JP2020040634A - タイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】タイヤの低ロス化を阻害せず、製造におけるバラつきが生じ難く、導電性の高いタイヤを提供する。
【解決手段】ビード部1のリム6との接触部分の少なくとも一部に、導電性のガムチェーファー7を具え、ベルト5のタイヤ半径方向外側に、導電性のクッションゴム8を有するか、ベルト5のタイヤ幅方向の端部のタイヤ半径方向内側に、ベルトアンダークッション16を有するタイヤであって、前記クッションゴム8又は前記ベルトアンダークッション16の少なくとも一部から、前記ガムチェーファー7の少なくとも一部まで延在する、体積抵抗率が1.0×105Ω・cm以下で且つ厚さが5〜75μmの薄ゴムシート9を具えることを特徴とする、タイヤである。
【選択図】図4
【解決手段】ビード部1のリム6との接触部分の少なくとも一部に、導電性のガムチェーファー7を具え、ベルト5のタイヤ半径方向外側に、導電性のクッションゴム8を有するか、ベルト5のタイヤ幅方向の端部のタイヤ半径方向内側に、ベルトアンダークッション16を有するタイヤであって、前記クッションゴム8又は前記ベルトアンダークッション16の少なくとも一部から、前記ガムチェーファー7の少なくとも一部まで延在する、体積抵抗率が1.0×105Ω・cm以下で且つ厚さが5〜75μmの薄ゴムシート9を具えることを特徴とする、タイヤである。
【選択図】図4
Description
本発明は、タイヤに関するものである。
近年、タイヤの低燃費性への要求の高まりに伴い、タイヤのケースゴム(サイドゴム、ベルトやカーカスのコーディングゴム等)の低ロス化(低ヒステリシスロス化)が進んできている。しかしながら、タイヤのケースゴムの低ロス化のために、カーボンブラックに代えてシリカを高部数で配合したり、カーボンブラックを大粒径化して配合量を低部数としたゴム組成物を適用すると、ケースゴムの電気抵抗値が上昇してしまう。ケースゴムの電気抵抗値が上昇すると、トレッドゴムからリムまでの導電パスを遮断してしまい、タイヤの電気抵抗が上昇して、ラジオノイズや、車両のドアを開閉する際の静電気発生等につながるため、タイヤの電気抵抗を低下させる技術が必要となる。
これに対して、従来、タイヤの電気抵抗を低下させるために、ケースゴムの内面や外面に導電性のゴム層を設けたり、導電性のゴムセメントを塗布して薄膜を形成する等の手法が採られてきた(特許文献1〜5参照)。
これに対して、従来、タイヤの電気抵抗を低下させるために、ケースゴムの内面や外面に導電性のゴム層を設けたり、導電性のゴムセメントを塗布して薄膜を形成する等の手法が採られてきた(特許文献1〜5参照)。
しかしながら、導電性のゴム層を設ける場合、導電性を発現させるために、小粒径のカーボンブラックを使用する必要があるため高ロス化が必要であり、100μm以上の厚さがあるゴム層では、タイヤの低ロス化が阻害されてしまう。一方、導電性のゴムセメントや塗料を塗布して100μm以下の薄膜を形成する場合は、膜厚が不均一になり、製造におけるバラつきが生じ易いという課題があった。
そこで、本発明は、上記従来技術の問題を解決し、タイヤの低ロス化を阻害せず、製造におけるバラつきが生じ難く、導電性の高いタイヤを提供することを課題とする。
上記課題を解決する本発明の要旨構成は、以下の通りである。
本発明の第1のタイヤは、一対のビード部及び一対のサイドウォール部と、両サイドウォール部に連なるトレッド部と、を有し、
前記一対のビード部間に跨ってトロイド状に延在する、少なくとも1枚のカーカスプライからなるカーカスと、
前記カーカスのクラウン部のタイヤ半径方向外側に配置された、少なくとも1枚のベルト層からなるベルトと、
前記ビード部のリムとの接触部分の少なくとも一部に配置された、体積抵抗率が1.0×107Ω・cm以下のガムチェーファーと、を具え、
(1)前記ベルトのタイヤ半径方向外側に、体積抵抗率が1.0×107Ω・cm以下のクッションゴムを有するか、
(2)前記ベルトのベルト層の少なくとも1枚のタイヤ幅方向の端部のタイヤ半径方向内側に、体積抵抗率が1.0×107Ω・cm以下のベルトアンダークッションを有する、タイヤであって、
前記クッションゴム又は前記ベルトアンダークッションの少なくとも一部から、前記ガムチェーファーの少なくとも一部まで延在する、体積抵抗率が1.0×105Ω・cm以下で且つ厚さが5〜75μmの薄ゴムシートを具えることを特徴とする。
かかる本発明の第1のタイヤは、タイヤの低ロス化を阻害せず、製造におけるバラつきが生じ難く、導電性に優れる。
前記一対のビード部間に跨ってトロイド状に延在する、少なくとも1枚のカーカスプライからなるカーカスと、
前記カーカスのクラウン部のタイヤ半径方向外側に配置された、少なくとも1枚のベルト層からなるベルトと、
前記ビード部のリムとの接触部分の少なくとも一部に配置された、体積抵抗率が1.0×107Ω・cm以下のガムチェーファーと、を具え、
(1)前記ベルトのタイヤ半径方向外側に、体積抵抗率が1.0×107Ω・cm以下のクッションゴムを有するか、
(2)前記ベルトのベルト層の少なくとも1枚のタイヤ幅方向の端部のタイヤ半径方向内側に、体積抵抗率が1.0×107Ω・cm以下のベルトアンダークッションを有する、タイヤであって、
前記クッションゴム又は前記ベルトアンダークッションの少なくとも一部から、前記ガムチェーファーの少なくとも一部まで延在する、体積抵抗率が1.0×105Ω・cm以下で且つ厚さが5〜75μmの薄ゴムシートを具えることを特徴とする。
かかる本発明の第1のタイヤは、タイヤの低ロス化を阻害せず、製造におけるバラつきが生じ難く、導電性に優れる。
なお、本発明において、「体積抵抗率」は、JIS K 6271−1:2015に従って測定した値である。
また、本発明において、「薄ゴムシートの厚さ」は、任意の3点を測定した平均値である。
また、本発明において、「薄ゴムシートの厚さ」は、任意の3点を測定した平均値である。
本発明の第1のタイヤの好適例においては、前記ベルトのタイヤ幅方向の端部と前記カーカスとの間に、前記ベルトアンダークッションの少なくとも一部が挿入されている。かかる構成のタイヤは、乗用車用タイヤとして好適である。
また、本発明の第1のタイヤは、前記ベルトとして、2枚以上のベルト層を有し、その内の1枚のベルト層のタイヤ幅方向の端部と隣接する他の1枚のベルト層のタイヤ幅方向の端部との間に、前記ベルトアンダークッションの少なくとも一部が挿入されていることも好ましい。かかる構成のタイヤは、トラック・バス用タイヤとして好適である。
また、前記薄ゴムシートは、前記サイドウォール部の外表面の少なくとも一部を覆うことが好ましい。この場合、製造におけるバラつきが更に生じ難くなる。
また、本発明の第1のタイヤは、前記サイドウォール部の前記カーカスのタイヤ幅方向外側にサイドゴムを有し、前記薄ゴムシートは、前記サイドウォール部の前記サイドゴムのタイヤ幅方向内側であって、且つ前記カーカスのタイヤ幅方向外側の少なくとも一部を覆うことも好ましい。この場合も、製造におけるバラつきが更に生じ難くなる。
また、本発明の第2のタイヤは、一対のビード部及び一対のサイドウォール部と、両サイドウォール部に連なるトレッド部と、を有し、
前記一対のビード部間に跨ってトロイド状に延在する、少なくとも1枚のカーカスプライからなるカーカスと、
前記カーカスのクラウン部のタイヤ半径方向外側に配置された、少なくとも1枚のベルト層からなるベルトと、
前記ビード部のリムとの接触部分の少なくとも一部に配置された、体積抵抗率が1.0×107Ω・cm以下のガムチェーファーと、を具えるタイヤであって、
前記ベルトの少なくとも一部と、前記カーカスのクラウン部の少なくとも一部とは、体積抵抗率が1.0×107Ω・cm以下の導電性ゴムからなり、
前記ベルトの導電性ゴムと、前記カーカスの導電性ゴムとは、互いに接触しており、
前記カーカスの導電性ゴムの少なくとも一部から、前記ガムチェーファーの少なくとも一部まで延在して、前記サイドウォール部の前記カーカスのタイヤ幅方向内側の少なくとも一部を覆う、体積抵抗率が1.0×105Ω・cm以下で且つ厚さが5〜75μmの薄ゴムシートを具えることを特徴とする。
かかる本発明の第2のタイヤも、タイヤの低ロス化を阻害せず、製造におけるバラつきが生じ難く、導電性に優れる。
前記一対のビード部間に跨ってトロイド状に延在する、少なくとも1枚のカーカスプライからなるカーカスと、
前記カーカスのクラウン部のタイヤ半径方向外側に配置された、少なくとも1枚のベルト層からなるベルトと、
前記ビード部のリムとの接触部分の少なくとも一部に配置された、体積抵抗率が1.0×107Ω・cm以下のガムチェーファーと、を具えるタイヤであって、
前記ベルトの少なくとも一部と、前記カーカスのクラウン部の少なくとも一部とは、体積抵抗率が1.0×107Ω・cm以下の導電性ゴムからなり、
前記ベルトの導電性ゴムと、前記カーカスの導電性ゴムとは、互いに接触しており、
前記カーカスの導電性ゴムの少なくとも一部から、前記ガムチェーファーの少なくとも一部まで延在して、前記サイドウォール部の前記カーカスのタイヤ幅方向内側の少なくとも一部を覆う、体積抵抗率が1.0×105Ω・cm以下で且つ厚さが5〜75μmの薄ゴムシートを具えることを特徴とする。
かかる本発明の第2のタイヤも、タイヤの低ロス化を阻害せず、製造におけるバラつきが生じ難く、導電性に優れる。
本発明のタイヤ(第1のタイヤ、第2のタイヤ、以下、単に「本発明のタイヤ」と称することがある。)において、前記薄ゴムシートは、全ての厚さが平均厚さの±30%以内であることが好ましい。この場合、タイヤの導電性のバラつきが更に小さくなる。
本発明のタイヤにおいて、前記薄ゴムシートは、50%伸長時の体積抵抗率が1.0×106Ω・cm以下であることが好ましい。この場合、製造におけるバラつきが更に生じ難くなる。
本発明のタイヤにおいて、前記薄ゴムシートは、ジブチルフタレート(DBP)吸油量が60〜500mL/100gのカーボンブラックを、ゴム成分100質量部に対して20〜100質量部含むことが好ましい。この場合、タイヤの導電性が更に向上し、製造におけるバラつきが更に生じ難くなる。
なお、ジブチルフタレート(DBP)吸油量は、JIS K6217−4:2008に従って測定した値である。
なお、ジブチルフタレート(DBP)吸油量は、JIS K6217−4:2008に従って測定した値である。
本発明のタイヤにおいて、前記薄ゴムシートは、ジブチルフタレート(DBP)吸油量が60〜500mL/100gのカーボンブラックを、ゴム成分100質量部に対して20〜40質量部、及び、平均長さが0.5〜50μmで且つ平均直径が0.5〜500nmの炭素繊維を、ゴム成分100質量部に対して3〜20質量部含むことも好ましい。この場合も、タイヤの導電性が更に向上し、製造におけるバラつきが更に生じ難くなる。
本発明のタイヤにおいて、前記薄ゴムシートは、タイヤの成形時における網目量が、当該薄ゴムシートを適正加硫条件で加硫した際の全網目量の10〜80%であることが好ましい。この場合、製造におけるバラつきが更に生じ難くなる。
ここで、「適正加硫条件」とは、145℃で、薄ゴムシートの元ゴムを加硫した際に、当該元ゴム(原材料)のトルクが最大値の90%に到達するまでの時間の1.5〜2.5倍の時間条件であり、また、「網目量」は、トルエン膨潤法で測定する。
ここで、「適正加硫条件」とは、145℃で、薄ゴムシートの元ゴムを加硫した際に、当該元ゴム(原材料)のトルクが最大値の90%に到達するまでの時間の1.5〜2.5倍の時間条件であり、また、「網目量」は、トルエン膨潤法で測定する。
本発明のタイヤにおいて、前記薄ゴムシートは、キノイド架橋用架橋剤を、ゴム成分100質量部に対して0.1〜2.0質量部含むことが好ましい。この場合も、製造におけるバラつきが更に生じ難くなる。
本発明のタイヤにおいて、前記薄ゴムシートは、キサントゲン酸塩類及びジチオカルバミン酸塩類から選択される少なくとも1種の加硫促進剤を、ゴム成分100質量部に対して0.01〜0.5質量部含むことが好ましい。この場合も、製造におけるバラつきが更に生じ難くなる。
本発明のタイヤにおいて、前記薄ゴムシートは、天然ゴム及び/又はイソプレンゴムを、ゴム成分100質量部中20質量部以上含むことが好ましい。この場合も、製造におけるバラつきが更に生じ難くなる。
