本明細書において用いられる複雑な化学名では、置換基は典型的には、それが結合している基の前に名称が挙げられている。例えば、メトキシエチルは、メトキシ置換基を伴うエチル主鎖を含む。
本明細書で使用される場合の「C1~C3アルキル」および「C1~C6アルキル」という用語は、それぞれ1~3個または1~6個の炭素原子の飽和直鎖または分枝鎖一価炭化水素ラジカルを指す。アルキル基の例には、これに限定されないが、メチル、エチル、1-プロピル、イソプロピル、1-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、2-メチル-2-プロピル、ペンチル、ネオペンチル、およびヘキシルが含まれる。
本明細書で使用される場合の「C1~C6フルオロアルキル」という用語は、1~3個の水素原子がそれぞれ1~3個のフルオロ原子で置き換えられている、本明細書において定義されるとおりのC1~C6アルキルラジカルを指す。例には、これに限定されないが、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、2-フルオロエチル、2,2-ジフルオロエチル、2,2,2-およびトリフルオロエチルが含まれる。
本明細書で使用される場合の「C1~C6重水素化アルキル」という用語は、1~6個のジューテリウム原子で置換されている、本明細書において定義されるとおりのC1~C6アルキルラジカルを指す。例には、これに限定されないが、-CD3が含まれる。
本明細書で使用される場合の「C1~C3アルコキシ」および「C1~C6アルコキシ」という用語は、酸素原子上にある、それぞれ1~3個または1~6個の炭素原子の飽和直鎖または分枝鎖一価アルコキシラジカルを指す。アルコキシ基の例には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、およびイソプロポキシが含まれる。
本明細書で使用される場合の「(C1~C3アルコキシ)C1~C6アルキル」および「(C1~C6アルコキシ)C1~C6アルキル」という用語は、炭素原子の1個が本明細書において定義されるとおりのそれぞれC1~C3アルコキシ基またはC1~C6アルコキシ基で置換されている1~6個の炭素原子の飽和直鎖または分枝鎖一価ラジカルを指す。例には、メトキシメチル(CH3OCH2-)およびメトキシエチル(CH3OCH2CH2-)が含まれる。
本明細書で使用される場合の「化合物」という用語は、図示されている構造の立体異性体、幾何異性体、互変異性体、および同位体のすべてを包含することが意図されている。1つの特定の互変異性型として名称または構造により同定されている本明細書における化合物は、別段に指定されていない限り、他の互変異性型を含むことが意図されている。
本明細書で使用される場合の「互変異性体」という用語は、それらの構造が原子の配置において異なるが、容易で急速な平衡で存在する化合物を指し、本明細書において提供される化合物が異なる互変異性体として図示されることもあり、化合物が互変異性型を有する場合、互変異性型のすべてが、本発明の範囲内であることが意図されており、その化合物の命名がいずれの互変異性体も排除しないことは理解されるべきである。
本明細書において提供されるある特定の化合物は、1つまたは複数の非対称中心を含むことがあり、したがって、ラセミ混合物などの異性体の混合物で、または鏡像異性的に純粋な形態で調製および単離することができることは分かるであろう。
式Iの化合物には、その薬学的に許容できる塩が含まれる。加えて、式Iの化合物には、必ずしも薬学的に許容できる塩ではなく、かつ式Iの化合物を調製および/または精製するために、および/または式Iの化合物の鏡像異性体を分離するために中間体として有用であり得るそのような化合物の他の塩も含まれる。
「薬学的に許容できる塩」という用語は、式(I)の化合物の生物学的有効性および特性を保持していて、かつ適切な非毒性有機もしくは無機酸または有機もしくは無機塩基と共に形成され得る慣用の酸付加または塩基付加塩を指す。酸付加塩の例には、これに限定されないが、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、硝酸および過塩素酸などの無機酸から誘導される、ならびにこれに限定されないが、酢酸、プロピオン酸、安息香酸、グリコール酸、フェニル酢酸、サリチル酸、マロン酸、マレイン酸、オレイン酸、パモ酸、パルミチン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、シュウ酸、酒石酸、コハク酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、グルタミン酸、フマル酸などの様々な有機酸から誘導される塩が含まれる。塩基付加塩の例は、アンモニウム、カリウム、ナトリウムおよび第四級アンモニウムの水酸化物、例えば、水酸化テトラメチルアンモニウムから誘導される塩である。これらの塩は多くの場合に、それらの調製に使用される化合物よりも好ましい溶解特性を示し、したがって、様々な医薬製剤の調製において使用するために、より適切である。一実施形態では、式Iの化合物の薬学的に許容できる塩には、トリフルオロ酢酸塩などの酸塩が含まれる。
さらに、式I、式II、および式IIIの化合物、またはそれらの塩を溶媒和物の形態で単離してもよいこと、したがって、そのような溶媒和物はいずれも本発明の範囲内に含まれることは認められるであろう。
「溶媒和物」という用語は、溶媒および溶質の非共有結合の化学量論的または非化学量論的組合せを指す。「水和物」という用語は、水および溶質の非共有結合の化学量論的または非化学量論的組合せを指す。例えば、式I、式II、および式IIIの化合物、ならびにその薬学的に許容できる塩および多形体は、非溶媒和形態で、さらに、アニソール、ジクロロメタン、トルエン、1,4-ジオキサン、水などの薬学的に許容できる溶媒との溶媒和形態で存在し得る。
式I、式II、および式IIIの化合物は、様々な幾何異性形態で存在し得る。加えて、ある特定の式I、式II、および式IIIの化合物は1つまたは複数の不斉中心を含むことがあり、そのため、立体異性およびジアステレオ形態で存在することがある。「立体異性体」という用語は、同一の分子連結性および結合多重性を有するが、その原子の空間における配置が異なる化合物を示している。シス異性体、トランス異性体、ジアステレオ異性体混合物、ラセミ体、鏡像異性体の非ラセミ混合物、実質的に純粋および純粋な鏡像異性体などのこれらの化合物はすべて、本発明の範囲内である。一実施形態では、実質的に純粋な鏡像異性体は、対応する逆の鏡像異性体を5重量%まで含有する。一実施形態では、実質的に純粋な鏡像異性体は、対応する逆の鏡像異性体を2重量%まで含有する。一実施形態では、実質的に純粋な鏡像異性体は、対応する逆の鏡像異性体を1重量%まで含有する。
光学異性体は、公知の方法により、例えば、光学的に活性な酸もしくは塩基を使用してジアステレオ異性体塩を形成することにより、または共有結合ジアステレオ異性体を形成することにより、ラセミ混合物を分割することにより調製することができる。適切な酸には、例えば、酒石酸、ジアセチル酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、ジトルオイル酒石酸およびカンファースルホン酸が含まれる。ジアステレオ異性体混合物は、それらの物理的および/または化学的差違に基づき、クロマトグラフィーまたは分別結晶化などの当業者に公知の方法により個々のジアステレオ異性体に分離することができる。続いて、光学的に活性な塩基または酸を、分離されたジアステレオ異性体塩から遊離させる。光学異性体を分離する様々な方法には、鏡像異性体の分離を最大化することを目的として、誘導体化により用いられてもよいキラルクロマトグラフィー(例えば、キラルHPLCカラム)が含まれる。適切なキラルHPLCカラムは、所望のとおりルーチン的に選択することができるCHIRALPAKまたはCHIRALCELカラムなどのDiacelカラムである。適用可能である場合、誘導体化により実施される酵素的分離を使用してもよい。光学的に活性な式II、および式IIIの化合物は、光学的に活性な出発物質を使用して、ラセミ化反応条件を伴わないキラル合成を用いて調製することもできる。
一実施形態では、式Iの化合物には、実施例1~80の化合物、ならびにその薬学的に許容できる塩、溶媒和物および多形体(例えば、実施例81~86)が含まれる。一実施形態では、実施例1~80の化合物は遊離塩基形態である。一実施形態では、実施例1~80の化合物は酸塩形態である。一実施形態では、実施例1~80の化合物の1種または複数はトリフルオロ酢酸塩である。
「薬学的に許容できる」という用語は、上記化合物、またはその塩もしくは組成物が、製剤を構成する他の成分および/またはそれで処置される対象と化学的および/または毒物学的に適合性であることを示している。
本明細書において提供される化合物は、そのような化合物を構成する原子の1個または複数において不自然な割合の原子同位体を含有することもある。すなわち、特に式I、式II、および式IIIの化合物に関連して述べられる場合に、原子は、天然に存在するか、または合成で生成された、その原子のすべての同位体および同位体混合物を天然存在比で、または同位体濃縮形態で含む。例えば、水素が述べられる場合、それは1H、2H、3Hまたはその混合物を指すと理解され;炭素が述べられる場合、それは11C、12C、13C、14Cまたはその混合物を指すと理解され;窒素が述べられる場合、それは13N、14N、15Nまたはその混合物を指すと理解され;酸素が述べられる場合、それは14O、15O、16O、17O、18Oまたはその混合物を指すと理解され;フルオロが述べられる場合、それは18F、19Fまたはその混合物を指すと理解される。したがって前述のとおり、本明細書において提供される化合物は、放射性化合物を含めて、1個または複数の原子の1つまたは複数の同位体、およびその混合物を有する化合物も含み、その際、1個または複数の非放射性原子が、その放射性富化同位体の1つにより置き換えられている。放射標識された化合物は、治療薬、例えば、がん治療薬、研究試薬、例えば、アッセイ試薬、および診断薬、例えば、in vivoイメージング剤として有用である。本明細書において提供される化合物の同位体変形形態のすべてが、放射性か否かにかかわらず、本発明の範囲内に包含されることが意図されている。
式I、式IIおよび式IIIの化合物は、様々な多形形態で存在し得る。「多形体」、「多形形態」および「結晶形態」という用語は、単一の化合物の種々の結晶形態を指す。すなわち、多形体は、同じ分子式を共有する別個の固体ではあるが、各多形体は、別個の固体状態の物理的特性を有し得る。したがって、単一の化合物が様々な多形形態を生じさせることがあり、その場合、各形態が、異なる溶解性プロファイル、溶解速度、融点温度、流動性、および/または異なるX線回折ピークなどの異なる別個の固体状態物理的特性を有する。物理的特性の相違は、貯蔵安定性、圧縮性および密度などの薬学的パラメーター(製剤および製品製造において重要であり得る)、ならびに溶解速度(生物学的利用能において重要な因子であり得る)に影響を及ぼし得る。多形形態を特徴づけるための技法には、これに限定されないが、X線粉末回折測定(XRPD)、示差走査熱分析(DSC)、熱重量分析(TGA)、単結晶X線回折測定(XRD)、振動分光法、例えば、赤外(IR)およびラマン分光法、固体状態および溶液核磁気共鳴(NMR)分光法、光学顕微鏡法、ホットステージ光学顕微鏡法、走査電子顕微鏡法(SEM)、電子結晶学および定量分析、粒径分析(PSA)、表面積分析、溶解性測定、溶解測定、元素分析およびカールフィッシャー分析が含まれる。
一実施形態では、N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミドの結晶形態またはその溶媒和物を本明細書において提供する。
一実施形態では、本明細書に開示のN-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミドの1つまたは複数の結晶形態は無水である。
一実施形態では、本明細書に開示のN-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミドの1つまたは複数の結晶形態を溶媒和物として単離することができる。一実施形態では、結晶形態をアニソール溶媒和物、例えば、モノ-アニソール溶媒和物として単離する。一実施形態では、結晶形態をジクロロメタン溶媒和物、例えば、ヘミ-ジクロロメタン溶媒和物として単離する。一実施形態では、結晶形態をトルエン溶媒和物として単離する。一実施形態では、結晶形態を1,4-ジオキサン溶媒和物として単離する。
一実施形態では、N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態A無水物、N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態B無水物、N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態Cモノ-アニソール、N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態Dヘミ-ジクロロメタン、N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態Eトルエン、およびN-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態F1,4-ジオキサンから選択される、N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミドの結晶形態を本明細書において提供する。
一部の実施形態では、結晶形態は、それらのX線粉末回折(XRPD)パターンにより特徴づけられ得る。XRPD分析を、PIXcel検出器(128チャネル)を備えたPANalytical X’pert proで、3~35°2θで試料を走査して実施した。材料を穏やかに摩砕して、あらゆる凝集物を分離し、試料を支持するためのMylarポリマーフィルムを備えたマルチウェルプレートに装填した。次いで、マルチウェルプレートを回折計に入れ、Cu K放射線(CuKα=1.5418λ)を使用し、40kV/40mAジェネレータ設定を用いる転送モード(ステップサイズ0.0130°2θ、ステップ時間18.87s)で走査して分析した。データを可視化し、画像を、HighScore Plus 4.7デスクトップアプリケーション(PANalytical、2017)を使用して作成した。下の表は分析を含み、次の概数データを表示している:度で測定された2θ±0.2度;オングストロームで測定されたd±0.2度;および秒あたりカウントで高さ%(H%)を測定するためにピーク高さを用いる相対強度。
N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミドの結晶形態でのX線粉末回折パターンの2シータ値は、機器によって、また試料調製の変化およびバッチごとの変化に応じてわずかに変動し得るので、引用されている値を絶対と解釈すべきではないことは理解されるであろう。ピークの相対強度は配向効果に応じて変動し得るので、本明細書に含まれるXRPDトレースに示されている強度は例示的であり、絶対比較で用いられることは意図されていないことも理解されるであろう。したがって、「図1に示されているのと実質的に同じXRPDパターン」という語句は、比較目的では、図1に示されているピークの少なくとも90%が存在することを意味することは理解されるべきである。相対ピーク位置が図1に示されているピーク位置から±0.2度で変動し得ることは理解されるべきである。さらに、比較目的では、ピーク強度の、図1に示されているものからの多少変化が許容されることは理解されるべきである。同じことが、図4、7、9、11および13の記載にも当てはまる。
一部の実施形態では、結晶形態は、それらのDSC走査により特徴づけられ得る。温度遷移値は示差走査熱分析(「DSC」)により測定した。およそ1~5mgの材料をアルミニウムDSCパンに秤量し、アルミニウムリッドで非気密封止した。試料パンを、RC90冷却器を備えたTA Instruments Discovery DSC 2500示差走査熱量計に装填した。試料および基準を10℃/分の走査速度で様々な温度に加熱し、得られた熱流応答をモニターした。試料を20℃に再冷却し、次いで、10℃/分で再加熱した。窒素をパージガスとして、50cm3/分の流速で使用した。
一部の実施形態では、結晶形態は、熱重量(TG)/示差走査熱分析走査(DSC)により特徴づけられ得る。TG/DSC分析をおよそ5~10mgの材料を使用して実施し、これを風袋を除いた開放アルミニウムパンに添加し、TA Instruments Discovery SDT 650 Auto-Simultaneous DSCに装填し、室温に保持した。次いで、試料を10℃/分の速度で30℃~400℃に加熱し、その時間中に、試料重量の変化を熱流応答(DSC)と共に記録した。窒素をパージガスとして、300cm3/分の流速で使用した。
N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態A無水物
一実施形態では、結晶形態N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態A無水物を本明細書において提供する。
一部の実施形態では、結晶形態N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態A無水物は、図1に例示されているとおりの、そのXRPDパターンにより特徴づけられ得る。
一部の実施形態では、結晶形態N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態A無水物は、表3に列挙されているとおりの少なくとも20の特徴的なピーク(2θ度±0.2)を有するXRPDパターンを有する。
一部の実施形態では、結晶形態N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態A無水物は、表3に列挙されている特徴的なピーク(2θ度±0.2)の少なくとも8つを含むXRPDパターンを有する。
一部の実施形態では、結晶形態N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態A無水物は、表3に列挙されている特徴的なピーク(2θ度±0.2)の少なくとも5つを含むXRPDパターンを有する。
一部の実施形態では、結晶形態N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態A無水物は、表3Aに列挙されているとおりの少なくとも8つの特徴的なピーク(2θ度±0.2)を含むXRPDパターンを有する。
一部の実施形態では、結晶形態N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態A無水物は、表3Bに列挙されているとおりの少なくとも5つの特徴的なピーク(2θ度±0.2)を含むXRPDパターンを有する。
一部の実施形態では、結晶性N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態A無水物は、162.65℃の溶融開始温度および164.39℃の溶融最大温度を有する、図2に示されているとおりのDSCサーモグラムを有する。
一部の実施形態では、結晶性N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態A無水物は、図3に示されているとおりのTG/DSCプロファイルを有する。
N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態B無水物
一実施形態では、結晶形態N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態B無水物を本明細書において提供する。
一部の実施形態では、結晶形態N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態B無水物は、図4に図示されているとおりの、そのXRPDパターンにより特徴づけられ得る。
一部の実施形態では、結晶形態N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態B無水物は、表4に列挙されているとおりの少なくとも20の特徴的なピーク(2θ度±0.2)を含むXRPDパターンを有する。
一部の実施形態では、結晶形態N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態B無水物は、表4に列挙されている特徴的なピーク(2θ度±0.2)の少なくとも8つを含むXRPDパターンを有する。
一部の実施形態では、結晶形態N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態B無水物は、表4に列挙されている特徴的なピーク(2θ度±0.2)の少なくとも5つを含むXRPDパターンを有する。
一部の実施形態では、結晶形態N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態B無水物は、表4Aに列挙されているとおりの少なくとも8つの特徴的なピーク(2θ度±0.2)を含むXRPDパターンを有する。
一部の実施形態では、結晶形態N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態B無水物は、表4Bに列挙されているとおりの少なくとも6つの特徴的なピーク(2θ度±0.2)を含むXRPDパターンを有する。
一部の実施形態では、結晶形態N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態B無水物は、表4Cに列挙されているとおりの少なくとも5つの特徴的なピーク(2θ度±0.2)を含むXRPDパターンを有する。
一部の実施形態では、結晶形態N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態B無水物は、表4Dに列挙されているとおりの少なくとも3つの特徴的なピーク(2θ度±0.2)を含むXRPDパターンを有する。
一部の実施形態では、結晶性N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態B無水物は、148.8℃の溶融開始温度および151.39℃の溶融最大温度を有する、図5に示されているとおりのDSCサーモグラムを有する。
一部の実施形態では、結晶性N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態B無水物は、図6に示されているとおりのTG/DSCプロファイルを有する。
N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態Cモノ-アニソール
一実施形態では、結晶形態N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態Cモノ-アニソールを本明細書において提供する。
一部の実施形態では、結晶形態N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態Cモノ-アニソールは、図7に図示されているとおりの、そのXRPDパターンにより特徴づけられ得る。
一部の実施形態では、結晶形態N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態Cモノ-アニソールは、表5に列挙されているとおりの少なくとも20の特徴的なピーク(2θ度±0.2)を含むXRPDパターンを有する。
一部の実施形態では、結晶形態N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態Cモノ-アニソールは、表5に列挙されている特徴的なピーク(2θ度±0.2)の少なくとも8つを含むXRPDパターンを有する。
一部の実施形態では、結晶形態N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態Cモノ-アニソールは、表5に列挙されている特徴的なピーク(2θ度±0.2)の少なくとも5つを含むXRPDパターンを有する。
一部の実施形態では、結晶形態N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態Cモノ-アニソールは、表5Aに列挙されているとおりの少なくとも8つの特徴的なピーク(2θ度±0.2)を含むXRPDパターンを有する。
一部の実施形態では、結晶形態N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態Cモノ-アニソールは、表5Bに列挙されているとおりの少なくとも6つの特徴的なピーク(2θ度±0.2)を含むXRPDパターンを有する。
一部の実施形態では、結晶形態N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態Cモノ-アニソールは、図8に示されているとおりのTG/DSCプロファイルを有する。
N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態Dヘミ-ジクロロメタン
一実施形態では、結晶形態N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態Dヘミ-ジクロロメタンを本明細書において提供する。
一部の実施形態では、結晶形態N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態Dヘミ-ジクロロメタンは、図9に図示されているとおりの、そのXRPDパターンにより特徴づけられ得る。
一部の実施形態では、結晶形態N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態Dヘミ-ジクロロメタンは、表6に列挙されているとおりの少なくとも20の特徴的なピーク(2θ度±0.2)を含むXRPDパターンを有する。
一部の実施形態では、結晶形態N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態Dヘミ-ジクロロメタンは、表6に列挙されている特徴的なピーク(2θ度±0.2)の少なくとも8つを含むXRPDパターンを有する。
一部の実施形態では、結晶形態N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態Dヘミ-ジクロロメタンは、表6に列挙されている特徴的なピーク(2θ度±0.2)の少なくとも5つを含むXRPDパターンを有する。
一部の実施形態では、結晶形態N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態Dヘミ-ジクロロメタンは、表6Aに列挙されているとおりの少なくとも8つの特徴的なピーク(2θ度±0.2)を含むXRPDパターンを有する。
一部の実施形態では、結晶形態N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態Dヘミ-ジクロロメタンは、表6Bに列挙されているとおりの少なくとも6つの特徴的なピーク(2θ度±0.2)を含むXRPDパターンを有する。
