JP2023005492A - 蒸発圧力調整弁 - Google Patents

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Abstract

【課題】作動条件に関わらず冷凍サイクルの性能を向上できる蒸発圧力調整弁を提供する。【解決手段】室内蒸発器18における冷媒蒸発圧力が予め定めた基準蒸発圧力以上となるように調整する蒸発圧力調整弁19は、冷凍サイクル装置10における室内蒸発器18と圧縮機11の間に配置されている。蒸発圧力調整弁19は、電動アクチュエータである駆動機構52によって駆動される。蒸発圧力調整弁19は、開度に対する冷媒流量の増加度合いが、開度が大きい方が多くなる流量特性を有している。【選択図】図3

Description

本発明は、冷凍サイクルに用いられる蒸発圧力調整弁に関する。
従来、蒸気圧縮式の冷凍サイクルにおいて、蒸発器と圧縮機の間に配置され、蒸発器における着霜を抑制するために、蒸発器における冷媒蒸発圧力を予め定めた基準蒸発圧力以上となるように調整する蒸発圧力調整弁が知られている。
例えば、特許文献1には、蒸発器の出口側冷媒の圧力の上昇に伴って、弁開度を増加させる機械式の蒸発圧力調整弁が開示されている。機械式の蒸発圧力調整弁では、蒸発器側の冷媒圧力と参照気体の圧力との差圧により弁体が変位することで、弁開度が制御される。
特開平6-300391号公報
ところで、車両用空調装置の冷凍サイクルでは、フロントガラスの曇りの発生を抑制するため、蒸発器に大流量で冷媒を流す場合がある。このとき、蒸発器における冷媒の圧力損失が増大し、蒸発器の出口側冷媒の圧力が小さくなってしまう。これにより、蒸発圧力調整弁において蒸発器側の冷媒圧力と参照気体の圧力との差圧が小さくなり、弁開度が低下する可能性がある。その結果、蒸発器に流入する冷媒流量が少なくなり、蒸発器のフィン温度を充分に低下させることができず、冷凍サイクルの性能が低下するおそれがある。
一方、冷房時には、冷媒の流量が少ない小流量域において、冷媒流量を細かく調整することが求められる。しかしながら、上記従来の機械式の蒸発圧力調整弁では、小流量域において、開度に対する冷媒流量の増加度合いが大きいため、冷媒流量の制御が困難となる可能性がある。これにより、冷房時において冷凍サイクルの性能が低下するおそれがある。
本発明は、上記点に鑑みて、作動条件に関わらず冷凍サイクルの性能を向上できる蒸発圧力調整弁を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の蒸発圧力調整弁は、冷凍サイクル(10)における蒸発器(16、18)と圧縮機(11)の間に配置され、蒸発器における冷媒蒸発圧力が予め定めた基準蒸発圧力以上となるように調整する蒸発圧力調整弁において、
電動アクチュエータ(52)によって駆動され、
開度に対する冷媒流量の増加度合いが、開度が大きい方が多い。
これによれば、電動アクチュエータ(52)で駆動することで、蒸発器(18)の出口側冷媒の圧力に開度が依存しないので、冷媒の流量が多い場合でも、蒸発圧力調整弁の開度を大きくすることができる。このため、除湿運転時において、蒸発器(18)のフィン温度を充分に低下させることができるので、冷凍サイクルの性能を向上させることができる。
また、開度に対する冷媒流量の増加度合いが、開度が大きい方が多いので、冷媒の流量が少ない場合は、開度に対する冷媒流量の増加度合いを小さくすることができる。これにより、冷房運転時において、冷媒流量を細かく調整することができるので、冷凍サイクルの性能を向上させることができる。
尚、この欄及び特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
第1実施形態における車両用空調装置を示す全体構成図である。 第1実施形態に係る蒸発圧力調整弁を示す断面図である。 第1実施形態における蒸発圧力調整弁の開度と冷媒流量との関係を示す特性図である。 第1実施形態および比較例における冷媒流量に対する冷媒温度、蒸発器入口圧力、蒸発器出口圧力および冷却能力の変化を示すグラフである。 第2実施形態における蒸発圧力調整弁の開度と冷媒流量との関係を示す特性図である。 第3実施形態に係る蒸発圧力調整弁の一部を示す拡大断面図である。 第3実施形態における蒸発圧力調整弁の開度と冷媒流量との関係を示す特性図である。 第4実施形態に係る蒸発圧力調整弁の一部を示す拡大断面図である。 第4実施形態における蒸発圧力調整弁の開度と冷媒流量との関係を示す特性図である。 第5実施形態に係る蒸発圧力調整弁の一部を示す拡大断面図である。 第5実施形態における蒸発圧力調整弁の開度と冷媒流量との関係を示す特性図である。 第6実施形態に係る蒸発圧力調整弁を示す斜視図である。 第6実施形態における弁座および弁体を示す斜視図である。 第6実施形態における蒸発圧力調整弁の開度と冷媒流量との関係を示す特性図である。 第7実施形態における弁座および弁体を示す斜視図である。 第7実施形態における蒸発圧力調整弁の開度と冷媒流量との関係を示す特性図である。 第8実施形態に係る蒸発圧力調整弁を示す断面図である。 第8実施形態における蒸発圧力調整弁の開度と冷媒流量との関係を示す特性図である。 第9実施形態に係る蒸発圧力調整弁を示す断面図である。 図19のXX-XX断面図である。 第10実施形態に係る蒸発圧力調整弁の一部を示す拡大断面図である。 第10実施形態における蒸発圧力調整弁の開度と冷媒流量との関係を示す特性図である。 第11実施形態に係る蒸発圧力調整弁の一部を示す拡大断面図である。 第11実施形態における蒸発圧力調整弁の開度と冷媒流量との関係を示す特性図である。 第12実施形態に係る蒸発圧力調整弁を示す断面図である。 図25のXXVI-XXVI断面図である。 他の実施形態(1)に係る蒸発圧力調整弁を示す概略断面図である。 他の実施形態(2)に係る蒸発圧力調整弁を示す概略断面図である。 他の実施形態(3)における蒸発圧力調整弁の開度と冷媒流量との関係を示す特性図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。尚、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
第1実施形態に係る蒸発圧力調整弁19は、車両用空調装置1の冷凍サイクル装置10における構成機器の一つとして用いられている。車両用空調装置1は、内燃機関および走行用電動機から車両走行用の駆動力を得るハイブリッド車両に搭載されている。そして、冷凍サイクル装置10は、車両用空調装置1において、空調対象空間である車室内へ送風される車室内送風空気を冷却或いは加熱する機能を果たす。
そして、当該蒸発圧力調整弁19は、図1に示すように、冷凍サイクル装置10において、室内蒸発器18と圧縮機11の間に配置されており、室内蒸発器18における着霜を抑制している。
まず、蒸発圧力調整弁19を含む車両用空調装置1及び冷凍サイクル装置10の構成について、図1を参照しつつ説明する。第1実施形態に係る冷凍サイクル装置10は、暖房モードの冷媒回路、除湿暖房モードの冷媒回路及び冷房モードの冷媒回路を切り替え可能に構成されている。
ここで、車両用空調装置1において、暖房モードは、送風空気を加熱して車室内へ吹き出す運転モードである。除湿暖房モードは、冷却されて除湿された送風空気を再加熱して車室内へ吹き出す運転モードである。又、冷房モードは、送風空気を冷却して車室内へ吹き出す運転モードである。
尚、図1では、暖房モードの冷媒回路における冷媒の流れを黒塗り矢印で示し、除湿暖房モードの冷媒回路における冷媒の流れを斜線ハッチング付き矢印で示している。又、冷房モードの冷媒回路における冷媒の流れを白抜き矢印で示している。
そして、当該冷凍サイクル装置10では、冷媒としてHFC系冷媒(具体的には、R134a)を採用しており、高圧側冷媒圧力が冷媒の臨界圧力を超えない蒸気圧縮式の亜臨界冷凍サイクルを構成している。もちろん、冷媒としてHFO系冷媒(例えば、R1234yf)や自然冷媒(例えば、R744)等を採用してもよい。更に、冷媒には圧縮機11を潤滑するための冷凍機油が混入されており、冷凍機油の一部は冷媒とともにサイクルを循環している。
