JP2017020092A - シール機構および高炉 - Google Patents

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淳 国方
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【課題】収容空間への高炉ガスの流入を抑制するとともに、下部トラフの全長を小さくする。
【解決手段】高炉本体の炉頂から回転自在に原料を装入する旋回テーブルと、旋回テーブルの一部に対向する対向部(下部トラフ160)との間に形成される間隙をシールするシール機構は、旋回テーブルおよび対向部のいずれか一方に固定された、環状のシール体230を備え、シール体には、旋回テーブルの回転方向に延在し、旋回テーブルおよび対向部のいずれか他方に接触する接触部232が設けられている。
【選択図】図3

Description

本発明は、高炉本体の炉頂から回転自在に原料を装入する旋回テーブルと、旋回テーブルの一部に対向する対向部との間に形成される間隙をシールするシール機構、および、これを備えた高炉に関する。
従来、高炉本体に原料を装入する装置としてベルレス式炉頂装入装置が知られている。ベルレス式炉頂装入装置は、高炉本体の炉頂の鉛直上方に配され原料を収容するホッパーと、このホッパーから落下した原料を集合させる下部集合ホッパーと、この下部集合ホッパーを介して炉頂から装入された原料を受ける分配シュートとを含んで構成される。一般的に、高炉においては、原料を高炉本体内に均等に分配装入することが要求されるため、高炉本体内に設けられた分配シュートを旋回、傾動させながら原料を高炉本体内に落下、装入する。したがって、ベルレス式炉頂装入装置には、分配シュートを旋回、傾動させる炉頂分配シュート駆動装置が設けられている。
炉頂分配シュート駆動装置は、円錐台の筒形状のケーシングを備えており、ケーシングの下部に設けられた下部フランジが、高炉本体の上部に設けられたトップリングに固定されている。ケーシング内には、分配シュートが、その傾斜角度を可変に設けられるとともに、分配シュートとともに旋回する円筒形状の旋回テーブルが配されており、ケーシングと旋回テーブルとの間の収容空間には、旋回テーブルを回転させるギヤ構成を含む駆動機構や、旋回テーブルを冷却する水冷パネル、水冷パネルに水を供給する配管等が設けられている。
高炉本体において生じる高炉ガスは、高温であり、また、高炉ガスにはダストやCOガスが含まれている。このため、高炉ガスが、ギヤ構成を含む駆動機構や水冷パネル、配管等に接触すると、これらが損傷してしまうおそれがある。そこで、炉頂分配シュート駆動装置においては、旋回テーブルの下部外周と、ケーシングの下部フランジとの間を水封する水封機構が設けられており、高炉本体から収容空間への高炉ガスの流入を防止している。例えば、特許文献1には、ケーシングの下部フランジの内周に、旋回テーブルの回転方向全周に亘って設けられ、水が貯留された下部トラフと、旋回テーブルの外周全周に亘って設けられた仕切板とを備え、仕切板の先端が下部トラフに貯留された水に浸漬されることで、高炉本体内と収容空間とをシールする水封機構が開示されている。
特開昭63−161106号公報
しかし、操業中の高炉本体の炉内圧力は変動するため、炉内圧力によっては、水封機構を構成する下部トラフに貯留された水が収容空間に押し出されて、高炉ガスが収容空間に流入するおそれがある。このため、下部トラフに貯留される水の高さ(水封高さ)は、想定される炉内圧力変動の最大値よりも余裕をもって決定されており、水封機構を構成する下部トラフの高さが高くなって(全長が大きくなって)、炉内側に延伸しなければならないという構造上の課題がある。
本発明の目的は、収容空間への高炉ガスの流入を抑制するとともに、下部トラフの全長を小さくすることが可能なシール機構および高炉を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明のシール機構は、高炉本体の炉頂から回転自在に原料を装入する旋回テーブルと、該旋回テーブルの一部に対向する対向部との間に形成される間隙をシールするシール機構であって、前記旋回テーブルおよび前記対向部のいずれか一方には、環状のシール体が固定され、該シール体には、該旋回テーブルの回転方向に延在し、該旋回テーブルおよび該対向部のいずれか他方に接触する接触部が設けられていることを特徴とする。
また、前記高炉本体内から前記シール体への高炉ガスの流通を制限する制限部をさらに備えるとしてもよい。