一部の実施形態では、結晶形態N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態Dヘミ-ジクロロメタンは、図10に示されているとおりのTG/DSCプロファイルを有する。
N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態Eトルエン
一実施形態では、結晶形態N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態Eトルエンを本明細書において提供する。
一部の実施形態では、結晶形態N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態Eトルエンは、図11に図示されているとおりの、そのXRPDパターンにより特徴づけられ得る。
一部の実施形態では、結晶形態N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態Eトルエンは、表7に列挙されているとおりの少なくとも20の特徴的なピーク(2θ度±0.2)を含むXRPDパターンを有する。
一部の実施形態では、結晶形態N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態Eトルエンは、表7に列挙されている特徴的なピーク(2θ度±0.2)の少なくとも8つを含むXRPDパターンを有する。
一部の実施形態では、結晶形態N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態Eトルエンは、表7に列挙されている特徴的なピーク(2θ度±0.2)の少なくとも5つを含むXRPDパターンを有する。
一部の実施形態では、結晶形態N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態Eトルエンは、表7Aに列挙されているとおりの少なくとも8つの特徴的なピーク(2θ度±0.2)を含むXRPDパターンを有する。
一部の実施形態では、結晶形態N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態Eトルエンは、表7Bに列挙されているとおりの少なくとも6つの特徴的なピーク(2θ度±0.2)を含むXRPDパターンを有する。
ある特定の実施形態では、結晶形態N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態Eトルエンは、図12に示されているとおりのTG/DSCプロファイルを有する。
N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態F1,4-ジオキサン
一実施形態では、結晶形態N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態F1,4-ジオキサンを本明細書において提供する。
一部の実施形態では、結晶形態N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態F1,4-ジオキサンは、図13に図示されているとおりの、そのXRPDパターンにより特徴づけられ得る。
一部の実施形態では、結晶形態N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態F1,4-ジオキサンは、表8に列挙されているとおりの少なくとも20の特徴的なピーク(2θ度±0.2)を含むXRPDパターンを有する。
一部の実施形態では、結晶形態N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態F1,4-ジオキサンは、表8に列挙されている特徴的なピーク(2θ度±0.2)の少なくとも8つを含むXRPDパターンを有する。
一部の実施形態では、結晶形態N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態F1,4-ジオキサンは、表8に列挙されている特徴的なピーク(2θ度±0.2)の少なくとも5つを含むXRPDパターンを有する。
一部の実施形態では、結晶形態N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態F1,4-ジオキサンは、表8Aに列挙されているとおりの少なくとも8つの特徴的なピーク(2θ度±0.2)を含むXRPDパターンを有する。
一部の実施形態では、結晶形態N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態F1,4-ジオキサンは、表8Bに列挙されているとおりの少なくとも6つの特徴的なピーク(2θ度±0.2)を含むXRPDパターンを有する。
一部の実施形態では、結晶形態N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態F1,4-ジオキサンは、図14に示されているとおりのTG/DSCプロファイルを有する。
例示を目的として、スキーム1~15に、本明細書において提供される化合物、さらには重要な中間体を調製するための一般方法を示す。個々の反応ステップのより詳細な記載については、下の実施例セクションを参照されたい。当業者は、他の合成経路を使用して、本発明の化合物を合成することもできることが分かるであろう。具体的な出発物質および試薬がスキームに図示され、下に論述されているが、他の出発物質および試薬を容易に置換して、様々な誘導体および/または反応条件を得ることができる。加えて、後記の方法により調製される化合物の多くを、本開示を考慮して当業者に周知の慣用の化学作用を用いてさらに改変することができる。
上のスキームで定義されたとおりの式21、23、24、26、31、32、33、35、36、37、40、45、49、50、51および52を有する合成中間体を、本発明のさらなる態様として提供する。
本明細書で使用される場合の「アミン保護基」という用語は、化合物の他の官能基で反応が実施されている間に、アミノ基をブロックまたは保護するために一般に用いられる基の誘導体を指す。本明細書に記載のプロセスのいずれかにおいて使用するために適切な保護基の例には、カルバマート、アミド、アルキルおよびアリール基、イミン、さらには、除去すると所望のアミン基を再生することができる多くのN-ヘテロ原子誘導体が含まれる。アミン保護基の非限定的例は、t-ブチルオキシカルボニル(「Boc」)、2-トリメチルシリルエトキシメチル(SEM)、およびp-メトキシベンジル(PMB)である。これらの基のさらなる例、および他の保護基は、T.W.Greeneら、Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis.New York:Wiley Interscience、2006において見い出される。
式Iの化合物は、BRAF関連疾患および障害、例えば、固形腫瘍を含むがんなどの増殖性障害などの、BRAFキナーゼ阻害薬で処置され得る疾患および障害を処置するために有用である。BRAF阻害薬として作用する試験化合物の能力は、実施例Aに記載のアッセイにより実証することができる。IC50値は表Aに示されている。
一部の実施形態では、ある特定の式Iの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、すなわち、本明細書において後記のとおりの式IIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、および式III、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体は、驚くべき脳および/またはCNS浸透を示す。そのような化合物は、BBBを通過して、脳および/または他のCNS構造においてBRAFキナーゼを阻害することができる。一部の実施形態では、本明細書において提供される化合物は、治療有効量でBBBを通過することができる。例えば、がん(例えば、BRAF関連CNSがんなどのBRAF関連がん)を有する対象の処置は、対象への式Iの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体(すなわち、式IIおよび式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体)の投与(例えば、経口投与)を含み得る。したがって、一部の実施形態では、本明細書において提供される化合物は、CNSがんを処置するために有用である。
本明細書で使用される場合、「処置する」または「処置」という用語は、治療的または姑息的方策を指す。有利または所望の臨床結果には、これに限定されないが、検出可能であるか、または検出不可能であるかにかかわらず、疾患または障害または状態と関連する症状の全体的または部分的緩和、疾患の程度の軽減、疾患状態の安定化(すなわち、悪化させない)、疾患進行の遅延または減速、病態(例えば、疾患の1つまたは複数の症状)の寛解または緩和、および軽快(部分的または全体的であるかにかかわらず)が含まれる。しかしながら、「処置する」または「処置」には、対象の様相および/または症状を一次的に悪化させる治療的方策(例えば、BRAF関連腫瘍におけるBRAFキナーゼの阻害)も含まれ得る。本明細書で使用される場合、「処置すること」および、例えばがんの処置に関する場合の「処置すること」という用語は、絶対的用語であることは意図されていない。例えば、「がんの処置」および「がんを処置すること」は、臨床の状況で使用される場合、有利または所望の臨床結果を得ることを含むことが意図されており、がんを有する対象の状態の改善を含み得る。有利または所望の臨床結果には、これに限定されないが、次の1つまたは複数が含まれる:新生物またはがん細胞の増殖の減少(またはその破壊)、新生細胞の転移の阻害、対象における転移の低下、腫瘍のサイズの縮小または低下、対象における1つまたは複数の腫瘍の成長速度の変化、対象での寛解期間の延長(例えば、処置を受けていないか、もしくは異なる処置を受けている同様のがんを有する対象における1つまたは複数の測定基準と比較した場合、または処置前の同じ対象における1つまたは複数の測定基準と比較した場合)、疾患に起因する症状の低下、疾患に罹患している者の生活の質の向上(例えば、FACT-GまたはEORTC-QLQC30を使用して評価)、疾患を処置するために必要とされる他の薬物の用量の低下、疾患の進行の遅延、および/または疾患を有する対象の生存の延長。「処置」は、処置を受けない場合に予測される生存と比較しての生存の延長、例えば、本明細書に記載のとおりの処置を受けていない対象と比較しての全生存期間(OS)の延長、および/または本明細書に記載のとおりの処置を受けていない対象と比較しての無増悪生存期間(PFS)の延長も意味し得る。
本明細書で使用される場合、「対象」という用語は、マウス、ラット、他のげっ歯類、ウサギ、イヌ、ネコ、ブタ、ウシ、ヒツジ、ウマ、霊長類、およびヒトなどの哺乳類を含む任意の動物を指す。一部の実施形態では、対象はヒトである。一部の実施形態では、対象は、処置および/または予防されるべき疾患または障害の少なくとも1つの症状を経験および/または示している。一部の実施形態では、対象は、BRAF変異を有する腫瘍(BRAF関連腫瘍)を有すると同定または診断されている(例えば、規制当局認可、例えば、FDA認可のアッセイまたはキットを使用して決定されるとおり)。一部の実施形態では、対象は、BRAF変異について陽性である腫瘍を有する(例えば、規制当局認可のアッセイまたはキットを使用して決定されるとおり)。対象は、その腫瘍がBRAF変異を有する対象であり得る(例えば、規制当局認可、例えば、FDA認可のアッセイまたはキットを使用するなどで、腫瘍が同定されている)。一部の実施形態では、対象は、BRAF関連腫瘍を有すると疑われている。一部の実施形態では、対象は、対象がBRAF変異を有する腫瘍を有することを示す臨床記録を有する(および任意選択で、臨床記録は、対象が本明細書において提供される組成物のいずれかで処置されるべきことを示している)。一部の実施形態では、対象はヒトである。一部の実施形態では、ヒト対象は小児対象である。
本明細書で使用される場合の「小児対象」という用語は、診断または処置の時点で21歳未満の対象を指す。「小児」という用語はさらに、新生児(誕生から1か月齢まで);乳児(1か月齢から2歳まで);小児(2歳から12歳まで);および青年(12歳から21歳まで(最高で22歳の誕生日まで、ただし、その誕生日は含まない))を含む様々な分集団に区分することができる。Berhman RE、Kliegman R、Arvin AM、Nelson WE、Nelson Textbook of Pediatrics、第15版、Philadelphia:W.B.Saunders Company、1996;Rudolph AMら、Rudolph’s Pediatrics、第21版、New York:McGraw-Hill、2002;およびAvery MD、First LR.Pediatric Medicine、第2版、Baltimore:Williams & Wilkins;1994。一部の実施形態では、小児対象は、誕生から28日齢まで、29日齢から2歳未満、2歳から12歳未満、または12歳から21歳まで(最高で22歳の誕生日まで、ただし、その誕生日は含まない)である。一部の実施形態では、小児対象は、誕生から28日齢、29日齢から1歳未満、1か月齢から4か月齢未満、3か月齢から7か月齢未満、6か月齢から1歳未満、1歳から2歳未満、2歳から3歳未満、2歳から7歳未満、3歳から5歳未満、5歳から10歳未満、6歳から13歳未満、10歳から15歳未満、または15歳から22歳未満である。
ある特定の実施形態では、式Iの化合物、またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物は、本明細書において定義されるとおりの疾患および障害を予防するために有用である。本明細書で使用される場合の「予防すること」という用語は、本明細書に記載のとおりの疾患または状態の発生、再発または伝播の全体的または部分的な予防を意味する。
本明細書で使用されるとおりの疾患または障害に関する「BRAF関連」という用語は、1つまたは複数のBRAF変異と関連するか、またはそれを有する疾患または障害を指す。BRAF関連疾患または障害の非限定的例には、例えば、BRAF関連腫瘍が含まれる。
「BRAF変異」という語句は、野生型BRAFタンパク質と比較した場合に1つまたは複数の点突然変異を有するBRAFタンパク質の発現をもたらすBRAF遺伝子の1つまたは複数の変異をもたらす遺伝子変異(例えば、染色体転座)を指す。BRAF変異の非限定的例には、BRAF V600変異、例えば、V600E、V600K、V600RおよびV600Sが含まれる。
「野生型」という用語は、基準核酸またはタンパク質に関連する疾患または障害を有さない対象において典型的に見い出される核酸(例えば、BRAF遺伝子またはBRAF mRNA)を示す。
「野生型BRAF」という用語は、BRAF関連疾患、例えば、BRAF関連がんを有さない(および任意選択で、BRAF関連疾患を発症するリスクも高くなく、および/またはBRAF関連疾患を有する疑いもない)対象において見い出されるか、またはBRAF関連疾患、例えば、BRAF関連がんを有さない(および任意選択で、BRAF関連疾患を発症するリスクも高くなく、および/またはBRAF関連疾患を有する疑いもない)対象からの細胞または組織において見い出されるBRAF核酸(例えば、BRAF遺伝子またはBRAF mRNA)またはBRAFタンパク質を示す。
本明細書で使用される場合の「腫瘍」という用語は、無制御で通常は急速な細胞増殖から生じる組織の異常な成長を指す。腫瘍は、良性腫瘍(非がん性)または悪性腫瘍(すなわち、がん)であってよい。腫瘍は、固形腫瘍または液性腫瘍(すなわち、血液がんとしても公知の血液腫瘍)であってよい。
本明細書で使用される場合の「BRAF関連腫瘍」という用語は、BRAF変異、例えば、BRAF V600変異、例えば、BRAF V600E、V600K、V600RまたはV600S変異と関連するか、またはそれを有する腫瘍を指す。BRAF関連腫瘍には、良性BRAF関連腫瘍および悪性BRAF関連腫瘍(すなわち、BRAF関連がん)の両方が含まれる。
本明細書で使用される場合の「BRAF関連がん」という用語は、BRAF変異、例えば、BRAF V600変異、例えば、BRAF V600E、V600K、V600RまたはV600S変異と関連するか、またはそれを有するがんを指す。BRAF関連がんの非限定的例は、本明細書に記載されている。
そのような処置を必要とする対象においてBRAF関連腫瘍を処置する方法であって、対象に、治療有効量の式I、式IIもしくは式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、またはその医薬組成物を投与することを含む方法を本明細書において提供する。例えば、そのような処置を必要とする対象において、BRAF関連腫瘍を処置するための方法であって、a)対象からの試料においてBRAF変異を検出するステップと;b)治療有効量の式I、式IIもしくは式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体を投与するステップとを含む方法を本明細書において提供する。一部の実施形態では、BRAF変異は、V600Eおよび/またはV600Kおよび/またはV600Dおよび/またはV600Rである。一部の実施形態では、BRAF変異はV600Eである。一部の実施形態では、BRAF変異はV600Kである。
本明細書に記載の使用の方法のいずれかの一部の実施形態では、BRAF関連腫瘍は固形腫瘍である。一部の実施形態では、腫瘍は頭蓋内である。一部の実施形態では、腫瘍は頭蓋外である。本明細書に記載の使用の方法のいずれかの一部の実施形態では、BRAF関連腫瘍は悪性BRAF関連腫瘍(すなわち、BRAF関連がん)である。本明細書に記載の使用の方法のいずれかの一部の実施形態では、がんは、黒色腫、結腸がん、結腸直腸がん、肺がん(例えば、小細胞肺癌または非小細胞肺癌)、甲状腺がん(例えば、甲状腺乳頭がん、甲状腺髄様がん、分化型甲状腺がん、再発性甲状腺がん、または難治性分化型甲状腺がん)、乳がん、卵巣がん、CNSがん、骨がん、肛門、肛門管、または肛門直腸のがん、眼のがん、胆管がん、腺管上皮内癌、肝臓がん、胆嚢、または胸膜、口腔がん、口腔がん、口唇がん、口咽頭がん、鼻、鼻腔または中耳のがん、外陰がん、食道がん、子宮頸がん、胃腸類がん、下咽頭がん、腎臓がん、喉頭がん、肝臓がん、肺がん、黒色腫、上咽頭がん、末梢神経系がん(例えば、神経芽細胞腫)、卵巣がん、膵臓がん、腹膜、網、および隔膜がん、咽頭がん、前立腺がん、腎臓がん(例えば、腎細胞癌(RCC))、小腸がん、軟部組織がん、胃がん、睾丸がん、子宮がん、尿管がん、または膀胱がんである。一実施形態では、BRAF関連がんは、CNSがん、黒色腫、結腸直腸がん、甲状腺がん、非小細胞肺がん、卵巣がん、または神経芽細胞腫である。一部の実施形態では、BRAF関連がんは、黒色腫、結腸直腸がん、甲状腺がん、非小細胞肺がん、卵巣がん、および神経芽細胞腫から選択される頭蓋外がんである。一部の実施形態では、BRAF関連がんは黒色腫である。一部の実施形態では、BRAF関連がんは結腸直腸がんである。一部の実施形態では、BRAF関連がんは甲状腺がんである。一部の実施形態では、BRAF関連がんは非小細胞肺がんである。一部の実施形態では、BRAF関連がんは卵巣がんである。一部の実施形態では、BRAF関連がんは神経芽細胞腫である。一部の実施形態では、BRAF関連がんは頭蓋内がん(脳腫瘍)である。一部の実施形態では、BRAF関連がんはCNSがんである。
「転移」という用語は、対象において初めに生じた場所(原発性部位)から1つまたは複数の他の部位(1つまたは複数の続発性部位)へのがん細胞の伝播を指す当技術分野で公知の用語である。転移では、がん細胞は元々の(原発性)腫瘍から離れて、血液またはリンパ系を通じて移動し、身体の他の臓器または組織において新たな腫瘍(転移性腫瘍)を形成する。新たな転移性腫瘍は、原発性腫瘍と同じか、または同様のがん細胞を含む。続発性部位で、腫瘍細胞は増殖して、この遠隔部位で続発性腫瘍の成長または定着を開始することができる。
本明細書で使用される場合の「転移がん」(「続発性がん」としても公知)という用語は、1つの組織種で起こったが、次いで、その(原発性)がんの起源外の1つまたは複数の組織に伝播しているがんの1種を指す。転移性脳癌は、脳内のがん、すなわち、脳以外の組織で起こって、脳に転移しているがんを指す。
一実施形態では、BRAF関連腫瘍は、悪性BRAF関連CNS腫瘍(すなわち、BRAF関連CNSがん)である。本明細書において互換的に使用される場合の「CNSがん」または「CNSのがん」という用語は、脳のがん(頭蓋内腫瘍としても公知)、脊髄のがん、ならびに脳および脊髄を囲む髄膜の癌を含むCNSのがん(すなわち、悪性腫瘍)を指す。「BRAF関連CNSがん」という用語は、BRAF変異と関連するか、またはそれを有するCNSがんを指す。CNSのがんには、転移性脳癌および悪性原発性脳腫瘍が含まれる。
一実施形態では、BRAF関連CNSがんはBRAF関連転移性脳癌である。BRAF関連転移性脳癌は、本明細書に記載の任意のがんの結果であり得て、その際、対象は、少なくとも1つの脳転移を発生させている。一実施形態では、BRAF関連転移性脳癌は、転移性黒色腫、転移性結腸直腸がん、または転移性非小細胞肺がんである。一実施形態では、BRAF関連転移性脳癌は転移性黒色腫である。一実施形態では、BRAF関連転移性脳癌は転移性結腸直腸がんである。一実施形態では、BRAF関連転移性脳癌は転移性非小細胞肺がんである。一実施形態では、BRAF関連転移性脳癌は転移性卵巣がんである。一実施形態では、転移性脳癌は転移性甲状腺がんである。一実施形態では、BRAF関連転移性脳癌は腎臓がんである。一実施形態では、がんは、少なくとも1つの脳転移(すなわち、転移性脳癌)を伴うBRAF関連転移がんである。一実施形態では、がんは、少なくとも1つの脳転移を伴うBRAF関連転移性黒色腫である。一実施形態では、がんは、少なくとも1つの脳転移を伴うBRAF関連転移性結腸直腸がんである。一実施形態では、がんは、少なくとも1つの脳転移を伴うBRAF関連転移性非小細胞肺がんである。一実施形態では、がんは、少なくとも1つの脳転移を伴うBRAF関連転移性卵巣がんである。一実施形態では、がんは、少なくとも1つの脳転移を伴うBRAF関連転移性甲状腺がんである。一実施形態では、がんは、少なくとも1つの脳転移を伴うBRAF関連神経芽細胞腫である。
軟髄膜転移(軟髄膜疾患(LMD))は、脳または脊椎の内層で、および/または脳脊髄液(CSF)で成長するCNS転移の亜集団、または軟髄膜癌腫症を表す。哺乳類では、髄膜は、硬膜、クモ膜、および軟膜である。CSFは、クモ膜と軟膜との間のクモ膜下空間に位置する。クモ膜および軟膜は時おり一緒に、軟髄膜と呼ばれる。LMDが軟髄膜および/または脊髄周囲のCSFで生じると、これは「頭蓋外LMD」と称され得る。LMDが軟髄膜および/または脳のCSFで生じると、これは「頭蓋内LMD」と称され得る。LMDがん細胞はCSF中に懸濁し得るので、CNS全体に急速に広がり得る。結果として、LMDは予後不良を有し、生存は典型的には数か月と判断される。一実施形態では、転移がんはBRAF関連LMDである。一実施形態では、転移がんは頭蓋内BRAF関連LMDである。一実施形態では、転移がんは頭蓋外BRAF関連LMDである。軟髄膜転移の最高発病率を示すBRAF関連がんは肺がんおよび黒色腫である。一実施形態では、BRAF関連LMDは、黒色腫転移に由来するLMDである(すなわち、LMDは転移性黒色腫である)。一実施形態では、BRAF関連LMDは、結腸直腸がん転移に由来するLMDである(すなわち、LMDは転移性結腸直腸がんである)。一実施形態では、BRAF関連LMDは、非小細胞肺がん転移に由来するLMDである(すなわち、LMDは転移性非小細胞肺がんである)。
一実施形態では、がんは、高い転移リスクを有するBRAF関連がんである。一実施形態では、高い転移リスクを有するBRAF関連がんは、BRAF V600E、V600K、V600Rおよび/またはV600S変異を有するがんである。一実施形態では、高い転移リスクを有するBRAF関連がんは、黒色腫、結腸直腸がん、甲状腺がん、非小細胞肺がん、卵巣がんまたは神経芽細胞腫である。一実施形態では、高い転移リスクを有するBRAF関連がんは、黒色腫、結腸直腸がん、甲状腺がん、非小細胞肺がん、卵巣がんまたは神経芽細胞腫であり、それらはそれぞれ、BRAF V600E、V600K、V600Rおよび/またはV600S変異を有する。一実施形態では、高い転移リスクを有するBRAF関連がんは黒色腫である。一実施形態では、高い転移リスクを有するBRAF関連がんは、BRAF V600E変異またはBRAF V600K変異を有する黒色腫である。一実施形態では、高い転移リスクを有するBRAF関連がんは結腸直腸がんである。一実施形態では、高い転移リスクを有するBRAF関連がんは、BRAF V600E変異またはBRAF V600K変異を有する結腸直腸がんである。一実施形態では、高い転移リスクを有するBRAF関連がんは甲状腺がんである。一実施形態では、高い転移リスクを有するBRAF関連がんは、BRAF V600E変異またはBRAF V600K変異を有する甲状腺がんである。一実施形態では、高い転移リスクを有するBRAF関連がんは非小細胞肺がんである。一実施形態では、高い転移リスクを有するBRAF関連がんは、BRAF V600E変異またはBRAF V600K変異を有する非小細胞肺がんである。一実施形態では、高い転移リスクを有するBRAF関連がんは卵巣がんである。一実施形態では、高い転移リスクを有するBRAF関連がんは、BRAF V600E変異またはBRAF V600K変異を有する卵巣がんである。一実施形態では、高い転移リスクを有するBRAF関連がんは神経芽細胞腫である。一実施形態では、高い転移リスクを有するBRAF関連がんは、BRAF V600E変異またはBRAF V600K変異を有する神経芽細胞腫である。
一実施形態では、BRAF関連CNS腫瘍は、BRAF関連原発性脳腫瘍である。原発性脳腫瘍は、脳または脊椎で始まる腫瘍であり、まとめて神経膠腫として公知である。「神経膠腫」という用語は、CNSに存在する神経膠細胞に起源する腫瘍を示すために用いられる。脳腫瘍のWHO分類によれば、神経膠腫は、細胞活性および攻撃性により、グレードI(良性CNS腫瘍)およびグレードII~IV(悪性CNS腫瘍)を含むスケールでグレーディングされる:
グレードI神経膠腫(毛様細胞性星細胞腫):典型的には小児において、小脳または脳幹で、また時折、大脳半球で生じ、成長が遅い。グレードIは成人で生じることもある。これらは良性であるが(WHOグレードI)、この疾患の治癒が困難であることにより、それらの成長は、高い罹患率で、挙動において悪性となる(Rostami、Acta Neurochir(Wien).2017;159(11):2217~2221)。
