JP2022554392A - MrgprX2アンタゴニストおよびその使用 - Google Patents

MrgprX2アンタゴニストおよびその使用 Download PDF

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Abstract

本開示は、炎症性障害、例えば、皮膚の炎症性障害の治療におけるMrgprX2アンタゴニストの使用を対象とする。本発明はまた、MrgprX2アンタゴニストと薬学的に許容される担体とを含む、局所または経口投与用の薬学的組成物を対象とする。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2019年11月5日出願の米国仮出願第62/931,186号、2019年11月6日出願の同第62/931,576号、および2020年6月30日出願の同第63/046,481号の優先権および恩典を主張し、それらの各々の内容は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
背景
アトピー性皮膚炎(AD)は、最も一般的な炎症性皮膚疾患であり、米国の成人における全罹患率は6%であり、罹患率は、世界中の成人のうちの1~3%および小児のうちの15~20%である。1780万人のアメリカ人がADを患っている。疾患の発症は、典型的には小児期であり、皮膚の症状は、患者のうちの60%では1歳までに見られる。臨床症状は、紅斑性丘疹および斑点、滲出物、痂皮、低色素沈着、および苔癬化である。しかしながら、ADの特徴的な症状は、6週間超続く強い慢性的なかゆみである。AD患者において慢性的なかゆみの罹患率が高いにもかかわらず、良好な安全性プロファイルを有する入手可能で有効な第一選択治療は存在しない。かゆみは、睡眠障害を含め、これらの患者の生活の質に有意な影響を有し、究極的には職場または学校でのパフォーマンスの低下をもたらす。小児における健康に関連する生活の質は、疾患の重症度と逆相関する。夜間の持続する掻痒によって、睡眠は影響を受ける。
その鎮静効果に起因して経口抗ヒスタミンは、掻痒を直接変化させることのない軽度の症状緩和を提供する。局所カルシニューリン阻害剤(TCI)ならびに局所コルチコステロイド(TCS)は、掻痒を低減するのに役立ち得る。しかしながら、副作用(TCSの場合は皮膚萎縮、低色素沈着、および毛細血管拡張症、ならびに皮膚がん悪性腫瘍に関するTCIについてのブラックボックス警告)により、それらは特に幼児の慢性使用には好ましくない治療選択肢となる。したがって、かゆみに対する新しい治療選択肢を見出すという医学的な需要は、患者およびその家族間において非常に高い。加えて、慢性的なかゆみの緩和は、かゆみと掻破の悪循環を妨害し、これは、皮膚バリアの改善などの二次的な有益な効果を有し、皮膚病変および紅斑の改善をもたらし得る。
ADにおける慢性的なかゆみの治癒および有効な治療の両方を見出すことが、重大な課題である。ヒスタミンは、ADにおける主要な起痒物質ではなく、したがって、ヒスタミン遮断剤は、特に夜間のかゆみに対してのみ、鎮静効果を通じて、AD患者において作用する。AD患者の免疫細胞および皮膚細胞から放出され、GPCRに作用するプロテアーゼが、ADにおける主要な起痒性寄与因子として調査されている。カテプシンSは、炎症促進性が高く、かゆみを引き起こすプロテアーゼとして文献に記載されている。カテプシンSの過剰発現によって、重度の慢性的なかゆみを有するマウスにおいてAD表現型が生じる。最近、あるグループは、カテプシンSがMrgprX2を介してかゆみを誘発することを報告した。それにもかかわらず、ADにおける主要なかゆみメディエーターに関する知識は限定的であるが、いくつかは、役割を果たすと同定されかつ想定されている。
別の起痒性神経ペプチドは、神経細胞および非神経皮膚細胞によって放出されるサブスタンスPであり、これは炎症促進性であり、また起痒物質として作用する血管活性神経ペプチドである。したがって、その同族受容体NK1を標的とすることは、理想的な治療アプローチと見なされ、アプレピタントを用いて行われている。しかしながら、マウスにおける前臨床データにもかかわらず、NK1Rアンタゴニストであるアプレピタントは、ヒトにおけるかゆみを有意に遮断することができなかった。
MrgprX2は、様々な掻痒メディエーターへの見境のないリガンド結合特性に起因して、有望な標的である。ADの発症機序に関連するプレーヤーとして既知であるかまたは推測される複数の掻痒メディエーターは、同族受容体ではなくMrgprX受容体に結合すると考えられている。
ADおよびその症状に対する有効な治療に対する需要は、満たされていない。本発明は、満たされていない需要、ならびに他の重要な目的を対象とする。
概要
本明細書に記載されるのは、MrgprX2アンタゴニストを含む局所および経口組成物、ならびにADなどの炎症状態の治療のためのMrgprX2アンタゴニストを使用するための方法である。
したがって、第1の態様では、本開示は、MrgprX2アンタゴニストである化合物を提供する。
第2の態様では、本開示は、MrgprX2アンタゴニストと、薬学的に許容される賦形剤とを含む、局所および経口組成物を提供する。
第3の態様では、本開示は、炎症性障害を治療するための方法であって、それを必要とする対象に、治療有効量のMrgprX2アンタゴニスト(例えば、本開示によるMrgprX2アンタゴニスト)と、皮膚科学的にまたは経口的に許容される賦形剤とを有する局所または経口組成物を投与することを含む、方法を提供する。
第4の態様では、本開示は、哺乳類の皮膚における炎症を低減するための方法であって、それを必要とする対象に、MrgprX2アンタゴニスト(例えば、本開示によるMrgprX2アンタゴニスト)と、皮膚科的にまたは経口的に許容される賦形剤とを含む有効量の局所または経口組成物を哺乳類の皮膚に投与することを含む、方法を提供する。
第5の態様では、本開示は、かゆみの発生または重症度を低減することを必要とする対象においてそれを行うための方法であって、それを必要とする対象に、MrgprX2アンタゴニスト(例えば、本開示によるMrgprX2アンタゴニスト)を含む治療有効量の局所または経口組成物を投与することを含む、方法を提供する。
詳細な説明
本明細書で提供されるのは、炎症状態、例えば、炎症を特徴とする皮膚障害を治療するための局所または経口組成物である。具体的には、薬学的組成物は、Mas関連Gタンパク質共役受容体MrgprX2のアンタゴニストである化合物を含む。
本開示の組成物および方法に使用するためのMrgprX2アンタゴニスト
いくつかの実施形態では、本開示は、式Iを有するMrgprX2アンタゴニストである化合物[化合物1]であって、
Figure 2022554392000001
式中、
が、
Figure 2022554392000002
であり、
qが、0または1であり、
mが、0または1であり、
nが、0、1、または2であり、
kが、0または1であり、
ただし、k、q、およびmが、すべて0でないことを条件とし、
ただし、mおよびkが各々1である場合、qが0ではないことを条件とし、
およびRが、各々独立して、H、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、N、O、およびSから独立して選択される1~3つの環ヘテロ原子を有する5~10員ヘテロシクロアルキルであり、各C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、および5~10員ヘテロシクロアルキルが、1~3つのR20基で置換されていてもよく、
ただし、RおよびRが、同時にHではないことを条件とし、
各R20が、独立して、1)ヒドロキシ、2)シアノ、3)C1-3アルキル、4)C1-3アルコキシ、5)C1-3ハロアルキル、6)ハロゲン、7)C1-3アルキル、8)ヒドロキシ、シアノ、C1-3アルキル、C1-3アルコキシ、C1-3ハロアルキル、およびハロゲンから選択される1~3つの置換基で置換されていてもよいC3-6シクロアルキル、ならびに9)ヒドロキシ、シアノ、C1-3アルキル、C1-3アルコキシ、C1-3ハロアルキル、およびハロゲンから選択される1~3つの置換基によって置換されていてもよい、N、O、およびSから独立して選択される1~3つの環ヘテロ原子を有する5~10員ヘテロシクロアルキル、から選択されるか、
または、RおよびRが、それらが結合している窒素原子と一緒になって、N、O、Sから独立して選択される1~3つの環ヘテロ原子を有する、5もしくは6員の飽和、部分飽和、もしくは芳香族複素環を形成し得、これは、ヒドロキシ、C1-3アルキル、C1-3ヒドロキシアルキル、C1-3アルコキシ、C1-3ハロアルキル、シアノ、およびハロゲンから選択される1、2、もしくは3つの基で置換されていてもよく、
が、HまたはC1-3アルキルであり、
各RおよびRが、独立して、HまたはC1-3アルキルであり、
が、C6-10アリール、C3-7シクロアルキル、C1-3ハロアルキル、C1-3アルキル、およびN、O、およびSから独立して選択される1~3つの環ヘテロ原子を有する5~10員ヘテロアリールであり、C6-10アリール、C3-7シクロアルキル、C1-3ハロアルキル、および5~10員ヘテロアリールの各々が、1、2、または3つの独立して選択されるR30基で置換されていてもよく、
各R30が、ハロゲン、シアノ、C1-3アルキル、C1-3ハロアルキル、ならびにハロゲンおよびヒドロキシで置換されていてもよいC1-3アルコキシから独立して選択される、
化合物、またはその立体異性体、溶媒和物、互変異性体、もしくは薬学的に許容される塩を提供する。
本開示はさらに、以下の化合物を提供する:
1.1 Gが、置換されていてもよいC6-10アリールである、化合物1;
1.2 Gが、置換されていてもよいフェニルである、化合物1;
1.3 Gが、置換されていてもよいピリジルである、化合物1;
1.4 Gが、置換されていてもよいC3-6シクロアルキルである、化合物1;
1.5 Gが、置換されていてもよいシクロプロピルまたはシクロヘキシルである、化合物1;
1.6 Gが、1または2つの置換基を有していてもよいフェニルである、化合物1;
1.7 Gが、1または2つの置換基を有していてもよいフェニルである、化合物1;
1.8 Gが、3位において置換されたフェニルである、化合物1;
1.9 Gが、3位および5位において置換されたフェニルである、化合物1;
1.10 Gが、2位および5位において置換されたフェニルである、化合物1;
1.11 Gが、2位および4位において置換されたフェニルである、化合物1;
1.12 Gが、2位および3位において置換されたフェニルである、化合物1;
1.13 Gが、3位および4位において置換されたフェニルである、化合物1;
1.14 各R30が、独立して、モノ-、ジ-、またはトリハロメチル、フッ素、塩素、メトキシ、シアノ、およびメチルから選択される、先行化合物のうちのいずれか;
1.15 各R30が、独立して、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、フッ素、塩素、メトキシ、シアノ、およびメチルから選択される、先行化合物のうちのいずれか;
1.16 各R30が、独立して、フッ素および塩素から選択さる、先行化合物のうちのいずれか;
1.17 各R30が、フッ素である、先行化合物のうちのいずれか;
1.18 Gが、C1-3ハロアルキルである、化合物1;
1.19 Gが、トリフルオロメチルである、化合物1;
1.20 nが、1である、先行化合物のうちのいずれか;
1.21 nが、2である、先行化合物のうちのいずれか;
1.22 m、k、およびqが、各々1である、先行化合物のうちのいずれか;
1.23 qおよびmが、各々1であり、kが、0である、先行化合物のうちのいずれか;
1.24 mが、0であり、kおよびqが、各々1である、先行化合物のうちのいずれか;
1.25 kが、0であり、mおよびqが、各々1である、先行化合物のうちのいずれか;
1.26 RおよびRが、各々独立して、1~3つのR20基で置換されていてもよいC1-3アルキルである、先行化合物のうちのいずれか;
1.27 RおよびRが、各々独立して、ヒドロキシ、ジ-またはトリハロメチル、例えば、ジフルオロメチルまたはトリフルオロメチル、メトキシ、ハロゲン、およびシアノから独立して選択される1~3つのR20基で置換されていてもよいC1-3アルキルである、先行化合物のうちのいずれか;
1.28 Rが、HまたはC1-3アルキルであり、Rが、ピロリジン、テトラヒドロフラン、モルホリン、ピペリジン、およびテトラヒドロピランから選択される複素環であり、それらの各々が、ヒドロキシ、C1-3アルキル、C1-3ヒドロキシアルキル、C1-3アルコキシ、C1-3ハロアルキル、シアノ、およびハロゲンから選択される1、2、または3つの基で置換されていてもよい、先行化合物のうちのいずれか;
1.29 Rが、HまたはC1-3アルキルであり、Rが、ピロリジン、テトラヒドロフラン、モルホリン、ピペリジン、およびテトラヒドロピランから選択される複素環であり、それらの各々が、ヒドロキシ、メチル、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、メトキシ、ジ-またはトリハロメチル、例えば、ジフルオロメチルまたはトリフルオロメチル、シアノ、およびハロゲンから選択される1、2、または3つの基で置換されていてもよい、先行化合物のうちのいずれか;
1.30 Rが、HまたはC1-3アルキルであり、Rが、ピロリジン、テトラヒドロフラン、モルホリン、ピペリジン、テトラヒドロピラン、およびC3-6シクロアルキルから選択される環で置換されたC1-3アルキルであり、それらの各々が、ヒドロキシ、メチル、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、メトキシ、ジ-またはトリハロメチル、例えば、ジフルオロメチルまたはトリフルオロメチル、シアノ、およびハロゲンから選択される1、2、または3つの基で置換されていてもよい、先行化合物のうちのいずれか;
1.31 RおよびRが、それらが結合している窒素原子と一緒になって、ピロリジン、テトラヒドロフラン、モルホリン、ピペリジン、およびテトラヒドロピランから選択される複素環を形成し、それらの各々が、ヒドロキシ、C1-3アルキル、C1-3ヒドロキシアルキル、C1-3アルコキシ、C1-3ハロアルキル、シアノ、およびハロゲンから選択される1、2、または3つの基で置換されていてもよい、先行化合物のうちのいずれか;
1.32 化合物が、本明細書の表1の化合物から選択される化合物、またはその立体異性体、溶媒和物、互変異性体、もしくは薬学的に許容される塩、から選択される、先行化合物のうちのいずれか。
また提供されるのは、本開示によれば、MrgprX2アンタゴニストと、皮膚学的にまたは経口的に許容される賦形剤とを含む局所または経口組成物[組成物1]である。いくつかの実施形態では、MrgprX2アンタゴニストは、上記の式Iを有する化合物Iである。
本開示はさらに、以下の組成物を提供する:
1.1 MrgprX2アンタゴニストが、上記の式Iを有する化合物Iである、組成物1;
1.2 Gが、置換されていてもよいC6-10アリールである、組成物1;
1.3 Gが、置換されていてもよいフェニルである、組成物1;
1.4 Gが、置換されていてもよいピリジルである、組成物1;
1.5 Gが、置換されていてもよいC3-6シクロアルキルである、組成物1;
1.6 Gが、置換されていてもよいシクロプロピルまたはシクロヘキシルである、組成物1;
1.7 Gが、1または2つの置換基を有していてもよいフェニルである、組成物1;
1.8 Gが、1または2つの置換基を有していてもよいフェニルである、組成物1;
1.9 Gが、3位において置換されたフェニルである、組成物1;
1.10 Gが、3位および5位において置換されたフェニルである、組成物1;
1.11 Gが、2位および5位において置換されたフェニルである、組成物1;
1.12 Gが、2位および4位において置換されたフェニルである、組成物1;
1.13 Gが、2位および3位において置換されたフェニルである、組成物1;
1.14 Gが、3位および4位において置換されたフェニルである、組成物1;
1.15 各R30が、独立して、モノ-、ジ-、またはトリハロメチル、フッ素、塩素、メトキシ、シアノ、およびメチルから選択される、先行組成物のうちのいずれか;
1.16 各R30が、独立して、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、フッ素、塩素、メトキシ、シアノ、およびメチルから選択される、先行組成物のうちのいずれか;
