JP2023020880A - キャリッジ接続部材を持つリニアモータの可動部 - Google Patents

Abstract

【課題】キャリッジを構成する部品の１つである可動部の、位置決めの再現性を改良する。【解決手段】第２部に対して相対的に移動可能な第１部（７０）を備えるリニアモータの可動部（１０）は、キャリッジ（１２）と第１部とキャリッジと第１部とを取り外し可能に接続する接続部材（４０）とを備える。キャリッジは、工作機械の機械部品のような移動対象物を固定的に支持するように構成されている。キャリッジは、２つの対向する横側面と、固定受け部を備える接続部材受け部を持つ底側部とを備える。キャリッジ接続部材は、第１部に固定的に接続されていてキャリッジのそれぞれの固定受け部に取り付けられた固定部分を備える。キャリッジ接続部材の２つの対向する縁部分は、キャリッジのそれぞれの対向する横側面の一部分（１８ａ）に整列されて固定的に接続されている。【選択図】図１

Description

本発明は、キャリッジと、リニアモータの第１部と、キャリッジを第１部に取り外し可能に接続するキャリッジ接続部材とを備える、リニアモータの可動部に関する。本発明は、そのような可動部を備えるリニアモータにも関する。

リニアモータは、工作機械の加工部品などの物体を迅速に位置決めするために使用され得る。リニアモータは、第１部又は可動部と、第２部又は静止部とを備え、機械部品を担持するように適合されたキャリッジが第１部に接続されている。第２部は、典型的には、リニアガイドに沿ってキャリッジを移動させるために第１部と第２部との間の磁気往復運動を可能にするリニアガイド間に固定された永久磁石を備える磁気トラックを備える。従来のリニアモータは、例えば特許文献１（ＵＳ８０３０８０４Ｂ２）に開示されている。

既知のリニアモータでは、第１部は、通常、キャリッジをその上側からその下側まで貫通するねじによってキャリッジの下側に接続されている。したがって、通常の用途では、移動される機械部品はキャリッジの上側に固定されていて、交換または保守の目的でリニアモータに接近するため、まず機械部品を上側から取り外す必要があり、これは、複雑で長々とした分解手順を伴うことが多い。

特許文献２（ＵＳ１１０２５１５２Ｂ２）は、上記の問題を克服するリニアモータ用の接続装置を開示していて、接続装置は多くの部品を備え、特に、厳しい機械的公差を必要とするくさびを備え、くさびは製造コストが高い。さらに、くさびは、フロントエンドの高性能用途のために回避されるべき、キャリッジにおける著しい内部応力を誘発する。

米国特許第８０３０８０４号明細書 米国特許第１１０２５１５２号明細書

したがって、本発明の課題は、キャリッジと、リニアモータの第１部と、キャリッジを第１部に取り外し可能に接続するキャリッジ接続部材とを備えるリニアモータの可動部を提供することであり、キャリッジ接続部材は、機械的変形を低減するように設計され、それによって、移動対象である物体の位置決め再現性を高める。

本発明の別の課題は、製造上、費用効率が高いキャリッジ接続部材を提供することである。

本発明のさらなる課題は、軽量のキャリッジ接続部材を提供することである。

これらの目的は、第２部に対して移動可能な第１部を備えるリニアモータの可動部によって達成される。可動部は、キャリッジと、第１部と、キャリッジを第１部に取り外し可能に接続するキャリッジ接続部材とを備える。キャリッジは、例えば工作機械の加工部分のような、動かされる対象を固定的に支持するように構成されている。キャリッジは、２つの対向する側面と、複数の固定受け部分を備える接続部材受け部を持つ底側部とを備える。キャリッジ接続部材は、第１部に固定的に接続されていて、キャリッジの固定受け部分のそれぞれに接続される固定部分を備える。キャリッジ接続部材の２つの対向する縁部は、キャリッジの対向する側部それぞれに整列されて固定的に接続されている。

