JP2023004987A - X線管、x線発生装置、及び窓部材の製造方法 - Google Patents

X線管、x線発生装置、及び窓部材の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】単結晶ダイヤモンドによって板状に形成された窓部材の耐クラック性を向上させることができるX線管、X線発生装置、及び窓部材の製造方法を提供する。【解決手段】X線管1は、筐体2と、筐体2内において電子ビームBを出射する電子銃3と、筐体2内において電子ビームBの入射によってX線Rを発生させるターゲット4と、筐体2の開口23を封止しており、X線Rを透過させる窓部材5と、を備えている。窓部材5は、単結晶ダイヤモンドによって板状に形成されている。単結晶ダイヤモンドの[100]方向は、窓部材5の厚さ方向と45度未満の角度で交わる関係にある。【選択図】図2

Description

本発明は、X線管、X線発生装置、及び窓部材の製造方法に関する。
筐体と、筐体内において電子ビームを出射する電子銃と、筐体内において電子ビームの入射によってX線を発生させるターゲットと、筐体の開口を封止しており、X線を透過させる窓部材と、を備えるX線管が知られている。そのようなX線管では、窓部材が、単結晶ダイヤモンドによって板状に形成されおり、ターゲットが、窓部材の内側の表面に形成されている場合がある(例えば、特許文献1参照)。
特許第5911323号公報
単結晶ダイヤモンドによって板状に形成された窓部材は、X線透過特性、耐熱性、放熱性等に優れているが、結晶面で割れやすいという課題を有している。特に、小焦点のX線管を用いたX線検査装置においては、拡大率を大きくするために検査対象が窓部材に近付けられて検査対象が窓部材に接触する可能性があるため、上記課題を解決して窓部材の耐クラック性を向上させることは極めて重要である。
本発明は、単結晶ダイヤモンドによって板状に形成された窓部材の耐クラック性を向上させることができるX線管、X線発生装置、及び窓部材の製造方法を提供することを目的とする。
本発明のX線管は、筐体と、筐体内において電子ビームを出射する電子銃と、筐体内において電子ビームの入射によってX線を発生させるターゲットと、筐体の開口を封止しており、X線を透過させる窓部材と、を備え、窓部材は、単結晶ダイヤモンドによって板状に形成されており、単結晶ダイヤモンドの[100]方向は、窓部材の厚さ方向と45度未満の角度で交わる関係にある。
このX線管では、単結晶ダイヤモンドによって板状に形成された窓部材において、単結晶ダイヤモンドの[100]方向が窓部材の厚さ方向と45度未満の角度で交わる関係にある。これにより、単結晶ダイヤモンドの[100]方向が窓部材の厚さ方向に平行である場合(すなわち、単結晶ダイヤモンドの(100)面が窓部材の厚さ方向に垂直である場合)に比べ、単結晶ダイヤモンドが有する複数種の結晶面について、窓部材の厚さ方向に平行となる結晶面の数が少なくなり、結果として、窓部材が結晶面で割れにくくなる。よって、このX線管によれば、単結晶ダイヤモンドによって板状に形成された窓部材の耐クラック性を向上させることができる。
本発明のX線管では、単結晶ダイヤモンドの[010]方向及び[001]方向は、窓部材の厚さ方向に垂直な面と45度未満の角度で交わる関係にあってもよい。これにより、単結晶ダイヤモンドが有する複数種の結晶面について、窓部材の厚さ方向に平行となる結晶面の数が更に少なくなり、結果として、窓部材が結晶面で一層割れにくくなる。したがって、単結晶ダイヤモンドによって板状に形成された窓部材の耐クラック性をより確実に向上させることができる。
本発明のX線管では、窓部材は、筐体の内部とは反対側の第1表面を有し、単結晶ダイヤモンドの[100]方向は、第1表面に垂直な方向と45度未満の角度で交わる関係にあってもよい。これにより、窓部材の第1表面に外力が作用することに起因して窓部材にクラックが生じるのを抑制することができる。
本発明のX線管では、窓部材は、筐体における開口の周囲の取付面に取り付けられており、単結晶ダイヤモンドの[100]方向は、取付面に垂直な方向と45度未満の角度で交わる関係にあってもよい。この場合にも、単結晶ダイヤモンドによって板状に形成された窓部材の耐クラック性を向上させることができる。