1.17 各R30が、独立して、フッ素および塩素から選択さる、先行組成物のうちのいずれか;
1.18 各R30が、フッ素である、先行組成物のうちのいずれか;
1.19 Gが、C1-3ハロアルキルである、組成物1;
1.20 Gが、トリフルオロメチルである、組成物1;
1.21 nが、1である、先行組成物のうちのいずれか;
1.22 nが、2である、先行組成物のうちのいずれか;
1.23 m、k、およびqが、各々1である、先行組成物のうちのいずれか;
1.24 qおよびmが、各々1であり、kが、0である、先行組成物のうちのいずれか;
1.25 mが、0であり、kおよびqが、各々1である、先行組成物のうちのいずれか;
1.26 kが、0であり、mおよびqが、各々1である、先行組成物のうちのいずれか;
1.27 RおよびRが、各々独立して、1~3つのR20基で置換されていてもよいC1-3アルキルである、先行組成物のうちのいずれか;
1.28 RおよびRが、各々独立して、ヒドロキシ、ジ-またはトリハロメチル、例えば、ジフルオロメチルまたはトリフルオロメチル、メトキシ、ハロゲン、およびシアノから独立して選択される1~3つのR20基で置換されていてもよいC1-3アルキルである、先行組成物のうちのいずれか;
1.29 Rが、HまたはC1-3アルキルであり、Rが、ピロリジン、テトラヒドロフラン、モルホリン、ピペリジン、およびテトラヒドロピランから選択される複素環であり、それらの各々が、ヒドロキシ、C1-3アルキル、C1-3ヒドロキシアルキル、C1-3アルコキシ、C1-3ハロアルキル、シアノ、およびハロゲンから選択される1、2、または3つの基で置換されていてもよい、先行組成物のうちのいずれか;
1.30 Rが、HまたはC1-3アルキルであり、Rが、ピロリジン、テトラヒドロフラン、モルホリン、ピペリジン、およびテトラヒドロピランから選択される複素環であり、それらの各々が、ヒドロキシ、メチル、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、メトキシ、ジ-またはトリハロメチル、例えば、ジフルオロメチルまたはトリフルオロメチル、シアノ、およびハロゲンから選択される1、2、または3つの基で置換されていてもよい、先行組成物のうちのいずれか;
1.31 Rが、HまたはC1-3アルキルであり、Rが、ピロリジン、テトラヒドロフラン、モルホリン、ピペリジン、テトラヒドロピラン、およびC3-6シクロアルキルから選択される環で置換されたC1-3アルキルであり、それらの各々が、ヒドロキシ、メチル、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、メトキシ、ジ-またはトリハロメチル、例えば、ジフルオロメチルまたはトリフルオロメチル、シアノ、およびハロゲンから選択される1、2、または3つの基で置換されていてもよい、先行組成物のうちのいずれか;
1.32 RおよびRが、それらが結合している窒素原子と一緒になって、ピロリジン、テトラヒドロフラン、モルホリン、ピペリジン、およびテトラヒドロピランから選択される複素環を形成し、それらの各々が、ヒドロキシ、C1-3アルキル、C1-3ヒドロキシアルキル、C1-3アルコキシ、C1-3ハロアルキル、シアノ、およびハロゲンから選択される1、2、または3つの基で置換されていてもよい、先行組成物のうちのいずれか;
1.33 化合物が、本明細書の表1の化合物から選択される化合物、またはその立体異性体、溶媒和物、互変異性体、もしくは薬学的に許容される塩、から選択される、先行化合物のうちのいずれか。
1.34 組成物が、経口剤形である、先行組成物のうちのいずれか。
1.35 組成物が、クリーム、ゲル、スプレー、または軟膏の形態である、先行組成物のうちのいずれか。
1.36 MrgprX2アンタゴニストが、組成物の総重量に基づいて約0.001重量%~約10重量%の濃度で存在する、先行組成物のうちのいずれか。
1.37 MrgprX2アンタゴニストが、組成物の総重量に基づいて約0.1重量%~約5重量%の濃度で存在する、先行組成物のうちのいずれか。
1.38 皮膚吸収向上剤をさらに含む、先行組成物のうちのいずれか。
1.39 マンニトール、スルホキシド(例えば、ジメチルスルホキシド、DMSO)、アゾン(例えば、ラウロカプラム)、ピロリドン(例えば、2-ピロリドン、2P)、アルコールおよびアルカノール(例えば、エタノールまたはデカノール)、グリコール(例えば、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリオキシエチレングリコール、ジエチレングリコール)、界面活性剤(これも剤形において一般的である)、ならびにテルペンのうちの1つ以上を含む皮膚吸収向上剤をさらに含む、先行組成物のうちのいずれか。
1.40 組成物が、1日1回、患者の皮膚に適用される、先行組成物のうちのいずれか。
1.41 組成物が、1日2回、患者の皮膚に適用される、先行組成物のうちのいずれか。
1.42 組成物が、1日3回、患者の皮膚に適用される、先行組成物のうちのいずれか。
1.43 組成物が、炎症性障害を患っている患者に投与される、先行組成物のうちのいずれか。
1.44 炎症性障害が、皮膚の障害である、先行組成物。
1.45 皮膚が、ヒトの皮膚である、先行組成物。
1.46 炎症性障害が、MrgprX2を活性化するか、またはMrgprX2の活性化の結果である、組成物1.64~1.66のうちのいずれか。
1.47 炎症性障害が、アトピー性皮膚炎(例えば、アジア人アトピー性皮膚炎、ヨーロッパ人アトピー性皮膚炎)、慢性蕁麻疹、小分子によって引き起こされる偽アレルギー性応答、例えば、アナフィラキシー様薬物応答、アナフィラキシーショック、酒さ、喘息、胆汁うっ滞性または尿毒性のかゆみなどの全身性のかゆみ、全身性疾患によって引き起こされる慢性的なかゆみ、薬物有害応答である、先行組成物。
1.48 炎症性障害が、アトピー性皮膚炎(例えば、アジア人アトピー性皮膚炎、ヨーロッパ人アトピー性皮膚炎)である、組成物1.63~1.67のうちのいずれか。
1.49 炎症性障害が、アトピー性皮膚炎である、組成物1.63~1.66のうちのいずれか。
1.50 対象が、ヒトである、先行組成物のうちのいずれか。
1.51 哺乳類の皮膚が、ヒトの皮膚である、先行組成物のうちのいずれか。
1.52 組成物が、経口投与用である、先行組成物のうちのいずれか1つ。
本明細書で使用される場合、「局所組成物」は、生物学的に活性な化合物を哺乳類の皮膚、例えば、ヒトの皮膚に送達するための、発明の化合物と当該技術分野で概して受け入れられている媒体との製剤を指す。かかる媒体は、それらのためのすべての皮膚科的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤を含む。
「立体異性体」は、同じ結合によって結合している同じ原子で構成されているが、異なる三次元構造を有し、互換性がない化合物を指す。本発明は、様々な立体異性体およびそれらの混合物を企図し、分子を互いに重ね合わせることができない鏡像である2つの立体異性体を指す「鏡像異性体」を含む。
「溶媒和物」は、溶媒分子によって複合化された化合物の形態を指す。
「互変異性体」は、容易に相互変換する構造異性体である2つの分子を指す。
「薬学的に許容される塩」は、酸付加塩および塩基付加塩の両方を含む。
「薬学的に許容される酸付加塩」は、生物学的にまたは他の望ましい遊離塩基の生物学的有効性および特性を保持し、限定されないが、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸、ならびに限定されないが、酢酸、2,2-ジクロロ酢酸、アジピン酸、アルギン酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、4-アセトアミド安息香酸、樟脳酸、10-カンファー-スルホン酸、カプリン酸、カプロン酸、カプリル酸、炭酸、桂皮酸、クエン酸、シクラミン酸、ドデシル硫酸、エタン-1,2-ジスルホン酸、エタンスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、ガラクタル酸、ゲンチジン酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルクロン酸、グルタミン酸、グルタル酸、2-オキソ-グルタル酸、グリセロリン酸、グリコール酸、馬尿酸、イソブチル酸、乳酸、ラクトビオン酸、ラウリン酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ムチン酸、ナフタレン-1,5-ジスルホン酸、ナフタレン-2-スルホン酸、1-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、ニコチン酸、オレイン酸、オロト酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモ酸、プロピオン酸、ピログルタミン酸、ピルビン酸、サリチル酸、4-アミノサリチル酸、セバシン酸、ステアリン酸、コハク酸、酒石酸、チオシアン酸、p-トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、ウンデシレン酸などの有機酸と形成される塩を指す。
「薬学的に許容される塩基付加塩」は、生物学的にまたは他の望ましい遊離酸の生物学的有効性および特性を保持する塩を指す。これらの塩は、遊離酸に無機塩基または有機塩基を付加することから調製される。無機塩基に由来する塩としては、限定されないが、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、アルミニウム塩などが挙げられる。好ましい無機塩は、アンモニウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、およびマグネシウム塩である。有機塩基に由来する塩としては、限定されないが、一級、二級、および三級アミン、天然の置換アミンを含む置換アミン、環式アミンの塩、ならびに塩基性イオン交換樹脂、例えば、アンモニア、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、ジエタノールアミン、エタノールアミン、デアノール、2-ジメチルアミノエタノール、2-ジエチルアミノエタノール、ジシクロヘキシルアミン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、カフェイン、プロカイン、ヒドラバミン、コリン、ベタイン、ベネタミン、ベンザチン、エチレンジアミン、グルコサミン、メチルグルカミン、テオブロミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、プリン、ピペラジン、ピペリジン、N-エチルペリジン、ポリアミン樹脂などが挙げられる。特に好ましい有機塩基は、イソプロピルアミン、ジエチルアミン、エタノールアミン、トリメチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、コリン、およびカフェインである。
発明の化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩は、1つ以上の不斉中心を含有し得、したがって、アミノ酸について(R)-もしくは(S)-として、または(D)-もしくは(L)-として、絶対立体化学の観点から定義され得る鏡像異性体、ジアステレオマー、および他の立体異性体形態を生じ得る。本発明は、かかる可能なすべての異性体、ならびにそれらのラセミ体および光学的に純粋な形態を含むことを意味する。光学活性(+)および(-)、(R)-および(S)-、または(D)-および(L)-異性体は、キラルシントンもしくはキラル試薬を使用して調製することができるか、または従来の技法、例えばクロマトグラフィーおよび分画結晶化を使用して分割することができる。個々の鏡像異性体の調製/単離のための従来の技法としては、例えば、キラル高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)を使用して、好適な光学的に純粋な前駆体からのキラル合成、またはラセミ体(または塩もしくは誘導体のラセミ体)の分割が挙げられる。
「皮膚科的に許容される賦形剤」としては、米国食品医薬品局によって、ヒトもしくは家畜動物に対する皮膚科学的使用のために許容されるものとして承認されたもの、または皮膚科学的組成物での使用が既知であるかもしくは好適なものを含む、限定されないが、任意のアジュバント、担体、ビヒクル、賦形剤、滑沢剤、甘味剤、希釈剤、防腐剤、色素/着色剤、風味向上剤、界面活性剤、湿潤剤、分散剤、懸濁剤、安定剤、等張剤、溶媒、または乳化剤が挙げられる。
「任意選択的」または「されていてもよい」は、その後に記載される状況の事象が生じても生じなくてもよく、その記載が、当該事象または状況が生じる場合および生じない場合を含むことを意味する。官能基が「置換されていてもよい」と記載され、ひいては官能基上の置換基もまた、「置換されていてもよい」などの場合、本発明の目的のために、かかる反復は、3回までに限定される。
「アルキル」という用語は、示される数の炭素原子を含有する直鎖状または分岐状の炭素基を意味することが意図される。いくつかの実施形態は、1~5つの炭素を含有する。いくつかの実施形態は、1~4つの炭素を含有する。いくつかの実施形態は、1~3つの炭素を含有する。いくつかの実施形態は、1または2つの炭素を含有する。アルキル基の例としては、限定されないが、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、s-ブチル、イソブチル、t-ブチル、ペンチル、イソペンチル、t-ペンチル、ネオペンチル、1-メチルブチル[すなわち、-CH(CH)CHCHCH]、2-メチルブチル[すなわち、-CHCH(CH)CHCH]、n-ヘキシルなどが挙げられる。
「シクロアルキル」という用語は、示される数の炭素原子を含有する飽和環基を意味することが意図される。いくつかの実施形態は、3~6つの炭素を含有する。いくつかの実施形態は、3~5つの炭素を含有する。いくつかの実施形態は、5~7つの炭素を含有する。いくつかの実施形態は、3~4つの炭素を含有する。例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなどが挙げられる。
「ハロアルキル」という用語は、1つ以上のハロゲンで置換された、示される数の炭素原子を有するアルキル基を含む基を意味することが意図される。例えば、C~Cハロアルキルは、完全に置換されてもよく、この場合、式C2n+1によって表すことができ、Lが、ハロゲンであり、「n」が、1、2、3、4、5、または6である。2つ以上のハロゲンが存在する場合、それらは同じであっても異なっていてもよく、フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素から選択され得る。いくつかの実施形態では、ハロアルキルは、1~5つの炭素を含有する。いくつかの実施形態では、ハロアルキルは、1~4つの炭素を含有する。いくつかの実施形態では、ハロアルキルは、1~3つの炭素を含有する。いくつかの実施形態では、ハロアルキルは、1または2つの炭素を含有する。ハロアルキル基の例としては、限定されないが、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロジフルオロメチル、2,2,2-トリフルオロエチル、ペンタフルオロエチルなどが挙げられる。ハロ置換基の数を示す接頭辞を伴わずに使用される場合、「ハロアルキル」基は、1、2、または3つのハロゲン原子を含有する。
「ヒドロキシアルキル」という用語は、1つ以上のヒドロキシ(すなわち、-OH)基で置換された、示された数の炭素原子を有するアルキル基を含む基を意味することが意図される。ヒドロキシ置換基の数を示す接頭辞を伴わずに使用される場合、「ヒドロキシアルキル」基は、1、2、または3つのヒドロキシ基を含有する。
「ハロゲン」という用語は、フルオロ、クロロ、ブロモ、またはヨード基を意味することが意図される。
「アリール」という用語は、6~10個の炭素原子を含有し、単一の環または2つの縮合環を含有し得、少なくとも1つの環が芳香族である環系を意味することが意図される。例としては、フェニル、インダニル、およびナフチルが挙げられる。
