JP2022543832A - 変異体を治療するためのエストロゲン受容体調節剤 - Google Patents

変異体を治療するためのエストロゲン受容体調節剤 Download PDF

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    • A61P35/04Antineoplastic agents specific for metastasis

Abstract

有効量の化合物A(すなわち(E)-3-(4-((1R、3R)-2-(ビシクロ[1.1.1]ペン-タン-1-イル)-3-メチル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-ピリド[3,4-b]インドール-1-イル)-3,5-ジフルオロフェニル)アクリル酸)、又はその薬学的に許容される塩は、それを必要とする対象における乳癌を治療するために本明細書に記載されて、乳癌は、Y537SやL536Pなどのエストロゲン受容体α(ERα)をコードするエストロゲン受容体1(ESR1)内に少なくとも1つの点変異を有する。

Description

(任意の優先権出願を参照することによる組み込み)
例えば、本出願と共に提出される出願データシート又は請求において、2019年8月6日に出願された米国仮出願第62/883,395号、及び2020年4月14日に出願された同第63/009,746号を含む、外国又は国内の優先権の主張が確認される任意の、そして、全ての出願が、37CFR1.57並びに規則4.18及び20.6に基づき、参照により本明細書に組み込まれる。
(発明の分野)
本出願は、エストロゲン受容体アルファ調節剤である化合物で乳癌を治療するための方法に関し、乳癌は、エストロゲン受容体1(ESR1)内に少なくとも1つの点変異を有する。
エストロゲン受容体(ER)は、核ホルモン受容体のファミリーに属し、リガンド依存性転写因子として作用する。エストロゲンの結合時に、立体配座変化が生じるが、これにより、共活性化剤(複数可)の結合が可能になる。エストロゲンの結合は、様々な生理学的及び癌関連プロセスに関与する複数の遺伝子の転写を調節する。
ERを標的にする多くの乳癌薬物療法が開発されてきた。ESR1内で、いくつかのアミノ酸変異が特定されている。ESR1の変異は、耐性の役割を果たすときに提案されている。
PCT出願公開第WO2017/172957号
Alluriら、エストロゲン受容体変異及び乳癌進行におけるそれらの役割、乳癌研究(2014)16:494
本明細書に開示されるいくつかの実施形態は、それを必要とする対象の乳癌を治療するための薬剤の製造における、有効量の化合物(A)又はその薬学的に許容される塩の使用に関し、乳癌は、エストロゲン受容体α(ERα)をコードするエストロゲン受容体1(ESR1)内に少なくとも1つの点変異を有する。
本明細書に開示される他の実施形態は、それを必要とする対象の乳癌を治療するための、有効量の化合物(A)又はその薬学的に許容される塩の使用に関し、乳癌は、エストロゲン受容体α(ERα)をコードするエストロゲン受容体1(ESR1)内に少なくとも1つの点変異を有する。
本明細書に開示される更に他の実施形態は、有効量の化合物(A)又はその薬学的に許容される塩で、それを必要とする対象の乳癌を治療する方法に関し、乳癌は、エストロゲン受容体α(ERα)をコードするエストロゲン受容体1(ESR1)内に少なくとも1つの点変異を有する。
特定の癌療法化合物の名称及び構造を提供する。 特定の癌療法化合物の名称及び構造を提供する。 特定の癌療法化合物の名称及び構造を提供する。 野生型乳癌細胞株及びY537S変異を有する乳癌細胞株における化合物(A)を用いた研究の結果を示す。 L536P変異を有する乳癌モデルにおける、化合物(A)を含むいくつかの化合物を用いた腫瘍研究の結果を示す。 Y537S変異を有する乳癌モデルにおける、化合物(A)を含むいくつかの化合物を用いた腫瘍研究の結果を示す。 Y537S変異を有する乳癌モデルにおける、化合物(A)を含むいくつかの化合物を用いた腫瘍研究の結果を示す。
選択的ER調節剤(SERM)、選択的ER分解剤(SERD)、及びアロマターゼ阻害剤を含む、エストロゲン受容体を阻害するためのいくつかの療法が存在する。前述の癌療法から生じ得る1つの問題は、癌療法に対する耐性の発生である。内分泌療法などの癌療法に対する取得耐性は、タモキシフェン及び他の内分泌療法で治療された女性のほぼ3分の1で見つかっている。非特許文献1を参照されたい。
研究者らは、内分泌療法などの癌療法に対する耐性の取得の理由の1つとして、エストロゲン受容体における変異があるとみている。したがって、癌がESR1内に1つ以上の変異を有する乳癌を治療することができる化合物が必要とされている。リガンド結合ドメイン中のいくつかのESR1変異体が検出及び研究されている。更に、変異の有病率は、乳癌と診断されたが癌療法をまだ開始していない対象において低いことが指摘されている。
定義