また、前記制限部は、前記シール体の径方向内側に設けられ、前記対向部および前記旋回テーブルのいずれか一方から他方側に向かって立設した第1立設壁と、前記第1立設壁から前記シール体の径方向内側に離隔して設けられ、前記対向部および前記旋回テーブルのいずれか他方から一方側に向かって立設するとともに、一部が該第1立設壁に対して径方向に対向する第2立設壁と、を含んで構成されるとしてもよい。
また、前記シール体には、前記接触部から延在するスリットが前記旋回テーブルの回転方向に間隔を隔てて複数設けられているとしてもよい。
また、前記シール体には、前記旋回テーブルの回転方向に延在する中空孔が設けられているとしてもよい。
また、前記旋回テーブルおよび前記対向部のいずれか一方における、前記シール体の接触部に接触する箇所には、耐摩耗性を有する肉盛部が設けられているとしてもよい。
上記課題を解決するために、本発明の高炉は、上記シール機構を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、収容空間への高炉ガスの流入を抑制するとともに、下部トラフの全長を小さくすることが可能なシール機構となる。
高炉を説明する図である。 高炉におけるケーシングおよび旋回テーブル近傍の拡大図である。 下部シール機構の具体的な構成を説明する図である。 変形例の下部シール機構を説明する図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
図1は、高炉1を説明する図である。なお、図1中、水の流れを実線の矢印で示す。図1に示す高炉1は、金属原料である鉄鉱石を溶融して銑鉄を生成する高炉本体10と、この高炉本体10の鉛直上方に設置され、鉄鉱石、コークス等の燃料となる還元剤、不純物を除去する石灰石等(以下、鉄鉱石、還元剤、石灰石等の混合物を単に「原料」と称する)を、高炉本体10に対して、その炉頂から装入するベルレス式炉頂装入装置50とを備えて構成される。
ベルレス式炉頂装入装置50は、高炉本体10よりも鉛直上方に設置される2つのホッパーを備えた、所謂、パラレル式の炉頂装入装置で構成される。また、ベルレス式炉頂装入装置50は、ホッパーから装入された原料を、トラフ状の傾斜面上で滑らせながら下方に旋回、傾動させながら落下させる分配シュート52を、高炉本体10の炉頂内部に備えている。この分配シュート52は、一端側が高炉本体10の中心(以下、「炉内中心」と称する)C−Cに位置するとともに、他端側が、一端側よりも下方に位置するように設けられている。そして、ベルレス式炉頂装入装置50に設けられた炉頂分配シュート駆動装置100を駆動すると、分配シュート52は、旋回しながらその傾斜角度を変化させて、一端側を中心軸として回転する。これにより、高炉本体10内に装入された原料は、分配シュート52のトラフ状の傾斜面上を滑りながら落下するとともに、高炉本体10の炉内の円周方向に分配装入されることとなる。こうして、ベルレス式炉頂装入装置50から高炉本体10に原料が装入されると、高炉本体10内を降下する過程で、金属原料である鉄鉱石が溶融して銑鉄が生成される。以下、ベルレス式炉頂装入装置50を構成する炉頂分配シュート駆動装置100について詳述する。
炉頂分配シュート駆動装置100は、ケーシング110を備えている。ケーシング110は、円錐台の筒形状であり、ケーシング110の下部に設けられた下部フランジ112が、高炉本体10(高炉鉄皮)の上部に設けられたトップリング12に載置されるとともに、下部フランジ112およびトップリング12が締結部材(例えば、ボルトおよびナット)で固定されている。ケーシング110の上部には、天板114が設けられており、天板114の下面には、下方へ延在する内筒116が取り付けられている。また、天板114の下面における内筒116の外方には、炉内中心C−Cを回転軸として回転自在(旋回自在)な旋回テーブル120が取り付けられており、ケーシング110と旋回テーブル120との間に収容空間Sが形成されることとなる。
旋回テーブル120は、テーブル本体122と、上部トラフ124と、上部フランジ126とを含んで構成される。テーブル本体122は、円筒形状の小径部122bと、小径部122bの下方に設けられ小径部122bより大径の筒形状である大径部122cとを含んで構成され、内側に防熱ラギング122aが施されている。
小径部122bの上部には、小径部122bの外周全周に亘って延在する環状の上部トラフ124が設けられている。上部トラフ124には、給水パイプ130を通じて冷却水が供給され、上部トラフ124は、水面が形成される程度に冷却水を貯留可能となっている。
