JP2023039478A - レンズユニット、レンズユニットの製造方法、カメラモジュール、撮像システムおよび移動体 - Google Patents

レンズユニット、レンズユニットの製造方法、カメラモジュール、撮像システムおよび移動体 Download PDF

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Abstract

【課題】一体型ヒータを、レンズユニットに組み込んで、配線部材をレンズユニットの外部に容易に導出することができるレンズユニット、カメラモジュール、撮像システムおよび移動体を提供する。【解決手段】鏡筒12は、光軸方向において分割され、かつ結合可能な第1鏡筒31と、この第1鏡筒より像側に位置する第2鏡筒32とを備え、第2鏡筒32は、第1レンズ13以外のレンズを収容し、かつ第1レンズ13に像側で隣接する第2レンズ14の面状ヒータ51が配置される配置部14sを露出させるように構成され、第2鏡筒32に挿通部55が設けられ、配線部材52は挿通部55に挿通されたうえで、第1鏡筒31と第2鏡筒32との間の隙間Sから外部に導出されている【選択図】図1

Description

本発明は、特に自動車等の車両に搭載される車載カメラを構成するレンズユニット、レンズユニットの製造方法、カメラモジュール、撮像システムおよび撮像システムを搭載した移動体に関する。
近年、自動車に車載カメラを搭載し、駐車をサポートしたり、画像認識により衝突防止を図ったりすることが行なわれており、さらにそれを自動運転に応用する試みもなされている。また、このような車載カメラのカメラモジュールは、一般に、複数のレンズが光軸に沿って並べられて成るレンズ群と、このレンズ群を収容保持する鏡筒と、レンズ群の少なくとも一個所のレンズ間に配置される絞り部材とを有するレンズユニットを備える(例えば、特許文献1参照)。
前記構成のレンズユニット(カメラモジュール)は、車載カメラに限らず、様々な光学機器で使用され得るが、とりわけ、寒冷地で外部環境に晒される場合には、レンズ表面の凍結やレンズへの着雪が想定し得るため、一般に融雪機能等を備えるようになっている。具体的には、そのようなレンズユニットは、例えば、図15に示すように、鏡筒12内に収容保持されたレンズ群Lのうち最も物体側に位置して、鏡筒12から露出する(外部環境に晒される)第1レンズ13を暖めるべく、第1レンズ13のフランジ部13fの像側に面する表面(対向面)13dと第1レンズ13に隣接する第2レンズ14のフランジ部14fの物体側に面する表面(対向面)14dとの間に面状ヒータ40を介挿するようにしている。なお、図15において複数のレンズ13~17についてはハッチングを省略している。
このように鏡筒12内に組み込まれる面状ヒータ40は、発生した熱を効率良く第1レンズ13の表面に伝えることができる最も有効な加熱手段として広く用いられている。
特開2013-231993号公報
ところで、上記のようなレンズユニットに面状ヒータ40を組み込む場合、鏡筒12に横穴12Aを形成し、面状ヒータ40に一端部が接続された給電用の配線部材41を横穴12Aに通して、外部に導出している。そして、この外部に導出された配線部材41の他端部にコネクタ部42が接続され、このコネクタ部42が自動車側に接続されている。
近年、電装部品の信頼性等の問題から、面状ヒータ40、配線部材41およびコネクタ部材42を工場等で一体的に製造して、一体型ヒータとし、この一体型ヒータをレンズユニットに組み込みたいという要望がある。
しかし、一体型ヒータでは、配線部材41の一端部に面状ヒータ40が接続され、他端部にコネクタ部42が接続されているので、配線部材41を鏡筒12の横穴12Aに通すようにして配線することはできない。
また、近年、コネクタ部42のサイズが大きくなる傾向があるため、配線部材41に予めコネクタ部42を接続しておくと、レンズユニット側から横穴12Aを通して、配線部材41をレンズユニットの外部に導出することができない。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、面状ヒータと、当該面状ヒータに一端部が接続された給電用の配線部材と、この配線部材の他端部に接続されたコネクタ部とが一体的に形成された一体型ヒータを、レンズユニットに組み込んで、配線部材をレンズユニットの外部に容易に導出することができるレンズユニット、レンズユニットの製造方法、カメラモジュール、撮像システムおよび移動体を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明に係るレンズユニットは、光軸に沿って並べられた複数のレンズと、これら複数のレンズを収容する鏡筒と、最も物体側に位置する第1レンズを加熱可能な面状ヒータとを備えたレンズユニットにおいて、
前記面状ヒータと、当該面状ヒータに一端部が接続された給電用の配線部材と、この配線部材の他端部に接続されたコネクタ部とが一体的に形成された一体型ヒータを有し、
前記鏡筒は、光軸方向において分割され、かつ結合可能な第1鏡筒と、この第1鏡筒より像側に位置する第2鏡筒とを備え、
前記第2鏡筒は、前記第1レンズ以外の前記レンズを収容し、かつ前記第1レンズに像側で隣接する第2レンズの前記面状ヒータが配置される配置部を露出させるように構成され、
前記第1鏡筒は、前記第1レンズを収容し、かつ前記第2鏡筒に結合した状態で、前記第1レンズを前記面状ヒータに当接させ、
前記第2鏡筒の外周面および/または前記第1鏡筒の内周面に溝状の挿通部が光軸方向に沿って設けられ、前記配線部材は前記挿通部に挿通されたうえで、前記第1鏡筒と前記第2鏡筒との間の隙間から外部に導出されていることを特徴とする。
本発明においては、面状ヒータと、当該面状ヒータに一端部が接続された給電用の配線部材と、この配線部材の他端部に接続されたコネクタ部とが一体的に形成された一体型ヒータを有し、鏡筒は、第1鏡筒と、この第1鏡筒より像側に位置する第2鏡筒とを備え、前記第2鏡筒は、前記第1レンズ以外の前記レンズを収容し、かつ前記第1レンズに像側で隣接する第2レンズの前記面状ヒータが配置される配置部を露出させるように構成され、前記第1鏡筒は、前記第1レンズを収容し、かつ前記第2鏡筒に結合した状態で、前記第1レンズを前記面状ヒータに当接させ、前記第2鏡筒の外周面および/または前記第1鏡筒の内周面に溝状の挿通部が光軸方向に沿って設けられ、配線部材は前記挿通部に挿通されたうえで、前記第1鏡筒と前記第2鏡筒との間の隙間から外部に導出されているので、一体型ヒータの面状ヒータを、レンズユニットに組み込むとともに、配線部材をレンズユニットの外部に容易に導出することができる。
また、本発明の前記構成において、前記第2レンズの前記配置部は、前記第1レンズが当接される当接面より像側に配置された段差面であってもよい。
このような構成によれば、第2レンズの配置部は、第1レンズが当接される当接面より像側に配置された段差面であるので、この段差面に当該段差面の段差とほぼ等しいか若干薄い面状ヒータを配置することによって、レンズユニットの組み立て時に面状ヒータに第1レンズおよび第2レンズから作用する圧力を緩和することができる。
また、本発明の前記構成において、前記第1鏡筒は、前記第2鏡筒に結合された状態で、前記第1レンズを像側にカシメ可能なカシメ部を有していてもよい。
