JP2023007557A - ロータリーキルンのガスシール構造及びガスシール方法 - Google Patents

ロータリーキルンのガスシール構造及びガスシール方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ロータリーキルンのガスシール構造において、シール空間の内部におけるダストの堆積に起因するシール性能の低下を回避すること。【解決手段】シール空間33と、ガス導入管35を備えるシールガス導入機構34と、を含んでなり、固定フード20には、開閉可能なダスト排出口41を有するダスト貯留部40が、設置されていて、ダスト貯留部40は、固定フード20がシール空間33を囲んでいる部分内における下方側の位置に、固定フード20の内周面の一部が他の部分よりも外側下方に向けて張り出した部分に形成されている中空部であって、ガス導入管35の固定フード20への接合位置が、ダスト貯留部40の設置位置よりも高い位置にある、ロータリーキルンのガスシール構造2とする。【選択図】図2

Description

本発明は、ロータリーキルンのガスシール構造、及び、それを用いたガスシール方法に関する。
製鋼電気炉等で発生する鉄鋼ダストから亜鉛を回収するプロセス等において、回転式の加熱炉であるロータリーキルンが広く用いられている。ロータリーキルンは、上記のプロセスにおいては、還元焙焼処理や乾燥加熱処理を行う加熱炉として用いられている。
上述のロータリーキルンにおいては、回転するキルン本体部と、キルン本体の端部側を覆う固定フードとの接点となる摺動部において、構造上、僅かな隙間が形成されざるを得ない。そのため、その隙間からのガス漏出を防ぐためのシール構造が求められる。そのようなシール構造として、ラビリンス構造による圧力損失により炉内圧と炉外圧の圧力差を確保するラビリンスシールや、グランドパッキンを摺動部に用いるグランドシールや、リップパッキンを摺動部に用いるリップ式シール等が提案されている(特許文献1参照)。
しかし、ラビリンスシールはリークしやすく、グランドシール、リップ式シール等は、摺動部の密閉性がパッキンの性質に大きく依存することになる。800℃以上の高温処理となる回転炉のような過酷な条件では、耐熱性、耐磨耗性、弾力性の全てを満足するパッキンがないため、適当な弾力性を持ち密閉性に優れているが劣化の速いパッキンを選択するか耐久性はあるが密閉性の劣るパッキンを選択するしかなく、何れにしても、炉内ガスを安定的に遮断できず炉内ガス漏出を充分に防ぎえるものではない。
ラビリンス構造或いは何らかのパッキンを用いた構造の抱える上記問題点を解消しうるシール構造として、窒素ガス等の不活性ガスをシール部に注入して高圧の不活性ガスによるエアーウォールを形成して炉内ガスを遮断するガスシール構造がある(特許文献2参照)。又、ロータリーキルンのガスシール構造としては、不活性ガスを用いずに、外気を積極的に導入することにより、炉内ガスの漏出を安定的に且つ低コストで防止できるガスシール構造も提案されている(特許文献3参照)。尚、特許文献3においては、摺動部に不可避的に形成される上記の隙間から、外気を積極的に噴出させるガスシール構造及びガスシール方法によって、必要十分な精度で炉内ガスの外部への漏出を防ぎ得ることができることが開示されている。
しかしながら、上述の各ガスシール構造が適用されるロータリーキルンは、キルン本体の回転軸が僅かに偏心していることも多く、加えて、操業継続に伴う摺動部分周辺部の摩耗も加わって、上記の「隙間」(キルン本体部と、固定フードとの接点となる摺動部周辺に形成される隙間)の大きさが、摺動部に沿った円周上における位置毎に不均一となっている。これにより、ロータリーキルンにおいては、上記の円周上の位置毎に、シールガスの流入量或いは速度にばらつきがあり、その結果、上記の隙間の一部ではシールガスの流入量或いは速度がマイナスとなる場合があり、当該部分付近から、少量ではあるが炉内側のガスの一部がシール空間に流入してしまうこともあった。