上部トラフ124の外周には、収容空間S側に突出した上部フランジ126が設けられている。上部フランジ126は、軸受118を介して天板114の下面に取り付けられており、旋回テーブル120が、炉内中心C−Cを回転軸として旋回自在となるように構成されている。また、収容空間Sには、旋回用ギヤ142および傾動用ギヤ144が設けられており、旋回テーブル120は、旋回・傾動駆動機構140、旋回用ギヤ142によって回転(旋回)されることとなる。なお、上記したように、旋回テーブル120には、分配シュート52が取り付けられており、分配シュート52は、旋回・傾動駆動機構140、旋回用ギヤ142によって旋回テーブル120とともに旋回することとなる。また、分配シュート52は、旋回・傾動駆動機構140、傾動用ギヤ144によって傾動される。
上記上部トラフ124に供給された冷却水は、重力(水頭)によって、水冷配管150を通じて、テーブル本体122の外側(収容空間S側)に設けられた水冷パネル152a〜152cに供給され、テーブル本体122は、水冷パネル152a〜152cによって冷却されることとなる。そして、水冷パネル152a〜152cを通過した冷却水は、ケーシング110の下部フランジ112の内周全周に亘って延在する環状の下部トラフ160で回収される。
下部トラフ160は、水面が形成される程度に冷却水を貯留可能となっており、下部トラフ160で回収された冷却水は、排水パイプ132を通じて、閉(クローズド)ループで循環使用される。具体的に説明すると、排水パイプ132を通じて排出された冷却水は、水封式のシールタンク134aを介して、導圧管134bによってケーシング110に接続された循環タンク134cに送出される。循環タンク134cは、内部に隔壁を備えており、隔壁によって冷却水中の汚泥が分離されて循環水が生成される。循環タンク134cによって生成された循環水は、循環ポンプ134dによってポンプアップされ、ストレーナ134eにおいて清浄化された後、熱交換器134fで冷却されて、ケーシング110の天板114に配された給水パイプ130に供給され、冷却水として繰り返し利用されることとなる。なお、循環タンク134cの下部に堆積した汚泥は、排水弁を介して定期的に系外にブローして排出される。また、循環タンク134cには、系外に排出した汚泥分、補給水ライン134gから水が補完され、循環タンク134c内の水位が一定に保たれることとなる。
また、ケーシング110とテーブル本体122との間には、下部トラフ160の上面を覆うトラフカバー162が設けられている。トラフカバー162は、ケーシング110の下部フランジ112から延在した固定カバー162a(図2参照)と、テーブル本体122の下端から固定カバー162aに向かって延在した下部トラフカバー162b(図2参照)とで構成され、旋回用ギヤ142や傾動用ギヤ144に使用されているグリースが下部トラフ160内へ流入してしまうことを防止して、下部トラフ160内の回収冷却水の水質汚染を回避している。
以上説明したように、炉頂分配シュート駆動装置100では、旋回・傾動駆動機構140によって旋回テーブル120が回転されることとなり、高炉本体10内に装入された原料は、旋回テーブル120に取り付けられた分配シュート52の傾斜面上を滑りながら落下するとともに、高炉本体10の円周方向に分配装入されることとなる。
また、上記したように、旋回テーブル120の外側に形成される収容空間Sには、旋回用ギヤ142、傾動用ギヤ144、水冷配管150、水冷パネル152等が配されている。このため、旋回テーブル120の内側に存在する高炉ガスが収容空間Sに流入すると、これらの機構や配管が、高炉ガスの熱や、高炉ガス中のダスト、高炉ガスの成分(CO)等によって損傷してしまうおそれがある。したがって、天板114とテーブル本体122の上部との間、および、テーブル本体122の下部と下部トラフ160との間をシールして、収容空間Sへの高炉ガスの流入を抑制する必要がある。このため、従来、天板114の下面から突出し、先端が上部トラフ124に貯留された水に浸漬される仕切板と、テーブル本体122(大径部122c)の下端から突出し、先端が下部トラフ160に貯留された水に浸漬される仕切板とを設けておき、テーブル本体122とケーシング110との間を水封でシールしていた。
