JP2023021570A - 固定用シート - Google Patents

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基司 三島
Motoji Mishima
保司 坂口
Yasuji Sakaguchi
直人 三宅
Naoto Miyake
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【課題】物品を覆って固定的に保持する状態で、包装箱にがたつきなく収納できる固定用シートを提供する。【解決手段】多数のスリット6が形成された矩形平板状の上面シート片1と、上面シート片1に中央折目線を介して連設された矩形平板状の下面シート片2と、上面シート片1および下面シート片2の辺縁部に中央折目線と直交する方向に延びる辺縁折目線を介して連設された複数のフラップ片3とからなり、その上面シート片1と下面シート片2とを折り重ねて中央折目線と反対側の側部に形成された接着部で接着したうえ、物品20を挟んだ状態で包装箱30に収納する際に、辺縁折目線での折り曲げによって立ち上がらせた断面逆V字状のフラップ片3を、その弾性復元力によって包装箱30の内壁に押し付ける構成の固定用シート10とした。【選択図】図5

Description

本発明は、包装箱に収納された状態で運搬される物品を包装箱内で覆って固定的に保持する固定用シートに関する。
一般に、通信販売等で購入された商品は、段ボール箱等の包装箱に収納された状態で配送されている。従来、このような配送用の包装箱には、運搬中の商品のがたつきを防止するために、紙、発泡スチロール、内部に空気を封入した袋状のクッション材等の緩衝材を詰め込んでいることが多かった。しかし、その緩衝材の廃棄量の多さが環境面等で問題となってきたことから、緩衝材を用いる代わりに、台紙上に載せた商品を伸縮性の高いプラスチックフィルムで覆って固定的に保持し、その台紙を包装箱の内面に接着することにより、商品のがたつきを防止する方法が普及しつつある。
一方で、包装箱内の商品のがたつき防止に上記のようなプラスチックフィルムを用いることは、近年の脱プラスチックの流れに逆行することになる。
これに対し、例えば特許文献1、2等では、少なくとも一方が複数のスリットを有する2枚のシートを、物品を上下に挟む状態で重ねて互いの周縁部どうしを接着することにより、物品を固定的に保持した状態で包装することが提案されている。そのスリットを有するシートは、物品の形状に沿うようにスリットを広げて変形できるようになっていればよいので、素材として紙類等、プラスチックフィルム以外のものを用いることができる。
特開2000-302168号公報(図6) 特開2019-104835号公報
しかしながら、上記特許文献1、2で提案されている方法では、2枚のシートで物品を包装した包装体とその包装体を収納する包装箱の寸法が合わないと、運搬中の包装箱内での包装体のがたつきを防止するために、従来と同様の緩衝材を詰め込んだり、包装体を構成するシートの一部を包装箱の内壁に接着したりする必要がある。緩衝材を詰め込むようにした場合は、従来と同じくその廃棄量が問題となる。また、包装体を包装箱の内壁に接着した場合は、包装箱からの包装体の取り出しや、包装箱の廃却時の折り畳みに手間がかかるようになる。
そこで、本発明は、物品を覆って固定的に保持する状態で、包装箱にがたつきなく収納できる固定用シートを提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は、包装箱に収納された状態で運搬される物品を包装箱内で覆って固定的に保持する固定用シートにおいて、上面シート片と、前記上面シート片に中央折目線を介して連設された下面シート片と、前記上面シート片および下面シート片に前記中央折目線と交差する方向に延びる辺縁折目線を介して連設されたフラップ片とからなり、前記上面シート片は少なくとも一部に複数のスリットのある平板状に、前記下面シート片はスリットのない平板状にそれぞれ形成され、前記上面シート片および下面シート片には、前記中央折目線と反対側の側部に互いに接着される接着部を有しており、前記上面シート片と下面シート片とが、前記中央折目線での折り曲げによって折り重ねられて前記接着部どうしで接着されたうえ、前記物品を上下に挟んだ状態で前記包装箱に収納されるとともに、前記辺縁折目線での折り曲げによって立ち上がったフラップ片が、その弾性復元力によって包装箱の内壁に押し付けられるようになっている構成を採用した。
