JP2023023142A - 非水電解質二次電池電極用結合剤、非水電解質二次電池用電極組成物および非水電解質二次電池用電極 - Google Patents

非水電解質二次電池電極用結合剤、非水電解質二次電池用電極組成物および非水電解質二次電池用電極 Download PDF

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Abstract

【課題】優れた電池容量維持率を有する非水電解質二次電池電極用結合剤、非水電解質二次電池用電極組成物および非水電解質二次電池用電極等を提供することを目的とする【解決手段】無水グルコース単位当たりのカルボキシメチル置換度が0.5~1.2であるカルボキシメチルセルロースおよび/又はその塩と、モリブデン酸塩とを少なくとも含む、非水電解質二次電池電極用結合剤。好ましくは、前記モリブデン酸塩が、前記カルボキシメチルセルロース又はその塩の固形分量100重量%に対して30~200重量%の範囲で含む、非水電解質二次電池電極用結合剤。【選択図】なし

Description

本発明は、非水電解質二次電池電極用結合剤、非水電解質二次電池用電極組成物および非水電解質二次電池用電極に関する。
近年、電子機器、特に携帯電話、PDA(personal digital assistant)、ノート型パソコンなどの携帯機器が、小型化、軽量化、薄型化、高性能化し、携帯機器の普及が進んでいる。このような携帯機器の利用範囲の多様化に伴い、これらを駆動させる電池が非常に重要な部品となっている。電池のうち、高いエネルギー密度を有し高容量である、リチウムイオン二次電池に代表される非水電解質二次電池が広く利用されている。
通常、非水電解質二次電池は以下のようにして作製される。すなわち、リチウムイオンを吸蔵・放出することが可能な炭素材料などからなる負極活物質を含有する負極と、リチウム含有遷移金属複合酸化物(例えばLiCoO2、LiNiO2、LiMn2O4など)からなる正極活物質を含有する正極が、集電基材(集電体)としての金属箔の表面にそれぞれシート状に形成され、シート状正極およびシート状負極を得る。そしてシート状正極及びシート状負極が、同じくシート状に形成されたセパレータを介して、巻回あるいは積層され、ケース内に収納される。シート状正極およびシート状負極は、集電基材(集電体)となる金属箔と、その表面に形成される、活物質を含む合剤層を備える構造であり、負極活物質スラリー(あるいはペースト)または正極活物質スラリー(あるいはペースト)が集電材上に塗布、乾燥され形成され得る。
負極活物質スラリー(ペースト)は、リチウムイオンを吸蔵・放出することが可能な炭素材料などからなる負極活物質のほかに結合剤(バインダー)を含む。結合剤として、スチレン/ブタジエンラテックス(SBR)を主成分とする負極用の結合剤が特許文献1に開示されている。
特許文献1によると、水溶性増粘剤としてのカルボキシメチルセルロースを水に溶解させて水溶液を調製し、これにSBRと負極活物質を混合してスラリーが製造される。当該スラリーは塗工液として基材上に塗布、乾燥されることによって、シート状負極が形成される。
一方、非水電解質二次電池の正極の製造では、溶剤には従来N-メチル-2-ピロリドン(NMP)等の有機系溶剤が用いられてきた。しかし、取り扱いに要するコストの低減や排出時の環境負荷への影響から、近年、溶剤として水が使用されてきている。
正極活物質スラリー(ペースト)は、正極活物質としてのリチウム含有遷移金属複合酸化物(例えばLiCoO2、LiNiO2、LiMn2O4など)、導電材としてのカーボン等のほかに、結合剤を含む。結合剤としては、カルボキシメチルセルロースなどの、1%水溶液における粘度が4000mPa・s以上のセルロースが特許文献2に記載されている。特許文献2には、カルボキシメチルセルロースを、導電材やポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などとともに純水に投入し、活物質ペーストを調製することが記載されている。
特開平5-74461号公報 特開2003-157847号公報
しかしながら、特許文献1及び特許文献2ともに、サイクル試験後の電池容量維持率に課題があった。
そこで本発明では、優れた電池容量維持率を有する非水電解質二次電池電極用結合剤を得ることを目的とする。
本発明者らは鋭意努力の結果、以下の〔1〕~〔7〕により課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明によれば、
〔1〕 無水グルコース単位当たりのカルボキシメチル置換度が0.5~1.2であるカルボキシメチルセルロースおよび/又はその塩とモリブデン酸塩とを少なくとも含む、非水電解質二次電池電極用結合剤。