一実施形態では、キャリッジ接続部材の縁部の１つは、キャリッジの１つの横方向側部に設けられた貫通孔と位置合わせされたキャリッジ固定用ねじ穴を備え、縁部の１つは、ねじによって前記１つの横方向側部に固定される。

一実施形態では、キャリッジ接続部材の反対側の縁部はテーパ面を備えていて、キャリッジの反対側の側部に設けられたねじ穴にねじがねじ込まれて、ねじの遠位端がテーパ面に当接すると、ねじ穴の軸に垂直な力をキャリッジ接続部材に生じさせる。

一実施形態では、キャリッジ接続部材は、隆起した固定部分を有する上面と平坦な底面とを備え、固定部分は、それぞれ平坦な表面と平坦な表面から底面まで延在する第１部固定穴とを有する隆起した中央部分と、キャリッジ接続部材の２つの対向する縁部上に位置する２つの隆起した縁部とを備える。

一実施形態では、キャリッジの接続部材受け分の固定受け部分の各々は、軸受面を備え、キャリッジ接続部材の固定部分のそれぞれは、それぞれの支承面上に載る載置面を備える。

一実施形態では、少なくとも２つの固定部分の各々は、固定部分の一方の側面から固定部分の反対側の側面に向かって延在して載置面を形成する溝を備える。

一実施形態では、固定部分は、キャリッジ接続部材を横切って、前記部材の対向する長手方向側面の一方から他方に垂直に延在している。

一実施形態では、キャリッジの一方の側部は、切欠き部分を形成するために２つの部分によって側面を囲まれ、補強片は、補強片の厚さを貫通する固定手段によって切欠き部分の内側に取り外し可能に固定され、固定手段の遠位端は、前記一方の側部に接続されている。

一実施形態では、キャリッジ接続部材は、長方形板の形態であり、固定部分の間で長手方向に沿って長方形板の中央に延在して隆起した形態の補強材を備える。

本発明の別の観点は、上述した可動部を備えるリニアモータに関する。

本発明は、例として与えられ、図面によって示されるいくつかの実施形態の説明の助けを借りてよりよく理解されるであろう。

図１は、一実施形態による、キャリッジと、キャリッジ接続部材と、一次側部分とを備えるリニアモータの可動部の分解図である。 図２は、一実施形態による図１のキャリッジの底面斜視図を示す。 図３は、図１のキャリッジ接続部材の様々な向きからの斜視図を示す。 図４は、組み立てられたときの図１の可動部の上面図を示す。 図５は、Ａ－Ａに沿った図４の断面図を示す。

図１は、キャリッジ１２と、第１部７０と、キャリッジ１２をリニアモータの第１部７０に取り外し可能に接続するキャリッジ接続部材４０とを備える、リニアモータの可動部１０を示す。第１部７０は、リニアモータ（図示なし）の第２部と従来の方法で協働するように適合されている。第２部は、典型的には、リニアガイドに沿ってキャリッジ１２を移動させるために第１部と第２部との間の磁気往復運動を可能にするためにリニアガイド間に固定された永久磁石を含む磁気トラックを備える。

キャリッジ１２は、上側部１４を備えていて、上側部１４は、図２に示されているようにキャリッジ１２の底側部２８に向かって延在している複数の穴を備える、複数の接続部分１６を備えた平坦面を有する。これらの接続部分１６は、キャリッジ１２を、リニアガイドの移動ブロック（図示せず）へ固定するのに使用される。さらに、キャリッジ１２は、移動対象の物体、例えば工作機械の加工部品を固定して支持するように構成されている。これは、典型的には、移動されるべき物体の垂直位置を正確に設定するねじ穴及び肩部を備える４つの側方取付面１９によって達成されている。

キャリッジ接続部材４０は、図３に示すように、キャリッジ１２と、リニアモータの第１部７０とにそれぞれ接続されるように構成された上側部４２及び底側部５８を備える。この点に関して、図２に示すキャリッジ底側部２８は、後に詳細に説明するように、キャリッジ接続部材４０の上側部４２に設けられた係止部分と協働するように成形された４つの固定受け部分３２を備える矩形状の接続部材受け部３０を備える。キャリッジ底側部２８は、第１部７０の上側に沿って、２つ向かい合って位置するように適合された傾斜部３６をさらに備える。