図1に示すように、冷凍サイクル装置10は、圧縮機11、第1膨張弁15a、第2膨張弁15b、室外熱交換器16、逆止弁17、室内蒸発器18、蒸発圧力調整弁19、アキュムレータ20、第1開閉弁21、第2開閉弁22を有している。
圧縮機11は、冷凍サイクル装置10において冷媒を吸入し、圧縮して吐出するものであり、車両ボンネット内に配置されている。圧縮機11は、吐出容量が固定された固定容量型の圧縮機構を電動モータにて駆動する電動圧縮機として構成されている。
そして、圧縮機11の圧縮機構としては、スクロール型圧縮機構、ベーン型圧縮機構等の各種圧縮機構を採用することができる。又、圧縮機11を構成する電動モータは、空調制御装置100から出力される制御信号によって、その作動(即ち、回転数)が制御される。電動モータとしては、交流モータ、直流モータの何れの形式を採用してもよい。
圧縮機11の吐出口には、室内凝縮器12の冷媒入口側が接続されている。室内凝縮器12は、暖房モード時及び除湿暖房モード時に、加熱用熱交換器として機能する。即ち、室内凝縮器12は、暖房モード時及び除湿暖房モード時に、圧縮機11から吐出された高温高圧の吐出冷媒と後述する室内蒸発器18を通過した送風空気とを熱交換させて送風空気を加熱する。室内凝縮器12は、後述する室内空調ユニット30のケーシング31内に配置されている。
室内凝縮器12の冷媒出口には、第1三方継手13aの1つの流入出口側が接続されている。第1三方継手13aのような三方継手は、冷凍サイクル装置10において、分岐部あるいは合流部として機能する。
例えば、除湿暖房モード時の第1三方継手13aでは、3つの流入出口のうち1つが流入口として用いられ、残りの2つが流出口として用いられる。従って、除湿暖房モード時の第1三方継手13aは、1つの流入口から流入した冷媒の流れを分岐して2つの流出口から流出させる分岐部としての機能を果たす。これらの三方継手は、複数の配管を接合して形成してもよいし、金属ブロックや樹脂ブロックに複数の冷媒通路を設けて形成してもよい。
更に、冷凍サイクル装置10は、後述するように、第2三方継手13b~第4三方継手13dを備えている。第2三方継手13b~第4三方継手13dの基本的構成は、第1三方継手13aと同様である。例えば、除湿暖房モード時の第4三方継手13dでは、3つの流入出口のうち2つが流入口として用いられ、残りの1つが流出口として用いられる。従って、除湿暖房モード時の第4三方継手13dは、2つの流入口から流入した冷媒を合流させて1つの流出口から流出させる合流部として機能する。
そして、第1三方継手13aの別の流入出口には、第1冷媒通路14aが接続されている。第1冷媒通路14aは、室内凝縮器12から流出した冷媒を、室外熱交換器16の冷媒入口側へ導く。
又、第1三方継手13aのさらに別の流入出口には、第2冷媒通路14bが接続されている。第2冷媒通路14bは、室内凝縮器12から流出した冷媒を、後述する第3冷媒通路14cに配置された第2膨張弁15bの入口側(具体的には、第3三方継手13cの1つの流入出口)へ導く。
第1冷媒通路14aには、第1膨張弁15aが配置されている。第1膨張弁15aは、暖房モード時、及び除湿暖房モード時に、室内凝縮器12から流出した冷媒を減圧させる。第1膨張弁15aは、減圧部(即ち、減圧装置)として機能する。第1膨張弁15aは、絞り開度を変更可能に構成された弁体と、この弁体の絞り開度を変化させるステッピングモータからなる電動アクチュエータとを有する可変絞り機構である。
更に、第1膨張弁15aは、絞り開度を全開にすることによって、冷媒減圧作用を殆ど発揮することなく単なる冷媒通路として機能する全開機能付きの可変絞り機構として構成されている。第1膨張弁15aは、空調制御装置100から出力される制御信号(即ち、制御パルス)によって、その作動が制御される。
第1膨張弁15aの出口側には、室外熱交換器16の冷媒入口側が接続されており、車両ボンネット内の車両前方側に配置されている。室外熱交換器16は、第1膨張弁15aから流出した冷媒と図示しない送風ファンから送風された車室外空気(即ち、外気)とを熱交換させるものである。送風ファンは、空調制御装置100から出力される制御電圧によって回転数(即ち、送風能力)が制御される電動送風機である。
具体的には、室外熱交換器16は、暖房モード時においては、外気から吸熱する吸熱器として機能する。冷房モード時及び除湿暖房モード時においては、室外熱交換器16は、外気へ放熱する放熱器として機能する。
室外熱交換器16の冷媒出口側には、第2三方継手13bの1つの流入出口が接続されている。第2三方継手13bの別の流入出口には、第3冷媒通路14cが接続されている。第3冷媒通路14cは、室外熱交換器16から流出した冷媒を、室内蒸発器18の冷媒入口側へ導く。
又、第2三方継手13bのさらに別の流入出口には、第4冷媒通路14dが接続されている。第4冷媒通路14dは、室外熱交換器16から流出した冷媒を、後述するアキュムレータ20の入口側(具体的には、第4三方継手13dの1つの流入出口)へ導く。
第3冷媒通路14cには、逆止弁17、第3三方継手13c、並びに、第2膨張弁15bが、冷媒流れに対してこの順に配置されている。逆止弁17は、冷媒が第2三方継手13b側から室内蒸発器18側へ流れることのみを許容するものである。第3三方継手13cには、前述した第2冷媒通路14bが接続されている。
第2膨張弁15bは、室外熱交換器16から流出して室内蒸発器18へ流入する冷媒を減圧させる。即ち、第2膨張弁15bは減圧部(即ち、減圧装置)として機能する。第2膨張弁15bの基本的構成は、第1膨張弁15aと同様である。更に、当該第2膨張弁15bは、絞り開度を全閉した際にこの冷媒通路を閉塞する全閉機能付きの可変絞り機構で構成されている。
従って、第1実施形態に係る冷凍サイクル装置10では、第2膨張弁15bを全閉として第3冷媒通路14cを閉じることによって、冷媒回路を切り替えることができる。換言すると、第2膨張弁15bは、冷媒減圧装置として機能するとともに、サイクルを循環する冷媒の冷媒回路を切り替える冷媒回路切替装置としても機能する。
室内蒸発器18は、冷房モード時及び除湿暖房モード時に、冷却用熱交換器として機能する。即ち、室内蒸発器18は、冷房モード時及び除湿暖房モード時に、第2膨張弁15bから流出した冷媒と室内凝縮器12通過前の送風空気とを熱交換させ、本発明における蒸発器として機能する。室内蒸発器18では、第2膨張弁15bにて減圧された冷媒を蒸発させて吸熱作用を発揮させることによって送風空気を冷却する。室内蒸発器18は、室内空調ユニット30のケーシング31内のうち、室内凝縮器12の送風空気流れ上流側に配置されている。
室内蒸発器18の冷媒出口には、蒸発圧力調整弁19の流入口側が接続されている。蒸発圧力調整弁19は、室内蒸発器18の着霜(フロスト)を抑制するために、室内蒸発器18における冷媒蒸発圧力(即ち、低圧側冷媒圧力)を着霜抑制圧力以上に調整する機能を果たす。換言すると、蒸発圧力調整弁19は、室内蒸発器18における冷媒蒸発温度を予め定められた着霜抑制温度以上に調整する。
蒸発圧力調整弁19は、絞り開度を変更可能に構成された弁体と、この弁体の絞り開度を変化させる電動アクチュエータとを有して構成される電動弁である。蒸発圧力調整弁19は、空調制御装置100から出力される制御信号(即ち、制御パルス)によって、その作動が制御される。当該蒸発圧力調整弁19の具体的構成については、後に図面を参照しつつ詳細に説明する。
蒸発圧力調整弁19の出口側には、第4三方継手13dが接続されている。又、前述したように、第4三方継手13dにおける他の流入出口には、第4冷媒通路14dが接続されている。そして、第4三方継手13dのさらに別の流入出口には、アキュムレータ20の入口側が接続されている。