〔2〕 前記モリブデン酸塩が、前記カルボキシメチルセルロース又はその塩の固形分量100重量%に対して30~200重量%の範囲で含む、〔1〕に記載の非水電解質二次電池電極用結合剤。
〔3〕 前記カルボキシメチル化セルロース又はその塩が、乾燥質量Bの該カルボキシメチルセルロースまたはその塩の0.3質量%水溶液2リットルを調製して-200mmHgの減圧条件にて250メッシュのフィルターですべて濾過し、濾過後の前記フィルター上の残渣の乾燥質量Aを測定した際に、前記乾燥質量Bに対する乾燥質量Aの比率が50ppm未満である、〔1〕又は〔2〕に記載の非水電解質二次電池電極用結合剤。
〔4〕 前記モリブデン酸塩が、モリブデン酸アンモニウム及びモリブデン酸リチウムから選ばれる少なくとも1つを含む、〔1〕~〔3〕のいずれかに記載の非水電解質二次電池電極用結合剤。
〔5〕 〔1〕~〔4〕のいずれかに記載の非水電解質二次電池電極用結合剤と、ケイ素系化合物を含む、非水電解質二次電池用電極組成物。
〔6〕 〔5〕に記載の非水電解質二次電池用電極組成物を用いた、非水電解質二次電池用電極。
〔7〕 〔5〕に記載の非水電解質二次電池用電極組成物を用いた、非水電解質二次電池。
本発明によれば、優れた電池容量維持率を有する非水電解質二次電池電極用結合剤を得ることができる。
以下、本発明の非水電解質二次電池電極用結合剤(以下、「電極用結合剤」ということがある。)について説明する。本発明の電極用結合剤は、無水グルコース単位当たりのカルボキシメチル置換度が0.5~1.2であるカルボキシメチルセルロースおよび/又はその塩と、モリブデン酸塩とを少なくとも含む。
<成分A:カルボキシメチルセルロース又はその塩>
本発明において、カルボキシメチルセルロース又はその塩は、セルロースを構成するグルコース残基中の水酸基がカルボキシメチルエーテル基に置換された構造を持つ。カルボキシメチルセルロースは、塩の形態であってもよい。カルボキシメチルセルロースの塩としては、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム塩などの金属塩などを挙げ得る。
本発明においてセルロースとは、D-グルコピラノース(単に「グルコース残基」、「無水グルコース」とも言う。)がβ,1-4結合で連なった構造の多糖を意味する。セルロースは、一般に起源、製法等から、天然セルロース、再生セルロース、微細セルロース、非結晶領域を除いた微結晶セルロース等に分類される。
天然セルロースとしては、晒パルプまたは未晒パルプ(晒木材パルプまたは未晒木材パルプ);リンター、精製リンター;酢酸菌等の微生物によって生産されるセルロース、等が例示される。晒パルプ又は未晒パルプの原料は特に限定されず、例えば、木材、木綿、わら、竹等が挙げられる。また、晒パルプ又は未晒パルプの製造方法も特に限定されず、機械的方法、化学的方法、あるいはその中間で二つを組み合わせた方法でもよい。製造方法により分類される晒パルプまたは未晒パルプとしては例えば、メカニカルパルプ、ケミカルパルプ、砕木パルプ、亜硫酸パルプ、クラフトパルプ等が挙げられる。さらに、製紙用パルプの他に溶解パルプを用いてもよい。溶解パルプとは、化学的に精製されたパルプであり、主として薬品に溶解して使用され、人造繊維、セロハンなどの主原料となる。
再生セルロースとしては、セルロースを銅アンモニア溶液、セルロースザンテート溶液、モルフォリン誘導体など何らかの溶媒に溶解し、改めて紡糸されたものが例示される。
微細セルロースとしては、上記天然セルロースや再生セルロースをはじめとする、セルロース系素材を、解重合処理(例えば、酸加水分解、アルカリ加水分解、酵素分解、爆砕処理、振動ボールミル処理等)して得られるものや、前記セルロース系素材を、機械的に処理して得られるものが例示される。
本発明のカルボキシメチルセルロース又はその塩は、その無水グルコース単位当りのカルボキシメチル置換度が、0.5以上であることが重要であり、0.6以上であることがより好ましい。カルボキシメチル置換度が0.5未満であると、水への溶解が十分でなくなるおそれがある。
本発明において無水グルコース単位とは、セルロースを構成する個々の無水グルコース(グルコース残基)を意味する。また、カルボキシメチル置換度(エーテル化度ともいう)とは、セルロースを構成するグルコース残基中の水酸基(-OH)のうちカルボキシメチルエーテル基(-OCH2COOH)に置換されているものの割合を示す。なお、カルボキシメチル置換度はDSまたはCM-DSと略すことがある。
