JP2023018339A - シール構造、減衰力発生装置 - Google Patents

シール構造、減衰力発生装置 Download PDF

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Tsutomu Yanagisawa
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Abstract

【課題】組み込み時に、シール部材が倒れることなく潰れ易くすることができる技術を提供する。【解決手段】筒状であって中心線方向の端部に端面から凹んだ第1溝部120aが形成された外側ハウジング120と、中心線方向に移動されて、外側ハウジング120の開口部を覆うとともに第1溝部120aと対向する第2溝部956が形成されたカバー部95と、第1溝部120aと第2溝部956との間に挟み込まれて、外側ハウジング120とカバー部95との間をシールするOリング92とを備える。【選択図】図10

Description

本発明は、シール構造および減衰力発生装置に関する。
例えば、特許文献1に記載された油圧緩衝装置は、シリンダ部と、ピストンロッドと、ピストンと、ボトムバルブと、ソレノイドバルブとを備えている。シリンダ部は、シリンダと、シリンダの外側に設けられる外筒体と、外筒体のさらに外側に設けられるダンパケースとを備えている。ソレノイドバルブは、ダンパケースの側部に設けられる。そして、ソレノイドバルブは、ソレノイドシリンダと、ソレノイド機構部と、吸込ポートと、バルブストッパと、弁体と、スプリングとを備える。そして、ソレノイド機構部は、コイルと、ハウジングと、プランジャと、磁性体と、固定コアとを有している。ハウジングは、ソレノイドシリンダの開口部を覆うように取り付けられている。ハウジングとソレノイドシリンダとの間にはOリングが配置されており、ハウジングとソレノイドシリンダとの間をシールする。Oリングは、ハウジングやソレノイドシリンダの外部から内部に水等が進入することを抑制し、ソレノイド機構部を構成する部品が錆びることを抑制する。
特開2016-137780号公報
例えば、ケースやハウジング内の空間を密封するためにOリング等の弾性変形可能なシール部材を用いる場合には、シール部材が組み込まれた状態のときに適切に潰れていることが必要である。それゆえ、シール部材を組み込む際には、シール部材が適切に潰れるように組み込むことが必要である。しかしながら、例えば楕円状のOリングを楕円の長辺方向の両端部を潰すように組み込む場合には、組み込み時に楕円状のOリングが倒れてしまい、適切に潰れないおそれがある。
本発明は、組み込み時に、シール部材が倒れることなく潰れ易くすることができるシール構造等を提供することを目的とする。
かかる目的のもと完成させた本発明は、筒状であって中心線方向の端部に端面から凹んだ第1溝部が形成された筒状部材と、前記中心線方向に移動されて、前記筒状部材の開口部を覆うとともに前記第1溝部と対向する第2溝部が形成された覆い部材と、前記第1溝部と前記第2溝部との間に挟み込まれて、前記筒状部材と前記覆い部材との間をシールするシール部材と、を備えるシール構造である。
本発明によれば、組み込み時に、シール部材が倒れることなく潰れ易くすることができるシール構造等を提供することができる。
第1実施形態に係る油圧緩衝装置の概略構成の一例を示す図である。 第1実施形態の外側減衰部の断面図である。 第1実施形態の外側減衰部の斜視図であって、部分断面図である。 オリフィスプレートおよびパイロットバルブの斜視図である。 オリフィスプレートおよびパイロットバルブを第2軸外側から見た図である。 第1実施形態の油圧緩衝装置の動作説明図である。 第1実施形態の油圧緩衝装置の動作説明図である。 第1実施形態の外側減衰部におけるオイルの流れの説明図である。 第1実施形態の外側減衰部におけるオイルの流れの説明図である。 第1実施形態に係る外側減衰部が有するシール構造の概略構成の一例を示す図である。 第2実施形態に係る外側減衰部が有するシール構造の概略構成の一例を示す図である。 第3実施形態に係る外側減衰部が有するシール構造の概略構成の一例を示す図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。
<第1実施形態>
[油圧緩衝装置1の構成・機能]
図1は、第1実施形態に係る油圧緩衝装置1の概略構成の一例を示す図である。
図1に示すように、油圧緩衝装置1は、オイルを収容するシリンダ部10と、他方側がシリンダ部10から突出して設けられるとともに一方側がシリンダ部10内にスライド可能に挿入されるロッド20と、を備える。また、油圧緩衝装置1は、ロッド20の一方側の端部に設けられるピストン部30と、シリンダ部10の一方側の端部に設けられるボトム部40と、を備える。さらに、油圧緩衝装置1は、シリンダ部10の外部に設けられて減衰力を発生させる外側減衰部100を備える。
なお、以下の説明において、図1に示すシリンダ部10の長手方向は、「軸方向」と称する。また、軸方向におけるシリンダ部10の下側は、「一方側」と称し、シリンダ部10の上側は、「他方側」と称する。
また、図1に示すシリンダ部10の左右方向は、「半径方向」と称する。そして、半径方向において、中心軸側は、「半径方向内側」と称し、中心軸から離れる側は、「半径方向外側」と称する。
〔シリンダ部10の構成・機能〕
シリンダ部10は、オイルを収容するシリンダ11と、シリンダ11の半径方向外側に設けられる外筒体12と、シリンダ11の半径方向外側であって外筒体12のさらに半径方向外側に設けられるダンパケース13とを有する。
シリンダ11は、円筒状に形成され、他方側にシリンダ開口11Hを有する。
外筒体12は、円筒状に形成されている。そして、外筒体12は、シリンダ11との間に、連絡路Lを形成する。また、外筒体12は、外側減衰部100との対向位置に、外筒体開口部12Hおよび外側接続部12Jを有する。外側接続部12Jは、オイルの流路を有するとともに、半径方向外側に向けて突出し外側減衰部100との接続箇所を形成する。
ダンパケース13は、円筒状に形成されている。そして、ダンパケース13は、外筒体12との間においてオイルが溜まるリザーバ室Rを形成する。リザーバ室Rは、ロッド20のシリンダ11に対する相対移動に伴って、シリンダ11内のオイルを吸収したり、シリンダ11内にオイルを供給したりする。また、リザーバ室Rは、外側減衰部100から流れ出たオイルを溜める。また、ダンパケース13は、外側減衰部100との対向位置に、ケース開口部13Hを有する。
