JP2023012150A - 位置決め装置とその制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高精度の位置決め制御を可能とする位置決め装置を提供する。【解決手段】位置決め装置は、直流モータと減速機構及び減速機構の回転変位量を検出する単相式の回転センサーとによって構成されたアクチュエータと、直流モータを電気的に駆動する電子制御装置とから成る。電子制御装置は、モータの電源オフから停止までに掛かる時間T2を学習し、回転センサーの出力パルスの立ち上がりエッジN+4fと立下りエッジN+4rとの略中間位置を目標回転停止位置MPとして、直流モータを停止させるように減速制御する。【選択図】図6
Description
本発明は、電動モータを内蔵したアクチュエータによって移動体を駆動し、所定の位置へ制御する電気駆動システムに関するもので、特に車両の電動パワーシート等の可動部分に適用して、位置決め制御を高精度に行う位置決め装置とその制御方法に関する。
従来、この種の位置決め装置は駆動対象の移動体と機械的に連結されると共に、直流モータと減速機構、及び減速機構の回転変位量を検出する回転センサー、とによって構成したアクチュエータに加えて、直流モータを電気的に駆動する電子制御装置とから構成されるのが一般的である。
具体的には図1に示すシートバックへ装着したアクチュエータ2と、操作スイッチ3の信号を取り込むと共にアクチュエータを駆動する電子制御装置1とから構成した車両用の電動パワーシートが公知である。図2にアクチュエータ部分の詳細例が示される。
図2のアクチュエータ部分では、シートフレームに固定された第二ギア212と、第一ギア211と同軸上に配設された図示しない小径ギアとが噛合するとともに、第一ギアと、モータ軸へ連結されたウォームギア210とが噛合している。
図2のアクチュエータ部分では、シートフレームに固定された第二ギア212と、第一ギア211と同軸上に配設された図示しない小径ギアとが噛合するとともに、第一ギアと、モータ軸へ連結されたウォームギア210とが噛合している。
図2に示す構成によって、モータ200が駆動されるとウォームギア210が回転して第一ギア211を回動させ、第一ギアの図示しない小径部が第二ギア212の周辺を公転するように自転回動することで、シートバックの傾斜角度を電気的に調節可能になっている。
図3は回転センサー部分の詳細例を示す図である。回転センサー部分は、モータ回転軸の同軸上に配設した単一の磁極対から成るマグネット201と、固定部に配設されて、かかるマグネットの生成する磁界を電気信号として検出するホール素子202とによって形成されており、この2つによって公知の単相式ロータリーエンコーダが構成される。
これによって、ホール素子202からモータの回転軸が1回転する毎に1パルスの電気信号を出力する。電子制御装置1はこのパルス数を所定方向へ積算してシートバックの傾斜角度として計算し、記憶するように構成されている。
以上の構成は、シートバックの傾斜のみならず、シートの前後スライド位置制御、座面前後の高さ制御にも同様にして適用され、これらの各種位置決め制御を電気的に行うことができるから、複数の運転者毎に設定した任意のシートポジションを別々にワンタッチ操作で再生する公知のメモリーパワーシート機能が実現される。
ところで、単相式ロータリーエンコーダは、ホール素子の出力信号からモータ軸の回転方向を判別することができない。従って、特許文献1に記載されているとおり、駆動機構の可動範囲終端まで移動した際にモータの駆動が停止されると、負荷側の反力によってモータが逆転駆動されてシートの実際の位置と装置の検出・記憶している位置との間にずれが生じてしまう。
そこで、特許文献1によれば可動範囲端部で停止した際にメカロックとして判別し、モータオフ期間に発生した回転パルスを逆方向回転として積算する。
或いは、短時間のモータ駆動を禁止する為にユーザによる作動要求を、モータ回転が判定できるまで保持する、等によってシートポジションを正確に記憶する為の解決策が提案されている。
或いは、短時間のモータ駆動を禁止する為にユーザによる作動要求を、モータ回転が判定できるまで保持する、等によってシートポジションを正確に記憶する為の解決策が提案されている。
しかしながら、回転センサーによるシート各部の可動位置に関する誤検出の原因は、可動範囲端部における反転動作に限らない。加えて、回転センサーによるシート各部の作動位置に関する誤検出の原因は、可動範囲内でのユーザ操作が短時間過ぎることによって、回転センサーからパルスを発生する前にモータが停止する等も考えられる。
例えば、可動範囲内における停止位置が回転センサーの出力するパルスのエッジに対して極近傍であった場合を想定すると、電子制御装置の通電が遮断された後に、シート各部に作用する外力によってモータが微小回転する場合がある。
この時、かかるモータの微小回転による物理的なモータ軸の回転角度が、回転センサーの出力パルスのエッジ位置を超えることがあり、再度電子制御装置へ通電してシートポジションを変更すると、パルス数の1カウント分が欠落することになる。
この時、かかるモータの微小回転による物理的なモータ軸の回転角度が、回転センサーの出力パルスのエッジ位置を超えることがあり、再度電子制御装置へ通電してシートポジションを変更すると、パルス数の1カウント分が欠落することになる。
さらには、上記停止位置が回転センサーの出力するパルスのエッジに対して極近傍であった場合、モータの回転が停止した直後に、減速機構のバックラッシュ等によって、停止直後のモータが微小角度だけ回転する場合がある。
この時、モータが回転センサーのパルスの立下りエッジで停止したとすると、直後に逆方向の立ち上がりエッジが検出されることになる。従って、電子制御装置は可動部分が制御方向へ1パルス移動したと認識してしまい、本来の停止位置から1パルス分多く移動したと誤認識することになる。
この時、モータが回転センサーのパルスの立下りエッジで停止したとすると、直後に逆方向の立ち上がりエッジが検出されることになる。従って、電子制御装置は可動部分が制御方向へ1パルス移動したと認識してしまい、本来の停止位置から1パルス分多く移動したと誤認識することになる。
その為、メモリーパワーシートの再生動作を100回程度繰り返すと、本来設定したシートポジションに対して大きなズレを生じてしまうといった課題があった。
本発明は前記課題に鑑みてなされたものであり、直流モータと減速機構、及び、該減速機構の回転変位量を検出する単相式の回転センサー、とによって構成したアクチュエータと、該直流モータを電気的に駆動する電子制御装置とから構成される位置決め装置において、制御対象の機械的変位量と、電子制御装置が記憶した回転センサーの積算パルス数との間に誤差を生じることが無く、高精度の位置決め制御を可能とする位置決め装置を提供するものである。