本発明のX線管では、窓部材は、筐体の内部側の第2表面を有し、ターゲットは、第2表面に形成されていてもよい。これにより、透過型X線管において、単結晶ダイヤモンドによって板状に形成された窓部材の耐クラック性を向上させることができる。
本発明のX線管では、単結晶ダイヤモンドの[100]方向は、ターゲットに電子ビームが入射する方向と45度未満の角度で交わる関係にあってもよい。この場合にも、単結晶ダイヤモンドによって板状に形成された窓部材の耐クラック性を向上させることができる。
本発明のX線管では、単結晶ダイヤモンドの[100]方向は、窓部材の厚さ方向と0.1度以上7度以下の角度で交わる関係にあってもよい。これにより、単結晶ダイヤモンドによって板状に形成された窓部材の耐クラック性を向上させつつ、例えば、(100)面を主面として有する単結晶ダイヤモンド基板から窓部材を取り出すような場合に、単結晶ダイヤモンドの[100]方向が窓部材の厚さ方向と45度未満の角度で交わる関係にある窓部材を容易に且つ効率良く取り出すことができる。
本発明のX線発生装置は、上記X線管と、電子銃に電圧を印加する電源部と、を備える。
このX線発生装置によれば、上記理由により、単結晶ダイヤモンドによって板状に形成された窓部材の耐クラック性を向上させることができる。
本発明の窓部材の製造方法は、エピタキシャル成長によって、(100)面を主面として有する単結晶ダイヤモンド基板を形成する第1形成工程と、単結晶ダイヤモンド基板から板状の窓部材を取り出す取出し工程と、を備え、取出し工程においては、単結晶ダイヤモンドの[100]方向が窓部材の厚さ方向と45度未満の角度で交わるように、単結晶ダイヤモンド基板から窓部材を取り出す。
本発明の窓部材の製造方法は、(100)面と45度未満の角度で交わる関係にある主面を有する種基板を用意する用意工程と、エピタキシャル成長によって、種基板の主面に単結晶ダイヤモンド基板を形成する第1形成工程と、単結晶ダイヤモンド基板の厚さ方向に垂直な方向に沿った切り出しを実施することで、単結晶ダイヤモンド基板から板状の窓部材を取り出す取出し工程と、を備える。
これらの窓部材の製造方法では、得られた窓部材において、単結晶ダイヤモンドの[100]方向が窓部材の厚さ方向と45度未満の角度で交わる関係にある。よって、この窓部材の製造方法によれば、単結晶ダイヤモンドによって板状に形成された窓部材の耐クラック性を向上させることができる。
本発明の窓部材の製造方法は、厚さ方向における窓部材の一方の表面に、電子ビームの入射によってX線を発生させるターゲットを形成する第2形成工程を更に備えてもよい。これにより、透過型X線管用の窓部材を得ることができる。
本発明の窓部材の製造方法では、単結晶ダイヤモンドの[100]方向は、窓部材の厚さ方向と0.1度以上7度以下の角度で交わる関係にあってもよい。これにより、単結晶ダイヤモンドによって板状に形成された窓部材の耐クラック性を向上させつつ、例えば、(100)面を主面として有する単結晶ダイヤモンド基板から窓部材を取り出すような場合に、単結晶ダイヤモンドの[100]方向が窓部材の厚さ方向と45度未満の角度で交わる関係にある窓部材を容易に且つ効率良く取り出すことができる。
本発明によれば、単結晶ダイヤモンドによって板状に形成された窓部材の耐クラック性を向上させることができるX線管、X線発生装置、及び窓部材の製造方法を提供することが可能となる。
一実施形態のX線発生装置のブロック図である。 図1に示されるX線管の断面図である。 図2に示される窓部材の一部分の側面図である。 図2に示される窓部材の製造方法を示す側面図である。 変形例のX線管の断面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図において同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
[X線発生装置の構成]
図1に示されるように、X線発生装置10は、X線管1と、電源部11と、を備えている。X線管1及び電源部11は、金属によって形成されたケース(図示省略)内に支持されている。一例として、X線管1は、小焦点のX線源であり、X線発生装置10は、検査対象の内部構造を拡大して観察するためのX線非破壊検査に用いられる装置である。
図2に示されるように、X線管1は、筐体2と、電子銃3と、ターゲット4と、窓部材5と、を備えている。X線管1は、以下に述べるように、部品の交換等が不要な密封透過型X線管として構成されている。