本発明のタイヤにおいて、前記薄ゴムシートは、軟化点が80℃以上の熱可塑性樹脂を、ゴム成分100質量部に対して1質量部以上含むことが好ましい。この場合も、製造におけるバラつきが更に生じ難くなる。
本発明のタイヤにおいて、前記薄ゴムシートは、硫黄の含有量が、ゴム成分100質量部に対して1.5質量部以下であることが好ましい。この場合も、製造におけるバラつきが更に生じ難くなる。
本発明によれば、タイヤの低ロス化を阻害せず、製造におけるバラつきが生じ難く、導電性の高いタイヤを提供することができる。
以下に、本発明のタイヤを、その実施形態に基づき、詳細に例示説明する。
本発明の第1のタイヤは、一対のビード部及び一対のサイドウォール部と、両サイドウォール部に連なるトレッド部と、を有し、前記一対のビード部間に跨ってトロイド状に延在する、少なくとも1枚のカーカスプライからなるカーカスと、前記カーカスのクラウン部のタイヤ半径方向外側に配置された、少なくとも1枚のベルト層からなるベルトと、前記ビード部のリムとの接触部分の少なくとも一部に配置された、体積抵抗率が1.0×107Ω・cm以下のガムチェーファーと、を具える。
また、本発明の第1のタイヤは、(1)前記ベルトのタイヤ半径方向外側に、体積抵抗率が1.0×107Ω・cm以下のクッションゴムを有するか、(2)前記ベルトのベルト層の少なくとも1枚のタイヤ幅方向の端部のタイヤ半径方向内側に、体積抵抗率が1.0×107Ω・cm以下のベルトアンダークッションを有し、前記クッションゴム又は前記ベルトアンダークッションの少なくとも一部から、前記ガムチェーファーの少なくとも一部まで延在する、体積抵抗率が1.0×105Ω・cm以下で且つ厚さが5〜75μmの薄ゴムシートを具えることを特徴とする。なお、本発明の第1のタイヤは、クッションゴム及びベルトアンダークッションの両方を有してもよい。
本発明の第1のタイヤにおいては、クッションゴム又はベルトアンダークッションと、薄ゴムシートと、ガムチェーファーとが接続して導電パスを形成しており、車両において発生した静電気をトレッド部まで伝えることができる。
また、本発明の第1のタイヤは、(1)前記ベルトのタイヤ半径方向外側に、体積抵抗率が1.0×107Ω・cm以下のクッションゴムを有するか、(2)前記ベルトのベルト層の少なくとも1枚のタイヤ幅方向の端部のタイヤ半径方向内側に、体積抵抗率が1.0×107Ω・cm以下のベルトアンダークッションを有し、前記クッションゴム又は前記ベルトアンダークッションの少なくとも一部から、前記ガムチェーファーの少なくとも一部まで延在する、体積抵抗率が1.0×105Ω・cm以下で且つ厚さが5〜75μmの薄ゴムシートを具えることを特徴とする。なお、本発明の第1のタイヤは、クッションゴム及びベルトアンダークッションの両方を有してもよい。
本発明の第1のタイヤにおいては、クッションゴム又はベルトアンダークッションと、薄ゴムシートと、ガムチェーファーとが接続して導電パスを形成しており、車両において発生した静電気をトレッド部まで伝えることができる。
また、本発明の第2のタイヤは、本発明の第1のタイヤと同様に、一対のビード部及び一対のサイドウォール部と、両サイドウォール部に連なるトレッド部と、を有し、前記一対のビード部間に跨ってトロイド状に延在する、少なくとも1枚のカーカスプライからなるカーカスと、前記カーカスのクラウン部のタイヤ半径方向外側に配置された、少なくとも1枚のベルト層からなるベルトと、前記ビード部のリムとの接触部分の少なくとも一部に配置された、体積抵抗率が1.0×107Ω・cm以下のガムチェーファーと、を具える。
本発明の第2のタイヤにおいて、前記ベルトの少なくとも一部と、前記カーカスのクラウン部の少なくとも一部とは、体積抵抗率が1.0×107Ω・cm以下の導電性ゴムからなり、また、前記ベルトの導電性ゴムと、前記カーカスの導電性ゴムとは、互いに接触している。
そして、本発明の第2のタイヤは、前記カーカスの導電性ゴムの少なくとも一部から、前記ガムチェーファーの少なくとも一部まで延在して、前記サイドウォール部の前記カーカスのタイヤ幅方向内側の少なくとも一部を覆う、体積抵抗率が1.0×105Ω・cm以下で且つ厚さが5〜75μmの薄ゴムシートを具えることを特徴とする。
本発明の第2のタイヤにおいては、ベルトと、カーカスと、薄ゴムシートと、ガムチェーファーとが接続して導電パスを形成しており、車両において発生した静電気をトレッド部まで伝えることができる。
なお、本発明の第2のタイヤにおいて、前記カーカスプライ及び前記ベルト層は、通常、コードをコーティングゴムで被覆してなり、該ベルト層のコーティングゴムの少なくとも一部と、前記カーカスのクラウン部に位置する、カーカスプライのコーティングゴムの少なくとも一部とが、体積抵抗率が1.0×107Ω・cm以下の導電性ゴムからなることが好ましい。かかる構造のベルト層及びカーカスプライを利用することで、ベルト及びカーカスの導電性を確保し易くなる。
本発明の第2のタイヤにおいて、前記ベルトの少なくとも一部と、前記カーカスのクラウン部の少なくとも一部とは、体積抵抗率が1.0×107Ω・cm以下の導電性ゴムからなり、また、前記ベルトの導電性ゴムと、前記カーカスの導電性ゴムとは、互いに接触している。
そして、本発明の第2のタイヤは、前記カーカスの導電性ゴムの少なくとも一部から、前記ガムチェーファーの少なくとも一部まで延在して、前記サイドウォール部の前記カーカスのタイヤ幅方向内側の少なくとも一部を覆う、体積抵抗率が1.0×105Ω・cm以下で且つ厚さが5〜75μmの薄ゴムシートを具えることを特徴とする。
本発明の第2のタイヤにおいては、ベルトと、カーカスと、薄ゴムシートと、ガムチェーファーとが接続して導電パスを形成しており、車両において発生した静電気をトレッド部まで伝えることができる。
なお、本発明の第2のタイヤにおいて、前記カーカスプライ及び前記ベルト層は、通常、コードをコーティングゴムで被覆してなり、該ベルト層のコーティングゴムの少なくとも一部と、前記カーカスのクラウン部に位置する、カーカスプライのコーティングゴムの少なくとも一部とが、体積抵抗率が1.0×107Ω・cm以下の導電性ゴムからなることが好ましい。かかる構造のベルト層及びカーカスプライを利用することで、ベルト及びカーカスの導電性を確保し易くなる。
本発明のタイヤ(第1のタイヤ、第2のタイヤ)は、体積抵抗率が1.0×105Ω・cm以下の薄ゴムシートを具えるため、導電性に優れる。
また、該薄ゴムシートは、厚さが5〜75μmと、非常に薄く、従来の0.1mm以上のゴムシートに比べてタイヤ重量や性能に及ぼす影響が格段に少ないため、タイヤのヒステリシスロスへの影響が無視でき、低ロス化を阻害しない。
また、従来の導電性のゴムセメントを塗布して配設した導電層は、厚みが不均一になり易く、タイヤ成形時の拡張時に破断して、導電パスが切れてしまう等の問題があったが、本発明のタイヤは、薄ゴムシートを利用するため、厚みが不均一になり難く、製造におけるバラつきが生じ難い。
また、前記薄ゴムシートは、従来の樹脂シートとは異なり、十分な伸びを確保でき、また、隣接ゴム部材との接着性が良好なことから、タイヤ製造工程における応力負荷時や、車両走行時における歪入力時にも破断することがない。
よって、本発明によれば、タイヤの性能や、タイヤの製造に悪影響を及ぼすことなく、タイヤのケース部の電気抵抗を低下させることができるので、タイヤのケース部を低ロス化することによりタイヤの低燃費化を図っても、電気抵抗の上昇による不具合を生じないタイヤを実現することができる。
また、該薄ゴムシートは、厚さが5〜75μmと、非常に薄く、従来の0.1mm以上のゴムシートに比べてタイヤ重量や性能に及ぼす影響が格段に少ないため、タイヤのヒステリシスロスへの影響が無視でき、低ロス化を阻害しない。
また、従来の導電性のゴムセメントを塗布して配設した導電層は、厚みが不均一になり易く、タイヤ成形時の拡張時に破断して、導電パスが切れてしまう等の問題があったが、本発明のタイヤは、薄ゴムシートを利用するため、厚みが不均一になり難く、製造におけるバラつきが生じ難い。
また、前記薄ゴムシートは、従来の樹脂シートとは異なり、十分な伸びを確保でき、また、隣接ゴム部材との接着性が良好なことから、タイヤ製造工程における応力負荷時や、車両走行時における歪入力時にも破断することがない。
よって、本発明によれば、タイヤの性能や、タイヤの製造に悪影響を及ぼすことなく、タイヤのケース部の電気抵抗を低下させることができるので、タイヤのケース部を低ロス化することによりタイヤの低燃費化を図っても、電気抵抗の上昇による不具合を生じないタイヤを実現することができる。
本発明の第1のタイヤは、前記ベルトのタイヤ幅方向の端部と前記カーカスとの間に、前記ベルトアンダークッションの少なくとも一部が挿入されていることが好ましい。かかる構成のタイヤは、ベルトの構造を簡略にできるため、乗用車用タイヤとして好適である。
また、本発明の第1のタイヤは、前記ベルトとして、2枚以上のベルト層を有し、その内の1枚のベルト層のタイヤ幅方向の端部と隣接する他の1枚のベルト層のタイヤ幅方向の端部との間に、前記ベルトアンダークッションの少なくとも一部が挿入されていることも好ましい。かかる構成のタイヤは、ベルト層を2枚以上有して、高荷重に対応できるので、トラック・バス用タイヤとして好適である。
本発明の第1のタイヤにおいて、前記薄ゴムシートは、前記サイドウォール部の外表面の少なくとも一部を覆うことが好ましい。薄ゴムシートがサイドウォール部の外表面の少なくとも一部を覆う場合、薄ゴムシートがサイドウォール部のケース部材(サイドゴム)に支持されるため、製造における、薄ゴムシートの破断が更に生じ難く、タイヤの導電性のバラつきが更に生じ難くなる。
また、本発明の第1のタイヤにおいて、前記薄ゴムシートは、前記サイドウォール部のサイドゴムのタイヤ幅方向内側であって、且つ前記カーカスのタイヤ幅方向外側の少なくとも一部を覆うことも好ましい。薄ゴムシートがサイドウォール部のカーカスのタイヤ幅方向外側の少なくとも一部を覆う場合、薄ゴムシートがサイドウォール部のカーカスに支持されるため、製造における、薄ゴムシートの破断が更に生じ難く、タイヤの導電性のバラつきが更に生じ難くなる。
<薄ゴムシート>
本発明のタイヤにおいて、前記薄ゴムシートは、体積抵抗率が1.0×105Ω・cm以下であり、1.0×104Ω・cm以下であることが好ましい。薄ゴムシートの体積抵抗率が1.0×105Ω・cm以下であれば、タイヤのケース部の導電性を向上させることができる。
本発明のタイヤにおいて、前記薄ゴムシートは、体積抵抗率が1.0×105Ω・cm以下であり、1.0×104Ω・cm以下であることが好ましい。薄ゴムシートの体積抵抗率が1.0×105Ω・cm以下であれば、タイヤのケース部の導電性を向上させることができる。
前記薄ゴムシートは、厚さが5〜75μmであり、10〜50μmであることが好ましい。薄ゴムシートの厚さが5μm未満では、未加硫ゴム状態での成形工程での伸縮により破壊することが多く、また、75μmを超えると、タイヤ性能に及ぼす影響が大きくなる。
前記薄ゴムシートは、全ての厚さが平均厚さの±30%以内であることが好ましく、±20%以内であることが更に好ましく、±15%以内であることがより一層好ましい。全ての厚さが平均厚さの±30%以内である場合、成形時の伸長により、薄い部分のみが伸びて破断に至るのを防止でき、薄ゴムシートの形状及び性能等のバラつきが小さくなり、タイヤの導電性のバラつきを更に小さくできる。
前記薄ゴムシートは、ゴム量を最小限にする観点から、タイヤ周方向に垂直な面において、カーカスコードの配置方向と平行な方向に配されることが好ましい。また、薄ゴムシートのタイヤ周方向における幅は、特に限定されず、タイヤ周方向に連続していてもよいが、所定の幅の帯状のシートを貼り付けるのが作業性の観点から好ましい。この帯状の薄ゴムシートの幅は、1〜200mmの範囲が好ましく、10〜100mmの範囲が更に好ましい。該帯状の薄ゴムシートは、タイヤ周方向に1〜16箇所設けることが好ましく、2〜8箇所設けることが更に好ましい。また、帯状の薄ゴムシートの幅は、拡張時の均一性を考慮して、±10%以内にコントロールすることが望ましい。
前記薄ゴムシートは、50%伸長時の体積抵抗率が1.0×106Ω・cm以下であることが好ましく、5.0×105Ω・cm以下であることが更に好ましい。薄ゴムシートの、50%伸長時の体積抵抗率が1.0×106Ω・cm以下であれば、タイヤの製造時(特には、成形時)に、薄ゴムシートを引き伸ばして貼付しても、薄ゴムシートの導電性の低下が小さく、タイヤの導電性のバラつきを更に小さくできる。
