JP2023013029A - 電解用のカソード板、電解槽、電解方法、及び、ニッケルの製造方法 - Google Patents

電解用のカソード板、電解槽、電解方法、及び、ニッケルの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】電解槽のカソードを構成するカソード板に析出する金属塊の生成を抑制して、金属塊の接触に起因する電解槽の部分的な損傷を防止すること。【解決手段】電解用のカソード板を、平面視における下辺両隅部11の形状が、角が存在しない円弧形状又は楕円弧形状である、カソード板1とする。【選択図】図1

Description

本発明は、電解用のカソード板、電解槽、電解方法、及び、ニッケルの製造方法に関する。本発明は、詳しくは、各種の非鉄金属製錬プロセスにおいて広く用いられている電解槽のカソード(陰極)を構成する電解用のカソード板、このカソード板を用いてなる電解槽、電解槽を用いて行なう電解方法、及び、これらを用いて行なうニッケルの製造方法に関する。
例えば、硫化物からニッケルを回収する湿式製錬プロセスでは、原料であるニッケルマットやニッケル・コバルト混合硫化物を塩素浸出し、得られた浸出液から不純物を除去し、ニッケルとコバルトを分離する浄液工程等を経て、電解工程で電気ニッケルや電気コバルトを製造する。この湿式製錬プロセスには、浸出液に過剰に含まれる銅を、電解採取によって除去する脱銅電解工程が含まれる。そして、この脱銅電解工程においては、浸出液に含まれる銅を、電解槽内のカソードに析出させる処理が行われる。
電解槽において行われる上記の脱銅電解工程では、カソード板の表面に析出した金属銅粉を、例えば、カソード板を微小距離だけ落下させて衝撃を与える揺動機構によって、その表面から剥離落下させて回収している。
一方で、電解槽の稼働中において、上記のカソード板には、特に、その下端付近に、デンドライト(樹枝状の電析物)が巨大化した粒状又は塊状の固形物(本明細書において以下「金属塊」とも言う)が、形成されやすいことが知られている。
そして、上記のようにカソード板を微小距離だけ落下させて衝撃を与える際には、この「金属塊」が、電解槽を構成するアノード、或いは、電解槽の本体と接触することがある。そして、このような接触に起因する電解槽の部分的な損傷がしばしば発生していた。
特開平11-80986号公報 特開2018-199858号公報
本発明は、電解槽のカソードを構成するカソード板に析出する金属塊の生成を抑制して、金属塊の接触に起因する電解槽の部分的な損傷を防止することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、略矩形状の平面形状を有する電解用のカソード板について、その下辺両隅部の形状を円弧形状にして角をなくすことによって、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
(1) 平面視における下辺両隅部の形状が、角が存在しない円弧形状又は楕円弧形状である、電解用のカソード板。
(1)の電解用のカソード板によれば、電解槽を構成するカソード板に生成したデンドライトが巨大化した粒状又は塊状の固形物(金属塊)の生成を抑制して、金属塊の接触に起因する電解槽の部分的な損傷を防止することができる。
(2) 前記円弧形状、又は、前記楕円弧形状の半径が、前記カソード板の下辺の幅に対して10%以上20%以下の長さである、(1)に記載のカソード板。
(2)の電解用のカソード板によれば、(1)のカソード板の奏する上記効果をより確実に発揮させることができる。
(3) 電解用のカソード板とアノード板の組合せであって、(1)又は(2)に記載のカソード板と、前記カソード板よりも高さ方向の長さが短いアノード板との組合せからなる、カソード板とアノード板の組合せ。
(3)のカソード板とアノード板の組合せによれば、(1)又は(2)に記載のカソード板における「金属塊」の生成を更に効果的に抑制することができる。又、既存の電解槽において、カソード板及びアノード板を懸架するための構造物(例えば、後述のビーム部材や、ビーム部材からカソード板及びアノード板を垂下するためのハンガー部材等)の配置や大きさに変更を加えることなく、カソード板及びアノード板の組合せを特定の形状の組合せに最適化することのみによって、(1)又は(2)の発明の効果を享受することができる。