筐体2は、ヘッド21と、バルブ22と、を有している。ヘッド21は、金属によって有底筒状に形成されている。バルブ22は、ガラス等の絶縁材料によって有底筒状に形成されている。バルブ22の開口部22aは、ヘッド21の開口部21aに気密に接合されている。X線管1では、筐体2の中心線が管軸Aとなっている。ヘッド21の底壁部21bには、開口23が形成されている。開口23は、管軸A上に位置している。開口23は、管軸Aに平行な方向から見た場合に、例えば、管軸Aを中心線とする円形状を呈している。
電子銃3は、筐体2内において電子ビームBを出射する。電子銃3は、ヒータ31と、カソード32と、第1グリッド電極33と、第2グリッド電極34と、を有している。ヒータ31、カソード32、第1グリッド電極33及び第2グリッド電極34は、バルブ22の底壁部22b側からこの順序で管軸A上に配置されている。ヒータ31は、フィラメントによって構成されており、通電によって発熱する。カソード32は、ヒータ31によって加熱されて電子を放出する。第1グリッド電極33は、筒状に形成されており、カソード32から放出される電子の量を調整する。第2グリッド電極34は、筒状に形成されており、第1グリッド電極33を通過した電子をターゲット4に集束させる。ヒータ31、カソード32、第1グリッド電極33及び第2グリッド電極34のそれぞれは、バルブ22の底壁部22bを貫通している複数のリードピン35のそれぞれに電気的且つ物理的に接続されている。
窓部材5は、筐体2の開口23を封止している。窓部材5は、単結晶ダイヤモンドによって板状に形成されている。窓部材5は、例えば、管軸Aを中心線とする円板状を呈している。窓部材5は、第1表面51及び第2表面52を有している。第1表面51は、筐体2の内部とは反対側の表面であり、第2表面52は、筐体2の内部側の表面である。第1表面51及び第2表面52のそれぞれは、例えば、管軸Aに垂直な平坦面である。ターゲット4は、窓部材5の第2表面52に形成されている。ターゲット4は、例えば、タングステンによって膜状に形成されている。ターゲット4は、筐体2内において電子ビームBの入射によってX線Rを発生させる。本実施形態では、ターゲット4において発生したX線Rは、ターゲット4及び窓部材5を透過して外部に出射される。
窓部材5は、筐体2における開口23の周囲の取付面24に取り付けられている。取付面24は、例えば、管軸Aに垂直な平坦面であり、ヘッド21に形成されている。窓部材5は、ロウ材等の接合部材(図示省略)を介して取付面24に気密に接合されている。X線管1では、ターゲット4がヘッド21に電気的に接続されており、ターゲット4及び窓部材5がヘッド21に熱的に接続されている。一例として、ターゲット4は、ヘッド21を介して接地電位とされる。一例として、電子ビームBの入射によってターゲット4において発生した熱は、直接及び/又は窓部材5を介してヘッド21に伝わり、ヘッド21から放熱部(図示省略)に逃がされる。本実施形態では、筐体2、ターゲット4及び窓部材5によって、筐体2の内部の空間が高真空度に維持されている。
以上のように構成されたX線発生装置10では、ターゲット4の電位を基準として負の電圧が電源部11によって電子銃3に印加される。一例として、電源部11は、ターゲット4が接地電位とされた状態で、負の高電圧(例えば、-10kV~-500kV)を、各リードピン35を介して電子銃3の各部に印加する。電子銃3から出射された電子ビームBは、管軸Aに沿ってターゲット4上に集束される。ターゲット4における電子ビームBの照射領域において発生したX線Rは、当該照射領域を焦点として、ターゲット4及び窓部材5を透過して外部に出射される。
[窓部材の構成]
図3に示されるように、窓部材5において、単結晶ダイヤモンドの[100]方向は、窓部材5の厚さ方向Dと45度未満の角度(より好ましくは、0.1度以上7度以下の角度)で交わる関係にある。換言すれば、窓部材5において、単結晶ダイヤモンドの(100)面は、窓部材5の厚さ方向Dに垂直な面(例えば、第1表面51に平行な面)と45度未満の角度で交わる関係にある。厚さ方向Dは、例えば、第1表面51が第2表面52と対向する方向である。なお、「交わる関係」とは、0度よりも大きい角度で交わる関係を意味する。
