JP2023017521A - タイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、車両からの静電気を路面に逃がしやすい構造を有するタイヤを提供することを目的とする。【解決手段】本発明のタイヤは、トレッド部と、一対のビード部に埋設された一対のビードコアと、カーカス本体部とカーカス折り返し部とからなる1枚以上のカーカスプライからなるカーカスと、1層以上の補強層からなる補強部材と、を備え、ビードフィラのタイヤ幅方向外側にゴムチェーファが配置され、前記タイヤは、導電部材をさらに備え、前記導電部材のタイヤ径方向内側端は、前記ゴムチェーファのタイヤ径方向外側端又は前記ゴムチェーファのタイヤ径方向外側端よりもタイヤ径方向内側であるタイヤ径方向領域に位置し、前記導電部材は、前記タイヤ径方向内側端からタイヤ径方向外側に、少なくとも、前記1層以上の補強層のうち、導電性を有するいずれかの前記補強層の位置まで延びる。【選択図】図1

Description

本発明は、タイヤに関するものである。
例えば、特許文献1に記載されているように、1枚以上のカーカスプライからなるカーカスを備えたタイヤが知られている。
特開2015-20499号公報
近年、タイヤにおいては転がり抵抗を低減することが求められている。このため、カーカスプライの被覆ゴムの損失正接を小さくするために、例えば被覆ゴムのカーボンの量を減らすことがある。しかしながら、カーボンの量を減らすと、被覆ゴムの電気抵抗が大きくなり、ビード部からトレッド踏面までの導電パスがカーカスプライによって遮断されてしまうおそれがあった。この場合、車両からビード部に伝わる静電気をトレッド踏面から路面へと逃がしにくくなる場合があった。
そこで、本発明は、車両からの静電気を路面に逃がしやすい構造を有するタイヤを提供することを目的とする。
本発明の要旨構成は、以下の通りである。
(1)トレッド部と、
一対のビード部に埋設された一対のビードコアと、
前記一対のビードコアにトロイダル状に跨るカーカス本体部と、前記カーカス本体部から前記ビードコアの周りに折り返されて延びるカーカス折り返し部と、からなる1枚以上のカーカスプライからなるカーカスと、
前記カーカスのクラウン部のタイヤ径方向外側に配置された、1層以上の補強層からなる補強部材と、を備えたタイヤであって、
前記ビードコアのタイヤ径方向外側にビードフィラが配置され、前記ビードフィラのタイヤ幅方向外側にゴムチェーファが配置され、
前記タイヤは、導電部材をさらに備え、
前記導電部材のタイヤ径方向内側端は、前記ゴムチェーファのタイヤ径方向外側端又は前記ゴムチェーファのタイヤ径方向外側端よりもタイヤ径方向内側であるタイヤ径方向領域に位置し、
前記導電部材は、前記タイヤ径方向内側端からタイヤ径方向外側に、少なくとも、前記1層以上の補強層のうち、導電性を有するいずれかの前記補強層の位置まで延びることを特徴とする、タイヤ。
(2)一対の前記導電部材を有し、
前記導電部材のタイヤ径方向外側端は、前記1層以上の補強層のうち、前記導電性を有するいずれかの補強層の位置で終端する、上記(1)に記載のタイヤ。
(3)前記導電部材のタイヤ径方向外側端は、前記カーカスのクラウン部と、導電性を有する前記1層以上の補強層のうち、タイヤ径方向最内側の前記補強層との間のタイヤ径方向領域において終端する、上記(2)に記載のタイヤ。
(4)前記導電部材のタイヤ径方向外側端は、前記トレッド部と、導電性を有する前記1層以上の補強層のうち、タイヤ径方向最外側の前記補強層との間のタイヤ径方向領域において終端する、上記(2)に記載のタイヤ。
(5)2層以上の前記補強層を有し、前記導電部材のタイヤ径方向外側端は、タイヤ径方向に隣接する導電性を有する2層の前記補強層間のタイヤ径方向領域において終端する、上記(2)に記載のタイヤ。