また、本発明は、上記とは別に、包装箱に収納された状態で運搬される物品を包装箱内で覆って固定的に保持する固定用シートにおいて、上面シート片と、前記上面シート片に中央折目線を介して連設された下面シート片と、前記上面シート片および下面シート片に前記中央折目線と交差する方向に延びる辺縁折目線を介して連設されたフラップ片とからなり、前記上面シート片および下面シート片は、それぞれ少なくとも一部に複数のスリットのある平板状に形成され、前記中央折目線に沿う側部および前記中央折目線と反対側の側部に互いに接着される接着部を有しており、前記上面シート片と下面シート片とが、前記中央折目線での折り曲げによって折り重ねられて両側の前記接着部どうしで接着されたうえ、前記物品を上下に挟んだ状態で前記包装箱に収納されるとともに、前記辺縁折目線での折り曲げによって立ち上がったフラップ片が、その弾性復元力によって包装箱の内壁に押し付けられるようになっている構成を採用した。
すなわち、本発明の固定用シートは、上記のいずれの構成においても、上面シート片と下面シート片とを折り重ねて側部で接着したうえ、物品を挟んだ状態で包装箱に収納する際に、辺縁折目線での折り曲げによって立ち上がらせたフラップ片を包装箱の内壁に押し付けることにより、物品を覆って固定的に保持する状態で、包装箱にがたつきなく収納できるようにしたものである。
そして、上記のいずれの構成の場合も、前記上面シート片と下面シート片の少なくとも一方が、表面基材と、前記表面基材の前記物品と対向する面に設けられる粘着剤と、前記接着部を除く部位で前記粘着剤を覆う被覆層とを備えている構成とすることにより、上面シート片と下面シート片の接着作業が簡単に行えるようになる。
また、上記のいずれの構成の場合も、前記上面シート片の上面に印刷が施されている構成とすれば、上面シート片の意匠性が向上し、固定用シートで物品を包装した包装体が収容された包装箱が開けられたとき、あるいは包装体が包装箱から取り出されたときに、物品を受け取った人に好感を与えることができる。
本発明の固定用シートは、上述したように、上面シート片と下面シート片で物品を挟み、そのうちのスリットを有するシート片の変形によって物品を固定的に保持する状態で、辺縁折目線での折り曲げによって立ち上がらせたフラップ片をその弾性復元力によって包装箱の内壁に押し付けるようにしたものであるから、物品を包装箱にがたつきなく収納することができる。
したがって、この固定用シートを用いることにより、従来の緩衝材の廃棄量の問題を解決できるし、素材として紙類を選定して脱プラスチックを図ることもできる。また、物品を包装した包装体を包装箱の内壁に接着する場合に比べて、包装箱からの包装体の取り出しや、包装箱の廃却時の折り畳みも簡単に行えるようになる。
第1実施形態の固定用シートの展開状態の斜視図 図1の固定用シートの組立手順を説明する斜視図 図1の固定用シートの使用状態の斜視図 図3のIV-IV線に沿った断面図 図3の一部切欠正面図 第2実施形態の固定用シートの展開状態の斜視図 図6の固定用シートの使用状態の断面図
以下、図面に基づき、本発明の実施形態を説明する。図1乃至図5は第1実施形態を示す。この実施形態の固定用シート10は、図1に示すように、上面シート片1と、その上面シート片1に中央折目線aを介して連設された下面シート片2と、上面シート片1および下面シート片2に中央折目線aと直交する方向に延びる辺縁折目線bを介して連設されたフラップ片3とからなり、直方体形状の包装箱30に収納された状態で運搬される物品20を、包装箱30内で覆って固定的に保持するものである(図4、図5参照)。
前記上面シート片1および下面シート片2は、ほぼ同じ寸法の矩形平面状に形成されている。その短辺方向の寸法は物品20を収納する包装箱30とほぼ同じであり、長辺方向の寸法は包装箱30よりも若干小さく設定されている。そして、各シート片1、2の中央折目線aと反対側の側部には、後述するように互いに接着される接着部4、5が設けられている。また、上面シート片1には接着部4を除く全体に多数のスリット6が形成される一方、下面シート片2にスリットは形成されていない。