別段の定めがない限り、本明細書で使用される全ての技術及び科学用語は、当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書で参照される全ての特許、出願、公開出願、及び他の出版物は、特に明記しない限り、参照によりそれらの全体が組み込まれる。本明細書のある用語に対して複数の定義が存在する場合、特に明記しない限り、この節にある定義が優先される。
「薬学的に許容される塩」という用語は、それが投与される生物に著しい刺激をもたらさず、かつ化合物の生物活性及び特性を無効にしない化合物の塩を指す。いくつかの実施形態では、塩は、化合物の酸付加塩である。薬学的塩は、化合物を無機酸、例えば、ハロゲン化水素酸(例えば、塩酸又は臭化水素酸)、硫酸、硝酸、及びリン酸(2,3-ジヒドロキシプロピルニ水素リン酸塩など)と反応させることによって得られ得る。薬学的塩はまた、化合物を有機酸、例えば、脂肪族若しくは芳香族カルボン酸若しくはスルホン酸、例えば、ギ酸、酢酸、コハク酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、ニコチン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、安息香酸、サリチル酸、2-オキソペンタン二酸、又はナフタレンスルホン酸と反応させることによって得られ得る。薬学的塩はまた、化合物を塩基と反応させて、塩、例えば、アンモニウム塩、アルカリ金属塩、例えば、ナトリウム、カリウム、又はリチウム塩、アルカリ土類金属塩、例えば、カルシウム又はマグネシウム塩、炭酸塩の塩、重炭酸塩の塩、有機塩基の塩、例えば、ジシクロヘキシルアミン、N-メチル-D-グルカミン、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン、C~Cアルキルアミン、シクロへキシルアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、並びにアルギニン及びリシンなどのアミノ酸を有する塩を形成することによって得ることができる。化合物(A)に
関して、当業者は、窒素ベースの基(例えば、NH)のプロトン化によって塩が形成される場合、窒素ベースの基が正電荷と会合し得(例えば、NHがNH になり得る)、正電荷が負の電荷を持つ対イオン(Clなど)によってバランスがとられ得ることを理解する。
本明細書で使用される場合、「治療する」、「治療すること」、「治療」、「治療的」、及び「療法」という用語は、必ずしもエストロゲン受容体依存性及び/又はエストロゲン受容体媒介性の疾病又は病態の完全な治癒又は消滅を意味するとは限らない。疾病又は病態の任意の望ましくない兆候又は症状の任意の程度の任意の軽減が、治療及び/又は療法と見なされ得る。更に、治療は、対象の健康又は外観についての総合的な感覚を悪化させ得る行為を含み得る。
「治療有効量」及び「有効量」という用語は、記載の生物学的又は医学的応答を導く、活性化合物又は薬学的剤の量を示すために使用される。例えば、治療有効量の化合物、塩、又は組成物は、エストロゲン受容体依存性及び/若しくはエストロゲン受容体媒介性の疾病若しくは病態の症状を予防、軽減、若しくは改善するか、又は治療されている対象の生存を延長するために必要とされる量であり得る。この応答は、組織、系、動物、又はヒトにおいて生じ得、治療されているエストロゲン受容体依存性及び/又はエストロゲン受容体媒介性の疾病又は病態の兆候又は症状の軽減を含む。有効量の決定は、本明細書に提供される開示を考慮して、十分当業者の能力の範囲内である。用量として必要とされる本明細書に開示の化合物の治療有効量は、投与経路、ヒトなどの治療されている動物の種類、及び考慮中の特定の動物の身体特性によって決まる。用量は、所望の効果を達成するように合わせて調整され得るが、体重、食生活、併用投薬、及び医療分野の当業者が認識するであろう他の要因などの要因によって決まる。
1つ以上のキラル中心を有する本明細書に記載の任意の化合物において、絶対立体化学が明示的に示されない場合、各中心が独立して、R配置若しくはS配置、又はこれらの混合物であってもよいことが理解される。したがって、本明細書に提供される化合物は、鏡像異性的に純粋な、鏡像異性的に豊富な、ラセミ混合物、ジアステレオマー的に純粋な化合物、ジアステレオマー的に豊富な化合物、又は立体異性混合物であってもよい。加えて、E又はZと定義され得る幾何異性体を生成する1つ以上の二重結合を有する、本明細書に記載の任意の化合物において、各二重結合が独立して、E又はZ、これらの混合物であってもよいことが理解される。同様に、記載の任意の化合物において、全ての互変異性型もまた含まれるよう意図されることが理解される。
本明細書に開示される化合物が充填されていない原子価を有する場合、その原子価が、水素又はその同位体、例えば、水素-1(プロチウム)及び水素-2(重水素)で充填されることを理解されたい。
