JP2023012834A - 塩化ビニル系樹脂組成物及び塩化ビニル系樹脂成形体 - Google Patents

塩化ビニル系樹脂組成物及び塩化ビニル系樹脂成形体 Download PDF

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Sora Hirata
大輔 猪阪
Daisuke Inosaka
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Abstract

【課題】加熱成形時の熱安定性を高めることができ、成形体の内部における気泡の発生を抑制することができ、かつ、得られる成形体の耐熱性を高めることができる塩化ビニル系樹脂組成物を提供する。【解決手段】本発明に係る塩化ビニル系樹脂組成物は、塩化ビニル系樹脂と、有機錫系安定剤と、脂肪族カルボン酸のナトリウム塩及び脂肪族カルボン酸のカルシウム塩からなる群から選択される少なくとも1種の脂肪族カルボン酸の金属塩と、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤及びイオウ系酸化防止剤からなる群から選択される少なくとも1種の酸化防止剤成分とを含む。【選択図】なし

Description

本発明は、塩化ビニル系樹脂を含む塩化ビニル系樹脂組成物に関する。また、本発明は、上記塩化ビニル系樹脂組成物を用いた塩化ビニル系樹脂成形体に関する。
塩化ビニル系樹脂は、機械的強度、耐候性、耐熱性及び耐薬品性に優れている。このため、上記塩化ビニル系樹脂は、パイプ、板及び容器等の各種の成形体に加工されており、多くの分野で使用されている。
しかしながら、塩化ビニル系樹脂を用いて成形体を得る場合に、塩化ビニル系樹脂の熱安定性が低く、加熱成形時に塩化水素が脱離することにより熱分解が発生しやすいため、安定的な成形が困難な場合がある。結果として、得られる成形体の機械的強度が低下したり、成形体が変色したりすることがある。
また、塩化ビニル系樹脂の熱安定性を高めるために、塩化ビニル系樹脂と共に熱安定剤が用いられることがある。上記熱安定剤として、錫系安定剤、カルシウム-亜鉛系安定剤、バリウム-亜鉛系安定剤、及びバリウム-カドミウム系安定剤等が知られている。
下記の特許文献1には、塩化ビニル系共重合体と、23℃で液状の有機錫化合物とを含む塩化ビニル系樹脂組成物が開示されている。
特開2017-165868号公報
特許文献1では、塩化水素の捕捉機能を有する有機錫系安定剤を用いているので、塩化ビニル系樹脂の分解を抑制し、塩化ビニル系樹脂組成物の熱安定性をある程度高めることができる。
しかしながら、塩化ビニル系樹脂組成物の熱安定性の更なる向上が求められている。また、厚みが厚い成形体を作製する場合には、成形体の内部まで冷却させるために冷却時間を要するため、塩化ビニル系樹脂が分解しやすく、塩化水素が発生しやすい。したがって、厚みが厚い成形体を作製する場合には、有機錫系安定剤のみでは、塩化水素ガスを十分に捕捉できないことがある。その結果、捕捉できていない塩化水素が起点となり、成形体の内部で塩化ビニル系樹脂の分解がさらに進行し、塩化水素が増大することにより、成形体の内部に気泡が発生しやすいという課題がある。
さらに、有機錫系安定剤は、液状の物質であることが多いため、有機錫系安定剤の添加量によっては、塩化ビニル系樹脂成形体の耐熱性が低下することがある。
本発明の目的は、加熱成形時の熱安定性を高めることができ、成形体の内部における気泡の発生を抑制することができ、かつ、得られる成形体の耐熱性を高めることができる塩化ビニル系樹脂組成物を提供することである。また、本発明は、上記塩化ビニル系樹脂組成物を用いた塩化ビニル系樹脂成形体を提供することも目的とする。
本発明者らは、塩化水素の捕捉機能を補うために、脂肪族カルボン酸の金属塩を使用することで、有機錫系安定剤では捕捉しきれなかった塩化水素を効果的に捕捉できることを見出した。具体的には、脂肪族カルボン酸のナトリウム塩及び脂肪族カルボン酸のカルシウム塩からなる群から選択される少なくとも1種の脂肪族カルボン酸の金属塩による塩化水素の捕捉機能により、塩化水素による気泡の発生を抑制できる。
また、本発明者らは、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤及びイオウ系酸化防止剤からなる群から選択される少なくとも1種の酸化防止剤成分を使用することで、成形初期の熱安定性を向上させることができることを見出した。その結果、成形体の内部での気泡発生の起点となる塩化ビニル系樹脂の分解による塩化水素の発生を低減することができ、上記の課題を解決し得ることを見出し、本発明を成すに至った。