(6)前記補強層は、ベルト、ベルト補強層、及び補強ゴムのいずれかである、上記(1)~(5)のいずれか1つに記載のタイヤ。
(7)前記導電部材は、導電性の繊維部材である、上記(1)~(6)のいずれか1つに記載のタイヤ。
(8)前記導電性の繊維部材は、コットン繊維とSUSの破片とを混撚されたものである、上記(7)に記載のタイヤ。
本発明によれば、車両からの静電気を路面に逃がしやすい構造を有するタイヤを提供することができる。
本発明の第1の実施形態にかかるタイヤのタイヤ構造の模式図である。 本発明の第2の実施形態にかかるタイヤのタイヤ構造の模式図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に例示説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態にかかるタイヤのタイヤ構造の模式図である。このタイヤ1は、本例では空気入りタイヤである。図1に模式的に示すように、タイヤ1は、一対のビード部2と、カーカス3と、カーカス3のタイヤ径方向外側に配置された補強部材と、トレッド部5とを備えている。
一対のビード部2には、一対のビードコア2aが埋設され、ビードコア2aのタイヤ径方向外側にはビードフィラ2bが配置されている。ビードコア2aの断面形状や材質は特に限定されず、タイヤにおいて通常用いられる構成とすることができる。ビードフィラ2bは、断面略三角形状の形状を有するものとすることができるが、ビードフィラ2bの断面形状は、この例に限定されるものではなく、材質も特に限定されない。
カーカス3は、一対のビードコアにトロイダル状に跨るカーカス本体部3aと、カーカス本体部3aからビードコア2aの周りに折り返されて延びるカーカス折り返し部3bと、からなる1枚以上のカーカスプライからなる。本実施形態において、カーカスプライは、有機繊維がゴム被覆されたものであり、被覆ゴムは損失正接が小さいものである。これにより、タイヤの転がり抵抗を低減することができる。
ここで、「損失正接」とは、動的引張粘弾性測定試験機を用いて、加硫ゴムの、厚さ2mm、幅5mm、長さ20mmの試験片に、温度60°C、周波数52Hz、初期歪2%、動歪1%の条件において得た動的損失弾性率E´´値と動的貯蔵弾性率E´の値との比(E´´/E´)を指す。本実施形態でにおいて、カーカスプライは非電導である(タイヤ内部の静電気を路面に逃がす導電パスとしては十分に機能しないものである)。
また、ビードフィラ2bのタイヤ幅方向外側にゴムチェーファ(ガムチェーファ)6が配置されている。ゴムチェーファ6は、カーカス折り返し部3bをタイヤ幅方向外側から覆っている。ゴムチェーファ6は、導電性を有する。ゴムチェーファ6は、ビード部2のリムとの接触部分の少なくとも一部に配置される。
また、ビードコア2aの周りには、キャンバスチェーファ7が配置されている。キャンバスチェーファ7は、ビードコア2aのタイヤ径方向内側及びタイヤ幅方向両側を覆っている。キャンバスチェーファ7は、導電性を有する。キャンバスチェーファ7は、織物と当該織物に含侵したゴムとからなる。織物は、縦糸と横糸とからなり、縦糸と横糸は有機繊維からなる。
図1に示すように、ビードコア2aのタイヤ径方向内側(図示例では、カーカス折り返し部3bのタイヤ径方向内側であって、キャンバスチェーファ7のタイヤ径方向内側)には、スキージゴム8が配置されている。これにより、カーカスプライとキャンバスチェーファ7との接触を防止して、擦れによる故障を抑制することができる。スキージゴム8は、非電導である。
ここで、カーカス3のクラウン部のタイヤ径方向外側には、1層以上の補強層からなる補強部材が配置されている。図示例では、補強部材は、2層のベルト層4a、4bからなるベルト4と、ベルト4のタイヤ径方向外側に配置された1層のベルト補強層9と、ベルト補強層9のタイヤ径方向外側に配置された補強ゴム(トレッドアンダークッション)10と、を備えている。
