JP2023006036A - 什器単体および組み合わせ什器 - Google Patents
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Abstract
【課題】商品等の見栄えをよくする多角形筒体(陳列台)において、側面部の模様内につなぎ合わせ部が位置して、意匠性が損なわれる問題を解消する。【解決手段】本発明の什器単体1は、多角形状の平底部2と平底部2の端辺6に対応する数の側面部3とは各端辺6を介して連設する。各側面部3は三角形状の第1面4と第2面5とを有し、第1面4と第2面5とは斜辺7を介して連設する。平底部2と各側面部3の各端辺6および各面4,5の斜辺7に沿って折り曲げて、外形が反角柱状で筒型に形成する。平底部2と対向する箇所は、開口底部8になっている。隣り合う一方の側面部3の第2面5と他方の側面部3の第1面4とのつなぎ合わせ部9を各面4,5の斜辺7に構成する。【選択図】図1
Description
本発明は、什器単体および組み合わせ什器に関するものである。
従来、各種店舗では、商品等の見栄えをよくするために陳列台が用いられている。この種の陳列台の一例としては、特許文献1のものがある。特許文献1の陳列台は、板紙を折り曲げて多角形筒体に形成されている。多角形筒体(陳列台)の側面部には、折り曲げによって複数の三角形の模様が形成されている。
しかし、特許文献1の構成では、板紙における両側端のつなぎ合わせ部が多角形筒体の側面部のうち一部の三角形の面内に位置することになるため、当該一部の三角形が分断されたような模様になってしまい、意匠性が損なわれる(見栄えが悪い)という問題があった(特許文献1の図3参照)。
本発明は、上記のような現状を検討して改善を施した什器単体および組み合わせ什器を提供することを技術的課題としている。
本発明は、各請求項で特定される様々な構成を含んでいる。このうち請求項1の発明は什器単体に係るものである。当該什器単体は、多角形状の平底部と当該平底部の端辺に対応する数の側面部とが、前記各端辺を介して連設されているものである。前記各側面部は三角形状の第1面と第2面とを有していて、前記第1面と前記第2面とは斜辺を介して連設されている。前記平底部と前記各側面部の前記各端辺および前記各面の斜辺に沿って折り曲げて、外形が反角柱状で筒型に形成されている。前記平底部と対向する箇所は、開口底部になっており、隣り合う一方の側面部の第2面と他方の側面部の第1面とのつなぎ合わせ部が前記各面の斜辺になっている。
本発明は、前記什器単体を上下複数段に積み重ねた組み合わせ什器を含んでいる。請求項2の発明は、組み合わせ什器に係るものである。当該発明に係る組み合わせ什器では、前記什器単体を上下二段に積み重ねるにおいて、前記両什器単体の前記開口底部同士が重なり合っており、前記開口底部同士のつなぎ合わせ部がそれぞれの端辺になっている。
本発明に係る組み合わせ什器において、重なり合った前記開口底部同士に差し込み継手が装着されていてもよい。
請求項4の発明に係る組み合わせ什器では、前記什器単体を上下三段以上積み重ねるにおいて、上下に並ぶ前記什器単体の前記開口底部同士、前記平底部と前記開口底部、または前記平底部同士が重なり合っており、前記開口底部同士、前記平底部と前記開口底部、または前記平底部同士のつなぎ合わせ部がそれぞれの端辺になっている。
本発明に係る組み合わせ什器において、最上段以外または最上段と最下段以外に位置する前記什器単体の前記平底部には、差し込み継手を嵌め込む差し込み穴が形成されていてもよい。
本発明に係る組み合わせ什器において、前記差し込み穴は、前記開口底部の開口と同じ大きさに設定されていてもよい。
請求項7以降の発明は、什器単体に関するものである。本発明に係る什器単体において、前記平底部と前記側面部群とは1枚のシートからなっていてもよい。
本発明に係る什器単体においては、外形が反四角柱状、反三角形状、反五角形状または反六角形状で筒型に形成されていてもよい。