本明細書に記載の化合物が同位体で標識され得ることが理解される。重水素などの同位体での置換は、例えば、インビボ半減期の増加又は必要投与量の低減など、より大きい代謝安定性に起因するある特定の治療上の利点をもたらし得る。化合物構造中に表される各化学元素は、前述の元素の任意の同位体を含んでもよい。例えば、化合物構造において、水素原子は、化合物中に存在すると明確に開示され得るか、又は理解され得る。水素原子が存在し得る化合物の任意の位置において、水素原子は、水素-1(プロチウム)及び水素-2(重水素)が挙げられるが、これらに限定されない、水素の任意の同位体であってもよい。したがって、本明細書における化合物に対する言及は、文脈が明確にそうでないと示さない限り、全ての可能な同位体形態を包含する。
本明細書に記載の方法及び組み合わせが、結晶形態(多形体としても既知であり、化合
物の同じ元素組成の異なる結晶充填配置を含む)、非晶相、塩、溶媒和物、及び水和物を含むことが理解される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物は、水、エタノールなどの薬学的に許容される溶媒を有する溶媒和形態で存在する。他の実施形態では、本明細書に記載の化合物は、非溶媒和形態で存在する。溶媒和物は、化学量論量又は非化学量論量のいずれかの溶媒を含有し、水、エタノールなどの薬学的に許容される溶媒での結晶化プロセス中に形成されてもよい。溶媒が水である場合に水和物が形成されるか、又は溶媒がアルコールである場合にアルコラートが形成される。加えて、本明細書に提供される化合物は、非溶媒和並びに溶媒和形態で存在することができる。概して、溶媒和形態は、本明細書に提供される化合物及び方法の目的で、非溶媒和形態と同等であると見なされる。
値の範囲が提供される場合、上限及び下限、並びにその範囲の上限と下限との間に介在する各値が、実施形態内に包含されることが理解される。
本願で使用される用語及び語句並びにこれらの変化形、特に添付の特許請求の範囲にあるものは、特に明記しない限り、限定的ではなく非限定的であると解釈されるべきである。上記の例として、「含むこと」という用語は、「限定することなく含むこと」、「含むが、これらに限定されないこと」などを意味するよう解釈されるべきである。本明細書で使用される場合、「備えること」という用語は、「含むこと」、「含有すること」、又は「特徴とする」と同義語であり、包括的又は非限定的であり、追加の列挙されていない要素又は方法の工程を除外しない。「有すること」という用語は、「少なくとも有すること」と解釈されるべきである。「含む」という用語は、「含むが、これらに限定されない」と解釈されるべきである。「例」という用語は、考察中の項目の包括的又は限定的なリストではなく例示的な実例を提供するために使用される。「好ましくは」、「好ましい」、「所望の」、又は「望ましい」のような用語、並びに同様の意味の単語の使用は、ある特定の特徴がその構造又は機能にとって重大、本質的、又は更には重要なものであるということを示唆するものとして理解されるべきではなく、むしろ単に特定の実施形態で利用されてもされなくてもよい代替又は追加の特徴を強調することを目的とする。加えて、「備えること」という用語は、「少なくとも有すること」又は「少なくとも含むこと」という語句の同意語として解釈されるものとする。化合物、組成物、又はデバイスの文脈で使用される場合、「備えること」という用語は、化合物、組成物、又はデバイスが少なくとも列挙された特徴又は構成要素を含むが、追加の特徴又は構成要素も含んでもよいことを意味する。
本明細書の実質的にいかなる複数形及び/又は単数形の用語の使用に関しても、当業者は、文脈及び/又は用途に応じて適切に、複数形から単数形、及び/又は単数形から複数形に変換することができる。様々な単数形/複数形の入れ替えは、明確にするために本明細書で明示的に記載され得る。不定冠詞「a」又は「an」は、複数を除外しない。ある特定の手段が相互に異なる従属請求項に列挙されるという単なる事実は、利益を得るためにこれらの手段の組み合わせを使用することができないということを示すものではない。請求項中のいかなる参照符号も、その範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
化合物A
化合物Aは、以下
Figure 2022543832000002
の構造を有する。化合物A((E)-3-(4-((1R,3R)-2-(ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)-3-メチル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-ピリド[3,4-b]インドール-1-イル)-3,5-ジフルオロフェニル)アクリル酸)は、その薬学的に許容される塩と共に、特許文献1に提供される手順に従って調製することができる。特許文献1に提供されるように、化合物Aは、エストロゲン受容体アルファ(ERα)に対して活性である。
いくつかの実施形態では、化合物A、又はその薬学的に許容される塩は、医薬組成物を介して対象に投与することができ、医薬組成物は、有効量の化合物(A)、又はその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される担体、希釈剤、賦形剤、又はそれらの組み合わせと、を含む。
