した反射光を入射させて、当該反射光を吸光する吸光部材30を備えているので、撮像素子の反射光によるゴーストの発生を抑制できる。【選択図】図1

Description

本発明は、特に自動車等の車両に搭載される車載カメラを構成するカメラモジュール、撮像システムおよび撮像システムを搭載した移動体に関する。
近年、自動車に車載カメラを搭載し、駐車をサポートしたり、画像認識により衝突防止を図ったりすることが行われており、さらに自動運転への応用が試みられている。
このような車載カメラ等のカメラモジュールは、一般に、複数のレンズが光軸に沿って並べられて成るレンズ群と、このレンズ群を収容保持する鏡筒と、レンズ群の少なくとも一個所のレンズ間に配置される絞り部材とを有するレンズユニットを備える。
従来のレンズユニットの一例として、特許文献1に記載のものが知られている。このレンズユニットにおいては、4枚のレンズが、鏡筒に光軸方向をそれぞれ揃えて一列に並べられた状態に保持されてレンズ群を構成している。また、レンズとレンズとの間に、平板環状の絞り部材が設けられている。
絞り部材は、通過する光の範囲を制限するものであり、絞り部材を適切な位置に配置することでゴーストを適切に抑えることができ、カメラの光学性能を向上させることができる。
また、このようなレンズユニットを有するカメラモジュールは、レンズ群と、当該レンズ群の結像位置に配置された撮像センサとを備えており、当該撮像センサはレンズ群の光軸に対して垂直に配置されている。
特開2013-231993号公報
ところで、近年自動車メーカー各社が自動運転実現に向けて研究や実証実験を行っており、その中で注目を集めている技術の一つとして「LiDAR(ライダー)」が知られている。LiDAR(ライダー)は、レーザ光を使ったセンシング技術であり、対象物までの距離はもちろん、位置や形状まで正確に検知できることができ、市街地における自動運転にはLiDAR(ライダー)が必要不可欠と言われている。
このようなLiDAR(ライダー)に使用されるセンサ受光素子は、従来の通常の撮像素子より高感度のため光強度の弱い迷光であっても感知してしまう問題がある。また、ライダー用の高感度受光素子(以下ライダー素子と呼称)を含めて、撮像素子は光を反射する特性も持っており、その反射光がレンズユニットの別光学部品に反射して迷光となり得る。上述したように、ライダー素子等の高感度の撮像素子は、光強度の弱い迷光であっても感知してしまうので、識別を誤認させるゴーストが問題となる。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、撮像素子の反射光によるゴーストの発生を抑制できるカメラモジュール、撮像システムおよび移動体を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明のカメラモジュールは、複数のレンズが当該レンズの光軸方向に沿って並べられたレンズ群と、当該レンズ群の結像位置に配置されて、前記レンズ群を通じて集光される光を電気信号に変換する撮像素子とを備えたカメラモジュールであって、
前記撮像素子は、前記レンズ群の光軸に対して傾斜して配置され、
前記撮像素子で反射した反射光を入射させて、当該反射光を吸光する吸光部材を備えたことを特徴とする。
本発明においては、撮像素子がレンズ群の光軸に対して傾斜して配置されているので、物体側からレンズ群を通して撮像素子に入射する光のうち、撮像素子で反射した反射光はレンズに戻ることなく、吸光部材に吸光されるので、反射光は別光学部品で反射して迷光とならない。このため、撮像素子の反射光によるゴーストの発生を抑制できる。
また、本発明の前記構成において、前記反射光が前記レンズ群と前記撮像素子との間において、光軸と交差する方向に向かうように、前記撮像素子が傾斜しており、
前記吸光部材は光軸と交差する方向において前記撮像素子の外側に配置されていてもよい。
このような構成によれば、反射光がレンズ群と撮像素子との間において、光軸と交差する方向に向かうが、吸光部材が光軸と交差する方向においてフィルタの外側に配置されているので、吸光部材によって反射光を確実に吸光できる。したがって、より効果的にゴーストの発生を抑制できる。
また、本発明の前記構成において、前記撮像素子は、表面が長方形状のライダー素子であり、
前記ライダー素子は、前記表面の短辺が前記光軸に対して傾斜するように配置されていてもよい。
このような構成によれば、ライダー素子は、当該ライダー素子の表面の短辺が光軸に対して傾斜するように配置されているので、レンズ群のうち最も像側に位置するレンズとライダー素子との間のバックフォーカスを短くすることができ、カメラモジュールのコンパクト化を図ることができる。