このような構成によれば、第1鏡筒が第2鏡筒に結合された状態で、第1レンズをカシメ部によって像側にカシメることによって、第1レンズを第2レンズに押圧固定できる。
本発明に係るレンズユニットの製造方法は、光軸に沿って並べられた複数のレンズと、これら複数のレンズを収容する鏡筒と、最も物体側に位置する第1レンズを加熱可能な面状ヒータとを備えたレンズユニットを製造するレンズユニットの製造方法であって、
前記面状ヒータと、当該面状ヒータに一端部が接続された給電用の配線部材と、この配線部材の他端部に接続されたコネクタ部とが一体的に形成された一体型ヒータを用意するとともに、光軸方向において分割され、かつ結合可能な第1鏡筒と、この第1鏡筒より像側に位置する第2鏡筒とを備えた鏡筒を用意し、
前記第2鏡筒に前記第1レンズ以外のレンズを収容するとともに、前記第1レンズに像側で隣接する第2レンズの前記面状ヒータが配置される配置部を露出させ、
次に、前記配置部に前記一体型ヒータの前記面状ヒータを配置するとともに、前記第2鏡筒の外周面に光軸方向に沿って設けられた溝状の挿通部に前記一体型ヒータの前記配線部材を挿通し、
次に、前記第2鏡筒に前記第1鏡筒を被せるように結合するとともに、前記第1鏡筒と前記第2鏡筒との間の隙間から前記配線部材を外部に導出し、
次に、前記第1鏡筒に前記第1レンズを収容するとともに前記面状ヒータに当接させることを特徴とする。
本発明においては、第2鏡筒に第1レンズ以外のレンズを収容するとともに、第2レンズの面状ヒータが配置される配置部を露出させ、次に、前記配置部に一体型ヒータの面状ヒータを配置するとともに、第2鏡筒に設けられた挿通部に一体型ヒータの配線部材を挿通し、次に、第2鏡筒に第1鏡筒を被せるように結合するとともに、第1鏡筒と第2鏡筒との間の隙間から配線部材を外部に導出し、次に、第1鏡筒に第1レンズを収容するとともに面状ヒータに当接させるので、一体型ヒータの面状ヒータを、レンズユニットに組み込むとともに、配線部材をレンズユニットの外部に容易に導出することができる。
また、本発明に係るレンズユニットの他の製造方法は、光軸に沿って並べられた複数のレンズと、これら複数のレンズを収容する鏡筒と、最も物体側に位置する第1レンズを加熱可能な面状ヒータとを備えたレンズユニットを製造するレンズユニットの製造方法であって、
前記面状ヒータと、当該面状ヒータに一端部が接続された給電用の配線部材と、この配線部材の他端部に接続されたコネクタ部とが一体的に形成された一体型ヒータを用意するとともに、光軸方向において分割され、かつ結合可能な第1鏡筒と、この第1鏡筒より像側に位置する第2鏡筒とを備えた鏡筒を用意し、
前記第2鏡筒に前記第1レンズ以外のレンズを収容するとともに、前記第1レンズに像側で隣接する第2レンズの前記面状ヒータが配置される配置部を露出させ、
次に、前記配置部に前記一体型ヒータの前記面状ヒータを配置し、
次に、前記第2鏡筒に前記第1鏡筒を被せるように結合するとともに、前記第1鏡筒の外周面に光軸方向に沿って設けられた溝状の挿通部に前記一体型ヒータの前記配線部材を挿通し、さらに当該配線部材を前記第1鏡筒と前記第2鏡筒との間の隙間から外部に導出し、
次に、前記第1鏡筒に前記第1レンズを収容するとともに前記面状ヒータに当接させることを特徴とする。
本発明においては、第2鏡筒に第1レンズ以外のレンズを収容するとともに、第2レンズの面状ヒータが配置される配置部を露出させ、次に、前記配置部に一体型ヒータの面状ヒータを配置し、次に、前記第2鏡筒に前記第1鏡筒を被せるように結合するとともに、前記第1鏡筒に設けられた挿通部に前記一体型ヒータの前記配線部材を挿通し、さらに当該配線部材を前記第1鏡筒と前記第2鏡筒との間の隙間から外部に導出し、次に、第1鏡筒に第1レンズを収容するとともに面状ヒータに当接させるので、一体型ヒータの面状ヒータを、レンズユニットに組み込むとともに、配線部材をレンズユニットの外部に容易に導出することができる。
また、本発明に係るレンズユニットのさらに他の製造方法は、光軸に沿って並べられた複数のレンズと、これら複数のレンズを収容する鏡筒と、最も物体側に位置する第1レンズを加熱可能な面状ヒータとを備えたレンズユニットを製造するレンズユニットの製造方法であって、
前記面状ヒータと、当該面状ヒータに一端部が接続された給電用の配線部材と、この配線部材の他端部に接続されたコネクタ部とが一体的に形成された一体型ヒータを用意するとともに、光軸方向において分割され、かつ結合可能な第1鏡筒と、この第1鏡筒より像側に位置する第2鏡筒とを備えた鏡筒を用意し、
前記第2鏡筒に前記第1レンズ以外のレンズを収容するとともに、前記第1レンズに像側で隣接する第2レンズの前記面状ヒータが配置される配置部を露出させる一方で、前記第1鏡筒に前記第1レンズを配置するとともに前記第1レンズに前記一体型ヒータの前記面状ヒータを接着し、
次に、前記第2鏡筒に前記第1鏡筒を被せるように結合するとともに、前記第2鏡筒の外周面に光軸方向に沿って設けられた溝状の挿通部に前記一体型ヒータの前記配線部材を挿通しつつ、前記面状ヒータを前記配置部に配置するとともに、前記第1鏡筒と前記第2鏡筒との間の隙間から前記配線部材を外部に導出することを特徴とする。
本発明においては、第2鏡筒に第1レンズ以外のレンズを収容するとともに、第2レンズの面状ヒータが配置される配置部を露出させる一方で、第1鏡筒に第1レンズを配置するとともに第1レンズに一体型ヒータの前記面状ヒータを接着し、
次に、第2鏡筒に第1鏡筒を被せるように結合するとともに、第2鏡筒に設けられた挿通部に一体型ヒータの配線部材を挿通しつつ、面状ヒータを配置部に配置するとともに、第1鏡筒と第2鏡筒との間の隙間から前記配線部材を外部に導出するので、一体型ヒータの面状ヒータを、レンズユニットに組み込むとともに、配線部材をレンズユニットの外部に容易に導出することができる。
また、本発明は、前記レンズユニットを有するカメラモジュール、当該カメラモジュールを有する撮像システム、および、撮像システムを搭載して成る移動体も提供する。このようなカメラモジュール、撮像システムおよび移動体によっても上述したレンズユニットと同様の作用効果を得ることができる。なお、「移動体」とは、移動できる物体の全てを指し、例えば車両等を挙げることができる。
本発明によれば、一体型ヒータの面状ヒータを、レンズユニットに組み込むとともに、配線部材をレンズユニットの外部に容易に導出することができる。