〔ロッド20の構成・機能〕
ロッド20は、軸方向に長く延びる棒状の部材である。ロッド20は、一方側にてピストン部30に接続する。また、ロッド20は、他方側にて図示しない連結部材等を介して例えば車体に接続する。ロッド20は、内側が空洞になっている中空状、または、内側に空洞を有さない中実状のいずれでも良い。
〔ピストン部30の構成・機能〕
ピストン部30は、複数のピストン油路口311を有するピストンボディ31と、ピストン油路口311の他方側を開閉するピストンバルブ32と、ピストンバルブ32とロッド20の一方側端部との間に設けられるスプリング33とを有する。そして、ピストン部30は、シリンダ11内のオイルを第1油室Y1と第2油室Y2とに区画する。
〔ボトム部40の構成・機能〕
ボトム部40は、バルブシート41と、バルブシート41の他方側に設けられるチェックバルブ部43と、軸方向に設けられる固定部材44と、を有する。そして、ボトム部40は、第1油室Y1とリザーバ室Rとを区分する。
〔外側減衰部100の構成・機能〕
図2は、第1実施形態の外側減衰部100の断面図である。
図3は、第1実施形態の外側減衰部100の斜視図であって、部分断面図である。
図4は、オリフィスプレート85およびパイロットバルブ80の斜視図である。
図5は、オリフィスプレート85およびパイロットバルブ80を第2軸外側から見た図である。
以下の説明では、図2に示す外側減衰部100の長手方向(すなわち、シリンダ部10の軸方向(図1参照)に交差する交差方向(例えば、略直交方向))は、「第2軸方向」と称する。また、第2軸方向において外側減衰部100の左側は、「第2軸内側」と称し、外側減衰部100の右側は、「第2軸外側」と称する。
また、図2に示す外側減衰部100の上下方向(すなわち、第2軸方向に交差する方向)は、「第2半径方向」と称する。そして、第2半径方向において、第2軸に沿う中心軸側は、「第2半径方向内側」と称し、第2軸に沿う中心軸に対して離れる側は、「第2半径方向外側」と称する。
図2に示すように、外側減衰部100(減衰力発生装置の一例)は、オイルの流れを制御するメインバルブ部50と、少なくともメインバルブ部50を収容する第1ハウジング60と、第2軸方向において第1ハウジング60とは反対側に設けられる第2ハウジング70と、を備える。さらに、外側減衰部100は、第1ハウジング60と第2ハウジング70との間に設けられるシム69と、第1ハウジング60内に設けられるオリフィスプレート85と、パイロットバルブ80と、を備える。さらに、外側減衰部100は、第1ハウジング60、第2ハウジング70、シム69、オリフィスプレート85、および、パイロットバルブ80等を収容するバルブケース89と、後述する背圧室100Pのオイル圧を調整する調整部90と、を備える。そして、外側減衰部100は、メインバルブ部50に対して連絡路Lからのオイルの流路を形成する接続流路部110と、外側減衰部100を構成する各種の部品を収容する外側ハウジング120と、を備える。
(メインバルブ部50)
メインバルブ部50は、外側減衰部100において、主に減衰力を発生させるメインバルブ51と、メインバルブ51を支持するとともに弾性変形可能な板バネ53と、を有する。板バネ53は、第2半径方向外側である外縁部にて、第1ハウジング60および第2ハウジング70によって支持される。
メインバルブ51は、円環状に形成された部材である。そして、メインバルブ51は、第2半径方向内側に設けられるオリフィス部52Fと、第2軸内側に設けられるメイン流路71に流入するオイルの圧力を受ける受圧部52Rと、を有する。また、メインバルブ51は、第2軸外側を向く円環状の面であり、板バネ53における第2軸内側を支持するバネ受部52Sを有する。さらに、メインバルブ51は、受圧部52Rの第2半径方向外側において、第2軸内側に向けて環状に突出するように設けられた第1対向部521と、第1対向部521の第2半径方向外側において、第2軸内側に向けて環状に突出するように設けられた第2対向部522と、を有する。
オリフィス部52Fの流路断面積は、例えばメイン流路71と比較して十分に小さく形成される。そして、オリフィス部52Fは、メインバルブ51が後述する第1弁座部72や第2弁座部73に接してメイン流路71を閉じた状態でも、メイン流路71から背圧室100Pへのオイルの流れを可能にする。
第1対向部521は、第2ハウジング70の後述する第1弁座部72に対向する。第2対向部522は、第2ハウジング70の後述する第2弁座部73に対向する。そして、第1対向部521および第2対向部522は、それぞれ、第1弁座部72および第2弁座部73を開閉することで、メイン流路71を流れるオイルの流量を制御し、差圧を発生させる。これによって、メインバルブ51は、油圧緩衝装置1の減衰力を生じさせる。
(第1ハウジング60)
図2に示すように、第1ハウジング60は、メインバルブ51に対して、主に、第2軸外側に設けられる。第1ハウジング60は、内部にメインバルブ51等の部品を収容可能であって、筒状に設けられる。
第1ハウジング60は、第2軸外側に設けられる開口部61と、調整部90の後述の調整バルブ91を収容する収容部63と、オリフィスプレート85を保持する保持部65と、第2ハウジング70と対向する対向部67とを有する。
開口部61は、調整部90の後述する調整バルブ91の小径部91Aよりも大きな内径を有する。そして、開口部61は、後述する小径部91Aとの間に、オイルが流れることが可能な隙間を形成する。
収容部63は、調整部90の後述の調整バルブ91および圧縮コイルバネ97が内側に収容される。また、収容部63は、オリフィスプレート85の内側パイロット流路87および外側パイロット流路88を流れるオイルが流入する流入室631を形成する。さらに、収容部63は、流入室631に流入したオイルを、開口部61と調整バルブ91との隙間から後述のハウジング内流路121へ流出させる流出路632を有する。
保持部65は、オリフィスプレート85を保持する。さらに、保持部65は、メインバルブ51に対して後述の第1弁座部72および第2弁座部73に向かう背圧を掛ける背圧室100Pの一部を構成する。背圧室100Pは、メインバルブ51のオリフィス部52Fからオイルが流入する部屋である。また、背圧室100P内のオイルは、オリフィスプレート85の内側パイロット流路87および外側パイロット流路88を通って流出可能である。そして、背圧室100Pは、内部のオイルの圧力に応じて、メインバルブ51に対して背圧を掛ける。