また、本発明の前記構成において、前記ライダー素子の前記短辺と前記光軸とのなす角を傾斜角θとすると、
40°≦θ≦60°に設定されていてもよい。
ここで、カメラモジュール(レンズ群)のF値が2.0の場合、θ=60°となり、F値が1.0の場合、θ=45°となり、F値が0.9の場合、θ=40°となる。
したがって、F値が大きいほどライダー素子の傾斜角θは大きくなる。傾斜角θはライダー素子の短辺と光軸とのなす角であるので、傾斜角θが90°の場合にライダー素子が光軸に対して垂直に配置される従来の配置である。この配置位置を水平位置とすると、傾斜角θが90°より小さくなるほど、ライダー素子は水平位置からの傾きが大きくなり、F値が小さくなる。
このような構成によれば、撮像素子がライダー素子である場合に、ライダー素子の反射光によるゴーストの発生を効果的に抑制できる。
また、本発明の前記構成において、前記撮像素子を保持する筒状の保持部材を備え、
前記保持部材の内周面に前記吸光部材が設けられていてもよい。
このような構成によれば、撮像素子を保持する保持部材の内周面に吸光部材が設けられているので、吸光部材を撮像素子の外側に容易に配置できる。
また、本発明は、前記カメラモジュールを有する撮像システム、および、撮像システムを搭載して成る移動体も提供する。このような撮像システムおよび移動体によっても上述したカメラモジュールと同様の作用効果を得ることができる。なお、「移動体」とは、移動できる物体の全てを指し、例えば車両等を挙げることができる。
本発明によれば、撮像素子の反射光によるゴーストの発生を抑制できる。
本発明の実施形態に係るカメラモジュールの概略構成を示すもので、光軸を含む一平面で破断した概略断面図である。 同、光軸を含む他の平面で破断した概略断面図である。 本発明の実施形態に係るライダーセンサを示す平面図である。 ライダー素子の反射光によるゴースト発生抑制についてのシミュレーション結果を示すもので、従来例のライダー素子における光線状態を示すグラフである。 同、本発明例のライダー素子における光線状態を示すグラフである。 本発明の実施形態に係るカメラモジュールを備える撮像システム(車載システム)が搭載される移動体としての車両の概略図である。 図6に示す撮像システムを構成する撮像装置の構成を示すブロック図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明するが、本実施形態は、国連の提唱する持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)の「9.産業と技術革新の基盤をつくろう」の、「9.1 すべての人々に安価で公平なアクセスに重点を置いた経済発展と人間の福祉を支援するために、地域・越境インフラを含む質の高い、信頼でき、持続可能かつ強靭(レジリエント)なインフラを開発する。」に貢献する。
なお、以下で説明する本実施形態のレンズユニットは、特に車載カメラ等のカメラモジュール用のものであり、例えば、自動車の外表面側に固定して設置され、配線は自動車内に引き込まれてディスプレイやその他の装置に接続される。また、図1および図2においてレンズについてはハッチングを省略している。
図1および図2は、本発明の実施形態に係るカメラモジュール10の概略構成を示すものであり、図1は光軸を含む一平面で破断した概略断面図、図2は前記一平面と直交する他の平面で破断した概略断面図である。
図1および図2に示すように、カメラモジュール10は、レンズユニット11と、撮像センサ20と、吸光部材30とを備えている。
レンズユニット11は、例えば樹脂製の円筒状の鏡筒(バレル)12と、当該鏡筒12の段付きの内側収容空間S内に配置される複数のレンズ、例えば、物体側(図1および図2において上側)から、第1レンズ13、第2レンズ14、第3レンズ15、第4レンズ16および第5レンズ17から成る5つのレンズと、2つの絞り部材18a,18bとを備えている。
2つの絞り部材18a,18bのうちの物体側から1番目の絞り部材18aは、第2レンズ14と第3レンズ15との間に配置されている。物体側から2番目の絞り部材18bは、第3レンズ15と第4レンズ16との間に配置されている。絞り部材18a,18bは透過光量を制限し、明るさの指標となるF値を決定する「開口絞り」またはゴーストの原因となる光線や収差の原因となる光線を遮光する「遮光絞り」である。