本発明に係る什器単体において、前記各側面部の前記第1面及び前記第2面の斜辺が同じ長さに設定されていてもよい。この場合、前記各側面部の前記第1面及び前記第2面が二等辺三角形であってもよいし、正三角形であってもよい。前記各側面部の前記第1面及び前記第2面のうち一方が正三角形で、他方が二等辺三角形であっても構わない。
本発明に係る什器単体において、前記平底部の前記各端辺と前記開口底部の各端辺とが同じ長さに設定されていてもよいし、異なる長さに設定されていてもよい。
さらに、本発明に係る什器単体において、内部には、補強用の中芯部材が上下二つに分かれて配置されており、前記平底部寄りにある前記中芯部材の長手方向端部は、これが対峙する前記第1面の内面に当接して支持可能なように傾斜してもよい。
本発明に係る什器単体によると、平底部と各側面部の各端辺および各面の斜辺に沿って折り曲げて、外形が反角柱状で筒型に形成し、隣り合う一方の側面部の第2面と他方の側面部の第1面とのつなぎ合わせ部を各面の斜辺にするから、各側面部における三角形状のそれぞれの面内につなぎ合わせ部が存在することはない。換言すると、三角形状の各面の内部が分断されることはない。このため、什器単体の外観全体、すなわち、平底部と各側面部との一体感を出すことができ、見栄え(意匠性)が向上する。
また、本発明に係る組み合わせ什器によると、什器単体を上下複数段積み重ねるにおいて、上下に並ぶ什器単体の開口底部同士、平底部と開口底部、または平底部同士を重ね合わせ、開口底部同士、平底部と開口底部、または平底部同士のつなぎ合わせ部をそれぞれの端辺にするから、上下に並ぶ什器単体同士のつなぎ合わせ部を目立たなくして、上下に並ぶ複数の什器単体間においても一体感を出すことができ、この場合も見栄え(意匠性)が向上するのである。
本発明に係る組み合わせ什器において、重なり合った開口底部同士に差し込み継手を装着するようにすれば、上下に並ぶ什器単体同士の横ずれを差し込み継手にて防止でき、組み合わせ什器の連結を安定化できる。
本発明に係る組み合わせ什器において、最上段以外または最上段と最下段以外に位置する什器単体の平底部に、差し込み継手を嵌め込む差し込み穴を形成するようにすれば、上下三段以上に積み重ねてなる組み合わせ什器を簡単に実現できる。
本発明に係る組み合わせ什器において、差し込み穴を開口底部の開口と同じ大きさに設定するようにすれば、差し込み継手の共通化が可能になり、部品点数の削減やコスト低減を図れる。
本発明に係る什器単体において、内部には、補強用の中芯部材を上下二つに分けて配置し、平底部寄りにある中芯部材の長手方向端部を、これが対峙する第1面の内面に当接して支持可能なように傾斜させるようにすれば、反角柱状で筒型の什器単体の補強を図れると共に、什器単体の組み立て時に、第1面の折り曲げ角度を規制でき、組み立て作業性に優れている。
次に、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。まずは、図2~図15を参照しながら、第1実施形態として什器単体1の説明をする。
図2~図4に示すように、第1実施形態の什器単体1は、四角形状の平底部2と当該平底部2の端辺6に対応する数(4つ)の側面部3とが各端辺6を介して連設された形態になっている。什器単体1(平底部2と4つの側面部3)は、1枚のシートから必要部分を打ち抜いて、図4に示す展開状態で取得されるものである。当該展開状態から折り曲げ作業を行うことによって、外形が反角柱状(ねじれ角柱状と言ってもよい)で筒型の什器単体1が形成される。什器単体1(1枚のシート)は、例えば薄板状の段ボールまたは厚紙を素材としている。什器単体1の素材は、ベニヤ板やプラスチック板等であっても差し支えない。なお、什器単体1は、複数枚のシートで構成されるようにしてもよい。
什器単体1の各側面部3は、三角形状の第1面4と第2面5とを有している。第1面4と第2面5とは、斜辺7を介して連設されている。什器単体1において平底部2と対向する箇所は、開口底部8になっている(図3(b)(c)参照)。図3(c)では、後述する中芯部材20,26の図示を省略している。