前記薄ゴムシートは、導電剤を含むことが好ましく、該導電剤としては、カーボンブラック、炭素繊維等が挙げられる。薄ゴムシートが導電剤を含むことで、薄ゴムシートの体積抵抗率が低くなる。
前記薄ゴムシートは、ジブチルフタレート(DBP)吸油量が60〜500mL/100gのカーボンブラックを、ゴム成分100質量部に対して20〜100質量部含むことが好ましく、30〜90質量部含むことが更に好ましい。ここで、カーボンブラックのDBP吸油量は、100〜500mL/100gの範囲が更に好ましく、カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して50〜90質量部の範囲が更に好ましい。
DBP吸油量が60mL/100g以上のカーボンブラックを、ゴム成分100質量部に対して20質量部以上含むことで、薄ゴムシートの導電性が向上し、DBP吸油量が500mL/100g以下のカーボンブラックを、ゴム成分100質量部に対して100質量部以下含むことで、薄ゴムシートの破断伸びが大きくなり、製造におけるバラつきが更に生じ難くなる。そのため、薄ゴムシートが、DBP吸油量が60〜500mL/100gのカーボンブラックを、ゴム成分100質量部に対して20〜100質量部含む場合、製造におけるバラつきが更に生じ難くなり、タイヤの導電性が更に向上する。
なお、前記カーボンブラックは、よう素吸着量が10〜300mg/gの範囲であることが好ましい。また、前記カーボンブラックは、粒径が15〜50nmであることが好ましい。カーボンブラックの粒径が15nm以上であれば、取り扱い易く、また、50nm以下であれば、導電性の高い薄ゴムシートを製造し易くなる。
DBP吸油量が60mL/100g以上のカーボンブラックを、ゴム成分100質量部に対して20質量部以上含むことで、薄ゴムシートの導電性が向上し、DBP吸油量が500mL/100g以下のカーボンブラックを、ゴム成分100質量部に対して100質量部以下含むことで、薄ゴムシートの破断伸びが大きくなり、製造におけるバラつきが更に生じ難くなる。そのため、薄ゴムシートが、DBP吸油量が60〜500mL/100gのカーボンブラックを、ゴム成分100質量部に対して20〜100質量部含む場合、製造におけるバラつきが更に生じ難くなり、タイヤの導電性が更に向上する。
なお、前記カーボンブラックは、よう素吸着量が10〜300mg/gの範囲であることが好ましい。また、前記カーボンブラックは、粒径が15〜50nmであることが好ましい。カーボンブラックの粒径が15nm以上であれば、取り扱い易く、また、50nm以下であれば、導電性の高い薄ゴムシートを製造し易くなる。
前記薄ゴムシートは、ジブチルフタレート(DBP)吸油量が60〜500mL/100gのカーボンブラックを、ゴム成分100質量部に対して20〜40質量部、及び、平均長さが0.5〜50μmで且つ平均直径が0.5〜500nmの炭素繊維を、ゴム成分100質量部に対して3質量部以上含むことも好ましい。ここで、カーボンブラックのDBP吸油量は、100〜500mL/100gの範囲が更に好ましい。また、カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して30〜100質量部の範囲も好ましい。また、炭素繊維の平均長さは、1〜40μmの範囲が更に好ましく、平均直径は、40〜500nmの範囲が更に好ましく、炭素繊維の含有量は、ゴム成分100質量部に対して3〜20質量部の範囲が更に好ましい。
DBP吸油量が60mL/100g以上のカーボンブラックを、ゴム成分100質量部に対して20質量部以上含みつつ、炭素繊維を、ゴム成分100質量部に対して3質量部以上含むことで、薄ゴムシートの導電性が向上し、DBP吸油量が500mL/100g以下のカーボンブラックを、ゴム成分100質量部に対して40質量部以下含みつつ、炭素繊維を、ゴム成分100質量部に対して20質量部以下含むことで、薄ゴムシートの破断伸びが大きくなり、製造におけるバラつきが更に生じ難くなる。また、炭素繊維の平均長さが0.5〜50μmで且つ平均直径が0.5〜500nmの場合、取り扱い易く、製造におけるバラつきが更に生じ難くなる。そのため、薄ゴムシートが、DBP吸油量が60〜500mL/100gのカーボンブラックを、ゴム成分100質量部に対して20〜40質量部、及び、平均長さが0.5〜50μmで且つ平均直径が0.5〜500nmの炭素繊維を、ゴム成分100質量部に対して3〜20質量部含む場合、製造におけるバラつきが更に生じ難くなり、タイヤの導電性が更に向上する。
DBP吸油量が60mL/100g以上のカーボンブラックを、ゴム成分100質量部に対して20質量部以上含みつつ、炭素繊維を、ゴム成分100質量部に対して3質量部以上含むことで、薄ゴムシートの導電性が向上し、DBP吸油量が500mL/100g以下のカーボンブラックを、ゴム成分100質量部に対して40質量部以下含みつつ、炭素繊維を、ゴム成分100質量部に対して20質量部以下含むことで、薄ゴムシートの破断伸びが大きくなり、製造におけるバラつきが更に生じ難くなる。また、炭素繊維の平均長さが0.5〜50μmで且つ平均直径が0.5〜500nmの場合、取り扱い易く、製造におけるバラつきが更に生じ難くなる。そのため、薄ゴムシートが、DBP吸油量が60〜500mL/100gのカーボンブラックを、ゴム成分100質量部に対して20〜40質量部、及び、平均長さが0.5〜50μmで且つ平均直径が0.5〜500nmの炭素繊維を、ゴム成分100質量部に対して3〜20質量部含む場合、製造におけるバラつきが更に生じ難くなり、タイヤの導電性が更に向上する。
前記薄ゴムシートは、タイヤの成形時における網目量(架橋量)が、当該薄ゴムシートを適正加硫条件で加硫した際の全網目量の10〜80%であることが好ましく、20〜50%であることが更に好ましい。薄ゴムシートの、タイヤの成形時における網目量が、適正加硫条件で加硫した際の全網目量の10%以上の場合、薄ゴムシートが破断し難くなり、製造におけるバラつきが更に生じ難くなる。また、タイヤの成形時における網目量が、適正加硫条件で加硫した際の全網目量の80%以下の場合、タイヤの加硫時に隣接部材と十分に加硫接着でき、隣接部材との剥離を防止できる。そのため、薄ゴムシートの、タイヤの成形時における網目量が、適正加硫条件で加硫した際の全網目量の10〜80%の場合、製造におけるバラつきが更に生じ難くなる。
前記薄ゴムシートの、タイヤの成形時における網目量を、適正加硫条件で加硫した際の全網目量の10〜80%とする手段は、特に限定されず、薄ゴムシートを予備加硫したり、電子線架橋したり、或いは、薄ゴムシートにキノイド架橋用架橋剤を添加したり、加硫促進剤として、キサントゲン酸塩類やジチオカルバミン酸塩類を添加する手法を採用することができる。
前記薄ゴムシートは、キノイド架橋用架橋剤を、ゴム成分100質量部に対して0.1〜2.0質量部含むことが好ましく、0.2〜1.0質量部含むことが更に好ましい。キノイド架橋用架橋剤は、ゴムを低温でキノイド架橋でき、ゴムの混練時に架橋反応が始まるため、タイヤの成形時までに、薄ゴムシートを一部架橋することができる。キノイド架橋用架橋剤の含有量が、ゴム成分100質量部に対して0.1質量部以上であれば、薄ゴムシートを十分に早期架橋して、薄ゴムシートが破断し難くなる。また、2.0質量部以下であれば、タイヤの加硫時に薄ゴムシートを隣接部材と十分に加硫接着でき、隣接部材との剥離を防止できる。そのため、薄ゴムシートが、キノイド架橋用架橋剤を、ゴム成分100質量部に対して0.1〜2.0質量部含む場合、製造におけるバラつきが更に生じ難くなる。
前記キノイド架橋用架橋剤としては、p−ベンゾキノンオキシム、ポリ−p−ジニトロソベンゼン等が挙げられる。これらキノイド架橋用架橋剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記キノイド架橋用架橋剤としては、p−ベンゾキノンオキシム、ポリ−p−ジニトロソベンゼン等が挙げられる。これらキノイド架橋用架橋剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記薄ゴムシートは、キサントゲン酸塩類及びジチオカルバミン酸塩類から選択される少なくとも1種の加硫促進剤を、ゴム成分100質量部に対して0.01〜0.5質量部含むことが好ましく、0.05〜0.3質量部含むことが更に好ましい。キサントゲン酸塩類及びジチオカルバミン酸塩類は、80℃以下の低温でゴムの加硫を促進でき、ゴムの混練時に加硫反応が始まるため、タイヤの成形時までに、薄ゴムシートを一部加硫することができる。前記加硫促進剤の含有量が、ゴム成分100質量部に対して0.01質量部以上であれば、薄ゴムシートを十分に早期加硫して、薄ゴムシートが破断し難くなる。また、0.5質量部以下であれば、タイヤの加硫時に薄ゴムシートを隣接部材と十分に加硫接着でき、隣接部材との剥離を防止できる。そのため、薄ゴムシートが、キサントゲン酸塩類及びジチオカルバミン酸塩類から選択される少なくとも1種の加硫促進剤を、ゴム成分100質量部に対して0.01〜0.5質量部含む場合、製造におけるバラつきが更に生じ難くなる。
前記キサントゲン酸塩類としては、メチルキサントゲン酸亜鉛、エチルキサントゲン酸亜鉛、プロピルキサントゲン酸亜鉛、イソプロピルキサントゲン酸亜鉛、ブチルキサントゲン酸亜鉛、ペンチルキサントゲン酸亜鉛、ヘキシルキサントゲン酸亜鉛、ヘプチルキサントゲン酸亜鉛、オクチルキサントゲン酸亜鉛、2−エチルヘキシルキサントゲン酸亜鉛、デシルキサントゲン酸亜鉛、ドデシルキサントゲン酸亜鉛、メチルキサントゲン酸カリウム、エチルキサントゲン酸カリウム、プロピルキサントゲン酸カリウム、イソプロピルキサントゲン酸カリウム、ブチルキサントゲン酸カリウム、ペンチルキサントゲン酸カリウム、ヘキシルキサントゲン酸カリウム、ヘプチルキサントゲン酸カリウム、オクチルキサントゲン酸カリウム、2−エチルヘキシルキサントゲン酸カリウム、デシルキサントゲン酸カリウム、ドデシルキサントゲン酸カリウム、メチルキサントゲン酸ナトリウム、エチルキサントゲン酸ナトリウム、プロピルキサントゲン酸ナトリウム、イソプロピルキサントゲン酸ナトリウム、ブチルキサントゲン酸ナトリウム、ペンチルキサントゲン酸ナトリウム、ヘキシルキサントゲン酸ナトリウム、ヘプチルキサントゲン酸ナトリウム、オクチルキサントゲン酸ナトリウム、2−エチルヘキシルキサントゲン酸ナトリウム、デシルキサントゲン酸ナトリウム、ドデシルキサントゲン酸ナトリウム等が挙げられる。