(4) (1)又は(2)に記載のカソード板が垂下されていて、前記カソード板の下辺の位置が、アノード板の下辺の位置よりも低い位置にある、電解槽。
(4)の電解槽によれば、(1)又は(2)に記載のカソード板を設置した電解槽において、カソード板における「金属塊」の生成を更に効果的に抑制することができる。
(5) 前記カソード板の下辺の位置と前記アノード板の下辺の位置の高さの差が、前記アノード板の鉛直方向の長さの3%以上である、(4)に記載の電解槽。
(5)の電解槽によれば、(4)に記載の電解槽において、カソード板における「金属塊」の生成をより確実に抑制することができる。
(6) カソード板の表面に析出された金属を剥離落下させるための機構として、前記カソード板を板面に平行な方向に揺動させる揺動機構を有する、(4)又は(5)に記載の電解槽。
(6)の電解槽においては、析出された金属を剥離落下させるためにカソード板を揺動させる際に生じる、「金属塊」と電解槽の本体との接触を有効に回避することができる。これにより、当該接触に起因する電解槽の損傷を抑制することができる。
(7) (4)から(6)の何れかに記載の電解槽において、前記カソード板の表面に金属を析出させる、電解方法。
(7)の電解方法においては、(4)から(6)の何れかに記載の電解槽の奏する上記効果を享受して、効率良く、電解処理を行うことができる。
(8) 前記金属が銅である、(7)に記載の電解方法。
(8)の電解方法においては、特に、銅粉の採取時に顕著に発生する、電解槽を構成するカソード板に生成したデンドライトが巨大化した粒状又は塊状の固形物(金属塊)の生成を抑制することができる。
(9) (8)に記載の電解方法によって含銅塩化ニッケル水溶液から銅を取り除く脱銅電解工程を含んでなる、ニッケルの製造方法。
(9)のニッケルの製造方法においては、(8)に記載の電解方法の奏する上記効果を享受してニッケル製造の製造効率の向上に寄与することができる。
本発明によれば、電解槽のカソードを構成するカソード板に析出する金属塊の生成を抑制して、金属塊の接触に起因する電解槽の部分的な損傷を防止することができる。
本発明の電解用のカソード板の平面図である。 本発明の電解槽の全体構成を示す断面図である。 従来の電解用のカソード板の平面図である。 従来の電解槽の全体構成を示す断面図である。 本発明の電解槽の備える揺動機構の動作の説明に供する図面である。 本発明の電解方法の実施態様の一例であるニッケルの湿式製錬プロセスを行う脱銅電解設備の構成を示す設備フロー図である。
以下、本発明の電解用のカソード板、それを備えてなる電解槽、及び、それらを用いて行なう電解方法の好ましい実施形態について説明する。
<電解用のカソード板>
図1に示す通り、本発明の電解用のカソード板1は、従来公知の一般的なカソード板1B(図3参照)同様、平面視における形状(平面形状)は、略矩形状である。このカソード板1は、詳しくは、両側の側辺13と、上辺14、下辺15に取り囲まれてなる略矩形板状であって、但し、上辺14の両端に、上辺14と側辺13とを斜めに横断する上側斜辺12が形成されている。尚、本明細書においてカソード板及びアノード板の「上辺」とは、これらの各板が電解槽に垂下されて用いられる使用状態における鉛直方向上方側の辺のことを言う。「下辺」についても、同様に、使用状態における鉛直方向下方側の辺のことを言う。
本発明の電解用のカソード板1は、平面形状が凡そにおいて略矩形状である点については、従来のカソード板1Bと同様である。しかし、図1に示す通り、本発明の電解用のカソード板1は、その下辺両隅部11が、角が存在しない円弧形状又は楕円弧形状とされていて、この点を形態上の主たる特徴とする。
ここで、上述の「金属塊」は、従来のカソード板1Bにおいて、特に下辺両隅部11Bの角を起点として形成される場合が多い。本発明の電解用のカソード板1においては、下辺両隅部11を角がない円弧形状又は楕円弧形状として、「金属塊」形成の起点となりやすい角状部分を無くしてあることによって、カソード板における「金属塊」の生成を有意に抑制することができる。
尚、電解用のカソード板1における下辺両隅部11の円弧形状、又は、楕円弧形状の半径は、当該カソード板1の下辺15の幅に対して10%以上20%以下の長さであることが好ましい。尚、楕円弧形状の半径が当該カソード板1の下辺15の幅に対して10%以上20%以下の長さであるとは、短半径が10%以上の長さであり、且つ、長半径が20%以下の長さであるような楕円弧のことを意味する。