しかし、高炉本体10の炉内圧力は変動するため、炉内圧力によっては、上部トラフ124および下部トラフ160内の水が水封切れしてケーシング110内の収容空間Sに押し出されて、収容空間Sへ水漏れが生じたり、高炉ガスが収容空間Sに流入したりするおそれがある。従来例の水封方式は理論的に漏風がない構造であるが、前述のように炉項圧力が変動すると、炉内ガスが、下部トラフ160内の水面下に没する仕切板を潜ってトラフの水封切れを起し、熱やダストがケーシング110内の収容空間Sに侵入して持ち込まれることになる。通常、炉内圧力は、原料の装入時に低下し、その後、元の炉頂圧に復帰するため、圧力の変動幅は、500mmHO(水柱)程度であるが、炉頂圧が急激に上昇して、1500mmHO(水柱)程度変動することもある。したがって、上部トラフ124および下部トラフ160の水の高さ(水封高さ)を、想定される炉内圧力の最大値よりも余裕をもって決定する必要があり(例えば、800mm〜1500mm程度)、下部トラフ160の高さが高くなって、炉内側に延伸しなければならないという構造上の課題がある。
また、水封でシールする場合、高炉ガスが常時水に接触することとなり、高炉ガス中のダストや、高炉ガスの成分(COガス)が水に溶解してしまう。そうすると、ダストやCOガスがイオン化して、上部トラフ124、下部トラフ160、水冷配管150等の配管、水冷パネル152が腐食し、水漏れトラブルが生じるおそれがある。さらに、循環タンク134cからダスト(汚泥)を系外に排出する頻度が高くなり、ランニングコストおよびメンテナンスコストがかかるという課題もある。
そこで、本実施形態の高炉1では、水封以外の手段で旋回テーブル120(テーブル本体122)とケーシング110との間をシールするシール機構200を備えている。以下、本実施形態の特徴であるシール機構200について詳述する。
図2は、高炉1におけるケーシング110および旋回テーブル120近傍の拡大図である。なお、図2中、水の流れを実線の矢印で、ガスの流れを破線の矢印で示す。図2に示すように、シール機構200は、上部ラビリンス機構210と、下部シール機構220と、窒素導入機構270とを含んで構成される。
上部ラビリンス機構210は、天板114の下面に設けられた環状のラビリンス溝212と、上部トラフ124を構成する内側板124aの上端、および、外側板124bの上端に形成された嵌合部214とを含んで構成される。嵌合部214は、鉛直断面が円形状であり、ラビリンス溝212に摺動自在に嵌合される。
上部ラビリンス機構210を備える構成により、テーブル本体122の内側の空間(以下、「炉内空間」と称する)Rから収容空間Sまでの間の経路を屈曲したラビリンス構造(隘路)とすることができる。これにより、炉内空間Rから収容空間Sへの高炉ガスの流入を抑制することが可能となる。
下部シール機構220は、テーブル本体122の下部に対向する下部トラフ160(対向部)とテーブル本体122の下部との間に形成される間隙をシールする。本実施形態において、下部シール機構220は、テーブル本体122の大径部122cの下端から収容空間Sに突出した突出部122dに設けられた環状のシール体230と、炉内空間Rからシール体230への高炉ガスの流通を制限する下部ラビリンス機構250(制限部)とを含んで構成される。
図3は、下部シール機構220の具体的な構成を説明する図であり、図3(a)は下部シール機構220の断面の概略図を示し、図3(b)は図3(a)のIIIb矢視図を示す。図3に示すように、シール体230は、可撓性を有する板部材で構成され、テーブル本体122(突出部122d)の外周全周に亘って設けられる。また、図3(a)に示すように、シール体230は、基端部が突出部122dに固定されるとともに、少なくとも一部が下部トラフ160の天板164の上面に押しつけられて接地される。以下、シール体230における天板164と接触する部分を接触部232と称する。
このように、可撓性を有するシール体230を下部トラフ160の天板164の上面に押しつけるだけといった簡易な構成で、炉内空間Rから収容空間Sへの高炉ガスの流入を抑制することができる。
また、本実施形態において、シール体230の基端部は、ボルト244aおよびナット244bによって、突出部122dに固定された支持フレーム240と、押さえ板242との間に挟持されている。具体的に説明すると、支持フレーム240は、突出部122dに固定され、突出部122dから収容空間Sに向かって水平方向に延在する基部240aと、基部240aの先端から鉛直上下方向に延在した挟持部240bとを含んで構成される。また、シール体230の基端部には、切欠き230aが設けられており、切欠き230aにボルト244aが挿通され、ボルト244aおよびナット244bによって、シール体230が鉛直方向に延在するように、挟持部240bおよび押さえ板242に挟持されることとなる。シール体230を、支持フレーム240、押さえ板242、ボルト244aおよびナット244bで突出部122dに固定する構成により、高炉1の休風時にケーシング110の点検口(不図示)を開放して、押さえ板242とボルト244aおよびナット244bとを着脱するだけで、シール体230を交換することができ、シール体230のメンテナンスを容易に行うことが可能となる。
