JP2022543133A - 無水物および芳香族官能化ポリオルガノシロキサン - Google Patents
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Abstract
ポリオルガノシロキサンは、無水物官能基および芳香族官能基を有し、芳香族官能基の炭素は、炭素鎖によって無水物官能基のカルボニル基の炭素から分離されており、ポリオルガノシロキサンは、ポリオルガノシロキサンの重量に基づいて5重量%以上のケイ素原子を含有する。【選択図】なし
Description
本発明は、無水物官能性ポリシロキサン、無水物官能性ポリシロキサンを製造するための方法、および無水物官能性ポリシロキサンを含む組成物に関する。
序論
無水物官能性ポリシロキサンは、例えば、高価値パーソナルケア用途において、シリコーン製品に親水性を導入するのに有用である。無水物官能基はまた、加水分解してカルボン酸基を形成するか、または架橋反応においてアミン若しくは他の官能基と直接反応してエラストマーを形成する能力により、ポリオルガノシロキサンに反応性官能基を提供する。無水物基は、エステル化およびアミノ化などの様々な追加の反応によってさらに官能化することができる。無水物基は、ポリエステル、ポリアミド、ウレタン、およびアクリルなどの広範囲のポリマーとの縮合反応を起こす能力において、合成の多様性を提供する。無水物基を含有するポリオルガノシロキサンなどの化合物は、他の有機化合物とのカップリング反応における多様性のため、中間体として広く有用である。
無水物官能性ポリシロキサンは、例えば、高価値パーソナルケア用途において、シリコーン製品に親水性を導入するのに有用である。無水物官能基はまた、加水分解してカルボン酸基を形成するか、または架橋反応においてアミン若しくは他の官能基と直接反応してエラストマーを形成する能力により、ポリオルガノシロキサンに反応性官能基を提供する。無水物基は、エステル化およびアミノ化などの様々な追加の反応によってさらに官能化することができる。無水物基は、ポリエステル、ポリアミド、ウレタン、およびアクリルなどの広範囲のポリマーとの縮合反応を起こす能力において、合成の多様性を提供する。無水物基を含有するポリオルガノシロキサンなどの化合物は、他の有機化合物とのカップリング反応における多様性のため、中間体として広く有用である。
無水物官能性ポリオルガノシロキサンの親水性特性も課題を生じさせ得る。例えば、無水物官能性ポリオルガノシロキサンは、スチレン系、エポキシ、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ウレタンおよびアクリルなどの有機化合物とブレンドおよび反応させることが望ましい有機化合物との適合性を欠く傾向がある。結果として、均一な反応混合物を形成するためにポリオルガノシロキサンをこれらのタイプの有機化合物と混合することは困難であり得る。
化合物をスチレン系、エポキシ、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ウレタンおよびアクリルなどの有機化合物とより相溶性にする官能基も含有する無水物官能性ポリオルガノシロキサンを特定することが望ましい。芳香族官能基を有する無水物官能性ポリオルガノシロキサン、ならびにそのようなポリオルガノシロキサンを調製する方法を特定することが特に望ましい。さらにより望ましいのは、炭素鎖、好ましくは3つ以下の非芳香族炭素原子、好ましくは2つ以上の非芳香族炭素原子を有する炭素鎖によって無水物官能基のカルボニル(-C=O)基の炭素から分離された芳香族官能基を有する無水物官能性ポリオルガノシロキサンを特定することである。
本発明は、化合物をスチレン系、エポキシ、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ウレタンおよびアクリルなどの有機化合物とより相溶性にする官能基も含有する無水物官能性ポリオルガノシロキサンを提供する。本発明は、芳香族官能基も有する無水物官能性ポリオルガノシロキサン、ならびにそのようなポリオルガノシロキサンを調製する方法を提供する。本発明は、炭素鎖、さらには3つ以下の非芳香族炭素原子および同時に2つ以上の非芳香族炭素原子を有する炭素鎖によって無水物官能基のカルボニル炭素から分離された芳香族官能基を有する無水物官能性ポリオルガノシロキサンを提供する。
本発明は、アルファ水素原子を有する芳香族化合物および/または芳香族フリーラジカル開始剤および/または芳香族光開始剤の存在下で行われた場合に、無水物官能基を組み込むのと同じ反応において、驚くべきことに芳香族官能基をポリオルガノシロキサンに組み込むこと、および無水物官能基のカルボニル基からの3つの炭素-炭素単結合内に芳香族基を組み込むことによる、アルケニル官能性ポリオルガノシロキサンと無水物官能基を組み合わせるためのフリーラジカル反応を発見した結果である。フリーラジカル反応は、全ての成分が反応時に一緒に含まれるワンポット反応であり得る。
第1の態様では、本発明は、無水物官能基および芳香族官能基を有するポリオルガノシロキサンであって、芳香族官能基の炭素は、炭素鎖(好ましくは、3つ以下、または2つ以下の非芳香族炭素原子、同時に1つ以上、好ましくは2つ以上の非芳香族炭素原子の炭素鎖)によって無水物のカルボニル基の炭素から分離されており、ポリオルガノシロキサンは、ポリオルガノシロキサンの重量に基づいて5重量%以上のケイ素原子を含有する。
第2の態様では、本発明は、第1の態様のポリオルガノシロキサンを製造するプロセスであって、このプロセスは、(a)(i)不飽和オルガノシロキサン、(ii)不飽和無水物化合物、(iii)フリーラジカル開始剤または光開始剤、および(iv)溶媒を組み合わせること、ならびに(b)フリーラジカル開始剤または光開始剤をトリガーすることによってフリーラジカル反応を開始させること、を含み、ここで、溶媒は、アルファ水素原子を有する芳香族化合物であり、および/またはフリーラジカル開始剤および/または光開始剤は芳香族である。
第3の態様では、本発明は、(a)第1の態様のポリオルガノシロキサン、および(b)1分子当たり平均して少なくとも2つのケイ素結合アミンまたは2つのケイ素結合エポキシ基を含有するオルガノポリシロキサン、を含む硬化性組成物である。
本発明のポリオルガノシロキサンは、例えば、本発明の硬化性組成物を調製するのに有用である。
試験方法は、試験方法番号付きで日付が示されていない場合、この文書の優先日における最新の試験方法を指す。試験方法の参照は、試験協会の参照と試験方法番号との双方を含む。本明細書では、次の試験方法の略語および識別子が適用され、ASTMは米国材料試験協会を指し、ENはヨーロッパ電気標準規格を指し、DINはドイツ工業品標準規格を指し、ISOは国際標準化機構を指す。
製品名または商品名によってのみ特定される材料は、本明細書に別段の記載がない限り、本明細書の優先出願日においてその製品名または商品名で販売されている材料を指す。
「複数」とは、2つ以上を意味する。「および/または」は、「および、または代替として」を意味する。特に記載がない限り、全範囲はエンドポイントを含む。
「Cx-y」という種類の指定は、x個以上かつy個以下の炭素原子を有することを指す。
「非芳香族」炭素は、芳香環の一部ではない炭素原子である。「芳香族」炭素は、芳香環の一部である炭素原子である。「非芳香族」炭素結合は、非芳香族炭素間の結合である。
ポリシロキサンは、複数のシロキサン単位で構成されている。ポリオルガノシロキサンは、複数のシロキサン単位を含み、1つ以上のシロキサン単位が有機官能基を含む。シロキサン単位は、一般に、記号M、D、TおよびQという名称で特徴付けられる。Mは一般に、式「R3SiO1/2」を有するシロキサン単位を指す。Dは一般に、式「R2SiO2/2」を有するシロキサン単位を指す。Tは一般に、式「RSiO3/2」を有するシロキサン単位を指す。Qは、式「SiO4/2」を有するシロキサン単位を指す。Rは、通常、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシル、アルコキシ、またはアルキル(メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチルおよびヘキシルなど)、トリフルオロプロピルおよびノナフルオロヘキシルなどの置換アルキル、アルケニル(ビニル、アリルおよびヘキセニルなど)、フェニルおよび置換フェニルを含む任意の炭素結合置換基、ならびに「OZ」基(式中、Oは酸素に相当し、Zは金属カチオン、アルキル、置換アルキルおよび水素からなる群から選択される成分に相当する)からなる群から選択される。「ポリオルガノシロキサン」は、少なくとも1つのR基が有機部分であるポリシロキサンである。特に、「1/2」の倍数の下付き文字を有する酸素原子は、酸素が特定の原子を第2の原子に架橋することを示し、第2の原子もまた、「1/2」の倍数の下付き文字を有する酸素で特定される。例えば、「(SiO4/2)(HO1/2)」は、単一の酸素を介して水素に結合したケイ素原子を有するQ型基を指す。
「ペンダント」は、そこから延びることを意味する。したがって、ポリシロキサンのケイ素原子からペンダントする基は、ポリシロキサン中の任意のケイ素原子から延びる基である。ポリシロキサンのケイ素原子から拡張する「末端ペンダント」は、Mシロキサン単位のケイ素原子から延びる基である。
本発明のポリオルガノシロキサンは、その最も広い範囲において、それが含むシロキサン単位に関して限定されない。この点に関して、ポリオルガノシロキサンは、M、D、TおよびQシロキサン単位からなる群から選択される1つまたは2つ以上のシロキサン単位の任意の組み合わせを含むことができる。例えば、ポリオルガノシロキサンは、MおよびD単位を含むことができ、MおよびD単位以外のシロキサン単位を含まないことができる。代替例として、ポリオルガノシロキサンは、MおよびQ単位を含むことができ、MおよびQ単位以外のシロキサン単位を含まないことができる。さらに別の代替例として、ポリオルガノシロキサンは、M、DおよびT単位を含むことができ、M、DおよびT以外のシロキサン単位を含まないことができる。本発明のポリオルガノシロキサンは、ポリオルガノシロキサンの重量に基づいて、5重量パーセント(重量%)以上、好ましくは7.5重量%以上のケイ素原子を含有し、10重量%以上のケイ素原子を含むことができる。ポリオルガノシロキサンの構造が既知である場合、ポリオルガノシロキサンを構成する原子の分子量からポリオルガノシロキサン中のケイ素の重量%を決定する。ポリオルガノシロキサンの構造が既知でない場合、ケイ素の重量%は、以下の式を使用して決定することができる。
ケイ素重量%=100*(nsi*28.09)/Σi Z(ni*Mi)。
ケイ素重量%=100*(nsi*28.09)/Σi Z(ni*Mi)。
式中、nsiは、核磁気共鳴分光法技術、ゲル浸透クロマトグラフィー技術および/またはガスクロマトグラフィー/質量分析技術によって決定されるオルガノポリシロキサンの平均構造中のケイ素原子の数であり、定数28.09は、ケイ素の原子量(ダルトン単位)であり、niおよびMiは、オルガノポリシロキサンの平均構造中に存在する種iの原子数および種iの原子量(ダルトン単位)である。合計範囲は、合計がオルガノポリシロキサンの平均構造の総式量に等しくなるように、オルガノポリシロキサンの平均構造中に存在する特有の種の総数を含むものである。