上記のようにして、シール空間に流入したダストは、シール空間の内部で沈降して、シール空間の最下部に堆積し、最終的には下方のシール空間を埋めてしまい、更にはシール空間を埋めたダストはキルン本体を摩耗させていた。そして、このようなダストの堆積物によるキルン本体の摩耗が、ガスシール構造のシール性能を低下させてしまうことが新たな問題として認識されるようになっていた。
実開昭60-28396号公報 特開平8-145569号公報 特開2013-50274号公報
本発明は、ロータリーキルンのガスシール構造において、シール空間の内部におけるダストの堆積に起因するシール性能の低下を回避することを目的とする。
本発明者らは、ロータリーキルンのガスシール構造における、ガス導入管及びダスト貯留部を最適な位置に配置することによって、上記課題を解決することができることに想到し、本発明を完成するに至った。より、具体的には、本発明は以下のものを提供する。
(1) 円筒形状のキルン本体と、前記キルン本体の一方の端部を覆う固定フードと、前記キルン本体の一方の端部の外周と前記固定フードとの間に形成されるシール部と、を含んでなる、ロータリーキルンのガスシール構造であって、前記シール部は、前記固定フードの内周面に前記キルン本体の一方の端部から順に配置される円周状の第1摺動部及び第2摺動部と、前記キルン本体の外周面に配置される本体側摺動部と、前記固定フードの内周面と、で囲まれた空間によって形成されるシール空間と、前記固定フードの外部から前記シール空間の内部へシールガスを導入するガス導入管を備えるシールガス導入機構と、を含んでなり、前記固定フードには、開閉可能なダスト排出口を有するダスト貯留部が、設置されていて、前記ダスト貯留部は、前記固定フードが前記シール空間を囲んでいる部分内における下方側の位置に、前記固定フードの内周面の一部が他の部分よりも外側下方に向けて張り出した部分に形成されている中空部であって、前記ガス導入管の前記固定フードへの接合位置が、前記ダスト貯留部の設置位置よりも高い位置にある、ロータリーキルンのガスシール構造。
(1)のロータリーキルンのガスシール構造によれば、炉内ガスの外部への漏出を、必要十分な高い精度で防ぐことができるガスシール構造において、尚且つ、シール空間の内部におけるダストの堆積に起因するシール性能の低下を、回避することもできる。
(2) 前記ガス導入管は、前記固定フードに複数設置されていて、全ての前記ガス導入管が、前記ダスト貯留部の設置位置よりも高い位置に接合されている、(1)に記載のロータリーキルンのガスシール構造。
(2)のロータリーキルンのガスシール構造によれば、シール空間の内部に流入したダストが、ガス導入管よりも低い位置に設置にされているダスト貯留部に向けて下方へ移動することを促進して、シール空間の内部におけるダスト貯留部の内部以外の場所にダストが堆積することを防ぐことができる。
(3) 前記ガス導入管は、前記固定フードの頂部と、該頂部を起点として時計回り及び反時計回りにそれぞれ90°以上150°以下回転した側部に接合されている、(1)又は(2)に記載のロータリーキルンのガスシール構造。
(3)のロータリーキルンのガスシール構造によれば、摺動部周辺に形成されるシール空間の隙間の全周から、より均一な圧力でシールガスを流出させることにより、炉内ガスの漏出をより高い精度で遮断しつつ、(2)の発明の奏する効果の発現も促進して、シール空間の内部におけるダスト貯留部の内部以外の場所へのダストの堆積を防ぐことができる。
(4) 前記側部に接合されている前記ガス導入管のガス噴出方向が、水平方向よりも斜め下方に向けて傾けられている、(3)に記載のロータリーキルンのガスシール構造。
(4)のロータリーキルンのガスシール構造によれば、シール空間の内部に流入したダストが、ガス導入管よりも低い位置に設置にされいてるダスト貯留部に向けて下方へ移動することを更に効率良く促進して、シール空間の内部におけるダスト貯留部の内部以外の場所へのダストの堆積をより高い精度で防ぐことができる。
(5) 前記ロータリーキルンが、脱水機に連設されているロータリーキルンである、(1)から(4)の何れかに記載のロータリーキルンのガスシール構造。
