JP2023016617A - 内燃機関用のスパークプラグ - Google Patents

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翔太 木下
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Abstract

【課題】着火性に優れた内燃機関用のスパークプラグを提供すること。【解決手段】内燃機関用のスパークプラグ1は、筒状の絶縁碍子と、中心電極と、筒状のハウジングと、接地電極6と、プラグカバー5と、を有する。プラグカバー5には、副燃焼室50と外部とを連通させる複数の噴孔51が形成されている。接地電極6は、副燃焼室50の外周側からプラグ中心軸に向かって突出するように形成されている。複数の噴孔51は、噴孔51から流入した気流によって、副燃焼室50に偏心スワール流が形成されるように設けてある。偏心スワール流は、プラグ軸方向から見て放電ギャップGよりも接地電極の突出側の位置に旋回中心を有する旋回流である。【選択図】図2

Description

本発明は、内燃機関用のスパークプラグに関する。
内燃機関用のスパークプラグとして、放電ギャップが配される副燃焼室を備えたものがある。かかるスパークプラグにおいて、特許文献1に示すように、副燃焼室を形成するプラグカバーに設けた複数の噴孔を、プラグ軸方向から見て、プラグ径方向に対して傾斜させたものがある。これにより、副燃焼室に、プラグ軸方向を軸に旋回する気流であるスワール流を形成させることができる。
特開2009-270539号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載のスパークプラグにおいては、放電ギャップ付近に充分な気流を生じさせにくい。
すなわち、噴孔から副燃焼室に流入する気流によって副燃焼室にスワール流が形成されるものの、副燃焼室の中心部付近においては、気流の淀みが生じやすい。それゆえ、放電ギャップ付近においては、充分な気流を形成しにくい。その結果、放電ギャップに形成された放電を、気流によって引き伸ばしにくい。それゆえ、上記特許文献1に記載のスパークプラグにおいては、着火性の向上の余地があるといえる。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、着火性に優れた内燃機関用のスパークプラグを提供しようとするものである。
本発明の一態様は、筒状の絶縁碍子(3)と、
該絶縁碍子の内周側に保持されると共に該絶縁碍子から先端側に突出した中心電極(4)と、
上記絶縁碍子を内周側に保持する筒状のハウジング(2)と、
上記中心電極との間に放電ギャップ(G)を形成する接地電極(6)と、
上記放電ギャップが配される副燃焼室(50)を覆うよう上記ハウジングの先端部に設けられたプラグカバー(5)と、を有し、
上記プラグカバーには、上記副燃焼室と外部とを連通させる複数の噴孔(51)が形成されており、
上記接地電極は、上記副燃焼室の外周側からプラグ中心軸に向かって突出するように形成されており、
上記複数の噴孔は、該噴孔から流入した気流によって、上記副燃焼室に偏心スワール流(Fs)が形成されるように設けてあり、
上記偏心スワール流は、プラグ軸方向(Z)から見て上記放電ギャップよりも上記接地電極の突出側の位置に旋回中心を有する旋回流である、内燃機関用のスパークプラグ(1)にある。
上記内燃機関用のスパークプラグにおいて、複数の噴孔は、該噴孔から流入した気流によって、副燃焼室に偏心スワール流が形成されるように設けてある。それゆえ、放電ギャップに生じた放電を、偏心スワール流によって引き伸ばすことができる。これにより、着火性を向上させることができる。
以上のごとく、上記態様によれば、着火性に優れた内燃機関用のスパークプラグを提供することができる。
なお、特許請求の範囲及び課題を解決する手段に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
実施形態1における、スパークプラグの先端部付近の、プラグ軸方向に沿った断面図。 図1のII-II線矢視断面図。 図2のIII-III線矢視断面図。 実施形態1における、内燃機関に取り付けられたスパークプラグの正面図。 実施形態1における、副燃焼室に生じる気流の説明図。 図1に、第1噴孔の延長領域を描き足した説明図。 図2に、第1噴孔の延長領域を描き足した説明図。 実験例1における、第1噴孔を通りプラグ中心軸を含む断面において見た解析結果の説明図。 実験例1における、放電ギャップを通りプラグ軸方向に直交する断面において見た解析結果の説明図。 実験例2における、角度θの説明図。 実験例2における、試験結果を示す線図。 実験例3における、距離L1及び内径dの説明図。 実験例3における、試験結果を示す線図。 実験例4における、試験結果を示す線図。 実験例4における、面積S5の説明図。 実験例5における、距離L1及び内径dの説明図。 実験例5における、試験結果を示す線図。 実験例6における、一つの試料の説明図。 実験例6における、他の一つの試料の説明図。 実験例6における、試験結果を示す線図。 実験例7における、試験結果を示す線図。 実験例7における、比較試料の噴孔の配置を示す説明図。 実施形態2における、噴孔の配置を示す説明図。 実施形態3における、噴孔の配置を示す説明図。 実施形態4における、噴孔の配置を示す説明図。 実施形態5における、噴孔の配置を示す説明図。 実施形態6における、スパークプラグの先端部付近の、プラグ軸方向に沿った断面図。 図27のXXVIII-XXVIII線矢視断面図。 実施形態7における、スパークプラグの先端部付近の、プラグ軸方向に沿った断面図。 実施形態8における、スパークプラグの先端部付近の、プラグ軸方向に沿った断面図。 実施形態9における、プラグ軸方向に直交する断面による、スパークプラグの断面図。 実施形態9における、プラグ軸方向に直交する断面による、他のスパークプラグの断面図。
