JP2023009764A - オクタフルオロシクロブタンの製造方法 - Google Patents

オクタフルオロシクロブタンの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】腐食性及び毒性の高い塩素を使用せずに、高純度のオクタフルオロシクロブタンを得る方法を提供する。【解決手段】オクタフルオロシクロブタン及びオクタフルオロブタンを含む組成物を製造する方法であって、(1A)水素化触媒の存在下に、前記原料組成物と水素を含む気体とを反応させる工程を備え、前記水素化触媒が遷移金属元素を含む触媒金属を含み、且つ、前記水素化触媒の総量を100質量%として、前記遷移金属元素を含む触媒金属の含有量が2.0~5.0質量%である、製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、オクタフルオロシクロブタンの製造方法に関する。
テトラフルオロエチレンからヘキサフルオロプロピレンを製造する工程から副生されるオクタフルオロシクロブタンは、通常、オクタフルオロブテンとの混合物として得られる。
オレフィン系不純物と、飽和ハロカーボンとから実質的になる不純混合物(オレフィン系不純物の量は1重量%未満である)から飽和ハロカーボンを得る方法としては、例えば、混合物中のオレフィン系不純物を水素化してオレフィン混合物をその水素化物に転化させ、次いで、分留に供することが知られている(例えば、特許文献1参照)。また、オクタフルオロシクロブタン中に含まれるオレフィン系フルオロカーボン不純物を1ppmv以下に低下させる方法として、パラジウム含量が0.2~1.5wt%である触媒の存在下に、オクタフルオロシクロブタンを水素ガスと反応させ、反応生成物を収集し、水素ガス分離及び精留を行うことも知られている(例えば、特許文献2参照)。
特表平4-503064号公報 中国特許出願公開第111135842号明細書
本開示は、高純度のオクタフルオロシクロブタンを得る方法を提供することを目的とする。
本開示は、以下の構成を包含する。
項1.オクタフルオロシクロブタン及びオクタフルオロブタンを含む組成物を製造する方法であって、
(1A)水素化触媒の存在下に、オクタフルオロシクロブタン及びオクタフルオロブテンを含む原料組成物と水素を含む気体とを接触させて、オクタフルオロブテンを水素化反応してオクタフルオロブタンを生成させる工程
を備え、
前記水素化触媒が遷移金属元素を含む触媒金属を含み、且つ、
前記水素化触媒の総量を100質量%として、前記触媒金属の含有量が2.0~5.0質量%である、製造方法。
項2.前記原料組成物の総量を100体積%として、前記オクタフルオロシクロブタンの含有量が50~90体積%であり、前記オクタフルオロブテンの含有量が10~50体積%である、項1に記載の製造方法。
項3.純度が99.9モル%以上であるオクタフルオロシクロブタンを製造する方法であって、
(1B)水素化触媒の存在下に、オクタフルオロシクロブタン及びオクタフルオロブテンを含み、総量を100体積%として前記オクタフルオロシクロブタンの含有量が50~90体積%であり、前記オクタフルオロブテンの含有量が10~50体積%である原料組成物と、水素を含む気体とを接触させて、前記オクタフルオロブテンを水素化反応してオクタフルオロブタンを生成させる工程、
(2)前記工程(1B)で得られたオクタフルオロシクロブタン及びオクタフルオロブタンを含む組成物を蒸留する工程
を備え、
前記水素化触媒が遷移金属元素を含む触媒金属を含み、
且つ、前記水素化触媒の総量を100質量%として、前記触媒金属の含有量が2.0~5.0質量%である、製造方法。
項4.前記水素化触媒が、周期表第8族~第11族に属する遷移金属元素を含む、項1~3のいずれか1項に記載の製造方法。
項5.前記工程(1A)又は(1B)を施す温度が70~130℃である、項1~4のいずれか1項に記載の製造方法。
本開示によれば、高純度のオクタフルオロシクロブタンを得ることができる。
本明細書において、「含有」は、「含む(comprise)」、「実質的にのみからなる(consist essentially of)」、及び「のみからなる(consist of)」のいずれも包含する概念である。また、本明細書において、数値範囲を「A~B」で示す場合、A以上B以下を意味する。