アキュムレータ20は、内部に流入した冷媒の気液を分離して、サイクル内の余剰冷媒を蓄える気液分離器である。アキュムレータ20の気相冷媒出口には、圧縮機11の吸入口側が接続されている。従って、アキュムレータ20は、圧縮機11に液相冷媒が吸入されることを抑制し、圧縮機11における液圧縮を防止する。
又、第2三方継手13bと第4三方継手13dとを接続する第4冷媒通路14dには、第1開閉弁21が配置されている。第1開閉弁21は、電磁弁によって構成されている。そして、第1開閉弁21は、第4冷媒通路14dを開閉することによって冷媒回路を切り替える冷媒回路切替装置として機能する。第1開閉弁21は、空調制御装置100から出力される制御信号によって、その作動が制御される。
同様に、第1三方継手13aと第3三方継手13cとを接続する第2冷媒通路14bには、第2開閉弁22が配置されている。第2開閉弁22は、第1開閉弁21と同様に、電磁弁によって構成されている。第2開閉弁22は、第2冷媒通路14bを開閉することによって冷媒回路を切り替える冷媒回路切替装置として機能する。
次に、冷凍サイクル装置10と共に車両用空調装置1を構成する室内空調ユニット30について説明する。室内空調ユニット30は、冷凍サイクル装置10によって温度調整された送風空気を車室内へ吹き出すためのものである。この室内空調ユニット30は、車室内最前部の計器盤(即ち、インストルメントパネル)の内側に配置されている。
室内空調ユニット30は、その外殻を形成するケーシング31内に送風機32、室内蒸発器18、室内凝縮器12等を収容することによって構成されている。ケーシング31は、車室内に送風される送風空気の空気通路を形成するものである。ケーシング31は、或る程度の弾性を有し、強度的にも優れた樹脂(例えば、ポリプロピレン)にて成形されている。
ケーシング31内の送風空気流れ最上流側には、内外気切替装置33が配置されている。内外気切替装置33は、ケーシング31内へ内気(即ち、車室内空気)と外気(即ち、車室外空気)とを切替導入する。
具体的には、内外気切替装置33は、ケーシング31内へ内気を導入させる内気導入口及び外気を導入させる外気導入口の開口面積を、内外気切替ドアによって連続的に調整して、内気の風量と外気の風量との風量割合を連続的に変化させることができる。内外気切替ドアは、内外気切替ドア用の電動アクチュエータによって駆動される。この電動アクチュエータは、空調制御装置100から出力される制御信号によって、その作動が制御される。
そして、内外気切替装置33の送風空気流れ下流側には、送風機(即ち、ブロワ)32が配置されている。この送風機32は、内外気切替装置33を介して吸入した空気を車室内へ向けて送風する。送風機32は、遠心多翼ファン(即ち、シロッコファン)を電動モータにて駆動する電動送風機である。送風機32における遠心多翼ファンの回転数(即ち、送風量)は、空調制御装置100から出力される制御電圧によって制御される。
送風機32の送風空気流れ下流側には、室内蒸発器18及び室内凝縮器12が、送風空気流れに対して、この順に配置されている。換言すると、室内蒸発器18は、室内凝縮器12よりも送風空気流れ上流側に配置されている。
又、ケーシング31内には、冷風バイパス通路35が形成されている。冷風バイパス通路35は、室内蒸発器18を通過した送風空気を、室内凝縮器12を迂回させて下流側へ流す為の通路である。
室内蒸発器18の送風空気流れ下流側であって、且つ、室内凝縮器12の送風空気流れ上流側には、エアミックスドア34が配置されている。エアミックスドア34は、室内蒸発器18通過後の送風空気のうち室内凝縮器12を通過させる風量割合を調整する際に用いられる。従って、車両用空調装置1は、冷風バイパス通路35を全開開度とし、エアミックスドア34により室内凝縮器12へ向かう送風空気の流路を全閉することで、室内凝縮器12における熱交換量を最小値にすることができる。
又、室内凝縮器12の送風空気流れ下流側には、混合空間が設けられている。混合空間では、室内凝縮器12にて加熱された送風空気と、冷風バイパス通路35を通過して室内凝縮器12にて加熱されていない送風空気とが混合される。更に、ケーシング31の送風空気流れ最下流部には、複数の開口穴が配置されている。混合空間にて混合された送風空気(即ち、空調風)は、これらの開口穴を介して、空調対象空間である車室内へ吹き出される。
これらの開口穴としては、具体的に、フェイス開口穴、フット開口穴、デフロスタ開口穴(いずれも図示せず)が設けられている。フェイス開口穴は、車室内の乗員の上半身に向けて空調風を吹き出す為の開口穴である。フット開口穴は、乗員の足元に向けて空調風を吹き出す為の開口穴である。デフロスタ開口穴は、車両前面窓ガラス内側面に向けて空調風を吹き出す為の開口穴である。
更に、フェイス開口穴、フット開口穴及びデフロスタ開口穴の送風空気流れ下流側は、それぞれ空気通路を形成するダクトを介して、車室内に設けられたフェイス吹出口、フット吹出口及びデフロスタ吹出口(いずれも図示せず)に接続されている。従って、エアミックスドア34が、室内凝縮器12を通過させる風量と冷風バイパス通路35を通過させる風量との風量割合を調整することによって、混合空間にて混合される空調風の温度が調整されて、各吹出口から車室内へ吹き出される空調風の温度が調整される。
つまり、エアミックスドア34は、車室内へ送風される空調風の温度を調整する温度調整部としての機能を果たす。エアミックスドア34は、エアミックスドア駆動用の電動アクチュエータによって駆動される。この電動アクチュエータは、空調制御装置100から出力される制御信号によって、その作動が制御される。
又、フェイス開口穴、フット開口穴、及びデフロスタ開口穴の送風空気流れ上流側には、それぞれ、フェイス開口穴の開口面積を調整するフェイスドア、フット開口穴の開口面積を調整するフットドア、デフロスタ開口穴の開口面積を調整するデフロスタドア(いずれも図示せず)が配置されている。
これらのフェイスドア、フットドア、デフロスタドアは、吹出口モードを切り替える吹出口モード切替ドアを構成する。フェイスドア、フットドア、デフロスタドアは、それぞれリンク機構等を介して、吹出口モードドア駆動用の電動アクチュエータに連結されており、連動して回転操作される。この電動アクチュエータも、空調制御装置100から出力される制御信号によって、その作動が制御される。
吹出口モード切替ドアによって切り替えられる吹出口モードとしては、具体的に、フェイスモード、バイレベルモード、フットモード等がある。
フェイスモードは、フェイス吹出口を全開にしてフェイス吹出口から車室内乗員の上半身に向けて空気を吹き出す吹出口モードである。バイレベルモードは、フェイス吹出口とフット吹出口の両方を開口して車室内乗員の上半身と足元に向けて空気を吹き出す吹出口モードである。フットモードは、フット吹出口を全開にしてフット吹出口から車室内乗員の足元に向けて送風空気を吹き出す吹出口モードである。
更に、乗員が操作パネルに設けられた吹出モード切替スイッチをマニュアル操作することによって、デフロスタモードとすることもできる。デフロスタモードは、デフロスタ吹出口を全開してデフロスタ吹出口から車両フロント窓ガラス内面に空気を吹き出す吹出口モードである。
空調制御装置100は、CPU、ROM、RAM等を含む周知のマイクロコンピュータとその周辺回路から構成され、そのROM内に記憶された空調制御プログラムに基づいて各種演算、処理を行い、出力側に接続された各種制御対象機器の作動を制御する。
そして、当該車両用空調装置1は、上述したように、冷房運転、暖房運転、除湿暖房運転に、その運転態様を切り替えることができる。この運転モード毎の具体的な作動や制御については、既に公知の内容であり、例えば、特開2012-225637号公報等に記載されている。従って、これらの点についての説明を省略する。
次に、当該車両用空調装置1及び冷凍サイクル装置10に配置されている蒸発圧力調整弁19の具体的構成について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