カルボキシメチルセルロース又はその塩の無水グルコース単位当りのカルボキシメチル置換度の上限は、1.2以下であることが好ましく、1.0以下であることがより好ましい。
なお当該カルボキシメチル置換度は、試料中のカルボキシメチルセルロースを中和するのに必要な水酸化ナトリウム等の塩基の量を測定して確認することができる。この場合、カルボキシメチルセルロース又はその塩のカルボキシメチルエーテル基が塩の形態である場合には、測定前に予めカルボキシメチルセルロースに変換しておく。測定の際には、塩基、酸を用いた逆滴定、フェノールフタレイン等の指示薬を適宜組み合わせることができる。
本発明において、カルボキシメチルセルロース又はその塩は、25℃でのB型粘度計(30rpm)で測定された1質量%水溶液の粘度が1,000~20,000mPa・sのものが好ましく、1,500~15,000mPa・sのものがより好ましく、2,000~10,000mPa・sのものがさらにより好ましい。粘度が上記範囲にあることで沈降しにくく、塗工性も良好な電極スラリーを作製することができるため非水電解質二次電池に適する。
またカルボキシメチルセルロース又はその塩は、0.3質量%の該カルボキシメチルセルロース又はその塩の水溶液2リットルを-200mmHgの減圧条件にて250メッシュのフィルターですべて濾過した際のフィルター上の残渣の乾燥質量を質量Mとし、前記水溶液に溶解したカルボキシメチルセルロース又はその塩の質量を質量mとした場合に、質量mに対する質量Mの比率が50ppm未満であることが好ましい。50ppm以上であると、カルボキシメチルセルロース又はその塩を用いて電極を形成した際に、電極にストリークやピンホールなどの外観不良が発生し、電池の品質が低下するおそれがある。前記質量mに対する前記質量Mの比率の下限は特に限定されず、少なければ少ないほどよい。
本発明において、カルボキシメチルセルロース又はその塩の製法は限定されず、公知のカルボキシメチルセルロース又はその塩の製法を適用することができる。即ち、原料であるセルロースをマーセル化剤(アルカリ)で処理してマーセル化セルロース(アルカリセルロース)を調製した後に、エーテル化剤を添加してエーテル化反応させることで本発明におけるカルボキシメチルセルロース又はその塩を製造することができる。
原料のセルロースとしては、上述のセルロースであれば特に制限なく用いることができるが、セルロース純度が高いものが好ましく、特に、溶解パルプ、リンターを用いることが好ましい。これらを用いることにより、純度の高いカルボキシメチルセルロース又はその塩を得ることができる。
マーセル化剤としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属塩等を使用することができる。エーテル化剤としてはモノクロロ酢酸、モノクロロ酢酸ソーダ等を使用することができる。
水溶性の一般的なカルボキシメチルセルロースの製法の場合のマーセル化剤とエーテル化剤のモル比は、エーテル化剤としてモノクロロ酢酸を使用する場合では2.00~2.45が一般的に採用される。その理由は、2.00未満であるとエーテル化反応が不十分に行われない可能性があるため、未反応のモノクロロ酢酸が残って無駄が生じる可能性があること、及び2.45を超えると過剰のマーセル化剤とモノクロロ酢酸による副反応が進行してグリコール酸アルカリ金属塩が生成するおそれがあるため、不経済となる可能性があることにある。
本発明において、カルボキシメチルセルロース又はその塩は、市販のものをそのまま、或いは必要に応じて処理してから用いてもよい。市販品としては、例えば、日本製紙(株)製の商品名「サンローズ」(カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩)が挙げられる。
[粉砕処理]
本発明において、カルボキシメチルセルロース又はその塩は、上述したようなカルボキシメチルセルロース又はその塩をそのまま用いてもよいが、さらに粉砕処理が施されたもの(粉砕処理物)であってもよい。粉砕処理は、通常は機械を用いて行われる機械的粉砕処理である。カルボキシメチルセルロース又はその塩の粉砕処理の方法としては、粉体の状態で処理する乾式粉砕法と、液体に分散、あるいは溶解させた状態で処理する湿式粉砕法との両方法が例示される。本発明においてはこれらのいずれを選択してもよい。
カルボキシメチルセルロース又はその塩の水溶液を調製すると、カルボキシメチルセルロース又はその塩に由来するゲル粒子が未溶解物として、水溶液中に残存する。カルボキシメチルセルロース又はその塩を機械的に乾式あるいは湿式粉砕処理することで、カルボキシメチルセルロース又はその塩の機械的な粉砕処理物の水溶液においては、上記のゲル粒子が微細化される。その結果、カルボキシメチルセルロース又はその塩の機械的な粉砕処理物の水溶液を用いて電極を形成すると、電極の表面に発生するスジ状の欠陥(ストリーク)や剥がれ、ピンホール等の原因となる粗大な未溶解物を、さらに抑制することができると考えられる。