ここで、図3は、従来公知の一般的な電解用のカソード板1Bの平面視における形状(平面形状)を示す図である。一般的に電解用のカソード板1Bも、同図に示す通り、両側の側辺13と、両側の上側斜辺12、上辺14、下辺15に取り囲まれる略矩形状の板材である。但し、従来公知の一般的な電解用のカソード板1Bにおいては、下辺両隅部11Bの形状は、同図に示す通り、直角、或いは、それに近い角度を有する角形状とされている。
仮に、上記の電解用のカソード板1Bにおいて、電解槽内の電解液に浸漬される下辺両隅部11Bについて、角を削り取るような成形加工を行ったとすると、カソード板の表面積、即ち、金属を電着させる面積が減少してしまう。そうすると、電流密度の上昇による電圧の増加、或いは、カソード板面積の減少に伴う金属の回収効率の低下が引き起こされる。又、カソード板に成型加工を行うことは、大量のカソード板を取扱う電解操業において、余計なコストと手間を掛けることとなる。従って、従来、電解用のカソード板の下辺両隅部については、板材の角を取る加工等が行われることはなく、図3に示すような角形状とされていた。
<電解槽>
上記において詳細を説明したカソード板1を用いてカソード(陰極)を構成することによって、既存の電解槽を、本発明の効果を享受することができる電解槽とすることができる。図2及び図5に示す通り、本発明の電解槽10においては、従来公知の一般的な電解槽10B(図4参照)同様、カソード板1が、上辺14の近傍に形成されている複数のボルト孔16を介して棒状のビーム部材17に接合された状態(図5参照)で、その大部分が電解槽10の内部の電解液に浸漬されるように懸垂されている。
又、電解槽10においては、図2に示す通り、垂下されているカソード板1の下辺15の位置cが、垂下されているアノード板2の下辺の位置aよりも低くなるように、全てのカソード板1及びアノード板2が垂下されていることが好ましい。
このカソード板及びアノード板の相対的な配置位置の変更は、従来の電解槽10Bにおけるカソード及びアノードの配置、即ち、垂下されているカソード板1Bの下辺15の位置cが、垂下されているアノード板2の下辺の位置aよりも高くなるように、全てのカソード板1B及びアノード板2が垂下されている場合(図4参照)においては、特に、電流密度が過多になりやすい、カソード板1Bの下辺15の周辺において、「金属塊」が形成されやすいという知見に基づくものである。
又、電解槽10におけるカソード板1の下辺15の位置cとアノード板2の下辺の位置の高さaの差は、アノード板2の鉛直方向の長さの3%以上10%以下であることがより好ましい。上記比率を3%以上とすることによって、「金属塊」の生成を抑制する効果を十分に享受しやすくなる。但し、この比率が10%を超えると、「金属塊」の生成を抑制する効果は変わらず、いたずらにカソード板1を長くすることになり、設備効率が悪化し、コストが上昇する。又、カソード板1から落下させた金属粉を回収するために、図2に示したような下部が四角錘状の電解槽10とした場合、カソード板1を長くすると、カソード板1を微小落下させたときにカソード板1の下辺両隅部11が電解槽10の本体と接触する恐れがあるときもある。そうすると、アノードや電解槽の部分的な損傷を防止するという本発明の課題が達成できなくなることもある。
電解槽10は、例えば、下辺両隅部11に角が存在しないカソード板1と、アノード板2の配置位置をそれぞれ調整することにより、それぞれの板の下端の位置関係を最適化して構成することができる。
電解槽10は、或いは、下辺両隅部11に角が存在しないカソード板1を、当該カソード板1よりも高さ方向の長さが短いアノード板2と組合せた、「カソード板1とアノード板2の組合せ」によって構成することもできる。
尚、「カソード板1とアノード板2の組合せ」において、カソード板1と、アノード板2の高さ方向の長さの比は、電解槽10に垂下した状態において、カソード板1の下辺15の位置cとアノード板2の下辺の位置の高さaの差が、アノード板2の鉛直方向の長さの3%以上10%以下となるように設計、形成することが好ましい。