グレードII神経膠腫(低悪性度神経膠腫):星細胞腫、乏突起神経膠腫、および混合乏突起星細胞腫が含まれる。グレードII神経膠腫は典型的には、若年成人(20歳から50歳代)で生じ、多くの場合に大脳半球において見い出される。これらの腫瘍の浸潤性により、再発が起こり得る。一部のグレードII神経膠腫は再発して、より攻撃的な腫瘍(グレードIIIまたはIV)に進展する。
グレードIII神経膠腫(悪性神経膠腫):未分化星細胞腫、未分化乏突起神経膠腫、および未分化混合乏突起星細胞腫が含まれる。グレードIII腫瘍は攻撃的で高悪性度がんであり、触手様突起で近接の脳組織を侵襲するので、完全な外科的除去が、より困難になっている。
グレードIV神経膠腫:多形性神経膠芽腫(GBM)および神経膠肉腫が含まれ;(GBM)は悪性神経膠腫である。GBMは最も攻撃的で、最も一般的な原発性脳腫瘍である。多形性神経膠芽腫は通常、急速に伝播して、触手様突起で脳の他の部分を侵襲するので、完全な外科的除去が、より困難になっている。神経膠肉腫は、悪性がんであり、神経膠腫および肉腫構成成分からなる神経膠芽腫と定義される。
良性原発性脳腫瘍は、重篤な疼痛、恒久的脳損傷および死の原因となり得、場合によっては、悪性になる。良性原発性脳腫瘍の非限定的例には、グレードI神経膠腫、乳頭状頭蓋咽頭腫、髄膜腫(横紋筋肉腫様髄膜腫を含む)、非定型奇形様/横紋筋肉腫様腫瘍、および胚芽異形成性神経上皮腫瘍(DNT)、毛様細胞性星細胞腫、乏突起神経膠腫、混合乏突起星細胞腫、未分化星細胞腫、未分化乏突起神経膠腫、未分化混合乏突起星細胞腫、びまん性星細胞腫、脳室上衣細胞腫、多形黄色星細胞腫(PXA)、神経節膠腫、神経膠肉腫、または未分化神経節膠腫が含まれる。一実施形態では、BRAF関連腫瘍は、良性原発性脳腫瘍である。
一実施形態では、BRAF関連がんは末梢神経系がんである。一実施形態では、末梢神経系がんは神経芽細胞腫である。一実施形態では、がんはBRAF関連がんである。
式Iの化合物のサブセット、すなわち、式IIの化合物またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体は、予測されていなかった脳および/またはCNS浸透を示すことが見い出された。そのような化合物は、BBBを通過して、脳および/または他のCNS構造においてBRAFキナーゼを阻害することができる。一部の実施形態では、式IIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物は、治療有効量でBBBを通過することができる。
一実施形態では、実施例1、3、4、7、9、10、11、12、13、14、15、21、22、23、24、25、27、29、31、32、33、34、35、36、37、38、39、44、46、48、49、50、51、52、54、55、57、59、61、65、67、68、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79および80の化合物は、遊離塩基形態である。一実施形態では、実施例1、3、4、7、9、10、11、12、13、14、15、21、22、23、24、25、27、29、31、32、33、34、35、36、37、38、39、44、46、48、49、50、51、52、54、55、57、59、61、65、67、68、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79および80の化合物は、酸塩形態である。一実施形態では、実施例1、3、4、7、9、10、11、12、13、14、15、21、22、23、24、25、27、29、31、32、33、34、35、36、37、38、39、44、46、48、49、50、51、52、54、55、57、59、61、65、67、68、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79および80の化合物は、トリフルオロ酢酸塩である。
式IIの化合物の特定のサブセット、すなわち、式IIIの化合物またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体は、特に予測されていなかったCNS浸透性を有することが見い出された。一実施形態では、式IIIの化合物は、殊に予測されていなかった脳浸透性を有する。
一実施形態では、式IIIの化合物は、それぞれ次の構造を有する実施例1、4、7、9、10、23、55、63および67の化合物ならびにその薬学的に許容できる塩および溶媒和物、ならびに実施例82を含む:
一実施形態では、実施例1、4、7、9、10、23、55、63および67の化合物は、遊離塩基形態である。一実施形態では、実施例1、4、7、9、10、23、55、63および67の化合物は酸塩形態である。一実施形態では、実施例1、4、7、9、10、23、55、63および67の化合物は、トリフルオロ酢酸塩である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例1またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例4またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例7またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例9またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例10またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例23またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例55またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例63またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例67またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例82である。
したがって、本明細書に記載の式IIまたは式IIIの化合物ならびにその薬学的に許容できる塩および溶媒和物を、CNSのBRAF関連腫瘍を処置するために使用することもできる。例えば、BRAF関連CNS腫瘍を有する対象の処置は、対象への式IIもしくは式IIIの化合物またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体の投与(例えば、経口投与)を含み得る。一部の実施形態では、BRAF関連CNSがんはBRAF V600変異を有する。一部の実施形態では、BRAF関連CNSがんは、BRAF V600Eおよび/またはV600Kおよび/またはV600Dおよび/またはV600R変異を有する。一部の実施形態では、BRAF関連CNSがんは、BRAF V600E変異を有する。一部の実施形態では、BRAF関連CNSがんは、BRAF V600K変異を有する。一部の実施形態では、対象は、例えば、本明細書に後記のとおりの1種または複数の他の抗がん治療、例えば、抗がん薬、外科手術および/または放射線治療で以前に処置されたことがある。一部の実施形態では、対象を、例えば、本明細書に後記のとおりの1種または複数の他の抗がん治療、例えば、抗がん薬、外科手術および/または放射線治療と組み合わせて、式IIもしくは式IIIの化合物またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体で処置する。一部の実施形態では、対象を、例えば、本明細書に後記のとおり、式IIもしくは式IIIの化合物またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体の投与後に、1種または複数の抗がん治療、例えば、抗がん薬、外科手術および/または放射線治療で処置する。
本明細書に記載の方法のいずれかの一部の実施形態では、腫瘍はBRAF関連CNS腫瘍であり、上記方法は、式IIもしくは式IIIの化合物またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体を投与するステップを含む。一部の実施形態では、BRAF関連腫瘍はCNS腫瘍である。一部の実施形態では、BRAF関連CNS腫瘍は悪性CNS腫瘍(CNSがん)である。一部の実施形態では、悪性CNS腫瘍は転移性CNSがんである。一部の実施形態では、転移性CNSがんは、転移性黒色腫、転移性結腸直腸がん、転移性非小細胞肺がん、転移性甲状腺がん、および転移性卵巣がんから選択される。一部の実施形態では、転移性CNS癌は転移性黒色腫である。一部の実施形態では、転移性CNSがんは結腸直腸がんである。一部の実施形態では、転移性CNSがんは転移性非小細胞肺がんである。一部の実施形態では、転移性CNSがんは転移性甲状腺がんである。一部の実施形態では、転移性CNSがんは転移性卵巣がんである。一部の実施形態では、BRAF関連CNS腫瘍はLMDである。一部の実施形態では、LMDは頭蓋内である。一部の実施形態では、LMDは頭蓋外である。一部の実施形態では、LMDは転移性黒色腫である。一部の実施形態では、LMDは、転移性黒色腫、転移性結腸直腸がん、および転移性非小細胞肺がんから選択される。一部の実施形態では、LMDは転移性結腸直腸がんである。一部の実施形態では、LMDは転移性非小細胞肺がんである。一部の実施形態では、BRAF関連CNSがんは原発性脳腫瘍である。一部の実施形態では、原発性脳腫瘍はグレード2神経膠腫である。一部の実施形態では、原発性脳腫瘍はグレード3神経膠腫である。一部の実施形態では、原発性脳腫瘍はグレード4神経膠腫である。一部の実施形態では、BRAF関連CNS腫瘍は良性腫瘍である。一部の実施形態では、良性CNS腫瘍は、乳頭状頭蓋咽頭腫、髄膜腫(横紋筋肉腫様髄膜腫を含む)、非定型奇形様/横紋筋肉腫様腫瘍、または胚芽異形成性神経上皮腫瘍(DNT)である。一部の実施形態では、上記化合物は式IIIの化合物である。一部の実施形態では、上記化合物は式IIIの化合物である。一部の実施形態では、式IIIの化合物は、実施例1、4、7、9、10、23、55、63および67の化合物ならびにその薬学的に許容できる塩および溶媒和物ならびに実施例82から選択される。
化合物がCNSがんを処置するために適切であり得るか否かを決定する能力は、本明細書に記載のとおり、例えば、その化合物が排出トランスポーターの基質であるか否かを同定すること、および/または細胞浸透性を測定すること、および/または遊離血液-対-遊離血漿比(free blood-to-free plasma ratio)を測定することにより決定することができる。
一部の実施形態では、式IIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、または式III、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体は、高い細胞浸透性を示す。式IIもしくはIIIの化合物またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体の浸透性を決定するための方法は、実施例Bに記載のアッセイに従って決定することができ、式I、IIおよびIIIの化合物での浸透係数を表B1に示す。
ある特定の式Iの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、すなわち、式IIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物、または式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物は、低い排出を示す。式IIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物、または式III、またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物が排出トランスポーターP糖タンパク質(P-gpまたは多剤抵抗性1(MDR1)タンパク質)および乳がん抵抗性タンパク質(BCRP)の基質であるか否かを評価するin vitro方法は実施例Bに記載されており、式IIの化合物の排出比を表B3に示す。一実施形態では、式IIの化合物ならびにその薬学的に許容できる塩および溶媒和物、または式IIIならびにその薬学的に許容できる塩および溶媒和物は、P-gpを発現する細胞で試験した場合に≦3.0の排出比を有する。一実施形態では、P-gpを発現する細胞で試験した場合に≦3.0の排出比を有する式IIの化合物ならびにその薬学的に許容できる塩および溶媒和物は、実施例1、3、4、7、9、10、11、12、13、14、15、21、22、23、24、25、27、29、31、32、33、34、35、36、37、38、39、44、46、48、49、50、51、52、54、55、57、59,61、65、67、68、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79および80、ならびにその薬学的に許容できる塩および溶媒和物、ならびに実施例81~86から選択される。一実施形態では、式IIの化合物ならびにその薬学的に許容できる塩および溶媒和物、または式IIIならびにその薬学的に許容できる塩および溶媒和物は、P-gpを発現する細胞で試験した場合に≦3.0の排出比およびBCRPを発現する細胞で試験した場合に≦4.5の排出比を有する。一実施形態では、P-gpを発現する細胞で試験した場合に≦3.0の排出比およびBCRPを発現する細胞で試験した場合に≦3.0の排出比を有する式IIの化合物ならびにその薬学的に許容できる塩および溶媒和物、または式IIIならびにその薬学的に許容できる塩および溶媒和物は、実施例1、3、4、7、9、10、11、12、13、14、15、21、22、23、24、25、27、29、31、32、33、34、35、36、37、38、39、44、46、48、49、50、51、52、54、55、57、59、61、65、67、68、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79および80ならびにその薬学的に許容できる塩および溶媒和物、ならびに実施例81~86から選択される。
一部の実施形態では、式IIの化合物ならびにその薬学的に許容できる塩および溶媒和物、または式IIIならびにその薬学的に許容できる塩および溶媒和物は、中程度から高い脳(非結合)/血漿(非結合)比(すなわち、中程度から高い遊離脳/血漿比)を示す。対象(例えば、ヒト)のBBBに浸透する式IIの化合物ならびにその薬学的に許容できる塩および溶媒和物、または式IIIまたはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体の能力は、適切な動物モデル(例えば、マウスなどのげっ歯類)において決定することができる。例えば、マウスにおいてBBBに浸透するある特定の式IIIの化合物の能力を、例えば、実施例Cに記載のとおりにマウスにおいて非結合脳-対-非結合血漿中濃度(遊離B/P)比を評価することにより決定したが、遊離脳-対-遊離血漿比を表C2に示す。0.3超の遊離脳-対-遊離血漿比が、遊離CNS浸透の有意な程度の証拠である。
したがって、一部の実施形態では、本発明の方法は、それを必要とする対象において、BRAF関連CNSがんを処置するための方法を含む。一実施形態では、上記方法は、適切な動物モデルにおいて実証されるとおり、式IIIの化合物の少なくとも一部がBBBに浸透するような、本明細書に記載のとおりの式IIIの化合物ならびにその薬学的に許容できる塩および溶媒和物、またはその医薬組成物の投与を含む。一部の実施形態では、全薬物の脳/血漿比は、対象への投与(例えば、経口または静脈内投与)後に少なくともおよそ0.3である。一部の実施形態では、全薬物の脳/血漿比は、対象への投与(例えば、経口または静脈内投与)後に少なくともおよそ0.35である。一部の実施形態では、全薬物の脳/血漿比は、対象への投与(例えば、経口または静脈内投与)後に少なくともおよそ0.4である。一部の実施形態では、全薬物の脳/血漿比は、対象への投与(例えば、経口または静脈内投与)後に少なくともおよそ0.45である。一部の実施形態では、全薬物の脳/血漿比は、対象への投与(例えば、経口または静脈内投与)後に少なくともおよそ0.5である。一部の実施形態では、全薬物の脳/血漿比は、対象への投与(例えば、経口または静脈内投与)後に少なくともおよそ0.55である。一部の実施形態では、全薬物の脳/血漿比は、対象への投与(例えば、経口または静脈内投与)後に少なくともおよそ0.6である。一部の実施形態では、全薬物の脳/血漿比は、対象への投与(例えば、経口または静脈内投与)後に少なくともおよそ0.65である。一部の実施形態では、全薬物の脳/血漿比は、対象への投与(例えば、経口または静脈内投与)後に少なくともおよそ0.7である。一部の実施形態では、全薬物の脳/血漿比は、対象への投与(例えば、経口または静脈内投与)後に少なくともおよそ0.75である。一部の実施形態では、全薬物の脳/血漿比は、対象への投与(例えば、経口または静脈内投与)後に少なくともおよそ0.8である。一部の実施形態では、全薬物の脳/血漿比は、対象への投与(例えば、経口または静脈内投与)後に少なくともおよそ0.85である。一部の実施形態では、全薬物の脳/血漿比は、対象への投与(例えば、経口または静脈内投与)後に少なくともおよそ0.9である。一部の実施形態では、全薬物の脳/血漿比は、対象への投与(例えば、経口または静脈内投与)後に少なくともおよそ0.95である。一部の実施形態では、全薬物の脳/血漿比は、対象への投与(例えば、経口または静脈内投与)後に少なくともおよそ1.0である。一部の実施形態では、全薬物の脳/血漿比は、対象への投与(例えば、経口または静脈内投与)後に少なくともおよそ1.0である。一部の実施形態では、全薬物の脳/血漿比は、対象への投与(例えば、経口または静脈内投与)後に少なくともおよそ1.1である。一部の実施形態では、全薬物の脳/血漿比は、対象への投与(例えば、経口または静脈内投与)後に少なくともおよそ1.2である。一部の実施形態では、全薬物の脳/血漿比は、対象への投与(例えば、経口または静脈内投与)後に少なくともおよそ1.3である。一部の実施形態では、全薬物の脳/血漿比は、対象への投与(例えば、経口または静脈内投与)後に少なくともおよそ1.4である。一部の実施形態では、全薬物の脳/血漿比は、対象への投与(例えば、経口または静脈内投与)後に少なくともおよそ1.5である。一部の実施形態では、全薬物の脳/血漿比は、対象への投与(例えば、経口または静脈内投与)後に少なくともおよそ1.6である。一部の実施形態では、全薬物の脳/血漿比は、対象への投与(例えば、経口または静脈内投与)後に少なくともおよそ1.7である。BBBに浸透する化合物のパーセンテージは、脳と血漿とにおける所与の期間についての濃度時間曲線下面積(AUC0-t)に基づき計算されていることに注意すべきである。したがって、パーセンテージは濃度の比を表している。すなわち、化合物での(AUC0-24h)が脳において20ng/mLおよび血漿において80ng/mLであれば、BBBに浸透する化合物のパーセンテージは、20%(脳における20ng/mLを(20ng/mL+80ng/mL)の全濃度で割る)(すなわち、0.20の脳-対-血漿比)である。一部の実施形態では、パーセンテージを、t=0(投薬時)から最終の定量可能な濃度時点までの期間、すなわち、(AUC0-last)での濃度時間曲線下面積に基づき計算する。
BRAF遺伝子の変異が、悪性黒色腫、乳頭状甲状腺癌、結腸直腸癌、非小細胞肺癌(NSCLC)、および卵巣癌ならびにその転移性腫瘍において、ならびに原発性脳腫瘍(Davies H.ら、Nature 417(6892):949~954、2002)において同定されている。例えば、黒色腫脳転移(Flaherty KTら、Nat Rev Cancer(2012) 12(5):349~61)、結腸直腸がんの脳転移および非小細胞肺がんの脳転移(Berghoff,AS、Preusser M.、Curr Opin Neurol(2014)27(6):689~696)を含む多数の転移性CNS腫瘍、甲状腺乳頭がん(Kim、WWら、J Otolaryngol Head Neck Surg.2018;47:4、1~6)、および卵巣がん(Grisham RN.ら、Cancer.2013;119:548~554)において、BRAF変異が観察されている。
BRAF変異は、小児および成人集団でのグレードIV神経膠腫、例えば、神経膠芽腫および神経膠肉腫、未分化星細胞腫(高悪性度腫瘍)およびWHOグレードIII未分化神経節膠腫(Berghoff,AS、Preusser M.、Curr Opin Neurol(2014)27(6):689~696);Schindlerら(Acta Neuropathol 121(3):397~405、2011);Behlingら(Diagn Pathol 11(1):55、2016))を含む悪性原発性脳腫瘍においても観察されている。
BRAF変異は、小児および成人集団での良性原発性脳腫瘍において、例えば、WHOグレードII星細胞腫、WHOグレードII多形性黄色星状膠細胞腫(PXA)、退形成を伴う多形性黄色星状膠細胞腫、毛様細胞性星細胞腫(PA)、乳頭状頭蓋咽頭腫、神経節膠腫、星状芽細胞腫、毛様細胞性星細胞腫、非定型奇形様/横紋筋肉腫様腫瘍、横紋筋肉腫様髄膜腫(Berghoff,AS、Preusser M.、Curr Opin Neurol(2014)27(6):689~696;Schindlerら(Acta Neuropathol 121(3):397~405、2011);Behlingら(Diagn Pathol 11(1):55、2016);(Behlingら、Diagn Pathol 11(1):55、2016;Brastianosら、Nat Genet 46(2):161~165、2014;Doughertyら、Neuro Oncol 12(7):621~630、2010;Lehmanら、Neuro Oncol 19(1):31~42、2017;Mordechaiら、Pediatr Hematol Oncol 32(3):207~211、2015;Myungら、Transl Oncol 5(6):430~436、2012;Schindlerら、Acta Neuropathol 121(3):397~405、2011))においても観察されている。
BRAF変異は、再発神経芽細胞腫においても検出されている(Eleveld,TFら、Nat Genet 47(8):864~871、2015)。神経芽細胞腫は、末梢神経系の小児腫瘍である。大部分の神経芽細胞腫対象は、化学治療に初めは応答する腫瘍を有するが、対象の高い割合が、治療抵抗性再発を経験することとなる。
したがって、、BRAF関連腫瘍、例えば、本明細書に開示の例示的なBRAF関連腫瘍のいずれかを有すると診断されているか、または同定されている対象を処置するための方法であって、対象に、治療有効量の本明細書において定義されるとおりの式I、式IIもしくは式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、またはその医薬組成物を投与することを含む方法も本明細書において提供する。一部の実施形態では、対象は、対象もしくは対象からの生検試料においてBRAF変異を同定するための規制当局認可、例えば、FDA認可の検査もしくはアッセイの使用により、または本明細書に記載のアッセイの非限定的例のいずれかの実行により、BRAF関連腫瘍を有すると同定されているか、または診断されている。一部の実施形態では、検査またはアッセイをキットとして提供する。例えば、BRAF関連腫瘍は、1つまたは複数のBRAF変異(例えば、V600Eおよび/またはV600K)を含むがんであり得る。一部の実施形態では、式Iの化合物は、実施例1~80ならびにその薬学的に許容できる塩および溶媒和物、ならびに実施例81~86から選択される。一部の実施形態では、BRAF関連腫瘍は、悪性BRAF関連腫瘍(すなわち、BRAF関連がん)である。一部の実施形態では、BRAF関連がんは、BRAF関連CNSがんであり、上記方法は、式IIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、または式III、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体を投与することを含む。一部の実施形態では、BRAF関連CNSがんは、BRAF関連転移がんであり、上記方法は、式IIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、または式III、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体を投与することを含む。一部の実施形態では、BRAF関連転移がんは転移性黒色腫である。一部の実施形態では、BRAF関連転移がんは転移性結腸直腸がんである。一部の実施形態では、BRAF関連転移がんは転移性非小細胞肺がんである。一部の実施形態では、BRAF関連転移がんは転移性甲状腺がんである。一部の実施形態では、BRAF関連転移がんは転移性卵巣がんである。一部の実施形態では、BRAF関連転移がんは、頭蓋内LMDまたは頭蓋外LMDである。一部の実施形態では、BRAF関連CNSがんは、原発性脳腫瘍であり、上記方法は、式IIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、または式III、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体を投与することを含む。一部の実施形態では、BRAF関連腫瘍は良性CNS腫瘍であり、上記方法は、式IIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、または式III、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体を投与することを含む。一部の実施形態では、上記化合物は、式IIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体である。一部の実施形態では、上記化合物は、式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体である。一部の実施形態では、式IIIの化合物は、実施例1、4、7、9、10、23、55、63および67の化合物ならびにその薬学的に許容できる塩または溶媒和物、ならびに実施例82から選択される。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例1またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例4またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例7またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例9またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例10またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例23またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例55またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例63またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例67またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は実施例82である。一部の実施形態では、対象は成人対象である。一部の実施形態では、対象は小児対象である。
