JP2023000484A - 燃料電池用電極触媒層の製造方法 - Google Patents

燃料電池用電極触媒層の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高い出力密度を達成する燃料電池電極触媒の製造方法を提供する。【解決手段】触媒インクを用いて電極触媒層を形成する燃料電池用電極触媒層の製造方法であって、前記触媒インクの粒度分布D50(X1)及びずり速度5s-1における粘度(X2)、並びに、前記電極触媒層の85°の光沢度(X3)、写像鮮明性測定器で測定される波長域0.1~0.3mmの粗さ(X4)、波長域0.3~1.0mmの粗さ(X5)、波長域1.0~3.0mmの粗さ(X6)、及び波長域3.0~10.0mmの粗さ(X7)からなる下記式(1)の値Yが0.75以上を満たすことを特徴とする、燃料電池用電極触媒層の製造方法。式(1):Y=0.567-0.008×X1-0.023×X2+0.003×X3-0.247×X4+0.389×X5-0.137×X6+0.305×X7【選択図】図1

Description

本開示は、燃料電池用電極触媒層の製造方法に関する。
燃料電池は、通常、膜電極接合体を備える。膜電極接合体は、水素イオン伝導性を有する電解質膜、及び当該電解質膜を挟む一対のカソード電極及びアノード電極を備える。
前記電極に用いられる燃料電池用電極触媒層(以下、触媒層と称する場合がある。)の形成には、触媒担持カーボンとアイオノマの混合物を分散媒中に分散させてなる触媒インクを用いることが一般的である。
電極触媒層としては、触媒インクを電解質膜等に直接塗布して形成されてもよいし、転写用基材表面に触媒インクを塗布して触媒層転写シートを作製し、転写シートから触媒層を電解質膜等に転写することにより形成されてもよい。
特許文献1には、安定的に触媒層を形成し、転写することを目的として、基材フィルムの上に白金含有触媒層を塗工形成した触媒層転写シートであって、基材フィルム表面は、濡れ性が40~90度であり且つ表面粗さが0.04~0.5μmの算術平均粗さであることを特徴とする触媒層転写シートが開示されている。
特許文献2では、高性能の燃料電池の製造に好適に使用できる触媒転写フィルムを提供 することを目的として、基材フィルムの一方面に触媒層が形成された触媒転写フィルムであって、前記触媒層の表面粗さが0.3~3.5、かつ85度における光沢度が0.1~26である触媒転写フィルムが開示されている。
特開2007-103020号公報 特開2011-76907号公報
上記特許文献2では、光沢度と発電性能との相関が悪い。すなわち、発電性能を満たすもののみが光沢度の規格値を通るように、光沢度の規格値を厳しく設定すると、実際には発電性能を満たすが、たまたま光沢度は悪いものが不良品となり、歩留まりが悪化する。逆に発電性能を満たす可能性があるものは規格値を通るように、光沢度の規格値を広く設定すると、規格値内に入っていても、発電性能を実測しないと良品・不良品の判別ができない、という課題があった。
上記の事象が発生する理由は以下である。触媒インク中において触媒担持カーボンは複数の粒子が集合して高次構造(二次粒子)を形成して分散している。この二次粒子の粒度が小さい場合には、インクを塗工した際に緻密で空隙の少ない触媒層が形成される。当該触媒層は、空隙が少ないためガスの拡散抵抗は大きく、アイオノマがプロトンの伝導パスを形成するためプロトン抵抗は小さくなる傾向がある。この場合、緻密な構造のため触媒層の表面は平滑で光沢のある塗工面となる。一方、カーボンの粒度が大きい場合には、カーボン粒子とアイオノマがより大きな高次構造を形成しているため、インクを塗工すると空隙の多い触媒層が形成される。当該触媒層は、空隙が多いためガスの拡散抵抗は小さいが、プロトンの伝導パスを形成しづらいためにプロトン抵抗が大きくなる。この場合、触媒層の表面は平滑性が低く、光沢の低い塗工面となる。このように燃料電池の発電性能はガス拡散抵抗とプロトン抵抗のトレードオフとなっており、光沢度の大小だけでは発電性能の優劣を判断することができない。
本開示は、上記実情に鑑みてなされたものであり、高い出力密度を達成する燃料電池用電極触媒層を形成する製造方法を提供することを主目的とする。
本開示の燃料電池用電極触媒層の製造方法は、触媒インクを用いて電極触媒層を形成する燃料電池用電極触媒層の製造方法であって、