本発明の広い局面によれば、塩化ビニル系樹脂と、有機錫系安定剤と、脂肪族カルボン酸のナトリウム塩及び脂肪族カルボン酸のカルシウム塩からなる群から選択される少なくとも1種の脂肪族カルボン酸の金属塩と、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤及びイオウ系酸化防止剤からなる群から選択される少なくとも1種の酸化防止剤成分とを含む、塩化ビニル系樹脂組成物が提供される。
本発明に係る塩化ビニル系樹脂組成物のある特定の局面では、前記塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、前記有機錫系安定剤の含有量が、0.1重量部以上、3.0重量部以下である。
本発明に係る塩化ビニル系樹脂組成物のある特定の局面では、前記塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、前記脂肪族カルボン酸の金属塩の含有量が、0.1重量部以上、3.0重量部以下である。
本発明に係る塩化ビニル系樹脂組成物のある特定の局面では、前記塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、前記酸化防止剤成分の含有量が、0.1重量部以上、5.0重量部以下である。
本発明に係る塩化ビニル系樹脂組成物のある特定の局面では、前記有機錫系安定剤が、錫メルカプト系安定剤を含む。
本発明に係る塩化ビニル系樹脂組成物のある特定の局面では、前記脂肪族カルボン酸の金属塩が、アジピン酸の金属塩を含む。
本発明の広い局面によれば、上述した塩化ビニル系樹脂組成物の成形体である、塩化ビニル系樹脂成形体が提供される。
本発明に係る塩化ビニル系樹脂組成物は、塩化ビニル系樹脂と、有機錫系安定剤と、脂肪族カルボン酸の金属塩と、酸化防止剤成分とを含む。本発明に係る塩化ビニル系樹脂組成物では、上記脂肪族カルボン酸の金属塩は、脂肪族カルボン酸のナトリウム塩及び脂肪族カルボン酸のカルシウム塩からなる群から選択される少なくとも1種である。本発明に係る塩化ビニル系樹脂組成物では、上記酸化防止剤成分は、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤及びイオウ系酸化防止剤からなる群から選択される少なくとも1種である。本発明に係る塩化ビニル系樹脂組成物では、上記の構成が備えられているので、加熱成形時の熱安定性を高めることができ、成形体の内部における気泡の発生を抑制することができ、かつ、得られる成形体の耐熱性を高めることができる。
以下、本発明の詳細を説明する。
(塩化ビニル系樹脂組成物)
本発明に係る塩化ビニル系樹脂組成物は、塩化ビニル系樹脂と、有機錫系安定剤と、脂肪族カルボン酸の金属塩と、酸化防止剤成分とを含む。本発明に係る塩化ビニル系樹脂組成物では、上記脂肪族カルボン酸の金属塩は、脂肪族カルボン酸のナトリウム塩及び脂肪族カルボン酸のカルシウム塩からなる群から選択される少なくとも1種である。本発明に係る塩化ビニル系樹脂組成物では、上記酸化防止剤成分は、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤及びイオウ系酸化防止剤からなる群から選択される少なくとも1種である。
本発明に係る塩化ビニル系樹脂組成物では、上記の構成が備えられているので、加熱成形時の熱安定性を高めることができる。結果として、得られる成形体の機械的強度を高め、成形体の変色を防ぐことができる。また、本発明に係る塩化ビニル系樹脂組成物では、上記の構成が備えられているので、成形体の内部における気泡の発生を抑制することができ、かつ、得られる成形体の耐熱性を高めることができる。特に、厚みの厚い成形体を作製する場合でも、成形体の内部における気泡の発生を抑制することができ、かつ、得られる成形体の耐熱性を高めることができる。
以下、塩化ビニル系樹脂組成物に含まれる各成分などについて説明する。
(塩化ビニル系樹脂)
本発明に係る塩化ビニル系樹脂とは、塩素原子を有する樹脂のことである。上記塩化ビニル系樹脂は、塩素化塩化ビニル系樹脂であってもよく、塩素化されていない塩化ビニル系樹脂であってもよい。上記塩素化塩化ビニル系樹脂は、塩化ビニル系樹脂が塩素化された樹脂である。耐熱性をより一層良好にする観点からは、上記塩化ビニル系樹脂は、塩素化塩化ビニル系樹脂であることが好ましい。上記塩化ビニル系樹脂は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記塩化ビニル系樹脂としては、塩化ビニルモノマーの単独重合体、及び塩化ビニルモノマーと塩化ビニルモノマーと共重合可能なビニルモノマーとの共重合体等が挙げられる。