鏡筒12の内側収容空間S内に組み込まれて収容保持される複数のレンズ13,14,15,16,17は、それぞれの光軸を一致させた状態で積み重ねられて配置されており、1つの光軸Oに沿って各レンズ13,14,15,16,17が並べられた状態となって、撮像に用いられる一群のレンズ群Lを構成している。この場合、レンズ群Lを構成する最も物体側に位置する第1レンズ13は、物体側に凸面を有するとともに像側に凹面を有する球面ガラスレンズであり、第1レンズ13に像側で隣接する第2レンズ14は、物体側に凹面を有する樹脂レンズである。第2レンズ14を含めその他のレンズ15,16,17は樹脂レンズであるが、これに限定されない。例えば第1レンズ13が樹脂レンズであっても構わないし、第2レンズ14~第5レンズ17のうちの少なくとも1つのレンズがガラスレンズであっても構わない。
また、最も物体側に位置する第1レンズ13と、この第1レンズ13に像側で隣接する第2レンズ14とは、レンズ間空間k内が外部に対して密閉されるように低透湿性接着剤によって接着防水されていても構わない。レンズ間空間kは、第1レンズ13の像側の端面に形成された凹面と第2レンズ14の物体側の端面に形成された凹面との間に形成された空間である。
本実施形態において、レンズの数、レンズおよび鏡筒の素材等については用途等に応じて任意に設定できる。
また、本実施形態において、像側に位置する2つの第4および第5レンズ16,17は貼り合わせレンズであるが、そうである必要はない。なお、これらのレンズ13,14,15,16,17の表面には、必要に応じて、反射防止膜、親水膜、撥水膜等が設けられる。
また、本実施形態では、鏡筒内にОリング等の弾性シール部材は設けられていないがそうである必要はない。
また、鏡筒12は、その内側収容空間S内にレンズ群Lが組み込まれて収容保持された状態で、その物体側の端部(図1および図2において上端部)のカシメ部12aが径方向内側に熱的にカシメられることにより、レンズ群Lの最も物体側に位置する第1レンズ13をこのカシメ部12aにより鏡筒12の物体側端部に光軸方向で固定している。
また、鏡筒12の像側の端部(図1および図2において下端部)には、第5レンズ17よりも径の小さい開口部を有する内側フランジ部12bが設けられている。この内側フランジ部12bとカシメ部12aとにより、鏡筒12内にレンズ群Lを構成する複数のレンズ13,14,15,16,17と絞り部材18a,18bとが光軸方向で保持固定されている。
鏡筒12は、その内径が物体側から像面側に向かって段階的に小さくなっている。これに対応して、レンズ13,14,15,16,17は、物体側から像面側に向かうにつれて、外径が小さくなっている。基本的に、レンズ13,14,15,16,17それぞれの外径と、鏡筒12の各レンズ13,14,15,16,17が支持される部分それぞれの内径とは略等しくなっている。
なお、鏡筒12の外周面には、鏡筒12を車載カメラに設置する際に用いられる外側フランジ部12cが鏡筒12の外周面に鍔状に設けられている。
カメラモジュール10は、前記レンズユニット11と、外装部品である上ケース(カメラケース)51と、レンズユニット11を保持する保持部材52とを備えている。
上ケース51は、レンズユニット11の物体側の端部を露出させるとともに他の部分を覆う部材である。保持部材52は、底部を有する円筒状に形成されており、上ケース51の内部に配置され、鏡筒12の外周部に設けられた雄ねじ12dと螺合する雌ねじ52dを有する。雌ねじ52dに雄ねじ12dを螺合すことによって、保持部材52に鏡筒12が螺着され、これによって、レンズユニット11は保持部材52によって保持されている。
また、上ケース51の上端部内面にはシール部材53が設けられている。このシール部材53は、上ケース51の内面とレンズユニット11の鏡筒12の外周面との間に介挿された部材であり、上ケース51の内部の気密性を保持するための部材である。
また、カメラモジュール10は、撮像センサ20を備えている。この撮像センサ20は、本実施形態ではライダーセンサ20であり、長方形板状または正方形板状の基板21と、この基板21の表面に設けられた長方形薄板状のライダー素子(撮像素子)22と備え、ライダー素子22は基板21の表面中央部に配置されている。
また、保持部材52の内部には、有底円筒状の収容部52aが設けられており、この収容部52aにライダーセンサ20が収容されている。