「医薬組成物」という用語は、本明細書に開示の1つ以上の化合物及び/又は塩と、希釈剤又は担体などの他の化学構成成分との混合物を指す。医薬組成物は、生物への化合物の投与を容易にする。薬学的組成物はまた、化合物を、無機又は有機酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、及びサリチル酸と反応させることによって得られ得る。医薬組成物は、一般に、意図される具体的な投与経路に合わせて調整される。
「生理学的に許容される」という用語は、化合物の生物活性及び特性を無効にすることも、組成物の送達が意図される動物に相当な損傷又は負傷を引き起こすこともしない、担体、希釈剤、又は賦形剤を定義する。
本明細書で使用される場合、「担体」は、細胞又は組織への化合物の組み込みを促進する化合物を指す。例えば、限定することなく、ジメチルスルホキシド(dimethyl
sulfoxide、DMSO)は、対象の細胞又は組織への多くの有機化合物の取り込みを促進する、一般的に利用される担体である。
本明細書で使用される場合、「希釈剤」は、明らかな薬理活性はないが、薬学的に必要又は望ましくあり得る、医薬組成物中の成分を指す。例えば、希釈剤は、製造及び/又は投与には質量が小さ過ぎる、効力のある薬物のかさ増しのために使用されてもよい。それはまた、注射、摂取、又は吸入によって投与される薬物を溶解させるための液体であってもよい。当該技術分野において一般的な希釈剤の形態は、限定するものではないが、ヒト血液のpH及び等張性を模したリン酸緩衝生理食塩水などの、緩衝水溶液である。
本明細書で使用される場合、「賦形剤」は、限定するものではないが、かさ、稠度、安定性、結合能力、潤滑、崩壊能力などを組成物に提供するために、医薬組成物に添加される、本質的に不活性の物質を指す。例えば、酸化防止剤及び金属キレート剤などの安定剤は、賦形剤である。一実施形態では、医薬組成物は、酸化防止剤及び/又は金属キレート剤を含む。「希釈剤」は、ある種の賦形剤である。
本明細書に記載の医薬組成物は、ヒト患者にそれ自体で、あるいはそれらが、併用療法におけるような他の活性成分、又は担体、希釈剤、賦形剤、若しくはそれらの組み合わせと混合される医薬組成物において、投与することができる。適切な製剤設計は、選択される投与経路による。本明細書に記載の化合物の製剤設計及び投与のための技術は、当業者に既知である。
本明細書に開示の医薬組成物は、例えば、従来の混合、溶解、顆粒化、ドラジェ作製、水簸、乳化、封入、捕捉、又は錠剤化プロセスによって、それ自体が既知である様式で製造され得る。加えて、活性成分が、その意図した目的を達成するために有効な量で含有される。本明細書に開示の薬剤の組み合わせで使用される化合物の多くは、薬学的に適合する対イオンを有する塩として提供されてもよい。
使用及び治療方法
本明細書に開示されるいくつかの実施形態は、それを必要とする対象における乳癌を治療するための薬剤のための製造における有効量の化合物の使用に関し、乳癌は、エストロゲン受容体α(ERα)をコードするエストロゲン受容体1(ESR1)内に少なくとも1つの点変異を有する。本明細書に開示される他の実施形態は、有効量の化合物(A)の化合物又はその薬学的に許容される塩で、それを必要とする対象の乳癌を治療する方法に関し、乳癌は、エストロゲン受容体α(ERα)をコードするエストロゲン受容体1(ESR1)内に少なくとも1つの点変異を有する。
いくつかの実施形態では、変異は、ESR1のリガンド結合ドメイン(LBD)にあり得る。いくつかの実施形態では、1つ以上の変異は、A593、S576、G557、R555、L549、A546、E542、L540、D538、Y537、L536、P535、V534、V533、N532、K531、C530、H524、E523、M522、R503、L497、K481、V478、R477、E471、S463、F461、S432、G420、V418、D411、L466、S463、L453、G442、M437、M421、M396、V392、M388、E380、G344、S338、L370、S329、K303、A283、S282、E279、G274、K252、R233、P222、G160、N156、P147、G145、F97、N69、A65、A58及びS47から選択されたアミノ酸であり得る。いくつかの実施形態では、1つ以上の変異は、D538、Y537、L536、P535、V534、S463、V392、及びE380から選択されるアミノ酸にあり得る。いくつかの実施形態では、1つ以上の変異は、D538及びY537から選択されるアミノ酸にあり得る。
いくつかの実施形態では、1つ以上の変異は、K303R、D538G、Y537S、E380Q、Y537C、Y537N、A283V、A546D、A546T、A58T、A593D、A65V、C530L、D411H、E279V、E471D、E471V、E523Q、E542G、F461V、F97L、G145D、G160D、G274R、G344D、G420D、G442R、G557R、H524L、K252N、K481N、K531E、L370F、L453F、L466Q、L497R、L536H、L536P、L536Q、L536R、L540Q、L549P、M388L、M396V、M421V、M437I、M522I、N156T、N532K、N69K、P147Q、P222S、P535H、R233G、R477Q、R503W、R555H、S282C、S329Y、S338G、S432L、S463P、S47T、S576L、V392I、V418E、V478L、V533M、V534E、Y537D及びY537Hから選択され得る。
