JP2023019719A - 断熱材および断熱材の製造方法 - Google Patents

断熱材および断熱材の製造方法 Download PDF

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Abstract

Figure 2023019719000001
【課題】断熱性能を落とすことなくパーティクルの発生を防止できる断熱材を提供する。
【解決手段】炭素繊維2を用いた断熱材10は、表面に熱分解炭素を含む被覆層6を有するとともに、被覆層6の下に、炭素繊維2間に炭素系粒子4を含有する下地層5を有する。断熱材10の製造方法は、炭素繊維2の成形体3の表面に、炭素系粒子4を含有するスラリーを含浸し、下地層5を形成する下地層形成工程と、成形体3をCVD炉に入れ、化学気相成長法により下地層5の上に熱分解炭素を含む被覆層6を形成するCVD工程と、を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、断熱材および断熱材の製造方法に関する。
炭素繊維を用いた断熱材は、耐熱温度が高く断熱性能も優れることから、単結晶引き上げ装置、セラミック焼結炉など、高温炉用断熱材として広く利用されている。
炭素繊維を用いた断熱材は、炭素繊維による伝熱を抑制するため、気孔率の高いフェルト、抄造体などの形態で広く利用されている。一般にフェルトは変形性があるため、空いた空間に充填して当該空間を埋める部材や、他の部品を囲む断熱材として、一方、抄造体は高い形状保持性を有するため、所定の形状に加工し、断熱部品として利用される。なお、フェルトは、圧縮した後、バインダによって固定することにより、形状保持性の良い断熱部品として使用することもできる。
炭素繊維の断熱材は、炉内での酸化、機械的な摩擦などにより、繊維の脱落を起こし、パーティクルを発生させることがある。また、このような不具合が、輻射に対する断熱性の低下を引き起こすことがある。
このような課題を解決するため、特許文献1は、単結晶引き上げ装置内のルツボを加熱するヒータの熱が密閉本体の外部へ移動しないようにするための断熱材であって、炭素繊維成形体からなる断熱材の基材と、熱分解炭素からなる被膜とを形成してなり、炭素繊維成形体と熱分解炭素からなる被膜の間に、熱硬化性樹脂を加熱硬化した後炭化してなる熱硬化性樹脂炭化物を中間層として形成してなる単結晶引き上げ装置用の断熱材を開示している。
特開2005-119962号公報
しかしながら、特許文献1に記載の断熱材は、中間層を熱硬化性樹脂で形成しているので、炭素繊維成形体の内部に熱硬化性樹脂が浸透し、本来の断熱性を確保できる厚さが小さくなり、断熱性の低下をもたらすおそれがある。
本発明は、断熱性能を落とすことなくパーティクルの発生を防止できる炭素繊維を用いた断熱材および断熱材の製造方法を提供する。
本発明の断熱材は、炭素繊維を用いた断熱材であって、
表面に熱分解炭素を含む被覆層を有するとともに、前記被覆層の下に、炭素繊維間に炭素系粒子を含有する下地層を有する。
本発明の断熱材によれば、緻密な熱分解炭素を含む被覆層が、炭素繊維の断熱材を覆うため、炭素繊維がパーティクルとして外部に拡散することが抑制される。また、断熱材は、下地層が炭素系粒子を含有しているので、熱分解炭素を含む被覆層が、炭素繊維を含む断熱材の本体に侵入することを抑制し、断熱性能の低下を抑制することができる。
本発明の断熱材は、以下の態様であることが好ましい。
前記下地層の表面には前記炭素繊維が露出している。
下地層の表面に炭素繊維が露出していると、被覆層が、炭素繊維と直接接合するので、断熱材と被覆層の結合力を強くし、被覆層を剥がれにくくすることができる。
