JP2022129991A - 減衰力発生装置、圧力緩衝装置 - Google Patents

減衰力発生装置、圧力緩衝装置 Download PDF

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剛太 中野
Gota Nakano
力 柳澤
Tsutomu Yanagisawa
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Abstract

【課題】減衰力の微調整を容易に行うことができる減衰力発生装置等を提供する。【解決手段】外側減衰部は、減衰力を発生させるメインバルブ51と、メインバルブ51を閉じる方向の背圧をメインバルブ51に与える背圧室68Pと、少なくとも供給される電流量に対応して発生する力にて移動する弁体65を有し、背圧室68Pの背圧を、弁体65の移動量に対して非線形となるように調整可能な減衰力調整部60と、を備える。【選択図】図3

Description

本発明は、減衰力発生装置および圧力緩衝装置に関する。
例えば、特許文献1に記載された緩衝器の減衰力発生機構は、減衰力を発生させるメインバルブと、メインバルブを閉じる方向に背圧を作用させる背圧室と、背圧室に背圧を導く導入路と、背圧室の背圧を排出する排出路と、排出路中に設けた制御弁と、からなる。そして、制御弁は、排出路中に設けた弁体と弁座と、電流に対応して弁体を移動させる力を発生するアクチュエータと、弁体をアクチュエータによる移動に対向する方向に付勢するバネ装置と、を有し、バネ装置は、弁体が移動する全範囲で作用するバネ部材と、バネ部材の所定以上撓みに対しバネ部材の一部の撓みを制限する規制部材とを有する。
特開2014-199076号公報
例えばアクチュエータを用いて減衰力を調整することが可能な装置においては、減衰力の微調整を容易に行うことができる構成であることが望まれている。
本発明は、減衰力の微調整を容易に行うことができる減衰力発生装置等を提供することを目的とする。
かかる目的のもと完成させた本発明は、減衰力を発生させるメインバルブと、前記メインバルブを閉じる方向の背圧を前記メインバルブに与える背圧室と、少なくとも供給される電流量に対応して発生する力にて移動する押付部材を有し、前記背圧室の前記背圧を、前記押付部材の移動量に対して非線形となるように調整可能な背圧調整部と、を備える減衰力発生装置である。
本発明によれば、減衰力の微調整を容易に行うことができる減衰力発生装置等を提供することができる。
第1実施形態に係る油圧緩衝装置の全体図である。 第1実施形態に係る外側減衰部の断面図である。 第1実施形態に係るメインバルブ部および減衰力調整部の斜視断面図である。 第1実施形態に係るメインバルブ部および減衰力調整部の部分断面図である。 コントロールバルブの対向部がコントロールバルブシートの背圧流路の開口部に最も近づいた状態の一例を示す図である。 減衰力制御で使用する範囲における、弁体の移動量と弁体がコントロールバルブから受ける力との関係の一例を示す図である。 第1実施形態の油圧緩衝装置1の動作説明図である。(A)は伸張行程時におけるオイルの流れを示し、(B)は圧縮行程時におけるオイルの流れを示す。 (A)は、非通電状態であって低速時のオイルの流れの一例を示す図であり、(B)は、非通電状態であって高速時のオイルの流れの一例を示す図である。 第1状態であって低速時のオイルの流れの一例を示す図であり、(B)は、第1状態であって高速時のオイルの流れの一例を示す図である。 第2状態であって低速時のオイルの流れの一例を示す図であり、(B)は、第2状態であって高速時のオイルの流れの一例を示す図である。 第2実施形態に係る外側減衰部の減衰力調整部の一例を示す図である。 第3実施形態に係る外側減衰部の減衰力調整部の一例を示す図である。 第4実施形態に係るメインバルブ部および減衰力調整部の斜視断面図である。 第4実施形態に係るメインバルブ部および減衰力調整部の部分断面図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。
<第1実施形態>
[油圧緩衝装置1の構成・機能]
図1は、第1実施形態に係る油圧緩衝装置1の全体図である。
図1に示すように、油圧緩衝装置1は、流体の一例としてのオイルを収容するシリンダ部10と、他方側がシリンダ部10から突出して設けられるとともに一方側がシリンダ部10内にスライド可能に挿入されるロッド20と、を備える。また、油圧緩衝装置1は、ロッド20の一方側の端部に設けられるピストン部30と、シリンダ部10の一方側の端部に設けられるボトム部40と、を備える。さらに、油圧緩衝装置1は、シリンダ部10の外部に設けられて減衰力を発生させる外側減衰部100を備える。
なお、以下の説明において、図1に示すシリンダ部10の長手方向は、「軸方向」と称する。また、軸方向におけるシリンダ部10の下側は、「一方側」と称し、シリンダ部10の上側は、「他方側」と称する。
また、図1に示すシリンダ部10の左右方向は、「半径方向」と称する。そして、半径方向において、中心軸側は、「半径方向内側」と称し、中心軸から離れる側は、「半径方向外側」と称する。
〔シリンダ部10の構成・機能〕
シリンダ部10は、オイルを収容するシリンダ11と、シリンダ11の半径方向外側に設けられる外筒体12と、シリンダ11の半径方向外側であって外筒体12のさらに半径方向外側に設けられるダンパケース13とを有する。
シリンダ11は、円筒状に形成され、他方側にシリンダ開口11Hを有する。
外筒体12は、円筒状に形成されている。そして、外筒体12は、シリンダ11との間に、連絡路Lを形成する。また、外筒体12は、外側減衰部100との対向位置に、外筒体開口部12Hおよび外側接続部12Jを有する。外側接続部12Jは、オイルの流路を有するとともに、半径方向外側に向けて突出し外側減衰部100との接続箇所を形成する。
ダンパケース13は、円筒状に形成されている。そして、ダンパケース13は、外筒体12との間においてオイルが溜まるリザーバ室Rを形成する。リザーバ室Rは、ロッド20のシリンダ11に対する相対移動に伴って、シリンダ11内のオイルを吸収したり、シリンダ11内にオイルを供給したりする。また、リザーバ室Rは、外側減衰部100から流れ出たオイルを溜める。また、ダンパケース13は、外側減衰部100との対向位置に、ケース開口部13Hを有する。
〔ロッド20の構成・機能〕
ロッド20は、軸方向に長く延びる棒状の部材である。ロッド20は、一方側にてピストン部30に接続する。また、ロッド20は、他方側にて図示しない連結部材等を介して例えば車体に接続する。ロッド20は、内側が空洞になっている中空状、または、内側に空洞を有さない中実状のいずれでも良い。
〔ピストン部30の構成・機能〕
ピストン部30は、複数のピストン油路口311を有するピストンボディ31と、ピストン油路口311の他方側を開閉するピストンバルブ32と、ピストンバルブ32とロッド20の一方側端部との間に設けられるスプリング33とを有する。そして、ピストン部30は、シリンダ11内のオイルを第1油室Y1と第2油室Y2とに区画する。
〔ボトム部40の構成・機能〕
ボトム部40は、バルブシート41と、バルブシート41の他方側に設けられるチェックバルブ部43と、軸方向に設けられる固定部材44と、を有する。そして、ボトム部40は、第1油室Y1とリザーバ室Rとを区分する。
〔外側減衰部100の構成・機能〕
図2は、第1実施形態に係る外側減衰部100の断面図である。
図3は、第1実施形態に係るメインバルブ部50および減衰力調整部60の斜視断面図である。
図4は、第1実施形態に係るメインバルブ部50および減衰力調整部60の部分断面図である。
以下の説明では、図2に示す外側減衰部100の長手方向(すなわち、シリンダ部10の軸方向(図1参照)に交差する交差方向(例えば、略直交方向))は、「第2軸方向」と称する。また、第2軸方向において外側減衰部100の左側は、「第2軸内側」と称し、外側減衰部100の右側は、「第2軸外側」と称する。
また、図2に示す外側減衰部100の上下方向(すなわち、第2軸方向に交差する方向)は、「第2半径方向」と称する。そして、第2半径方向において、第2軸に沿う中心軸側は、「第2半径方向内側」と称し、第2軸に沿う中心軸に対して離れる側は、「第2半径方向外側」と称する。