本発明で機械的な粉砕処理のために使用可能な粉砕装置としては以下の様な乾式粉砕機および湿式粉砕機が挙げられる。
乾式粉砕機は、カッティング式ミル、衝撃式ミル、気流式ミル、媒体ミルが例示される。これらは単独あるいは併用して、さらには同機種で数段処理することができるが、気流式ミルが好ましい。
カッティング式ミルとしては、メッシュミル((株)ホーライ製)、アトムズ((株)山本百馬製作所製)、ナイフミル(パルマン社製)、グラニュレータ(ヘルボルト製)、ロータリーカッターミル((株)奈良機械製作所製)、等が例示される。
衝撃式ミルとしては、パルペライザ(ホソカワミクロン(株)製)、ファインイパクトミル(ホソカワミクロン(株)製)、スーパーミクロンミル(ホソカワミクロン(株)製)、サンプルミル((株)セイシン製)、バンタムミル((株)セイシン製)、アトマイザー((株)セイシン製)、トルネードミル(日機装(株))、ターボミル(ターボ工業(株))、ベベルインパクター(相川鉄工(株))等が例示される。
気流式ミルとしては、CGS型ジェットミル(三井鉱山(株)製)、ジェットミル(三庄インダストリー(株)製)、エバラジェットマイクロナイザ((株)荏原製作所製)、セレンミラー(増幸産業(株)製)、超音速ジェットミル(日本ニューマチック工業(株)製)等が例示される。
媒体ミルとしては、振動ボールミル等が例示される。
湿式粉砕機としては、マスコロイダー(増幸産業(株)製)、高圧ホモジナイザー(三丸機械工業(株)製)、媒体ミルが例示される。媒体ミルとしては、ビーズミル(アイメックス(株)製)等を例示できる。
<モリブデン酸塩>
本発明の電極用結合剤は、モリブデン酸塩を含むことが重要である。本発明におけるモリブデン酸塩とは、モリブデン酸塩カリウム塩、モリブデン酸塩ナトリウム塩、モリブデン酸塩カルシウム塩、モリブデン酸塩リチウム塩、モリブデン酸アンモニウム塩などを挙げることができる。これらのうち、モリブデン酸塩リチウム塩、モリブデン酸アンモニウム塩が好ましい。
そのようなモリブデン酸塩を、カルボキシメチルセルロースとともに電極用結合剤として用いると、モリブデン酸塩中のヒドロキシ基は、カルボキシメチルセルロースのカルボキシ基と水素結合を介して架橋構造体を形成する。この架橋構造体ではカルボキシメチルセルロース単体よりもヒドロキシ基及びカルボキシル基が分子中に多く含まれているため、負極スラリー中で分散するSiOx等の負極材と水素結合を介しての反応性が高くなる。その結果、SiOx等の負極材との表面に安定的な酸化被膜を形成でき、電解液の分解が抑制され、電極表面上でSEI膜(Solid Electrolyte. Interface)が過度な厚さにならないことで電池特性向上効果へとつながると推測される。
また、モリブデン酸リチウム塩を用いる場合、モリブデン酸は電極用結合剤に添加されたときに、中性又は弱アルカリ性を示すことができる。モリブデン酸がリチウム塩の状態ではない場合、水溶液となる電極組成物は強い酸性となるために、電極組成物の粘度の低下や、極性の偏在が起こるために集電体に電極組成物を塗布する際にムラができてしまうため好ましくない。さらにモリブデン酸がリチウム塩であることにより、リチウム系活物質を用いる際に不純物の混入が少なくなるため、電気的な性能を発揮しやすくなる。
<電極用結合剤>
本発明の非水電解質二次電池電極用結合剤は、上述する無水グルコース単位当たりのカルボキシメチル置換度が0.5~1.2であるカルボキシメチルセルロースおよび/又はその塩と、モリブデン酸塩とを少なくとも含むが重要である。そのような電極用結合剤は、カルボキシメチルセルロース又はその塩に対し、モリブデン酸塩が、30~200重量%の範囲で含まれることが好ましく、40~170重量%の範囲がより好ましく、50~150重量%の範囲がさらに好ましい。配合比が本範囲であると、前述するカルボキシメチルセルロースとモリブデン酸塩との架橋構造体の形成がより効果的に発生すると推測される。
本発明の電極用結合剤は、水溶液とすることもできる。そのような水溶液の製造条件は特に制限はなく、例えば、電極用結合剤を、水(例えば蒸留水、精製水、水道水など)に添加し、必要に応じて撹拌などを行い溶解させて調製することができる。またカルボキシメチルセルロース又はその塩を水などに溶解した後、モリブデン酸塩を添加し、攪拌などを行い溶解させることもできる。同様に、モリブデン酸塩を水などに溶解させたのち、カルボキシメチルセルロース又はその塩を攪拌など行い溶解させることもできる。
