JP7297693B2 - バルブ機構および圧力緩衝装置 - Google Patents

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Description

本発明は、バルブ機構および圧力緩衝装置に関する。
例えば、特許文献1には、ベース側に、圧行程においてシリンダ内に侵入するピストンロッドの体積分に相当する液体のリザーバ室方向への流出を制限的に許容することで減衰力を発生させる圧側減衰バルブと、圧側減衰バルブのセット荷重を可変することで発生減衰力特性を可変制御可能なソレノイドとを備える減衰力可変型緩衝器が記載されている。
特開平7-91476号公報
ところで、バルブ機構や圧力緩衝装置において、減衰力を発生させるための複数の流路が形成され、複数の流路における流体の制御を流路ごとに行いたい場合がある。このような場合に、複数の流路ごとに流体の制御機構を別々に設けると、装置の複雑化につながる。
本発明は、装置の複雑化を抑制しつつ、複数の流路における流体の流れの制御を行うことを目的とする。
かかる目的のもと、本発明は、液体が流れる第1流路部と、液体が流入する背圧室を有し、前記背圧室における液体の圧力によって前記第1流路部における液体の流れを制御するバルブ部と、前記第1流路部と並列に設けられる第2流路部と、軸方向において移動可能に設けられ、前記軸方向を向く第1面および前記軸方向の交差方向を向く第2面のいずれか一方で前記背圧室の液体の圧力を制御し、他方で前記第2流路部における液体の流れを制御する制御部と、を備えることを特徴とするバルブ機構である。
また、かかる目的のもと、本発明は、液体を収容するシリンダと、軸方向に移動するロッドに接続するとともに、前記シリンダ内にて移動するピストン部と、前記ピストン部の移動に伴って液体が流れる第1流路部と、液体が流入する背圧室を有し、前記背圧室における液体の圧力によって前記第1流路部における液体の流れを制御するバルブ部と、前記第1流路部と並列に設けられる第2流路部と、軸方向において移動可能に設けられ、前記軸方向を向く第1面および前記軸方向の交差方向を向く第2面のいずれか一方で前記背圧室の液体の圧力を制御し、他方で前記第2流路部における液体の流れを制御する制御部と、を備えることを特徴とする圧力緩衝装置である。
本発明によれば、装置の複雑化を抑制しつつ、複数の流路における流体の流れの制御を行うことができる。
第1実施形態の油圧緩衝装置の全体図である。 第1実施形態の外側減衰部の断面図である。 第1実施形態のメインバルブ部および減衰力調整部の説明図である。 (A)および(B)は、第1実施形態の調整バルブおよび調整バルブシートの説明図である。 (A)および(B)は、第1実施形態の減衰力調整部における調整動作の説明図である。 (A)および(B)は、第1実施形態の油圧緩衝装置の動作説明図である。 (A)および(B)は、第1実施形態の外側減衰部におけるオイルの流れの説明図である。 (A)および(B)は、第1実施形態の外側減衰部におけるオイルの流れの説明図である。 (A)および(B)は、第1実施形態の外側減衰部におけるオイルの流れの説明図である。 第2実施形態の外側減衰部の断面図である。 (A)および(B)は、第2実施形態の外側減衰部におけるオイルの流れの説明図である。 (A)および(B)は、第2実施形態の外側減衰部におけるオイルの流れの説明図である。 第3実施形態の外側減衰部の断面図である。 第3実施形態のメインバルブシートの上面図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。
<第1実施形態>
[油圧緩衝装置1の構成・機能]
図1は、第1実施形態の油圧緩衝装置1の全体図である。
図1に示すように、油圧緩衝装置1は、オイルを収容するシリンダ部10と、他方側がシリンダ部10から突出して設けられるとともに一方側がシリンダ部10内にスライド可能に挿入されるロッド20と、を備える。また、油圧緩衝装置1は、ロッド20の一方側の端部に設けられるピストン部30と、シリンダ部10の一方側の端部に設けられるボトム部40と、を備える。さらに、油圧緩衝装置1は、シリンダ部10の外部に設けられて減衰力を発生させる外側減衰部100を備える。
なお、以下の説明において、図1に示すシリンダ部10の長手方向は、「軸方向」と称する。また、軸方向におけるシリンダ部10の下側は、「一方側」と称し、シリンダ部10の上側は、「他方側」と称する。
また、図1に示すシリンダ部10の左右方向は、「半径方向」と称する。そして、半径方向において、中心軸側は、「半径方向内側」と称し、中心軸から離れる側は、「半径方向外側」と称する。
〔シリンダ部10の構成・機能〕
シリンダ部10は、オイルを収容するシリンダ11と、シリンダ11の半径方向外側に設けられる外筒体12と、シリンダ11の半径方向外側であって外筒体12のさらに半径方向外側に設けられるダンパケース13とを有する。
シリンダ11は、円筒状に形成され、他方側にシリンダ開口11Hを有する。
外筒体12は、円筒状に形成される。そして、外筒体12は、シリンダ11との間に、連絡路Lを形成する。また、外筒体12は、外側減衰部100との対向位置に、外筒体開口部12Hおよび外側接続部12Jを有する。外側接続部12Jは、オイルの流路を有するとともに、半径方向外側に向けて突出し外側減衰部100との接続箇所を形成する。
ダンパケース13は、円筒状に形成される。そして、ダンパケース13は、外筒体12との間においてオイルが溜まるリザーバ室Rを形成する。リザーバ室Rは、ロッド20のシリンダ11に対する相対移動に伴って、シリンダ11内のオイルを吸収したり、シリンダ11内にオイルを供給したりする。また、リザーバ室Rは、外側減衰部100から流れ出たオイルを溜める。また、ダンパケース13は、外側減衰部100との対向位置に、ケース開口部13Hを有する。
〔ロッド20の構成・機能〕
ロッド20は、軸方向に長く延びる棒状の部材である。ロッド20は、一方側にてピストン部30に接続する。また、ロッド20は、他方側にて図示しない連結部材等を介して例えば車体に接続する。ロッド20は、内側が空洞になっている中空状、または、内側に空洞を有さない中実状のいずれでも良い。
〔ピストン部30の構成・機能〕
ピストン部30は、複数のピストン油路口311を有するピストンボディ31と、ピストン油路口311の他方側を開閉するピストンバルブ32と、ピストンバルブ32とロッド20の一方側端部との間に設けられるスプリング33とを有する。そして、ピストン部30は、シリンダ11内のオイルを第1油室Y1と第2油室Y2とに区画する。
〔ボトム部40の構成・機能〕
ボトム部40は、バルブシート41と、バルブシート41の他方側に設けられるチェックバルブ部43と、軸方向に設けられる固定部材44と、を有する。そして、ボトム部40は、第1油室Y1とリザーバ室Rとを区分する。
〔外側減衰部100の構成・機能〕
図2は、第1実施形態の外側減衰部100の断面図である。
図3は、第1実施形態のメインバルブ部50および減衰力調整部60の説明図である。
以下の説明では、図2に示す外側減衰部100の長手方向は、「第2軸方向」と称する。また、第2軸方向において外側減衰部100の左側は、「第2軸内側」と称し、外側減衰部100の右側は、「第2軸外側」と称する。なお、本実施形態において、第2軸方向は、シリンダ部10の軸方向(図1参照)に交差する交差方向である。また、本実施形態において、交差は、所定方向に対して約85度から約95度を成して交わる関係である。
また、図2に示す外側減衰部100の上下方向は、「第2半径方向」と称する。なお、第2半径方向は、第2軸方向に交差する方向である。そして、第2半径方向において、第2軸に沿う中心軸側は、「第2半径方向内側」と称し、第2軸に沿う中心軸に対して離れる側は、「第2半径方向外側」と称する。
図2に示すように、外側減衰部100は、外側減衰部100における各種の部品を収容する外側ハウジング110を有する。また、外側減衰部100は、油圧緩衝装置1における主たる減衰力を発生させるメインバルブ部50と、油圧緩衝装置1にて発生する減衰力を調整する減衰力調整部60とを有する。さらに、外側減衰部100は、メインバルブ部50および減衰力調整部60を保持する内側ハウジング120を有する。
(外側ハウジング110)
外側ハウジング110は、略円筒形状の部材である。外側ハウジング110は、第2軸内側にて、例えば溶接等によってダンパケース13に固定される。