請求項1の発明による位置決め装置は、移動体と連結して、直流モータと減速機構及び減速機構の回転変位量を検出する単相式の回転センサーとによって構成されたアクチュエータと、前記直流モータを電気的に駆動する電子制御装置とから成る位置決め装置において、前記電子制御装置は前記回転センサーの出力パルスの立ち上がりエッジと立下りエッジとの略中間位置を目標回転停止位置として、前記直流モータを停止させるように減速制御する停止制御手段と、前記目標回転停止位置を学習する学習制御手段とを備えることを特徴とする。
請求項2の発明による位置決め装置は、前記停止制御手段は、前記直流モータへの通電を遮断した惰性回転モードによって直流モータを減速して停止させるように減速制御することを特徴とする。
請求項3の発明による位置決め装置は、前記停止制御手段は、前記直流モータの給電用端子間を電気的に短絡したブレーキモードによって、直流モータを減速して停止させるように減速制御することを特徴とする。
請求項4の発明による位置決め装置は、前記停止制御手段は、前記直流モータが作動中に回転する方向に対して逆方向の回転力を与える電力を直流モータの給電用端子に印加した強制ブレーキモードによって、直流モータを減速して停止させるように減速制御することを特徴とする。
請求項5の発明による位置決め装置は、前記学習制御手段は、前記回転センサーの出力の一方を発生する第1のタイミングを検出し、前記回転センサーの出力の他方を発生する前記第1のタイミングよりも長い第2のタイミングを検出し、前記第1のタイミングと前記第2のタイミングとの間の第3のタイミングで、前記回転センサーの出力の一方が検出された場合、前記第3のタイミングを新たな第1のタイミングとし、前記回転センサーの出力の他方が検出された場合、前記第3のタイミングを新たな第2のタイミングとし、前記新たな第1のタイミングにされた若しくは元の前記第1のタイミングと前記新たな第2のタイミングにされた若しくは元の前記第2のタイミングとの間の新たな第3のタイミングで、前記回転センサーの出力を検出することで、前記目標回転停止位置を学習することを特徴とする。
請求項6の発明による位置決め装置は、前記新たな第1にタイミングにされた若しくは元の前記第1のタイミングと前記新たな第2のタイミングにされた若しくは元の前記第2のタイミングとの間の新たな第3のタイミングで、回転センサーの出力を検出することを繰り返し、前記出力パルスの立ち上がりエッジと立下りエッジとの略中間位置を検出して学習することを特徴とする。
請求項7の発明による位置決め装置は、新たな第3のタイミングにより決定される強制ブレーキ間隔を用いて逆方向の回転力を与える強制ブレーキを行うことを特徴とする。
請求項8の発明による位置決め装置は、前記学習制御手段は、前記回転センサーの出力の一方を発生する第1のタイミングを検出し、前記回転センサーの出力の他方を発生する前記第1のタイミングよりも長い第2のタイミングを検出し、前記第1のタイミングから所定量を加えた、若しくは、前記第2のタイミングから所定量を減算した第3のタイミングで、前記回転センサーの出力の一方が検出された場合、前記第3のタイミングを新たな第1のタイミングとし、前記回転センサーの出力の他方が検出された場合、前記第3のタイミングを新たな第2のタイミングとし、前記所定量を加算又は減算した新たな第3のタイミングで、前記回転センサーの出力を検出することで、前記目標回転停止位置を学習することを特徴とする。
請求項9の発明による位置決め装置は、前記所定量を加算又は減算した新たな第3のタイミングで、前記回転センサーの出力を検出することを繰り返し、前記出力パルスの立ち上がりエッジと立下りエッジとの略中間位置を検出して学習することを特徴とする。
請求項10の発明による位置決め装置は、新たな第3のタイミングにより決定される強制ブレーキ間隔を用いて逆方向の回転力を与える強制ブレーキを行うことを特徴とする。
請求項11の発明による位置決め装置は、前記移動体は、車両用の電動パワーシートであることを特徴とする。
請求項12の発明による位置決め装置は、前記移動体は、車両用の電動チルト/テレスコピックステアリング装置であることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、電子制御装置は、回転センサーの出力パルスの立ち上がりエッジと立下りエッジとの略中間位置を目標回転停止位置として直流モータを減速制御して停止させるように作用する停止制御手段と、目標回転停止位置を学習する学習制御手段とを備える。移動体の可動範囲内におけるモータの回転停止位置が回転センサーの出力するパルスのエッジの近傍とはならないので、シート各部に作用する外力によってモータが微小回転した場合においても、回転センサーから誤ったパルスを発生しないという効果がある。
従って、メモリーパワーシートの再生動作を数百回以上の多数回繰り返しても、本来設定したシートポジションに対してズレを生じる事がない。
請求項2の発明によれば、停止制御手段は、直流モータへの通電を遮断した惰性回転モードによって目標回転停止位置へ停止させることができる。
請求項3の発明によれば、停止制御手段は、直流モータの給電用端子間を電気的に短絡した公知のブレーキモードによって目標回転停止位置へ停止させることができるから、モータを短時間で正確な目標回転位置に停止させることが可能となる。
請求項4の発明によれば、停止制御手段は、直流モータが作動中に回転する方向に対して逆方向の回転力を与える電力を直流モータの給電用端子に印加した強制ブレーキモードによって目標回転停止位置へ停止させることができるから、モータをさらに短時間で正確な目標回転位置に停止させることが可能となる。
請求項5の発明によれば、学習制御手段は、回転センサーの出力の一方を発生する第1のタイミングを検出し、回転センサーの出力の他方を発生する第1のタイミングよりも長い第2のタイミングを検出し、第1のタイミングと第2のタイミングとの間の第3のタイミングで、回転センサーの出力の一方が検出された場合、第3のタイミングを新たな第1のタイミングとし、回転センサーの出力の他方が検出された場合、第3のタイミングを新たな第2のタイミングとする。新たな第1のタイミングにされた若しくは元の第1のタイミングと新たな第2のタイミングにされた若しくは元の第2のタイミングとの間の新たな第3のタイミングで、回転センサーの出力を検出することで、出力パルスの立ち上がりエッジと立下りエッジとの略中間位置である目標回転停止位置を学習することができる。
請求項6の発明によれば、学習制御手段は、新たな第1にタイミングにされた若しくは元の第1のタイミングと新たな第2のタイミングにされた若しくは元の第2のタイミングとの間の新たな第3のタイミングで、回転センサーの出力を検出することを繰り返し、出力パルスの立ち上がりエッジと立下りエッジとの略中間位置を検出するので、略中間位置である目標回転停止位置を学習できる。
請求項7の発明によれば、学習制御手段は、新たな第3のタイミングにより決定される強制ブレーキ間隔で逆方向の回転力を与える強制ブレーキを行うことができ、中間位置である目標回転停止位置に停止させるための強制ブレーキ間隔を学習できる。