ベルト層4a、4bは、層間で互いに交差するようにタイヤ周方向に対して(例えば30~60°の傾斜角度で)傾斜したベルトコードがゴム被覆されたプライからなる。ベルトコードは、例えばスチールコードとすることができる。このように、ベルト層4a、4bは、導電性を有する。なお、本例では、ベルト層は2層であるが、1層以上であれば良く、また、タイヤ周方向に対する傾斜角度も上記の範囲には限定されない。
ベルト補強層9は、タイヤ周方向に延びるコードがゴム被覆されたプライからなる。本例では、ベルト層9は、ベルト4のタイヤ幅方向端部のみを覆う一対のレイヤー層である。コードは、例えばスチールコードとすることができる。ベルト補強層9は、非電導である。ベルト補強層9がレイヤー層である場合は、ベルト端部に対応した位置以外にはベルト層は配置されていないため、一対のレイヤー層間のタイヤ幅方向領域が導電パスを形成する。なお、本例では、ベルト補強層9は、1層のレイヤー層としているが、2層以上とすることもでき、例えば、ベルト4とレイヤー層とのタイヤ径方向の間に、ベルト幅全体を覆う、いわゆるキャップ層をさらに配置することもできる。あるいは、キャップ層のみを配置することもできる。キャップ層の場合は、導電性とする。各補強層は、導電パスを形成するように、導電性を有するか、あるいは、非電導であるが、タイヤ幅方向の一部のみに配置されることにより、当該補強層が配置されない箇所が導電パスとなるものとする。なお、本実施形態において、タイヤ1は、必ずしもベルト補強層9を有していなくても良い。また、ベルト補強層9は、ベルト4よりもタイヤ径方向内側に配置することもできる。
補強ゴム(トレッドアンダークッション)10は、図示例では、トレッド部5とベルト補強層9とのタイヤ径方向の間に配置されている。トレッドアンダークッション10は、導電性を有する。
トレッド部5は、導電しにくい。トレッド部5は、例えばいわゆるキャップ・アンド・ベース構造とすることができ、ベースゴムのタイヤ径方向外側にキャップゴムが配置された構成とすることができる。トレッド部5のタイヤ幅方向の一部は、アンテナゴム5aとなっている。アンテナゴム5aは、導電性を有する。アンテナゴム5aは、タイヤ周方向に連続して配置されることもでき、あるいは、断続的に配置されることもできる。
ここで、本実施形態のタイヤ1は、導電部材11をさらに備えている。本例では、導電部材11は、導電性の繊維部材である。導電性の繊維部材は、例えば、コットン繊維とSUSの破片とを混撚されたものとすることができる。これにより、軽量且つ導電性を有する繊維とすることができる。軽量化のためには、繊維は1本のみからなることが好ましい。
ここで、導電部材11のタイヤ径方向内側端は、ゴムチェーファ6のタイヤ径方向外側端又は図示のようにゴムチェーファ6のタイヤ径方向外側端よりもタイヤ径方向内側であるタイヤ径方向領域に位置する。これにより、ゴムチェーファ6と導電部材11のタイヤ径方向内側端とが電気的に接する。また、導電部材11は、タイヤ径方向内側端からタイヤ径方向外側に、少なくとも、1層以上の補強層のうち、導電性を有するいずれかの補強層の位置まで延びている。図1に示す第1の実施形態では、タイヤ1は、タイヤ赤道面を境界とするタイヤ幅方向半部に1本ずつの一対の導電部材11を有し、従って、各導電部材11は、タイヤ径方向外側端を有している。そして、導電部材11のタイヤ径方向外側端は、1層以上の補強層のうち、導電性を有するいずれかの補強層の端部(図示例では、ベルト層4a)の位置で終端している。すなわち、導電部材11のタイヤ径方向外側端は、カーカス3のクラウン部と、1層以上の補強層のうち、導電性を有するタイヤ径方向最内側の補強層(図示例では、ベルト層4a)との間のタイヤ径方向領域において終端している。これにより、導電部材11のタイヤ径方向外側端とベルト4aとが電気的に接している。