図2に示すように、外側減衰部100は、第1実施形態の油圧緩衝装置1において主に減衰力を発生させるメインバルブ部50と、外側減衰部100にて発生させる減衰力の大きさを調整する減衰力調整部60と、を備える。さらに、外側減衰部100は、メインバルブ部50に対して並列流路を形成する連絡部80と、メインバルブ部50および連絡部80に対して連絡路Lからのオイルの流路を形成する接続流路部90と、外側減衰部100を構成する各種の部品を収容する外側ハウジング100Cを備える。
(メインバルブ部50)
メインバルブ部50は、オイルの流れを絞るように制御することで減衰力を発生させるメインバルブ51と、メインバルブ51と対向しメインバルブ51が接触するメインバルブシート52と、を有する。
図3に示すように、メインバルブ51は、第2半径方向内側に開口部51Hを有し、弾性変形する円盤形状の部材である。メインバルブ51の材料には、例えば鉄などの金属を用いることができる。
そして、図4に示すように、メインバルブ51の開口部51Hには、連絡部80が貫通する。また、メインバルブ51は、第2半径方向内側にて、メインバルブシート52とスペーサ部材684(後述)とに挟まれる。そして、メインバルブ51は、メインバルブシート52の第2軸外側に対向する。
以上のように構成されるメインバルブ51は、連絡部80によって第2半径方向における位置の移動が制限される。また、メインバルブ51の第2半径方向内側は、メインバルブシート52およびスペーサ部材684(後述)によって第2軸方向における移動が制限される。一方、メインバルブ51の第2半径方向外側は、変形することで第2軸方向において移動可能になっている。そして、メインバルブ51は、メインバルブシート52の後述するメイン流路53におけるオイルの流れを絞って減衰力を発生させる。
続いて、メインバルブシート52について説明する。
図3に示すように、メインバルブシート52は、第2半径方向内側に開口部52Hを有する円柱形状の部材である。そして、メインバルブシート52は、開口部52Hの一部に連絡部80が挿入される(図4参照)。
メインバルブシート52は、開口部52Hの周囲に中央シート部520を有する。また、メインバルブシート52は、中央シート部520よりも第2半径方向外側に設けられる内側シート部521と、内側シート部521よりも第2半径方向外側に設けられる外側シート部522とを有する。さらに、メインバルブシート52は、開口部52Hの第2半径方向外側に、第2軸方向に貫通するメイン流路53を有する。
中央シート部520は、メインバルブ51側(本実施形態では、第2軸外側)に向けて円弧状に突出している。そして、中央シート部520には、メインバルブ51における第2半径方向内側の箇所が対向する。
内側シート部521は、円環状に形成されている。そして、内側シート部521は、メインバルブ51側に向けて、流路口532よりも突出している。また、第1実施形態では、内側シート部521の突出高さは、中央シート部520および外側シート部522と略等しくなっている。
また、外側シート部522は、円環状に形成されている。そして、外側シート部522は、メインバルブ51側に向けて、流路口532よりも突出している。
そして、内側シート部521および外側シート部522は、メインバルブ51との接触箇所を形成する(図4参照)。
さらに、第1実施形態の内側シート部521は、第2半径方向に沿って形成されている複数の溝部(不図示)を有する。各々の溝部の流路断面積は、比較的小さく形成されている。すなわち、溝部は、所謂オリフィス流路を構成する。そして、各々の溝部は、内側シート部521にメインバルブ51が接触した状態で、内側シート部521の第2半径方向内側から内側シート部521の第2半径方向外側にオイルが流れる経路を形成する。つまり、各々の溝部は、内側シート部521にメインバルブ51が接触した状態で、メイン流路53からのオイルが、内側シート部521と外側シート部522との間に流れ込むことを可能にする。
メイン流路53は、コントロールバルブシート75の後述する背圧流路77に対して、並列流路を構成する(図4参照)。また、第1実施形態のメイン流路53は、複数設けられる。そして、各々のメイン流路53の第2軸内側の流路口531は、開口部52Hに連絡するとともに、接続流路部90と対向する。また、各々のメイン流路53の第2軸外側の流路口532は、中央シート部520と内側シート部521との間に位置する。
(減衰力調整部60)
図3に示すように、減衰力調整部60は、後述のコントロールバルブ70をコントロールバルブシート75に対して進退させる進退部61と、メインバルブ部50などの各種部品を覆うキャップ部67と、メインバルブシート52に対するメインバルブ51の変形し易さを変更する背圧生成機構68と、を有する。また、減衰力調整部60は、連絡部80におけるオイルの流れを絞って制御する背圧調整バルブの一例としてのコントロールバルブ70と、コントロールバルブ70と対向しコントロールバルブ70が接触するコントロールバルブシート75と、を有する。
-進退部61-
図2に示すように、進退部61は、第2軸方向に沿って進退するプランジャ64と、電磁石を用いて、プランジャ64を進退させるソレノイド部62と、を有する。また、進退部61は、プランジャ64の先端部に取り付けられて、ソレノイド部62に供給される電流量に対応して発生する力にてコントロールバルブ70を押す押付部材の一例としての弁体65と、弁体65とコントロールバルブ70との間に設けられる圧縮コイルバネ63と、を有する。また、進退部61は、進退部61を構成する部品を収容したり、支持したりするソレノイドケース60Cを有する。プランジャ64やソレノイド部62が、弁体65を移動させるアクチュエータとして機能する。
ソレノイド部62は、電磁石が通電状態になることで、プランジャ64を弁体65側に向けて押し出す。
圧縮コイルバネ63は、第2軸内側にてコントロールバルブ70に接触し、第2軸外側にて弁体65に接触する。そして、圧縮コイルバネ63は、弁体65とコントロールバルブ70とが互いに離れる方向の力を、弁体65およびコントロールバルブ70にそれぞれ与える。
プランジャ64は、ソレノイド部62が通電状態のときに弁体65に向けて押し出され、ソレノイド部62が非通電状態のときに圧縮コイルバネ63により引き戻される。
図3に示すように、弁体65は、コントロールバルブ70側(第2軸内側)に向けて突出するバルブ接触部651を有する。バルブ接触部651は、円柱状に形成されている。さらに、バルブ接触部651は、コントロールバルブ70の後述する対向部71に対向する位置に形成されている。そして、バルブ接触部651は、対向部71に接触する。
また、弁体65には、バルブ接触部651よりも第2半径方向外側に、凹部652が形成されている。凹部652には、圧縮コイルバネ63における第2軸外側の端部が挿入されている。
さらに、弁体65は、第2軸外側に溝部653を有する。溝部653は、弁体65が第2軸外側に移動してキャップ部67に接触した状態で、弁体65とキャップ部67との間におけるオイルの流れを可能にする。
そして、第1実施形態において、溝部653におけるオイルの流路断面積は、ソレノイド部62の非通電状態の発生時に、後述する背圧室68Pのオイル圧を一定以上に高めるように設定されている。さらに、溝部653におけるオイルの流路断面積は、ソレノイド部62の非通電状態の発生時に、メインバルブ51がメイン流路53を開いてオイルの流れが生じる程度に溝部653にオイルが流れるように設定されている。
上述したソレノイド部62の非通電状態の発生時におけるキャップ部67と弁体65との間のオイルの流れを生じさせる構成は、溝部653に限定されない。例えば、キャップ部67に溝部を設けることで、弁体65がキャップ部67に接触した状態で、弁体65とキャップ部67との間におけるオイルの流れを可能にしても良い。もちろん、キャップ部67に溝部を形成するとともに、弁体65に溝部653を設ける構成であっても良い。さらに、弁体65がキャップ部67に接触した状態で、キャップ部67と弁体65との間のオイルの流れを生じさせる構成は、溝部に限定されず、貫通孔であっても良い。
