JP2022540045A - 熱可塑性樹脂組成物およびそれを用いた成形品 - Google Patents

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Abstract

(A)ポリカーボネート樹脂65~75重量%;(B)芳香族ビニル-シアン化ビニル共重合体10~20重量%;および(C)アクリロニトリル-ブタジエン-スチレングラフト共重合体10~20重量%を含む基礎樹脂100重量部に対して(D)ポリエステル樹脂1~5重量部;および(E)ポリオレフィン-芳香族ビニル-グリシジル(メタ)アクリレートグラフト共重合体およびポリオレフィン-芳香族ビニル-シアン化ビニルグラフト共重合体のうち少なくとも一つを2~6重量部含む熱可塑性樹脂組成物、およびそれを用いた成形品に関する。

Description

熱可塑性樹脂組成物およびそれを用いた成形品に関する。
ポリカーボネート(polycarbonate)樹脂はエンジニアリングプラスチックスの一つとしてプラスチック産業で幅広く使用されている材料である。
ポリカーボネート樹脂は、ビスフェノール-Aのようなバルクな分子構造によってガラス転移温度(Tg)が約150℃に達してより高い耐熱性を示し、非晶質高分子として透明性に優れた特性を有している。
さらに、耐衝撃性および他樹脂との相容性などに優れるが、ポリカーボネート樹脂は流動性が低いという短所があり、成形性および後加工性を補完するために多様な樹脂とのアロイ(alloy)形態で多く使用される。
このような中、ポリカーボネート/アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(PC/ABS)アロイは耐久性、成形性、耐熱性、耐衝撃性などに優れるため電気/電子分野、自動車分野、建築分野およびその他生活素材など広範囲な分野に適用されており、例えば自動車用内/外装材などに適用することができる。
しかし、PC/ABSアロイで構成される成形品を、ポリエチレン、ポリ塩化ビニルなどの他の樹脂で構成される部品やクロロプレンゴム、天然ゴム、ポリエステル、ポリエチレンなどのライニングシートやフォームなどの他の部材と接触して擦れる部位に用いると摩擦音が発生する場合がある。
PC/ABSアロイに含まれるスチレン系共重合体は非結晶性を示すのでポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアセタールなどの結晶性を有する材料より摩擦係数が高く、例えば自動車内のエアコン送風口やカーステレオのボタンなどのように他の樹脂で構成される部材と嵌め合わせる場合には摩擦係数が大きい。このため、スティック-スリップ現象が発生し、摩擦音(きしみ音)が発生する恐れがある。
最近、走行時に既存の自動車に比べて比較的騒音の発生が少ない電気自動車の需要が増加するにつれ、前記摩擦音が乗車時の快適性、静粛性を損なう大きな原因として浮上している。したがって、摩擦音低減特性に優れた自動車内装材の開発が求められている。
摩擦音低減特性、機械的物性、および耐薬品性がすべて優れた熱可塑性樹脂組成物、およびそれを用いた成形品を提供する。
一実施形態によれば、(A)ポリカーボネート樹脂65~75重量%;(B)芳香族ビニル-シアン化ビニル共重合体10~20重量%;および(C)アクリロニトリル-ブタジエン-スチレングラフト共重合体10~20重量%を含む基礎樹脂100重量部に対して(D)ポリエステル樹脂1~5重量部;ならびに(E)ポリオレフィン-芳香族ビニル-シアン化ビニルグラフト共重合体およびポリオレフィン-芳香族ビニル-グリシジル(メタ)アクリレートグラフト共重合体のうち少なくとも一つを2~6重量部含む熱可塑性樹脂組成物が提供される。
前記(A)ポリカーボネート樹脂はASTM D1238規格に従い300℃、1.2kg荷重条件で測定した溶融流れ指数(melt flow index)が10~25g/10minであり得る。
前記(B)芳香族ビニル-シアン化ビニル共重合体は前記芳香族ビニル-シアン化ビニル共重合体100重量%を基準として芳香族ビニル化合物60~80重量%およびシアン化ビニル化合物20~40重量%を含む単量体混合物の共重合体であり得る。
前記(B)芳香族ビニル-シアン化ビニル共重合体の重量平均分子量は80,000~200,000g/molであり得る。
前記(B)芳香族ビニル-シアン化ビニル共重合体はスチレン-アクリロニトリル共重合体であり得る。
前記(C)アクリロニトリル-ブタジエン-スチレングラフト共重合体は、ブタジエン系ゴム質重合体からなるコア、およびアクリロニトリルとスチレンとが前記コアにグラフト重合されて形成されたシェルを含むコア-シェル構造であり得る。
前記(C)アクリロニトリル-ブタジエン-スチレングラフト共重合体は、100重量%を基準として前記コア30~70重量%を含み得る。
前記(C)アクリロニトリル-ブタジエン-スチレングラフト共重合体は、ゴム質重合体の平均粒径が200~400nmであり得る。
前記ポリオレフィン-芳香族ビニル-シアン化ビニルグラフト共重合体は置換若しくは非置換されたポリオレフィン主鎖にスチレン-アクリロニトリル共重合体がグラフトされたものであり、前記ポリオレフィン-芳香族ビニル-グリシジル(メタ)アクリレートグラフト共重合体は、置換若しくは非置換されたポリオレフィン主鎖に芳香族ビニル-グリシジル(メタ)アクリレート共重合体がグラフトされたものであり得る。