対向部67は、第2ハウジング70と接続する第1接続部671と、シム69の第2軸外側を向く面に接触する第1シム接触部672と、メインバルブ51の第2軸外側を向く面に接触する第1バルブ接触部673と、を有する。
第1接続部671は、第2ハウジング70が第1ハウジング60に対して第2軸方向において移動しないように、第2ハウジング70を保持および固定する。例えば、その固定方法は、ねじ締結や圧入であることを例示することができる。
(第2ハウジング70)
第2ハウジング70は、メインバルブ51に対して、主に、第2軸内側に設けられる。第2ハウジング70は、第1ハウジング60とともに、メインバルブ51等の部品を収容可能になっている。
第2ハウジング70は、オイルが流れるメイン流路71と、メイン流路71における第2軸外側の端部において第2軸外側に向けて環状に突出するように設けられる第1弁座部72と、第1弁座部72の第2半径方向外側において第2軸外側に向けて環状に突出するように設けられる第2弁座部73と、を有する。また、第2ハウジング70は、第2軸外側を向く環状の面であり、シム69の第2軸内側を向く面に接触する第2シム接触部74と、第2軸外側を向く環状の面であり、メインバルブ51の第2軸内側を向く面に接触する第2バルブ接触部75と、を有する。さらに、第2ハウジング70は、第1ハウジング60と接続する第2接続部76と、メインバルブ51の第2軸内側を向く面の外縁部に対向する溝部77と、メイン流路71の第2半径外側に設けられる外側流路79と、を有する。
メイン流路71は、第2ハウジング70の第2半径方向内側にて、第2軸方向に沿って形成される。メイン流路71は、第2軸内側にて接続流路部110の後述の内側流路111に連絡する。また、メイン流路71は、第2軸外側にてメインバルブ51の第2軸内側を向く面に対向する。
第2弁座部73の突出高さは、第1弁座部72と略等しくなっている。そして、第1弁座部72と第2弁座部73と第1対向部521と第2対向部522との間には、環状に形成され、第2軸内側に向けて凹む環状空間78が形成される。
さらに、第1弁座部72は、第2半径方向に沿って形成される複数の溝部72Tを有する。各々の溝部72Tのオイルの流路断面積は、比較的小さく形成されている。すなわち、溝部72Tは、所謂オリフィスを構成する。そして、各々の溝部72Tは、第1弁座部72にメインバルブ51の第1対向部521が接触した状態で、第1弁座部72の第2半径方向内側から第1弁座部72の第2半径方向外側にオイルが流れる経路を形成する。つまり、各々の溝部72Tは、第1弁座部72にメインバルブ51が接触した状態で、メイン流路71のオイルが、第1弁座部72と第2弁座部73との間の環状空間78に流れ込むことを可能にする。
溝部77は、第2軸内側に向けて凹む円環状の溝である。溝部77は、第2軸方向において、メインバルブ51を挟んで、第1バルブ接触部673と対向する位置に設けられる。そして、溝部77は、メインバルブ51がメイン流路71を開く開弁状態において、メインバルブ51の端部が第2軸内側に向けて変位可能にするための領域を形成する。
外側流路79は、第2軸方向に沿って形成され、オイルが流れる流路を形成する。外側流路79は、複数設けられる。そして、外側流路79は、メイン流路71からメインバルブ51を開いて流れ出たオイルが、後述するハウジング内流路121に向けて流れる際の経路を形成する。
(シム69)
シム69は、第2半径方向内側が開口する環状の部材である。シム69は、メインバルブ51との間に隙間を有して、メインバルブ51よりも第2半径方向外側に設けられる。そして、シム69は、メインバルブ51の第2半径方向における移動を規制する。
(オリフィスプレート85)
オリフィスプレート85は、図4に示すように、第2半径方向外側に設けられる外側シート部86と、背圧室100P(図2参照)におけるオイルの圧力を調整するためのオイルの流路を構成する内側パイロット流路87および複数の外側パイロット流路88と、を有する。
外側シート部86は、第2軸外側に設けられる略円形状の面である底面部85Bに対して、第2軸外側に向けて円環状に突出している。そして、外側シート部86は、パイロットバルブ80の外縁部を支持する。
内側パイロット流路87は、パイロットバルブ80の第2半径方向内側に設けられる。そして、内側パイロット流路87は、第2軸方向においてオリフィスプレート85を貫通して設けられる。また、内側パイロット流路87は、第2軸外側に、パイロットバルブ80との接触箇所を形成する内側ラウンド87Rを有する。
オリフィスプレート85は、外側パイロット流路88として、第1外側パイロット流路881と、第2外側パイロット流路882と、第3外側パイロット流路883と、を備える。なお、以下の説明において、第1外側パイロット流路881、第2外側パイロット流路882および第3外側パイロット流路883を、それぞれ区別しない場合には、外側パイロット流路88と総称する。外側パイロット流路88は、第2軸外側に、パイロットバルブ80との接触箇所を形成する外側ラウンド88Rを有する。
複数の外側パイロット流路88は、底面部85Bを基準とした場合に、各々の外側ラウンド88Rの高さがそれぞれ略等しくなっている。そして、複数の外側パイロット流路88の外側ラウンド88Rの高さは、それぞれ、内側パイロット流路87の内側ラウンド87Rの高さよりも低くなっている。
さらに、オリフィスプレート85は、複数の外側パイロット流路88の流路口の内径がそれぞれ異なっている。すなわち、複数の外側パイロット流路88は、オイルが流れる流路口の流路断面積がそれぞれ異なっている。具体的には、図4に示すように、第1外側パイロット流路881の流路口の内径d1は、第2外側パイロット流路882の流路口の内径d2および第3外側パイロット流路883の流路口の内径d3よりも大きい。また、第2外側パイロット流路882の流路口の内径d2は、第3外側パイロット流路883の流路口の内径d3よりも大きい。つまり、複数の外側パイロット流路88の流路口の流路断面積は、第3外側パイロット流路883、第2外側パイロット流路882、第1外側パイロット流路881の順に大きくなっている。
また、各外側パイロット流路88の流路口の流路断面積は、内側パイロット流路87の流路口の流路断面積よりも小さい。
(パイロットバルブ80)
パイロットバルブ80は、図4に示すように、弾性変形する略円形状の板状部材である。パイロットバルブ80の材料には、例えば鉄等の金属を用いることができる。そして、パイロットバルブ80は、オリフィスプレート85の第2軸外側に対向して設けられる。