-キャップ部67-
図3に示すように、キャップ部67は、第2軸内側に形成されている第1開口部67H1と、第2軸外側に形成されている第2開口部67H2とを有し、概形が円筒状に形成された部品である。また、第1開口部67H1の第1内径は、第2開口部67H2の第2内径よりも大きく形成されている。さらに、キャップ部67の内部には、それぞれ内径が異なる複数の内径部が形成されている。第1実施形態のキャップ部67において、複数の内径部のうち、第2軸内側に設けられる内径部は、第2軸外側に設けられる内径部よりも内径が大きくなるように形成されている。
そして、図4に示すように、キャップ部67は、内部に、メインバルブ部50、減衰力調整部60および連絡部80を収容する。より詳細には、キャップ部67は、メインバルブ部50のメインバルブ51および、減衰力調整部60において背圧室68P(後述)の背圧を制御するコントロールバルブ70を収容する。また、後述するように、キャップ部67の一部は、背圧生成機構68およびコントロールバルブシート75と共に、背圧室68Pを形成する。
さらに、キャップ部67は、第2開口部67H2に、プランジャ64が貫通して設けられる。また、キャップ部67は、キャップ部67の内部において、第2開口部67H2に対して弁体65が進退する。
そして、図2に示すように、キャップ部67は、ソレノイドケース60Cと接続流路部90との間に挟み込まれることで固定される。また、キャップ部67は、ソレノイドケース60Cとの間にて、オイルが流れるキャップ流路67Rを形成する。キャップ流路67Rは、第2開口部67H2に連絡するとともに、後述のハウジング内流路111に連絡する。
-背圧生成機構68-
図3に示すように、背圧生成機構68は、メインバルブ51に対してメインバルブシート52の反対側(すなわち、第2軸外側)に設けられる隔壁部材681と、キャップ部67と隔壁部材681との間をシール(すなわち、液密)するシール部材682と、を有する。さらに、背圧生成機構68は、隔壁部材681をメインバルブ51に押し付ける力を隔壁部材681に与える戻バネ683と、戻バネ683とメインバルブ51との間に介在するスペーサ部材684と、を有する。
隔壁部材681の概形は、略環状に形成されている。また、図4に示すように、隔壁部材681は、キャップ部67との間に第2半径方向における隙間C1が形成されている。そして、隔壁部材681は、第2軸方向において移動可能になっている。例えば、隔壁部材681は、メインバルブ51が第2軸外側に向けて変形する際、第2軸外側に移動する。また、隔壁部材681は、メインバルブ51が第2軸内側に向けて変形する際、第2軸内側に移動する。
さらに、第1実施形態の隔壁部材681は、メインバルブ51に接触するメインバルブ接触部681Vと、シール部材682が設けられるシール接触部681Sとを有する。
メインバルブ接触部681Vは、隔壁部材681における第2軸内側に設けられる。第1実施形態のメインバルブ接触部681Vは、第2軸外側から第2軸内側に向けて次第に幅が狭まるように形成されている。このメインバルブ接触部681Vは、メインバルブ51に対して環状に接触する。そして、隔壁部材681は、メインバルブ51に対して、メインバルブシート52の反対側となる第2軸外側からのオイル圧(以下、背圧と呼ぶ)を作用させる背圧室68Pを形成する部品の一つを構成する。
ここで、背圧室68Pは、オイルが流入することで、流入したオイル応じたオイル圧をメインバルブ51に作用させる部屋である。そして、背圧室68Pは、メインバルブ51に対してメインバルブ51をメインバルブシート52に押し付ける力を付与するように作用する。なお、第1実施形態の背圧室68Pは、キャップ部67、隔壁部材681、シール部材682、スペーサ部材684、およびコントロールバルブシート75とによって形成されている。
また、図4に示すように、メインバルブ接触部681Vは、メインバルブ51の第2半径方向において部分的にメインバルブ51と接触する。これによって、メインバルブ51に対して背圧が掛かる範囲は、第2半径方向において、スペーサ部材684の第2半径外側の端部からメインバルブ接触部681Vまでとなる。つまり、メインバルブ51におけるメインバルブ接触部681Vよりも第2軸外側には、背圧が掛からない。
そして、第1実施形態では、メインバルブ接触部681Vは、メインバルブ51に対して、内側シート部521の対向箇所よりも第2半径外側であって外側シート部522の対向箇所よりも第2半径方向内側に接触する。
ここで、メインバルブ51は、メイン流路53を開く際、第2半径方向外側から開く。そして、第1実施形態の外側減衰部100は、メインバルブ接触部681Vが外側シート部522の対向箇所よりも第2半径方向内側に接触するように構成されている。従って、第1実施形態の外側減衰部100は、メイン流路53からのオイルの流れによってメインバルブ51が外側シート部522から離れるときの変形のし易さを調整可能な構造になっている。すなわち、第1実施形態の外側減衰部100は、メインバルブ接触部681Vを備えることで、メインバルブ51によって生じる減衰力特性を調整可能になっている。
また、第1実施形態の隔壁部材681は、メインバルブ51に対するメインバルブ接触部681Vの接触箇所を変更することで、上述のメインバルブ51の変形のし易さを容易に調整することができる。このように、第1実施形態の隔壁部材681は、設計の自由度を高められる構成となっている。
シール接触部681Sは、第2半径方向外側を向く面である第1面S1と、第2軸外側を向く面である第2面S2とを有する。
第1面S1の外径は、シール部材682の内径よりも小さくなっている。これによって、第1実施形態では、シール部材682の内周面682Nと第1面S1(外周面)との間に隙間C2が形成されている。
第1実施形態では、内周面682Nと第1面S1との間に隙間C2を形成することで、背圧室68Pにおけるオイル圧がシール部材682の内周面682Nに掛かるようにしている。そして、第1実施形態では、シール部材682の内周面682Nに掛かるオイル圧によって、シール部材682の外周面682Gがキャップ部67の内周面に押し付けられるようにしている。
また、第2面S2は、環状に形成されている面である。そして、第2面S2には、シール部材682の端面682Tが接触する。特に、第1実施形態では、戻バネ683によってシール部材682の端面682Tが隔壁部材681の第2面S2に押し付けられる。
図3に示すように、シール部材682は、環状に形成されている。また、シール部材682には、エンジニアプラスティックやゴムなどの弾性変形する樹脂材料を用いることができる。
そして、図4に示すように、シール部材682は、隔壁部材681とキャップ部67との間をシールする。より詳細には、シール部材682は、外周面682Gがキャップ部67の内周に接触する。また、シール部材682は、第2軸内側の端面682Tが隔壁部材681の第2面S2と接触する。これによって、シール部材682は、背圧室68P内のオイルが、隔壁部材681とキャップ部67との間を通って背圧室68P外に流出することを抑制する。
図3に示すように、戻バネ683は、環状に形成されている環状部683Rと、環状部683Rから第2半径方向外側に向けて突出する複数の腕部683Aと、を有する。また、戻バネ683の材料には、金属などの弾性部材を用いることができる。
そして、図4に示すように、戻バネ683は、環状部683Rに連絡部80が貫通するとともに、複数のスペーサ部材684によって第2軸方向おいて環状部683Rが挟み込まれる。また、戻バネ683は、腕部683Aがシール部材682に接触する。
第1実施形態の戻バネ683は、環状部683Rがスペーサ部材684によって固定される位置と、腕部683Aがシール部材682に接触する位置とが第2軸方向において異なっている。そして、腕部683Aは、第2軸方向に対して傾斜した形状になる。さらに、腕部683Aは、シール部材682の第2軸外側であって第2半径方向内側の角部に接触している。これによって、腕部683Aは、シール部材682に対して、第2軸方向に沿った成分のバネ力と、第2半径方向に沿った成分のバネ力を付与する。