上述したように、第1実施形態に係る蒸発圧力調整弁19は、冷凍サイクル装置10における室内蒸発器18と圧縮機11の間に配置されている。当該蒸発圧力調整弁19は、室内蒸発器18における冷媒蒸発圧力P1が予め定めた基準蒸発圧力(即ち、着霜抑制圧力APe)以上となるように調整する機能を果たす。
図2に示すように、蒸発圧力調整弁19は、アルミ合金等から構成されたボデー部51を有している。蒸発圧力調整弁19は、ボデー部51の内部に形成された冷媒流路上の弁室51aに、弁体55を摺動可能に収容して構成されている。
具体的には、蒸発圧力調整弁19は、ボデー部51、駆動機構52、外側ガイド部53、内側ガイド部54、弁体55およびコイルスプリング56を備えている。
ボデー部51には、中空円筒状の弁室51aが形成されている。弁室51aの周壁面の下部には、中空円筒状の流入路51bが形成されている。弁室51aの下面の中央部には、中空円筒状の流出路51cが同心状に形成されている。弁室51a、流入路51bおよび流出路51cにより、連続したL字状の流体通路51dが構成されている。
弁室51aの下面、すなわち流出路51cの上端開口部の口縁部には、弁座51eが同心状に形成されている。弁座51eの上面は、弁室51aの軸線に対して直交する平面で構成されている。
弁室の51aの上面の中央部には、中空円筒状の軸通路51jが形成されている。軸通路51jには、後述する出力軸52aおよび動力伝達部52bが挿通されている。軸通路51jの下方側の内周面には、雌ねじ部51fが形成されている。
また、ボデー部51には、入口部51gおよび出口部51hが形成されている。入口部51gは、室内蒸発器18軸通路51jから流出した冷媒を流入させる。出口部51hは、弁室51aを流通した冷媒を圧縮機11の吸入口側へ流出させる。入口部51gは、流入路51bの入口側に接続されている。出口部51hは、流出路51cの出口側に接続されている。
入口部51gから流入した冷媒は、流入路51bを介して弁室51aに流入し、その後、流出路51cを介して出口部51hから流出する。したがって、弁室51aは、入口部51gから流入した冷媒を流通させる冷媒流路に相当する。
ボデー部51内の冷媒流路において、入口部51gから弁体55に向かう冷媒の流れと、弁体55から出口部51hへ向かう冷媒の流れとの成す角度は、90°である。換言すると、流入路51bを流れる冷媒の流れと、流出路51cを流れる冷媒の流れとの成す角度は、90°である。
駆動機構52は、弁体55を変位させる電動アクチュエータである。本実施形態では、駆動機構52としてステッピングモータが採用されている。
駆動機構52は、ボデー部51の上部に設置されている。駆動機構52には、モータ本体の下面から突出されかつ正逆回転可能な出力軸52aが設けられている。出力軸52aの下端部には、出力軸52aを介して駆動機構52の動力を伝達する動力伝達部52bが接続されている。動力伝達部52bは、出力軸52aと同心状に延びる略円柱状に形成されている。出力軸52aおよび動力伝達部52bは、ボデー部51の軸通路51j内に同心状に配置されている。
外側ガイド部53は、円筒状の筒壁部53aと、筒壁部53aの下端開口部を閉鎖する下壁部53bとを有する有底円筒状に形成されている。外側ガイド部53は、ボデー部51の弁室51a内に配置されている。筒壁部53aは、弁室51aに対して同心状に配置されている。筒壁部53aの上端部は、弁室51aの上壁面に固定されている。下壁部53bの中心部には、後述する弁体55の弁側円筒部55bが挿通される貫通孔53cが形成されている。
外側ガイド部53の内側には、内側ガイド部54が配置されている。内側ガイド部54は、ボデー部51の弁室51a内に対して、図示しない回転防止部により軸回り方向に回り止めされた状態で上下方向(すなわち軸方向)に移動可能に配置されている。
内側ガイド部54は、弁室51aの軸方向に垂直な方向から見た断面が略T字状に形成されている。内側ガイド部54は、ガイド側円板部54aおよびガイド側円筒部54bを有している。ガイド側円板部54aおよびガイド側円筒部54bの双方は、弁室51aに対して同心状に形成されている。ガイド側円板部54aは、ガイド側円筒部54bの上面に配置されている。ガイド側円筒部54bの直径は、ガイド側円板部54aの直径より小さい。
内側ガイド部54のガイド側円板部54aは、鋼玉54cを介して、動力伝達部52bに接続されている。また、内側ガイド部54のガイド側円筒部54bの下端面には、弁体55が接続されている。
ここで、動力伝達部52bの下方側の外周面には、雄ねじ部52cが形成されている。動力伝達部52bは、ボデー部51の軸通路51jに螺合されている。すなわち、軸通路51jの雌ねじ部51fと動力伝達部52bの雄ねじ部52cとがねじ合わされている。したがって、駆動機構52の出力軸52aおよび動力伝達部52bの正逆回転に基づいて、動力伝達部52bに接続されている内側ガイド部54および弁体55が上下方向(すなわち、軸方向)に直線往復運動(すなわち、昇降移動)される。このとき、動力伝達部52bの雄ねじ部52cと軸通路51jの雌ねじ部51fとにより送りねじ機構57が構成されている。
内側ガイド部54におけるガイド側円板部54aの下面と外側ガイド部53の下壁部53bとの間には、コイルスプリング56が介装されている。コイルスプリング56は、内側ガイド部54のガイド側円筒部54bの外周側に同心状に配置されている。コイルスプリング56は、内側ガイド部54を常に上方へ付勢することにより、送りねじ機構57のバックラッシュを防止する。
弁体55は、弁室51aの軸方向に垂直な方向から見た断面が略逆T字状に形成されている。弁体55は、弁側円板部55aおよび弁側円筒部55bを有している。弁側円板部55aおよび弁側円筒部55bの双方は、弁室51aに対して同心状に形成されている。弁側円板部55aは、弁側円筒部55bの下面に配置されている。弁側円筒部55bの直径は、弁側円板部55aの直径より小さい。
弁側円筒部55bの上面は、内側ガイド部54のガイド側円筒部54bに接続されている。弁側円筒部55bの直径は、ガイド側円筒部54bの直径と同等である。
弁側円筒部55bは、外側ガイド部53の下壁部53bにおける貫通孔53cに挿通されている。弁側円筒部55bの直径は、貫通孔53cの直径よりわずかに小さい。弁側円板部55aは、弁室51aにおける外側ガイド部53の外側、すなわち外側ガイド部53の下方側に配置されている。
ところで、蒸発圧力調整弁19の駆動機構52は、空調制御装置100から出力される制御信号によって、その作動が制御される。より詳細には、空調制御装置100は、室内蒸発器18における冷媒蒸発温度(即ち、蒸発器温度)に基づいて、蒸発圧力調整弁19における冷媒流路の絞り開度を制御する。
室内蒸発器18における冷媒蒸発温度は、蒸発器温度センサ18a(図1参照)により検出される。本実施形態の蒸発器温度センサ18aでは、具体的に、室内蒸発器18の熱交換フィン温度を検出している。
次に、本実施形態の蒸発圧力調整弁19の流量特性について、図面を参照しつつ説明する。本実施形態の蒸発圧力調整弁19は、図3に示すように、開度に対する冷媒流量の増加度合いが、開度が大きい方が多くなる流量特性を有している。なお、開度に対する冷媒流量の増加度合いは、図3のグラフの傾きに相当している。
換言すると、本実施形態の蒸発圧力調整弁19は、絞り開度が予め定めた第1基準開度より小さい低開度域における開度に対する冷媒流量の増加度合いが、絞り開度が第1基準開度以上の第2基準開度より大きい高開度域における開度に対する冷媒流量の増加度合いよりも少なくなる流量特性を有している。低開度域とは、絞り開度が予め定めた第1基準開度より小さい開度域である。高開度域とは、絞り開度が第1基準開度以上の第2基準開度より大きい開度域である。