前記ジチオカルバミン酸塩類としては、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジプロピルジチオカルバミン酸亜鉛、ジイソプロピルジチオカルバミン酸亜鉛、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジペンチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジヘキシルジチオカルバミン酸亜鉛、ジヘプチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジオクチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジ(2−エチルヘキシル)ジチオカルバミン酸亜鉛、ジデシルジチオカルバミン酸亜鉛、ジドデシルジチオカルバミン酸亜鉛、N−ペンタメチレンジチオカルバミン酸亜鉛、N−エチル−N−フェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸銅、ジエチルジチオカルバミン酸銅、ジプロピルジチオカルバミン酸銅、ジイソプロピルジチオカルバミン酸銅、ジブチルジチオカルバミン酸銅、ジペンチルジチオカルバミン酸銅、ジヘキシルジチオカルバミン酸銅、ジヘプチルジチオカルバミン酸銅、ジオクチルジチオカルバミン酸銅、ジ(2−エチルヘキシル)ジチオカルバミン酸銅、ジデシルジチオカルバミン酸銅、ジドデシルジチオカルバミン酸銅、N−ペンタメチレンジチオカルバミン酸銅、ジベンジルジチオカルバミン酸銅、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジプロピルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジイソプロピルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジブチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジペンチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジヘキシルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジヘプチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジオクチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジ(2−エチルヘキシル)ジチオカルバミン酸ナトリウム、ジデシルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジドデシルジチオカルバミン酸ナトリウム、N−ペンタメチレンジチオカルバミン酸ナトリウム、ジベンジルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン酸第二鉄、ジエチルジチオカルバミン酸第二鉄、ジプロピルジチオカルバミン酸第二鉄、ジイソプロピルジチオカルバミン酸第二鉄、ジブチルジチオカルバミン酸第二鉄、ジペンチルジチオカルバミン酸第二鉄、ジヘキシルジチオカルバミン酸第二鉄、ジヘプチルジチオカルバミン酸第二鉄、ジオクチルジチオカルバミン酸第二鉄、ジ(2−エチルヘキシル)ジチオカルバミン酸第二鉄、ジデシルジチオカルバミン酸第二鉄、ジドデシルジチオカルバミン酸第二鉄、N−ペンタメチレンジチオカルバミン酸第二鉄、ジベンジルジチオカルバミン酸第二鉄等が挙げられる。
これら加硫促進剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記キサントゲン酸塩類としては、メチルキサントゲン酸亜鉛、エチルキサントゲン酸亜鉛、プロピルキサントゲン酸亜鉛、イソプロピルキサントゲン酸亜鉛、ブチルキサントゲン酸亜鉛、ペンチルキサントゲン酸亜鉛、ヘキシルキサントゲン酸亜鉛、ヘプチルキサントゲン酸亜鉛、オクチルキサントゲン酸亜鉛、2−エチルヘキシルキサントゲン酸亜鉛、デシルキサントゲン酸亜鉛、ドデシルキサントゲン酸亜鉛、メチルキサントゲン酸カリウム、エチルキサントゲン酸カリウム、プロピルキサントゲン酸カリウム、イソプロピルキサントゲン酸カリウム、ブチルキサントゲン酸カリウム、ペンチルキサントゲン酸カリウム、ヘキシルキサントゲン酸カリウム、ヘプチルキサントゲン酸カリウム、オクチルキサントゲン酸カリウム、2−エチルヘキシルキサントゲン酸カリウム、デシルキサントゲン酸カリウム、ドデシルキサントゲン酸カリウム、メチルキサントゲン酸ナトリウム、エチルキサントゲン酸ナトリウム、プロピルキサントゲン酸ナトリウム、イソプロピルキサントゲン酸ナトリウム、ブチルキサントゲン酸ナトリウム、ペンチルキサントゲン酸ナトリウム、ヘキシルキサントゲン酸ナトリウム、ヘプチルキサントゲン酸ナトリウム、オクチルキサントゲン酸ナトリウム、2−エチルヘキシルキサントゲン酸ナトリウム、デシルキサントゲン酸ナトリウム、ドデシルキサントゲン酸ナトリウム等が挙げられる。
前記ジチオカルバミン酸塩類としては、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジプロピルジチオカルバミン酸亜鉛、ジイソプロピルジチオカルバミン酸亜鉛、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジペンチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジヘキシルジチオカルバミン酸亜鉛、ジヘプチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジオクチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジ(2−エチルヘキシル)ジチオカルバミン酸亜鉛、ジデシルジチオカルバミン酸亜鉛、ジドデシルジチオカルバミン酸亜鉛、N−ペンタメチレンジチオカルバミン酸亜鉛、N−エチル−N−フェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸銅、ジエチルジチオカルバミン酸銅、ジプロピルジチオカルバミン酸銅、ジイソプロピルジチオカルバミン酸銅、ジブチルジチオカルバミン酸銅、ジペンチルジチオカルバミン酸銅、ジヘキシルジチオカルバミン酸銅、ジヘプチルジチオカルバミン酸銅、ジオクチルジチオカルバミン酸銅、ジ(2−エチルヘキシル)ジチオカルバミン酸銅、ジデシルジチオカルバミン酸銅、ジドデシルジチオカルバミン酸銅、N−ペンタメチレンジチオカルバミン酸銅、ジベンジルジチオカルバミン酸銅、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジプロピルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジイソプロピルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジブチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジペンチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジヘキシルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジヘプチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジオクチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジ(2−エチルヘキシル)ジチオカルバミン酸ナトリウム、ジデシルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジドデシルジチオカルバミン酸ナトリウム、N−ペンタメチレンジチオカルバミン酸ナトリウム、ジベンジルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン酸第二鉄、ジエチルジチオカルバミン酸第二鉄、ジプロピルジチオカルバミン酸第二鉄、ジイソプロピルジチオカルバミン酸第二鉄、ジブチルジチオカルバミン酸第二鉄、ジペンチルジチオカルバミン酸第二鉄、ジヘキシルジチオカルバミン酸第二鉄、ジヘプチルジチオカルバミン酸第二鉄、ジオクチルジチオカルバミン酸第二鉄、ジ(2−エチルヘキシル)ジチオカルバミン酸第二鉄、ジデシルジチオカルバミン酸第二鉄、ジドデシルジチオカルバミン酸第二鉄、N−ペンタメチレンジチオカルバミン酸第二鉄、ジベンジルジチオカルバミン酸第二鉄等が挙げられる。
これら加硫促進剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、前記薄ゴムシートは、前記キノイド架橋用架橋剤と、前記キサントゲン酸塩類及びジチオカルバミン酸塩類から選択される加硫促進剤と、の両方を含んでもよいし、一方のみを含んでもよい。
前記薄ゴムシートは、天然ゴム及び/又はイソプレンゴムを、ゴム成分100質量部中20質量部以上含むことが好ましく、30質量部以上含むことが更に好ましく、50質量部以上含むことがより一層好ましく、また、ゴム成分の全てが天然ゴム及び/又はイソプレンゴムであることも好ましい。天然ゴム及び/又はイソプレンゴムは、伸張性に優れ、また、粘着性にも優れる。そのため、薄ゴムシートの、ゴム成分100質量部中の天然ゴム及び/又はイソプレンゴムの割合が20質量部以上であれば、薄ゴムシートの破断伸びが大きくなり、また、薄ゴムシートを隣接部材に貼付し易くなるため、製造におけるバラつきが更に生じ難くなる。
なお、本発明のタイヤにおいて、前記薄ゴムシートのゴム成分は、特に限定されるものではなく、上述の天然ゴム(NR)及びイソプレンゴム(IR)以外のゴム成分としては、ブタジエンゴム(BR)、クロロプレンゴム(CR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、スチレン−イソプレンゴム(SIR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)等が挙げられる。これらゴム成分は、1種単独で使用してもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
なお、本発明のタイヤにおいて、前記薄ゴムシートのゴム成分は、特に限定されるものではなく、上述の天然ゴム(NR)及びイソプレンゴム(IR)以外のゴム成分としては、ブタジエンゴム(BR)、クロロプレンゴム(CR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、スチレン−イソプレンゴム(SIR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)等が挙げられる。これらゴム成分は、1種単独で使用してもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
前記薄ゴムシートは、軟化点が80℃以上の熱可塑性樹脂を、ゴム成分100質量部に対して1質量部以上含むことが好ましく、また、50質量部以下含むことが好ましく、30質量部以下含むことが更に好ましい。軟化点が80℃以上の熱可塑性樹脂は、粘着性に優れる。そのため、薄ゴムシートが、軟化点が80℃以上の熱可塑性樹脂を、ゴム成分100質量部に対して1質量部以上含む場合、薄ゴムシートを隣接部材に貼付し易くなるため、製造におけるバラつきが更に生じ難くなる。また、熱可塑性樹脂の含有量が、ゴム成分100質量部に対して50質量部以下であれば、密着性が過度に高すぎることがなく、作業性も良好である。
前記熱可塑性樹脂としては、ゴムのタック向上に用いられる、アルキルフェノール樹脂、ジシクロペンテン樹脂、C5樹脂、C5−C9樹脂、C9樹脂、クマロンインデン樹脂等が挙げられる。これら熱可塑性樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記熱可塑性樹脂としては、ゴムのタック向上に用いられる、アルキルフェノール樹脂、ジシクロペンテン樹脂、C5樹脂、C5−C9樹脂、C9樹脂、クマロンインデン樹脂等が挙げられる。これら熱可塑性樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記薄ゴムシートは、硫黄の含有量が、ゴム成分100質量部に対して1.5質量部以下であることが好ましく、1.0〜1.5質量部であることが更に好ましい。硫黄の含有量が、ゴム成分100質量部に対して1.5質量部以下であれば、薄ゴムシートの破断伸びが大きくなるため、製造におけるバラつきが更に生じ難くなる。
前記薄ゴムシートは、所望の組成のゴム組成物を調製し、得られたゴム組成物を溶剤で希釈溶解して、ゴムセメントを調製した後、特許第4681634号公報に記載の方法に従い、フィルムの上に塗布し、乾燥させた後、フィルムをラミネートローラにより押し付けながらローラに巻き取ることで製造できる。ここで、ゴムセメントをフィルムの上に塗布し、乾燥して、ゴムの薄膜を形成した後、薄膜の上に更にフィルムを載置し、ゴムの薄膜を、2枚のフィルムで挟んだ後、ラミネートローラにより押し付けながらローラに巻き取ってもよい。
この際、押し付け圧力や、巻き取り時のテンションを調整することで、薄ゴムシートの厚さを調整することができ、また、均一な厚さの薄ゴムシートを得ることができる。また、原材料として使用するゴム組成物の配合を調整することで、薄ゴムシートの体積抵抗率を調整することができる。また、上記フィルムは、剥離フィルムとして機能し、タイヤの成形時の作業性の向上に寄与し、特には、薄ゴムシートを2枚のフィルムで挟んだ状態で準備することで、タイヤの成形時の作業性がより向上する。
上記のようにして得られた薄ゴムシートを、タイヤの成形時に所望の位置に貼付することで、本発明のタイヤを製造することができる。