「ヘテロアリール」という用語は、5~14個の環原子を含有し、単一の環、2つの縮合環、または3つの縮合環を含有し得、少なくとも1つの環が芳香族であり、少なくとも1つの環原子が、例えば、O、S、およびNから選択されるヘテロ原子である、環系を意味することが意図される。いくつかの実施形態は、例えば、フラニル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、トリアジニルなどの5~6つの環原子を含有する。いくつかの実施形態は、例えば、キノリジニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、トリアジニル、インドリル、イソインドリル、インダゾリル、インドリジニル、プリニル、ナフチリジニル、プテリジニル(pteridinyl)、カルバゾリル、アクリジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、1H-ベンズイミダゾリル、イミダゾピリジニル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラン、2,3-ジヒドロベンゾフラニル、4H-ベンゾ[1,3]ジオキシニル、3,4-ジヒドロ-1H-ヒドロ-イソキノリニル、1,4,6,7-テトラヒドロ-イミダゾ[4,5-c]ピリジニル、7,8-ジヒドロ-5H-[1,6]ナフチリジニル、5,6-ジヒドロ-8H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピラジニル、ベンゾ[1,3]ジオキリル、ピラゾロ[1,5-a]ピリミジニル、1,2,3,4-テトラヒドロキノリニルなどの8~14個の環原子を含有する。
「シアノ」という用語は、-CN基を意味する。
「アルコキシ」という用語は、示される数の炭素原子を有する、式-O-アルキルの基を意味する。
本明細書で使用される場合、「ヘテロシクロアルキル」という用語は、3~6員の飽和、部分的不飽和、または芳香族アリールまたはヘテロアリール環に縮合していてもよい非芳香族3~6員複素環式環を意味することが意図される。非芳香族3~6員複素環式環の例としては、オキシラン、アジニジン、オキセタン、テトラヒドロフラン、ピロリジン、ピペリジン、テトラヒドロピラン、モルホリン、ピペラジン、ヘキサヒドロピリミジン、ヘキサヒドロピリダジンなどが挙げられる。ヘテロシクロアルキル基は、環内に1つ以上のオキソ(すなわち、-C=O-)基を含有し得、硫黄環ヘテロ原子は、硫黄ジオンとして存在し得る。かかるヘテロシクロアルキル環の例としては、スルホラン、テトラヒドロ-2H-チオピラン-1,1,-ジオン、チオモルホリン1,1-ジオキシド、2-ピロリジオン、ピペリジン-2-オン、ピペラジン-2-オン、モルホリン-3-オンなどが挙げられる。縮合環を有するヘテロシクロアルキルの例としては、1,3ジヒドロインドールなどのジヒドロインドールが挙げられる。
「スピロアルキル」という用語は、環のうちの2つが1つの共通の原子を共有し、環のうちの少なくとも1つが示される数の炭素原子を含有するシクロアルキル環である、2つ以上の環の構造を意味することが意図される。例としては、スピロシクロプロパンおよびスピロシクロブタンが挙げられる。
発明の化合物を使用する方法
発明の化合物は、炎症性障害、例えば、アトピー性皮膚炎(例えば、アジア人アトピー性皮膚炎、ヨーロッパ人アトピー性皮膚炎)、慢性蕁麻疹、小分子によって引き起こされる偽アレルギー性応答、例えば、アナフィラキシー様薬物応答、アナフィラキシーショック、酒さ、喘息、胆汁うっ滞性または尿毒性のかゆみなどの全身性のかゆみ、全身性疾患によって引き起こされる慢性的なかゆみ、および薬物有害応答の治療に有用である。したがって、本明細書に記載の好ましいMrgprX2アンタゴニスト、例えば、上述のMrgprX2アンタゴニスト、例えば、式Iの化合物の投与または使用は、様々な炎症性疾患および障害の症状を改善し、および/または治療を提供する手段を提供する。
例えば、本開示の一実施形態では、本開示は、炎症性障害を治療するための方法[方法1]であって、それを必要とする対象に、治療有効量のMrgprX2アンタゴニスト(例えば、本開示によるMrgprX2アンタゴニスト)と、皮膚科学的にまたは経口的に許容される賦形剤とを含む局所または経口組成物を投与することを含む、方法を提供する。
本開示はさらに、方法1のさらなる実施形態を以下のように提供する:
1.1 MrgprX2アンタゴニストが、上記の式Iによる化合物である、方法1;
1.2 MrgprX2アンタゴニストが、上記の化合物1.1~1.55のいずれかによる化合物である、方法1.1;
1.3 MrgprX2アンタゴニストが、本明細書の表1の化合物から選択される化合物、またはその立体異性体、溶媒和物、互変異性体、もしくは薬学的に許容される塩である、先行方法のうちのいずれか;
1.4 組成物が、クリーム、ゲル、スプレー、または軟膏の形態である、先行方法のうちのいずれか。
1.5 MrgprX2アンタゴニストが、組成物の総重量に基づいて約0.001重量%~約10重量%の濃度で存在する、先行方法のうちのいずれか。
1.6 MrgprX2アンタゴニストが、組成物の総重量に基づいて約0.1重量%~約5重量%の濃度で存在する、先行方法のうちのいずれか。
1.7 皮膚吸収向上剤をさらに含む、先行方法のうちのいずれか。
1.8 マンニトール、スルホキシド(例えば、ジメチルスルホキシド、DMSO)、アゾン(例えば、ラウロカプラム)、ピロリドン(例えば、2-ピロリドン、2P)、アルコールおよびアルカノール(例えば、エタノールまたはデカノール)、グリコール(例えば、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリオキシエチレングリコール、ジエチレングリコール)、界面活性剤(これも剤形において一般的である)、ならびにテルペンのうちの1つ以上を含む皮膚吸収向上剤をさらに含む、先行方法のうちのいずれか。
1.9 組成物が、1日1回、患者の皮膚に適用される、先行方法のうちのいずれか。
1.10 組成物が、1日2回、患者の皮膚に適用される、先行方法のうちのいずれか。
1.11 組成物が、1日3回、患者の皮膚に適用される、先行方法のうちのいずれか。
1.12 組成物が、炎症性障害を患っている患者に投与される、先行方法のうちのいずれか。
1.13 炎症性障害が、皮膚の障害である、先行方法。
1.14 皮膚が、ヒトの皮膚である、先行方法。
1.15 炎症性障害が、MrgprX2を活性化するか、またはMrgprX2の活性化の結果である、方法1.12~1.14のうちのいずれか。
1.16 炎症性障害が、アトピー性皮膚炎(例えば、アジア人アトピー性皮膚炎、ヨーロッパ人アトピー性皮膚炎)、慢性蕁麻疹、小分子によって引き起こされる偽アレルギー性応答、例えば、アナフィラキシー様薬物応答、アナフィラキシーショック、酒さ、喘息、胆汁うっ滞性または尿毒性のかゆみなどの全身性のかゆみ、全身性疾患によって引き起こされる慢性的なかゆみ、または薬物有害応答である、先行方法。
1.17 炎症性障害が、アトピー性皮膚炎(例えば、アジア人アトピー性皮膚炎、ヨーロッパ人アトピー性皮膚炎)である、方法1.12~1.16のうちのいずれか。
1.18 炎症性障害が、アトピー性皮膚炎である、方法1.12~1.16のうちのいずれか。
1.19 対象が、ヒトである、先行方法のうちのいずれか。
1.20 哺乳類の皮膚が、ヒトの皮膚である、先行方法のうちのいずれか。
1.21 組成物が、経口投与用である、先行方法のうちのいずれか。
別の実施形態では、本開示は、哺乳類の皮膚における炎症を低減するための方法[方法2]であって、それを必要とする対象に、哺乳類の皮膚に、本開示によるMrgprX2アンタゴニストと、皮膚科的に許容される賦形剤とを含む有効量の局所または経口組成物を投与することを含む、方法を提供する。
本開示はさらに、方法2のさらなる実施形態を以下のように提供する:
2.1 MrgprX2アンタゴニストが、上記の式Iによる化合物である、方法2;
2.2 MrgprX2アンタゴニストが、上記の化合物1.1~1.55のいずれかによる化合物である、方法2または2.1;
2.3 MrgprX2アンタゴニストが、本明細書の表1の化合物から選択される化合物、またはその立体異性体、溶媒和物、互変異性体、もしくは薬学的に許容される塩である、先行方法のうちのいずれか;
2.4 炎症が、MrgprX2の活性化の結果である、先行方法のうちのいずれか;
2.5 組成物が、クリーム、ゲル、スプレー、または軟膏の形態である、先行方法のうちのいずれか。
2.6 MrgprX2アンタゴニストが、組成物の総重量に基づいて約0.001重量%~約10重量%の濃度で存在する、先行方法のうちのいずれか。
2.7 MrgprX2アンタゴニストが、組成物の総重量に基づいて約0.1重量%~約5重量%の濃度で存在する、先行方法のうちのいずれか。
2.8 皮膚吸収向上剤をさらに含む、先行方法のうちのいずれか。
2.9 マンニトール、スルホキシド(例えば、ジメチルスルホキシド、DMSO)、アゾン(例えば、ラウロカプラム)、ピロリドン(例えば、2-ピロリドン、2P)、アルコールおよびアルカノール(例えば、エタノールまたはデカノール)、グリコール(例えば、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリオキシエチレングリコール、ジエチレングリコール)、界面活性剤(これも剤形において一般的である)、ならびにテルペンのうちの1つ以上を含む皮膚吸収向上剤をさらに含む、先行方法のうちのいずれか。
2.10 組成物が、1日1回、患者の皮膚に適用される、先行方法のうちのいずれか。
2.11 組成物が、1日2回、患者の皮膚に適用される、先行方法のうちのいずれか。
2.12 組成物が、1日3回、患者の皮膚に適用される、先行方法のうちのいずれか。
2.13 組成物が、炎症性障害を患っている患者に投与される、先行方法のうちのいずれか。
2.14 炎症性障害が、皮膚の障害である、先行方法。
2.15 皮膚が、ヒトの皮膚である、先行方法。
2.16 炎症性障害が、MrgprX2を活性化するか、またはMrgprX2の活性化の結果である、方法1.12~1.14のうちのいずれか。
2.17 炎症性障害が、アトピー性皮膚炎(例えば、アジア人アトピー性皮膚炎、ヨーロッパ人アトピー性皮膚炎)、慢性蕁麻疹、小分子によって引き起こされる偽アレルギー性応答、例えば、アナフィラキシー様薬物応答、アナフィラキシーショック、酒さ、喘息、胆汁うっ滞性または尿毒性のかゆみなどの全身性のかゆみ、全身性疾患によって引き起こされる慢性的なかゆみ、または薬物有害応答である、先行方法。
2.18 炎症性障害が、アトピー性皮膚炎(例えば、アジア人アトピー性皮膚炎、ヨーロッパ人アトピー性皮膚炎)である、方法1.12~1.16のうちのいずれか。
2.19 炎症性障害が、アトピー性皮膚炎である、方法1.12~1.16のうちのいずれか。
2.20 対象が、ヒトである、先行方法のうちのいずれか。
2.21 哺乳類の皮膚が、ヒトの皮膚である、先行方法のうちのいずれか。
2.22 組成物が、経口投与用である、先行方法のうちのいずれか。
さらなる実施形態は、かゆみの発生または重症度を低減するための方法[方法3]であって、組成物1および1.1~1.73のいずれかによる治療有効量の局所または経口組成物を哺乳類の皮膚に投与することを含む、方法を提供する。
本開示はさらに、方法3のさらなる実施形態を以下のように提供する:
3.1 かゆみの重症度が、投与から5分以内に低減される、方法3。
3.2 かゆみの重症度が、投与から6時間の期間にわたって低減される、方法3または3.1。
3.3 かゆみの重症度が、投与から12時間の期間にわたって低減される、方法3または3.1。
3.4 かゆみの重症度が、投与から18時間の期間にわたって低減される、方法3または3.1。
3.5 かゆみの重症度が、投与から24時間の期間にわたって低減される、方法3または3.1。
3.6 MgrprX2アンタゴニストが、本明細書の表1の化合物から選択される化合物、またはその立体異性体、溶媒和物、互変異性体、もしくは薬学的に許容される塩である、先行方法のうちのいずれか。
3.7 組成物が、クリーム、ゲル、スプレー、または軟膏の形態である、先行方法のうちのいずれか。
3.8 MgrprX2アンタゴニストが、組成物の総重量に基づいて約0.001重量%~約10重量%の濃度で存在する、先行方法のうちのいずれか。
3.9 MgrprX2アンタゴニストが、組成物の総重量に基づいて約0.1重量%~約5重量%の濃度で存在する、先行方法のうちのいずれか。
3.10 皮膚吸収向上剤をさらに含む、先行方法のうちのいずれか。
3.11 皮膚吸収向上剤が、マンニトール、スルホキシド(例えば、ジメチルスルホキシド、DMSO)、アゾン(例えば、ラウロカプラム)、ピロリドン(例えば、2-ピロリドン、2P)、アルコールおよびアルカノール(例えば、エタノールまたはデカノール)、グリコール(例えば、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリオキシエチレングリコール、ジエチレングリコール)、界面活性剤(これも剤形において一般的である)、ならびにテルペンのうちの1つ以上を含む、先行方法。
3.12 組成物が、1日1回、患者の皮膚に適用される、先行方法のうちのいずれか。
3.13 組成物が、1日2回、患者の皮膚に適用される、先行方法のうちのいずれか。
3.14 組成物が、1日3回、患者の皮膚に適用される、先行方法のうちのいずれか。
3.15 組成物が、炎症性障害を患っている患者に投与される、先行方法のうちのいずれか。
3.16 炎症性障害が、皮膚の障害である、先行方法のうちのいずれか。
3.17 皮膚が、ヒトの皮膚である、先行方法のうちのいずれか。
3.18 炎症性障害が、MrgprX2を活性化するか、またはMrgprX2の活性化の結果である、方法1.12~1.14のうちのいずれか。
3.19 炎症性障害が、アトピー性皮膚炎(例えば、アジア人アトピー性皮膚炎、ヨーロッパ人アトピー性皮膚炎)、慢性蕁麻疹、小分子によって引き起こされる偽アレルギー性応答、例えば、アナフィラキシー様薬物応答、アナフィラキシーショック、酒さ、喘息、胆汁うっ滞性または尿毒性のかゆみなどの全身性のかゆみ、全身性疾患によって引き起こされる慢性的なかゆみ、または薬物有害応答である、先行方法。
3.20 炎症性障害が、アトピー性皮膚炎(例えば、アジア人アトピー性皮膚炎、ヨーロッパ人アトピー性皮膚炎)である、方法1.12~1.16のうちのいずれか。
3.21 炎症性障害が、アトピー性皮膚炎である、方法1.12~1.16のうちのいずれか。
3.22 対象が、ヒトである、先行方法のうちのいずれか。
3.23 哺乳類の皮膚が、ヒトの皮膚である、先行方法のうちのいずれか。
3.24 組成物が、経口投与用である、先行方法のうちのいずれか。
「アトピー性皮膚炎」は、慢性炎症を伴う皮膚の状態を指し、アトピー性皮膚炎の症状としては、赤み、かゆみを伴う発疹が挙げられる。アトピー性皮膚炎は、身体の任意の部分の皮膚に存在し得るが、手、足、上胸、および肘または膝の屈曲部に一般的である。アトピー性皮膚炎の追加の症状としては、小さく盛り上がった隆起部または肥厚した鱗状皮膚を挙げることができる。
「乾癬」は、過剰な免疫応答に関連する慢性の皮膚の状態である。乾癬は、身体の任意の部分の皮膚に存在し得る存在し得る。乾癬の症状としては、局所的な炎症、皮膚のはく落、および皮膚の白色または赤色の厚い変色部分が挙げられる。
「脱毛症」は、自己免疫性皮膚疾患であり、頭皮、顔、場合によっては身体の他の領域での抜け毛を引き起こす。例えば、円形脱毛症では、T細胞リンパ球が、罹患した濾胞の周囲にクラスター化し、炎症およびその後の抜け毛を引き起こす。
「慢性蕁麻疹」(蕁麻疹(hives))は、ある特定の食品、医薬品、およびストレスを含む多くのものによって引き起こされる一般的な皮膚発疹である。症状としては、皮膚表面のかゆみを伴う、隆起した、赤いかまたは皮膚色の腫れを挙げることができる。慢性特発性蕁麻疹におけるマスト細胞の役割を考慮すると、MrgprX2は、マスト細胞活性化における重要な機能を分担している。抗細菌宿主防御ペプチド、神経ペプチド、主要な塩基性タンパク質、好酸球ペルオキシダーゼ、およびFDAが承認したいくつかのペプチド作動薬は、ヒトMrgprX2を活性化する。他のGPCRとは異なるMrgprX2の独自の特性としては、形質膜および細胞内部位の両方におけるそれらの存在、ならびにMCにおけるそれらの選択的発現が挙げられる。さらに、MrgprX2の小分子阻害剤は、マスト細胞活性のIgE軸を標的とすることによって、現在治療されている慢性蕁麻疹などのMC依存性アレルギーおよび炎症性障害の治療に有益であり得る。しかしながら、多様なMC活性は、MrgprX2へのリガンド結合に依存しており(Subramanian H et al.,2016,The Journal of Allergy and Clinical Immunology,138(3),700-710;https://doi.org/10.1016/j.jaci.2016.04.051)、このことは、MRGPRX2を標的とすることが、実際に、IgE非依存性および耐性の慢性蕁麻疹の治療選択肢であり得ることを示唆している。
