JP2023013477A - 内燃機関の排気浄化システムおよび内燃機関の排気浄化方法 - Google Patents

内燃機関の排気浄化システムおよび内燃機関の排気浄化方法 Download PDF

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Abstract

Figure 2023013477000001
【課題】尿素水の供給異常の有無を、精度よく判定する。
【解決手段】実噴射量算出部130は、噴射停車時回転速度Nsと噴射時におけるポンプ回転速度Nとの差に基づいて実噴射量Qpを算出する。状態判定部140は、噴射停止時回転速度Nsと噴射時停止時回転速度Ns(pv)の差が所定値Aより大きいとき、不安定状態と判定する。不安定状態と判定されたとき、積算実噴射量算出部150は実噴射量Qpの積算を停止し、積算指令噴射量算出部16は指令噴射量Qpの積算を停止する。異常判定部170は、積算指令噴射量ΣQoと積算実噴射量ΣQpを比較することにより、尿素水の供給異常を判定する。
【選択図】図5

Description

本開示は、内燃機関の排気浄化システム、および内燃機関の排気浄化方法に関する。
内燃機関の排気に含まれる窒素酸化物(NOx)を浄化する排気浄化装置として、内燃機関の排気通路に還元剤を供給してNOxを還元することが知られている。たとえば、特開2019-108840号公報(特許文献1)には、排気通路に設けた噴射弁から尿素水を噴射し、噴射した尿素水から生成したアンモニアを還元剤として用い、排気中のNOxを還元する選択還元触媒(以下、SCR(Selective Catalytic Reduction)触媒とも称する)を備えた排気浄化装置が開示されている。この特許文献1に開示された内燃機関の排気浄化装置は、尿素水の供給異常が発生しているか否かの診断を行う異常判定装置を備えている。
特開2019-108840号公報
特許文献1に開示された排気浄化装置は、尿素水を噴射弁に加圧供給するポンプを備えており、噴射弁の噴射状態におけるポンプの回転速度である噴射時回転速度に基づいて、尿素水の供給異常を判定している。詳細には、噴射弁の噴射停止状態におけるポンプの回転速度である無噴射時回転速度に対する噴射時回転速度の上昇量から、実噴射量を算出し、噴射弁の要求噴射量と実噴射量との差に基づいて、尿素水の供給異常を判定している。
車両の加減速時等、ポンプに加速度が加わると、加速度の影響によりポンプの回転速度が不安定になる。このため、車両の走行時には、特に、噴射弁の噴射停止状態におけるポンプの回転速度である無噴射時回転速度(以下、基準回転速度とも称する)が変動し、実噴射量の算出精度が悪化する場合がある。実噴射量の算出精度が悪化すると、尿素水の供給異常の有無を誤判定する可能性がある。
本開示の目的は、尿素水の供給異常の有無を、精度よく判定することである。
本開示の内燃機関の排気浄化システムは、車両に搭載された内燃機関の排気通路に尿素水を供給し、内燃機関から排出されたNOxを浄化する内燃機関の排気浄化システムである。内燃機関の排気浄化システムは、排気通路に尿素水を噴射する添加弁と、回転駆動されることにより、尿素水を添加弁へ吐出するポンプと、ポンプから吐出された尿素水を添加弁に供給する供給通路と、ポンプと添加弁を制御する制御装置と、を備える。制御装置は、所定の周期で噴射と噴射停止とを繰り返し実行するよう、添加弁を制御する。制御装置は、供給通路内の尿素水の圧力を所定圧に制御するポンプ制御部と、添加弁の指令噴射量を算出する指令噴射量算出部と、添加弁の噴射停止時における前記ポンプの回転速度である基準回転速度と添加弁の噴射時におけるポンプの回転速度である噴射時回転速度との差に基づいて、添加弁から噴射される実噴射量を算出する実噴射量算出部と、複数の噴射における指令噴射量を積算することにより、指令噴射量の積算値である積算指令噴射量を算出する積算指令噴射量算出部と、複数の噴射における実噴射量を積算することにより、実噴射量の積算値である積算実噴射量を算出する積算実噴射量算出部と、積算指令噴射量と積算実噴射量とを比較することにより、尿素水の供給異常の有無を判定する異常判定部と、今回の周期における基準回転速度と前回の周期における基準回転速度との差が第1所定値以上のとき、不安定状態であると判定する状態判定部と、を含む。積算指令噴射量算出部は、状態判定部で不安定状態であると判定されたとき、指令噴射量の積算を停止し、積算実噴射量算出部は、状態判定部で不安定状態であると判定されたとき、実噴射量の積算を停止する。
この構成によれば、供給通路内の尿素水は、添加弁から排気通路に噴射される。制御装置は、所定の周期で噴射と噴射停止を繰り返し実行するよう、添加弁を制御する。制御装置のポンプ制御部は、供給通路内の尿素水の圧力が所定圧になるようポンプを制御する。添加弁から尿素水が噴射されると、供給通路内の尿素水の圧力が低下する。供給通路内の尿素水の圧力は所定圧に制御されているので、供給通路内の尿素水の圧力が低下するとポンプの回転速度が上昇する。このため、添加弁から噴射された尿素水の量と、ポンプの回転速度の上昇量は相関する。
実噴射量算出部は、添加弁の噴射停止時におけるポンプの回転速度である基準回転速度と添加弁の噴射時におけるポンプの回転速度である噴射時回転速度との差に基づいて実噴射量を算出する。基準回転速度と噴射時回転速度の差は、ポンプの回転速度の上昇量に相当するので、添加弁から噴射される実噴射量を算出することができる。
積算指令噴射量算出部は、複数の噴射における指令噴射量を積算し、積算指令噴射量を算出する。積算実噴射量算出部は、複数の噴射における実噴射量を積算し、積算実噴射量を算出する。異常判定部は、積算指令噴射量と積算実噴射量とを比較することにより、尿素水の供給異常の有無を判定する。