２つの対向面３４は、図１に示すように、リニアモータの第１部７０の２つの側方上面７４に対向するように、接続部材受け部３０の２つの対向する長手方向側面に沿って延在する。キャリッジ底側部２８は、第１部７０の２つの対向する上面に沿って配置されるように適合された２つの側部３６をさらに備える。

図３を参照すると、キャリッジ接続部材４０の上側部４２は、その中央付近に位置し、その２つの平行な対向する長手方向縁部の一方から他方に延在する２つの隆起中央部分４４ａ、４４ｂを備える。上側４２は２つの隆起縁部５０ａ、５０ｂをさらに備え、隆起縁部５０ａ、５０ｂは２つの対向する横方向の縁の端を持つ。各隆起中央部分４４ａ、４４ｂは、平坦面４５から延在してキャリッジ接続部材４０の底面５８上に開口する第１部固定穴４６が設けられた上側平坦面４５を備える。キャリッジ接続部材４０の底面５８は、第１部７０の上部に固定される平坦面である。

各隆起縁部分５０ａ、５０ｂはまた、第１部固定穴５３が設けられた上側平坦面５１を備え、第１部固定穴５３は、平坦面５１から延在し、キャリッジ接続部材４０の底側５８上に開口する。隆起縁部５０ａは、キャリッジ固定ねじ切り穴５４を持つ片持ち梁部をさらに備える。キャリッジ固定ねじ切り穴５４の軸線はそれぞれ、キャリッジ接続部材４０が接続部材受け部３０に取り付けられているときに、キャリッジ上側部１４の平面に平行である。他方の隆起縁部５０ｂは、上側平坦面５１と、上側平坦面５１からキャリッジ接続部材４０の対応する側縁まで延在するテーパ面５２とを備える。後者は、その上側部４２上に、線形の細長い隆起又は盛り上がった形の補強材５６を備える。補強材５６は、固定部分４４ａ、４４ｂ、５０ａ、５０ｂの間でキャリッジ接続部材４０の２つの対向する側面の一方から他方へキャリッジ接続部材４０の中間部分を横切って延在している。

２つの隆起中央部分４４ａ、４４ｂ及び１つの隆起縁部分５０ｂはそれぞれ、載置面４９を形成するように補強材５６の両側に配置された２つの溝４８を含む。隆起縁部分５０ａの片持ち部分の下面も載置面４９の機能を果たす。図５を参照すると、矩形形状の接続部材受け部３０の４つの固定受け部分３２の各々は、キャリッジ上側の平面に平行な方向に延在して支承面３３を形成する突出部を備える。キャリッジ接続部材固定部分４４ａ、４４ｂ、５０ａ、５０ｂの載置面４９は、それぞれの支承面３３上に載置されるように意図されている。

図１及び図２に示すように、キャリッジ１２は、長方形の接続部材受け部３０のそれぞれの対向する側面の隣に２つの対向する側部１８ａ、１８ｂを備える。貫通穴２０が側部１８ａに設けられている。これら貫通穴２０の軸線は、キャリッジ接続部材４０が接続部材受け部３０に取り付けられているときに、キャリッジ上側部１４の平面に平行である。キャリッジ接続部材４０は、接続部材受け部３０キャリッジ接続部材４０が接続部材受け部３０内に取り付けられたときにキャリッジ上側部１４の平面に対して平行である。

キャリッジ１２は、機械加工によって容易に製造されるように設計されている。キャリッジ１２の上側部１４上のスロット１７は、対応する載置面４９が載置される支承面３３を機械加工した結果である。線形の溝３８と固定受け部分３２もキャリッジの底側２８を機械加工することで製造される。同様に、キャリッジ接続部材４０の底面５８上の細長い開口部６０は、載置面４９を機械加工した結果である。