前記下地層の前記炭素系粒子及び前記炭素繊維は、互いに炭素系接着材で接合されている。
炭素系粒子および炭素繊維が、炭素系接着材で互いに接合されているので、下地層の層間剥離を防止し、被覆層に強い結合力を付与することができる。
前記炭素繊維がマットまたは抄造体を構成する。
成形体が、マットまたは抄造体の形態であると、炭素繊維はランダムに配置され、互いに間隔を確保できるので、断熱性を高くすることができる。
前記炭素系粒子は、黒鉛、カーボンブラック、ガラス状カーボン粒子またはミルド炭素繊維から選ばれる少なくとも一つの炭素系粒子である。
黒鉛、カーボンブラック、ガラス状カーボン粒子またはミルド炭素繊維などの炭素系粒子は、不純物が少なく、断熱材を構成する炭素繊維、被覆層と同じカーボン系であり反応性が低いため、分解ガスの生成を抑制することができる。
前記炭素系粒子は、平均粒子径が10nm~500μmである。
炭素系粒子の平均粒子径が上記範囲であると、炭素繊維のすき間に薄く下地層を形成することができ、断熱材において、炭素繊維と被覆層との接合を高いレベルで確保することができる。また、熱伝導が大きくなりやすい下地層の厚さが厚くなり過ぎることを防止することができる。
前記下地層は、厚さが10μm~500μmである。
下地層の厚さが500μm以下であると、断熱性能の低下を抑えることができる。下地層の厚さが10μm以上であると、断熱材の本体に被覆層が浸透することを防止することができる。
本発明の断熱材の製造方法は、
炭素繊維の成形体の表面に、炭素系粒子を含有するスラリーを含浸し、下地層を形成する下地層形成工程と、
前記成形体をCVD炉に入れ、化学気相成長法により前記下地層の上に熱分解炭素を含む被覆層を形成するCVD工程と、有する。
本発明の断熱材の製造方法によれば、CVD工程により、下地層の上に熱分解炭素を含む被覆層を形成する。よって、緻密な熱分解炭素を含む被覆層が、炭素繊維の断熱材を覆うことになるので、炭素繊維がパーティクルとして外部に拡散することが抑制される。また、本製造方法は、下地層形成工程により、下地層が炭素系粒子を含有しているので、熱分解炭素を含む被覆層が、炭素繊維を含む断熱材の本体に侵入することを抑制し、断熱性能の低下を抑制することができる。
本発明の断熱材の製造方法は、以下の態様であることが好ましい。
前記下地層形成工程では、表面に前記炭素繊維を露出させる。
下地層の表面に炭素繊維が露出させることにより、被覆層が、炭素繊維と直接接合するので、断熱材と被覆層の結合力を強くし、被覆層を剥がれにくくすることができる。
前記下地層形成工程では、炭素前駆体の溶液を、前記スラリーの含侵と同時に、または前記スラリーの含侵の後において、前記成形体の表面に含浸し、前記炭素系粒子及び前記炭素繊維を固定化するとともに、前記炭素前駆体を炭化させることにより、前記炭素系粒子及び前記炭素繊維を接合する炭素系接着材を形成する。
炭素系粒子および炭素繊維が、炭素系接着材で互いに接合されるので、被覆層に強い結合力を付与することができる。
前記炭素繊維がマットまたは抄造体を構成する。
成形体が、マットまたは抄造体の形態であると、炭素繊維はランダムに配置され、互いに間隔を確保できるので、断熱性を高くすることができる。
前記炭素系粒子は、黒鉛、カーボンブラック、ガラス状カーボン粒子またはミルド炭素繊維から選ばれる少なくとも一つの炭素系粒子である。
黒鉛、カーボンブラック、ガラス状カーボン粒子またはミルド炭素繊維などの炭素系粒子は、不純物が少なく、断熱材を構成する炭素繊維、被覆層と同じカーボン系であり反応性が低いため、分解ガスの生成を抑制することができる。
前記炭素系粒子は、平均粒子径が10nm~500μmである。