車両の加減速や旋回等により車両に加速度が加わると、ポンプにも加速度が加わる。ポンプに加速度が加わると、添加弁の噴射停止時におけるポンプの回転速度である基準回転速度が変動する。このため、車両の加減速等によって、基準回転速度が変動し、実噴射量の算出精度が悪化する場合がある。実噴射量の算出精度が悪化すると、尿素水の供給異常の有無を誤判定する可能性がある。
状態判定部は、今回の周期における基準回転速度と前回の周期における基準回転速度との差が第1所定値以上のとき、不安定状態であると判定する。車両の加減速等によって基準回転速度が変動すると、今回の周期における基準回転速度と前回の周期における基準回転速度との差が第1所定値以上になり、状態判定部で不安定状態であると判定される。
積算指令噴射量算出部は、状態判定部で不安定状態であると判定されたとき、指令噴射量の積算を停止するので、不安定状態であるときの指令噴射量が積算されない。積算実噴射量算出部は、状態判定部で不安定状態であると判定されたとき、実噴射量の積算を停止するので、不安定状態であるときの実噴射量が積算されない。
積算実噴射量には、算出精度の悪い不安定状態であるときの実噴射量が積算されないので、車両の加減速等によって、基準回転速度が変動しても、積算実噴射量の算出精度は悪化しない。したがって、異常判定部において、尿素水の供給異常の有無を精度よく判定することができる。
好ましくは、実噴射量算出部は、添加弁の噴射開始前に基準回転速度を取得し、添加弁の噴射開始後に噴射時回転速度を取得するとともに、噴射開始前の基準回転速度に対する噴射開始後の噴射時回転速度の上昇量に基づいて実噴射量を算出する。実噴射量算出部は、添加弁の噴射開始前に基準回転速度を取得できない場合、前回の周期で取得した基準回転速度を用いて上昇量を求めるようにしてもよい。
この構成によれば、実噴射量算出部は、添加弁の噴射開始前の基準回転速度に対する添加弁の噴射開始後の噴射時回転速度の上昇量に基づいて実噴射量を算出する。指令噴射量が大きく噴射期間が長くなると、噴射停止期間が短くなる。噴射停止期間が短くなると、直前の噴射の影響を受けて、噴射開始前の基準回転速度を取得できなくなる場合がある。この場合、実噴射量算出部は、前回の周期で取得した基準回転速度を用いて上昇量を求めることにより、実噴射量を算出することができる。
本開示の内燃機関の排気浄化方法は、車両に搭載された内燃機関の排気通路に尿素水を供給する添加弁と、回転駆動されることにより、尿素水を添加弁に供給するポンプと、ポンプから吐出された尿素水を添加弁に供給する供給通路と、供給通路内の尿素水の圧力を所定圧に制御するポンプ制御手段と、所定の周期で噴射と噴射停止とを繰り返し実行するよう、添加弁を制御する添加弁制御手段と、を備えた内燃機関の排気浄化方法である。内燃機関の排気浄化方法は、添加弁の指令噴射量を算出するステップと、添加弁の噴射停止時における前記ポンプの回転速度である基準回転速度と添加弁の噴射時におけるポンプの回転速度である噴射時回転速度との差に基づいて、添加弁から噴射される実噴射量を算出するステップと、今回の周期における基準回転速度と前回の周期における基準回転速度との差が、所定値以上のとき、不安定状態であると判定するステップと、複数の噴射における指令噴射量を積算するとともに、不安定状態と判定されたときの指令噴射量の積算を行わないことにより、指令噴射量の積算値である積算指令噴射量を算出するステップと、複数の噴射における実噴射量を積算するとともに、不安定状態と判定されたときの実噴射量の積算を行わないことにより、実噴射量の積算値である積算実噴射量を算出するステップと、積算指令噴射量と積算実噴射量とを比較することにより、尿素水の供給異常の有無を判定するステップと、を含む。
この方法によれば、積算指令噴射量と積算実噴射量とを比較することにより、尿素水の供給異常の有無を判定する。今回の周期における基準回転速度と前回の周期における基準回転速度との差が、所定値以上のとき、不安定状態であると判定する。
積算指令噴射量は、複数の噴射における指令噴射量を積算するとともに、不安定状態と判定されたときの指令噴射量の積算を行わないことにより算出される。積算実噴射量は、複数の噴射における実噴射量を積算するとともに、不安定状態と判定されたときの実噴射量の積算を行わないことにより算出される。
積算実噴射量には、算出精度の悪い不安定状態であるときの実噴射量が積算されないので、車両の加減速等によって、基準回転速度が変動しても、積算実噴射量の算出精度は悪化しない。したがって、この方法によれば、尿素水の供給異常の有無を精度よく判定することができる。
本開示によれば、尿素水の供給異常の有無を、精度よく判定することができる。
本実施の形態に係る内燃機関の排気浄化システムを搭載した車両の全体構成図である。 尿素添加弁30の尿素水噴射時における、ポンプ41のポンプ回転速度Nと供給通路42内の尿素水圧力Pの推移を示した図である。 積算指令噴射量ΣQoと積算実噴射量ΣQpの推移を示す図である。 車両1に加わる加速度とポンプ回転速度Nの関係を示した図である。 本実施の形態において、E/G-ECU100に構成される機能ブロックを示す図である。 指令噴射量算出部120で実行される、指令噴射量算出制御の処理を示すフローチャートである。 実噴射量算出/異常判定制御の処理を示すフローチャートである。 上昇量積算値ΣΔNと実噴射量Qpの換算マップである。 変形例における、実噴射量算出/異常判定制御の処理を示すフローチャートである。
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