前記置換若しくは非置換されたポリオレフィンは、ポリエチレンおよびエチレン-ビニルアセテート共重合体からなる群より選ばれた1種以上であり得る。
前記芳香族ビニル-グリシジル(メタ)アクリレート共重合体は、スチレン-グリシジルメタクリレート共重合体であり得る。
前記ポリオレフィン-芳香族ビニル-シアン化ビニルグラフト共重合体は、ポリエチレン-スチレン-アクリロニトリルグラフト共重合体であり得る。
前記ポリオレフィン-芳香族ビニル-グリシジル(メタ)アクリレートグラフト共重合体は、ポリエチレン-スチレン-グリシジルメタクリレートグラフト共重合体およびエチレン-ビニルアセテート-スチレン-グリシジルメタクリレートグラフト共重合体からなる群より選ばれた1種以上であり得る。
前記熱可塑性樹脂組成物は、核剤、カップリング剤、充填剤、可塑剤、滑剤、離型剤、抗菌剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線安定剤、難燃剤、帯電防止剤、衝撃補強剤、染料、顔料より選ばれた少なくとも一つの添加剤をさらに含み得る。
一方、一実施形態による熱可塑性樹脂組成物を利用した成形品が提供されることができる。
一実施形態による熱可塑性樹脂組成物とそれを用いた成形品は摩擦音低減特性、機械的物性、および耐化学性がすべて優れるため塗装、無塗装で使用する多様な製品の成形に広範囲に適用でき、特に摩擦音低減が大きく求められる自動車、例えば電気自動車の内装材などの用途にも有用に適用することができる。
100倍率光学顕微鏡イメージを基準として、試験片表面に発生したクラック(crack)を観察した例示である。
[発明の実施のための最良の形態]
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。ただし、これは例示として提示されるものであり、本発明はこれによって制限されず、添付する特許請求の範囲によってのみ定義される。
本発明においては特記しない限り、平均粒径とは体積平均直径であり、動的光散乱(Dynamic light scattering)分析機器を用いて測定したZ-平均粒径を意味する。
一実施形態によれば、(A)ポリカーボネート樹脂65~75重量%;(B)芳香族ビニル-シアン化ビニル共重合体10~20重量%;および(C)アクリロニトリル-ブタジエン-スチレングラフト共重合体10~20重量%を含む基礎樹脂100重量部に対して(D)ポリエステル樹脂1~5重量部;および(E)ポリオレフィン-芳香族ビニル-グリシジル(メタ)アクリレートグラフト共重合体およびポリオレフィン-芳香族ビニル-シアン化ビニルグラフト共重合体のうち少なくとも一つを2~6重量部含む熱可塑性樹脂組成物が提供される。
以下、前記熱可塑性樹脂組成物に含まれる各成分について具体的に説明する。
(A)ポリカーボネート樹脂
ポリカーボネート樹脂はカーボネート結合を有するポリエステルであってその種類は特に制限されず、樹脂組成物分野で利用可能な任意のポリカーボネート樹脂を使用できる。
例えば、下記化学式1で表されるジフェノール類とホスゲン、ハロゲン酸エステル、炭酸エステルおよびこれらの組み合わせからなる群より選ばれる化合物を反応させて製造することができる。
Figure 2022540045000002
前記化学式1において、
Aは、単結合、置換若しくは非置換のC1~C30アルキレン基、置換若しくは非置換のC2~C5アルケニレン基、置換若しくは非置換のC2~C5アルキリデン基、置換若しくは非置換のC1~C30ハロアルキレン基、置換若しくは非置換のC5~C6シクロアルキレン基、置換若しくは非置換のC5~C6シクロアルケニレン基、置換若しくは非置換のC5~C10シクロアルキリデン基、置換若しくは非置換のC6~C30アリーレン基、置換若しくは非置換のC1~C20アルコキシレン基、ハロゲン酸エステル基、炭酸エステル基、CO、SおよびSOからなる群より選ばれる連結基であり、RおよびRは、それぞれ独立して、置換若しくは非置換のC1~C30のアルキル基または置換若しくは非置換のC6~C30のアリール基であり、n1およびn2はそれぞれ独立して0~4の整数である。
前記化学式1で表されるジフェノール類は2種以上が組み合わさってポリカーボネート樹脂の繰り返し単位を構成することもできる。
前記ジフェノール類の具体的な例としては、ヒドロキノン、レゾルシノール、4,4’-ジヒドロキシジフェニル、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン(「ビスフェノール-A」ともいう)、2,4-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-2-メチルブタン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)メタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2-ビス(3-クロロ-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(3-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(3,5-ジクロロ-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(4-ヒドロキシフェニル)ケトン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)エーテルなどが挙げられる。