本実施形態では、窓部材5において、単結晶ダイヤモンドの[010]方向及び[001]方向は、窓部材5の厚さ方向Dに垂直な面(例えば、第1表面51に平行な面)と45度未満の角度で交わる関係にある。換言すれば、窓部材5において、単結晶ダイヤモンドの(010)面及び(001)面は、窓部材5の厚さ方向Dと45度未満の角度で交わる関係にある。一例として、窓部材5において、単結晶ダイヤモンドの[100]方向は、窓部材5の厚さ方向Dを基準として、[011]方向に平行な軸周りに0.1度以上7度以下の角度で傾けられており且つ[0-11]方向に平行な軸周りに0.1度以上7度以下の角度で傾けられている。
窓部材5の第1表面51を基準とすると、窓部材5において、単結晶ダイヤモンドの[100]方向は、第1表面51に垂直な方向と45度未満の角度で交わる関係にある。筐体2における開口23の周囲の取付面24を基準とすると、窓部材5において、単結晶ダイヤモンドの[100]方向は、取付面24に垂直な方向と45度未満の角度で交わる関係にある。管軸Aに沿って(管軸Aに平行に)ターゲット4に電子ビームBが入射する場合、窓部材5において、単結晶ダイヤモンドの[100]方向は、ターゲット4に電子ビームBが入射する方向と45度未満の角度で交わる関係にある。なお、窓部材5は、一枚の基板として一体で形成された単結晶ダイヤモンド基板によって構成されたものに限定されず、複数の単結晶ダイヤモンド部材を横方向に隣接させて接合することで一枚の基板とされたモザイク単結晶ダイヤモンド基板によって構成されたものであってもよい。モザイク単結晶ダイヤモンド基板によって構成された窓部材5も、上記条件を満たした状態で複数の単結晶ダイヤモンド部材のそれぞれを隣接させて接合することで、一枚の基板として一体で形成された単結晶ダイヤモンド基板によって構成された窓部材5と同様の特性を有することが可能となる。
[窓部材の製造方法]
図4の(a)に示されるように、(100)面を主面として有する種基板100が用意され、種基板100の主面に対するエピタキシャル成長(例えば、CVD法)によって、(100)面を主面として有する単結晶ダイヤモンド基板110が形成される(第1形成工程)。続いて、単結晶ダイヤモンドの[100]方向が窓部材5の厚さ方向と45度未満の角度で交わるように、単結晶ダイヤモンド基板110から窓部材5が取り出される(取出し工程)。一例として、窓部材5は、機械加工又はレーザ加工によって単結晶ダイヤモンド基板110から切り出されて外表面が研磨されることで得られる。続いて、図4の(b)に示されるように、厚さ方向Dにおける窓部材5の一方の表面にターゲット4が形成される(第2形成工程)。ターゲット4の形成は、例えば、スパッタリングによって実施される。
なお、(100)面と45度未満の角度で交わる関係にある主面を有する種基板100が用意され(用意工程)、エピタキシャル成長によって、当該種基板100の主面に単結晶ダイヤモンド基板110が形成され(第1形成工程)、単結晶ダイヤモンド基板110の厚さ方向に垂直な方向に沿った切り出しが実施されることで、当該単結晶ダイヤモンド基板110から窓部材5が取り出されてもよい(取出し工程)。この場合、単結晶ダイヤモンドの[100]方向が単結晶ダイヤモンド基板110の厚さ方向と45度未満の角度で交わる関係にある単結晶ダイヤモンド基板110が、エピタキシャル成長によって形成される。そのため、単結晶ダイヤモンド基板110の厚さ方向に垂直な方向に沿った切り出しを実施することで、単結晶ダイヤモンドの[100]方向が窓部材5の厚さ方向と45度未満の角度で交わる関係にある窓部材5を容易に得ることができる。
[作用及び効果]
X線管1では、単結晶ダイヤモンドによって板状に形成された窓部材5において、単結晶ダイヤモンドの[100]方向が窓部材5の厚さ方向Dと45度未満の角度で交わる関係にある。これにより、単結晶ダイヤモンドの[100]方向が窓部材5の厚さ方向Dに平行である場合(すなわち、単結晶ダイヤモンドの(100)面が窓部材5の厚さ方向Dに垂直である場合)に比べ、単結晶ダイヤモンドが有する複数種の結晶面(例えば、(0-11)面、(011)面等)について、窓部材5の厚さ方向Dに平行となる結晶面の数が少なくなり、結果として、窓部材5が結晶面で割れにくくなる。よって、X線管1、及びX線管1を備えるX線発生装置10によれば、単結晶ダイヤモンドによって板状に形成された窓部材5の耐クラック性を向上させることができる。