そのような電極用結合剤の水溶液は、pHが1~8の範囲であることが好ましく、pH2~8の範囲であることがより好ましく、pH3~8の範囲であることがさらに好ましく、pH6~8の範囲であることが特に好ましい。水溶液のpHが酸性側に偏ると、水溶液に期待される粘度が発揮されにくくなる。そのため、pHが6~8の範囲であると、特に粘性と溶解性のバランスが取れ、塗工性に優れる水溶液を得ることができる。
また、電極用結合剤の水溶液は、25℃でのB型粘度計(30rpm)で測定された1質量%水溶液の粘度が5mPa・s以上であることが好ましく、250mPa・s以上であることがより好ましく、また、15,000mPa・s以下であることが好ましく、10,000mPa・s以下であることがより好ましく、8,000mPa・s以下であることがさらに好ましい。電極用結合剤の水溶液が上記粘度範囲であることで、電極組成物に添加した際に適した増粘性や結合性を発揮することができる。
本発明の電極用結合剤は、本発明の効果を阻害しない範囲で、その他の電極組成物を構成する成分を添加することもできる。そのような添加成分としては、例えば水溶液中で陽イオン化する無機塩などを挙げることができる。陽イオンが混在することで、カルボキシメチルセルロースの架橋構造が補強されるため電気特性に優れた効果を発揮することができる。そのような陽イオンとしては、1価、2価、3価などの陽イオンを適宜使用することができ、具体的にはFeイオン等を含むものが好ましい。
<電極組成物>
本発明の電極用結合剤は、電極の活物質と共に電極組成物を構成し得る。電極組成物の性状は特に限定されず、スラリー状、ペースト状のいずれであってもよい。
本発明において、電極組成物中のカルボキシメチルセルロース又はその塩の含有量は、電極組成物の全体に対して、好ましくは0.1~4.0質量%である。
電極組成物には、該組成物により形成される電極が負極および正極のいずれかに応じて様々な成分が含まれ得る。
負極用の電極組成物の場合には、通常、負極活物質が含まれる。負極活物質としては、黒鉛(天然黒鉛、人造黒鉛)、コ-クス、炭素繊維のような黒鉛質材料;リチウムと合金を形成することが可能な元素、すなわち例えばAl、Si、Sn、Ag、Bi、Mg、Zn、In、Ge、Pb、Tiなどの元素;前記リチウムと合金を形成することが可能な元素を含む化合物;前記リチウムと合金を形成することが可能な元素及び前記化合物と、炭素及び/又は前記黒鉛質材料との複合化物;リチウムを含む窒化物が使用できる。このうち黒鉛質材料及び又はケイ素系化合物が好ましく、黒鉛及び又はケイ素系化合物を含むことがより好ましく、ケイ素系化合物を少なくとも含むことが好ましい。
正極用の電極組成物の場合には、通常、正極活物質が含まれる。正極活物質としては、LiMexOy(MeはNi、Co、Mnの少なくとも1種を含む遷移金属を意味する。x、yは任意の数を意味する。)系の正極活物質が好ましい。LiMexOy系の正極活物質は、特に限定されるものではないが、LiMn2O4系、LiCoO2系、LiNiO2系の正極活物質が好ましい。LiMn2O4系、LiCoO2系、LiNiO2系の正極活物質としては、たとえば、LiMnO2、LiMn2O4、LiCoO2、LiNiO2、を主骨格として、各種金属元素が置換した化合物が例示される。LiMn2O4系、LiCoO2系、LiNiO2系の正極活物質は、電子とリチウムイオンの拡散性能に優れるなど正極活物質としての性能に優れているため、高い充放電効率と良好なサイクル特性とを有するリチウムイオン二次電池が得られる。このうちLiCoO2系の正極活物質が好ましく、LiCoO2がより好ましい。一方、材料コストの低さからは、LiMn2O4系の正極活物質を用いることが好ましい。
電極組成物中の活物質の含有量は、通常は90~99質量%、好ましくは91~99質量%、より好ましくは92~99質量%である。
正極用の電極組成物の場合には、電極組成物は導電材を有することが好ましい。電極組成物が導電材を有することで、製造される正極の特性が向上する。また、導電材は、正極の電気伝導性を確保し得る。導電材としては、たとえば、カーボンブラック、アセチレンブラック、黒鉛等の炭素物質の1種または2種以上を混合したものが挙げられる。このうちカーボンブラックが好ましい。