まず、戻バネ683の腕部683Aは、第2軸方向に沿った成分の力によって、シール部材682に対して背圧生成機構68の隔壁部材681側に向けた力を付与する。これによって、戻バネ683は、シール部材682を介して、隔壁部材681をメインバルブ51に押し付ける。
また、第1実施形態の戻バネ683の腕部683Aは、第2半径方向に沿った成分の力によって、シール部材682をキャップ部67に押し付ける。これによって、第1実施形態では、シール部材682とキャップ部67とのシール性が高められる。
さらに、第1実施形態の戻バネ683は、腕部683Aが隔壁部材681にも接触している。そして、戻バネ683は、隔壁部材681に対して、第2軸方向に沿った成分のバネ力と、第2半径方向に沿った成分のバネ力を付与する。
まず、腕部683Aは、第2軸方向に沿った成分のバネ力によって、隔壁部材681をメインバルブ51に押し付ける。
また、腕部683Aは、第2半径方向に沿った成分のバネ力によって、隔壁部材681に対して第2半径方向外側に向けた力を付与する。第1実施形態において腕部683Aは、周方向において複数設けられている(図3参照)。従って、腕部683Aは、隔壁部材681を第2半径方向における予め定められた位置に位置決めする。
-コントロールバルブ70-
コントロールバルブ70は、弾性変形する略円形状の板状部材である。コントロールバルブ70の材料には、例えば鉄などの金属を用いることができる。そして、コントロールバルブ70は、コントロールバルブシート75の第2軸外側に対向して設けられる。
コントロールバルブ70は、後述する背圧流路77に対向する対向部71と、環状に形成されている環状部72と、対向部71と環状部72とを接続する複数(例えば3つ)の接続部73とを有する。
対向部71は、中央部に円形状に形成されている。そして、対向部71は、背圧流路77の内径よりも大きく形成され、後述する背圧流路77の開口部77Rを覆うことが可能になっている。
環状部72は、第2半径方向外側の部位に設けられている。そして、環状部72は、キャップ部67とコントロールバルブシート75との間に挟み込まれる。コントロールバルブ70は、環状部72が挟み込まれることで、コントロールバルブシート75に保持されている。
接続部73は、第2半径方向に沿って延びるように形成されている。第1実施形態においては、複数の接続部73は、周方向に等間隔に設けられている。
第1実施形態に係るコントロールバルブ70では、隣り合う接続部73間、対向部71、環状部72にて囲まれた領域が貫通孔74を形成しており、コントロールバルブ70を貫通して流れるオイルの流路を構成する。
-コントロールバルブシート75-
コントロールバルブシート75は、背圧室68P(図3参照)におけるオイルの圧力を調整するためのオイルの流路を形成する背圧流路77と、背圧流路77に連絡する連絡室82と、連絡室82と背圧室68Pとをつなぐ背圧連絡路83と、を有する。連絡室82は、第2軸内側にて流入流路81に連絡し、第2軸外側にて背圧流路77に連絡し、第2半径方向外側において背圧連絡路83に連絡する。背圧連絡路83は、第2半径方向内側にて連絡室82に連絡し、第2半径方向外側にて背圧室68Pに連絡する。
言い換えれば、コントロールバルブシート75は、略円筒状であり、第2半径方向の第1貫通孔にて背圧室68Pにオイルを流通させる背圧連絡路83が形成され、第2軸方向の第2貫通孔にて背圧室68Pとは異なる部位の一例としてのハウジング内流路111にオイルを流通させる背圧流路77とが形成された流路形成部材である。
また、コントロールバルブシート75は、コントロールバルブ70の外周部の一例としての環状部72を支持する支持部の一例としての外側シート部76を有する。さらに、コントロールバルブシート75は、外側シート部76と背圧流路77の開口部77Rとの間に、コントロールバルブ70の撓み量が大きくなるほどコントロールバルブ70を支持する面積が徐々に大きくなるように弁体65による押し方向に対して傾斜した傾斜面78を有する。この傾斜面78については後で詳述する。
(連絡部80)
図3に示すように、第1実施形態の連絡部80は、連絡路Lからのオイルが流入する流入流路81と、コントロールバルブシート75と接続する接続部89と、を有する。
接続部89の内径は、コントロールバルブシート75の第2軸内側の外径と略等しくなっている。そして、接続部89には、コントロールバルブシート75の第2軸内側の端部が挿入される。なお、連絡部80を、コントロールバルブシート75の内側へ挿入する構成としても良い。
(接続流路部90)
図2に示すように、接続流路部90は、第2半径方向内側に設けられる内側流路91と、第2半径方向外側に設けられる外側流路92とを有する。
内側流路91は、第2軸内側にて外筒体開口部12Hに連絡し、第2軸外側にて連絡部80の流入流路81およびメインバルブシート52のメイン流路53にそれぞれ連絡する。
外側流路92は、第1実施形態では複数設けられている。そして、外側流路92は、第2軸内側にてケース開口部13Hに連絡し、第2軸外側にてハウジング内流路111に連絡する。
(外側ハウジング100C)
図2に示すように、外側ハウジング100Cは、略円筒形状の部材である。外側ハウジング100Cは、第2軸内側にて、例えば溶接等によってダンパケース13に固定される。
また、外側ハウジング100Cは、メインバルブ部50および減衰力調整部60の第2半径方向外側に、外側ハウジング100C内におけるオイルの流路であるハウジング内流路111を形成する。
ハウジング内流路111には、キャップ部67の第2開口部67H2から流れ出たオイル、およびメインバルブ51を開いてメインバルブシート52のメイン流路53から流れ出たオイルが流入するようになっている。
[減衰力調整部60の調整動作]
次に、減衰力調整部60における調整動作について説明する。
図5は、コントロールバルブ70の対向部71がコントロールバルブシート75の背圧流路77の開口部77Rに最も近づいた状態の一例を示す図である。
図5に示すように、弁体65を第2軸内側に向けて移動させることにより、コントロールバルブ70を変形させる。弁体65の移動量は、ソレノイド部62(図2参照)に流す電流量に応じて変化する。
ソレノイド部62に電流が供給されていないときには、弁体65は、コントロールバルブ70に接触せず、弁体65がコントロールバルブ70を押す力は0である。以下では、ソレノイド部62に電流が供給されていないときの弁体65およびコントロールバルブ70の状態を、非通電状態と称する場合がある。
ソレノイド部62に電流を流すと、電流量に応じて弁体65が第2軸外側から第2軸内側に向けて移動する。そして、弁体65がコントロールバルブ70に接触し、コントロールバルブ70を第2軸内側に向けて押す。
図3には、弁体65のバルブ接触部651がコントロールバルブ70の対向部71に接触しているが、弁体65がコントロールバルブ70を押す力が0である状態を示している。以下では、図3に示した状態を、第1状態と称する場合がある。
第1状態からさらにソレノイド部62に供給する電流を多くすると、弁体65がコントロールバルブ70を押す力が大きくなり、コントロールバルブ70の対向部71がコントロールバルブシート75の背圧流路77の開口部77Rに近づいていく。図5には、コントロールバルブ70の対向部71がコントロールバルブシート75の背圧流路77の開口部77Rに最も近づいた状態を示している。以下では、図5に示した状態を、第2状態と称する場合がある。
第2状態であるときに背圧流路77が最も閉じられた状態になり、背圧が最も高くなる。
本実施形態に係る減衰力調整部60においては、弁体65およびコントロールバルブ70を第1状態から第2状態に変化させる範囲を減衰力制御で使用する範囲とする。
図6は、減衰力制御で使用する範囲における、弁体65の移動量と弁体65がコントロールバルブ70から受ける力との関係の一例を示す図である。