それを必要とする対象において腫瘍を処置するための方法であって、(a)対象において、BRAF関連腫瘍を検出するステップと;(b)対象に、治療有効量の式I、式IIもしくは式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体またはその医薬組成物を投与するステップとを含む方法も提供する。これらの方法の一部の実施形態では、腫瘍は良性BRAF関連腫瘍である。これらの方法の一部の実施形態では、腫瘍は悪性BRAF関連腫瘍である。これらの方法の一部の実施形態では、腫瘍は、悪性BRAF関連腫瘍(例えば、本明細書に記載の悪性BRAF関連腫瘍のいずれか)であり、上記方法はさらに、対象に、1種または複数の追加の抗がん治療、例えば、外科手術(例えば、腫瘍の少なくとも部分的な切除)および/または放射線治療および/または抗がん薬を投与することを含む。これらの方法の一部の実施形態では、腫瘍は、良性BRAF関連腫瘍、例えば、良性BRAF関連CNS腫瘍であり、上記方法はさらに、対象に、1種または複数の追加の抗がん治療、例えば、外科手術(例えば、腫瘍の少なくとも部分的な切除)および/または放射線治療および/または抗がん薬を投与することを含む。一部の実施形態では、対象を、対象または対象からの生検試料(例えば、組織または液体生検)においてBRAF変異を同定するための規制当局認可、例えば、FDA認可の検査またはアッセイの使用により、または本明細書に記載のアッセイの非限定的例のいずれかの実行により、BRAF関連腫瘍を有すると決定する。一部の実施形態では、検査またはアッセイをキットとして提供する。一部の実施形態では、BRAF関連腫瘍は悪性BRAF関連腫瘍(すなわち、BRAF関連がん)である。一部の実施形態では、BRAF関連がんは、BRAF関連CNSがんであり、上記方法は、式IIもしくは式IIIの化合物またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体を投与することを含む。一部の実施形態では、BRAF関連CNSがんは、BRAF関連転移がんであり、上記方法は、式IIもしくは式IIIの化合物またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体を投与することを含む。一部の実施形態では、BRAF関連転移がんは転移性黒色腫である。一部の実施形態では、BRAF関連転移がんは転移性結腸直腸がんである。一部の実施形態では、BRAF関連転移がんは、転移性非小細胞肺がんである。一部の実施形態では、BRAF関連転移がんは、転移性甲状腺がんである。一部の実施形態では、BRAF関連転移がんは、転移性卵巣がんである。一部の実施形態では、BRAF関連転移がんは、頭蓋内LMDまたは頭蓋外LMDである。一部の実施形態では、BRAF関連CNSがんは、原発性脳腫瘍であり、上記方法は、式IIもしくは式IIIの化合物またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体を投与することを含む。一部の実施形態では、BRAF関連腫瘍は、良性CNS腫瘍であり、上記方法は、式IIもしくは式IIIの化合物またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体を投与することを含む。一部の実施形態では、上記化合物は、式IIIの化合物である。一部の実施形態では、上記化合物は式IIIの化合物である。一部の実施形態では、式IIIの化合物は、実施例1、4、7、9、10、23、55、63および67の化合物ならびにその薬学的に許容できる塩または溶媒和物、ならびに実施例82から選択される。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例1またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例4またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例7またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例9またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例10またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例23またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例55またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例63またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例67またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例82である。一部の実施形態では、対象は成人対象である。一部の実施形態では、対象は小児対象である。
BRAF関連腫瘍を有する対象を処置する方法であって、対象から得られた試料でアッセイを実行して、対象がBRAF変異を有する腫瘍を有することを決定するステップと、治療有効量の式I、式IIもしくは式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体またはその医薬組成物を、BRAF変異を有すると決定された対象に投与するステップとを含む方法も提供する。これらの方法の一部の実施形態では、BRAF関連腫瘍は、悪性BRAF関連腫瘍(すなわち、BRAF関連がん)であり、上記方法はさらに、対象に、1種または複数の他の抗がん治療、例えば、外科手術(例えば、腫瘍の少なくとも部分的な切除)および/または放射線治療および/または抗がん薬での処置を投与することを含む。これらの方法の一部の実施形態では、対象は、別の抗がん処置、例えば、外科手術(例えば、腫瘍の少なくとも部分的な切除)および/または放射線治療および/または抗がん薬での処置で以前に処置されている。一部の実施形態では、対象は、BRAF関連腫瘍を有することが疑われる対象、BRAF関連腫瘍の1つまたは複数の症状を表示している対象、またはBRAF関連腫瘍を発症する高いリスクを有する対象である。一部の実施形態では、アッセイは、次世代シーケンシング、パイロシーケンシング、免疫組織化学、またはBreak Apart FISH分析を利用する。一部の実施形態では、アッセイは、規制当局認可アッセイ、例えば、FDA認可キットである。一部の実施形態では、アッセイは液体生検である。一部の実施形態では、生検は組織生検である。一部の実施形態では、がんはCNSがんであり、生検は液体生検(例えば、CSF)である。一部の実施形態では、がんはCNSがんであり、生検は組織生検(例えば、従来の外科手術中に得られた腫瘍試料または定位針生検、例えば、CTまたはMRI走査によりガイドされる定位針生検)である。これらの方法で使用することができる追加の非限定的アッセイは本明細書に記載されている。追加のアッセイも、当技術分野で公知である。一部の実施形態では、BRAF関連腫瘍は悪性BRAF関連腫瘍(すなわち、BRAF関連がん)である。一部の実施形態では、BRAF関連がんはBRAF関連CNSがんであり、上記方法は、式IIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、または式III、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体を投与することを含む。一部の実施形態では、BRAF関連CNSがんはBRAF関連転移がんであり、上記方法は、式IIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、または式III、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体を投与することを含む。一部の実施形態では、BRAF関連転移がんは転移性黒色腫である。一部の実施形態では、BRAF関連転移がんは転移性結腸直腸がんである。一部の実施形態では、BRAF関連転移がんは転移性非小細胞肺がんである。一部の実施形態では、BRAF関連転移がんは転移性甲状腺がんである。一部の実施形態では、BRAF関連転移がんは転移性卵巣がんである。一部の実施形態では、BRAF関連転移がんは、頭蓋内LMDまたは頭蓋外LMDである。一部の実施形態では、BRAF関連CNSがんは原発性脳腫瘍であり、上記方法は、式IIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、または式III、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体を投与することを含む。一部の実施形態では、BRAF関連腫瘍は、良性CNS腫瘍であり、上記方法は、式IIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、または式III、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体を投与することを含む。一部の実施形態では、上記化合物は式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体である。一部の実施形態では、式IIIの化合物は、実施例1、4、7、9、10、23、55、63および67の化合物ならびにその薬学的に許容できる塩および溶媒和物、ならびに実施例82から選択される。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例1またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例4またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例7またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例9またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例10またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例23またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例55またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例63またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例67またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例82である。一部の実施形態では、対象は成人対象である。一部の実施形態では、対象は小児対象である。
対象がBRAF変異を有することを決定するために、対象から得られた試料でアッセイ(例えば、in vitroアッセイ)を実行するステップを介してBRAF関連腫瘍を有すると同定または診断されている対象において、BRAF関連腫瘍の処置において使用するための式I、式IIもしくは式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体またはその医薬組成物も提供し、その際、BRAF変異の存在が、対象がBRAF関連腫瘍を有することを同定する。対象が、対象がBRAF関連腫瘍を有することを同定するBRAF変異を有するか否かを決定するために、対象から得られた試料でアッセイを実行するステップを介してBRAF関連腫瘍を有すると同定または診断されている対象において、BRAF関連腫瘍を処置するための医薬品を製造するための、式I、式IIもしくは式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体の使用も提供する。本明細書に記載の方法または使用のいずれかの一部の実施形態はさらに、対象の臨床記録(例えば、コンピューター読み取り可能な媒体)に、対象がアッセイの実行を介してBRAF変異を有すると決定されており、式I、式IIもしくは式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体またはその医薬組成物を投与されるべきであることを記録することを含む。一部の実施形態では、アッセイは、次世代シーケンシング、パイロシーケンシング、免疫組織化学、またはBreak Apart FISH分析を利用する。一部の実施形態では、アッセイは、規制当局認可アッセイ、例えば、FDA認可キットである。一部の実施形態では、アッセイは液体生検である。一部の実施形態では、BRAF関連腫瘍は悪性BRAF関連腫瘍(すなわち、BRAF関連がん)である。一部の実施形態では、BRAF関連がんはBRAF関連CNSがんである。一部の実施形態では、BRAF関連CNSがんはBRAF関連転移がんである。一部の実施形態では、BRAF関連転移がんは転移性黒色腫である。一部の実施形態では、BRAF関連転移がんは転移性結腸直腸がんである。一部の実施形態では、BRAF関連転移がんは転移性非小細胞肺がんである。一部の実施形態では、BRAF関連転移がんは転移性甲状腺がんである。一部の実施形態では、BRAF関連転移がんは転移性卵巣がんである。一部の実施形態では、BRAF関連転移がんは頭蓋内LMDまたは頭蓋外LMDである。一部の実施形態では、BRAF関連CNSがんは原発性脳腫瘍である。一部の実施形態では、BRAF関連腫瘍は良性CNS腫瘍である。一部の実施形態では、上記化合物は、式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体である。一部の実施形態では、式IIIの化合物は、実施例1、4、7、9、10、23、55、63および67の化合物ならびにその薬学的に許容できる塩および溶媒和物、ならびに実施例82から選択される。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例1またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例4またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例7またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例9またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例10またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例23またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例55またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例63またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例67またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例82である。一部の実施形態では、対象は成人対象である。一部の実施形態では、対象は小児対象である。
それを必要とする対象またはBRAF関連腫瘍を有すると同定もしくは診断されている対象におけるBRAF関連腫瘍の処置において使用するための式I、式IIもしくは式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体も提供する。BRAF関連腫瘍を有すると同定もしくは診断されている対象において、BRAF関連腫瘍を処置するための医薬品を製造するための式I、式IIもしくは式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体の使用も提供する。一部の実施形態では、対象は、対象または対象からの生検試料においてBRAF変異を同定するための規制当局認可、例えば、FDA認可キットの使用を介して、BRAF関連腫瘍を有すると同定または診断される。一部の実施形態では、BRAF関連腫瘍は、悪性BRAF関連腫瘍(すなわち、BRAF関連がん)である。一部の実施形態では、BRAF関連がんは、BRAF関連CNSがんであり、前記方法は、式IIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、または式III、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体の使用を含む。一部の実施形態では、BRAF関連CNSがんは、BRAF関連転移がんであり、上記方法は、式IIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、または式III、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体の使用を含む。一部の実施形態では、BRAF関連転移がんは転移性黒色腫である。一部の実施形態では、BRAF関連転移がんは転移性結腸直腸がんである。一部の実施形態では、BRAF関連転移がんは転移性非小細胞肺がんである。一部の実施形態では、BRAF関連転移がんは転移性甲状腺がんである。一部の実施形態では、BRAF関連転移がんは転移性卵巣がんである。一部の実施形態では、BRAF関連転移がんは頭蓋内LMDまたは頭蓋外LMDである。一部の実施形態では、BRAF関連CNSがんは、原発性脳腫瘍であり、上記方法は、式IIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、または式III、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体の使用を含む。一部の実施形態では、BRAF関連腫瘍は、良性CNS腫瘍であり、上記方法は、式IIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、または式III、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体の使用を含む。一部の実施形態では、上記化合物は、式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体である。一部の実施形態では、式IIIの化合物は、実施例1、4、7、9、10、23、55、63および67の化合物ならびにその薬学的に許容できる塩および溶媒和物、ならびに実施例82から選択される。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例1またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例4またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例7またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例9またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例10またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例23またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例55またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例63またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例67またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例82である。一部の実施形態では、対象は成人対象である。一部の実施形態では、対象は小児対象である。
本明細書に記載の方法または使用のいずれかの一部の実施形態では、対象は、BRAF変異を有する腫瘍を有すると同定または診断されている。本明細書に記載の方法または使用のいずれかの一部の実施形態では、対象は、BRAF変異について陽性である腫瘍を有する。本明細書に記載の方法または使用のいずれかの一部の実施形態では、対象は、BRAF変異について陽性である腫瘍を有する対象であり得る。本明細書に記載の方法または使用のいずれかの一部の実施形態では、対象は、その腫瘍がBRAF変異を有する対象であり得る。本明細書に記載の方法または使用のいずれかの一部の実施形態では、対象は、BRAF関連腫瘍を有すると疑われる。一部の実施形態では、そのような処置を必要とする対象においてBRAF関連腫瘍を処置するための方法であって、a)BRAF変異を検出するステップと;b)治療有効量の式I、式IIもしくは式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体を投与するステップとを含む方法を本明細書において提供する。一部の実施形態では、BRAF変異を、規制当局認可、例えば、FDA認可アッセイまたはキットを使用して決定する。一部の実施形態では、BRAF変異は、BRAF V600EまたはBRAF V600Kである。一部の実施形態では、BRAF関連腫瘍は悪性BRAF関連腫瘍(すなわち、BRAF関連がん)である。一部の実施形態では、BRAF関連がんはBRAF関連CNSがんである。一部の実施形態では、BRAF関連CNSがんはBRAF関連転移がんである。一部の実施形態では、BRAF関連転移がんは転移性黒色腫である。一部の実施形態では、BRAF関連転移がんは転移性結腸直腸がんである。一部の実施形態では、BRAF関連転移がんは転移性非小細胞肺がんである。一部の実施形態では、BRAF関連転移がんは転移性甲状腺がんである。一部の実施形態では、BRAF関連転移がんは転移性卵巣がんである。一部の実施形態では、BRAF関連転移がんは頭蓋内LMDまたは頭蓋外LMDである。一部の実施形態では、BRAF関連CNSがんは原発性脳腫瘍である。一部の実施形態では、BRAF関連腫瘍は良性CNS腫瘍である。一部の実施形態では、上記化合物は、式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体である。一部の実施形態では、式IIIの化合物は、実施例1、4、7、9、10、23、55、63および67の化合物ならびにその薬学的に許容できる塩および溶媒和物、ならびに実施例82から選択される。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例1またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例4またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例7またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例9またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例10またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例23またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例55またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例63またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例67またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例82である。一部の実施形態では、対象は成人対象である。一部の実施形態では、対象は小児対象である。
本明細書に記載の方法または使用のいずれかの一部の実施形態では、対象は、その対象が1つまたは複数のBRAF変異を有する腫瘍を有することを示す臨床記録を有する。一部の実施形態では、臨床記録は、対象が、本明細書において提供される式I、式IIもしくは式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物または組成物の1種または複数で処理されるべきであることを示している。一部の実施形態では、BRAF変異を、規制当局認可、例えば、FDA認可、アッセイまたはキットを使用して決定する。一部の実施形態では、BRAF関連腫瘍は悪性BRAF関連腫瘍(すなわち、BRAF関連がん)である。一部の実施形態では、BRAF関連がんはBRAF関連CNSがんである。一部の実施形態では、BRAF関連CNSがんはBRAF関連転移がんである。一部の実施形態では、BRAF関連転移がんは転移性黒色腫である。一部の実施形態では、BRAF関連転移がんは転移性結腸直腸がんである。一部の実施形態では、BRAF関連転移がんは転移性非小細胞肺がんである。一部の実施形態では、BRAF関連転移がんは転移性甲状腺がんである。一部の実施形態では、BRAF関連転移がんは転移性卵巣がんである。一部の実施形態では、BRAF関連転移がんは、頭蓋内LMDまたは頭蓋外LMDである。一部の実施形態では、BRAF関連CNSがんは原発性脳腫瘍である。一部の実施形態では、BRAF関連腫瘍は良性CNS腫瘍である。一部の実施形態では、上記化合物は、式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体である。一部の実施形態では、式IIIの化合物は、実施例1、4、7、9、10、23、55、63および67の化合物ならびにその薬学的に許容できる塩および溶媒和物、ならびに実施例82から選択される。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例1またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例4またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例7またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例9またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例10またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例23またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例55またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例63またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例67またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例82である。一部の実施形態では、対象は成人対象である。一部の実施形態では、対象は小児対象である。