本発明の第1の実施形態に係るレンズユニットを示すもので、概略断面図である。 同、図1におけるA-A線断面図である。 同、一体型ヒータの概略構成を示す図である。 同、レンズユニットの製造方法を示す図であり、(a)は鏡筒と一体型ヒータの概略断面図、(b)は第2レンズの配置部に面状ヒータを配置した状態を示す概略断面図、(c)は第1鏡筒と第2鏡筒を結合した状態を示す概略断面図、(d)は製造されたレンズユニットの概略断面図である。 本実施形態に係るカメラモジュールを示す概略断面図である。 本発明の第2の実施形態に係るレンズユニットを示すもので、概略断面図である。 本発明の第3の実施形態に係るレンズユニットを示すもので、概略断面図である。 同、図7におけるA-A線断面図である。 同、レンズユニットの製造方法を示す図であり、(a)は鏡筒と一体型ヒータの概略断面図、(b)は第2レンズの配置部に面状ヒータを配置した状態を示す概略断面図、(c)は第1鏡筒と第2鏡筒を結合した状態を示す概略断面図、(d)は製造されたレンズユニットの概略断面図である。 第4の実施形態のレンズユニットの製造方法を示すもので、(a)は鏡筒と一体型ヒータの概略断面図、(b)は第1鏡筒と第2鏡筒を結合した状態を示す概略断面図、(c)は製造されたレンズユニットの概略断面図である。 本発明の第4の実施形態に係るレンズユニットを示すもので、概略断面図である。 同、レンズユニットの製造方法を示す図であり、(a)は鏡筒と一体型ヒータの概略断面図、(b)は第2レンズの配置部に面状ヒータを配置した状態を示す概略断面図、(c)は第1鏡筒に第1レンズを保持させた状態を示す概略断面図、(d)は製造されたレンズユニットの概略断面図である。 本発明の実施形態に係るカメラモジュールを備える撮像システム(車載システム)が搭載される移動体としての車両の概略図である。 図13に示す撮像システムを構成する撮像装置の構成を示すブロック図である。 従来のレンズユニットの一例を示す概略断面図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明するが、本実施形態は、国連の提唱する持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)の「9.産業と技術革新の基盤をつくろう」の、「9.1 すべての人々に安価で公平なアクセスに重点を置いた経済発展と人間の福祉を支援するために、地域・越境インフラを含む質の高い、信頼でき、持続可能かつ強靭(レジリエント)なインフラを開発する。」に貢献する。
なお、以下で説明する本実施形態のレンズユニットは、特に車載カメラ等のカメラモジュール用のものであり、例えば、自動車の外表面側に固定して設置され、配線は自動車内に引き込まれてディスプレイやその他の装置に接続される。また、図1、図4、図5~図7、図9~図12において複数のレンズおよびスペーサについてはハッチングを省略している。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係るレンズユニット11の概略断面図である。図示のように、本実施形態のレンズユニット11は、例えば、車載カメラ用のものであり、自動車の外側に少なくともレンズユニット11の物体側の端部(図1では上端部)を露出して設置される。
レンズユニット11は、例えば樹脂製の円筒状の鏡筒12と、鏡筒12内に配置される複数(例えば、7つ)のレンズ13,14,15,16,17,18,19と、2つの絞り部材21,22と、2つの環状のスペーサ24A,24Bを備えている。このレンズユニット11を備える車載カメラは、レンズユニット11と、図示しないイメージセンサを有する基板と、当該基板を自動車等の車両に設置する図示しない設置部材とを備えるものである。
また、レンズ13はガラスレンズであり、レンズ14~19は樹脂レンズであるが、これに限定されない(例えば、レンズ13が樹脂レンズであっても構わない)。
また、レンズ13~19の表面には、必要に応じて、反射防止膜、親水膜、撥水膜等が設けられる。
鏡筒12に固定されて支持されている複数のレンズ13~19は、それぞれの光軸を一致させた状態に配置されており、1つの光軸Оに沿って各レンズ13~19が並べられた状態となって、撮像に用いられる1群のレンズ群Lを構成している。
また、レンズ17とレンズ18とは接着剤によって貼合わされた貼合わせレンズ30となっており、当該貼合わせレンズ30はレンズ17とレンズ18とを備えている。
2つの絞り部材21,22のうちの物体側(鏡筒12の一方の端部)から1番目の絞り部材21は、物体側から2番目のレンズ14とスペーサ24Aとの間に配置されている。物体側から2番目の絞り部材22は、物体側から6番目のレンズ18と7番目のレンズ19との間に配置されている。絞り部材21、22は透過光量を制限し、明るさの指標となるF値を決定する「開口絞り」またはゴーストの原因となる光線や収差の原因となる光線を遮光する「遮光絞り」である。
また、本実施の形態において、最も物体側に位置するレンズ13と鏡筒12との間にはシール部材としてのOリング26が介挿され、鏡筒12の内側のレンズ群L内に水や塵埃が侵入しないようにしている。この場合、レンズ13の外周面13aに、当該レンズ13の像側部分で径が小さくなった段差状の縮径部13bが設けられ、この縮径部13bにOリング26が装着されて、レンズ13の外周面13aと鏡筒12の内周面との間でOリング26が径方向で圧縮されることにより、鏡筒12の物体側端部が封止された状態となっている。
なお、レンズ13と鏡筒12との間に介挿されるシール部材は、Oリング26に限定されず、レンズ13と鏡筒12との間をシールできる環状体であればどのような形態であっても構わない。
また、鏡筒12は、その内側収容空間内にレンズ群Lが組み込まれて収容保持された状態で、その物体側の端部(図1において上端部)のカシメ部23が径方向内側に熱的にカシメられることにより、レンズ群Lの最も物体側に位置するレンズ13をこのカシメ部23により鏡筒12の物体側端部に光軸方向で固定する。この場合、安定したカシメを行なえるように、カシメ部23が圧接されるガラスレンズ13の部位は平面状に斜めにカットされた平坦部13cとして形成される。なお、第1レンズ13を鏡筒12の物体側端部に光軸方向で固定する手段は、このようなカシメ部23に限らない。例えば、鏡筒12が特に金属で形成される場合には、鏡筒12の物体側端部に螺合されるキャップによって第1レンズ13が鏡筒12の物体側端部に光軸方向で固定されてもよい。
また、鏡筒12の像側の端部(図1において下端部)には、レンズ群Lの最も像側に位置するレンズ19よりも径の小さい開口部を有する内側フランジ部25が設けられている。この内側フランジ部25とカシメ部23とにより、鏡筒12内にレンズ群Lを構成する複数のレンズ13~19、絞り部材21,22、およびスペーサ24A,24Bが光軸方向で保持固定されている。
また、本実施形態では、前記鏡筒12は、光軸方向において分割され、かつ結合可能な第1鏡筒31と、この第1鏡筒31より像側に位置する第2鏡筒32とを備えている。
第1鏡筒31は、略円筒状に形成され、物体側に位置する小径部31aと、小径部31aより像側に位置する大径部31bとを備え、小径部31aと大径部31bとはフランジ部31cによって一体的に連結されている。また、大径部31bの内径は、小径部31aの内径より長くなっている。
小径部31aの上端部に前記カシメ部23が設けられ、大径部31bの下端部内周面に雌ねじ部33aが周方向全域にわたって設けられている。
第2鏡筒32は、円筒状に形成され、物体側に位置する大径部32aと、大径部32aより像側に位置する小径部32bとを備え、大径部32aと小径部32bとはフランジ部32cによって一体的に連結されている。また、大径部32aの外周面には、雄ねじ部33bが形成されている。
雄ねじ部33bは、図2に示すように、大径部32aの外周面の全域にわたって設けられておらず、大径部32aの外周面の一部は、径方向内側に向かって矩形状に切り欠かれてなる切欠部32dを有し、この切欠部32dによって、雄ねじ部33bは周方向に一部不連続となっている。
そして、第1鏡筒31の大径部31bの内側に、第2鏡筒32の大径部32aを挿入し、大径部32aの雄ねじ部33bを、大径部31bの雌ねじ部33aに螺合することによって、光軸方向に分割されている第1鏡筒31と第2鏡筒32とは結合可能となっている。