(5)のロータリーキルンのガスシール構造によれば、脱水ケーキを被処理物として加熱乾燥処理を行うことにより、ロータリーキルン内のガス相のダスト濃度が極めて高濃度となる条件下での操業を継続した場合においても、シール空間の内部におけるダストの堆積に起因するシール性能の低下を回避することができる。
(6) 前記ロータリーキルンは、排出口の近傍の内周部に該ロータリーキルンの内径に対して2%以上の高さのダムが設けられている、(1)から(5)の何れかに記載のロータリーキルンのガスシール構造。
(6)のロータリーキルンのガスシール構造によれば、ロータリーキルンの排出口において、多量のダストが発生しやすい条件下での操業を継続した場合においても、シール空間の内部におけるダストの堆積に起因するシール性能の低下を回避することができる。
(7) (1)から(6)の何れかに記載のロータリーキルンのガスシール構造によるロータリーキルンのガスシール方法であって、前記ロータリーキルンの排出口から排出される時点での被処理物の温度が800℃以上である、ロータリーキルンのガスシール方法。
(7)のロータリーキルンのガスシール方法によれば、結晶水も含めて水分が完全に取り除かれた高温の被処理物(乾燥物)の微粉がダストとなることから、炉内ガスのダスト濃度が極めて高濃度化する上記の高温度条件下での操業を継続した場合においても、シール空間の内部におけるダストの堆積に起因するシール性能の低下を回避することができる。
(8) (1)から(6)の何れかに記載のロータリーキルンのガスシール構造によるロータリーキルンのガスシール方法であって、前記ロータリーキルンで処理する被処理物には、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が合計で1%以上含まれる、ロータリーキルンのガスシール方法。
(8)のロータリーキルンのガスシール方法によれば、(1)から(6)の何れかに記載のロータリーキルンのガスシール構造の奏する上述の各効果を享受しながら、尚且つ、シール空間にハロゲンを含むダストが堆積した場合に起こり得る金属部材の腐食によるロータリーキルンの損耗を防ぐこともできる。
本発明によれば、ロータリーキルンのガスシール構造において、シール空間の内部におけるダストの堆積に起因するシール性能の低下を回避することができる。
ロータリーキルンの全体構成及び使用態様を示す断面模式図である。 本発明のロータリーキルンのガスシール構造の構成を示す断面模式図である。 図2のA-A断面における、ロータリーキルンのガスシール構造の構成を示す断面模式図である。 図3のロータリーキルンのガスシール構造の部分拡大図であって、ダスト貯留部の内部に貯留されたダストによって「マテリアルシール」が形成されている状態を示す図面である。 実施例、比較例のロータリーキルンについて、操業日数経過に伴うキルン本体出口側近傍部分の定点の厚さ減損量を測定した結果を示すグラフ図である。
以下、本発明の実施形態について説明するが、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。以下においては、先ず、本発明のガスシール構造及びガスシール方法の好ましい適用対象であるロータリーキルンの全体構成及び使用態様につき説明し、続いて、本発明のロータリーキルンのガスシール構造及びガスシール方法の好ましい実施形態について、詳細に説明する。
<ロータリーキルン>
図1から図3の各図に示す通り、ロータリーキルン1は、中空円筒形状の窯であるキルン本体10、キルン本体10を回転(一例として図中のR方向への回転)可能に支持するキルン本体支持部(図示せず)、キルン本体10の一方の端部を覆う固定フード20、固定フード20の内部に形成されるシール部30(図2参照)、シール空間33の内部に流入したダストを一時的に貯留するダスト貯留部40(図3参照)、キルン本体10の内部を加熱するための熱風を送風するバーナー50、及びキルン本体10に回転力を伝える駆動ギヤ60を備える回転式の加熱炉である。尚、キルン本体10は、使用時に、被処理物の装入口11から被処理物の排出口12に向けて被処理物の移動する方向に向けて、水平面に対し3~4%の傾斜をもつように設置される。