第1実施形態の油圧緩衝装置1では、コントロールバルブシート75は、外側シート部76と背圧流路77の開口部77Rとの間に傾斜面78を有する。弁体65およびコントロールバルブ70が第1状態から第2状態に変化する過程で、コントロールバルブ70の接続部73は、傾斜面78に沿って撓み、傾斜面78との接触面積が徐々に大きくなる。言い換えれば、第1状態から第2状態に変化する過程で、コントロールバルブ70の接続部73がコントロールバルブシート75の傾斜面78にて支持される部位の内、最も第2半径方向内側の部位が、徐々に背圧流路77の開口部77Rに近くなる。その結果、減衰力制御で使用する範囲における、弁体65の移動量と弁体65がコントロールバルブ70から受ける力との関係は、図6に示すような二次曲線となり、非線形となる。言い換えれば、減衰力制御で使用する範囲における、弁体65の移動量と弁体65がコントロールバルブ70から受ける力との関係が非線形となるように、傾斜面78の形状が設定されている。傾斜面78の形状は、所望の特性に応じて設定することが可能であり、図3に示すように、第2軸外側が凸となる曲面であっても良いし、平面であっても良い。
そして、本実施形態に係る減衰力調整部60は、弁体65の移動量と弁体65がコントロールバルブ70から受ける力との関係が非線形となるので、背圧室68Pの背圧を非線形的に調整可能である。
すなわち、本実施形態に係る外側減衰部100は、減衰力を発生させるメインバルブ51と、メインバルブ51を閉じる方向の背圧をメインバルブ51に与える背圧室68Pと、背圧室68Pの背圧を、弁体65の移動量に対して非線形となるように調整可能な背圧調整部の一例としての減衰力調整部60と、を備える減衰力発生装置の一例である。
[油圧緩衝装置1の動作]
図7は、第1実施形態の油圧緩衝装置1の動作説明図である。なお、図7(A)は伸張行程時におけるオイルの流れを示し、図7(B)は圧縮行程時におけるオイルの流れを示す。
まず、油圧緩衝装置1の伸張行程時における動作を説明する。
図7(A)に示すように、伸張行程時において、ロッド20は、シリンダ11に対して他方側に移動する。このとき、ピストンバルブ32は、ピストン油路口311を塞いだままである。また、ピストン部30の他方側への移動によって、第2油室Y2の容積は、減少する。そして、第2油室Y2のオイルは、シリンダ開口11Hから連絡路Lに流れ出る。
さらに、オイルは、連絡路Lおよび外筒体開口部12Hを通って、外側減衰部100に流れ込む。そして、外側減衰部100において、オイルは、先ず、接続流路部90の内側流路91に流れ込む。その後、外側減衰部100において、メインバルブ51またはコントロールバルブ70において減衰力が発生する。なお、このときのオイルの流れについては、後に詳しく説明する。
その後、メインバルブ51またはコントロールバルブ70に流れたオイルは、ハウジング内流路111に流れ出る。さらに、オイルは、接続流路部90の外側流路92を通ってケース開口部13Hからリザーバ室Rに流れ込む。
また、第1油室Y1の圧力は、リザーバ室Rに対して相対的に低くなる。そのため、リザーバ室Rのオイルは、ボトム部40を通って、第1油室Y1に流れ込む。
次に、油圧緩衝装置1の圧縮行程時における動作を説明する。
図7(B)に示すように、圧縮行程時において、ロッド20は、シリンダ11に対して一方側に相対移動する。ピストン部30においては、第1油室Y1と第2油室Y2との差圧によって、ピストン油路口311を塞ぐピストンバルブ32が開く。そして、第1油室Y1のオイルは、ピストン油路口311を通って第2油室Y2に流れ出る。ここで、第2油室Y2には、ロッド20が配置されている。そのため、第1油室Y1から第2油室Y2に流れ込むオイルは、ロッド20の体積分だけ過剰になる。従って、このロッド20の体積分に相当する量のオイルが、シリンダ開口11Hから連絡路Lに流出する。
さらに、オイルは、連絡路L、外筒体開口部12Hを通って、外側減衰部100に流れ込む。なお、外側減衰部100におけるオイルの流れは、上述した伸張行程時におけるオイルの流れと同様である。すなわち、第1実施形態の油圧緩衝装置1では、圧縮行程時および伸張行程時との両方において、外側減衰部100においてオイルが流れる方向は同じになる。
以上のとおり、第1実施形態の油圧緩衝装置1では、圧縮行程時および伸張行程時の両行程において外側減衰部100にて減衰力を発生させる。
次に、第1実施形態の外側減衰部100におけるオイルの流れについて詳細に説明する。
まず、非通電状態である場合のオイルの流れを説明する。
図8(A)は、非通電状態であって低速時のオイルの流れの一例を示す図であり、図8(B)は、非通電状態であって高速時のオイルの流れの一例を示す図である。
図8(A)および図8(B)に示すように、非通電状態である場合、圧縮コイルバネ63のバネ力により弁体65に押し付けられた状態になる。
(低速時)
図8(A)に示すように、ピストン部30(図1参照)の移動速度が低速である場合、内側流路91に流れたオイルは、流入流路81およびメイン流路53に流れ込む。ここで、ピストン部30の移動速度が低速であるため、メイン流路53においてメインバルブ51を開くオイルの流れは生じない。一方、流入流路81に流れ込んだオイルは、背圧流路77、貫通孔74、溝部653、第2開口部67H2およびキャップ流路67Rの順に流れる。そして、オイルは、ハウジング内流路111に流れ、さらにリザーバ室Rに流れ出る。
そして、ピストン部30の移動速度が低速である場合、減衰力は、溝部653におけるオイルの流れにより発生する。第1実施形態では、溝部653の流路断面積は、背圧流路77の開口部77Rの開口面積よりも小さくなっている。従って、溝部653におけるオイルの流れによって生じる減衰力は、例えば背圧流路77におけるオイルの流れにより生じる減衰力よりも大きくなる。
(高速時)
図8(B)に示すように、ピストン部30(図1参照)の移動速度が高速である場合、内側流路91に流れたオイルは、流入流路81およびメイン流路53に流れ込む。メイン流路53に流れ込んだオイルは、メインバルブ51を開いてハウジング内流路111に流れ出る。
なお、移動速度が高速である場合も、流入流路81に流れ込んだオイルは、低速時と同様に、溝部653によって流量を絞られることによって差圧を発生させながらハウジング内流路111まで流れ、さらにリザーバ室Rに流れ出る。
以上のように、ピストン部30の移動速度が高速である場合、減衰力は、主に、メインバルブシート52のメイン流路53におけるオイルの流れにより発生する。
ここで、流入流路81に流れ込んだオイルは、背圧連絡路83を通じて、背圧室68Pに圧力を伝達する。背圧室68Pは、背圧流路77を介してハウジング内流路111と連絡している。ここで、背圧室68Pとハウジング内流路111との間のオイルの流れは、溝部653を通る必要がある。そして、溝部653によってオイルの流れが絞られることで、背圧室68Pからのオイルの流出が抑制され、背圧室68Pの圧力が比較的高い状態に維持される。そして、隔壁部材681に接触しているメインバルブ51は、メイン流路53を比較的開き難くなっている。従って、非通電状態では、メインバルブ51を開くメイン流路53におけるオイルの流れにより発生する減衰力は、比較的大きくなる。
次に、第1状態でのオイルの流れを説明する。
図9(A)は、第1状態であって低速時のオイルの流れの一例を示す図であり、図9(B)は、第1状態であって高速時のオイルの流れの一例を示す図である。
(低速時)
図9(A)に示すように、ピストン部30(図1参照)の移動速度が低速である場合、内側流路91に流れたオイルは、流入流路81およびメイン流路53に流れ込む。ここで、ピストン部30の移動速度が低速であるため、メイン流路53においてメインバルブ51を開くオイルの流れは生じない。
一方、流入流路81に流れ込んだオイルは、背圧流路77、貫通孔74、第2開口部67H2およびキャップ流路67Rの順に流れる。そして、オイルは、ハウジング内流路111からリザーバ室Rに流れ出る。
以上のように、ピストン部30の移動速度が低速である場合、減衰力は、背圧流路77の開口部77Rとコントロールバルブ70との隙間によってオイルの流れが絞られることによって発生する。
(高速時)
図9(B)に示すように、ピストン部30(図1参照)の移動速度が高速である場合、内側流路91に流れたオイルは、流入流路81およびメイン流路53に流れ込む。メイン流路53に流れ込んだオイルは、メインバルブ51を開いてリザーバ室Rに流れ出る。