前記触媒インクの粒度分布D50(X1)及びずり速度5s-1における粘度(X2)、並びに、前記電極触媒層の85°の光沢度(X3)、写像鮮明性測定器で測定される波長域0.1~0.3mmの粗さ(X4)、波長域0.3~1.0mmの粗さ(X5)、波長域1.0~3.0mmの粗さ(X6)、及び波長域3.0~10.0mmの粗さ(X7)からなる下記式(1)の値Yが0.75以上を満たすことを特徴とする。
式(1):Y=0.567-0.008×X1-0.023×X2+0.003×X3-0.247×X4+0.389×X5-0.137×X6+0.305×X7
本開示によれば、触媒インク物性、並びに触媒層の光沢度および写像鮮明性の値からなる特定の式(1)の値Yを指標として、Yを特定値以上とすることにより、高い出力密度を達成する燃料電池用電極触媒層の製造方法を提供することができる。
図1は、実施例1~13で得られた電極触媒層から前記式(1)を用いて算出された規格化された出力密度の予測値と、実施例1~13で得られた電極触媒層を用いた燃料電池の規格化された出力密度の実測値とをプロットした図である。
本開示の燃料電池用電極触媒層の製造方法は、触媒インクを用いて電極触媒層を形成する燃料電池用電極触媒層の製造方法であって、
前記触媒インクの粒度分布D50(X1)及びずり速度5s-1における粘度(X2)、並びに、前記電極触媒層の85°の光沢度(X3)、写像鮮明性測定器で測定される波長域0.1~0.3mmの粗さ(X4)、波長域0.3~1.0mmの粗さ(X5)、波長域1.0~3.0mmの粗さ(X6)、及び波長域3.0~10.0mmの粗さ(X7)からなる下記式(1)の値Yが0.75以上を満たすことを特徴とする。
式(1):Y=0.567-0.008×X1-0.023×X2+0.003×X3-0.247×X4+0.389×X5-0.137×X6+0.305×X7
本発明者らは、高い出力密度を達成する電極触媒層を得るため、その原料となる触媒インクの物性、並びに触媒層の光沢度および写像鮮明性の値に着目し、出力密度との相関関係について鋭意検討を重ねた。その結果、本発明者らは、触媒の粒度分布D50(X1)及びずり速度5s-1における粘度(X2)、並びに、触媒層の光沢度(X3)および写像鮮明性の値(X4、X5、X6、X7)からなる前記式(1)の値Yが、後述の実施例で示されるように、電極触媒層を用いた燃料電池の規格化された出力密度の実測値と高い相関関係を有することを見出し、本発明を完成させた。
本開示ではこのように出力密度の実測値と高い相関関係がある前記式(1)の値Yを0.75以上とするように触媒の粒度分布D50(X1)及びずり速度5s-1における粘度(X2)、並びに、触媒層の光沢度(X3)および写像鮮明性の値(X4、X5、X6、X7)を調整することにより、高い出力密度を達成する燃料電池用電極触媒層を提供することができる。
本開示の燃料電池用電極触媒層の製造方法としては、触媒インクを用いて電極触媒層を形成する燃料電池用電極触媒層の製造方法であって、
前記触媒インクとして、粒度分布D50(X1)及びずり速度5s-1における粘度(X2)を有する触媒インクを準備し、
前記触媒インクの粒度分布D50(X1)及びずり速度5s-1における粘度(X2)、並びに、前記電極触媒層の85°の光沢度(X3)、写像鮮明性測定器で測定される波長域0.1~0.3mmの粗さ(X4)、写像鮮明性測定器で測定される波長域0.3~1.0mmの粗さ(X5)、写像鮮明性測定器で測定される波長域1.0~3.0mmの粗さ(X6)、及び写像鮮明性測定器で測定される波長域3.0~10.0mmの粗さ(X7)からなる前記式(1)の値Yが0.75以上を満たすように、前記触媒インクを用いて電極触媒層を形成するものであってよい。
前記触媒インクとしては、少なくとも、触媒担持カーボンとアイオノマの混合物を分散媒中に分散させてなる触媒インクであってよい。
本発明に使用される触媒担持カーボンは、触媒金属がカーボン担体に担持されてなるものであれば、特に限定されない。
触媒金属としては、燃料電池のアノード電極に供給される燃料の酸化反応、又はカソード電極に供給される酸化剤の還元反応に対して触媒活性を有しているものであれば特に限定されず、燃料電池電極に一般的に用いられているものを使用することができる。例えば、白金、又はルテニウム、鉄、ニッケル、マンガン、コバルト、銅等の金属と白金との合金等を用いることができる。