ここで、図4は、上述した従来のカソード板1Bを用いて構成される従来公知の一般的な電解槽10Bの全体構成を示す断面図である。同図に示す通り、従来の電解槽10Bにおいては、垂下されているカソード板1Bの下辺の位置cが、垂下されているアノード板2の下辺の位置aよりも高くなるか、或いは、少なくとも、アノード板2の下辺の位置aと同じ高さとなるように、カソード板1B及びアノード板2が垂下されている。カソード板1Bとアノード板2の位置関係を、このような位置関係とすることによって、カソード板1Bの下端部を含む全面により多くの金属を電着させやすいという考え方に基づくものである。これに対して、本発明の電解槽10においては、上記の考え方に反して、敢えて、カソード板1の下辺15の位置cがアノード板2の下辺の位置aよりも低い位置となるように配置している。これによって、本発明の電解槽10は、カソード板1の下辺周辺において電流密度が過多となることが回避されて、その結果、カソード板1の下辺周辺における「金属塊」の生成が抑制される。
又、電解槽10には、カソード板1の表面上に析出された金属を剥離落下させるための機構として、カソード板1を板面に平行な方向に揺動させる揺動機構が備えられていることが好ましい。この揺動機構による揺動の態様は、カソード板1が、その板面に平行な方向に動くものであって、その動きの結果として、カソード板1の表面に、金属の剥離落下が促進される程度の衝撃を与えることが可能な動きであれば、その限りにおいて、特定の動きには限定されない。
カソード板1の表面からの金属の剥離落下が促進される程度の衝撃が加わる上述の動きの好ましい具体的態様としては、カソード板1において、その母線と接続されていない側のビーム端が、微小距離だけ急激に落下する動きを挙げることができる。図5に示す揺動機構は、カソード板1をそのような態様で動かすことができる揺動機構の好ましい実施形態の一例である。この揺動機構においては、ビーム部材17の一方の端部近傍を支点171とし、他方の端部をビーム部材17をd方向に回転させるための力点172として、カソード板1を、微小距離だけ急激に落下させる。そしてこの動きによって、カソード板1の表面に、金属の剥離落下が促進するために必要十分な強度の衝撃を与えることができる。
従来の電解槽10Bにおいては、カソード板1Bの下辺両隅部11の角を起点として「金属塊」が生成されやすかったため、カソード板1Bの揺動時に、生成された「金属塊」が電解槽10Bの各部分に接触することによる電解槽10Bの部分的な損傷がしばしば発生していた。これに対して、本発明の電解槽10によれば、カソード板1の下辺両隅部11の形状を角のない形状に変更することにより、そして、より好ましくは、カソード板1及びアノード板2の位置関係を従来とは異なる上記位置関係に変更することにより、下辺両隅部11Bの角を起点とする「金属塊」の生成を抑制して、カソード板1Bの揺動時における上記の損傷のリスクを著しく低下させることができる。
<電解方法>
電解槽10を用いて好適に行うことができる本発明の「電解方法」は、銅を含有する塩化ニッケル水溶液(含銅塩化ニッケル水溶液)から銅を電解採取して除去するニッケルの製造方法の一工程である「脱銅電解工程」での使用を、好ましい実施形態の一つとする。以下、本発明の「電解方法」について、上記「脱銅電解工程」において、電解槽のカソード板に銅粉を析出させる電解処理を実施する場合の実施態様について説明する。
[脱銅電解工程]
ニッケル製錬プロセスの一工程である脱銅電解工程は、図6に示すように、脱銅電解槽100、脱銅レパルプ槽200、固液分離装置300を備える脱銅電解設備500において同図に示す流れに沿って行われる。尚、本発明の脱銅電解工程の実施においては、脱銅電解槽100として、上記において詳細を説明した電解槽10が用いられる。
脱銅電解槽100に供給される電解液は、銅を含む塩化ニッケル水溶液であり、ニッケル濃度が200g/L前後、銅濃度が25~60g/Lである。脱銅電解槽100では電解採取によりカソードを構成するカソード板1に銅粉を析出させる。脱銅電解槽100内の電解液は銅が除去された後、脱銅電解槽100からオーバーフローして電解後液として排出される。一方、カソード板1に電着した銅粉は、上述した揺動機構によってカソード板1を揺動させることによってカソード板1の表面から脱落させる。脱銅電解槽100の底部に銅粉が所定量堆積したら、電解槽10の底から銅粉を抜き出す。抜き出された銅粉には電解液が付着しており、含液状態(スラリー状)である。脱銅電解槽100の底部と脱銅レパルプ槽200とは流路で接続されおり、排出された含液状態の銅粉は流路を通って脱銅レパルプ槽200に供給される。