好ましくは、無水物官能基および芳香族官能基の両方を含有しないケイ素原子から延びるペンダント基は、8つ以下の炭素を含有し、7つ以下、さらには6つ以下の炭素を含有することができる。
本発明のポリオルガノシロキサンは、無水物官能基および芳香族官能基の両方を有する。
無水物官能基は次の構造を有する:-C(=O)-O-C(=O)-。無水物官能基は、単結合した酸素およびカルボニル炭素が結合した原子の環の一部である環状無水物(例えば、無水マレイン酸)であってよく、望ましくは、環状無水物である。本発明の1つの望ましいポリオルガノシロキサンは、無水マレイン酸残部(すなわち、ビニル重合において炭素-炭素二重結合を反応させた後に残る無水マレイン酸分子の成分)を含む。
芳香族官能基は、環状構造の炭素(芳香環)の周りに非局在化したパイ電子を有する結合炭素の環状構造を有する炭化水素または置換炭化水素である。本明細書において、芳香族官能基および芳香環は交換可能である。フェニル基は、芳香族官能基の一例である。芳香族官能基は置換されていてもよく、芳香環を形成する炭素原子に結合してもよく、炭素原子からペンダントし得る部分を意味する。例えば、トリル基およびベンジル基は、芳香環を形成する炭素原子に結合し、炭素原子からペンダントするメチル基またはメチレン基を有する置換芳香族官能基の例である。望ましくは、芳香族官能基は単環式であり、これは、(例えば、2つの芳香族環を含むナフタレン基とは対照的に)芳香族官能基を形成する芳香環が1つだけ存在することを意味する。
芳香族官能基の炭素は、非芳香族炭素鎖によって無水物官能基のカルボニル基の炭素から分離されている。これは、無水物官能基のカルボニル基の炭素が、他の非芳香族炭素結合を介して直接的または間接的に、芳香族官能基の芳香環の炭素原子に結合している炭素に結合していることを意味する。例えば、無水マレイン酸の残部をベンジル基のメチレン炭素に結合させて、芳香族官能基の炭素から2つの炭素によって分離された無水物官能基のカルボニル炭素を有する部分を形成することができる。望ましくは、炭素鎖は1つ以上の非芳香族炭素であり、2つ以上の非芳香族炭素であり得るが、同時に、望ましくは、6つ以下の非芳香族炭素、5つ以下の非芳香族炭素、4つ以下の非芳香族炭素、3つ以下の非芳香族炭素、または、さらには2つ以下の非芳香族炭素である。芳香族官能基中の芳香族炭素を無水物官能基のカルボニル炭素から、好ましくはポリオルガノシロキサンを形成する反応物から予想される反応から分離する非芳香族炭素の数を決定する。さらに、または代替的に、13Cおよび1H核磁気共鳴(NMR)分析によって芳香族官能基を無水物官能基のカルボニル炭素から分離する炭素の数を決定する。
典型的には、無水物官能基および芳香族官能基は、ポリオルガノシロキサンの単一のケイ素原子から延びる同じペンダント基上にある。一般に、無水物官能基および芳香族官能基が、ポリオルガノシロキサンの単一のケイ素原子から延びる同じペンダント基上にある場合、芳香族官能基は、無水物官能基よりもペンダント部分に沿ってケイ素原子からより離れている。さらに、無水物官能基は、炭素鎖、好ましくは炭化水素鎖によって結合されているケイ素原子から分離することができる。典型的には、無水物官能基のケイ素原子と最も近いカルボニル炭素とを隔てる炭素鎖は、2つ以上の炭素、好ましくは3つ以上の炭素の長さを有するが、同時に、通常、8つ以下の炭素、7つ以下の炭素、6つ以下の炭素、5つ以下の炭素、4つ以下の炭素、または3つ以下の炭素である。
本発明のポリオルガノシロキサンは、無水物および芳香族官能基の両方を有するポリオルガノシロキサンを作製するための特定の反応プロセスを発見した結果である。このプロセスは、(a)(i)不飽和ポリオルガノシロキサン、(ii)不飽和無水物化合物、(iii)フリーラジカル開始剤および/または光開始剤、および(iv)溶媒を組み合わせることによって反応性組成物を形成すること、ならびに(b)フリーラジカル開始剤および/または光開始剤をトリガーすることによってフリーラジカル反応を開始させることを含む。驚くべきことに、このようなプロセスは、無水化合物と芳香族成分の両方をポリオルガノシロキサンに組み込むフリーラジカル反応をもたらすことが発見された。開始剤が芳香族である場合、それはフリーラジカル反応が開始する際に、ポリオルガノシロキサン上に結合することができる。一般に、反応は比較的低い開始剤濃度で行われるので、ポリオルガノシロキサンに組み込むことができるより高い濃度の芳香族分子を提供するために、芳香族溶媒がアルファ水素を有する芳香族溶媒中で反応を行うことが望ましい。溶媒のアルファ水素が除去されて、溶媒分子が他の成分上の不飽和基とのフリーラジカル反応に関与する(さらには開始する)ことを可能にするラジカルを生成すると考えられる。
不飽和ポリオルガノシロキサンは、典型的にはケイ素原子に結合した、1分子当たり平均して1つまたは2つ以上のペンダント不飽和基を含むポリオルガノシロキサンである。ペンダント不飽和基は、通常、6つ以下の炭素(例えば、ヘキセニル)、5つ以下の炭素、4つ以下の炭素、3つ以下の炭素(例えば、アリル)を含有し、2つ以下の炭素(ビニル基)を含有することができる。望ましくは、ペンダント不飽和基は末端不飽和アルケニル基であり、これは、対応するアルケン基からアルケニル基を形成するために水素原子が除去されたであろう場所から離れた炭素鎖の末端において、末端炭素と隣接炭素との間に炭素-炭素二重結合を有することを意味する。例えば、アリル基は末端不飽和アルケニル基である。誤解を避けるために述べると、ビニル基も末端不飽和アルケニル基とみなされる。望ましくは、ペンダント不飽和基は、ビニル、アリル、ヘキセニル基からなる群から選択され、より好ましくはビニルおよびアリル基であり、最も好ましくはビニルである。
不飽和ポリオルガノシロキサンは、その最も広い範囲において、それが含むシロキサン単位に関して限定されない。この点に関して、ポリオルガノシロキサンは、M、D、TおよびQシロキサン単位からなる群から選択される1つまたは2つ以上のシロキサン単位の任意の組み合わせを含むことができる。不飽和ポリオルガノシロキサンは、ポリオルガノシロキサンの重量に基づいて、5重量%以上、好ましくは7.5重量%以上、より好ましくは10重量%以上のケイ素原子を含有する。上述のようにポリオルガノシロキサン中のケイ素の重量%を決定する。好ましくは、ケイ素原子から延びるペンダント基は、8つ以下の炭素を含有し、7つ以下、さらには6つ以下の炭素を含有することができる。ポリオルガノシロキサンは、シラノール基を含んでも含まなくてもよく、典型的には、ポリオルガノシロキサン重量に基づいて、5重量%以下、好ましくは4重量%以下、3重量%以下、2重量%以下、さらには1重量%以下の濃度である。29Si NMRによってシラノール基の濃度を決定する。
好適な不飽和ポリオルガノシロキサンの例としては、ViMe2SiO1/2(Me2SiO1/2)aO1/2SiMe2Vi、ViMe2SiO1/2(MeViSiO1/2)bO1/2SiMe2Vi、Me3SiO1/2(MeViSiO1/2)bO1/2SiMe3、ViMe2SiO1/2(Me2SiO1/2)a(MeViSiO1/2)bO1/2SiMe2Vi、HexMe2SiO1/2(Me2SiO1/2)aO1/2SiMe2Hex、HexMe2SiO1/2(MeHexSiO1/2)bO1/2SiMe2Hex、Me3SiO1/2(MeHexSiO1/2)bO1/2SiMe3、およびHexMe2SiO1/2(Me2SiO1/2)a(MeHexSiO1/2)bO1/2SiMe2Hex、からなる群から選択される任意の1つまたは2つ以上のポリオルガノシロキサンの任意の組み合わせが挙げられ、式中、Me、ViおよびHexは、それぞれメチル、ビニルおよびヘキセニルを示し、aおよびbは、1分子当たりの関連シロキサン単位の平均数を示し、ポリオルガノシロキサンの粘度が、実施例に先立って以下に提示される粘度試験方法で測定した場合、摂氏25度(℃)で0.001パスカル*秒(Pa*s)以上かつ100,000Pa*s以下であるように選択される。
不飽和オルガノポリシロキサンは、組成物重量に基づいて、典型的には15重量%以上、好ましくは20重量%以上の濃度で存在し、同時に典型的には98重量%以下、より典型的には95重量%以下、90重量%以下、75重量%以下、さらには50重量%以下の濃度で存在する。固体分(溶媒を除く)において、不飽和オルガノポリシロキサンの量は、典型的には、組成物固体重量(溶媒を除く組成物)の30重量%以上、好ましくは60重量%以上、より好ましくは70重量%以上であり、同時に典型的には99重量%以下、好ましくは97重量%以下、より好ましくは93重量%以下である。
不飽和無水物化合物は、無水物官能基および炭素-炭素二重結合または三重結合の両方を有する。好適な不飽和無水物化合物の例としては、無水マレイン酸、置換無水マレイン酸、アルケニルコハク酸無水物、ポリイソブチレニルコハク酸無水物、シトラコン酸無水物、ブロモマレイン酸無水物、クロトン酸無水物、ジフェン酸無水物、イサト酸無水物、イタコン酸無水物、フェニルマレイン酸無水物、ナジック酸無水物、3-(ブタ-3-エニル)-1,2,3,6-テトラヒドロフタル酸無水物、およびシス-1,2,3,6-テトラヒドロフタル酸無水物、フェニルコハク酸無水物、ならびに架橋複素環構造を特徴とする不飽和無水物(例えば、CAS 6708-37-8などのビシクロオクテンジカルボン酸無水物、ビシクロ[2,2,2]オクト-7-エン-2,3,5,6-テトラカルボン酸二無水物(CAS 1719-83-1)などのビシクロオクテンテトラカルボン酸二無水物、CAS 55054-47-2などのエテノシクロブタベンゾフラン-トリオン、およびCAS 5650-01-1などのエテノシクロヘプタフラン-ジオン、ならびにそれらの異性体変異体)からなる群から選択される任意の1つまたは2つ以上の任意の組み合わせが挙げられる。望ましくは、不飽和無水物は、無水マレイン酸および置換無水マレイン酸から選択される。置換無水マレイン酸は、炭素-炭素二重結合の炭素上の1つまたは両方の水素原子が、炭化水素または置換炭化水素などの別の部分で置き換えられている無水マレイン酸である。望ましくは、反応性組成物は無水フタル酸を含まない。
不飽和無水物の量は、一般に、不飽和ポリオルガノシロキサン中のペンダントエチレン性不飽和基1モル当たり0.1モル以上、0.25モル以上、0.5モル以上の濃度で存在し、同時に、典型的には10モル以下、5モル以下、さらには1.5モル以下の濃度で存在する。