なお、移動速度が高速である場合も、流入流路81に流れ込んだオイルは、低速時と同様に、背圧流路77の開口部77Rとコントロールバルブ70との隙間によって流量を絞られることによって差圧を発生させながらハウジング内流路111まで流れ、さらにリザーバ室Rに流れ出る。
以上のように、ピストン部30の移動速度が高速である場合、減衰力は、主に、メインバルブシート52のメイン流路53におけるオイルの流れにより発生する。
また、流入流路81に流れ込んだオイルは、背圧連絡路83を通じて、背圧室68Pに圧力を伝達する。ただし、背圧室68Pに連絡する背圧流路77は、コントロールバルブ70によって開かれた状態になっている。そのため、背圧室68Pの圧力は、背圧流路77の開口部77Rに対してコントロールバルブ70が近づいた状態の場合と比較して低くなっている。そして、背圧生成機構68に接触しているメインバルブ51は、メイン流路53を比較的開き易くなっている。従って、弁体65の移動量が少ない状態では、メインバルブ51を開くメイン流路53におけるオイルの流れにより発生する減衰力は、比較的小さくなる。
次に、第2状態でのオイルの流れを説明する。
図10(A)は、第2状態であって低速時のオイルの流れの一例を示す図であり、図10(B)は、第2状態であって高速時のオイルの流れの一例を示す図である。
(低速時)
図10(A)に示すように、ピストン部30(図1参照)の移動速度が低速である場合、内側流路91に流れたオイルは、流入流路81およびメイン流路53に流れ込む。ここで、ピストン部30の移動速度が低速であるため、メインバルブ51を開いてメイン流路53を流れるオイルの流れは生じない。
一方、流入流路81に流れ込んだオイルは、背圧流路77、貫通孔74、第2開口部67H2およびキャップ流路67Rの順に流れる。そして、オイルは、ハウジング内流路111からリザーバ室Rに流れ出る。
以上のように、ピストン部30の移動速度が低速である場合、減衰力は、背圧流路77の開口部77Rとコントロールバルブ70との隙間によってオイルの流れが絞られることによって発生する。この背圧流路77の開口部77Rとコントロールバルブ70との隙間を流れる際の減衰力は、背圧流路77の開口部77Rに対してコントロールバルブ70がより離れている場合と比較して高くなる。第2状態での減衰力は、第1状態での減衰力と比較して高くなる。
(高速時)
図10(B)に示すように、ピストン部30(図1参照)の移動速度が高速である場合、内側流路91に流れたオイルは、流入流路81およびメイン流路53に流れ込む。メイン流路53に流れ込んだオイルは、メインバルブ51を開いてリザーバ室Rに流れ出る。
なお、移動速度が高速である場合も、流入流路81に流れ込んだオイルは、弁体65の移動量が比較的小さい時と同様に、背圧流路77の開口部77Rとコントロールバルブ70との隙間によってオイルの流れが絞られることによって差圧を発生させながらハウジング内流路111まで流れ、さらにリザーバ室Rに流れ出る。
以上のように、ピストン部30の移動速度が高速である場合、減衰力は、主に、メインバルブシート52のメイン流路53におけるオイルの流れにより発生する。
また、流入流路81に流れ込んだオイルは、背圧連絡路83を通じて、背圧室68Pに圧力を伝達する。そして、背圧室68Pに連絡する背圧流路77は、背圧流路77の開口部77Rとコントロールバルブ70との隙間が小さい状態になっている。そのため、背圧室68Pの圧力は、背圧流路77の開口部77Rとコントロールバルブ70との隙間が大きい場合と比較して高くなる。そして、背圧生成機構68に接触しているメインバルブ51は、メイン流路53を比較的開き難くなっている。従って、第2状態では、メインバルブ51を開くメイン流路53におけるオイルの流れにより発生する減衰力は、第1状態での減衰力より高くなる。
上述したように、第1実施形態の油圧緩衝装置1では、弁体65の移動量を操作することで、低速時における減衰力の調整と、高速時における減衰力の調整との両方を行うようにしている。すなわち、油圧緩衝装置1は、弁体65によって背圧流路77の開口部77Rとコントロールバルブ70との隙間を変更することで、低速時におけるオイルの流路である背圧流路77の開口部77Rとコントロールバルブ70との隙間の面積を調整する。加えて、油圧緩衝装置1は、弁体65によって背圧流路77の開口部77Rとコントロールバルブ70との隙間を変更することで、高速時における背圧室68Pの圧力を調整する背圧流路77の開口部77Rとコントロールバルブ70との隙間の面積を調整する。
そして、第1実施形態の油圧緩衝装置1では、減衰力制御で使用する範囲における、弁体65の移動量と弁体65がコントロールバルブ70から受ける力との関係が非線形となるので、背圧流路77の開口部77Rとコントロールバルブ70との隙間の微調整を容易に行うことができる。その結果、背圧室68Pの背圧の微調整を容易に行うことができ、減衰力の微調整を容易に行うことができる。
<第2実施形態>
図11は、第2実施形態に係る外側減衰部200の減衰力調整部260の一例を示す図である。
第2実施形態に係る外側減衰部200は、第1実施形態に係る外側減衰部100に対して、減衰力調整部60の形状が異なる。以下、第1実施形態と異なる点について説明する。第1実施形態と第2実施形態とで、同じものについては同じ符号を用い、その詳細な説明は省略する。
第2実施形態に係る減衰力調整部260は、コントロールバルブ70の環状部72とコントロールバルブシート75の外側シート部76との間に、複数の(図11においては3個)の板バネ270を有する。また、減衰力調整部260は、コントロールバルブ70と板バネ270との間、および、隣り合う板バネ270間に挟み込まれた複数の(図11においては3個)のスペーサ271を有する。
板バネ270は、外径がコントロールバルブ70の外径と略等しい円環状の部材である。板バネ270の内径は、コントロールバルブシート75の外側シート部76の内径よりも小さく、圧縮コイルバネ63の外径よりも大きい。板バネ270は、金属などの弾性部材を用いることができる。
スペーサ271は、形状がコントロールバルブ70の環状部72の形状と略等しい円環状の部材である。スペーサ271は、金属や樹脂材料を用いることができる。
複数の板バネ270は、コントロールバルブ70が弁体65に押されて撓んだときに、第2軸外側に配置されている板バネ270から順に撓み、弁体65が最も移動したときには、最も第2軸内側に配置されている板バネ270も撓み傾斜面78に接触するように、内径や枚数が設定されている。
このように、第2実施形態に係る減衰力調整部260は、コントロールバルブ70とコントロールバルブシート75との間に配置された少なくとも1つの円環状のバネの一例としての板バネ270を有する。これにより、減衰力制御で使用する範囲における、弁体65の移動量と弁体65がコントロールバルブ70から受ける力との関係の形を、所望の特性に応じて変更することが可能となる。
<第3実施形態>
図12は、第3実施形態に係る外側減衰部300の減衰力調整部360の一例を示す図である。
第3実施形態に係る外側減衰部300は、第1実施形態に係る外側減衰部100に対して、減衰力調整部60が異なる。以下、第1実施形態と異なる点について説明する。第1実施形態と第3実施形態とで、同じものについては同じ符号を用い、その詳細な説明は省略する。
第3実施形態に係る減衰力調整部360は、コントロールバルブシート375の中央部の貫通孔376にて形成されている背圧流路377の流路断面積を、貫通孔376内への弁体365の進入量によって変化することで、背圧連絡路83と連通する背圧室68Pの背圧を制御する。それゆえ、減衰力調整部360は、オイルの流れを制御するコントロールバルブ70を有していない。
より具体的には、減衰力調整部360は、プランジャ64の先端部に取り付けられた弁体365と、圧縮コイルバネ63と、圧縮コイルバネ63における第2軸内側の端部を支持する支持部材370を有する。
弁体365は、中央部に設けられて第2軸内側に突出した弁部366と、弁部366よりも第2半径方向外側に形成されて、圧縮コイルバネ63が挿入される凹部367とを有する。弁部366は、第2軸外側から第2軸内側に行くに従って外径が徐々に小さくなるように形成されている。そして、弁体365は、ソレノイド部62(図2参照)に流す電流量が多くなるほど、第2軸内側に向けての移動量が多くなる。