シール体230は、比較的低温の収容空間Sの雰囲気に接しているため、例えば、耐熱温度が150℃程度の汎用の合成ゴム(NBR:ニトリルゴム、CR:クロロプレンゴム、EDPM:エチレン・プロピレンゴム)で構成されてもよい。このような、汎用の合成ゴムは、耐摩耗性および耐屈曲亀裂性に優れており、好適である。さらに、シール体230として、ゴム硬度が50°程度であり、耐熱温度が280℃程度であるシリコンラバー(SI)を採用してもよい。また、シール体230の厚みは、10mm以下(例えば、5〜8mm程度)がよく、これにより、可撓性(柔軟性)を保ちつつ、天板164へ確実に接地させることができる。
また、シール体230には、接触部232から延在するスリット234が複数設けられている。複数のスリット234は、旋回テーブル120の回転方向に間隔(例えば、150mm〜200mm程度)を隔てて設けられている。
スリット234を備える構成により、旋回テーブル120が熱変形して波打ち状になって、旋回テーブル120と天板164との間の間隙の大きさが変化したとしても、旋回テーブル120の回転方向の摺動抵抗を大幅に低減することができる。また、シール体230は、スリット234間ごとに柔軟に追従して変形することができるため、旋回テーブル120が熱変形したりシール体230の接触部232が熱変形したりしても、接触部232による天板164への接地(追従)を維持することが可能となる。
また、スリット234の基端には、ストップホール236が設けられている。ストップホール236を備える構成により、スリット234の炸裂拡大を防止することができる。なお、本実施形態では、支持フレーム240の挟持部240bがストップホール236を塞ぐように構成されている。これにより、ストップホール236を通じた高炉ガスの収容空間Sへの流入を防止することが可能となる。
下部ラビリンス機構250は、仕切板252(第1立設壁)と、ラビリンスプレート254(第2立設壁)とを含んで構成され、仕切板252とラビリンスプレート254との間に隘路が形成されることで、炉内空間Rからシール体230への高炉ガスの流通を制限する。仕切板252は、シール体230の径方向内側に設けられた、基部240aから鉛直下方に(天板164に向かって)立設した板部材であり、先端が天板164と離隔して配される。ラビリンスプレート254は、仕切板252からシール体230の径方向内側に離隔して設けられた、天板164から鉛直上方に(基部240aに向かって)立設した板部材であり、先端が基部240aと離隔して配されるとともに、一部が仕切板252に対して径方向に対向している。つまり、仕切板252およびラビリンスプレート254は、旋回テーブルの回転方向に延在した環状の板部材である。また、ラビリンスプレート254の先端には、炉内空間R側に突出した折り返し部254aが設けられている。
仕切板252およびラビリンスプレート254で構成される下部ラビリンス機構250を備える構成により、炉内空間Rから収容空間Sまでの間の経路を屈曲したラビリンス構造(隘路)とすることができる。これにより、炉内空間Rからシール体230への高炉ガスの流入を抑制することが可能となる。したがって、高炉ガス中のダストが、シール体230の接触部232と天板164との間に介在する事態を抑制することができ、ダストによるシール体230の摩耗を低減することが可能となる。また、高炉ガスの輻射熱が直接シール体230に伝達される事態を回避することができ、シール体230の熱変形を抑制することが可能となる。
なお、仕切板252およびラビリンスプレート254は、旋回テーブル120が熱変形した場合であっても、接触しないように(旋回テーブル120の旋回に支障を来さないように)、5〜10mm程度の間隙をあけて設けるとよい。
また、天板164におけるシール体230とラビリンスプレート254との間には、ラビリンスプレート254側に向かって深くなる溝164aが設けられている。溝164aを備える構成により、下部ラビリンス機構250を介して流入したダストを溝164aで貯留することができ、ダストがシール体230に接触する事態をさらに抑制することが可能となる。
また、天板164におけるシール体230の接触部232に接触する箇所には、耐摩耗性を有する肉盛部260が設けられている。肉盛部260は、例えば、天板164に硬化肉盛(ステライト盛金)した後、平坦加工されて形成される。肉盛部260を備える構成により、シール体230の摩耗を抑制することができ、シール体230のメンテナンス頻度を低減することが可能となる。