本開示において、「収率」とは、反応器に供給される原料化合物のモル量に対する、反応器出口からの流出ガスに含まれる目的化合物の合計モル量の割合(モル%)を意味する。
テトラフルオロエチレンからヘキサフルオロプロピレンを製造する工程から副生されるオクタフルオロシクロブタンは、通常、オクタフルオロブテンとの混合物として得られる。なお、本明細書において、オクタフルオロブテンと称した場合は、特段の言及をしない限り、オクタフルオロ-1-ブテン及び/又はオクタフルオロ-2-ブテンを包含するものとする。
オクタフルオロシクロブタンは、エッチングガス、重合溶媒等として使用することができ有用であるため、オクタフルオロシクロブタンを高純度化することが求められている。
しかしながら、オクタフルオロシクロブタンの沸点は-6℃であり、オクタフルオロブテンの沸点はオクタフルオロ-1-ブテンについては4.85℃、オクタフルオロ-2-ブテンについては1.2℃であり、いずれにしても、オクタフルオロシクロブタンと沸点が近いため、常法によりオクタフルオロシクロブタンを単離することは困難である。また、テトラフルオロエチレンからヘキサフルオロプロピレンを製造する工程から副生されるオクタフルオロシクロブタン及びオクタフルオロブテンの混合物には、オクタフルオロブテンが相当量含まれているため、極めて高純度なオクタフルオロシクロブタンを得ることは困難である。
本開示では、水素化触媒の存在下に、オクタフルオロシクロブタン及びオクタフルオロブテンを含む原料組成物と水素を含む気体とを反応させ、原料組成物中のオクタフルオロブテンを水素化してオクタフルオロブタンを形成し(工程(1A)又は(1B))、次いで、工程(1)で得られたオクタフルオロシクロブタン及びオクタフルオロブタンを含む組成物を蒸留する(工程(2))ことにより、腐食性及び毒性の高い塩素を使用せずに、極めて高純度なオクタフルオロシクロブタンを得ることができた。なお、本明細書において、オクタフルオロブタンと称した場合は、特段の言及をしない限り、1,1,1,2,2,3,4,4-オクタフルオロブタン及び/又は1,1,1,2,3,4,4,4-オクタフルオロブタンを包含するものとする。
1.原料組成物
原料組成物は、オクタフルオロシクロブタン及びオクタフルオロブテンを含有する。
このような原料組成物は、従来からヘキサフルオロプロピレンの製造方法として知られている方法で製造することができる。このようなヘキサフルオロプロピレンの製造方法は、例えば、特開2004-075621号公報等に記載されているため、当該方法をそのまま採用することができる。
例えば、テトラフルオロエチレンに対して、テトラフルオロエチレン/水蒸気のモル比が0.1~10になる比率で水蒸気を供給してテトラフルオロエチレンに対して二量化反応を施すことでヘキサフルオロプロピレンを製造する工程により、原料組成物を得ることができる。具体的には、流動床反応器にテトラフルオロエチレンを供給する一方、流体ポンプにより流動床反応器に水蒸気を供給することができる。
適切なモル比により、テトラフルオロエチレンと水蒸気とを流動床反応器の内部に供給して、テトラフルオロエチレンの二量化反応を実施することで、オクタフルオロシクロブタンとヘキサフルオロプロピレンとが、同時に生成する。
この際、流動床反応器の内部に供給されるテトラフルオロエチレンと水蒸気との比率は、テトラフルオロエチレン/水蒸気のモル比が0.1~10になるようにすることが好ましい。
また、この際のテトラフルオロエチレンの二量化反応の反応温度は、600~780℃に維持することが好ましい。テトラフルオロエチレンの二量化反応は激しい発熱反応であるが、水蒸気が供給された流動床反応系を使用する場合には、反応器の内部の温度分布を比較的均一に制御することができる。