また、第2鏡筒12は、第1レンズ13以外のレンズ14~19、スペーサ24Aおよび絞り部材21,22を収容し、かつ第1レンズ13に像側で隣接する第2レンズ14の、面状ヒータが配置される配置部14sを露出するように構成されている。
すなわち、第2レンズ14は、軸方向(光軸方向)の略上半分が第2鏡筒12の開口端面、つまり大径部32aの上端開口から上側(物体側)に突出するようにして、第2鏡筒12内に配置されている。そして、上半分が突出する第2レンズ14のレンズ面14aより径方向外側の部分の上面(物体側の表面)が配置部14sとなっている。この配置部14sは円環状に形成されている。
また、本実施形態のレンズユニット11は、図3に示すように、一体型ヒータ50を備えている。一体型ヒータ50は面状ヒータ51と、当該面状ヒータ51に一端部が接続された給電用の配線部材52と、この配線部材52の他端部に接続されたコネクタ部53とが一体的に形成されたものであり、工場等で一体的に製造される。
面状ヒータ51は、円環状に形成されており、例えば有機PTCヒータによって構成されている。面状ヒータ51の直径は前記第2レンズ14の直径(配置部14sの直径)より僅かに大きくなっており、内径は配置部14sの内径より僅かに大きくなっている。
このような面状ヒータ51は、図1に示すように、第2レンズ14の配置部14sに配置され、この状態において、面状ヒータ51の外周縁は、配置部14sの外周縁より径方向外側に突出しており、面状ヒータ51の内周縁は、配置部14sの内周縁より径方向外側に突出している。
また、第1鏡筒31は、第1レンズ13を収容し、かつ第2鏡筒32に雌ねじ部33aと雄ねじ部33bとの螺合により結合した状態で、第1レンズ13を面状ヒータ51に当接させている。すなわち、第1レンズ13は、像側の面が面状ヒータ51と略同一の環状面13mに形成されており、この環状面13mが面状ヒータ51に当接されている。
また、第2鏡筒32には、挿通部55が設けられている。この挿通部55は一体型ヒータ50の配線部材52が挿通されるもので、前記切欠部32dによって構成されている。挿通部55は凹溝状に形成され、第2鏡筒32の大径部32aの外周面を断面コ字形にかつ軸方向(光軸方向)に延在するように切り欠くことによって形成されている。
また、第1鏡筒31の内周面には、挿通部56が設けられている。この挿通部56は断面形状が挿通部55と同形に形成され、挿通部55の上方に一直線状に配置されている。また、挿通部56は第1鏡筒31の外周面に光軸方向に沿って凹溝状に形成されている。
そして、一体型ヒータ50の配線部材52は挿通部56,55を挿通されたうえで、第1鏡筒31と第2鏡筒32との間の隙間Sから外部に導出されている。
次に、上記のように構成されたレンズユニット11を製造する方法、つまり、光軸に沿って並べられた複数のレンズ13~19と、これら複数のレンズ13~19を収容する鏡筒12と、最も物体側に位置する第1レンズ13を加熱可能な面状ヒータ51とを備えたレンズユニット11を製造する製造方法について、図4を参照して説明する。
まず、図4(a)に示すように、面状ヒータ51と、当該面状ヒータ51に一端部が接続された給電用の配線部材52と、この配線部材52の他端部に接続されたコネクタ部53とが一体的に形成された一体型ヒータ50を用意するとともに、光軸方向において分割され、かつ結合可能な第1鏡筒31と、この第1鏡筒31より像側に位置する第2鏡筒32とを備えた鏡筒12を用意する。
次に、図4(a)に示すように、第2鏡筒32に、第1レンズ13以外のレンズ14~19、絞り部材21,22、およびスペーサ24A,24Bを収容するとともに、第1レンズ13に像側で隣接する第2レンズ14の、面状ヒータ51が配置される配置部14sを露出させる。
次に、図4(b)に示すように、配置部14sに一体型ヒータ50の面状ヒータ51を配置するとともに、第2鏡筒32に設けられた挿通部55に一体型ヒータ50の配線部材52を挿通する。この場合、配線部材52の一端部には面状ヒータ51が予め接続され、配線部材52の他端部にコネクタ部53が予め接続されているが、挿通部55は第2鏡筒32の(大径部32a)の外周面に溝状に形成されて開口しているので、当該挿通部55に配線部材52を沿わせるように挿入することで、配線部材52を挿通部55に容易に挿通できる。
次に、図4(c)に示すように、第2鏡筒32に第1鏡筒31を被せるように結合するとともに、第1鏡筒31と第2鏡筒32との間の隙間Sから配線部材52を外部に導出する。第2鏡筒32に第1鏡筒31を結合する場合、第2鏡筒32に設けられた雄ねじ部33bに第1鏡筒31に設けられた雌ねじ部33aを螺合して締め付ける。また、この際、第1鏡筒31に設けられている挿通部56に配線部材52の上端部が挿通される。挿通部56は第1鏡筒31の内周面に凹溝状に形成されているので、第1鏡筒32を螺合の際に軸回りに回転させることによって、挿通部56が配線部材52に対して周方向で一致するように配置されることによって、挿通部56に配線部材52がはまり込んで挿通される。
なお、配線部材52を隙間Sから導出した後、当該隙間Sを接着剤等によって封止する。
次に、図4(d)に示すように、第1鏡筒31に第1レンズ13を収容するとともに、当該第1レンズ13を面状ヒータ51に当接させる。
この場合、第1鏡筒31はカシメ部23を有しているので、当該カシメ部23を径方向内側に熱的にカシメることにより、レンズ群Lの最も物体側に位置するレンズ13をこのカシメ部23により鏡筒12の物体側端部に光軸方向で固定するとともに、第1レンズ13を第2レンズ14に押圧固定できる。第1レンズ13は、像側の面が面状ヒータ51と略同一の環状面13mに形成されているので、この環状面13mが面状ヒータ51に隙間なく当接される。
第1の実施形態によれば、面状ヒータ51と、当該面状ヒータ51に一端部が接続された給電用の配線部材52と、この配線部材52の他端部に接続されたコネクタ部と53が一体的に形成された一体型ヒータ50を有し、鏡筒12は、第1鏡筒31と、この第1鏡筒31より像側に位置する第2鏡筒32とを備え、第2鏡筒32は、第1レンズ13以外のレンズ14~19を収容し、かつ第1レンズ13に像側で隣接する第2レンズ14の面状ヒータ51が配置される配置部14sを露出させるように構成され、第1鏡筒31は、第1レンズ13を収容し、かつ第2鏡筒32に被せるように結合した状態で、第1レンズ13を面状ヒータ51に当接させ、鏡筒12の第2鏡筒32に挿通部55が設けられ、配線部材52は挿通部55に挿通されたうえで、第1鏡筒31と第2鏡筒32との間の隙間Sから外部に導出されているので、一体型ヒータ50の面状ヒータ51を、レンズユニット11に組み込むとともに、配線部材52をレンズユニット11の外部に容易に導出することができる。
図5は、以上のような構成を成すレンズユニット11を有する本実施形態のカメラモジュール300の概略断面図である。図示のように、カメラモジュール300は、外装部品である上ケース(カメラケース)301と、レンズユニット11を保持するマウント(台座)302とを備えている。また、カメラモジュール300は、シール部材303およびパッケージセンサ(撮像素子;イメージセンサ)304を備えている。
上ケース301は、鏡筒12の外周面に鍔状に設けられるフランジ部32cに係合されるとともに、レンズユニット11の物体側の端部を露出させて他の部分を覆う部材である。マウント302は、上ケース301の内部に配置されており、レンズユニット11の雄ねじ11aと螺合する雌ねじ302aを有する。シール部材303は、上ケース301の内面とレンズユニット11の鏡筒12の外周面との間に介挿された部材であり、上ケース301の内部の気密性を保持するための部材である。