以下、第1の実施形態にかかるタイヤの作用効果について説明する。
このタイヤ1では、まず、カーカスプライの被覆ゴムに上述の損失正接の低いゴムを用いているため、転がり抵抗を低減して燃費性を向上させることができる。カーカス3は、非電導である。
一方で、このタイヤ1では、ゴムチェーファ6、ベルト層4a、4b、一対のベルト補強層9間のタイヤ幅方向領域、トレッドアンダークッション10、アンテナゴム5aが導電性である。そして、導電部材11のタイヤ径方向内側端は、ゴムチェーファ6のタイヤ径方向外側端又は図示のようにゴムチェーファ6のタイヤ径方向外側端よりもタイヤ径方向内側であるタイヤ径方向領域に位置するため、ゴムチェーファ6と導電部材11とが電気的に接した状態となる。また、導電部材11は、タイヤ径方向内側端からタイヤ径方向外側に、少なくとも、1層以上の補強層のうち、導電性を有するいずれかの補強層の位置まで延びている(図示例では、導電部材11のタイヤ径方向外側端は、ベルト層4aの端部の位置で終端している)ため、導電部材11とベルト層4aとが電気的に接した状態となる。
従って、このタイヤ1では、ゴムチェーファ6、導電部材11、ベルト層4a、ベルト層4b、一対のベルト補強層9間のタイヤ幅方向領域、トレッドアンダークッション10、及びアンテナゴム5aの順に静電気が逃げることのできる導電パスが形成されている。これにより、図1に矢印で示したように、車両からタイヤ内部に蓄積された静電気を上記の導電パスを通して、ゴムチェーファ6からベルト4へ、ベルト4から路面へと逃がすことができる。
このように、カーカスプライの被覆ゴムを上記のような転がり抵抗を低減するものとした場合であっても、車両からの静電気を路面に逃がしやすい構造となる。
また、導電部材11は、導電性の繊維部材であるため、導電部材11の追加による重量増を抑制して転がり抵抗の増大を抑制することができる。また、特に、導電性の繊維部材を、コットン繊維とSUSの破片とを混撚されたものとすることで、軽量且つ導電性を有するものとすることができる。
特に、第1の実施形態では、タイヤ径方向最内側の補強層であるベルト層4bと導電部材11とが、電気的に接し、且つ、ベルト層4bの端部の位置で終端する構成としているため、導電部材11の延在長さを短くして、重量増をさらに抑制して、転がり抵抗の増大をさらに抑制することができる。
(第2の実施形態)
図2は、本発明の第2の実施形態にかかるタイヤのタイヤ構造の模式図である。第2の実施形態のタイヤ12は、導電部材13の配置のみが第1の実施形態と異なっており、他の部材の構成や導電部材13の材質等は、第1の実施形態と共通しているため、説明を省略する。
まず、導電部材13のタイヤ径方向内側端は、ゴムチェーファ6のタイヤ径方向外側端又は図示のようにゴムチェーファ6のタイヤ径方向外側端よりもタイヤ径方向内側であるタイヤ径方向領域に位置しており、この点は、第1の実施形態と同様である。
導電部材13は、タイヤ径方向内側端からタイヤ径方向外側に、少なくとも、1層以上の補強層のうち、導電性を有するいずれかの補強層の位置まで延びており、一対の導電部材13について、導電部材13のタイヤ径方向外側端は、1層以上の補強層のうち、導電性を有するいずれかの補強層の端部の位置で終端している。
図2に示すように、第2の実施形態にかかるタイヤ12では、導電部材13のタイヤ径方向外側端は、トレッド部5と、1層以上の補強層のうち、導電性を有するタイヤ径方向最外側の補強層(図示例ではトレッドアンダークッション10)との間のタイヤ径方向領域において終端している点で、第1の実施形態と異なっている。