図1は、本実施の形態に係る内燃機関の排気浄化システムを搭載した車両1の全体構成図である。図1において、車両1は、内燃機関10と、トルクコンバータ付き自動変速機3と、ディファレンシャルギヤ5と、駆動輪7とを備える。内燃機関10は、圧縮自己着火式内燃機関(ディーゼルエンジン)であり、内燃機関本体のシリンダ(気筒)に形成された燃焼室に、燃料噴射弁(インジェクター)から燃料を噴射し、圧縮自己着火を行う内燃機関である。内燃機関10から出力された動力は、自動変速機3およびディファレンシャルギヤ5を介して駆動輪7に伝達される。
内燃機関10の燃焼室から排出される排気(排気ガス)は、排気マニホールドに集められ、排気通路20を介して、外気に放出される。排気通路20には、排気浄化システム2が設けられており、上流側から、酸化触媒22、DPF(Diesel Particulate Filter)24、選択還元触媒26(以下、SCR(Selective Catalytic Reduction)触媒26とも称する)、酸化触媒28が設けられている。酸化触媒22は、排気中の一酸化炭素(CO)を二酸化炭素(CO)に酸化し、排気中の炭化水素(HC)を水(HO)とCOに酸化する。また、排気中の一酸化窒素(NO)を二酸化窒素(NO)に酸化する。これは、窒素酸化物(NOx)の還元反応は、NOとNOが1:1の比率のとき、反応速度が速いため、ディーゼル内燃機関の排気中にはNOが多く含まれているため、排気中のNOをNOに酸化して、NOとNOの比を1:1に近づけるためである。
DPF24は、排気中の微粒子を捕集し、捕集した微粒子を適宜燃焼除去することにより、浄化する。SCR触媒26は、排気中のNOxを還元浄化する。SCR触媒26は、たとえば、セラミック担体に銅(Cu)イオン交換ゼオライトを触媒として担持したものであり、アンモニア(NH)を還元剤として用いることにより、高い浄化率を示すものである。還元剤として利用するアンモニアは、SCR触媒26の上流の排気通路20に供給した尿素水を加水分解することにより生成する。SCR触媒26の上流の排気通路には、尿素添加弁(尿素水噴射インジェクター)30が設けられ、尿素水タンク40からポンプ41によって圧送される尿素水を、尿素添加弁30から、SCR触媒26の上流の排気通路20に噴射する。酸化触媒28は、SCR触媒26から排出された(スリップした)アンモニアを酸化して浄化する。
図1において、尿素水タンク40には、所定の濃度の尿素水が貯留されている。尿素水タンク40に貯留された尿素水は、ポンプ41によって、供給通路42を介して尿素添加弁30に圧送される。
ポンプ41は、たとえば、電動モータ(図示しない)によって回転駆動される外接歯車ポンプであり、その歯車の回転速度に応じて、尿素水タンク40内の尿素水を供給通路42へ吐出する。ポンプ41には、回転速度センサ45が設けられている。回転速度センサ45は、単位時間当たりのポンプの回転数であるポンプ回転速度Nを検出する。なお、三相ブラシレスモータのように、各相コイルに発生する誘起電圧(逆起電圧)を用いてモータの回転速度を検出している場合には、センサレスでポンプ回転速度Nを検出することができる。ポンプ41は、回転駆動されて尿素水を吐出するものであればよく、たとえば、ベーンポンプであってもよい。
ポンプ41から吐出された尿素水を尿素添加弁30に供給する供給通路42には、圧力センサ46が設けられており、供給通路42内の尿素水の圧力(尿素水圧力)Pを検出する。供給通路42には、リターン通路43が連通している。リターン通路43はポンプ41から吐出された余剰の尿素水を尿素水タンク40に戻す。リターン通路43と尿素水タンク40の接続部には、逆止弁44が設けられており、尿素水タンク40の尿素水がリターン通路43に逆流することが抑止される。逆止弁44は、供給通路42内の尿素水圧力Pが所定圧より高くなると開弁し、リターン通路43を介して、余剰の尿素水を尿素水タンク40へ戻す。
尿素添加弁30は、たとえば、ニードルタイプの噴射弁であり、電磁ソレノイド等からなる駆動部と、噴射口を開閉するためのニードルを有する弁体部とを備えた電磁式開閉弁として構成されている。添加弁開弁指示信号に基づいて、電磁ソレノイドが通電されると、ニードルが開放方向に移動し、ニードルの移動によって噴射口が開放されて尿素水が噴射される。
水位センサ47は、たとえば、尿素水タンク40の底面に設けられており、超音波を水面(液面)に向かって照射し、水面で反射した反射波の伝搬時間を用いて、尿素水タンク40に貯留された尿素水の水位を検出する。
排気浄化システム2は、制御装置として、E/G-ECU(Electronic Control Unit)100を備える。E/G-ECU100は、CPU(Central Processing Unit)101、処理プログラム等を記憶するROM(Read Only Memory)、データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)等からなるメモリ102、各種信号を入出力するための入出力ポート(図示せず)等を含み、メモリ102に記憶された情報、回転速度センサ45、圧力センサ46、水位センサ47、アクセル開度センサ61、エンジン回転速度センサ62、等の各種センサからの情報に基づいて、所定の演算処理を実行する。そして、E/G-ECU100は、演算処理の結果に基づいて、尿素添加弁30、ポンプ41、および内燃機関10等を制御する。なお、アクセル開度センサ61はアクセル開度(アクセルペダルの踏み込み量)APを検出し、エンジン回転速度センサ62は内燃機関10の回転速度NEを検出する。
HMI装置50は、車両1の運転を支援するための情報をユーザに提供する装置である。HMI装置50は、代表的には、車室内に設けられたディスプレイであり、スピーカ等も含む。HMI装置50は、視覚情報(図形情報、文字情報)や聴覚情報(音声情報、音情報)等を出力することによって様々な情報をユーザに提供する。