また、外側ハウジング110は、メインバルブ部50および減衰力調整部60の第2半径方向外側に、外側ハウジング110内におけるオイルの流路であるハウジング間流路130を形成する。そして、ハウジング間流路130は、リザーバ室Rに連絡する。
(メインバルブ部50)
メインバルブ部50は、オイルの流路面積が小さくなるように絞る制御を行うことで減衰力を発生させるメインバルブ51と、メインバルブ51と流路形成部材61との間を液密するシールリング52と、を有する。また、メインバルブ部50は、メインバルブ51が着座するメインバルブシート53と、メインバルブ51をメインバルブシート53に向けて付勢する第1スプリング54と、を有する。
なお、本実施形態において、メインバルブ部50は、「バルブ部」の一例として機能する。
図3に示すように、メインバルブ51は、第2軸外側に設けられる背圧室形成部511と、背圧室60Pにオイルを流入させる流入流路512と、を有する。また、メインバルブ51は、メイン流路533(後述)におけるオイルの流れを制御するメイン流路制御部513と、第1スプリング54を保持するスプリング保持部514と、を有する。
背圧室形成部511は、流路形成部材61との間に、オイルが流入し、流入したオイルの圧力に応じてメインバルブ51の開き易さを調整する背圧室60Pを形成する。
流入流路512は、第2軸外側にて背圧室60Pに連絡し、第2軸内側にてメインバルブシート53のメイン流路533(後述)に連絡する。すなわち、流入流路512は、メイン流路533から背圧室60P内にオイルが流れる経路を形成する。
メイン流路制御部513は、メインバルブシート53のシート部530(後述)に対向する環状の面を有して構成される。そして、メイン流路制御部513は、メインバルブシート53に対するメインバルブ51の位置に応じて、シート部530に対する距離が変化することで、シート部530の開度が変わる。
スプリング保持部514は、凹状に形成されている。そして、スプリング保持部514は、内側に第1スプリング54を保持する。
シールリング52は、メインバルブ51における第2半径方向外側に設けられる。シールリング52は、ゴムなどの弾性変形する樹脂材料を用いることができる。そして、シールリング52は、背圧室60P内のオイルがメインバルブ51と流路形成部材61との対向箇所から背圧室60P外へと流出することを抑制する。
メインバルブシート53は、メインバルブ51と接触するシート部530と、外側減衰部100における主たる流路を形成するメイン流路533と、を有する。また、メインバルブシート53は、メイン流路533に接続して低速時におけるオイルの流路を形成する第1低速流路534と、メインバルブ51との間を流れたオイルが流れる流出流路535と、を有する。
シート部530は、略円環状に形成されるとともに、第2軸外側に向けて突出している。そして、シート部530は、メインバルブ51と接触した際に、メインバルブ51が着座する箇所を形成する。
メイン流路533は、第1低速流路534に対して、並列流路を構成する。メイン流路533は、第2軸内側にて外筒体開口部12Hに連絡し、第2軸外側にてメインバルブ51に対向する。また、メイン流路533は、シート部530の第2半径内側に設けられる。
なお、本実施形態において、メイン流路533は、「第1流路部」の一例として機能する。
第1低速流路534は、第2半径方向に延び、流入流路512よりも上流側で分岐するようにして設けられる。そして、第1低速流路534は、一方がメイン流路533に連絡し、他方が第2低速流路613(後述)に連絡する。
流出流路535は、第2軸方向に延びて設けられる。そして、流出流路535は、一方がメインバルブ51とシート部530との対向箇所に対向し、他方がケース開口部13H(図2参照)に連絡する。
第1スプリング54は、メインバルブ51をメインバルブシート53に押し付ける力をメインバルブ51に付与する。第1スプリング54には、例えば圧縮コイルばねを用いることができる。
(減衰力調整部60)
図2に示すように、減衰力調整部60は、内側ハウジング120内におけるオイルの流路を形成する流路形成部材61と、背圧室60Pの圧力を制御する調整バルブ62と、調整バルブ62が着座する調整バルブシート63と、を有する。さらに、減衰力調整部60は、調整バルブ62を介した背圧室60Pの圧力の制御および第3低速流路614(後述)におけるオイルの流れを制御する移動バルブ64と、移動バルブ64を第2軸外側に付勢する第2スプリング65と、を有する。さらに、減衰力調整部60は、移動バルブ64を駆動するソレノイド部66と、ソレノイド部66の非通電時におけるオイルの流れを制御する非通電時制御部67と、を有する。
なお、本実施形態において、移動バルブ64は、「制御部」の一例として機能する。
図3に示すように、流路形成部材61は、メインバルブ51を収容するメインバルブ収容部611と、調整バルブ62および調整バルブシート63を保持する調整バルブ保持部612と、を有する。また、流路形成部材61は、低速時におけるオイルの流路を形成する第2低速流路613および第3低速流路614を有する。そして、流路形成部材61は、背圧室60Pおよび第3低速流路614に連絡する合流流路615と、合流流路615からオイルが流出する第1流出流路616と、を有する。
メインバルブ収容部611は、流路形成部材61における第2軸内側に設けられる。そして、メインバルブ収容部611は、メインバルブ51を第2軸方向において移動可能に保持する。また、本実施形態のメインバルブ収容部611は、メインバルブ51の背圧室形成部511と共に背圧室60Pを形成する。
調整バルブ保持部612は、メインバルブ収容部611よりも第2軸外側であって、合流流路615よりも第2軸内側に設けられる。そして、調整バルブ保持部612は、少なくとも調整バルブシート63が圧入されることで、調整バルブ62および調整バルブシート63が第2軸方向において移動しないように保持する。
第2低速流路613は、流路形成部材61における第2半径方向外側に設けられる。さらに、第2低速流路613は、第2軸方向に延びて形成される。そして、第2低速流路613は、一方が第1低速流路534に連絡し、他方が第3低速流路614に連絡する。
なお、第1実施形態において、第2低速流路613は、「第2流路部」の一例として機能する。
第3低速流路614は、第2半径方向に延びて設けられる。そして、第3低速流路614は、一方が第2低速流路613に連絡し、他方が合流流路615に連絡する。また、第3低速流路614の、合流流路615に連絡する端部の近傍には、固定オリフィス614Oが設けられる。固定オリフィス614Oは、第1低速流路534、第2低速流路613および第3低速流路614を通じて流れるオイルの最大量を規定する。これによって、後述する移動バルブ64の側面部641による制限領域を設定することができる。なお、本実施形態の外側減衰部100において、第3低速流路614は、複数設けられる。
合流流路615は、移動バルブ64が第2軸方向に沿って移動可能な領域を形成する。また、合流流路615は、移動バルブ64が調整バルブ62を変位させる領域を形成する。そして、合流流路615は、第3低速流路614からオイルが流れ出る領域と、調整バルブシート63の背圧流路632(後述)を流れ出たオイルが流れ出る領域とを形成する。そして、合流流路615は、調整バルブ62および移動バルブ64をそれぞれ流れたオイルが合流する流路を形成する。
なお、本実施形態において、合流流路615は、「第3流路部」の一例として機能する。
さらに、合流流路615は、第3低速流路614との接続箇所において、移動バルブ64とのバルブ対向部615Vを有している。バルブ対向部615Vは、円筒状の内周面を有している。具体的には、バルブ対向部615Vは、第2軸外側に設けられる第1内周面部V1と、第2軸内側に設けられる第2内周面部V2と、第2軸方向において第1内周面部V1および第2内周面部V2の間に設けられる第3内周面部V3と、を有している。
第1内周面部V1および第2内周面部V2の内径は、移動バルブ64の側面部641(後述)の外径よりも若干大きく形成される。そして、第1内周面部V1および第2内周面部V2は、移動バルブ64を第2軸方向において移動可能に移動バルブ64に対向する。
また、第3内周面部V3の内径は、第1内周面部V1および第2内周面部V2よりも大きく形成される。そして、第3内周面部V3には、上述した複数の第3低速流路614の端部である流路口が設けられる。