また、電極組成物には、カルボキシメチルセルロース又はその塩の水溶液以外の結合剤が含まれ得る。負極用の電極組成物の場合の結合剤としては、合成ゴム系結合剤が例示される。合成ゴム系結合剤としては、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ニトリルブタジエンゴム、メチルメタクリレートブタジエンゴム、クロロプレンゴム、カルボキシ変性スチレンブタジエンゴム及びこれら合成ゴムのラテックスよりなる群から選択された1種以上が使用できる。このうち、スチレンブタジエンゴム(SBR)が好ましい。また、正極用の電極組成物の場合の結合剤としては、前記負極用の結合剤として挙げた合成ゴム系結合剤のほか、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)が例示され、このうちポリテトラフルオロエチレン(PTFE)が好ましい。
電極組成物中の結合剤の含有量は、通常は0.5~5質量%、好ましくは0.5~3質量%、より好ましくは0.5~2質量%である。
電極組成物の製造条件は特に限定はない。例えば、カルボキシメチルセルロース又はその塩の水溶液に、電極組成物を構成する他の成分を添加し、必要に応じて撹拌しながら混合する。
電極組成物の性状も特に限定されない。例えば、液状、ペースト状、スラリー状などが挙げられ、いずれであってもよい。
電極組成物は、非水電解質二次電池のための電極の製造に用いられる。非水電解質二次電池用の電極の製造は、前記電極組成物を集電基材(集電体)上に積層する方法によればよい。積層の方法としては例えば、ブレード塗工、バー塗工、ダイ塗工が挙げられ、ブレード塗工が好ましい。例えばブレード塗工の場合には、ドクターブレードなどの塗工装置を用いて電極組成物を集電基材上にキャスティングする方法が例示される。また、積層の方法は上記具体例に限定されず、バックアップロールに巻回して走行する集電基材上に、スロットノズルを有するエクストルージョン型注液器より前記電極組成物を吐出させ塗布する方法も例示される。ブレード塗工においては、キャスティング後さらに必要に応じて加熱(温度は例えば80~120℃、加熱時間は例えば4~12時間)などによる乾燥、ロールプレスなどによる加圧を行い得る。
集電基材としては、構成された電池において致命的な化学変化を起こさない電気伝導体であれば何れも使用可能である。
負極活物質用の集電基材としては、ステンレス鋼、ニッケル、銅、チタン、炭素、銅や前記ステンレス鋼の表面にカ-ボン、ニッケル、チタンまたは銀を付着処理させたもの等が利用できる。これらのうち、銅または銅合金が好ましいが、銅が最も好ましい。
正極用の集電基材の材料としては、たとえば、アルミニウム、ステンレスなどの金属が例示され、アルミニウムが好ましい。集電基材の形状としては、網、パンチドメタル、フォームメタル、板状に加工された箔などを用いることができ、板状に加工された箔が好ましい。
電極組成物により形成された非水電解質二次電池用電極の形状は特に限定されないが、通常はシート状である。シート状の極板の場合の厚さ(集電基材部分を除く、電極組成物から形成される合剤層の厚さ)は、組成物の組成や製造条件などにもより適宜選択するため一義的に規定することは困難であるが、通常は30~150μmである。
前記組成物により形成される電極は非水電解質二次電池の電極として用いられる。すなわち本発明は、前記組成物により形成される電極を備える、また、この電極を用いて非水電解質二次電池を製造することができる。非水電解質二次電池は、正電極及び負電極が交互に、セパレータを介して積層され、多数回巻回された構造を取りうる。前記セパレータは通常、非水電解質で含浸される。
この負電極および/または正電極として、前記した電極組成物により形成された負電極および/または正電極が用いられうる。かかる非水電解質二次電池は、溶解性に優れるカルボキシメチルセルロース又はその塩が用いられ、フィルターによる濾過などの工程を省略できるので生産性に優れると共に、初期不可逆容量が顕著に改善され、高い電池特性を発揮しうるものである。
以下、本発明の実施の形態を実施例により説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。
本実施例および比較例において、カルボキシメチルセルロース又はその塩についての各指標の測定は以下の方法による。
<カルボキシメチル置換度(CM-DS)の測定方法>
カルボキシメチルセルロース粉砕処理物の試料約2.0gを精秤して、300mL共栓付き三角フラスコに入れた。メタノール(メタノール1000mLに特級濃硝酸100mLを加えた液)100mLを加え、3時間振とうして、カルボキシメチルセルロース塩(CMC塩)をH-CMC(カルボキシメチルセルロース)にした。絶乾したH-CMCを1.5~2.0g精秤し、300mL共栓付き三角フラスコに入れた。80%メタノール15mLでH-CMCを湿潤し、0.1NのNaOHを100mL加え、室温で3時間振とうした。指示薬として、フェノールフタレインを用いて、0.1NのH2SO4で過剰のNaOHを逆滴定した。CM-DSを、次式1によって算出した。