上記塩化ビニルモノマーと共重合可能なビニルモノマーとしては、酢酸ビニル、及びプロピオン酸ビニル等のビニルエステル;ビニルエーテル化合物;アクリロニトリル等のシアノ基含有化合物;塩化ビニリデン、及びフッ化ビニル等のハロゲン化合物;エチレン、及びプロピレン等のオレフィン;イタコン酸、マレイン酸、及びフマル酸等のカルボキシル基含有化合物;無水マレイン酸等の非芳香族カルボン酸無水物;(メタ)アクリル酸メチル、及び(メタ)アクリル酸エチル等のアクリル酸エステル;並びにマレイミド等のイミド化合物等が挙げられる。上記ビニルモノマーは、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記塩化ビニルモノマーの重合方法、及び上記塩化ビニルモノマーと上記ビニルモノマーとの重合方法は、特に限定されない。上記重合方法としては、懸濁重合法、乳化重合法、溶液重合法、塊状重合法、及び沈殿重合法等が挙げられる。塩化ビニル系樹脂を効率的に得る観点からは、上記重合方法は、懸濁重合法、乳化重合法、溶液重合法又は沈殿重合法であることが好ましい。
上記塩素化塩化ビニル系樹脂は、上記塩化ビニルモノマー、又は上記塩素化ビニルモノマーと上記ビニルモノマーとを重合させて塩化ビニル系樹脂を得た後、得られた塩化ビニル系樹脂を塩素化することにより得られることが好ましい。
上記塩化ビニル系樹脂の塩素化の方法は、特に限定されない。上記塩化ビニル系樹脂の塩素化の方法としては、塩化ビニル系樹脂を水性溶媒中に入れて懸濁液を得た後、塩素を添加して、塩化ビニル系樹脂と塩素とを反応させる方法等が挙げられる。この塩素化反応は、加熱条件下又は光照射条件下で進行する。
上記塩素化塩化ビニル系樹脂の熱安定性をより一層高める観点からは、上記塩素化反応は加熱条件下で行われることが好ましい。
上記塩素化反応の効率をより一層高める観点からは、上記加熱時の温度は、好ましくは80℃以上であり、好ましくは140℃以下である。
上記塩化ビニル系樹脂の塩素含有率は、好ましくは56.8重量%以上、好ましくは72重量%以下である。上記塩化ビニル系樹脂の塩素含有率は、上記塩化ビニル系樹脂100重量%中の塩素原子の含有率である。上記塩化ビニル系樹脂の塩素含有率が上記下限以上であると、得られる成形体の耐熱性をより一層高めることができる。上記塩化ビニル系樹脂の塩素含有率が上記上限以下であると、成形性をより一層良好にすることができ、得られる成形体の耐衝撃性及び表面平滑性をより一層高めることができる。
上記塩化ビニル系樹脂が塩素化塩化ビニル系樹脂である場合に、上記塩素化塩化ビニル系樹脂の塩素含有率は、上記塩素化塩化ビニル系樹脂100重量%中、好ましくは56.8重量%以上、より好ましくは60重量%以上、さらに好ましくは61.5重量%以上であり、好ましくは72重量%以下、より好ましくは67.5重量%以下である。上記塩素化塩化ビニル系樹脂の塩素含有率が上記下限以上であると、得られる成形体の耐熱性をより一層高めることができる。上記塩素化塩化ビニル系樹脂の塩素含有率が上記上限以下であると、成形性をより一層良好にすることができ、得られる成形体の耐衝撃性及び表面平滑性をより一層高めることができる。
上記塩化ビニル系樹脂の塩素含有率(塩化ビニル系樹脂が塩素化塩化ビニル系樹脂である場合には、塩素化塩化ビニル系樹脂の塩素含有率)は、JIS K7229に準拠して、電位差滴定法にて求めることができる。
上記塩化ビニル系樹脂の重合度は、好ましくは500以上、より好ましくは600以上であり、好ましくは2000以下、より好ましくは1200以下、さらに好ましくは900以下である。上記重合度が上記下限以上であると、成形体の機械的強度をより一層高めることができる。上記重合度が上記上限以下であると、成形時に高温にする必要がなくなり、成形性をより一層良好にすることができる。
上記塩化ビニル系樹脂組成物に含まれる塩化ビニル系樹脂は粒子であることが好ましい。粒子である塩化ビニル系樹脂の体積平均粒子径は、好ましくは0.1μm以上であり、好ましくは500μm以下である。上記体積平均粒子径が上記下限以上であると、取扱い性をより一層高めることができる。上記体積平均粒子径が上記上限以下であると、成形性をより一層良好にすることができる。
上記塩化ビニル系樹脂の体積平均粒子径は、体積基準で測定される平均径であり、50%となるメディアン径(D50)の値である。上記体積平均粒子径は、レーザ回折・散乱法等により測定可能である。
(有機錫系安定剤)
上記塩化ビニル系樹脂組成物は、有機錫系安定剤を含む。本発明に係る塩化ビニル系樹脂組成物において、上記有機錫系安定剤は、塩化ビニル系樹脂の分解を抑制し、また、塩化ビニル系樹脂の分解時に発生する塩化水素を捕捉する化合物である。
上記有機錫系安定剤としては、錫メルカプト系安定剤、錫マレート系安定剤、錫カルボキシレート系安定剤及び錫サルファイド系安定剤等が挙げられる。上記有機錫系安定剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記錫メルカプト系安定剤としては、モノアルキル錫メルカプト、ジアルキル錫メルカプト、モノアルキル錫メルカプトポリマー、ジアルキル錫メルカプトポリマー、モノアルキル錫メルカプトサルファイド及びジアルキル錫メルカプトサルファイド等が挙げられる。