(実施形態1)
内燃機関用のスパークプラグに係る実施形態について、図1~図7を参照して説明する。
本形態の内燃機関用のスパークプラグ1は、図1~図4に示すごとく、筒状の絶縁碍子3と、中心電極4と、筒状のハウジング2と、接地電極6と、プラグカバー5と、を有する。
図1、図3に示すごとく、中心電極4は、絶縁碍子3の内周側に保持されると共に絶縁碍子3から先端側に突出している。ハウジング2は、絶縁碍子3を内周側に保持する。接地電極6は、中心電極4との間に放電ギャップGを形成する。プラグカバー5は、放電ギャップGが配される副燃焼室50を覆うようハウジング2の先端部に設けられている。
図1~図3に示すごとく、プラグカバー5には、副燃焼室50と外部とを連通させる複数の噴孔51が形成されている。
接地電極6は、副燃焼室50の外周側からプラグ中心軸に向かって突出するように形成されている。
複数の噴孔51は、噴孔51から流入した気流によって、副燃焼室50に偏心スワール流が形成されるように設けてある。図5に示すごとく、偏心スワール流Fsは、プラグ軸方向Zから見て放電ギャップGよりも接地電極6の突出側の位置に旋回中心を有する旋回流である。
本形態のスパークプラグ1は、例えば、自動車、コージェネレーション等の内燃機関における着火手段として用いることができる。そして、図4に示すごとく、スパークプラグ1の軸方向Zの一端を、内燃機関の燃焼室に配置する。この内燃機関の燃焼室を、上述の「副燃焼室50」に対して、「主燃焼室11」という。
ハウジング2は、図1、図4に示すごとく、外周面に取付ネジ部23を有する。図4に示すごとく、取付ネジ部23が内燃機関のエンジンヘッド等に設けられたプラグホール12の雌ネジ部に螺合することで、内燃機関にスパークプラグ1が取り付けられる。スパークプラグ1は、先端側の一部を主燃焼室11に露出させた状態にて、内燃機関に取り付けられる。
スパークプラグ1の軸方向Zにおいて、主燃焼室11に露出する側を先端側、その反対側を基端側というものとする。また、軸方向Zに沿うスパークプラグ1の中心軸をプラグ中心軸という。プラグ中心軸を中心とする円の周方向をプラグ周方向という。
プラグカバー5は、ハウジング2の先端部に溶接等によって接合されている。接地電極6は、一端がハウジング2又はプラグカバー5に固定されている。この固定端から、接地電極6はプラグ中心軸に向かって突出している。本形態では、図3に示すごとく、接地電極6は、固定端から突出端へ向かうほど先端側へ向かうように傾斜している。ただし、接地電極6を、プラグ軸方向Zに直交するように配設した構成とすることもできる。
スパークプラグ1が内燃機関に取り付けられた状態において、プラグカバー5は、副燃焼室50を主燃焼室11と区画している。副燃焼室50にて生じた火炎は、噴孔51から主燃焼室11へ噴出する。
図2に示すごとく、スパークプラグ1は、複数の噴孔51として、少なくとも下記の第1噴孔511及び第2噴孔512を有する。第1噴孔511よりも第2噴孔512の方が、放電ギャップGに近い。
第1噴孔511は、図6、図7に示すごとく、噴孔軸511Lに沿った延長領域511Eの少なくとも一部が放電ギャップGと重なる。さらに、第1噴孔511は、図5に示すごとく、プラグ軸方向Zから見て、外側開口部511oから内側開口部511iに向かうベクトル511vが、以下の要件を満たすように形成されている。すなわち、ベクトル511vは、放電ギャップGに近づく側を向いているとともに、接地電極6の突出方向6vに対して90°±30°の角度をなす。本形態においては、接地電極6の突出方向6vに対するベクトル511vの角度が、略90°である。
第2噴孔512は、図3に示すごとく、噴孔軸512Lが放電ギャップGを通らない。かつ、第2噴孔512は、図5に示すごとく、プラグ軸方向Zから見て、外側開口部512oから内側開口部512iに向かうベクトル512vが、放電ギャップGから接地電極6の突出側へ遠ざかる側を向いている。
第2噴孔512は、プラグ軸方向Zから見て、内側開口部512iの少なくとも一部が、放電ギャップGよりも、接地電極6の突出側、かつ、接地電極6の幅の内側となる位置に配置されている。より好ましくは、第2噴孔512は、プラグ軸方向Zから見て、内側開口部512iの中心512cが、接地電極6の幅方向の中心となる位置に配置されている。また、本形態において、第2噴孔512は、プラグ軸方向Zから見て、内側開口部512iの全体が、接地電極6の幅方向の内側となる位置に配置されている。