又、図2に示す通り、ロータリーキルン1の固定フード20の内周面には、キルン本体10の一方の端部から順に配置される円周状の第1摺動部31A及び第2摺動部31Bが形成されている。そして、キルン本体10の外周面における上記両摺動部に対向する位置には、本体側摺動部32が形成されている。これらの各摺動部は、固定フード20に対するキルン本体10の円滑な回転に寄与するとともに、本発明のガスシール構造においては、シール部30を構成するための構造としても機能する。尚、固定フード20における第2摺動部31Bの外面側には環境集塵用フード22が設けられている。
又、ロータリーキルン1には、図2に示すように、その排出口12の近傍の内周部に当該ロータリーキルンの内径に対して2%以上の高さのダム13が設けられていてもよい。例えば、ロータリーキルンの内径が3000mmの場合、100mmの高さのダムを設けることが、好ましい実施形態の具体例として挙げられる。このダムは、被処理物の滞留時間を延長させることを主たる目的として設けられるものである。このようなダム13を備えるロータリーキルン1においては、被処理物は、排出口12の近傍のダム13に到達したところで、堆積してキルンの回転で掻き揚げられ、その一部がダム13を乗り越えて排出口12から排出される。この堆積や掻き上げの際に、多量のダストが発生するが、この多量のダストを含む炉内ガスが、排出口12から排出された場合にも、本発明のガスシール構造によれば、このような多量のダストを含む炉内ガスのシール空間の内部への流入に起因するシール性能の低下を十分に防止することができる。
上記構成からなるロータリーキルン1においては、図1に示すように、バーナー50によりキルン本体10の内部を高温に加熱し、駆動ギヤ60によりキルン本体10をR方向に回転させながら、装入口11より、被処理物がa方向へと搬入される。被処理物は、高温に加熱されているキルン本体10の内部を、その傾斜に沿って攪拌されながら、排出口12の方向に向かって移動してゆき、排出口12から高温の焼成物がb方向に排出される。
尚、本発明のガスシール構造は、特には、適用対象となるロータリーキルンが設置されている工業設備内において、その上流側にバキュームフィルターやベルトフィルター等の脱水機が連設されていて、当該脱水機から得られる脱水ケーキを被処理物として加熱乾燥処理を行う場合において、従来のガスシール構造に対して、特段に有利な効果を発揮する。ロータリーキルン1に装入する被処理物が、上記の脱水ケーキであり、これを加熱して乾燥させる場合には、当該ロータリーキルン内のガス相のダスト濃度が極めて高濃度となり、上述したシール空間の下部へのダストの堆積に起因するシール性能低下の問題が顕在化しやすいからである。
<ロータリーキルンのガスシール構造>
図2に示す通り、本発明のロータリーキルンのガスシール構造の好ましい実施形態の一例であるガスシール構造2は、上述のロータリーキルン1において、キルン本体10、固定フード20、シール部30、及び、ダスト貯留部40によって構成される。キルン本体10、固定フード20については、上述の構成からなる汎用的なロータリーキルン1が通常備える構成をそのまま活用できるので、改めての詳細な説明は割愛する。
[シール部]
シール部30は、その内部空間であるシール空間33と、シール空間33内にシールガスを導入するシールガス導入機構34とを含んで構成される。
(シール空間)
シール空間33は、固定フード20の内周面に配置される円周状の第1摺動部31A及び第2摺動部31B、キルン本体10の外周面に配置される本体側摺動部32、及び、固定フード20の内周面に囲まれて形成される空間である。
シール空間33を取り囲む第1摺動部31A及び第2摺動部31B(以下、これらをまとめて摺動部31とも言う)は、固定フード20のキルン本体10の一方の端部から順に配置される円周状の一対の摺動部である。
摺動部31は、シール能力を高める観点からは、キルン本体10の外周を全て覆うように環状に連結して形成された円周状のものであることが好ましい。摺動部31は、セラミックス製耐熱クロスにより形成することができる。