図3に示すように、ライダー素子22は、表面が縦長の長方形状に形成されており、この表面にレンズ群Lからの光が結像するようになっている。また、図1に示すように、ライダー素子22は、光軸Oに対して角度θだけ傾斜して配置されている。つまり、ライダー素子22は、長方形状の表面の短辺が光軸Оに対して傾斜角θで傾斜するように、配置されている。言い換えると、ライダー素子22の表面が光軸Оに対して直交する位置を水平位置とすると、この水平位置から結像位置を中心に短辺が時計回りに(90°-θ)だけ傾斜するように、ライダー素子22が配置されている。
そして、本実施形態では、ライダー素子22の傾斜角θは45°に設定されているが、この傾斜角θは、45°に限らず、40°≦θ≦60°に設定される。
図3に示すように、ライダーセンサ20の受光部、すなわち、ライダー素子22は、上述したように、縦長の長方形状に形成されており、横方向の長さをV、縦方向の長さをHとすると、H/V>3となっている。
そして、ライダー素子22の光線入射角度0°の結像位置、つまり、光軸方向の入射角度が0°の結像位置がライダー素子22の中心О22となるように、ライダー素子22は、長方形状の表面の短辺が光軸Оに対して傾斜角θで傾斜するように、配置されている。
また、本実施形態では、F値が1.0のレンズユニット11が使用されており、F値が1.0の場合に、ライダー素子22の傾斜角θは45°に設定されている。また、F値が1.0の場合にライダー素子22への結像光の入射角度は±30°となる。
なお、レンズユニットのF値が2.0の場合、前記傾斜角θ=60°となる。F値が大きくなるほど、傾斜角θが大きくなり、F値が小さくなるほど、傾斜角θは小さくなる。傾斜角θはライダー素子22の表面の短辺と光軸とのなす角であるので、傾斜角θが90°の場合にライダー素子が光軸に対して垂直に配置される従来の配置である。この配置位置を水平位置とすると、傾斜角θが90°より小さくなるほど、ライダー素子は水平位置からの傾きが大きくなる。
ライダー素子22は、レンズユニット11のレンズ群Lを通じて集光して到達した光(結像光)を電気信号に変換する。変換された電気信号はカメラにより撮影された画像データの構成要素であるアナログデータやデジタルデータに変換される。
なお、本実施形態では、撮像センサ20として、ライダーセンサ20を使用したが、本発明はこれに限らず、横方向の長さVが短いビューセンサ、センシングセンサ、ラインセンサ、等を使用してもよい。
また、ライダー素子22を上述したように傾斜角θで傾斜させる場合、図1に示す傾斜状態を保持するために、図2に示すように、カメラモジュール10を前記一平面と直交する他の平面で破断した断面において、収容部52a内において、ライダーセンサ20を左右に挟む位置にセンサ支持部材35,35を設け、当該センサ支持部材35,35によってライダーセンサ20を支持することによって傾斜角θで傾斜した状態にライダーセンサ20を保持する。
センサ支持部材35,35は収容部52aの底面に固定され、光軸直交方向において対向している。センサ支持部材35,35の上端部には、断面L形の係合部35a,35aが対向して形成され、当該係合部35a,35aにライダーセンサ20の基板21の左右端部が係合されている。
ライダー素子22は光を反射する特性を持っており、その反射光が別光学部品(例えばレンズユニット11のレンズ13~17や、鏡筒12の底面や内周面等)に反射して迷光となり、ゴーストを発生させる。ライダー素子22の物体側の表面で反射した反射光がレンズユニット11等の別光学部品に戻らないように、ライダー素子22を上述したように傾斜角θで傾斜させる。
このようにライダー素子22を傾斜角θで傾斜させることにより、図1に示すように、前記反射光はライダー素子22の物体側の表面で反射して、光軸Оと交差する方向に向かう。すなわち、ライダー素子22の物体側の表面で反射した反射光Rは直接的に光軸Оと交差する方向に向かう。
このため、光軸直交方向においてライダー素子22の外側に吸光部材(ライトトラップ)30が配置され、当該吸光部材30に前記反射光Rを入射させて、吸光部材30に吸光させる。
吸光部材30は、保持部材52の収容部52aの内周面に光軸直交方向においてライダー素子22と対向して配置固定されている。上述したように、本実施形態では、ライダー素子22の傾斜角θが45°であり、また、レンズユニット11のF値が1.0の場合、結像光の入射角は±30であるので、この結像光がライダー素子22の表面で反射してなる反射光Rが直接吸光部材30に入射できるような位置に、吸光部材30が配置されている。
つまり、吸光部材30は、ライダー素子22の傾斜角θ、レンズユニット11のF値、結像光の入射角に応じて、ライダー素子22の表面で反射してなる反射光Rが直接入射できるような位置に配置されている。