図2は、尿素添加弁30の尿素水噴射時における、ポンプ41のポンプ回転速度Nと供給通路42内の尿素水圧力Pの推移を示した図である。図2において、上段は尿素添加弁30の開閉指示(添加弁開閉指示)を示し、中段はポンプ41のポンプ回転速度Nを示し、下段は供給通路42内の尿素水圧力Pを示している。横軸は、時間を表す。
本実施の形態において、尿素添加弁30は、所定の周期Tで噴射と噴射停止とを繰り返し実行するよう制御される。図2の上段に示すように、添加弁開閉指示は、ON指示とOFF指示の2値からなる信号である。ON指示では、尿素添加弁30が開弁され、尿素水が噴射される。OFF指示では、尿素添加弁30が閉弁して、噴射が停止される。図2において、TはON指示とOFF指示が繰り返される周期であり、周期T毎に、尿素水の噴射と噴射停止が繰り返される。ON指示の期間を噴射期間Tpと称し、OFF指示の期間を噴射停止期間Tsと称する。
添加弁開閉指示がON指示となり、尿素添加弁30から尿素水が噴射されると、噴射に伴い供給通路42内の尿素水圧力Pが低下する。ポンプ41は、尿素水圧力Pが所定圧(基準圧)P0になるよう、フィードバック制御されている。噴射に伴う尿素水圧力Pの低下を補うため、ポンプ41から吐出される尿素水量が増加し、これに伴いポンプ41のポンプ回転速度Nが上昇し、尿素水圧力Pが基準圧P0に制御される。
供給通路42内の尿素水圧力Pが基準圧P0にフィードバック制御されるので、尿素水の噴射が停止しているとき、ポンプ回転速度Nは基準回転速度N0に制御される。したがって、噴射時のポンプ回転速度Nの上昇量ΔN(基準回転速度N0と噴射時のポンプ回転速度Nの差)は、尿素添加弁30から噴射された尿素水量と相関し、上昇量ΔNの積算値(基準回転速度N0とポンプ回転速度Nに囲まれた面積)は、尿素添加弁30から噴射された尿素水量に相当する。
尿素添加弁30が目詰等により、尿素水の供給異常(噴射異常)が生じる可能性がある。このため、尿素水の供給異常を判定することが望ましい。本実施の形態では、ポンプ回転速度Nの上昇量ΔN(基準回転速度N0と噴射時のポンプ回転速度Nの差)に基づいて、尿素添加弁30から噴射された実噴射量Qpを算出することにより、尿素水の供給異常の有無を判定する。
尿素添加弁30から噴射される尿素水の指令噴射量Qo(1回当たりの噴射量)は、少量である。このため、指令噴射量Qoと実噴射量Qpを比較して、尿素水の供給異常を判定しても、精度よく供給異常を判定することが難しい。本実施の形態では、複数の噴射における指令噴射量Qoの積算値である積算指令噴射量ΣQoと、複数の噴射における実噴射量Qpの積算値である積算実噴射量ΣQpとを比較することにより、尿素水の供給異常を判定する。
図3は、積算指令噴射量ΣQoと積算実噴射量ΣQpの推移を示す図である。時間の経過とともに、積算指令噴射量ΣQoと積算実噴射量ΣQpが増大する。時刻t0において、積算指令噴射量ΣQoが所定値αになると、積算指令噴射量ΣQoと積算実噴射量ΣQpとを比較し、尿素水の供給異常の有無を判定する。図3の実線で示した積算実噴射量ΣQpのように、積算指令噴射量ΣQoと積算実噴射量ΣQpの差が小さい場合、たとえば、「(ΣQp/ΣQo)≧β」が成立する場合、実噴射量Qpと指令噴射量Qoの乖離が小さいので、尿素水の供給異常は発生していないと判定できる(正常であると判定できる)。一方、図3の破線で示した積算実噴射量ΣQpのように、積算指令噴射量ΣQoと積算実噴射量ΣQpの差が大きい場合、たとえば、「(ΣQp/ΣQo)<β」が成立する場合、実噴射量Qpと指令噴射量Qoの乖離が大きいので、尿素水の供給異常(噴射異常)が発生していると判定できる。なお、βは予め実験等に基づき設定することができ、たとえば、0.6であってよい。
図4は、車両1に加わる加速度とポンプ回転速度Nの関係を示した図である。図4において、上段は添加弁開閉指示であり、ON指示とOFF指示が周期T毎に繰り返される。中段は車両1に加わる前後加速度(前後G)であり、下段はポンプ回転速度Nである。横軸は、時間を表している。停車中、あるいは、定速走行中の車両1において、時刻t1にアクセルペダルを踏み込み発進(加速)を開始すると、中段に示すように、前後加速度(前後G)が立ち上がる(前加速度が大きくなる)。車両1に加速度が加わると、ポンプ41にも加速度が加わる。ポンプ41に加速度が加わると、ポンプ回転速度Nと吐出量の関係が変化する。このため、車両1に加わる(ポンプ41に加わる)加速度の影響を受け、噴射停止時のポンプ回転速度N(基準回転速度)が変動する。図4に示す例では、時刻t1で車両1の加速が開始されると、噴射停止時のポンプ回転速度N(基準回転速度)がN0から下降している。加速に伴い基準回転速度が変動した際に、基準回転速度を更新できず、前回、あるいは前々回の基準回転速度を用いて、今回のポンプ回転速度Nの上昇量ΔNを算出する場合がある。たとえば、車両1の加速時、時刻t2以降において、基準回転速度を更新できない場合、図4に斜線で示した領域分だけ、実噴射量Qpが少なく算出され、実噴射量Qpの算出精度が悪化する場合がある。この結果、車両1の加減速時や旋回時には、尿素水の供給異常の有無を誤判定する可能性がある。
本実施形態では、噴射停止時のポンプ回転速度N(基準回転速度)が大きく変動するときは、実噴射量Qpの算出精度が悪い不安定状態であると判定し、実噴射量Qpの積算を停止することにより積算実噴射量ΣQpの算出精度の悪化を抑制し、尿素水の供給異常の有無を精度よく判定する。