「アナフィラキシーショック」は、それに対して身体が過敏になった抗原に対する、極端な、多くの場合生命を脅かす、アレルギー性応答である。MrgprB2を介したマスト細胞活性化は、そのIgE非依存性マスト細胞活性化および非ヒスタミン作動性のかゆみについて、注目を集めている(Meixiong J.et al.,2019,Immunity,50(5),1163-1171.e5.https://doi.org/10.1016/j.immuni.2019.03.013)。プロアドレノメデュリン(proadrenomedullin)N末端ペプチド9-20(PAMP9-20)によるMrgprB2の活性化は、マスト細胞からの複数の生体活性メディエーターの放出を誘導し、これによって、ひいては、かゆみを感知するニューロンが活性化され、マスト細胞特異的MrgprB2が、マスト細胞脱顆粒化および関連する非ヒスタミン作動性のかゆみにおいて重要であることが示唆された。マスト細胞MrgprB2およびMrgrpX2は、SP、化合物48/80、およびイカチバントなどの偽アレルギー誘導薬物によって活性化され(McNeil,B.D.et al.,2015,Nature,519(7542),237-241;https://doi.org/10.1038/nature14022)、MrgprX2は、非ヒスタミン作動性マスト細胞活性化、ならびに様々なアレルギー性および非アレルギー性疾患、ならびに偽アレルギー性応答の中心的な役割を有する。
「酒さ」は、赤み、多くの場合、顔面に小さく赤い膿が充満した隆起部を引き起こす状態である。MrgrpX2はまた、カテリシジン(LL-37)およびβ-ディフェンシンを含む内因性宿主防御ペプチドの受容体として同定されており((Subramanian,H.et al.,2011,The Journal of Biological Chemistry,286(52),44739-44749;https://doi.org/10.1074/jbc.M111.277152 and Subramanian,H.et al.,2013,Journal of Immunology(Baltimore,Md.:1950),191(1),345-352;https://doi.org/10.4049/jimmunol.1300023)、マスト細胞MrgprX2が、抗細菌宿主防御を分担し得る可能性が浮上している。下垂体アデニル酸シクラーゼ活性化ペプチド(PACAP)、有効なマスト細胞脱粒剤(Baun,M.et al.,2012,Cephalalgia:An International Journal of Headache,32(4),337-345;https://doi.org/10.1177/0333102412439354、およびSeebeck,J.et al.,1998,Annals of the New York Academy of Sciences,865,141-146.https://doi.org/10.1111/j.1749-6632.1998.tb11172.x)は、MrgprX2を活性化することが示されている(Tatemoto K.et al.,2006,Biochemical and Biophysical Research Communications,349(4),1322-1328;https://doi.org/10.1016/j.bbrc.2006.08.177、およびMcNeil,B.D.et al.,2015,Nature,519(7542),237-241;https://doi.org/10.1038/nature14022)。これらの知見は、MrgprX2がまた、宿主防御応答を調節することによって自然免疫において機能し得ることを示唆している。LL-37および神経ペプチドPACAPなどのペプチドによって、MrgprX2が活性化されることを考慮すると、それらの両方は、酒さに決定的に関与し、マスト細胞活性および血管拡張に影響を与えるトリガーペプチドとして機能する。これらの知見を併せると、MrgprX2は、酒さの病態生理学における新たに出現した受容体として示唆される。
「喘息」は、ヒトの気道が炎症を起こし、狭くなり、腫れ、過剰な粘液が生じ、これによって、呼吸が困難になる状態である。また、平滑筋、T細胞、および白血球の近傍で平常状態にあるマスト細胞(MC)は、喘息の特徴的な現象である気道過敏および炎症において、重要なエフェクター細胞である。健康な状態では低量の転写物のみが存在するが、MCTからMCTCへの表現型スイッチを特徴とする重度の喘息では、MrgprX2転写物のレベルが増加する。MCTとは対照的に、重度喘息におけるマスト細胞MCTC集団は、MrgprX2を発現している(Fajt M.L.et al,2013;The Journal of Allergy and Clinical Immunology,131(6),1504-1512;https://doi.org/10.1016/j.jaci.2013.01.035、およびBalzar,S.et al.,2011,American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine,183(3),299-309;https://doi.org/10.1164/rccm.201002-0295OC)。MrgprX2を活性化する重度喘息患者の肺においてSPレベルが増加することを考慮すると、小分子アンタゴニストによる治療は、重度喘息患者に利益をもたらすであろう(van Diest,SA.et al.,2012,Biochimica et Biophysica Acta,1822(1),74-84;https://doi.org/10.1016/j.bbadis.2011.03.019)。
「哺乳類」または「哺乳類の」としては、ヒト、ならびに実験動物および家庭用ペットなどの家畜動物(例えば、ネコ、イヌ、ブタ、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、ウサギ)、ならびに野生動物などの非家畜動物などの両方が挙げられる。
「治療有効量」は、哺乳類、好ましくはヒトに投与される場合、疾患または状態を有する哺乳類、好ましくはヒトにおいて目的の疾患または状態の治療を達成するのに十分である、発明の化合物の量を指す。「治療有効量」に相当する発明の化合物の量は、化合物、疾患または状態およびその重症度、投与様式、ならびに治療される哺乳類の年齢に応じて変動するであろうが、当業者の自らの知識および本開示を考慮して、通常通り決定され得る。好ましくは、本発明の目的について、「治療有効量」は、皮膚の炎症を阻害するのに十分である本発明の化合物の量である。
本明細書で使用される場合、「治療すること」または「治療」は、哺乳類、好ましくはヒトにおける目的の疾患または状態の治療を網羅し、
(i)哺乳類において疾患もしくは状態が生じることを防止すること、
(ii)哺乳類における疾患もしくは状態を阻害すること、すなわち、その進展を阻止すること、
(iii)哺乳類における疾患もしくは状態を緩和すること、すなわち、疾患もしくは状態の後退を引き起こすこと、または
(iv)哺乳類における疾患もしくは状態の症状を緩和すること、すなわち、根本的な疾患もしくは状態に対処することなく症状を緩和すること、を含む。
本明細書で使用される場合、「疾患」、「障害」、および「状態」という用語は、互換的に使用され得るか、または特定の疾病もしくは状態が既知の原因因子を有さなくてもよい(したがって、病因がまだ解明されていない)という点で異なり得、したがって、まだ疾患として認識されていないが、望ましくない状態または症候群としてのみ認識されており、程度の差はあれど特定のセットの症状が臨床医によって同定されている。
本明細書では、「約」という用語は、別途示されない限り、示される範囲、値、または構造の±20%を意味する。
いくつかの実施形態では、MrgprX2アンタゴニスト(例えば、本開示によるMrgprX2アンタゴニスト)は、約0.05重量%~約5重量%の濃度で局所または経口組成物中に存在する。
ある特定の実施形態では、本明細書に記載の薬学的組成物は、皮膚科的に許容される賦形剤をさらに含む。皮膚科的に許容される賦形剤は、組成物中に含有される活性成分(例えば、MrgprX2アンタゴニスト)を可溶化および/または安定化する1つ以上の溶媒であり得る。皮膚科的に許容される賦形剤はまた、皮膚浸透向上剤、防腐剤、粘度向上剤、pH調整剤、フィルム形成剤などを含み得る。好適な賦形剤の非限定的な例としては、水、PEG200、PEG400、エタノール、グリセロール、Transcutol P(ジエチレングリコールモノエチルエーテル)、プロピレングリコール、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン(DMI)、メタ重亜硫酸ナトリウム、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、ベンジルアルコール、安息香酸ナトリウム、ミリスチン酸イソプロピル、アジピン酸ジイソプロピル、クロダモルOHS(ヒドロキシステアリン酸エチルヘキシル)、鉱油、Betadex、TWEEN20、Brij S20(ポリオキシエチレン(20)ステアリルエーテル)が挙げられる。
ある特定の好適な賦形剤のより詳細な説明を、以下に記載する。理解されるであろうように、本明細書に記載の薬学的製剤の構成要素は、複数の機能を有し得る。例えば、所与の物質は、粘度増加剤および乳化剤の両方として作用し得る。
皮膚(特に角質層)は、外部環境の有害な影響に対する物理的バリアを提供する。その際、皮膚はまた、局所治療薬物の吸収または経皮送達を干渉する。したがって、好適な皮膚科的に許容される賦形剤としては、皮膚バリアを通る治療薬物(例えば、本明細書に記載のMrgprX2アンタゴニスト)の拡散を促進する物質である、1つ以上の浸透向上剤(または透過向上剤)を挙げることができる。それらは、典型的には、治療薬物の透過を改善することを可能にするように、皮膚の障害物または抵抗を低減するように作用する。具体的には、角質層の正常な構造を乱すであろう物質は、細胞間の脂質組織を崩壊させることが可能であり、したがって、バリアとしての有効性を低減する。これらの物質としては、角質層脂質へと分割して直接的な影響を引き起こすであろう任意の脂質物質、またはタンパク質に影響を与え、脂質構造の間接的な撹乱を引き起こすであろう任意の物質を挙げることができる。さらに、エタノールなどの溶媒は、角質層から脂質を除去し得、したがって、その脂質組織を破壊し、そのバリア機能を崩壊させる。
浸透向上剤またはバリア機能崩壊剤の例としては、限定されないが、1~16個の炭素を有するアルカノール、ベンジルアルコール、ブチレングリコール、ジエチレングリコール、グリコフロール、グリセリド、グリセリン、グリセロール、フェネチルアルコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコール、およびフェノールなどのアルコール系向上剤;N-ブチル-N-ドデシルアセトアミド、クロタミトン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルホルムアミド、および尿素などのアミド系向上剤;L-α-アミノ酸および水溶性タンパク質などのアミノ酸;アザシクロアルカンなどのアゾンおよびアゾン様化合物;アーモンド油、ブチル酸アミル、アプリコットカーネル油、アボカド油、樟脳、ひまし油、1-カルボン、ココナッツ油、トウモロコシ油、綿実油、オイゲノール、メントール、アニスの油、クローブの油、オレンジ油、ピーナッツ油、ペパーミント油、ローズ油、紅花油、ゴマ油、サメ肝油(スクアレン)、大豆油、ヒマワリ油、およびクルミ油などのエッセンシャル油;アロエ、アラントイン、ブラッククルミ抽出物、カモミール抽出物、パンテノール、パパイヤ、トコフェロール、およびパルミチン酸ビタミンAなどのビタミンおよびハーブ;キャンデリラワックス、カルナバワックス、セレシンワックス、蜜蝋、ラノリンワックス、ホホバ油、ワセリンなどのワックス;グリセリンまたはプロピレングリコールを含む分画された植物油脂肪酸の一次エステル、およびエステル交換中鎖トリグリセリド油等の混合物;カプロン酸アミル、酢酸ブチル、カプリル酸、セチルエステル、セバシン酸ジエチル、リンゴ酸ジオクチル、エライジン酸カプリル酸エチル、パルミトステアリン酸エチルグリコール、ベヘン酸グリセリル(glyceryl beheate)、グルタミン酸グルコース、酢酸イソブチル、ラウレス-4、ラウリン酸、リンゴ酸、カプリル酸メチル、鉱油、ミリスチン酸、オレイン酸、パルミチン酸、PEG脂肪酸エステル、ポリオキシレンソルビタンモノオレエート、ポリプロピレングリコール、プロピレングリコール、ジステアリン酸スクロース、サリチル酸、クエン酸ナトリウム、ステアリン酸、石鹸、ならびにカプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、およびラウリン酸トリグリセリドなどの脂肪酸および脂肪酸エステル;ブチル化ヒドロキシアニソール、シクロペンタデカノリド、シクロデキストリンなどの大員環化合物(macrocylic);ジアルキルリン酸塩、リン酸ジテトラデシル、レシチンなどのリン脂質およびリン酸塩向上剤、アルキルピロリドン-5-カルボン酸エステルなどの2-ピロリドン誘導体、ピログルタミン酸エステル、N-メチルピロリドン、ジオキサン誘導体およびジオキソラン誘導体などの生分解性軟質浸透向上剤;ジメチルスルホキシドおよびデシルメチルスルホキシドなどのスルホキシド向上剤;アルギン酸、ソルビン酸、およびコハク酸などの酸向上剤;環式アミン;イミダゾリノン;イミダゾール;アセトン、ジメチコン、メチルエチルケトン、およびペンタンジオンなどのケトン;ラノリンアルコール、PEG16ラノリン、およびアセチル化ラノリンなどのラノリン誘導体;オキサゾリン;オキサゾリンジノン(oxazolindinone);プロリンエステル;ピロール、ウレタン;ならびにノノキシノール、ポリソルベート、ポリオキシレンアルコール、ポリオキシレン脂肪酸エステル、ラウリル硫酸ナトリウム、およびソルビタンモノステアレートなどの界面活性剤が挙げられる。
本明細書に記載の局所組成物は、典型的には、好ましくは、25℃で23.8mm Hg以上の蒸気圧を有する1つ以上の担体を含有する。単一の担体または担体の組み合わせの合計の好ましい濃度範囲は、皮膚科学的組成物の約0.1重量%~約10重量%、より好ましくは約10重量%~約50重量%、より具体的には約50重量%~約95重量%であり得る。溶媒の非限定的な例としては、水(例えば、脱イオン水)、ならびにエタノール、2-プロパノール、およびn-プロパノールを含む低級アルコールが挙げられる。
発明の皮膚科学的組成物は、水および/または低鎖アルコールと混和性であり、好ましくは25℃で水未満の蒸気圧(約23.8mm Hg)を有する、1つ以上の親水性共溶媒を含有し得る。担体は、典型的には、活性成分(例えば、本開示のMrgprX2アンタゴニスト)を皮膚で濃縮するために、親水性共溶媒以上の蒸気圧を有する。親水性共溶媒は、グリコール、具体的にはプロピレングリコールであり得る。具体的には、プロピレングリコールは、ポリエチレングリコール、具体的には200~20000の分子量の範囲のポリエチレングリコールの部類からのものであり得る。好ましくは、溶媒は、グリコールエーテルの部類の一部であろう。より具体的には、発明の親水性共溶媒は、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(トランスキトール)であろう。本明細書で使用される場合、「ジエチレングリコールモノエチルエーテル」(「DGME」)または「トランスキトール」は、2-(2-エトキシエトキシ)エタノール{CAS番号001893}またはエチオキシジグリコール(ethyoxydiglycol)を指す。別の好ましい共溶媒は、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン(DMI)である。