前述の通り、第1実施形態では、什器単体1の外形が反角柱状を呈している。反角柱とは、多角柱をねじって側面の四角形を三角形にした多面体のことである。この場合、什器単体1の外形は反四角柱状になっており、2個の底面に相当する平底部2および開口底部8を有している。そして、什器単体1は、平底部2または開口底部8の端辺6の数(4つ)の2倍だけ、側面部3全体として三角形状の面4,5を有する。すなわち、第1実施形態の什器単体1では、三角形状の面4,5が合計8個存在している。
なお、第1実施形態の平底部2は正方形であり、各側面部3の第1面4と第2面5とは正三角形である。第1面4と第2面5とは少なくとも二等辺三角形であれば足りる。平底部2の端辺6(第1面4の底辺6でもある)と各面4,5の三辺6,7とは、同じ長さになっている。
第1面4において第2面5と反対の箇所には、斜辺7を介して重ね代部10が連設されている。第2面5において第1面4と反対の箇所には、斜辺7を介して重ね代部11が連設されている。各重ね代部10,11において平底部2から遠い箇所には、後述する係合片32を嵌め込む係合溝12が形成されている。各第2面5には、底辺6(開口底部8の端辺6でもある)を介して底縁部13が連設されている。各底縁部13には、折り辺14を介して内折り縁部15が連設されている。各内折り縁部15には、後述する第2中芯部材26の係合溝31に嵌まる切り込み16が形成されている。
図15および図16に示すように、什器単体1の内部には、補強用の中芯部材20,26が上下(開口方向に沿って)二つに分かれて配置されている。図5および図6に示すように、平底部2寄りに位置する第1中芯部材20は、複数枚1組の仕切板21,22を2組用意し、組同士を互いに平面視格子状(井桁状または十字状とも言える)に嵌め合わせて連結したものである。第1実施形態の仕切板21,22は、どちらも2枚1組になっている。各組の仕切板21,22の枚数やサイズを什器単体1の大きさ等に応じて適宜変更してよいことは言うまでもない。
各組の仕切板21,22は、横長の略矩形状に形成されている。一方の組の仕切板21には、上向きに開口した嵌合溝23が他方の組の仕切板22と対応する数(第1実施形態では2個)だけ形成されている。また、他方の組の仕切板22には、下向きに開口した嵌合溝24が一方の組の仕切板21と対応する数(第1実施形態では2個)だけ形成されている。一方の組の嵌合溝23と他方の組の嵌合溝24とが嵌まり合うように合計4枚の仕切板21,22を平面視格子状に連結することによって、第1中芯部材20が組み立てられている(図5および図6参照)。
図5、図6、図11および図12に示すように、平底部2寄りに位置する第1中芯部材20において、各仕切板21,22の長手方向端部は、組み立て時にこれが対峙する第1面4の内面に当接して支持可能なように傾斜した傾斜辺25になっている。換言すると、各仕切板21,22は、什器単体1内に収容した状態で、平底部2側の辺よりも開口底部8側の辺の方が長い逆台形状に形成されている。従って、各傾斜辺25は、平底部2側から開口底部8側に向かうに連れて、外向きに張り出すように傾斜している。このように構成すると、什器単体1の組み立て時に、各第1面4の折り曲げ角度(立ち上げ角度)を各傾斜辺25の存在によって規制でき、組み立て作業性に優れるというメリットがある。
図7、図8、図13および図14に示すように、開口底部8寄り(第1中芯部材20上)に位置する第2中芯部材26は、第1中芯部材20と基本構造は略同じであり、複数枚1組の仕切板27,28を2組用意し、組同士を互いに平面視格子状(井桁状または十字状とも言える)に嵌め合わせて連結したものである。第1実施形態の仕切板27,28は、どちらも2枚1組になっている。各組の仕切板27,28の枚数やサイズも、什器単体1の大きさ等に応じて適宜変更できる。