前記ジフェノール類の中で、好ましくは2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(3-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(3,5-ジクロロ-4-ヒドロキシフェニル)プロパンまたは1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンを使用できる。さらに好ましくは2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパンを使用できる。
前記ポリカーボネート樹脂は2種以上のジフェノール類から製造された共重合体の混合物であり得る。
また、前記ポリカーボネート樹脂は線状ポリカーボネート樹脂、分枝状(branched)ポリカーボネート樹脂、ポリエステルカーボネート共重合体樹脂などを使用できる。
前記線状ポリカーボネート樹脂の具体的な例としては、ビスフェノール-A系ポリカーボネート樹脂であり得る。前記分枝状ポリカーボネート樹脂の具体的な例としては、トリメリット酸無水物、トリメリト酸などのような多官能性芳香族化合物をジフェノール類およびカーボネートと反応させて製造される樹脂であり得る。前記ポリエステルカーボネート共重合体樹脂は、二官能性カルボン酸をジフェノール類およびカーボネートと反応させて製造でき、ここで使用されるカーボネートは、ジフェニルカーボネートのようなジアリールカーボネートまたはエチレンカーボネートであり得る。
前記ポリカーボネート樹脂は、重量平均分子量が10,000~200,000g/molであるものを使用することが好ましく、例えば、14,000~40,000g/molであるものを使用することが効果的である。ポリカーボネート樹脂の重量平均分子量が前記範囲内である場合、それを用いた成形品が優れた耐衝撃性および流動性を得ることができる。
前記ポリカーボネート樹脂は基礎樹脂100重量%に対して65~75重量%で含まれ得、例えば68~73重量%で含まれ得る。ポリカーボネート樹脂が65重量%未満の場合は機械的強度が良くなく、75重量%を超える場合は成形性が落ちる。
前記ポリカーボネート樹脂は、ASTM D1238に従って、300℃、1.2kg荷重条件で測定した溶融流れ指数(Melt flow index)が例えば10~25g/10min、例えば15~25g/10min、例えば15~20g/10minであり得る。前記範囲内の溶融流れ指数を有するポリカーボネート樹脂を使用する場合、それを用いた成形品が優れた耐衝撃性および流動性を得ることができる。
ただし、一実施形態は必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、前記ポリカーボネート樹脂は重量平均分子量または溶融流れ指数が互いに異なる2種以上のポリカーボネート樹脂を混合して使用することもできる。互いに異なる重量平均分子量または溶融流れ指数のポリカーボネート樹脂を混合して使用することによって熱可塑性樹脂組成物が所望する流動性を有するように調整することが容易である。
(B)芳香族ビニル-シアン化ビニル共重合体
一実施形態において、芳香族ビニル-シアン化ビニル共重合体は、熱可塑性樹脂組成物の流動性を向上させて構成要素間の相容性を一定水準に維持させる機能を有する。
一実施形態において、前記芳香族ビニル-シアン化ビニル共重合体は、重量平均分子量が80,000g/mol~200,000g/mol、例えば80,000g/mol~150,000g/molであるものを使用できる。
本発明において、重量平均分子量は、分体試料をテトラヒドロフラン(THF)に溶かした後、Agilent Technologies社の1200seriesゲル透過クロマトグラフィー(Gel Permeation Chromatography;GPC)を用いて測定(カラムはShodex社LF-804,標準試料はShodex社ポリスチレンを使用)したものである。
前記芳香族ビニル化合物は、スチレン、α-メチルスチレン、p-メチルスチレン、p-t-ブチルスチレン、2,4-ジメチルスチレン、クロロスチレン、ビニルトルエン、ビニルナフタレンより選ばれた1種以上であり得る。
前記シアン化ビニル化合物は、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、フマロニトリルより選ばれた1種以上であり得る。
一実施形態で、前記芳香族ビニル-シアン化ビニル共重合体は、芳香族ビニル化合物およびシアン化ビニル化合物を含む単量体混合物の共重合体であり得る。
この場合、前記芳香族ビニル-シアン化ビニル共重合体100重量%に対して、前記芳香族ビニル化合物誘導体は、例えば60重量%以上、例えば65重量%以上、例えば70重量%以上含まれていてもよく、例えば80重量%以下、例えば75重量%以下含まれていてもよく、例えば60~80重量%、例えば65~75重量%含まれていてもよい。