本明細書に記載の局所組成物はまた、湿潤効果を提供するために使用される1つ以上の「保湿剤」を含有し得る。好ましくは、保湿剤は、組成物中で安定を維持する。任意の好適な濃度の単一の保湿剤または保湿剤の組み合わせが用いられ得、ただし、生じる濃度が所望の湿潤効果を提供することを条件とする。典型的には、保湿剤の好適な量は、用いられる特定の保湿剤または複数の保湿剤に依存するであろう。単一の保湿剤または保湿剤の組み合わせの合計の好ましい濃度範囲は、皮膚科学的組成物の約0.1重量%~約70重量%、より好ましくは約5.0重量%~約30重量%、より具体的には約10重量%~約25重量%であり得る。本明細書で使用するための非限定的な例としては、グリセリン、多価アルコール、およびシリコーン油が挙げられる。より好ましくは、保湿剤は、グリセリン、プロピレングリコール、および/またはシクロメチコンである。具体的には、充填剤は、グリセリンおよび/またはシクロメチコンであろう。
ある特定の実施形態では、薬学的組成物は、粘度向上剤または乳化剤を含む。最終組成物の粘度を増加させるために、ゲル化剤が使用される。乳化剤は、エマルションを安定させる物質である。粘度増加剤はまた、乳化剤として作用し得る。典型的には、粘度増加剤の濃度および組み合わせは、完成生成物の物理的安定性に依存するであろう。粘度増加剤の好ましい濃度範囲は、皮膚科学的組成物の約0.01重量%~約20重量%、より好ましくは約0.1重量%~約10重量%、より具体的には約0.5重量%~約5重量%であり得る。本明細書で使用するための粘度増加剤の非限定的な例としては、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、Pluronic PF127ポリマー、カルボマー980、カルボマー1342、およびカルボマー940、より好ましくはヒドロキシプロピルセルロース、Pluronic PF127カルボマー980、およびカルボマー1342、より具体的にはヒドロキシプロピルセルロース(Klucel(登録商標)EF、GF、および/またはHF)、Pluronic PF127、カルボマー980、および/またはカルボマー1342(Pemulen(登録商標)TR-1、TR-2、および/またはCarbopol(登録商標)ETD2020)などのセルロース、アクリレートポリマー、およびアクリレートクロスポリマーの部類が挙げられる。本明細書で使用するための乳化剤の例としては、ポリソルベート、ラウレス-4、およびセチル硫酸カリウムが挙げられる。
本明細書に記載の局所または経口組成物は、1つ以上の抗酸化剤、ラジカルスカベンジャー、および/または安定剤を含有し得、好ましい濃度は、皮膚科学的組成物の約0.001重量%~約0.1重量%、より好ましくは約0.1重量%~約5重量%の範囲である。本明細書で使用するための非限定的な例としては、ブチル化ヒドロキシトルエン、ブチル化ヒドロキシアニソール、パルミチン酸アスコルビル、クエン酸、ビタミンE、酢酸ビタミンE、ビタミンE-TPGS、アスコルビン酸、トコフェルソラン、および没食子酸プロピルが挙げられる。より具体的には、抗酸化剤は、パルミチン酸アスコルビル、酢酸ビタミンE、ビタミンE-TPGS、ビタミンE、またはブチル化ヒドロキシトルエンであり得る。
本明細書に記載の局所または経口組成物はまた、抗細菌および/または抗真菌特性を呈する防腐剤を含有し得る。防腐剤は、保存期間にわたって細菌および/または真菌を最小限に抑えるために、発明のゲル化皮膚科学的組成物中に存在し得る。発明の皮膚科学的組成物中の防腐剤の好ましい濃度範囲は、皮膚科学的組成物の約0.001重量%~約0.01重量%、より好ましくは約0.01重量%~約0.5重量%であり得る。本明細書で使用するための非限定的な例としては、ジアゾリジニル尿素、メチルパラベン、プロピルパラベン、EDTA四ナトリウム、およびエチルパラベンが挙げられる。より具体的には、防腐剤は、メチルパラベンとプロピルパラベンとの組み合わせであろう。
本明細書に記載の局所組成物は、1つ以上のキレート剤を含んでもよい。本明細書で使用される場合、「キレート剤」または「キレーター」という用語は、金属イオンが化学反応に容易に関与または触媒することができないように複合体を形成することによって、系から金属イオンを除去することが可能な、皮膚に有益な薬剤を指す。本明細書で使用するためのキレート剤は、好ましくは、皮膚科学的組成物の約0.001重量%~約10重量%、より好ましくは約0.05重量%~約5.0重量%の範囲の濃度で製剤化される。本明細書で使用するための非限定的な例としては、EDTA、エデン酸(edeate)二ナトリウム、エデン酸二カリウム、シクロデキストリン、エデト酸三ナトリウム、エデト酸四ナトリウム、クエン酸、クエン酸ナトリウム、グルコン酸、およびグルコン酸カリウムが挙げられる。具体的には、キレート剤は、EDTA、エデン酸二ナトリウム、エダ酸(edate)二カリウム、エデト酸三ナトリウム、またはグルコン酸カリウムであり得る。
本明細書に記載の局所または経口組成物は、着色剤、香料、軟化剤などの、一般的に使用される、1つ以上の、適合性のある、化粧品的に許容されるアジュバント、ならびにアロエ、カモミール、ウィッチヘーゼルなどの植物性物質を含み得る。
あるいは、発明の薬学的組成物のために、他の薬学的送達系が用いられ得る。リポソームおよびエマルションは、活性化合物またはプロドラッグを送達するために使用され得る送達ビヒクルの周知の例である。ジメチルスルホキシド(DMSO)などのある特定の有機溶媒も用いられ得る。
本明細書に記載の局所組成物は、任意の美容的に好適な形態で、好ましくはローション、クリーム、または軟膏として、ならびに噴霧可能な液体形態(例えば、皮膚に適用された場合に、ローションまたは軟膏が有するであろう油っぽい外観を伴わずに、化粧品的に許容される方式で乾燥する、ベース、ビヒクル、または担体中にMrgprX2アンタゴニストを含むスプレー)で提供され得る。
任意の好適な量のMrgprX2アンタゴニスト(例えば、本開示による化合物)は、かかる皮膚科学的組成物に採用され得、ただし、その量が局所炎症および/または血管機能障害を有効に低減し、かつ長期間にわたって組成物中で安定を維持することを条件とする。好ましくは、安定性は、皮膚科的に許容される組成物の製造、包装、出荷、および/または保管において典型的である長期間、例えば、最大約3年、最大約1年、または最大約6ヶ月にわたる。本開示の化合物は、溶液中に、溶解していない部分を有する溶液中に部分的に、または完全に溶解していない懸濁液中に存在し得る。本開示の化合物は、皮膚科学的組成物の約0.001重量%~約80重量%、約0.001重量%~約50重量%、約0.001重量%~約25重量%、または約0.001重量%~約6重量%の濃度範囲で、発明の皮膚科学的組成物中に存在し得る。一実施形態では、本開示の化合物は、皮膚科学的組成物の約0.001重量%~約10重量%、約0.1重量%~約10重量%、または約1.0重量%~約5.0重量%の濃度範囲で存在し得る。
炎症性障害、例えば、アトピー性皮膚炎(例えば、アジア系アトピー性皮膚炎、ヨーロッパ系アトピー性皮膚炎)、慢性蕁麻疹、小分子によって引き起こされる偽アレルギー性応答、例えば、アナフィラキシー様薬物応答、アナフィラキシーショック、酒さ、喘息、胆汁うっ滞性または尿毒性のかゆみなどの全身性のかゆみ、全身性疾患によって引き起こされる慢性的なかゆみ、または薬物有害応答の治療において、本開示の化合物を含む局所組成物は、好ましくは、治療を必要とするヒトの皮膚の患部(例えば、かゆみのある皮膚)に直接投与される。かかる組成物(例えば、本開示の化合物を含む皮膚科学的組成物)の使用中、および皮膚科的に許容される賦形剤が、治療を必要とするヒトの皮膚上に配置されるとき、MrgprX2アンタゴニストは、患者の皮膚と連続的に接触した状態であり、それによって浸透および治療をもたらす。
発明の薬学的組成物を局所投与する場合、治療されるヒトの皮膚は、発明の皮膚科学的組成物の投与前に、前処理(石鹸および水を用いた皮膚の洗浄、またはアルコール系洗浄剤を用いた皮膚の洗浄など)されてもよい。
発明の薬学的組成物は、望ましい場合、活性化合物を含有する1つ以上の単位剤形を含有し得るパックまたはディスペンサーデバイス内に存在し得る。本明細書に記載の局所組成物はまた、皮膚に直接接触するパッチの片面に局所組成物を有するパッチで提供され得る。長期間の間パッチを皮膚に貼付するために、皮膚科学的に許容される接着剤が使用され得る。
経口投与
いくつかの実施形態では、本明細書の薬学的組成物は、経口投与用に提供される。したがって、本開示に従って提供されるのは、本明細書に記載の化合物を含む経口投与用の固体、半固体、または液体剤形である。好適な経口剤形としては、限定されないが、錠剤、カプセル、丸剤、トローチ、ペレット、顆粒、バルク粉末、発泡性または非発泡粉末または顆粒、溶液、エマルション、懸濁液、溶液、ウエハース、スプリンクル、エリキシル、およびシロップが挙げられる。活性成分に加えて、薬学的組成物は、限定されないが、結合剤、充填剤、希釈剤、崩壊剤、湿潤剤、潤滑剤、滑沢剤、腸溶性コーティング、フィルム原価決定剤、改質剥離剤、着色剤、色素移動阻害剤、甘味剤、および香味剤を含む、1つ以上の薬学的に許容される担体または賦形剤を含有し得る。
結合剤または造粒剤は、圧縮後も錠剤がそのまま確実に維持されるように、錠剤に凝集性を付与する。好適な結合剤または造粒剤としては、限定されないが、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、およびアルファ化デンプン(例えば、STARCH1500)などのデンプン;ゼラチン;スクロース、グルコース、デキストロース、糖蜜、および乳糖などの糖類;アラビアゴム、アルギン酸、アルギン酸塩、アイリッシュモスの抽出物、パンワールガム(Panwar gum)、ガッチガム、オオバコハスク殻の粘質物、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、メチルパラベン、ポリアルキレンオキシド、ポビドン、ポリビニルピロリドン(PVP)、クロスポビドン、Veegum、カラマツのアラボガラクタン(larch arabogalactan)、粉末化トラガント、およびグアールガムなどの天然および合成ガム;エチルセルロース、酢酸セルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)などのセルロース;AVICEL-PH-101、AVICEL-PH-103、AVICEL RC-581、AVICEL-PH-105(FMC Corp.,Marcus Hook,PA)などの微結晶セルロース;ならびにそれらの混合物が挙げられる。好適な充填剤としては、限定されないが、タルク、炭酸カルシウム、微結晶セルロース、粉末セルロース、デキストラート(dextrate)、カオリン、マンニトール、ケイ酸、ソルビトール、デンプン、アルファ化デンプン、およびそれらの混合物が挙げられる。結合剤または充填剤は、本明細書で提供される薬学的組成物中に約50~約99重量%存在し得る。
好適な希釈剤としては、限定されないが、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム、ラクトース、ソルビトール、トレハロース、リジン、ロイシン、レシチン、デンプン、カオリン、スクロース、イノシトール、セルロース、カオリン、マンニトール、塩化ナトリウム、乾燥デンプン、および粉末糖が挙げられる。マンニトール、ラクトース、ソルビトール、スクロース、およびイノシトールなどのある特定の希釈剤は、十分な量で存在する場合、いくつかの圧縮錠剤に、咀嚼による口内での崩壊を可能にする特性を付与することができる。かかる圧縮錠剤は、チュアブル錠剤として使用され得る。
好適な崩壊剤としては、限定されないが、ゼラチン;ベントナイト;メチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロースなどのセルロース;木製品;天然海綿;カチオン交換樹脂;アルギン酸;グアーガムおよびVeegum HVなどのガム;柑橘類パルプ;クロスカルメロースなどの架橋セルロース;クロスポビドンなどの架橋ポリマー;架橋デンプン;炭酸カルシウム;デンプングリコール酸ナトリウムなどの微結晶セルロース;ポラクリリンカリウム;トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、タピオカデンプン、およびアルファ化デンプンなどのデンプン;粘土;アライン(align)、ならびにそれらの混合物が挙げられる。本明細書で提供される薬学的組成物中の崩壊剤の量は、製剤の種類によって変動し、当業者には容易に認識可能である。本明細書で提供される薬学的組成物は、約0.5~約15重量%または約1~約5重量%の崩壊剤を含有し得る。
好適な潤滑剤としては、限定されないが、ステアリン酸カルシウム;ステアリン酸マグネシウム;鉱油;軽鉱油;グリセリン;ソルビトール;マンニトール;ベヘン酸グリセロールおよびポリエチレングリコール(PEG)などのグリコール;ステアリン酸;ラウリル硫酸ナトリウム;タルク;ピーナッツ油、綿実油、ヒマワリ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油、および大豆油を含む水素化植物油;ステアリン酸亜鉛;オレイン酸エチル;ローリエン酸エチル(ethyl laureate);ゼラチン;デンプン;ヒカゲノカズラ;AEROSIL(登録商標)200(W.R.Grace Co.,Baltimore,MD)およびCAB-O-SIL(登録商標)(Cabot Co.of Boston,MA)などのシリカまたはシリカゲル;ならびにそれらの混合物が挙げられる。本明細書で提供される薬学的組成物は、約0.1~約5重量%の潤滑剤を含有し得る。
好適な滑沢剤としては、コロイド状二酸化ケイ素、CAB-O-SIL(登録商標)(Cabot Co.of Boston,MA)、およびアスベストフリータルクが挙げられる。着色剤としては、承認され、認定された水溶性FD&C染料、およびアルミナ水和物に懸濁された水不溶性FD&C染料、およびレーキ顔料、およびそれらの混合物のうちのいずれかが挙げられる。レーキ顔料は、水溶性染料を重金属の水性酸化物に吸着させることによる組み合わせであり、不溶性の形態の染料を生じる。香味剤としては、果物などの植物から抽出された天然香料、ならびにペパーミントおよびサリチル酸メチルなどの心地よい味覚感覚を生成する化合物の合成ブレンドが挙げられる。甘味剤としては、スクロース、ラクトース、マンニトール、シロップ、グリセリン、ならびにサッカリンおよびアスパルテームなどの人工甘味料が挙げられる。好適な乳化剤としては、ゼラチン、アラビアゴム、トラガカント、ベントナイト、ならびにポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(TWEEN(登録商標)20)、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート80(TWEEN(登録商標)80)、およびトリエタノールアミンオレエートなどの界面活性剤が挙げられる。懸濁剤および分散剤としては、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ペクチン、トラガカント、Veegum、アラビアゴム、カルボメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、およびポリビニルピロリドンが挙げられる。防腐剤としては、グリセリン、メチルおよびプロピルパラベン、安息香酸添加物、安息香酸ナトリウム、ならびにアルコールが挙げられる。湿潤剤としては、プロピレングリコールモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ジエチレングリコールモノラウレート、およびポリオキシエチレンラウリルエーテルが挙げられる。溶媒としては、グリセリン、ソルビトール、エチルアルコール、およびシロップが挙げられる。エマルションに利用される非水性液体の例としては、鉱油および綿実油が挙げられる。有機酸としては、クエン酸および酒石酸が挙げられる。二酸化炭素の供給源としては、重炭酸ナトリウムおよび炭酸ナトリウムが挙げられる。
多くの担体および賦形剤は、同じ製剤中であっても、いくつかの機能を果たし得ることが理解されるべきである。