フリーラジカル開始剤は、例えば、ベンゾイルペルオキシド、tert-ブチルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、過酢酸、シクロヘキサノンペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、tert-ブチルペルオキシド、tert-ブチルヒドロペルオキシド、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2’-アゾジ(2-メチルブチロニトリル)(AMBN)、tert-アミルペルオキシベンゾエート、tert-ブチルペルアセテート、tert-ブチルペルオキシベンゾエート、tert-ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、クメンヒドロペルオキシドおよび過硫酸カリウムからなる群から選択される任意の1つまたは2つ以上の成分の組み合わせであり得る。フリーラジカル開始剤の量は、典型的には組成物の重量に基づいて0.01重量%以上であり、0.15重量%以上、さらには0.2重量%以上であってよく、同時に典型的には10重量%以下、好ましくは5重量%以下であり、3重量%以下であり得る。
光開始剤は、例えば、オニウム塩、ニトロベンジルスルホネートエステル、スルホン酸のジアリールヨードニウム塩、スルホン酸のトリアリールスルホニウム塩、ボロン酸のジアリールヨードニウム塩、ボロン酸のトリアリールスルホニウム塩、ビス-ジアリールヨードニウム塩(ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアルセナートおよびビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネートなど)、ジアルキルフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、スルホン酸のジアリールヨードニウム塩、スルホン酸のトリアリールスルホニウム塩、ボロン酸のジアリールヨードニウム塩、およびボロン酸のトリアリールスルホニウム塩からなる群から選択される任意の1つまたは2つ以上の任意の組み合わせであり得る。スルホン酸の好ましいジアリールヨードニウム塩は、ペルフルオロアルキルスルホン酸のジアリールヨードニウム塩およびアリールスルホン酸のジアリールヨードニウム塩から選択される。ペルフルオロアルキルスルホン酸の好ましいジアリールヨードニウム塩としては、ペルフルオロブタンスルホン酸のジアリールヨードニウム塩、ペルフルオロエタンスルホン酸のジアリールヨードニウム塩、ペルフルオロオクタンスルホン酸のジアリールヨードニウム塩、およびトリフルオロメタンスルホン酸のジアリールヨードニウム塩が挙げられる。アリールスルホン酸の好ましいジアリールヨードニウム塩としては、パラトルエンスルホン酸のジアリールヨードニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸のジアリールヨードニウム塩、ベンゼンスルホン酸のジアリールヨードニウム塩、および3-ニトロベンゼンスルホン酸のジアリールヨードニウム塩が挙げられる。スルホン酸の好ましいトリアリールスルホニウム塩は、ペルフルオロアルキルスルホン酸のトリアリールスルホニウム塩またはアリールスルホン酸のトリアリールスルホニウム塩から選択される。ペルフルオロアルキルスルホン酸の好ましいトリアリールスルホニウム塩としては、ペルフルオロブタンスルホン酸のトリアリールスルホニウム塩、ペルフルオロエタンスルホン酸のトリアリールスルホニウム塩、ペルフルオロオクタンスルホン酸のトリアリールスルホニウム塩、およびトリフルオロメタンスルホン酸のトリアリールスルホニウム塩が挙げられる。アリールスルホン酸の好ましいトリアリールスルホニウム塩としては、パラトルエンスルホン酸のトリアリールスルホニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸のトリアリールスルホニウム塩、ベンゼンスルホン酸のトリアリールスルホニウム塩、および3-ニトロベンゼンスルホン酸のトリアリールスルホニウム塩が挙げられる。ボロン酸の好ましいジアリールヨードニウム塩には、ペルハロアリールボロン酸のジアリールヨードニウム塩が含まれ、ボロン酸の好ましいトリアリールスルホニウム塩は、ペルハロアリールボロン酸のトリアリールスルホニウム塩である。
フリーラジカル開始剤および光開始剤の合計濃度は、不飽和ポリオルガノシロキサン、不飽和無水物および溶媒の合計重量に基づいて、典型的には0.01重量%以上、0.1重量%以上、0.15重量%以上、0.2重量%以上、0.4重量%以上、0.6重量%以上、0.8重量%以上、またはさらには1.0重量%以上であり、同時に典型的には10重量%以下、5重量%以下、または好ましくは4重量%以下である。
溶媒は、必須ではないが、反応性組成物の成分の少なくとも1つ、好ましくは全てを溶解する液体(25℃で)であることが望ましい。
望ましくは、溶媒は、アルファ水素原子を有する芳香族溶媒である。アルファ水素原子を有する芳香族溶媒は、その最も広い範囲において、非芳香族炭素に結合した水素を有する任意の芳香族溶媒であり、ここで非芳香族炭素は芳香環中の炭素に結合している。非芳香族炭素は、芳香環の構成要素ではないものである。アルファ水素を有する芳香族溶媒の例としては、トルエン、エチルベンゼン、1,2-ジメチルベンゼン(o-キシレン)、1,3-ジメチルベンゼン(m-キシレン)、1,4-ジメチルベンゼン(p-キシレン)、1,2,4-トリメチルベンゼン、1,3,5-トリメチルベンゼン、1,2,3-トリメチルベンゼン、およびこれらのいずれかの置換型からなる群から選択される任意の1つまたは2つ以上の組み合わせが挙げられる。好ましくは、芳香族溶媒は、トルエン、キシレンの異性体、およびこれらの組み合わせから選択される。
溶媒は、モレキュラーシーブ、シリカゲル、または他の化学乾燥剤と溶媒を接触させる、または乾燥不活性ガスでスパージするなどの一般的な乾燥手順によって、使用前に乾燥させることができる。
典型的には、溶媒の濃度は、組成物の重量に対して、5重量%以上、好ましくは10重量%以上であり、15重量%以上であってもよいが、同時に典型的には95重量%以下、90重量%以下、またはさらには60重量%以下である。
フリーラジカル開始剤および/または光開始剤をトリガーすることにより、反応性組成物の反応を開始して、本発明のポリオルガノシロキサンを形成する。トリガーにより、フリーラジカル開始剤および/または光開始剤がフリーラジカルを形成する。フリーラジカル開始剤および光開始剤をトリガーするための方法は、当該技術分野で既知である。多くの場合、フリーラジカル開始剤をトリガー温度よりも高い温度に加熱することにより、フリーラジカル開始剤がトリガーされ、光開始剤は、放射線トリガー光開始剤の特定のトリガー波長に曝露される。フリーラジカル開始剤にレドックス触媒を使用するなど、熱または照射なしで混合時にトリガーする多成分スキームも可能である。
本発明のポリオルガノシロキサンは、(a)無水物官能基および芳香族官能基を有するポリオルガノシロキサン、および(b)1分子当たり平均して少なくとも2つのケイ素結合アミンまたは2つのケイ素結合エポキシ基を含有するオルガノポリシロキサン、を含む硬化性組成物中の成分として特に有用である。望ましくは、硬化性組成物は、10以下、5以下、2以下、1.5以下、1.2以下、またはさらには1以下であると同時に、典型的には0.1以上、0.2以上、0.5以上、または0.7以上であるアミンまたはエポキシ基のいずれかに対する無水物官能基のモル比を含有する。
成分(b)は直鎖状、分岐状または樹脂状であることができる。アミン基およびエポキシ基は、典型的には2つ以上の炭素原子を有し、同時に一般に18個以下、さらには15個以下の炭素原子を有する。アミン基およびエポキシ基は、ケイ素原子からペンダントであり、末端ペンダント(Mシロキサン単位のケイ素原子から延びる)であり得る。
ペンダントであり得る好適なアミン基の例としては、3-アミノプロピル、2-アミノエチル、アミノメチル、6-アミノヘキシル、11-アミノウンデシル、3-(N-アリルアミノ)プロピル、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピル、N-(2-アミノエチル)-3-アミノイソブチル、p-アミノフェニル、2-エチルピリジン、および3-プロピルピロール基などの一価アミン基が挙げられる。いくつかの実施形態では、アミン基は、ビス(2-ヒドロキシエチル)-3-アミノプロピル、N,N-ジメチル-3-アミノプロピル、N,N-ジエチル-3-アミノプロピル、およびN,N-ジエチルアミノメチルなどの第三級アミン基から選択され得る。いくつかの実施形態では、アミン基は、式R’-(NH-A’)q-NH-A-を有するアミノアルキル基から選択されてよく、式中、AおよびA’は、各々独立して、1~6個の炭素原子を有し、任意でエーテル結合を含有する直鎖状または分枝鎖状のアルキレン基であり、q=0~4であり、R’は、水素または1~4個の炭素原子を有するアルキルまたはヒドロキシアルキル基である。このようなアミノアルキル基の例としては、これらに限定されないが、-(CH2)3NH2、-(CH2)4NH2、-(CH2)3NH(CH2)2NH2、-CH2CH(CH3)CH2NH(CH2)2NH2、-(CH2)3NHCH2CH2NH(CH2)2NH2、-CH2CH(CH3)CH2NH(CH2)3NH2、-(CH2)3NH(CH2)4NH2、および-(CH2)3O(CH2)2NH2が挙げられる。
ペンダントであり得る好適なエポキシ基の例としては、これらのエポキシ基がケイ素原子に直接結合しないように、エポキシ基がアルキレン基を介してケイ素原子に結合している例が挙げられる。これらの基は、3-(グリシドキシ)プロピル基、2-(グリシドキシカルボニル)プロピル基、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチル基、および2-(4-メチル-3,4-エポキシシクロヘキシル)プロピル基によって例示される。エポキシ基のさらなる例としては、エポキシ基が含まれる上記のような任意のC1~15有機基が挙げられる。例えば、2,3-エポキシプロピルまたは2,3-エポキシプロポキシ基は、好適なエポキシ官能基であり得る。
硬化性組成物は、上述したものに加えて、安定剤、補強充填剤、増量充填剤、シロキサン樹脂、シランカップリング剤、顔料、染料、接着促進剤、硬化触媒、促進剤および抑制剤からなる群から選択されるものを含む任意の1つの成分または2つ以上の成分の組み合わせを含むか、または含まないことができる。
特性評価試験方法
以下の試験方法を使用して材料の特性評価を行う。
以下の試験方法を使用して材料の特性評価を行う。
分子量。ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により、数平均分子量(Mn)と多分散性(Mw/Mn)を決定する。1ミリリットル当たり10ミリグラムの濃度でテトラヒドロフラン中に試料を調製し、時折振盪しながら1時間溶媒和させ、分析前に0.45マイクロメートルのポリテトラフルオロエチレンシリンジフィルターで濾過する。100マイクロリットルの注入量を使用し、25分間データを収集する。クロマトグラフィー装置は、Waters 2695分離モジュールおよびWaters 2410示差屈折計である。PLgel 5マイクロメーターガードカラム(50ミリメートルx7.5ミリメートル)が提供する2つの(300ミリメートル×7.5ミリメートル)Polymer Laboratories PLgel 5マイクロメーターMixed-Cカラム(分子量分離範囲200~2,000,000)を使用する。溶離液として毎分1.0ミリリットルで流れる認証格子テトラヒドロフランを使用して分析を行い、カラムおよび検出器を35℃に維持する。ThermoLabsystems Atlas 8.3クロマトグラフィーソフトウェアおよびPolymer Laboratories Cirrus 2.0 GPCソフトウェアを使用してデータ収集および分析を行う。1モル当たり580~2,300,000グラムの分子量範囲をカバーするポリスチレン標準を使用して作成された3次多項式較正曲線に対する分子量平均を決定する。