また、前記芳香族ビニル-シアン化ビニル共重合体100重量%に対して、前記シアン化ビニル化合物誘導体は、例えば20重量%以上、例えば25重量%以上含まれていてもよく、例えば40重量%以下、例えば35重量%以下含まれていてもよく、例えば20~40重量%、例えば25~35重量%含まれていてもよい。
一実施形態で、前記芳香族ビニル-シアン化ビニル共重合体は、スチレン-アクリロニトリル共重合体(Styrene-Acrylonitrile copolymer,SAN)であり得る。
一実施形態で、芳香族ビニル-シアン化ビニル共重合体は、基礎樹脂100重量%に対して10~20重量%、例えば12~18重量%で含まれ得る。
前記芳香族ビニル-シアン化ビニル共重合体の含有量が10重量%未満であれば熱可塑性樹脂組成物の成形性が低下する恐れがあり、20重量%を超える場合は熱可塑性樹脂組成物を利用した成形品の機械的物性が低下する恐れがある。
(C)アクリロニトリル-ブタジエン-スチレングラフト共重合体
一実施形態において、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレングラフト共重合体は、熱可塑性樹脂組成物に優れた機械的物性(例えば耐衝撃性など)を付与する。一実施形態において、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレングラフト共重合体は、ブタジエン系ゴム質重合体成分からなる中心部(コア、core)とその中心部にアクリロニトリルとスチレンをグラフト重合反応させてシェル(shell)を形成したコア-シェル(core-shell)構造を有することができる。
コアを構成するゴム質重合体成分は、特に低温での耐衝撃性を向上させ、シェル成分は界面張力を低くして界面での接着力を向上させることができる。
一実施形態によるアクリロニトリル-ブタジエン-スチレングラフト共重合体は、ブタジエン系ゴム質重合体にスチレンとアクリロニトリルを添加して乳化重合、塊状重合など通常の重合方法によりグラフト共重合することによって製造することができる。
前記ブタジエン系ゴム質重合体は、ブタジエンゴム質重合体、ブタジエン-スチレンゴム質重合体、ブタジエン-アクリロニトリルゴム質重合体、ブタジエン-アクリレートゴム質重合体およびこれらの混合物からなる群より選ばれる。
前記アクリロニトリル-ブタジエン-スチレングラフト共重合体は、ブタジエン系ゴム質重合体の平均粒径が、例えば200~400nm、例えば200~350nm、例えば250~350nmであり得る。前記範囲を満たす場合、熱可塑性樹脂組成物は優れた耐衝撃性および外観特性を確保することができる。
前記アクリロニトリル-ブタジエン-スチレングラフト共重合体100重量%に対して、前記ブタジエン系ゴム質重合体コアは30~70重量%で含まれ得る。一方、前記シェルは、前記スチレンおよび前記アクリロニトリルの重量比が6:4~8:2の単量体混合物から共重合されたスチレン-アクリロニトリル共重合体であり得る。
前記アクリロニトリル-ブタジエン-スチレングラフト共重合体は、基礎樹脂100重量%に対して10~20重量%、例えば12~18重量%で含まれ得る。
基礎樹脂内の前記アクリロニトリル-ブタジエン-スチレングラフト共重合体が10重量%未満の場合、優れた耐衝撃性を達成することが難しく、20重量%を超える場合は耐熱性と流動性が低下する恐れがある。
(D)ポリエステル樹脂
一実施形態で、ポリエステル樹脂は熱可塑性樹脂組成物に優れた耐薬品(化学)性を付与する。そのため一実施形態による熱可塑性樹脂組成物は優れた摩擦音低減特性を示すことは勿論、前記ポリエステル樹脂に起因した優れた耐薬品性もまた実現することができる。
一実施形態において、ポリエステル樹脂は、芳香族ポリエステル樹脂として、テレフタル酸またはテレフタル酸アルキルエステルと2~10個の炭素原子を有するグリコール成分から縮重合した樹脂を使用できる。ここで、前記アルキルはC1~C10のアルキルを意味する。
より具体的には、本発明の一実施例によるポリエステル樹脂は、酸性分として、テレフタル酸(Terephthalic Acid,TPA)、イソフタル酸(Isophthalic Acid,IPA)、1,2-ナフタレンジカルボン酸、1,4-ナフタレンジカルボン酸、1,5-ナフタレンジカルボン酸、1,6-ナフタレンジカルボン酸、1,7-ナフタレンジカルボン酸、1,8-ナフタレンジカルボン酸、2,3-ナフタレンジカルボン酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、2,7-ナフタレンジカルボン酸などがあり、アシッドがジメチル基で置換された芳香族ジカルボキシレート(Aromatic Dicarboxylate)のジメチルテレフタレート(Dimethyl Terephthalate、以下DMT)、ジメチルイソフタレート(Dimethyl Isophthalate)、ナフタレンジカルボン酸のアルキルエステルまたはジメチル-1,2-ナフタレート、ジメチル-1,5-ナフタレート、ジメチル-1,7-ナフタレート、ジメチル-1,7-ナフタレート、ジメチル-1,8-ナフタレート、ジメチル-2,3-ナフタレート、ジメチル-2,6-ナフタレート、ジメチル-2,7-ナフタレートあるいはこれらの混合物などと、ジオール成分としてC2~C12のエチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール、2,2-ジメチル-1,3-プロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオールあるいはこれらの混合物などを重縮合して得ることができる。