本明細書で提供される薬学的組成物は、圧縮錠剤、粉薬錠剤、チュアブルトローチ、速溶性錠剤、複数回圧縮錠剤(multiple compressed tablet)、または腸溶性コーティング錠剤、糖衣もしくはフィルムコーティング錠剤として提供され得る。腸溶性コーティング錠剤は、胃酸の作用に抵抗するが、腸内で溶解または崩壊する物質でコーティングされており、したがって、活性成分を胃の酸性環境から保護する圧縮錠剤である。腸溶性コーティングとしては、限定されないが、脂肪酸、脂肪、フェニルサリチル酸塩、ワックス、シェラック、アンモニウム化シェラック、および酢酸フタル酸セルロースが挙げられる。糖衣錠剤は、不快な味覚または臭いを覆い、酸化から錠剤を保護するのに有益であり得る糖衣によって囲まれた圧縮錠剤である。フィルムコーティング錠剤は、水溶性材料の薄い層またはフィルムで覆われた圧縮錠剤である。フィルムコーティングとしては、限定されないが、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリエチレングリコール4000、および酢酸フタル酸セルロースが挙げられる。フィルムコーティングは、糖衣と概して同じ特徴を付与する。複数回圧縮錠剤は、層状錠剤、およびプレスコーティングまたは乾燥コーティング錠剤を含む、2回以上の圧縮サイクルによって作製される圧縮錠剤である。
錠剤剤形は、粉末形態、結晶形態、または顆粒形態の活性成分から、単独で、または結合剤、崩壊剤、制御放出性ポリマー、潤滑剤、希釈剤、および/もしくは着色剤を含む、本明細書に記載の1つ以上の担体もしくは賦形剤と組み合わせて調製され得る。香味剤および甘味剤は、チュアブル錠剤およびトローチの形式で特に有用である。
本明細書で提供される薬学的組成物は、ゼラチン、メチルセルロース、デンプン、またはアルギン酸カルシウムから作製され得る軟質または硬質カプセルとして提供され得る。乾燥充填カプセル(DFC)としても知られる硬質ゼラチンカプセルは、2つの区画からなり、一方が他方の上に被せられ、したがって活性成分を完全に封入する。軟質弾性カプセル(SEC)は、グリセリン、ソルビトール、または同様のポリオールを添加することによって可塑化されている、ゼラチンシェルなどの軟質の球状シェルである。軟質のゼラチンシェルは、微生物の成長を防止するための保存料を含有し得る。好適な防腐剤は、メチルパラベン、プロピルパラベン、およびソルビン酸を含む、本明細書に記載のものである。本明細書で提供される液体、半固体、および固体剤形は、カプセル内に封入され得る。好適な液体および半固体剤形としては、炭酸プロピレン、植物油、またはトリグリセリド中の溶液および懸濁液が挙げられる。かかる溶液を含有するカプセルは、米国特許第4,328,245号、同第4,409,239号、および同第4,410,545号に記載されるように調製することができる。カプセルはまた、活性成分の溶解性を改質または維持するために、当業者に既知のようにコーティングされ得る。
本明細書で提供される薬学的組成物は、エマルション、溶液、懸濁液、エリキシル、およびシロップを含む、液体および半固体剤形で提供され得る。エマルションは、1つの液体が別の液体全体にわたって小さい球状の形態で分散されている、水中油または油中水であり得る2相系である。エマルションは、薬学的に許容される非水性液体または溶媒、乳化剤、および防腐剤を含み得る。懸濁液は、薬学的に許容される懸濁剤および防腐剤を含み得る。アルコール水溶液としては、低級アルキルアルデヒドのジ(低級アルキル)アセタール、例えば、アセトアルデヒドジエチルアセタールなどの薬学的に許容されるアセタール、ならびにプロピレングリコールおよびエタノールなどの1つ以上のヒドロキシル基を有する水混和性溶媒を挙げることができる。エリキシルは、透明で甘味をつけた、含水アルコール溶液である。シロップは、糖、例えば、スクロースの濃縮水溶液であり、また防腐剤を含有し得る。液体剤形では、例えば、ポリエチレングリコール中の溶液は、投与に好都合に計量されるのに十分な量の薬学的に許容される液体担体、例えば、水で希釈され得る。
他の有用な液体および半固体剤形は、限定されないが、本明細書で提供される活性成分、ならびに、1,2-ジメトキシメタン、ジグリム、トリグリム、テトラグリム、ポリエチレングリコール-350-ジメチルエーテル、ポリエチレングリコール-550-ジメチルエーテル、ポリエチレングリコール-750-ジメチルエーテルを含む、ジアルキル化モノ-またはポリ-アルキレングリコールを含有するものが挙げられ、350、550、および750が、ポリエチレングリコールのおよその平均分子量を指す。これらの製剤は、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、没食子酸プロピル、ビタミンE、ヒドロキノン、ヒドロキシクマリン、エタノールアミン、レシチン、セファリン、アスコルビン酸、リンゴ酸、ソルビトール、リン酸、亜硫酸水素塩、メタ亜硫酸ナトリウム、チオジプロピオン酸およびそのエステル、ならびにジチオカルバメートなどの、1つ以上の抗酸化剤をさらに含み得る。
経口投与用の本明細書で提供される薬学的組成物はまた、リポソーム、ミセル、マイクロスフィア、またはナノシステムの形態で提供され得る。ミセル剤形は、米国特許第6,350,458号に記載されるように調製され得る。
本明細書で提供される薬学的組成物は、液体剤形に再構成される非発泡性または発泡性の、顆粒および粉末として提供され得る。非発泡性の顆粒または粉末に使用される薬学的に許容される担体および賦形剤としては、希釈剤、甘味料、および湿潤剤を挙げることができる。発泡性の顆粒または粉末に使用される薬学的に許容される担体および賦形剤としては、有機酸および二酸化炭素の供給源を挙げることができる。
着色剤および香味剤は、上記のすべての剤形で使用され得る。
本明細書で提供される薬学的組成物は、遅放性、徐放性、パルス放出性、制御放出性、標的化放出性、およびプログラム放出性の形態を含む、即時放出性または調節放出性剤形として製剤化され得る。したがって、いくつかの好ましい実施形態では、活性成分(すなわち、カルシウムチャネルブロッカー、またはL-アルギニン、またはカルシウムチャネルブロッカーとL-アルギニンとの組み合わせ、またはそれらの薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、およびプロドラッグ)は、好ましくは腸溶性コーティングを含むが必ずしも含まない即時放出性経口剤形である薬学的組成物中で投与される。いくつかの好ましい実施形態では、活性成分は、好ましくは腸溶性コーティングを含むが必ずしも含まない持続放出性経口剤形である薬学的組成物中で投与される。さらなる好ましい実施形態では、活性成分は、好ましくは腸溶性コーティングを含むが必ずしも含まない、カルシウムチャネルブロッカーの即時放出性用量および持続放出性用量またはパルス放出性用量の両方を含有する薬学的組成物中で投与される。かかる二重放出性剤形は、初回用量の活性成分の放出、続いて時間的に遅れて別のパルス放出性または徐放性用量の放出を達成する。かかる二重放出剤形を調製するための方法論は、当業者に周知である。
いくつかの実施形態では、活性成分は、徐放性、遅放性、またはパルス放出性プロファイルを促進する1つ以上のポリマーマトリックス材料を含有する制御放出性マトリックス錠剤に製剤化される。かかるポリマーマトリックス材料の非限定的な例としては、上記のセルロース材料、ならびにカーボマー、例えば、Lubrizol CorporationによってCarbopol(登録商標)という名称で販売されているもの、例えば、Carbopol(登録商標)71G NF、Carbopol(登録商標)971P NF、およびCarbopol(登録商標)974P NFポリマーが挙げられる。
発明の方法および組成物での使用に好適な持続放出性組成物のいくつかの好ましい例としては、例えば、限定されないが、Adalat CC(登録商標)、Procardia(登録商標)XL、Afeditab(登録商標)CR、およびNifedical(登録商標)XLなどのニフェジピン製剤中;ならびにCardizem(登録商標)CD、Cardizem(登録商標)LA、Cardizem(登録商標)SR、Cartia(登録商標)XT、およびDilacor(登録商標)XRなどのジルチアゼム製剤中に見出される持続放出性組成物が挙げられる。
いくつかの実施形態では、本開示は、本明細書に記載の状態および障害の治療に使用するための、経口投与用の薬学的組成物を提供する。
投薬量
本明細書で提供される組成物は、本明細書に記載の疾患または障害の症状のうちの1つ以上の防止、治療、または改善に有用である治療有効量の本明細書で提供される化合物のうちの1つ以上と、ビヒクルとを含有する。本明細書で提供される化合物の投与に好適なビヒクルとしては、好ましくは局所、経口、または注射を介した、特定の投与様式に好適であることが当業者に既知の任意のかかる担体が挙げられる。加えて、化合物は、組成物中の唯一の活性成分として製剤化され得るか、または他の活性成分と組み合わせられ得る。
活性化合物は、治療される患者に望ましくない副作用が存在しない状態で、治療上有用な効果を発揮するのに十分な量で、ビヒクル中に含まれる。治療有効濃度は、当業者に周知のインビトロおよびインビボ系において化合物を試験することによって経験的に予測され得、次いでヒトに対する投薬量がそれから推定され得る。次いで、ヒト用量は、典型的には、臨床試験において微調整され、応答に対して滴定される。
組成物中の活性化合物の濃度は、活性化合物の吸収、不活性化、および排泄速度、化合物の物理化学的特徴、投薬スケジュール、ならびに投与量、ならびに当業者に既知の他の要因に依存するであろう。例えば、送達される量は、本明細書に記載の疾患または障害の症状のうちの1つ以上を改善するのに十分である。
いくつかの実施形態では、治療有効投薬量は、1日当たり約0.0001mg~約1000mgであるべきである。いくつかの実施形態では、1日当たり体重1キログラム当たり0.001~50mgの活性成分(本明細書に記載のMgrprX2アンタゴニスト)を、本明細書に記載されるように局所、経口、または注射によって送達する。いくつかの実施形態では、MgrprX2アンタゴニストは、最大1500mg/日、例えば1200mg/日、900mg/日、850mg/日、800mg/日、750mg/日、700mg/日、650mg/日、600mg/日、550mg/日、500mg/日、450mg/日、400mg/日、350mg/日、300mg/日、250mg/日、200mg/日、150mg/日、1000mg/日、50mg/日、25mg/日、10mg/日、または9、8、7、6、5、4、3、2、1、0.75、0.5、0.25、0.10、0.05、または0.01mg/日の投薬量で投与される。
活性成分は、一度に投与され得るか、またはいくつかのより少ない用量に分割されて時間間隔で投与され得る。正確な投薬量および治療持続時間は、治療される疾患に応じ、既知の試験プロトコルを使用して経験的に、またはインビボもしくはインビトロ試験データ、もしくはその後の臨床試験からの推測によって決定され得ることが理解される。濃度および投薬値はまた、緩和される状態の重症度によって変動し得ることに留意されたい。任意の特定の対象に関して、特定の投薬レジメンは、個体の必要性、および組成物を投与する者または投与を管理する者の専門的判断に従って経時的に調整されるべきであり、本明細書に記載の濃度範囲が単に例示であり、特許請求される組成物の範囲または実践を限定することが意図されないことがさらに理解されるものである。
0.005%~100%の範囲の活性成分を含有し、残りがビヒクルまたは担体から構成される剤形または組成物が調製され得る。これらの組成物を調製するための方法は、当業者に既知であるか、または明らかであろう;例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Company,Easton,Pa.,15th Edition,1975またはそれ以降の版を参照されたい。
経口投薬量
本開示のMrgprX2アンタゴニストを含む発明の経口剤形は、典型的には、上記の投薬量で投与されるであろう。
いくつかの好ましい実施形態では、1日の用量は、1日1回投与される。いくつかの実施形態では、剤形は、持続放出性組成物である。
いくつかの実施形態では、1日の用量は、単回用量で投与される。他の実施形態では、1日の用量は、上記の1日の値と等しい、組み合わせた量で、1日に複数回、例えば1日2回または3回与えられる、より小さい増分で投与される。
いくつかの好ましい実施形態では、1日の用量は、最大12時間、最大18時間、または最大24時間の有効性を提供する単回用量で投与される。
局所投薬量
いくつかの実施形態では、本開示の化合物を含む局所製剤は、組成物の0.001重量%~20重量%、例えば組成物の0.001重量%~10重量%、例えば0.001重量%~8重量%、例えば0.001重量%~5重量%、例えば0.001重量%~4重量%、例えば0.001重量%~3重量%、例えば0.001重量%~2重量%、例えば0.001重量%~1重量%の濃度でMgrprX2アンタゴニストを含有するであろう。
化合物または誘導体は、包装材料と、包装材料内の、上記の疾患または障害のうちの1つ以上の症状の治療、防止、または改善に有効である本明細書で提供される化合物またはその誘導体と、化合物または組成物またはその誘導体が上記の疾患または障害のうちの1つ以上の症状の治療、防止、または改善に使用されることを示すラベルと、を含有する製造物品として包装され得る。
本明細書で提供される製造物品は、包装材料を含有する。製品の包装に使用するための包装材料は、当業者には周知である。例えば、米国特許第5,323,907号、同第5,052,558号、および同第5,033,252号を参照されたい。包装材料の例としては、限定されないが、ブリスターパック、ボトル、チューブ、ポンプ、バッグ、バイアル、容器、注射器、ボトル、ならびに選択された製剤および意図された投与および治療様式に好適な任意の包装材料が挙げられる。本明細書に記載の任意の疾患または障害に対する多様な治療と同様に、本明細書で提供される化合物および組成物の広範な製剤が企図される。
以下の実施例は、炎症を特徴とする皮膚科学的状態を有するヒトの治療における発明の化合物の有効性を決定するために、当業者によって使用され得る。
実施例1-本開示による化合物の調製
例E01
Figure 2022554392000003
N-[5-[(3-フルオロフェニル)メチル]-1,3,4-チアジアゾール-2-イル]-2-メチル-プロパンアミド
ステップ1
(3-フルオロフェニル)酢酸(497g、32.3mmol)および硫酸(8.8mL、0.161mol)の混合物に、ヒドラジンカルボチオアミド(3000mg、32.3mmol)をゆっくりと添加し、懸濁液を80℃で2時間加熱し、その後、反応混合物を室温まで冷却し、氷および飽和NaHCO3水溶液(50mL)の混合物にゆっくりと注いだ。次いで、混合物を、水中37%のアンモニアでpH9まで塩基性化した。生じた褐色の溶液を濾過し、濾液をEtOAc(3×50mL)で抽出し、合わせた有機抽出物をブライン(30mL)で洗浄し、真空中で濃縮した。FCC(KP Sil 25g、ヘプタン中0~100%のEtOAc、次いでEtOAc中0~20%のMeOH)によって、粗物質を精製して、白色の固体として5-[(3-フルオロフェニル)メチル]-1,3,4-チアジアゾール-2-アミンを得た(401mg、収率5%、純度78%)。
ステップ2
THF(2mL)中の5-[(3-フルオロフェニル)メチル]-1,3,4-チアジアゾール-2-アミン(78%、75mg、0.280mmol)およびN-エチル-N-イソプロピル-プロパン-2-アミン(98uL、0.559mmol)の溶液に、室温で1時間撹拌しながら2-メチルプロパノイルクロリド(35uL、0.335mmol)を添加し、その後、MeOH(1mL)、1MのNaOH(1mL)を添加し、反応混合物を室温で0.5時間撹拌した。反応混合物をブライン(5mL)で希釈し、EtOAc(2×5mL)で抽出し、合わせた有機抽出物を真空中で洗浄した。カラムクロマトグラフィー(Biotage Isolera 10g SNAP Ultra、ヘプタン中0~60%のEtOAc)によって、こうして得られた残留物を精製して、淡黄色の固体として表題化合物を得た(27mg、34%)。1HNMR(400MHz,DMSO-d6)δ 12.39(s,1H),7.44-7.34(m,1H),7.22-7.13(m,2H),7.10(td,J=8.5,2.3Hz,1H),4.37(s,2H),2.74(hept,J=6.9Hz,1H),1.09(d,J=6.9Hz,6H).LCMS m/z:280.1[M+H]+、RT=2.82(方法A)。