減衰全反射赤外線(ATR-IR)分光法。セレン化亜鉛結晶を有するSmart Miracle付属品を備えたNicolet 6700フーリエ変換赤外(FTIR)分光計を使用して23℃で試料を試験する。32回のスキャンの取得を通して結晶の完全な被覆を確実にするために、2滴の試料を結晶上に置くことによって液体試料を試験する。固体試料を結晶と接触させて置くことによって固体試料を試験する。スペクトル品質をプレビューすることで決定する際、信号対雑音比を最大にするために、完全な結晶接触を確立するために接触圧を最小に保つ。
粘度。試料の粘度を、Anton Paar MCR-301コーンプレートレオメーター(25ミリメートル直径のコーンを1.988°の角度で有し、104マイクロメートルの切頭を有する)で決定する。溶媒が存在する全ての反応生成物について、最初に、試験前に溶媒を除去するために対流式オーブン中150℃で2時間、アルミニウム秤量皿中で少量の試料を乾燥させる。1桁当たり5つのデータ点の間隔で、せん断速度を1秒当たり0.1から500(s-1)まで徐々に増加させ、次いで500から0.1s-1まで減少させながら、所与の温度についてのせん断粘度データを測定して、ヒステリシスを評価する。定常状態の粘度を確実に達成するために、各データ点の時間間隔は10秒である。試料は、この範囲にわたってせん断速度依存性がほとんどないため、25℃でのゼロせん断粘度は、低粘度対照試料であっても良好な信号対雑音比が存在する10s-1での値である。乾燥した圧縮空気の穏やかな掃引でパージされ、ツールの熱膨張を自動的に補正するペルチェ加熱装置を使用して、毎分5℃の速度で25℃~150℃の熱傾斜を使用して、粘度の温度依存性をプローブする。10s-1のせん断速度で、約4℃の間隔で点を測定する。150℃達したら傾斜を逆転させ、毎分5℃の同じ速度で冷却しながら測定を繰り返してヒステリシスについて試験する。
核磁気共鳴スペクトル法(NMR)。
1H NMR分光法では、約740ミリグラムの試料を3グラムの重水素化クロロホルムに溶解することによって試料を調製する。必要に応じて、内部参照として0.2重量%の乾燥アセトニトリルを含める。溶液をボルテックスミキサーで混合し、1グラムの溶液を5ミリメートルのガラス製プロトンNMRチューブおよびキャップに移す。全NMR分析は、Varian 7600AS NMR オートサンプラを備えたAgilent Technologies 400メガヘルツNMR分光計を25℃で使用する。
1H NMR分光法では、約740ミリグラムの試料を3グラムの重水素化クロロホルムに溶解することによって試料を調製する。必要に応じて、内部参照として0.2重量%の乾燥アセトニトリルを含める。溶液をボルテックスミキサーで混合し、1グラムの溶液を5ミリメートルのガラス製プロトンNMRチューブおよびキャップに移す。全NMR分析は、Varian 7600AS NMR オートサンプラを備えたAgilent Technologies 400メガヘルツNMR分光計を25℃で使用する。
13C NMR分光法および29Si NMR分光法では、約740ミリグラムの試料を3グラムの重水素化クロロホルムに溶解させることによって試料を調製する。得られた溶液2グラムを重水素化クロロホルム中の60体積パーセントの0.02モルCr(acac)3と混合し、Mercury400メガヘルツNMR分光計を使用して、15ミリメートルのケイ素非含有Wilmadポリテトラフルオロエチレン管を使用して分析する。緩和時間は13秒であり、積算回数は256である。
ACD Spectrus Process 2015の手動積分機能を使用して、均一な位相、内部参照およびベースライン補正手順を適用した後に、シリーズ内のスペクトル間の一定の積分限界で、全NMRスペクトルの定量を行う。1 H NMRを使用して、未反応(t=0)試料中のSi-CH=CH2トリプレット(5.75、5.93、6.12ppmm)の正規化積分値を様々な時間で得られた反応生成物と比較することによるか、または29 Si NMRにより、MVi(-4ppmm)およびDVi(-36ppmm)領域中の積分ピークを類似の方法で使用して、ビニルの変換率を決定する。
不揮発性含有量(NVC)。正確な初期重量(Wi)を決定するために、4桁天秤上、予め風袋を計った清浄なアルミニウム皿中に2グラムの試料を置く。(a)150℃で2時間の強制対流式オーブン(強制空気乾燥)、または(b)10トール(水銀柱10ミリメートル)未満の圧力の完全真空下で90℃で2時間の真空オーブン(真空乾燥)のいずれかに試料を置く。試料を周囲温度に冷却し、最終重量(Wf)を測定する。以下の式を使用してNVCを決定する。
NVC(重量%)=(1-(Wi-Wf)/(Wi))*100%
NVC(重量%)=(1-(Wi-Wf)/(Wi))*100%
水蒸気収着法。強制空気対流式オーブン中、150℃で2時間乾燥させた試料6~10ミリグラムを、蒸気収着分析装置(TA Instruments VTI-SA+)中の微量天秤に載せる。80℃で3時間の乾燥ステップを最初に受けた後、20℃または40℃の一定温度で、0.05~0.90(5%~90%相対湿度)の範囲内の飽和に対する様々な水蒸気の分圧を生成するために脱イオン水で充填された加熱溶媒セル上で窒素ガス流を掃引することによって生成された乾燥窒素ガス流および湿潤水蒸気流の制御された混合物に試料を曝露する。乾燥工程後、相対圧力(RP)を0.02、0.2、0.4、0.6、0.8(40℃等温線の場合)および0.9(20℃等温線の場合)で2時間間隔で等温的に増加させて、各相対圧力での水の経時的(非平衡)取り込み重量を測定して、吸着プロファイルを記録する。直ちに、その最大相対圧力工程から0.6、0.4、0.2および0.02の相対圧力で2時間間隔で試料を戻し、一時的な水の取り込み重量を測定して脱着プロファイルを記録する。相対圧力での吸着および脱着曲線間の水の取り込み重量の差を計算して、試料によって示されるヒステリシスの程度の推定値を得る。ヒステリシスは、試料中に存在するグラフト化無水物官能基の加水分解に起因する。
ガスクロマトグラフ(GC)-質量分析計(MS)分析。GC分析には、DB-5カラムを備えたThermotrace 1310ガスクロマトグラフを使用し、注入器温度は275℃、熱勾配:(35℃で2分間保持、毎分10℃で300℃まで上昇させ、2分間保持)、MS移送ライン温度:(MS-280℃、GC1-280℃、GC2-280℃)、液体注入、注入量0.1マイクロリットル、スプリット比50、流量1.00ミリリットル/分である。MS分析にはThermo GC-Qexactive装置を使用し、スキャンタイプはフルスキャンとdd生成物イオンスキャン(ddスキャンはClのみ)であり、イオン化タイプはEl、Cl(純粋アンモニアガス)、50~700m/zスキャン範囲、60000分解能、プロファイルスペクトルデータタイプ、1E6 AGCターゲット、100ミリ秒の最大注入時間、1.5ミリリットル/分の試薬ガス流、70eV(EI)120eV(CI)エネルギーおよび2.0分または8.0分のフィラメントオンディレイである。
表1は、以下の実施例(Ex)および比較例(Comp Ex)において使用するためのポリマーを示している。テトラヒドロフラン、HPLCグレード(THF)、重水素化クロロホルム(CDCl3)、過酸化ベンゾイル(BPO)、無水マレイン酸(MA)、塩化メチレン、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、および2,2’-アゾジ(2-メチルブチロニトリル(AMBN(Vazo 67))は、Sigma-Aldrichから入手できる。無水トルエンおよびメタ-キシレン(m-キシレン)は、Acros製である。メチルメチルイソブチルケトン(MIBK)、パラ-キシレン(p-キシレン)およびメチルエチルケトン(MEK)は、MilliporeSigmaから入手できる。
実施例1~2:小さなポリシロキサン(MMvi)
実施例1。MMvi(0.50g、2.9ミリモル)とMA(0.28g、2.9ミリモル)を合わせ、クロロベンゼン(6.0g)中で60℃に加熱する。0.07gのBPOを加え、撹拌しながら120℃で30分間加熱する。120℃で90分間保持し、次いで冷却する。反応混合物を窒素流下で乾燥させて揮発性物質と溶媒を除去し、ジクロロメタン中でほぼ同じ溶媒レベルに再構成する。GC-MS分析のためにオートサンプラートレイに装填する。クロマトグラフは、質量スペクトルに基づいてシロキサン含有種について以下のそれぞれの帰属可能な構造に対応する正確な質量を有する主ピークおよび副ピークを示す。
主生成物:
副生成物:
実施例1。MMvi(0.50g、2.9ミリモル)とMA(0.28g、2.9ミリモル)を合わせ、クロロベンゼン(6.0g)中で60℃に加熱する。0.07gのBPOを加え、撹拌しながら120℃で30分間加熱する。120℃で90分間保持し、次いで冷却する。反応混合物を窒素流下で乾燥させて揮発性物質と溶媒を除去し、ジクロロメタン中でほぼ同じ溶媒レベルに再構成する。GC-MS分析のためにオートサンプラートレイに装填する。クロマトグラフは、質量スペクトルに基づいてシロキサン含有種について以下のそれぞれの帰属可能な構造に対応する正確な質量を有する主ピークおよび副ピークを示す。
主生成物:
実施例2。6.0gのクロロベンゼンの代わりに6.0gのパラキシレンを使用することを除いて、実施例1を繰り返す。GC-MS分析により、2つの主生成物と2つの副生成物があることが分かる。
主生成物:
副生成物:
主生成物:
比較例Aおよび実施例3~4:Vi-PDMS1反応
比較例A:非芳香族溶媒中にMAを含むVi-PDMS1。500ミリリットル(mL)の三つ口バッフル付きフラスコ、オーバーヘッド撹拌機、熱電対および温度コントローラ、窒素入口および窒素出口バブラーを備えた反応器アセンブリを準備する。フラスコをオーブンで乾燥させる。窒素下でフラスコに200gのVi-PDMS1を加え、60℃に加熱しながら1時間パージする。2.04gのMAおよび8gのMIBK、続いて4.24gのBPOを加え、撹拌速度を毎分500回転に増加させる。反応混合物は加熱され、粘度が増加し、15分で118℃に達する。反応混合物は17分で完全にゲル化する。この結果は、MAおよびVi-PDMS1のみで架橋反応が起こることを示す。