対象を処置する方法であって、治療有効量の式I、式IIもしくは式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体を、対象がBRAF変異を有することを示している臨床記録を有する対象に投与することを含む方法も提供する。対象がBRAF変異を有することを示している臨床記録を有する対象において、BRAF関連腫瘍を処置するための医薬品を製造するための、式I、式IIもしくは式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体の使用も提供する。これらの方法および使用の一部の実施形態は、対象がBRAF変異を有するか否かを決定するために、対象から得られた試料でアッセイ(例えば、in vitroアッセイ)を実行するステップと、対象の臨床ファイル(例えば、コンピューター読み取り可能な媒体)に、対象がBRAF変異を有すると同定されているという情報を記録するステップとをさらに含み得る。一部の実施形態では、アッセイはin vitroアッセイである。例えば、アッセイは、次世代シーケンシング、免疫組織化学、またはBreak Apart FISH分析を利用する。一部の実施形態では、アッセイは、規制当局認可、例えば、FDA認可キットである。一部の実施形態では、アッセイは液体生検である。一部の実施形態では、BRAF関連腫瘍は悪性BRAF関連腫瘍(すなわち、BRAF関連がん)である。一部の実施形態では、BRAF関連がんはBRAF関連CNSがんであり、上記方法は、式IIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、または式III、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体を投与することを含む。一部の実施形態では、BRAF関連CNSがんは、BRAF関連転移がんであり、上記方法は、式IIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、または式III、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体を投与することを含む。一部の実施形態では、BRAF関連転移がんは転移性黒色腫である。一部の実施形態では、BRAF関連転移がんは転移性結腸直腸がんである。一部の実施形態では、BRAF関連転移がんは転移性非小細胞肺がんである。一部の実施形態では、BRAF関連転移がんは転移性甲状腺がんである。一部の実施形態では、BRAF関連転移がんは転移性卵巣がんである。一部の実施形態では、BRAF関連転移がんは、頭蓋内LMDまたは頭蓋外LMDである。一部の実施形態では、BRAF関連CNSがんは原発性脳腫瘍であり、上記方法は、式IIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、または式III、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体を投与することを含む。一部の実施形態では、BRAF関連腫瘍は良性CNS腫瘍であり、前記方法は、式IIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、または式III、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体を投与することを含む。一部の実施形態では、前記化合物は、式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体である。一部の実施形態では、式IIIの化合物は、実施例1、4、7、9、10、23、55、63および67の化合物ならびにその薬学的に許容できる塩および溶媒和物、ならびに実施例82から選択される。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例1またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例4またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例7またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例9またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例10またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例23またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例55またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例63またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例67またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は実施例82である。一部の実施形態では、対象は成人対象である。一部の実施形態では、対象は小児対象である。
対象を処置する方法も本明細書において提供する。一部の実施形態では、上記方法は、対象がBRAF変異を有するか否かを決定するために、対象から得られた試料でアッセイを実行することを含む。一部のそのような実施形態では、上記方法は、BRAF変異を有すると決定された対象に、治療有効量の式I、式IIもしくは式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体を投与することも含む。一部の実施形態では、上記方法は、対象から得られた試料で実行されたアッセイを介して、対象がBRAF変異を有することを決定することを含む。そのような実施形態では、上記方法は、対象に、治療有効量の式I、式IIもしくは式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体を投与することも含む。これらの方法の一部の実施形態は、対象に、別の抗がん治療を投与することをさらに含む。一部の実施形態では、BRAF関連腫瘍は、悪性BRAF関連腫瘍(すなわち、BRAF関連がん)である。一部の実施形態では、BRAF関連がんは、BRAF関連CNSがんであり、上記方法は、式IIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、または式III、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体を投与することを含む。一部の実施形態では、BRAF関連CNSがんは、BRAF関連転移がんであり、上記方法は、式IIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、または式III、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体を投与することを含む。一部の実施形態では、BRAF関連転移がんは転移性黒色腫である。一部の実施形態では、BRAF関連転移がんは転移性結腸直腸がんである。一部の実施形態では、BRAF関連転移がんは転移性非小細胞肺がんである。一部の実施形態では、BRAF関連転移がんは転移性甲状腺がんである。一部の実施形態では、BRAF関連転移がんは転移性卵巣がんである。一部の実施形態では、BRAF関連転移がんは頭蓋内LMDまたは頭蓋外LMDである。一部の実施形態では、BRAF関連CNSがんは原発性脳腫瘍であり、上記方法は、式IIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、または式III、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体を投与することを含む。一部の実施形態では、BRAF関連腫瘍は良性CNS腫瘍であり、上記方法は、式IIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、または式III、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体を投与することを含む。一部の実施形態では、上記化合物は、式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体である。一部の実施形態では、式IIIの化合物は、実施例1、4、7、9、10、23、55、63および67の化合物ならびにその薬学的に許容できる塩および溶媒和物、ならびに実施例82から選択される。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例1またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例4またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例7またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例9またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例10またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例23またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例55またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例63またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例67またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は実施例82である。一部の実施形態では、対象は成人対象である。一部の実施形態では、対象は小児対象である。
BRAF関連腫瘍を有すると同定または診断されている対象のための処置を選択する方法(例えば、in vitro方法)も提供する。一部の実施形態は、選択された処置を、BRAF関連腫瘍を有すると同定または診断されている対象に投与することをさらに含み得る。例えば、選択された処置は、治療有効量の式I、式IIもしくは式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体の投与を含み得る。一部の実施形態はさらに、対象がBRAF変異を有することを決定するために、対象から得られた試料でアッセイを実行するステップと、BRAF変異を有すると決定された対象を、BRAF関連腫瘍を有すると同定および診断するステップとを含み得る。一部の実施形態では、対象は、対象または対象からの生検試料においてBRAF変異を同定するための規制当局認可、例えば、FDA認可キットの使用を介してBRAF関連腫瘍を有すると同定または診断されている。一部の実施形態では、アッセイはin vitroアッセイである。例えば、次世代シーケンシング、免疫組織化学、またはBreak Apart FISH分析を利用するアッセイ。一部の実施形態では、アッセイは規制当局認可、例えば、FDA認可キットである。一部の実施形態では、アッセイは液体生検である。一部の実施形態では、BRAF関連腫瘍は悪性BRAF関連腫瘍(すなわち、BRAF関連がん)である。一部の実施形態では、BRAF関連がんは、BRAF関連CNSがんであり、うえ記方法は、式IIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、または式III、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体を投与することを含む。一部の実施形態では、BRAF関連CNSがんはBRAF関連転移がんであり、上記方法は、式IIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、または式III、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体を投与することを含む。一部の実施形態では、BRAF関連転移がんは転移性黒色腫である。一部の実施形態では、BRAF関連転移がんは転移性結腸直腸がんである。一部の実施形態では、BRAF関連転移がんは転移性非小細胞肺がんである。一部の実施形態では、BRAF関連転移がんは転移性甲状腺がんである。一部の実施形態では、BRAF関連転移がんは転移性卵巣がんである。一部の実施形態では、BRAF関連転移がんは頭蓋内LMDまたは頭蓋外LMDである。一部の実施形態では、BRAF関連CNSがんは、原発性脳腫瘍であり、上記方法は、式IIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、または式III、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体を投与することを含む。一部の実施形態では、BRAF関連腫瘍は、良性CNS腫瘍であり、上記方法は、式IIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、または式III、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体を投与することを含む。一部の実施形態では、上記化合物は、式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体である。一部の実施形態では、式IIIの化合物は、実施例1、4、7、9、10、23、55、63および67の化合物ならびにその薬学的に許容できる塩および溶媒和物、ならびに実施例82から選択される。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例1またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例4またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例7またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例9またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例10またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例23またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例55またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例63またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例67またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は実施例82である。一部の実施形態では、対象は成人対象である。一部の実施形態では、対象は小児対象である。
対象のための処置を選択する方法であって、対象がBRAF変異を有するか否かを決定するために、対象から得られた試料でアッセイを実行するステップと、BRAF変異を有すると決定された対象を、BRAF関連腫瘍を有すると同定または診断するステップとを含む方法も本明細書において提供する。一部の実施形態はさらに、選択された処置を、BRAF関連腫瘍を有すると同定または診断された対象に投与することを含む。例えば、選択された処置は、治療有効量の式I、式IIもしくは式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体の、BRAF関連腫瘍を有すると同定または診断された対象への投与を含み得る。一部の実施形態では、アッセイはin vitroアッセイである。例えば、次世代シーケンシング、免疫組織化学、またはBreak Apart FISH分析を利用するアッセイ。一部の実施形態では、アッセイは、規制当局認可、例えば、FDA認可キットである。一部の実施形態では、アッセイは液体生検である。一部の実施形態では、BRAF関連腫瘍は悪性BRAF関連腫瘍(すなわち、BRAF関連がん)である。一部の実施形態では、BRAF関連がんはBRAF関連CNSがんであり、上記方法は、式IIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、または式III、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体を投与することを含む。一部の実施形態では、BRAF関連CNSがんは、BRAF関連転移がんであり、上記方法は、式IIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、または式III、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体を投与することを含む。一部の実施形態では、BRAF関連転移がんは転移性黒色腫である。一部の実施形態では、BRAF関連転移がんは転移性結腸直腸がんである。一部の実施形態では、BRAF関連転移がんは転移性非小細胞肺がんである。一部の実施形態では、BRAF関連転移がんは転移性甲状腺がんである。一部の実施形態では、BRAF関連転移がんは転移性卵巣がんである。一部の実施形態では、BRAF関連転移がんは頭蓋内LMDまたは頭蓋外LMDである。一部の実施形態では、BRAF関連CNSがんは、原発性脳腫瘍であり、上記方法は、式IIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、または式III、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体を投与することを含む。一部の実施形態では、BRAF関連腫瘍は、良性CNS腫瘍であり、上記方法は、式IIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、または式III、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体を投与することを含む。一部の実施形態では、上記化合物は、式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体である。一部の実施形態では、式IIIの化合物は、実施例1、4、7、9、10、23、55、63および67の化合物ならびにその薬学的に許容できる塩および溶媒和物、ならびに実施例82から選択される。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例1またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例4またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例7またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例9またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例10またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例23またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例55またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例63またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例67またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例82である。一部の実施形態では、対象は成人対象である。一部の実施形態では、対象は小児対象である。
処置のために対象を選択する方法であって、BRAF関連腫瘍を有する対象を選択、同定、または診断するステップと、治療有効量の式I、式IIもしくは式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体の投与を含む処置のために対象を選択するステップとを含む方法も提供する。一部の実施形態では、対象を、BRAF関連腫瘍を有すると同定または診断することは、対象がBRAF変異を有することを決定するために、対象から得られた試料でアッセイを実行するステップと、BRAF変異を有すると決定された対象を、BRAF関連腫瘍を有すると同定または診断するステップとを含み得る。一部の実施形態では、処置のために対象を選択する方法を、BRAF関連腫瘍の様々な処置の投与を含む臨床試験の一部として使用することができる。一部の実施形態では、アッセイはin vitroアッセイである。例えば、次世代シーケンシング、免疫組織化学、またはBreak Apart FISH分析を利用するアッセイ。一部の実施形態では、アッセイは、規制当局認可、例えば、FDA認可キットである。一部の実施形態では、アッセイは液体生検である。一部の実施形態では、BRAF関連腫瘍は悪性BRAF関連腫瘍(すなわち、BRAF関連がん)である。一部の実施形態では、BRAF関連がんは、BRAF関連CNSがんであり、上記方法は、式IIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、または式III、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体を投与することを含む。一部の実施形態では、BRAF関連CNSがんは、BRAF関連転移がんであり、上記方法は、式IIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、または式III、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体を投与することを含む。一部の実施形態では、BRAF関連転移がんは転移性黒色腫である。一部の実施形態では、BRAF関連転移がんは転移性結腸直腸がんである。一部の実施形態では、BRAF関連転移がんは転移性非小細胞肺がんである。一部の実施形態では、BRAF関連転移がんは転移性甲状腺がんである。一部の実施形態では、BRAF関連転移がんは転移性卵巣がんである。一部の実施形態では、BRAF関連転移がんは頭蓋内LMDまたは頭蓋外LMDである。一部の実施形態では、BRAF関連CNSがんは、原発性脳腫瘍であり、上記方法は、式IIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、または式III、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体を投与することを含む。一部の実施形態では、BRAF関連腫瘍は、良性CNS腫瘍であり、上記方法は、式IIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、または式III、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体を投与することを含む。一部の実施形態では、上記化合物は、式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体である。一部の実施形態では、式IIIの化合物は、実施例1、4、7、9、10、23、55、63および67の化合物ならびにその薬学的に許容できる塩および溶媒和物、ならびに実施例82から選択される。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例1またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例4またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例7またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例9またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例10またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例23またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例55またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例63またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例67またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例82である。一部の実施形態では、対象は成人対象である。一部の実施形態では、対象は小児対象である。
本明細書に記載の方法または使用のいずれかの一部の実施形態では、対象からの試料を使用して、対象がBRAF変異を有するか否かを決定するために使用されるアッセイには、例えば、次世代シーケンシング、免疫組織化学、蛍光顕微鏡法、Break Apart FISH分析、サザンブロッティング、ウエスタンブロッティング、FACS分析、ノーザンブロッティング、およびPCRベースの増幅(例えば、RT-PCRおよび定量リアルタイムRT-PCR)が含まれ得る。当技術分野で周知のとおり、アッセイは典型的には、例えば、少なくとも1つの標識核酸プローブまたは少なくとも1つの標識抗体もしくはその抗原結合性断片で実行される。アッセイは、BRAF変異を検出するために当技術分野で公知の他の検出方法を利用することができる。一部の実施形態では、試料は、対象からの生体試料または生検試料(例えば、パラフィン包埋生検サンプル)である。一部の実施形態では、対象は、BRAF関連腫瘍を有することが疑われる対象、BRAF関連腫瘍の1つまたは複数の症状を有する対象、および/またはBRAF関連腫瘍を発症する高いリスクを有する対象である。
一部の実施形態では、生検は腫瘍生検(例えば、従来の外科手術または定位針生検中に得られた腫瘍試料、例えば、CTまたはMRI走査によりガイドされる定位針生検)である。組織生検方法を、全腫瘍量および/またはBRAF変異を検出するために使用することができる。