パイロットバルブ80は、内側パイロット流路87に対向する第1対向部81と、外側パイロット流路88に対向する第2対向部82とを有する。さらに、パイロットバルブ80は、パイロットバルブ80を第2軸方向において変形し易くする内側開口部83と、内側開口部83よりも第2半径方向外側に設けられパイロットバルブ80を第2軸方向において変形し易くする外側開口部84と、を有する。
図5に示すように、第1対向部81は、円形状であって板状に形成される。そして、第1対向部81は、内側ラウンド87Rを覆うことが可能になっている。
第2対向部82は、円環状であって板状に形成される。そして、第2対向部82は、外側ラウンド88Rを覆うことが可能になっている。
そして、調整部90の調整バルブ91は、パイロットバルブ80を介して、内側パイロット流路87および外側パイロット流路88を流れるオイルの流量を調整する。さらに、調整バルブ91は、背圧室100Pのオイルの圧力を調整する。
続いて、オリフィスプレート85およびパイロットバルブ80の作用について説明する。
メインバルブ部50は、背圧室100Pのオイルの圧力に応じて、メイン流路71の開き易さが定まる。さらに、メインバルブ部50がメイン流路71を開く際には、背圧室100Pのオイルは、内側パイロット流路87および複数の外側パイロット流路88から流入室631に流入する。
ここで、パイロットバルブ80は、受圧面積が大きい箇所ほど変形し易い。従って、各々の外側パイロット流路88を流れるオイルは、第1外側パイロット流路881、第2外側パイロット流路882、第3外側パイロット流路883の順に時間差を有してパイロットバルブ80を開きながら流れ出る。また、最終的には、内側パイロット流路87を流れるオイルは、パイロットバルブ80を開いて、流入室631に流れ込む。
それゆえ、外側減衰部100では、例えば単一のオリフィス流路である場合と比較して、背圧室100Pのオイル圧の変化が段階的になる。この背圧室100Pの段階的なオイル圧の変化によって、メインバルブ部50は、メイン流路71を一気に開くのではなく段階的に開くようになる。
(バルブケース89)
バルブケース89は、図2に示すように、第1ハウジング60に対して、主に、第2半径方向外側および第2軸外側に設けられ、内部に第1ハウジング60等の部品を収容可能に筒状に形成されている。より具体的には、バルブケース89は、第1ハウジング60の収容部63に対して第2半径方向外側に設けられた第1筒状部891と、第1ハウジング60に対して第2軸外側に設けられた第2筒状部892と、第1筒状部891と第2筒状部892とを接続する円盤状の接続部893とを有している。
第1筒状部891の内周面と第1ハウジング60の収容部63の外周面との間に、流出路632に流入したオイルを後述のハウジング内流路121へ流出させる環状流路を形成する。第1筒状部891には、外周面から凹んだ凹部894が形成されており、凹部894に、バルブケースの外周面と、外側ハウジング120の内周面との間をシールするOリング895を保持する。
第2筒状部892は、内部に、プランジャ93を第2軸方向に移動可能に支持する軸受けを有している。
接続部893は、シムを挟んで第1ハウジング60における第2軸外側の面と対向する。
(接続流路部110)
図2に示すように、接続流路部110は、第2半径方向内側に設けられる内側流路111と、第2半径方向外側に設けられる外側流路112とを有する。
内側流路111は、第2軸内側にて外筒体開口部12Hに連絡し、第2軸外側にて第2ハウジング70のメイン流路71に連絡する。
外側流路112は、複数設けられている。そして、外側流路112は、第2軸内側にてケース開口部13Hに連絡し、第2軸外側にて後述のハウジング内流路121に連絡する。
(外側ハウジング120)
図2に示す外側ハウジング120は、略円筒形状の部材である。外側ハウジング120は、第2軸内側にて、例えば溶接等によってダンパケース13に固定される。外側ハウジング120の内周面には、雌ねじ122が形成されている。
また、外側ハウジング120は、第2ハウジング70の第2半径方向外側に、外側ハウジング120内におけるオイルの流路であるハウジング内流路121を形成する。
(調整部90)
調整部90は、図2に示すように、オリフィスプレート85の内側パイロット流路87および外側パイロット流路88(図4参照)のオイルの流れを制御する調整バルブ91と、調整バルブ91を保持するプランジャ93と、プランジャ93を駆動するソレノイド部94と、を有する。また、調整部90は、パイロットバルブ80と調整バルブ91との間に設けられる圧縮コイルバネ97と、プランジャ93に固定された磁石等の磁性体98と、調整部90を構成する各部品を収容するケース部99と、を有する。また、調整部90は、ソレノイド部94と外側ハウジング120との間の隙間をシールする弾性体のOリング92を有する。
調整バルブ91は、第2軸方向において、パイロットバルブ80の第1対向部81および第2対向部82に対向する位置に設けられる。また、調整バルブ91は、第2軸方向において移動可能になっている。そして、調整バルブ91は、第2軸内側に向けて移動することで、パイロットバルブ80に接触可能になっている。このように、調整バルブ91は、パイロットバルブ80と接触する状態から、パイロットバルブ80に対して最も離れた状態までの間で任意の状態をとることが可能である。これによって、調整バルブ91は、オリフィスプレート85の内側パイロット流路87および外側パイロット流路88を流れるオイルの流量を調整可能になっている。
プランジャ93は、第2軸方向に沿って形成されるロッド状の部材である。プランジャ93は、第2軸内側にて調整バルブ91を保持するとともに、第2軸方向の中央部に磁性体98を保持する。プランジャ93は、軸受を介して軸方向に移動可能に後述する固定鉄心96やバルブケース89に支持される。プランジャ93は、ソレノイド部94が通電状態のときに、ソレノイド部94によって、調整バルブ91とともに第2軸内側に向けて押し出される。一方で、プランジャ93は、ソレノイド部94が非通電状態のときに、圧縮コイルバネ97によって、調整バルブ91とともに第2軸外側に向けて押し戻される。
ソレノイド部94は、外側ハウジング120の開口部を覆うカバー部95と、固定鉄心96と、を有している。カバー部95は、コイル951と、鉄板952と、コイル951および鉄板952を保持するとともに外側ハウジング120の開口部を覆う覆い部953とを有している。カバー部95については後で詳述する。
そして、ソレノイド部94は、通電状態になることで、プランジャ93を第2軸内側に向けて押し出す。