本体側摺動部32は、キルン本体10の本体の一方の端部近傍で、摺動部31の直下となる位置にキルン本体10外周面に形成される板状の部材である。本体側摺動部32は、金属製の板材により形成することができ、中でも、ステンレス製のスリップ板を好ましく用いることができる。尚、本体側摺動部32は、図2に示す通り、第1摺動部31A及び第2摺動部31Bの間の幅よりも幅広に形成されることが好ましい。これにより、キルン本体の膨張或いは収縮によって炉内ガスの遮断能力が低下することを防ぐことができる。
(シールガス導入機構)
シールガス導入機構34は、固定フード20の外部からシール空間33の内部へ、シールガスを導入する機構である。図2に示す通り、固定フード20には、1つの又は複数のシールガス導入口21が設けられており、シールガス導入口21にガス導入管35が接合されている。又、ガス導入管35には空調機器36が備えられている。
ガス導入管35の設置本数は必要に応じて変更することができ、特に限定されないが、複数本のガス導入管35を設置することが好ましい。複数のガス導入管35を設置することにより、ガス導入管35が1つである場合よりも均一な圧力でシールガスを炉内へ流出させ、シール空間33内へのフード内流出ガス80の流入をより少なくすることができる。
図3に示すように、ガスシール構造2においては、ガス導入管35の設置本数にかかわらず、全てのガス導入管35(35A、35B、35C)の固定フード20への接合位置が、当該固定フードへのダスト貯留部40の設置位置よりも高い位置となるようにする。換言すると、ガスシール構造2においては、ダスト貯留部40の設置位置が、全てのガス導入管35(35A、35B、35C)のうち、最も低い位置に設置されるガス導入管35(35B、35C)よりも更に下方の位置とされる。
又、ガス導入管35を複数設置する場合、全てのガス導入管35について、上記の通り、ダスト貯留部40よりも高い位置に維持しながら、尚且つ、固定フード20の頂部付近と、固定フード20の側部外周上に頂部から当角度間隔で離隔した位置にその他のガス導入管35を設置することが好ましい。又、特に、高温のフード内流出ガス80が頂部側からシール空間33の内部に侵入しやすい状態である場合等には、頂部において、ガス導入管を、複数本、隣接させて設置してもよい。
図3は、複数のガス導入管35(35A、35B、35C)の好ましい設置態様の具体的な一例を示すものであるが、この場合において、ガス導入管35は、3本の管、即ち、固定フード20の頂部に接合されるガス導入管35Aと、この頂部を起点として時計回り及び反時計回りにそれぞれ120°回転した側部に接合されている2本のガス導入管35B、35Cとによって構成されている。ガス導入管35は、このように頂部及び頂部から90°以上150°以下回転した側部に接合されている配置とすることが好ましい。又、複数のガス導入管35が図3における断面視において当角度間隔(120°間隔)で設置されていることがより好ましい。複数のガス導入管35を、このように配置することによって、ガスの存在量が多くなりやすい頂部付近におけるガスシール性能を確実に維持することができ、尚且つ、摺動部周辺に形成される上記の「隙間」の位置毎におけるシールガスの流量のばらつきを抑制することができる。
又、上記の配置構成において、固定フード20の側部に接合されているガス導入管35B、35Cについては、図3に示すように、シールガス70B、70Cの噴出方向を、水平方向よりも斜め下方、即ち、ダスト貯留部40が設置されている方向に近づけるように下方に傾けて設置することが好ましい。
空調機器36は、シール空間33の内部にシールガス70を導入できるものであればよく、特にシールガスとして外気を利用する場合には、公知のファン装置、エアポンプ等を適宜用いることができる。
又、シールガス導入機構34は、第1摺動部31Aと本体側摺動部32との間の隙間から固定フード20の内部方向へ吹き出すシールガス71の吹き出し速度については、少なくとも平均流速1.0m/s以上、好ましくは平均流速3.0m/s以上を確保することできる能力があるものであることが好ましい。このように積極的にシールガスをシール空間33の内部から吹き出させることによって、ガスシール構造としての機能を発揮するとともに、キルン本体10を空冷によって冷却することができ、その耐久性を向上させることもできる。