本形態のスパークプラグ1は、図2に示すごとく、噴孔51として、第1噴孔511及び第2噴孔512に加え、第3噴孔513を有する。第3噴孔513は、プラグ軸方向Zから見て、図5に示すごとく、外側開口部513oから内側開口部513iに向かうベクトル513vが第1噴孔511へ向かう噴孔51である。
また、本形態のスパークプラグ1は、噴孔51として、第1噴孔511、第2噴孔512及び第3噴孔513に加え、第4噴孔514を有する。第4噴孔514は、プラグ軸方向Zから見て、外側開口部514oから内側開口部514iに向かうベクトル514vが第3噴孔513へ向かう噴孔である。
第1噴孔511以外の噴孔51は、内側開口部が放電ギャップGよりも接地電極6の突出側に配されている。すなわち、第2噴孔512の内側開口部512i、第3噴孔513の内側開口部513i、及び第4噴孔514の内側開口部514iは、放電ギャップGよりも接地電極6の突出側に配されている。本形態において、第1噴孔511の内側開口部511iは、接地電極6の突出方向6vにおいて、突出側端部と略同等の位置に配されている。
プラグ軸方向Zから見て、第3噴孔513の噴孔軸513L及び第4噴孔514の噴孔軸514Lは、プラグ径方向に対して傾斜している。プラグ軸方向Zから見て、第3噴孔513の噴孔軸513Lは、第2噴孔512の噴孔軸512Lと略平行となっており、ベクトル513vはベクトル512vと逆向きとなっている。また、プラグ軸方向Zから見て、第4噴孔514の噴孔軸514Lは、第1噴孔511の噴孔軸511Lと略平行となっており、ベクトル514vはベクトル511vと逆向きとなっている。
また、プラグ軸方向Zから見て、第1噴孔511の噴孔軸511L及び第4噴孔514の噴孔軸514Lは、第2噴孔512の噴孔軸512L及び第3噴孔513の噴孔軸513Lに対して、略直交している。
本形態においては、プラグカバー5には第1噴孔511、第2噴孔512、第3噴孔513、第4噴孔514の、4つの噴孔51が形成されている。これら4つの噴孔51のうち、第2噴孔512が、他の噴孔51よりも、流路断面積が大きい。第1噴孔511、第2噴孔512、及び第3噴孔513は、互いに流路断面積が略同等である。ここで、流路断面積は、各噴孔51の噴孔軸に直交する断面の面積である。
上記複数の噴孔51は、いずれも、外側開口部から内側開口部に向かうベクトルが、基端側を向くベクトル成分を有する。すなわち、外側開口部から内側開口部に向かうベクトルが、斜め基端側を向く。図6に示すごとく、第1噴孔511の噴孔軸511Lは、プラグ軸方向Zに対して、例えば55°~65°傾斜している。また、図3に示すごとく、第2噴孔512噴孔軸512Lは、プラグ軸方向Zに対して、例えば55°~65°傾斜している。
上述したように、第1噴孔511は、図6、図7に示すごとく、噴孔軸511Lに沿った延長領域511Eの少なくとも一部が放電ギャップGと重なる。しかし、その他の噴孔51、すなわち第2噴孔512、第3噴孔513、第4噴孔514は、それぞれの噴孔軸に沿った延長領域が、放電ギャップGと重ならない。
また、第1噴孔511の延長領域511Eは、他の噴孔51、すなわち第2噴孔512、第3噴孔513、第4噴孔514の延長領域と重ならない。
プラグカバー5に、複数の噴孔51が、上述のような態様にて形成されていることにより、内燃機関の圧縮行程において、副燃焼室50内に、図5に示すような回転方向の偏心スワール流Fsを形成することができる。すなわち、本形態の場合には、図5において、放電ギャップGの左下の位置に、旋回中心を有する偏心スワール流Fsが形成される。そして、偏心スワール流Fsは、同図における時計回りに旋回する。それゆえ、この偏心スワール流Fsは、放電ギャップG付近においては、接地電極6の突出側を向くベクトル成分を有することとなる。より具体的には、偏心スワール流Fsの、放電ギャップG付近における向きは、同図における右下方向となる。なお、副燃焼室50内においては、実際には複雑な気流が形成されることとなるが、上述のような偏心スワール流Fsが一部の気流として形成され、この偏心スワール流Fsに着目したとき、その流れの向きが上述のようになる。
次に、本形態の作用効果につき説明する。
上記内燃機関用のスパークプラグ1において、複数の噴孔51は、噴孔51から流入した気流によって、副燃焼室50に偏心スワール流Fsが形成されるように設けてある。それゆえ、放電ギャップGに生じた放電を、偏心スワール流Fsによって引き伸ばすことができる。これにより、着火性を向上させることができる。
このことにつき、副燃焼室内にプラグ中心軸を中心としたスワール流が形成される場合と比較して、具体的に説明する。まず、噴孔から流入する気流によって、副燃焼室内に、プラグ中心軸を中心としたスワール流が形成される場合につき、考察する。
すなわち、例えば、上述の特許文献1に開示された構成では、圧縮行程において、主燃焼室から副燃焼室内に流入する気流によって、副燃焼室内にプラグ中心軸を中心としたスワール流が形成される。そうすると、プラグ中心軸付近においては、スワール流の流速は低く、気流の淀みが生じやすい。その結果、圧縮行程点火を行う場合、プラグ中心軸に存在する放電ギャップにおいて生じた放電は、引き伸ばされにくい。それゆえ、例えば、低負荷時等におけるEGR(すなわち排気再循環)を利用した運転時等において、着火性の低下が懸念される。