パッケージセンサ304は、マウント302の内部に配置されており、かつ、レンズユニット11により形成される物体の像を受光する位置に配置されている。また、パッケージセンサ304は、CCDやCMOS等を備えており、レンズユニット11を通じて集光されて到達する光を電気信号に変換する。変換された電気信号は、カメラにより撮影された画像データの構成要素であるアナログデータやデジタルデータに変換される。
なお、本実施形態では、カメラモジュール300は、レンズユニット11を備えているが、当該レンズユニット11に代えて、後述するレンズユニット11A,11B,11Cのいずれかを備えていてもよい。
(第2の実施形態)
図6は、本発明の第2の実施形態に係るレンズユニット11Aを示している。
このレンズユニット11Aが、第1の実施形態のレンズユニット11と異なる点は、第2レンズ14の配置部14sが、第1レンズ13が当接される当接面14tより像側に配置された段差面14sである点であるので、以下ではこの点について説明し、第1の実施形態と同一構成には同一符号を付してその説明を省略する。
図6に示すように、第2レンズ14のレンズ面14aより径方向外側には第2レンズ14の軸方向(光軸方向)に突出する当接部が円環状に形成されており、この当接部の先端側の当接面14tに第1レンズ13の環状面13mが当接されている。この当接面14tの高さ(第2レンズ14のフランジ部の物体側の表面からの高さ)は面状ヒータ51の厚さとほぼ等しいか若干高くなっている。
このような当接面14tの径方向外側にレンズ14の配置部14sが設けられ、当該配置部14sは、当接面14tより像側に配置された段差面14sとなっている。
なお、本実施形態では、第2レンズ14のレンズ面14aより径方向外側に当接面14tを有する当接部を設けたので、当接部の幅(径方向の寸法)だけ、配置部14sの幅が短くなっており、これに対応して面状ヒータ51の内径が短くなっている。
また、本実施形態のレンズユニット11Aも、第1の実施形態のレンズユニット11と同様にして製造する。
本実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる他、第2レンズ14の配置部14sが、第1レンズ13が当接される当接面14tより像側に配置された段差面14sであるので、この段差面14sに当該段差面14sの段差とほぼ等しいか若干薄い面状ヒータ51を配置することによって、レンズユニット11の組み立て時に面状ヒータ51に第1レンズ13および第2レンズ14から作用する圧力を緩和することができる、という効果を得ることができる。
(第3の実施形態)
図7および図8は、本発明の第3の実施形態に係るレンズユニット11Bを示すもので、図7はレンズユニット11Bの概略断面図、図8は図7におけるA-A線断面図である。
第3の実施形態のレンズユニット11Bが、第1の実施形態のレンズユニット11と異なる点は、第1の実施形態のレンズユニット11では、鏡筒12に2つの挿通部55,56を設けたが、第2の実施形態のレンズユニット11Bでは、鏡筒12に1つの挿通部56を設けた点である。したがって、以下ではこの点について説明し、第1の実施形態のレンズユニット11と同一構成には同一符号を付してその説明を省略する場合もある。
すなわち、図7に示すように、本実施形態では、第1鏡筒32の内周面に、挿通部56が光軸方向に沿って設けられている。この挿通部56は断面形状がコ字形の溝状に形成され、その幅(第1鏡筒32の周方向における幅)は、一体型ヒータ50の配線部材52の幅より若干長くなっている。
また、第1鏡筒32の大径部31bは、第1の実施形態では、周方向全体に亘って形成されていたが、本実施形態では、大径部31bの一部が切り欠かれ、この切り欠いた部分において、大径部31bは不連続となっており、これに伴って大径部31bの内周面に形成されている雌ねじ部33aも不連続となっている。
そして、一体型ヒータ50の面状ヒータ51が第2レンズ14の配置部14sに配置され、配線部材52が挿通部56に挿通されたうえで、第1鏡筒31の、大径部31bの切り欠かれた部分に位置するフランジ部31cと、第2鏡筒32の大径部32aとの間の隙間Sから外部に導出されている。
次に、上記のように構成されたレンズユニット11Bを製造する方法、つまり、光軸に沿って並べられた複数のレンズ13~19と、これら複数のレンズ13~19を収容する鏡筒12と、最も物体側に位置する第1レンズ13を加熱可能な面状ヒータ51とを備えたレンズユニット11Bを製造する製造方法について、図9を参照して説明する。
まず、図9(a)に示すように、面状ヒータ51と、当該面状ヒータ51に一端部が接続された給電用の配線部材52と、この配線部材52の他端部に接続されたコネクタ部53とが一体的に形成された一体型ヒータ50を用意するとともに、光軸方向において分割され、かつ結合可能な第1鏡筒31と、この第1鏡筒31より像側に位置する第2鏡筒32とを備えた鏡筒12を用意する。
次に、図9(a)に示すように、第2鏡筒32に、第1レンズ13以外のレンズ14~19、絞り部材21,22、およびスペーサ24A,24Bを収容するとともに、第1レンズ13に像側で隣接する第2レンズ14の、面状ヒータ51が配置される配置部14sを露出させる。
次に、図9(b)に示すように、第2レンズ14の配置部14sに一体型ヒータ50の面状ヒータ51を配置するとともに、配線部材52を第2レンズ14の外周面に上下方向(光軸方向)に沿わせたうえで、外部に引き出す。
次に、図9(c)に示すように、第2鏡筒32に第1鏡筒31を被せるように結合するとともに、第1鏡筒31に設けられた挿通部56に一体型ヒータ50の配線部材52を挿通し、さらに当該配線部材52を第1鏡筒31と第2鏡筒32との間の隙間Sから外部に導出する。第2鏡筒32に第1鏡筒31を結合する場合、第2鏡筒32に設けられた雄ねじ部33bに第1鏡筒31に設けられた雌ねじ部33aを螺合して締め付ける。挿通部56は第1鏡筒32の内周面に凹溝状に形成されているので、第1鏡筒32を螺合の際に軸回りに回転させることによって、挿通部56が配線部材52に対して周方向で一致するように配置されることによって、挿通部56に配線部材52がはまり込んで挿通される。
なお、配線部材52を隙間Sから導出した後、当該隙間Sを接着剤等によって封止する。
次に、図9(d)に示すように、第1鏡筒31に第1レンズ13を収容するとともに、当該第1レンズ13を面状ヒータ51に当接させる。
この場合、第1鏡筒31はカシメ部23を有しているので、当該カシメ部23を径方向内側に熱的にカシメることにより、レンズ群Lの最も物体側に位置するレンズ13をこのカシメ部23により鏡筒12の物体側端部に光軸方向で固定するとともに、第1レンズ13を第2レンズ14に押圧固定できる。第1レンズ13は、像側の面が面状ヒータ51と略同一の環状面13mに形成されているので、この環状面13mが面状ヒータ51に隙間なく当接される。