[ダスト貯留部40]
ロータリーキルンのガスシール構造2においては、図3、4に示すように、シール空間33の下方側の位置において、シール空間33の内部に侵入したダストを一時的に貯留するダスト貯留部40が設置されている。ダスト貯留部40は、固定フード20の内周面の一部(図3における内周面R)が、他の部分よりも固定フード20の外側下方に向けて張り出した部分に形成されている中空部である。又、ダスト貯留部40の側面又は底面には、必要に応じて開閉することが可能なダスト排出口41が設けられている。
ダスト貯留部40は、図3、4に示すように、シール空間33の下方側の位置に1つ設置されていてもよいし、或いは、例えば、固定フード20の下方側の最下部を挟んで左右に1か所ずつ2か所に設ける等、複数か所に設けてもよい。但し、全てのダスト貯留部40の設置位置は、ガス導入管35との位置関係について、最も下方に配置されているガス導入管(図3、4におけるガス導入管35B、35C)よりも、より低い位置に配置する。ダスト貯留部40をこのような位置、即ち、シール空間33内において、流入したダストが最も堆積しやすい低い位置に設けることで、シール空間33内に流入したダストの大部分をダスト貯留部40の内部に集めて、シール空間の内部のその他の部分におけるダストの堆積を抑制することができる。
又、図4に示すように、ダスト貯留部40の内部に貯留された状態のダストmは、ロータリーキルン1の操業中においては、ダスト排出口41の密閉性を高めるシーリング材としての機能、いわゆる「マテリアルシール」としての機能も発揮する。そして、ロータリーキルンの点検時等には、ダスト排出口41を開放することにより、容易に不要なダストを排出することができる。尚、ダスト貯留部40においては、ダスト排出口41の内面側のシーリングが必要な領域の周囲にダストmが優先的に堆積しやすいように、ダスト貯留部40の底面に、その中央部から上記領域の側に向かう下りの傾斜を設けてもよい。これにより、より確実に上記の「マテリアルシール」の形成を促進することができる。
<ロータリーキルンのガスシール方法>
本発明のロータリーキルンのガスシール方法は、上記において説明した、ガスシール構造2を備えるロータリーキルン1において行うことができるガスシール方法である。
図2に示すように、本発明のロータリーキルンのガスシール方法の実施時においては、シールガス導入機構34から導入されたシールガス70が、不完全な気密空間であるシール空間33に導入される。シール空間33は不完全ではあるものの一定の気密性を備える空間でもあるため、シールガス70の導入によって、シール空間33の内部の気圧がその外部の気圧よりも高くなる。そして、シール空間33の内部の気圧が一定の圧力に達すると、導入されたシールガス70の多くの部分は、シールガス71として第1摺動部31A側の「隙間」から固定フード20の内部方向に流出し、他の部分は、シールガス72として第2摺動部31B側の「隙間」から環境集塵用フード22内へ流出する。そして、固定フード20の内部方向へ流出したシールガス71は、キルン本体10内へと流入することとなる。
一方、固定フード20の内部に流出した炉内ガス90の一部であるフード内流出ガス80は、固定フード20の内部における高温焼成物の落下排出に伴う気圧変動やフード内上昇気流やロータリーキルン内の微妙な気圧変動等により第1摺動部31A付近に移動する。しかし、このフード内流出ガス80は、シールガス71によりフード内に押し戻され、フード内流出ガス80の第1摺動部31Aの隙間を経由した外部への漏出を、必要十分な高い精度で防ぐことができる。フード内に押し戻されたフード内流出ガス80は、炉内ガス90とともに、キルン本体10の内部を経由して、排ガス吸引ファン等によって排ガス処理設備に誘導される。