この際、押し付け圧力や、巻き取り時のテンションを調整することで、薄ゴムシートの厚さを調整することができ、また、均一な厚さの薄ゴムシートを得ることができる。また、原材料として使用するゴム組成物の配合を調整することで、薄ゴムシートの体積抵抗率を調整することができる。また、上記フィルムは、剥離フィルムとして機能し、タイヤの成形時の作業性の向上に寄与し、特には、薄ゴムシートを2枚のフィルムで挟んだ状態で準備することで、タイヤの成形時の作業性がより向上する。
上記のようにして得られた薄ゴムシートを、タイヤの成形時に所望の位置に貼付することで、本発明のタイヤを製造することができる。
以下、本発明の好適実施形態に係るタイヤを、図1〜図7を参照しながら詳細に例示説明する。なお、図1〜図7に示すタイヤは、タイヤ赤道面CLに対して対称な構成であるため、タイヤ赤道面CLを挟んでタイヤ幅方向の一方側のみのタイヤ幅方向断面を示している。但し、本発明のタイヤは、タイヤ赤道面CLに対して非対称な構成のタイヤであってもよい。
<実施形態1>
図1は、本発明の実施形態1に係るタイヤの幅方向模式断面図である。
図1に示すタイヤは、一対のビード部1及び一対のサイドウォール部2と、両サイドウォール部2に連なるトレッド部3と、を有し、前記一対のビード部1間に跨ってトロイド状に延在する、少なくとも1枚のカーカスプライからなるカーカス4と、前記カーカス4のクラウン部のタイヤ半径方向外側に配置された少なくとも1枚のベルト層からなるベルト5と、前記ビード部1のリム6との接触部分の少なくとも一部に配置された、体積抵抗率が1.0×107Ω・cm以下のガムチェーファー7と、を具え、前記ベルト5のタイヤ半径方向外側に、体積抵抗率が1.0×107Ω・cm以下のクッションゴム8を有し、該クッションゴム8の少なくとも一部から、前記ガムチェーファー7の少なくとも一部まで延在する、体積抵抗率が1.0×105Ω・cm以下で且つ厚さが5〜75μmの薄ゴムシート9を具える。
図1は、本発明の実施形態1に係るタイヤの幅方向模式断面図である。
図1に示すタイヤは、一対のビード部1及び一対のサイドウォール部2と、両サイドウォール部2に連なるトレッド部3と、を有し、前記一対のビード部1間に跨ってトロイド状に延在する、少なくとも1枚のカーカスプライからなるカーカス4と、前記カーカス4のクラウン部のタイヤ半径方向外側に配置された少なくとも1枚のベルト層からなるベルト5と、前記ビード部1のリム6との接触部分の少なくとも一部に配置された、体積抵抗率が1.0×107Ω・cm以下のガムチェーファー7と、を具え、前記ベルト5のタイヤ半径方向外側に、体積抵抗率が1.0×107Ω・cm以下のクッションゴム8を有し、該クッションゴム8の少なくとも一部から、前記ガムチェーファー7の少なくとも一部まで延在する、体積抵抗率が1.0×105Ω・cm以下で且つ厚さが5〜75μmの薄ゴムシート9を具える。
図1に示すタイヤは、更に、クッションゴム8のタイヤ半径方向外側に、トレッドゴム10を有し、また、クッションゴム8のタイヤ半径方向外側面の一部からトレッド踏面に亘って延在する導電性ゴム部11を有する。導電性ゴム部11は、導電性であり、本実施形態においては、体積抵抗率が1.0×107Ω・cm以下であり、また、タイヤ周方向の全周に設けることができる。なお、本発明のタイヤは、導電性ゴム部11を有しなくてもよく、この場合、トレッドゴム10の体積抵抗率を1.0×107Ω・cm以下とすることが好ましい。
図1のタイヤにおいて、カーカス4は、1枚のカーカスプライから構成されており、また、ビード部1内に夫々埋設した一対のビードコア12間にトロイド状に延在する本体部4Aと、各ビードコア12の周りでタイヤ幅方向の内側から外側に向けてタイヤ半径方向外方に巻上げた折り返し部4Bとからなるが、本発明のタイヤにおいて、カーカス4のプライ数及び構造は、これに限られるものではない。なお、カーカス4のプライ数は、1〜3枚が好ましい。
また、図1のタイヤにおいては、ビードコア12のタイヤ半径方向外側の、カーカス4の本体部4Aと折り返し部4Bとの間に、ビードフィラー13が配置されており、サイドウォール部2の、カーカス4のタイヤ幅方向外側に、サイドゴム14が配置されており、更に、カーカス4の本体部4Aのタイヤ内面側には、インナーライナー15が配置されている。このように、本発明のタイヤは、好ましくは、空気入りタイヤである。なお、空気入りタイヤに充填する気体としては、通常の或いは酸素分圧を調整した空気の他、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスを用いることができる。
サイドゴム14のタイヤ幅方向外側面は、薄ゴムシート9で覆われており、即ち、サイドウォール部2の外表面の少なくとも一部が薄ゴムシート9で覆われている。薄ゴムシート9を、サイドウォール部2の外表面の少なくとも一部を覆うように配置することで、薄ゴムシート9がサイドゴム14に支持されるため、製造における、薄ゴムシート9の破断が更に生じ難く、タイヤの導電性のバラつきを更に抑制できる。
また、図1のタイヤにおいては、ビードコア12のタイヤ半径方向外側の、カーカス4の本体部4Aと折り返し部4Bとの間に、ビードフィラー13が配置されており、サイドウォール部2の、カーカス4のタイヤ幅方向外側に、サイドゴム14が配置されており、更に、カーカス4の本体部4Aのタイヤ内面側には、インナーライナー15が配置されている。このように、本発明のタイヤは、好ましくは、空気入りタイヤである。なお、空気入りタイヤに充填する気体としては、通常の或いは酸素分圧を調整した空気の他、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスを用いることができる。
サイドゴム14のタイヤ幅方向外側面は、薄ゴムシート9で覆われており、即ち、サイドウォール部2の外表面の少なくとも一部が薄ゴムシート9で覆われている。薄ゴムシート9を、サイドウォール部2の外表面の少なくとも一部を覆うように配置することで、薄ゴムシート9がサイドゴム14に支持されるため、製造における、薄ゴムシート9の破断が更に生じ難く、タイヤの導電性のバラつきを更に抑制できる。
図1に示すタイヤのベルト5は、2枚のベルト層から構成されており、各ベルト層は、通常、タイヤ赤道面CLに対して傾斜して延びるコードのゴム引き層、好ましくは、スチールコードのゴム引き層からなり、更に、2枚のベルト層が、該ベルト層を構成するコードが互いにタイヤ赤道面CLを挟んで交差するように積層されてベルト5を構成している。なお、図中のベルト5は、2枚のベルト層からなるが、本発明のタイヤにおいて、ベルト5を構成するベルト層の枚数及び構造は、これに限られるものではない。なお、ベルト層の枚数は、2〜4枚が好ましい。また、本発明のタイヤは、ベルト5のタイヤ半径方向外側に、タイヤ周方向に対し実質的に平行に配列したコードのゴム引き層からなるベルト補強層を具えてもよい。
図1に示すタイヤにおいては、クッションゴム8のタイヤ幅方向の端部から、ガムチェーファー7のタイヤ半径方向外側の端部まで薄ゴムシート9が延在しているが、薄ゴムシート9は、クッションゴム8及びガムチェーファー7の両方に接続していればよく、薄ゴムシート9の端部は、クッションゴム8のタイヤ幅方向の端部よりもタイヤ幅方向内側や、ガムチェーファー7のタイヤ半径方向外側の端部よりもタイヤ半径方向内側に更に延びていてもよい。
図1に示すように、ガムチェーファー7は、ビード部1のリム6との接触部分の少なくとも一部に配置され、図1においては、ガムチェーファー7は、ビード部1のタイヤ幅方向外表面に配設されている。ここで、ガムチェーファー7のタイヤ半径方向内側の端部は、好ましくは、タイヤの半径方向内側の端部を基準として、タイヤの断面高さの0〜30%の範囲の(高さ)位置にあることが好ましく、また、ガムチェーファー7のタイヤ半径方向外側の端部は、好ましくは、タイヤの半径方向内側の端部を基準として、タイヤの断面高さの5〜40%の範囲の(高さ)位置にあることが好ましい。
また、図1に示すように、クッションゴム8は、ベルト5のタイヤ半径方向外側に配置される。ここで、クッションゴム8のタイヤ幅方向の端部は、それぞれ、タイヤの最大幅部を基準として、タイヤの断面幅の1〜30%の範囲の(タイヤ幅方向)位置にあることが好ましい。
図1に示すタイヤにおいては、導電性ゴム部11、クッションゴム8、薄ゴムシート9、ガムチェーファー7、リム6が接続して導電パスを形成しており、車両において発生した静電気を路面に逃がすことができる。
<実施形態2>
図2は、本発明の実施形態2に係るタイヤの幅方向模式断面図である。以下、実施形態1との相違点について主に説明する。
図2に示すタイヤは、一対のビード部1及び一対のサイドウォール部2と、両サイドウォール部2に連なるトレッド部3と、を有し、前記一対のビード部1間に跨ってトロイド状に延在する、少なくとも1枚のカーカスプライからなるカーカス4と、前記カーカス4のクラウン部のタイヤ半径方向外側に配置された少なくとも1枚のベルト層からなるベルト5と、前記ビード部1のリム6との接触部分の少なくとも一部に配置された、体積抵抗率が1.0×107Ω・cm以下のガムチェーファー7と、を具え、前記ベルト5のタイヤ幅方向の端部と前記カーカス4との間に少なくとも一部が挿入された、体積抵抗率が1.0×107Ω・cm以下のベルトアンダークッション16を有し、該ベルトアンダークッション16の少なくとも一部から、前記ガムチェーファー7の少なくとも一部まで延在する、体積抵抗率が1.0×105Ω・cm以下で且つ厚さが5〜75μmの薄ゴムシート9を具える。
図2は、本発明の実施形態2に係るタイヤの幅方向模式断面図である。以下、実施形態1との相違点について主に説明する。
図2に示すタイヤは、一対のビード部1及び一対のサイドウォール部2と、両サイドウォール部2に連なるトレッド部3と、を有し、前記一対のビード部1間に跨ってトロイド状に延在する、少なくとも1枚のカーカスプライからなるカーカス4と、前記カーカス4のクラウン部のタイヤ半径方向外側に配置された少なくとも1枚のベルト層からなるベルト5と、前記ビード部1のリム6との接触部分の少なくとも一部に配置された、体積抵抗率が1.0×107Ω・cm以下のガムチェーファー7と、を具え、前記ベルト5のタイヤ幅方向の端部と前記カーカス4との間に少なくとも一部が挿入された、体積抵抗率が1.0×107Ω・cm以下のベルトアンダークッション16を有し、該ベルトアンダークッション16の少なくとも一部から、前記ガムチェーファー7の少なくとも一部まで延在する、体積抵抗率が1.0×105Ω・cm以下で且つ厚さが5〜75μmの薄ゴムシート9を具える。
図2に示すタイヤは、ベルトアンダークッション16のタイヤ半径方向外側面の一部からトレッドの踏面に亘って延在する導電性ゴム部11を有する。導電性ゴム部11は、導電性であり、本実施形態においては、体積抵抗率が1.0×107Ω・cm以下であり、また、タイヤ周方向の全周に設けることができる。なお、導電性ゴム部11の位置は、これに限定されるものではなく、例えば、ベルト5のコーティングゴムの体積抵抗率が1.0×107Ω・cm以下である場合は、ベルト5のタイヤ半径方向外側面の一部からトレッドの踏面に亘って延在していてもよい。
図2に示すタイヤにおいては、ベルトアンダークッション16のタイヤ幅方向の端部から、ガムチェーファー7のタイヤ半径方向外側の端部まで薄ゴムシート9が延在しているが、薄ゴムシート9は、ベルトアンダークッション16及びガムチェーファー7の両方に接続していればよく、薄ゴムシート9の端部は、ベルトアンダークッション16のタイヤ幅方向の端部よりもタイヤ幅方向内側や、ガムチェーファー7のタイヤ半径方向外側の端部よりもタイヤ半径方向内側に更に延びていてもよい。
図2に示すタイヤも、サイドゴム14のタイヤ幅方向外側面が、薄ゴムシート9で覆われており、即ち、サイドウォール部2の外表面の少なくとも一部が薄ゴムシート9で覆われている。薄ゴムシート9を、サイドウォール部2の外表面の少なくとも一部を覆うように配置することで、薄ゴムシート9がサイドゴム14に支持されるため、製造における、薄ゴムシート9の破断が更に生じ難く、タイヤの導電性のバラつきを更に抑制できる。