リガンド結合ドメイン(LBD)における変異の数は変化し得る。例えば、1つの変異
は、リガンド結合ドメイン(LBD)中に存在し得る。別の例として、2つ、3つ、又は4つ以上の変異が、リガンド結合ドメイン(LBD)中に存在し得る。いくつかの実施形態では、変異はY537Sであり得る。いくつかの実施形態では、変異はL536Pであり得る。
本明細書で提供されるように、いくつかの研究は、ER陽性乳癌における耐性の潜在的な原因が、内分泌療法によるESR1における取得された変異に起因することを示している。いくつかの実施形態では、対象は、1つ以上の選択的ER調節剤で以前に治療されていた。例えば、対象は、タモキシフェン、ラロキシフェン、オスペミフェン、バゼドキシフェン、トレミフェン、及びラソフォキシフェンから選択された1つ以上の選択されたER調節剤で以前に治療されていた。いくつかの実施形態では、対象は、以前に1つ以上の選択的ER分解薬で治療されており、例えば、フルベストラント、エラストラント、(E)-3-[3,5-ジフルオロ-4-[(1R、3R)-2-(2-フルオロ-2-メチルプロピル)-3-メチル-1,3,4,9-テトラヒドロピリド[3,4-b]インドール-1-イル]フェニル]プロプ-2-エン酸(AZD9496))、(R)-6-(2-(エチル(4-(2-(エチルアミノ)エチル))ベンジル)アミノ)-4-メトキシフェニル)-5,6,7,8-テトラヒドロナフタレン-2-オール(エラケストラント、RAD1901)、(E)-3-(4-((E)-2-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-1-(1H-インダゾール-5-イル)ブト-1-エン-1-イル)フェニル)アクリル酸(ブリラネストラント、ARN-810、GDC-0810)、(E)-3-(4-((2-(2-(1,1-ジフルオロエチル)-4-フルオロフェニル)-6-ヒドロキシベンゾ[b]チオフェン-3-イル)オキシ)フェニル)アクリル酸、(E)-3-(4-((2-(4-フルオロ-2,6-ジメチルベンゾイル)-6-ヒドロキシベンゾ[b]チオフェン-3-イル)オキシ)フェニル)アクリル酸、(S)-8-(2,4-ジクロロフェニル)-9-(4-((1-(3-フルオロプロピル)ピロリジン-3-イル)オキシ)フェニル)-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[7]アヌレン-3-カルボン酸及び/又は3-((1R、3R)-1-(2,6-ジフルオロ-4-((1-(3-フルオロプロピル)アゼチジン-3-イル)アミノ)フェニル)-3-メチル-1,3,4,9-テトラヒドロ-2H-ピリド[3,4-b]インドール-2-イル)-2,2-ジフルオロプロパン-1-オールである。いくつかの実施形態では、対象は、1つ以上のアロマターゼ阻害剤で以前に治療されていた。アロマターゼ阻害剤は、ステロイド性アロマターゼ阻害剤又は非ステロイド性アロマターゼ阻害剤であり得る。例えば、1つ以上のアロマターゼ阻害剤は、(エキセメスタン(ステロイド)アロマターゼ阻害剤)、テストラクトン(ステロイド性アロマターゼ阻害剤)、アナストロゾール(非ステロイド性アロマターゼ阻害剤)及びレトロゾール(非ステロイド性アロマターゼ阻害剤)から選択することができる。
いくつかの実施形態では、対象は女性であり得る。女性が中年に近づくと、女性は閉経の段階にあり得る。いくつかの実施形態では、対象は閉経前の女性であり得る。他の実施形態では、対象は、閉経周辺期の女性であり得る。更に他の実施形態では、対象は、閉経期の女性であり得る。更に他の実施形態では、対象は、閉経後女性であり得る。他の実施形態では、対象は、男性であり得る。対象の血清エストラジオール濃度は変化し得る。いくつかの実施形態では、対象の血清エストラジオール濃度(E2)は、15pg/mL超かつ350pg/mL以下の範囲であり得る。他の実施形態では、対象の血清エストラジオール濃度(E2)は、15pg/mL以下であり得る。他の実施形態では、対象の血清エストラジオール濃度(E2)は、10pg/mL以下であり得る。
乳癌治療に続いて、対象は、乳癌が再発する又はぶり返すことがある。本明細書で使用される場合、「再発」及び「ぶり返し」という用語は、当業者によって理解されるように、それらの通常の意味で使用される。いくつかの実施形態では、対象は、乳癌の以前の治
療後に再発している。例えば、対象は、本明細書に記載されるものなどのSERM、SERD及び/又はアロマターゼ阻害剤で1つ以上の治療を受けた後に再発している。