各組の仕切板27,28は、横長の略矩形状に形成されている。一方の組の仕切板27には、上向きに開口した嵌合溝29が他方の組の仕切板28と対応する数(第1実施形態では2個)だけ形成されている。また、他方の組の仕切板28には、下向きに開口した嵌合溝30が一方の組の仕切板27と対応する数(第1実施形態では2個)だけ形成されている。一方の組の嵌合溝29と他方の組の嵌合溝30とが嵌まり合うように合計4枚の仕切板27,28を平面視格子状に連結することによって、第2中芯部材26が組み立てられる(図7および図8参照)。
図7、図8、図13および図14に示すように、開口底部8寄りに位置する第2中芯部材26において、各仕切板27,28の開口底部8側の辺には、各第2面5に連なる内折り縁部15の切り込み16が嵌まる係合溝31が形成されている(第1実施形態では1つの仕切板27,28に対して2個)。なお、第1および第2中芯部材20,26の各仕切板21,22,27,28は、例えば薄板状の段ボールまたは厚紙を素材としている。各仕切板21,22,27,28の素材は、ベニヤ板やプラスチック板等であっても差し支えない。
次に、図9~図14を参照しながら、什器単体1の組み立て手順について説明する。まずは、図9に示すように、展開状態にした什器単体1のシートのうち平底部2上に、第1中芯部材20を配置する。この場合、各仕切板21,22の傾斜辺25がそれぞれ対応する第1面4に対峙すると共に、図9において横向きの端辺6と一方の組の仕切板21とが平行状に並び、縦向きの端辺6と他方の組の仕切板22が平行状に並ぶように、第1中芯部材20を平面視十字状に配置する。
次いで、図10および図11に示すように、平底部2の各端辺6に沿って各側面部3の第1面4を立ち上がる方向の内向きに折り曲げつつ、各側面部3において、第1面4に対して第2面5を両者4,5の間の斜辺7に沿って折り曲げる。この場合、各側面部3の第1面4は、第1中芯部材20の各仕切板21,22のうちそれぞれ対応する傾斜辺25に当接して、各第1面4の折り曲げ角度(立ち上げ角度)を規制される。その結果、各第1面4の折り曲げ姿勢が規定されている(図10~図12参照)。
それから、隣り合う一方の側面部3の第2面5と他方の側面部3の第1面4とにおいて、それぞれ対応する重ね代部10,11を内向きに折り曲げて重ね合わせ、両重ね代部10,11の重ね合わせによって合致した係合溝12に係合片32を嵌め込んで、隣り合う一方の側面部3の第2面5と他方の側面部3の第1面4とをつなぎ合わせる。このため、隣り合う一方の側面部3の第2面5と他方の側面部3の第1面4とのつなぎ合わせ部9は、前述の第1面4または第2面の斜辺7になって外側に現れることになる。
図13に示すように、隣り合う一方の側面部3の第2面5と他方の側面部3の第1面4とをすべてつなぎ合わせると、平底部2を45度回転させた四角枠状の開口底部8が平底部2および第1中芯部材20の上方に形成される。次いで、開口底部8内の第1中芯部材20上に、第2中芯部材26を配置する。この場合、各係合溝31が開口底部8側を向くようにして、第2中芯部材26を開口底部8内に入れる。開口底部8は平底部2を45度回転させた四角枠状であるため、平面視十字状の第1中芯部材20に対して、第2中芯部材26は平面視X印状の姿勢で開口底部8内に収容される。
それから、図13および図14に示すように、各第2面5の底辺6(開口底部8の端辺6)に沿って各底縁部13を内向きに折り曲げると共に、各折り辺14を介してそれぞれ対応する内向き縁部15を開口底部8内に向けて折り曲げ、各内向き縁部15の切り込み16を第2中芯部材26の係合溝31に差し込んで固定する。以上をもって、図2(a)(b)に示す什器単体1、すなわち、外形が反四角柱状で筒型の什器単体1の組み立てが完成する。
上記の構成によると、各側面部3における三角形状のそれぞれの面4,5内につなぎ合わせ部9が存在することはない。換言すると、三角形状の各面4,5の内部が分断されることはない。このため、什器単体1の外観全体、すなわち、平底部2と各側面部3との一体感を出すことができ、見栄え(意匠性)が向上するのである。