吸光部材30としては例えば静電植毛が利用される。静電植毛は、カットされた多数の繊維31をフイルム、紙、布、ゴム等の基材32に立てた状態で接着剤によって定着させることによって形成されている。多数の繊維は直線状であってもよいが、ギザギザに折曲されたものが好ましい。
このような静電植毛は、光反射防止性能が非常に高く、あらゆる波長の光を効果的に吸光するとともに、耐薬品性・耐候性も良好であり、さらに摺動性、緩衝性にも優れたものである。静電植毛は吸光することにより光の反射を抑えることから、表面は真黒色となっている。
静電植毛からなる吸光部材30は、収容部52aの内周面全体に設ける必要はなく、ライダー素子22の外側(光軸Оと直交する方向外側)で、かつ反射光Rが向かう方向に対向させて設ければよく、吸光部材30の基材32をこのような位置において、保持部材52の内周面に接着剤によって貼付け固定すればよい。
なお、吸光部材30は静電植毛に限ることはなく、反射光Rを吸光できる部材であればよい。例えば、積分球に使用されるライトトラップのような入射した光が戻らない仕組みの部品を上述したような位置に配置するとともに、当該部品の開口部を前記反射光Rが向かう方向に対向させて配置して、当該反射光Rを開口部を通して吸光してもよい。
次に、ライダー素子の反射光によるゴースト発生抑制についてのシミュレーション結果について説明する。
図4はライダー素子を光軸に対して垂直に配置した従来例を示し、図5はライダー素子を傾斜角45°で光軸に対して傾斜させた本発明例を示す。
図4および図5において、縦軸は放射照度(W/m)を示し、横軸は、ライダー素子において受光した位置を、ライダー素子の中心を基準として示す。ライダー素子の表面(受光面)の中心位置を「0」とすると、ライダー素子の短辺方向の一方側と他方側に離れた位置をそれぞれ+mm単位の数値および-mm単位の数値で示す。
図4に示すように、ライダー素子を光軸に対して垂直に配置した従来例では、ライダー素子の表面で光が反射したうえでレンズユニットの別光学部品に反射して迷光となり、この迷光がライダー素子に入射するため、光源像の他に迷光による像が検出され、ゴーストが生じる。
一方、図5に示すように、ライダー素子を傾斜角45°で光軸に対して傾斜させた本発明例では、ライダー素子の表面で反射した反射光は吸光部材に吸光され迷光とならないため、光源像のみが検出され、ゴーストの発生を抑制できる。
以上説明したように、本実施形態によれば、ライダー素子22がレンズ群Lの光軸Оに対して傾斜して配置されているので、物体側からレンズ群Lを通してライダー素子22に入射する光のうち、ライダー素子22で反射した反射光はレンズに戻ることなく、吸光部材30に吸光されるので、反射光は別光学部品で反射して迷光とならない。このため、ライダー素子22の反射光Rによるゴーストの発生を抑制できる。
また、反射光Rがレンズ群Lとライダー素子22との間において、光軸Оと交差する方向に向かうように、ライダー素子22が傾斜しており、吸光部材30は光軸Оと交差する方向においてライダー素子22の外側に配置されているので、反射光Rは、レンズ群Lやその他の光学部品に向かうことなく、吸光部材30によって吸光される。したがって、より効果的にゴーストの発生を抑制できる。
さらに、ライダー素子22は、当該ライダー素子22の表面の短辺が光軸Оに対して傾斜するように配置されているので、レンズ群Lのうち最も像側に位置するレンズ17とライダー素子22との間のバックフォーカスを短くすることができ、カメラモジュール10のコンパクト化を図ることができる。
加えて、ライダー素子22の傾斜角θが、40°≦θ≦60°に設定されているので、ライダー素子22の反射光によるゴーストの発生を効果的に抑制できる。
また、ライダー素子22を保持する筒状の保持部材52を備え、保持部材52の収容部52aの内周面に吸光部材30が設けられているので、吸光部材30をライダー素子22の外側に容易に配置できる。
なお、本実施形態では、複数のレンズ13~17が当該レンズ13~17の光軸方向に沿って並べられたレンズ群Lを有するレンズユニット11を備えていたが、本発明では、このようなレンズ群Lを有していれば、レンズユニット11は無くてもよい。例えば、鏡筒12と保持部材52とを一体化したホルダを形成し、このホルダ内にレンズ、撮像センサ(ライダーセンサ)20、吸光部材30等を設けてもよい。
また、本実施形態では、鏡筒12を段付きの円筒状としたが、ストレートの円筒状に形成してもよい。