第1流出流路616は、第2軸方向に延びて設けられる。そして、第1流出流路616は、一方が合流流路615に連絡し、他方が内側ハウジング120の第2流出流路123(後述)に連絡する。
図4は、第1実施形態の調整バルブ62および調整バルブシート63の説明図である。
なお、図4(A)は、調整バルブ62および調整バルブシート63の斜視図を示し、図4(B)は、調整バルブ62および調整バルブシート63を第2軸外側から見た場合の上面図である。
図4(A)に示すように、調整バルブ62は、弾性変形する略円形状の板状部材である。調整バルブ62の材料には、例えば鉄などの金属を用いることができる。そして、調整バルブ62は、調整バルブシート63の第2軸外側に対向して設けられる。
そして、第1実施形態の調整バルブ62は、メインバルブ部50のメイン流路533(図3参照)とは並列に設けられる背圧流路632(後述)におけるオイルの流れを制御する。
調整バルブ62は、環状に形成される外側環状部62Cと、背圧流路632(後述)に対向する対向部621と、調整バルブ62を第2軸方向において変形し易くする開口部622と、を有する。
外側環状部62Cは、調整バルブ62における第2半径方向外側に設けられる。そして、外側環状部62Cは、調整バルブ保持部612と調整バルブシート63の外側シート部631(後述)との間に挟み込まれる部分として機能する(図3参照)。
対向部621は、調整バルブ62の第2半径方向内側に設けられ、円形の板状に形成される。そして、対向部621は、背圧流路632(後述)の内径よりも大きく形成され、背圧流路ラウンド632Rを覆うことが可能になっている。
開口部622は、調整バルブ62の周方向に沿って長く延びて設けられる。また、開口部622は、複数設けられる。そして、隣り合う2つの開口部622の間には、腕部622Aが形成される。各々の腕部622Aは、少なくとも一部が周方向に沿って延びるように形成される。第1実施形態において、複数の腕部622Aは、全体として、螺旋状に形成されている。
また、図4(B)に示すように、腕部622Aは、対向部621に近い側の幅B11が、対向部621から遠い側の幅B12よりも大きくなっている。さらに、腕部622Aは、外側環状部62Cに近い側の幅B13が、外側環状部62Cから遠い側の幅B12よりも大きくなっている。
そして、第1実施形態では、開口部622は、調整バルブ62を貫通して流れるオイルの主な流路としても機能する。
図4(A)に示すように、調整バルブシート63は、調整バルブ62を保持する外側シート部631と、背圧室60P(図4参照)におけるオイルの圧力を調整するためのオイルの流路を形成する背圧流路632と、を有する。
外側シート部631は、第2半径方向外側に設けられる。そして、外側シート部631は、第2軸外側に向けて環状に突出して形成される。
背圧流路632は、調整バルブシート63において第2軸方向に延びて、調整バルブシート63を貫通して形成される。また、背圧流路632は、第2軸外側に向けて環状に突出する背圧流路ラウンド632Rを有している。背圧流路ラウンド632Rの第2軸外側に向けた突出高さは、外側シート部631よりも低く形成される。さらに、背圧流路632は、流入流路512よりも流路面積が小さく構成される。
図2に示すように、移動バルブ64は、プランジャ663の第2軸内側の端部に設けられる。また、移動バルブ64は、第2軸方向に移動可能に設けられる。そして、移動バルブ64は、ソレノイド部66のプランジャ663に駆動されることで、第2軸方向に沿って移動する。
図3に示すように、移動バルブ64は、第3低速流路614におけるオイルの流れを制御する側面部641と、背圧流路632におけるオイルの流れを制御する端面部642と、第2スプリング65が掛かるスプリング保持部643と、を有する。
側面部641は、本実施形態の移動バルブ64において円柱状に形成された部分である。そして、側面部641は、第2半径方向外側を向く面を有する。すなわち、側面部641は、移動バルブ64の移動方向である第2軸方向に対して交差する方向を向く面である。そして、側面部641は、バルブ対向部615Vに対向するように設けられる。
また、側面部641の第2軸方向における長さは、第1内周面部V1および第2内周面部V2との第2軸方向における間隔よりも長く形成される。すなわち、側面部641の第2軸方向における長さは、第3内周面部V3の第2軸方向における長さよりも長くなっている。これによって、側面部641は、第3内周面部V3に対向した状態で、第3内周面部V3に接続する第3低速流路614の大部分を閉じることが可能になっている。
そして、側面部641は、移動バルブ64の第2軸方向における位置に応じて、バルブ対向部615Vとの対向位置が変化する。側面部641は、第3低速流路614の大部分を閉じた状態から第3低速流路614を最も開いた状態までの範囲内で、第3低速流路614の開度を変化させることが可能になっている。第1実施形態において、側面部641は、第3低速流路614におけるオイルの流れを制御可能になっている。
なお、第1実施形態において、側面部641は、「第2面」の一例として機能する。
端面部642は、本実施形態の移動バルブ64において円形に形成された部分である。端面部642は、移動バルブ64の第2軸内側の端部に設けられる。また、端面部642は、第2軸内側を向く面である。そして、端面部642は、調整バルブ62の対向部621(図4(A)参照)に対向して設けられる。さらに、端面部642は、対向部621を間に挟んで、調整バルブシート63の背圧流路632に対向する位置に設けられる。
本実施形態の端面部642の外径は、調整バルブシート63の背圧流路632の内径よりも大きく形成される。さらに、本実施形態の端面部642の外径は、背圧流路632の背圧流路ラウンド632Rの外径よりも小さく形成される。
そして、端面部642は、移動バルブ64の第2軸方向における位置に応じて、調整バルブ62との距離が変化する。第1実施形態において、端面部642は、第2軸内側に最も移動した状態で調整バルブ62を介して背圧流路632におけるオイルの流れを制御し、背圧室60Pのオイルの圧力を制御することが可能になっている。
なお、第1実施形態において、端面部642は、「第1面」の一例として機能する。
スプリング保持部643は、本実施形態の移動バルブ64においてフランジ状に形成される。スプリング保持部643は、移動バルブ64の第2軸内側にて、端面部642よりも第2軸外側に設けられる。そして、スプリング保持部643は、環状に形成された端面部643Pを有する。端面部643Pは、第2軸内側を向く面である。そして、端面部643Pは、第2スプリング65を第2軸方向に沿って支持する。第1実施形態において、端面部643Pは、第2スプリング65を介して調整バルブ62を変位させて背圧流路632におけるオイルの流れを絞り、背圧室60Pのオイルの圧力を制御可能になっている。
なお、第1実施形態において、端面部643Pは、「第1面」の一例として機能する。
第2スプリング65は、第2軸内側にて調整バルブ62に接触し、第2軸外側にてスプリング保持部643の端面部643Pに接触する。なお、第2スプリング65には、例えば圧縮コイルばねを用いることができる。そして、第2スプリング65は、移動バルブ64によって第2軸方向に押し付けられることで、調整バルブ62が調整バルブシート63側に向かう力を付与する。一方で、第2スプリング65は、移動バルブ64およびプランジャ663に対して、第2軸外側に向かう力を付与する。
なお、本実施形態において、第2スプリング65は、「移動部材」の一例として機能する。
第2スプリング65の内径は、背圧流路632の背圧流路ラウンド632Rの外径よりも大きく形成される。そして、第2スプリング65は、調整バルブ62を介して背圧流路ラウンド632Rを塞ぐことが可能になっている。
図2に示すように、ソレノイド部66は、通電されることで励磁するコイル661と、コイル661の励磁状態によって移動する磁石662と、磁石662に固定されるプランジャ663とを有する。そして、ソレノイド部66は、通電状態に応じて移動バルブ64を第2軸方向において駆動する。
なお、本実施形態において、ソレノイド部66は、「駆動部」の一例として機能する。
そして、ソレノイド部66は、コイル661が通電状態になることで、プランジャ663を第2軸内側に向けて押し出す。さらに、プランジャ663は、移動バルブ64および第2スプリング65を調整バルブ62に向けて押し付ける。また、プランジャ663は、コイル661の通電量に応じて、移動バルブ64の移動量を変化させる。