請求項8の発明によれば、学習制御手段は、回転センサーの出力の一方を発生する第1のタイミングを検出し、回転センサーの出力の他方を発生する第1のタイミングよりも長い第2のタイミングを検出し、第1のタイミングから所定量を加えた、若しくは、第2のタイミングから所定量を減算した第3のタイミングで、回転センサーの出力の一方が検出された場合、第3のタイミングを新たな第1のタイミングとし、回転センサーの出力の他方が検出された場合、第3のタイミングを新たな第2のタイミングとし、所定量を加算又は減算した新たな第3のタイミングで、回転センサーの出力を検出することで、出力パルスの立ち上がりエッジと立下りエッジとの略中間位置である目標回転停止位置を学習することができる。
請求項9の発明によれば、学習制御手段は、所定量を加算又は減算した新たな第3のタイミングで、回転センサーの出力を検出することを繰り返し、出力パルスの立ち上がりエッジと立下りエッジとの略中間位置を検出するので、略中間位置である目標回転停止位置を学習できる。
請求項10の発明によれば、学習制御手段は、新たな第3のタイミングにより決定される強制ブレーキ間隔で逆方向の回転力を与える強制ブレーキを行うことができ、中間位置である目標回転停止位置に停止させるための強制ブレーキ間隔を学習できる。
[実施形態]
以下、各図を参照しながら本発明の実施形態に係る位置決め装置とその制御方法の実施態様について説明する。図1は電動パワーシートの全体構造を示している。該電動パワーシートの内部骨格を形成するフレームに対してリクライニング用のアクチュエータ2が固定される。アクチュエータ2を電気的に制御するとともに、操作スイッチ3の信号が入力される電子制御装置1を備えている。
以下、各図を参照しながら本発明の実施形態に係る位置決め装置とその制御方法の実施態様について説明する。図1は電動パワーシートの全体構造を示している。該電動パワーシートの内部骨格を形成するフレームに対してリクライニング用のアクチュエータ2が固定される。アクチュエータ2を電気的に制御するとともに、操作スイッチ3の信号が入力される電子制御装置1を備えている。
アクチュエータ2は図2に示すように、直流モータ200とウォームギア210及び第一ギア211、第二ギア212とを具備している。該モータをA方向から見た内部構造を図3に示す。
図3におけるマグネット201は、直流モータ200の回転子と同軸上に連結して固定された一対のN・S磁極を備えるリング状のフェライト磁石であって、モータ200の回転子と連動して回転する。
マグネットと近接して約2mmの距離を隔てて、該モータのハウジングと一体となるような固定部にホール素子202が固結してある。この構造によってモータ200の回転子と連動してマグネット201が回転すると図4に示すように、モータ200の回転子角度360度を1サイクルとして、ホール素子202部の磁束密度が正弦波状に変化する。
ホール素子202は、図示しない公知のコンパレータ回路によって出力信号が処理され、磁束密度±1mTを閾値として、該正弦波と同期した矩形波へ信号変換されるように構成されている。閾値付近における出力信号のチャタリングを回避する為、電気的ヒステリシスを設けてあり、このヒステリシスに相当する磁束密度換算値が±1mTとなっているのである。
図4における最大磁界レベルと最小磁界レベルとは、該マグネット201の着磁レベルの誤差及び温度変化、又は耐久劣化による起磁力のばらつき、さらにマグネット201とホール素子202との組立ギャップのばらつき、ホール素子202の感度ばらつき、等によって変化するホール素子202部での磁束密度を略式的に表したものである。
該最小磁界レベルにおける磁束密度と比較して十分に小さい閾値を設定する必要があるため、該±1mTの閾値が設定されている。
以上から、ホール素子202の出力信号は、図示しないコンパレータによって磁束密度を電気的レベルに置き換えた閾値電圧と比較することで、矩形波へ変換されてモータ200の回転信号として出力される。
ここで、該閾値と該正弦波磁束密度を比較して明白なように、該コンパレータの矩形波出力のエッジ付近では、マグネット201の微小な回転角においてコンパレータ出力の矩形波信号が反転する。
以下、該マグネット201と該ホール素子202、及び該図示しない矩形波信号を出力するコンパレータとを一体として、回転センサー20と称する。
ここで、該電子制御装置1が該電動パワーシートのリクライニング機構を駆動した際のモータ200の回転停止位置が回転センサー20の出力するパルスのエッジに対して極近傍であった場合を想定すると、モータ200の通電が遮断された後に、シート各部に作用する外力によって該モータ200が微小回転する場合がある。
この時、かかるモータ200の微小回転による物理的な軸の回転角度が、回転センサー20の出力パルスのエッジ位置を超えることがあり、再度モータ200へ通電してシートポジションを変更した際に、1カウント分のパルス数が欠落する。
この時、かかるモータ200の微小回転による物理的な軸の回転角度が、回転センサー20の出力パルスのエッジ位置を超えることがあり、再度モータ200へ通電してシートポジションを変更した際に、1カウント分のパルス数が欠落する。
さらに、上記モータ200の回転停止位置が回転センサー20の出力するパルスのエッジに対して極近傍であった場合、モータ200の回転が停止した直後に、該ウォームギア210及び第一ギア211、第二ギア212のバックラッシュ等によって、停止直後にモータ200が微小角度だけ回転する場合がある。
この時、モータ200が回転センサー20のパルスの立下りエッジで停止したとすると、直後に逆方向の立ち上がりエッジが検出されることがある。その際、電子制御装置1はリクライニング機構が制御方向へ1パルス移動したと認識してしまい、本来の停止位置から1パルス分多く移動したと誤認識する。
この時、モータ200が回転センサー20のパルスの立下りエッジで停止したとすると、直後に逆方向の立ち上がりエッジが検出されることがある。その際、電子制御装置1はリクライニング機構が制御方向へ1パルス移動したと認識してしまい、本来の停止位置から1パルス分多く移動したと誤認識する。
実施形態の電動パワーシートは、複数のユーザが設定した最適なドライビングポジションを記憶することができると同時に、其々のユーザが自己の設定したポジションを正しく再生することが出来る。
電子制御装置1は初期設定時にユーザが操作したシートのリクライニング位置、前後位置、座面高さ位置等のシートポジションを、アクチュエータ2が動作中に回転センサー20から出力されるパルスをカウントして積算し、記憶するように構成されている。
次に、他ユーザが該各ポジションを変更した際にも、電子制御装置1は、かかる変更量を回転センサー20の出力パルス数を再カウントして積算及び記憶し、初期設定をしたユーザがスイッチ3を操作した場合には、該アクチュエータ2の直流モータ200へ通電すると同時に回転センサー20の出力パルス数をカウントして、パルスの積算値と初期設定値とを一致させることで、初期設定したシートポジションを再生することができる。
ところが、前述の如くモータ回転停止位置が回転センサー20の出力するパルスのエッジに対して極近傍であった場合に、電子制御装置1は回転センサー20の出力パルス1カウント分だけモータ回転角度を誤認識する可能性があるので、該ユーザの初期設定位置、或いは再生したシートポジションにずれを生じることになる。