前記芳香族ポリエステル樹脂の例示としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレートグリコール樹脂、ポリトリメチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリヘキサメチレンテレフタレート樹脂、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート樹脂、またはこれら樹脂に一部異なるモノマーを混合して非結晶性に改質したポリエステル樹脂を使用できる。
前記ポリエステル樹脂は、基礎樹脂100重量部に対して1~5重量部、例えば1~4重量部、例えば2~4重量部、例えば2~3重量部含まれ得る。熱可塑性樹脂組成物内のポリエステル樹脂が1重量部未満の場合、熱可塑性樹脂組成物およびそれを用いた成形品の耐薬品性が大きく低下する恐れがあり、2重量部を超える場合は熱可塑性樹脂組成物およびそれを用いた成形品の耐熱性と耐衝撃性が低下する恐れがある。
(E)ポリオレフィン-芳香族ビニル-シアン化ビニルグラフト共重合体および/またはポリオレフィン-芳香族ビニル-グリシジル(メタ)アクリレートグラフト共重合体
一実施形態でポリオレフィン-芳香族ビニル-シアン化ビニルグラフト共重合体および/またはポリオレフィン-芳香族ビニル-グリシジル(メタ)アクリレートグラフト共重合体は、熱可塑性樹脂組成物およびそれを用いた成形品の摩擦係数を低くする一方、摩擦音低減持続性を向上させて、優れた摩擦音低減特性を示すようにする。
一実施形態でポリオレフィン-芳香族ビニル-シアン化ビニルグラフト共重合体は、置換若しくは非置換のポリオレフィン主鎖にスチレン-アクリロニトリル共重合体がグラフトされたものであり得、ポリオレフィン-芳香族ビニル-グリシジル(メタ)アクリレートグラフト共重合体は、置換若しくは非置換のポリオレフィン主鎖に芳香族ビニル-グリシジル(メタ)アクリレート共重合体がグラフトされたものであり得る。
前記ポリオレフィン-芳香族ビニル-シアン化ビニルグラフト共重合体および/またはポリオレフィン-芳香族ビニル-グリシジル(メタ)アクリレートグラフト共重合体を構成するための置換若しくは非置換のポリオレフィンは、ポリエチレンおよびエチレン-ビニルアセテート共重合体からなる群より選ばれた1種以上であり得る。
前記置換若しくは非置換のポリオレフィンは、ポリエチレンおよびエチレン-ビニルアセテート共重合体からなる群より選ばれた1種以上であり得る。前記エチレン-ビニルアセテート共重合体は、エチレン単量体とビニルアセテート単量体とが共重合体を形成したものであり得る。
例えば、前記ポリオレフィン-芳香族ビニル-シアン化ビニルグラフト共重合体は、ポリエチレン-スチレン-アクリロニトリルグラフト共重合体(PE-g-SAN)であり得る。この場合、前記ポリオレフィンとグラフト共重合をなすスチレン-アクリロニトリル共重合体は、スチレン50~95重量%およびアクリロニトリル5~50重量%を含む単量体混合物が共重合されたものであり得る。
一実施形態で前記ポリオレフィン-芳香族ビニル-シアン化ビニルグラフト共重合体は、前記ポリオレフィン-芳香族ビニル-シアン化ビニルグラフト共重合体100重量%を基準として前記置換若しくは非置換のポリオレフィン40~90重量%を含み、前記芳香族ビニル-シアン化ビニル共重合体10~60重量%を含み得る。
一方、前記ポリオレフィン主鎖にグラフトされる芳香族ビニル-グリシジル(メタ)アクリレート共重合体は、芳香族ビニル単量体およびグリシジル(メタ)アクリレート単量体の共重合体であり得る。
前記芳香族ビニル単量体としてはスチレン、C1~C10のアルキル置換スチレン、ハロゲン置換スチレン、ビニルトルエン、ビニルナフタレンおよびこれらの混合物より選ばれるいずれか一つ以上を使用できる。前記アルキル置換スチレンの具体的な例としては、α-メチルスチレン、p-メチルスチレン、o-エチルスチレン、m-エチルスチレン、p-エチルスチレン、p-t-ブチルスチレン、2,4-ジメチルスチレンなどが挙げられる。
前記グリシジル(メタ)アクリレート単量体としてはグリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートおよびこれらの混合物より選ばれたいずれか一つ以上を使用できる。
前記芳香族ビニル-グリシジル(メタ)アクリレート共重合体は、一例として、スチレンおよびグリシジルアクリレートの共重合体、スチレンおよびグリシジルメタクリレートの共重合体、α-メチルスチレンおよびグリシジルアクリレートの共重合体、α-メチルスチレンおよびグリシジルメタクリレートの共重合体、スチレン、α-メチルスチレンおよびグリシジルアクリレートの共重合体、スチレン、α-メチルスチレンおよびグリシジルメタクリレートの共重合体、またはスチレン、α-メチルスチレン、グリシジルアクリレートおよびグリシジルメタクリレートの共重合体が挙げられ、好ましくはスチレン-グリシジルメタクリレートの共重合体が挙げられる。この場合、前記スチレン-グリシジルメタクリレート共重合体は、スチレン50~95重量%およびグリシジルメタクリレート5~50重量%を含む単量体混合物が共重合されたものであり得る。