これに対して、本形態のスパークプラグ1は、上述のように、流入気流によって、偏心スワール流が形成される。それゆえ、圧縮行程においては、放電ギャップGに充分な強さの気流が生じる。圧縮行程点火の場合、この気流によって、放電が引き伸ばされやすい。その結果、着火性を向上させることができる。
また、本形態のスパークプラグ1は、第1噴孔511及び第2噴孔512を有する。そして、第1噴孔511は、延長領域511Eの少なくとも一部が放電ギャップGと重なる(図6参照)。さらに、プラグ軸方向Zから見てベクトル511vが放電ギャップGに近づく側を向いているとともに、接地電極6の突出方向6vに対して90°±30°の角度をなすように形成されている(図5参照)。また、第2噴孔512は、噴孔軸512Lが放電ギャップGを通らず(図3参照)、かつ、プラグ軸方向Zから見て、ベクトル512vが、放電ギャップGから接地電極6の突出側へ遠ざかる側を向いている(図5参照)。これにより、偏心スワール流Fsを効果的に生じさせることができると共に、放電ギャップGにおける気流の強さを充分に得ることができる。それゆえ、圧縮行程点火によって生じた放電を、充分に引き伸ばすことができる。
また、膨張行程においては、噴孔を介して副燃焼室から主燃焼室へ気流が流出するが、上述の特許文献1に開示された構成の場合、副燃焼室における噴孔から離れた位置においては、流出気流に伴う気流が形成されにくい。それゆえ、放電ギャップ付近に充分な気流が形成されにくく、膨張行程点火の場合にも、充分な放電の引き伸ばし効果は期待できない。
したがって、例えば、低負荷時等における触媒暖機運転等を行う場合において、着火性の低下が懸念される。
これに対して、本形態のスパークプラグ1は、上述のように、第1噴孔511よりも放電ギャップGに近い第2噴孔512を有する。それゆえ、第2噴孔512から流出する気流に伴って、放電ギャップGの近傍に、第2噴孔512へ向かう気流が生じる。これにより、膨張行程点火によって生じた放電を引き伸ばすことができる。その結果、膨張行程点火においても、着火性を向上させることができる。
また、第2噴孔512は、プラグ軸方向Zから見て、内側開口部512iの少なくとも一部が、放電ギャップGよりも接地電極6の突出側、かつ、接地電極6の幅の内側となる位置に配置されている(図2参照)。これにより、膨張行程点火において放電ギャップGに生じた放電を、より第2噴孔512側へ引き伸ばしやすくなる。
また、本形態のスパークプラグ1は第3噴孔513を有する。これにより、圧縮行程において、偏心スワール流を効果的に形成することができる。
また、本形態のスパークプラグ1は、第4噴孔514を有する。これにより、圧縮行程において、偏心スワール流を一層効果的に形成することができる。
また、第1噴孔511以外の噴孔51は、内側開口部が放電ギャップGよりも、接地電極6の突出側に配されている。これにより、偏心スワール流の旋回中心を、放電ギャップGよりも接地電極6の突出側に形成しやすい。
以上のごとく、本形態によれば、着火性に優れた内燃機関用のスパークプラグを提供することができる。
(実験例1)
本例は、図8、図9に示すごとく、副燃焼室50内における気流の形成のされ方につき、シミュレーションにて確認した例である。なお、本例以降の実験例及び実施形態において用いた符号のうち、既出の実施形態において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、既出の実施形態におけるものと同様の構成要素等を表す。
本例においては、実施形態1に示したスパークプラグ1を内燃機関に取り付けた状態において、圧縮行程における、副燃焼室50内外の気流を解析した。
この気流の解析は、計算流動力学(以下において、CFDという。)を用いて算出した。すなわち、実施形態1のスパークプラグ1において、実際の自動車用エンジンとして用いる際に生じる気流を想定して、CFDによって一般的なシミュレーション解析を行った。
第1噴孔511を通りプラグ中心軸を含む断面において見た解析結果を、図8に示す。放電ギャップGを通りプラグ軸方向Zに直交する断面において見た解析結果を、図9に示す。これらの図において、多数の矢印のそれぞれが各箇所における気流の向きを示し、矢印の長さが長いほど流速が速いことを示す。
図8から分かるように、第1噴孔511から流入した気流の多くが、放電ギャップGに向かう。また、図9において、放電ギャップGの左下あたりを中心に、偏心スワール流が確認できる。偏心スワール流は、プラグ軸方向Zから見て放電ギャップGよりも接地電極6の突出側の位置に旋回中心を有する。そして、この旋回スワール流に着目すると、放電ギャップ付近において、接地電極6の突出側を向くベクトル成分を有するような旋回流となっている。
本例の解析結果から、実施形態1のスパークプラグ1は、圧縮行程において、偏心スワール流が形成されることが確認できる。
(実験例2)
本例においては、図10、図11に示すごとく、接地電極6の突出方向6vに対するベクトル511vの角度θの適切な範囲を調べた。
すなわち、第1噴孔511の形成位置及び向きを変更することで角度θを変更したスパークプラグを、複数種類用意した。その一例が、図5に示す、θ=90°のものである。また、θが90°未満のものの一例を、図10に示す。
