JPH07113132B2 - 塩化ニッケル溶液からの銅イオンの除去方法 - Google Patents

塩化ニッケル溶液からの銅イオンの除去方法

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JPH07113132B2
JPH07113132B2 JP4124080A JP12408092A JPH07113132B2 JP H07113132 B2 JPH07113132 B2 JP H07113132B2 JP 4124080 A JP4124080 A JP 4124080A JP 12408092 A JP12408092 A JP 12408092A JP H07113132 B2 JPH07113132 B2 JP H07113132B2
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copper
nickel
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chloride solution
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和幸 高石
義昭 井原
巖 福井
幸男 石川
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Sumitomo Metal Mining Co Ltd
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  • Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)
  • Electrolytic Production Of Metals (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】含銅ニッケル溶液からの銅の除去
方法に関し、具体的にはニッケルマットを塩素で浸出し
て得た含銅塩化ニッケル溶液より、電解により銅を除去
する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ニッケル精製においてニッケル電解液中
より銅イオンを除去する方法としては、ニッケル粉を溶
液中に添加する方法や硫化剤を作用させる方法がある。
前者は、ニッケルマットを酸化焙焼し酸化ニッケルを
得、これを還元焙焼して得た活性度の高いニッケル粉を
用いるので、ニッケル粉を得るコストが高く且つ生成す
る銅沈澱物中のニッケル品位が5〜10%と高い問題点
がある。
【0003】又、後者はニッケル電解液に硫化水素や水
硫化ソーダ或は硫化ソーダを添加し、銅イオンを硫化銅
として沈澱させるものである。しかし、この方法で得ら
れる硫化銅の粒子は微細であり、濾過性が悪く、ニッケ
ルの付着ロスが多くなるばかりでなく、脱銅後の液中の
硫化水素を除去するための脱ガス設備が必要になるとい
う欠点がある。更に、この方法をニッケル塩化物及び他
の塩化物からなる電解液に適用すると、液中にSO4 2-
イオンが生成するという問題点がある。
【0004】電解液中の銅イオンを除去する方法とし
て、該電解液にニッケルマットと元素イオウを加え、銅
イオンを硫化銅として沈澱させる方法が提案され、実施
されている(特公昭56−24021号公報)。この方
法では、沈澱した硫化銅を銅製錬工程に繰り返している
が、該硫化銅中にはニッケルマットが10%以上残留
し、銅製錬工程に脱ニッケル工程を設けることが必要と
なり銅製錬工程自体が複雑にならざるを得ないという欠
点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、電解液中の
銅イオンを除去するに際し、コストが安く硫化水素やS
4 2-イオンが発生せず、銅イオンをニッケル品位が3
%以下の銅粉として除去する方法の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の方法は、電解液として含銅塩化ニッケル溶液を用
い、陽極として不溶性電極を用い、陰極としてTi電極
を用いて電解し、電解液中の銅イオンを銅粉として析出
させることにより電解液中の銅イオンを除去する方法に
おいて、電解槽にpHが0.8〜1.5の含銅塩化ニッケ
ル溶液を電解終液中の銅濃度を7〜15g/lに維持す
るように給液しつつ電解液温度を40〜70℃、陰極と
して棒状電極を用いる場合は、陰極電流密度を8.5A
/dm2以下、陰極として板状電極を用いる場合は、陰
極電流密度を5.0A/dm2以下として電解するもので
ある。
【0007】
【作用】通常、ニッケルマットを塩素で浸出して得られ
た溶液中の銅イオン濃度は30〜60g/l程度であ
る。このような塩化物溶液を電解液として用いる電解の
場合、アノードでは塩素が発生する。この塩素を回収
し、有効に利用するために、通常アノードをアノードボ
ックスに入れ電解を行っている。
【0008】本発明の方法において、電解液の温度を4
0〜70℃とするのは、電解液温度が40℃より低いと
得られる銅粉中のニッケル分が高くなり、70℃より高
いと電解時に使用する上記アノードボックスの材質の選
定で問題が生じるからである。
【0009】以下図を用いて本発明を更に説明する。図
1はNi 210g/l、Cu 40.5g/lの種々の
pHの溶液を電解液とし、電解終液中のCu濃度が8〜
11g/lになるよう電解液温度を60〜65℃とし、
Ti製板状電極を用いて電流密度を4A/dm2とし、
或はTi製棒状電極を用いて電流密度を8A/dm2
して電解し、得られた銅粉中のニッケル品位を求めて得
た陰極給液pHと、銅粉中のニッケル品位との関係を示
したものである。図1より銅粉中のニッケル品位は給液
のpHの低下と共に減少し、給液のpHが1.5以下に
なるとニッケル品位は3%以下となることが判る。
【0010】又、図2は上記棒状電極を用いた場合、下
記の数1で得られた陰極電流効率を縦軸に、陰極給液p
Hを横軸にプロットして得た陰極電流効率と、陰極給液
pHとの関係を示したものである。図2より陰極電流効
