JP2023006192A - 位置情報システム - Google Patents

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孝和 茶志川
Takakazu Chashikawa
彰久 工藤
Akihisa Kudo
恭裕 大槻
Yasuhiro Otsuki
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Abstract

【課題】通常時はプライバシーを保護しつつ非常時にはすべての携帯端末の情報を表示できる位置情報システムを提供する。【解決手段】発信器又は/及び受信器と近距離通信を行う携帯端末または携帯型の発信器の位置を把握する機能を有するサーバを備えた位置情報システムにおいて、前記サーバは、プライバシー保護領域を設定する領域設定手段と、携帯端末又は携帯型の発信器の位置を把握してプライバシー保護領域内にあるか否かを判定する領域判定手段と、携帯端末または携帯型の発信器の位置情報及び当該現在位置を含むエリアの地図情報と領域判定手段による判定結果情報を送信する情報送信手段とを備え、通常時に携帯端末又は携帯型の発信器がプライバシー保護領域内にあると判定された場合には個人情報を閲覧不能にする一方、非常時に携帯端末又は携帯型の発信器の位置がプライバシー保護領域内にあると判定された場合には個人情報を閲覧可能にした。【選択図】図5

Description

本発明は、監視エリアとなるビル等の施設内における管理対象の携帯端末等の位置を報知可能な位置情報システムに関し、特に通常時と火災等の非常時における携帯端末等の位置を異なる態様で表示する位置情報システムに関する。
従来、ビル等の施設内に、無線通信用中継装置または機器固有の識別情報を位置検出用の情報として無線により発信するビーコン等の発信器を設置して、その信号を受信した携帯端末の位置を判定して地図上に表示する位置探索システムや位置情報システムがある(例えば特許文献1、2参照)。また、施設内の各所に設置された火災感知器からの信号に基づいて火災の発生を検知する火災検知システムと上記位置情報システムとを融合して、火災検知情報に基づいて携帯端末の位置を示す地図上に火災の位置等の情報を表示するようにした発明が提案されている(例えば特許文献3参照)。
特開2004-357216号公報 特開2016-206016号公報 特開2020-201699号公報
特許文献1には、ユーザ(携帯端末の保有者)がトイレ等のプライベート領域に居る場合には、ディスプレイ上への表示処理を中止することで、ユーザのプライバシーを保護することが記載されている。
しかしながら、火災が発生した場合には、人命優先の観点から施設内に居る人員の屋外への避難が求められるが、位置情報システムにおいてプライバシー保護のためにディスプレイ上への表示が禁止されていると、正確な避難状況を把握することができず、避難誘導や救助の遅れが発生するおそれがあるという課題がある。
また、施設内に設置された無線通信用中継装置やビーコンからの無線信号(電波)に基づいて端末位置を把握する位置情報やシステムにおいては、動作環境の影響により各端末が受信する電波強度に揺らぎが生じることが知られており、その揺らぎによって端末の位置にズレが生じる。その結果、プライベート領域に端末が移動することで位置表示がされなくなった後、端末の実際の位置は変わらないのに電波強度の揺らぎによりプライベート領域以外に居ると判定されてディスプレイ上に表示されてしまうという状況が発生するおそれがあるという課題がある。
本発明は上記のような課題に着目してなされたものでその目的とするところは、通常時はプライバシーを保護しつつ火災等の非常時にはすべての携帯端末の保有者または人物の情報を表示させることができる位置情報システムを提供することにある。
本発明の他の目的は、プライバシーを保護したい領域に携帯端末が移動することで情報が表示されなくなった後に、携帯端末の位置は変わらないのに電波強度の揺らぎにより誤って携帯端末の保有者の情報が表示されてしまうのを防止することができる位置情報システムを提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、システムの利用者(ユーザ)の属性(権限、資格等)に応じてそれぞれに適した位置情報を表示させることが可能な位置情報システムを提供することにある。
上記課題を解決するために、この発明は、
受信した発信器又は受信器の固有情報に基づいて、前記発信器または/および前記受信器と近距離通信を行う携帯端末または携帯型の発信器の位置を把握する機能を有するサーバを備えた位置情報システムであって、
前記サーバは、
管理エリア内の所定エリアの任意の領域にプライバシー保護領域を設定する領域設定手段と、
前記発信器又は受信器の固有情報に基づいて前記発信器または/および前記受信器と近距離通信を行う前記携帯端末または携帯型の発信器の位置を把握し、把握した位置が前記プライバシー保護領域内であるか否かを判定する領域判定手段と、
把握した前記携帯端末または携帯型の発信器の位置および当該位置を含む管理エリアの地図情報と前記領域判定手段による判定結果情報を送信する情報送信手段と、
を備え、
通常時に前記携帯端末または携帯型の発信器の位置が前記プライバシー保護領域内であると判定された場合には当該携帯端末または携帯型の発信器の保有者の個人情報を閲覧不能にする一方、
非常時に前記携帯端末または携帯型の発信器の位置が前記プライバシー保護領域内であると判定された場合には当該携帯端末または携帯型の発信器の保有者の個人情報を閲覧可能にするように構成したものである。
上記のような構成を有する位置情報システムによれば、通常時に携帯端末及び携帯型の発信器の位置がプライバシー保護領域内であると判定された場合には当該携帯端末の保有者または携帯型の発信器の保有者の個人情報が閲覧不能にされ、非常時に携帯端末及び携帯型の発信器の位置がプライバシー保護領域内であると判定された場合には当該携帯端末及び携帯型の発信器の保有者の個人情報が閲覧可能にされるため、プライバシーを保護しつつ非常時にはすべての携帯端末及び携帯型の発信器の保有者の情報を表示させることができる。これによって、例えば建物の管理者や防災担当者等が監視対象エリア内の避難状況を正確に把握することができ、避難誘導や救助の遅れが発生するのを回避することができる。
