JP2023006566A - 光学物品用硬化性組成物 - Google Patents

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Toshimitsu Hiraren
伸昌 桑嶋
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Abstract

【課題】 高品質な光学物品を製造可能な光学物品用硬化性組成物を提供する。具体的には、白濁の少ないアリルカーボネート系の光学物品を製造可能な光学物品用硬化性組成物を提供する。【解決手段】 (A1)群青、(A2)紺青、および(A3)コバルト青からなる群より選ばれる少なくとも2種類以上の無機顔料および(B-1)アリル基を有する重合性単量体を少なくとも含む(B)重合性単量体成分を含有してなる、(C)光学物品用硬化性組成物を提供する。【選択図】 なし

Description

本発明は、無機顔料を含む新規な光学物品用硬化性組成物に関する。
プラスチックは、様々な分野で使用されている。光学物品で使用されているプラスチックは、重合性単量体を含む硬化性組成物を硬化させて製造されているものが多い。例えば、プラスチックレンズは、所望の形状を有する型に硬化性組成物を注入した後、前記硬化性組成物を硬化させて得られている。
このようなプラスチックレンズの中でも、光学物品用途の一つである眼鏡レンズのような光学レンズは、その用途に応じて各種様々な添加剤が配合されている。例えば、色調を調整するために、青色の顔料、例えば、群青(ウルトラマリン)等が配合される場合がある。
プラスチック眼鏡レンズ用途において、重合性単量体は、その用途、例えば、屈折率等に応じて様々な重合性単量体が使用されている。例えば、アリル基を有する前記重合性単量体は、最も汎用的な重合性単量体である。中でも、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート系モノマー、及びジアリルフタレート系モノマーは、最も汎用な重合性単量体であり、非常に多くの量が使用されている。
眼鏡レンズに使用されている重合性単量体、例えば、アリル基を有する重合性単量体は、優れた性能の眼鏡レンズとするために、様々な基が組み合わされている。具体的には、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート系モノマー、及びジアリルフタレート系モノマーは、分子内2つのアリル基を有し、その他、グリコール鎖、フタレート基が導入されている。
このようなアリル基を有する重合性単量体は、得られる眼鏡レンズが所望の色調となるように、前記重合性単量体を含む硬化性組成物に、特定の重合開始剤、特定の紫外線吸収剤、その他添加剤等を配合して使用される場合がある(例えば、特許文献1~3参照)。また、所望の物性を有する光学物品を製造しようとする場合には、その他の重合性単量体と混合して使用される場合もある。
国際公開WO2002/034447号 特開2004-051851号公報 国際公開WO2005/079166号
前記特許文献1、および2においては、無機系の青色顔料、およびキナクリドン系有機顔料である赤色顔料を組み合わせて、色調の調整を行っている。この方法によれば、優れた色調の光学物品を得ることができる。
しかしながら、使用している顔料の一方が有機顔料であるため、熱重合時に使用する有機過酸化物により劣化が生じ易いため、用途に応じては、特許文献1、および2に記載の方法では改善の余地があった。
一方、特許文献3には、アリル基を含む重合性単量体成分の不純物の調整、使用する重合開始剤の選定等を行うことにより、一種類の無機系顔料で色調を調整している。
しかしながら、この特許文献3に記載の方法であっても、本発明者等の検討によれば以下の点で改善の余地があることが分かった。本発明者等の検討によれば、該特許文献3の顔料溶液の調整方法においては、しばしば、溶液が白濁する場合があった。特に、該顔料溶液にさらに重合性単量体を加えて得られるレンズ用モノマーにおいて、白濁が見られた。この白濁が見られたレンズ用モノマーを硬化して眼鏡レンズとした場合には、レンズ自体に白濁が確認される場合があった。このように、特許文献3に記載の方法においては、高品質のレンズを製造するという点で改善の余地があった。
したがって、本発明の目的は、光学物品を製造するに際し、高品質なレンズが得られる光学物品用硬化性組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた。そして、複数種類の無機顔料により色調を調整することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、第一の本発明は、
(A1)群青、(A2)紺青、(A3)コバルト青、および(A4)ベンガラからなる群より選ばれる少なくとも2種類の無機顔料、および
(B1)アリル基を有する重合性単量体を少なくとも含む(B)重合性単量体成分
を含有してなる、(C)光学物品用硬化性組成物である。
本発明の方法によれば、高品質な光学物品を得ることができる。
本発明は、(A1)群青、(A2)紺青、および(A3)コバルト青からなる群より選ばれる少なくとも2種類の無機顔料、および
(B1)アリル基を有する重合性単量体を少なくとも含む(B)重合性単量体成分
を含有してなる、(C)光学物品用硬化性組成物である。
本発明が優れた効果を発揮する理由は明らかではないが、本発明者等は、以下のように推定している。特許文献3において、レンズの品質に「ばらつき」がある原因を調査したところ、色の濃さと、顔料の粒子径とのバランスが起因しているのではないかと推定された。
つまり、含まれる無機顔料の粒子径を小さくしたところ、傾向として、白濁の少ないレンズは得られるが、少し黄色味を帯びたレンズが得られるようになった。一方で、無機顔料の粒子径を大きくしたものは、傾向として、黄色味の少ないレンズが得られるが、白濁したレンズが増える傾向にあった。
このことから、本発明者等は、無機顔料の粒子径を小さくし過ぎると、白濁がなくなり硬化性組成物自体の透明性を高くできるが、無機顔料の色の濃さが薄くなり、重合硬化後のブルーイング効果が低減するのではないかと考えた。そして、このような原因は、1種類の無機顔料を使用しているため、その粒子径と色の濃さとの調整ができないことに起因していると考えた。そこで、本発明においては、(A1)群青、(A2)紺青、および(A3)コバルト青からなる群より選ばれる少なくとも2種類の無機顔料を含むことにより、上記問題が解決され、高品質なレンズ(光学物品)が得られるものと考えられる。以下、順を追って説明する。
なお、本明細書においては特に断らない限り、数値x及びyを用いた「x~y」という表記は「x以上y以下」を意味するものとする。かかる表記において数値yのみに単位を付した場合には、当該単位が数値xにも適用されるものとする。