ただし、このような製造方法によれば、高純度のオクタフルオロシクロブタンを得ることはできず、通常、オクタフルオロシクロブタン、オクタフルオロブテン及びヘキサフルオロプロピレンを含む混合物として得られる。オクタフルオロシクロブタンとオクタフルオロブテンとは、上記のとおり、沸点が近接しているため、通常の蒸留法で分離することは困難である一方、ヘキサフルオロプロピレン(沸点-29.6℃)は、オクタフルオロシクロブタン及びオクタフルオロブテンからは、沸点の違いのために通常の蒸留法で容易に分離することができる。目的物であるオクタフルオロシクロブタンの純度の観点から、本開示では、上記の混合物から通常の蒸留法でヘキサフルオロプロピレンを分離しておくことが好ましい。このため、本開示では、オクタフルオロシクロブタンとオクタフルオロブテンを含む原料組成物を用いて、高純度のオクタフルオロシクロブタンを得ることを目的としている。
オクタフルオロシクロブタンとオクタフルオロブテンとの組成比については特に制限はないが、上述したような従来の製造方法によって原料組成物を製造した場合、各成分の含有量は、通常、原料組成物全体を100体積%として、オクタフルオロシクロブタンを50~90体積%、オクタフルオロブテンを10~50体積%含む。原料組成物としては、原料組成物全体を100体積%として、オクタフルオロシクロブタンを60~80体積%、オクタフルオロブテンを20~40体積%含むことが好ましい。本開示によれば、このように、原料組成物中にオクタフルオロブテン(オクタフルオロ-1-ブテン及び/又はオクタフルオロ-2-ブテン)を大量に含んでいた場合にも、高純度なオクタフルオロシクロブタンを得ることが可能である。
また、上述したような従来の製造方法によって原料組成物を製造した場合、原料組成物中には、通常、オクタフルオロ-1-ブテン及びオクタフルオロ-2-ブテンの総量を100体積%として、オクタフルオロ-1-ブテンを30~70体積%、オクタフルオロ-2-ブテンを30~70体積%含むことが可能であり、オクタフルオロ-1-ブテンを40~60体積%、オクタフルオロ-2-ブテンを40~60体積%含むことが好ましい。
なお、上記のとおり、ヘキサフルオロプロピレンは、オクタフルオロシクロブタン及びオクタフルオロブテンから分離することが可能であるが、原料組成物中にヘキサフルオロプロピレンが含まれることを完全に排除するものではない。原料組成物中にヘキサフルオロプロピレンを含んでいる場合、その含有量は、通常、原料組成物全体を100体積%として、0~10体積%が好ましく、0.01~5体積%がより好ましい。
2.水素付加反応
本開示におけるオクタフルオロシクロブタンの製造方法における工程(1A)及び(1B)では、原料組成物中に含まれるオクタフルオロブテンの水素化反応により、オクタフルオロブタンが得られる。
例えば、オクタフルオロブテンとしてオクタフルオロ-1-ブテンが含まれている場合には、水素付加反応により、1,1,1,2,2,3,4,4-オクタフルオロブタンが得られ、オクタフルオロブテンとしてオクタフルオロ-2-ブテンが含まれている場合には、水素付加反応により、1,1,1,2,3,4,4,4-オクタフルオロブタンが得られる。いずれも、元のオクタフルオロブテンと比較すると沸点が高いため、通常の蒸留によりオクタフルオロシクロブタンを高純度化することが可能である。
3.水素化触媒
本開示における工程(1A)及び(1B)において、原料組成物と水素を含む気体とを反応させて、オクタフルオロブテンからオクタフルオロブタンを得る際には、水素化触媒の存在下に反応を行う。
水素化触媒は、反応の転化率や、目的とするオクタフルオロブタンの選択率及び収率等の観点から、金属種として遷移金属元素を含んでおり、周期表第8族~第11族に属する遷移金属元素を含むことが好ましく、遷移金属元素は周期表第9族~第10族に属することがより好ましい。このような金属種としては、具体的には、白金、パラジウム、ロジウム、ニッケル等が挙げられる。本開示における水素化触媒は、上記した金属を単体として含むこともできるし、多孔質の金属触媒であってもよいし、他の元素との化合物として含むこともできる。例えば、触媒作用のある白金、パラジウム、ロジウム、ニッケル等の金属種と触媒作用のないアルミニウム、ケイ素、マグネシウム、亜鉛等との合金や、これら合金から酸やアルカリ溶液等で後者の触媒作用のない金属種を溶出した触媒(ラネー触媒)や、Pt(PtO)、アダムス触媒(PtO-HO)、コロイド状パラジウム、コロイド状白金、白金黒等を採用することもできる。これらは、単独で用いてもよいし、2種以上を組合せて用いてもよい。