図5は、本実施の形態において、E/G-ECU100に構成される機能ブロックを示す図である。各機能ブロックは、メモリ102に記憶されたプログラムによって達成されてよく、E/G-ECU100内に構成された、図示しないハードウェア(たとえば、カウンタ、タイマ等)を併用してもよい。
ポンプ制御手部110は、圧力センサ46で検出した尿素水圧力Pが基準圧P0になるようポンプ41の回転速度を制御する。尿素水圧力Pが基準圧P0より低いとき、電動モータの駆動電流を増加してポンプ回転速度Nを増大し、尿素水圧力Pが基準圧P0より高いとき、電動モータの駆動電流を減少してポンプ回転速度Nを減少する。これにより、尿素水圧力Pが基準圧P0にフィードバック制御されるので、尿素添加弁30から尿素水が噴射され尿素水圧力Pが低下すると、尿素水圧力Pの低下を補うため、ポンプ41から吐出される尿素水量が増加し、ポンプ41のポンプ回転速度Nが上昇する。
指令噴射量算出部120は、尿素添加弁30から噴射される尿素水の量が内燃機関10から排出されるNOx量に応じた値になるよう、指令噴射量Qoを算出する。また、指令噴射量算出部120は、尿素添加弁30から噴射される尿素水の量が、指令噴射量Qoになるよう、尿素添加弁30の噴射期間Tpを算出する。
実噴射量算出部130は、ポンプ回転速度Nを用いて、尿素添加弁30から実際に噴射された尿素水の量である実噴射量Qpを算出する。状態判定部140は、噴射停止時のポンプ回転速度N(基準回転速度)の変動に基づいて、不安定状態を判定する。積算実噴射量算出部150は、実噴射量Qpを積算することにより、実噴射量Qpの積算値である積算実噴射量ΣQpを算出する。積算指令噴射量算出部160は、指令噴射量Qoを積算することにより、指令噴射量Qoの積算値である積算指令噴射量ΣQoを算出する。また、異常判定部170は、積算指令噴射量ΣQoと積算実噴射量ΣQpを比較することにより、尿素水の供給異常の有無を判定する。
図6は、指令噴射量算出部120で実行される、指令噴射量算出制御の処理を示すフローチャートである。このフローチャートは、車両1の動作中(イグニッションスイッチがオンされてから、イグニッションスイッチがオフされるまで)に、所定期間毎に繰り返し処理される。ステップ(以下、ステップをSと略す)10において、内燃機関10の燃料噴射量Fqとエンジン回転速度NE等をパラメータとしたマップを用いて、内燃機関10から排出されるNOx量(排出NOx量)を算出する。燃料噴射量Fqは、アクセル開度APとエンジン回転速度NEに基づいて決定される。なお、排気通路20に設けたNOx濃度センサにより、内燃機関10から排出されるNOx量を検出するようにしてもよい。
続くS11では、S10で算出した排出NOx量に基づいて、尿素水の指令噴射量Qoを算出する。指令噴射量Qoは、内燃機関10から排出されるNOxの全てを還元するのに必要な尿素水の量として決定される。
S12では、尿素添加弁30から噴射される尿素水の量が、指令噴射量Qoになるよう、尿素添加弁30の噴射期間Tpを決定し、今回のルーチンを終了する。噴射期間Tpの間、添加弁開閉指示がON指示になることにより、尿素添加弁30から、指令噴射量Qoの尿素水が噴射される。なお、周期Tの残りの期間(噴射期間Tpでない期間)は、噴射停止期間Tsとされ、添加弁開閉指示はOFF指示になる。
図7は、実噴射量算出/異常判定制御の処理を示すフローチャートである。このフローチャートは、実噴射量算出部130、状態判定部140、積算実噴射量算出部150、積算指令噴射量算出部160、および異常判定部170で実行される一連の処理を示しており、車両1の動作中に、所定期間毎に繰り返し処理される。実噴射量算出部130は、S20で、指令噴射量Qoが所定値s以下であるか否かを判定する。尿素添加弁30から噴射される尿素水の噴射量が少ない場合、ポンプ回転速度Nの上昇量が小さいので、実噴射量Qpの算出精度が悪化する懸念がある。このため、本実施の形態では、指令噴射量Qoが所定値s以下の場合、実噴射量Qpの算出を行わないこととする。所定値sの値は、予め実験等で定めることができる。指令噴射量Qoが所定値s以下のとき、S20で肯定判定され、今回のルーチンを終了する。指令噴射量Qoが所定値sより大きい場合、S20で否定判定されS21へ進む。
S21では、添加弁開閉指示がON指示であるか否かを判定する。OFF指示(噴射停止期間Ts)である場合は、否定判定され、S22へ進む。
S22では、回転速度センサ45で検出したポンプ回転速度Nに基づいて、噴射停止時回転速度Nsを取得する。図2に示すように、車両1に加速度が加わっていない場合、添加弁開閉指示がOFF指示(噴射停止期間Ts)におけるポンプ回転速度Nは、基準回転速度N0であるが、応答遅れに起因して、直前の噴射により基準回転速度N0から変動している場合がある。このため、今回の噴射停止期間Tsの直前に尿素水の噴射を行っている場合は、噴射停止期間Tsの開始から(噴射期間Tpの終了から)所定期間Td経過後に、ポンプ回転速度Nを取得する。なお、今回の噴射停止期間Tsの直前に尿素水の噴射を行っていない場合、ポンプ回転速度Nを取得するタイミングは、噴射停止期間Ts内であればよい。以下、噴射停止期間Ts内、あるいは、噴射停止期間Tsの開始から所定期間Td経過後に取得したポンプ回転速度Nを、噴射停止時回転速度Nsと称する。噴射停止時回転速度Nsは、尿素添加弁30の噴射停止時におけるポンプ41のポンプ回転速度Nであり、本開示の「基準回転速度」に相当する。
続くS23では、S22で噴射停止時回転速度Nsを取得できたか否かを判定する。尿素添加弁30から噴射される尿素水量が多くなり、噴射期間Tpが長くなると、噴射停止期間Tsの開始から所定期間Td経過後には、次回の噴射が開始されており、噴射停止時回転速度Nsを取得できない場合がある、この場合は、S23において、否定判定されS24へ進む。S32で噴射停止時回転速度Nsを取得できている場合は、肯定判定されS25へ進む。