<複数種類の無機顔料/(A)顔料組成物>
本発明においては、(A1)群青、(A2)紺青、および(A3)コバルト青からなる群より選ばれる少なくとも2種類の無機顔料を含まなければならない。なお、2種類以上の無機顔料を含む組成物の説明をする場合には、(A)顔料組成物とする場合もある。光学物品の目的とする用途にもよるが、含まれる無機顔料は、2種類であっても、3種類であっても、又はその他の無機顔料を含むこともできる。ただし、調合等を簡潔にするためには、2種類であることが好ましい。
(A1)群青
(A1)群青は、耐光性、耐熱性に優れた無機顔料であり、本発明において好適に使用できる。(A1)群青は、硫黄を含むアルミノシリケート錯体の微粒子である。完全に明らかとはなっていないが、具体的な構造は、青色の無機顔料としては、Na(8~9)AlSi24(2~4)が挙げられる。前記(A1)群青は、天然品、および合成品の何れも使用可能である。また、前記(A1)群青は、市販のものを使用することができる。
前記(A1)群青は、ソーダライトゲージに入った硫黄化合物が発色団となっている。本発明で使用する(A1)群青は、発色団がS である青色、S の他にS を含む紫色・赤色、S の他にS を含む黄色・緑色の何れの色調のものであってもよい。中でも、最終的に得られる光学物品を眼鏡レンズとして使用する場合には、赤紫色、青紫色の色調を有するものを使用することができる。
その中でも、(A1)群青の構成元素であるナトリウム(Na)、アルミニウム(Al)、ケイ素(Si)、及び硫黄(S)の合計を100質量%とした時に、それぞれの構成比率がNa 15.0~45.0質量%、Al 15.0~35.0質量%、Si 20.0~40.0質量%、及びS 5.0~25.0質量%であることが好ましく、Na 18.0~30.0質量%、Al 20.0~30.0質量%、Si 30.0~40.0質量%、及びS 10.0~20.0質量%であることがより好ましい。なお、上記構成元素の比率は、公知の分析方法を何ら制限なく使用することが出来るが、例えば蛍光X分析などにより評価することが出来る。
(A1)群青は、表面処理が施されていてもよい。具体的には、表面処理したものであってもよいし、有機物質で表面処理したものであってもよい。無機物質で表面処理した(A1)群青としては、特開昭和54-95632号公報、特公昭60-9723号公報に記載の方法のものが挙げられる。有機物質で表面処理した(A1)群青としては、例えば、特開昭48-80125号公報に記載の方法で得られるものが挙げられる。また、特に制限されるものではないが、(A1)群青において、無機物質、および有機物質(併せて表面処理剤とする場合もある)の使用量は、(A1)群青100質量部に対して、1~40質量部であることが好ましく、さらに2~20質量部であることが好ましい。
なお、(A1)群青は、その組成、表面処理に方法によってその性質が異なるが、本発明においては、群青に該当するものは、1種類の無機顔料の使用と考える。つまり、例えば、青色の色調の群青と紫色・赤色の色調の群青とを使用した場合であっても、無機顔料としては、(A1)群青を1種類使用したと考える。そのため、性質が異なる群青を併用して使用した場合、それらの合計量を(A1)群青の基準となる量と見なす。(A1)群青を使用する場合には、(A2)紺青、又は(A3)コバルト青の少なくとも1種類を使用することになるが、色調の調整という点で、紫色・赤色の色調が強い群青を使用することが好ましい。つまり、(A2)紺青、又は(A3)コバルト青は、青色が強いため、色調調整時には、紫色・赤色(赤みが強い)の群青を使用することが好ましい。
前記(A1)群青は、特に制限されるものではないが、体積平均粒子径(D50)が10~500nmであるものを使用することが好ましい。なお、D50は当然のことであるが、粒子径分布曲線下において、低粒子径から積算した体積が全体の50%に当たる粒子径の値を指す。体積平均粒子径(D50)が10~500nmであることにより、硬化性組成物中の分散状態を向上することができ、最終的に得られる光学物品中の分散状態を良好にすることができる。より分散状態をよいものとするためには、体積平均粒子径(D50)は、20~400nmとすることが好ましい。
さらに、より一層、分散状態を向上させるためには、比較的大きな粒子を含まないことが好ましい。具体的には、D90(粒子径分布曲線下において、低粒子径から積算した体積が全体の90%に当たる粒子径の値)が3000nm以下であることが好ましい。より好ましくは、体積平均粒子径(50)が10~500nmであり、D90が200nm~3000nmであり、さらに好ましくは、D50が20~400nmであり、D90が300~2500nmであるものを使用することである。前記粒子径を満足する(A1)群青は、市販のもの、または市販のものを公知の粉砕方法により粉砕、及び分散したものを使用することができる。
なお、当然のことであるが、性質の異なる群青の混合物を使用する場合には、混合物である(A1)群青が前記の粒子形状を満足することが好ましい。また、(A1)群青の前記粒子径は、特に下記に詳述する第1分散体中で測定することが好ましい。
(A2)紺青
(A2)紺青は、耐光性、耐熱性に優れた無機顔料であり、本発明において好適に使用できる。
本発明において使用される(A2)紺青は、フェロシアン化第二鉄を主成分とする青色顔料であり、その化学式は、M1/nFe[Fe(CN)6]で示される。ただし、化学式中のMは、K、NH4、Na、Feのいずれかであり、nはMの価数を表わす。(A2)紺青は、工業的に量産され、極めて微粒子状の顔料であり、その用途としてインキ、絵の具、化粧品などに広く使用され、その分解温度以下で使用する限りにおいては、安全性の高い化合物である。その結晶構造として立方晶形を有し、格子内に一価の陽イオン、特にセシウムを選択的に取り込みやすい化合物である。また、前記(A2)紺青は、市販のものを使用することができる。
その中でも、(A2)紺青の構成元素であるナトリウム(Na)、カリウム(K)、鉄(Fe)の合計を100質量%とした時に、鉄(Fe)の構成比率が85.0~98.0質量%であることが好ましく、90.0~95.0質量%であることがより好ましい。なお、上記構成元素の比率は、公知の分析方法を何ら制限なく使用することが出来るが、例えば蛍光X分析などにより評価することが出来る。
(A2)紺青は、表面処理が施されていてもよい。表面処理については、(A1)群青で説明したのと同様の方法が使用できる。また、(A2)紺青においても、性質が異なる複数の紺青を使用する場合には、その定義は、前記群青と同じである。