ここで、望ましくは、所定エリアに設置された火災感知器からの火災検出信号を受信可能な装置より送信された火災の発生場所情報を含む火災情報に基づいて、前記火災の発生位置を判定する火災監視装置をさらに備え、
前記非常時は、前記サーバが前記火災監視装置からの火災情報を受信した場合であるように構成する。
かかる構成によれば、火災監視システムを利用してサーバに火災の発生を報知するシステムを構築することができるとともに、火災が発生した際に監視対象エリア内の避難状況を正確に把握することができる。
また、望ましくは、前記サーバは、利用者(ユーザ)の属性を判定する属性判定手段を備え、判定した属性に応じて前記プライバシー保護領域内に居ることが把握された携帯端末または携帯型の発信器の保有者の個人情報を閲覧不能または閲覧可能にする情報を生成するように構成する。
ここで、「利用者(ユーザ)」とは、例えば予めシステムに属性と合わせて登録された利用者を指す。
かかる構成によれば、システムの利用者の属性(権限、資格等)に応じて、プライバシー保護領域内に居る携帯端末または携帯型の発信器の保有者の個人情報を閲覧不能または閲覧可能にさせることができ、それによってプライバシーを保護しつつ非常時には建物の管理者や防災担当者等特定の者に対してのみ個人情報を閲覧させることができるため、適切な避難誘導や救助を実行することができる。
また、望ましくは、前記情報送信手段は、
通常時に前記領域判定手段により前記携帯端末または携帯型の発信器の位置が前記プライバシー保護領域内にあると判定された場合には当該携帯端末または携帯型の発信器の保有者を示すアイコンを生成せず、
非常時に前記領域判定手段により前記携帯端末または携帯型の発信器の位置が前記プライバシー保護領域内にあると判定された場合には当該携帯端末または携帯型の発信器の保有者を示すアイコンを生成し、前記地図情報と共に送信可能であるようにする。
かかる構成によれば、通常時にはプライバシー保護領域内にあるすべての携帯端末の保有者または携帯型の発信器の保有者が表示されないためプライバシーが保護され、非常時にはプライバシー保護領域に存在する携帯端末の保有者または携帯型の発信器の保有者を示すアイコンが表示されることで、管理者等がエリア内の避難状況を正確に把握することができる。
また、望ましくは、前記領域判定手段は、前記携帯端末または携帯型の発信器の位置が前記プライバシー保護領域内にあるか否かを判定する際に、同一状態が一定時間以上継続したことを条件とするヒステリシス判定を行うように構成する。
かかる構成によれば、ヒステリシス判定を行うため、プライバシーを保護したい領域に携帯端末または携帯型の発信器が移動することで個人情報が閲覧不能にされた後に、携帯端末または携帯型の発信器の位置は変わらないのに電波強度の揺らぎにより誤って個人情報が閲覧可能にされてしまう事態が発生するのを抑止することができる。
また、望ましくは、前記領域設定手段は、前記所定エリア内に前記プライバシー保護領域を複数設定可能であり、
前記サーバは、複数の前記プライバシー保護領域内にいる携帯端末または携帯型発信器の保有者の情報をまとめて表示する画像を生成する一括表示画像作成手段を備えているように構成する。
かかる構成によれば、監視エリア内に複数のプライバシー保護領域がある場合にも、プライバシー保護領域内に存在するすべての携帯端末または携帯型の発信器の存在を一度に把握することが可能となり、携帯端末または携帯型の発信器がプライバシー保護領域内に居るのか、監視エリア内に居ないのかが容易に確認できる。
さらに、望ましくは、前記サーバは、前記プライバシー保護領域内にいる携帯端末または携帯型の発信器の保有者が当該領域に滞在している時間を計時する滞在時間計時手段を備え、
前記一括表示画像作成手段は、前記プライバシー保護領域内にいる携帯端末または携帯型の発信器の保有者を示すアイコンと共に滞在時間を表示する情報を作成するように構成する。
かかる構成によれば、プライバシー保護領域内に存在する携帯端末または携帯型の発信器の保有者の滞在時間が表示されるため、管理者による組織の管理が容易となる。
さらに、望ましくは、前記所定エリアは、複数のフロアを備えた建造物の内部空間であり、
前記サーバは、前記建造物の複数のフロアを階層的に表した全体画像を作成する全体画像作成手段を備え、
前記全体画像作成手段は、前記一括表示画像作成手段が作成した画像にリンクされた矩形画像を仮想フロアとして付加した前記全体画像を作成するように構成する。
かかる構成によれば、複数のプライバシー保護領域内にいる携帯端末または携帯型の発信器の保有者の存在を示す画像にリンクされた仮想フロアが表示されるため、仮想フロアを選択することでプライバシー保護領域内に存在する携帯端末または携帯型の発信器の保有者の存在状況を一度に把握することができる。また、携帯端末または携帯型の発信器の保有者が監視エリア内に居るのか居ないのかも容易に把握することが可能となる。
さらに、前記サーバは、前記携帯端末または携帯型の発信器の位置をプライバシー保護領域の情報と共に記録するように構成しても良い。
これにより、監視エリア内の行動検証等に利用することができる。そして、その際に、利用するシステム利用者の属性に基づいて、属性が一般利用者の場合はプライバシー保護領域の情報を除く情報のみ、属性が管理者の場合はプライバシー保護領域の情報を含む全ての情報を利用または閲覧可能とすることで、記録データについてもプライバシーを尊重した対応が可能となる。
本発明に係る位置情報システムによれば、通常時はプライバシーを保護しつつ火災等の非常時にはすべての携帯端末または携帯型の発信器の保有者または人物の情報を表示させることができる。また、プライバシーを保護したい領域に端末が移動することで個人情報が表示されなくなった後に、端末の位置は変わらないのに電波強度の揺らぎにより誤って携帯端末または携帯型の発信器の保有者の情報が表示されてしまうのを防止することができる。さらに、システムの利用者(ユーザ)の属性(権限、資格等)に応じてそれぞれに適した位置情報を表示させることができるという効果がある。