比較例A:非芳香族溶媒中にMAを含むVi-PDMS1。500ミリリットル(mL)の三つ口バッフル付きフラスコ、オーバーヘッド撹拌機、熱電対および温度コントローラ、窒素入口および窒素出口バブラーを備えた反応器アセンブリを準備する。フラスコをオーブンで乾燥させる。窒素下でフラスコに200gのVi-PDMS1を加え、60℃に加熱しながら1時間パージする。2.04gのMAおよび8gのMIBK、続いて4.24gのBPOを加え、撹拌速度を毎分500回転に増加させる。反応混合物は加熱され、粘度が増加し、15分で118℃に達する。反応混合物は17分で完全にゲル化する。この結果は、MAおよびVi-PDMS1のみで架橋反応が起こることを示す。
実施例3:p-キシレン中にMAを含むVi-PDMS1。500ミリリットル(mL)の三つ口バッフル付きフラスコ、オーバーヘッド撹拌機、熱電対および温度コントローラ、窒素入口および窒素出口バブラーを備えた反応器アセンブリを準備する。フラスコをオーブンで乾燥させる。窒素下で60.0gのVi-PDMS1をフラスコに加え、60℃に加熱しながら1時間パージする。1.23gのMAおよび140gのp-キシレンを加え、毎分300回転で撹拌しながら混合物を均質化する。1.21gのBPOを加え、毎分500回転まで撹拌速度を増加させる。混合物を120℃に加熱し、その温度で90分間保持し、次いで室温に冷却する。真空下でロータリーエバポレーターを使用して、p-キシレンの大部分を除去する。生成物を乾燥した125mLガラス瓶に移し、110℃の乾燥窒素流下でさらに乾燥させる。
1H NMRは、生成物分布が50%のキシリル-MAH付加物(MMvi残部の代わりにVi-PDMS1残部を有することを除いて、実施例2からの主生成物(a)と同様である)、44%の残留ビニルおよび約6%の未帰属生成物であることを示す。変換率は、親Vi-PDMS1上のSiMe2プロトンの積分に対するものである。
実施例4:トルエン中ニMAを含むVi-PDMS1。80℃のオーブンで焼成した清浄で乾燥した500mLの丸底三つ口バッフル付きフラスコに、199.4gの乾燥トルエン、40.0gのVi-PDMS1および10.93gのMAを加える。フラスコに水冷還流凝縮器を取り付ける。わずかな正圧を維持するのに十分なだけの乾燥窒素流で反応器のヘッドスペースをパージする。内容物をポリテトラフルオロエチレンブレードで毎分150回転で撹拌する。反応混合物中に浸漬した二重独立K型熱電対で反応溶液の温度を監視する。内容物を70℃に加熱してMAを完全に溶解させる。反応混合物の試料203mLを取り出す。フラスコに8.44gのBPOを加える。反応混合物を110℃で加熱還流し、反応溶液の試料を定期的に採取しながら3時間維持する。窒素パージを維持しながら、溶液を25℃に冷却する。分子量についてGPC、ATR-IR、レオメトリーおよびNMRによって最終試料を評価する。結果を表2においてViPDMS1単独の結果と比較する。反応生成物の乾燥フィルムを用いて、ガラススライドの数滴の試料をホットエアガンで加熱し、そのフィルムをIR結晶に接触させて赤外分析を行う。IR結果を、塩化メチレンに溶解したニートMAの参照試料と比較し、結果を表3に示す。
表3の結果は、MA試薬およびVi-PDMS1試薬の両方からビニル基が失われ、MAのグラフト化と一致する相当量の-C=O基が組み込まれていることを示している。この結果は、数平均分子量および分子量分布多分散度指数の十分に制御されたシフト、および粘度の不均衡に大きい3400倍の増加を示す表2の結果とあわせて、MR基の形成を伴うM(vi)基の消失の証拠である29Siによって、ビニル官能性シロキサンの構造と特性の有意な変更が、本発明の組成による無水マレイン酸とアリール官能化によって達成されることを示している。
実施例5:m-キシレン中にMAを含むVi-PDMS1
80℃のオーブンで焼成した清浄で乾燥した250mLの丸底三つ口バッフル付きフラスコに、64.99gの乾燥m-キシレン、35.00gのVi-PDMS1および9.723gのMAを加える。フラスコに水冷還流凝縮器を取り付ける。わずかな正圧を維持するのに十分なだけの乾燥窒素流で反応器のヘッドスペースをパージする。内容物をポリテトラフルオロエチレンブレードで毎分150回転(rpm)で撹拌する。反応混合物中に浸漬した二重独立K型熱電対で反応溶液の温度を監視する。内容物を60℃に加熱してMAを完全に溶解させる。反応混合物の試料6.65mLを取り出す。フラスコに2.239gのBPOを加え、撹拌速度を200rpmに上げる。反応混合物を120℃で加熱還流し、反応溶液の試料を定期的に採取しながら2時間維持する。窒素パージを維持しながら、溶液を25℃に冷却する。分子量についてGPC、レオメトリーおよび水蒸気吸着分析によって最終試料を評価する。得られた生成物をロータリーエバポレーター中150℃でストリッピングして、溶媒を除去した。得られた乾燥した反応生成物は、25℃で11350mPa*sのゼロせん断粘度を有する粘性液体であり、これは、Vi-PDMS1出発材料の粘度(2mPa*s)よりも著しく高かった。留意すべきことに、このVi-PDMS1は、実施例3、実施例4および比較例Aで使用されたものと同じ組成を有するが、異なるバッチのものである。粘度および分子量分布の差は、Vi-PDMS1におけるバッチ間の変動を反映している。粘度が大幅に上昇したにもかかわらず、GPCは、Mnシフトがはるかに穏やかであり、1410Da(Vi-PDMS1の869Daから)に増加し、Mw/Mnは2.3(Vi-PDMS1の1.5から)に増加することを示していた。40℃で水蒸気収着およびヒステリシスを測定する。乾燥した反応生成物は、0.8RPおよび40℃で1.539重量%の水蒸気吸着(重量%)を有し、吸着工程と脱着工程との間に有意なヒステリシスを示した。対照的に、未反応のVi-PDMS1出発材料は、はるかに少ない水吸着(0.8RPおよび40℃で0.099重量%)を示し、有意なヒステリシスを示さなかった。これらの特性評価の結果によって、V-PDMS1の本発明のポリマーへの官能化の成功が確認される。
80℃のオーブンで焼成した清浄で乾燥した250mLの丸底三つ口バッフル付きフラスコに、64.99gの乾燥m-キシレン、35.00gのVi-PDMS1および9.723gのMAを加える。フラスコに水冷還流凝縮器を取り付ける。わずかな正圧を維持するのに十分なだけの乾燥窒素流で反応器のヘッドスペースをパージする。内容物をポリテトラフルオロエチレンブレードで毎分150回転(rpm)で撹拌する。反応混合物中に浸漬した二重独立K型熱電対で反応溶液の温度を監視する。内容物を60℃に加熱してMAを完全に溶解させる。反応混合物の試料6.65mLを取り出す。フラスコに2.239gのBPOを加え、撹拌速度を200rpmに上げる。反応混合物を120℃で加熱還流し、反応溶液の試料を定期的に採取しながら2時間維持する。窒素パージを維持しながら、溶液を25℃に冷却する。分子量についてGPC、レオメトリーおよび水蒸気吸着分析によって最終試料を評価する。得られた生成物をロータリーエバポレーター中150℃でストリッピングして、溶媒を除去した。得られた乾燥した反応生成物は、25℃で11350mPa*sのゼロせん断粘度を有する粘性液体であり、これは、Vi-PDMS1出発材料の粘度(2mPa*s)よりも著しく高かった。留意すべきことに、このVi-PDMS1は、実施例3、実施例4および比較例Aで使用されたものと同じ組成を有するが、異なるバッチのものである。粘度および分子量分布の差は、Vi-PDMS1におけるバッチ間の変動を反映している。粘度が大幅に上昇したにもかかわらず、GPCは、Mnシフトがはるかに穏やかであり、1410Da(Vi-PDMS1の869Daから)に増加し、Mw/Mnは2.3(Vi-PDMS1の1.5から)に増加することを示していた。40℃で水蒸気収着およびヒステリシスを測定する。乾燥した反応生成物は、0.8RPおよび40℃で1.539重量%の水蒸気吸着(重量%)を有し、吸着工程と脱着工程との間に有意なヒステリシスを示した。対照的に、未反応のVi-PDMS1出発材料は、はるかに少ない水吸着(0.8RPおよび40℃で0.099重量%)を示し、有意なヒステリシスを示さなかった。これらの特性評価の結果によって、V-PDMS1の本発明のポリマーへの官能化の成功が確認される。
実施例6:MA:低減したビニル比を有するm-キシレン中にMAを含むVi-PDMS1。
80℃のオーブンで焼成した清浄で乾燥した250mLの丸底三つ口バッフル付きフラスコに、65.04gの乾燥m-キシレン、35.01gのVi-PDMS1、およびより低いMAグラフト化レベルを目標とするために実施例29で使用したVi-PDMS3中に存在するMA:ビニル基のモル比の半分に相当する4.972gのMAを加える。フラスコに水冷還流凝縮器を取り付ける。わずかな正圧を維持するのに十分なだけの乾燥窒素流で反応器のヘッドスペースをパージする。内容物をポリテトラフルオロエチレンブレードで毎分150回転で撹拌する。反応混合物中に浸漬した二重独立K型熱電対で反応溶液の温度を監視する。内容物を60℃に加熱してMAを完全に溶解させる。反応混合物の試料6.65mLを取り出す。フラスコに2.146gのBPOを加え、撹拌速度を200rpmに上げる。反応混合物を120℃で加熱還流し、反応溶液の試料を定期的に採取しながら2時間維持する。窒素パージを維持しながら、溶液を25℃に冷却する。分子量についてGPC、レオメトリーおよび水蒸気吸着分析によって最終試料を評価する。得られた生成物をロータリーエバポレーター中150℃でストリッピングして、溶媒を除去した。得られた乾燥した反応生成物は、25℃で1424mPa*sのゼロせん断粘度を有する粘性液体であり、これは、Vi-PDMS1出発材料の粘度(2mPa*s)よりも著しく高いが、実施例5の粘度よりは低かった。留意すべきことに、このVi-PDMS1は、実施例5で使用されたもの同じバッチである。粘度および分子量分布の差は、Vi-PDMS1におけるバッチ間の変動を反映している。粘度が上昇したにもかかわらず、GPCは、Mnシフトがはるかに穏やかであり、1370Da(Vi-PDMS1の869Daから)に増加し、Mw/Mnは2.15(Vi-PDMS1の1.5から)に増加することを示していた。40℃で水蒸気収着およびヒステリシスを測定する。乾燥した反応生成物は、0.8RPおよび40℃で0.878重量%の水蒸気吸着(重量%)を有し、吸着工程と脱着工程との間に有意なヒステリシスを示した。対照的に、未反応のVi-PDMS1出発材料は、はるかに少ない水吸着(0.8RPおよび40℃で0.099重量%)を示し、有意なヒステリシスを示さなかった。水蒸気吸着レベルは、実施例29のものと未反応のVi-PDMS1試料との間の中間であり、MA基のグラフト化レベルの予想される低下と一致する。これらの特性評価の結果によって、本発明のポリマーへのVi-PDMS1の成功した官能化が確認され、さらに、不飽和ポリオルガノシロキサン上に存在するMA:ビニル基のモル比を調整することによって官能化のレベルを制御する本発明の方法の能力を実証する。