一例として、前記ポリオレフィン-芳香族ビニル-グリシジル(メタ)アクリレートグラフト共重合体は、ポリエチレン-スチレン-グリシジルメタクリレートグラフト共重合体(PE-g-SGMA)およびエチレン-ビニルアセテート-スチレン-グリシジルメタクリレートグラフト共重合体(EVA-g-SGMA)からなる群より選ばれた1種以上であり得る。
一実施形態で前記ポリオレフィン-芳香族ビニル-グリシジル(メタ)アクリレートグラフト共重合体は、前記ポリオレフィン-芳香族ビニル-グリシジル(メタ)アクリレートグラフト共重合体100重量%を基準として前記置換若しくは非置換されたポリオレフィン70~95重量%を含み、前記芳香族ビニル-グリシジル(メタ)アクリレート共重合体5~30重量%を含み得る。
前記ポリオレフィン-芳香族ビニル-シアン化ビニルグラフト共重合体およびポリオレフィン-芳香族ビニル-グリシジル(メタ)アクリレートグラフト共重合体のうち少なくとも一つは、基礎樹脂100重量部に対して例えば2~6重量部含まれ得る。前記ポリオレフィン-芳香族ビニル-シアン化ビニルグラフト共重合体および/またはポリオレフィン-芳香族ビニル-グリシジル(メタ)アクリレートグラフト共重合体が2重量部未満含まれる場合は、それを用いた成形品の摩擦音低減特性が発現しにくく、6重量部を超える場合は剛性など機械的物性が低下する恐れがある。
(F)その他添加剤
一実施形態による熱可塑性樹脂組成物は前記成分(A)~(E)の他にも、優れた摩擦音低減特性、機械的物性、および耐薬品性をすべて維持する条件下に各物性の間のバランスをとるために、あるいは前記熱可塑性樹脂組成物の最終用途に応じて必要な1種以上の添加剤をさらに含み得る。
具体的には、前記添加剤としては、核剤、カップリング剤、充填剤、可塑剤、滑剤、離型剤、抗菌剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線安定剤、難燃剤、帯電防止剤、衝撃補強剤、染料、顔料などが使用され得、これらは単独であるいは2種以上を組み合わせて使用できる。
これら添加剤は、熱可塑性樹脂組成物の物性を阻害しない範囲内で適切に含まれ得、具体的には基礎樹脂100重量部に対して20重量部以下で含まれ得るが、これに制限されるものではない。
本発明による熱可塑性樹脂組成物は熱可塑性樹脂組成物を製造する公知の方法によって製造することができる。
例えば、本発明による熱可塑性樹脂組成物は、本発明の構成成分とその他添加剤を同時に混合した後、押出機内で溶融混練してペレット(pellet)形態で製造することができる。
本発明の一実施形態による成形品は、上述した熱可塑性樹脂組成物から製造することができる。
一実施形態で、前記成形品はドイツ自動車産業協会の規格であるVDA230-206に従って測定可能な常温条件でのきしみ音(Squeak noise)がRPN1~3できしみ音がほとんど発生せず、80℃オーブンに約300時間の間放置した条件でのきしみ音もまたRPN1~4水準で、優れた摩擦音低減特性を示すことができる。
前記きしみ音の具体的な評価方法および結果は実験例で後述する。
一実施形態で、前記成形品はISO180に従って測定したノッチアイゾット(Izod)衝撃強度が少なくとも40kJ/mであり得、例えば41kJ/m以上、例えば42kJ/mであり得る。
一実施形態で、前記成形品はISO527-1に従って測定した引張強度が少なくとも50MPa以上であり得、ISO178に従って測定された曲げ弾性率が少なくとも2,000MPa以上であり得る。
一実施形態で、前記成形品はASTM D638Type I形態の試験片に成形して臨界変形量1%のジグ(zig)に設置して前記試験片表面に自動車用芳香剤(ファブリーズ社)を塗布した後、常温で168時間放置する場合、前記試験片表面に発生したクラック(crack)の幅が10μm以下であり得、例えば9μm以下、例えば8μm以下であり得る。
このように、熱可塑性樹脂組成物は摩擦音低減特性、機械的物性および耐薬品性がすべて優れるので、塗装、無塗装で使用する多様な製品に広範囲に適用でき、特に、スティック-スリップ(stick-slip)現象が最小化される。このため、摩擦音低減が大きく求められる自動車、例えば電気車の内装材などの用途にも有用に適用することができる。
[発明を実施するための形態]
以下で本発明を実施例および比較例によりさらに詳細に説明するが、下記の実施例および比較例は説明の目的のためのものであり、本発明を制限しようとするものではない。
実施例1~4および比較例1~比較例5
実施例1~4および比較例1~比較例5の熱可塑性樹脂組成物は、下記表1に記載された成分含有量比により製造された。
表1において、(A)、(B)、(C)は基礎樹脂に含まれるものとして基礎樹脂総重量を基準として重量%で示し、(D)、(E)[(E-1)、(E-2)]、および(E’)は基礎樹脂に添加されるものとして基礎樹脂100重量部に対する重量部で示した。
表1に記載された成分を乾式混合して2軸押出機(L/D=36,φ=45mm)の供給部(バレル温度:250℃)に定量的に連続投入して溶融/混練した。次に2軸押出機によりペレット化された熱可塑性樹脂組成物を約80℃で約4時間の間乾燥した後、シリンダー温度約260℃、金型温度約60℃の6oz射出成形機を用いて物性評価用試験片、および100mm×50mm×2mm(横×縦×厚さ)のきしみ音評価用試験片をそれぞれ製造した。