炭素系粒子の平均粒子径が上記範囲であると、炭素繊維のすき間に薄く下地層を形成することができ、断熱材において、炭素繊維と被覆層との接合を高いレベルで確保することができる。また、熱伝導が大きくなりやすい下地層の厚さが厚くなり過ぎることを防止することができる。
前記下地層は、厚さが10μm~500μmである。
下地層の厚さが500μm以下であると、断熱性能の低下を抑えることができる。下地層の厚さが10μm以上であると、断熱材の本体に被覆層が浸透することを防止することができる。
本発明によれば、断熱性能を落とすことなくパーティクルの発生を防止できる断熱材が提供される。
図1は、本発明の実施の形態に係る断熱材の製造方法を示し、(a)は炭素繊維の成形体、(b)は下地層を形成した成形体、(c)は完成品である断熱材、を示す。 図2は、実施例の断熱材の製造方法において、下地層形成工程の前の炭素繊維の成形体の走査電子顕微鏡写真を示す。 図3は、実施例の断熱材の製造方法において、下地層形成工程後の表面の走査電子顕微鏡写真を示す。 図4は、実施例の断熱材の断面の偏光顕微鏡写真を示す。
以下、本発明の実施形態について具体的に説明する。しかしながら、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において適宜変更して適用することができる。
図1は、本発明の実施の形態の断熱材の製造工程を示す。実施の形態の断熱材は、図1(c)に示すように、炭素繊維2を用いた断熱材10であって、表面に熱分解炭素を含む被覆層6を有するとともに、被覆層6の下に、炭素繊維2間に炭素系粒子4を含有する下地層5を有する。
断熱材10は、炭素繊維2の成形体3(図1(a))の表面に、炭素系粒子4を含有するスラリーを含浸し、下地層5(図1(b))を形成する下地層形成工程と、成形体3をCVD炉に入れ、化学気相成長法により下地層5の上に熱分解炭素を含む被覆層6(図1(c))を形成するCVD(Chemical Vapor Deposition)工程と、を有する断熱材の製造方法によって製造される。
図1(a)に示す、炭素繊維2の成形体3としては、マット、抄造体などの形態を有するものが利用できる。換言すれば、炭素繊維2は、マット、抄造体などを構成し得る。成形体3が、マットまたは抄造体の形態であると、炭素繊維2はランダムに配置され、互いに間隔を確保できるので、断熱性を高くすることができる。
成形体3の一例である抄造体は、例えば、炭素繊維2の短繊維(例えば長さが0.1~5mm)を水に分散させ、抄造することによって得られる。抄造に用いる型は平面でもよいが、目的の形状の曲面型でもよい。曲面型を用いる場合には、内型、外型のいずれを用いてもよいが、型から抄造体が落下しないよう吸引型を用いることが望ましい。
成形体3の一例であるマットは、例えば、炭素繊維2の長繊維(例えば長さが10~10000mm)をシート状に積層することにより得ることができる。得られたマットを所定の形状になるよう成形し、形状を固定することで成形体3が得られる。固定の方法は、バインダ、糸縫い、ニードルパンチなどどのような方法でも、利用することができる。
抄造体、バインダを用いて成形した成形体3は、さらに切削加工することにより、より形状精度の高い成形体3を得ることができる。
成形体のかさ密度は、例えば0.05~0.4g/cmである。かさ密度が0.05g/cm以上であると、断熱材として一定の強度を有しているとともに、遮光性を確保できるので、輻射伝熱による伝熱を抑制することができる。炭素自体の熱伝導率が高いため、かさ密度が0.4g/cm以下であると、炭素繊維による伝導伝熱を抑制することができる。