圧縮コイルバネ97は、第2軸内側にてパイロットバルブ80に接触し、第2軸外側にて調整バルブ91に接触する。そして、圧縮コイルバネ97は、調整バルブ91がパイロットバルブ80に対して離れる方向の力を、調整バルブ91に付与する。
ケース部99は、外側ハウジング120とねじ締結されて、ソレノイド部94等を内側に収容する。ケース部99については後で詳述する。
[油圧緩衝装置1の動作]
次に、以上のように構成される油圧緩衝装置1の動作を具体的に説明する。
図6および図7は、第1実施形態の油圧緩衝装置1の動作説明図である。
なお、図6は伸張行程時におけるオイルの流れを示し、図7は圧縮行程時におけるオイルの流れを示す。
まず、油圧緩衝装置1の伸張行程時における動作を説明する。
図6に示すように、伸張行程時において、ロッド20は、シリンダ11に対して他方側に移動する。このとき、ピストンバルブ32は、ピストン油路口311を塞いだままである。また、ピストン部30の他方側への移動によって、第2油室Y2の容積は、減少する。そして、第2油室Y2のオイルは、シリンダ開口11Hから連絡路Lに流れ出る。
さらに、オイルは、連絡路Lおよび外筒体開口部12Hを通って、外側減衰部100に流れ込む。そして、外側減衰部100において、オイルは、先ず、接続流路部110の内側流路111に流れ込む。その後、外側減衰部100では、メインバルブ51において減衰力が発生する。なお、このときのオイルの流れについては、後に詳しく説明する。
その後、メインバルブ51に流れたオイルは、ハウジング内流路121に流れ出る。さらに、オイルは、接続流路部110の外側流路112を通ってケース開口部13Hからリザーバ室Rに流れ込む。
また、第1油室Y1の圧力は、リザーバ室Rに対して相対的に低くなる。そのため、リザーバ室Rのオイルは、ボトム部40を通って、第1油室Y1に流れ込む。
次に、油圧緩衝装置1の圧縮行程時における動作を説明する。
図7に示すように、圧縮行程時において、ロッド20は、シリンダ11に対して一方側に相対移動する。ピストン部30においては、第1油室Y1と第2油室Y2との差圧によって、ピストン油路口311を塞ぐピストンバルブ32が開く。そして、第1油室Y1のオイルは、ピストン油路口311を通って第2油室Y2に流れ出る。ここで、第2油室Y2には、ロッド20が配置されている。そのため、第1油室Y1から第2油室Y2に流れ込むオイルは、ロッド20の体積分だけ過剰になる。従って、このロッド20の体積分に相当する量のオイルが、シリンダ開口11Hから連絡路Lに流出する。
さらに、オイルは、連絡路L、外筒体開口部12Hを通って、外側減衰部100に流れ込む。なお、外側減衰部100におけるオイルの流れは、上述した伸張行程時におけるオイルの流れと同様である。すなわち、第1実施形態の油圧緩衝装置1では、圧縮行程時および伸張行程時との両方において、外側減衰部100においてオイルが流れる方向は同じになる。
以上のとおり、第1実施形態の油圧緩衝装置1では、圧縮行程時および伸張行程時の両行程において外側減衰部100にて減衰力を発生させる。
続いて、第1実施形態の外側減衰部100におけるオイルの流れについて詳細に説明する。
図8および図9は、第1実施形態の外側減衰部100におけるオイルの流れの説明図である。
なお、図8は、調整部90によってメインバルブ51にて発生させる減衰力が比較的低く調整されるときの外側減衰部100の説明図である。また、図9は、調整部90によってメインバルブ51にて発生させる減衰力が比較的高く調整されるときの外側減衰部100の説明図である。
まず、背圧室100Pのオイルの圧力を調整する調整部90の動作を説明する。オリフィスプレート85に対する調整バルブ91の距離は、ソレノイド部94(図2参照)に流す電流量に応じて変化する。なお、ソレノイド部94を流れる電流量の制御は、例えば車両における各種の制御を行うECU(Electronic Control Unit)に基づいて行われる。調整部90は、より大きい電流をソレノイド部94に流すほど、パイロットバルブ80に対して、調整バルブ91がより近づく。一方で、調整部90は、より比較的小さい電流をソレノイド部94に流すほど、パイロットバルブ80に対して、調整バルブ91がより遠ざかる。
そして、例えばECUは、調整部90のソレノイド部94の電流量を比較的小さくする。なお、この例では、ソレノイド部94に流す電流量をゼロにしている。これによって、図8に示すように、調整バルブ91は、パイロットバルブ80に対して遠くに位置する。これによって、背圧室100P内のオイルは、オリフィスプレート85の内側パイロット流路87および外側パイロット流路88から流入室631に流出し易くなる。この場合、背圧室100Pのオイルの圧力は、比較的低くなる。
一方、例えばECUは、調整部90のソレノイド部94の電流量を比較的大きくする。これによって、図9に示すように、調整バルブ91は、パイロットバルブ80の近くに位置する。これによって、背圧室100P内のオイルは、オリフィスプレート85の内側パイロット流路87および外側パイロット流路88から流入室631に流出し難くなる。この場合、背圧室100Pのオイルの圧力は、比較的高くなる。
そして、調整部90は、ソレノイド部94に流す電流量に応じて、パイロットバルブ80と調整バルブ91との間隔を、予め定められた範囲内で任意に調整することができる。そして、調整部90は、ソレノイド部94に流す電流量に応じて、背圧室100Pのオイルを所定の圧力に調整可能である。
続いて、メインバルブ51を開くオイルの流れについて具体的に説明する。
図8に示すように、ピストン部30(図1参照)が軸方向に移動することで、内側流路111に流れたオイルは、メイン流路71に流れ込む。
そして、メイン流路71に流れ込んだオイルは、オリフィス部52Fから背圧室100Pに流れ込む。
図8に示す例では、背圧室100P内のオイルは、オリフィスプレート85の内側パイロット流路87および外側パイロット流路88から流入室631に流出し易くなっている。従って、背圧室100Pのオイルの圧力は、比較的低くなっている。
ここで、上述のとおり、調整部90は、背圧室100Pの圧力を定める。そして、メインバルブ部50のメインバルブ51に対して、メインバルブ51が第1弁座部72および第2弁座部73を閉じる方向の力以上の開く方向の流体圧が掛かると、メインバルブ51は、第1弁座部72および第2弁座部73から浮き上がり、メイン流路71を開通する。このとき、背圧室100Pの圧力は、メインバルブ51と、第1弁座部72および第2弁座部73との隙間である流路断面積を決める。すなわち、背圧室100Pの圧力は、流量、すなわち減衰力を決定する。