なお、単結晶ダイヤモンドの[100]方向が窓部材5の厚さ方向と0.1度以上7度以下の角度で交わる関係にあると、単結晶ダイヤモンドによって板状に形成された窓部材5の耐クラック性を向上させつつ、例えば、(100)面を主面として有する単結晶ダイヤモンド基板110から窓部材5を取り出すような場合に、単結晶ダイヤモンドの[100]方向が窓部材5の厚さ方向と45度未満の角度で交わる関係にある窓部材を容易に且つ効率良く取り出すことができる。
X線管1では、窓部材5において、単結晶ダイヤモンドの[010]方向及び[001]方向が、窓部材5の厚さ方向Dに垂直な面と45度未満の角度で交わる関係にある。これにより、単結晶ダイヤモンドが有する複数種の結晶面について、窓部材5の厚さ方向Dに平行となる結晶面の数が更に少なくなり(少なくとも、(0-11)面、(011)面は、窓部材5の厚さ方向Dに平行とならない)、結果として、窓部材5が結晶面で一層割れにくくなる。したがって、単結晶ダイヤモンドによって板状に形成された窓部材5の耐クラック性をより確実に向上させることができる。
X線管1では、窓部材5において、単結晶ダイヤモンドの[100]方向が、窓部材5の第1表面51に垂直な方向と45度未満の角度で交わる関係にある。これにより、窓部材5の第1表面51に外力が作用することに起因して窓部材5にクラックが生じるのを抑制することができる。
X線管1では、窓部材5において、単結晶ダイヤモンドの[100]方向が、筐体2における開口23の周囲の取付面24に垂直な方向と45度未満の角度で交わる関係にある。この場合にも、単結晶ダイヤモンドによって板状に形成された窓部材5の耐クラック性を向上させることができる。
X線管1では、ターゲット4が、窓部材5の第2表面52に形成されている。これにより、透過型X線管において、単結晶ダイヤモンドによって板状に形成された窓部材5の耐クラック性を向上させることができる。
X線管1では、窓部材5において、単結晶ダイヤモンドの[100]方向が、ターゲット4に電子ビームBが入射する方向と45度未満の角度で交わる関係にある。この場合にも、単結晶ダイヤモンドによって板状に形成された窓部材5の耐クラック性を向上させることができる。
窓部材5の製造方法では、得られた窓部材5において、単結晶ダイヤモンドの[100]方向が窓部材5の厚さ方向Dと45度未満の角度で交わる関係にある。よって、窓部材5の製造方法によれば、単結晶ダイヤモンドによって板状に形成された窓部材5の耐クラック性を向上させることができる。
窓部材5の製造方法では、厚さ方向Dにおける窓部材5の一方の表面にターゲット4が形成される。これにより、透過型X線管用の窓部材5を得ることができる。
[変形例]
本発明は、上記実施形態に限定されない。X線管1は、密封反射型X線管として構成されていてもよい。図5に示されるように、密封反射型のX線管1は、電子銃3がヘッド21側方の収容部6内に配置されている点、及びターゲット4が窓部材5ではなく支持部材7によって支持されている点で、上記密封透過型のX線管1と主に相違している。収容部6は、側管61と、ステム62と、を有している。側管61は、側管61の一方の開口部61aがヘッド21の内部に臨むようにヘッド21の側壁部に接合されている。ステム62は、側管61の他方の開口61bを封止している。ヒータ31、カソード32、第1グリッド電極33及び第2グリッド電極34は、ステム62側からこの順序で側管61内に配置されている。複数のリードピン35は、ステム62を貫通している。支持部材7は、バルブ22の底壁部22bを貫通している。ターゲット4は、管軸A上において電子銃3及び窓部材5の両方と対向するように傾斜した状態で、支持部材7の先端部71に固定されている。
以上のように構成された密封反射型のX線管1を備えるX線発生装置10では、一例として、ヘッド21及び側管61が接地電位とされた状態で、支持部材7を介して正の電圧が電源部11によってターゲット4に印加され、複数のリードピン35を介して負の電圧が電源部11によって電子銃3の各部に印加される。電子銃3から出射された電子ビームBは、管軸Aに垂直な方向に沿ってターゲット4上に集束される。ターゲット4における電子ビームBの照射領域において発生したX線Rは、当該照射領域を焦点として、窓部材5を透過して外部に出射される。