一部の実施形態では、BRAF変異を、液体生検(液体生検または液相生検と様々に称される)を使用して同定することができる。例えば、Karachialiouら、「Real-time liquid biopsies become a reality in cancer treatment」、Ann.Transl.Med.、3(3):36、2016を参照されたい。液体生検方法を、全腫瘍量および/またはBRAF変異を検出するために使用することができる。液体生検は、対象から比較的に容易に得られる生体試料で(例えば、単純な採血により)実行することができ、一般的に、腫瘍量および/またはBRAF変異を検出するために使用される従来の方法よりも侵襲性が低い。一部の実施形態では、液体生検を、BRAF変異の存在を従来の方法よりも早い段階で検出するために使用することができる。一部の実施形態では、液体生検で使用される生体試料には、CSF、血液、血漿、尿、唾液、痰、気管支肺胞潅注、胆汁、リンパ液、嚢胞液、糞便、腹水、およびそれらの組合せが含まれ得る。一部の実施形態では、液体生検を、循環腫瘍細胞(CTC)を検出するために使用することができる。一部の実施形態では、液体生検を、血液中遊離DNAを検出するために使用することができる。一部の実施形態では、液体生検を使用して検出される血液中遊離DNAは、腫瘍細胞に由来する循環腫瘍DNA(ctDNA)である。ctDNAの分析(例えば、限定ではないが、次世代シーケンシング(NGS)、従来のPCR、デジタルPCR、またはマイクロアレイ分析などの感度検出技法を使用)を使用して、BRAF変異を同定することができる。
一部の実施形態では、液体生検を使用して同定されるBRAF変異は、対象に存在するがん細胞(例えば、腫瘍)にも存在する。一部の実施形態では、BRAF変異の種類のいずれも、液体生検を使用して検出することができる。一部の実施形態では、液体生検により同定される遺伝子変異は、対象を特定の処置のための候補として同定するために使用することができる。例えば、対象におけるBRAF変異の検出は、その対象が式I、式IIもしくは式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体の投与を含む処置に応答するであろうことを示し得る。
「腫瘍負荷量」とも称される「腫瘍量」は、全身に分布する腫瘍物質の全量を指す。腫瘍量は、リンパ節および骨髄を含む全身のがん細胞の総数または腫瘍の全体サイズを指す。腫瘍量は、例えば、対象から除去した際に腫瘍の寸法を、例えば、キャリパーを使用して測定することなどにより、当技術分野で公知の様々な方法により、または体内にある間に、撮像技法、例えば、磁気共鳴画像(MRI)スキャン、コンピューター断層撮影法(CT)、マルチ検出器CT(MDCT)、陽電子放射型断層撮影法(PET)、X線、超音波、または骨スキャンを使用して決定することができる。
「腫瘍サイズ」という用語は、腫瘍の長さおよび幅として測定され得る腫瘍の全サイズを指す。腫瘍サイズは、例えば、対象から除去した際に腫瘍の寸法を、例えば、キャリパーを使用して測定することなどにより、当技術分野で公知の様々な方法により、または体内にある間に、撮像技法、例えば、MRIスキャン、骨スキャン、超音波、またはCTを使用して決定することができる。
液体生検は、処置を対象に投与した後に、限定ではないが、疾患の進行または処置の有効性を含む1つまたは複数の臨床関連パラメーターを決定するために、診断経過、モニタリング経過、および/または処置経過中に複数時点で実行することができる。例えば、第1の液体生検を第1の時点で実行することができ、第2の液体生検を診断経過、モニタリング経過、および/または処置経過中に第2の時点で実行することができる。一部の実施形態では、第1の時点は、対象を疾患を有すると診断する前の時点(例えば、対象が健康であるとき)であり得、第2の時点は、対象が疾患を発症した後の時点であり得る(例えば、第2の時点を、対象が疾患を有すると診断するために使用することができる)。一部の実施形態では、第1の時点は、対象が疾患を有すると診断する前の時点(例えば、対象が健康であるとき)で、その時点の後に対象をモニタリングする時点であり得、第2の時点は、対象をモニタリングした後の時点であり得る。一部の実施形態では、第1の時点は、疾患を有すると対象を診断した後の時点で、その時点の後に処置を対象に投与する時点であり得、第2の時点は、処置を投与した後の時点であり得;そのような場合、第2の時点は、処置の有効性(例えば、第1の時点で検出された遺伝子変異が発生量において減少しているか、または非検出であるかどうか)を評価するために使用することができる。一部の実施形態では、対象に投与される処置は、式I、式IIもしくは式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体を含み得る。
一実施形態では、式I、式IIもしくは式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体を、悪性腫瘍を有する対象を処置するために、単独で、または1種または複数の異なる形態の処置と組み合わせて使用することができる。例えば、式I、式IIもしくは式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物を、同じか、または異なる作用機序により作用する1種または複数の追加の抗がん治療、例えば、外科手術、放射線治療、および/または抗がん薬と組み合わせて使用することもできる。一実施形態では、1種または複数の追加の治療、例えば、外科手術、放射線治療、および/または抗がん薬と組み合わせた式I、式IIもしくは式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体での、BRAF関連悪性腫瘍を有する対象の処置は、単剤治療としての式I、式IIもしくは式IIIの化合物または薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物での同じ対象または同様の対象の処置と比較した場合に、治療効力の増大を有し得る。
したがって、一実施形態では、BRAF関連腫瘍(例えば、本明細書に記載のBRAF関連腫瘍のいずれか)を有する対象を処置する方法であって、対象に(i)治療有効量の式I、式IIもしくは式IIIの化合物またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物を単剤治療として、または(ii)治療有効量の式I、式IIもしくは式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体を1種または複数の追加の抗がん治療と組み合わせて投与することを含む方法を本明細書において提供する。一実施形態では、BRAF関連腫瘍(例えば、本明細書に記載のBRAF関連腫瘍のいずれか)を有する対象を処置する方法であって、治療有効量の式I、式IIもしくは式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体をある期間にわたって投与することを含み、その際、前記期間中に対象に第2の抗がん治療を投与する、方法を本明細書において提供する。一実施形態では、第2の抗がん治療は第2の抗がん薬である。
追加の抗がん治療と組み合わせて使用するための式I、式IIもしくは式IIIの化合物またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体も本明細書において提供する。式I、式IIもしくは式IIIの化合物またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体と組み合わせて使用するための追加の抗がん治療も本明細書において提供する。
追加の抗がん治療と同時投与することによりBRAF関連腫瘍を処置する際に使用するための式I、式IIもしくは式IIIの化合物またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体も本明細書において提供する。式I、式IIもしくは式IIIの化合物またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体と同時投与することによりBRAF関連腫瘍を処置する際に使用するための追加の抗がん治療も本明細書において提供する。
一部の実施形態では、対象に、式I、式IIもしくは式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体の投与前に、式I、式IIもしくは式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体以外の1種または複数の抗がん治療を投与する。一部の実施形態では、1種または複数の抗がん治療を、外科手術および/または放射線治療、および/または同じか、もしくは異なる作用機序により作用する抗がん薬から選択する。例えば、一部の実施形態では、それを必要とする対象は、式I、式IIもしくは式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体の投与前に、腫瘍の少なくとも部分的な切除を受けてよい。一部の実施形態では、腫瘍の少なくとも部分的な切除による処置は、1つまたは複数の用量の式I、式IIもしくは式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体の投与前に腫瘍(例えば、腫瘍量)のサイズを減少させる。一部の実施形態では、それを必要とする対象は、式I、式IIもしくは式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体の投与前に、放射線治療を受けてよい。一部の実施形態では、それを必要とする対象は、式I、式IIもしくは式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体の投与前に、式I、式IIもしくは式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体以外の1種または複数抗がん薬での処置を受けてよい。一部の実施形態では、対象は、先行する治療に対して難治性または不耐性であるがんを有する。
したがって、一部の実施形態では、BRAF関連腫瘍を有する対象を処置する方法であって、(i)ある期間中に、1種または複数の抗がん治療を対象に投与するステップと、(ii)(i)の後に、(a)式I、式IIもしくは式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体を単剤治療として、または(b)式I、式IIもしくは式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体を1種または複数の追加の抗がん治療と組み合わせて投与するステップとを含む方法を本明細書において提供する。
一部の実施形態では、腫瘍を有する対象を処置するために、式I、式IIもしくは式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体を、1種または複数の抗がん治療(例えば、外科手術、放射線治療、および/または同じか、もしくは異なる作用機序により作用する抗がん薬)の投与前に投与することができる。例えば、一部の実施形態では、それを必要とする対象は、式I、式IIもしくは式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体の投与後に、腫瘍の少なくとも部分的な切除を受けてよい。一部の実施形態では、それを必要とする対象は、式I、式IIもしくは式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体の投与後に、放射線治療を受けてよい。一部の実施形態では、それを必要とする対象は、式I、式IIもしくは式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体以外の化合物1種または複数の抗がん薬の投与前に、式I、式IIもしくは式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体での処置を受けてよい。一実施形態では、式Iの化合物は、実施例1~80ならびにその薬学的に許容できる塩および溶媒和物、ならびに実施例81~86から選択される化合物である。一実施形態では、上記化合物は、式IIの化合物またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体である。一実施形態では、式IIの化合物は、実施例1、3、4、7、9、10、11、12、13、14、15、21、22、23、24、25、27、29、31、32、33、34、35、36、37、38、39、44、46、48、49、50、51、52、54、55、57、59、61、65、67、68、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79および80ならびにその薬学的に許容できる塩および溶媒和物、ならびに実施例82から選択される。一実施形態では、化合物は、式IIIの化合物またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例1、4、7、9、10、23、55、63および67ならびにその薬学的に許容できる塩または溶媒和物、ならびに実施例82から選択される。
したがって、一部の実施形態では、BRAF関連腫瘍を有する対象を処置する方法であって、(i)ある期間中に式I、式IIまたは式III、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体を投与するステップと、(ii)前記期間の後に、1種または複数の抗がん治療を投与するステップとを含む方法を本明細書において提供する。例えば、それを必要とする対象に、1つまたは複数の用量の式I、式IIもしくは式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体をある期間にわたって投与し、次いで、腫瘍の少なくとも部分的な切除を施すことができる。一部の実施形態では、1つまたは複数の用量の式I、式IIもしくは式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体での処理は、腫瘍の少なくとも部分的な切除の前に、腫瘍のサイズ(例えば、腫瘍量)を減少させる。一実施形態では、式Iの化合物は、実施例1~80ならびにその薬学的に許容できる塩および溶媒和物、ならびに実施例81~86から選択される化合物である。一実施形態では、上記化合物は、式IIの化合物またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体である。一実施形態では、式IIの化合物は、実施例1、3、4、7、9、10、11、12、13、14、15、21、22、23、24、25、27、29、31、32、33、34、35、36、37、38、39、44、46、48、49、50、51、52、54、55、57、59、61、65、67、68、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79および80ならびにその薬学的に許容できる塩および溶媒和物、ならびに実施例82から選択される。一実施形態では、上記化合物は、式IIIの化合物またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例1、4、7、9、10、23、55、63および67ならびにその薬学的に許容できる塩または溶媒和物、ならびに実施例82から選択される。
上記方法のいずれかの一部の実施形態では、追加の抗がん治療は、外科手術、放射線治療、および/または同じか、もしくは異なる作用機序により作用する抗がん薬である。
上記方法のいずれかに従って式I、IIもしくはIIIの化合物またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体と組み合わせて使用することができる追加の抗がん薬の非限定的例には、MEK阻害薬、BRAF阻害薬(例えば、式I、IIまたはIIIの化合物以外のBRAF阻害薬)、EGFR阻害薬、HER2および/またはHER3の阻害薬、SHP2阻害薬、Axl阻害薬、PI3K阻害薬、SOS1阻害薬、シグナル伝達経路阻害薬、チェックポイント阻害薬、アポトーシス経路の調節薬、細胞傷害性化学治療薬、血管新生標的治療、および免疫治療を含む免疫標的薬を含む、式I、式IIもしくは式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体以外の追加のキナーゼ阻害薬が含まれる。
一実施形態では、上記方法のいずれかに従って式I、IIもしくはIIIの化合物またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体と組み合わせて使用することができる抗がん薬は標的治療薬である。本明細書で使用される場合の「標的治療薬」には、すべての急速に分裂する細胞を(例えば、従来の細胞傷害性化学治療を用いて)単純に妨害するのではなく、発がん現象および腫瘍成長に必要とされる特異的な標的分子を妨害することによりがん細胞の増殖を遮断する分子が含まれ、それを指し、それらには、これに限定されないが、受容体チロシンキナーゼ標的治療薬、シグナル伝達経路阻害薬(例えば、Ras-Raf-MEK-ERK経路阻害薬、PI3K-Akt-mTOR-S6K経路阻害薬(「PI3K阻害薬」))、およびアポトーシス経路の調節薬が含まれる。
一部の実施形態では、上記方法のいずれかに従って式I、IIもしくはIIIの化合物またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体と組み合わせて使用することができる抗がん薬は、MEK阻害薬である。MEK阻害薬の非限定的例には、ビニメチニブ、トラメチニブ、コビメチニブ、セルメチニブ、ピマセルチブ、レファメチニブ、N-[2(R),3-ジヒドロキシプロポキシ]-3,4-ジフルオロ-2-(2-フルオロ-4-ヨードフェニルアミノ)ベンズアミド(PD-325901)、2-(2-クロロ-4-ヨードフェニルアミノ)-N-(シクロプロピルメトキシ)-3,4-ジフルオロベンズアミド(CI-1040)、および3-[2(R),3-ジヒドロキシプロピル]-6-フルオロ-5-(2-フルオロ-4-ヨードフェニルアミノ)-8-メチルピリド[2,3-d]ピリミジン-4,7(3H,8H)-ジオン(TAK-733)が含まれる。MEK阻害薬の追加の例には、WO03/077914、WO2005/023759、WO2005/051301、米国特許第7,517,994号、米国特許第7,732,616号、WO2005/051906、WO2005/051302、WO2005/051300、およびWO2007/044084に開示の化合物が含まれる。一部の実施形態では、MEK阻害薬はビニメチニブである。
一部の実施形態では、上記方法のいずれかに従って式I、IIもしくはIIIの化合物またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体と組み合わせて使用することができる抗がん薬は、式I、式IIまたは式IIIの化合物以外の別のBRAF阻害薬である。他のBRAF阻害薬の非限定的例には、エンコラフェニブ、ダブラフェニブおよびベムラフェニブ、N-[3-(5-クロロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イルカルボニル)-2,4-ジフルオロフェニル]プロパン-1-スルホンアミド(PLX4720)、および(3R)-N-(3-[[5-(2-シクロプロピルピリミジン-5-イル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル]カルボニル]-2,4-ジフルオロフェニル)-3-フルオロピロリジン-1-スルホンアミド(PLX8394)が含まれる。BRAF阻害薬の追加の例は当技術分野で公知である。
一部の実施形態では、上記方法のいずれかに従って式I、IIもしくはIIIの化合物またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体と組み合わせて使用することができる抗がん薬は、EGFR阻害薬である。EGFR阻害薬の非限定的例には、セツキシマブ(Erbitux(登録商標))、パニツムマブ(Vectibix(登録商標))、オシメルチニブ(merelectinib、Tagrisso(登録商標))、エルロチニブ(Tarceva(登録商標))、ゲフィチニブ(Iressa(登録商標))、ネシツムマブ(Portrazza(商標))、ネラチニブ(Nerlynx(登録商標))、ラパチニブ(Tykerb(登録商標))、バンデタニブ(Caprelsa(登録商標))、ブリガチニブ(Alunbrig(登録商標))ならびに両方ともそれらの全体が参照により本明細書に援用されるPCT公報WO2019/071351およびWO2017/117680に開示のEGFRの阻害薬が含まれる。EGFR阻害薬の追加の例は、当技術分野で公知である。
一部の実施形態では、上記方法のいずれかに従って式I、IIもしくはIIIの化合物またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体と組み合わせて使用することができる抗がん薬は、HER2および/またはHER3阻害薬である。HER2および/またはHER3阻害薬の非限定的例には、ラパチニブ、カネルチニブ、(E)-2-メトキシ-N-(3-(4-(3-メチル-4-(6-メチルピリジン-3-イルオキシ)フェニルアミノ)キナゾリン-6-イル)アリル)アセトアミド(CP-724714)、サピチニブ、7-[[4-[(3-エチニルフェニル)アミノ]-7-メトキシ-6-キナゾリニル]オキシ]-N-ヒドロキシ-ヘプタンアミド(CUDC-101)、ムブリチニブ、6-[4-[(4-エチルピペラジン-1-イル)メチル]フェニル]-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(AEE788)、イルビニチニブ(ツカチニブ)、ポジオチニブ、N-[4-[1-[4-(4-アセチル-1-ピペラジニル)シクロヘキシル]-4-アミノ-3-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジニル]-2-メトキシフェニル]-1-メチル-2-インドールカルボキサミド(KIN001-111)、7-シクロペンチル-5-(4-フェノキシフェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イルアミン(KIN001-051)、6,7-ジメトキシ-N-(4-フェノキシフェニル)キナゾリン-4-アミン(KIN001-30)、ダサチニブ、およびボスチニブが含まれる。
一部の実施形態では、上記方法のいずれかに従って式I、IIもしくはIIIの化合物またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体と組み合わせて使用することができる抗がん薬は、SHP2阻害薬である。SHP2阻害薬の非限定的例には、6-(4-アミノ-4-メチルピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)ピラジン-2-アミン(SHP099)、[3-[(3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル]-6-(2,3-ジクロロフェニル)-5-メチルピラジン-2-イル]メタノール(RMC-4550)RMC-4630、TNO155、ならびにWO2015/107493、WO2015/107494、WO2015/107495、WO2019/075265、PCT/US2019/056786およびPCT/IB2020/053019に開示の化合物が含まれる。
一部の実施形態では、式I、IIもしくはIIIの化合物またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体を、MEK阻害薬およびSHP2阻害薬、例えば、本明細書に開示のMEK阻害薬およびSHP2阻害薬のいずれか1種と組み合わせて投与する。一部の実施形態では、式I、IIもしくはIIIの化合物またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体を、ビニメチニブであるMEK阻害薬、およびSHP2阻害薬、例えば、本明細書に開示のSHP2阻害薬と組み合わせて投与する。
一部の実施形態では、上記方法のいずれかに従って式I、IIもしくはIIIの化合物またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体と組み合わせて使用することができる抗がん薬は、Axl阻害薬である。Axl阻害薬の非限定的例には、ベムセンチニブ、YW327.6S2(モノクローナル抗体)、GL2I.T(デコイ受容体)、2-(5-クロロ-2-(4-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)フェニルアミノ)ピリミジン-4-イルアミノ)-N,N-ジメチルベンゼンスルホンアミド(TP-0903)、3-[2-[[3-フルオロ-4-(4-メチル-1-ピペラジニル)フェニル]アミノ]-5-メチル-7Hピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル]-ベンゼンアセトニトリル(SGI-7079)、ギルテリチニブ、ボスチニブ、カボザンチニブ、スニチニブ、ホレチニブ、アムバチニブ、グレサチニブ、N-(4-((2-アミノ-3-クロロピリジン-4-イル)オキシ)-3-フルオロフェニル)-4-エトキシ-1-(4-フルオロフェニル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-カルボキサミド(BMS777607)、メレスチニブ、(Z)-3-((3-((4-(モルホリノメチル)-1H-ピロール-2-イル)メチレン)-2-オキソインドリン-5-イル)メチル)チアゾリジン-2,4-ジオン(S49076)、およびWO2020/047184に開示の化合物が含まれる。
一部の実施形態では、上記方法のいずれかで式I、IIもしくはIIIの化合物またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体と組み合わせて使用することができる抗がん薬は、SOS1阻害薬である。SOS1阻害薬の非限定的例には、その全体が参照により本明細書に援用されるPCT公報WO2018/115380に開示のものが含まれる。