そして、図8に示すように、メイン流路71に流れ込んだオイルは、メインバルブ51が第1弁座部72(図3参照)および第2弁座部73(図3参照)から離れるように変形させながら、第1弁座部72および第2弁座部73とメインバルブ51との隙間を流れる。
そして、外側減衰部100において、減衰力は、メインバルブ51と第2ハウジング70の第1弁座部72や第2弁座部73との隙間によってオイルの流量が絞られることにより生じる差圧によって発生する。
その後、メイン流路71からメインバルブ51を開いて流れ出たオイルは、外側流路79、ハウジング内流路121および外側流路112の順に流れ、リザーバ室Rに流れ出る。
一方で、図9に示すように、ピストン部30(図1参照)が軸方向に移動することで、内側流路111に流れたオイルは、メイン流路71に流れ込む。
そして、メイン流路71に流れ込んだオイルは、オリフィス部52Fから背圧室100Pに流れ込む。
ここで、図9に示す例では、背圧室100P内のオイルは、オリフィスプレート85のオリフィス部52Fから流入室631に流出し難くなっている。従って、背圧室100Pのオイルの圧力は、比較的高くなっている。
そして、メイン流路71に流れ込んだオイルは、メインバルブ51が第1弁座部72および第2弁座部73から離れるように変形させながら、第1弁座部72(図3参照)および第2弁座部73(図3参照)とメインバルブ51との隙間を流れようとする。ただし、図9に示す例では、背圧室100Pの圧力が比較的高くなっている。そのため、メインバルブ51は、背圧室100Pの圧力を受けて、第1弁座部72および第2弁座部73に向けて比較的強く押し付けられる。従って、メインバルブ51は、第1弁座部72および第2弁座部73を開いてメイン流路71のオイルを流し難くなっている。そのため、図9で示す状態の外側減衰部100において、発生する減衰力は、比較的高くなる。
その後、メイン流路71からメインバルブ51を開いて流れ出たオイルは、外側流路79、ハウジング内流路121および外側流路112の順に流れ、リザーバ室Rに流れ出る。
以上のように、外側減衰部100では、調整部90によって背圧室100Pのオイルの圧力を変更することで、メインバルブ51によって発生させる減衰力の大きさを調整できるようになっている。
以下に、外側減衰部100の内部に水等を入り難くするシール構造について詳細に説明する。
図10は、第1実施形態に係る外側減衰部100が有するシール構造150の概略構成の一例を示す図である。
外側ハウジング120には、第2軸外側の端部に、端面から凹んだ第1溝部120aが全周に形成されている。第1溝部120aの第2軸方向に平行な面にて切断した断面形状は、第2軸外側の端面における第2半径方向の大きさが最も大きく、第2軸内側に行くに従って第2半径方向の大きさが徐々に小さくなるように円弧状に形成されている。
ケース部99は、略円筒状の部材である。ケース部99には、第2軸方向の中央部から内側にかけて外周面に雄ねじ99aが形成されており、外側ハウジング120の内周面に形成された雌ねじ122に締め付けられている。ケース部99は、外側ハウジング120に締め付けられた状態で、第2軸外側の端部が、外側ハウジング120における第2軸外側の端面よりも第2軸外側に突出している。ケース部99には、第2軸方向の中央部よりも第2軸外側の部位に、内周面から凹んだ凹部991が形成されている。凹部991には、第2軸方向に平行な面にて切断した断面形状が円で円環状の金属製のクリップ992が嵌め込まれている。クリップ992は、周方向の一部が切断されており、拡径することが可能になっている。
ソレノイド部94のカバー部95の覆い部953は、円盤状の部位から第2軸内側に突出した略円筒状の内側突出部954と、内側突出部954よりも第2半径方向外側において第2軸内側に突出した略円筒状の外側突出部955とを有する。
内側突出部954は、固定鉄心96よりも第2半径方向外側であってケース部99よりも第2半径方向内側に設けられており、第2軸方向において、プランジャ93に固定された磁性体98の移動領域と重なる位置にコイル951を有する。また、内側突出部954は、第2軸方向の中央部よりも第2軸外側であってケース部99の凹部991に嵌め込まれたクリップ992よりも第2軸内側に鉄板952を有する。鉄板952は、円環状の部材であり、外周部952aが、内側突出部954の外周面から第2半径方向外側に突出するように設けられている。外周部952aの外径は、ケース部99の内周面の内径と同じまたは当該内径よりも若干小さくなるように設定されている。また、鉄板952には、第2半径方向の略中央部に第2軸方向に貫通する貫通孔952bが、周方向に複数形成されている。
外側突出部955は、外側ハウジング120よりも第2半径方向外側に設けられて、外側ハウジング120における第2軸外側の端部の周囲を覆う。
そして、覆い部953における、内側突出部954と外側突出部955との間の第2軸内側の部位には、端面から凹んだ第2溝部956が全周に形成されている。第2溝部956の第2軸方向に平行な面にて切断した断面形状は、第2軸内側の端面における第2半径方向の大きさが最も大きく、第2軸外側に行くに従って第2半径方向の大きさが徐々に小さくなるように円弧状に形成されている。
Oリング92は、第2軸方向に平行な面にて切断した断面形状が、長辺が第2軸方向となる楕円状である。そして、Oリング92は、第2軸内側の端部が外側ハウジング120の第1溝部120aに嵌め込まれ、第2軸外側の端部がソレノイド部94のカバー部95の第2溝部956に嵌め込まれた状態で、外側ハウジング120とソレノイド部94のカバー部95との間に挟み込まれている。また、Oリング92は、ケース部99の第2軸外側の端部の外周面に接触している。
外側ハウジング120とソレノイド部94のカバー部95との間にOリング92が弾性変形された状態で挟み込まれていることで、ソレノイド部94のカバー部95には、第2軸方向に内側から外側に向かう方向の反力が作用する。本実施形態においては、この反力がソレノイド部94のカバー部95に作用したとしても、カバー部95の鉄板952の外周部952aがクリップ992に突き当たることで、カバー部95の第2軸外側への移動が抑制される。