そして、複数種類のスパークプラグを、それぞれ2L過給エンジンに取り付けて、当該エンジンを、2000rpmにて運転し、EGR燃焼限界を測定した。EGR燃焼限界は、燃焼変動率(以下「COV」という。)を3%以下に抑えることができる限界のEGR率として定義した。
ここで、COVは、以下の式から算出される。
COV(%)=(図示平均有効圧力(標準偏差))/(図示平均有効圧力(平均値))
また、図示平均有効圧力(平均値)は、500kPaである。
測定結果を、角度θとEGR燃焼限界との関係として、図11に示す。同図において、縦軸は、角度θが0°の場合のEGR燃焼限界に対する、EGR燃焼限界の拡大代を示す。
同図から分かるように、角度θが60°以上となると、EGR燃焼限界の拡大代が1.5ポイント以上となる。また、角度θが75°以上となると、EGR燃焼限界の拡大代が3ポイント以上となる。さらに、角度θが90°に近づくと、よりEGR燃焼限界の拡大代が大きくなる。なお、EGR燃焼限界の拡大代1.5ポイント、3ポイントは、角度θが0°の場合に比べて、それぞれEGR燃焼限界が、それぞれ1.5%分、3%分、拡大することを意味する。
また、角度θが90°を超える場合については、原理的に考えると、以下のようになると推察される。すなわち、角度θが120°のとき、角度θが60°の場合と略同様のEGR燃焼限界の拡大が期待できる。角度θが105°のとき、角度θが75°の場合と略同様のEGR燃焼限界の拡大が期待できる。
本例の結果から、角度θは、90°±30°とすることが望ましいことが分かる。また、より好ましくは、角度θは、75°~105°、すなわち90°±15°とする。また、角度θは、約90°とすることがさらに好ましい。
(実験例3)
本例においては、図12、図13に示すごとく、第2噴孔512の内側開口部512iの中心512cと放電ギャップGとのプラグ径方向の距離L1の適切な範囲を調べた。
まず、第2噴孔512の形成位置を変更することで距離L1を変更したスパークプラグを、複数種類用意した。なお、距離L1を特定するための放電ギャップGの位置は、プラグ軸方向Zに中心電極4と接地電極6とが重なる位置のうち、最もプラグ軸方向Zの距離が短い位置とする。
そして、各スパークプラグを、それぞれ2L過給エンジンに取り付けて、当該エンジンを、1500rpmにて運転した。また、点火時期は、膨張行程であって、ATDC10°の時点とした。このときのCOVを測定した。測定結果を、図13に示す。同図において、横軸は、L1/(d/2)である。ここで、dは、プラグカバー5の内径であり、いずれの試料においても一定としている。縦軸は、COVである。
同図から分かるように、L1/(d/2)が大きくなりすぎると、COVが大きくなりすぎる。そして、L1/(d/2)を0.5以下とすることで、COVを20%以下に低減できることが分かる。さらに、0.2≦L1/(d/2)≦0.5、を満たすことで、COVを15%以下に低減することができる。なお、COV20%以下は、ドライバビリティの問題が生じにくいレベルである。また、COV15%以下は、ドライバビリティの問題が殆ど生じないレベルである。
本例の結果から、第2噴孔512の内側開口部512iの中心位置を、放電ギャップGからプラグ径方向に離れすぎないようにすることで、着火性を向上させることができるといえる。また、第2噴孔512の内側開口部512iの中心位置を、放電ギャップGから接地電極6の突出方向に若干離れるようにすることで、着火性を向上させることができるといえる。
(実験例4)
本例においては、図14に示すごとく、第2噴孔512の噴孔軸512L(図3参照)に直交する断面の断面積S2の適切な範囲を調べた。
まず、第2噴孔512の断面積S2を変更したスパークプラグを、複数種類用意した。そして、各スパークプラグを取り付けた内燃機関において、実験例3と同様に、COVを測定した。測定結果を、図14に示す。同図において、横軸は、S2/S5である。ここで、S5は、プラグカバー5のプラグ軸方向Zに直交する断面の外形の内側の面積である。つまり、図15において輪郭59の内側の斜線ハッチングを付した領域の面積が、S5に相当する。図15における外形(すなわち輪郭59)は、図2に示す断面図の外形と同じ外形を示す。いずれの試料においても、S5は一定としている。縦軸は、COVである。
同図から分かるように、S2/S5が小さすぎると、COVが大きくなりすぎる。そして、S2/S5を0.006以上とすることで、COVを20%以下に低減できることが分かる。さらに、S2/S5を0.01以上とすることで、COVを15%以下に低減することができる。これは、ある程度、第2噴孔512の断面積S2を大きくすることで、第2噴孔512から流入する気流による放電の引き伸ばし効果が充分に得られるためと考えられる。
なお、S2/S5を0.028以下とすることで、圧縮行程において、第2噴孔512からの流入気流が多くなりすぎることを抑制することができる。これにより、副燃焼室50に偏心スワール流の形成を確保することができる。
かかる観点を踏まえ、上述の実験例の結果と合わせて、0.006≦S2/S5≦0.028、を満たすことが好ましいといえる。また、0.01≦S2/S5≦0.028、を満たすことがさらに好ましいといえる。
(実験例5)
本例においては、図16、図17に示すごとく、中心電極4の先端と副燃焼室50の先端とのプラグ軸方向Zの距離hの適切な範囲を調べた。