率はpHと共に低下し、pHが0.8を切ると80%を
切り、以後急激に低下することが判る。このことより、
給液のpHは0.8〜1.5とすることが必要であること
が解る。
【0011】
【数1】陰極電流効率(%)=〔産出Cu粉×銅品位
(%)〕/〔Cu2+電気化学当量×通電時間×通電電
流〕
【0012】図3はNi 215g/l、Cu 41g/
l、pH0.8の給液を用い、電解液温度60℃で、給
液中の銅濃度が8〜11g/lとなるようにTi製板状
電極と棒状電極とを用いて種々の電流密度で電解して得
た銅粉中のニッケル品位と陰極電流密度との関係を示し
たものである。図3より、得られる銅粉中のNi品位を
3%以下とするためには電流密度を板状電極では8.5
A/dm2以下、棒状電極では5.0A/dm2以下とす
ることが必要となることが判る。
【0013】図4はNi 215g/l、Cu 41g/
l、pH0.8の給液を用い、電解液温度60℃、Ti
製板状電極を用いて電流密度を3.4A/dm2で、Ti
製棒状電極を用いて電流密度6.8A/dm2で、終液中
の銅濃度を種々変化させ、求めた銅粉中のニッケル品位
と終液中の銅濃度との関係を示したものである。図4よ
り、銅粉中のニッケル品位は終液中の銅濃度の減少と共
に急激に上昇することが判る。よって、銅粉中のニッケ
ル品位を3%以下とするためには終液中の銅濃度を5g
/l以上にすることが必要となる。しかし現実には、7
g/lを切るとニッケル金属が陰極に電着するため7g
/l以上とする。又、銅濃度が15g/lを超えると液
中の遊離塩酸により銅粉が再溶解するばかりでなく、液
中のCu2+と生成した銅粉との反応が急増し、銅粉が溶
解しCu+が増加することになるので陰極での電流効率
を低下させる。このCu+はまたアノードでCu2+に酸
化される。よって、アノードでの効率的な塩素の回収が
望めなくなり、塩素バランスが乱れることになる。
【0014】
【実施例】実施例1 表1にその組成を示した塩化物溶液を電解液として最初
の電解槽の一端から給液し最後の電解槽の他端から溢出
させながら、表2に示した条件で脱銅電解を100日間
連続して行った。尚、操業日数の関係で用いた塩化物が
数種となった為表1の各成分の濃度は範囲で示した。
【0015】
【表1】
【0016】
【表2】 陰極電流密度 4A/dm2 電解液温度 50〜70℃ 終液中銅濃度 9〜12g/l 電解液給液量 終液濃度が9〜12g/lとなるように
給液する。最後の電解槽から溢出する終液濃度は4時間
毎に分析し、給液量を調節する。 カソード Ti製板状 770mm×980mm×
3mm 9枚/電解槽 アノード RuO2 コーティングTi製不溶性電
極 740mm×940mm 10枚/電解槽 電解槽数 3槽 電解液が順次に流れるように連続
させた
【0017】カソードに電着した銅粉は、カソードを振
動させることにより槽底に落下させ、完全に槽底に沈降
させるために30〜60分間放置し、その後電解槽底部
より抜き取った。抜き取った銅粉はフィルタープレスで
濾過し、CuClの析出を防止し、付着銅粉を除去する
ためにNi 60〜70g/l、pH1.0〜1.5の塩
化ニッケル電解液で洗浄し、次いで付着したニッケル粉
を除去するために水で洗浄した。得られた銅粉の代表的
品位を表3に示した。又、図5に陰極電流効率の経時変
化を示した。陰極電流効率は80〜130%、平均10
2%であった。
【0018】
【表3】 (重量%)
【0019】表3から判るように本発明の方法によれ
ば、塩化ニッケル溶液中の銅イオンを安定的に且つ容易
に、Ni品位3%以下の銅粉として除去することが出来
る。
【0020】実施例2 陰極として直径6mm、長さ960mmのTi棒48本
からなる棒状電極を用い、電流密度を6.9A/dm2
した以外は実施例1と同様にして脱銅電解を行った。得
られた結果は実施例1と同様のものであった。
【0021】
【発明の効果】本発明の方法によれば、塩化ニッケル溶
液中の銅イオンを安定的に且つ容易に、Ni品位3%以
下の銅粉として、コストが安く、硫化水素やSO4 -イオ
ンの発生がなく除去出来る。このようにして得られた銅
粉は銅製錬工程に繰り返しても特段の弊害は生じない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法で得られた銅粉中のニッケル品位
と陰極給液pHとの関係を示したものである。
【図2】図1を求めるに際して得られた陰極電流効率と
陰極給液pHとの関係を示したものである。
【図3】種々の陰極電流密度で電解して得た銅粉中のニ
ッケル品位と陰極電流密度との関係を示したものであ
る。
【図4】終液中の銅濃度を種々に変化させ、求めた銅粉
中のニッケル品位と終液中の銅濃度との関係を示したも
のである。
【図5】本発明の実施例1で得られた陰極電流効率の経
時変化を示したものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C25C 1/12 9269−4K

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電解液として含銅塩化ニッケル溶液を用
    い、陽極として不溶性電極を用い、陰極としてTi電極
    を用いて電解し、電解液中の銅イオンを銅粉として析出
    させることにより電解液中の銅イオンを除去する方法に
    おいて、電解槽にpHが0.8〜1.5の含銅塩化ニッケ
    ル溶液を電解終液中の銅濃度を7〜15g/lに維持す
    るように給液しつつ電解液温度を40〜70℃、陰極と
    して棒状電極を用いる場合は、陰極電流密度を8.5A
    /dm2以下、陰極として板状電極を用いる場合は、陰
    極電流密度を5.0A/dm2以下として電解することを
    特徴とする塩化ニッケル溶液からの銅イオンの除去方
    法。
JP4124080A 1992-04-17 1992-04-17 塩化ニッケル溶液からの銅イオンの除去方法 Expired - Lifetime JPH07113132B2 (ja)

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