80℃のオーブンで焼成した清浄で乾燥した250mLの丸底三つ口バッフル付きフラスコに、65.04gの乾燥m-キシレン、35.01gのVi-PDMS1、およびより低いMAグラフト化レベルを目標とするために実施例29で使用したVi-PDMS3中に存在するMA:ビニル基のモル比の半分に相当する4.972gのMAを加える。フラスコに水冷還流凝縮器を取り付ける。わずかな正圧を維持するのに十分なだけの乾燥窒素流で反応器のヘッドスペースをパージする。内容物をポリテトラフルオロエチレンブレードで毎分150回転で撹拌する。反応混合物中に浸漬した二重独立K型熱電対で反応溶液の温度を監視する。内容物を60℃に加熱してMAを完全に溶解させる。反応混合物の試料6.65mLを取り出す。フラスコに2.146gのBPOを加え、撹拌速度を200rpmに上げる。反応混合物を120℃で加熱還流し、反応溶液の試料を定期的に採取しながら2時間維持する。窒素パージを維持しながら、溶液を25℃に冷却する。分子量についてGPC、レオメトリーおよび水蒸気吸着分析によって最終試料を評価する。得られた生成物をロータリーエバポレーター中150℃でストリッピングして、溶媒を除去した。得られた乾燥した反応生成物は、25℃で1424mPa*sのゼロせん断粘度を有する粘性液体であり、これは、Vi-PDMS1出発材料の粘度(2mPa*s)よりも著しく高いが、実施例5の粘度よりは低かった。留意すべきことに、このVi-PDMS1は、実施例5で使用されたもの同じバッチである。粘度および分子量分布の差は、Vi-PDMS1におけるバッチ間の変動を反映している。粘度が上昇したにもかかわらず、GPCは、Mnシフトがはるかに穏やかであり、1370Da(Vi-PDMS1の869Daから)に増加し、Mw/Mnは2.15(Vi-PDMS1の1.5から)に増加することを示していた。40℃で水蒸気収着およびヒステリシスを測定する。乾燥した反応生成物は、0.8RPおよび40℃で0.878重量%の水蒸気吸着(重量%)を有し、吸着工程と脱着工程との間に有意なヒステリシスを示した。対照的に、未反応のVi-PDMS1出発材料は、はるかに少ない水吸着(0.8RPおよび40℃で0.099重量%)を示し、有意なヒステリシスを示さなかった。水蒸気吸着レベルは、実施例29のものと未反応のVi-PDMS1試料との間の中間であり、MA基のグラフト化レベルの予想される低下と一致する。これらの特性評価の結果によって、本発明のポリマーへのVi-PDMS1の成功した官能化が確認され、さらに、不飽和ポリオルガノシロキサン上に存在するMA:ビニル基のモル比を調整することによって官能化のレベルを制御する本発明の方法の能力を実証する。
比較例Bおよび実施例7:Vi-PDMS2反応
実施例7:MAおよびm-キシレンを含むVi-PDMS2。80℃のオーブンで焼成した清浄で乾燥した250mLの丸底三つ口バッフル付きフラスコに、80.0gの乾燥m-キシレン、20.0gのVi-PDMS2および0.855gのMAを加える。フラスコに水冷還流凝縮器を取り付ける。わずかな正圧を維持する少量の乾燥窒素流で反応器のヘッドスペースをパージする。内容物をポリテトラフルオロエチレンブレード撹拌機で毎分150回転で撹拌する。反応混合物に浸漬したK型熱電対で温度を監視する。フラスコの内容物を60℃に加熱して、MAを溶解させる。試料混合物を2~3mL取り出し、次いで1.05gのBPOを加える。内容物を120℃に加熱し、その温度で4時間維持しながら、試験試料溶液の2~3mLを定期的に採取する。熱を遮断し、窒素パージを維持しながら25℃に冷却する。GPC、ATR-IR、レオメトリーおよびNMRによって最後の試験試料を特性評価する。結果を表4に示す。また、NVCによって最後の試験試料を特性評価し、結果をVi-PDMS2と比較し、結果を表5に示す。
実施例7:MAおよびm-キシレンを含むVi-PDMS2。80℃のオーブンで焼成した清浄で乾燥した250mLの丸底三つ口バッフル付きフラスコに、80.0gの乾燥m-キシレン、20.0gのVi-PDMS2および0.855gのMAを加える。フラスコに水冷還流凝縮器を取り付ける。わずかな正圧を維持する少量の乾燥窒素流で反応器のヘッドスペースをパージする。内容物をポリテトラフルオロエチレンブレード撹拌機で毎分150回転で撹拌する。反応混合物に浸漬したK型熱電対で温度を監視する。フラスコの内容物を60℃に加熱して、MAを溶解させる。試料混合物を2~3mL取り出し、次いで1.05gのBPOを加える。内容物を120℃に加熱し、その温度で4時間維持しながら、試験試料溶液の2~3mLを定期的に採取する。熱を遮断し、窒素パージを維持しながら25℃に冷却する。GPC、ATR-IR、レオメトリーおよびNMRによって最後の試験試料を特性評価する。結果を表4に示す。また、NVCによって最後の試験試料を特性評価し、結果をVi-PDMS2と比較し、結果を表5に示す。
比較例B:MAを含まないm-キシレン中のVi-PDMS2。MAを含まない場合を除き、実施例7を繰り返す。得られた試料を乾燥させ、レオメトリーによって特性評価する。BPOの存在下で110℃で4時間加熱したにもかかわらず、得られた試料は、未反応のVi-PDMS2に対して有意な粘度増加を示さなかった。これは、未反応のVi-PDMS2出発材料に対して2.5%未満の差を表す、25℃で423mPa*sおよび150℃で84.5mPa*sの粘度を有するニュートン挙動を示すレオメトリーによって確認される。これは、反応の過程にわたって分子量または分子量の多分散性指数の有意な変化がないことを示すGPC分子量分析と一致する。
実施例7のIRは、Vi-PDMS2には存在しない1786cm-1での無水マレイン酸の取り込みに関連する-C=O伸縮ピークの取り込みを示している。GC-MSは、遊離MAが乾燥条件で除去されるため、無水物ピークを考慮しないので、ポリマー生成物に取り込まれるのは無水物であることを示している。本発明の生成物の形成のさらなる証拠には、25℃での6倍の粘度増加、Vi-PDMS2に対するM(vi)およびD(vi)基の消失のNMR証拠が含まれる。表5のNVCデータによって、実施例7における無水物官能基の存在がさらに確認される。
実施例8~14:分岐状ポリシロキサン(樹脂)の使用
実施例8。80℃のオーブンで焼成した清浄で乾燥した500mLのモルトン型の丸底四つ口バッフル付きフラスコに、180.0gの乾燥トルエン、20.0gのVi-MQ1および1.38gのMAを加える。フラスコに水冷還流凝縮器を取り付け、ヘッドスペースを窒素流でパージしてわずかな圧力を生じさせる。フラスコの内容物をポリテトラフルオロエチレンブレードで毎分200回転で撹拌する。Cole-Parmerデジタルプログラム可能温度コントローラに接続されたK型熱電対で温度を監視し、維持する。フラスコの内容物を60℃に加熱してmAを溶解させ、次いで2~3mLの試料を除去する。8.06gのBPOを加える。2~3mLの試料を定期的に採取しながら、4時間加熱還流する(トルエン溶媒を使用する場合は110℃、m-キシレン溶媒を使用する場合は120℃)。窒素パージを維持しながら、フラスコの全ての内容物を25℃まで冷却する。上記の特性評価試験に従って最終試料を特性評価する。
実施例8。80℃のオーブンで焼成した清浄で乾燥した500mLのモルトン型の丸底四つ口バッフル付きフラスコに、180.0gの乾燥トルエン、20.0gのVi-MQ1および1.38gのMAを加える。フラスコに水冷還流凝縮器を取り付け、ヘッドスペースを窒素流でパージしてわずかな圧力を生じさせる。フラスコの内容物をポリテトラフルオロエチレンブレードで毎分200回転で撹拌する。Cole-Parmerデジタルプログラム可能温度コントローラに接続されたK型熱電対で温度を監視し、維持する。フラスコの内容物を60℃に加熱してmAを溶解させ、次いで2~3mLの試料を除去する。8.06gのBPOを加える。2~3mLの試料を定期的に採取しながら、4時間加熱還流する(トルエン溶媒を使用する場合は110℃、m-キシレン溶媒を使用する場合は120℃)。窒素パージを維持しながら、フラスコの全ての内容物を25℃まで冷却する。上記の特性評価試験に従って最終試料を特性評価する。
実施例9~13。250mLのモルトン型の丸底四つ口バッフル付きフラスコ内で、表6に記載される量の反応物を使用して実施例8を繰り返す。
表7は、実施例8~14についての分子量および%Mvi変換率(1H NMRによる)を示す。結果は、本発明のポリオルガノシロキサンの形成と一致して、Mviが消費され、架橋またはゲル化せずに分子量がわずかに増加することを示している。
実施例15~21のMnの変化および水蒸気収着の増加は、表8のデータから明らかなように、本発明による置換ポリオルガノシロキサンの形成と一致する。
さらに、実施例8~21の初期ポリマーは加熱時に膜を形成しないが、反応生成物は加熱後に膜を形成し、樹脂状ポリオルガノシロキサンを本発明の置換ポリオルガノシロキサンに変換することをさらに示している。
実施例22:ヘキサニル官能性ポリオルガノシロキサン
Vi-PDMS2の代わりに80.0gのhex-PDMSを使用し、0.99gのMAおよび2.06gのBPOを使用する以外は、実施例7を繰り返す。
Vi-PDMS2の代わりに80.0gのhex-PDMSを使用し、0.99gのMAおよび2.06gのBPOを使用する以外は、実施例7を繰り返す。
T=0(反応前)では、ポリマーのMnは11690g/モル、Mw/Mnは2.44、水蒸気収着は0.303、ヒステリシスは-0.043である。最終生成物のMnは16188g/モル、Mw/Mnは27.0、水蒸気収着は0.794、ヒステリシスは0.212である。0.8RP、40℃で水蒸気収着およびヒステリシスを測定する。出発ポリマーに対する最終生成物のMnの有意な変化、水蒸気吸着の有意な増加は、本発明のポリマーの形成を示す。有意なヒステリシスは、無水物官能基の加水分解を示している。
実施例23:シクロシロキサン
Vi-PDMS2の代わりに、99重量%のVi-MCS1、0.5重量%のペンタメチルペンタビニルシクロペンタシロキサン、および0.5重量%のトリメチルトリビニルシクロトリシロキサンの30.0gの混合物を使用し、8.54gのMAおよび2.22gのBPOを使用する以外は、実施例7を繰り返す。
Vi-PDMS2の代わりに、99重量%のVi-MCS1、0.5重量%のペンタメチルペンタビニルシクロペンタシロキサン、および0.5重量%のトリメチルトリビニルシクロトリシロキサンの30.0gの混合物を使用し、8.54gのMAおよび2.22gのBPOを使用する以外は、実施例7を繰り返す。
Vi-MCS1は、揮発性が高すぎて特性評価を行うことができないが、反応のT=0.25時間で、ポリマーは、2800g/モルのMn、3.05のMw/Mnを有する。反応のT=0.5時間で、ポリマーは、3730g/モルのMn、12.9のMw/Mnを有し、0.528の水蒸気収着および0.54のヒステリシス(PDMSに対して)を有する。0.9RPおよび40℃での水蒸気収着およびヒステリシス、0.2RPおよび20℃でヒステリシスを測定する。反応中のMnの増加は、反応が起こっていることを示している。水蒸気収着およびヒステリシス値は、本発明のポリマーの形成と一致する無水物官能基の組み込みを示す。
実施例24:m-キシレン中にMAを含むVi-PDMS3。