まず、距離hを変更したスパークプラグを、複数種類用意した。そして、各スパークプラグを取り付けた内燃機関において、実験例3と同様に、COVを測定した。測定結果を、図17に示す。同図において、横軸は、h/dである。ここで、dは、プラグカバー5の内径であり、いずれの試料においても一定としている。縦軸は、COVである。
同図から分かるように、h/dが大きくなりすぎると、COVが大きくなりすぎる。そして、h/dを0.33以下とすることで、COVを20%以下に低減できることが分かる。さらに、h/dを0.3以下とすることで、COVを15%以下に低減することができる。
なお、接地電極6とプラグカバー5との干渉を防ぐ観点で、h/dを0.15以上とすることが好ましい。
かかる観点を踏まえて、本実験例の結果と合わせて、0.15≦h/d≦0.33、を満たすことが好ましいといえる。また、0.15≦h/d≦0.3、を満たすことがさらに好ましいといえる。
(実験例6)
本例においては、図18~図20に示すごとく、副燃焼室50における中心電極4よりも先端側の領域の容積に対する副燃焼室50全体の容積の割合の、適切な範囲を調べた。
副燃焼室50における中心電極4よりも先端側の領域の容積に対する副燃焼室50全体の容積の割合に近似する指標として、「V/(h×S50)」を用いている。ここで、hは、上述した図16に示すように、中心電極4の先端と副燃焼室50の先端とのプラグ軸方向Zの距離である。S50は、プラグカバー5のプラグ軸方向Zに直交する断面の内周の内側の面積である。Vは、副燃焼室50の容積である。なお、副燃焼室50は、プラグカバー5の内側の空間のみならず、その基端側に連続するハウジング2の内側の空間をも含む。
そこで、本例においては、まず、例えば、図16、図18、図19に示すごとく、容積Vを変更することで、V/(h×S50)を変更したスパークプラグを、複数種類用意した。図18、図19に示すスパークプラグは、絶縁碍子3からの中心電極4の突出長さを大きくするとともに、絶縁碍子3の先端位置を基端側に設けたものである。これにより、これらのスパークプラグは、ハウジング2の内側の空間容積を大きくして、副燃焼室50の容積を大きくしている。
そして、各スパークプラグを取り付けた内燃機関において、実験例3と同様に、COVを測定した。測定結果を、図20に示す。同図において、横軸は、V/(h×S50)である。縦軸は、COVである。
同図から分かるように、V/(h×S50)が小さくなりすぎると、COVが大きくなりすぎる。そして、V/(h×S50)を2以上とすることで、COVを20%以下に低減できることが分かる。さらに、V/(h×S50)を2.5以上とすることで、COVを15%以下に低減することができる。
なお、スパークプラグ1の製造コスト等の観点で、V/(h×S50)を6以下とすることが好ましい。
かかる観点を踏まえて、本実験例の結果と合わせて、2≦V/(h×S50)≦6
、を満たすことが好ましいといえる。また、2.5≦V/(h×S50)≦6、を満たすことがさらに好ましいといえる。
(実験例7)
本例においては、図21に示すごとく、副燃焼室50の容積によるEGR燃焼限界への影響を確認した。
まず、試料1~3として、実施形態1に示したスパークプラグ1とともに、副燃焼室50の容積を変化させたスパークプラグを複数用意した。実施形態1(図1~図3参照)のスパークプラグ1を試料1とした。試料2、試料3は、試料1に対して、副燃焼室50の容積を大きくした。試料2、試料3は、図18、図19に示したものと同様に、絶縁碍子3からの中心電極4の突出長さを大きくするとともに、絶縁碍子3の先端位置を、基端側に設けたものである。これにより、これらのスパークプラグは、ハウジング2の内側の空間容積を大きくして、副燃焼室50の容積を大きくしている。副燃焼室50の容積は、試料1が0.3cc、試料2が0.4cc、試料3が0.55ccである。
また、比較試料として、図22に示すような噴孔951の配置のスパークプラグ9を用意した。このスパークプラグ9の場合、圧縮行程において、副燃焼室950に、プラグ中心軸を中心とするスワール流が形成される。なお、比較試料のスパークプラグ9における、噴孔951以外の構成は、実施形態1と同様である。
試験は、実験例2と同様の方法にて行い、EGR燃焼限界を測定した。その結果を、図21に示す。同図に示すように、試料1~3のいずれにおいても、比較試料に対してEGR燃焼限界の拡大が確認された。なお、同図において、複数本の破線は、EGR燃焼限界の各目盛りを延長したものであるが、上下に隣り合う破線の間隔は、3ポイント分である。
(実施形態2)
本形態は、図23に示すごとく、噴孔51の位置及び向きを、実施形態1に示したものに対して、変更した形態である。
本形態のスパークプラグ1においては、第1噴孔511が、放電ギャップGよりも、接地電極6の固定端側に配されている。また、第2噴孔512の内側開口部512iの一部が、放電ギャップGと、プラグ軸方向Zに重なっている。その他の噴孔51の位置及び向きも、実施形態1に示したものに対して若干異なっている。
その他は、実施形態1と同様である。
本形態の場合にも、圧縮行程における偏心スワール流の形成が期待できる。
その他、実施形態1と同様の作用効果を得ることができる。
(実施形態3)