また、図2に示すように、ベルトアンダークッション16は、ベルト5のベルト層の少なくとも1枚のタイヤ幅方向の端部のタイヤ半径方向内側に配置され、図2においては、ベルトアンダークッション16は、ベルト5のタイヤ幅方向の端部とカーカス4との間に少なくとも一部が挿入されている。ここで、ベルトアンダークッション16のタイヤ幅方向内側の端部は、好ましくは、タイヤの最大幅部を基準として、タイヤの断面幅の10〜30%の範囲の(タイヤ幅方向)位置にあることが好ましく、また、ベルトアンダークッション16のタイヤ幅方向外側の端部は、好ましくは、タイヤの最大幅部を基準として、タイヤの断面幅の1〜20%の範囲の(タイヤ幅方向)位置にあることが好ましい。
図2に示すタイヤにおいては、導電性ゴム部11、ベルトアンダークッション16、薄ゴムシート9、ガムチェーファー7、リム6が接続して導電パスを形成しており、車両において発生した静電気を路面に逃がすことができる。
<実施形態3>
図3は、本発明の実施形態3に係るタイヤの幅方向模式断面図である。以下、実施形態1及び2との相違点について主に説明する。
図3に示すタイヤは、一対のビード部1及び一対のサイドウォール部2と、両サイドウォール部2に連なるトレッド部3と、を有し、前記一対のビード部1間に跨ってトロイド状に延在する、少なくとも1枚のカーカスプライからなるカーカス4と、前記カーカス4のクラウン部のタイヤ半径方向外側に配置された少なくとも1枚のベルト層からなるベルト5と、前記ビード部1のリム6との接触部分の少なくとも一部に配置された、体積抵抗率が1.0×107Ω・cm以下のガムチェーファー7と、を具え、また、前記ベルト5として、2枚のベルト層5A,5Bを有し、2枚のベルト層5A,5Bの内の、タイヤ半径方向内側のベルト層5Aのタイヤ幅方向の端部と、タイヤ半径方向外側のベルト層5Bのタイヤ幅方向の端部と、の間に少なくとも一部が挿入された、体積抵抗率が1.0×107Ω・cm以下のベルトアンダークッション16を有し、該ベルトアンダークッション16の少なくとも一部から、前記ガムチェーファー7の少なくとも一部まで延在する、体積抵抗率が1.0×105Ω・cm以下で且つ厚さが5〜75μmの薄ゴムシート9を具える。
図3は、本発明の実施形態3に係るタイヤの幅方向模式断面図である。以下、実施形態1及び2との相違点について主に説明する。
図3に示すタイヤは、一対のビード部1及び一対のサイドウォール部2と、両サイドウォール部2に連なるトレッド部3と、を有し、前記一対のビード部1間に跨ってトロイド状に延在する、少なくとも1枚のカーカスプライからなるカーカス4と、前記カーカス4のクラウン部のタイヤ半径方向外側に配置された少なくとも1枚のベルト層からなるベルト5と、前記ビード部1のリム6との接触部分の少なくとも一部に配置された、体積抵抗率が1.0×107Ω・cm以下のガムチェーファー7と、を具え、また、前記ベルト5として、2枚のベルト層5A,5Bを有し、2枚のベルト層5A,5Bの内の、タイヤ半径方向内側のベルト層5Aのタイヤ幅方向の端部と、タイヤ半径方向外側のベルト層5Bのタイヤ幅方向の端部と、の間に少なくとも一部が挿入された、体積抵抗率が1.0×107Ω・cm以下のベルトアンダークッション16を有し、該ベルトアンダークッション16の少なくとも一部から、前記ガムチェーファー7の少なくとも一部まで延在する、体積抵抗率が1.0×105Ω・cm以下で且つ厚さが5〜75μmの薄ゴムシート9を具える。
図3に示すタイヤは、ベルトアンダークッション16の一部が、2枚のベルト層5A,5Bの間に挿入されていることを除いて、図2に示すタイヤと同様の構造を有する。なお、図3に示すタイヤのベルトアンダークッション16のタイヤ幅方向の端部は、図2に示すタイヤと同様の位置とすることができる。図3に示すタイヤにおいても、導電性ゴム部11、ベルトアンダークッション16、薄ゴムシート9、ガムチェーファー7、リム6が接続して導電パスを形成しており、車両において発生した静電気を路面に逃がすことができる。
<実施形態4>
図4は、本発明の実施形態4に係るタイヤの幅方向模式断面図である。以下、実施形態1との相違点について主に説明する。
図4に示すタイヤは、一対のビード部1及び一対のサイドウォール部2と、両サイドウォール部2に連なるトレッド部3と、を有し、前記一対のビード部1間に跨ってトロイド状に延在する、少なくとも1枚のカーカスプライからなるカーカス4と、前記カーカス4のクラウン部のタイヤ半径方向外側に配置された少なくとも1枚のベルト層からなるベルト5と、前記ビード部1のリム6との接触部分の少なくとも一部に配置された、体積抵抗率が1.0×107Ω・cm以下のガムチェーファー7と、を具え、前記ベルト5のタイヤ半径方向外側に、体積抵抗率が1.0×107Ω・cm以下のクッションゴム8を有し、前記クッションゴム8のタイヤ幅方向の端部から、前記ガムチェーファー7の少なくとも一部まで延在する、体積抵抗率が1.0×105Ω・cm以下で且つ厚さが5〜75μmの薄ゴムシート9を具える。
図4は、本発明の実施形態4に係るタイヤの幅方向模式断面図である。以下、実施形態1との相違点について主に説明する。
図4に示すタイヤは、一対のビード部1及び一対のサイドウォール部2と、両サイドウォール部2に連なるトレッド部3と、を有し、前記一対のビード部1間に跨ってトロイド状に延在する、少なくとも1枚のカーカスプライからなるカーカス4と、前記カーカス4のクラウン部のタイヤ半径方向外側に配置された少なくとも1枚のベルト層からなるベルト5と、前記ビード部1のリム6との接触部分の少なくとも一部に配置された、体積抵抗率が1.0×107Ω・cm以下のガムチェーファー7と、を具え、前記ベルト5のタイヤ半径方向外側に、体積抵抗率が1.0×107Ω・cm以下のクッションゴム8を有し、前記クッションゴム8のタイヤ幅方向の端部から、前記ガムチェーファー7の少なくとも一部まで延在する、体積抵抗率が1.0×105Ω・cm以下で且つ厚さが5〜75μmの薄ゴムシート9を具える。
図4のタイヤにおいては、薄ゴムシート9が、クッションゴム8のタイヤ幅方向の端部から、カーカス4の本体部4A及び折り返し部4Bのタイヤ幅方向外側面の少なくとも一部を覆いつつ、カーカス4の折り返し部4Bとガムチェーファー7との接触部まで延在しており、即ち、薄ゴムシート9が、サイドウォール部2のカーカス4のタイヤ幅方向外側の少なくとも一部を覆っている。また、薄ゴムシート9のタイヤ幅方向外側に、サイドゴム14が配置されており、即ち、薄ゴムシート9は、サイドゴム14のタイヤ幅方向内側であって、且つカーカス4のタイヤ幅方向外側の少なくとも一部を覆っている。薄ゴムシート9を、サイドウォール部2のカーカス4のタイヤ幅方向外側の少なくとも一部を覆うように配置することで、薄ゴムシート9がカーカス4に支持されるため、製造における、薄ゴムシート9の破断が更に生じ難く、タイヤの導電性のバラつきを更に抑制できる。
なお、図4においては、薄ゴムシート9が、ビードフィラー13のタイヤ幅方向外側を延びているが、薄ゴムシート9は、カーカス4の本体部4Aに沿って、ビードフィラー13のタイヤ幅方向内側を通り、また、カーカス4の折り返し部4Bに沿って、ビードフィラー13のタイヤ幅方向外側を通り、更に、カーカス4の折り返し部4Bのタイヤ半径方向外側端部で折り返されて、ガムチェーファー7まで延びていてもよい。
なお、図4においては、薄ゴムシート9が、ビードフィラー13のタイヤ幅方向外側を延びているが、薄ゴムシート9は、カーカス4の本体部4Aに沿って、ビードフィラー13のタイヤ幅方向内側を通り、また、カーカス4の折り返し部4Bに沿って、ビードフィラー13のタイヤ幅方向外側を通り、更に、カーカス4の折り返し部4Bのタイヤ半径方向外側端部で折り返されて、ガムチェーファー7まで延びていてもよい。
図4に示すタイヤにおいては、導電性ゴム部11、クッションゴム8、薄ゴムシート9、ガムチェーファー7、リム6が接続して導電パスを形成しており、車両において発生した静電気を路面に逃がすことができる。
<実施形態5>
図5は、本発明の実施形態5に係るタイヤの幅方向模式断面図である。以下、実施形態2及び4との相違点について主に説明する。
図5に示すタイヤは、一対のビード部1及び一対のサイドウォール部2と、両サイドウォール部2に連なるトレッド部3と、を有し、前記一対のビード部1間に跨ってトロイド状に延在する、少なくとも1枚のカーカスプライからなるカーカス4と、前記カーカス4のクラウン部のタイヤ半径方向外側に配置された少なくとも1枚のベルト層からなるベルト5と、前記ビード部1のリム6との接触部分の少なくとも一部に配置された、体積抵抗率が1.0×107Ω・cm以下のガムチェーファー7と、を具え、前記ベルト5のタイヤ幅方向の端部と前記カーカス4との間に少なくとも一部が挿入された、体積抵抗率が1.0×107Ω・cm以下のベルトアンダークッション16を有し、該ベルトアンダークッション16のタイヤ幅方向の端部から、前記ガムチェーファー7の少なくとも一部まで延在する、体積抵抗率が1.0×105Ω・cm以下で且つ厚さが5〜75μmの薄ゴムシート9を具える。
図5は、本発明の実施形態5に係るタイヤの幅方向模式断面図である。以下、実施形態2及び4との相違点について主に説明する。
図5に示すタイヤは、一対のビード部1及び一対のサイドウォール部2と、両サイドウォール部2に連なるトレッド部3と、を有し、前記一対のビード部1間に跨ってトロイド状に延在する、少なくとも1枚のカーカスプライからなるカーカス4と、前記カーカス4のクラウン部のタイヤ半径方向外側に配置された少なくとも1枚のベルト層からなるベルト5と、前記ビード部1のリム6との接触部分の少なくとも一部に配置された、体積抵抗率が1.0×107Ω・cm以下のガムチェーファー7と、を具え、前記ベルト5のタイヤ幅方向の端部と前記カーカス4との間に少なくとも一部が挿入された、体積抵抗率が1.0×107Ω・cm以下のベルトアンダークッション16を有し、該ベルトアンダークッション16のタイヤ幅方向の端部から、前記ガムチェーファー7の少なくとも一部まで延在する、体積抵抗率が1.0×105Ω・cm以下で且つ厚さが5〜75μmの薄ゴムシート9を具える。
図5に示すタイヤは、薄ゴムシート9が、図4に示すタイヤと同様にカーカス4の本体部4A及び折り返し部4Bのタイヤ幅方向外側の一部を覆っていることを除いて、図2に示すタイヤと同様の構造を有する。図5に示すタイヤにおいては、薄ゴムシート9がカーカス4に支持されるため、製造における、薄ゴムシート9の破断が更に生じ難く、タイヤの導電性のバラつきを更に抑制できる。また、図5に示すタイヤにおいては、導電性ゴム部11、ベルトアンダークッション16、薄ゴムシート9、ガムチェーファー7、リム6が接続して導電パスを形成しており、車両において発生した静電気を路面に逃がすことができる。
<実施形態6>
図6は、本発明の実施形態6に係るタイヤの幅方向模式断面図である。以下、実施形態3、4及び5との相違点について主に説明する。
図6に示すタイヤは、一対のビード部1及び一対のサイドウォール部2と、両サイドウォール部2に連なるトレッド部3と、を有し、前記一対のビード部1間に跨ってトロイド状に延在する、少なくとも1枚のカーカスプライからなるカーカス4と、前記カーカス4のクラウン部のタイヤ半径方向外側に配置された少なくとも1枚のベルト層からなるベルト5と、前記ビード部1のリム6との接触部分の少なくとも一部に配置された、体積抵抗率が1.0×107Ω・cm以下のガムチェーファー7と、を具え、前記ベルト5として、2枚のベルト層5A,5Bを有し、2枚のベルト層5A,5Bの内の、タイヤ半径方向内側のベルト層5Aのタイヤ幅方向の端部と、タイヤ半径方向外側のベルト層5Bのタイヤ幅方向の端部と、の間に少なくとも一部が挿入された、体積抵抗率が1.0×107Ω・cm以下のベルトアンダークッション16を有し、該ベルトアンダークッション16のタイヤ幅方向の端部から、前記ガムチェーファー7の少なくとも一部まで延在する、体積抵抗率が1.0×105Ω・cm以下で且つ厚さが5〜75μmの薄ゴムシート9を具える。
図6は、本発明の実施形態6に係るタイヤの幅方向模式断面図である。以下、実施形態3、4及び5との相違点について主に説明する。