上記錫マレート系安定剤としては、モノアルキル錫マレート、ジアルキル錫マレート、モノアルキル錫マレートポリマー及びジアルキル錫マレートポリマー等が挙げられる。
上記錫カルボキシレート系安定剤としては、モノアルキル錫カルボキシレート及びジアルキル錫カルボキシレート等が挙げられる。
上記錫サルファイド系安定剤としては、モノアルキル錫サルファイド及びジアルキル錫サルファイド等が挙げられる。
上記有機錫系安定剤は、有機錫系熱安定剤であることが好ましい。上記有機錫系熱安定剤としては、ジオクチル錫ジウラレート、ジオクチル錫マレート及びジオクチル錫メルカプチド等が挙げられる。
加熱成形時の初期着色をより一層効果的に防止し、加熱成形時の熱安定性をより一層良好にする観点からは、上記有機錫系安定剤は、錫メルカプト系安定剤を含むことが好ましく、ジアルキル錫メルカプトを含むことがより好ましく、ジオクチル錫メルカプトを含むことがさらに好ましい。
本発明の効果をより一層効果的に発揮する観点からは、上記塩化ビニル系樹脂組成物は、錫サルファイド系安定剤を含むことが好ましい。
上記塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、上記有機錫系安定剤の含有量は、好ましくは0.05重量部以上、より好ましくは0.1重量部以上、さらに好ましくは0.5重量部以上、特に好ましくは0.8重量部以上、最も好ましくは1.0重量部以上である。上記塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、上記有機錫系安定剤の含有量は、好ましくは5.0重量部以下、より好ましくは3.0重量部以下、さらに好ましくは2.5重量部以下、特に好ましくは2.2重量部以下、最も好ましくは2.0重量部以下である。上記有機錫系安定剤の含有量が上記下限以上であると、加熱成形時の熱安定性をより一層効果的に高めることができ、成形体内に気泡が発生することをより一層効果的に抑制できる。上記有機錫系安定剤の含有量が上記上限以下であると、得られる成形体の耐熱性をより一層高めることができる。
(脂肪族カルボン酸の金属塩)
上記塩化ビニル系樹脂組成物は、脂肪族カルボン酸のナトリウム塩及び脂肪族カルボン酸のカルシウム塩からなる群から選択される少なくとも1種の脂肪族カルボン酸の金属塩を含む。上記脂肪族カルボン酸の金属塩は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。上記脂肪族カルボン酸におけるカルボン酸は、モノカルボン酸であってもよく、多価カルボン酸であってもよい。上記多価カルボン酸は、二価カルボン酸であってもよい。上記脂肪族カルボン酸のナトリウム塩は、脂肪族カルボン酸ニナトリウムであってもよい。
上記脂肪族カルボン酸の金属塩が、塩化ビニル系樹脂の分解時に発生する塩化水素を捕捉することで、塩化水素による気泡の発生を抑制でき、加熱成形時の熱安定性を向上させることができる。
上記脂肪族カルボン酸の金属塩としては、アジピン酸の金属塩、セバシン酸の金属塩、アゼライン酸の金属塩、スベリン酸の金属塩、及びピメリン酸の金属塩等が挙げられる。上記脂肪族カルボン酸の金属塩を構成する脂肪族カルボン酸としては、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、スベリン酸、及びピメリン酸等が挙げられる。
加熱成形時の熱安定性をより一層良好にする観点からは、上記脂肪族カルボン酸の金属塩における炭素数は、好ましくは4以上、より好ましくは5以上、さらに好ましくは6以上であり、好ましくは16以下、より好ましくは12以下、さらに好ましくは8以下である。加熱成形時の熱安定性をより一層良好にする観点からは、上記脂肪族カルボン酸の金属塩は、炭素数が2以上14以下の鎖式炭化水素骨格を有することが好ましい。
上記脂肪族カルボン酸の金属塩の分散を良好にし、本発明の効果をより一層効果的に発揮する観点からは、上記脂肪族カルボン酸の金属塩におけるCOOX基の数が2であり(Xは金属、2つのCOOX基においてXが共有されていてもよい)、かつ、上記脂肪族カルボン酸の金属塩における炭素数が6以上16以下であることが好ましい。なお、上記脂肪族カルボン酸の金属塩における炭素数には、上記COOX基における炭素の数も含まれる。