(表1)例E01で使用したものと同様の方法を使用するか、またはHATUなどのカップリング剤と組み合わせたステップ2のカルボン酸を使用して、以下の化合物を合成した。
Figure 2022554392000004
Figure 2022554392000005
Figure 2022554392000006
例E09
Figure 2022554392000007
3-[5-[(2,3-ジフルオロフェニル)メチル]-1,3,4-チアジアゾール-2-イル]-1-エチル-1-[(2S)-2-ヒドロキシプロピル]尿素
ステップ1
撹拌したエタンアミン水溶液(70%、5.5mL、68.9mmol)を水(5mL)で希釈し、0℃まで冷却し、水(2mL)中の(2S)-2-メチルオキシラン(1.00g、17.2mmol)の溶液を滴加した。反応混合物を室温まで温め、一晩撹拌した。次いで、溶媒を減圧下で除去して、淡黄色の液体として表題化合物を得た(1.35g、純度90%、収率68%)。1H NMR(400MHz,Methanol-d4)δ 3.90-3.81(m,1H),2.72-2.46(m,4H),1.21-1.09(m,6H);NHおよびOHは観察されず。
ステップ2
無水THF(1mL)中の(4-ニトロフェニル)カルボノクロリデート(59mg、0.290mmol)の溶液に、無水THF(1mL)中の5-[(2,3-ジフルオロフェニル)メチル]-1,3,4-チアジアゾール-2-アミン(E01(ステップ1)と同様の方法を使用して合成、60mg、0.264mmol)およびピリジン(23uL、0.290mmol)の溶液を添加し、反応物を室温で20分間撹拌した。次いで、無水THF(1mL)中の(2S)-1-(エチルアミノ)プロパン-2-オール(39mg、0.343mmol)およびN-エチル-N-イソプロピル-プロパン-2-アミン(69uL、0.396mmol)を添加し、反応物を室温で15分間撹拌した。次いで、減圧下で濃縮し、分取HPLC(方法C)によって精製して、白色の固体として表題化合物を得た(64mg)。1H NMR(500MHz,DMSO-d6)δ 10.96(s,1H),7.46-7.31(m,1H),7.29-7.16(m,2H),5.16(s,1H),4.35(s,2H),3.93-3.76(m,1H),3.53-3.35(m,2H),3.31-3.00(m,2H),1.11-0.93(m,6H).LCMS m/z:357.1[M+H]+、RT=2.65(方法A)。
(表2)例E09で使用したものと同様の方法を使用して、市販のアミン、または例E09、ステップ1と同様の方法を使用して合成したアミノアルコールのいずれかを使用して、以下の化合物を合成した。
Figure 2022554392000008
Figure 2022554392000009
Figure 2022554392000010
Figure 2022554392000011
Figure 2022554392000012
Figure 2022554392000013
Figure 2022554392000014
Figure 2022554392000015
Figure 2022554392000016
例E50およびE51
Figure 2022554392000017
3-[5-[(3-フルオロフェニル)メチル]-1,3,4-チアジアゾール-2-イル]-1-メチル-1-(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)尿素の単一の未知の鏡像異性体
3-[5-[(3-フルオロフェニル)メチル]-1,3,4-チアジアゾール-2-イル]-1-メチル-1-(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)尿素(例E40)を分離して、2つの単一の鏡像異性体を得た。方法:Chiralpak AD-H、10×250mm、15ml/分の流量で、10%のIPA:90%のCO2で溶出する5umカラム。
例E50(第1の溶出):
1H NMR(400MHz,Chloroform-d)δ 7.25-7.20(m,1H),6.98(d,J=7.7Hz,1H),6.89(t,J=7.9Hz,2H),4.17(s,2H),3.80(d,J=15.2Hz,1H),3.34(s,1H),3.10(s,3H),1.44(s,3H).LCMS m/z:393.2[M+H]+、RT=2.93(方法A)。
例E51(第2の溶出):
1H NMR(400MHz,Chloroform-d)δ 7.25-7.20(m,1H),6.98(d,J=7.6Hz,1H),6.90(t,J=8.0Hz,2H),4.17(s,2H),3.79(d,J=15.9Hz,1H),3.35(s,1H),3.10(s,3H),1.44(s,3H).LCMS m/z:393.2[M+H]+、RT=2.93(方法A)。
例E52およびE53
Figure 2022554392000018
1-エチル-3-[5-[(3-フルオロフェニル)メチル]-1,3,4-チアジアゾール-2-イル]-1-(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)尿素の単一の未知の鏡像異性体
1-エチル-3-[5-[(3-フルオロフェニル)メチル]-1,3,4-チアジアゾール-2-イル]-1-(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)尿素(例E42)を分離して、2つの鏡像異性体を得た。方法:Chiralpak AD-H、10×250mm、15ml/分の流量で、15%のIPA:85%のCO2で溶出する5umカラム。
例E52(第1の溶出)
1HNMR(400MHz,Chloroform-d)δ 7.25-7.20(m,1H),6.98(d,J=7.7Hz,1H),6.89(t,J=8.2Hz,2H),4.16(s,2H),3.81-3.65(m,2H),3.25(d,J=15.4Hz,1H),3.07(s,1H),1.48(s,3H),1.13(t,J=7.0Hz,3H).LCMS m/z:407.2[M+H]+、RT=3.21(方法A)。
例E53(第2の溶出)
1HNMR(400MHz,Chloroform-d)δ 7.25-7.20(m,1H),6.98(d,J=7.6Hz,1H),6.89(t,J=8.3Hz,2H),4.16(s,2H),3.79-3.65(m,2H),3.24(d,J=15.2Hz,1H),3.07(s,1H),1.48(s,3H),1.13(t,J=7.0Hz,3H).LCMS m/z:407.3[M+H]+、RT=3.24(方法A)。
例E54
Figure 2022554392000019
3-[5-[(3,5-ジフルオロフェニル)メチル]-1,3,4-チアジアゾール-2-イル]-1-メチル-1-[(2S)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル]尿素
ステップ1
N2下で3つ口RBFに(2S)-2-(トリフルオロメチル)オキシラン(200mg、1.78mmol)、続いて無水THF(8mL)を添加し、撹拌した溶液をEt2O/ドライアイス浴で-100℃まで冷却した。次いで、1.6Mのブチルリチウム(1.2mL、1.96mmol)を滴加し、続いてこの温度で10分間撹拌した。次いで、ヨードメタン(0.17mL、2.68mmol)を添加し、反応物をこの温度で2時間撹拌し、氷浴で約0℃まで温め、これに2Mのメタンアミン(3.6mL、7.14mmol)を添加し、反応物を室温まで温め、一晩撹拌した。次いで、飽和NH4Cl(5mL)水溶液を添加することによってクエンチし、次いで、減圧下(100mbarでの圧力)で揮発物を除去した。残留物をSCX-2カートリッジ(5g、MeOHで洗浄、3.5NのNH3/MeOHで溶出)に充填した。MeOH分画を減圧下で濃縮して、オレンジ色の液体として(2S)-1,1,1-トリフルオロ-2-メチル-3-(メチルアミノ)プロパン-2-オールを得た(750mg、30%純度)。1H NMR(500MHz,Methanol-d4)δ 3.38(d,J=13.2Hz,1H),3.23(d,J=13.2Hz,1H),2.77(s,3H),1.54-1.46(m,3H),NHおよびOHは観察されず。
ステップ2
無水THF(1mL)中の(4-ニトロフェニル)カルボノクロリデート(49mg、0.245mmol)の溶液を、氷浴で冷却した。撹拌しながら、無水THF(1mL)中の5-[(3,5-ジフルオロフェニル)メチル]-1,3,4-チアジアゾール-2-アミン(例E01(ステップ1)と同様の方法を使用して合成、55mg、0.223mmol)およびピリジン(0.020mL、0.245mmol)の溶液をこれに添加し、反応物を室温まで温め、室温で30分間撹拌した。次いで、無水THF(1mL)中の(2S)-1,1,1-トリフルオロ-2-メチル-3-(メチルアミノ)プロパン-2-オール(95mg、0.181mmol)およびN-エチル-N-イソプロピル-プロパン-2-アミン(0.058mL、0.334mmol)を添加し、反応物を室温で15分間撹拌した。次いで、飽和NaHCO3水溶液(10mL)で希釈し、EtOAc(2×10mL)で抽出した。合わせた有機層をMgSO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、分取HPLC(方法C)によって精製して、白色の固体として表題化合物を得た(24mg)。1H NMR(500MHz,DMSO-d6)δ 11.10(s,1H),7.15(tt,J=9.4,2.4Hz,1H),7.12-7.03(m,2H),6.21(s,1H),4.29(s,2H),4.07-3.73(m,1H),3.08(s,3H),1.19(s,3H);水のピークより下の1H。LCMS m/z:411.2[M+H]+、RT=3.06(方法A)。
(表3)例E54で使用したものと同様の方法を使用して、以下の化合物を合成した。
Figure 2022554392000020
例E58
Figure 2022554392000021
5-[(3,5-ジフルオロフェニル)メチル]-N-イソプロピル-1,3,4-チアジアゾール-2-カルボキサミド
ステップ1
MeOH(10mL)中のエチル2-(3,5-ジフルオロフェニル)アセテート(1.12g、5.6mmol)の撹拌した溶液に、ヒドラジン水和物(0.64mL、13.0mmol)を添加した。反応物を70℃で4時間撹拌し、次いで、室温で一晩撹拌した。反応物を真空下で濃縮して、オフホワイトの固体としてジフルオロフェニル)アセトヒドラジドを得た(1.21g)。
ステップ2
無水DCM(15mL)中の2-(3,5-ジフルオロフェニル)アセトヒドラジド(1.21g、6.50mmol)およびトリエチルアミン(1.1mL、7.89mmol)の撹拌した溶液に、2-クロロ-2-オキソ-酢酸エチル(800uL、7.16mmol)を0℃で滴加して、黄色の溶液を形成した。15分後、氷浴を除去し、反応物を室温で30分間撹拌した。反応物を水(10mL)で希釈し、DCM(3x20mL)中に抽出した。白色の固体が存在したので、層を濾過して、白色の固体を得た。DCM層を合わせ、MgSO4で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮して、黄色の固体を得た。固体を合わせ、EtOAcに溶解させ、水溶液をEtOAcでさらに抽出した。合わせた有機層をMgSO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、黄色の固体として2-[2-[2-(3,5-ジフルオロフェニル)アセチル]ヒドラジノ]-2-オキソ-酢酸エチル(1.92g、純度80%)を得た。
ステップ3
THF(1mL)中の2-[2-[2-(3,5-ジフルオロフェニル)アセチル]ヒドラジノ]-2-オキソ-酢酸エチル(80%、100mg、0.279mmol)およびローソン試薬(71mg、0.176mmol)を、50℃で合計3時間、圧力バイアル内で撹拌して、淡黄色の溶液を得た。水(4mL)を添加し、混合物をEtOAcで抽出した(4×3mL)。有機物を合わせ、濃縮した。ヘプタン中0~25%のEtOAcで溶出し、次いでヘプタン中25~100%のEtOAcでフラッシュするFCC(Biotage SNAP KP-Sil 10g)によって粗生成物を精製して、5-[(3,5-ジフルオロフェニル)メチル]-1,3,4-チアジアゾール-2-カルボン酸エチルを得た(45mg、収率54%)。1H NMR(500MHz,Chloroform-d)δ 6.85(qd,J=7.3,2.3Hz,2H),6.76(tt,J=8.9,2.3Hz,1H),4.53-4.48(m,2H),4.47(s,2H),1.44(t,J=7.1Hz,3H)。
ステップ4
隔壁を有する1.5mLのバイアル中で、5-[(3,5-ジフルオロフェニル)メチル]-1,3,4-チアジアゾール-2-カルボン酸エチル(96%、45mg、0.152mmol)を無水メタノール(0.5mL)に溶解させ、プロパン-2-アミン(13uL、0.152mmol)を添加し、溶液は黄色に変色した(5分後、反応物は緑色になり、次いで黄色に変色した)。密封した反応物を80℃で1時間加熱した。さらに、プロパン-2-アミン(100uL、1.16mmol)を添加し、反応物を80℃で1時間加熱した。反応物を濃縮し、分取HPLC(方法D)によって精製して、オフホワイトの固体として表題化合物(32mg、収率70%)を得た。1H NMR(500MHz,DMSO-d6)δ 9.03(d,J=8.1Hz,1H),7.18(tt,J=9.6,2.4Hz,1H),7.13(dd,J=8.4,2.0Hz,2H),4.57(s,2H),4.14-4.01(m,1H),1.17(d,J=6.6Hz,6H).LCMS m/z:298.1[M+H]+、RT=3.11(方法A)。
例E59
Figure 2022554392000022
3-[5-[1-(3,5-ジフルオロフェニル)-1-メチル-エチル]-1,3,4-チアジアゾール-2-イル]-1-エチル-1-[(2S)-2-ヒドロキシプロピル]尿素
ステップ1
水酸化ナトリウム(214mg、5.22mmol)を温水(0.3mL)に溶解させた。DMSO(1.2mL)中の(3,5-ジフルオロフェニル)アセトニトリル(200mg、1.31mmol)を温めた混合物に添加し、冷水浴(約10℃)内で撹拌した。ヨードメタン(0.33mL、5.22mmol)を滴加し、次いで室温で1時間撹拌した。水(2mL)を添加し、混合物をEtOAc(3×3ml)中に抽出し、合わせた有機物を真空下で濃縮して、2-(3,5-ジフルオロフェニル)-2-メチル-プロパンニトリル(275mg)を得た。
ステップ2
メタノール(2mL)中の2-(3,5-ジフルオロフェニル)-2-メチル-プロパンニトリル(純度85%、2.27g、10.6mmol)および水(5mL)の撹拌した溶液に、水酸化ナトリウム(1.28g、31.9mmol)を添加した。反応物を90℃で一晩(約20時間)撹拌し、次いで室温でおよそ46時間撹拌した。反応物を水(5mL)で希釈し、EtOAc(3×10mL)中に抽出し、有機物をMgSO4で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮して、2-(3,5-ジフルオロフェニル)-2-メチル-プロパン酸(2.28g)を得た。
ステップ3
例E01(ステップ1)で使用したものと同様の方法を使用して、5-[1-(3,5-ジフルオロフェニル)-1-メチル-エチル]-1,3,4-チアジアゾール-2-アミンを合成した。1H NMR(400MHz,Chloroform-d)δ 6.95-6.79(m,2H),6.68(tt,J=8.7,2.3Hz,1H),4.97(s,2H),1.78(s,6H)。
ステップ4
例E09(ステップ2)で使用したものと同様の方法を使用して、表題化合物を合成した。1H NMR(400MHz,Chloroform-d)δ 6.90-6.76(m,2H),6.66(tt,J=8.7,2.3Hz,1H),4.30-4.16(m,1H),3.57-3.45(m,1H),3.45-3.27(m,3H),1.80(s,6H),1.32(d,J=6.3Hz,3H),1.17(t,J=7.1Hz,3H).LCMS m/z:385.3[M+H]+、RT=2.96(方法B)。
HPLC方法
分析LCMS
方法A