図6に示すタイヤは、一対のビード部1及び一対のサイドウォール部2と、両サイドウォール部2に連なるトレッド部3と、を有し、前記一対のビード部1間に跨ってトロイド状に延在する、少なくとも1枚のカーカスプライからなるカーカス4と、前記カーカス4のクラウン部のタイヤ半径方向外側に配置された少なくとも1枚のベルト層からなるベルト5と、前記ビード部1のリム6との接触部分の少なくとも一部に配置された、体積抵抗率が1.0×107Ω・cm以下のガムチェーファー7と、を具え、前記ベルト5として、2枚のベルト層5A,5Bを有し、2枚のベルト層5A,5Bの内の、タイヤ半径方向内側のベルト層5Aのタイヤ幅方向の端部と、タイヤ半径方向外側のベルト層5Bのタイヤ幅方向の端部と、の間に少なくとも一部が挿入された、体積抵抗率が1.0×107Ω・cm以下のベルトアンダークッション16を有し、該ベルトアンダークッション16のタイヤ幅方向の端部から、前記ガムチェーファー7の少なくとも一部まで延在する、体積抵抗率が1.0×105Ω・cm以下で且つ厚さが5〜75μmの薄ゴムシート9を具える。
図6に示すタイヤは、薄ゴムシート9が、図4に示すタイヤと同様にカーカス4の本体部4A及び折り返し部4Bのタイヤ幅方向外側の一部を覆っていることを除いて、図3に示すタイヤと同様の構造を有する。また、図6に示すタイヤは、ベルトアンダークッション16の一部が、2枚のベルト層5A,5Bの間に挿入されていることを除いて、図5に示すタイヤと同様の構造を有する。図6に示すタイヤにおいては、薄ゴムシート9がカーカス4に支持されるため、製造における、薄ゴムシート9の破断が更に生じ難く、タイヤの導電性のバラつきを更に抑制できる。また、図6に示すタイヤにおいては、導電性ゴム部11、ベルトアンダークッション16、薄ゴムシート9、ガムチェーファー7、リム6が接続して導電パスを形成しており、車両において発生した静電気を路面に逃がすことができる。
<実施形態7>
図7は、本発明の実施形態7に係るタイヤの幅方向模式断面図である。以下、実施形態1との相違点について主に説明する。
図7に示すタイヤは、一対のビード部1及び一対のサイドウォール部2と、両サイドウォール部2に連なるトレッド部3と、を有し、前記一対のビード部1間に跨ってトロイド状に延在する、少なくとも1枚のカーカスプライからなるカーカス4と、前記カーカス4のクラウン部のタイヤ半径方向外側に配置された少なくとも1枚のベルト層からなるベルト5と、前記ビード部1のリム6との接触部分の少なくとも一部に配置された、体積抵抗率が1.0×107Ω・cm以下のガムチェーファー7と、を具える。
図7は、本発明の実施形態7に係るタイヤの幅方向模式断面図である。以下、実施形態1との相違点について主に説明する。
図7に示すタイヤは、一対のビード部1及び一対のサイドウォール部2と、両サイドウォール部2に連なるトレッド部3と、を有し、前記一対のビード部1間に跨ってトロイド状に延在する、少なくとも1枚のカーカスプライからなるカーカス4と、前記カーカス4のクラウン部のタイヤ半径方向外側に配置された少なくとも1枚のベルト層からなるベルト5と、前記ビード部1のリム6との接触部分の少なくとも一部に配置された、体積抵抗率が1.0×107Ω・cm以下のガムチェーファー7と、を具える。
図7に示すタイヤのカーカス4は、1枚のカーカスプライから構成されており、また、ビード部1内に夫々埋設した一対のビードコア12間にトロイド状に延在する本体部4Aと、各ビードコア12の周りでタイヤ幅方向の内側から外側に向けて半径方向外方に巻上げた折り返し部4Bとからなる。また、図7に示すタイヤのベルト5は、2枚のベルト層5A,5Bから構成されている。
ここで、カーカスプライ及びベルト層5A,5Bは、コードをコーティングゴムで被覆してなる。また、ベルト層5A,5Bのコーティングゴムの少なくとも一部と、カーカス4のクラウン部に位置する、カーカスプライのコーティングゴムの少なくとも一部とは、体積抵抗率が1.0×107Ω・cm以下の導電性ゴムからなり、それぞれ、ベルト導電部5C及びカーカス導電部4Cを形成しており、また、ベルト層5A,5Bの導電性ゴム(ベルト導電部5C)と、カーカスプライの導電性ゴム(カーカス導電部4C)とは、互いに接触している。
また、図7に示すタイヤは、更に、ベルト導電部5Cのタイヤ半径方向外側面の一部からトレッド踏面に亘って延在する導電性ゴム部11を有する。該導電性ゴム部11は、導電性であり、本実施形態においては、体積抵抗率が1.0×107Ω・cm以下であり、また、タイヤ周方向の全周に設けることができる。
ここで、カーカスプライ及びベルト層5A,5Bは、コードをコーティングゴムで被覆してなる。また、ベルト層5A,5Bのコーティングゴムの少なくとも一部と、カーカス4のクラウン部に位置する、カーカスプライのコーティングゴムの少なくとも一部とは、体積抵抗率が1.0×107Ω・cm以下の導電性ゴムからなり、それぞれ、ベルト導電部5C及びカーカス導電部4Cを形成しており、また、ベルト層5A,5Bの導電性ゴム(ベルト導電部5C)と、カーカスプライの導電性ゴム(カーカス導電部4C)とは、互いに接触している。
また、図7に示すタイヤは、更に、ベルト導電部5Cのタイヤ半径方向外側面の一部からトレッド踏面に亘って延在する導電性ゴム部11を有する。該導電性ゴム部11は、導電性であり、本実施形態においては、体積抵抗率が1.0×107Ω・cm以下であり、また、タイヤ周方向の全周に設けることができる。
図7に示すタイヤにおいては、カーカスプライの導電性ゴム(カーカス導電部4C)のタイヤ半径方向内側の端部から、前記ガムチェーファー7の少なくとも一部まで、体積抵抗率が1.0×105Ω・cm以下で且つ厚さが5〜75μmの薄ゴムシート9が延在しており、即ち、薄ゴムシート9がカーカス4のタイヤ内面側の少なくとも一部を覆っている。
なお、ベルト導電部5C、カーカス導電部4C、導電性ゴム部11の位置は、特に限定されず、図7のように、トレッド部3の中央付近にあってもよいし、両端付近にあってもよい。
薄ゴムシート9を、カーカス4のタイヤ内面側の少なくとも一部を覆うように配置することで、薄ゴムシート9がカーカス4に支持されるため、製造における、薄ゴムシート9の破断が生じ難く、タイヤの導電性のバラつきを抑制できる。
なお、ベルト導電部5C、カーカス導電部4C、導電性ゴム部11の位置は、特に限定されず、図7のように、トレッド部3の中央付近にあってもよいし、両端付近にあってもよい。
薄ゴムシート9を、カーカス4のタイヤ内面側の少なくとも一部を覆うように配置することで、薄ゴムシート9がカーカス4に支持されるため、製造における、薄ゴムシート9の破断が生じ難く、タイヤの導電性のバラつきを抑制できる。
図7に示すタイヤにおいては、導電性ゴム部11、ベルト導電部5C、カーカス導電部4C、薄ゴムシート9、ガムチェーファー7、リム6が接続して導電パスを形成しており、車両において発生した静電気を路面に逃がすことができる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
<薄ゴムシートの作製>
表1に示す配合のゴム組成物を、バンバリーミキサーを用いて、通常の方法で混練して調製した。
得られたゴム組成物を5〜10倍量のトルエンで希釈溶解して、ゴムセメントを調製した後、特許第4681634号公報に記載の方法に従い、フィルムの上に塗布し、乾燥させた後、フィルムをラミネートローラにより押し付けながらローラに巻き取り、表2に示す厚さの薄ゴムシートを作製した。
表1に示す配合のゴム組成物を、バンバリーミキサーを用いて、通常の方法で混練して調製した。
得られたゴム組成物を5〜10倍量のトルエンで希釈溶解して、ゴムセメントを調製した後、特許第4681634号公報に記載の方法に従い、フィルムの上に塗布し、乾燥させた後、フィルムをラミネートローラにより押し付けながらローラに巻き取り、表2に示す厚さの薄ゴムシートを作製した。
<タイヤの作製>
タイヤサイズ195/65R15で、図4に示す構造の空気入りタイヤを製造した。なお、該タイヤの成形においては、上記のようにして作製した薄ゴムシートを幅5cmにカットし、得られた帯状の薄ゴムシートを、クッションゴムのタイヤ幅方向の端部から、ガムチェーファーとの接触部まで、カーカスのタイヤ幅方向外側に、タイヤ周方向に対し90°をなす角度で、周上に均等に4箇所貼付して配置した。また、同一のタイヤを、それぞれ3本準備した。使用した各薄ゴムシートの体積抵抗率を表2に示す。また、使用した各薄ゴムシートの厚さの、平均値、最大値、最小値を測定し、それらの平均値を表2に示す。
タイヤサイズ195/65R15で、図4に示す構造の空気入りタイヤを製造した。なお、該タイヤの成形においては、上記のようにして作製した薄ゴムシートを幅5cmにカットし、得られた帯状の薄ゴムシートを、クッションゴムのタイヤ幅方向の端部から、ガムチェーファーとの接触部まで、カーカスのタイヤ幅方向外側に、タイヤ周方向に対し90°をなす角度で、周上に均等に4箇所貼付して配置した。また、同一のタイヤを、それぞれ3本準備した。使用した各薄ゴムシートの体積抵抗率を表2に示す。また、使用した各薄ゴムシートの厚さの、平均値、最大値、最小値を測定し、それらの平均値を表2に示す。
なお、比較例1及び2のタイヤは、薄ゴムシートを貼付する代わりに、表1に示す組成のゴム組成物aを5〜10倍量のトルエンで希釈溶解して、ゴムセメントを調製した後、該ゴムセメントをカーカスの外表面に塗布して、導電性セメント層を設けた。なお、該導電性セメント層の体積抵抗率及び厚さは、同条件で、ゴムセメントをポリエステルフィルムに塗布し、24時間、室温に放置し、乾燥させた後に形成された導電性セメント層の体積抵抗率及び膜厚を測定して求めた。
<評価>
得られた各供試タイヤについて、製造し易さ(シート貼付け時の作業性)、および成形前後での電気抵抗値を評価した。また、薄ゴムシートの網目量、50%伸長時の体積抵抗率も測定した。結果を表2に示す。
得られた各供試タイヤについて、製造し易さ(シート貼付け時の作業性)、および成形前後での電気抵抗値を評価した。また、薄ゴムシートの網目量、50%伸長時の体積抵抗率も測定した。結果を表2に示す。
(1)網目量
薄ゴムシートを145℃で、45分[キュラスト試験(JIS K 6300−2)によって測定したT90値を2倍した値]加硫後に、トルエン膨潤法で求めた各配合の網目量を100とし、同様にトルエン膨潤法で求めた、薄ゴムシート(貼り付け時)の網目量を指数として示した。
薄ゴムシートを145℃で、45分[キュラスト試験(JIS K 6300−2)によって測定したT90値を2倍した値]加硫後に、トルエン膨潤法で求めた各配合の網目量を100とし、同様にトルエン膨潤法で求めた、薄ゴムシート(貼り付け時)の網目量を指数として示した。
(2)シート貼付け時の作業性
薄ゴムシートの貼り付け時に、薄ゴムシートが破れ易く注意を要するものを△(良)、注意を要さなかったものを〇(優良)とした。
薄ゴムシートの貼り付け時に、薄ゴムシートが破れ易く注意を要するものを△(良)、注意を要さなかったものを〇(優良)とした。
(3)導電性(50%伸長試験)
ゴム組成物aを用いて、厚さ2mmの未加硫ゴムシートを作製し、該ゴムシートの上に各薄ゴムシートを貼り付けて、静的に50%伸長させた状態で、体積抵抗率が1.0×106Ω・cmを超えるものを×(不良)、体積抵抗率が1.0×106Ω・cm以下のものを〇(優良とした)。
ゴム組成物aを用いて、厚さ2mmの未加硫ゴムシートを作製し、該ゴムシートの上に各薄ゴムシートを貼り付けて、静的に50%伸長させた状態で、体積抵抗率が1.0×106Ω・cmを超えるものを×(不良)、体積抵抗率が1.0×106Ω・cm以下のものを〇(優良とした)。
(4)導電性(成形後)
成形後、加硫前の生タイヤの状態でタイヤトレッド部とガムチェーファー部間の体積抵抗率が3本のタイヤとも1.0×106Ω・cmを超えるものを×(不良)とし、3本のタイヤとも1.0×106Ω・cm以下のものを〇(優良)とし、1.0×106Ω・cm以下のタイヤが3本中2本以下であれば△(良)とした。
成形後、加硫前の生タイヤの状態でタイヤトレッド部とガムチェーファー部間の体積抵抗率が3本のタイヤとも1.0×106Ω・cmを超えるものを×(不良)とし、3本のタイヤとも1.0×106Ω・cm以下のものを〇(優良)とし、1.0×106Ω・cm以下のタイヤが3本中2本以下であれば△(良)とした。
(5)導電性(タイヤ)
GERMAN ASSOCIATION OF RUBBER INDUSTRYのWdK 110シート3に準拠して、ヒューレットパッカード(HEWLETT PACKARD)社製のモデルHP4394Aハイレジスタンスメーターを使用し、図8に示すようにして、タイヤの体積抵抗率を測定した。