また、什器単体1の内部に、補強用の中芯部材20,26を上下二つに分けて配置しているから、中芯部材20,26を露出させて意匠性を低下させたりせずに、反角柱状で筒型の什器単体1の補強を図れる。
第1実施形態の什器単体1は、例えば展示用等の各種台、テーブル、椅子またはオブジェ等として使用できる。この場合、什器単体1は、開口底部8を下にして、例えばテーブル等の天板上や床上に配置されることになる。什器単体1の平底部2や各側面部3の外面には、印刷等の装飾を施すことが可能であり、この点も意匠性向上に有効に作用する。
さらに、第1実施形態では、両重ね代部10,11への係合片32の嵌め込みによって、隣り合う一方の側面部3の第2面5と他方の側面部3の第1面4とをつなぎ合わせているが、両重ね代部10,11を接着剤やテープ等で接着したりしてもよい。ただ、第1実施形態の構成を採用すれば、什器単体1の組み立て・分解を繰り返し実行でき、例えば再利用したり分別廃棄したりする場合に作業性が極めてよい。
なお、什器単体1のシートを梱包するにおいては、各側面部3における第2面5の底辺6(開口底部8の端辺6)に沿って、底縁部および内折り縁部をそれぞれ対応する第2面に重なるように折り曲げる(図15参照)。このような状態の什器単体1のシートを例えば梱包体33にて平面視略矩形状に梱包することになる。第1実施形態の構成を採用すれば、荷姿を薄くコンパクトにできる利点がある。
次に、図1および図16~図19を参照しながら、第2実施形態の組み合わせ什器50について説明する。第2実施形態の組み合わせ什器50は、第1実施形態で示した什器単体1を上下二段に積み重ねたものである。第2実施形態では、什器単体1を上下二段に積み重ねるにおいて、両什器単体1の開口底部8同士が重なり合っている。このため、開口底部8同士のつなぎ合わせ部9がそれぞれの端辺6になっている(図1(a)(b)参照)。第2実施形態では、両什器単体1における互いの4箇所の底縁部13が重ね代のように機能して、両什器単体1が上下二段に積み重ねられることになる。
上記の構成によると、各什器単体1において三角形状の各面4,5の内部を分断しないだけでなく、上下に並ぶ什器単体1同士のつなぎ合わせ部9をも目立たなくして、平底部2と各側面部3との一体感と共に、上下に並ぶ複数の什器単体1間においても一体感を出すことができ、この場合も見栄え(意匠性)が向上するのである。
図16~図19に示すように、第2実施形態の組み合わせ什器50では、重なり合った開口底部8同士に差し込み継手40が装着されている。差し込み継手40は、各開口底部8の開口18に横ずれ不能に嵌まる略矩形状の閉塞板41と、閉塞板41の四周に取り付けられる縦長の4本の挿入片42とを備えている。閉塞板41の外周に形成した切り欠き43に、各挿入片42の上下中途部に形成した切り欠き44を嵌め合わせることによって、差しこみ継手40が組み立てられている。その他の構成は、第1実施形態のものと同様である。なお、差し込み継手40は、例えば薄板状の段ボールまたは厚紙を素材とすれば足りるが、ベニヤ板やプラスチック板等を素材としても差し支えない。
閉塞板41の平面視面積は、閉塞板41が開口底部8の開口18にきっちり嵌まるように、開口部18と略同じか若干小さい大きさに設定されている。閉塞板41は、重なり合った開口底部8同士に装着した状態で、上下に連通した開口8に跨って存在し得るだけの厚み45を有している。このため、什器単体1を上下二段に積み重ねた場合、仮に閉塞板41だけであっても、これが上下の第2中芯部材26に挟まれた状態で、かつ上下に連通した開口8に跨って存在することになり、上下二段に並んだ什器単体1の横ずれ抑制が可能になっている。
その上で、各挿入片42がそれぞれ対応する上又は下側の第2中芯部材26の格子内に入り込むため、上下に並ぶ什器単体1同士の横ずれを差し込み継手40にて防止でき、組み合わせ什器50の連結を安定化できるのである。なお、差し込み継手40の有無に拘らず、両什器単体1の底縁部13同士(重ね代の箇所)を接着剤やテープ等で接着したりしてもよいが、第2実施形態の構成を採用すれば、第1実施形態と同様に、什器単体1の組み立て・分解を繰り返し実行できて好適である。