使用する炭素繊維2の種類は特に限定されないが、太さが1μm~20μmのものが利用できる。炭素繊維の太さが20μm以下であると、炭素繊維自体による伝導伝熱の効果を抑制することができる。炭素繊維の太さが1μm以上であると、遮光性に優れ、輻射伝熱を抑制することができる。
断熱材10(成形体3)の厚さは、3mm~200mmであることが好ましい。厚さが3mm以上であると、厚さ全体に占める被覆層6、下地層5の比率を小さくすることができ、効率よく断熱作用を発揮することができる。
炭素繊維2は、ピッチ系炭素繊維、PAN系炭素繊維のいずれでも利用できるとともに、黒鉛質、炭素質いずれの炭素繊維も利用することができる。
図1(c)に示す、完成品としての断熱材10は、図1(a)から図1(b)にかけての下地層形成工程と、図1(b)から図1(c)にかけてのCVD工程と、を経て製造される。
図1(b)に示すように、下地層形成工程では、炭素系粒子4を含有するスラリーを、成形体3の表面に含浸し、下地層5を形成する。
炭素系粒子4は、例えば、黒鉛、カーボンブラック、ガラス状カーボン粒子またはミルド炭素繊維から選ばれる少なくとも一つの炭素系粒子である。黒鉛、カーボンブラック、ガラス状カーボン粒子またはミルド炭素繊維などの炭素系粒子は、不純物が少なく、断熱材10を構成する炭素繊維2、被覆層6と同じカーボン系であり反応性が低いため、分解ガスの生成を抑制することができる。ガラス状カーボン粒子とは、フェノール樹脂の炭化物などの難黒鉛化性炭素を粉砕したものである。ミルド炭素繊維とは、炭素繊維を粉砕したものであり、例えば平均繊維長は、例えば20μm~500μmである。
炭素系粒子4は、例えば、平均粒子径が10nm~500μmである。炭素系粒子4の平均粒子径がこの範囲であると、炭素繊維2のすき間に薄く下地層5を形成することができ、完成品である断熱材10において、炭素繊維2と被覆層6との接合を高いレベルで確保することができる。また、熱伝導が大きくなりやすい下地層5の厚さが厚くなり過ぎることを防止することができる。なお、平均粒子径はレーザー回折式粒度測定器で測定することができる。
炭素系粒子4を含有するスラリーのほとんどの成分は、含浸する際に成形体3の表面で濾過され、表面に残り、成形体3の内部への侵入はほとんど生じない。このため、後のCVD工程で、表面に残存したスラリーの成分が、原料ガスが成形体3の内部に侵入することを抑制し、被覆層6を断熱材10の表面のみに形成することができる。
下地層形成工程で使用するスラリーは、炭素系粒子4と、溶媒とを含み、さらにバインダを含有していてもよい。スラリーがバインダを含有していると、表面に偏在する炭素系粒子4の脱落を防止することができる。
スラリーの含浸は、1回で行うのではなく複数回に分けて行ってもよい。例えば、1回目では炭素系粒子4と溶媒、2回目では溶媒とバインダとを含浸するプロセスを利用することができる。このようなプロセスを経ることによって、断熱材10の内部へのバインダの浸透を少なくし、断熱性能の低下を抑制することができる。
スラリーのバインダの種類は特に限定されないが、溶媒に溶けるもの、溶媒中に分散する微粒子などが利用できる。
例えば、バインダは、加熱することにより炭化するバインダ、解重合するなどして残渣のないバインダどちらでも利用することができる。炭化するバインダであれば、被覆層6の形成後も炭素系粒子4の脱落を防止することができ、炭化するバインダとしては、フェノール樹脂、PVA、ピッチなどが利用できる。また、炭化するバインダであれば、後にCVD炉に入れるまでのハンドリング時に、炭素系粒子4の脱落を防止することができ、