すなわち、クリップ992の外径は、凹部991の底面、言い換えれば、第2半径方向外側の部位の径よりも小さく、ケース部99の内周面の径よりも大きい。また、クリップ992の内径は、ケース部99の内周面の径よりも小さく、クリップ992は、ケース部99の内周面よりも第2半径方向内側に突出している。他方、ソレノイド部94のカバー部95の鉄板952は、外周部952aが、内側突出部954の外周面から第2半径方向外側に突出するように設けられている。それゆえ、ソレノイド部94のカバー部95に第2軸外側に向かう方向の反力が作用したとしても、カバー部95の鉄板952の外周部952aが、ケース部99の内周面よりも第2半径方向内側に突出したクリップ992に突き当たる。その結果、カバー部95の第2軸外側への移動が抑制される。
以上のように構成された外側減衰部100は、以下のように組み立てられることを例示することができる。すなわち、ダンパケース13に固定された外側ハウジング120に対して、接続流路部110、第2ハウジング70、シム69、メインバルブ部50、オリフィスプレート85、パイロットバルブ80、第1ハウジング60、調整バルブ91、プランジャ93、バルブケース89、固定鉄心96等を組み付けた後に、ケース部99を外側減衰部100に締め付ける。そして、Oリング92を外側ハウジング120の第1溝部120aに載せるとともに、クリップ992をケース部99の凹部991に嵌め込んだ後に、カバー部95を組み付ける。
以上説明した外側減衰部100は、筒状であって中心線方向の一例としての第2軸方向の端部に端面から凹んだ第1溝部120aが形成された筒状部材の一例としての外側ハウジング120と、外側ハウジング120の開口部を覆うとともに第1溝部120aと対向する第2溝部956が形成された覆い部材の一例としてのカバー部95とを備える。また、外側減衰部100は、第1溝部120aと第2溝部956との間に挟み込まれて、外側ハウジング120とカバー部95との間をシールするシール部材の一例としてのOリング92を備える。このように、外側減衰部100は、第1溝部120aが形成された外側ハウジング120と、第2溝部956が形成されたカバー部95と、第1溝部120aと第2溝部956との間に挟み込まれたOリング92とを有して構成されるシール構造150を備えている。
そして、このシール構造150によれば、ダンパケース13に固定された外側ハウジング120に対して、ソレノイド部94のカバー部95およびOリング92を組み込む際に、Oリング92が外側ハウジング120の第1溝部120aとカバー部95の第2溝部956とに嵌り込んだ状態で、Oリング92が第2軸方向に加圧される。それゆえ、Oリング92が第2軸方向に加圧されたとしても、Oリング92が倒れ難くなる。言い換えれば、楕円状のOリング92の長辺方向が第2軸方向に対して傾き難くなる。その結果、Oリング92が潰れ易くなる。また、Oリング92と外側ハウジング120との接触面積、および、Oリング92とカバー部95との接触面積が大きくなる。従って、外側ハウジング120内の空間が適切に密封されるので、外側減衰部100を構成する部品が錆びることが抑制される。
ここで、外側ハウジング120の第1溝部120aにおける第2軸方向に平行な面にて切断した断面形状である円弧の長さと、カバー部95の第2溝部956における第2軸方向に平行な面にて切断した断面形状である円弧の長さとを加算した合計の長さは、Oリング92における第2軸方向に平行な面にて切断した断面形状の全周の長さ未満である。これにより、Oリング92が最大限に潰れたとしても、外側ハウジング120における第2軸外側の端面と、カバー部95の覆い部953における内側突出部954と外側突出部955との間の面とが接触することが抑制される。その結果、Oリング92が外側ハウジング120とカバー部95との間を適切にシールしないことが抑制される。
なお、上述した実施形態においては、Oリング92は楕円状であるが、特にかかる態様に限定されない。例えば、Oリング92は、第2軸方向に平行な面にて切断した断面形状が円であっても良い。
また、外側ハウジング120の第1溝部120a、および、カバー部95の第2溝部956の断面形状は、円弧状であるが、特にかかる態様に限定されない。三角形状や四角形状であっても良い。
また、シール構造150は、外側ハウジング120に連結された連結部材の一例としてのケース部99に形成された、第2軸方向に交差する方向に凹んだ凹部991と、カバー部95に設けられた第2軸方向に交差する方向に突出した凸部の一例としての鉄板952の外周部952aとを有している。さらに、シール構造150は、ケース部99の凹部991に保持されるとともに、鉄板952の外周部952aにおける開口部側の部位の一例としての第2軸外側の端面952cに接触する接触部材の一例としてのクリップ992を有している。
これにより、Oリング92が潰されていることに起因してソレノイド部94のカバー部95に第2軸外側に向かう方向の反力が作用したとしても、カバー部95の鉄板952の外周部952aが、ケース部99の内周面よりも第2半径方向内側に突出したクリップ992に突き当たるので、カバー部95の第2軸外側への移動が抑制される。言い換えれば、カバー部95は、鉄板952およびクリップ992により位置決めされる。その結果、長期に亘って、外側ハウジング120内の空間の適切な密封状態が維持されるので、長期に亘って、外側減衰部100を構成する部品が錆びることが抑制される。
<第2実施形態>
図11は、第2実施形態に係る外側減衰部200が有するシール構造250の概略構成の一例を示す図である。
第2実施形態に係るシール構造250は、第1実施形態に係るシール構造150に対して、ソレノイド部94の位置決め構造が異なる。以下、第1実施形態と異なる点について説明する。第1実施形態と第2実施形態とで、同じものについては同じ符号を用い、その詳細な説明は省略する。
第2実施形態に係るシール構造250は、第2実施形態に係るケース部299の内周面に内周面から突出した凸部298が設けられ、第2実施形態に係るソレノイド部294のカバー部295の内側突出部254の外周面に当該外周面から第2半径方向内側に凹んだ凹部296が形成されている。凹部296には、クリップ992に相当するクリップ993が嵌め込まれている。クリップ993の内径は、凹部296の底面、言い換えれば、第2半径方向内側の部位の径よりも大きく、内側突出部254の外周面の径よりも小さい。また、クリップ993の外径は、内側突出部254の外周面の径よりも大きく、クリップ993は、内側突出部254の外周面よりも第2半径方向外側に突出している。なお、カバー部295は、第1実施形態に係る鉄板952に相当する部品は有していない。