第3実施形態によれば、第1の実施形態と同様に、面状ヒータ51と、当該面状ヒータ51に一端部が接続された給電用の配線部材52と、この配線部材52の他端部に接続されたコネクタ部と53が一体的に形成された一体型ヒータ50を有し、鏡筒12は、第1鏡筒31と、この第1鏡筒31より像側に位置する第2鏡筒32とを備え、第2鏡筒32は、第1レンズ13以外のレンズ14~19を収容し、かつ第1レンズ13に像側で隣接する第2レンズ14の面状ヒータ51が配置される配置部14sを露出させるように構成され、第1鏡筒31は、第1レンズ13を収容し、かつ第2鏡筒32に被せるように結合した状態で、第1レンズ13を面状ヒータ51に当接させ、鏡筒12の第1鏡筒31に挿通部56が設けられ、配線部材52は挿通部56に挿通されたうえで、第1鏡筒31と第2鏡筒32との間の隙間Sから外部に導出されているので、一体型ヒータ50の面状ヒータ51を、レンズユニット11Bに組み込むとともに、配線部材52をレンズユニット11Bの外部に容易に導出することができる。
(第4の実施形態)
図10は第4の実施形態を示す図である。第4の実施形態は、第1の実施形態のレンズユニット11を製造する別の製造方法である。但し、本実施形態の製造方法によって製造されたレンズユニット11は、面状ヒータ51が第1レンズ13に接着されている点において、第1の実施形態のレンズユニット11と若干異なる。
まず、図10(a)に示すように、面状ヒータ51と、当該面状ヒータ51に一端部が接続された給電用の配線部材52と、この配線部材52の他端部に接続されたコネクタ部53とが一体的に形成された一体型ヒータ50を用意するとともに、光軸方向において分割され、かつ結合可能な第1鏡筒31と、この第1鏡筒31より像側に位置する第2鏡筒32とを備えた鏡筒12を用意する。
次に、図10(a)に示すように、第2鏡筒32に、第1レンズ13以外のレンズ14~19、絞り部材21,22、およびスペーサ24A,24Bを収容するとともに、第1レンズ13に像側で隣接する第2レンズ14の、面状ヒータ51が配置される配置部14sを露出させる一方で、第1鏡筒31に第1レンズ13を配置するとともに第1レンズ13の環状面13mに一体型ヒータ50の面状ヒータ51を接着する。また、一体型ヒータ50の配線部材52を第1鏡筒31に設けられた挿通部56に挿通する。
次に、図10(b)に示すように、第2鏡筒32に第1鏡筒31を被せるように結合するとともに、第2鏡筒32に設けられた挿通部55に配線部材52を挿通しつつ、面状ヒータ51を配置部14sに配置するとともに、第1鏡筒31と第2鏡筒32との間の隙間Sから配線部材52を外部に導出する。
なお、配線部材52を隙間Sから導出した後、当該隙間Sを接着剤等によって封止する。
第2鏡筒32に第1鏡筒31を結合する場合、第2鏡筒32に設けられた雄ねじ部33bに第1鏡筒31に設けられた雌ねじ部33aを螺合して締め付ける。また、この際、挿通部55は第2鏡筒32の外周面に凹溝状に形成されているので、第2鏡筒32を螺合の際に軸回りに回転させることによって、挿通部55が配線部材52に対して周方向で一致するように配置されることによって、挿通部55に配線部材52がはまり込んで挿通される。
次に、図10(c)に示すように、第1鏡筒31はカシメ部23を有しているので、当該カシメ部23を径方向内側に熱的にカシメることにより、レンズ群Lの最も物体側に位置するレンズ13をこのカシメ部23により鏡筒12の物体側端部に光軸方向で固定するとともに、第1レンズ13を第2レンズ14に押圧固定できる。第1レンズ13は、像側の面が面状ヒータ51と略同一の環状面13mに形成されているので、この環状面13mが面状ヒータ51に隙間なく当接される。
本実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる他、第1鏡筒31と第2鏡筒32とを結合する前に、第1鏡筒31に配置されている第1レンズ13に面状ヒータ51を接着するので、レンズユニット11の組立の際の面状ヒータ51の取り扱いが容易となるという利点がある。
(第5の実施の形態)
図11は第5の実施形態のレンズユニット11Cを示す概略断面図である。本実施形態のレンズユニット11Cが、第1の実施形態のレンズユニット11と異なる点は、第1鏡筒と第2鏡筒の構成であるので、以下ではこの点について説明し、第1の実施形態と同一構成には同一符号を付してその説明を省略する場合もある。
図11に示すように、本実施形態のレンズユニット11Cにおいて、第1鏡筒61は、第1の実施形態の第1鏡筒31と同様に、略円筒状に形成され、下端部側(像側)の内周面には雌ねじ部33aが形成されている。また、第1鏡筒61の上端部(物体側の端部)には径方向内側に突出する押え部27が一体的に形成されている。押え部27はリング状に形成されており、その先端部下面には、第1レンズ13のフランジ部表面の傾斜に沿う押え面27aが形成され、この押え面27aによって第1レンズ13のフランジ部が上側(物体側)から押えられている。
また、第1鏡筒61の上端部内側の環状内面61aは第1レンズ13の環状面13mと上下方向(光軸方向)においてほぼ等しい位置にあり、この環状内面61aが第2鏡筒62の上端面に当接している。
第2鏡筒62は、第1の実施形態の第1鏡筒31と同様に、略円筒状に形成され、大径部32aの内周面には、雄ねじ部33bが形成され、この雄ねじ部33bが前記雌ねじ部33aと螺合することによって、第1鏡筒61と第2鏡筒62とが結合されている。
また、第2鏡筒62の大径部32aの上端面は第1鏡筒61の環状内面61aに当接されている。
また、第2鏡筒62には、第1実施形態の第2鏡筒32と同様にして挿通部55が光軸方向に沿って設けられている。この挿通部55は一体型ヒータ50の配線部材52が挿通されるもので、凹溝状に形成されている。
そして、一体型ヒータ50の配線部材52は挿通部55を挿通されたうえで、第1鏡筒61と第2鏡筒62との間の隙間Sから外部に導出されている。
次に、上記のように構成されたレンズユニット11Cを製造する方法について、図12を参照して説明する。
まず、図12(a)に示すように、面状ヒータ51と、当該面状ヒータ51に一端部が接続された給電用の配線部材52と、この配線部材52の他端部に接続されたコネクタ部53とが一体的に形成された一体型ヒータ50を用意するとともに、光軸方向において分割され、かつ結合可能な第1鏡筒61と、この第1鏡筒61より像側に位置する第2鏡筒62とを備えた鏡筒12を用意する。
次に、図12(a)に示すように、第2鏡筒62に、第1レンズ13以外のレンズ14~19、絞り部材21,22、およびスペーサ24A,24Bを収容するとともに、第1レンズ13に像側で隣接する第2レンズ14の、面状ヒータ51が配置される配置部14sを露出させる。
次に、図12(b)に示すように、配置部14sに一体型ヒータ50の面状ヒータ51を配置するとともに、第2鏡筒62に設けられた挿通部55に一体型ヒータ50の配線部材52を挿通する。この場合、配線部材52の一端部には面状ヒータ51が予め接続され、配線部材の他端部にコネクタ部53が予め接続されているが、挿通部55は第2鏡筒62の外周面に溝状に形成されて開口しているので、当該挿通部55に配線部材52を沿わせるように挿入することで、配線部材52を挿通部55に容易に挿通できる。
次に、図12(c)に示すように、第1鏡筒61に下端部側(像側)から第1レンズ13を挿入するとともに、押え部27によって第1レンズ13を上側(物体側)から押える。なお、第1レンズ13にはOリング26が予め取り付けられているので、このОリング26によって第1レンズ13は第1鏡筒61に保持される。