実施形態の位置情報システムの一例を示すブロック図である。 実施形態の位置情報システムを構成する位置情報サーバと携帯端末との間および各サーバ間における通信シーケンスの一例を示す図である。 端末の表示部に表示されるフロア図の一例を示すもので、(A)は通常時に表示されるフロア図、(B)は非常時に表示されるフロア図である。 実施形態の位置情報システムを構成する携帯端末及び火災情報サーバにおける処理手順の一例を示すフローチャートである。 実施形態の位置情報システムを構成する位置情報サーバにおける処理手順の一例を示すフローチャートである。 (A)は変形例の位置情報システムにおいて端末の表示部に表示されるフロア構成図、(B)は仮想フロアの表示例を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明を適用した位置情報システムの実施形態について説明する。図1は、本実施形態の位置情報システムの概略構成の一例を示すブロック図である。
本実施形態の位置情報システムは、図1に示すように、建物内部の所定エリア内の複数の箇所に分散して配設されているビーコン(発信器)10と、所定エリアに入った施設の利用者が携帯するカード型のビーコン(以下、カードビーコンと記す)11と、カードビーコン11からの信号(電波)を受信可能なゲートウェイ(ビーコン中継器又は受信機と称して説明する場合がある)12と、ビーコン10からの信号(電波)及びカードビーコン11からの信号(電波)を受信可能な携帯端末20と、携帯電話基地局30及びインターネット等の通信ネットワークNを介して携帯端末20との間でデータ通信を行う位置情報サーバ40と、建物内部の所定エリア内の複数の箇所に配設されている火災感知器50からの火災検出信号を受信可能な火災受信機60と、ゲートウェイ(一般中継器)70及び通信ネットワークNを介して火災受信機60との間でデータ通信を行う火災情報サーバ80と、通信ネットワークNを介して携帯端末20へメッセージを直接送信可能なプッシュ通知システム90などから構成されている。
なお、通信ネットワークNは、セキュアな回線によるネットワークでも良いし、一部が独立した回線によるネットワークを使用しても良い。
プッシュ通知システム90は、API(アプリケーションプログラミングインターフェース)機能、プッシュ通知を送信する機能、送信するメッセージや送信時間を管理する管理機能などを備えたサーバ(プッシュ通知支援サーバ)91と、プログラム等を記憶した記憶装置92などにより構成することができる。また、プッシュ通知システム90には、既存のシステムを利用することができる。その場合、プッシュ通知システム90は、後に説明する火災発生の通知の他、他のシステムからの要求に応じて、例えば地震速報などの情報を、携帯端末がアプリを起動していない状態であっても通知することができる。
なお、上記位置情報サーバ40とプッシュ通知支援サーバ91は1つの支援サーバとして構成しても良い。火災情報サーバ80も同様に、位置情報サーバ40やプッシュ通知支援サーバ91と共通の支援サーバとして構成しても良い。
携帯端末20へ無線信号(機器IDや設備情報などの固有情報)を発信するビーコン10、11の通信方式としては、例えばBluetooth(登録商標)通信やIEEE 802.11規格に従ったWiFi等の無線LAN、赤外線通信、可視光通信など公知の通信方式を利用することができる。ビーコン10を配置する間隔は特に限定されないが、以下の説明では、隣接するそれぞれのビーコン10の通信範囲が建物内の空間を網羅できるように配置されているものとする。
具体的には、もともと建物内には所定の間隔をおいて火災感知器50やスプリンクラーヘッドが設置されているので、それらの機器に内蔵もしくは付加する形態で取り付けたビーコン10、あるいは、それらの機器の近傍に設置する形態で取り付けたビーコン10を利用することができる。
ビーコン10は、電源に関する情報(内蔵電池情報又は外部電源情報)と自己の識別情報とを無線信号に乗せて定期的に周囲に発信する発信部を備える。ビーコン10が無線で発信する信号(ビーコン信号)には、少なくとも当該ビーコン10の識別情報(発信器の機器ID)が含まれていれば良く、さらに、設置されているエリアに関する情報が含まれても良い。したがって、電源に関する情報は含まれていなくても良い。
一方、カードビーコン11は電池とICを内蔵したカードであり、ビーコン10と同様に識別コードを含むビーコン信号を無線で送信する機能を有する。
ビーコン用のゲートウェイ12は、ビーコン10ほど数が多くはないが、エリア内の互いに離れた位置に1又は複数個設置され、カードビーコン11からのビーコン信号を受信すると、無線通信で携帯電話基地局30又は別の無線基地局および通信ネットワークNを介して位置情報サーバ40へビーコン情報と機器IDを送信する機能を有している。位置情報サーバ40は、予めエリア内に設置されているゲートウェイ12の設置位置情報をデータベース41に記憶しておくことで、ゲートウェイ12からのビーコン情報とゲートウェイの機器IDに基づいて、カードビーコン11を携帯して移動している利用者の位置をゲートウェイ12でのビーコン信号の受信に基づいて把握することができる。
携帯端末20は、ビーコン10からの信号を受信する受信機能と、無線通信機能、表示部などを備えるスマートフォン等の機器である。カードビーコン11がビーコン10と同一の通信規格の信号を送信するように構成されている場合、携帯端末20は、スマートフォンのような汎用通信機器であったとしてもカードビーコン11からの信号も受信することができる。
従って、携帯端末20がビーコン10,カードビーコン11からの信号を受信してそのビーコン情報を位置情報サーバ40へ送信することによって、位置情報サーバ40は、携帯端末20の位置をビーコン10に対応した位置に登録したり、位置を把握している携帯端末20の登録位置に携帯端末20の近傍に居るカードビーコン11の保有者の位置も登録したりすることができる。
携帯端末20の内部メモリには、定期的にビーコン10、11から無線で発信されるビーコン信号を受信して当該ビーコン信号に含まれる識別情報(機器ID)等を抽出するとともに、当該ビーコン信号の受信電波強度を検出し、識別情報等と受信電波強度とを含むビーコン情報および自携帯端末固有の識別情報(端末ID)をセットで位置情報サーバ40へ送信する処理と、位置情報サーバ40から送信されたフロア図情報に基づくフロア図(マップ)を表示部の画面に表示する処理とを実行するアプリケーション・プログラム(位置情報表示アプリ)が格納されている。携帯端末20は、複数のビーコン10(通信範囲が互いに部分的に重なるビーコン10)およびカードビーコン11から発信されるビーコン信号を受信した場合には、それぞれのビーコン情報を位置情報サーバ40へ送信する。