前記(A2)紺青は、特に制限されるものではないが、特に制限されるものではないが、体積平均粒子径(D50)が10~500nmであるものを使用することが好ましい。体積平均粒子径(D50)が10~500nmであることにより、硬化性組成物中の分散状態を向上することができ、最終的に得られる光学物品中の分散状態を良好にすることができる。より分散状態をよいものとするためには、体積平均粒子径(D50)は、20~400nmとすることが好ましい。
さらに、より一層、分散状態を向上させるためには、比較的大きな粒子を含まないことが好ましい。具体的には、D90が3000nm以下であることが好ましい。より好ましくは、体積平均粒子径(50)が10~500nmであり、D90が200nm~3000nmであり、さらに好ましくは、D50が20~400nmであり、D90が300~2500nmであるものを使用することである。前記粒子径を満足する(A2)紺青は、市販のもの、または市販のものを公知の粉砕方法により粉砕、及び分散したものを使用することができる。また、(A2)紺青の前記粒子径は、特に下記に詳述する第2分散体中で測定することが好ましい。
(A3)コバルト青
(A3)コバルト青は、耐光性、耐熱性に優れた無機顔料であり、本発明において好適に使用できる。
本発明において使用される(A3)コバルト青は、アルミニウムの酸化物であり、必要に応じてクロムやマグネシウム等の金属の金属酸化物も含み得るものであるが、一般的にはCoAl(アルミン酸コバルト)、あるいはCoO・Al(酸化コバルトと酸化アルミニウムのスピネル)で示される。(A3)コバルト青は、水酸化コバルトと水酸化アルミニウムを共沈させる方法、酸化コバルトと水酸化アルミニウムを混合し焼成する方法、更には水酸化アルミニウムとリン酸コバルトを混合し焼成する方法などにより製造される。また、本発明の(A3)コバルト青は、比較的鮮やかな青を呈し、コバルトの割合が高いほど濃い色を示し、アルミニウムの割合が高いほど淡い顔料となる。また、前記(A3)コバルト青は、市販のものを使用することができる。
その中でも、(A3)紺青の構成元素であるアルミニウム(Al)、コバルト(Co)の合計を100質量%とした時に、それぞれの構成比率がAl 55.0~80.0質量%、Co 20.0~45.0質量%であることが好ましく、Al 60.0~75.0質量%、Co 25.0~40.0質量%であることがより好ましい。なお、上記構成元素の比率は、公知の分析方法を何ら制限なく使用することが出来るが、例えば蛍光X分析などにより評価することが出来る。
(A3)コバルト青は、表面処理が施されていてもよい。表面処理については、(A1)群青で説明したのと同様の方法が使用できる。また、(A3)コバルト青においても、性質が異なる複数のコバルト青を使用する場合には、その定義は、前記群青と同じである。
前記(A3)コバルト青は、特に制限されるものではないが、特に制限されるものではないが、特に制限されるものではないが、体積平均粒子径(D50)が10~500nmであるものを使用することが好ましい。体積平均粒子径(D50)が10~500nmであることにより、硬化性組成物中の分散状態を向上することができ、最終的に得られる光学物品中の分散状態を良好にすることができる。より分散状態をよいものとするためには、体積平均粒子径(D50)は、20~400nmとすることが好ましい。
さらに、より一層、分散状態を向上させるためには、比較的大きな粒子を含まないことが好ましい。具体的には、D90が3000nm以下であることが好ましい。より好ましくは、体積平均粒子径(50)が10~500nmであり、D90が200nm~3000nmであり、さらに好ましくは、D50が20~400nmであり、D90が300~2500nmであるものを使用することである。前記粒子径を満足する(A3)コバルト青は、市販のもの、または市販のものを公知の粉砕方法により粉砕、及び分散したものを使用することができる。また、(A3)コバルト青の前記粒子径は、特に下記に詳述する第3分散体中で測定することが好ましい。
<その他の無機顔料>
本発明においては、(A1)群青、(A2)紺青、および(A3)コバルト青の少なくとも2種類の無機顔料を(C)光学物品用硬化性組成物は含有すればよい。2類以上の無機顔料を使用すればよいが、本発明の(C)光学物品用硬化性組成物には、(A1)群青、(A2)紺青、および(A3)コバルト青以外のその他の無機顔料を配合することもできる。具体的には、色調調整に赤みを帯びた無機顔料をさらに配合することもできる。具体的には、(A4)ベンガラを配合することもできる。以上の(A1)群青、(A2)紺青、および(A3)コバルト青だけでは、青みが強いため、必要に応じて、(A4)ベンガラを配合することもできる。ただし、この(A4)ベンガラは、任意の成分であり、必須のものではない。
(A4)ベンガラは、耐光性、耐熱性に優れた無機顔料であり、好適に使用できる。(A4)ベンガラは、酸化第二鉄を主成分とする赤色顔料であり、その化学式は、Feで示される。(A4)ベンガラは、黒色酸化鉄、または黄色酸化鉄の熱分解、第二鉄塩水溶液にアルカリを加える方法、または硫酸鉄(II)七水和物から製造される方法等により製造される。また、前記(A4)ベンガラは、市販のものを使用することができる。
(A4)ベンガラは、表面処理が施されていてもよい。表面処理については、(A1)群青で説明したのと同様の方法が使用できる。また、(A4)ベンガラにおいても、性質が異なる複数のベンガラを使用する場合には、その定義は、前記群青と同じである。
前記(A4)ベンガラは、特に制限されるものではないが、特に制限されるものではないが、特に制限されるものではないが、特に制限されるものではないが、体積平均粒子径(D50)が10~500nmであるものを使用することが好ましい。体積平均粒子径(D50)が10~500nmであることにより、硬化性組成物中の分散状態を向上することができ、最終的に得られる光学物品中の分散状態を良好にすることができる。より分散状態をよいものとするためには、体積平均粒子径(D50)は、20~400nmとすることが好ましい。
さらに、より一層、分散状態を向上させるためには、比較的大きな粒子を含まないことが好ましい。具体的には、D90が3000nm以下であることが好ましい。より好ましくは、体積平均粒子径(50)が10~500nmであり、D90が200nm~3000nmであり、さらに好ましくは、D50が20~400nmであり、D90が300~2500nmであるものを使用することである。前記粒子径を満足する(A4)ベンガラは、市販のもの、または市販のものを公知の粉砕方法により粉砕、及び分散したものを使用することができる。また、(A4)ベンガラの前記粒子径は、(B1)アリル基を有する重合性単量体を少なくとも含む(B)重合性単量体成分100質量部に対して、(A4)ベンガラを、0.1質量部以上10質量部以下含む分散体中で測定することが好ましい。つまり、(A4)ベンガラを配合する場合も、前記(A1)群青、(A2)紺青、および(A3)コバルト青と同じような粒子径が分散した分散体として使用することが好ましい。