図2に戻って説明すると、窒素導入機構270は、ケーシング110のタンゼンシャル方向(接線方向)に複数個所(例えば、2個所)設けられたノズル272と、収容空間Sの雰囲気の温度(例えば、80℃以下程度に保持されているか)を監視する複数個の測温抵抗体(温度計)274とを含んで構成される。窒素導入機構270は、収容空間S内の圧力が炉内空間Rの圧力より高くなるように(例えば、炉内圧力+0.5kg/cmG)、不図示の窒素供給源からノズル272を介して、ケーシング110内に窒素(不活性ガス)を吹き込む。例えば、窒素導入機構270は、常時300〜800Nm/Hr程度の流速で窒素を吹き込む。かかる構成により、収容空間Sの内部雰囲気を冷却することができ、収容空間Sに収容されている旋回用ギヤ142、傾動用ギヤ144を冷却することが可能となる。また、収容空間Sを炉内圧力(炉内空間Rの圧力)より大きくすることにより、上部ラビリンス機構210やシール体230のスリット234からの高炉ガスの収容空間Sへの流入を抑制することが可能となる。
以上説明したように、本実施形態にかかるシール機構200によれば、シール体230を下部トラフ160の天板164の上面に押しつけるだけといった簡易な構成で、炉内空間Rから収容空間Sへの高炉ガスの流入を抑制することができる。これにより、収容空間Sに収容された旋回用ギヤ142、傾動用ギヤ144、水冷配管150、水冷パネル152等の劣化を抑制することが可能となる。
また、シール体230は、従来例の水封方式を利用せずに、下部トラフ160と旋回テーブル120との間をシールする。したがって、下部トラフ160に貯留された冷却水に高炉ガスが常時接触する事態を回避できるため、ダストや、COガスの冷却水への溶解を抑制することができ、上部トラフ124、下部トラフ160、水冷配管150等の配管、水冷パネル152等の腐食を低減することが可能となる。また、下部トラフ160へのダストの混入を抑制できることから、循環タンク134cからダスト(汚泥)を系外に排出する頻度を低減することができ、補給水ライン134gからの補完水量が減って、ランニングコストおよびメンテナンスコストを削減することが可能となる。
(変形例)
図4は、変形例にかかる下部シール機構320を説明する図であり、図4(a)は、下部シール機構320の断面の概略図を示し、図4(b)は図4(a)のIVb矢視図を示し、図4(c)はシール体330の斜視図を示す。図4に示すように、変形例にかかる下部シール機構320は、突出部122dに設けられ、旋回テーブル120の回転方向全周に亘って延在した環状のシール体330と、下部ラビリンス機構250(制限部)とを含んで構成される。なお、上記実施形態で説明した下部シール機構220の構成要素と等しい構成については、実質的に機能が等しいので説明を省略し、ここでは、構成が相違するシール体330を主に説明する。
変形例において特徴的なシール体330は、旋回テーブル120の回転方向に延在する中空孔334を備える。
中空孔334を備える構成により、中空孔334を構成するシール体330の領域を容易に変形させることができるため、中空孔334を備えない構成と比較して、シール体330の上下左右の変形量を大きくすることが可能となる。したがって、旋回テーブル120が熱変形したりシール体330の接触部232が熱変形したりしても、接触部232による天板164への接地(追従)をさらに確実に維持することができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施形態では、シール体230が鉛直方向に延在する構成を例に挙げて説明した。しかし、シール体230は、旋回テーブル120と、旋回テーブル120の一部に対向する対向部との間をシールすることができれば、シール体230の延在方向に限定はなく、例えば、水平方向に延在していてもよい。
また、上記実施形態において、シール体230が旋回テーブル120に固定される構成を例に挙げて説明した。しかし、シール体230は、下部トラフ160等の旋回テーブル120の少なくとも一部と対向する対向部に固定されていてもよい。
また、上記実施形態において、シール体230が下部トラフ160の天板164に接触する構成を例に挙げて説明した。しかし、シール体230は、下部トラフ160以外の高炉本体10に固定される部材、例えば、ケーシング110に接触してもよいし、高炉本体10に接触してもよい。
また、上記実施形態において、制限部として下部ラビリンス機構250を例に挙げて説明した。しかし、高炉本体10からシール体230への高炉ガスの流通を制限することができれば、制限部の構成に限定はない。