火災感知器50は、例えば、熱、煙、炎、有害ガスなどの異常現象の発生を検出すると、火災検出信号を、感知器回線51を介して火災受信機60に送信する。火災感知器50は、火災検出信号に自己の設置アドレスを付加するタイプの感知器であっても良いし、火災検出信号に自身の設置アドレスを付加しないタイプの感知器であっても良い。
火災受信機60は、火災感知器50からの火災検出信号を受信した場合に、表示部に火災検出表示を行うとともに、地区ベル鳴動や防排煙連動などの制御を行う。さらに、火災受信機60は、火災の発生場所情報や発生時刻情報などを含む火災情報を、ゲートウェイ70及び通信ネットワークNを介して火災情報サーバ80へ送信する。火災情報サーバ80は、火災発信機や消火栓等の火災に関連する建物の設備・機器情報を記憶するデータベース81を備え、これらの情報および火災発生位置情報を位置情報サーバ40へ送信することができる。
なお、火災受信機60は、火災検出信号に火災感知器50の設置アドレスが付加されている場合には、当該設置アドレスに基づいて火災の発生場所を特定する。一方、火災検出信号に火災感知器50の設置アドレスが付加されていない場合には、当該火災検出信号を伝送した感知器回線51(警戒区域)に基づいて火災の発生場所を特定する。また、ゲートウェイ70を省略し、火災受信機60から火災情報サーバ80へ火災位置を含む火災情報を直接送信するシステムも可能である。火災情報は火災受信機60以外の装置から送信するようにしても良い。
位置情報サーバ40は、当該位置情報サーバ40が管理する建物の各フロアの地図情報(フロア図)と、予め設定されている各フロア内におけるプライバシー保護領域に関する情報と、携帯端末固有の識別情報(端末ID)と、システムの利用者(ユーザ)(ここでは、携帯端末保有者)の権限や資格等の属性に関する情報(システムの利用者の属性情報)またはシステムの利用者の属性情報と紐づけした表示範囲指定テーブルとを記憶するデータベース41を備えている。なお、各フロアの地図情報(フロア図情報)には、各フロアに設置されているビーコン10の機器ID及び設置位置情報などが含まれていても良い。
ここで、プライバシー保護領域は、例えば位置情報サーバ40が情報を受信した携帯端末20が存在していることを把握したとしても、通常時には地図情報にその存在またはその携帯端末を特定する情報を閲覧することが禁止されている領域であり、例えばトイレや非公開の会議(秘密会議)を行う会議室等のエリアがある。ただし、位置情報サーバ40は、火災情報サーバ80から火災発生情報を受信すると、プライバシー保護領域に携帯端末20が存在していることを表示する情報(現在位置をプロットしたフロア図情報)を送信する。なお、プライバシー保護領域は、位置情報サーバ40の管理者が追加したり削除したりすることができるように構成される。
携帯端末20がプライバシー保護領域に位置していることを、各端末に送信する地図情報に反映させるタイミングとしては、「火災情報受信時」、「火災発生確定時」、「避難時」などシステムの運用の方針に合わせ任意に設定することができるように構成される。
位置情報サーバ40は、携帯端末20からビーコン10,カードビーコン11の機器IDおよび端末IDを受信すると、受信したビーコンの機器IDとデータベース41に記憶されている情報に基づいて当該携帯端末20の現在位置を算出する。そして、データベース41から当該携帯端末20が位置しているフロアの地図情報およびプライバシー保護領域に関する設定情報を読み出し、プライバシー保護領域に位置していないと判断した場合には、読み出したフロア図に当該携帯端末20を保有するユーザの現在位置を示すマーク(アイコン)Mを付記してフロア表示情報を生成する。そして、生成したフロア表示情報は、端末IDを送信してきた携帯端末20に対して送信する処理を実行する。更には、LAN(ローカルエリアネットワーク)または通信ネットワークNを介して位置情報サーバ40に接続されたPC43へ送信してPC43で表示することもできる。
これにより、携帯端末20またはPC43の表示部に、携帯端末20を保有するユーザの現在位置を示すアイコン等が表記されたフロア図画像が表示される。また、表示された画面上のアイコンにタッチもしくはカーソルを合わせると、その携帯端末20の保有者等に関する情報が吹き出し等で表示される。なお、携帯端末20の保有者等に関する情報は、予め表示を行う端末の記憶装置内に記憶されており、位置情報サーバ40に問い合わせることで個人情報を取得することはしないように構成される。 一方、位置情報サーバ40は、携帯端末20がプライバシー保護領域に位置していると判断すると、通常時においては、携帯端末20を保有するユーザの現在位置を示すアイコンを表記していないフロア図画像を作成して送信するとともに、火災等の非常時には、プライバシー保護領域に位置している携帯端末20を含むすべての携帯端末を保有するユーザの現在位置を示すアイコンを表記したフロア図画像を作成して送信する。
なお、システム管理者、管理責任者などの特定の利用者が保有する端末(携帯端末20やPC43等)の表示部には、通常時においても、プライバシー保護領域に位置している携帯端末20を含むすべての現在位置を示すアイコンを表記したフロア図画像を作成して送信して表示させるようにしても良い。
また、通常時においても、プライバシー保護領域に位置している携帯端末20を含むすべての現在位置を示すアイコンを表記したフロア図画像を作成して送信するが、アイコンにタッチもしくはカーソルを合わせたとしてもその携帯端末20の保有者等に関する情報を表示させないようにする一方、非常時にはプライバシー保護領域にあるアイコンを含め、いずれかのアイコンにタッチもしくはカーソルを合わせると、そのアイコンに対応する携帯端末20の保有者等に関する情報を表示させるように構成しても良い。
次に、図2を用いて、上記実施形態の位置情報システムにおける位置情報サーバ40と携帯端末20との間および各サーバ40、80とプッシュ通知システム90との間の通信シーケンスの概略について説明する。
火災のない通常の状況においては、所定エリア内で携帯端末20が汎用地図アプリを起動すると、携帯端末20は、近傍のビーコン10とカードビーコン11から機器IDを受信し(#0)、受信した機器IDおよび自身の端末IDを位置情報サーバ40へ送信する(#1)。なお、ゲートウェイ12もカードビーコン11からのビーコン信号を受信すると、カードビーコンと自身のIDを位置情報サーバ40へ送信する(#0’)。