カーボン担体としては、カーボンブラック等の炭素粒子や炭素繊維のような導電性炭素材料等が使用できる。カーボン担体は、触媒層に導電性を付与する役割も担っている。
アイオノマとしては、プロトン伝導性を有しかつ燃料電池において通常使用される高分子電解質が使用でき、例えば、ナフィオン(商品名)に代表されるパーフルオロカーボンスルホン酸樹脂のようなフッ素系高分子電解質の他、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンエーテル、ポリパラフェニレン等のエンジニアリングプラスチックや、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等の汎用プラスチック等の炭化水素系高分子にスルホン酸基、カルボン酸基、リン酸基、ボロン酸基等のプロトン酸基(プロトン伝導性基)を導入した炭化水素系高分子電解質等が挙げられる。
触媒インクの分散媒としては、エタノールや1-プロパノール等の各種アルコール及び水などが挙げられ、揮発溶媒であってよい。
触媒担持カーボン、アイオノマ、及び分散媒を混合する方法は、分散媒中にカーボン担持触媒及びアイオノマが十分分散する方法であれば、特に限定されない。混合方法としては、例えば、乳鉢を用いた混合や、メカニカルミリング(ボールミル、ビーズミル)を用いた混合、超音波ホモジナイザー等を用いた混合等が挙げられる。これら混合方法の中でも、効率よく混合できる方法であることから、ビーズミルを用いることが好ましい。
また、上記のように触媒を分散させた分散液に対して、さらに薄膜旋回型高速ミキサー等を用いて、高せん断力を印加することにより、触媒インクを得てもよい。
触媒インクには、触媒担持カーボン及びアイオノマ以外にも、必要に応じて結着剤や撥水性樹脂等のその他の成分を混合してもよい。
触媒インクの粒度分布D50(X1)は、中位径であって、頻度の累積が50%になる粒子径であり、例えば、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置を用いて測定することができる。
本開示で用いられる触媒インクの粒度分布D50は、3.3μm~9.8μmであってよい。
触媒インクのずり速度5s-1における粘度(X2)は、回転式粘度測定器を用いて測定することができる。
本開示で用いられる触媒インクのずり速度5s-1における粘度は、2.7Pa~18.2Paであってよい。
燃料電池用電極は、通常、電極触媒層及びガス拡散層を備える。ガス拡散層については、従来から燃料電池に使用されているものを用いることができる。
本開示においては、触媒インクを用いて基材上に電極触媒層を形成することができる。ここでいう基材とは、転写用基材の他、電解質膜やガス拡散シートなども含む。電極触媒層の形成方法としては、例えば、触媒インクをガス拡散シートの表面に塗布しかつ乾燥させることによって、ガス拡散シート表面に電極触媒層を形成してもよい。または、電解質膜表面に触媒インクを塗布しかつ乾燥させることによって、電解質膜表面に電極触媒層を形成してもよい。または、転写用基材表面に触媒インクを塗布しかつ乾燥させることによって、転写シートを作製し、当該転写シートを、電解質膜又はガス拡散シートと熱圧着等により接合した後、転写シートの基材フィルムを剥離する方法で、電解質膜表面又はガス拡散シート表面に電極触媒層を形成してもよい。
触媒インクの塗布方法、乾燥方法等は適宜選択することができる。例えば、塗布方法としては、ダイコート法、スプレー法、ドクターブレード法、アプリケータ法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法等が挙げられる。また、乾燥方法としては、例えば、減圧乾燥、加熱乾燥、減圧加熱乾燥等が挙げられる。減圧乾燥、加熱乾燥における具体的な条件に制限はなく、適宜設定すればよい。また、電極触媒層の層厚は、特に限定されないが、5~50μm程度とすればよい。
上記のように形成される電極触媒層の表面の85°の光沢度(X)は、光沢度計を用いて、入射角85°の正反射光の割合の値を測定して求めることができる。
電極触媒層表面の85°の光沢度は、20.2%~56.9%であってよい。
また、上記のように形成される電極触媒層の写像鮮明性測定器で測定される波長域0.1~0.3mmの粗さ(X4)、写像鮮明性測定器で測定される波長域0.3~1.0mmの粗さ(X5)、写像鮮明性測定器で測定される波長域1.0~3.0mmの粗さ(X6)、及び写像鮮明性測定器で測定される波長域3.0~10.0mmの粗さ(X7)はそれぞれ、ドイツBYK-Gardner社製の計測器wave-scanを用いて測定されるWa、Wb、Wc、及びWdの値を使用することができる。