様々なタイプの乳癌が知られている。いくつかの実施形態では、乳癌はER陽性乳癌であり得る。いくつかの実施形態では、乳癌は、ER陽性、HER2陰性乳癌であり得る。いくつかの実施形態では、乳癌は、局所乳癌であり得る(本明細書で使用される場合、「局所的な」乳癌は、癌が身体の他の領域に広がっていないことを意味する)。いくつかの実施形態では、癌は転移性乳癌であり得る。
本明細書に記載されるように、本明細書の別の箇所に記載の化合物(A)若しくはその薬学的に許容される塩、又は薬学的組成物は、様々な方法によってそのような対象に投与され得る。本明細書に記載の使用又は方法のいずれかにおいて、投与は、それを必要としている対象への経口、静脈内、筋肉内、局所、皮下、全身、及び/又は腹腔内投与が挙げられるが、これらに限定されない、当業者に既知の様々な経路によることができる。
しかしながら、概して、好適な用量は多くの場合、約0.05mg/kg~約10mg/kgの範囲内である。例えば、好適な用量は、1日当たり体重の約0.10mg/kg~約7.5mg/kg、例えば、1日当たりレシピエントの体重の約0.15mg/kg~約5.0mg/kg、1日当たりレシピエントの体重の約0.2mg/kg~4.0mg/kgの範囲内であってもよい。化合物は、単位剤形で投与されてもよく、例えば、単位剤形当たり1~500mg、10~100mg、又は5~50mgの活性成分を含有する。
所望の用量は、単回用量で、又は例えば、1日当たり2回、3回、4回、若しくはそれ以上の部分用量として、適切な間隔で投与される分割用量として、便利に提供されてもよい。部分用量自体は、例えば、いくつかの別個の大まかに間隔がおかれた投与に更に分割されてもよい。
組成物は、所望される場合、活性成分を含有する1つ以上の単位剤形を含み得る、パック又はディスペンサデバイス中に提供されてもよい。パックは、例えば、ブリスタパックなどの金属又はプラスチック箔を含んでもよい。パック又はディスペンサデバイスには、投与に関する指示書が添付されていてもよい。パック又はディスペンサはまた、薬剤の製造、使用、又は販売を規制する行政機関によって規定された形式の、容器に関連する注意書きが添付されていてもよく、その注意書きは、ヒト又は動物投与のための薬物の形態の機関による承認を反映する。そのような注意書きは、例えば、処方薬に関し米国食品医薬品局によって承認されたラベル、又は承認された製品添付文書であってもよい。適合する薬学的担体中で製剤化される本明細書に記載の化合物及び/又は塩を含むことができる組成物はまた、示された病態の治療のために調製され、適切な容器内に配置され、かつラベル付けされてもよい。
当業者には容易に明らかになるように、投与される有用なインビボ投与量及び特定の投与方法は、年齢、体重、苦痛の重症度、及び治療される哺乳動物種、用いられる特定の化合物、並びにこれらの化合物が用いられる特定の用途に応じて異なる。有効な投与量レベル、つまり所望の結果を達成するために必要な投与量レベルの判定は、日常的な方法、例えば、ヒト臨床試験、インビボ研究、及びインビトロ研究を使用して、当業者によって達成され得る。例えば、化合物(A)又はその薬学的に許容される塩の有用な投与量は、動物モデルにおけるそれらのインビトロ活性及びインビボ活性を比較することによって判定され得る。そのような比較は、フルベストラントなどの確立された薬物との比較によって行われ得る。
また、全身的な方法ではなく局所的な方法で、例えば、多くの場合、デポー製剤又は持続放出製剤として化合物を患部に直接注射又は埋め込むことによって化合物、塩、及び/又は組成物を投与してもよい。更に、標的化した薬物送達システムで、例えば、組織特異的抗体でコーティングされたリポソームで化合物を投与することができる。リポソームは、臓器に対して標的化され、かつ臓器により選択的に取り込まれる。例えば、呼吸器疾患又は病態を標的とするための鼻腔内又は肺内送達が望ましくあり得る。
投与量及び間隔は、活性部分が調節作用又は最小有効濃度(minimal effective concentration、MEC)を維持するのに十分である血漿濃度を提供するように、個々に調節されてもよい。MECは、各化合物に関して異なるが、インビボ及び/又はインビトロデータから推定され得る。MECを達成するために必要な投与量は、個々の特性及び投与経路に依存する。しかしながら、血漿濃度を測定するためにはHPLCアッセイ又はバイオアッセイが使用され得る。投与間隔もまたMEC値を使用して判定され得る。組成物は、10~90%の期間、好ましくは30~90%、最も好ましくは50~90%にわたって、MECを超える血漿濃度を維持するレジメンを使用して投与されるべきである。局所投与又は選択的取り込みの場合、薬物の有効局所濃度は、血漿濃度に関係しない場合がある。
主治医が、毒性又は臓器機能不全により、投与をどのように及びいつ終了、中断、又は調節するのかを知ることに留意されたい。反対に、主治医は、臨床応答が適切ではない(毒性を除外する)場合、治療をより高いレベルに調節することも知っている。対象となる疾患の管理において投与される用量の大きさは、治療されている並びに投与経路に対するエストロゲン受容体依存性及び/又はエストロゲン受容体媒介性の疾病又は病態の重症度によって変化する。エストロゲン受容体依存性及び/又はエストロゲン受容体媒介性の疾病又は病態の重症度は、例えば、部分的に標準的な予後評価方法によって評価されてもよい。更に、用量及び恐らく投薬回数はまた、個々の患者の年齢、体重、及び応答によっても変化する。上記で考察されるものに匹敵するプログラムが、獣医学で使用されてもよい。