下地層形成工程におけるスラリーの含浸は、含侵後においても、表面に炭素繊維2が残り、残った炭素繊維2を露出させるように行うことが望ましい。下地層5の表面に炭素繊維2が露出していると、後のCVD工程で形成する被覆層6が、炭素繊維2と直接接合するので、断熱材10と被覆層6の結合力を強くし、被覆層6を剥がれにくくすることができる。
下地層5は、例えば、厚さが10μm~500μmである。下地層5の厚さが500μm以下であると断熱性能の低下を抑えることができる。下地層5の厚さが10μm以上であると、断熱材10の本体に被覆層6が浸透することを防止することができる。
なお、下地層形成工程では、さらに、炭素前駆体であるバインダの溶液を使用することができる。炭素前駆体の溶液は、スラリーの含侵と同時に、またはスラリーの含侵の後において、成形体3の表面に含浸したのち乾燥させ、炭素系粒子及び炭素繊維を固定化する。この後、不活性雰囲気の炉に入れて炭素前駆体を炭化させることにより、炭素系粒子4及び炭素繊維2を接合する炭素系接着材を形成することができる。なお、炭化の温度は特に限定されないが例えば700~1500℃である。
上記工程を経ることにより、炭素系粒子4および炭素繊維2が、炭素系接着材で互いに接合されるので、下地層の層間剥離を防止し被覆層6に強い結合力を付与することができる。
図1(b)および図1(c)に示すように、CVD工程では、表面に炭素系粒子4を含有する下地層5を有する成形体3を、CVD炉に入れて加熱し、原料ガスを導入することにより、成形体3の表面に被覆層6を形成する。
CVDの条件は特に限定されない。原料ガスは炭化水素ガスが利用でき、例えばメタン、エタン、プロパン、エチレンなどが利用できる。CVDの温度は例えば800~2000℃が望ましい。800℃以上であると原料ガスが容易に分解できる。2000℃以下であると、炭素繊維2の昇華が抑制され変質が防止できる。炭素質の炭素繊維2の場合、さらに1700℃以下であることが望ましい。炭素質の炭素繊維2は高い温度に曝すと黒鉛質に変質し、熱伝導率が高くなるなどの変質が起こるようになる。1700℃以下のCVDの温度で実施することにより、炭素繊維2の成形体3の断熱性を維持することができる。
上述したように、実施形態の断熱材10は、緻密な熱分解炭素を含む被覆層6が、炭素繊維2の断熱材10を覆うため、炭素繊維2がパーティクルとして外部に拡散することが抑制される。また、断熱材10は、下地層5が炭素系粒子4を含有しているので、熱分解炭素を含む被覆層6が、炭素繊維2を含む断熱材10の本体に侵入することを抑制し、断熱性能の低下を抑制することができる。
上述したように、実施形態の断熱材の製造方法においては、CVD工程により、下地層5の上に熱分解炭素を含む被覆層6を形成する。よって、緻密な熱分解炭素を含む被覆層6が、炭素繊維2の断熱材10を覆うことになるので、炭素繊維2がパーティクルとして外部に拡散することが抑制される。また、本製造方法は、下地層形成工程により、下地層5が炭素系粒子4を含有しているので、熱分解炭素を含む被覆層6が、炭素繊維2を含む断熱材10の本体に侵入することを抑制し、断熱性能の低下を抑制することができる。
(実施例)
炭素繊維(50×50×10mm)のマットを用意し、バインダを吹き付け固めた後、1000℃に加熱し、バインダを炭素化して成形体を形成した。図2は、成形体の表面の走査電子顕微鏡写真を示す。
成形体の表面を加工し、形状を整えたのち、バインダ、炭素系粒子を含有するスラリーを表面に塗布し、成形体の表面に炭素系粒子の下地層を形成した。なお、炭素系粒子は、平均粒子径10μmの黒鉛粒子を用いた。
下地層を形成した成形体を還元性雰囲気の炉に入れ、バインダを炭素化した。炭素化したバインダは、炭素系粒子を互いに接合し、粒子脱落を防止する。
図3は、下地層を形成した成形体の表面の走査電子顕微鏡写真を示す。炭素繊維の成形体の隙間に炭素系粒子が充填されている。また、炭素繊維は、表面に一部露出している。