すなわち、本実施形態の蒸発圧力調整弁19は、絞り開度が最小から最大までの間に、開度の増加に対する冷媒流量の増加割合が小さい状態から大きい状態に切り替わる遷移領域(本例では、遷移点S1)を有する流量特性を備えている。遷移点S1よりも絞り開度が小さい領域R1における開度の増加に対する冷媒流量の増加割合は、当該遷移点S1よりも絞り開度が大きい領域R2における開度の増加に対する冷媒流量の増加割合よりも小さい。なお、本実施形態の蒸発圧力調整弁19では、絞り開度が最小の場合の冷媒流量は0に設定されている。
以上説明したように、本実施形態の蒸発圧力調整弁19は、電動アクチュエータである駆動機構52で駆動されるので、室内蒸発器18の出口側冷媒の圧力に開度が依存しない。このため、冷媒の流量が多い場合でも、蒸発圧力調整弁19の開度を大きくすることができる。これにより、除湿暖房運転時において、室内蒸発器18のフィン温度を充分に低下させることができるので、冷凍サイクルの性能を向上させることができる。
このことを、図4を用いて説明する。図4では、電動アクチュエータである駆動機構52で駆動される本実施形態の蒸発圧力調整弁19を用いた際の、冷媒流量と室内蒸発器18の出口側冷媒温度との関係を太実線で示している。また、比較例として、室内蒸発器18の出口側冷媒の圧力の上昇に伴って弁開度を増加させる機械式の蒸発圧力調整弁を用いた際の、冷媒流量と室内蒸発器18の出口側冷媒温度との関係を太一点鎖線で示している。
図4の破線aおよび実線bで示すように、室内蒸発器18における冷媒流量が増加すると、室内蒸発器18における冷媒の圧力損失が増大し、室内蒸発器18の出口側冷媒の圧力が小さくなる。このとき、比較例では、機械式の蒸発圧力調整弁を用いているため、弁開度が小さくなり、適正な開度で開かない。これにより、圧縮機11の冷媒吐出能力が頭打ちとなってしまう。
一方、本実施形態では、蒸発圧力調整弁19が電動弁であるため、冷媒流量が増大した際に室内蒸発器18の出口側冷媒の圧力が小さくなったとしても、強制的に開弁することができる。これにより、圧縮機11の冷媒吐出能力を向上できるので、冷凍サイクルの性能を向上させることができる。
また、本実施形態の蒸発圧力調整弁19は、開度に対する冷媒流量の増加度合いが、開度が大きい方が多い流量特性を有している。このため、冷媒の流量が少ない場合は、開度に対する冷媒流量の増加度合いを小さくすることができる。これにより、冷房運転時において、冷媒流量を細かく調整することができるので、冷凍サイクルの性能を向上させることができる。したがって、本実施形態の蒸発圧力調整弁19によれば、作動条件に関わらず冷凍サイクルの性能を向上できる。
ところで、蒸発圧力調整弁19のボデー部51内の冷媒流路において、入口部51gから弁体55に向かう冷媒の流れと、弁体55から出口部51hへ向かう冷媒の流れとの成す角度が90°より小さいと、冷媒流路における圧力損失が増大してしまう。
これに対し、本実施形態の蒸発圧力調整弁19では、ボデー部51内の冷媒流路において、入口部51gから弁体55に向かう冷媒の流れと、弁体55から出口部51hへ向かう冷媒の流れとの成す角度を、90°としている。これによれば、蒸発圧力調整弁19内の冷媒流路において圧力損失が増大することを抑制できる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について図5に基づいて説明する。本実施形態では、第1実施形態に対して、蒸発圧力調整弁19の流量特性を変更している。
図5に示すように、本実施形態の蒸発圧力調整弁19では、絞り開度が最小の場合の冷媒流量が0より大きく設定されている。すなわち、本実施形態の蒸発圧力調整弁19は、最小開度において冷媒の流量が0より大きくなるように設定されている。これによれば、蒸発圧力調整弁19における差圧を低減できるので、駆動機構52(例えば、ステッピングモータ)に減速機を設けることなく、作動させることが可能となる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について図6および図7に基づいて説明する。本実施形態では、第1実施形態に対して、蒸発圧力調整弁19の弁体55の構成を変更している。
図6に示すように、本実施形態の蒸発圧力調整弁19では、弁体55としてニードル弁を採用している。すなわち、本実施形態では、弁体55は、先端部に向かって先細る形状に形成されている。
より詳細には、弁体55の先端部は、駆動機構52から遠ざかる程(即ち、先端に近づく程)、軸方向に垂直な断面積が小さくなるテーパ状に形成されている。以下、弁体55の表面(即ち、テーパ面)と軸方向との成す角度をテーパ角度という。
弁体55の先端部には、テーパ角度の異なる第1先端部551および第2先端部552が設けられている。第1先端部551は、第2先端部552より先端側に配置されている。第1先端部551のテーパ角度は、第2先端部552のテーパ角度よりも大きい。
第1先端部551および第2先端部552は、直接接続されている。すなわち、第1先端部551および第2先端部552の間に、他の部材が介在されていない。第1先端部551および第2先端部552は、一体に形成されている。
図7に示すように、本実施形態の蒸発圧力調整弁19は、第1実施形態と同様に、開度に対する冷媒流量の増加度合いが、開度が大きい方が多くなる流量特性を有している。このとき、弁体55の先端部のテーパ角度が大きい程、開度に対する冷媒流量の増加度合いが多くなる。
その他の構成は、第1実施形態と同様である。したがって、第3実施形態の蒸発圧力調整弁19においても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について図8および図9に基づいて説明する。本実施形態では、第3実施形態に対して、蒸発圧力調整弁19の弁体55の構成を変更している。
図8に示すように、本実施形態の蒸発圧力調整弁19は、第1先端部551と第2先端部552との間に、段差面553を有している。段差面553は、軸方向に垂直な平面状に形成されている。すなわち、段差面553と軸方向との成す角度は90°である。
図9に示すように、本実施形態の蒸発圧力調整弁19は、絞り開度が最小から最大までの間に、開度の増加に対する冷媒流量の増加割合が小さい状態から大きい状態に切り替わる遷移領域S2を有する流量特性を備えている。遷移領域S2よりも絞り開度が小さい小開度領域R1における開度の増加に対する冷媒流量の増加割合は、当該遷移領域点S2よりも絞り開度が大きい大開度領域R2における開度の増加に対する冷媒流量の増加割合よりも小さい。また、本実施形態では、小開度領域R1から大開度領域R2に開度が増加する際、遷移領域S2では、絞り開度が一定の状態で、冷媒流量のみ増加する。
その他の構成は、第3実施形態と同様である。したがって、第4実施形態の蒸発圧力調整弁19においても、第3実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態について図10および図11に基づいて説明する。本実施形態では、第3実施形態に対して、蒸発圧力調整弁19の弁体55の構成を変更している。
図10に示すように、本実施形態の蒸発圧力調整弁19は、第1先端部551と第2先端部552との間に、平坦面554を有している。平坦面554は、軸方向に平行な平面状に形成されている。すなわち、平坦面554と軸方向との成す角度は0°である。
図11に示すように、本実施形態の蒸発圧力調整弁19は、絞り開度が最小から最大までの間に、開度の増加に対する冷媒流量の増加割合が小さい状態から大きい状態に切り替わる遷移領域S2を有する流量特性を備えている。遷移領域S2よりも絞り開度が小さい小開度領域R1における開度の増加に対する冷媒流量の増加割合は、当該遷移領域点S2よりも絞り開度が大きい大開度領域R2における開度の増加に対する冷媒流量の増加割合よりも小さい。また、本実施形態では、小開度領域R1から大開度領域R2に開度が増加する際、遷移領域S2では、絞り開度が増加しても、冷媒流量は一定である。
その他の構成は、第3実施形態と同様である。したがって、第5実施形態の蒸発圧力調整弁19においても、第3実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第6実施形態)