図6には、図1および図2に示すカメラモジュール10を含む撮像装置250を備える車載システム(撮像システム)が搭載される移動体としての車両240が概略的に示されている。図示のように、撮像装置250は車両240に搭載することができ、図6は、車両240における撮像装置250の搭載位置を例示する配置例である。車両240に搭載される撮像装置250は、車載カメラと呼ぶこともでき、車両240の種々の場所に設置することができる。例えば、第1の撮像装置250aは、車両240が走行する際の前方を監視するカメラとして、フロントバンパーまたはその近傍に配置されてもよい。また、前方を監視する第2の撮像装置250bは、車両240の車室内のルームミラー(Inner Rearview Mirror)の近傍に配置されてもよい。第3の撮像装置250cは、運転者の運転状況を監視するカメラとしてダッシュボード上またはインスツルメントパネル内等に配置されてもよい。第4の撮像装置250dは、車両240の後方モニター用に車両240の後部に設置されてもよい。撮像装置250a、250bはフロントカメラと呼ぶことができる。第3の撮像装置250cは、インカメラと呼ぶことができる。第4の撮像装置250dはリアカメラと呼ぶことができる。撮像装置250は、これらに限られず、左後ろ側方を撮像する左サイドカメラおよび右後ろ側方を撮像する右サイドカメラ等、種々の位置に設置される撮像装置を含む。
撮像装置250により撮像された画像の画像信号は、車両240内の情報処理装置242および/または表示装置243等に出力され得る。これらの情報処理装置242および表示装置243は、撮像装置250と共に車載システムを構成する。車両240内の情報処理装置242は、撮像装置250により取得される画像信号を処理し、画像を認識して運転者の運転を支援する装置を含む。また、情報処理装置242は、例えば、ナビゲーション装置、衝突被害軽減ブレーキ装置、車間距離制御装置、および、車線逸脱警報装置等を含むが、これらに限定されない。表示装置243は、情報処理装置242により処理されて出力される画像を表示するが、撮像装置250から直接に画像信号を受信することもできる。また、表示装置243は、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ、および、無機ELディスプレイを採用し得るが、これらに限定されない。表示装置243は、リアカメラ等の運転者から視認しづらい位置の画像を撮像する撮像装置250から出力された画像信号を、運転者に対して表示することができる(乗員への情報を出力できる)。
図7には、図6に示す車載システムを構成する撮像装置の構成が示される。図示のように、本実施形態に係る撮像装置250は、制御部252と、記憶部254と、前述した図1および図2に示すカメラモジュール10を備える。
制御部252は、カメラモジュール10を制御するとともに、カメラモジュール10の撮像素子(ライダー素子)22から出力される電気信号を処理する。この制御部252は例えばプロセッサとして構成されてもよい。また、制御部252は1つ以上のプロセッサを含んでもよい。プロセッサは、特定のプログラムを読み込ませて特定の機能を実行する汎用のプロセッサ、および、特定の処理に特化した専用のプロセッサを含んでもよい。専用のプロセッサは、特定用途向けIC(Integrated Circuit)を含んでもよい。特定用途向けICは、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)とも称される。プロセッサは、プログラマブルロジックデバイスを含んでもよい。プログラマブルロジックデバイスは、PLD(Programmable Logic Device)とも称される。PLDは、FPGA(Field-Programmable Gate Array)を含んでもよい。制御部252は、1つ以上のプロセッサが協働するSoC(System-on-a-Chip)、および、SiP(System In a Package)のいずれかであってもよい。
記憶部254は、撮像装置250の動作に係る各種情報またはパラメータを記憶する。記憶部254は、例えば半導体メモリ等で構成されてもよい。記憶部254は、制御部252のワークメモリとして機能してもよい。記憶部254は、撮像画像を記憶してもよい。記憶部254は、制御部252が撮像画像に基づく検出処理を行なうための各種パラメータ等を記憶してもよい。記憶部254は制御部252に含まれてもよい。