位置情報サーバ40は、受信したビーコン機器IDからIDを送信してきた携帯端末20とカードビーコン11の位置を把握して、データベース41から地図情報を読み出し、地図上の端末の位置にアイコン等を付記した地図データを作成して当該携帯端末20へ送信する(#2)。携帯端末20は、定期的(例えば1分おき)にビーコン機器IDを位置情報サーバ40へ送信し、位置情報サーバ40はそれに応じて上記地図データの送信を定期的に実行する。所定エリア内に汎用地図アプリを起動した複数の携帯端末20が存在する場合には、位置情報サーバ40は上記地図データの送信を、エリア内のすべての携帯端末20に対して実行する。なお、位置情報サーバ40は、携帯端末20からのIDを受信しなくても、所定エリア内の携帯端末へ地図情報を定期的(例えば1分おき)に送信するように構成しても良い。
火災が発生して、火災受信機60がそれを検知すると火災情報サーバ80へ火災発生および発生位置を含む火災情報を送信する(#3)。すると、火災情報サーバ80は、位置情報サーバ40へ火災発生および発生位置の情報を送信する(#4)。
すると、位置情報サーバ40は、既に把握しているエリア内の携帯端末20の端末IDに基づいて、データベース41内のテーブルを参照して携帯保有者の属性または種別を判断し、火災の発生を通知すべき携帯端末を選別して、プッシュ通知システム90に対して選別した携帯端末への火災発生のプッシュ通知要求を行う(#5)。
要求を受けたプッシュ通知システム90は、直ちに(例えば1秒以内に)選別した携帯端末へ火災の発生を知らせるプッシュ通知を行う(#6)。すると、プッシュ通知を受けた携帯端末20は、スピーカを鳴動させるとともに火災の発生を知らせるメッセージを表示部に表示する。これにより、携帯保有者は、火災の発生を速やかに知ることができる。
以降、携帯端末20は、平常時と同様に定期的に近傍のビーコン10から機器IDを受信し(#7)、受信した機器IDおよび自身の端末IDを位置情報サーバ40への送信(#8)を継続する。また、ゲートウェイ12もカードビーコン11からのビーコン信号を受信すると、カードビーコンと自身のIDを位置情報サーバ40へ送信する(#7’)。
また、位置情報サーバ40は、定期送信タイミングになると、携帯端末20の現在位置を示すアイコンおよびカードビーコン11の現在位置を示すアイコン及び火災発生位置に火災を示すアイコン等を付記した地図データを作成して当該携帯端末20へ送信する(#9)。これにより、携帯保有者は、携帯端末保持者の位置およびカードビーコン所持者の位置および火災の発生位置を知ることができる。
なお、位置情報サーバ40が火災発生位置に火災を示すアイコン等を付記した地図データを作成する際においては、携帯端末20から送られてくる発信器の機器IDおよび端末IDに基づいて、データベース41内の表示範囲指定テーブルを参照して携帯保有者の属性または種別に応じて表示する設備の情報を読み出し、当該携帯端末の表示データを生成して送信するようにしてもよい。
さらに、本実施形態の位置情報サーバ40は、火災情報サーバ80からの火災情報(火災の発生場所情報を含む情報)を受信した場合に、この情報とプライバシー保護領域を含む対象フロア全域に存在するすべての携帯端末とカードビーコンの位置情報を反映させたフロア図表示情報を生成し、通信ネットワークN及び携帯電話基地局30を介して携帯端末20や監視室等に設置され通信ネットワークNやLANを介して接続されている所定のコンピュータ(PC)43へ送信する処理を実行可能に構成されている。これにより、当該携帯端末20や所定のコンピュータの表示部には、携帯端末及びカードビーコンの現在位置を示すマーク(アイコン)Mと共に、火災の発生位置Fが表記されたフロア図が表示される。
したがって、本実施形態の位置情報システムによれば、平時(通常時)には図3(A)に示すようにプライバシー保護領域PAに居ることで表示されない携帯端末保有者またはカードビーコン所持者のアイコンが、有事の際(非常時)には図3(B)に示すように表示部に表示させることができ、当該フロアに居るすべての携帯端末保有者およびカードビーコン所持者を把握することができる。
次に、本実施形態の位置情報システムを構成する携帯端末20、火災情報サーバ80及び位置情報サーバ40による処理手順を、図4及び図5に示すフローチャートを用いて説明する。
携帯端末20は、位置情報表示アプリが起動されると、例えば図4(a)に示すように、まず、ビーコン10、11から発信されるビーコン信号を受信したかを判定する(ステップS11)。そして、ビーコン信号を受信した場合(ステップS11;Yes)には、当該ビーコン信号に含まれるビーコン10、11の識別情報(機器ID)等と当該ビーコン信号の受信電波強度とを含むビーコン情報を、携帯電話基地局30及び通信ネットワークNを介して位置情報サーバ40へ送信する(ステップS12)。
次に、位置情報サーバ40から送信されるフロア図情報を受信したかを判定する(ステップS13)。そして、フロア図情報を受信した場合(ステップS13;Yes)には、当該フロア図情報に基づくフロア図画像を画面に表示する(ステップS14)。これにより、位置情報表示アプリの起動後最初のステップS14では、最新のフロア図画像が携帯端末20の画面に表示されることとなり、位置情報表示アプリの起動後、2回目以降のステップS14では、画面に表示中のフロア図画像が最新のフロア図画像に更新される。
火災情報サーバ80は、例えば図4(b)に示すように、まず、火災受信機60から送信される火災情報(火災の発生場所情報や発生時刻情報などを含む情報)を受信したかを判定する(ステップS21)。そして、火災情報を受信した場合(ステップS21;Yes)には、当該火災情報を、通信ネットワークNを介して位置情報サーバ40に送信する(ステップS22)。
次に、当該火災情報に基づいて火災が発生している建物を特定し、特定した建物の設備・機器情報をデータベース81から取得し、取得した設備・機器情報に基づいて火災時表示必要アイテム情報を生成し、生成した火災時表示必要アイテム情報を、通信ネットワークNを介して位置情報サーバ40に送信する(ステップS23)。次いで、取得した設備・機器情報に基づいて火災時表示不要アイテム情報を生成し、生成した火災時表示不要アイテム情報を、通信ネットワークNを介して位置情報サーバ40へ送信する(ステップS24)。