<複数の無機顔料;好適な組み合わせ(好適な(A)顔料組成物)>
本発明においては、2種類上の無機顔料を含めば、その配合量は、特に制限されるものではないが、高品質なレンズを得るためには、以下の配合割合とすることが好ましい。
具体的には、2種類以上の無機顔料を含む顔料組成物において、最も配合量が多くなるものを100質量部としたとき、その他の顔料の合計量が10~95質量部となることが好ましく、20~90質量部となることがより好ましく、25~80質量部とすることがさらに好ましい。
中でも、主成分とするのは、(A1)群青であることが好ましい。その中でも、赤みの強い(A1)群青を使用することが好ましい。また、(A1)群青を必須成分としたときには、(A2)紺青、又は(A3)コバルト青の少なくとも一方を必須成分とするが、この顔料組成物は青みが強くなる。その結果、(A1)群青のみを使用する場合よりも、(A1)群青と、(A2)紺青又は(A3)コバルト青の少なくとも1方とを含む顔料組成物を使用する場合には、無機顔料(顔料組成物)そのもの配合量を低減できる。
また、2種類以上の無機顔料を含む顔料組成物は、下記の詳述する(B)重合性単量体成分100質量部に対して、顔料組成物0.05質量部(含有される無機顔料の合計量0.05質量部)を混合した際に、得られた混合物の赤みを示すaの値が2~15、青みを示すbの値が-20~-5を満足することが好ましい。そのため、各無機顔料は、この値を満足するように配合することが特に好ましい。
<無機顔料の好適な平均粒子径(複数の無機顔料が含まれる場合の分散状態)>
本発明においては、使用する各無機顔料の好ましい体積平均粒径は、前記の通りである。そして、2種類以上の無機顔料が混合された顔料組成物においても、以下の範囲となることが好ましい。なお、この(A)顔料組成物の体積平均粒径は、(B)重合性単量体成分中に分散された状態で測定した値が、下記の範囲を満足することが好ましい。この(A)顔料組成物の粒子径は、複数種類の無機顔料が存在する状態で測定した値を指す。そのため、(C)光学物品用硬化性組成物中で測定されるか、下記に詳述する(A)顔料組成物の分散体中で測定される値が下記範囲を満足することが好ましい。
顔料組成物(2種類以上の無機顔料を含む状態)の体積平均粒子径(D50)が10~500nmであるものを使用することが好ましい。体積平均粒子径(D50)が10~500nmであることにより、硬化性組成物中の分散状態を向上することができ、最終的に得られる光学物品中の分散状態を良好にすることができる。より分散状態をよいものとするためには、体積平均粒子径(D50)は、20~400nmとすることが好ましい。
さらに、より一層、分散状態を向上させるためには、比較的大きな粒子を含まないことが好ましい。具体的には、D90(粒子径分布曲線下において、低粒子径から積算した体積が全体の90%に当たる粒子径の値)が3000nm以下であることが好ましい。より好ましくは、体積平均粒子径(50)が10~500nmであり、D90が200nm~3000nmであり、さらに好ましくは、D50が20~400nmであり、D90が300~2500nmであるものを使用することである。
<無機顔料の分散体((A)顔料組成物の分散体)の準備方法、および利用方法>
本発明においては、無機顔料を高濃度で含む分散体を準備して、その分散体を用いて(C)光学物品用硬化性組成物を製造することが好ましい。
この分散体は、以下のような方法で準備することができる。先ず、2種類以上の無機顔料((A)顔料組成物)、および(B)重合性単量体成分を混合し、(A)顔料組成物の濃度が高い分散体を準備する。(A)顔料組成物を含む分散体を公知の混合(分散)機で混合(分散)することにより、(A)顔料組成物の平均粒子径を調整することができる。混合機(分散機)としては、ボールミル、ビースミル等が挙げられる。この時、(B)重合性単量体成分100質量部に対して、(A)顔料組成物を0.1質量部以上10質量部以下(2種類以上の無機顔料の合計量を0.1質量部以上10質量部以下)含む分散体を準備することが好ましい。そして、この(A)顔料組成物を含む分散体に、さらに(B)重合性単量体成分を必要に応じて配合することにより、(C)光学物品用硬化性組成物とすることができる。ただし、用途によっては、この(A)顔料組成物が分散した分散体を(C)光学物品用硬化性組成物として使用することもできる。
その他、それぞれ1種類の無機顔料が(B)重合性単量体成分に分散した分散体を製造し、得られた分散体同士を混合することにより、2種類以上の無機顔料を含む(A)顔料組成物が分散した分散体を準備することもできる。この(A)顔料組成物が分散した分散体と、必要に応じて(B)重合性単量体成分とを混合することにより、(C)光学物品用硬化性組成物とすることができる。ただし、用途によっては、前記方法で準備した(A)顔料組成物が分散した分散体を(C)光学物品用硬化性組成物として使用することもできる。
また、1種類の無機顔料が分散した分散体を準備した場合には、複数種類の分散体と(B)重合性単量体成分とを同時に混合して、(C)光学物品用硬化性組成物とすることもできる。
それぞれ1種類の無機顔料が分散した分散体を準備する場合には、該分散体を製造する時点で、それぞれの無機顔料の粒子径を調整しておくことが好ましい。該分散体において、高度に無機顔料が分散されていれば、分散体同士を激しく混合させなくとも、良好に複数種類の無機顔料((A)顔料組成物)が分散した(C)光学物品用硬化性組成物を準備できる。さらには、該分散体を準備することにより、色調の調整をし易くなる。そのため、それぞれ1種類の無機顔料が(B)重合性単量体成分に分散した分散体を準備し、その分散体を使用することが好ましい。
分散体を準備する場合には、以下の配合量の分散体とすることが好ましい。すなわち、 (B1)アリル基を有する重合性単量体を少なくとも含む(B)重合性単量体成分100質量部に対して、1種類の無機顔料を、0.1質量部以上10質量部以下含む分散体とすることが好ましい。以下、無機顔料として(A1)群青のみを含むものを第1分散体とし、無機顔料として(A2)紺青のみを含むものを第2分散体とし、無機顔料として(A3)コバルト青のみを含むものを第3分散体とする場合もある。本発明においては、第1分散体、第2分散体、および第3分散体からなる群より選ばれる少なくとも2種類の分散体と、下記に詳述する(B)重合性単量体成分とを混合することにより、(C)光学物品用硬化性組成物とすることができる。
(B)重合性単量体成分