次に、図20~図23を参照しながら、第3実施形態の組み合わせ什器51について説明する。第3実施形態の組み合わせ什器51は、第1実施形態で示した什器単体1を上下三段に積み重ねたものである。第3実施形態では、什器単体1を上下三段に積み重ねるにおいて、上下に並ぶ什器単体1の開口底部8同士、平底部2と開口底部8、または平底部2同士が重なり合っている。このため、開口底部8同士、平底部2と開口底部8、または平底部2同士のつなぎ合わせ部9がそれぞれの端辺6になっている(図20参照)。
第3実施形態では、最上段以外または最上段と最下段以外に位置する什器単体1の平底部2に、第2実施形態で示した差し込み継手40を嵌め込む差し込み穴19が形成されている。上下に並ぶ什器単体1の平底部2と開口底部8または平底部2同士が重なり合う場合、各平底部2の差し込み穴19が、第2実施形態で示した開口底部8の開口18と同じ機能を発揮する。そして、平底部2の差し込み穴19からは第1中芯部材20が現れるので、各平底部2の差し込み穴19に差し込み継手40を差し込むに当たり、各挿入片42は第1中芯部材20の格子内に入り込むことになる。
上記の構成によると、最上段以外または最上段と最下段以外に位置する什器単体1の平底部2に差し込み穴19を形成することによって、上下三段に積み重ねてなる組み合わせ什器51を簡単に実現できる。また、上下三段であっても、上下に並ぶ什器単体1同士の横ずれを差し込み継手40にて防止でき、組み合わせ什器51の連結を安定化できるのである。なお、第3実施形態では、開口底部8における4箇所の底縁部13や平底部2における差し込み穴19を取り囲む周縁部が、重ね代のように機能する。
なお、最下段の什器単体1では、平底部2に差し込み穴19があってもよいし、なくてもよい。例えば床上又は天板上に位置するのが開口底部8であれば、平底部に差し込み穴19が必要だが、床上又は天板上に位置するのが平底部2であれば、差し込み継手40を装着しないので、差し込み穴19があってもなくても支障がでないからである。
第3実施形態において、平底部2の差し込み穴19は、開口底部8の開口18と同じ大きさに設定されている。このため、第2実施形態で示した差し込み継手40をそのまま流用できる。つまり、什器単体1を上下複数段に積み重ねる場合に、差し込み継手40を共通化でき、部品点数の削減やコスト低減を図れる。差し込み穴19は、平底部2と相似形に設定されている。第3実施形態では、各什器単体1の外形が反四角柱状であるため、差し込み穴19の形状も平底部2と同じ四角形になっている。なお、開口底部8の開口18も平底部2と相似形になっているのは言うまでもない。
図24には、第1実施形態の什器単体1を上下四段に積み重ねた四段タイプの組み合わせ什器52を示す第4実施形態であり、図25には、第1実施形態の什器単体1を上下五段に積み重ねた五段タイプの組み合わせ什器53を示す第5実施形態である。第4および第5実施形態においても、第3実施形態で示した差し込み穴19や差し込み継手40等を採用していて、上下複数段に積み重ねてなる組み合わせ什器52,53を簡単に実現できるのである。
さて、第1~第5実施形態で示した各什器単体1は、いずれも外形が反四角柱状のものであったが、例えば反三角柱、反五角柱または反六角柱といった他の反角柱状の外形のものにすることも可能である。図26および図27には、第6実施形態として、外形が反三角柱状で筒型の什器単体1を用いた二段タイプの組み合わせ什器54を示している。第6実施形態の平底部2、開口底部8、各側面部3の第1面4および第2面5は、いずれも正三角形である。第6実施形態の什器単体1では、三角形状の面4,5が合計6個ある。
その他の構成は、第1~第5実施形態と同様であり、平底部2に差し込み穴19を形成等すれば、上下三段以上に積み重ねることも可能である。この場合、差し込み穴19は平底部2と相似形に設定すればよい。すなわち、図27に仮想線で示す正三角形にすればよい。なお、第6実施形態以降の実施形態において、中芯部材20,26や差しこみ継手40の図示は省略するが、第1~第5実施形態の構成上の考え方を基本的に踏襲すれば足りる。