一部の実施形態では、上記方法のいずれかで式I、IIもしくはIIIの化合物またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体と組み合わせて使用することができる抗がん薬は、PI3K阻害薬である。非限定的例には、ブパルリシブ(BKM120)、アルペリシブ(BYL719)、サモトリシブ(LY3023414)、8-[(1R)-1-[(3,5-ジフルオロフェニル)アミノ]エチル]-N,N-ジメチル-2-(モルホリン-4-イル)-4-オキソ-4H-クロメン-6-カルボキサミド(AZD8186)、テナリシブ(RP6530)、ボクスタリシブ塩酸塩(SAR-245409)、ゲダトリシブ(PF-05212384)、パヌリシブ(P-7170)、タセリシブ(GDC-0032)、トランス-2-アミノ-8-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)シクロヘキシル]-6-(6-メトキシピリジン-3-イル)-4-メチルピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン(PF-04691502)、デュベリシブ(ABBV-954)、N2-[4-オキソ-4-[4-(4-オキソ-8-フェニル-4H-1-ベンゾピラン-2-イル)モルホリン-4-イウム-4-イルメトキシ]ブチリル]-L-アルギニル-グリシル-L-アスパルチル-L-セリンアセタート(SF-1126)、ピクチリシブ(GDC-0941)、2-メチル-1-[2-メチル-3-(トリフルオロメチル)ベンジル]-6-(モルホリン-4-イル)-1H-ベンゾイミダゾール-4-カルボン酸(GSK2636771)、イデラリシブ(GS-1101)、ウムブラリシブトシル酸塩(TGR-1202)、ピクチリシブ(GDC-0941)、コパンリシブ塩酸塩(BAY84-1236)、ダクトリシブ(BEZ-235)、1-(4-[5-[5-アミノ-6-(5-tert-ブチル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ピラジン-2-イル]-1-エチル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル]ピペリジン-1-イル)-3-ヒドロキシプロパン-1-オン(AZD-8835)、5-[6,6-ジメチル-4-(モルホリン-4-イル)-8,9-ジヒドロ-6H-[1,4]オキサジノ[4,3-e]プリン-2-イル]ピリミジン-2-アミン(GDC-0084)エベロリムス、ラパマイシン、ペリホシン、シロリムス、およびテムシロリムスが含まれる。
一部の実施形態では、上記方法のいずれかで式I、IIもしくはIIIの化合物またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体と組み合わせて使用することができる抗がん薬は、免疫治療である。「免疫治療」という用語は、免疫系を調節する薬剤を指す。一部の実施形態では、免疫治療は、免疫系の調節因子の発現および/または活性を増大させることができる。一部の実施形態では、免疫治療は、免疫系の調節因子の発現および/または活性を低下させることができる。一部の実施形態では、免疫治療は、免疫細胞を動員する、および/またはその活性を増強することができる。
一部の実施形態では、上記方法のいずれかで式I、IIもしくはIIIの化合物またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体と組み合わせて使用することができる免疫治療は、抗体治療(例えば、モノクローナル抗体、コンジュゲート抗体)である。一部の実施形態では、抗体治療は、ベバシズマブ(Mvasti(商標)、Avastin(登録商標))、トラスツズマブ(Herceptin(登録商標))、アベルマブ(Bavencio(登録商標))、リツキシマブ(MabThera(商標)、Rituxan(登録商標))、エドレコロマブ(Panorex)、ダラツムマブ(Darzalex(登録商標))、オララツマブ(Lartruvo(商標))、オファツムマブ(Arzerra(登録商標))、アレムツズマブ(Campath(登録商標))、セツキシマブ(Erbitux(登録商標))、オレゴボマブ、ペムブロリズマブ(Keytruda(登録商標))、ジヌチキシマブ(Unituxin(登録商標))、オビヌツズマブ(Gazyva(登録商標))、トレメリムマブ(CP-675,206)、ラムシルマブ(Cyramza(登録商標))、ウブリツキシマブ(TG-1101)、パニツムマブ(Vectibix(登録商標))、エロツズマブ(Empliciti(商標))、ネシツムマブ(Portrazza(商標))、シルムツズマブ(UC-961)、イブリツモマブ(Zevalin(登録商標))、イサツキシマブ(SAR650984)、ニモツズマブ、フレソリムマブ(GC1008)、リリルマブ(INN)、モガムリズマブ(Poteligeo(登録商標))、フィクラツズマブ(AV-299)、デノスマブ(Xgeva(登録商標))、ガニツマブ、ウレルマブ、ピジリズマブ、アマツキシマブ、ブリナツモマブ(AMG103;Blincyto(登録商標))またはミドスタウリン(Rydapt)である。
一部の実施形態では、上記方法のいずれかで式I、IIもしくはIIIの化合物またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体と組み合わせて使用することができる免疫治療は、抗体-薬物コンジュゲートである。一部の実施形態では、抗体-薬物コンジュゲートは、ゲムツズマブ・オゾガマイシン(Mylotarg(商標)、イノツズマブ・オゾガマイシン(Besponsa(登録商標))、ブレンツキシマブ・ベドチン(Adcetris(登録商標))、アド-トラスツズマブ・エムタンシン(TDM-1;Kadcyla(登録商標))、ミルベツキシマブ・ソラブタンシン(IMGN853)またはアネツマブ・ラブタンシンである。
一部の実施形態では、上記方法のいずれかで式I、IIもしくはIIIの化合物またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体と組み合わせて使用することができる免疫治療には、毒素が含まれる。一部の実施形態では、免疫治療は、デニロイキン・ジフチトクス(Ontak(登録商標))である。
一部の実施形態では、上記方法のいずれかで式I、IIもしくはIIIの化合物またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体と組み合わせて使用することができる免疫治療は、サイトカイン治療である。一部の実施形態では、サイトカイン治療は、インターロイキン2(IL-2)治療、インターフェロンアルファ(IFNα)治療、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)治療、インターロイキン12(IL-12)治療、インターロイキン15(IL-15)治療、インターロイキン7(IL-7)治療またはエリスロポイエチン-アルファ(EPO)治療である。一部の実施形態では、IL-2治療は、アルデスロイキン(Proleukin(登録商標))である。一部の実施形態では、IFNα治療は、IntronA(登録商標)(Roferon-A(登録商標))である。一部の実施形態では、G-CSF治療は、フィルグラスチム(Neupogen(登録商標))である。
一部の実施形態では、上記方法のいずれかで式I、IIもしくはIIIの化合物またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体と組み合わせて使用することができる免疫治療は、免疫チェックポイント阻害薬である。一部の実施形態では、免疫治療は、1種または複数の免疫チェックポイント阻害薬を含む。一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害薬は、CTLA-4阻害薬、PD-1阻害薬またはPD-L1阻害薬である。一部の実施形態では、CTLA-4阻害薬は、イピリムマブ(Yervoy(登録商標))またはトレメリムマブ(CP-675,206)である。一部の実施形態では、PD-1阻害薬は、ペムブロリズマブ(Keytruda(登録商標))、ニボルマブ(Opdivo(登録商標))およびRN888である。一部の実施形態では、PD-L1阻害薬は、アテゾリズマブ(Tecentriq(登録商標))、アベルマブ(Bavencio(登録商標))またはデュルバルマブ(Imfinzi(商標))である。
一部の実施形態では、上記方法のいずれかで式I、IIもしくはIIIの化合物またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体と組み合わせて使用することができる免疫治療は、mRNAベースの免疫治療である。一部の実施形態では、mRNAベースの免疫治療は、CV9104である(例えば、Rauschら(2014)Human Vaccine Immunother 10(11):3146~52;およびKublerら(2015)J.Immunother Cancer 3:26を参照されたい)。
一部の実施形態では、上記方法のいずれかで式I、IIもしくはIIIの化合物またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体と組み合わせて使用することができる免疫治療は、腫瘍崩壊性ウイルス治療である。一部の実施形態では、腫瘍崩壊性ウイルス治療は、タリモジンラヘルパレプベク(talimogene laherparepvec)(T-VEC;Imlygic(登録商標))である。
一部の実施形態では、上記方法のいずれかで式I、IIもしくはIIIの化合物またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体と組み合わせて使用することができる免疫治療は、がんワクチンである。一部の実施形態では、がんワクチンは、ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンである。一部の実施形態では、HPVワクチンは、Gardasil(登録商標)、Gardasil9(登録商標)またはCervarix(登録商標)である。一部の実施形態では、がんワクチンは、B型肝炎ウイルス(HBV)ワクチンである。一部の実施形態では、HBVワクチンは、Engerix-B(登録商標)、Recombivax HB(登録商標)またはGI-13020(Tarmogen(登録商標))である。一部の実施形態では、がんワクチンは、Twinrix(登録商標)またはPediarix(登録商標)である。一部の実施形態では、がんワクチンは、BiovaxID(登録商標)、Oncophage(登録商標)、GVAX、ADXS11-001、ALVAC-CEA、PROSTVAC(登録商標)、Rindopepimut(登録商標)、CimaVax-EGF、ラプロイセル-T(APC8024;Neuvenge(商標))、GRNVAC1、GRNVAC2、GRN-1201、ヘプコルテスペンリシムト-L(Hepko-V5)、DCVAX(登録商標)、SCIB1、BMT CTN 1401、PrCa VBIR、PANVAC、ProstAtak(登録商標)、DPX-Survivac、またはviagenpumatucel-L(HS-110)である。
一部の実施形態では、上記方法のいずれかで式I、IIもしくはIIIの化合物またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体と組み合わせて使用することができる免疫治療は、ペプチドワクチンである。一部の実施形態では、ペプチドワクチンは、ネリペピムト-S(E75)(NeuVax(商標))、IMA901、またはSurVaxM(SVN53-67)である。一部の実施形態では、がんワクチンは、免疫原性個別化ネオアンチゲンワクチンである(例えば、Ottら(2017)Nature 547:217~221;Sahinら(2017)Nature 547:222~226を参照されたい)。一部の実施形態では、がんワクチンは、RGSH4K、またはNEO-PV-01である。一部の実施形態では、がんワクチンは、DNAベースのワクチンである。一部の実施形態では、DNAベースのワクチンは、マンマグロビン-A DNAワクチンである(例えば、Kimら(2016)OncoImmunology 5(2):e1069940を参照されたい)。
一部の実施形態では、上記方法のいずれかで式I、IIもしくはIIIの化合物またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体と組み合わせて使用することができる免疫治療は、細胞免疫治療(例えば、養子T細胞治療、樹状細胞治療、ナチュラルキラー細胞治療)である。一部の実施形態では、細胞免疫治療は、シプロイセル-T(APC8015;Provenge(商標);Plosker(2011)Drugs 71(1):101~108)である。一部の実施形態では、細胞免疫治療には、キメラ抗原受容体(CAR)を発現する細胞が含まれる。一部の実施形態では、細胞免疫治療は、CAR-T細胞治療である。一部の実施形態では、CAR-T細胞治療はチサゲンレクロイセル(Kymriah(商標))である。
一部の実施形態では、上記方法のいずれかで式I、IIもしくはIIIの化合物またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体と組み合わせて使用することができる抗がん薬は、細胞傷害性化学治療薬である。細胞傷害性化学治療薬の非限定的例には、三酸化ヒ素、ブレオマイシン、カバジタキセル、カペシタビン、カルボプラチン、シスプラチン、シクロフォスファミド、シタラビン、ダカルバジン、ダウノルビシン、ドセタキセル、ドキソルビシン、エトポシド、5-フルオロウラシル、フォリン酸、ゲムシタビン、イリノテカン、ロムスチン、メトトレキサート、マイトマイシンC、オキサリプラチン、パクリタキセル、ペメトレキセド、テモゾロミド、およびビンクリスチン、およびその組合せ、例えば、Nordic FLOX(フルオロウラシル、フォリン酸およびオキサリプラチン)、FOLFOXIRI(オキサリプラチン、イリノテカンおよびフルオロウラシル)、FOLFIRI(フォリン酸、フルオロウラシルおよびイリノテカン)またはCAPEOX(カペシタビンおよびオキサリプラチン)が含まれる。
一部の実施形態では、上記方法のいずれかに従って式I、IIもしくはIIIの化合物またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体と組み合わせて使用することができる抗がん薬は、血管新生標的治療である。血管新生標的治療の非限定的例には、アフリベルセプトおよびベバシズマブが含まれる。
一部の実施形態では、上記方法のいずれかに従って式I、IIもしくはIIIの化合物またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体と組み合わせて使用することができる抗がん薬には、アポトーシス経路の調節薬(例えば、オバタクラックス(obataclax))が含まれる。
一部の実施形態では、上記方法のいずれかで式I、IIもしくはIIIの化合物またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体と組み合わせて使用することができる抗がん治療は、放射線治療である。放射線治療の非限定的例には、体外放射線ビーム治療(例えば、キロボルテージX線またはメガボルテージX線を用いる体外ビーム治療)または体内放射線治療が含まれる。体内放射線治療(小線源治療とも呼ばれる)は、例えば、低線量体内放射線治療または高線量体内放射線治療の使用を含み得る。低線量体内放射線治療は、例えば、対象内のがん組織に、またはその近傍に小さな放射性ペレット(シードとも呼ばれる)を挿入することを含む。高線量体内放射線治療は、例えば、対象内のがん組織に、またはその近傍に薄い管(例えば、カテーテル)またはインプラントを挿入し、その薄い管またはインプラントに、放射線装置を用いて高線量の放射線を送達することを含む。がんを有する対象で放射線治療を実行するための方法は当技術分野で公知である。腫瘍がCNS腫瘍である実施形態では、放射線治療には、全脳放射線治療(WBRT)またはCyberknife(登録商標)、XKnife(登録商標)、ガンマナイフ(登録商標)、もしくはExacTrac(登録商標)などの定位放射線手術(SRS)が含まれ得る。
一部の実施形態では、上記方法のいずれかで式I、IIもしくはIIIの化合物またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体と組み合わせて使用することができる抗がん治療は外科手術である。外科手術の非限定的例には、例えば、開放外科手術または最小侵襲外科手術が含まれる。外科手術には、例えば、腫瘍の少なくとも部分的な切除、全腫瘍の除去、腫瘍の減量、または対象において疼痛もしくは圧迫の原因となっている腫瘍の除去が含まれ得る。がんを有する対象で開放外科手術および最小侵襲外科手術を実行するための方法は、当技術分野で公知である。
一実施形態では、BRAF関連腫瘍(例えば、本明細書に記載のBRAF関連腫瘍のいずれか)を有する対象を処置する方法であって、治療有効量の式I、式IIもしくは式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体をある期間にわたって投与し、その際、前記期間中に、対象にMEK阻害薬(例えば、本明細書に開示のMEK阻害薬のいずれか)を投与することを含む方法を本明細書において提供する。一実施形態では、MEK阻害薬はビニメチニブである。一実施形態では、式Iの化合物は、実施例1~80ならびにその薬学的に許容できる塩および溶媒和物、ならびに実施例81~86から選択される化合物である。一実施形態では、上記化合物は、式IIの化合物またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体である。一実施形態では、式IIの化合物は、実施例1、3、4、7、9、10、11、12、13、14、15、21、22、23、24、25、27、29、31、32、33、34、35、36、37、38、39、44、46、48、49、50、51、52、54、55、57、59、61、65、67、68、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79および80ならびにその薬学的に許容できる塩および溶媒和物、ならびに実施例82から選択される。一実施形態では、上記化合物は、式IIIの化合物またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例1、4、7、9、10、23、55、63および67ならびにその薬学的に許容できる塩または溶媒和物、ならびに実施例82から選択される。
一実施形態では、BRAF関連腫瘍(例えば、本明細書に記載のBRAF関連腫瘍のいずれか)を有する対象を処置する方法であって、治療有効量の式I、式IIもしくは式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体をある期間にわたって投与し、その際、前記期間中に、対象にBRAF阻害薬(例えば、第2の式I、IIもしくはIIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体を含む、本明細書に開示のBRAF阻害薬のいずれか)を投与することを含む方法を本明細書において提供する。一実施形態では、式Iの化合物は、実施例1~80、またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物、および実施例81~86から選択される化合物である。一実施形態では、上記化合物は、式IIの化合物またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体である。一実施形態では、式IIの化合物は、実施例1、3、4、7、9、10、11、12、13、14、15、21、22、23、24、25、27、29、31、32、33、34、35、36、37、38、39、44、46、48、49、50、51、52、54、55、57、59、61、65、67、68、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79および80ならびにその薬学的に許容できる塩および溶媒和物、ならびに実施例82から選択される。一実施形態では、上記化合物は、式IIIの化合物またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例1、4、7、9、10、23、55、63および67ならびに薬学的に許容できるその塩または溶媒和物、ならびに実施例82から選択される。
一実施形態では、BRAF関連腫瘍(例えば、本明細書に記載のBRAF関連腫瘍のいずれか)を有する対象を処置する方法であって、治療有効量の式I、式IIもしくは式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体をある期間にわたって投与し、その際、前記期間中に、対象にEGFR阻害薬(例えば、本明細書に開示のEGFR阻害薬のいずれか)を投与することを含む方法を本明細書において提供する。一実施形態では、式Iの化合物は、実施例1~80ならびにその薬学的に許容できる塩および溶媒和物、ならびに実施例81~86から選択される化合物である。一実施形態では、上記化合物は、式IIの化合物またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体である。一実施形態では、式IIの化合物は、実施例1、3、4、7、9、10、11、12、13、14、15、21、22、23、24、25、27、29、31、32、33、34、35、36、37、38、39、44、46、48、49、50、51、52、54、55、57、59、61、65、67、68、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79および80ならびにその薬学的に許容できる塩および溶媒和物、ならびに実施例82から選択される。一実施形態では、上記化合物は、式IIIの化合物またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例1、4、7、9、10、23、55、63および67ならびにその薬学的に許容できる塩または溶媒和物、ならびに実施例82から選択される。一実施形態では、腫瘍は肺がんである。
一実施形態では、BRAF関連腫瘍(例えば、本明細書に記載のBRAF関連腫瘍のいずれか)を有する対象を処置する方法であって、治療有効量の式I、式IIもしくは式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体をある期間にわたって投与し、その際、前記期間中に、対象にHER2および/またはHER3の阻害薬を投与することを含む方法を本明細書において提供する。一実施形態では、式Iの化合物は、実施例1~80ならびにその薬学的に許容できる塩および溶媒和物、ならびに実施例81~86化合物から選択される化合物である。一実施形態では、上記化合物は、式IIの化合物またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体である。一実施形態では、式IIの化合物は、実施例1、3、4、7、9、10、11、12、13、14、15、21、22、23、24、25、27、29、31、32、33、34、35、36、37、38、39、44、46、48、49、50、51、52、54、55、57、59、61、65、67、68、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79および80ならびにその薬学的に許容できる塩および溶媒和物ならびに実施例82から選択される。一実施形態では、上記化合物は、式IIIの化合物またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例1、4、7、9、10、23、55、63および67ならびにその薬学的に許容できる塩または溶媒和物、ならびに実施例82から選択される。
一実施形態では、BRAF関連腫瘍(例えば、本明細書に記載のBRAF関連腫瘍のいずれか)を有する対象を処置する方法であって、治療有効量の式I、式IIもしくは式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体をある期間にわたって投与し、その際、前記期間中に、対象に、Axl阻害薬(例えば、式Iの化合物および式Iの化合物以外の化合物を含む、本明細書に開示のAxl阻害薬のいずれか)を投与することを含む方法を本明細書において提供する。一実施形態では、式Iの化合物は、実施例1~80ならびにその薬学的に許容できる塩および溶媒和物、ならびに実施例81~86から選択される化合物である。一実施形態では、上記化合物は、式IIの化合物またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体である。一実施形態では、式IIの化合物は、実施例1、3、4、7、9、10、11、12、13、14、15、21、22、23、24、25、27、29、31、32、33、34、35、36、37、38、39、44、46、48、49、50、51、52、54、55、57、59、61、65、67、68、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79および80ならびにその薬学的に許容できる塩および溶媒和物、ならびに実施例82から選択される。一実施形態では、上記化合物は、式IIIの化合物またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例1、4、7、9、10、23、55、63および67ならびにその薬学的に許容できる塩または溶媒和物、ならびに実施例82から選択される。
一実施形態では、BRAF関連腫瘍(例えば、本明細書に記載のBRAF関連腫瘍のいずれか)を有する対象を処置する方法であって、治療有効量の式I、式IIもしくは式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体をある期間にわたって投与し、その際、前記期間中に、対象にSOS1阻害薬(例えば、本明細書に開示のSOS1阻害薬のいずれか)を投与することを含む方法を本明細書において提供する。一実施形態では、式Iの化合物は、実施例1~80ならびにその薬学的に許容できる塩および溶媒和物、ならびに実施例81~86から選択される化合物である。一実施形態では、上記化合物は、式IIの化合物またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体である。一実施形態では、式IIの化合物は、実施例1、3、4、7、9、10、11、12、13、14、15、21、22、23、24、25、27、29、31、32、33、34、35、36、37、38、39、44、46、48、49、50、51、52、54、55、57、59、61、65、67、68、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79および80ならびにその薬学的に許容できる塩および溶媒和物、ならびに実施例82から選択される。一実施形態では、上記化合物は、式IIIの化合物またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例1、4、7、9、10、23、55、63および67ならびにその薬学的に許容できる塩または溶媒和物、ならびに実施例82から選択される。