尚、ガスシール構造2の内部におけるシールガスの流量に関して、具体的には、シール空間33の内部気圧を炉内の気圧より0.5~1.0kPa程度高く保つだけの流量が必要となる。又、シールガスの流量を適宜調整することによって、第1摺動部31A側から固定フード20内部方向へのシールガスの吹き出し速度について、平均流速3.0m/s以上を確保することが好ましい。このように、シールガスの流量及び吹き出し速度を適切に調整することにより、シール空間33内部の空気圧と、固定フード20の内部方向へ流出したシールガス71による気流とによって、フード内流出ガス80の外部への漏出を必要十分な高い精度で遮断することができる。
但し、上述した通り、第1摺動部31A側の「隙間」の不均一性等に起因して、フード内流出ガス80の一部はシール空間33内にも流入し、これにより、フード内流出ガス80に含まれるダストの一部が、シール空間33の内部に僅かながら流入することは、通常、完全には回避し得ない。
本発明のロータリーキルンのガスシール方法においては、仮に、シール空間33に極めて高いダスト濃度のフード内流出ガス80の一部が流入して、シール空間33内に次第にダストが堆積するような場合であっても、当該ダストが堆積しやすい下方側の位置に設けたダスト貯留部40の内部に大部分のダストを速やかに誘導して、シール空間33の内部においてフード内流出ガス80由来のダストが積層してキルン本体を摩耗させる事態を回避することができる。
又、本発明のロータリーキルンのガスシール方法は、シールガス71を炉内に積極的に導入することによって、その空冷効果により、キルン本体10を冷却することもできる。これにより、キルン本体10の耐久性を顕著に高めることもできる。
以上、本発明のロータリーキルンのガスシール方法を、キルン本体10の排出口12側に摺動部31が設けられている場合について説明したが、本方法は、これに限らず、例えば、キルン本体10の装入口11の側に摺動部31が設けられている場合についても同様に適用することができる。
製鋼ダストを還元焙焼し、湿式精製した後、乾燥加熱を行い、粗酸化亜鉛を得るウエルツキルン法による乾燥加熱工程でのロータリーキルンの排出口側において本発明のガスシール構造及びガスシール方法を採用し、実施例とした。
(実施例)
実施例のロータリーキルンについては、ロータリーキルンの排出口側について、上記において説明した図2~4に示すガスシール構造2と同様の構成を採用して試験操業を行った。ガス導入管は120°の当角度間隔で3本設置し、側面の2本のガス導入管については、ガス噴出方向が、水平方向よりも斜め下方に向けて30°傾くように設置した。又、シール空間の内部の下方部にはダスト貯留部を設けた。摺動部には、本体側摺動部としてはステンレス製のスリップ板を設置し、第1摺動部及び第2摺動部としてはセラミックス耐熱クロスをスリップ板に充分接触するように設置した。そして、摺動部、キルン本体外周面、固定フード内面で密閉された幅400mm、高さ200mmのシール空間に外気を導入した。尚、キルン本体の内周面における直径は3.3mで、ガスシール構造はキルン本体の外周の全周を覆うように円周状に設けた。このとき、外気導入機構として設置したファンにより、シール空間内圧力を1.5kPaで維持できるように流量調整を行い、3,000~8,000m/h程度の外気を導入した。第1摺動部及び第2摺動部下端とキルン本体の外周との間には、キルン本体の歪みや、セラミック製耐熱クロスの変形や摩耗により、最終的には平均35mm程度の隙間が全周に亘り空いていた。この場合平均流速3.5m/sで炉内及び環境集塵側に外気が流れ、炉内ガスの遮断には十分効果があった。
(比較例)
ガス導入管が頂部に設置された1本だけであること、及び、ダスト貯留部は設置されていない点のみが実施例のロータリーキルンと異なる、改良前のロータリーキルンを用いて上記と同様の乾燥加熱工程を行った場合における操業の結果を比較例とした。この場合においては、シール空間に炉内ガスが頻繁に流れ込み、シール空間の下方部分にダストが堆積、固着してキルン本体外周部や摺動部の摩耗が進行した。又、ダストがシール空間を埋めてしまったことから、流れ込んだ炉内ガスがシール空間で留め置かれることなく、直接吹き出す事態が発生した。