80℃のオーブンで焼成した清浄で乾燥した2リットルの丸底三つ口バッフル付きフラスコに、900.2gの乾燥m-キシレン、600.0gのVi-PDMS3および18.31gのMAを加える。フラスコに水冷還流凝縮器を取り付ける。わずかな正圧を維持するのに十分な乾燥窒素流で反応器のヘッドスペースをパージする。内容物をポリテトラフルオロエチレンブレードで毎分190回転で撹拌する。反応混合物中に浸漬した二重独立K型熱電対で反応溶液の温度を監視する。内容物を70℃に加熱してMAを完全に溶解させる。反応混合物の試料25.71gを取り出す。フラスコに38.93gのBPOを加える。反応混合物を120℃で加熱還流し、反応溶液の試料を定期的に採取しながら2時間維持する。窒素パージを維持しながら、溶液を25℃に冷却する。分子量についてGPC、ATR-IR、レオメトリーおよびNMRによって最終試料を評価する。得られた生成物をロータリーエバポレーター中150℃でストリッピングして、溶媒を除去した。得られた乾燥した反応生成物は、25℃で3030mPa*sのゼロせん断粘度を有する粘性液体であり、これは、Vi-PDMS3出発材料の粘度(450mPa*s)よりも著しく高かった。1H NMRによって、Vi-PDMS3出発材料に対してビニル基の約70%の変換が明らかになった。水蒸気収着およびヒステリシスを40℃で測定する。乾燥した反応生成物は、0.8RPおよび40℃で0.26重量%の水蒸気吸着(重量%)を有し、吸着工程と脱着工程との間に有意なヒステリシスを示した。対照的に、未反応のVi-PDMS3出発材料は、はるかに少ない水吸着(0.8RPおよび40℃で0.043重量%)を示し、有意なヒステリシスを示さなかった。これらの特性評価の結果によって、V-PDMS3の本発明のポリマーへの官能化の成功が確認される。
80℃のオーブンで焼成した清浄で乾燥した2リットルの丸底三つ口バッフル付きフラスコに、900.2gの乾燥m-キシレン、600.0gのVi-PDMS3および18.31gのMAを加える。フラスコに水冷還流凝縮器を取り付ける。わずかな正圧を維持するのに十分な乾燥窒素流で反応器のヘッドスペースをパージする。内容物をポリテトラフルオロエチレンブレードで毎分190回転で撹拌する。反応混合物中に浸漬した二重独立K型熱電対で反応溶液の温度を監視する。内容物を70℃に加熱してMAを完全に溶解させる。反応混合物の試料25.71gを取り出す。フラスコに38.93gのBPOを加える。反応混合物を120℃で加熱還流し、反応溶液の試料を定期的に採取しながら2時間維持する。窒素パージを維持しながら、溶液を25℃に冷却する。分子量についてGPC、ATR-IR、レオメトリーおよびNMRによって最終試料を評価する。得られた生成物をロータリーエバポレーター中150℃でストリッピングして、溶媒を除去した。得られた乾燥した反応生成物は、25℃で3030mPa*sのゼロせん断粘度を有する粘性液体であり、これは、Vi-PDMS3出発材料の粘度(450mPa*s)よりも著しく高かった。1H NMRによって、Vi-PDMS3出発材料に対してビニル基の約70%の変換が明らかになった。水蒸気収着およびヒステリシスを40℃で測定する。乾燥した反応生成物は、0.8RPおよび40℃で0.26重量%の水蒸気吸着(重量%)を有し、吸着工程と脱着工程との間に有意なヒステリシスを示した。対照的に、未反応のVi-PDMS3出発材料は、はるかに少ない水吸着(0.8RPおよび40℃で0.043重量%)を示し、有意なヒステリシスを示さなかった。これらの特性評価の結果によって、V-PDMS3の本発明のポリマーへの官能化の成功が確認される。
実施例25:化学量論を低減したm-キシレン中にMAを含むVi-PDMS3
80℃のオーブンで焼成した清浄で乾燥した500mLの丸底四つ口バッフル付きモルトンフラスコに、150.1gの乾燥m-キシレン、100.0gのVi-PDMS3、およびより低いMAグラフト化レベルを目標とするために実施例24で使用したVi-PDMS3中に存在するMA:ビニル基のモル比の半分に相当する1.525gのMAを加える。フラスコに水冷還流凝縮器を取り付ける。わずかな正圧を維持するのに十分な乾燥窒素流で反応器のヘッドスペースをパージする。内容物をポリテトラフルオロエチレンブレードで毎分120回転で撹拌する。反応混合物中に浸漬した二重独立K型熱電対で反応溶液の温度を監視する。内容物を60℃に加熱してMAを完全に溶解させる。反応混合物の試料6.64gを取り出す。フラスコに6.45gのBPOを加える。反応混合物を120℃で加熱還流し、反応溶液の試料を定期的に採取しながら2時間維持する。窒素パージを維持しながら、溶液を25℃に冷却する。分子量についてGPC、ATR-IR、レオメトリーおよびNMRによって最終試料を評価する。得られた生成物をロータリーエバポレーター中150℃でストリッピングして、溶媒を除去した。得られた乾燥した反応生成物は、25℃で1250mPa*sのゼロせん断粘度を有する粘性液体であり、これは、Vi-PDMS3出発材料の粘度(450mPa*s)よりも著しく高いが、Vi-PDMS3に存在するMA:ビニル基の2倍のモル比で実施した実施例24で報告されたものよりも低い粘度であった。1H NMRによって、Vi-PDMS3出発材料に対してビニル基の約30%の変換が明らかになった。これらの特性評価の結果によって、本発明のポリマーへのV-PDMS3の成功した官能化が確認され、さらに、本発明の方法における官能化のレベルを制御する能力を実証する。
80℃のオーブンで焼成した清浄で乾燥した500mLの丸底四つ口バッフル付きモルトンフラスコに、150.1gの乾燥m-キシレン、100.0gのVi-PDMS3、およびより低いMAグラフト化レベルを目標とするために実施例24で使用したVi-PDMS3中に存在するMA:ビニル基のモル比の半分に相当する1.525gのMAを加える。フラスコに水冷還流凝縮器を取り付ける。わずかな正圧を維持するのに十分な乾燥窒素流で反応器のヘッドスペースをパージする。内容物をポリテトラフルオロエチレンブレードで毎分120回転で撹拌する。反応混合物中に浸漬した二重独立K型熱電対で反応溶液の温度を監視する。内容物を60℃に加熱してMAを完全に溶解させる。反応混合物の試料6.64gを取り出す。フラスコに6.45gのBPOを加える。反応混合物を120℃で加熱還流し、反応溶液の試料を定期的に採取しながら2時間維持する。窒素パージを維持しながら、溶液を25℃に冷却する。分子量についてGPC、ATR-IR、レオメトリーおよびNMRによって最終試料を評価する。得られた生成物をロータリーエバポレーター中150℃でストリッピングして、溶媒を除去した。得られた乾燥した反応生成物は、25℃で1250mPa*sのゼロせん断粘度を有する粘性液体であり、これは、Vi-PDMS3出発材料の粘度(450mPa*s)よりも著しく高いが、Vi-PDMS3に存在するMA:ビニル基の2倍のモル比で実施した実施例24で報告されたものよりも低い粘度であった。1H NMRによって、Vi-PDMS3出発材料に対してビニル基の約30%の変換が明らかになった。これらの特性評価の結果によって、本発明のポリマーへのV-PDMS3の成功した官能化が確認され、さらに、本発明の方法における官能化のレベルを制御する能力を実証する。
実施例26:化学量論を低減した連続プロセスを使用したm-キシレン中のMAを含むVi-PDMS3。L/Dが48である25mm Coperion共回転二軸スクリュー押出機に、約5分の滞留時間に対応する毎時4.06kg(kg/時)の流速でISCOポンプを介してVi-PDMS3を供給し、ここで、この供給ラインは油系ヒーターで全押出機バレルと同じ温度である120℃の設定点まで予熱される。溶媒の22.4重量%がMEKである、p-キシレンとMEKとの混合物中で5.6重量%および22.4重量%の濃度に予め希釈されたMA、BPOの組み合わせを、HPLCポンプを介して、Vi-PDMS3供給ポートの20センチメートル(cm)下流の地点に位置する供給ポートに0.46kg/時の速度で供給する。毎分400回転(rpm)のスクリュー回転速度を使用する。得られた乾燥した反応生成物は、25℃で949mPa*sのゼロせん断粘度を有する粘性液体であり、これは、Vi-PDMS3出発材料の粘度(450mPa*s)よりも著しく高く、GPCは、数平均分子量(Mn)のわずか14%の増加のみを示し、2.69の多分散性(重量平均分子量を数平均分子量で割ったもの、または「Mw/Mn」)の変化はほとんどなかった。1H NMRによって、Vi-PDMS3出発材料に対してビニル基の約36%の変換が明らかになった。これらの特性評価の結果は、本発明のポリマーを生成するために連続的な生成方法を利用する本発明の方法の実施形態を実証する。
実施例27:化学量論を低減した連続プロセスを使用したm-キシレン中にMAを含むVi-PDMS3。
L/Dが48である25mm Coperion共回転二軸スクリュー押出機に、約10分の滞留時間に対応するように、押出機を通る総質量流量が2.03kg/時となるようISCOポンプを介してVi-PDMS3を供給し、ここで、この供給ラインは、油系ヒーターで全押出機バレルと同じ温度である140℃の設定点まで予熱される。溶媒の22.4重量%がMEKである、p-キシレンとMEKとの混合物中で5.6重量%および22.4重量%の濃度に予め希釈されたMA、BPOの組み合わせを、HPLCポンプを介して、Vi-PDMS3供給ポートの20cm下流の地点に位置する供給ポートに0.24kg/時の速度で供給する。200rpmのスクリュー回転速度を使用する。得られた乾燥した反応生成物は、25℃で1167mPa*sのゼロせん断粘度を有する粘性液体であり、これは、Vi-PDMS3出発材料の粘度(450mPa*s)よりも著しく高く、GPCは、Mnのわずか16%の増加のみを示し、Mw/Mnの変化(2.52)はほとんどなかった。1H NMRによって、Vi-PDMS3出発材料に対してビニル基の約32%の変換が明らかになった。これらの特性評価の結果は、さらに、本発明のポリマーを生成するために連続的な生成方法を利用する本発明の方法の実施形態を実証する。
L/Dが48である25mm Coperion共回転二軸スクリュー押出機に、約10分の滞留時間に対応するように、押出機を通る総質量流量が2.03kg/時となるようISCOポンプを介してVi-PDMS3を供給し、ここで、この供給ラインは、油系ヒーターで全押出機バレルと同じ温度である140℃の設定点まで予熱される。溶媒の22.4重量%がMEKである、p-キシレンとMEKとの混合物中で5.6重量%および22.4重量%の濃度に予め希釈されたMA、BPOの組み合わせを、HPLCポンプを介して、Vi-PDMS3供給ポートの20cm下流の地点に位置する供給ポートに0.24kg/時の速度で供給する。200rpmのスクリュー回転速度を使用する。得られた乾燥した反応生成物は、25℃で1167mPa*sのゼロせん断粘度を有する粘性液体であり、これは、Vi-PDMS3出発材料の粘度(450mPa*s)よりも著しく高く、GPCは、Mnのわずか16%の増加のみを示し、Mw/Mnの変化(2.52)はほとんどなかった。1H NMRによって、Vi-PDMS3出発材料に対してビニル基の約32%の変換が明らかになった。これらの特性評価の結果は、さらに、本発明のポリマーを生成するために連続的な生成方法を利用する本発明の方法の実施形態を実証する。