一方、ソレノイド部66は、コイル661が非通電状態になると、第2スプリング65のバネ力によって、プランジャ663が第2軸外側に押し戻される。この場合に、移動バルブ64は、プランジャ663の移動に伴って第2軸外側に向けて戻される。そして、第2スプリング65は、コイル661が非通電状態となった場合、合流流路615から流出するオイルの流路面積を、通電状態の場合よりも小さくなるように絞る位置に移動バルブ64を移動させる。
非通電時制御部67は、第2半径方向内側に開口部671を有する円盤状の部材である。非通電時制御部67は、流路形成部材61における第2軸外側に設けられる。そして、非通電時制御部67は、流路形成部材61と内側ハウジング120との間に挟まれることで保持される。
そして、開口部671の内径は、移動バルブ64の側面部641の外径よりも大きく形成される。また、開口部671の最小開口時の流路面積は、固定オリフィス614Oと背圧流路632との合計の流路面積よりも小さくなるように形成される。さらに、非通電時制御部67は、移動バルブ64の第2軸方向における位置に応じて、側面部641に対する開口部671との対向状態が変化するように設けられる。
(内側ハウジング120)
図2に示すように、内側ハウジング120は、ソレノイド部66を保持する第1保持部121と、メインバルブ部50および減衰力調整部60を保持する第2保持部122と、内側ハウジング120の内側から外側にオイルを流す第2流出流路123と、を有する。
第1保持部121は、第2軸外側に設けられ、第2保持部122は、第2軸内側に設けられる。そして、本実施形態の内側ハウジング120は、第1保持部121と第2保持部122とが一体形成されている。
第2流出流路123は、第2半径方向に延びて形成される。そして、第2流出流路123は、一方が非通電時制御部67の開口部671を介して第1流出流路616に連絡し、他方がハウジング間流路130に連絡する。
[減衰力調整部60の調整動作]
図5は、第1実施形態の減衰力調整部60における調整動作の説明図である。
移動バルブ64は、ソレノイド部66(図2参照)に流す電流量に応じて第2軸方向における位置が変化する。
図5(A)に示すように、ソレノイド部66のプランジャ663は、移動バルブ64を第2軸内側に向けて比較的小さい移動量で移動させる。この場合、移動バルブ64の側面部641は、第2内周面部V2には対向せずに第1内周面部V1に対向する。すなわち、側面部641は、第3低速流路614に連絡する第3内周面部V3の一部を覆う。これによって、側面部641は、第3低速流路614におけるオイルの流路面積を小さくなるように絞る。
また、図5(A)に示すように、ソレノイド部66のプランジャ663は、移動バルブ64を第2軸内側に向けて比較的小さい移動量で移動させる。この場合、移動バルブ64は、スプリング保持部643の端面部643Pが、第2スプリング65を介して、調整バルブ62を調整バルブシート63に向けて変位させる。これによって、調整バルブ62の対向部621は、背圧流路632の背圧流路ラウンド632Rに対する距離が比較的短くなる。これによって、調整バルブ62は、背圧流路632におけるオイルの流路面積を小さくなるように絞る。
なお、移動バルブ64を第2軸内側に向けて比較的小さい移動量で移動させた状態では、移動バルブ64の側面部641が非通電時制御部67の開口部671から離れた状態になる。この状態では、開口部671では、オイルの流路面積がほとんど小さくならずに、十分にオイルが流れることができる。
図5(B)に示すように、ソレノイド部66のプランジャ663は、移動バルブ64を第2軸内側に向けて比較的大きい移動量で移動させる。そして、側面部641は、第3低速流路614に連絡する第3内周面部V3の大部分を覆う。これによって、側面部641は、第3低速流路614におけるオイルの流路面積を、移動バルブ64が第2軸内側に向けて比較的小さい移動量で移動したときよりも更に小さくなるように絞る。
また、図5(B)に示すように、ソレノイド部66のプランジャ663は、移動バルブ64を第2軸内側に向けて比較的大きい移動量で移動させる。この場合、移動バルブ64の端面部642は、調整バルブ62を調整バルブシート63に押し付ける。なお、移動バルブ64の移動に伴って、第2スプリング65は、調整バルブ62を調整バルブシート63に押し付ける。これによって、調整バルブ62の対向部621は、背圧流路632の背圧流路ラウンド632Rに接触する。そして、調整バルブ62は、背圧流路632における流路面積を、移動バルブ64が第2軸内側に向けて比較的小さい移動量で移動したときよりも小さくなるように絞る。
なお、移動バルブ64を第2軸内側に向けて比較的大きい移動量で移動させた状態では、移動バルブ64の側面部641が非通電時制御部67の開口部671から離れた状態になる。この状態では、開口部671では、オイルの流路面積がほとんど小さくならずに、十分にオイルが流れることができる。
以上のとおり、第1実施形態の移動バルブ64は、第2軸方向における位置に応じて、第3低速流路614の開度を、側面部641によって変化させることが可能になっている。
また、第1実施形態の移動バルブ64は、第2軸方向における位置に応じて、背圧流路632の開度を、端面部642またはスプリング保持部643の端面部643Pによって、変化させることが可能になっている。
そして、第1実施形態の外側減衰部100では、移動バルブ64における異なる部位を用いて異なる流路におけるオイルの流れを制御する。これによって、外側減衰部100は、例えば移動バルブ64における同じ部位を用いて異なる流路のオイルの流れを制御する場合と比較して、設計の自由度を高めることができる。また、第1実施形態の外側減衰部100は、構造が簡易化され、装置の複雑化が抑制される。
さらに、第1実施形態の外側減衰部100では、第2軸方向と交差する方向を向く側面部641と、第2軸方向を向く端面部642またはスプリング保持部643の端面部643Pとを用いて、それぞれ第3低速流路614と背圧流路632におけるオイルの流れの制御を行う。このように、第1実施形態の外側減衰部100では、移動バルブ64において異なる方向を向く面を用いてオイルの制御を行うことで、一方の流路におけるオイルの静圧および動圧の影響が、移動バルブ64を介して、他方の流路におけるオイルの制御に及び難くなっている。
[油圧緩衝装置1の動作]
図6は、第1実施形態の油圧緩衝装置1の動作説明図である。
なお、図6(A)は伸張行程時におけるオイルの流れを示し、図6(B)は圧縮行程時におけるオイルの流れを示す。
まず、油圧緩衝装置1の伸張行程時における動作を説明する。
図6(A)に示すように、伸張行程時において、ロッド20は、シリンダ11に対して他方側に移動する。このとき、ピストンバルブ32は、ピストン油路口311を塞いだままである。また、ピストン部30の他方側への移動によって、第2油室Y2の容積は、減少する。そして、第2油室Y2のオイルは、シリンダ開口11Hから連絡路Lに流れ出る。
さらに、オイルは、連絡路Lおよび外筒体開口部12Hを通って、外側減衰部100に流れ込む。そして、外側減衰部100において、オイルは、まず、メインバルブシート53のメイン流路533に流れ込む。その後、外側減衰部100において、メインバルブ51または移動バルブ64において減衰力が発生する。なお、このときのオイルの流れについては、後に詳しく説明する。
その後、メインバルブ51または移動バルブ64に流れたオイルは、ハウジング間流路130に流れ出る。さらに、オイルは、ハウジング間流路130からリザーバ室Rに流れ込む。
また、第1油室Y1の圧力は、リザーバ室Rに対して相対的に低くなる。そのため、リザーバ室Rのオイルは、ボトム部40を通って、第1油室Y1に流れ込む。
次に、油圧緩衝装置1の圧縮行程時における動作を説明する。
図6(B)に示すように、圧縮行程時において、ロッド20は、シリンダ11に対して一方側に相対移動する。ピストン部30においては、第1油室Y1と第2油室Y2との差圧によって、ピストン油路口311を塞ぐピストンバルブ32が開く。そして、第1油室Y1のオイルは、ピストン油路口311を通って第2油室Y2に流れ出る。ここで、第2油室Y2には、ロッド20が配置されている。そのため、第1油室Y1から第2油室Y2に流れ込むオイルは、ロッド20の体積分だけ過剰になる。従って、このロッド20の体積分に相当する量のオイルが、シリンダ開口11Hから連絡路Lに流出する。