なお、火災が発生している建物に、同フロア火災時表示必要アイテム及び別フロア火災時表示必要アイテムがない場合には、ステップS23の処理は省略される。また、火災が発生している建物に、同フロア火災時表示不要アイテム及び別フロア火災時表示不要アイテムがない場合には、ステップS24の処理は省略される。
図5には、位置情報サーバ40による処理の手順の一例が示されている。
位置情報サーバ40は、図5に示すように、先ず、携帯端末20またはゲートウェイ12から送信されるビーコン情報を受信したか判定する(ステップS31)。そして、ビーコン情報を受信した(Yes)と判定した場合には、受信したビーコン情報および端末IDとデータベース41に記憶されている情報とに基づいて携帯端末20またはカードビーコン11の現在位置を算出し(ステップS32)、携帯端末20またはカードビーコン11の位置がプライバシー保護領域(PA)であるか否か判定する(ステップS33)。ここで、プライバシー保護領域(PA)でない(No)と判定した場合はステップS35へ移行する。
また、ステップS33で、プライバシー保護領域(PA)であると(Yes)と判定した場合には、ステップS34へ進み、携帯端末IDを用いてデータベース41を参照して当該携帯端末を保有しているシステム利用者の属性を判定する。そして、フロア図の送信対象のシステム利用者の属性が「一般」の場合はステップS36へ移行し、フロア図の送信対象のシステム利用者の属性が「管理者」の場合にはステップS35へ移行する。ステップS35では、データベース41から当該携帯端末20が位置している建物のフロア図データを読み込み、全ての端末の位置を示すマーク(アイコン)を表記したフロア図を作成する。一方、ステップS36では、プライバシー保護領域(PA)に存在する端末以外の端末の位置を示すマーク(アイコン)を表記したフロア図を作成する。
次に、位置情報サーバ40は、火災情報サーバ80から火災の発生を知らせる火災情報を受信したか判定する(ステップS37)。そして、火災情報を受信した(Yes)と判定した場合には、火災時表示必要アイテムとして火災発生を示すアイコンをフロア図の火災発生位置にプロットし(ステップS38)、データベース41内のテーブルを参照して火災の発生を通知すべき携帯端末を選別する(ステップS39)。
続いて、プッシュ通知システム90へ、ステップS39で選別した携帯端末に対して火災発生のプッシュ通知の実行を要求し(ステップS40)、ステップS41へ進む。また、上記ステップS37で、火災情報を受信していない(No)と判定した場合には、ステップS38~S40をスキップしてステップS41へ移行する。
ステップS41では、ステップS35、S36またはS38で生成したフロア図情報を通信ネットワークN及び携帯電話基地局30を介して当該携帯端末20へ送信する(ステップS41)。これにより、例えば図3(A)または(B)に示すようなフロア図画像が当該携帯端末20の画面に表示されることとなる。
上述したように、本実施形態の位置情報システムによれば、携帯端末保有者が予め設定されたプライバシー保護領域に居るか否かおよびシステム利用者の属性に応じて、例えばシステム利用者の属性が一般の場合には、その端末(携帯端末20又はPC43)の表示部に、平時(通常時)はプライバシー保護領域に居る携帯端末の位置を表示せず、火災が発生した場合(非常時)には当該火災の発生位置やプライバシー保護領域に居る携帯端末及びカードビーコンを含め全ての携帯端末とカードビーコンの位置が表示されるので、プライバシーを保護しつつ、有事の際にはフロアにいるすべての携帯端末保有者の位置とカードビーコン所持者の位置を把握することができる。
また、本実施形態の位置情報システムによれば、位置情報サーバ40から携帯端末20へ所定の時間間隔で定期的に地図情報が送信される場合にも、火災が発生するとプッシュ通知システム90から直ちに携帯端末へ火災の発生を知らせるプッシュ通知が実行されるため、携帯端末保有者は火災の発生を速やかに知ることができる。
しかも、携帯端末へ火災の発生を知らせるプッシュ通知を行うシステムとして、既存のプッシュ通知システムを利用することができ、地図情報に火災発生の情報を付加するのみで位置情報システムを構成するサーバ等のプログラムを大幅に改変したり新たなシステムを追加したりすることなく、携帯端末の表示部に火災の発生を速やかに表示させることができる。
ところで、図1のシステムにおいては、動作環境の影響により各携帯端末が受信するビーコン10からの電波強度に揺らぎが生じるため、判定する携帯端末の位置にズレが生じるおそれがある。その結果、プライバシー保護領域内に携帯端末が移動して、プライバシー保護領域外に設置されたビーコンを検出し位置が表示されなくなった後に、携帯端末の位置が変わらないのに電波強度の揺らぎによりプライバシー保護領域以外に設定されたビーコンの信号を検出することで、プライバシー保護領域外へ移動したと判定されて表示がなされてしまう可能性がある。
そこで、図5のフローチャートのステップS33の判定処理においては、プライバシー保護領域内に携帯端末が入ったことを検出し表示を禁止した後にプライバシー保護領域外に設置されたビーコンを検出した際の位置判定条件またはその逆の判定をする際の条件を厳しくする、いわゆるヒステリシス判定処理を行うようにするのが望ましい。
このようにすることにより、ビーコン信号の受信電波強度の揺らぎにより一度プライバシー保護領域にいると判定して表示が消えた後に誤って周辺の領域に居るものとして表示されてしまったり、プライバシー保護領域の近傍にいる携帯端末の表示が一時的に消えたりする現象が生じるのを回避するができる。
次に、一例として、携帯端末の位置としてどの発信器(ビーコン)の登録位置を採用するかの判断基準として、ビーコン信号の電波強度が一番高い発信器の検出継続時間を用いる場合における判断基準の変更の仕方について説明する。なお、前提条件として、ビーコンは数10msec間隔でビーコン信号を発信し、携帯端末は10秒毎に受信状況を位置情報サーバ40へ通知し、位置情報サーバ40は1分毎に位置判定をして配信用の地図情報を生成して配信するものとする。