図5に制御装置800の構成図を示す。制御装置800はCPU801によりコントロールされる。CPU801には通信データ制御部802が接続されており、この通信データ制御部802を経由して他の制御ユニットと連携して動作することができる。制御装置の800の情報はTx805経由で送信される。また、モータ駆動タイミング、モータ移動目標地点などのモータ駆動に必要な情報はRx806経由で受信する。
また、SW入力制御部803により方向指定SW807、808の状態を検出し、モータを駆動させることができる。
モータ809はモータ駆動回路804を介してCPU801により駆動される。モータ駆動回路804は、給電用端子間開放、給電用端子間短絡、印加電圧の極性反転、モータON/OFF信号出力うぇを行うことでモータ駆動を行う。モータ駆動回路804にはHブリッジ回路が用いられる。
また、モータ809から出力されるパルス信号、モータ温度を測定するためのサーミスタ810の信号、モータ駆動回路804を流れる電流信号、モータに印加されている電圧信号がCPU810に接続されており、CPUはモータの状態を把握することができる。
また、SW入力制御部803により方向指定SW807、808の状態を検出し、モータを駆動させることができる。
モータ809はモータ駆動回路804を介してCPU801により駆動される。モータ駆動回路804は、給電用端子間開放、給電用端子間短絡、印加電圧の極性反転、モータON/OFF信号出力うぇを行うことでモータ駆動を行う。モータ駆動回路804にはHブリッジ回路が用いられる。
また、モータ809から出力されるパルス信号、モータ温度を測定するためのサーミスタ810の信号、モータ駆動回路804を流れる電流信号、モータに印加されている電圧信号がCPU810に接続されており、CPUはモータの状態を把握することができる。
図6(A)は本発明の位置決め装置とその制御方法に関して、最も基本的な実施態様を示すもので、電子制御装置1は回転センサー20の出力パルスを積算しており、N+4カウント付近を目標回転停止位置として設定した場合を図示してある。
図6(A)において、電子制御装置1は時刻t1に至るまでの間、該直流モータ200の図示しない給電端子へ通電してリクライニング機構を所定の方向へ移動している。この時モータ回転速度はvとなっており、回転センサー20から所定周期の矩形波パルスが出力されている。
電子制御装置1は、予めモータの電源オフから停止までに掛かる時間T2を学習してある。電子制御装置1は、該時刻t1において該直流モータ200への給電端子を開放し、直流モータ200への通電を停止することでモータの停止を開始する(慣性回転モード)。
通電を停止したことにより、直流モータ200は徐々に速度を落として、電子制御装置1がカウントした回転センサー20の出力パルスN+4カウントの立下りfと、N+4カウントの立ち上がりrの中間付近(目標回転停止位置MP)において時刻t2で停止する。
これによって、直流モータ200の回転停止位置、即ち回転センサー20の回転停止位置は、回転センサー20が出力するパルスの立下りfと立ち上がりrの中間付近で停止するから、前述の如く停止後に外部から作用する力によってモータ200が回転したとしても±90度以上回転しないと誤パルスを発生することが無い。
図6(A)に於ける例ではパルスの立下りから立ち上がりの中央に対しさせているが、これに限ったことではなくパルスの立ち上がりと立ち下がりに現れるパルスエッジの中間であればよい。
該時刻t1からt2までの時間T2は、モータの減速要因に応じて違う値を取り得る。減速要因としては、機構の摩擦力やモータの回生電流によるブレーキ力の有無があげられ、これらの要因の複数を組み合わせても良い。回生電流によるブレーキは公知の技術であるためここでは図示しない。
また、別の形態として図6(B)に示す様にモータに対して、回転する方向に対して逆方向の回転力を与える電力(逆電圧)を給電用端子に印加する逆回転バイアスによるブレーキをかける方法がある(強制ブレーキモード)。この場合でも逆転ブレーキと合せて機構の摩擦力やモータの回生電流によるブレーキ(ブレーキモード)を組み合わせても良い。
機構の摩擦力やモータ負荷の変動が大きい場合、モータの給電用端子間を電気的に短絡する回生電流によるブレーキ(ブレーキモード)や逆転バイアスによるブレーキを行うことにより全体の制動力を大きくすることが好ましい。
上述した慣性回転モード、強制ブレーキモード、ブレーキモードの二つ以上を組み合わせて用いることも可能である。
機構の摩擦力やモータ負荷の変動が大きい場合、モータの給電用端子間を電気的に短絡する回生電流によるブレーキ(ブレーキモード)や逆転バイアスによるブレーキを行うことにより全体の制動力を大きくすることが好ましい。
上述した慣性回転モード、強制ブレーキモード、ブレーキモードの二つ以上を組み合わせて用いることも可能である。
図5のCPU801の全体制御フローについて図8を参照して説明する。
CPU801は、学習モードが指示されたかを判断する(S98)。学習モードは、車両の出荷前の点検時、或いは、車検前の点検時等にテスターからの通信によるコマンドで指示される。コマンドの代わりに、開始スイッチが設けられてもよい。学習モードが指示されると(S98:Yes)、学習モードが開始され、CPU801は、上述したモータ出力信号をオフにしてから出力パルスの立下りfと、立ち上がりrの中間付近(目標回転停止位置MP)に停止するための時間T2を学習する(S100)。学習モードが指示されない限り(S98:No)、通常モードが実行される(200)。通常モードでは、モータが制御されシート位置が調整され、モータの停止時に学習モードで決定した時間T2を用いてモータの停止制御が行われる。
CPU801は、学習モードが指示されたかを判断する(S98)。学習モードは、車両の出荷前の点検時、或いは、車検前の点検時等にテスターからの通信によるコマンドで指示される。コマンドの代わりに、開始スイッチが設けられてもよい。学習モードが指示されると(S98:Yes)、学習モードが開始され、CPU801は、上述したモータ出力信号をオフにしてから出力パルスの立下りfと、立ち上がりrの中間付近(目標回転停止位置MP)に停止するための時間T2を学習する(S100)。学習モードが指示されない限り(S98:No)、通常モードが実行される(200)。通常モードでは、モータが制御されシート位置が調整され、モータの停止時に学習モードで決定した時間T2を用いてモータの停止制御が行われる。
図9にCPU801の学習モードの制御フローが示される。
ステップS12、ステップS14、ステップS16において、モータ停止時のパルス出力が異なる停止タイミング1と停止タイミング2とを見つける。ステップS12では、図7(A)に示すようにモータ停止時のパルス出力がLとなる停止タイミング1が探される。ステップS14では、図7(B)に示すようにモータ停止時のパルス出力がHとなる停止タイミング2が探される。停止タイミング1と停止タイミング2の間にパルスエッジが2つ以上発生しないようにする必要がある。また、停止タイミング2は停止タイミング1より後である。以降の処理で、停止タイミング1と停止タイミング2を調整することで、図7(C)に示すように、パルスエッジで停止させるための停止タイミング3が学習される。