次に、本発明の第6実施形態について図12~図14に基づいて説明する。本実施形態では、第1実施形態に対して、蒸発圧力調整弁19の構成を変更している。
図12および図13に示すように、本実施形態の蒸発圧力調整弁19は、ディスクバルブにより構成されている。具体的には、本実施形態の蒸発圧力調整弁19は、弁箱61、弁座62および弁体63を有している。
弁箱61は、冷媒流路610を構成する箱状部材であり、ボデー部に相当する。弁箱61には流入管61aおよび流出管61bが接続されている。流入管61aは、室内蒸発器18から流出した冷媒を流入させる入口部である。流出管61bは、冷媒を圧縮機11の吸入口側へ流出させる出口部である。
弁座62および弁体63は、弁箱61内に収容されている。弁座62および弁体63の双方は、ディスク状(即ち、円盤状)に形成されている。弁座62には、流入管61aと連通する弁孔62aが形成されている。弁体63には、周方向に延びる連通孔63aが形成されている。本実施形態では、連通孔63aは、図12の紙面における時計回り方向の後方側から前方側に向かって開口面積が徐々に拡大するテーパ状に形成されている。
弁座62と弁体63は、これらの中心軸が合わさるよう重ね合わされている。そして、弁体63を弁座62に対して中心軸の回りに所定角度まで摺動回転させて弁孔62aを開閉する。
弁体63は、回転中心軸に、図示しない駆動機構であるステッピングモータの回転軸が接続されている。当該ステッピングモータは、図示しない空調制御装置から出力される制御信号によって、その作動が制御される。このため、本実施形態の蒸発圧力調整弁19では、空調制御装置から出力される制御信号に応じ、弁体63を弁座62に対して中心軸の回りに任意角度に回転させることができる。
弁体63を図13における紙面反時計回り方向に回転させることで絞り開度が大きくなり、弁体63を図13における紙面時計回り方向に回転させることで絞り開度が小さくなる。このとき、連通孔63aがテーパ状に形成されているため、図14に示すように、本実施形態の蒸発圧力調整弁19は、開度に対する冷媒流量の増加度合いが、開度が大きい方が多くなる流量特性を有している。
その他の構成は、第1実施形態と同様である。したがって、第6実施形態の蒸発圧力調整弁19においても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第7実施形態)
次に、本発明の第7実施形態について図15および図16に基づいて説明する。本実施形態では、第6実施形態に対して、弁体63の連通孔63aの形状を変更している。
図15に示すように、本実施形態の蒸発圧力調整弁19では、連通孔63aは、細溝部63bおよび太溝部63cを有している。細溝部63bにおける径方向の幅は、太溝部63cにおける径方向の幅より細い。弁体63において、細溝部63bは太溝部63cよりも時計回り方向における後方側に配置されている。細溝部63bと太溝部63cとは直接連通している。
細溝部63bでは、時計回り方向前方側から後方側まで径方向の長さは一定である。太溝部63cでは、時計回り方向後方側から前方側に向かって、径方向の長さが徐々に長くなっている。
上述のように連通孔63aが構成されているため、本実施形態の蒸発圧力調整弁19は、図16に示すように、絞り開度が最小から最大までの間に、開度の増加に対する冷媒流量の増加割合が小さい状態から大きい状態に切り替わる遷移領域S2を有する流量特性を備えている。遷移領域S2よりも絞り開度が小さい小開度領域R1における開度の増加に対する冷媒流量の増加割合は、当該遷移領域点S2よりも絞り開度が大きい大開度領域R2における開度の増加に対する冷媒流量の増加割合よりも小さい。また、本実施形態では、小開度領域R1から大開度領域R2に開度が増加する際、遷移領域S2では、絞り開度が一定の状態で、冷媒流量のみ増加する。
その他の構成は、第6実施形態と同様である。したがって、第7実施形態の蒸発圧力調整弁19においても、第6実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第8実施形態)
次に、本発明の第8実施形態について図17および図18に基づいて説明する。本実施形態では、第1実施形態に対して、蒸発圧力調整弁19の構成を変更している。
図17に示すように、本実施形態の蒸発圧力調整弁19は、バタフライ弁により構成されている。具体的には、本実施形態の蒸発圧力調整弁19は、弁箱71、弁軸72、弁体73、弁体弁座74および弁箱弁座75を有している。
弁箱71は、冷媒流路710を構成する箱状部材であり、ボデー部に相当する。弁箱71には流入路71aおよび流出路71bが接続されている。流入路71aは、室内蒸発器18から流出した冷媒を流入させる入口部である。流出路71bは、冷媒を圧縮機11の吸入口側へ流出させる出口部である。
弁軸72は、弁箱71を弁軸72の径方向に貫通する軸部材である。弁体73は、円板状に形成されるとともに、弁軸72に取り付けられている。弁体弁座74は、弁体73の外周全面に設けられている。弁箱弁座75は、弁箱71の内壁面に設けられており、弁体弁座74が接離する。
弁軸72には、図示しない駆動機構であるステッピングモータの回転軸が接続されている。当該ステッピングモータは、図示しない空調制御装置から出力される制御信号によって、その作動が制御される。このため、本実施形態の蒸発圧力調整弁19では、空調制御装置から出力される制御信号に応じ、弁軸72を介して弁体73を回転して弁体弁座74を弁箱弁座75に接離することによって弁開閉する。
ここで、本実施形態では、弁箱弁座75は、弁箱71の冷媒流れ方向(図17の紙面上下方向)に対して傾斜したテーパ面75aを有している。このため、図18に示すように、本実施形態の蒸発圧力調整弁19は、開度に対する冷媒流量の増加度合いが、開度が大きい方が多くなる流量特性を有している。
その他の構成は、第1実施形態と同様である。したがって、第8実施形態の蒸発圧力調整弁19においても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第9実施形態)
次に、本発明の第9実施形態について図19および図20に基づいて説明する。本実施形態では、第8実施形態に対して、蒸発圧力調整弁19の構成を変更している。
図19に示すように、本実施形態の蒸発圧力調整弁19は、ボール弁により構成されている。具体的には、本実施形態の蒸発圧力調整弁19は、弁箱81、弁体82および弁棒83を有している。
弁箱81は、冷媒流路810を構成する箱状部材であり、ボデー部に相当する。弁箱81には、図示しない流入路および流出路が接続されている。流入路は、室内蒸発器18から流出した冷媒を流入させる入口部である。流出路は、冷媒を圧縮機11の吸入口側へ流出させる出口部である。
弁体82は、球状に形成されるとともに、弁箱81内に弁座84を介して回転可能に保持される。弁棒83は、弁体82の上面に接続されるとともに、弁体82を回転させる。
図20に示すように、弁体82には、球状面へ開口して弁内冷媒通路82aが形成されている。弁体82において、弁内冷媒通路82aの球状面への開口部には、弁体82の回転方向へ延出して、切欠溝82bが形成されている。
図19に示すように、弁棒83には、図示しない駆動機構であるステッピングモータの回転軸が接続されている。当該ステッピングモータは、図示しない空調制御装置から出力される制御信号によって、その作動が制御される。このため、本実施形態の蒸発圧力調整弁19では、空調制御装置から出力される制御信号に応じ、弁棒83を介して弁体82を回転して、弁箱81内の冷媒流路と弁体82の弁内冷媒通路82aとの連通状態を切り替えることによって弁開閉する。
本実施形態の蒸発圧力調整弁19では、第8実施形態と同様の流量特性を有している。したがって、第9実施形態の蒸発圧力調整弁19においても、第8実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第10実施形態)