前記フラップ片3は、中央折目線aと各シート片1、2の接着部4、5側の側縁との間の各辺縁部に連設されている。その各フラップ片3は、辺縁折目線bと平行に補助折目線cが形成されており、後述するように、辺縁折目線bでの谷折りと補助折目線cでの山折りによって断面逆V字状を呈するようになっている。なお、隣り合うフラップ片3どうしは、中央折目線aの延長線を介して連設されている。
この固定用シート10は、全体として1枚の紙製の表面基材を素材としており、図示は省略するが、その表面基材の一面(物品を覆う際にその物品と対向する面)の全体に設けられる粘着剤と、各シート片1、2の接着部4、5を除く部位で前記粘着剤を覆う被覆層とを備えている。その被覆層にはフィルムやニスが用いられる。また、固定用シート10の使用前の状態では、接着部4、5に剥離紙が貼り付けられている。
この固定用シート10の組み立ておよび物品収納の作業手順は、まず、図1の状態で各シート片1、2の接着部4、5から前記剥離紙を剥がした後、図2に示すように、中央折目線aでの折り曲げによって上面シート片1と下面シート片2とを折り重ね、互いの接着部4、5どうしを接着する。このとき、図1の状態で隣り合うフラップ片3どうし、辺縁折目線bどうしおよび補助折目線cどうしも重なり合う。
そして、重なり合っている2組のフラップ片3のいずれか一方において、フラップ片3どうしの間を広げて、包装対象の物品20を上面シート片1と下面シート片2の間に挿入する。このとき、上面シート片1は、スリット6が広がることにより物品20の形状に沿うように変形して、下面シート片2とともに物品20を固定的に保持するようになる(図4、図5参照)。
次に、図3に示すように、それぞれ重なり合っている辺縁折目線bでの谷折りと補助折目線cでの山折りによって、重なり合っているフラップ片3を各シート片1、2の両短辺から立ち上がる状態で断面逆V字状に変形させたうえ、各シート片1、2で包装した物品20とともに包装箱30に装入する。
ここで、包装箱30は、上方に開口する平面視矩形の本体部31と、本体部31の長辺の上縁に連設され、本体部31の上方開口を塞ぐ蓋部32とからなるものであり、固定用シート10で物品20を包装した包装体が上方開口から装入されるようになっている。
上記のように包装体を包装箱30に装入すると、包装箱30と固定用シート10の各シート片1、2の短辺方向の寸法はほぼ同じなので、図3および図4に示すように、包装体は短辺方向にはほぼ隙間なく包装箱30に嵌まり込む。そして、図3および図5に示すように、各シート片1、2の両短辺から立ち上がっている断面逆V字状のフラップ片3が、重なり合った状態で、その弾性復元力によって包装箱30の本体部31の短辺の内壁に押し付けられる。これにより、物品20が固定用シート10で覆われて固定的に保持される状態で、包装箱30にがたつきなく収納される。
この固定用シート10は、上述したように、物品20を包装箱30にがたつきなく収納することができるので、従来の緩衝材を不要とすることができるし、素材が紙製であるため脱プラスチックを図ることもできる。また、物品を包装した包装体を包装箱の内壁に接着する場合に比べて、包装箱30からの包装体の取り出しや、包装箱30の廃却時の折り畳みの手間を少なくすることができる。
図6および図7は第2実施形態を示す。この第2実施形態は、主たる構成は上述した第1実施形態と同様であり、各シート片1、2の中央折目線aと反対側の側部だけでなく、中央折目線aに沿う側部にも接着部4、5が設けられている点と、下面シート片2の接着部5を除く全体に、上面シート片1のスリット6よりも粗い間隔で多数のスリット7が形成されている点のみが第1実施形態と異なっている。
したがって、上面シート片1と下面シート片2とを中央折目線aでの折り曲げによって折り重ねて両側の接着部4、5どうしで接着し、両シート片1、2で物品20を上下に挟んだ際に、上面シート片1だけでなく、下面シート片2もスリット7の広がりにより物品20の形状に沿うように変形するうえ、両シート片1、2がそれぞれの両側部で接着されているので、第1実施形態よりもしっかりと物品20を保持することができる。
また、第1実施形態と同様、固定用シート10で物品20を包装した包装体を包装箱30に装入すると、辺縁折目線bと補助折目線cでの折り曲げによって立ち上がった断面逆V字状のフラップ片3が、その弾性復元力によって包装箱30の本体部31の短辺の内壁に押し付けられ、物品20を包装箱30にがたつきなく収納することができる。