比較例C:連続プロセスを使用したVi-PDMS3ブランク。
実施例26に使用した条件を、同じCoperion 25mm二軸スクリュー押出機で繰り返し、Vi-PDMS3をISCOポンプを介して4.54kg/時の流速で供給し、ここで、ここで、この供給ラインは油系ヒーターで全押出機バレルと同じ温度である120℃の設定点まで予熱される。しかしながら、試薬、開始剤、または溶媒は、下流の注入ポートに加えない。分子量についてGPC、レオメトリーおよびNMRによって最終試料を評価する。得られた材料は、25°Cで455mPa*sのゼロせん断粘度を有する液体であり、Vi-PDMS3出発材料の粘度(450mPa*s)とほぼ変わらないものであった。1H NMRは、Vi-PDMS3出発材料に対してビニル基の約0%の変換を明らかにし、GPCはVi-PDMS3出発物質に対するポリマーのMnおよびMw/Mnに統計的に有意な変化を示さなかった。これらの特性評価の結果によって、連続押出プロセスはそれ自体がVi-PDMS3に影響を及ぼさず、実施例26および27に例示された本発明の方法の実施形態が、本発明のポリマーの生成に関与することが確認される。
実施例26に使用した条件を、同じCoperion 25mm二軸スクリュー押出機で繰り返し、Vi-PDMS3をISCOポンプを介して4.54kg/時の流速で供給し、ここで、ここで、この供給ラインは油系ヒーターで全押出機バレルと同じ温度である120℃の設定点まで予熱される。しかしながら、試薬、開始剤、または溶媒は、下流の注入ポートに加えない。分子量についてGPC、レオメトリーおよびNMRによって最終試料を評価する。得られた材料は、25°Cで455mPa*sのゼロせん断粘度を有する液体であり、Vi-PDMS3出発材料の粘度(450mPa*s)とほぼ変わらないものであった。1H NMRは、Vi-PDMS3出発材料に対してビニル基の約0%の変換を明らかにし、GPCはVi-PDMS3出発物質に対するポリマーのMnおよびMw/Mnに統計的に有意な変化を示さなかった。これらの特性評価の結果によって、連続押出プロセスはそれ自体がVi-PDMS3に影響を及ぼさず、実施例26および27に例示された本発明の方法の実施形態が、本発明のポリマーの生成に関与することが確認される。
実施例28。m-キシレン中にMAを含むVi-PDMS4。
80℃のオーブンで焼成した清浄で乾燥した500mLの丸底三つ口バッフル付きフラスコに、150.2gの乾燥m-キシレン、150.00gのVi-PDMS4および9.22gのMAを加える。フラスコに水冷還流凝縮器を取り付ける。わずかな正圧を維持するのに十分な乾燥窒素流で反応器のヘッドスペースをパージする。内容物をポリテトラフルオロエチレンブレードで毎分190回転で撹拌する。反応混合物中に浸漬した二重独立K型熱電対で反応溶液の温度を監視する。内容物を70℃に加熱してMAを完全に溶解させる。反応混合物の試料5.0gを取り出す。フラスコに6.30gのBPOを加える。反応混合物を120℃で加熱還流し、反応溶液の試料を定期的に採取しながら2時間維持する。窒素パージを維持しながら、溶液を25℃に冷却する。分子量についてGPC、ATR-IR、レオメトリーおよびNMRによって最終試料を評価する。得られた生成物を真空オーブン中90℃でストリッピングして、溶媒を除去した。得られた乾燥した反応生成物は、25℃で9370mPa*sのゼロせん断粘度を有する粘性液体であり、これは、Vi-PDMS4出発材料の粘度(61.8mPa*s)よりも著しく高かった。1H NMRによって、Vi-PDMS4出発材料に対してビニル基の約67%の変換が明らかになった。水蒸気収着およびヒステリシスを40℃で測定する。乾燥した反応生成物は、0.8RPおよび40℃で1.25重量%の水蒸気吸着(重量%)を有し、吸着工程と脱着工程との間に有意なヒステリシスを示した。対照的に、未反応のVi-PDMS4出発材料は、はるかに少ない水吸着(0.8RPおよび40℃で0.054重量%)を示し、有意なヒステリシスを示さなかった。これらの特性評価の結果によって、V-PDMS4の本発明のポリマーへの官能化の成功が確認される。
80℃のオーブンで焼成した清浄で乾燥した500mLの丸底三つ口バッフル付きフラスコに、150.2gの乾燥m-キシレン、150.00gのVi-PDMS4および9.22gのMAを加える。フラスコに水冷還流凝縮器を取り付ける。わずかな正圧を維持するのに十分な乾燥窒素流で反応器のヘッドスペースをパージする。内容物をポリテトラフルオロエチレンブレードで毎分190回転で撹拌する。反応混合物中に浸漬した二重独立K型熱電対で反応溶液の温度を監視する。内容物を70℃に加熱してMAを完全に溶解させる。反応混合物の試料5.0gを取り出す。フラスコに6.30gのBPOを加える。反応混合物を120℃で加熱還流し、反応溶液の試料を定期的に採取しながら2時間維持する。窒素パージを維持しながら、溶液を25℃に冷却する。分子量についてGPC、ATR-IR、レオメトリーおよびNMRによって最終試料を評価する。得られた生成物を真空オーブン中90℃でストリッピングして、溶媒を除去した。得られた乾燥した反応生成物は、25℃で9370mPa*sのゼロせん断粘度を有する粘性液体であり、これは、Vi-PDMS4出発材料の粘度(61.8mPa*s)よりも著しく高かった。1H NMRによって、Vi-PDMS4出発材料に対してビニル基の約67%の変換が明らかになった。水蒸気収着およびヒステリシスを40℃で測定する。乾燥した反応生成物は、0.8RPおよび40℃で1.25重量%の水蒸気吸着(重量%)を有し、吸着工程と脱着工程との間に有意なヒステリシスを示した。対照的に、未反応のVi-PDMS4出発材料は、はるかに少ない水吸着(0.8RPおよび40℃で0.054重量%)を示し、有意なヒステリシスを示さなかった。これらの特性評価の結果によって、V-PDMS4の本発明のポリマーへの官能化の成功が確認される。
実施例29~33:硬化性組成物
以下の実施例は、本発明のポリオルガノシロキサンを含む硬化性組成物を示す。
以下の実施例は、本発明のポリオルガノシロキサンを含む硬化性組成物を示す。
実施例29。ポリプロピレン混合カップに、1.543gの実施例17、1.020gのアミン官能性シロキサン(表1参照)を加える。直ちに、混合物を毎分3000回転で20秒間回転遠心ミキサーに入れる。混合物をミキサーから取り出すと温かくなり、透明で黄色がかった非流動性エラストマーゲルとして現れる。実施例29は、周囲条件下でアミン官能性シロキサンポリマーを迅速に架橋することができる本発明のポリオルガノシロキサン(実施例17)を含む硬化性組成物を示す。ゲル試料を真空オーブンに入れ、真空下80℃で3時間乾燥させて溶媒を除去する。得られた材料は、優れた機械的靭性を有する、透明で不粘着性の黄色がかったエラストマーである。
実施例30。ポリプロピレン混合カップに、2.189gの実施例17、1.039gのアミン官能性シロキサン(表1参照)を加える。直ちに、混合物を毎分3000回転で20秒間回転遠心ミキサーに入れる。混合物をミキサーから取り出すと温かくなり、透明で黄色がかった非流動性エラストマーゲルとして現れる。実施例30は、周囲条件下でアミン官能性シロキサンポリマーを迅速に架橋することができる本発明のポリオルガノシロキサン(実施例17)を含む硬化性組成物を示す。
実施例31。ポリプロピレン混合カップに、0.584gの実施例17、0.043gのエポキシ官能性シロキサン(表1参照)を加える。直ちに、得られた混合物を回転遠心ミキサーに入れ、20秒間の混合サイクルを2回、3000回転/分で行う。得られた混合物は、透明で低粘度の混合物であり、約24時間そのままであった。25℃、相対湿度約50%で13日後、試料は、表面に粘着性がなく、硬質で透明な無色透明のエラストマーになる。
実施例32。ポリプロピレン混合カップに、1.006gの実施例24の乾燥ポリマーおよび0.179gのアミン官能性シロキサン2を加える。直ちに、混合物を毎分3000回転で30秒間回転遠心ミキサーに入れる。この混合物は、透明で黄色がかった軽度に架橋した非流動性のエラストマーゲルとして現れ、これは、スパチュラで延伸してプローブしたときにスナップバックする。室温で9日間放置した後、試料は、光沢のある表面および淡い黄色がかった粘着性の低い可撓性の透明エラストマーであり、混合カップから一体で除去することができる。
実施例33。ポリプロピレン混合カップに、1.004gの実施例24の乾燥ポリマーおよび0.466gのアミン官能性シロキサン2を加える。直ちに、混合物を毎分3000回転で30秒間回転遠心ミキサーに入れる。混合物は、実施例31のエラストマー試料よりも高い剛性と低い伸びを有する透明で淡い橙色がかった非流動性エラストマーゲルとして現れる。室温で9日間放置した後、試料は、淡い黄色がかった粘着性の低い可撓性の透明エラストマーであり、混合カップから一体で除去することができる。
Claims (9)
- 無水物官能基および芳香族官能基を有するポリオルガノシロキサンであって、前記芳香族官能基の炭素は、炭素鎖によって前記無水物官能基のカルボニル基の炭素から分離されており、前記ポリオルガノシロキサンは、前記ポリオルガノシロキサンの重量に基づいて5重量%以上のケイ素原子を含有する、ポリオルガノシロキサン。
- 前記分離する炭素鎖は、2つ以上の非芳香族炭素および3つ以下の非芳香族炭素である、請求項1に記載のポリオルガノシロキサン。
- 前記無水物は環状無水物である、請求項1に記載のポリオルガノシロキサン。
- 前記芳香族官能基は単環式である、請求項1に記載のポリオルガノシロキサン。
- 請求項1のポリオルガノシロキサンを製造するプロセスであって、前記プロセスは、(a)(i)不飽和ポリオルガノシロキサン、(ii)不飽和無水物化合物、(iii)フリーラジカル開始剤および/または光開始剤、および(iv)溶媒、を組み合わせることによって反応性組成物を生成すること、ならびに(b)前記フリーラジカル開始剤および/または光開始剤をトリガーすることによってフリーラジカル反応を開始させること、を含み、前記溶媒は、アルファ水素原子を有する芳香族化合物であり、および/または前記フリーラジカル開始剤および/または光開始剤は芳香族である、プロセス。
- 前記不飽和ポリオルガノシロキサンは、ビニル官能性ポリオルガノシロキサンである、請求項5に記載のプロセス。
- 前記不飽和無水物化合物は、無水マレイン酸または置換無水マレイン酸である、請求項5および6のいずれか一項に記載のプロセス。
- 前記溶媒は、トルエン、キシレン異性体、エチルベンゼンおよびトリメチルベンゼン異性体からなる群から選択される1つまたは2つ以上の組み合わせである芳香族溶媒である、請求項5~7のいずれか一項に記載のプロセス。
- (a)請求項1~4のいずれか一項に記載のポリオルガノシロキサン、および(b)1分子当たり平均して少なくとも2つのケイ素結合アミンまたは2つのケイ素結合エポキシ基を含有するオルガノポリシロキサン、を含む硬化性組成物。
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