本発明の光学物品用硬化性組成物は、(B)重合性単量体成分を含むものであり、前記(B)重合性単量体成分は、(B1)アリル基を有する重合性単量体を少なくとも含むものである。具体的には、公知の重合性単量体を組み合わせたものを使用することができる。例えば、特許文献3に例示してある、(B1)アリル基を有する重合性単量体を含む(B)重合性単量体成分を使用できる。
(B1)アリル基を有する重合性単量体
本発明においては、(B1)アリル基を有する重合性単量体を必須成分として含有する(C)光学物品硬化性組成物が対象となる。前記(B1)アリル基を有する重合性単量体は、汎用的な光学物品のモノマーであり、特に眼鏡レンズ用に多く使用されている。
アリル基を有する重合性単量体は、公知のものが何ら制限無く使用できる。例えば、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート系モノマー、およびジアリルフタレート系モノマーを挙げることができる。これらモノマーは、1種類のものを使用することもできるし、2種類上の混合物を使用することもできる。
ジエチレングリコールビスアリルカーボネート系モノマーとは、その両分子末端がアリルカーボネート基を有するモノマーである。具体的には、ジエチレングリコールジアリルカーボネートを挙げることができる。
ジアリルフタレート系モノマーとは、その両分子末端にアリルフタレート基を有するモノマーである。具体的には、ジアリルイソフタレート、ジアリルテレフタレート、或いは下記式
Figure 2023006566000001
Figure 2023006566000002
(式中、Rは水素原子又はメチル基であり、Xはハロゲン原子であり、nは1~20の整数である。)で表されるアリルエステルオリゴマーを挙げることができる。上記式で表されるアリルエステルオリゴマー中、nが1~10のオリゴマーが特に好ましい。上記アリルエステルオリゴマーは、例えば特開平7-33831記載の方法で製造できる。
本発明においては、上記に例示した(B1)アリル基を有する重合性単量体を少なくとも含む(C)光学物品硬化性組成物が対象となる。前記(C)硬化性組成物を対象とする理由は、以下の通りである。その理由の一つは、前記(B1)アリル基を有する重合性単量体は、非常に汎用的なモノマーであり、多くの光学物品に使用されていることが挙げられる。そのため、品質管理が実施できれば、より効果が高いからである。その他の理由としては、前記(B-1)アリル基を有する重合性単量体は、その合成時に使用される酸触媒、および酸成分である原料化合物が残存している可能性が高いことが挙げられる。推定ではあるが、この酸触媒、および酸成分の原料化合物が、前記(A)顔料組成物の着色効果を低減している可能性がある。そのため、本発明により品質管理をすることで、最終的に得られる光学物品を色調のばらつきを抑制できるものと考えられる。
(B2)その他の重合性単量体
前記(B)重合性単量体成分は、前記(B1)アリル基を有する重合性単量体以外の(B2)その他の重合性単量体を含むこともできる。前記(B2)その他の重合性単量体を例示すれば、
スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン、クロルスチレン、クロルメチルスチレン、ジビニルベンゼン等の芳香族ビニル化合物;
メチル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、n-ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ) アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ) アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、3-クロロ-2- ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、グリシジル( メタ) アクリレート、ベンジルメタクリレート等のモノ(メタ)アクリレート類;
2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-フェノキシ-2-ヒドロキシプロピル( メタ) アクリレート、4-ヒドロキシブチル( メタ) アクリレート等のヒドロキシ基を有するモノ( メタ) アクリレート類;
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ( メタ)アクリレート、1,3-ブチレングリコールジ(メタ) アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-1,3-ジ(メタ)アクリロキシプロパン、2,2-ビス〔4-((メタ)アクリロキシエトキシ) フェニル〕プロパン、2,2-ビス〔4-((メタ)アクリロキシ・ジエトキシ)フェニル〕プロパン、2,2-ビス〔4-((メタ)アクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル〕プロパン等のジ(メタ) アクリレート類;
トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタントリメタクリレート等のトリ(メタ)アクリレート類;
テトラメチロールメタンテトラ(メタ) アクリレート等のテトラ( メタ) アクリレート類を例示することができる。なお、前記(メタ)アクリレートとは、メタクリレート基またはアクリレート基を有するモノマーを指す。これら他のモノマーのうち、高屈折率の眼鏡レンズを提供する場合には、芳香環を有するモノマーを使用することが好ましい。
(B)重合性単量体成分の配合割合、および不純物
(B)重合性単量体成分は、前記(B1)アリル基を有する重合性単量体を含めば、前記(B2)その他の重合性単量体は任意の配合量であればよい。つまり、(B)重合性単量体成分は、前記(B1)アリル基を有する重合性単量体のみであってもよいし、所望とする物性の光学物品を得るために、前記(B1)アリル基を有する重合性単量体と前記(B2)その他の重合性単量体との混合物であってもよい。(B2)その他の重合性単量体を使用する場合には、前記(B1)アリル基を有する重合性単量体100質量部に対して、前記(B2)その他の重合性単量体を10~70質量部とすることが好ましい。ただし、例えば、より汎用な眼鏡レンズであるポリカーボネート系レンズ、具体的には、ポリジエチレングリコールビスアリールカーボネートからなるレンズを製造するためには、前記(B1)アリル基を有する重合性単量体のみを使用することが好ましい。