脱銅レパルプ槽200には撹拌装置が備えられており、銅粉とレパルプ水とが混合される。レパルプ槽から排出されたスラリーは固液分離装置300に供給され、銅粉とろ液とに固液分離される。この処理により回収した銅粉は系外に払出し、銅粉を分離した後の脱銅ろ液は、脱銅ろ液槽400を経由して、上流工程に繰り返される。
「脱銅電解工程」においては、脱銅電解槽100(電解槽10)内で、下記化学式(1)、(2)の反応により、含銅塩化ニッケル水溶液に含まれる銅をカソードに析出させている。
Cu+e=Cu ・・・(1)
Cu2++2e=Cu ・・・(2)
この際、含銅塩化ニッケル水溶液に2価の銅イオンが多く含まれていると、一旦、カソードに析出して脱落した銅粉(金属銅)が、下記化学式(3)の反応により再溶解する。そのため、含銅塩化ニッケル水溶液に2価の銅イオンが多く含まれていると電流効率(銅粉回収率)が低下する。又、アノードでは塩素ガスが発生するため、アノード室側から微量に逆拡散した電解液に溶解した塩素ガスによって、下記化学式(4)の反応により金属銅が再溶解することでも電流効率、即ち、銅粉回収率は低下する。そのため、析出した金属銅は極力短い時間で固液分離することが望ましい。
Cu+Cu2+=2Cu ・・・(3)
Cu+Cl=CuCl ・・・(4)
尚、電流効率は次式で定義される。
電流効率[%]=〔産出銅粉×銅品位[%]〕/〔Cu2+電気化学等量×通電時間×通電電流〕
例えば、図6に流れを示す「脱銅電解工程」において、脱銅電解槽100を、本発明の電解槽10によって構成することにより、カソード板1に析出した銅粉(金属銅)と電解槽10の各部との接触による設備損傷によって一時的な操業停止に至るリスクを最小化することができる。更に、本発明によれば、「金属塊」の生成に起因する各種のトラブルによって、一時的な操業停止中に進行する上記化学式(3)(4)の反応による金属銅の再溶解を防止して、上記の「脱銅電解工程」における電流効率を高く維持することができる。尚、上述した各種のトラブルとは、電解槽の部分的な損傷のみならず、例えば、前述の「金属塊」を起点としたショートの発生によるアノードの損傷、「金属塊」の落下による電解槽の損傷、電解槽の抜き取りノズルの閉塞等を指す。
1 電解用のカソード板
11 下辺両隅部
12 上側斜辺
13 側辺
14 上辺
15 下辺
16 ボルト孔
17 ビーム部材
171 支点
172 力点
2 電解用のアノード板
10 電解槽
100 脱銅電解槽
200 脱銅レパルプ槽
300 固液分離装置
400 脱銅ろ液槽
500 脱銅電解設備

Claims (9)

  1. 平面視における下辺両隅部の形状が、角が存在しない円弧形状又は楕円弧形状である、
    電解用のカソード板。
  2. 前記円弧形状、又は、前記楕円弧形状の半径が、前記カソード板の下辺の幅に対して10%以上20%以下の長さである、
    請求項1に記載のカソード板。
  3. 電解用のカソード板とアノード板の組合せであって、
    請求項1又は2に記載のカソード板と、
    前記カソード板よりも高さ方向の長さが短いアノード板との組合せからなる、
    カソード板とアノード板の組合せ。
  4. 請求項1又は2に記載のカソード板が垂下されていて、
    前記カソード板の下辺の位置が、アノード板の下辺の位置よりも低い位置にある、
    電解槽。
  5. 前記カソード板の下辺の位置と前記アノード板の下辺の位置の高さの差が、
    前記アノード板の鉛直方向の長さの3%以上である、
    請求項4に記載の電解槽。
  6. カソード板の表面に析出された金属を剥離落下させるための機構として、前記カソード板を板面に平行な方向に揺動させる揺動機構を有する、
    請求項4又は5に記載の電解槽。
  7. 請求項4から6の何れかに記載の電解槽において、前記カソード板の表面に金属を析出させる、電解方法。
  8. 前記金属が銅である、請求項7に記載の電解方法。
  9. 請求項8に記載の電解方法によって含銅塩化ニッケル水溶液から銅を取り除く脱銅電解工程を含んでなる、
    ニッケルの製造方法。
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