この条件下で、携帯端末が、プライバシー保護領域でない通常領域1→通常領域2→プライバシー保護領域3→通常領域4のように移動した場合を考える。
この場合、当初、通常領域1、2内の移動の際における位置判断基準はデフォルトの1分おきである。続いて、通常領域2からプライバシー保護領域3へ移動した場合における位置判断基準はデフォルト値の2倍の2分とし、検出結果が2回続けて移動と判断されたか否か判断する。その後、プライバシー保護領域3から通常領域4へ移動した場合における位置判断基準はデフォルト値の2倍の2分とし、検出結果が2回続けて移動と判断されたか否か判断する。上記判断基準の変更により、ヒステリシス判定処理が可能となる。
また、プライバシー保護領域に居るにもかかわらず自身がアイコンで表示されてしまった場合に、当該携帯端末の保有者が自ら手動でプライバシー保護領域内に居ることに変更できるように構成してもよい。さらに、この変更作業が頻繁に行われた場合、位置判断基準を厳しくしてもよい。具体的には、判断時間をデフォルトの1分から2分→3分→4分のように伸ばす処理を行う。
次に、上記実施形態の変形例について説明する。
第1変形例は、プライバシー保護領域に居る携帯端末のアイコンをフロア図に表示しないようにする一方、図6(A)に示すように、例えば、実際の監視エリアとしてフロア1F~フロア5Fがある場合、そのフロア1F~5F等の他に仮想フロアVFを設けて、該フロアを選択すると、例えば図6(B)に示すように、フロア1F~5Fのそれぞれに設けられているすべてのプライバシー保護領域PAに居る携帯端末またはカードビーコンの保有者を示すアイコンをまとめて別画面として表示するようにしたものである。また、この際、アイコンごとに滞在時間を表記するようにしても良い。
なお、上記表示は平時におけるもので、仮想フロアVFに居る個人の情報が閲覧可能に表示される。また、仮想フロアVFを設けて表示する代わりに、図6(B)に示すように画像をウィンドで表示するようにしても良い。
また、仮想フロアVFもしくはそれに相当する画像を生成してプライバシー保護領域PAに居る携帯端末または保有者を示すアイコンをまとめて表示する画像を生成する機能は、位置情報サーバ40でなく、表示をする端末側に持たせるようにしても良い。
さらに、平時において、特定の個人を検索した際に、検索対象の個人がプライバシー保護領域PAに居た場合には、検索結果として、フロアを特定せずに、例えば「所在地:プライバシー保護領域」あるいは「所在地:ビル内」のように位置が特定できない形で個人の情報を表示し、有事の際における検索では、実際に居る位置の情報と個人の情報を表示するようにしても良い。
上記のような表示を行うことにより、個人のプライバシーを保護しつつプライバシー保護領域に滞在する人数を把握することができる。また、個人検索された際に、プライバシーを保護しつつ建物等の監視エリア内にいることを認識させることができる。
第2変形例は、他のシステムにおける非公開の属性と連携して、プライバシー保護領域PAを一時的に追加設定するようにしたものである。他のシステムとの連携の例としては、例えば会議室の予約を行う施設予約システムと連携する場合がある。
ここで、予約対象の会議の属性として非公開が設定されていた場合、会議室の予約時間帯のみ当該会議室を一時的にプライバシー保護領域として設定する。これにより、非公開としたい会議で利用する会議室に参加している利用者が保有する携帯端末を示すアイコンが非表示とされ、プライバシーが保護されることとなる。なお、この場合も、図6(B)に示すように、プライバシー保護領域である会議室に居る携帯端末または保有者のアイコンを、他のプライバシー保護領域に居る携帯端末とともにまとめて別画面として表示することで、参加者を特定しにくくすることができ非公開性を担保できることとなる。
第3の変形例は、測位された位置情報はそのまま図3(B)のように表示するが、プライバシー保護領域(PA)内に表示された携帯端末又はカードビーコンについては画面上でカーソルをマーク(アイコン)に合わせたりマーク(アイコン)にタッチしたりしても個人情報は表示されないようにしたものである。このようにすることで、人物の特定を不可としプライバシーを保護することができる。併せて、個人検索の結果の位置情報は「プライベートエリア」や「ビル内」という形で位置は特定できないが、監視(管理)エリア内には居ることが分かる形とすることが望ましい。
なお、上記実施形態では、位置を特定した携帯端末又はカードビーコンの位置をリアルタイムで表示しているが、さらに位置を特定した携帯端末又はカードビーコンの位置情報をプライバシー保護領域の情報とともに記憶装置に記録し、監視エリア内の行動検証等に利用してもよい。その際、利用するシステム利用者の属性に基づいて、属性が一般利用者の場合はプライバシー保護領域の情報を除く情報のみ、属性が管理者の場合はプライバシー保護領域の情報を含む全ての情報を利用または閲覧可能とすることで、記録データについてもプライバシーを尊重した対応が可能である。
以上、本発明を実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、上記実施形態では、ビーコンからの信号を携帯端末によって受信し受信した情報を無線通信で位置情報サーバへ送信すると説明したが、監視対象エリアがオフィスのような空間である場合には、オフィス内の机に設置されているパソコンにビーコンからの信号を受信可能な機器を接続して、当該機器が受信した情報をパソコンがLAN(ローカルエリアネットワーク)を介して位置情報サーバへ送信するようにしても良い。
なお、以上の説明での個人情報には、氏名,所属,連絡先等の情報を含む事が望ましいが、少なくとも個人を特定できる情報が含まれていればよい。
また、上記実施形態では、ビーコン10は情報を発信する機能のみ有していると説明したが、携帯端末や他の発信器(無線タグ、端末等)からの無線信号を受信する機能さらには受信した情報をサーバへ送信する機能を有するものであっても良い。
また、上記実施形態では、位置情報システムとして、ビーコンによる測位を利用したシステムを例示したが、これに限定されず、位置情報システムは、例えばIMES(Indoor MEssaging System)等のその他の方式による測位を利用したシステムであっても良い。すなわち、発信器は、ビーコンに限定されずIMES送信機等であっても良い。あるいは、監視エリアに複数の映像カメラを設置して、撮影画像に基づいて位置情報サーバ40が備えるAI機能によって監視エリア内の人物を画像処理で検知するとともに、人物の特徴とデータベース内の情報とから画像内の人物をAIにより特定する機能を備えたシステムを利用しても良い。