次に、図12(d)に示すように、第2鏡筒62に第1鏡筒61を被せるように結合するとともに、第1鏡筒61と第2鏡筒62との間の隙間Sから配線部材52を外部に導出する。第2鏡筒62に第1鏡筒61を結合する場合、第2鏡筒62に設けられた雄ねじ部33bに第1鏡筒61に設けられた雌ねじ部33aを螺合して締め付ける。
これによって、第1レンズ13を押え部27によって鏡筒12の物体側端部に光軸方向で固定するとともに、第1レンズ13を第2レンズ14に押圧固定できる。第1レンズ13は、像側の面が面状ヒータ51と略同一の環状面13mに形成されているので、この環状面13mが面状ヒータ51に隙間なく当接される。
なお、配線部材52を隙間Sから導出した後、当該隙間Sを接着剤等によって封止する。
本実施形態によれば、第1の実施形態と同様に効果を得ることができる他、第1鏡筒61に押え部27が形成されているので、第1鏡筒61と第2鏡筒62とを結合する前に、第1鏡筒62に第1レンズ13を配置して、押え部27によって押えて固定することができる。このため、レンズユニット11の組立の際に、第1レンズ13を面状ヒータ51に容易に当接できるという利点がある。
なお、上述した第1~5の実施形態では、第1鏡筒31,61と第2鏡筒32,62を結合する手段として、雌ねじ部33aと雄ねじ部33bの螺合を採用したが、結合する手段はこれに限ることはなく、例えば、第1鏡筒と第2鏡筒とを互いに相対的に回転させることなく、第1鏡筒と第2鏡筒とを光軸方向に真っすぐに近づけて嵌合爪等によって嵌合させることで結合するようにしてもよい。この場合、第1鏡筒の下端部(像側の端部)の内周面に弾性的に変形可能な嵌合爪を形成し、第2鏡筒の上端部(物体側の端部)の外周面に前記嵌合爪が嵌合する嵌合凹部を形成してもよい。
図13には、図5に示すカメラモジュール300を含む撮像装置250を備える車載システム(撮像システム)が搭載される移動体としての車両240が概略的に示されている。図示のように、撮像装置250は車両240に搭載することができ、図5は、車両240における撮像装置250の搭載位置を例示する配置例である。車両240に搭載される撮像装置250は、車載カメラと呼ぶこともでき、車両240の種々の場所に設置することができる。例えば、第1の撮像装置250aは、車両240が走行する際の前方を監視するカメラとして、フロントバンパーまたはその近傍に配置されてもよい。また、前方を監視する第2の撮像装置250bは、車両240の車室内のルームミラー(Inner Rearview Mirror)の近傍に配置されてもよい。第3の撮像装置250cは、運転者の運転状況を監視するカメラとしてダッシュボード上またはインスツルメントパネル内等に配置されてもよい。第4の撮像装置250dは、車両240の後方モニター用に車両240の後部に設置されてもよい。撮像装置250a、250bはフロントカメラと呼ぶことができる。第3の撮像装置250cは、インカメラと呼ぶことができる。第4の撮像装置250dはリアカメラと呼ぶことができる。撮像装置250は、これらに限られず、左後ろ側方を撮像する左サイドカメラおよび右後ろ側方を撮像する右サイドカメラ等、種々の位置に設置される撮像装置を含む。
撮像装置250により撮像された画像の画像信号は、車両240内の情報処理装置242および/または表示装置243等に出力され得る。これらの情報処理装置242および表示装置243は、撮像装置250と共に車載システムを構成する。車両240内の情報処理装置242は、撮像装置250により取得される画像信号を処理し、画像を認識して運転者の運転を支援する装置を含む。また、情報処理装置242は、例えば、ナビゲーション装置、衝突被害軽減ブレーキ装置、車間距離制御装置、および、車線逸脱警報装置等を含むが、これらに限定されない。表示装置243は、情報処理装置242により処理されて出力される画像を表示するが、撮像装置250から直接に画像信号を受信することもできる。また、表示装置243は、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ、および、無機ELディスプレイを採用し得るが、これらに限定されない。表示装置243は、リアカメラ等の運転者から視認しづらい位置の画像を撮像する撮像装置250から出力された画像信号を、運転者に対して表示することができる(乗員への情報を出力できる)。
図14には、図13に示す車載システムを構成する撮像装置の構成が示される。図示のように、実施形態に係る撮像装置250は、制御部252と、記憶部254と、前述した図5に示すカメラモジュール300を備える。
制御部252は、カメラモジュール300を制御するとともに、カメラモジュール300の撮像素子304から出力される電気信号を処理する。この制御部252は例えばプロセッサとして構成されてもよい。また、制御部252は1つ以上のプロセッサを含んでもよい。プロセッサは、特定のプログラムを読み込ませて特定の機能を実行する汎用のプロセッサ、および、特定の処理に特化した専用のプロセッサを含んでもよい。専用のプロセッサは、特定用途向けIC(Integrated Circuit)を含んでもよい。特定用途向けICは、ASIC(Application
Specific Integrated Circuit)とも称される。プロセッサは、プログラマブルロジックデバイスを含んでもよい。プログラマブルロジックデバイスは、PLD(Programmable Logic Device)とも称される。PLDは、FPGA(Field-Programmable
Gate Array)を含んでもよい。制御部252は、1つ以上のプロセッサが協働するSoC(System-on-a-Chip)、および、SiP(System In a Package)のいずれかであってもよい。
記憶部254は、撮像装置250の動作に係る各種情報またはパラメータを記憶する。記憶部254は、例えば半導体メモリ等で構成されてもよい。記憶部254は、制御部252のワークメモリとして機能してもよい。記憶部254は、撮像画像を記憶してもよい。記憶部254は、制御部252が撮像画像に基づく検出処理を行なうための各種パラメータ等を記憶してもよい。記憶部254は制御部252に含まれてもよい。
前述したように、カメラモジュール300は、レンズユニット11を介して結像する被写体像を撮像素子304で撮像し、撮像した画像を出力する。カメラモジュール300で撮像された画像は、撮像画像とも称される。
なお、レンズユニット11に代えて、上述したレンズユニット11A~11Cを使用してもよい。
撮像素子304は、例えば、CMOS(Complementary Metal Oxide
Semiconductor)イメージセンサまたはCCD(Charge Coupled Device)等で構成されてよい。撮像素子304は、複数の画素が並ぶ撮像面を有する。各画素は、入射した光量に応じて電流または電圧で特定される信号を出力する。各画素が出力する信号は、撮像データとも称される。