本明細書に開示の化合物、塩、及び組成物は、既知の方法を使用して有効性及び毒性に関して評価され得る。例えば、ある特定の化学部分を共有する特定の化合物又は化合物のサブセットについての毒性学は、哺乳動物、及び好ましくはヒト細胞株などの細胞株に対するインビトロ毒性を評価することによって確立され得る。そのような研究の結果は、多くの場合、哺乳動物、又は特にヒトなどの動物における毒性を予測する。代替的に、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、又はサルなどの動物モデルにおける特定の化合物の毒性は、既知の方法を使用して判定され得る。特定の化合物の有効性は、インビトロ方法、動物モデル、又はヒト臨床試験などのいくつかの認められている方法を使用して確立され得る。有効性を判定するためのモデルを選択する場合、当業者は、適切なモデル、用量、投与経路、及び/又はレジメンを選択するにあたり最先端の技術を指針とすることができる。
実施例
特許請求の範囲を決して限定するものではない、更なる実施形態が、以下の実施例において更に詳細に開示される。
CRISPRノックイン技術を使用してESR1変異体(Y537S)を発現するように操作されたMCF-7細胞において、化合物(A)のインビトロ抗増殖効果を評価した。
化合物(A)のインビボ抗腫瘍効果を、乳癌患者に由来するESR1変異体(Y537S & L536P)腫瘍において評価した。
細胞増殖アッセイ
細胞を、ホルモン枯渇培地中の96細胞プレートに3000細胞/ウェルで播種した。一晩インキュベートした後、細胞を、エストラジオール(0.1nM)の存在下で6日間、示された濃度で化合物で処理した。CellTiter-Glo発光細胞生存率アッセイ(Promega)を使用して、細胞増殖の阻害を測定した。
患者由来異種移植腫瘍モデル
結果が図3及び図4に示される研究では、乳癌患者由来異種移植片(PDX)モデルの腫瘍断片をNSGマウスの乳腺脂肪パッドに移植した。腫瘍が約100mmに達したときマウスを以下の5つの治療群のうちの1つにランダム化した。ビヒクル対照、フルベストラント(200mg/kg、皮下注射、週に1回)、化合物(A)(60mg/kg、経口投与)。結果が図5に示される研究では、雌の無胸腺ヌードマウスを、1.5×10の解離した乳癌患者由来異種移植片(PDX)細胞を100μlのPBS:マトリゲル(1:1)で脇腹に皮下移植した。腫瘍が150~350mmに達すると、(平均約200mm)、動物をそれぞれ10匹の動物の処置群にランダムに分布させ、1週間に1回皮下注射することによってビヒクル、フルベストラント5mg/マウスを投与し、化合物(A)40mg/kgを毎日経口投与した。腫瘍体積を週に2回評価して、腫瘍体積を経時的に計算し、マウスを毒性の兆候の代理として週に2回秤量した。
図2のデータは、化合物(A)がESR1野生型及び変異細胞の両方でE2誘発細胞増殖を効果的に阻害することを実証している。化合物(A)によるESR1変異腫瘍の治療は、図3、図4、及び図5に示されるように、堅牢な抗腫瘍活性を誘発した。図3及び図4の両方で提供されるデータは、化合物(A)がERをコードするESR1内の変異を含む癌細胞に対する抗腫瘍活性を有することを実証するα。更に、化合物(A)は、フルベストラントと比較してより低い濃度で投与される場合、図3~図5に示されるように、フルベストラント以上の効力を示している。
その上、上文は、明確さと理解のために、図及び実施例としてある程度詳細に記述されているが、本開示の趣旨を逸脱することなく数多くの様々な修正がなされ得ることが、当業者によって理解される。したがって、本明細書に開示される形態は例示にすぎず、本開示の範囲を限定することは意図されていないが、それどころか本発明の真の範囲及び趣旨に沿った全ての修正及び代替案を包含することも明確に理解するべきである。

Claims (27)

  1. 対象の乳癌を治療するための医薬品の製造における有効量の化合物の使用であって、前記化合物は化合物(A)、又はその薬学的に許容される塩であり、構造は次のとおりであり
    Figure 2022543832000003
    前記乳癌は、エストロゲン受容体α(ERα)をコードする前記エストロゲン受容体1(ESR1)内に少なくとも1つの点変異を有し、前記変異は、K303R、D538G、Y537S、E380Q、Y537C、Y537N、A283V、A546D、A546T、A58T、A593D、A65V、C530L、D411H、E279V、E471D、E471V、E523Q、E542G、F461V、F97L、G145D、G160D、G274R、G344D、G420D、G442R、G557R、H524L、K252N、K481N、K531E、L370F、L453F、L466Q、L497R、L536H、L536P、L536Q、L536R、L540Q、L549P、M388L、M396V、M421V、M437I、M522I、N156T、N532K、N69K、P147Q、P222S、P535H、R233G、R477Q、R503W、R555H、S282C、S329Y、S338G、S432L、S463P、S47T、S576L、V392I、V418E、V478L、V533M、V534E、Y537D及びY537Hからなる群から選択される、使用。