S24では、前回のルーチンで算出した噴射停止時回転速度Ns(pv)を今回の噴射停止時回転速度Nsとして、S25へ進む。なお、前回のルーチンのS22においても、噴射停止時回転速度Nsを取得できていない場合、噴射停止時回転速度Ns(pv)は、前々回のルーチンで算出した噴射停止時回転速度Nsであるので、今回のルーチンで噴射停止時回転速度Nsを取得できない場合に、取得済みの噴射停止時回転速度Nsのうち最新の値が、今回の噴射停止時回転速度Nsに設定される。
S25では、S22で取得された噴射停止時回転速度Ns、あるいは、S24で設定された噴射停止時回転速度Nsを、噴射停止時回転速度Nsの前回値である噴射停止時回転速度Ns(pv)として、メモリ102に記憶し、今回のルーチンを終了する。
S21において、添加弁開閉指示がON指示(噴射期間Tp)である場合は、肯定判定されS26へ進む。S26では、状態判定部140によって、噴射停止時回転速度Nsと噴射停止時回転速度Ns(pv)との差が所定値A以下(|Ns-Ns(pv)|≦A)であるか否かを判定する。なお、噴射停止時回転速度Nsが、本開示の「今回の周期における基準回転速度」に相当し、噴射停止時回転速度Ns(pv)が、本開示の「前回の周期における基準回転速度」に相当し、所定値Aが本開示の「第1所定値」に相当する。
ポンプ41に加速度が加わると、加速度の影響を受け、噴射停止時回転速度Nsが変動し、実噴射量Qpの算出精度が悪化する。本実施の形態では、噴射停止時回転速度Nsの前回値である噴射停止時回転速度Ns(pv)と噴射停止時回転速度Nsの差が所定値Aより大きい場合、実噴射量Qpの算出を停止するとともに、積算実噴射量ΣQpの積算(算出)を停止する。噴射停止時回転速度Nsは、尿素水の粘度変化等によっても変動するが、その変動は緩やかである。所定値Aは、加速度の影響により噴射停止時回転速度Nsが大きく変動した場合に、実噴射量Qpおよび積算実噴射量ΣQpの算出を停止する閾値として、予め実験等で定めておくことができる。たとえば、所定値Aとして、20rpmであってよい。
噴射停止時回転速度Nsと噴射停止時回転速度Ns(pv)の差が所定値Aより大きい場合(|Ns-Ns(pv)|>A)、S26で否定判定され、今回のルーチンを終了する。噴射停止時回転速度Nsと噴射停止時回転速度Ns(pv)の差が所定値A以下(|Ns-Ns(pv)|≦A)の場合、S26で肯定判定されS27へ進む。
実噴射量算出部130は、S27で、噴射停止時回転速度Nsと尿素水噴射時のポンプ回転速度Nの差に基づいて、尿素水噴射に伴うポンプ回転速度Nの上昇量ΔNを算出する。図2に示すように、尿素添加弁30から尿素水が噴射されると、噴射期間Tpの終了から所定期間Tdが経過するまで、ポンプ回転速度Nが上昇する。噴射期間Tpと所定期間Tdを併せた期間を計算期間Tcと称する。本実施の形態では、計算期間Tcに亘ってポンプ回転速度Nを取得する。計算期間Tcに亘って取得したポンプ回転速度Nを、噴射時回転速度と称する。そして、取得した噴射時回転速度から、今回の噴射期間Tpの前の噴射区間において取得した噴射停止時回転速度Nsを差し引く(減算する)ことにより、計算期間Tcに亘って上昇量ΔNを算出する。たとえば、今回の噴射期間Tpが噴射区間i+1(図4参照)である場合は、噴射区間i+1の噴射時回転速度から、噴射区間iの噴射停止時回転速度Nsを減算することにより、上昇量ΔNを算出する。(なお、S22において、噴射停止時回転速度Nsが取得できない場合は、S24で設定した、取得済みの噴射停止時回転速度Nsのうち最新の値を、噴射区間i+1の噴射時回転速度から、減算することにより、上昇量ΔNを算出する。)
続くS28では、計算期間Tcに亘って算出した上昇量ΔNに基づいて、実噴射量Qpを算出する。図8は、上昇量積算値ΣΔNと実噴射量Qpの換算マップである。上昇量積算値ΣΔNは上昇量ΔNの積算値であり、計算期間Tcにおいて、噴射停止時回転速度Nsとポンプ回転速度Nに囲まれた面積の大きさである。S28では、計算期間Tcに亘って算出した上昇量ΔNを積算して上昇量積算値ΣΔNを算出し、算出した上昇量積算値ΣΔNを、図8の換算マップを用いて実噴射量Qpに換算し、実噴射量Qpを算出する。
続くS29では、積算実噴射量算出部150が積算実噴射量ΣQpを算出するとともに、積算指令噴射量算出部160が積算指令噴射量ΣQoを算出する。積算実噴射量算出部150は、S28で算出された実噴射量Qpを積算することにより、積算実噴射量ΣQpを算出する。積算指令噴射量算出部160は、図6のS11で算出した指令噴射量Qoのうち、積算実噴射量算出部150で積算される実噴射量Qpに対応する指令噴射量Qoを積算することにより、積算指令噴射量ΣQoを算出する。
続くS30で、異常判定部170は、積算指令噴射量ΣQoが所定値α以上か否かを判定する。積算指令噴射量ΣQoが所定値α未満であり、否定判定されると、今回のルーチンを終了する。積算指令噴射量ΣQoが所定値α以上の場合、肯定判定されS31へ進む。なお、所定値αは、積算実噴射量ΣQpと積算指令噴射量ΣQoを比較することにより、精度よく尿素水の供給異常を判定可能な値として設定され、予め実験等により定めることができる。所定値αは、本開示の「第2所定値」に相当する。
S31では、異常判定部170は、積算実噴射量ΣQpと積算指令噴射量ΣQoとを比較することにより、尿素水の供給異常の有無を判定する。たとえば、「(ΣQp/ΣQo)<β」が成立する場合、実噴射量Qpが指令噴射量Qoより大きく減少しており、尿素添加弁30に目詰まりが発生している可能性が高い。この場合、S31で肯定判定され、S32へ進んで、尿素水の供給異常であると判定する。βは、尿素水の供給異常を判定するための判定値であり、予め実験等により設定され、たとえば、0.6であってよい。「(ΣQp/ΣQo)≧β」の場合は、実噴射量Qpと指令噴射量Qoの乖離は比較的小さく、尿素添加弁30の供給異常は発生していないので、S31で否定判定され、S33に進み、正常判定を行ったあと、S34へ進む。