ステップS12、ステップS14、ステップS16において、モータ停止時のパルス出力が異なる停止タイミング1と停止タイミング2とを見つける。ステップS12では、図7(A)に示すようにモータ停止時のパルス出力がLとなる停止タイミング1が探される。ステップS14では、図7(B)に示すようにモータ停止時のパルス出力がHとなる停止タイミング2が探される。停止タイミング1と停止タイミング2の間にパルスエッジが2つ以上発生しないようにする必要がある。また、停止タイミング2は停止タイミング1より後である。以降の処理で、停止タイミング1と停止タイミング2を調整することで、図7(C)に示すように、パルスエッジで停止させるための停止タイミング3が学習される。
ステップS18で、停止タイミング3として、停止タイミング1と停止タイミング2との間、ここでは丁度中間が用いられ。
停止タイミング3=(停止タイミング1+停止タイミング2)/2
停止タイミング1、停止タイミング2のどちらか一方から停止タイミング3を見つけたい場合は分母を変えることで対応できる。
停止タイミング3=(停止タイミング1+停止タイミング2)/2
停止タイミング1、停止タイミング2のどちらか一方から停止タイミング3を見つけたい場合は分母を変えることで対応できる。
ステップS20で、停止タイミング3でモータが停止させられる。
そして、ステップS22で、(1)図10(B)に示すように停止タイミング3でパルス出力がLの場合、停止タイミング3を新たな停止タイミング1とする。即ち、パルス出力が停止タイミング1で停止したのと同じ出力Lならば、特殊停止タイミング3(パルスエッジで停止するタイミング3)は、今回の停止タイミング3と停止タイミング2との間に存在することになるからである。
そして、ステップS22で、(1)図10(B)に示すように停止タイミング3でパルス出力がLの場合、停止タイミング3を新たな停止タイミング1とする。即ち、パルス出力が停止タイミング1で停止したのと同じ出力Lならば、特殊停止タイミング3(パルスエッジで停止するタイミング3)は、今回の停止タイミング3と停止タイミング2との間に存在することになるからである。
他方、(2)図10(C)に示すように停止タイミング3でパルス出力がHの場合、停止タイミング3を新たな停止タイミング2とする。即ち、パルス出力が停止タイミング2で停止したのと同じ出力Hならば、特殊停止タイミング3は、今回の停止タイミング3と停止タイミング1との間に存在することになるからである。
そして、ステップS24での判断を経て、ステップ18の処理に戻り、新たな第1のタイミングにされた若しくは元の第1のタイミングと新たな第2のタイミングにされた若しくは元の第2のタイミングとの間の新たな第3のタイミングで、ステップS20で新たな停止タイミング3で停止し、ステップS22で回転センサーの出力を検出して停止タイミング1、停止タイミング2を再度調整することで、特殊停止タイミング3を求める。
これを繰り返すことで決定した停止タイミング3は特殊停止タイミング3に近づいて行く。このとき、分解能が許す限り停止タイミング3に近づける様にすると、「停止と測定工程」の実行回数が多くなってしまい時間がかかる。このため、ステップS24では、前回の停止タイミング3と今回の停止タイミング3との差が十分小さくなったら、停止タイミング3確定として(S24:Yes)、処理を終了する。
パルスエッジ間隔測定に関する詳細が図14に示される。
モータ速度の測定はパルスエッジ間隔を測定することで行うことが出来る。パルスエッジ間隔の平均を用いて速度を測定する場合は、定常回転中の速度を正確に測定するためにモータ立ち上がり期間Aが終わってからモータ停止開始までの期間Bの間で発生したパルスエッジ間隔の平均から速度を計算する。また、モータ停止直前のパルスエッジ間隔を用いて速度を測定する場合は、期間Cのパルスエッジ間隔から速度を計算する。
モータ速度の測定はパルスエッジ間隔を測定することで行うことが出来る。パルスエッジ間隔の平均を用いて速度を測定する場合は、定常回転中の速度を正確に測定するためにモータ立ち上がり期間Aが終わってからモータ停止開始までの期間Bの間で発生したパルスエッジ間隔の平均から速度を計算する。また、モータ停止直前のパルスエッジ間隔を用いて速度を測定する場合は、期間Cのパルスエッジ間隔から速度を計算する。
図17を用いて強制ブレーキモードの場合の説明を行う。図17(A)は、強制ブレーキ間隔を0としてパルスエッジタイミングで電子制御装置1の出力をオフしてモータを止める場合を示している。
図17(B)は、電子制御装置1からモータ逆転出力をモータに印加してモータを止める場合を示している。逆転出力は、逆転させなかった場合に出るパルスエッジを予測し、そのタイミングから前後Tr0の間隔だけ印加する。図17(B)の場合は、逆転間隔(2×Tr0)が大きいため、パルスエッジを発生させずに停止していることを示している。図17(B)におけるモータ停止タイミングはモータの逆転を開始するタイミングである。
図17(A)、図17(B)の状態では、モータが完全停止したタイミングを示す信号が無いため、電子制御装置1の出力をどのくらいの間隔で逆転出力すれば逆転終了と同時にモータが完全停止するか計測することが出来ない。
図17(A)、図17(B)の状態では、モータが完全停止したタイミングを示す信号が無いため、電子制御装置1の出力をどのくらいの間隔で逆転出力すれば逆転終了と同時にモータが完全停止するか計測することが出来ない。
図18は、逆転間隔(2×Tr0)を小さくしていき、(2×Tr1)の間隔で逆転させている場合を示している。これにより、出力停止タイミング1と停止タイミング2との間に存在する停止タイミング3でモータに対して逆転出力を印加すればモータ完全停止タイミングとパルス信号の出力エッジを一致させることができることが分かる。
このようにモータ完全停止タイミングとパルス信号の出力エッジが重なる場合は、電子制御装置1の逆転出力開始~パルスエッジまでの時間を計ることでT2を計測できる。
モータ完全停止タイミングとパルス信号の出力エッジが重なる時の停止タイミング3を特殊停止タイミング3とする。図18におけるモータ停止タイミングはモータの逆転を開始するタイミングである。
図17(B)、図18では、モータ停止タイミングの変化に合わせて逆転時間を変化させることとなる。
このようにモータ完全停止タイミングとパルス信号の出力エッジが重なる場合は、電子制御装置1の逆転出力開始~パルスエッジまでの時間を計ることでT2を計測できる。
モータ完全停止タイミングとパルス信号の出力エッジが重なる時の停止タイミング3を特殊停止タイミング3とする。図18におけるモータ停止タイミングはモータの逆転を開始するタイミングである。