前記波長域0.1~0.3mmの粗さ(X4)としてWaは、0.2~0.7であってよい。
前記波長域0.3~1.0mmの粗さ(X5)としてWbは、0.1~0.2であってよい。
前記波長域1.0~3.0mmの粗さ(X6)としてWcは、0.2~0.3であってよい。
前記波長域3.0~10.0mmの粗さ(X7)としてWdは、0.9~2.1であってよい。
前記触媒インクの粒度分布D50(X1)及びずり速度5s-1における粘度(X2)、並びに、前記電極触媒層の85°の光沢度(X3)、写像鮮明性測定器で測定される波長域0.1~0.3mmの粗さ(X4)、波長域0.3~1.0mmの粗さ(X5)、波長域1.0~3.0mmの粗さ(X6)、及び波長域3.0~10.0mmの粗さ(X7)の値から、下記式(1)の値Yを算出することができる。当該Yは、後述の実施例で示されるように規格化された出力密度と相関関係が高く、規格化された出力密度の予測値としても用いることができる。
式(1):Y=0.567-0.008×X1-0.023×X2+0.003×X3-0.247×X4+0.389×X5-0.137×X6+0.305×X7
本開示において、前記式(1)の値Yは、0.75以上であるが、好ましくは0.80以上、より好ましくは0.83以上である。
本開示の電極触媒層を備える燃料電池について説明する。
燃料電池は、通常、膜電極接合体を備える。膜電極接合体は、水素イオン伝導性を有する電解質膜、及び当該電解質膜を挟む一対のカソード電極及びアノード電極を備える。燃料電池は、膜電極接合体の他に、当該膜電極接合体を電極の外側から挟む一対のセパレータを備える。セパレータと電極との境界にはガス流路が設けられていてもよい。
電極としては、上記電極触媒層を備える燃料電池用電極を使用する。本開示の電極触媒層は、カソード電極及びアノード電極のいずれにも使用できる。電解質膜及びセパレータについては、従来から燃料電池に使用されているものを用いることができる。
以下に、実施例及び比較例を挙げて、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、この実施例のみに限定されるものではない。
[実施例1~13、比較例1]
1.触媒インクの調製
(1)触媒分散液の作製
カーボン粒子に白金コバルト(PtCo)を担持させた触媒担持カーボン粒子に、蒸留水を加えた後に、エタノール又は1-プロパノールを添加して懸濁させた。さらにスルホン酸基を含有するアイオノマを添加し、超音波分散器又は撹拌機によって分散処理を行って触媒分散液を得た。
実施例1~13及び比較例1においては、水の添加量(40~60質量%)、エタノール又は1-プロパノールの添加量(0~50質量%)、アイオノマの種類及び添加量、並びに分散処理方法の少なくとも1つを変更して、後述の触媒インクが表1の粒度分布及び粘度となるように触媒分散液を作製した。
(2)攪拌処理
上記触媒分散液に対して、プライミックス社製のフィルミックス(FM40-40型)を用いて、周速:30m/sで約3分間、高せん断力を印加することにより、触媒インクを得た。
2.燃料電池用電極触媒層、膜電極接合体の製造
上記の触媒インクを用いて、電解質膜の両面に電極触媒層を形成することにより、膜電極接合体のサンプルを得た。単位面積当たりの電極触媒層における白金質量が0.2mg/cmとなるように電極触媒層を形成した。このとき、アノード極の電極触媒層については、ダイコータを用いて、触媒インクを電解質膜に直接塗布し、乾燥して形成した。カソード極の電極触媒層については、アプリケータ式の塗布機を用いて、触媒インクをPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)のフィルム基材に塗布し乾燥して、触媒インクの塗布膜を形成した後に、前記塗布膜を、電解質膜に転写することにより形成した。
[評価]
調製された各触媒インクと、製造された各電極触媒層の表面の評価は以下のように行った。
<粒度分布の測定方法>
触媒インクの粒度分布は、堀場製作所製の粒度分布測定装置を用いて測定し、D50の値を使用した。触媒インクの粒度分布D50(単位:μm)の値を、X1とした。
<粘度の測定方法>