次に、本発明の第10実施形態について図21および図22に基づいて説明する。本実施形態では、第1実施形態に対して、蒸発圧力調整弁19の構成を変更している。
図21に示すように、本実施形態の蒸発圧力調整弁19は、スプール弁により構成されている。具体的には、本実施形態の蒸発圧力調整弁19は、ケース91、略円筒状の弁体92および軸部93を有している。
ケース91は、冷媒流路910を構成する流路形成部であり、ボデー部に相当する。ケース91には、弁室91a、流入ポート91bおよび流出ポート91cが形成されている。弁室91aは、弁体92が収容される空間であって、弁体92の軸方向に延びている。流入ポート91bは、室内蒸発器18から流出した冷媒を流入させる入口部である。流出ポート91cは、冷媒を圧縮機11の吸入口側へ流出させる出口部である。流入ポート91bにおける弁室91aへの開口部と、流出ポート91cにおける弁室91aへの開口部とは、弁体92の軸方向に垂直な同一平面上に配置されている。
弁体92は、弁室91a内に配置されている。弁体92の外径は、弁室91aの内径よりわずかに小さい。軸部93は、弁体92の軸方向の一端面の中央部に接続されている。
軸部93における弁体92と接続されていない側の端部には、図示しない駆動機構であるリニアアクチュエータが接続されている。リニアアクチュエータは、直線駆動する電動アクチュエータである。リニアアクチュエータは、図示しない空調制御装置から出力される制御信号によって、その作動が制御される。このため、本実施形態の蒸発圧力調整弁19では、空調制御装置から出力される制御信号に応じ、軸部93および弁体92を軸方向に摺動させて、流入ポート91bと流出ポート91cとの連通状態を切り替えることによって弁開閉する。
本実施形態では、弁体92は、弁体92の軸方向および径方向の双方に対して傾斜した第1テーパ面92aおよび第2テーパ面92bを有している。第1テーパ面92aは、第2テーパ面92bより軸部93に近い側に配置されている。第2テーパ面92bの軸方向に対する傾斜角度は、第1テーパ面92aの軸方向に対する傾斜角度よりも大きい。第1テーパ面92aおよび第2テーパ面92bは、連続して形成されている。
ここで、上述したように、弁体82は第1テーパ面92aおよび第2テーパ面92bを有しているので、図22に示すように、本実施形態の蒸発圧力調整弁19は、開度に対する冷媒流量の増加度合いが、開度が大きい方が多くなる流量特性を有している。
より詳細には、本実施形態の蒸発圧力調整弁19は、絞り開度が最小から最大までの間に、開度の増加に対する冷媒流量の増加割合が小さい状態から大きい状態に切り替わる第1遷移点S1および第2遷移点S2を有する流量特性を備えている。
第1遷移点S1よりも絞り開度が小さい領域R1における開度の増加に対する冷媒流量の増加割合は、当該第1遷移点S1よりも絞り開度が大きい領域R2、R3における開度の増加に対する冷媒流量の増加割合よりも小さい。また、第1遷移点S1よりも絞り開度が大きく、かつ、第2遷移点S2よりも絞り開度が小さい領域R2における開度の増加に対する冷媒流量の増加割合は、当該第2遷移点S2よりも絞り開度が大きい領域R3における開度の増加に対する冷媒流量の増加割合よりも小さい。
その他の構成は、第1実施形態と同様である。したがって、第10実施形態の蒸発圧力調整弁19においても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第11実施形態)
次に、本発明の第11実施形態について図23および図24に基づいて説明する。本実施形態では、第10実施形態に対して、ケース91および弁体92の形状を変更している。
図23に示すように、本実施形態の蒸発圧力調整弁19では、弁体92は円筒状に形成されている。すなわち、第1テーパ面92aおよび第2テーパ面92bを廃止している。
ケース91における流入ポート91bと弁室91aとの接続部には、テーパ状に切り欠かれた細溝部91dが形成されている。細溝部91dは、弁体92における軸部93と反対側の端面に設けられた角部と対向するように配置されている。
このため、図24に示すように、本実施形態の蒸発圧力調整弁19では、絞り開度が最小から最大までの間に、開度の増加に対する冷媒流量の増加割合が小さい状態から大きい状態に切り替わる遷移点S1を有する流量特性を備えている。遷移点S1よりも絞り開度が小さい領域における開度の増加に対する冷媒流量の増加割合は、当該遷移点S1よりも絞り開度が大きい領域R2における開度の増加に対する冷媒流量の増加割合よりも小さい。
その他の構成は、第10実施形態と同様である。したがって、第11実施形態の蒸発圧力調整弁19においても、第10実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第12実施形態)
次に、本発明の第12実施形態について図25および図26に基づいて説明する。本実施形態では、第11実施形態に対して、蒸発圧力調整弁19の構成を変更している。
図25および図26に示すように、本実施形態の蒸発圧力調整弁19は、スライド弁により構成されている。具体的には、本実施形態の蒸発圧力調整弁19は、弁箱101、流入ポート102、流出ポート103および弁体104を有している。
弁箱101は、冷媒流路1010を構成する箱状部材であり、ボデー部に相当する。弁箱101には、流入ポート102および流出ポート103が接続されている。流入ポート102は、室内蒸発器18から流出した冷媒を流入させる入口部である。流出ポート103は、冷媒を圧縮機11の吸入口側へ流出させる出口部である。
流入ポート102および流出ポート103は、それぞれ、円筒状に形成されている。流入ポート102は、弁箱101における冷媒流れ方向一端側(図26の紙面上側)に接続されている。流出ポート103は、弁箱101における冷媒流れ方向他端側(図26の紙面下側)に接続されている。
ここで、各ポート102、103における冷媒流路の中心軸を流路軸線という。流入ポート102の流路軸線は、流出ポート103の流路軸線と同一直線上に配置されている。すなわち、流入ポート102は、弁箱101を挟んで流出ポート103と対向している。
流出ポート103の上流側端部は、弁箱101内に配置されている。流出ポート103の上流側端面には、弁座面105が形成されている。以下、流出ポート103における弁箱101内に配置された部位を、弁座部106という。弁座部106は、円筒状に形成されている。
弁体104は、円板状に形成されている。軸方向から見た際に、弁体104の直径は、流出ポート103の開口部の直径よりも大きい。弁体104は、弁座面105に添わせて設けられ、上記流路軸線に対して直交する方向にスライドすることで流出ポートを開閉する。
弁体104には、図示しない駆動機構であるリニアアクチュエータが接続されている。リニアアクチュエータは、図示しない空調制御装置から出力される制御信号によって、その作動が制御される。このため、本実施形態の蒸発圧力調整弁19では、空調制御装置から出力される制御信号に応じ、弁体104をスライドさせて、流出ポート103の連通状態を切り替えることによって弁開閉する。
ここで、弁座部106の内周面における駆動機構と反対側には、径方向に切り欠いた細溝部107が設けられている。細溝部107の底面(すなわち、弁体104から遠い面)は、弁体104に近づくにつれて流出ポート103の流路軸線から遠ざかるように傾斜するテーパ状に形成されている。
このため、本実施形態の蒸発圧力調整弁19は、第11実施形態と同様の流量特性を有している。したがって、第12実施形態の蒸発圧力調整弁19においても、第11実施形態と同様の効果を得ることができる。
(他の実施形態)
本発明は上述の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、以下のように種々変形可能である。また、上記各実施形態に開示された手段は、実施可能な範囲で適宜組み合わせてもよい。