また、本開示では、上記した金属種をそのまま触媒として使用することもできるし、上記した金属種を担体上に担持させて使用することもできる。この際使用できる担体としては、特に制限はなく、炭素、アルミナ(Al)、ジルコニア(ZrO)、シリカ(SiO)、チタニア(TiO)等が挙げられる。なかでも、反応の転化率や、目的とするオクタフルオロブタンの選択率及び収率等の観点から、炭素、アルミナ(Al)等が好ましく、炭素がより好ましい。炭素としては、活性炭、不定形炭素、グラファイト、ダイヤモンド等を用いることができる。
本開示では、上記した遷移金属元素を含む触媒金属の含有量は、反応の転化率や、目的とするオクタフルオロブタンの選択率及び収率等の観点から、水素化触媒の総量を100質量%として、2.0~5.0質量%、好ましくは2.2~4.5質量%、より好ましくは2.5~4.0質量%である。本開示においては、原料組成物中に含まれるオクタフルオロブテンを確実に反応させるためには、比表面積を向上させるために担体に担持させつつ、遷移金属元素を含む触媒金属の含有量を高く設定することが好ましい。
本開示の工程(1A)及び(1B)において、原料組成物と水素を含む気体とを反応させて、オクタフルオロブテンからオクタフルオロブタンを得る際に当たっては、例えば、水素化触媒を固体の状態(固相)で、原料組成物(特に、原料組成物中のオクタフルオロブテン)と接触させることが好ましい。この場合、触媒の形状は粉末状とすることもできるが、ペレット状のほうが気相連続流通式の反応に採用する場合には好ましい。
水素化触媒のBET法により測定した比表面積(以下、「BET比表面積」と言うこともある。)は、反応の転化率、反応の転化率や、目的とするオクタフルオロブタンの選択率及び収率等の観点から、通常10~3000m/gが好ましく、20~2500m/gがより好ましく、30~2000m/gがさらに好ましく、40~1500m/gが特に好ましい。
4.水素を含む気体
水素を含む気体としては、水素ガスの他、水素ガスと他のガスとの混合ガス(例えば水素と窒素、アルゴン等の不活性ガスを任意の割合で混合させた混合ガスや、酸素と水素との混合ガスである酸水素等)も包含する。ただし、本開示の製造方法は水素付加反応を採用していることから、水素を含む気体としてハロゲン化水素(フッ化水素等)等は含まない又はごく微量(水素を含む気体総量に対して例えば5体積%以下)であることが好ましい。なお、反応の転化率や、目的とするオクタフルオロブタンの選択率及び収率等の観点からは、水素ガスを用いることが好ましい。これらの水素を含む気体は、単独で使用することもでき、2種以上を組合せて用いることもできる。
水素を含む気体は、通常、原料組成物(特に、原料組成物中のオクタフルオロブテン)とともに、気相状態で反応器に供給することが好ましい。水素を含む気体の供給量は、反応の転化率や、目的とするオクタフルオロブタンの選択率及び収率等の観点から、原料組成物中のオクタフルオロブテン1モルに対して、0.7~10.0モルが好ましく、0.8~5.0モルがより好ましく、0.9~3.0モルがさらに好ましい。なお、オクタフルオロブテンがオクタフルオロ-1-ブテンとオクタフルオロ-2-ブテンの双方を含んでいる場合は、オクタフルオロ-1-ブテン及びオクタフルオロ-2-ブテンの合計量1モルに対して、水素を含む気体の供給量を上記範囲内とすることが好ましい。
5.反応温度
本開示における工程(1A)及び(1B)において、原料組成物と水素を含む気体とを反応させて、オクタフルオロブテンからオクタフルオロブタンを得る際の反応温度は、反応の転化率や、目的とするオクタフルオロブタンの選択率及び収率等の観点から、通常70~130℃が好ましく、80~120℃がより好ましく、90~100℃がさらに好ましい。
6.反応時間
本開示における工程(1A)及び(1B)において、原料組成物と水素を含む気体とを反応させて、オクタフルオロブテンからオクタフルオロブタンを得る際には、例えば気相流通式を採用する場合には、原料化合物(オクタフルオロブテン)の触媒に対する接触時間(W/F)[W:触媒の重量(g)、F:原料化合物(オクタフルオロブテン)の流量(cc/sec)]は、反応の転化率や、目的とするオクタフルオロブタンの選択率及び収率等の観点から、0.5~50g・sec/ccが好ましく、1~10g・sec/ccがより好ましい。なお、上記接触時間とは、原料化合物(オクタフルオロブテン)及び触媒が接触する時間、つまり、反応時間を意味する。また、オクタフルオロブテンがオクタフルオロ-1-ブテンとオクタフルオロ-2-ブテンの双方を含んでいる場合は、原料化合物(オクタフルオロブテン)の流量は、オクタフルオロ-1-ブテン及びオクタフルオロ-2-ブテンの合計流量を意味する。