Figure 2022540045000003
前記表1に記載された各構成に係る説明は次のとおりである。
(A)ポリカーボネート樹脂
ASTM D1238規格に従い、300℃、1.2kg荷重条件で測定した溶融流れ指数(melt flow index)が約18g/10minであるポリカーボネート樹脂(ロッテ先端素材社)
(B)芳香族ビニル-シアン化ビニル共重合体
アクリロニトリル約28重量%およびスチレン約72重量%を含む単量体混合物から共重合された重量平均分子量が約100,000g/molであるスチレン-アクリロニトリル共重合体(ロッテ先端素材社)
(C)アクリロニトリル-ブタジエン-スチレングラフト共重合体
ブタジエンゴム質重合体約45重量%からなるコア(平均粒径:約300nm)にスチレン:アクリロニトリル重量比が約71:29のスチレン-アクリロニトリル共重合体がシェルをなしたアクリロニトリル-ブタジエン-スチレングラフト共重合体(ロッテ先端素材社)
(D)ポリエステル樹脂
ASTM D2857に従って測定した固有粘度が約1.20dl/gのポリブチレンテレフタレート樹脂(Shinkong社、DHK 011)
(E-1)ポリオレフィン-芳香族ビニル-シアン化ビニルグラフト共重合体
ポリエチレン主鎖にスチレン-アクリロニトリル共重合体がグラフトされた共重合体(PE-g-SAN,NOF社、MODIPER(登録商標)A1401)
(E-2)ポリオレフィン-芳香族ビニル-グリシジル(メタ)アクリレートグラフト共重合体
ポリエチレン主鎖にスチレン-グリシジルメタクリレート共重合体がグラフトされたポリエチレン-スチレン-グリシジルメタクリレートグラフト共重合体(PE-g-SGMA,NOF社、MODIPER(登録商標)AS100)
(E’)ジメチルポリシロキサン
25℃での動粘度が約100cStのジメチルポリシロキサン(Shin-Etsu Chemical社、KF-96)
実験例
実験結果を下記表3に示した。
(1)きしみ音(squeak noise):VDA230-206に従い、下記条件1(常温条件)、条件2(苛酷条件)それぞれに該当するきしみ音評価用試験片の摩擦音を測定した。
-条件1(常温条件):試験片を別途熱処理なしに常温に放置する
-条件2(苛酷条件):試験片を約80℃オーブンに約300時間の間放置する
下記図面はVDA230-206の基本原理を図式化したものである。下記図面を参照すると、材料Aと材料Bは同じ条件で熱処理された同じ材料であり、ばね成分によって移動相である材料Aは、材料Bに対して相対的に動く。ばね成分によって材料が互いに加えられる力(F)は40Nであり、スライドキャリッジ(sliding carriage)の移動速度(V)は4mm/sであり、二つの材料試験片の接触面積は1,250mmであった。ばねの移動現象はスティック(stick)とスリップ(slip)によるものであり、これを用いてきしみ音の評価を行った。
Figure 2022540045000004
下記表2はきしみ音の評価基準を示したものであり、RPNが1に近いほど摩擦音低減特性に優れる。
Figure 2022540045000005
表2を参照すると、RPN1~3はノイズが殆どない状態を意味し、RPN4~5は限界地点でノイズがスティック-スリップ効果によって除去できない状態を意味する。また、RPN6~10はスティック-スリップ効果が克明で必ずノイズが現れる状態を意味する。
(2)引張強度(単位:MPa):ISO527-1に従って物性評価用試験片の引張強度を測定した。
(3)曲げ弾性率(単位:MPa):ISO178に従って物性評価用試験片の曲げ弾性率を測定した。
(4)耐衝撃性(単位:kJ/m2):ISO180に従って物性評価用試験片のノッチアイゾット(Izod)衝撃強度を測定した。
(5)耐化学性(単位:μm):臨界変形量1%のジグ(zig)にASTM D638 Type I試験片を設置し、試験片表面に自動車用芳香剤(ファブリーズ社)を塗布した後、常温で168時間放置した後、試験片に発生した最大クラック幅を測定した。
図1は100倍率光学顕微鏡イメージを基準として、試験片表面に発生したクラック(crack)を観察した例示である。
(6)耐熱性(℃): ASTM D648に従って18.5kg荷重条件で熱変形温度(heat deflection temperature,HDT)を測定した。
Figure 2022540045000006
表1および表3から、実施例1~実施例4のように一実施形態による構成成分を最適な含有量で使用することによって、比較例に比べて優れた摩擦音低減特性、機械的物性(耐衝撃性および剛性)および耐化学性を示す熱可塑性樹脂組成物およびそれを用いた成形品を提供できることを確認することができる。
以上、本発明を上記したとおり好ましい実施例により説明したが、本発明はこれに限定されず、次に記載する特許請求範囲の概念と範囲を逸脱しない限り、多様な修正および変形ができることを本発明が属する技術分野に従事する者は簡単に理解できる。

Claims (15)

  1. (A)ポリカーボネート樹脂65~75重量%;
    (B)芳香族ビニル-シアン化ビニル共重合体10~20重量%;および