(B)重合性単量体成分は、(B1)アリル基を有する重合性単量体、必要に応じて配合される前記(B2)その他の重合性単量体以外に、不可避的に混入される不純物(重合性単量体以外の不純物)を含む場合がある。この不純物は、各重合性単量体を合成する際に生じる副生物、合成時に使用する原料化合物、酸成分のような触媒が挙げられる。ただし、当然のことながら、これら不純物は少ない方がよい。そのため、不純物が含まれる場合であっても、全重合性単量体の基準質量((B1)アリル基を有する重合性単量体の質量、または前記(B2)その他の重合性単量体を使用する場合には、(B1)アリル基を有する重合性単量体と前記(B2)その他の重合性単量体との合計質量)100質量部に対して、不純物が1質量部未満であることが好ましい。最も好ましくは不純物が0質量部であることが好ましいが、工業的な生産を考慮すると、該不純物は0.01質量以上1質量部未満である。
(C)光学物品用硬化性組成物、およびその製造方法
本発明において、(C)光学物品用硬化性組成物は、前記2種類以上の無機顔料((A)顔料組成物)と前記(B)重合性単量体成分とを含有する。前記(C)光学物品用硬化性組成物は、2種類以上の無機顔料と(B)重合性単量体成分とが混合された状態のものである。混合方法は、特に制限されるものではなく、公知の方法で混合することができる。具体的には、2種類以上の無機顔料、(B)重合性単量体成分、および必要に応じて配合される添加剤を、公知の混合機で混合すればよい。混合機としては、ボールミル、ビースミル等が挙げられる。予め無機顔料が分散された分散体を使用する場合には、通常の撹拌手段により無機顔料が十分に分散した(C)光学物品用硬化性組成物を製造できる。
また、前記の通り、1種類のみの無機顔料と(B)重合性単量体成分とを含む分散体を上記混合機で混合し、第1分散体((A1)群青を含むもの)、第2分散体((A2)紺青を含むもの)、第3分散体((A3)コバルト青を含むもの)を準備する方法を採用することもできる、この場合には、第1分散体、第2分散体、および第3分散体からなる群より選ばれる分散体を少なくとも2種類使用し、必要に応じて添加剤を配合し、さらに(B)重合性単量体成分を配合し、これらを混合して(C)光学物品用硬化性組成物とすることもできる。
この分散体は、前記の通り、(B1)アリル基を有する重合性単量体を少なくとも含む(B)重合性単量体成分100質量部に対して、1種類の無機顔料を、0.1質量部以上10質量部以下含む分散体とすることが好ましい。そして、分散体を製造する際に、下記の分散剤を配合することが好ましい。2種類以上の無機顔料を予め混合して(A)顔料組成物とした場合は、前記(B)重合性単量体成分100質量部に対して、(A)顔料組成物(無機顔料の合計量)を0.1質量部以上10質量部以下含む分散体とすることが好ましい。
前記(C)光学物品用硬化性組成物において、2種類以上の無機顔料の合計量((A)顔料組成物の配合割合量)は、目的とする光学物品の用途に応じて適宜決定すればよい。複数種類の分散体だけでも重合体は製造できるが、透明な光学物品(例えば、眼鏡レンズ)等に使用する場合には、これら複数種類の分散体に、前記(B)重合性単量体を追加して配合することが好ましい。中でも、前記光学物品を眼鏡レンズに使用する場合には、(C)光学物品用硬化性組成物における前記(B)重合性単量体成分100質量部に対して、2種類以上の無機顔料の合計量((A)顔料組成物配合量)を0.0001質量部以上10質量部以下とすることが好ましい。そして、その中でも、透明な眼鏡レンズを製造する際の黄変抑制剤(ブルーイング剤)として2種類以上の無機顔料((A)顔料組成物)を機能させる場合には、以下の配合量であることが好ましい。すなわち、前記(B)重合性単量体100質量部に対して、2種類以上の無機顔料の合計量((A)顔料組成物の配合量)は0.0001~0.1質量部であることがより好ましく、0.0001~0.01質量部であることがさらに好ましい。
(C)光学物品用硬化性組成物において、配合できる公知の添加剤としては、以下の添加剤が挙げられる。具体的には、公知の添加剤としては、酸化防止剤、重合禁止剤等を例示することができる。これらの添加剤は、特許文献3に記載しているものと同様のものを使用できる。これら添加剤は、それぞれ、(C)光学物品用硬化性組成物における(B)重合性単量体成分100質量部に対して、0.01~10質量部であることが好ましい。なお、この配合量は、透明な光学物品(例えば、透明な眼鏡レンズ)を製造する場合の好適な配合割合である。この他、(D)紫外線吸収剤、(E)分散剤、および重合開始剤を配合することが好ましい。それぞれの配合量は以下の量とすることが好ましい。
(D)紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系、トリアジン系、ベンゾトリアゾール系、サリチル酸エステル系、シアノアクリレート系、ヒドロキシベンゾエート系、およびベンゾオキサジノン系の公知の化合物が使用できる。その中でも、ベンゾフェノン系の紫外線吸収剤を使用することが好ましく、具体的には、2,2’-ジヒドロキシ-4,4’-ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’-テトラヒドロキシベンゾフェノンを使用することが好ましい。これら紫外線吸収剤は、1種類のもの使用しても、複数種類のものを使用してもよい。(C)光学物品用硬化性組成物における(D)紫外線吸収剤の配合量は、(B)重合性単量体成分100質量部に対して、0.01~5質量部であることが好ましい。なお、この配合量は、透明な光学物品(例えば、透明な眼鏡レンズ)を製造する場合の好適な配合割合である。
(E)分散剤として、界面活性剤を含むことが好ましい。具体的には、カチオン・アニオン系の所謂、イオン系界面活性剤、両性界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤を含むことが好ましい。(C)光学物品用硬化性組成物における(E)分散剤の配合量は、(B)重合性単量体成分100質量部に対して、0.000001~1質量部であることが好ましい。なお、この配合量は、透明な光学物品(例えば、透明な眼鏡レンズ)を製造する場合の好適な配合割合である。分散体(第1、第2、および第3分散体)を準備する際に、(E)分散剤を配合する場合の配合量は、<光学物品の製造方法>において記載した。
この他、重合開始剤を含むことが好ましい。重合開始剤としては、パーエステル系過酸化物、パーオキシ系重合開始剤が使用できる。
パーエステル系重合開始剤としては、2,5-ジメチル-2,2-ジ(2-エチルヘキサノニルパーオキシ)ヘキサン、1,1,3,3-テトラメチルブチルパーオキシ 2-エチルヘキサノエート、t-ヘキシルパーオキシ 2-エチルヘキサノエート、t-ブチルパーオキシ 2-エチルヘキサノエートが挙げられる。