X線管1は、開放透過型X線管又は開放反射型X線管として構成されていてもよい。開放透過型又は開放反射型のX線管1は、筐体2が開放可能に構成されており、部品(例えば、窓部材5、電子銃3の各部)の交換等が可能なX線管である。開放透過型又は開放反射型のX線管1を備えるX線発生装置10では、真空ポンプによって、筐体2の内部の空間の真空度が高めされる。
密封透過型又は開放透過型のX線管1では、ターゲット4は、窓部材5の第2表面52のうち少なくとも開口23に露出する領域に形成されていていればよい。密封透過型又は開放透過型のX線管1では、ターゲット4は、別の膜を介して窓部材5の第2表面52に形成されていてもよい。
密封反射型X線管用又は開放反射型X線管用の窓部材5の製造方法では、厚さ方向Dにおける窓部材5の一方の表面にターゲット4を形成する工程は不要である。
1…X線管、2…筐体、3…電子銃、4…ターゲット、5…窓部材、10…X線発生装置、11…電源部、23…開口、24…取付面、51…第1表面、52…第2表面、110…単結晶ダイヤモンド基板、B…電子ビーム、R…X線。

Claims (12)

  1. 筐体と、
    前記筐体内において電子ビームを出射する電子銃と、
    前記筐体内において前記電子ビームの入射によってX線を発生させるターゲットと、
    前記筐体の開口を封止しており、前記X線を透過させる窓部材と、を備え、
    前記窓部材は、単結晶ダイヤモンドによって板状に形成されており、
    前記単結晶ダイヤモンドの[100]方向は、前記窓部材の厚さ方向と45度未満の角度で交わる関係にある、X線管。
  2. 前記単結晶ダイヤモンドの[010]方向及び[001]方向は、前記窓部材の前記厚さ方向に垂直な面と45度未満の角度で交わる関係にある、請求項1に記載のX線管。
  3. 前記窓部材は、前記筐体の内部とは反対側の第1表面を有し、
    前記単結晶ダイヤモンドの前記[100]方向は、前記第1表面に垂直な方向と45度未満の角度で交わる関係にある、請求項1又は2に記載のX線管。
  4. 前記窓部材は、前記筐体における前記開口の周囲の取付面に取り付けられており、
    前記単結晶ダイヤモンドの前記[100]方向は、前記取付面に垂直な方向と45度未満の角度で交わる関係にある、請求項1~3のいずれか一項に記載のX線管。
  5. 前記窓部材は、前記筐体の内部側の第2表面を有し、
    前記ターゲットは、前記第2表面に形成されている、請求項1~4のいずれか一項に記載のX線管。
  6. 前記単結晶ダイヤモンドの前記[100]方向は、前記ターゲットに前記電子ビームが入射する方向と45度未満の角度で交わる関係にある、請求項5に記載のX線管。
  7. 前記単結晶ダイヤモンドの前記[100]方向は、前記窓部材の前記厚さ方向と0.1度以上7度以下の角度で交わる関係にある、請求項1~6のいずれか一項に記載のX線管。
  8. 請求項1~7のいずれか一項に記載のX線管と、
    前記電子銃に電圧を印加する電源部と、を備える、X線発生装置。
  9. エピタキシャル成長によって、(100)面を主面として有する単結晶ダイヤモンド基板を形成する第1形成工程と、
    前記単結晶ダイヤモンド基板から板状の窓部材を取り出す取出し工程と、を備え、
    前記取出し工程においては、単結晶ダイヤモンドの[100]方向が前記窓部材の厚さ方向と45度未満の角度で交わるように、前記単結晶ダイヤモンド基板から前記窓部材を取り出す、窓部材の製造方法。
  10. (100)面と45度未満の角度で交わる関係にある主面を有する種基板を用意する用意工程と、
    エピタキシャル成長によって、前記種基板の前記主面に単結晶ダイヤモンド基板を形成する第1形成工程と、
    前記単結晶ダイヤモンド基板の厚さ方向に垂直な方向に沿った切り出しを実施することで、前記単結晶ダイヤモンド基板から板状の窓部材を取り出す取出し工程と、を備える、窓部材の製造方法。
  11. 前記厚さ方向における前記窓部材の一方の表面に、電子ビームの入射によってX線を発生させるターゲットを形成する第2形成工程を更に備える、請求項9又は10に記載の窓部材の製造方法。
  12. 前記単結晶ダイヤモンドの[100]方向は、前記窓部材の前記厚さ方向と0.1度以上7度以下の角度で交わる関係にある、請求項9~11のいずれか一項に記載の窓部材の製造方法。
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