以下、第2の実施形態のタイヤの作用効果について説明する。
第2の実施形態についても、カーカスプライの被覆ゴムに上述の損失正接の低いゴムを用いているため、転がり抵抗を低減して燃費性を向上させることができる。カーカス3は、非電導である。
一方で、このタイヤ12では、ゴムチェーファ6、ベルト層4a、4b、一対のベルト補強層9間のタイヤ幅方向領域、トレッドアンダークッション10、アンテナゴム5aが導電性である。そして、導電部材13のタイヤ径方向内側端は、ゴムチェーファ6のタイヤ径方向外側端又は図示のようにゴムチェーファ6のタイヤ径方向外側端よりもタイヤ径方向内側であるタイヤ径方向領域に位置するため、ゴムチェーファ6と導電部材13とが電気的に接した状態となる。また、導電部材13は、タイヤ径方向内側端からタイヤ径方向外側に、少なくとも、1層以上の補強層のうち、導電性を有するいずれかの補強層の位置まで延びている(図示例では、導電部材13のタイヤ径方向外側端は、トレッドアンダークッション10の端部の位置で終端している)ため、導電部材13とトレッドアンダークッション10とが電気的に接した状態となる。
従って、このタイヤ12では、ゴムチェーファ6、導電部材11、トレッドアンダークッション10、及びアンテナゴム5aの順に静電気が逃げることのできる導電パスが形成されている。これにより、図2に矢印で示したように、車両からタイヤ内部に蓄積された静電気を上記の導電パスを通して路面へと逃がすことができる。
このように、カーカスプライの被覆ゴムを上記のような転がり抵抗を低減するものとした場合であっても、車両からの静電気を路面に逃がしやすい構造となる。
また、導電部材13は、導電性の繊維部材であるため、導電部材13の追加による重量増を抑制して転がり抵抗の増大を抑制することができる。また、特に、導電性の繊維部材を、コットン繊維とSUSの破片とを混撚されたものとすることで、軽量且つ導電性を有するものとすることができる。
特に、第2の実施形態では、タイヤ径方向最外側の補強層であるトレッドアンダークッション10と導電部材13とが、電気的に接しているため、より確実に静電気を路面へと逃がすことができる。この場合、タイヤ径方向に見ると導電部材13の長さが(例えば第1の実施形態の場合と比較して)長くなってしまう。そこで、本例では、トレッドアンダークッション10のタイヤ幅方向の幅を最大幅ベルト層(本例ではベルト層4b)のタイヤ幅方向の幅より大きくし、且つ、導電部材13がトレッドアンダークッション10の端部の位置で終端する構成としているため、導電部材13のタイヤ幅方向で見た延在長さを短くして、重量増を抑制して、転がり抵抗の増大を抑制している。
なお、図1、図2の他にも、タイヤが2層以上の補強層を有する場合において、導電部材のタイヤ径方向外側端が、導電性を有しタイヤ径方向に隣接する2層の補強層間のタイヤ径方向領域において終端する構成とすることもできる。この場合も、カーカスプライの被覆ゴムを上記のような転がり抵抗を低減するものとした場合であっても、車両からの静電気を路面に逃がしやすい構造となる。導電部材のタイヤ径方向の延在長さは、第2の実施形態の場合より短くなるため、軽量化の効果を得ることができ、また、導電パスを形成する部材数が第1の実施形態の場合よりは少なくなるため、より確実に静電気を逃がす効果を得ることができる。
上記の実施形態では、一対の導電部材を有する場合を例示したが、この場合には限られず、1つの導電部材が、一方のタイヤ幅方向半部におけるゴムチェーファのタイヤ径方向外側端又はゴムチェーファのタイヤ径方向外側端よりもタイヤ径方向内側であるタイヤ径方向領域から、他方のタイヤ幅方向半部におけるゴムチェーファのタイヤ径方向外側端又はゴムチェーファのタイヤ径方向外側端よりもタイヤ径方向内側であるタイヤ径方向領域まで連続的に延在する構成とすることもできる。このとき、導電部材は、1層以上の補強層のうち、導電性を有するいずれかの補強層全域を延びる。このような構成によっても、車両からの静電気を路面に逃がしやすい構造となる。