前述したように、カメラモジュール10は、レンズユニット11を介して結像する被写体像を撮像素子(ライダー素子)22で撮像し、撮像した画像を出力する。カメラモジュール10で撮像された画像は、撮像画像とも称される。
撮像素子22は、本実施形態ではライダー素子22であるが、例えば、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサまたはCCD(Charge Coupled Device)等で構成されてよい。撮像素子22は、複数の画素が並ぶ撮像面を有する。各画素は、入射した光量に応じて電流または電圧で特定される信号を出力する。各画素が出力する信号は、撮像データとも称される。
撮像データは、全ての画素についてカメラモジュール10で読み出され、撮像画像として制御部252に取り込まれてもよい。全ての画素について読み出された撮像画像は、最大撮像画像とも称される。撮像データは、一部の画素についてカメラモジュール10で読み出され、撮像画像として取り込まれてもよい。言い換えれば、撮像データは、所定の取り込み範囲の画素から読み出されてもよい。所定の取り込み範囲の画素から読み出された撮像データは、撮像画像として取り込まれてもよい。所定の取り込み範囲は、制御部252によって設定されてもよい。カメラモジュール10は、制御部252から所定の取り込み範囲を取得してもよい。撮像素子22は、レンズユニット11を介して結像する被写体像のうち所定の取り込み範囲の画像を撮像してもよい。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。例えば、本発明において、レンズ、鏡筒などの形状、撮像センサ20の種類、吸光部材30の種類等は、上述した実施形態に限定されない。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、上述した実施形態の一部または全部を組み合わせてもよく、あるいは、上述した実施形態のうちの1つから構成の一部が省かれてもよい。
10 カメラモジュール
11 レンズユニット
13~17 レンズ
22 ライダー素子(撮像素子)
30 吸光部材
52 保持部材
L レンズ群
240 車両(移動体)
242 処理装置
243 表示装置
250 撮像装置
252 制御部

Claims (7)

  1. 複数のレンズが当該レンズの光軸方向に沿って並べられたレンズ群と、当該レンズ群の結像位置に配置されて、前記レンズ群を通じて集光される光を電気信号に変換する撮像素子とを備えたカメラモジュールであって、
    前記撮像素子は、前記レンズ群の光軸に対して傾斜して配置され、
    前記撮像素子で反射した反射光を入射させて、当該反射光を吸光する吸光部材を備えたことを特徴とするカメラモジュール。
  2. 前記反射光が前記レンズ群と前記撮像素子との間において、光軸と交差する方向に向かうように、前記撮像素子が傾斜しており、
    前記吸光部材は光軸と交差する方向において前記撮像素子の外側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のカメラモジュール。
  3. 前記撮像素子は、表面が長方形状のライダー素子であり、
    前記ライダー素子は、前記表面の短辺が前記光軸に対して傾斜するように配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載のカメラモジュール。
  4. 前記ライダー素子の前記短辺と前記光軸とのなす角を傾斜角θとすると、
    40°≦θ≦60°に設定されていることを特徴とする請求項3に記載のカメラモジュール。
  5. 前記撮像センサを保持する筒状の保持部材を備え、
    前記保持部材の内周面に前記吸光部材が設けられていることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載のカメラモジュール。
  6. 請求項5に記載のカメラモジュールと、前記カメラモジュールを制御するとともに前記カメラモジュールの撮像素子から出力される電気信号を処理する制御部とを有する撮像装置と、
    前記撮像装置により取得される画像信号を処理する処理装置と、
    前記処理装置により処理されて出力される画像を表示する表示装置と、
    を有することを特徴とする撮像システム。
  7. 請求項6に記載の撮像システムを搭載し、前記表示装置により乗員への情報を出力することを特徴とする移動体。
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