さらに、オイルは、連絡路L、外筒体開口部12Hを通って、外側減衰部100に流れ込む。なお、外側減衰部100におけるオイルの流れは、上述した伸張行程時におけるオイルの流れと同様である。すなわち、第1実施形態の油圧緩衝装置1では、圧縮行程時および伸張行程時との両方において、外側減衰部100においてオイルが流れる方向は同じになる。
以上のとおり、第1実施形態の油圧緩衝装置1では、圧縮行程時および伸張行程時の両行程において外側減衰部100にて減衰力を発生させる。
次に、第1実施形態の外側減衰部100におけるオイルの流れについて詳細に説明する。
まず、移動バルブ64の第2軸内側への移動量が比較的小さい状態でのオイルの流れを説明する。この場合、図5(A)を参照しながら説明したように、移動バルブ64は、側面部641にて第3低速流路614を開きながら第3低速流路614におけるオイルの流路面積を小さくなるように絞る。また、移動バルブ64は、スプリング保持部643の端面部643Pにて第2スプリング65および調整バルブ62を介して背圧流路632を開きながら背圧流路632におけるオイルの流路面積を小さくなるように絞る。
図7は、第1実施形態の外側減衰部100におけるオイルの流れの説明図である。
なお、図7(A)は、移動バルブ64の第2軸内側への移動量が比較的小さい状態であって低速時のオイルの流れを示し、図7(B)は、移動バルブ64の第2軸内側への移動量が比較的小さい状態であって高速時のオイルの流れを示す。
(低速時)
図7(A)に示すように、ピストン部30(図1参照)の移動速度が低速である場合、オイルは、連絡路Lからメイン流路533に流れ込む。ここで、ピストン部30の移動速度が低速であるため、メイン流路533においてメインバルブ51を開くオイルの流れは生じない。
一方、連絡路Lからメイン流路533に流れ込んだオイルは、第1低速流路534、第2低速流路613、第3低速流路614の順に流れる。そして、オイルは、第3低速流路614から合流流路615に流れ出る際に、流路面積が小さくなるように移動バルブ64が絞った流路を流れる。
また、メイン流路533のオイルは、流入流路512から背圧室60P内に流入する。ただし、移動バルブ64は、背圧流路632を開いている。従って、背圧室60Pのオイルは、合流流路615に流れ出る。
そして、合流流路615に流れ出たオイルは、第1流出流路616、第2流出流路123およびハウジング間流路130を順に流れる。そして、オイルは、ハウジング間流路130からリザーバ室Rに流れ出る。
以上のように、ピストン部30の移動速度が低速である場合、減衰力は、第3低速流路614と移動バルブ64との間にてオイルの流路面積が小さくなるように絞られることによって発生する。
(高速時)
図7(B)に示すように、ピストン部30(図1参照)の移動速度が高速である場合、連絡路Lからメイン流路533に流れ込んだオイルは、メインバルブ51を開いて流出流路535に流れ出る。このメイン流路533から流出流路535に流れ出る際に、メインバルブ51は、オイルの流路面積を小さくなるように絞る。そして、流出流路535のオイルは、リザーバ室Rに流れ出る。
なお、移動速度が高速である場合も、連絡路Lからメイン流路533に流れ込んだオイルは、低速時と同様に、第1低速流路534から第3低速流路614を流れる。そして、第3低速流路614にて、移動バルブ64は、オイルの流路面積を小さくなるように絞る。その後、オイルは、最終的にリザーバ室Rに流れ出る。
以上のように、ピストン部30の移動速度が高速である場合、減衰力は、主に、メイン流路533とメインバルブ51との間にてオイルの流路面積が小さくなるように絞られることにより発生する。
ここで、メイン流路533に流れ込んだオイルは、流入流路512を通じて、背圧室60Pに圧力を伝達する。そして、移動バルブ64は、背圧室60Pに連絡する背圧流路632におけるオイルの流路面積を小さくなるように絞っている。そのため、背圧室60Pの圧力は、比較的低くなっている。これによって、メインバルブ51は、メイン流路533を開き易くなっている。従って、移動バルブ64の第2軸内側への移動量が比較的小さい状態では、メインバルブ51を開くメイン流路533におけるオイルの流れにより発生する減衰力は、比較的小さくなる。
次に、移動バルブ64を第2軸内側に向けて比較的大きい移動量で移動させた状態でのオイルの流れを説明する。この場合、図5(B)を参照しながら説明したように、移動バルブ64は、側面部641にて、第3低速流路614におけるオイルの流路面積を、移動バルブ64が第2軸内側に向けて比較的小さい移動量で移動したときよりも更に小さくなるように絞る。また、移動バルブ64は、端面部642またはスプリング保持部643の端面部643Pにて、第2スプリング65および調整バルブ62を押す。そして、調整バルブ62は、背圧流路632におけるオイルの流路面積を、移動バルブ64が第2軸内側に向けて比較的小さい移動量で移動したときよりも更に小さくなるように絞る。
図8は、第1実施形態の外側減衰部100におけるオイルの流れの説明図である。
なお、図8(A)は、移動バルブ64を第2軸内側に向けて比較的大きい移動量で移動させた状態であって低速時のオイルの流れを示し、図8(B)は、移動バルブ64を第2軸内側に向けて比較的大きい移動量で移動させた状態であって高速時のオイルの流れを示す。
(低速時)
図8(A)に示すように、ピストン部30の移動速度が低速である場合、連絡路Lからメイン流路533に流れ込む。ここで、ピストン部30の移動速度が低速であるため、メインバルブ51を開いてメイン流路533を流れるオイルの流れは生じない。
一方、連絡路Lからメイン流路533に流れ込んだオイルは、第1低速流路534、第2低速流路613、第3低速流路614の順に流れる。そして、オイルは、第3低速流路614から合流流路615に流れ出る際に、移動バルブ64が第2軸内側に向けて比較的小さい移動量で移動したときよりも更に小さくなるように、流路面積を移動バルブ64が絞った流路を流れる。さらに、合流流路615に流れ出たオイルは、第1流出流路616、第2流出流路123およびハウジング間流路130を順に流れる。そして、オイルは、ハウジング間流路130からリザーバ室Rに流れ出る。
以上のように、ピストン部30の移動速度が低速である場合、減衰力は、第3低速流路614と移動バルブ64との間にてオイルの流路面積が小さくなるように絞られることによって発生する。そして、移動バルブ64は、移動バルブ64の第2軸内側への移動量が比較的小さい状態の場合よりも、第3低速流路614におけるオイルの流路面積を更に小さくするように絞る。従って、移動バルブ64を第2軸内側に向けて比較的大きい移動量で移動させた状態において、第3低速流路614と移動バルブ64との間をオイルが流れる際に発生する減衰力は、移動バルブ64の第2軸内側への移動量が比較的小さい状態の場合よりも大きくなる。
(高速時)
図8(B)に示すように、ピストン部30(図1参照)の移動速度が高速である場合、連絡路Lからメイン流路533に流れ込んだオイルは、メインバルブ51を開いて流出流路535に流れ出る。このメイン流路533から流出流路535に流れ出る際に、メインバルブ51は、オイルの流路面積を、移動バルブ64が第2軸内側に向けて比較的小さい移動量で移動したときよりも更に小さくなるように絞る。そして、流出流路535に流れ出たオイルは、リザーバ室Rに流れ出る。
なお、移動速度が高速である場合も、連絡路Lからメイン流路533に流れ込んだオイルは、低速時と同様に、第1低速流路534から第3低速流路614に流れる。そして、移動バルブ64は、第3低速流路614におけるオイルの流路面積を、移動バルブ64が第2軸内側に向けて比較的小さい移動量で移動したときよりも更に小さくなるように流路面積を絞る。その後、オイルは、最終的にリザーバ室Rに流れ出る。
ここで、メイン流路533に流れ込んだオイルは、流入流路512を通じて、背圧室60Pに圧力を伝達する。そして、移動バルブ64は、背圧室60Pに連絡する背圧流路632におけるオイルの流路面積を、移動バルブ64が第2軸内側に向けて比較的小さい移動量で移動したときよりも更に小さくなるように絞っている。そのため、背圧室60Pの圧力は、比較的高くなっている。これによって、メインバルブ51は、メイン流路533を開き難くなっている。従って、移動バルブ64を第2軸内側に向けて比較的大きい移動量で移動させた状態では、メインバルブ51を開くメイン流路533におけるオイルの流れにより発生する減衰力は、比較的大きくなる。