上記の好ましい態様を有する脂肪族カルボン酸の金属塩としては、アジピン酸の金属塩、セバシン酸の金属塩、アゼライン酸の金属塩、スベリン酸の金属塩、及びピメリン酸の金属塩等が挙げられる。上記脂肪族カルボン酸の金属塩は、アジピン酸の金属塩、セバシン酸の金属塩、アゼライン酸の金属塩、スベリン酸の金属塩、及びピメリン酸の金属塩からなる群から選択される少なくとも1種の脂肪族カルボン酸の金属塩を含むことが好ましい。これらの好ましい脂肪族カルボン酸の金属塩の使用により、塩化水素の捕捉による成形体の内部の気泡の発生をより一層効果的に抑制し、加熱成形時の熱安定性をより一層良好にすることができる。塩化水素の捕捉による成形体の内部の気泡の発生をさらに一層効果的に抑制し、加熱成形時の熱安定性をさらに一層良好にする観点からは、上記脂肪族カルボン酸の金属塩は、アジピン酸の金属塩を含むことが特に好ましい。
上記塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、上記脂肪族カルボン酸の金属塩の含有量は、好ましくは0.05重量部以上、より好ましくは0.1重量部以上、さらに好ましくは0.3重量部以上、特に好ましくは0.7重量部以上、最も好ましくは1.0重量部以上である。上記塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、上記脂肪族カルボン酸の金属塩の含有量は、好ましくは5.0重量部以下、より好ましくは3.0重量部以下、さらに好ましくは2.5重量部以下、特に好ましくは2.0重量部以下、最も好ましくは1.5重量部以下である。上記脂肪族カルボン酸の金属塩の含有量が上記下限以上であると、加熱成形時の熱安定性をより一層効果的に高めることができ、成形体内に気泡が発生することをより一層効果的に抑制できる。上記脂肪族カルボン酸の金属塩の含有量が上記上限以下であると、加熱成形時の熱安定性をより一層効果的に高めることができる。
(酸化防止剤成分)
上記塩化ビニル系樹脂組成物は、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤及びイオウ系酸化防止剤からなる群から選択される少なくとも1種の酸化防止剤成分を含む。上記酸化防止剤成分は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記酸化防止剤成分は、塩化ビニル系樹脂組成物の成形初期の熱安定性を向上させるので、塩化ビニル系樹脂の分解により発生する塩化水素を低減することができ、成形体内に気泡が発生することを抑制できる。
上記フェノール系酸化防止剤はフェノール骨格を有する酸化防止剤である。上記アミン系酸化防止剤はアミノ基を有する酸化防止剤である。上記リン系酸化防止剤はリン原子を含有する酸化防止剤である。上記イオウ系酸化防止剤はイオウ原子を含有する酸化防止剤である。
上記フェノール系酸化防止剤としては、2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾール(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、2,6-ジ-t-ブチル-4-エチルフェノール、ステアリル-β-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’-メチレンビス-(4-メチル-6-ブチルフェノール)、2,2’-メチレンビス-(4-エチル-6-t-ブチルフェノール)、4,4’-ブチリデン-ビス-(3-メチル-6-t-ブチルフェノール)、1,1,3-トリス-(2-メチル-ヒドロキシ-5-t-ブチルフェニル)ブタン、テトラキス[メチレン-3-(3’,5’-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、1,3,3-トリス-(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-t-ブチルフェノール)ブタン、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼン及びビス(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルベンゼンプロパン酸)エチレンビス(オキシエチレン)等が挙げられる。
上記アミン系酸化防止剤としては、オクチル化ジフェニルアミン、フェニル-β-ナフチルアミン、N,N’-ジフェニル-p-フェニレンジアミン及びフェノチアジン等が挙げられる。
上記リン系酸化防止剤としては、トリデシルホスファイト、トリス(トリデシル)ホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリノニルフェニルホスファイト、ビス(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(デシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、トリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(2,4-ジ-t-ブチル-6-メチルフェニル)エチルエステル亜リン酸、トリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ホスファイト、及び2,2’-メチレンビス(4,6-ジ-t-ブチル-1-フェニルオキシ)(2-エチルヘキシルオキシ)ホスホラス等が挙げられる。