撮像データは、全ての画素についてカメラモジュール300で読み出され、撮像画像として制御部252に取り込まれてもよい。全ての画素について読み出された撮像画像は、最大撮像画像とも称される。撮像データは、一部の画素についてカメラモジュール300で読み出され、撮像画像として取り込まれてもよい。言い換えれば、撮像データは、所定の取り込み範囲の画素から読み出されてもよい。所定の取り込み範囲の画素から読み出された撮像データは、撮像画像として取り込まれてもよい。所定の取り込み範囲は、制御部252によって設定されてもよい。カメラモジュール300は、制御部252から所定の取り込み範囲を取得してもよい。撮像素子304は、レンズユニット11を介して結像する被写体像のうち所定の取り込み範囲の画像を撮像してもよい。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。例えば、本発明において、レンズ、鏡筒などの形状は、前述した実施形態の形状に限定されない。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、前述した実施の形態の一部または全部を組み合わせてもよく、あるいは、前述した実施の形態のうちの1つから構成の一部が省かれてもよい。
11,11A~11Cレンズユニット
12 鏡筒
13 第1レンズ
14 第2レンズ
14s 配置部(段差面)
23 カシメ部
31,61 第1鏡筒
32,62 第2鏡筒
33a 雌ねじ部
33b 雄ねじ部
50 一体型ヒータ
51 面状ヒータ
52 配線部材
53 コネクタ部
300 カメラモジュール
240 車両(移動体)
L レンズ群
O 光軸
S 隙間

Claims (9)

  1. 光軸に沿って並べられた複数のレンズと、これら複数のレンズを収容する鏡筒と、最も物体側に位置する第1レンズを加熱可能な面状ヒータとを備えたレンズユニットにおいて、
    前記面状ヒータと、当該面状ヒータに一端部が接続された給電用の配線部材と、この配線部材の他端部に接続されたコネクタ部とが一体的に形成された一体型ヒータを有し、
    前記鏡筒は、光軸方向において分割され、かつ結合可能な第1鏡筒と、この第1鏡筒より像側に位置する第2鏡筒とを備え、
    前記第2鏡筒は、前記第1レンズ以外の前記レンズを収容し、かつ前記第1レンズに像側で隣接する第2レンズの前記面状ヒータが配置される配置部を露出させるように構成され、
    前記第1鏡筒は、前記第1レンズを収容し、かつ前記第2鏡筒に被せるように結合した状態で、前記第1レンズを前記面状ヒータに当接させ、
    前記第2鏡筒の外周面および/または前記第1鏡筒の内周面に溝状の挿通部が光軸方向に沿って設けられ、前記配線部材は前記挿通部に挿通されたうえで、前記第1鏡筒と前記第2鏡筒との間の隙間から外部に導出されていることを特徴とするレンズユニット。
  2. 前記第2レンズの前記配置部は、前記第1レンズが当接される当接面より像側に配置された段差面であることを特徴とする請求項1に記載のレンズユニット。
  3. 前記第1鏡筒は、前記第2鏡筒に結合された状態で、前記第1レンズを像側にカシメ可能なカシメ部を有することを特徴とする請求項1または2に記載のレンズユニット。
  4. 光軸に沿って並べられた複数のレンズと、これら複数のレンズを収容する鏡筒と、最も物体側に位置する第1レンズを加熱可能な面状ヒータとを備えたレンズユニットを製造するレンズユニットの製造方法であって、
    前記面状ヒータと、当該面状ヒータに一端部が接続された給電用の配線部材と、この配線部材の他端部に接続されたコネクタ部とが一体的に形成された一体型ヒータを用意するとともに、光軸方向において分割され、かつ結合可能な第1鏡筒と、この第1鏡筒より像側に位置する第2鏡筒とを備えた鏡筒を用意し、
    前記第2鏡筒に前記第1レンズ以外のレンズを収容するとともに、前記第1レンズに像側で隣接する第2レンズの前記面状ヒータが配置される配置部を露出させ、
    次に、前記配置部に前記一体型ヒータの前記面状ヒータを配置するとともに、前記第2鏡筒の外周面に光軸方向に沿って設けられた溝状の挿通部に前記一体型ヒータの前記配線部材を挿通し、
    次に、前記第2鏡筒に前記第1鏡筒を被せるように結合するとともに、前記第1鏡筒と前記第2鏡筒との間の隙間から前記配線部材を外部に導出し、
    次に、前記第1鏡筒に前記第1レンズを収容するとともに前記面状ヒータに当接させることを特徴とするレンズユニットの製造方法。
  5. 光軸に沿って並べられた複数のレンズと、これら複数のレンズを収容する鏡筒と、最も物体側に位置する第1レンズを加熱可能な面状ヒータとを備えたレンズユニットを製造するレンズユニットの製造方法であって、
    前記面状ヒータと、当該面状ヒータに一端部が接続された給電用の配線部材と、この配線部材の他端部に接続されたコネクタ部とが一体的に形成された一体型ヒータを用意するとともに、光軸方向において分割され、かつ結合可能な第1鏡筒と、この第1鏡筒より像側に位置する第2鏡筒とを備えた鏡筒を用意し、
    前記第2鏡筒に前記第1レンズ以外のレンズを収容するとともに、前記第1レンズに像側で隣接する第2レンズの前記面状ヒータが配置される配置部を露出させ、
    次に、前記配置部に前記一体型ヒータの前記面状ヒータを配置し、
    次に、前記第2鏡筒に前記第1鏡筒を被せるように結合するとともに、前記第1鏡筒の外周面に光軸方向に沿って設けられた溝状の挿通部に前記一体型ヒータの前記配線部材を挿通し、さらに当該配線部材を前記第1鏡筒と前記第2鏡筒との間の隙間から外部に導出し、
    次に、前記第1鏡筒に前記第1レンズを収容するとともに前記面状ヒータに当接させることを特徴とするレンズユニットの製造方法。
  6. 光軸に沿って並べられた複数のレンズと、これら複数のレンズを収容する鏡筒と、最も物体側に位置する第1レンズを加熱可能な面状ヒータとを備えたレンズユニットを製造するレンズユニットの製造方法であって、
    前記面状ヒータと、当該面状ヒータに一端部が接続された給電用の配線部材と、この配線部材の他端部に接続されたコネクタ部とが一体的に形成された一体型ヒータを用意するとともに、光軸方向において分割され、かつ結合可能な第1鏡筒と、この第1鏡筒より像側に位置する第2鏡筒とを備えた鏡筒を用意し、
    前記第2鏡筒に前記第1レンズ以外のレンズを収容するとともに、前記第1レンズに像側で隣接する第2レンズの前記面状ヒータが配置される配置部を露出させる一方で、前記第1鏡筒に前記第1レンズを配置するとともに前記第1レンズに前記一体型ヒータの前記面状ヒータを接着し、
    次に、前記第2鏡筒に前記第1鏡筒を被せるように結合するとともに、前記第2鏡筒の外周面に光軸方向に沿って設けられた溝状の挿通部に前記一体型ヒータの前記配線部材を挿通しつつ、前記面状ヒータを前記配置部に配置するとともに、前記第1鏡筒と前記第2鏡筒との間の隙間から前記配線部材を外部に導出するレンズユニットの製造方法。
  7. 請求項1~3のいずれか1項に記載のレンズユニットと、前記レンズユニットのレンズ群を通じて集光される光を電気信号に変換する撮像素子とを備えることを特徴とするカメラモジュール。
  8. 請求項7に記載のカメラモジュールと、前記カメラモジュールを制御するとともに前記カメラモジュールの撮像素子から出力される電気信号を処理する制御部とを有する撮像装置と、
    前記撮像装置により取得される画像信号を処理する処理装置と、
    前記処理装置により処理されて出力される画像を表示する表示装置と、
    を有することを特徴とする撮像システム。
  9. 請求項8に記載の撮像システムを搭載し、前記表示装置により乗員への情報を出力することを特徴とする移動体。
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