支持部材370は、弾性変形する略円環状の板状部材である。支持部材370の材料には、例えば鉄などの金属を用いることができる。そして、支持部材370は、キャップ部67とコントロールバルブシート375との間に挟み込まれている。支持部材370には、中央部に、弁体365の弁部366が貫通する貫通孔371が形成されている。支持部材370は、貫通孔371の周囲に、圧縮コイルバネ63における第2軸内側の端部を支持する支持部372を有する。さらに、支持部材370は、第2半径方向外側に設けられて、キャップ部67とコントロールバルブシート375との間に挟み込まれる環状部373を有する。さらに、支持部材370は、環状部373と支持部372とを接続するように第2半径方向に沿って延びるように形成された複数の接続部374を有する。
支持部材370は、隣り合う接続部374間、支持部372、環状部373にて囲まれた領域が、支持部材370を貫通して流れるオイルの主な流路を構成する。
以上、説明したように、減衰力調整部360は、背圧室68Pにオイルを流通させる第1貫通孔の一例としての背圧連絡路83と、背圧室68Pとは異なる部位の一例としてのハウジング内流路111にオイルを流通させる第2貫通孔の一例としての背圧流路377が形成された流路形成部材の一例としてのコントロールバルブシート375を備える。また、減衰力調整部360は、減衰力制御で使用する範囲においては、背圧流路377の内部に進入するとともに、ソレノイド部62に流す電流量が多くなるほど第2軸内側に向けての移動量が多くなり、背圧流路377への進入量が多くなる弁体365を備える。そして、弁部366は、第2軸外側から第2軸内側に行くに従って外径が徐々に小さくなるように形成されているので、背圧流路377への進入量が多くなるほど背圧流路377の開口部377Rの開口面積を小さくする。その結果、減衰力制御で使用する範囲における、弁体365の移動量と背圧流路377の開口部377Rの開口面積との関係は非線形となる。言い換えれば、減衰力制御で使用する範囲における、弁体365の移動量と背圧流路377の開口部377Rの開口面積との関係が非線形となるように、弁部366の形状が設定されている。弁部366の形状は、所望の特性に応じて設定することが可能であり、図12に示すように、曲面であっても良いし、平面であっても良い。
そして、第3実施形態の外側減衰部300では、減衰力制御で使用する範囲における、弁体365の移動量と背圧流路377の開口部377Rの開口面積との関係が非線形となるので、開口部377Rの開口面積の微調整を容易に行うことができる。その結果、背圧室68Pの背圧の微調整を容易に行うことができ、減衰力の微調整を容易に行うことができる。
<第4実施形態>
図13は、第4実施形態に係るメインバルブ部50および減衰力調整部460の斜視断面図である。
図14は、第4実施形態に係るメインバルブ部50および減衰力調整部460の部分断面図である。
第4実施形態に係る外側減衰部400は、第1実施形態に係る外側減衰部100に対して、連絡部80及び減衰力調整部60が異なる。以下、第1実施形態と異なる点について説明する。第1実施形態と第4実施形態とで、同じものについては同じ符号を用い、その詳細な説明は省略する。
第4実施形態に係る外側減衰部400の連絡部450は、連絡部80に対して、接続部89が設けられていない点が異なる。
また、連絡部450は、連絡部80に対して、第2軸外側に溝部451を有する点が異なる。溝部451は、背圧室68Pにオイルを流通させる。
また、連絡部450は、連絡部80に対して、流入流路81の第2軸外側に、流入流路81から背圧室68Pへのオイルの流れを絞る絞り部452が設けられている。
第4実施形態に係る外側減衰部400の減衰力調整部460は、減衰力調整部60に対して、キャップ部67に相当するキャップ部469が異なるとともに、コントロールバルブシート75を備えていない点が異なる。
キャップ部469は、キャップ部67に対して、第2軸方向の中央部に、第2半径方向内側に突出した凸部474が設けられている。凸部474の第2半径方向内側には、円柱状の貫通孔475が形成されている。また、キャップ部469には、凸部474の内周面476から第2半径方向外側に凹んだ凹部477が形成されているとともに、凹部477と、キャップ部469の第2半径方向外側の外部とを連通する第2半径方向の貫通孔478が形成されている。貫通孔478は、背圧室68Pとは異なる部位の一例としてのハウジング内流路111にオイルを流通させる。また、キャップ部469は、キャップ流路67Rが形成されていない点がキャップ部67とは異なる。
また、減衰力調整部460は、キャップ部469の貫通孔475の内側に配置されて、プランジャ64の第2軸方向への移動に伴って第2軸方向へ移動する略円筒状の弁体465と、弁体465が第2軸方向へ移動するのに応じて弁体465を周方向に回転させるバルブスプリング470とを備える。さらに、減衰力調整部460は、キャップ部469の凸部474の内周面476に圧入された円筒状のカラー480と、プランジャ64の先端部と弁体465との間に配置された円環状のプレート490を備える。
第4実施形態に係る減衰力調整部460は、プランジャ64を第2軸方向へ移動させることで弁体465を回転させて、ハウジング内流路111に連通する流路面積を変化させることで、減衰力を調整する。
弁体465は、略円筒状の部材であり、第2半径方向外側の部位に、第2軸外側の端面から突出した突出部466を有する。また、弁体465には、第2軸内側の端面から凹み、バルブスプリング470の後述する嵌合部473が嵌り込む複数(嵌合部473と同数)の凹部467が形成されている。また、弁体465には、第2半径方向に貫通する弁体貫通孔468が、周方向に等間隔に複数(例えば3つ)形成されている。
バルブスプリング470は、弾性変形する略円形状の板状部材である。バルブスプリング470の材料には、例えば鉄などの金属を用いることができる。
バルブスプリング470は、第2半径方向外側の部位に設けられた円環状の円環状部471と、円環状部471から第2半径方向内側に突出するとともに周方向に沿って延びるように形成された腕部472とを有する。円環状部471がキャップ部469と連絡部450との間に挟み込まれることで、バルブスプリング470は、キャップ部469と連絡部450との間に保持される。
腕部472は、本実施の形態においては、周方向に等間隔に3つ設けられている。そして、腕部472は、先端部に、第2半径方向内側に沿って延びるように形成され、弁体465の凹部467に嵌り込む嵌合部473を有する。嵌合部473は、第2半径方向に外側から内側に行くに従って幅が徐々に小さくなるように、略三角形状に形成されている。弁体465の凹部467は、嵌合部473と同様に略三角形状に形成されており、嵌合部473が弁体465の凹部467に嵌り込んでいることにより、弁体465は嵌合部473に対して周方向に回転し難くなっている。
カラー480には、内部と外部とを連通するように第2半径方向に貫通する第1カラー貫通孔481、第2カラー貫通孔482が形成されている。第1カラー貫通孔481、第2カラー貫通孔482は、キャップ部469の凹部477と対向するように形成され、キャップ部469の貫通孔478と同じ数形成されている。各第1カラー貫通孔481、第2カラー貫通孔482は、周方向に等間隔に弁体465の弁体貫通孔468と同じ数形成されている。
プレート490は、プランジャ64に対向するように第2半径方向内側に設けられた内側対向部491と、弁体465の突出部466に対向するように第2半径方向外側に設けられた外側対向部492とを有する。また、プレート490は、内側対向部491と外側対向部492とを接続する複数の接続部493とを有する。
以上のように構成された減衰力調整部460の弁体465およびバルブスプリング470においては、プランジャ64の第2軸方向への移動に伴って弁体465が第2軸方向へ移動すると、バルブスプリング470の腕部472が、円環状部471との接続部を基点にして第2軸方向へ撓む。等間隔に配置された複数の腕部472が第2軸方向へ撓むことにより、各嵌合部473は、第2軸方向へ移動するとともに周方向へ移動する。そして、等間隔に配置された複数の嵌合部473が周方向へ移動することにより、弁体465が周方向に回転する。