以上のように、ピストン部30の移動速度が高速である場合、減衰力は、主に、メイン流路533とメインバルブ51との間におけるオイルの流路面積が絞られることにより発生する。
上述したように、第1実施形態の油圧緩衝装置1では、移動バルブ64をソレノイド部66によって操作することで、低速時における減衰力の調整と、高速時における減衰力の調整との両方を行うことができる。
なお、上述の動作例では、移動バルブ64の移動量が比較的大きい状態と比較的小さい状態との2パターンについて説明したが、上述した2パターンに限定されない。移動バルブ64の移動量は、ソレノイド部66に対する電流量に応じて調整可能な範囲で任意に設定することができる。そして、この設定に伴って、第1実施形態の減衰力調整部60では、低速時における減衰力と高速時における減衰力とについても複数段階の調整が可能になる。
次に、ソレノイド部66が非通電状態となっている場合におけるオイルの流れを説明する。
図9は、第1実施形態の外側減衰部100におけるオイルの流れの説明図である。
なお、図9(A)は、ソレノイド部66が非通電状態であって低速時のオイルの流れを示し、図9(B)は、ソレノイド部66が非通電状態であって高速時のオイルの流れを示す。
図9(A)および図9(B)に示すように、ソレノイド部66が非通電状態である場合、移動バルブ64は、第2スプリング65によって第2軸外側に押し戻される。これに伴って、移動バルブ64は、非通電時制御部67の開口部671に対向した状態になっている。
(低速時)
図9(A)に示すように、ピストン部30の移動速度が低速である場合、図7(A)を参照しながら説明したオイルの流れと同様に、メイン流路533に流れたオイルは、合流流路615に流れ出る。そして、合流流路615のオイルは、移動バルブ64と開口部671との間を流れて、第2流出流路123およびハウジング間流路130を通って、リザーバ室Rに流れ出る。
そして、ピストン部30の移動速度が低速である場合、減衰力は、移動バルブ64と開口部671との間にてオイルの流路面積が小さくなるように絞られることによって発生する。
(高速時)
図9(B)に示すように、ピストン部30の移動速度が高速である場合、図7(B)を参照しながら説明したオイルの流れと同様に、メイン流路533に流れたオイルは、メインバルブ51を開いて流出流路535に流れ出る。そして、流出流路535のオイルは、リザーバ室Rに流れ出る。
そして、ピストン部30の移動速度が高速である場合、減衰力は、主に、メイン流路533とメインバルブ51との間にてオイルの流路面積が小さくなるように絞られることによって発生する。このときの減衰力は、移動バルブ64が開口部671に対向していない状態と比較して大きくなっている。
ここで、背圧室60Pは、合流流路615に連絡している。そして、合流流路615では、オイルの流れの下流側に設けられる移動バルブ64と開口部671との間でオイルの流路面積が小さくなるように絞られている。そのため、背圧室60Pのオイルの圧力は、比較的高くなっている。これによって、メインバルブ51は、メイン流路533を開き難くなっている。従って、メインバルブ51を開くメイン流路533におけるオイルの流れにより発生する減衰力は、比較的大きくなる。
以上のとおり、第1実施形態の油圧緩衝装置1では、ソレノイド部66に通電が行われない状態になった場合であっても、低速時における減衰力および高速時における減衰力の両方が比較的大きくなるようにしている。
<第2実施形態>
続いて、第2実施形態の油圧緩衝装置1について説明する。
図10は、第2実施形態の外側減衰部100の断面図である。
なお、第2実施形態の説明において、第1実施形態と同様な構成については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
図10に示すように、第2実施形態の流路形成部材61は、背圧室60Pに連絡する第1背圧流路617および第2背圧流路618を有している。
第1背圧流路617は、第2軸方向に延びて形成される。そして、第1背圧流路617は、一方が背圧室60Pに連絡し、他方が第2背圧流路618に連絡する。
第2背圧流路618は、第2半径方向に延びて形成される。そして、第2背圧流路618は、一方が第1背圧流路617に連絡し、他方が合流流路615に連絡する。
第2実施形態の調整バルブシート63は、調整バルブ62を保持する外側シート部631と、低速時におけるオイルの流れを形成する低速流路633と、背圧室60Pにオイルを流入させる流入流路634と、を有している。
低速流路633は、調整バルブシート63において第2軸方向に延びて、調整バルブシート63を貫通して形成される。そして、低速流路633は、一方がメイン流路533に連絡し、他方が合流流路615に連絡するとともに調整バルブ62と対向する。
また、低速流路633は、第2軸外側に向けて環状に突出する低速流路ラウンド633Rを有している。低速流路ラウンド633Rの第2軸外側に向けた突出高さは、外側シート部631よりも低く形成される。
流入流路634は、第2半径方向に延びて設けられる。そして、流入流路634は、一方が低速流路633に連絡し、他方が背圧室60Pに連絡する。すなわち、流入流路634は、メイン流路533から背圧室60P内へのオイルが流れる経路を形成する。
以上のように構成される第2実施形態の減衰力調整部60においても、移動バルブ64の第2軸方向における位置は、ソレノイド部66(図2参照)に流す電流量に応じて、変化する。
そして、第2実施形態の移動バルブ64は、第2軸方向における位置に応じて、側面部641(図5(A)および図5(B)参照)によって、第2背圧流路618を開いた状態から第2背圧流路618の大部分を閉じた状態までの範囲内で、第2背圧流路618の開度を変化させることが可能になっている。
そして、第2実施形態において、側面部641は、第2背圧流路618におけるオイルの流れを制御することで、背圧室60Pのオイルの圧力を制御可能になっている。
なお、第2実施形態において、側面部641は、「第2面」の一例として機能する。
また、第2実施形態の移動バルブ64は、第2軸方向における位置に応じて、端面部642またはスプリング保持部643の端面部643P(図5(A)および図5(B)参照)によって、低速流路633を開いた状態から低速流路633を閉じた状態までの範囲内で、低速流路633の開度を変化させることが可能になっている。
そして、第2実施形態において、端面部642またはスプリング保持部643の端面部643Pは、低速流路633におけるオイルの流れを制御可能になっている。
なお、第2実施形態において、端面部642またはスプリング保持部643の端面部643Pは、「第1面」の一例として機能する。
以上のように、第2実施形態の外側減衰部100は、移動バルブ64における異なる部位を用いて異なる流路におけるオイルの流れを制御する。そのため、第2実施形態の外側減衰部100では、例えば移動バルブ64における同じ部位を用いて異なる流路におけるオイルの流れを制御する場合と比較して、設計の自由度を高めることができる。また、第2実施形態の外側減衰部100は、構造が簡易化され、装置の複雑化が抑制される。
さらに、第2実施形態の外側減衰部100においても、第2軸方向と交差する方向を向く側面部641と、第2軸方向を向く端面部642またはスプリング保持部643の端面部643P(図5(A)および図5(B)参照)とを用いて、それぞれ第2背圧流路618と低速流路633におけるオイルの流れの制御を行う。このように、第2実施形態の外側減衰部100では、移動バルブ64において異なる方向を向く面を用いてオイルの制御を行うことで、一方の流路におけるオイルの静圧および動圧の影響が、移動バルブ64を介して、他方の流路におけるオイルの制御に及び難くなっている。
次に、第2実施形態の外側減衰部100におけるオイルの流れについて詳細に説明する。
まず、移動バルブ64の第2軸内側への移動量が比較的小さい状態でのオイルの流れを説明する。この場合、移動バルブ64は、側面部641(図5(A)参照)にて第2背圧流路618におけるオイルの流路面積を小さくなるように絞る。また、移動バルブ64は、スプリング保持部643の端面部643P(図5(A)参照)にて、第2スプリング65および調整バルブ62を押す。そして、調整バルブ62は、低速流路633におけるオイルの流路面積を小さくなるように絞る。