上記イオウ系酸化防止剤としては、ジオクタデシル3,3’-チオジプロピオネート、ビス[2-メチル-4-(3-n-ラウリルチオプロピオニルオキシ)-5-t-ブチルフェニル]スルフィド、ジラウリルチオジプロピオネート、ジイソステアリルチオジプロピオネート及びメルカプトベンズチアゾール等が挙げられる。
上記塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、上記酸化防止剤成分の含有量は、好ましくは0.05重量部以上、より好ましくは0.1重量部以上、さらに好ましくは0.3重量部以上、特に好ましくは0.7重量部以上、最も好ましくは1.0重量部以上である。上記塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、上記酸化防止剤成分の含有量は、好ましくは5.0重量部以下、より好ましくは3.0重量部以下、さらに好ましくは2.5重量部以下、特に好ましくは2.0重量部以下、最も好ましくは1.5重量部以下である。上記酸化防止剤成分の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、成形体内に気泡が発生することをより一層効果的に抑制できる。特に、上記酸化防止剤成分の含有量が上記下限以上であると、成形体内に気泡が発生することをかなり効果的に抑制できる。
(他の成分)
上記塩化ビニル系樹脂組成物には、必要に応じて、各種の添加剤を用いてもよい。上記添加剤としては、熱安定化助剤、滑剤、加工助剤、衝撃改質剤、耐熱向上剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、光安定剤、充填剤、顔料及び可塑剤等が挙げられる。上記添加剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記熱安定化助剤としては特に限定されず、例えば、エポキシ化大豆油、リン酸エステル、ポリオール、ハイドロタルサイト、及びゼオライト等が挙げられる。上記熱安定化助剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記滑剤としては、内部滑剤、及び外部滑剤が挙げられる。上記内部滑剤は、成形加工時の溶融樹脂の流動粘度を下げ、摩擦発熱を防止する目的で使用される。上記内部滑剤としては特に限定されず、ブチルステアレート、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール、エポキシ大豆油、グリセリンモノステアレート、ステアリン酸、及びビスアミド等が挙げられる。上記外部滑剤は、成形加工時の溶融樹脂と金属面との滑り効果を上げる目的で使用される。上記外部滑剤としては特に限定されず、パラフィンワックス、ポリオレフィンワックス、エステルワックス、及びモンタン酸ワックス等が挙げられる。上記滑剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記加工助剤としては特に限定されず、アクリル系加工助剤等が挙げられる。上記アクリル系加工助剤としては、重量平均分子量が10万~200万であるアルキルアクリレート-アルキルメタクリレート共重合体等が挙げられる。具体的には、n-ブチルアクリレート-メチルメタクリレート共重合体、及び2-エチルヘキシルアクリレート-メチルメタクリレート-ブチルメタクリレート共重合体等が挙げられる。上記加工助剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記衝撃改質剤としては特に限定されず、メタクリル酸メチル-ブタジエン-スチレン共重合体(MBS)、塩素化ポリエチレン、及びアクリルゴム等が挙げられる。上記衝撃改質剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記耐熱向上剤としては特に限定されず、α-メチルスチレン系、及びN-フェニルマレイミド系樹脂等が挙げられる。上記耐熱向上剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記紫外線吸収剤としては特に限定されず、サリチル酸エステル系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、及びシアノアクリレート系紫外線吸収剤等が挙げられる。上記紫外線吸収剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記光安定剤としては特に限定されず、ヒンダードアミン系光安定剤等が挙げられる。