また、上記実施形態では、位置情報システムの位置特定処理は、サーバで行うこととしたが、処理の一部を携帯端末側で行うようにしても良い。
さらに、位置情報システムの位置特定処理は、ビーコンの一点測位でも良いし、多点測位(複数のビーコンの信号により位置を特定する処理)であっても良い。
また、上記実施形態では、有事の例として火災監視装置により火災を検知した場合に関して述べたが、地震や水害などによる他の有事が発生した場合に適用しても良い。さらに、本発明は、施設内の位置情報システムに限定されず、屋外の位置情報システムとして構成することも可能である。そして、その場合、位置情報として携帯端末が取得したGPS情報を用いるようにしても良い。
10 ビーコン(設置型発信器)
11 カードビーコン(携帯型発信器)
12 カードビーコン用のゲートウェイ(ビーコン中継器)
20 携帯端末
40 位置情報サーバ(サーバ)
41 データベース
50 火災感知器
60 火災受信機(受信機)
80 火災情報サーバ(火災監視装置)
81 データベース
90 プッシュ通知システム
91 プッシュ通知支援サーバ

Claims (9)

  1. 受信した発信器又は受信器の固有情報に基づいて、前記発信器または/および前記受信器と近距離通信を行う携帯端末または携帯型の発信器の位置を把握する機能を有するサーバを備えた位置情報システムであって、
    前記サーバは、
    管理エリア内の所定エリアの任意の領域にプライバシー保護領域を設定する領域設定手段と、
    前記発信器又は受信器の固有情報に基づいて前記発信器または/および前記受信器と近距離通信を行う前記携帯端末または携帯型の発信器の位置を把握し、把握した位置が前記プライバシー保護領域内であるか否かを判定する領域判定手段と、
    把握した前記携帯端末または携帯型の発信器の位置および当該位置を含む管理エリアの地図情報と前記領域判定手段による判定結果情報を送信する情報送信手段と、
    を備え、
    通常時に前記携帯端末または携帯型の発信器の位置が前記プライバシー保護領域内であると判定された場合には当該携帯端末または携帯型の発信器の保有者の個人情報を閲覧不能にする一方、
    非常時に前記携帯端末または携帯型の発信器の位置が前記プライバシー保護領域内であると判定された場合には当該携帯端末または携帯型の発信器の保有者の個人情報を閲覧可能にすることを特徴とする位置情報システム。
  2. 所定エリアに設置された火災感知器からの火災検出信号を受信可能な装置より送信された火災の発生場所情報を含む火災情報に基づいて、前記火災の発生位置を判定する火災監視装置をさらに備え、
    前記非常時は、前記サーバが前記火災監視装置からの火災情報を受信した場合であることを特徴とする請求項1に記載の位置情報システム。
  3. 前記サーバは、利用者の属性を判定する属性判定手段を備え、判定した属性に応じて前記プライバシー保護領域内にいることが把握された携帯端末または携帯型の発信器の保有者の個人情報を閲覧不能または閲覧可能にする情報を生成することを特徴とする請求項1または2に記載の位置情報システム。
  4. 前記情報送信手段は、
    通常時に前記領域判定手段により前記携帯端末または携帯型の発信器の位置が前記プライバシー保護領域内であると判定された場合には当該携帯端末または携帯型の発信器の保有者を示すアイコンを生成せず、
    非常時に前記領域判定手段により前記携帯端末または携帯型の発信器の位置が前記プライバシー保護領域内であると判定された場合には当該携帯端末または携帯型の発信器の保有者を示すアイコンを生成し、前記地図情報と共に送信可能であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の位置情報システム。
  5. 前記領域判定手段は、前記携帯端末または携帯型の発信器の位置が前記プライバシー保護領域内であるか否かを判定する際に、同一状態が一定時間以上継続したことを条件とするヒステリシス判定を行うことを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の位置情報システム。
  6. 前記領域設定手段は、前記所定エリア内に前記プライバシー保護領域を複数設定可能であり、
    前記サーバは、複数の前記プライバシー保護領域内にいる携帯端末または携帯型の発信器の保有者の存在情報をまとめて表示する画像を生成する一括表示画像作成手段を備えていることを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の位置情報システム。
  7. 前記サーバは、前記プライバシー保護領域内にいる携帯端末または携帯型の発信器の保有者が当該領域に滞在している時間を計時する滞在時間計時手段を備え、
    前記一括表示画像作成手段は、前記プライバシー保護領域内にいる携帯端末または携帯型の発信器の保有者を示すアイコンと共に滞在時間を表示する情報を作成することを特徴とする請求項6に記載の位置情報システム。
  8. 前記所定エリアは、複数のフロアを備えた建造物の内部空間であり、
    前記サーバは、前記建造物の複数のフロアを階層的に表した全体画像を作成する全体画像作成手段を備え、
    前記全体画像作成手段は、前記一括表示画像作成手段が作成した画像にリンクされた矩形画像を仮想フロアとして付加した前記全体画像を作成することを特徴とする請求項7に記載の位置情報システム。
  9. 前記サーバは、前記携帯端末または携帯型の発信器の位置をプライバシー保護領域の情報と共に記録することを特徴とする請求項1~8のいずれかに記載の位置情報システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7487831B1 (ja) 2023-07-31 2024-05-21 三菱電機ビルソリューションズ株式会社 位置情報管理システム、管理装置、位置情報管理方法、及びプログラム

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