可動部１０の組み立ては、以下のように実現される。キャリッジ接続部材４０の底面５８は、キャリッジ接続部材４０の第１部固定穴４６、５３を通って延在している複数のねじ５５によってリニアモータの第１部７０の上部に固定され、ねじ５５の端部は、第１部７０の上面に設けられたそれぞれの固定点７２にねじ込まれる。

それから、キャリッジ接続部材４０は、その固定部分４４ａ、４４ｂ、５０ａ、５０ｂ及びその補強材５６がそれぞれ対応する固定受け部分３２及び直線溝３８の内部に位置決めされた状態で、矩形形状の接続部材受け部３０の内部に嵌め込まれる。それから、接続部材受け部３０は、図５に示されるように、その載置面４９をキャリッジ１２の対応する支承面３３に当接させるべく、キャリッジ上側の平面に平行な方向に沿ってキャリッジ１２に対して平行移動される。

この構成では、隆起縁部分５０ａの片持ち部分のキャリッジ固定用ねじ穴部５４は、キャリッジ１２の側部１８ａの貫通孔２０に整合される。この片持ち部分は、それから、ねじ２２によって隣りにつながる側部１８ａに固定される。頭なしねじ２３（寸切りボルト２３）は、隆起縁部分５０ａのテーパ面５２に当接するように反対側の側部１８ｂのねじ穴２１内で調整される。このようにして、載置面４９が支承面３３上へのしっかりとした載置を確実にするべく、垂直方向の力も生成される。

キャリッジ接続部材４０は、４０Ｗ／ｍＫを超える、好ましくは約５０Ｗ／ｍＫの高熱伝導性鋼で作製されている。キャリッジ接続部材の矩形形状及び寸法は、モータ接触面全体を覆って熱伝達を増加させ、それによってモータの熱挙動を改善するように選択される。

一実施形態では、通常の用途がキャリッジに高い機械的応力を発生させるときにその剛性を高めるために、キャリッジ１２の切欠き部分の内側に補強片２４を取り外し可能に取り付けてよい。補強片２４の一方の側は、図１に示すように、ねじ２４によって側部１８ａに接続されている。これらのねじ２４は、補強片の厚さにわたって延在しているそれぞれの貫通孔２６の内部に取り付けられている。

本発明の記載された実施形態に対する様々な修正及び変形は、添付の特許請求の範囲に定義される本発明の範囲から逸脱することなく、当業者には明らかであろう。例えば、キャリッジ接続部材の２つの対向する隆起縁部は、キャリッジの対向する側面部に設けられた貫通孔とキャリッジ接続部材の２つの対向する隆起縁部に設けられた対応する孔とに圧入されるピンのような他の固定手段によってキャリッジの側面部に固定してよい。

１０ 可動部
１２ キャリッジ
１４ 上側部
１６ 接続部分
１７ スロット
１８ａ、１８ｂ 側部
２０ 貫通孔
２２ ねじ
２１ ねじ穴
２３ 頭なしねじ（寸切りボルト）
２４ 補強片
２６ 貫通孔
２７ ねじ
１９ 側方取付面
２８ 底側部
３０ 接続部材受け部
３２ 係止受け部
３３ 軸受面
３４ 対向面
３６ 側部
３８ 直線溝
４０ キャリッジ接続部材
４２ 上面
固定部分
４４ａ、４４ｂ 隆起中央部分
４５ 上側平坦面
４６ 第１部固定穴
４８ 溝
４９ 載置面
５０ａ、５０ｂ 隆起縁部分
５１ 上側平坦面
５２ テーパ面
５３ 第１部固定穴
５４ キャリッジ固定用ねじ穴部
５５ ねじ
５６ 補強材
５８ 底面
６０ 細長い開口
７０ 第１部
７２ 固定点
７４ 側部上面

Claims (10)