Phenomenex Kinetex-XB C18カラム(2.1mm×100mm、1.7μM;温度:40℃)、および5~100%のB(A=H2O中0.1%のギ酸、B=ACN中0.1%のギ酸)で5.3分、次いで100%のBで0.5分の勾配を使用するWaters Acquity uPLCで、分析uHPLC-MSを実施した。次いで、100~5%のBの第2の勾配を0.02分適用し、0.6mL/分の流量にて1μLの注入体積で1.18分間保持した。Waters Acquity PDA検出器スペクトル範囲:200~400nmを215nmで使用して、UVスペクトルを記録し、Water Acquity ELS検出器(適合する場合)を使用して、ELSデータを収集し、報告した。Waters SQD(MSQ1)またはWaters Acquity QDA(MSQ2)を使用して、質量スペクトルを得た。Waters MassLynxおよびOpenLynxソフトウェアを使用して、データを統合し、報告した。
方法B
Waters UPLC(登録商標)BEHTM C18カラム(2.1mm×100mm、1.7μmカラム;温度:40℃)、および5~100%の(A=2mMの重炭酸ナトリウム、pH10まで緩衝、B=ACN)で5.3分、次いで100%のBで0.5分の勾配を使用するWaters Acquity uPLCで、分析uPLC-MSを実施した。次いで、100~5%のBの第2の勾配を0.02分適用し、1μLの注入体積および0.6mL/分の流量で1.18分間保持した。Waters Acquity光ダイオードアレイ検出器スペクトル範囲:200~400nmを215nmで使用して、UVスペクトルを記録した。Waters Quattro Premier XE質量検出器を使用して、質量スペクトルを得た。Waters MassLynxおよびOpenLynxソフトウェアを使用して、データを統合し、報告した。
分取HPLC方法
精製方法は以下の通りである。
方法C:酸性方法
Waters Sunfire C18カラム(30mm×100mm、10μM;温度:室温)、および10~95%のB(A=H2O中0.1%のギ酸、B=ACN中0.1%のギ酸)で14.44分、次いで95%のBで2.11分の勾配を使用するGilson LCシステムで精製を実施した。次いで、95~10%のBの第2の勾配を、1500μLの注入体積および40mL/分の流量で0.2分適用した。Gilson検出器を215nmで使用して、UVスペクトルを記録した。
方法D:塩基性方法
Waters X-Bridge C18カラム(30mm×10mm、10μM;温度:室温)、および30~95%のB(A=水中0.2%の水酸化アンモニウム、B=ACN中0.2%の水酸化アンモニウム)で11.00分、次いで95%のBで2.10分の勾配を使用するGilson LCシステムで精製を実施した。次いで、95~30%のBの第2の勾配を、1500μLの注入体積および40mL/分の流量で0.21分適用した。Gilson検出器を215nmで使用して、UVスペクトルを記録した。
実施例2-化合物のスクリーニング
強力かつ選択的なhMrgpMRGPRX2化合物を、高スループットスクリーニング(HTS)キャンペーン中に同定した化合物から生成し、構造活性に基づく医薬品化学における努力の繰り返しで追跡調査した。これらの化合物を、それらのアンタゴニスト活性について組換えhMrgpMRGPRX2発現細胞で特徴評価し、標的が内因的に発現するヒトマスト細胞株LAD-2において、その効力を確認した。効力を決定するために使用したアッセイは、FLIPR(商標)技術を使用して細胞内カルシウム動員を観察して、機能的に読み出したものである。これらのFLIPRアッセイにおいて、マウスMrgprB2、マウスMrgprA1、アレチネズミMrgpMRGPRX2オルソログ、チャイニーズハムスターMrgpMRGPRX2オルソログ、およびカニクイザルMrgpMRGPRX2オルソログを発現する組換え細胞系を使用して、それぞれオーソログ活性について、同定した化合物を試験する。
結果を以下の表4に要約する。
(表4)
Figure 2022554392000023
Figure 2022554392000024
Figure 2022554392000025
Figure 2022554392000026
Figure 2022554392000027
Figure 2022554392000028
Figure 2022554392000029
Figure 2022554392000030
Figure 2022554392000031
Figure 2022554392000032
Figure 2022554392000033

Claims (50)

  1. 式Iを有する化合物であって、
    Figure 2022554392000034
    式中、
    が、
    Figure 2022554392000035
    であり、
    qが、0または1であり、
    mが、0または1であり、
    nが、0、1、または2であり、
    kが、0または1であり、
    ただし、k、q、およびmが、すべて0でないことを条件とし、
    ただし、mおよびkが各々1である場合、qが0ではないことを条件とし、
    およびRが、各々独立して、H、C1-6アルキル;C3-6シクロアルキル;N、O、およびSから独立して選択される1~3つの環ヘテロ原子を有する5~10員ヘテロシクロアルキルであり、ここで、各C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、および5~10員ヘテロシクロアルキルが、1~3つのR20基で置換されていてもよく、
    ただし、RおよびRが、同時にHではないことを条件とし、
    各R20が、独立して、1)ヒドロキシ、2)シアノ、3)C1-3アルキル、4)C1-3アルコキシ、5)C1-3ハロアルキル、6)ハロゲン、7)C1-3アルキル、8)ヒドロキシ、シアノ、C1-3アルキル、C1-3アルコキシ、C1-3ハロアルキル、およびハロゲンから選択される1~3つの置換基で置換されていてもよいC3-6シクロアルキル、ならびに9)ヒドロキシ、シアノ、C1-3アルキル、C1-3アルコキシ、C1-3ハロアルキル、およびハロゲンから選択される1~3つの置換基によって置換されていてもよい、N、O、およびSから独立して選択される1~3つの環ヘテロ原子を有する5~10員ヘテロシクロアルキル、から選択されるか、
    または、RおよびRが、それらが結合している窒素原子と一緒になって、N、O、Sから独立して選択される1~3つの環ヘテロ原子を有する、5もしくは6員の飽和、部分飽和、もしくは芳香族複素環を形成し得、これは、ヒドロキシ、C1-3アルキル、C1-3ヒドロキシアルキル、C1-3アルコキシ、C1-3ハロアルキル、シアノ、およびハロゲンから選択される1、2、もしくは3つの基で置換されていてもよく、
    が、HまたはC1-3アルキルであり、
    各RおよびRが、独立して、HまたはC1-3アルキルであり、
    が、C6-10アリール;C3-7シクロアルキル;C1-3ハロアルキル;C1-3アルキル:ならびにN、O、およびSから独立して選択される1~3つの環ヘテロ原子を有する5~10員ヘテロアリールであり、ここで、前記C6-10アリール、C3-7シクロアルキル、C1-3ハロアルキル、および5~10員ヘテロアリールの各々が、1、2、または3つの独立して選択されるR30基で置換されていてもよく、
    各R30が、ハロゲン、シアノ、C1-3アルキル、C1-3ハロアルキル、ハロゲンおよびヒドロキシで置換されていてもよいC1-3アルコキシ、から独立して選択される、
    化合物、またはその立体異性体、溶媒和物、互変異性体、もしくは薬学的に許容される塩。
  2. が、置換されていてもよいC6-10アリールである、請求項1に記載の化合物。
  3. が、置換されていてもよいフェニルである、請求項1に記載の化合物。
  4. が、置換されていてもよいピリジルである、請求項1に記載の化合物。
  5. が、置換されていてもよいC3-6シクロアルキルである、請求項1に記載の化合物。
  6. が、置換されていてもよいシクロプロピルまたはシクロヘキシルである、請求項1に記載の化合物。
  7. が、1または2つの置換基を有していてもよいフェニルである、請求項1に記載の化合物。
  8. が、1または2つの置換基を有していてもよいフェニルである、請求項1に記載の化合物。
  9. が、3位において置換されたフェニルである、請求項1に記載の化合物。
  10. が、3位および5位において置換されたフェニルである、請求項1に記載の化合物。
  11. が、2位および5位において置換されたフェニルである、請求項1に記載の化合物。
  12. が、2位および4位において置換されたフェニルである、請求項1に記載の化合物。
  13. が、2位および3位において置換されたフェニルである、請求項1に記載の化合物。
  14. が、3位および4位において置換されたフェニルである、請求項1に記載の化合物。
  15. 各R30が、独立して、モノ-、ジ-、またはトリハロメチル、フッ素、塩素、メトキシ、シアノ、およびメチルから選択される、先行請求項のいずれか一項に記載の化合物。
  16. 各R30が、独立して、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、フッ素、塩素、メトキシ、シアノ、およびメチルから選択される、先行請求項のいずれか一項に記載の化合物。
  17. 各R30が、独立して、フッ素および塩素から選択される、先行請求項のいずれか一項に記載の化合物。
  18. 各R30が、フッ素である、先行請求項のいずれか一項に記載の化合物。
  19. が、C1-3ハロアルキルである、請求項1に記載の化合物。
  20. が、トリフルオロメチルである、請求項1に記載の化合物。
  21. nが、1である、前記化合物のうちのいずれか。
  22. nが、2である、先行請求項のいずれか一項に記載の化合物。
  23. m、k、およびqが、各々1である、先行請求項のいずれか一項に記載の化合物。
  24. qおよびmが、各々1であり、kが、0である、先行請求項のいずれか一項に記載の化合物。
  25. mが、0であり、kおよびqが、各々1である、先行請求項のいずれか一項に記載の化合物。
  26. kが、0であり、mおよびqが、各々1である、先行請求項のいずれか一項に記載の化合物。
  27. およびRが、各々独立して、1~3つのR20基で置換されていてもよいC1-3アルキルである、先行請求項のいずれか一項に記載の化合物。
  28. およびRが、各々独立して、ヒドロキシ、ジ-またはトリハロメチル、例えば、ジフルオロメチルまたはトリフルオロメチル、メトキシ、ハロゲン、およびシアノから独立して選択される1~3つのR20基で置換されていてもよいC1-3アルキルである、先行請求項のいずれか一項に記載の化合物。
  29. が、HまたはC1-3アルキルであり、Rが、ピロリジン、テトラヒドロフラン、モルホリン、ピペリジン、およびテトラヒドロピランから選択される複素環であり、それらの各々が、ヒドロキシ、C1-3アルキル、C1-3ヒドロキシアルキル、C1-3アルコキシ、C1-3ハロアルキル、シアノ、およびハロゲンから選択される1、2、または3つの基で置換されていてもよい、先行請求項のいずれか一項に記載の化合物。
  30. が、HまたはC1-3アルキルであり、Rが、ピロリジン、テトラヒドロフラン、モルホリン、ピペリジン、およびテトラヒドロピランから選択される複素環であり、それらの各々が、ヒドロキシ、メチル、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、メトキシ、ジ-またはトリハロメチル、例えば、ジフルオロメチルまたはトリフルオロメチル、シアノ、およびハロゲンから選択される1、2、または3つの基で置換されていてもよい、先行請求項のいずれか一項に記載の化合物。
  31. が、HまたはC1-3アルキルであり、Rが、ピロリジン、テトラヒドロフラン、モルホリン、ピペリジン、テトラヒドロピラン、およびC3-6シクロアルキルから選択される環で置換されたC1-3アルキルであり、それらの各々が、ヒドロキシ、メチル、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、メトキシ、ジ-またはトリハロメチル、例えば、ジフルオロメチルまたはトリフルオロメチル、シアノ、およびハロゲンから選択される1、2、または3つの基で置換されていてもよい、先行請求項のいずれか一項に記載の化合物。
  32. およびRが、それらが結合している窒素原子と一緒になって、ピロリジン、テトラヒドロフラン、モルホリン、ピペリジン、およびテトラヒドロピランから選択される複素環を形成し、それらの各々が、ヒドロキシ、C1-3アルキル、C1-3ヒドロキシアルキル、C1-3アルコキシ、C1-3ハロアルキル、シアノ、およびハロゲンから選択される1、2、または3つの基で置換されていてもよい、先行請求項のいずれか一項に記載の化合物。
  33. 本明細書の表1の化合物から選択される化合物、またはその立体異性体、溶媒和物、互変異性体、もしくは薬学的に許容される塩である、先行請求項のいずれか一項に記載の化合物。
  34. 炎症性障害を治療するための方法であって、それを必要とする対象に、治療有効量の請求項1に記載の化合物と、皮膚科学的にまたは経口的に許容される賦形剤とを含む局所または経口組成物を投与することを含む、方法。
  35. 前記組成物が、クリーム、ゲル、スプレー、もしくは軟膏の形態であるか、または経口投与用の剤形、例えば錠剤もしくはカプセルである、請求項34に記載の方法。
  36. MrgprX2アンタゴニストが、前記組成物の総重量に基づいて、約0.001重量%~約10重量%の濃度で存在する、請求項34に記載の方法。
  37. MrgprX2アンタゴニストが、前記組成物の総重量に基づいて、約0.1重量%~約5重量%の濃度で存在する、請求項34に記載の方法。
  38. 前記組成物が、皮膚吸収向上剤をさらに含む、請求項34に記載の方法。
  39. 前記組成物が、マンニトール、スルホキシド(例えば、ジメチルスルホキシド、DMSO)、アゾン(例えば、ラウロカプラム)、ピロリドン(例えば、2-ピロリドン、2P)、アルコールおよびアルカノール(例えば、エタノールまたはデカノール)、グリコール(例えば、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリオキシエチレングリコール、ジエチレングリコール)、界面活性剤(これも剤形において一般的である)、ならびにテルペンのうちの1つ以上を含む皮膚吸収向上剤をさらに含む、請求項34に記載の方法。
  40. 前記組成物が、1日1回、患者の皮膚に適用される、請求項34~39のいずれか一項に記載の方法。
  41. 前記組成物が、1日2回、患者の皮膚に適用される、請求項34~39のいずれか一項に記載の方法。
  42. 前記組成物が、1日3回、患者の皮膚に適用される、請求項34~39のいずれか一項に記載の方法。
  43. 前記組成物が、炎症性障害を患っている患者に投与される、請求項34~42のいずれか一項に記載の方法。
  44. 前記炎症性障害が、皮膚の障害である、請求項34~43のいずれか一項に記載の方法。
  45. 皮膚が、ヒトの皮膚である、請求項34~44のいずれか一項に記載の方法。
  46. 前記炎症性障害が、MrgprX2を活性化するか、またはMrgprX2の活性化の結果である、請求項43~45のいずれか一項に記載の方法。
  47. 前記炎症性障害が、アトピー性皮膚炎(例えば、アジア人アトピー性皮膚炎、ヨーロッパ人アトピー性皮膚炎)、慢性蕁麻疹、小分子によって引き起こされる偽アレルギー性応答、例えば、アナフィラキシー様薬物応答、アナフィラキシーショック、酒さ、喘息、胆汁うっ滞性または尿毒性のかゆみなどの全身性のかゆみ、全身性疾患によって引き起こされる慢性的なかゆみ、または薬物有害応答である、請求項43~46のいずれか一項に記載の方法。
  48. 前記炎症性障害が、アトピー性皮膚炎(例えば、アジア人アトピー性皮膚炎、ヨーロッパ人アトピー性皮膚炎)である、請求項43~47のいずれか一項に記載の方法。
  49. 前記対象が、ヒトである、請求項43~48のいずれか一項に記載の方法。
  50. 哺乳類の皮膚が、ヒトの皮膚である、請求項43~48のいずれか一項に記載の方法。
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