尚、実施例、比較例それぞれのロータリーキルンについて、操業日数経過に伴うキルン本体出口側近傍部分の定点の厚さ減損量を測定した結果を図5に示す。同図に示されている結果からも、本発明によれば、例えば、乾燥加熱工程に用いるロータリーキルンにおいて、ガスシール構造の内部におけるダストの堆積に起因するシール性能の耐久性を著しく向上させることができることが分かる。
1 ロータリーキルン
10 キルン本体
11 装入口
12 排出口
13 ダム
2 ガスシール構造
20 固定フード
21 シールガス導入口
22 環境集塵用フード
30 シール部
31 摺動部
31A 第1摺動部
31B 第2摺動部
32 本体側摺動部
33 シール空間
34 シールガス導入機構
35 ガス導入管
36 空調機器
40 ダスト貯留部
41 ダスト排出口
50 バーナー
60 駆動ギヤ
70、71、72 シールガス
80 フード内流出ガス
90 炉内ガス

Claims (8)

  1. 円筒形状のキルン本体と、
    前記キルン本体の一方の端部を覆う固定フードと、
    前記キルン本体の一方の端部の外周と前記固定フードとの間に形成されるシール部と、を含んでなる、ロータリーキルンのガスシール構造であって、
    前記シール部は、前記固定フードの内周面に前記キルン本体の一方の端部から順に配置される円周状の第1摺動部及び第2摺動部と、前記キルン本体の外周面に配置される本体側摺動部と、前記固定フードの内周面と、で囲まれた空間によって形成されるシール空間と、
    前記固定フードの外部から前記シール空間の内部へシールガスを導入するガス導入管を備えるシールガス導入機構と、を含んでなり、
    前記固定フードには、開閉可能なダスト排出口を有するダスト貯留部が、設置されていて、前記ダスト貯留部は、前記固定フードが前記シール空間を囲んでいる部分内における下方側の位置に、前記固定フードの内周面の一部が他の部分よりも外側下方に向けて張り出した部分に形成されている中空部であって、
    前記ガス導入管の前記固定フードへの接合位置が、前記ダスト貯留部の設置位置よりも高い位置にある、
    ロータリーキルンのガスシール構造。
  2. 前記ガス導入管は、前記固定フードに複数設置されていて、全ての前記ガス導入管が、前記ダスト貯留部の設置位置よりも高い位置に接合されている、
    請求項1に記載のロータリーキルンのガスシール構造。
  3. 前記ガス導入管は、前記固定フードの頂部と、該頂部を起点として時計回り及び反時計回りにそれぞれ90°以上150°以下回転した側部に接合されている、
    請求項1又は2に記載のロータリーキルンのガスシール構造。
  4. 前記側部に接合されている前記ガス導入管のガス噴出方向が、水平方向よりも斜め下方に向けて傾けられている、
    請求項3に記載のロータリーキルンのガスシール構造。
  5. 前記ロータリーキルンが、脱水機に連設されているロータリーキルンである、
    請求項1から4の何れかに記載のロータリーキルンのガスシール構造。
  6. 前記ロータリーキルンは、排出口の近傍の内周部に該ロータリーキルンの内径に対して2%以上の高さのダムが設けられている、
    請求項1から5の何れかに記載のロータリーキルンのガスシール構造。
  7. 請求項1から6の何れかに記載のロータリーキルンのガスシール構造によるロータリーキルンのガスシール方法であって、
    前記ロータリーキルンの排出口から排出される時点での被処理物の温度が800℃以上である、
    ロータリーキルンのガスシール方法。
  8. 請求項1から6の何れかに記載のロータリーキルンのガスシール構造によるロータリーキルンのガスシール方法であって、
    前記ロータリーキルンで処理する被処理物には、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が合計で1%以上含まれる、
    ロータリーキルンのガスシール方法。
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