1. 第２部に対して相対移動可能な第１部（７０）を備えるリニアモータの可動部（１０）であって、可動部（１０）は、
   キャリッジ（１２）と、
   第１部（７０）と、
   取り外し可能にキャリッジ（１２）を第１部（７０）に接続している接続部材（４０）と
   を備え、キャリッジ（１２）は、工作機械の加工部分のような移動対象物を固定的に支持するように構成されていて、
   キャリッジ（１２）は、
   ２つの対向する側部と、
   固定用受け部分（３２）を備える接続部材受け部（３０）を持つ底側部（２８）と
   を備え、
   キャリッジ接続部材（４０）が、第１部（７０）に固定的に接続されていてキャリッジ（１２）の固定用受け部（３２）のそれぞれに搭載されている固定部分（４４ａ、４４ｂ、５０ａ、５０ｂ）を備え、
   キャリッジ接続部材（４０）の２つの対向する縁部分（５０ａ、５０ｂ）が、整列されていてキャリッジ（１２）の対向する側部の部分（１８ａ、１８ｂ）に固定的に接続されている、
   可動部（１０）。
2. キャリッジ接続部材（４０）の１つの縁部分（５０ａ）は、キャリッジ（１２）の１つの側部（１８ａ）に設けられている貫通孔（２０）に整列されているキャリッジ固定用ねじ穴部（５４）を備え、
   １つの縁部分（５４ａ）は、ねじ（２２）によって一方の側面部（１８ａ）に固定されている、
   請求項１に記載の可動部（１０）。
3. キャリッジ接続部材（４０）の反対側の縁部分（５０ｂ）は、テーパ面（５２）を備え、ねじ（２３）は、キャリッジ（１２）の反対側の側部（１８ｂ）に設けられたねじ穴（２１）にねじ込まれていて、ねじ（２３）の遠位端がテーパ面（５２）に当接して、ねじ穴の軸に垂直な力をキャリッジ接続部材（４０）に生じさせるようになっている、請求項２に記載の可動部（１０）。
4. キャリッジ接続部材（４０）は、隆起固定部分（４４ａ、４４ｂ、５０ａ、５０ｂ）を有する上面（４２）と、平坦な底面（５８）とを備え、
   固定部分は、それぞれが平坦面（４５）と、平坦面（４５）から底面（５８）まで延在している第１部固定穴（４６）とを有する隆起中央部分（４４ａ、４４ｂ）と、キャリッジ接続部材（４０）の２つの対向する縁部上に位置する２つの隆起縁部分（５０ａ、５０ｂ）とを備える、
   請求項１から３のいずれか一項に記載の可動部（１０）。
5. 接続部材受け部分（３０）の固定受け部（３２）の各々は、軸受面（３３）を備え、
   キャリッジ接続部材（４０）の固定部分（４４ａ、４４ｂ、５０ａ、５０ｂ）のそれぞれは、前記それぞれの軸受面（３３）上に載置される載置面（４９）を備える、請求項４に記載の可動部（１０）。
6. 少なくとも２つの固定部分の各々は、前記静止面（４９）を形成するために、前記固定部分の一方の側面から前記固定部分の反対側の側面に向かって延在する凹部（４８）を備える、請求項５に記載の可動部（１０）。
7. 前記固定部分（４４ａ、４４ｂ、５０ａ、５０ｂ）は、前記キャリッジ接続部材（４０）の対向する長手方向側部の一方から他方へ垂直に前記キャリッジ接続部材（４０）を横切って延在している、請求項１から６のいずれか一項に記載の可動部（１０）。
8. １つの横方向側部（１８ａ）は、２つの部分によって側面に配置されて切欠き部（１８）を形成していて、
   補強片（２４）が、前記補強片（２４）の厚さを貫通して延在している固定手段（２７）によって前記切り欠き部の内側に取り外し可能に固定され、前記固定手段（２７）の遠位端が前記一方の横方向側部（１８ａ）に接続されている、
   請求項１から７のいずれか一項に記載の可動部（１０）。
9. 前記キャリッジ接続部材（４０）は、矩形板の形態であり、前記固定部分の間で長手方向に沿って前記矩形板の中央に延在している隆起した形態の補強材を備える、請求項１から８のいずれか一項に記載の可動部（１０）。
10. 請求項１から９のいずれか一項に記載の可動部を備える、リニアモータ。

Images