(1)上記第8実施形態では、蒸発圧力調整弁19をバタフライ弁により構成するとともに、弁箱弁座75にテーパ面75aを設けた例について説明したが、この態様に限定されない。例えば、図27に示すように、弁箱弁座75を階段状に形成してもよい。この場合、蒸発圧力調整弁19の流量特性を第4実施形態と同様とすることができる。
(2)上記第10実施形態では、蒸発圧力調整弁19をスプール弁により構成するとともに、弁体92に第1テーパ面92aおよび第2テーパ面92bを設けた例について説明したが、この態様に限定されない。例えば、図28に示すように、弁体92における軸部93から遠い側に、他の部位より径方向寸法が小さい小径部92cを設けてもよい。この場合、蒸発圧力調整弁19の流量特性を第11実施形態と同様とすることができる。
(3)上記実施形態では、蒸発圧力調整弁19の流量特性として、開度が増加するに伴い、冷媒流量が直線的に増加する例を説明したが、流量特性はこの態様に限定されない。例えば、図29に示すように、開度が増加するに伴い、冷媒流量が曲線的に増加してもよい。
(4)上記実施形態では、電動アクチュエータとして電動モータを採用した例について説明したが、電動アクチュエータとして例えばソレノイド等の他の電気式アクチュエータを採用してもよい。
(5)上記第1実施形態では、ボデー部51内の冷媒流路(すなわち、弁室51a)において、入口部51gから弁体55に向かう冷媒の流れと、弁体55から出口部51hへ向かう冷媒の流れとの成す角度を90°とした例について説明したが、この態様に限定されない。入口部51gから弁体55に向かう冷媒の流れと、弁体55から出口部51hへ向かう冷媒の流れとの成す角度を、90°以上の任意の角度としてもよい。
(6)上記実施形態では、室内蒸発器18における冷媒蒸発温度(即ち、蒸発器温度)に基づいて、蒸発圧力調整弁19における冷媒流路の絞り開度を制御する例について説明したが、蒸発圧力調整弁19の開度制御をこの態様に限定されない。
例えば、室内蒸発器18の入口側冷媒の温度に基づいて、蒸発圧力調整弁19における冷媒流路の絞り開度を制御してもよい。また、室内蒸発器18の入口側冷媒の圧力に基づいて、蒸発圧力調整弁19における冷媒流路の絞り開度を制御してもよい。また、第2膨張弁15bにおける減圧量に基づいて、蒸発圧力調整弁19における冷媒流路の絞り開度を制御してもよい。また、第2膨張弁15bから流出した冷媒の出口側圧力に基づいて、蒸発圧力調整弁19における冷媒流路の絞り開度を制御してもよい。
(7)上記実施形態では、蒸発圧力調整弁19の流入口側を、室内蒸発器18の冷媒出口に接続した例について説明したが、蒸発圧力調整弁19の配置はこの態様に限定されない。例えば、蒸発圧力調整弁19の流入口側を、室外熱交換器16の冷媒出口に接続してもよい。
10 冷凍サイクル装置(冷凍サイクル)
11 圧縮機
18 室内蒸発器(蒸発器)
52 駆動機構(電動アクチュエータ)

Claims (9)

  1. 冷凍サイクル(10)における蒸発器(16、18)と圧縮機(11)の間に配置され、前記蒸発器における冷媒蒸発圧力が予め定めた基準蒸発圧力以上となるように調整する蒸発圧力調整弁であって、
    電動アクチュエータ(52)によって駆動され、
    開度に対する冷媒流量の増加度合いが、開度が大きい方が多い蒸発圧力調整弁。
  2. 開度が最小から最大までの間に、開度に対する冷媒流量の増加度合いが小さい状態から大きい状態に切り替わる遷移領域を有している請求項1に記載の蒸発圧力調整弁。
  3. 最小開度において、冷媒の流量が0より大きい請求項1または2に記載の蒸発圧力調整弁。
  4. 前記蒸発器から流出した冷媒を流入させる入口部(51g、61a、71a、91b、102)、前記入口部から流入した冷媒を流通させる冷媒流路(51a、610、710、810、910、1010)、および前記冷媒流路を流通した冷媒を前記圧縮機の吸入口側へ流出させる出口部(51h、61b、71b、91c、103)を有するボデー部(51、61、71、81、91、101)と、
    前記冷媒流路の絞り開度を調整する弁体(55、63、73、82、92、104)と、を備え、
    前記入口部から前記弁体に向かう冷媒の流れと、前記弁体から前記出口部へ向かう冷媒の流れとのなす角度は、90°以上である請求項1ないし3のいずれか1つに記載の蒸発圧力調整弁。
  5. 前記蒸発器から流出した冷媒を流入させる入口部(51g、61a、71a、91b、102)、前記入口部から流入した冷媒を流通させる冷媒流路(51a、610、710、810、910、1010)、および前記冷媒流路を流通した冷媒を前記圧縮機の吸入口側へ流出させる出口部(51h、61b、71b、91c、103)を有するボデー部(51、61、71、81、91、101)と、
    前記冷媒流路の絞り開度を調整する弁体(55、63、73、82、92、104)と、を備え、
    前記蒸発器における冷媒蒸発温度に基づいて、前記冷媒流路の絞り開度を制御する請求項1ないし4のいずれか1つに記載の蒸発圧力調整弁。
  6. 前記蒸発器から流出した冷媒を流入させる入口部(51g、61a、71a、91b、102)、前記入口部から流入した冷媒を流通させる冷媒流路(51a、610、710、810、910、1010)、および前記冷媒流路を流通した冷媒を前記圧縮機の吸入口側へ流出させる出口部(51h、61b、71b、91c、103)を有するボデー部(51、61、71、81、91、101)と、
    前記冷媒流路の絞り開度を調整する弁体(55、63、73、82、92、104)と、を備え、
    前記蒸発器の入口側冷媒の温度に基づいて、前記冷媒流路の絞り開度を制御する請求項1ないし4のいずれか1つに記載の蒸発圧力調整弁。
  7. 前記蒸発器から流出した冷媒を流入させる入口部(51g、61a、71a、91b、102)、前記入口部から流入した冷媒を流通させる冷媒流路(51a、610、710、810、910、1010)、および前記冷媒流路を流通した冷媒を前記圧縮機の吸入口側へ流出させる出口部(51h、61b、71b、91c、103)を有するボデー部(51、61、71、81、91、101)と、
    前記冷媒流路の絞り開度を調整する弁体(55、63、73、82、92、104)と、を備え、
    前記蒸発器の入口側冷媒の圧力に基づいて、前記冷媒流路の絞り開度を制御する請求項1ないし4のいずれか1つに記載の蒸発圧力調整弁。
  8. 前記蒸発器から流出した冷媒を流入させる入口部(51g、61a、71a、91b、102)、前記入口部から流入した冷媒を流通させる冷媒流路(51a、610、710、810、910、1010)、および前記冷媒流路を流通した冷媒を前記圧縮機の吸入口側へ流出させる出口部(51h、61b、71b、91c、103)を有するボデー部(51、61、71、81、91、101)と、
    前記冷媒流路の絞り開度を調整する弁体(55、63、73、82、92、104)と、を備え、
    前記圧縮機から吐出された冷媒を減圧する減圧部(15b)における減圧量に基づいて、前記冷媒流路の絞り開度を制御する請求項1ないし4のいずれか1つに記載の蒸発圧力調整弁。
  9. 前記蒸発器から流出した冷媒を流入させる入口部(51g、61a、71a、91b、102)、前記入口部から流入した冷媒を流通させる冷媒流路(51a、610、710、810、910、1010)、および前記冷媒流路を流通した冷媒を前記圧縮機の吸入口側へ流出させる出口部(51h、61b、71b、91c、103)を有するボデー部(51、61、71、81、91、101)と、
    前記冷媒流路の絞り開度を調整する弁体(55、63、73、82、92、104)と、を備え、
    前記圧縮機から吐出された冷媒を減圧する減圧部(15b)から流出した冷媒の出口側圧力に基づいて、前記冷媒流路の絞り開度を制御する請求項1ないし4のいずれか1つに記載の蒸発圧力調整弁。
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