また、上記実施形態において、天板164に溝164aが形成される構成を例に挙げて説明したが、溝164aは、必須の構成ではない。
また、上記実施形態において、挟持部240bがストップホール236を塞ぐ構成について説明した。しかし、ストップホール236を塞がずとも、窒素導入機構270による窒素の導入量を上昇させる等することで、炉内空間Rから収容空間Sへの高炉ガスの流入を防止することができる。
また、上記実施形態において、天板164の上面に肉盛部260が設けられる構成を例に挙げて説明した。しかし、肉盛部260は必須の構成ではない。例えば、天板164自体が耐摩耗性を有する材質で構成されていてもよい。
また、上記実施形態では、旋回テーブル120の下部と比較して高炉本体10からの距離が遠く、高炉ガスの熱の影響や、高炉ガスの流入が少ないため、旋回テーブル120の上部と天板114との間の間隙を上部ラビリンス機構210でシールする構成を例に挙げて説明した。しかし、旋回テーブル120の上部と天板114との間の間隙をシール体230でシールしてもよい。
また、上記実施形態において、テーブル本体122が水冷パネル152a〜152cによって水冷される所謂水冷パネル方式である構成を例に挙げて説明した。しかし、テーブル本体122の冷却方法に限定はなく、清浄高炉ガスを導入することでテーブル本体122を冷却する所謂ガス冷却方式であってもよい。
本発明は、高炉本体の炉頂から回転自在に原料を装入する旋回テーブルと、旋回テーブルの一部に対向する対向部との間に形成される間隙をシールするシール機構、および、これを備えた高炉に利用することができる。
1 高炉
10 高炉本体
120 旋回テーブル
160 下部トラフ(対向部)
200 シール機構
230 シール体
232 接触部
234 スリット
250 下部ラビリンス機構(制限部)
252 仕切板(第1立設壁)
254 ラビリンスプレート(第2立設壁)
260 肉盛部
330 シール体
334 中空孔

Claims (7)

  1. 高炉本体の炉頂から回転自在に原料を装入する旋回テーブルと、該旋回テーブルの一部に対向する対向部との間に形成される間隙をシールするシール機構であって、
    前記旋回テーブルおよび前記対向部のいずれか一方には、環状のシール体が固定され、該シール体には、該旋回テーブルの回転方向に延在し、該旋回テーブルおよび該対向部のいずれか他方に接触する接触部が設けられていることを特徴とするシール機構。
  2. 前記高炉本体内から前記シール体への高炉ガスの流通を制限する制限部をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載のシール機構。
  3. 前記制限部は、
    前記シール体の径方向内側に設けられ、前記対向部および前記旋回テーブルのいずれか一方から他方側に向かって立設した第1立設壁と、
    前記第1立設壁から前記シール体の径方向内側に離隔して設けられ、前記対向部および前記旋回テーブルのいずれか他方から一方側に向かって立設するとともに、一部が該第1立設壁に対して径方向に対向する第2立設壁と、
    を含んで構成されることを特徴とする請求項2に記載のシール機構。
  4. 前記シール体には、
    前記接触部から延在するスリットが前記旋回テーブルの回転方向に間隔を隔てて複数設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のシール機構。
  5. 前記シール体には、前記旋回テーブルの回転方向に延在する中空孔が設けられていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のシール機構。
  6. 前記旋回テーブルおよび前記対向部のいずれか一方における、前記シール体の接触部に接触する箇所には、耐摩耗性を有する肉盛部が設けられていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のシール機構。
  7. 前記請求項1から6に記載のシール機構を備えたことを特徴とする高炉。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US11926270B2 (en) 2018-08-10 2024-03-12 Denso Corporation Display control device, rewrite progress display control method and computer program product

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