図17(B)、図18では、モータ停止タイミングの変化に合わせて逆転時間を変化させることとなる。
学習方法の改変例が図11に示される。
図9のステップS12~ステップS16と同様にして、ステップS32~ステップS36でパルス出力が異なる停止タイミング1と停止タイミング2とが見つけられる。
図9のステップS12~ステップS16と同様にして、ステップS32~ステップS36でパルス出力が異なる停止タイミング1と停止タイミング2とが見つけられる。
ステップS38で、停止タイミング1と停止タイミング2との間から停止タイミング3が決定される。ここでは、停止タイミング1から所定量1だけ停止タイミング2側に移動したタイミングが停止タイミング3とされる。
停止タイミング3=停止タイミング1+所定量1
この代わりに、停止タイミング2から所定量1だけ停止タイミング1側に移動したタイミングを停止タイミング3とすることもできる。
停止タイミング3=停止タイミング2-所定量1
停止タイミング3=停止タイミング1+所定量1
この代わりに、停止タイミング2から所定量1だけ停止タイミング1側に移動したタイミングを停止タイミング3とすることもできる。
停止タイミング3=停止タイミング2-所定量1
ステップS40で、停止タイミング3でモータが停止させられる。
そして、ステップS42で、(1)停止タイミング3でパルス出力がLの場合、停止タイミング3を新たな停止タイミング1とする。即ち、パルス出力が停止タイミング1で停止したのと同じ出力Lならば、特殊停止タイミング3は、今回の停止タイミング3と停止タイミング2との間に存在することになるからである。
そして、ステップS42で、(1)停止タイミング3でパルス出力がLの場合、停止タイミング3を新たな停止タイミング1とする。即ち、パルス出力が停止タイミング1で停止したのと同じ出力Lならば、特殊停止タイミング3は、今回の停止タイミング3と停止タイミング2との間に存在することになるからである。
他方、(2)停止タイミング3でパルス出力がHの場合、停止タイミング3を新たな停止タイミング2とする。即ち、パルス出力が停止タイミング2で停止したのと同じ出力Hならば、特殊停止タイミング3は、今回の停止タイミング3と停止タイミング1との間に存在することになるからである。
そして、ステップS44での判断を経て、ステップ38の処理に戻り、新たな第1のタイミングにされた若しくは元の第1のタイミングと新たな第2のタイミングにされた若しくは元の第2のタイミングとの間の新たな第3のタイミングで、ステップS40で新たな停止タイミング3で停止し、ステップS42で回転センサーの出力を検出して停止タイミング1、停止タイミング2を再度調整することで、特殊停止タイミング3を求める。
そして、停止タイミング3が確定したら(S44:Yes)、処理を終了する。
図12にCPU801の通常モードの制御フローが示される。
CPUに電源が入ると図12に示すフローが開始される。まず、ステップS901で初期化処理が実行される。この初期化処理ではCPUポートや内部タイマーの初期設定を行うと共に、メモリの初期値設定が実行される。この初期化処理はCPUに電源が入った後で1度だけ実行される。
次にステップS902において通信データ制御部の制御を行う。この制御では通信データ制御部802が受信しているデータの取り出しと、送信したいデータを通信データ制御部802に対して書き込む処理を行う。
CPUに電源が入ると図12に示すフローが開始される。まず、ステップS901で初期化処理が実行される。この初期化処理ではCPUポートや内部タイマーの初期設定を行うと共に、メモリの初期値設定が実行される。この初期化処理はCPUに電源が入った後で1度だけ実行される。
次にステップS902において通信データ制御部の制御を行う。この制御では通信データ制御部802が受信しているデータの取り出しと、送信したいデータを通信データ制御部802に対して書き込む処理を行う。
次にステップS903においてSW入力制御部803の制御を行う。この制御ではチャタリング吸収処理を行いSWの状態を確定し、確定したSWの状態に応じてモータに対する駆要求のセット・リセットを行う。
次にステップS904において信号入力の読み取りの制御を行う。この制御ではモータに流れる電流、モータに印加している電圧、モータパルス信号、モータ温度を読み取り、メモリに記憶する。
次にステップS904において信号入力の読み取りの制御を行う。この制御ではモータに流れる電流、モータに印加している電圧、モータパルス信号、モータ温度を読み取り、メモリに記憶する。
次にステップS905において移動目標演算部制御を行い、モータが予め登録された複数の位置の何れかに移動する場合や、現在位置から指定量移動する場合の目標移動位置を計算する。現在位置、移動位置はホールセンサの出力を数えたパルスカウンタによって記憶され、目標位置と現在位置の差異に応じてモータに対する駆要求のセット・リセットを行う。
次にステップS906においてモータ駆動開始制御を行う。この制御では前述の駆要求のセット・リセット状態に応じて、モータ駆動回路804に対しモータON/OFF信号の指定を行うことでモータ駆動を実行する。
次にステップS907においてモータ駆動停止制御を行う。この制御ではモータ駆動回路804に対してモータON/OFF信号の指定を行うことでモータ駆動を終了させる。
最後にステップS908において1ルーチン時間の経過を待ち、所定時間が経過した場合はステップS902~S907を再び実行する。
次にステップS907においてモータ駆動停止制御を行う。この制御ではモータ駆動回路804に対してモータON/OFF信号の指定を行うことでモータ駆動を終了させる。
最後にステップS908において1ルーチン時間の経過を待ち、所定時間が経過した場合はステップS902~S907を再び実行する。
モータ停止の形態の詳細について説明が行われる。
図13にモータ駆動停止制御フローが示される。ステップS1001においてモータ駆動中の速度を算出する。速度計算はモータ駆動中のパルスエッジ間隔の平均、もしくはモータ停止を行う直前のパルスエッジ間隔の時間を測定して求める。
図13にモータ駆動停止制御フローが示される。ステップS1001においてモータ駆動中の速度を算出する。速度計算はモータ駆動中のパルスエッジ間隔の平均、もしくはモータ停止を行う直前のパルスエッジ間隔の時間を測定して求める。
このパルスエッジ間隔測定に関する詳細が図14(A)に示される。
パルスエッジ間隔の平均は、定常回転中の速度を正確に測定するためにータ立ち上がり期間Aが終わってからモータ停止開始までの期間Bの間で発生したパルスエッジ間隔の平均を計算する。最終パルスエッジ間隔は、期間Cをそのまま採用すればよい。
これにより、
「期間Bにおけるパルスエッジ間隔の平均時間(T0avr)」から計算した角速度
=π/T0avr=ωavr
と
「最終パルスエッジ間隔(期間C)の時間(T0sgl)から計算した角速度
=π/T0sgl=ωsgl
を計算することが出来るので、メモリに記憶しておく。