図28および図29には、第7実施形態として、外形が反五角柱状で筒型の什器単体1を用いた二段タイプの組み合わせ什器55を示している。第7実施形態では、平底部2および開口底部8が正五角形であり、各側面部3の第1面4および第2面5は二等辺三角形である。第7実施形態の什器単体1では、三角形状の面4,5が合計10個ある。
その他の構成は、第1~第5実施形態と同様であり、平底部2に差し込み穴19を形成等すれば、上下三段以上に積み重ねることも可能である。差し込み穴19は、図29に仮想線で示す正五角形(平底部2の相似形)にするのが好ましい。
図30および図31には、第8実施形態として、外形が反六角柱状で筒型の什器単体1を用いた二段タイプの組み合わせ什器56を示している。第8実施形態では、平底部2および開口底部8が正六角形であり、各側面部3の第1面4および第2面5は二等辺三角形である。第8実施形態の什器単体1では、三角形状の面4,5が合計12個ある。
その他の構成は、第1~第5実施形態と同様であり、平底部2に差し込み穴19を形成等すれば、上下三段以上に積み重ねることも可能である。差し込み穴19は、図29に仮想線で示す正六角形(平底部2の相似形)にすればよい。
図32には、第9実施形態として、外形が反四角柱状で筒型の什器単体1の展開状態を示している。第9実施形態では、平底部2および開口底部8が正方形であり、各側面部3の第1面4は正三角形、第2面5は二等辺三角形である。第1面4および第2面5における斜辺7の長さが共通であれば、外形が反角柱状で筒型の什器単体1を構成できる。この場合、開口底部8側が窄まったような什器単体1になる。平底部2の端辺6と開口底部8の端辺6との長さを同じにすれば、第1~第8実施形態で示した什器単体1を構成でき、平底部2の端辺6と開口底部8の端辺6との長さを異ならせれば、例えば第9実施形態で示した什器単体1を構成できる。その他の構成は、第1~第5実施形態と同様であり、平底部2に差し込み穴19を形成等すれば、上下三段以上に積み重ねることも可能である。
なお、本発明における各部の構成は図示の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更することが可能である。例えば、中芯部材20,26や差しこみ継手40は本発明に必須の構成要素ではなく、前述の実施形態のもの以外の構造を採用することも可能である。本発明の什器単体および組み合わせ什器は、例えば展示用等の各種台、テーブル、椅子またはオブジェ等として使用できる。
1 什器単体
2 平底部
3 側面部
4 第1面
5 第2面
6 端辺
7 斜辺
8 開口底部
9 つなぎ合わせ部
18 開口
19 差し込み穴
20 第1中芯部材
26 第2中芯部材
32 係合片
40 差し込み継手
50~56 組み合わせ什器
2 平底部
3 側面部
4 第1面
5 第2面
6 端辺
7 斜辺
8 開口底部
9 つなぎ合わせ部
18 開口
19 差し込み穴
20 第1中芯部材
26 第2中芯部材
32 係合片
40 差し込み継手
50~56 組み合わせ什器
Claims (18)
- 多角形状の平底部と当該平底部の端辺に対応する数の側面部とが、前記各端辺を介して連設されており、前記各側面部は三角形状の第1面と第2面とを有していて、前記第1面と前記第2面とは斜辺を介して連設されており、前記平底部と前記各側面部の前記各端辺および前記各面の斜辺に沿って折り曲げて、外形が反角柱状で筒型に形成されており、前記平底部と対向する箇所は、開口底部になっており、隣り合う一方の側面部の第2面と他方の側面部の第1面とのつなぎ合わせ部が前記各面の斜辺になっている、
什器単体。 - 前記什器単体を上下二段に積み重ねるにおいて、前記両什器単体の前記開口底部同士が重なり合っており、前記開口底部同士のつなぎ合わせ部がそれぞれの端辺になっている、