そして、第1実施形態と第2実施形態のいずれにおいても、両シート片1、2の物品20と対向する面のうち、接着部4、5のみに粘着剤が露出し、接着部4、5を除く部位は粘着剤が被覆層で覆われているので、上面シート片1と下面シート片2の接着作業が簡単に行えるという利点もある。
さらに、図示は省略するが、上面シート片1の上面に印刷を施すことにより、上面シート片1の意匠性を向上させ、包装箱30を開けたときに、物品を受け取った人に好感を与えることができる。また、各実施形態と異なり、包装箱が側部に蓋のあるものである場合でも、包装体が包装箱から取り出されたときに好感を与えることができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
例えば、第1実施形態では上面シート片の接着部を除く全体に、第2実施形態では上面シート片と下面シート片の接着部を除く全体にそれぞれスリットを形成したが、各シート片のスリットは各シート片が包装対象の物品の形状に沿って変形するように形成されていればよく、形成する領域は物品のサイズ、形状等に応じて適宜設定することができる。
また、フラップ片は、各実施形態では中央折目線とこれに対向する各シート片の側縁との間の各辺縁部に連設したが、いずれか一方の辺縁部のみに連設するようにしてもよい。
1 上面シート片
2 下面シート片
3 フラップ片
4、5 接着部
6、7 スリット
10 固定用シート
20 物品
30 包装箱
a 中央折目線
b 辺縁折目線
c 補助折目線

Claims (4)

  1. 包装箱に収納された状態で運搬される物品を包装箱内で覆って固定的に保持する固定用シートにおいて、
    上面シート片と、前記上面シート片に中央折目線を介して連設された下面シート片と、前記上面シート片および下面シート片に前記中央折目線と交差する方向に延びる辺縁折目線を介して連設されたフラップ片とからなり、
    前記上面シート片は少なくとも一部に複数のスリットのある平板状に、前記下面シート片はスリットのない平板状にそれぞれ形成され、前記上面シート片および下面シート片には、前記中央折目線と反対側の側部に互いに接着される接着部を有しており、
    前記上面シート片と下面シート片とが、前記中央折目線での折り曲げによって折り重ねられて前記接着部どうしで接着されたうえ、前記物品を上下に挟んだ状態で前記包装箱に収納されるとともに、前記辺縁折目線での折り曲げによって立ち上がったフラップ片が、その弾性復元力によって包装箱の内壁に押し付けられるようになっていることを特徴とする固定用シート。
  2. 包装箱に収納された状態で運搬される物品を包装箱内で覆って固定的に保持する固定用シートにおいて、
    上面シート片と、前記上面シート片に中央折目線を介して連設された下面シート片と、前記上面シート片および下面シート片に前記中央折目線と交差する方向に延びる辺縁折目線を介して連設されたフラップ片とからなり、
    前記上面シート片および下面シート片は、それぞれ少なくとも一部に複数のスリットのある平板状に形成され、前記中央折目線に沿う側部および前記中央折目線と反対側の側部に互いに接着される接着部を有しており、
    前記上面シート片と下面シート片とが、前記中央折目線での折り曲げによって折り重ねられて両側の前記接着部どうしで接着されたうえ、前記物品を上下に挟んだ状態で前記包装箱に収納されるとともに、前記辺縁折目線での折り曲げによって立ち上がったフラップ片が、その弾性復元力によって包装箱の内壁に押し付けられるようになっていることを特徴とする固定用シート。
  3. 前記上面シート片と下面シート片の少なくとも一方が、表面基材と、前記表面基材の前記物品と対向する面に設けられる粘着剤と、前記接着部を除く部位で前記粘着剤を覆う被覆層とを備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の固定用シート。
  4. 前記上面シート片の上面に印刷が施されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の固定用シート。
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