パルスエッジ間隔の平均は、定常回転中の速度を正確に測定するためにータ立ち上がり期間Aが終わってからモータ停止開始までの期間Bの間で発生したパルスエッジ間隔の平均を計算する。最終パルスエッジ間隔は、期間Cをそのまま採用すればよい。
これにより、
「期間Bにおけるパルスエッジ間隔の平均時間(T0avr)」から計算した角速度
=π/T0avr=ωavr
と
「最終パルスエッジ間隔(期間C)の時間(T0sgl)から計算した角速度
=π/T0sgl=ωsgl
を計算することが出来るので、メモリに記憶しておく。
次にステップS1002においてモータ出力信号をOFFしてからモータの停止までに必要な時間を検出する。この時間は、図15、図16記載のT2に相当する。
図15(モータ停止起点1)は、モータを停止する必要があると判断したタイミングで、モータの現在回転角が分からない場合である。この場合、パルスエッジを検出したタイミングをモータ回転停止起点とする。図16(モータ停止起点2)は、モータを停止する必要があると判断したタイミングで、モータの現在回転角θが分かる場合である。モータの現在回転角θが分かる場合はその時点をモータ回転停止起点とする。
学習モードで学習した時間T2は、モータ回転速度や温度・モータ負荷などの環境状態を考慮して補正を行う。
図15(モータ停止起点1)は、モータを停止する必要があると判断したタイミングで、モータの現在回転角が分からない場合である。この場合、パルスエッジを検出したタイミングをモータ回転停止起点とする。図16(モータ停止起点2)は、モータを停止する必要があると判断したタイミングで、モータの現在回転角θが分かる場合である。モータの現在回転角θが分かる場合はその時点をモータ回転停止起点とする。
学習モードで学習した時間T2は、モータ回転速度や温度・モータ負荷などの環境状態を考慮して補正を行う。
次にステップS1003において、モータ出力信号をOFFするタイミングを計るタイマーの起点(停止起点)を決定する。
この停止起点とは、図15、図16におけるT1の測定を開始するタイミングのことである。図15ではパルスエッジを停止起点そしてT1経過後にモータ出力信号をOFFすると、T2経過後にモータが止まることを示している。即ち、推定される停止位置と目標回転停止位置との差をゼロにするように、回転センサーの出力パルスと同期した所定のタイミングで該減速制御を開始する。モータが停止した時に丁度パルスエッジ間の中央で停止するようにT1を調整すればよい。つまり、
T1+T2の時間における回転角=π+(1/2)×π
となればよい。
もしもT1+T2の間隔が大きくて、T1+T2間で(n個)のパルスエッジを跨ぐ場合は、
T1+T2の時間における回転角=n×π+(1/2)×π
となればよい。
図15では1つのパルスエッジを跨ぐため、n=1となる。
この停止起点とは、図15、図16におけるT1の測定を開始するタイミングのことである。図15ではパルスエッジを停止起点そしてT1経過後にモータ出力信号をOFFすると、T2経過後にモータが止まることを示している。即ち、推定される停止位置と目標回転停止位置との差をゼロにするように、回転センサーの出力パルスと同期した所定のタイミングで該減速制御を開始する。モータが停止した時に丁度パルスエッジ間の中央で停止するようにT1を調整すればよい。つまり、
T1+T2の時間における回転角=π+(1/2)×π
となればよい。
もしもT1+T2の間隔が大きくて、T1+T2間で(n個)のパルスエッジを跨ぐ場合は、
T1+T2の時間における回転角=n×π+(1/2)×π
となればよい。
図15では1つのパルスエッジを跨ぐため、n=1となる。
図16は、SW807・SW808がOFF、目標移動位置到達などで、モータ停止の必要があると判断したタイミングを停止起点とした場合である。
停止起点からT1経過後にモータ出力信号をOFFすると、T2経過後にモータが止まることを示している。
モータが停止した時に丁度パルスエッジ間の中央で停止するようにT1を調整すればよい。モータ停止の必要があると判断したタイミングでのモータ回転角をθとすると、
T1+T2の時間における回転角=n×π-θ+(1/2)×π
となればよい。図16では2つのパルスエッジを跨ぐため、n=2となる。
この場合、モータ駆動中は常にモータ回転速度を計測することでθを認識しておく必要がある。
θはパルスエッジ間隔から角速度を算出し、これにパルスエッジからの経過時間を乗じて求めることが出来る。
停止起点からT1経過後にモータ出力信号をOFFすると、T2経過後にモータが止まることを示している。
モータが停止した時に丁度パルスエッジ間の中央で停止するようにT1を調整すればよい。モータ停止の必要があると判断したタイミングでのモータ回転角をθとすると、
T1+T2の時間における回転角=n×π-θ+(1/2)×π
となればよい。図16では2つのパルスエッジを跨ぐため、n=2となる。
この場合、モータ駆動中は常にモータ回転速度を計測することでθを認識しておく必要がある。
θはパルスエッジ間隔から角速度を算出し、これにパルスエッジからの経過時間を乗じて求めることが出来る。
次にステップS1002においてモータ出力信号をOFFしてからモータの停止までに必要な時間を検出する。この時間は、図15、図16記載のT2に相当する。また、T2は図7(C)または図18記載のものでもあり、図9または図11により導かれたものを用いる。
図15(モータ停止起点1)は、モータを停止する必要があると判断したタイミングで、モータの現在回転角が分からない場合である。この場合、パルスエッジを検出したタイミングをモータ回転停止起点とする。図16(モータ停止起点2)は、モータを停止する必要があると判断したタイミングで、モータの現在回転角θが分かる場合である。モータの現在回転角θが分かる場合はその時点をモータ回転停止起点とする。
図15(モータ停止起点1)は、モータを停止する必要があると判断したタイミングで、モータの現在回転角が分からない場合である。この場合、パルスエッジを検出したタイミングをモータ回転停止起点とする。図16(モータ停止起点2)は、モータを停止する必要があると判断したタイミングで、モータの現在回転角θが分かる場合である。モータの現在回転角θが分かる場合はその時点をモータ回転停止起点とする。
図15は、θ=0がパルスエッジの測定で確認できる特殊な事例と言え、θを認識できるタイミングであれば図15、図16のタイミングに限定せずに任意のタイミングを停止起点とすることができる。
T1の期間で回転する回転角は、
T1の時間の回転角=ω×T1=π×T1/T0
となる。ωは上述したωavr、またはωsglが用いられる。
T2の期間で進む回転角を求める場合、まず減速角加速度αを求める。T2の期間で角速度が0になるため、
ω-α×T2=0
が成立する。このため、
α=ω/T2=π/(T0×T2)
となる。
ここでは、直流モータの減速度から回転停止位置を推定して、目標回転天使位置でモータを停止させるように減速制御を行う。
よってT2の回転角は
ω×T2-(1/2)α×T2×T2
=(π/T0)×T2-(1/2)×(π/(T0×T2))×T2×T2
=(1/2)×π×(T2/T0)