本形態も、図24に示すごとく、噴孔51の位置及び向きを、実施形態1に示したものに対して、変更した形態である。
本形態のスパークプラグ1においては、第1噴孔511の内側開口部511iが、放電ギャップGよりも、接地電極6の突出側に配されている。これにより、すべての噴孔51の内側開口部511i、512i、513i、514iが、放電ギャップGよりも、接地電極6の突出側に配されている。
その他は、実施形態1と同様である。
本形態の場合にも、圧縮行程における偏心スワール流の形成が期待できる。
その他、実施形態1と同様の作用効果を得ることができる。
(実施形態4)
本形態は、図25に示すごとく、噴孔51の個数を3個とした形態である。
また、すべての噴孔51の内側開口部が、放電ギャップGよりも、接地電極6の突出側に配されている。
その他は、実施形態1と同様である。
本形態の場合にも、圧縮行程における偏心スワール流の形成が期待できる。
その他、実施形態1と同様の作用効果を得ることができる。
なお、噴孔51の個数については、例えば5個以上とすることもできる。
(実施形態5)
本形態は、図26に示すごとく、第2噴孔512の内側開口部512iの中心512cを、接地電極6の幅方向の中心からずらした形態である。
ただし、本形態においても、第2噴孔512は、プラグ軸方向Zから見て、内側開口部512iの少なくとも一部が、放電ギャップGよりも接地電極6の突出側、かつ、接地電極6の幅の内側(すなわち、図26におけるwを付した領域内)となる位置に配置されている。
また、本形態においては、第2噴孔512の内側開口部512iの中心512cを、接地電極6の幅方向の中心よりも、第1噴孔511から遠い側であって、かつ接地電極6の幅wの内側に配置している。
その他は、実施形態1と同様である。
本形態の場合にも、実施形態1と同様の作用効果を得ることができる。
(実施形態6)
本形態は、図27、図28に示すごとく、放電ギャップGに面する接地電極6の幅wを小さくした形態である。
例えば、接地電極6の幅wを、中心電極4における絶縁碍子3に保持されている部位の直径よりも小さくすることができる。
図28に示すごとく、接地電極6は、ハウジング2又はプラグカバー5に固定される電極本体部60と、電極本体部60からその突出方向に延設された延設部61とを有するものとすることもできる。この場合において、電極本体部60に対して延設部61の幅を小さくすることができる。延設部61は、電極本体部60に対して溶接等にて接合することができる。
その他は、実施形態1と同様である。
本形態の場合には、放電ギャップG付近に気流が生じた際に、比較的即座に放電の伸長が生じやすい。その結果、着火性を安定させやすい。また、初期火炎の消炎作用を抑制することもできる。
その他、実施形態1と同様の作用効果を有する。
(実施形態7)
本形態は、図29に示すごとく、放電ギャップGを挟んで対向する、中心電極4の放電面42と、接地電極6の放電面62とが、互いに略平行となるように形成されている形態である。
本形態の場合には、接地電極6の放電面62が、プラグ径方向に対して傾斜しているため、これに合わせて、中心電極4の放電面42を、プラグ径方向に対して傾斜させている。
その他は、実施形態1と同様である。
本形態の場合には、中心電極4の消耗による放電ギャップGの拡大を抑制することができる。それゆえ、スパークプラグ1の長寿命化を図ることができる。
その他、実施形態1と同様の作用効果を有する。
(実施形態8)
本形態は、図30に示すごとく、接地電極6の延設方向及びプラグ軸方向の双方に直交する方向から見たとき、接地電極6の放電面62の延長線が、第2噴孔512の内側開口部512i付近を通るよう構成した形態である。
図30に示すごとく、接地電極6の延設方向及びプラグ軸方向の双方に直交する方向から見たときの、第2噴孔512の内側開口部512iの中心512cと、放電ギャップGの中心とを結ぶ直線を、直線L2とする。なお、ここでの放電ギャップGの中心は、接地電極6と中心電極4とを最短距離にて結ぶ線分の中点である。
このとき、放電面62は、直線L2に略平行である。例えば、放電面62と直線L2とのなす角度の絶対値を、5°以下とすることができる。
その他は、実施形態1と同様である。
本形態においては、放電ギャップGから第2噴孔512の内側開口部512iへ向かうベクトルが、放電面62に略平行とすることができる。それゆえ、放電ギャップGにおいて生じた放電を、より、第2噴孔512へ向かって引き伸ばしやすくすることができる。
その他、実施形態1と同様の作用効果を有する。
(実施形態9)
本形態は、図31、図32に示すごとく、プラグカバー5の側壁の厚みをプラグ周方向位置によって異ならせた形態である。
本形態においては、プラグ軸方向Zから見たとき、プラグカバー5の外周輪郭59はプラグ中心軸を中心とする円形状となる。また、放電ギャップGは、プラグ中心軸に存在する。一方、プラグカバー5の内周輪郭58は、プラグ中心軸からずれた点を中心とする円形状となっている。つまり、内周輪郭58を外周輪郭59に対して偏心させている。これにより、プラグ軸方向Zから見たとき、副燃焼室50の中心が、放電ギャップGからずれる。