図8中、符号111はタイヤ、112は鋼板、113は絶縁板、114はハイレジスタンスメーターであり、絶縁板113上の鋼板112とタイヤ111のリムとの間に1000Vの電流を流して測定した。
タイヤの体積抵抗率が3本とも1.0×106Ω・cmを超えるものを×(不良)とし、3本とも1.0×106Ω・cm以下のものを〇(優良)とし、1.0×106Ω・cm以下のタイヤが3本中2本以下であれば△(良)とした。
GERMAN ASSOCIATION OF RUBBER INDUSTRYのWdK 110シート3に準拠して、ヒューレットパッカード(HEWLETT PACKARD)社製のモデルHP4394Aハイレジスタンスメーターを使用し、図8に示すようにして、タイヤの体積抵抗率を測定した。
図8中、符号111はタイヤ、112は鋼板、113は絶縁板、114はハイレジスタンスメーターであり、絶縁板113上の鋼板112とタイヤ111のリムとの間に1000Vの電流を流して測定した。
タイヤの体積抵抗率が3本とも1.0×106Ω・cmを超えるものを×(不良)とし、3本とも1.0×106Ω・cm以下のものを〇(優良)とし、1.0×106Ω・cm以下のタイヤが3本中2本以下であれば△(良)とした。
*1 NR: 天然ゴム、インドネシア産TSR20
*2 IR: イソプレンゴム、JSR社製、商品名「IR2200」
*3 SBR: スチレン−ブタジエンゴム、JSR社製、商品名「#1500」
*4 カーボンブラック: HAF級、旭カーボン社製、商品名「#70L」、DBP吸油量=101mL/100g
*5 炭素繊維: 昭和電工(株)製、気相法炭素繊維「VGCF−H」、平均長さ=10−20μm、平均直径=150nm
*6 TDAEオイル: H&R社製、商品名「VivaTec 500」
*7 アルキルフェノール樹脂: 住友ベークライト社製、商品名「Durez 19900」、軟化点=72℃
*8 C5樹脂: JXTGエネルギー社製、商品名「RA100」、軟化点=95−105℃
*9 老化防止剤6PPD: N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン、大内新興化学社製、商品名「ノクラック6C」
*10 加硫促進剤TBBS: N−(tert−ブチル)−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、大内新興化学社製、商品名「ノクセラーCZ」
*11 加硫促進剤ZTC: ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛、大内新興化学社製、商品名「ノクセラーZTC」
*12 加硫促進剤ZIX: イソプロピルキサントゲン酸亜鉛、大内新興化学社製、商品名「ノクセラーZIX」
*13 キノイド架橋用架橋剤: ポリ−p−ジニトロソベンゼン、大内新興化学社製、商品名「バルノックDNB」
*14 硫黄: 鶴見化学社製、商品名「微粉硫黄」
*2 IR: イソプレンゴム、JSR社製、商品名「IR2200」
*3 SBR: スチレン−ブタジエンゴム、JSR社製、商品名「#1500」
*4 カーボンブラック: HAF級、旭カーボン社製、商品名「#70L」、DBP吸油量=101mL/100g
*5 炭素繊維: 昭和電工(株)製、気相法炭素繊維「VGCF−H」、平均長さ=10−20μm、平均直径=150nm
*6 TDAEオイル: H&R社製、商品名「VivaTec 500」
*7 アルキルフェノール樹脂: 住友ベークライト社製、商品名「Durez 19900」、軟化点=72℃
*8 C5樹脂: JXTGエネルギー社製、商品名「RA100」、軟化点=95−105℃
*9 老化防止剤6PPD: N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン、大内新興化学社製、商品名「ノクラック6C」
*10 加硫促進剤TBBS: N−(tert−ブチル)−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、大内新興化学社製、商品名「ノクセラーCZ」
*11 加硫促進剤ZTC: ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛、大内新興化学社製、商品名「ノクセラーZTC」
*12 加硫促進剤ZIX: イソプロピルキサントゲン酸亜鉛、大内新興化学社製、商品名「ノクセラーZIX」
*13 キノイド架橋用架橋剤: ポリ−p−ジニトロソベンゼン、大内新興化学社製、商品名「バルノックDNB」
*14 硫黄: 鶴見化学社製、商品名「微粉硫黄」
表2から、本発明のタイヤは、導電性が高く、また、製造におけるバラつきが生じ難いことが分かる。
1:ビード部、 2:サイドウォール部、 3:トレッド部、 4:カーカス、 4A:カーカスの本体部、 4B:カーカスの折り返し部、 4C:カーカス導電部、 5:ベルト、 5A,5B:ベルト層、 5C:ベルト導電部、 6:リム、 7:ガムチェーファー、 8:クッションゴム、 9:薄ゴムシート、 10:トレッドゴム、 11:導電性ゴム部、 12:ビードコア、 13:ビードフィラー、 14:サイドゴム、 15:インナーライナー、 16:ベルトアンダークッション、 CL:タイヤ赤道面
Claims (16)
- 一対のビード部及び一対のサイドウォール部と、両サイドウォール部に連なるトレッド部と、を有し、
前記一対のビード部間に跨ってトロイド状に延在する、少なくとも1枚のカーカスプライからなるカーカスと、
前記カーカスのクラウン部のタイヤ半径方向外側に配置された、少なくとも1枚のベルト層からなるベルトと、
前記ビード部のリムとの接触部分の少なくとも一部に配置された、体積抵抗率が1.0×107Ω・cm以下のガムチェーファーと、を具え、
(1)前記ベルトのタイヤ半径方向外側に、体積抵抗率が1.0×107Ω・cm以下のクッションゴムを有するか、
(2)前記ベルトのベルト層の少なくとも1枚のタイヤ幅方向の端部のタイヤ半径方向内側に、体積抵抗率が1.0×107Ω・cm以下のベルトアンダークッションを有する、タイヤであって、
前記クッションゴム又は前記ベルトアンダークッションの少なくとも一部から、前記ガムチェーファーの少なくとも一部まで延在する、体積抵抗率が1.0×105Ω・cm以下で且つ厚さが5〜75μmの薄ゴムシートを具えることを特徴とする、タイヤ。 - 前記ベルトのタイヤ幅方向の端部と前記カーカスとの間に、前記ベルトアンダークッションの少なくとも一部が挿入されている、請求項1に記載のタイヤ。
- 前記ベルトとして、2枚以上のベルト層を有し、その内の1枚のベルト層のタイヤ幅方向の端部と隣接する他の1枚のベルト層のタイヤ幅方向の端部との間に、前記ベルトアンダークッションの少なくとも一部が挿入されている、請求項1に記載のタイヤ。
- 前記薄ゴムシートは、前記サイドウォール部の外表面の少なくとも一部を覆う、請求項1〜3のいずれか一項に記載のタイヤ。
- 前記サイドウォール部の前記カーカスのタイヤ幅方向外側にサイドゴムを有し、
前記薄ゴムシートは、前記サイドウォール部の前記サイドゴムのタイヤ幅方向内側であって、且つ前記カーカスのタイヤ幅方向外側の少なくとも一部を覆う、請求項1〜3のいずれか一項に記載のタイヤ。 - 一対のビード部及び一対のサイドウォール部と、両サイドウォール部に連なるトレッド部と、を有し、
前記一対のビード部間に跨ってトロイド状に延在する、少なくとも1枚のカーカスプライからなるカーカスと、
前記カーカスのクラウン部のタイヤ半径方向外側に配置された、少なくとも1枚のベルト層からなるベルトと、
前記ビード部のリムとの接触部分の少なくとも一部に配置された、体積抵抗率が1.0×107Ω・cm以下のガムチェーファーと、を具えるタイヤであって、
前記ベルトの少なくとも一部と、前記カーカスのクラウン部の少なくとも一部とは、体積抵抗率が1.0×107Ω・cm以下の導電性ゴムからなり、
前記ベルトの導電性ゴムと、前記カーカスの導電性ゴムとは、互いに接触しており、
前記カーカスの導電性ゴムの少なくとも一部から、前記ガムチェーファーの少なくとも一部まで延在して、前記サイドウォール部の前記カーカスのタイヤ幅方向内側の少なくとも一部を覆う、体積抵抗率が1.0×105Ω・cm以下で且つ厚さが5〜75μmの薄ゴムシートを具えることを特徴とする、タイヤ。 - 前記薄ゴムシートは、全ての厚さが平均厚さの±30%以内である、請求項1〜6のいずれか一項に記載のタイヤ。
- 前記薄ゴムシートは、50%伸長時の体積抵抗率が1.0×106Ω・cm以下である、請求項1〜7のいずれか一項に記載のタイヤ。
- 前記薄ゴムシートは、ジブチルフタレート(DBP)吸油量が60〜500mL/100gのカーボンブラックを、ゴム成分100質量部に対して20〜100質量部含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載のタイヤ。
- 前記薄ゴムシートは、ジブチルフタレート(DBP)吸油量が60〜500mL/100gのカーボンブラックを、ゴム成分100質量部に対して20〜40質量部、及び、平均長さが0.5〜50μmで且つ平均直径が0.5〜500nmの炭素繊維を、ゴム成分100質量部に対して3〜20質量部含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載のタイヤ。
- 前記薄ゴムシートは、タイヤの成形時における網目量が、当該薄ゴムシートを適正加硫条件で加硫した際の全網目量の10〜80%である、請求項1〜10のいずれか一項に記載のタイヤ。
- 前記薄ゴムシートは、キノイド架橋用架橋剤を、ゴム成分100質量部に対して0.1〜2.0質量部含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載のタイヤ。
- 前記薄ゴムシートは、キサントゲン酸塩類及びジチオカルバミン酸塩類から選択される少なくとも1種の加硫促進剤を、ゴム成分100質量部に対して0.01〜0.5質量部含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載のタイヤ。
- 前記薄ゴムシートは、天然ゴム及び/又はイソプレンゴムを、ゴム成分100質量部中20質量部以上含む、請求項1〜13のいずれか一項に記載のタイヤ。
- 前記薄ゴムシートは、軟化点が80℃以上の熱可塑性樹脂を、ゴム成分100質量部に対して1質量部以上含む、請求項1〜14のいずれか一項に記載のタイヤ。
- 前記薄ゴムシートは、硫黄の含有量が、ゴム成分100質量部に対して1.5質量部以下である、請求項1〜15のいずれか一項に記載のタイヤ。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2023008264A1 (ja) * | 2021-07-26 | 2023-02-02 | 株式会社ブリヂストン | タイヤ |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004277504A (ja) * | 2003-03-13 | 2004-10-07 | Toyo Tire & Rubber Co Ltd | タイヤ用導電性ゴム糊及び空気入りタイヤ |
JP2009143547A (ja) * | 2007-11-19 | 2009-07-02 | Toyo Tire & Rubber Co Ltd | 空気入りタイヤ |
JP2009154608A (ja) * | 2007-12-25 | 2009-07-16 | Sumitomo Rubber Ind Ltd | 空気入りタイヤ |
JP2014180868A (ja) * | 2013-03-21 | 2014-09-29 | Toyo Tire & Rubber Co Ltd | 空気入りタイヤの製造方法及び空気入りタイヤ |
JP2015040031A (ja) * | 2013-08-23 | 2015-03-02 | 横浜ゴム株式会社 | 空気入りタイヤ |
-
2018
- 2018-09-13 JP JP2018171857A patent/JP2020040634A/ja active Pending
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