S32では、HMI装置50のディスプレイに、尿素水の供給異常である旨を表示するとともに、故障コード(ダイアグコード)をメモリ102へ書き込んだあと、S34へ進む。
S34では、積算実噴射量ΣQpを0に設定するとともに、積算指令噴射量ΣQoを0に設定し、今回のルーチンを終了する。
本実施の形態では、噴射停止時回転速度Nsと噴射停止時回転速度Ns(pv)の差が所定値Aより大きいとき、不安定状態であると判定し(S26で否定判定し)、実噴射量Qpを算出しない。また、積算実噴射量ΣQp、および積算指令噴射量ΣQoの積算を停止して、積算実噴射量ΣQpおよび積算指令噴射量ΣQoの算出を行わない。車両1の加減速等により、噴射停止時回転速度Nsと噴射停止時回転速度Ns(pv)の差が所定値Aより大きく、実噴射量Qpの算出精度が悪い状態では、実噴射量Qpの積算を停止して積算実噴射量ΣQpの算出を停止する。また、指令噴射量Qoの積算を停止して積算指令噴射量ΣQoの算出を停止する。したがって、車両1の加減速等によって、噴射停止時回転速度Ns(基準回転速度)が変動しても、積算実噴射量ΣQpの算出精度は悪化しないので、尿素水の供給異常の有無を精度よく判定することができる。
なお、CPU101の演算能力に余裕があれば、噴射停止時回転速度Nsと噴射停止時回転速度Ns(pv)の差が所定値Aより大きい場合であっても、実噴射量Qpを算出してもよい。この場合、噴射停止時回転速度Nsと噴射停止時回転速度Ns(pv)の差が所定値Aより大きいとき、積算実噴射量ΣQp、および積算指令噴射量ΣQoの積算を停止して、積算実噴射量ΣQpおよび積算指令噴射量ΣQoの算出を行わないようにすればよい。
本実施の形態では、尿素添加弁30から噴射される尿素水量が多くなり、噴射期間Tpが長くなり、噴射停止時回転速度Nsを取得できない場合には、取得済みの噴射停止時回転速度Nsのうち最新の値が、今回の噴射停止時回転速度Nsに設定される。これにより、指令噴射量Qoが大きく、噴射停止期間Tsが短い場合であっても、実噴射量Qpを算出することができる。
本実施の形態では、積算指令噴射量ΣQoが所定値α以上になったとき(S30で肯定判定されたとき)、積算指令噴射量ΣQoと積算実噴射量ΣQpとを比較することにより、尿素水の供給異常の有無を判定している。したがって、指令噴射量Qoおよび実噴射量Qpの値が小さくても、尿素水の供給異常の有無を精度よく判定することが可能になる。
なお、S30に代えて、積算実噴射量ΣQpが所定値以上になったとき、S31へ進んで、積算指令噴射量ΣQoと積算実噴射量ΣQpとを比較することにより、尿素水の供給異常の有無を判定するようにしてもよい。
(変形例)
本実施の形態では、積算指令噴射量ΣQoが所定値α以上になったとき、積算指令噴射量ΣQoと積算実噴射量ΣQpとを比較することにより、尿素水の供給異常の有無を判定している。これに対して、変形例では、実噴射量Qpの積算回数が所定回数以上になったとき、積算指令噴射量ΣQoと積算実噴射量ΣQpとを比較することにより、尿素水の供給異常の有無を判定している。
図9は、変形例における、実噴射量算出/異常判定制御の処理を示すフローチャートである。このフローチャートは、図7のフローチャートに対して、S29とS30の間にS40を挿入し、S30をS41に変更し、さらに、S34をS42に変更したものである。図9において、S20~S29の記載を省略している。また、S20~S33の説明を省略する。
図9において、S29に続くS40では、カウンタCtをインクリメントしたあと、S41へ進む。S41では、カウンタCtの値が所定回値B以上か否かを判定する。カウンタCtは、実噴射量Qp(および指令噴射量Qo)の積算回数をカウントしている。したがって、実噴射量Qpの積算回数が所定回数(B)以上になると、S41で肯定判定され、S31へ進み、積算指令噴射量ΣQoと積算実噴射量ΣQpとを比較することにより、尿素水の供給異常の有無を判定する。実噴射量Qpの積算回数が所定回数(B)未満であれば、S41で否定判定され、今回のルーチンを終了する。
S42では、積算実噴射量ΣQpおよび積算指令噴射量ΣQoを0に設定するとともに、カウンタCtを0に設定したあと、今回のルーチンを終了する。
この変形例においても、実噴射量Qpの積算回数が所定回数(B)以上になったとき、積算指令噴射量ΣQoと積算実噴射量ΣQpとを比較して、尿素水の供給異常の有無を判定している。したがって、指令噴射量Qoおよび実噴射量Qpの値が小さくても、尿素水の供給異常の有無を精度よく判定することが可能になる。
上記実施の形態では、S31において、異常判定部170は、「(ΣQp/ΣQo)<β」が成立する場合、実噴射量Qpが指令噴射量Qoより大きく減少しており、尿素添加弁30に目詰まりが発生している可能性が高く、尿素水の供給異常と判定していた。しかし、実噴射量Qpが指令噴射量Qoより大きく増加している場合、尿素添加弁30の閉弁異常が発生しており、尿素水の供給異常と判定してもよい。この場合、たとえば、「(ΣQp/ΣQo)<β」あるいは「(ΣQp/ΣQo)>γ」の何れかが成立する場合、尿素水の供給異常と判定し、S32へ進むようにしてもよい。なお、γの値は、たとえば、1.3であってよい。