    (C)アクリロニトリル-ブタジエン-スチレングラフト共重合体10~20重量%;
    を含む基礎樹脂100重量部に対して、
    (D)ポリエステル樹脂1~5重量部;ならびに
    (E)ポリオレフィン-芳香族ビニル-シアン化ビニルグラフト共重合体およびポリオレフィン-芳香族ビニル-グリシジル(メタ)アクリレートグラフト共重合体のうち少なくとも一つを2~6重量部含む、熱可塑性樹脂組成物。
  2. 前記(A)ポリカーボネート樹脂は、ASTM D1238規格に従い、300℃、1.2kg荷重条件で測定した溶融流れ指数(melt flow index)が10~25g/10minである、請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  3. 前記(B)芳香族ビニル-シアン化ビニル共重合体は、前記芳香族ビニル-シアン化ビニル共重合体100重量%を基準として芳香族ビニル化合物60~80重量%およびシアン化ビニル化合物20~40重量%を含む単量体混合物の共重合体である、請求項1または2に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  4. 前記(B)芳香族ビニル-シアン化ビニル共重合体の重量平均分子量は、80,000~200,000g/molである、請求項1から3のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  5. 前記(B)芳香族ビニル-シアン化ビニル共重合体は、スチレン-アクリロニトリル共重合体である、請求項1から4のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  6. 前記(C)アクリロニトリル-ブタジエン-スチレングラフト共重合体は、
    ブタジエン系ゴム質重合体からなるコア、および
    アクリロニトリルとスチレンとが前記コアにグラフト重合されて形成されたシェルを含むコア-シェル構造である、請求項1から5のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  7. 前記(C)アクリロニトリル-ブタジエン-スチレングラフト共重合体は100重量%を基準として前記コア30~70重量%を含む、請求項6に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  8. 前記(C)アクリロニトリル-ブタジエン-スチレングラフト共重合体は、ゴム質重合体の平均粒径が200~400nmである、請求項1から7のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  9. 前記ポリオレフィン-芳香族ビニル-シアン化ビニルグラフト共重合体は、置換若しくは非置換のポリオレフィン主鎖にスチレン-アクリロニトリル共重合体がグラフトされたものであり、
    前記ポリオレフィン-芳香族ビニル-グリシジル(メタ)アクリレートグラフト共重合体は、置換若しくは非置換のポリオレフィン主鎖に芳香族ビニル-グリシジル(メタ)アクリレート共重合体がグラフトされたものである、請求項1から8のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  10. 前記置換若しくは非置換のポリオレフィンは、ポリエチレンおよびエチレン-ビニルアセテート共重合体を含む群より選ばれた1種以上である、請求項9に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  11. 前記芳香族ビニル-グリシジル(メタ)アクリレート共重合体は、スチレン-グリシジルメタクリレート共重合体である、請求項9または10に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  12. 前記ポリオレフィン-芳香族ビニル-シアン化ビニルグラフト共重合体は、ポリエチレン-スチレン-アクリロニトリルグラフト共重合体である、請求項1から11のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  13. 前記ポリオレフィン-芳香族ビニル-グリシジル(メタ)アクリレートグラフト共重合体は、ポリエチレン-スチレン-グリシジルメタクリレートグラフト共重合体およびエチレン-ビニルアセテート-スチレン-グリシジルメタクリレートグラフト共重合体からなる群より選ばれた1種以上である、請求項1から12のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  14. 核剤、カップリング剤、充填剤、可塑剤、滑剤、離型剤、抗菌剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線安定剤、難燃剤、帯電防止剤、衝撃補強剤、染料、顔料より選ばれた少なくとも一つの添加剤をさらに含む、請求項1から13のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  15. 請求項1から14のいずれか一項による熱可塑性樹脂組成物を含む、成形品。
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