上記光安定剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記充填剤としては特に限定されず、炭酸カルシウム、及びタルクなどが挙げられる。上記充填剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記顔料としては特に限定されず、有機顔料及び無機顔料が挙げられる。上記有機顔料としては、アゾ系有機顔料、フタロシアニン系有機顔料、スレン系有機顔料、及び染料レーキ系有機顔料等が挙げられる。上記無機顔料としては、酸化物系無機顔料、クロム酸モリブデン系無機顔料、硫化物・セレン化物系無機顔料、及びフェロシアニン化物系無機顔料等が挙げられる。透明性をより一層高める観点からは、上記塩化ビニル系樹脂組成物は、上記顔料を含まないことが好ましい。
上記可塑剤は、成形時の加工性を高める目的で添加されていてもよい。可塑剤の添加により成形品の耐熱性が低下することがあるため、可塑剤の添加量は少ない方が好ましい。上記可塑剤としては特に限定されず、ジブチルフタレート、ジ-2-エチルヘキシルフタレート、及びジ-2-エチルヘキシルアジペート等が挙げられる。上記可塑剤は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記塩化ビニル系樹脂組成物は、上記有機錫系安定剤以外の安定剤を含んでいてもよい。上記有機錫系以外の安定剤としては、鉛系安定剤、カルシウム-亜鉛系安定剤、バリウム-亜鉛系安定剤、及びバリウム-カドミウム系安定剤等が挙げられる。上記鉛系安定剤としては、三塩基性硫酸鉛、四塩基性硫酸鉛、塩基性亜硫酸鉛、二塩基性亜燐酸鉛、二塩基性フタル酸鉛、三塩基性マレイン酸鉛、二塩基性ステアリン酸鉛、及び塩基性亜硫酸亜燐酸等が挙げられる。
(塩化ビニル系樹脂成形体)
上記塩化ビニル系樹脂成形体は、上記塩化ビニル系樹脂組成物を用いて形成される。上記塩化ビニル系樹脂組成物は、上記塩化ビニル系樹脂成形体を得るために単独で用いることができる。上記塩化ビニル系樹脂成形体は、上記塩化ビニル系樹脂組成物を成形することにより得られる。上記塩化ビニル系樹脂成形体は、上記塩化ビニル系樹脂組成物の成形体である。
上記塩化ビニル系樹脂成形体の形状としては特に限定されず、例えば、パイプ、板及び容器等が挙げられる。上記塩化ビニル系樹脂成形体は、板状であることが好ましく、平板状であることが好ましい。板状には、シート状及びフィルム状が含まれる。
上記塩化ビニル系樹脂組成物の成形方法としては特に限定されず、例えば、押出成形法、射出成形法、カレンダー成形法及びプレス成形法等が挙げられる。
成形に用いる成形機としては特に限定されず、例えば、単軸押出機、二軸異方向パラレル押出機、二軸異方向コニカル押出機、及び二軸同方向押出機等が挙げられる。上記成形機を用いて成形するとき、賦形する金型及び樹脂温度等は、特に限定されない。
本発明に係る塩化ビニル系樹脂組成物では、加熱成形時の熱安定性を高めることができ、成形体の内部における気泡の発生を抑制することができるので、上記塩化ビニル系樹脂成形体は、塩化ビニル系射出成形体であることが好ましい。
以下、実施例及び比較例を挙げることにより、本発明を具体的に説明する。本発明は、以下の実施例に限定されない。
以下の材料を用意した。
(塩化ビニル系樹脂)
塩化ビニル系樹脂(徳山積水工業社製「TS-800E」、塩素含有率56.8重量%、重合度800)
(有機錫系安定剤)
ジオクチル錫メルカプト系安定剤(ジオクチル錫メルカプト、日東化成工業社製「TVS#8940」)
(脂肪族カルボン酸の金属塩)
脂肪族カルボン酸のナトリウム塩(アジピン酸二ナトリウム、TCI社製)
脂肪族カルボン酸のカルシウム塩(アジピン酸カルシウム、Alfa Chemistry社製)
(酸化防止剤成分)
フェノール系酸化防止剤(BASF社製「IRGANOX1010」)
アミン系酸化防止剤(BASF社製「IRGANOX5057」)
リン系酸化防止剤(BASF社製「IRGAFOS168」)
イオウ系酸化防止剤(BASF社製「IRGANOX PS 802 FL」)
(滑剤)
ポリエチレンワックス(三井石油化学工業社製「ハイワックス220RKT」)
(実施例1~20、及び比較例1~10)
配合成分の種類及び配合量を下記の表1~5に示すようにして、各配合成分をヘンシェルミキサー(川田工業社製)に添加し、5分間混合して、塩化ビニル系樹脂組成物を得た。得られた塩化ビニル系樹脂組成物を、以下の条件で混錬して、厚み1.0mmのシートを得た。
[条件]
ロール:安田製機製作所社製 ミキシングロール
ロール温度:190℃
ロール時間:3分(巻きつき後)
(評価)
(1)熱安定性