(式1)
A=[(100×F-(0.1NのH2SO4(mL))×F’)×0.1]/(H-CMCの絶乾重量(g))
カルボキシメチル置換度(CM-DS)=0.162×A/(1-0.058×A)
A:1gのH-CMCの中和に要する1NのNaOH量(mL)
F’:0.1NのH2SO4のファクター
F:0.1NのNaOHのファクター
<粘度>
カルボキシメチル化セルロース又はその塩を、1000mL容ガラスビーカーに測りとり、蒸留水900mLに分散し、固形分1%(w/v)となるように水分散体を調製した。水分散体を25℃で撹拌機を用いて600rpmで3時間撹拌した。その後、JIS-Z-8803の方法に準じて、B型粘度計(東機産業社製)を用いて、No.1ローター/回転数30rpmで3分後の粘度を測定した。
<水溶液に溶解させたカルボキシメチルセルロースの乾燥質量に対する濾過残渣の質量の質量比の測定>
カルボキシメチルセルロース又はその塩の0.3質量%(カルボキシメチルまたはその塩の乾燥質量を基準とした質量%)水溶液2リットルを調製した。この水溶液2リットルを-200mmHgの減圧条件にて、濾過器(「セパロート」桐山製作所製)を用いて、250メッシュのフィルター(ステンレス製、目開き63μm)にて濾過した。250メッシュのフィルターに残存した残渣を、温度105℃で、16時間送風乾燥させた後、乾燥した残渣の質量を測定し、カルボキシメチルセルロース水溶液中のカルボキシメチルセルロースの質量に対する質量パーセント(ppm)で表示した。
また、実施例および比較例で得られたコイン型非水電解質二次電池を用いて、以下のように電池の評価を行った。
<電池評価>
(放電容量(充放電レート試験))
実施例及び比較例で得られたコイン型非水電解質二次電池の充放電レート試験は株式会社ナガノのBTS2004を用い、25℃の恒温槽にて、コイン型非水電解質二次電池を用いて、充電処理-放電処理の順で行う充放電を1サイクルとして、52サイクルを実施した。なお、充電処理の条件としては、すべてのサイクルで、定電流定電圧(CC-CV)方式(CC電流0.2C、CV電圧4.2V、終止電流0.02C)とした。
放電処理の条件としては、終止電圧を3.0Vに設定した。最初の1サイクルは、放電処理の定電流を0.2Cで行い、放電後に1サイクル後の放電容量(mAh/g)を計測した。
その後の52サイクル目までは、下記の通り放電処理の定電流を設定し、各サイクルの放電後に放電容量(mAh/g)の計測を行った。
(各サイクルにおける放電処理の定電流)
2~10サイクル :放電処理の定電流0.2C
11~20サイクル:放電処理の定電流1C
21サイクル :放電処理の定電流0.2C
22~31サイクル:放電処理の定電流2C
32サイクル :放電処理の定電流0.2C
33~42サイクル:放電処理の定電流3C
43~52サイクル:放電処理の定電流0.2C
(容量維持率)
容量維持率は、前述される各サイクル試験での放電容量(mAh/g)から、
「容量維持率=1サイクル後の放電容量(mAh/g)/52サイクル後の放電容量(mAh/g)×100」の式より算出した。
(実施例1)
<電極用結合剤の作製>
回転数を100rpmに調節した二軸ニーダーに、イソプロピルアルコール2720gとモノクロロ酢酸Na170gと水酸化ナトリウム58gを水480gに溶解したものとを加え、リンターパルプを30℃、60分間乾燥した際の乾燥重量で160g仕込んだ。30℃で90分間攪拌、混合しマーセル化セルロースを調製した後、70℃に昇温して90分間カルボキシメチル化反応をさせた。反応終了後、酢酸でpH7程度になるよう中和し、脱液、乾燥、粉砕して、カルボキシメチル置換度0.70であり、25℃でのB型粘度計で測定された1質量%水溶液の粘度が7,900mPa・s、水溶液に溶解させたカルボキシメチルセルロースの乾燥質量に対する濾過残渣が48ppmである、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩(以下、「CMC1」ということがある。)を得た。上述のカルボキシメチルセルロースナトリウム塩と、カルボキシチルセルロースナトリウム塩に対して150質量%の七モリブデン酸六アンモニウム四水和物(富士フィルム和光純薬株式会社製)を300mLガラスビーカーに測り取り、カルボキシメチルセルロースの固形分濃度が2%(w/v)となるよう蒸留水を加え水分散体を調製した。水分散体を25℃で撹拌機を用いて500rpmで2時間攪拌し、電極用結合剤1を得た。