となる。これからT1+T2で進む角度は
π×T1/T0+(1/2)×π×(T2/T0)
となる。この回転角がn×π-θ+(1/2)×πとなればよいので、
π×T1/T0+(1/2)×π×(T2/T0)=n×π-θ+(1/2)×π
が成立する。
これより
T1=((n×π-θ+(1/2)×π)×T0-(1/2)×π×T2)/π
T1=(1/2)×(T0-T2)・・・n=0、θ=0の場合
でT1が求められる。
T1の期間で回転する回転角は、
T1の時間の回転角=ω×T1=π×T1/T0
となる。ωは上述したωavr、またはωsglが用いられる。
T2の期間で進む回転角を求める場合、まず減速角加速度αを求める。T2の期間で角速度が0になるため、
ω-α×T2=0
が成立する。このため、
α=ω/T2=π/(T0×T2)
となる。
ここでは、直流モータの減速度から回転停止位置を推定して、目標回転天使位置でモータを停止させるように減速制御を行う。
よってT2の回転角は
ω×T2-(1/2)α×T2×T2
=(π/T0)×T2-(1/2)×(π/(T0×T2))×T2×T2
=(1/2)×π×(T2/T0)
となる。これからT1+T2で進む角度は
π×T1/T0+(1/2)×π×(T2/T0)
となる。この回転角がn×π-θ+(1/2)×πとなればよいので、
π×T1/T0+(1/2)×π×(T2/T0)=n×π-θ+(1/2)×π
が成立する。
これより
T1=((n×π-θ+(1/2)×π)×T0-(1/2)×π×T2)/π
T1=(1/2)×(T0-T2)・・・n=0、θ=0の場合
でT1が求められる。
図15に示される形態の場合はθ=0を代入してT1を求めればよい。
次にステップS1004においてT1の時間経過を検出し、モータ出力信号をOFFしてモータを停止させる。
これまで説明してきた様な形態を実施することで、モータをパルスエッジ間の中央で停止させることができる。
次にステップS1004においてT1の時間経過を検出し、モータ出力信号をOFFしてモータを停止させる。
これまで説明してきた様な形態を実施することで、モータをパルスエッジ間の中央で停止させることができる。
上述した実施形態では、本発明の位置決め装置として電動パワーシートを例示したが、位置決め装置としては車両用の電動チルト、テレスコピックステアリング装置、バックミラー、サイドミラー等に適用できる。
Claims (13)
- 移動体と連結して、直流モータと減速機構及び減速機構の回転変位量を検出する単相式の回転センサーとによって構成されたアクチュエータと、前記直流モータを電気的に駆動する電子制御装置とから成る位置決め装置において、前記電子制御装置は前記回転センサーの出力パルスの立ち上がりエッジと立下りエッジとの略中間位置を目標回転停止位置として、前記直流モータを停止させるように減速制御する停止制御手段と、
前記目標回転停止位置を学習する学習制御手段を備えることを特徴とする。 - 請求項1の位置決め装置であって、前記停止制御手段は、前記直流モータへの通電を遮断した惰性回転モードによって直流モータを減速して停止させるように減速制御することを特徴とする。
- 請求項1の位置決め装置であって、前記停止制御手段は、前記直流モータの給電用端子間を電気的に短絡したブレーキモードによって、直流モータを減速して停止させるように減速制御することを特徴とする。
- 請求項1の位置決め装置であって、前記停止制御手段は、前記直流モータが作動中に回転する方向に対して逆方向の回転力を与える電力を直流モータの給電用端子に印加した強制ブレーキモードによって、直流モータを減速して停止させるように減速制御することを特徴とする。
- 請求項1~請求項4のいずれか1の位置決め装置であって、
前記学習制御手段は、
前記回転センサーの出力の一方を発生する第1のタイミングを検出し、
前記回転センサーの出力の他方を発生する前記第1のタイミングよりも長い第2のタイミングを検出し、
前記第1のタイミングと前記第2のタイミングとの間の第3のタイミングで、前記回転センサーの出力の一方が検出された場合、前記第3のタイミングを新たな第1のタイミングとし、
前記回転センサーの出力の他方が検出された場合、前記第3のタイミングを新たな第2のタイミングとし、
前記新たな第1のタイミングにされた若しくは元の前記第1のタイミングと前記新たな第2のタイミングにされた若しくは元の前記第2のタイミングとの間の新たな第3のタイミングで、前記回転センサーの出力を検出することで、前記目標回転停止位置を学習する。 - 請求項5の位置決め装置であって、
前記新たな第1にタイミングにされた若しくは元の前記第1のタイミングと前記新たな第2のタイミングにされた若しくは元の前記第2のタイミングとの間の新たな第3のタイミングで、回転センサーの出力を検出することを繰り返し、前記出力パルスの立ち上がりエッジと立下りエッジとの略中間位置を検出して学習する。 - 請求項5の位置決め装置において強制ブレーキモードによる減速制御であって、
前記新たな第1にタイミングにされた若しくは元の前記第1のタイミングと前記新たな第2のタイミングにされた若しくは元の前記第2のタイミングとの間の新たな第3のタイミングにより決定する強制ブレーキモード期間を学習する。 - 請求項1~請求項4のいずれか1の位置決め装置であって、
前記学習制御手段は、
前記回転センサーの出力の一方を発生する第1のタイミングを検出し、
前記回転センサーの出力の他方を発生する前記第1のタイミングよりも長い第2のタイミングを検出し、
前記第1のタイミングから所定量を加えた、若しくは、前記第2のタイミングから所定量を減算した第3のタイミングで、前記回転センサーの出力の一方が検出された場合、前記第3のタイミングを新たな第1のタイミングとし、
前記回転センサーの出力の他方が検出された場合、前記第3のタイミングを新たな第2のタイミングとし、
前記所定量を加算又は減算した新たな第3のタイミングで、前記回転センサーの出力を検出することで、前記目標回転停止位置を学習する。 - 請求項8の位置決め装置であって、
前記所定量を加算又は減算した新たな第3のタイミングで、前記回転センサーの出力を検出することを繰り返し、前記出力パルスの立ち上がりエッジと立下りエッジとの略中間位置を検出して学習する。 - 請求項8の位置決め装置において強制ブレーキモードによる減速制御であって、
前記所定量を加算又は減算した新たな第3のタイミングにより決定する強制ブレーキモード期間を学習する。 - 請求項1~請求項10のいずれか1の位置決め装置であって、前記移動体は、車両用の電動パワーシートであることを特徴とする。
- 請求項1~請求項10のいずれか1の位置決め装置であって、前記移動体は、車両用の電動チルト/テレスコピックステアリング装置であることを特徴とする。
- 請求項1~請求項11のいずれか1の位置決め装置の制御方法。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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