弁体465は、ソレノイド部62(図2参照)に流す電流量が0または小さいときには、弁体貫通孔468とカラー480の第1カラー貫通孔481とが連通するように設定されている。そして、ソレノイド部62(図2参照)に流す電流量が多くなると弁体465が周方向に回転し、弁体貫通孔468とカラー480の第2カラー貫通孔482とが連通するように設定されている。さらに、ソレノイド部62に流す電流量が多くなるのに応じて弁体465が周方向に回転すると、カラー480の第2カラー貫通孔482に対して弁体貫通孔468が相対的に移動することで弁体貫通孔468と第2カラー貫通孔482とが連通する面積が小さくなっていく。その結果、減衰力制御で使用する範囲における、弁体465の第2軸方向への移動量と弁体貫通孔468と第2カラー貫通孔482とが連通する面積との関係は非線形となる。言い換えれば、減衰力制御で使用する範囲における、弁体465の第2軸方向への移動量と弁体貫通孔468と第2カラー貫通孔482とが連通する面積との関係が非線形となるように、弁体貫通孔468および第2カラー貫通孔482の形状が設定されている。弁体貫通孔468および第2カラー貫通孔482の形状は、所望の特性に応じて設定することが可能である。また、弁体465が周方向に回転することで、各第2カラー貫通孔482と対向する弁体貫通孔468は1つの孔であっても良いし、サイズが異なる複数の孔であっても良い。
以上説明したように、減衰力調整部460は、流路形成部材の一例としてのキャップ部469と、キャップ部469の内部に配置された弁体465とを備える。弁体465は、円筒状であって中心線方向(第2軸方向)に交差する方向に貫通孔478と連通する連通孔の一例としての弁体貫通孔468が形成されているとともに、供給される電流量に対応して発生する力にて中心線方向に移動する。また、減衰力調整部460は、弁体465の中心線方向の移動を周方向の回転に変換する変換部の一例としてのバルブスプリング470と、弁体465とキャップ部469との間に配置されて、弁体465の回転に応じて弁体貫通孔468と貫通孔478とが連通する面積の大きさを調整する調整部材の一例としてのカラー480とを備える。
そして、第4実施形態の外側減衰部400では、減衰力制御で使用する範囲における、弁体465の移動量と弁体貫通孔468と第2カラー貫通孔482とが連通する面積との関係が非線形となるので、連通する面積の微調整を容易に行うことができる。その結果、背圧室68Pの背圧の微調整を容易に行うことができ、減衰力の微調整を容易に行うことができる。
なお、第1実施形態~第4実施形態において、ピストン部30およびボトム部40は、上記の実施形態で示した構造に限らず、減衰機構としての機能を満たすのであれば、他の形状や他の構成でも良い。
また、第1実施形態~第4実施形態で説明した各々の構成部は、組み合わせたり、相互に入れ替えたりしても良い。
さらに、シリンダ11の外部に設けられた外側減衰部100、200、300、400の機能を、シリンダ11の内部のピストン部30等に設けても良い。同様に、シリンダ11の外部に設けられた外側減衰部100、200、300、400の機能を、ボトム部40等に設けても良い。そして、第1実施形態~第4実施形態の油圧緩衝装置1は、シリンダ11、外筒体12およびダンパケース13のそれぞれ筒形状にて構成された所謂三重管構造に限定されず、シリンダ11とダンパケース13とによる所謂二重管構造であっても良い。
1…油圧緩衝装置、11…シリンダ、20…ロッド、30…ピストン部、50…メインバルブ部、51…メインバルブ、52…メインバルブシート、53…メイン流路、60,260,360,460…減衰力調整部、65,365,465…弁体、67,469…キャップ部、68…背圧生成機構、68P…背圧室、70…コントロールバルブ、71…対向部、72…環状部、75,375…コントロールバルブシート、76…外側シート部、77…背圧流路、77R,377R…開口部、78…傾斜面、80,450…連絡部、83…背圧連絡路、100,200,300,400…外側減衰部、111…ハウジング内流路、270…板バネ、468…弁体貫通孔、470…バルブスプリング、478…貫通孔、480…カラー、481…第1カラー貫通孔、482…第2カラー貫通孔

Claims (6)

  1. 減衰力を発生させるメインバルブと、
    前記メインバルブを閉じる方向の背圧を前記メインバルブに与える背圧室と、
    少なくとも供給される電流量に対応して発生する力にて移動する押付部材を有し、前記背圧室の前記背圧を、前記押付部材の移動量に対して非線形となるように調整可能な背圧調整部と、
    を備える減衰力発生装置。
  2. 前記背圧調整部は、
    前記背圧室に流体を流通させる第1貫通孔と、前記背圧室とは異なる部位に前記流体を流通させる第2貫通孔とが形成された流路形成部材と、
    中央部に前記第2貫通孔の開口部に対向する対向部が形成されているとともに、外周部が支持された円形状の背圧調整バルブと、
    を備え、
    前記押付部材は、移動によって前記対向部を押し、
    前記背圧調整バルブは、前記対向部が前記押付部材にて押されることで前記開口部との間の隙間を小さくするように撓み、
    前記流路形成部材は、前記背圧調整バルブの外周部を支持する支持部と前記開口部との間に、前記背圧調整バルブの撓み量が大きくなるほど前記背圧調整バルブを支持する面積が徐々に大きくなるように前記押付部材による押し方向に対して傾斜した傾斜面を有する
    請求項1に記載の減衰力発生装置。
  3. 前記背圧調整部は、
    前記背圧室に流体を流通させる第1貫通孔と、前記背圧室とは異なる部位に前記流体を流通させる第2貫通孔とが形成された流路形成部材と、
    中央部に前記第2貫通孔の開口部に対向する対向部が形成されているとともに、外周部が支持された円形状の背圧調整バルブと、
    前記流路形成部材と前記背圧調整バルブとの間に配置された少なくとも1つの円環状のバネと、
    を備え、
    前記押付部材は、移動によって前記対向部を押し、
    前記背圧調整バルブは、前記対向部が前記押付部材にて押されることで前記開口部との間の隙間を小さくするように撓み、
    前記流路形成部材は、前記バネの外周部を支持する支持部と前記開口部との間に、前記背圧調整バルブの撓み量が大きくなるほど前記バネを支持する面積が徐々に大きくなるように前記押付部材による押し方向に対して傾斜した傾斜面を有する
    請求項1に記載の減衰力発生装置。
  4. 前記背圧調整部は、
    前記背圧室に流体を流通させる第1貫通孔と、前記背圧室とは異なる部位に前記流体を流通させる第2貫通孔とが形成された流路形成部材と、
    前記第2貫通孔の内部に進入するとともに供給される電流量が多くなるほど進入量が多くなり、前記進入量が多くなるほど前記第2貫通孔の開口部の開口面積を小さくする弁体と、
    を備える請求項1に記載の減衰力発生装置。
  5. 前記背圧調整部は、
    前記背圧室に流体を流通させる流路と並列に形成されて、前記背圧室とは異なる部位に前記流体を流通させる貫通孔が形成された流路形成部材と、
    前記流路形成部材の内部に配置され、円筒状であって中心線方向に交差する方向に前記貫通孔と連通する連通孔が形成されているとともに、供給される電流量に対応して発生する力にて前記中心線方向に移動する弁体と、
    前記弁体の前記中心線方向の移動を周方向の回転に変換する変換部と、
    前記弁体と前記流路形成部材との間に配置されて、前記弁体の回転に応じて前記連通孔と前記貫通孔とが連通する面積の大きさを調整する調整部材と、
    を備える請求項1に記載の減衰力発生装置。
  6. 流体を収容するシリンダと、
    軸方向に移動するロッドに接続するとともに、前記シリンダ内にて移動するピストン部と、
    前記ピストン部の移動によって生じる前記流体の流れを制御して減衰力を発生させる、請求項1から5のいずれか1項に記載の減衰力発生装置と、
    を備える圧力緩衝装置。
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