図11は、第2実施形態の外側減衰部100におけるオイルの流れの説明図である。
なお、図11(A)は、移動バルブ64の第2軸内側への移動量が比較的小さい状態であって低速時のオイルの流れを示し、図11(B)は、移動バルブ64の第2軸内側への移動量が比較的小さい状態であって高速時のオイルの流れを示す。
(低速時)
図11(A)に示すように、ピストン部30(図1参照)の移動速度が低速である場合、オイルは、連絡路Lからメイン流路533に流れ込む。ここで、ピストン部30の移動速度が低速であるため、メイン流路533においてメインバルブ51を開くオイルの流れは生じない。
一方、連絡路Lからメイン流路533に流れ込んだオイルは、低速流路633に流れ込む。そして、オイルは、低速流路633から合流流路615に流れ出る際に、調整バルブ62によってオイルの流路面積が小さくなるように絞られた流路を流れる。
また、低速流路633のオイルの一部は、流入流路634から背圧室60P内に流入する。ただし、移動バルブ64は、第2背圧流路618におけるオイルの流路面積を小さくなるように絞っている。従って、背圧室60Pのオイルは、合流流路615に流れ出る。
そして、合流流路615に流れ出たオイルは、第1流出流路616、第2流出流路123およびハウジング間流路130を順に流れる。そして、オイルは、ハウジング間流路130からリザーバ室Rに流れ出る。
以上のように、ピストン部30の移動速度が低速である場合、減衰力は、低速流路633において調整バルブ62によってオイルの流路面積が小さくなるように絞られることによって発生する。
(高速時)
図11(B)に示すように、ピストン部30(図1参照)の移動速度が高速である場合、連絡路Lからメイン流路533に流れ込んだオイルは、メインバルブ51を開いて流出流路535に流れ出る。このメイン流路533から流出流路535に流れ出る際に、メインバルブ51は、オイルの流路面積を小さくなるように絞る。そして、流出流路535のオイルは、リザーバ室Rに流れ出る。
なお、移動速度が高速である場合も、連絡路Lからメイン流路533に流れ込んだオイルは、低速時と同様に、低速流路633に流れる。そして、調整バルブ62は、低速流路633におけるオイルの流路面積を小さくなるように絞る。その後、オイルは、最終的にリザーバ室Rに流れ出る。
以上のように、ピストン部30の移動速度が高速である場合、減衰力は、主に、メイン流路533とメインバルブ51との間にてオイルの流路面積が小さくなるように絞られることにより発生する。
ここで、メイン流路533に流れ込んだオイルは、流入流路634を通じて、背圧室60Pに圧力を伝達する。そして、移動バルブ64は、背圧室60Pに連絡する第2背圧流路618におけるオイルの流路面積を小さくなるように絞っている。そのため、背圧室60Pの圧力は、比較的低くなっている。これによって、メインバルブ51は、メイン流路533を開き易くなっている。従って、移動バルブ64の第2軸内側への移動量が比較的小さい状態では、メインバルブ51を開くメイン流路533におけるオイルの流れにより発生する減衰力は、比較的小さくなる。
次に、移動バルブ64を第2軸内側に向けて比較的大きい移動量で移動させた状態でのオイルの流れを説明する。この場合、移動バルブ64は、側面部641(図5(A)参照)にて、第2背圧流路618におけるオイルの流路面積を、移動バルブ64が第2軸内側に向けて比較的小さい移動量で移動したときよりも更に小さくなるように絞る。また、移動バルブ64は、端面部642またはスプリング保持部643の端面部643P(図5(A)参照)によって、第2スプリング65および調整バルブ62を押す。そして、調整バルブ62は、低速流路633におけるオイルの流路面積を、移動バルブ64が第2軸内側に向けて比較的小さい移動量で移動したときよりも更に小さくなるように絞る。
図12は、第2実施形態の外側減衰部100におけるオイルの流れの説明図である。
なお、図12(A)は、移動バルブ64を第2軸内側に向けて比較的大きい移動量で移動させた状態であって低速時のオイルの流れを示し、図12(B)は、移動バルブ64を第2軸内側に向けて比較的大きい移動量で移動させた状態であって高速時のオイルの流れを示す。
(低速時)
図12(A)に示すように、ピストン部30の移動速度が低速である場合、連絡路Lからメイン流路533に流れ込む。ここで、ピストン部30の移動速度が低速であるため、メインバルブ51を開いてメイン流路533を流れるオイルの流れは生じない。
一方、連絡路Lからメイン流路533に流れ込んだオイルは、低速流路633に流れ込む。そして、調整バルブ62は、低速流路633から合流流路615にオイルが流れ出る際に、オイルの流路面積を、移動バルブ64が第2軸内側に向けて比較的小さい移動量で移動したときよりも更に小さくなるように絞る。
なお、低速流路633のオイルの一部は、流入流路634から背圧室60P内に流入する。そして、移動バルブ64は、第2背圧流路618におけるオイルの流路面積を、移動バルブ64が第2軸内側に向けて比較的小さい移動量で移動したときよりも更に小さくなるように絞っている。従って、背圧室60Pのオイルの圧力は、高くなっている。
以上のように、ピストン部30の移動速度が低速である場合、減衰力は、低速流路633にて調整バルブ62によりオイルの流路面積が小さくなるように絞られることによって発生する。そして、調整バルブ62は、移動バルブ64の第2軸内側への移動量が比較的小さい状態の場合よりも、低速流路633におけるオイルの流路面積を、小さくなるように絞る。従って、移動バルブ64を第2軸内側に向けて比較的大きい移動量で移動させた状態において、低速流路633と調整バルブ62との間をオイルが流れる際に発生する減衰力は、移動バルブ64の第2軸内側への移動量が比較的小さい状態の場合よりも大きくなる。
(高速時)
図12(B)に示すように、ピストン部30(図1参照)の移動速度が高速である場合、連絡路Lからメイン流路533に流れ込んだオイルは、メインバルブ51を開いて流出流路535に流れ出る。メインバルブ51は、メイン流路533から流出流路535に流れ出る際に、オイルの流路面積を、移動バルブ64が第2軸内側に向けて比較的小さい移動量で移動したときよりも更に小さくなるように絞る。そして、流出流路535に流れ出たオイルは、リザーバ室Rに流れ出る。
なお、移動速度が高速である場合も、連絡路Lからメイン流路533に流れ込んだオイルは、低速時と同様に、低速流路633を流れる。そして、調整バルブ62は、低速流路633におけるオイルの流路面積を、移動バルブ64が第2軸内側に向けて比較的小さい移動量で移動したときよりも更に小さくなるように絞る。その後、オイルは、最終的にリザーバ室Rに流れ出る。
ここで、メイン流路533に流れ込んだオイルは、流入流路634を通じて、背圧室60Pに圧力を伝達する。そして、移動バルブ64は、背圧室60Pに連絡する第2背圧流路618におけるオイルの流路面積を、移動バルブ64が第2軸内側に向けて比較的小さい移動量で移動したときよりも更に小さくなるように絞っている。そのため、背圧室60Pの圧力は、比較的高くなっている。これによって、メインバルブ51は、メイン流路533を開き難くなっている。従って、移動バルブ64を第2軸内側に向けて比較的大きい移動量で移動させた状態では、メインバルブ51を開くメイン流路533におけるオイルの流れにより発生する減衰力は、比較的大きくなる。
以上のように、ピストン部30の移動速度が高速である場合、減衰力は、主に、メイン流路533とメインバルブ51との間におけるオイルの流路面積が絞られることにより発生する。
上述したように、第2実施形態の油圧緩衝装置1では、移動バルブ64をソレノイド部66によって操作することで、低速時における減衰力の調整と、高速時における減衰力の調整との両方を行うことができる。
なお、上述の動作例では、移動バルブ64の移動量が比較的大きい状態と比較的小さい状態との2パターンについて説明したが、上述した2パターンに限定されない。
また、第2実施形態の外側減衰部100において、ソレノイド部66が非通電状態になった場合の動作は、オイルの流路が異なる点を除いて、第1実施形態と同様である。
<第3実施形態>
続いて、第3実施形態の油圧緩衝装置1について説明する。
図13は、第3実施形態の外側減衰部100の断面図である。
図14は、第3実施形態のメインバルブシート353の上面図である。