触媒インクの粘度は、TAインスツルメント社製の回転式粘度測定器を用いて測定し、ずり速度5s-1での値を使用した。触媒インクのずり速度5s-1における粘度(単位:Pa)の値を、Xとした。
<光沢度の測定方法>
電極触媒層の表面の光沢度は、ドイツBYK-Gardner社製の光沢度計tri-glossを用いて測定し、入射角85°の正反射光の割合の値を使用した。電極触媒層表面の85°の光沢度(単位:%)の値を、Xとした。
<写像鮮明性の測定方法>
写像鮮明性はドイツBYK-Gardner社製の計測器wave-scanを用いて測定し、Wa~Wdの値を使用した。計測器wave-scanは、レーザー光を材料表面へ角度60度で照射する光源と、反射光の量をセンサーにて検知する光学系装置と、検知した光量の変動を、フィルター関数変換を用いて計測処理する計測系装置とから構成される。測定は、計測器本体を材料表面に沿って必要な距離だけ移動させながら行った。検出された材料表面の光学プロファイルは、以下の波長域(Wa:0.1~0.3mm、Wb:0.3~1.0mm、Wc:1.0~3.0mm、Wd:3.0~10.0mm)に分割して数値化される。Waの値を波長域0.1~0.3mmの粗さX4とし、Wbの値を波長域0.3~1.0mmの粗さX5とし、Wcの値を波長域1.0~3.0mmの粗さX6とし、Wdの値を波長域3.0~10.0mmの粗さX7とした。
<規格化された出力密度の予測値の算出>
出力密度の予測値は、下記式(1)の値Yとして求めた。実施例1~13及び比較例1の算出結果を表1に示す。
式(1):Y=0.567-0.008×X1-0.023×X2+0.003×X3-0.247×X4+0.389×X5-0.137×X6+0.305×X7
[燃料電池の出力性能評価]
実施例1~13及び比較例1で得られた膜電極接合体を用いた燃料電池の出力性能の評価には、東陽テクニカ社製の燃料電池評価システムを使用した。
出力密度の値は、60℃80%R.H.の条件で取得した出力密度の値を、0~1の範囲に規格化して使用した。実施例1~13及び比較例1の測定結果を表1に示す。
Figure 2023000484000002
表1の値から明らかなように、触媒インクの粒度分布D50、ずり速度5s-1における粘度、及び前記電極触媒層の85°の光沢度のいずれも、単独では燃料電池の規格化された出力密度の実測値と相関関係は見られなかった。
図1は、実施例1~13で得られた電極触媒層から前記式(1)を用いて算出された規格化された出力密度の予測値と、実施例1~13で得られた電極触媒層を用いた燃料電池の規格化された出力密度の実測値とをプロットした図である。
図1から分かるように、実施例1~13で得られた電極触媒層から前記式(1)を用いて算出された規格化された出力密度の予測値は、実測値と相関関係が高い。
表1から分かるように、比較例1を含めても、実施例及び比較例で得られた電極触媒層から前記式(1)を用いて算出された規格化された出力密度の予測値は、実測値と相関関係が高い。
従って、前記触媒インクの粒度分布D50(X1)及びずり速度5s-1における粘度(X2)、並びに、前記電極触媒層の85°の光沢度(X3)、写像鮮明性測定器で測定される波長域0.1~0.3mmの粗さ(X4)、波長域0.3~1.0mmの粗さ(X5)、波長域1.0~3.0mmの粗さ(X6)、及び波長域3.0~10.0mmの粗さ(X7)からなる前記式(1)の値Yが0.75以上を満たす電極触媒層は、高い出力密度を達成することが確認できた。

Claims (1)

  1. 触媒インクを用いて電極触媒層を形成する燃料電池用電極触媒層の製造方法であって、
    前記触媒インクの粒度分布D50(X1)及びずり速度5s-1における粘度(X2)、並びに、前記電極触媒層の85°の光沢度(X3)、写像鮮明性測定器で測定される波長域0.1~0.3mmの粗さ(X4)、波長域0.3~1.0mmの粗さ(X5)、波長域1.0~3.0mmの粗さ(X6)、及び波長域3.0~10.0mmの粗さ(X7)からなる下記式(1)の値Yが0.75以上を満たすことを特徴とする、燃料電池用電極触媒層の製造方法。
    式(1):Y=0.567-0.008×X1-0.023×X2+0.003×X3-0.247×X4+0.389×X5-0.137×X6+0.305×X7
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