一態様において、導電部材のタイヤ径方向内側端は、ゴムチェーファと電気的に接している(すなわち、導電部材は、そのタイヤ径方向内側端がゴムチェーファと導電パスを形成するように構成されている)。導電部材は、タイヤ径方向内側端からタイヤ径方向外側に、少なくとも、1層以上の補強層のうち導電性を有するいずれかの補強層と電気的に接している(すなわち、導電部材は、導電性を有する当該補強層と導電パスを形成するように構成されている)。好ましくは、一対の導電部材を有し、導電部材のタイヤ径方向外側端は、1層以上の補強層のうち、導電性を有するいずれかの補強層と電気的に接している(すなわち、導電部材は、そのタイヤ径方向外側端において、導電性を有する当該補強層と導電パスを形成するように構成されている)。
1:タイヤ、 2:ビード部、 3:カーカス、 4:ベルト、
5:トレッド部、 6:ゴムチェーファ、 7:キャンバスチェーファ、
8:スキージゴム、 9:ベルト補強層、 10:トレッドアンダークッション、
11:導電部材、 12:タイヤ、 13:導電部材

Claims (8)

  1. トレッド部と、
    一対のビード部に埋設された一対のビードコアと、
    前記一対のビードコアにトロイダル状に跨るカーカス本体部と、前記カーカス本体部から前記ビードコアの周りに折り返されて延びるカーカス折り返し部と、からなる1枚以上のカーカスプライからなるカーカスと、
    前記カーカスのクラウン部のタイヤ径方向外側に配置された、1層以上の補強層からなる補強部材と、を備えたタイヤであって、
    前記ビードコアのタイヤ径方向外側にビードフィラが配置され、前記ビードフィラのタイヤ幅方向外側にゴムチェーファが配置され、
    前記タイヤは、導電部材をさらに備え、
    前記導電部材のタイヤ径方向内側端は、前記ゴムチェーファのタイヤ径方向外側端又は前記ゴムチェーファのタイヤ径方向外側端よりもタイヤ径方向内側であるタイヤ径方向領域に位置し、
    前記導電部材は、前記タイヤ径方向内側端からタイヤ径方向外側に、少なくとも、前記1層以上の補強層のうち、導電性を有するいずれかの前記補強層の位置まで延びることを特徴とする、タイヤ。
  2. 一対の前記導電部材を有し、
    前記導電部材のタイヤ径方向外側端は、前記1層以上の補強層のうち、前記導電性を有するいずれかの補強層の位置で終端する、請求項1に記載のタイヤ。
  3. 前記導電部材のタイヤ径方向外側端は、前記カーカスのクラウン部と、導電性を有する前記1層以上の補強層のうち、タイヤ径方向最内側の前記補強層との間のタイヤ径方向領域において終端する、請求項2に記載のタイヤ。
  4. 前記導電部材のタイヤ径方向外側端は、前記トレッド部と、導電性を有する前記1層以上の補強層のうち、タイヤ径方向最外側の前記補強層との間のタイヤ径方向領域において終端する、請求項2に記載のタイヤ。
  5. 2層以上の前記補強層を有し、
    前記導電部材のタイヤ径方向外側端は、タイヤ径方向に隣接する導電性を有する2層の前記補強層間のタイヤ径方向領域において終端する、請求項2に記載のタイヤ。
  6. 前記補強層は、ベルト、ベルト補強層、及び補強ゴムのいずれかである、請求項1~5のいずれか一項に記載のタイヤ。
  7. 前記導電部材は、導電性の繊維部材である、請求項1~6のいずれか一項に記載のタイヤ。
  8. 前記導電性の繊維部材は、コットン繊維とSUSの破片とを混撚されたものである、請求項7に記載のタイヤ。
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