7.反応圧力
本開示における工程(1A)及び(1B)において、原料組成物と水素を含む気体とを反応させて、オクタフルオロブテンからオクタフルオロブタンを得る際には、反応圧力は、反応の転化率や、目的とするオクタフルオロブタンの選択率及び収率等の観点から、-0.05~2MPaが好ましく、-0.01~1MPaがより好ましく、常圧~0.5MPaがさらに好ましい。なお、本開示において、圧力については特に表記が無い場合はゲージ圧とする。
本開示における工程(1A)及び(1B)において、原料組成物と水素を含む気体とを反応させて、オクタフルオロブテンからオクタフルオロブタンを得る工程では、原料組成物と、触媒と、水素を含む気体とを投入して反応させる反応器としては、上記温度及び圧力に耐えうるものであれば、形状及び構造は特に限定されない。反応器としては、例えば、縦型反応器、横型反応器、多管型反応器等が挙げられる。反応器の材質としては、例えば、ガラス、ステンレス、鉄、ニッケル、鉄ニッケル合金等が挙げられる。
8.水素付加反応の例示
本開示における工程(1A)及び(1B)において、原料組成物と水素を含む気体とを反応させて、オクタフルオロブテンからオクタフルオロブタンを得る工程では、反応器に原料組成物を連続的に仕込み、当該反応器から目的化合物を連続的に抜き出す流通式及びバッチ式のいずれの方式によっても実施することができる。本開示における工程(1A)及び(1B)において、原料組成物と水素を含む気体とを反応させて、オクタフルオロブテンからオクタフルオロブタンを得る工程では、気相で行い、特に固定床反応器を用いた気相連続流通式で行うことが好ましい。気相連続流通式で行う場合は、装置、操作等を簡略化できるとともに、経済的に有利である。
本開示における工程(1A)及び(1B)において、原料組成物と水素を含む気体とを反応させて、オクタフルオロブテンからオクタフルオロブタンを得る際の雰囲気については、水素化触媒の劣化を抑制する点から、不活性ガス雰囲気下、水素ガス雰囲気下等が好ましい。当該不活性ガスは、窒素、ヘリウム、アルゴン等が挙げられる。これらの不活性ガスのなかでも、コストを抑える観点から、窒素が好ましい。
9.蒸留
上記のようにして、原料組成物中のオクタフルオロブテンを水素付加反応させることでオクタフルオロブタンを得ることができる。この際、オクタフルオロシクロブタンに対しては、水素化反応等の何らかの反応は起こらず、そのまま残存する。
このため、工程(1A)又は(1B)により、オクタフルオロシクロブタン及びオクタフルオロブテンを含む原料組成物から、オクタフルオロシクロブタン及びオクタフルオロブタンを含む組成物が得られる。この際、原料組成物中のオクタフルオロブテンを水素付加反応させることで効率よくオクタフルオロブタンを得ることができるため、オクタフルオロシクロブタン及びオクタフルオロブタンを含む組成物中のオクタフルオロシクロブタンの含有量は、原料組成物中のオクタフルオロシクロブタンの含有量と同程度であり、オクタフルオロシクロブタン及びオクタフルオロブタンを含む組成物中のオクタフルオロブタンの含有量は、原料組成物中のオクタフルオロブテンの含有量と同程度である。
原料組成物においては、オクタフルオロシクロブタンとオクタフルオロブテンとは沸点が近いため、常法によりオクタフルオロシクロブタンを単離することは困難である。しかし、工程(1A)又は(1B)を施した後の組成物には、オクタフルオロシクロブタンと、オクタフルオロブタンとが含まれ、これら化合物の沸点は近接していないため、蒸留により単離することが可能である。なお、1,1,1,2,2,3,4,4-オクタフルオロブタンの沸点は34.5℃であり、1,1,1,2,3,4,4,4-オクタフルオロブタンの沸点は35℃である。
蒸留の際には、特に制限されるわけではないが、加圧することにより原料組成物中のオクタフルオロシクロブタンやオクタフルオロブテンが分解することを抑制しやすいため、加圧蒸留を行うことが好ましい。