パーオキシ系重合開始剤としては、パーオキシケタール系、ハイドロパーオキサイド系、ジアルキルパーオキサイド系、ジアシルパーオキサイド系、パーオキシジンカーボネート系を挙げることができる。その中でも、具体的には、ジ(3,5,5-トリメチルヘキサノイル)パーオキサイド、ジラウロイルパーオキサイド、1,1-ビス(t-ヘキシルパーオキシ)-3.3,5-トリメチルシクロヘキサン、1,1-ビス(t-ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1,3,3-テトラメチルブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)3.3.5-トリメチルシクロヘキサン、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、t-ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネートを挙げることができる。
これら重合開始剤は、単独で使用することもできるし、複数種類を使用することもできる。(C)光学物品用硬化性組成物における重合開始剤の配合量は、(B)重合性単量体成分100質量部に対して、0.1~10質量部であることが好ましい。なお、この配合量は、透明な光学物品(例えば、透明な眼鏡レンズ)を製造する場合の好適な配合割合である。
本発明においては、前記の通り、一旦、無機顔料(又は(A)顔料組成物)の濃度が高い分散体を準備することが好ましい。中でも、この分散体は、それぞれ無機顔料を1種類含む分散体を準備することが好ましい。分散体を準備する方法は、以下の利点を有する。(B1)アリル基を有する重合性単量体と単独種類の無機顔料とを含む分散体を十分に混合しておくことにより、その有用性、使用用途が広がる。さらには、その他の重合性単量体(当然のことながら、追加の(B1)アリル基を有する重合性単量体であってもよい)との混合が容易となる。
前記(E)分散剤は、この分散体を製造する際に配合することが好ましい。そのため、分散体における前記(B)重合性単量体成分100質量部に対して、(E)分散剤は、0.001~1質量部とすることが好ましく、0.01~0.1質量部とすることがさらに好ましい。
さらに、この分散体(複数の分散体であってもよい)とその他の(B)重合性単量体成分とを混合して(C)光学物品用硬化性組成物とする際に、重合性開始剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、およびその他の添加剤等を公知の方法で混合することが好ましい。
光学物品の製造方法
光学物品の製造方法は、特に制限されるものではなく、公知の方法で前記(C)光学物品用硬化性組成物を硬化すればよい。具体的には、前記(C)硬化性組成物が、光重合開始剤を含む場合には、光重合を行い、熱重合開始剤を含む場合には、熱重合を行うことにより、光学物品とすることができる。
以下に実施例を挙げて、本発明を詳細に説明するが、具体例であって、本発明はこれらにより限定されるものではない。
以下の実施例において使用した各成分を示す。
分散体の準備
(A1)群青(市販品)
(A1-1);アサヒ化成製群青。青紫の群青。
第1分散体
(A1-1)分散体1
ジエチレングリコールビスアリルカーボネート100gに、(A1-1)群青1g、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル 0.2gを加え、ボールミルで30分間処理を5回繰り返した。得られた(A1-1)分散体1は、動的散乱法(Malvern Instruments社製SETASISER NANO-ZS)で測定した(A1-1)群青の体積平均粒子径(D50)が300nmであった。
(A1-1)分散体2
前記(A1-1)分散体1において、ボールミルによる処理を10回繰り返した。得られた(A-1)分散体2は、(A1-1)群青の体積平均粒子径(D50)が257nmであった。
(A1-2);アサヒ化成製群青。赤みが強い群青。
(A1-2)分散体1
前記(A1-1)分散体1において、(A1-1)群青に代えて(A1-2)群青を使用した以外は、同様の方法により(A1-2)分散体1を準備した。得られた(A1-2)分散体1は、(A1-2)群青の体積平均粒子径(D50)が327nmであった。
(A1-2)分散体2
前記(A1-1)分散体2において、(A1-1)群青に代えて(A1-2)群青を使用した以外は、同様の方法により(A1-2)分散体2を準備した。得られた(A1-2)分散体2は、(A1-2)群青の体積平均粒子径(D50)が257nmであった。
(A1-3);Holliday Pigments製群青FRX。青紫の群青。
(A1-3)分散体2
前記(A1-1)分散体2において、(A1-1)群青に代えて(A1-3)群青を使用した以外は、同様の方法により(A1-3)分散体2を準備した。得られた(A1-3)分散体2は、(A1-3)群青の体積平均粒子径(D50)が276nmであった。
(A1-4)Holliday Pigments製群青プレミアムVUB。赤みが強い群青。
(A1-4)分散体2
前記(A1-1)分散体2において、(A1-1)群青に代えて(A1-4)群青を使用した以外は、同様の方法により(A1-4)分散体2を準備した。得られた(A1-4)分散体2は、(A1-4)群青の体積平均粒子径(D50)が321nmであった。
(A1-5)第一化成工業製群青。青紫の群青。
(A1-5)分散体2
前記(A1-1)分散体2において、(A1-1)群青に代えて(A1-5)群青を使用した以外は、同様の方法により(A1-5)分散体2を準備した。得られた(A1-5)分散体2は、(A1-5)群青の体積平均粒子径(D50)が244nmであった。
(A1-6)第一化成工業製群青。赤みが強い群青。
(A1-6)分散体2
前記(A1-1)分散体2において、(A1-1)群青に代えて(A1-6)群青を使用した以外は、同様の方法により(A1-6)分散体2を準備した。得られた(A1-6)分散体2は、(A1-6)群青の体積平均粒子径(D50)が243nmであった。
第2分散体
(A2)紺青
(A2-1)大日精化製紺青 MIROLI BLUE FX-9050。
(A2-1)分散体2
前記(A1-1)分散体2において、(A1-1)群青に代えて(A2-1)紺青を使用した以外は、同様の方法により(A2-1)分散体2を準備した。得られた(A2-1)分散体2は、(A2-1)紺青の体積平均粒子径(D50)が385nmであった。
(A2-2)大日精化製紺青 MIROLI BLUE FX-6940。
(A2-2)分散体2
前記(A1-1)分散体2において、(A1-1)群青に代えて(A2-2)紺青を使用した以外は、同様の方法により(A2-2)分散体2を準備した。得られた(A2-2)分散体2は、(A2-2)紺青の体積平均粒子径(D50)が333nmであった。
第3分散体
(A3)コバルト青
(A3-1)大日精化製コバルト青 TMブルー♯3490。