下地層の形成された成形体をCVD炉に入れ、表面に被覆層を形成した。成形体は支持ピンの上に置かれ、支持ピンにより点支持された状態で、被覆層を形成した。成形体が点支持されているので、成形体のほぼ全面に、同時に熱分解炭素の被覆層を形成することができる。
CVD炉では、一旦真空引きして炉内の気圧を下げた後、原料ガスを導入し、熱分解炭素層の被覆層を形成した。
成形体の表面に下地層が形成されているので、CVD工程では原料ガスが成形体の内部にまで浸透せず、表面に沈積する。このとき、表面に露出した炭素繊維がアンカーとなって、炭素繊維の成形体と被覆層を強固に接続することができる。
図4は、実施例で得られた断熱材の断面図を示す。表面に厚さ約50μmの被覆層が形成され、さらに、直下に厚さ約100μmの下地層を有しているため、断熱材の本体に炭素繊維間に熱分解炭素が侵入することなく、被覆層は表層部のみに形成されている。
2 炭素繊維
3 成形体
4 炭素系粒子
5 下地層
6 被覆層
10 断熱材

Claims (14)

  1. 炭素繊維を用いた断熱材であって、
    表面に熱分解炭素を含む被覆層を有するとともに、前記被覆層の下に、炭素繊維間に炭素系粒子を含有する下地層を有する断熱材。
  2. 前記下地層の表面には前記炭素繊維が露出している、請求項1に記載の断熱材。
  3. 前記下地層の前記炭素系粒子及び前記炭素繊維は、互いに炭素系接着材で接合されている、請求項1または2に記載の断熱材。
  4. 前記炭素繊維がマットまたは抄造体を構成する、請求項1~3のいずれか1項に記載の断熱材。
  5. 前記炭素系粒子は、黒鉛、カーボンブラック、ガラス状カーボン粒子またはミルド炭素繊維から選ばれる少なくとも一つの炭素系粒子である、請求項1~4のいずれか1項に記載の断熱材。
  6. 前記炭素系粒子は、平均粒子径が10nm~500μmである、請求項1~5のいずれか1項に記載の断熱材。
  7. 前記下地層は、厚さが10μm~500μmである、請求項1~6のいずれか1項に記載の断熱材。
  8. 炭素繊維の成形体の表面に、炭素系粒子を含有するスラリーを含浸し、下地層を形成する下地層形成工程と、
    前記成形体をCVD炉に入れ、化学気相成長法により前記下地層の上に熱分解炭素を含む被覆層を形成するCVD工程と、
    を有する断熱材の製造方法。
  9. 前記下地層形成工程では、表面に前記炭素繊維を露出させる、請求項8に記載の断熱材の製造方法。
  10. 前記下地層形成工程では、炭素前駆体の溶液を、前記スラリーの含侵と同時に、または前記スラリーの含侵の後において、前記成形体の表面に含浸し、前記炭素系粒子及び前記炭素繊維を固定化するとともに、前記炭素前駆体を炭化させることにより、前記炭素系粒子及び前記炭素繊維を接合する炭素系接着材を形成する、請求項8または9に記載の断熱材の製造方法。
  11. 前記炭素繊維がマットまたは抄造体を構成する、請求項8~10のいずれか1項に記載の断熱材の製造方法。
  12. 前記炭素系粒子は、黒鉛、カーボンブラック、ガラス状カーボン粒子またはミルド炭素繊維から選ばれる少なくとも一つの炭素系粒子である、請求項8~11のいずれか1項に記載の断熱材の製造方法。
  13. 前記炭素系粒子は、平均粒子径が10nm~500μmである、請求項8~12のいずれか1項に記載の断熱材の製造方法。
  14. 前記下地層は、厚さが10μm~500μmである、請求項8~13のいずれか1項に記載の断熱材の製造方法。
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