加圧蒸留を行う場合、蒸留圧は特に制限されるわけではないが、オクタフルオロシクロブタンとオクタフルオロブタンとを分離しやすい観点から、80~120kPaが好ましく、90~110kPaがより好ましい。
以下に実施例を示し、本発明の特徴を明確にする。本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1
3質量%Pd/C(炭素に担持したパラジウム触媒;比表面積1200m/g)を5g充填した(反応管内径1/2インチ、長さ500mm)電気炉付き反応管に、オクタフルオロシクロブタン及びオクタフルオロブテンの混合物(オクタフルオロシクロブタン70体積%、オクタフルオロブテン30体積%(オクタフルオロ-1-ブテン17体積%、オクタフルオロ-2-ブテン13体積%))を82cc/minで仕込み、水素ガスを35cc/minで反応管上部より仕込み、接触時間W/Fが2となるように調整して反応温度100℃で反応を行い、反応ガスを得た。反応ガスをガスクロマトグラフで分析すると未反応のオクタフルオロブテンは無く、全てオクタフルオロシクロブタンとオクタフルオロブタン(1,1,1,2,2,3,4,4-オクタフルオロブタン17モル%、1,1,1,2,3,4,4,4-オクタフルオロブタン13モル%)であった。
実施例2(蒸留分離)
コンデンサー付、直径10mm、長さ1000mmでヘリパック(3mm)の充填剤を充填した充填塔を備えた金属蒸留塔スチル(150cc)に実施例1で得られた反応生成物(オクタフルオロシクロブタン70モル%とオクタフルオロブタン30モル%(1,1,1,2,2,3,4,4-オクタフルオロブタン17モル%、1,1,1,2,3,4,4,4-オクタフルオロブタン13モル%))を100g仕込んだ。コンデンサーへは-5℃のブラインを流通し、蒸留圧が90~110kPaになるよう、蒸留した。蒸留塔還流部よりオクタフルオロシクロブタンが99.99モル%で得られた。回収収率は94モル%であった。

Claims (5)

  1. オクタフルオロシクロブタン及びオクタフルオロブタンを含む組成物を製造する方法であって、
    (1A)水素化触媒の存在下に、オクタフルオロシクロブタン及びオクタフルオロブテンを含む原料組成物と水素を含む気体とを接触させて、オクタフルオロブテンを水素化反応してオクタフルオロブタンを生成させる工程
    を備え、
    前記水素化触媒が遷移金属元素を含む触媒金属を含み、且つ、
    前記水素化触媒の総量を100質量%として、前記触媒金属の含有量が2.0~5.0質量%である、製造方法。
  2. 前記原料組成物の総量を100体積%として、前記オクタフルオロシクロブタンの含有量が50~90体積%であり、前記オクタフルオロブテンの含有量が10~50体積%である、請求項1に記載の製造方法。
  3. 純度が99.9モル%以上であるオクタフルオロシクロブタンを製造する方法であって、
    (1B)水素化触媒の存在下に、オクタフルオロシクロブタン及びオクタフルオロブテンを含み、総量を100体積%として前記オクタフルオロシクロブタンの含有量が50~90体積%であり、前記オクタフルオロブテンの含有量が10~50体積%である原料組成物と、水素を含む気体とを接触させて、前記オクタフルオロブテンを水素化反応してオクタフルオロブタンを生成させる工程、
    (2)前記工程(1B)で得られたオクタフルオロシクロブタン及びオクタフルオロブタンを含む組成物を蒸留する工程
    を備え、
    前記水素化触媒が遷移金属元素を含む触媒金属を含み、
    且つ、前記水素化触媒の総量を100質量%として、前記触媒金属の含有量が2.0~5.0質量%である、製造方法。
  4. 前記水素化触媒が、周期表第8族~第11族に属する遷移金属元素を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 前記工程(1A)又は(1B)を施す温度が70~130℃である、請求項1~4のいずれか1項に記載の製造方法。
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