図31及び図32は、本形態の例示であって、複数の噴孔51の配置が互いに異なるものを示している。図31に示すスパークプラグ1は、複数の噴孔51は、流入する気流によって、副燃焼室50の内壁(すなわち、プラグカバー5の内周輪郭58)に沿うような、スワール流が形成されるような向き及び位置に設けてある。このスワール流は、放電ギャップGよりも接地電極6の突出側に旋回中心を有する偏心スワール流Fsである。
また、図32に示すスパークプラグも、同様に、流入する気流によって、偏心スワール流Fsが形成されるように、複数の噴孔51が設けてある。そして、同図に示すスパークプラグ1は、複数の噴孔51のうちの一つが、放電ギャップGの近傍に設けてある。
本形態においても、放電ギャップGに生じた放電を、偏心スワール流Fsによって引き伸ばすことができる。これにより、着火性を向上させることができる。
本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の実施形態に適用することが可能である。
1 内燃機関用のスパークプラグ
2 ハウジング
3 絶縁碍子
4 中心電極
5 プラグカバー
50 副燃焼室
51 噴孔
6 接地電極
G 放電ギャップ

Claims (10)

  1. 筒状の絶縁碍子(3)と、
    該絶縁碍子の内周側に保持されると共に該絶縁碍子から先端側に突出した中心電極(4)と、
    上記絶縁碍子を内周側に保持する筒状のハウジング(2)と、
    上記中心電極との間に放電ギャップ(G)を形成する接地電極(6)と、
    上記放電ギャップが配される副燃焼室(50)を覆うよう上記ハウジングの先端部に設けられたプラグカバー(5)と、を有し、
    上記プラグカバーには、上記副燃焼室と外部とを連通させる複数の噴孔(51)が形成されており、
    上記接地電極は、上記副燃焼室の外周側からプラグ中心軸に向かって突出するように形成されており、
    上記複数の噴孔は、該噴孔から流入した気流によって、上記副燃焼室に偏心スワール流(Fs)が形成されるように設けてあり、
    上記偏心スワール流は、プラグ軸方向(Z)から見て上記放電ギャップよりも上記接地電極の突出側の位置に旋回中心を有する旋回流である、内燃機関用のスパークプラグ(1)。
  2. 上記複数の噴孔として、少なくとも下記の第1噴孔(511)及び第2噴孔(512)を有し、
    上記第1噴孔よりも上記第2噴孔の方が、上記放電ギャップに近く、
    上記第1噴孔は、噴孔軸(511L)に沿った延長領域(511E)の少なくとも一部が上記放電ギャップと重なり、かつ、プラグ軸方向から見て、外側開口部(511o)から内側開口部(511i)に向かうベクトルが、上記放電ギャップに近づく側を向いているとともに、上記接地電極の突出方向に対して90°±30°の角度をなすように形成されており、
    上記第2噴孔は、噴孔軸(512L)が上記放電ギャップを通らず、かつ、プラグ軸方向から見て、外側開口部(512o)から内側開口部(512i)に向かうベクトルが、上記放電ギャップから上記接地電極の突出側へ遠ざかる側を向いている、
    請求項1に記載の内燃機関用のスパークプラグ。
  3. 上記第2噴孔は、プラグ軸方向から見て、内側開口部の少なくとも一部が、上記放電ギャップよりも上記接地電極の突出側、かつ、上記接地電極の幅の内側となる位置に配置されている、請求項2に記載の内燃機関用のスパークプラグ。
  4. 上記第2噴孔の内側開口部の中心(512c)と上記放電ギャップとのプラグ径方向の距離をL1、上記プラグカバーの内径をd、としたとき、
    0≦L1/(d/2)≦0.5
    を満たす、請求項3に記載の内燃機関用のスパークプラグ。
  5. 上記第2噴孔の噴孔軸に直交する断面の断面積をS2、上記プラグカバーのプラグ軸方向に直交する断面の外形の内側の面積をS5としたとき、
    0.006≦S2/S5≦0.028
    を満たす、請求項2~4のいずれか一項に記載の内燃機関用のスパークプラグ。
  6. 上記噴孔として、上記第1噴孔及び上記第2噴孔に加え、プラグ軸方向から見て、外側開口部から内側開口部に向かうベクトルが上記第1噴孔へ向かう第3噴孔(513)を有する、請求項2~5のいずれか一項に記載の内燃機関用のスパークプラグ。
  7. 上記噴孔として、上記第1噴孔、上記第2噴孔及び上記第3噴孔に加え、プラグ軸方向から見て、外側開口部から内側開口部に向かうベクトルが上記第3噴孔へ向かう第4噴孔(514)を有する、請求項6に記載の内燃機関用のスパークプラグ。
  8. 上記第1噴孔以外の上記噴孔は、内側開口部が放電ギャップよりも、上記接地電極の突出側に配されている、請求項2~7のいずれか一項に記載の内燃機関用のスパークプラグ。
  9. 上記中心電極の先端と上記副燃焼室の先端とのプラグ軸方向の距離をh、上記プラグカバーの内径をdとしたとき、
    0.15≦h/d≦0.33
    を満たす、請求項1~8のいずれか一項に記載の内燃機関用のスパークプラグ。
  10. 上記中心電極の先端と上記副燃焼室の先端とのプラグ軸方向の距離をh、上記プラグカバーのプラグ軸方向に直交する断面の内周の内側の面積をS50、上記副燃焼室の容積をVとしたとき、
    2≦V/(h×S50)≦6
    を満たす、請求項1~9のいずれか一項に記載の内燃機関用のスパークプラグ。
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