得られたシートを、長さ30mm×幅30mmに切り出して、試験用サンプルAを得た。試験用サンプルAをギヤオーブン(エスペック社製)に入れ、槽内温度が200℃となるように加熱した。加熱開始後から10分間隔で、試験サンプルAを目視にて確認し、黒変が始まったのを確認できた時間を記録し、熱安定性を以下の基準で判定した。
[熱安定性の判定基準]
〇○:黒変が始まったのを確認できた時間が加熱開始後70分以上
〇:黒変が始まったのを確認できた時間が加熱開始後50分又は60分
×:黒変が始まったのを確認できた時間が加熱開始後40分以下
(2)気泡抑制性能
以下の条件で、得られたシートを重ね合わせ、プレスすることで、プレスサンプルを得た。
[条件]
プレス:小平製作所社製 熱プレス成形機(プレス面の材質:SUS304)
プレス温度:200℃
プレス時間:予熱3分+加圧10分
プレス圧力:150kgf/cm
プレスサンプルのサイズ:厚み10.0mm×長さ200mm×幅200mm
得られたプレスサンプルを、長さ30mm×幅30mmに切り出して、試験用サンプルB(成形体)を得た。試験用サンプルB(成形体)をギヤオーブン(エスペック社製)に入れ、槽内温度が200℃となるように加熱した。60分後の試験用サンプルB(成形体)を縦に切断し、試験用サンプルB(成形体)内の気泡を確認し、気泡抑制性能を以下の基準で判定した。
[気泡抑制性能の判定基準]
○○:気泡無し(目視では気泡無し)
○:微小(1mm未満)な気泡が10個未満存在し、1mm以上の気泡が存在しない
△:微小(1mm未満)な気泡が10個以上15個未満存在し、1mm以上の気泡が存在しない
×:微小(1mm未満)な気泡が15個以上存在する、または1mm以上の気泡が存在する
(3)成形体の耐熱性
以下の条件で、得られたシートを重ね合わせ、プレスすることで、プレスサンプルを得た。
[条件]
プレス:東邦マシナリー社製 熱プレス成形機
プレス温度:200℃
プレス時間:予熱3分+加圧2分
プレス圧力:150kgf/cm
プレスサンプルのサイズ:厚み3.0mm×長さ200mm×幅200mm
得られたプレスサンプルを、長さ30mm×幅30mmに切り出して、試験用サンプルC(成形体)を得た。試験用サンプルC(成形体)について、JIS K7206に準拠して、ビカット軟化温度を測定した。試験用サンプルC(成形体)の耐熱性を、以下の基準で判定した。
[成形体の耐熱性の判定基準]
○○:ビカット軟化温度が76℃以上
○:ビカット軟化温度が74℃以上76℃未満
×:ビカット軟化温度が74℃未満
結果を表1~5に示す。
Figure 2023012834000001
Figure 2023012834000002
Figure 2023012834000003
Figure 2023012834000004
Figure 2023012834000005

Claims (7)

  1. 塩化ビニル系樹脂と、
    有機錫系安定剤と、
    脂肪族カルボン酸のナトリウム塩及び脂肪族カルボン酸のカルシウム塩からなる群から選択される少なくとも1種の脂肪族カルボン酸の金属塩と、
    フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤及びイオウ系酸化防止剤からなる群から選択される少なくとも1種の酸化防止剤成分とを含む、塩化ビニル系樹脂組成物。
  2. 前記塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、前記有機錫系安定剤の含有量が、0.1重量部以上、3.0重量部以下である、請求項1に記載の塩化ビニル系樹脂組成物。
  3. 前記塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、前記脂肪族カルボン酸の金属塩の含有量が、0.1重量部以上、3.0重量部以下である、請求項1又は2に記載の塩化ビニル系樹脂組成物。
  4. 前記塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、前記酸化防止剤成分の含有量が、0.1重量部以上、5.0重量部以下である、請求項1~3のいずれか1項に記載の塩化ビニル系樹脂組成物。
  5. 前記有機錫系安定剤が、錫メルカプト系安定剤を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の塩化ビニル系樹脂組成物。
  6. 前記脂肪族カルボン酸の金属塩が、アジピン酸の金属塩を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の塩化ビニル系樹脂組成物。
  7. 請求項1~6のいずれか1項に記載の塩化ビニル系樹脂組成物の成形体である、塩化ビニル系樹脂成形体。
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