<負極板の作製>
負極材としてSiOx、アセチレンブラック(Stream Chemical社製)、電極用結合剤1、スチレンブタジエンゴム(SBR、JSR社製、品番S2910(E)-12-Na)の固形分重量比率が97:0.5:1.0:1.5になるように混合し、スラリー濃度が45.6質量%になるように水を添加し、マゼルスター(倉敷紡績製、KK-250S)を用いてよく攪拌し、スラリー1を得た。このスラリーをアプリケーターで縦320mm×横170mm×厚さ17μmの銅箔(古河電気工業社製、NC-WS)に塗工して30分風乾した後、乾燥機にて60℃で30分間乾燥した。更に小型卓上ロールプレス(テスター産業社製、SA-602)を用いて、5kN、ロール周速50m/minの条件でプレスし、目付量19.7g/m2、放電実効容量2100mAh/gの負極板1を得た。
<コイン型非水電解質二次電池の作製>
得られた負極板1と、LiCoO2正極板(宝泉社製、目付量110.2g/m2、放電実効容量145mAh/g)を直径16mmの円形になるように打ち抜き、打ち抜いた負極板と正極板を120℃で12時間真空乾燥を行った。
同様に直径17mmの円形となるようにセパレータ(CS Tech社製、厚み20μmのポリプロピレンセパレータ)を打ち抜き、60℃で12時間真空乾燥を行った。
その後、直径20.0mmのステンレス製円形皿型容器に負極板1を置き、次いで、セパレータ、正極板、スペーサー(直径15.5mm、厚さ1mm)、ステンレス製のワッシャー(宝泉株式会社製)をこの順で積層し、その後円形皿型容器に電解液(1mol/LのLiPF6、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートの体積比1:1)を300μL添加した。これにポリプロピレン製のパッキンを介してステンレス製のキャップを被せ、コイン電池用かしめ機(宝泉株式会社)で密封し、コイン型の非水電解質二次電池1を得た。
(実施例2)
七モリブデン酸六アンモニウム四水和物の代わりにモリブデン酸リチウム(富士フィルム和光純薬株式会社製)をカルボキシチルセルロースナトリウム塩に対して50質量%を用いた以外は、実施例1と同様にして電極用結合剤2を得た。
電極用結合剤1に代えて、電極用結合剤2を使用した以外は、実施例1と同様にスラリー、負極板、コイン型非水電解質二次電池の作製を行った。
(比較例1)
モリブデン酸塩を添加しなかった以外は、実施例1と同様にして電極用結合剤3を得た。また、電極用結合剤1に代えて、電極用結合剤3を使用した以外は、実施例1と同様にスラリー、負極板、コイン型非水電解質二次電池の作製を行った。
実施例および比較例における測定、評価結果を下記表1に示す。
Figure 2023023142000001
表1に示すように、無水グルコース単位当たりのカルボキシメチル置換度が0.5~1.2であるカルボキシメチルセルロースおよび/又はその塩と、モリブデン酸塩とを少なくとも含む、非水電解質二次電池電極用結合剤を用いた非水電解質二次電池は、電池容量維持率に優れたものであった。

Claims (7)

  1. 無水グルコース単位当たりのカルボキシメチル置換度が0.5~1.2であるカルボキシメチルセルロースおよび/又はその塩と、モリブデン酸塩とを少なくとも含む、非水電解質二次電池電極用結合剤。
  2. 前記モリブデン酸塩が、前記カルボキシメチルセルロース又はその塩の固形分量100重量%に対して30~200重量%の範囲で含む、請求項1に記載の非水電解質二次電池電極用結合剤。
  3. 前記カルボキシメチル化セルロース又はその塩が、乾燥質量Bの該カルボキシメチルセルロースまたはその塩の0.3質量%水溶液2リットルを調製して-200mmHgの減圧条件にて250メッシュのフィルターですべて濾過し、濾過後の前記フィルター上の残渣の乾燥質量Aを測定した際に、前記乾燥質量Bに対する乾燥質量Aの比率が50ppm未満である、請求項1又は2に記載の非水電解質二次電池の電極用結合剤。
  4. 前記モリブデン酸塩が、モリブデン酸アンモニウム及びモリブデン酸リチウムから選ばれる少なくとも1つを含む、請求項1~3のいずれかに記載の非水電解質二次電池電極用結合剤。
  5. 請求項1~4のいずれかに記載の非水電解質二次電池電極用結合剤と、ケイ素系化合物を含む、非水電解質二次電池用電極組成物。
  6. 請求項5に記載の非水電解質二次電池用電極組成物を用いた、非水電解質二次電池用電極。
  7. 請求項5に記載の非水電解質二次電池用電極組成物を用いた、非水電解質二次電池。
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