上記実施の形態では、車両1の動力源として内燃機関10を用いていたが、車両1は、動力源として内燃機関10に加えて回転電機(電気モータ)を備えたハイブリッド車両であってもよい。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 車両、2 排気浄化システム、3 トルクコンバータ付き自動変速機、5 ディファレンシャルギヤ、7 駆動輪、10 内燃機関、20 排気通路、22 酸化触媒、24 DPF、26 SCR触媒、28 酸化触媒、30 尿素添加弁、40 尿素水タンク、41 ポンプ、42 供給通路、43 リターン通路、44 逆止弁、45 回転速度センサ、46 圧力センサ、47 水位センサ、50 HMI装置、61 アクセル開度センサ、62 エンジン回転速度センサ、100 E/G-ECU、101 CPU、102 メモリ、110 ポンプ制御部、120 指令噴射量算出部、130 実噴射量算出部、140 状態判定部、150 積算実噴射量算出部、160 積算指令噴射量算出部、170 異常判定部。

Claims (5)

  1. 車両に搭載された内燃機関の排気通路に尿素水を供給し、前記内燃機関から排出されたNOxを浄化する内燃機関の排気浄化システムであって、
    前記排気通路に尿素水を噴射する添加弁と、
    回転駆動されることにより、尿素水を前記添加弁へ吐出するポンプと、
    前記ポンプから吐出された尿素水を前記添加弁に供給する供給通路と、
    前記ポンプと前記添加弁を制御する制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、所定の周期で噴射と噴射停止とを繰り返し実行するよう、前記添加弁を制御し、
    前記制御装置は、
    前記供給通路内の尿素水の圧力を所定圧に制御するポンプ制御部と、
    前記添加弁の指令噴射量を算出する指令噴射量算出部と、
    前記添加弁の噴射停止時における前記ポンプの回転速度である基準回転速度と前記添加弁の噴射時における前記ポンプの回転速度である噴射時回転速度との差に基づいて、前記添加弁から噴射される実噴射量を算出する実噴射量算出部と、
    複数の噴射における前記指令噴射量を積算することにより、前記指令噴射量の積算値である積算指令噴射量を算出する積算指令噴射量算出部と、
    前記複数の噴射における前記実噴射量を積算することにより、前記実噴射量の積算値である積算実噴射量を算出する積算実噴射量算出部と、
    前記積算指令噴射量と前記積算実噴射量とを比較することにより、尿素水の供給異常の有無を判定する異常判定部と、
    今回の前記周期における前記基準回転速度と前回の前記周期における前記基準回転速度との差が第1所定値以上のとき、不安定状態であると判定する状態判定部と、を含み、
    前記積算指令噴射量算出部は、前記状態判定部で不安定状態であると判定されたとき、前記指令噴射量の積算を停止し、
    前記積算実噴射量算出部は、前記状態判定部で不安定状態であると判定されたとき、前記実噴射量の積算を停止する、内燃機関の排気浄化システム。
  2. 前記実噴射量算出部は、前記添加弁の噴射開始前に前記基準回転速度を取得し、前記添加弁の噴射開始後に前記噴射時回転速度を取得するとともに、前記噴射開始前の前記基準回転速度に対する前記噴射開始後の前記噴射時回転速度の上昇量に基づいて前記実噴射量を算出し、
    前記実噴射量算出部は、今回の前記周期で前記添加弁の噴射開始前に前記基準回転速度を取得できない場合、前回の前記周期で取得した前記基準回転速度を用いて、前記上昇量を求める、請求項1に記載の内燃機関の排気浄化システム。
  3. 前記異常判定部は、前記積算指令噴射量が第2所定値以上になったとき、前記積算指令噴射量と前記積算実噴射量とを比較することにより、尿素水の供給異常の有無を判定する、請求項1または請求項2に記載の内燃機関の排気浄化システム。
  4. 前記異常判定部は、前記実噴射量の積算回数が所定回数以上になったとき、前記積算指令噴射量と前記積算実噴射量とを比較することにより、尿素水の供給異常の有無を判定する、請求項1または請求項2に記載の内燃機関の排気浄化システム。
  5. 車両に搭載された内燃機関の排気通路に尿素水を供給する添加弁と、
    回転駆動されることにより、尿素水を前記添加弁に供給するポンプと、
    前記ポンプから吐出された尿素水を前記添加弁に供給する供給通路と、
    前記供給通路内の尿素水の圧力を所定圧に制御するポンプ制御手段と、
    所定の周期で噴射と噴射停止とを繰り返し実行するよう、前記添加弁を制御する添加弁制御手段と、を備えた内燃機関の排気浄化方法であって、
    前記添加弁の指令噴射量を算出するステップと、
    前記添加弁の噴射停止時における前記ポンプの回転速度である基準回転速度と前記添加弁の噴射時における前記ポンプの回転速度である噴射時回転速度との差に基づいて、前記添加弁から噴射される実噴射量を算出するステップと、
    今回の前記周期における前記基準回転速度と前回の前記周期における前記基準回転速度との差が、所定値以上のとき、不安定状態であると判定するステップと、
    複数の噴射における前記指令噴射量を積算するとともに、前記不安定状態と判定されたときの前記指令噴射量の積算を行わないことにより、前記指令噴射量の積算値である積算指令噴射量を算出するステップと、
    前記複数の噴射における前記実噴射量を積算するとともに、前記不安定状態と判定されたときの前記実噴射量の積算を行わないことにより、前記実噴射量の積算値である積算実噴射量を算出するステップと、
    前記積算指令噴射量と前記積算実噴射量とを比較することにより、尿素水の供給異常の有無を判定するステップと、を含む、内燃機関の排気浄化方法。
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