(A3-1)分散体2
前記(A1-1)分散体2において、(A1-1)群青に代えて(A3-1)コバルト青を使用した以外は、同様の方法により(A3-1)分散体2を準備した。得られた(A3-1)分散体2は、(A3-1)コバルト青の体積平均粒子径(D50)が378nmであった。
表1に無機顔料を1種類含む分散体の結果をまとめた。
Figure 2023006566000003
その他添加剤
(E)分散剤;ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル。
(D)紫外線吸収剤
UVA1;2,2’-ジヒドロキシ-4,4’-ジメトキシベンゾフェノン。
UVA2;エチル-2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリレート。
実施例1
ジアリルイソフタレートオリゴマー 70質量部{下記式の混合物、n=0(モノマー) が40質量%、n=1が54質量%、n=2~7が6質量%}、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート30質量部からなるモノマー((B)重合性単量体成分)を調整した。この(B)重合性単量体成分の配合割合は、光学物品用硬化性組成物に含まれる各無機顔料が表2に示される配合割合となる場合を考慮している。つまり、それぞれの各分散体((A1-2)分散体2、および(A2-1)分散体2)が含まれる場合の重合性単量体成分が100質量部となるよう調整して、以下の各成分を配合して光学物品用硬化性組成物を準備した。
そして、(B)重合性単量体成分100質量部に対して、さらに、紫外線吸収剤として2,2’-ジヒドロキシ-4,4’-ジメトキシベンゾフェノンを0.1質量部、およびエチル-2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリレート0.1質量部と、重合開始剤として1,1,3,3-テトラメチルブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート(商品名パーオクタ(登録商標)O(日本油脂製))2.25質量部、1, 1-ビス(t-ブチルパーオキシ)3,3,5-トリメチルシクロヘキサン(商品名パーヘキサ(登録商標)3M(日本油脂製))0.2質量部、(A1-2)群青 0.0004質量部、および(A2-1)紺青 0.00025質量部を含む組成物を、充分に攪拌混合して光学物品用硬化性組成物(レンズ用モノマー組成物)を調製した。
なお、得られた光学物品用硬化性組成物の無機顔料((A1-2)群青、および(A2-1)紺青を含む状態)の体積平均粒径(D50)は、297nmであった。
ついで、このレンズ用モノマー組成物を、予め準備したBC6.0ガラス製モールドとテープからなるレンズ成型用鋳型(レンズ径75mm、肉厚7.0mmに設定)の中に注入し、電気炉中で40~100℃まで20時間かけて徐々に昇温し、100℃で2時間保持して重合を行った。重合終了後、テープとモールドを取り外したのち、110℃ で2 時間熱処理して厚さ7mmのレンズを得た。得られたレンズのヘーズ、及び色調を以下の方法で評価した。
Figure 2023006566000004
ヘーズ(Haze)測定;ヘーズメーター(日本電色製NDH5000)を用いて、得られたレンズのヘーズを測定した。その結果を、表3に示した。
色調(a*b*L*、YI)測定;カラーコンピューター(タッチパネル式SMカラーコンピューターSM-T、スガ試験機(株)製)を用いて、得られたレンズの色調(a*b*L*)、及びイエローインデックス(YI)を測定した。その値を、表3に示した。
実施例2~実施例15、比較例1、及び比較例2
表2に記載した顔料溶液、(B)重合性単量体成分、UVA、重合開始剤を用いた以外は、実施例1と同様にしてレンズを作製した。得られたレンズのヘーズ、及び色調(a*b*L*、YI)を表3に示す。
なお、表2の重合開始剤においてパーロイルIPPと記載したものは、ジイソプロピルパーオキシカーボネート(商品名パーロイル(登録商標)IPP(日本油脂(株)製) 27質量%のもの)を使用した。
Figure 2023006566000005
Figure 2023006566000006
実施例1~7は、白濁、及び黄色の着色も抑制されているのに対し、比較例1~3は、白濁、色調、またはYIのいずれかが満足出来なかった。

Claims (8)

  1. (A1)群青、(A2)紺青、および(A3)コバルト青からなる群より選ばれる少なくとも2種類の無機顔料、および
    (B1)アリル基を有する重合性単量体を少なくとも含む(B)重合性単量体成分
    を含有してなる、(C)光学物品用硬化性組成物。
  2. 前記(C)光学物品用硬化性組成物における無機顔料の体積平均粒子径(D50)が10nm以上500nm以下である、請求項1に記載の光学物品用硬化性組成物。
  3. 前記(B1)アリル基を有する前記重合性単量体が、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート系モノマー、及びジアリルフタレート系モノマーから選ばれるモノマーである、請求項1又は2に記載の光学物品用硬化性組成物。
  4. さらに、(D)紫外線吸収剤を含有する請求項1~3の何れか1項に記載の光学物品用硬化性組成物。
  5. さらに、(E)分散剤を含有する請求項1~4の何れか1項に記載の光学物品用硬化性組成物。
  6. 前記(B)重合性単量体成分100質量部に対して、前記無機顔料の合計量が0.0001質量部以上10質量部以下となる、請求項1~5の何れか1項に記載の(C)光学物品用硬化性組成物。
  7. (B1)アリル基を有する重合性単量体を少なくとも含む(B)重合性単量体成分100質量部に対して、無機顔料として(A1)群青のみを0.1質量部以上10質量部以下含む第1分散体、
    (B1)アリル基を有する重合性単量体を少なくとも含む(B)重合性単量体成分100質量部に対して、無機顔料として(A2)紺青のみを0.1質量部以上10質量部以下含む第2分散体、および
    (B1)アリル基を有する重合性単量体を少なくとも含む(B)重合性単量体成分100質量部に対して、無機顔料として(A3)コバルト青のみを0.1質量部以上10質量部以下含む第3分散体
    からなる群より選ばれる少なくとも2種類の分散体と、
    前記(B)重合性単量体成分と
    を混合することにより、(C)光学物品用硬化性組成物を製造する方法。
  8. 請求項1~6の何れか1項に記載の(C)光学物品用硬化性組成物を硬化してなる、光学物品。
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