組み合わせ什器。 - 重なり合った前記開口底部同士に差し込み継手が装着されている、
請求項2に記載した組み合わせ什器。 - 請求項1に記載した什器単体を上下三段以上積み重ねるにおいて、上下に並ぶ前記什器単体の前記開口底部同士、前記平底部と前記開口底部、または前記平底部同士が重なり合っており、前記開口底部同士、前記平底部と前記開口底部、または前記平底部同士のつなぎ合わせ部がそれぞれの端辺になっている、
組み合わせ什器。 - 最上段以外または最上段と最下段以外に位置する前記什器単体の前記平底部には、差し込み継手を嵌め込む差し込み穴が形成されている、
請求項4に記載した組み合わせ什器。 - 前記差し込み穴は、前記開口底部の開口と同じ大きさに設定されている、
請求項5に記載した組み合わせ什器。 - 前記平底部と前記側面部群とは1枚のシートからなっている、
請求項1に記載した什器単体。 - 外形が反四角柱状で筒型に形成されている、
請求項1に記載した什器単体。 - 外形が反三角柱状で筒型に形成されている、
請求項1に記載した什器単体。 - 外形が反五角柱状で筒型に形成されている、
請求項1に記載した什器単体。 - 外形が反六角柱状で筒型に形成されている、
請求項1に記載した什器単体。 - 前記各側面部の前記第1面及び前記第2面の斜辺が同じ長さに設定されている、
請求項1、8~11のうちいずれかに記載した什器単体。 - 前記各側面部の前記第1面及び前記第2面が二等辺三角形である、
請求項12に記載した什器単体。 - 前記各側面部の前記第1面及び前記第2面が正三角形である、
請求項12に記載した什器単体。 - 前記各側面部の前記第1面及び前記第2面のうち一方が正三角形で、他方が二等辺三角形である、
請求項12に記載した什器単体。 - 前記平底部の前記各端辺と前記開口底部の各端辺とが同じ長さに設定されている、
請求項1、8~12のうちいずれかに記載した什器単体。 - 前記平底部の前記各端辺と前記開口底部の各端辺とが異なる長さに設定されている、
請求項1、8~12のうちいずれかに記載した什器単体。 - 内部には、補強用の中芯部材が上下二つに分かれて配置されており、前記平底部寄りにある前記中芯部材の長手方向端部は、これが対峙する前記第1面の内面に当接して支持可能なように傾斜している、
請求項1に記載した什器単体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021108411A JP2023006036A (ja) | 2021-06-30 | 2021-06-30 | 什器単体および組み合わせ什器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021108411A JP2023006036A (ja) | 2021-06-30 | 2021-06-30 | 什器単体および組み合わせ什器 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2023006036A true JP2023006036A (ja) | 2023-01-18 |
JP2023006036A5 JP2023006036A5 (ja) | 2024-05-15 |
Family
ID=85107332
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2021108411A Pending JP2023006036A (ja) | 2021-06-30 | 2021-06-30 | 什器単体および組み合わせ什器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2023006036A (ja) |
-
2021
- 2021-06-30 JP JP2021108411A patent/JP2023006036A/ja active Pending
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