なお、第3実施形態の説明において、他の実施形態と同様な構成については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
第3実施形態の外側減衰部100の基本構成は、第2実施形態と同様である。ただし、第3実施形態の外側減衰部100は、メインバルブ部350の構成が第2実施形態のメインバルブ部50とは異なる。
なお、第3実施形態の流路形成部材61は、メイン流路533(後述)からメインバルブ51を開いて流れ出たオイルが、リザーバ室Rに向かう流出流路124を有している。
(メインバルブ部350)
メインバルブ部350は、オイルの流れを絞るように制御することで減衰力を発生させるメインバルブ351と、メインバルブ351が着座するメインバルブシート353と、を有する。また、メインバルブ部350は、背圧室60Pを形成する隔壁部材355と、隔壁部材355の外周に設けられるシールリング52と、隔壁部材355をメインバルブ351に押し付ける力を隔壁部材355に付与する戻りバネ356と、を有する。
なお、本実施形態において、メインバルブシート353は、「バルブシート」の一例として機能する。
メインバルブ351は、弾性変形する円盤形状の部材である。メインバルブ351の材料には、例えば鉄などの金属を用いることができる。メインバルブ351は、第2半径方向内側に設けられる調整バルブシート63の低速流路633が貫通する。
隔壁部材355は、略円筒状に形成されている。そして、隔壁部材355は、第2軸内側にてメインバルブ351に接触する。
戻りバネ356は、金属などの弾性部材を用いることができる。そして、戻りバネ356は、第2半径方向内側から第2半径方向外側に向けて突出する複数の腕部356Aを有している。戻りバネ356は、第2半径方向内側にて調整バルブシート63の低速流路633に固定される。また、戻りバネ356は、第2半径方向外側にて腕部356Aが隔壁部材355の内周に掛かる。
メインバルブシート353は、メインバルブ351が着座する第1シート部531および第2シート部532と、外側減衰部100における主たる流路を形成するメイン流路533と、を備えている。
図14に示すように、第1シート部531は、円環状に形成されている。そして、第1シート部531は、メイン流路533の第2半径方向外側に設けられる。また、第1シート部531は、第2軸外側に向けて突出している。
また、第2シート部532は、円環状に形成されている。そして、第2シート部532は、第1シート部531の第2半径方向外側に設けられる。また、第2シート部532は、第2軸外側に向けて突出している。なお、第3実施形態において、第1シート部531および第2シート部532の第2軸外側に向けた突出高さは、略等しくなっている。
そして、第1シート部531は、第2半径方向に沿って形成される複数の溝部531Tを有する。各々の溝部531Tの流路面積は、比較的小さく形成されている。すなわち、溝部531Tは、オリフィス流路を構成する。そして、各々の溝部531Tは、第1シート部531にメインバルブ351が接触した状態で、第1シート部531の第2半径方向内側から第1シート部531の第2半径方向外側にオイルが流れる経路を形成する。つまり、各々の溝部531Tは、第1シート部531にメインバルブ351が接触した状態で、メイン流路533からのオイルが、第1シート部531と第2シート部532との間に流れ込むことを可能にする。
そして、第3実施形態の油圧緩衝装置1では、移動バルブ64をソレノイド部66によって操作することで、低速時における減衰力の調整と、高速時における減衰力の調整との両方を行うことができる。
また、第3実施形態のメインバルブ部350では、メイン流路533におけるオイルの流量に応じて、第1シート部531および第2シート部532に対するメインバルブ351の接触状態が変化する。そして、第3実施形態では、メイン流路533におけるオイルの流量に応じて減衰力が段階的に変化する減衰力特性が実現される。
なお、第1実施形態、第2実施形態および第3実施形態において、ピストン部30およびボトム部40は、上記の実施形態で示した構造に限らない。ピストン部30およびボトム部40は、減衰機構としての機能を満たすのであれば、他の形状や他の構成でも良い。
また、第1実施形態、第2実施形態および第3実施形態で説明した各々の構成部は、組み合わせたり、相互に入れ替えたりしても良い。例えば、第3実施形態におけるメインバルブ部350の構成は、第1実施形態や第2実施形態のメインバルブ部50に適用することができる。
さらに、シリンダ11の外部に設けられた外側減衰部100の機能を、シリンダ11の内部のピストン部30等に設けても良い。同様に、シリンダ11の外部に設けられた外側減衰部100の機能を、ボトム部40等に設けても良い。そして、第1実施形態、第2実施形態および第3実施形態の油圧緩衝装置1は、シリンダ11、外筒体12およびダンパケース13のそれぞれ筒形状にて構成された三重管構造に限定されない。油圧緩衝装置1は、シリンダ11とダンパケース13とによる二重管構造であっても良い。
1…油圧緩衝装置、11…シリンダ、20…ロッド、30…ピストン部、50…メインバルブ部、51…メインバルブ、53…メインバルブシート、60P…背圧室、62…調整バルブ、63…調整バルブシート、64…移動バルブ、65…第2スプリング、66…ソレノイド部、614…第3低速流路、615…合流流路、618…第2背圧流路、632…背圧流路、633…低速流路、641…側面部、642…端面部、643P…端面部、531…第1シート部、531T…溝部、532…第2シート部

Claims (8)

  1. 液体が流れる第1流路部と、
    流入流路を通じて液体が流入する背圧室を有し、前記背圧室における液体の圧力によって前記第1流路部における液体の流れを制御するバルブ部と、
    前記第1流路部と並列に設けられると共に前記流入流路よりも上流で前記第1流路部から分岐する第2流路部と、
    軸方向において移動可能に設けられ、前記軸方向を向く第1面および前記軸方向の交差方向を向く第2面のいずれか一方で前記背圧室の液体の圧力を制御し、他方で前記第2流路部における液体の流れを制御する制御部と、
    を備えることを特徴とするバルブ機構。
  2. 前記制御部は、前記第1面によって前記背圧室の圧力を制御し、前記第2面によって前記第2流路部における液体の流れを制御する請求項1に記載のバルブ機構。
  3. 前記制御部は、前記第1面によって前記第2流路部における液体の流れを制御し、前記第2面によって前記背圧室の液体の圧力を制御する請求項1に記載のバルブ機構。
  4. 前記バルブ部が着座する第1シート部と、前記第1シート部よりも径方向外側に設けられて前記バルブが着座する第2シート部とを有するバルブシートを備える請求項1乃至3のいずれか1項に記載のバルブ機構。
  5. 前記第1シート部は、前記バルブ部が前記第1シート部に接触した状態で、前記第1シート部の半径方向内側から前記第1シート部および前記第2シート部との間に液体が流れることを可能にするオリフィス流路を有する請求項4に記載のバルブ機構。
  6. 通電状態に応じて前記制御部を前記軸方向において駆動する駆動部を有する請求項1乃至5のいずれか1項に記載のバルブ機構。
  7. 前記背圧室および前記第2流路部に連絡する第3流路部と、
    前記駆動部が非通電状態となった場合に、前記駆動部が通電状態である場合よりも前記制御部が前記第3流路部における液体の流れを絞る位置に前記制御部を移動させる移動部材と、
    を有する請求項6に記載のバルブ機構。
  8. 液体を収容するシリンダと、
    軸方向に移動するロッドに接続するとともに、前記シリンダ内にて移動するピストン部と、
    前記ピストン部の移動に伴って液体が流れる第1流路部と、
    流入流路を通じて液体が流入する背圧室を有し、前記背圧室における液体の圧力によって前記第1流路部における液体の流れを制御するバルブ部と、
    前記第1流路部と並列に設けられると共に前記流入流路よりも上流で前記第1流路部から分岐する第2流路部と、
    軸方向において移動可能に設けられ、前記軸方向を向く第1面および前記軸方向の交差方向を向く第2面のいずれか一方で前記背圧室の液体の圧力を制御し、他方で前記第2流路部における液体の流れを制御する制御部と、
    を備えることを特徴とする圧力緩衝装置。
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