  2. 前記乳癌がY537S変異を有する、請求項1に記載の使用。
  3. 前記乳癌がL536P変異を有する、請求項1に記載の使用。
  4. 前記乳癌がER陽性乳癌である、請求項1~3のいずれか一項に記載の使用。
  5. 前記乳癌が、ER陽性/HER2陰性乳癌である、請求項1~3のいずれか一項に記載の使用。
  6. 前記乳癌が局所乳癌である、請求項1~5のいずれか一項に記載の使用。
  7. 前記乳癌が、転移性乳癌である、請求項1~5のいずれか一項に記載の使用。
  8. 前記乳癌が再発性乳癌である、請求項1~7のいずれか一項に記載の使用。
  9. 前記対象が、内分泌療法で以前に治療されている、請求項1~8のいずれか一項に記載の使用。
  10. 前記治療が、選択的ER調節剤(SERM)であった、請求項9に記載の使用。
  11. 前記選択的ER調節剤が、タモキシフェン、ラルキシフェン、オスペミフェン、ベザジ
    オキシフェン、トレミフェン及びラスオフォキシフェンからなる群から選択される、請求項10に記載の使用。
  12. 前記治療が、選択的ER分解剤(SERD)であった、請求項9に記載の使用。
  13. 前記選択的ER分解剤が、フルベストラント、エレスタント、(E)-3-[3,5-ジフルオロ-4-[(1R、3R)-2-(2-フルオロ-2-メチルプロピル)-3-メチル-1,3,4,9-テトラヒドロピリド[3,4-b]インドール-1-イル]フェニル]プロプ-2-エン酸、(R)-6-(2-(エチル(4-(2-(エチルアミノ)エチル)ベンジル)アミノ)-4-メトキシフェニル)-5,6,7,8-テトラヒドロナフタレン-2-オール、(E)-3-(4-((E)-2-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-1-(1H-インダゾール-5-イル)ブト-1-エン-1-イル)フェニル)アクリル酸、(E)-3-(4-((2-(2-(1,1-ジフルオロエチル)-4-フルオロフェニル)-6-ヒドロキシベンゾ[b]チオフェン-3-イル)オキシ)フェニル)アクリル酸、(E)-3-(4-((2-(4-フルオロ-2,6-ジメチルベンゾイル)-6-ヒドロキシベンゾ[b]チオフェン-3-イル)オキシ)フェニル)アクリル酸、(S)-8-(2,4-ジクロロフェニル)-9-(4-((1-(3-フルオロプロピル)ピロリジン-3-イル)オキシ)フェニル)-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[7]アヌレン-3-カルボン酸及び/又は3-((1R、3R)-1-(2,6-ジフルオロ-4-((1-(3-フルオロプロピル)アゼチジン-3-イル)アミノ)フェニル)-3-メチル-1,3,4,9-テトラヒドロ-2H-ピリド[3,4-b]インドール-2-イル)-2,2-ジフルオロプロパン-1-オールからなる群から選択される、請求項12の使用。
  14. 前記治療がアロマターゼ阻害剤であった、請求項9に記載の使用。
  15. 前記アロマターゼ阻害剤が、ステロイド性アロマターゼ阻害剤である、請求項14に記載の使用。
  16. 前記ステロイド性アロマターゼ阻害剤が、エキセメスタン及びテストラクトンからなる群から選択される、請求項15に記載の使用。
  17. 前記アロマターゼ阻害剤が、非ステロイド性アロマターゼ阻害剤である、請求項14に記載の使用。
  18. 前記非ステロイド性アロマターゼ阻害剤が、アナストゾール及びレトラゾールからなる群から選択される、請求項17に記載の使用。
  19. 前記対象が女性である、請求項1~18のいずれか一項に記載の使用。
  20. 前記対象が閉経前の女性である、請求項19に記載の使用。
  21. 前記対象が閉経周辺期の女性である、請求項19に記載の使用。
  22. 前記対象が閉経期の女性である、請求項19に記載の使用。
  23. 前記対象が閉経後の女性である、請求項19に記載の使用。
  24. 前記対象が男性である、請求項1~18のいずれか一項に記載の使用。
  25. 前記対象が、15pg/mL超かつ350pg/mL以下の範囲の血清エストラジオール濃度を有する、請求項1~24のいずれか一項に記載の使用。
  26. 前記対象が、15pg/mL以下の血清エストラジオール濃度を有する、請求項1~24のいずれか一項に記載の使用。
  27. 前記対象が、10pg/mL以下の血清エストラジオール濃度を有する、請求項1~24のいずれか一項に記載の使用。
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