以上のように構成された第2実施形態に係るシール構造250においては、Oリング92が潰されていることに起因してソレノイド部294のカバー部295に第2軸外側に向かう方向の反力が作用したとしても、ケース部299の凸部298が、カバー部295の内側突出部254の外周面よりも第2半径方向外側に突出したクリップ993に突き当たるので、カバー部295の第2軸外側への移動が抑制される。言い換えれば、カバー部295は、ケース部299の凸部298およびクリップ993により位置決めされる。その結果、長期に亘って、外側ハウジング120内の空間の適切な密封状態が維持されるので、長期に亘って、外側減衰部200を構成する部品が錆びることが抑制される。
<第3実施形態>
図12は、第3実施形態に係る外側減衰部300が有するシール構造350の概略構成の一例を示す図である。
第3実施形態に係るシール構造350は、第1実施形態に係るシール構造150に対して、ソレノイド部94の形状が異なる。以下、第1実施形態と異なる点について説明する。第1実施形態と第3実施形態とで、同じものについては同じ符号を用い、その詳細な説明は省略する。
第3実施形態に係るソレノイド部394のカバー部395の覆い部396には、第1実施形態に係るカバー部95の覆い部953の第2溝部956に相当する凹みが形成されておらず、内側突出部954と外側突出部955との間の第2軸内側の部位は平面である。
このように構成されたシール構造350においても、外側ハウジング120に対して、ソレノイド部394のカバー部395およびOリング92を組み込む際に、Oリング92が外側ハウジング120の第1溝部120aに嵌り込んだ状態で、Oリング92が第2軸方向に加圧される。それゆえ、Oリング92が第2軸方向に加圧されたとしても、Oリング92が倒れ難くなるので、Oリング92が潰れ易くなる。
なお、この第3実施形態に係るシール構造350とは逆に、第1実施形態に係るカバー部95の覆い部953に第2溝部956を形成し、外側ハウジング120に第1溝部120aを形成せずに第2軸外側の端面を平面としても良い。かかる態様であっても、外側ハウジング120に対して、ソレノイド部94のカバー部95およびOリング92を組み込む際に、Oリング92がカバー部95の第2溝部956に嵌り込んだ状態で、Oリング92が第2軸方向に加圧される。それゆえ、Oリング92が第2軸方向に加圧されたとしても、Oリング92が倒れ難くなるので、Oリング92が潰れ易くなる。
なお、第1実施形態~第3実施形態において、ピストン部30およびボトム部40は、上記の実施形態で示した構造に限らず、減衰機構としての機能を満たすのであれば、他の形状や他の構成でも良い。
また、第1実施形態~第3実施形態で説明した各々の構成部は、組み合わせたり、相互に入れ替えたりしても良い。
さらに、シリンダ11の外部に設けられた外側減衰部100、200、300の機能を、シリンダ11の内部のピストン部30等に設けても良い。同様に、シリンダ11の外部に設けられた外側減衰部100、200、300の機能を、ボトム部40等に設けても良い。そして、第1実施形態~第3実施形態の油圧緩衝装置1は、シリンダ11、外筒体12およびダンパケース13がそれぞれ筒形状にて構成された所謂三重管構造に限定されず、シリンダ11とダンパケース13とによる所謂二重管構造であっても良い。
1…油圧緩衝装置、11…シリンダ、20…ロッド、30…ピストン部、50…メインバルブ部、51…メインバルブ、90…調整部、92…Oリング、94…ソレノイド部、95…カバー部、99,299…ケース部、99a…雄ねじ、120…外側ハウジング、120a…第1溝部、122…雌ねじ、150,250,350…シール構造、296…凹部、298…凸部、952…鉄板、952a…外周部、956…第2溝部、991…凹部、992,993…クリップ

Claims (8)

  1. 筒状であって中心線方向の端部に端面から凹んだ第1溝部が形成された筒状部材と、
    前記中心線方向に移動されて、前記筒状部材の開口部を覆うとともに前記第1溝部と対向する第2溝部が形成された覆い部材と、
    前記第1溝部と前記第2溝部との間に挟み込まれて、前記筒状部材と前記覆い部材との間をシールするシール部材と、
    を備えるシール構造。
  2. 前記筒状部材に連結された連結部材に形成された、前記中心線方向に交差する方向に凹んだ凹部と、
    前記覆い部材に設けられた前記中心線方向に交差する方向に突出した凸部と、
    前記凹部に保持されるとともに、前記凸部における前記開口部側の部位に接触する接触部材と、
    を備える請求項1に記載のシール構造。
  3. 前記筒状部材は円筒状であり、内周面に雌ねじが形成され、
    前記連結部材は、前記雌ねじに締め付けられる雄ねじが外周面に形成された円筒状の部材であり、
    前記凹部は、前記連結部材の内周面に全周に亘って形成され、
    前記接触部材は、前記中心線方向に平行な面で切断した断面形状が円のクリップである、
    請求項2に記載のシール構造。
  4. 前記筒状部材に連結された連結部材に設けられた、前記中心線方向に交差する方向に突出した凸部と、
    前記覆い部材に形成された前記中心線方向に交差する方向に凹んだ凹部と、
    前記凹部に保持されるとともに、前記凸部における前記開口部とは反対側の部位に接触する接触部材と、
    を備える請求項1に記載のシール構造。
  5. 前記筒状部材は円筒状であり、内周面に雌ねじが形成され、
    前記連結部材は、前記雌ねじに締め付けられる雄ねじが外周面に形成された円筒状の部材であり、
    前記凸部は、前記連結部材の内周面から突出するように形成され、
    前記接触部材は、前記中心線方向に平行な面で切断した断面形状が円状のクリップである、
    請求項4に記載のシール構造。
  6. 前記シール部材における前記中心線方向に平行な面で切断した断面形状は、長辺が前記中心線方向となる楕円状である、
    請求項1から5のいずれか1項に記載のシール構造。
  7. 前記中心線方向に平行な面で切断した場合における、前記第1溝部の長さと前記第2溝部の長さの合計の長さは、前記シール部材の周長未満である
    請求項6に記載のシール構造。
  8. 筒状であって中心線方向の端部に端面から凹んだ第1溝部が形成された筒状部材と、
    前記中心線方向に移動されて、前記筒状部材の開口部を覆うとともに前記第1溝部と対向する第2溝部が形成された覆い部材と、
    前記第1溝部と前記第2溝部との間に挟み込まれて、前記筒状部材と前記覆い部材との間をシールするシール部材と、
    を備える減衰力発生装置。
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