一実施形態では、BRAF関連腫瘍(例えば、本明細書に記載のBRAF関連腫瘍のいずれか)を有する対象を処置する方法であって、治療有効量の式I、式IIもしくは式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体をある期間にわたって投与し、その際、前記期間中に、対象にシグナル伝達阻害薬(例えば、本明細書に開示のシグナル伝達阻害薬のいずれか)を投与することを含む方法を本明細書において提供する。一実施形態では、式Iの化合物は、実施例1~80ならびにその薬学的に許容できる塩および溶媒和物、ならびに実施例81~86から選択される化合物である。一実施形態では、上記化合物は、式IIの化合物またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体である。一実施形態では、式IIの化合物は、実施例1、3、4、7、9、10、11、12、13、14、15、21、22、23、24、25、27、29、31、32、33、34、35、36、37、38、39、44、46、48、49、50、51、52、54、55、57、59、61、65、67、68、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79および80、ならびにその薬学的に許容できる塩および溶媒和物、ならびに実施例82から選択される。一実施形態では、上記化合物は、式IIIの化合物またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例1、4、7、9、10、23、55、63および67ならびにその薬学的に許容できる塩または溶媒和物、ならびに実施例82から選択される。
一実施形態では、BRAF関連腫瘍(例えば、本明細書に記載のBRAF関連腫瘍のいずれか)を有する対象を処置する方法であって、治療有効量の式I、式IIもしくは式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体をある期間にわたって投与し、その際、前記期間中に、対象にチェックポイント阻害薬(例えば、本明細書に開示のチェックポイント阻害薬のいずれか)を投与することを含む方法を本明細書において提供する。一実施形態では、式Iの化合物は、実施例1~80ならびにその薬学的に許容できる塩および溶媒和物、ならびに実施例81~86から選択される化合物である。一実施形態では、上記化合物は、式IIの化合物またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体である。一実施形態では、式IIの化合物は、実施例1、3、4、7、9、10、11、12、13、14、15、21、22、23、24、25、27、29、31、32、33、34、35、36、37、38、39、44、46、48、49、50、51、52、54、55、57、59、61、65、67、68、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79および80ならびにその薬学的に許容できる塩および溶媒和物、ならびに実施例82から選択される。一実施形態では、上記化合物は、式IIIの化合物またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例1、4、7、9、10、23、55、63および67ならびにその薬学的に許容できる塩または溶媒和物、ならびに実施例82から選択される。
一実施形態では、BRAF関連腫瘍(例えば、本明細書に記載のBRAF関連腫瘍のいずれか)を有する対象を処置する方法であって、治療有効量の式I、式IIもしくは式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体をある期間にわたって投与し、その際、前記期間中に、対象にアポトーシス経路の調節薬(例えば、本明細書に開示のアポトーシス経路の調節薬のいずれか)を投与することを含む方法を本明細書において提供する。一実施形態では、式Iの化合物は、実施例1~80ならびにその薬学的に許容できる塩および溶媒和物、ならびに実施例81~86から選択される化合物である。一実施形態では、上記化合物は、式IIの化合物またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体である。一実施形態では、式IIの化合物は、実施例1、3、4、7、9、10、11、12、13、14、15、21、22、23、24、25、27、29、31、32、33、34、35、36、37、38、39、44、46、48、49、50、51、52、54、55、57、59、61、65、67、68、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79および80ならびにその薬学的に許容できる塩および溶媒和物、ならびに実施例82から選択される。一実施形態では、上記化合物は、式IIIの化合物またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例1、4、7、9、10、23、55、63および67ならびにその薬学的に許容できる塩または溶媒和物、ならびに実施例82から選択される。
一実施形態では、BRAF関連腫瘍(例えば、本明細書に記載のBRAF関連腫瘍のいずれか)を有する対象を処置する方法であって、治療有効量の式I、式IIもしくは式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体をある期間にわたって投与し、その際、前記期間中に、対象に細胞傷害性化学治療薬(例えば、本明細書に開示の細胞傷害性化学治療薬のいずれか)を投与することを含む方法を本明細書において提供する。一実施形態では、式Iの化合物は、実施例1~80、その薬学的に許容できる塩および溶媒和物、ならびに実施例81~86から選択される化合物である。一実施形態では、上記化合物は、式IIの化合物またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体である。一実施形態では、式IIの化合物は、実施例1、3、4、7、9、10、11、12、13、14、15、21、22、23、24、25、27、29、31、32、33、34、35、36、37、38、39、44、46、48、49、50、51、52、54、55、57、59、61、65、67、68、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79および80ならびにその薬学的に許容できる塩および溶媒和物、ならびに実施例82から選択される。一実施形態では、上記化合物は、式IIIの化合物またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例1、4、7、9、10、23、55、63および67ならびにその薬学的に許容できる塩または溶媒和物、ならびに実施例82から選択される。
一実施形態では、BRAF関連腫瘍(例えば、本明細書に記載のBRAF関連腫瘍のいずれか)を有する対象を処置する方法であって、治療有効量の式I、式IIもしくは式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体をある期間にわたって投与し、その際、前記期間中に、対象に血管新生標的治療(例えば、本明細書に開示の血管新生標的治療のいずれか)を投与することを含む方法を本明細書において提供する。一実施形態では、式Iの化合物は、実施例1~80ならびにその薬学的に許容できる塩および溶媒和物、ならびに実施例81~86から選択される化合物である。一実施形態では、上記化合物は、式IIの化合物またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、および実施例82である。一実施形態では、式IIの化合物は、実施例1、3、4、7、9、10、11、12、13、14、15、21、22、23、24、25、27、29、31、32、33、34、35、36、37、38、39、44、46、48、49、50、51、52、54、55、57、59、61、65、67、68、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79および80ならびにその薬学的に許容できる塩および溶媒和物、ならびに実施例82から選択される。一実施形態では、上記化合物は、式IIIの化合物またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例1、4、7、9、10、23、55、63および67ならびにその薬学的に許容できる塩または溶媒和物、ならびに実施例82から選択される。
一実施形態では、BRAF関連腫瘍(例えば、本明細書に記載のBRAF関連腫瘍のいずれか)を有する対象を処置する方法であって、治療有効量の式I、式IIもしくは式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体をある期間にわたって投与し、その際、前記期間中に、対象に免疫標的薬(例えば、本明細書に開示の免疫標的薬のいずれか)を投与することを含む方法を本明細書において提供する。一実施形態では、式Iの化合物は、実施例1~80ならびにその薬学的に許容できる塩および溶媒和物、ならびに実施例81~86から選択される化合物である。一実施形態では、上記化合物は、式IIの化合物またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体である。一実施形態では、式IIの化合物は、実施例1、3、4、7、9、10、11、12、13、14、15、21、22、23、24、25、27、29、31、32、33、34、35、36、37、38、39、44、46、48、49、50、51、52、54、55、57、59、61、65、67、68、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79および80ならびにその薬学的に許容できる塩および溶媒和物、ならびに実施例82から選択される。一実施形態では、上記化合物は、式IIIの化合物またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例1、4、7、9、10、23、55、63および67ならびにその薬学的に許容できる塩または溶媒和物、ならびに実施例82から選択される。
それを必要とする対象において、BRAF関連腫瘍を処置するための医薬組合せであって、(a)式I、式IIもしくは式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体と、(b)少なくとも1種の追加の抗がん薬(例えば、本明細書に記載か、または当技術分野で公知の例示的な追加の抗がん薬のいずれか)とを含み、その際、式I、式IIもしくは式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体と、少なくとも1種の追加の抗がん薬とが、腫瘍を処置するために同期で、別々に、または連続的に使用するために別々に製剤化されていて、式I、式IIもしくは式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物と、追加の抗がん薬との量が一緒に、腫瘍の処置において有効である、医薬組合せ;(ii)腫瘍を処置するための医薬品を調製するための、そのような組合せの使用;ならびに(iii)同期で、別々に、または連続的に使用するための組合せ製剤として、そのような組合せを含む市販用パッケージまたは製品;ならびにそれを必要とする対象において腫瘍を処置する方法も本明細書において提供する。
本明細書で使用される場合の「医薬組合せ」という用語は、活性成分の非固定組合せを指す。「非固定組合せ」という用語は、式I、式IIもしくは式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体と、少なくとも1種の追加の抗がん薬とが別々の組成物または投薬量として製剤化されていて、したがってそれらを同期で、または可変的な介在時限で別々に、それを必要とする対象に投与することができ、そのような投与が対象の体内で2種以上の化合物の有効なレベルを与えることを意味する。これらは、カクテル治療、例えば、3種以上の活性成分の投与にも当てはまる。同様に、別の抗がん薬の組合せとの使用において式I、式IIまたは式IIIの化合物に言及する場合の「組合せ」という用語は、非固定組合せを指す。
したがって、BRAF関連腫瘍を処置する方法であって、それを必要とする対象に、腫瘍を処置するために同期で、別々に、または連続的に使用するために(a)式I、式IIもしくは式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体と、(b)追加の抗がん薬とを含む前記腫瘍を処置するための医薬組合せを投与することを含み、式I、式IIもしくは式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体と、追加の抗がん薬との量が一緒に、腫瘍の処置において有効である、方法も本明細書において提供する。一実施形態では、BRAF関連腫瘍は、悪性腫瘍であり、追加の抗がん薬は、抗がん薬、例えば、本明細書に記載の抗がん薬のいずれかである。一部の実施形態では、式I、式IIもしくは式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物と、追加の抗がん薬とを同時に、別々の投薬として投与する。一部の実施形態では、式I、式IIもしくは式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物と、追加の抗がん薬とを別々の投薬として、任意の順序で連続的に、例えば、毎日または間欠的投薬で、合わせて治療有効量で投与する。追加の抗がん薬を1つまたは複数の用量の式I、式IIもしくは式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、またはその医薬組成物と共に、同じか、または別々の剤形の一部として、同じか、または異なる投与経路により、および/または同じか、または異なる投与スケジュールで、当業者に公知の標準的な薬務に従って投与することができる。一部の実施形態では、BRAF関連腫瘍は、悪性BRAF関連腫瘍(すなわち、BRAF関連がん)である。一部の実施形態では、BRAF関連がんは、BRAF関連CNSがんであり、医薬組合せは、式IIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、または式III、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体を含む。一部の実施形態では、BRAF関連CNSがんはBRAF関連転移がんであり、医薬組合せは、式IIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、または式III、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体を含む。一部の実施形態では、BRAF関連転移がんは、転移性黒色腫であり、医薬組合せは、式IIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、または式III、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体を含む。一部の実施形態では、BRAF関連転移がんは、転移性結腸直腸がんであり、医薬組合せは、式IIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、または式III、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体を含む。一部の実施形態では、BRAF関連転移がんは、転移性非小細胞肺がんであり、医薬組合せは、式IIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、または式III、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体を含む。一部の実施形態では、BRAF関連転移がんは、転移性甲状腺がんであり、医薬組合せは、式IIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、または式III、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体を含む。一部の実施形態では、BRAF関連転移がんは、転移性卵巣がんであり、医薬組合せは、式IIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、または式III、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体を含む。一部の実施形態では、BRAF関連転移がんは、頭蓋内LMDまたは頭蓋外LMDであり、医薬組合せは、式IIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、または式III、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体を含む。一部の実施形態では、BRAF関連CNSがんは、原発性脳腫瘍であり、医薬組合せは、式IIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、または式III、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体を含む。一部の実施形態では、BRAF関連腫瘍は、良性CNS腫瘍であり、医薬組合せは、式IIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、または式IIIまたはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体を含む。一部の実施形態では、上記化合物は、式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体である。一実施形態では、式Iの化合物は、実施例1~80ならびにその薬学的に許容できる塩および溶媒和物、ならびに実施例81~86から選択される化合物である。一実施形態では、上記化合物は、式IIの化合物またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体である。一実施形態では、式IIの化合物は、実施例1、3、4、7、9、10、11、12、13、14、15、21、22、23、24、25、27、29、31、32、33、34、35、36、37、38、39、44、46、48、49、50、51、52、54、55、57、59、61、65、67、68、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79および80、ならびにその薬学的に許容できる塩および溶媒和物、ならびに実施例82から選択される。一実施形態では、上記化合物は、式IIIの化合物またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体である。一実施形態では、式IIIの化合物は、実施例1、4、7、9、10、23、55、63および67ならびにその薬学的に許容できる塩または溶媒和物、ならびに実施例82から選択される。
本明細書に記載の方法のいずれかの一部の実施形態では、対象は、BRAF関連腫瘍(例えば、良性、悪性、または転移性腫瘍)を有し、その際、対象は、先行治療または標準的な治療(例えば、式I、IIもしくはIIIの化合物またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体以外の1種または複数抗がん薬での処置および/または放射線治療および/または外科手術)で処置されたことがあり、前記BRAF関連腫瘍が、前記先行治療に対して難治性または不耐容になっている。一部の実施形態では、対象は、標準治療を受けていないBRAF関連腫瘍(例えば、局所進行または転移性腫瘍)を有する。一実施形態では、方法は、実施例1~80、ならびにその薬学的に許容できる塩および溶媒和物、ならびに実施例81~86から選択される式Iの化合物を投与することを含む。一実施形態では、方法は、式IIの化合物またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体を投与することを含む。一実施形態では、方法は、実施例1、3、4、7、9、10、11、12、13、14、15、21、22、23、24、25、27、29、31、32、33、34、35、36、37、38、39、44、46、48、49、50、51、52、54、55、57、59、61、65、67、68、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79および80、ならびにその薬学的に許容できる塩および溶媒和物、ならびに実施例82から選択される式IIの化合物を投与することを含む。一実施形態では、方法は、式IIIの化合物またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体を投与することを含む。一実施形態では、方法は、実施例1、4、7、9、10、23、55、63および67、ならびにその薬学的に許容できる塩または溶媒和物、ならびに実施例82から選択される式IIIの化合物を投与することを含む。
したがって、一実施形態では、BRAF関連腫瘍を有する対象を処置する方法であって、対象が、1種または複数の抗がん治療(例えば、抗がん薬、放射線治療および/または外科手術)で以前に処置されており、対象に、治療有効量の式I、IIもしくはIIIの化合物またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体を投与することを含む方法を本明細書において提供する。
異なるBRAF変異腫瘍は共通のBRAF阻害薬耐性機構を必ずしも共有するものではなく、原発性脳腫瘍では、関与する耐性機構を記載している研究は限られている。Yao,TWら(Oncotarget 8(1):583~595、2017)およびYwo,Z.ら(Cancer Cell 28(3):370~383、2015)は、BRAF阻害薬抵抗性神経膠腫細胞系における上皮成長因子受容体(EGFR)の過剰活性化を見い出し、BRAF阻害薬に加えてのEGFR阻害薬での処置は、成人および小児神経膠腫細胞におけるBRAF阻害薬耐性の克服について有望な結果を示した。甲状腺がん細胞では、BRAF阻害薬耐性は主に、神経膠腫発生に関与する共通の分子経路であるHER3シグナル伝達により;したがって、BRAF阻害薬での処置にHERキナーゼ阻害薬を加えることは、脳腫瘍にも有利であり得るであろう(Montero-Condeら、Cancer Discov 3(5):520-533、2013)。加えて、Yao,TWら(Oncotarget 8(1):583~595、2017)は、BRAF阻害薬耐性細胞に対してAxlの発現および活性の増大を、Axl阻害薬を使用してのBRAF-V600E神経膠腫の抑制と共に発見した。同じ研究において、BRAF阻害薬の48時間の中止後のBRAF阻害薬耐性細胞の再感作は、BRAF阻害薬の断続的使用がBRAF阻害薬耐性を低下させ得るであろうことを示唆している(Yaoら(Oncotarget 8(1):583~595、2017)。その全体が本明細書に援用されるWO2013/070996は、断続的投薬スケジュールでエンコラフェニブを投与することによりBRAF阻害薬エンコラフェニブでの処置に対する耐性を抑制することを含む、増殖性疾患(例えば、がん、例えば、黒色腫)を処置する方法を開示している。Ma,XHら(J Clin Invest 124(3):1406~1417、2014)は、BRAF阻害薬耐性の機構として小胞体ストレス誘導性自食作用の上方制御を提案し、Levy,JMら(Cancer Discov 4(7):773~780、2014)は、ベムラフェニブでの処置で以前に進行した脳幹神経節膠腫を有する対象において、自食作用阻害薬クロロキンを加えることで臨床的およびX線撮影上の改善を示した。
一部の実施形態では、転移性黒色腫(例えば、BRAF変異転移性黒色腫)を有する対象は、式IIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、または式III、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体での処置の前に、BRAF阻害薬(例えば、式I、IIもしくはIIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体以外のBRAF阻害薬)での処置を受けたことがある。一実施形態では、対象は、エンコラフェニブ、ダブラフェニブ、ベムラフェニブ、N-[3-(5-クロロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イルカルボニル)-2,4-ジフルオロフェニル]プロパン-1-スルホンアミド、(3R)-N-(3-[[5-(2-シクロプロピルピリミジン-5-イル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル]カルボニル]-2,4-ジフルオロフェニル)-3-フルオロピロリジン-1-スルホンアミド(PLX8394)から選択されるBRAF阻害薬で以前に処置された。一実施形態では、対象は、エンコラフェニブ、ダブラフェニブおよびベムラフェニブから選択されるBRAF阻害薬で以前に処置された。一実施形態では、対象は、前記先行処置に対して難治性になった。一実施形態では、対象は、前記先行処置中に脳転移を発症した。
一部の実施形態では、転移性黒色腫(例えば、BRAF変異体転移性黒色腫)を有する対象は、式IIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、または式III、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体での処置前に、BRAF阻害薬(例えば、式I、IIもしくはIIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体以外)およびMEK阻害薬での処置を受けたことがある。一実施形態では、対象は、エンコラフェニブ、ダブラフェニブ、ベムラフェニブ、N-[3-(5-クロロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イルカルボニル)-2,4-ジフルオロフェニル]プロパン-1-スルホンアミド、および(3R)-N-(3-[[5-(2-シクロプロピルピリミジン-5-イル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル]カルボニル]-2,4-ジフルオロフェニル)-3-フルオロピロリジン-1-スルホンアミド(PLX8394)から選択されるBRAF阻害薬、ならびにビニメチニブ、トラメチニブ、コビメチニブ、セルメチニブ、ピマセルチブ、レファメチニブ、N-[2(R),3-ジヒドロキシプロポキシ]-3,4-ジフルオロ-2-(2-フルオロ-4-ヨードフェニルアミノ)ベンズアミド(PD-325901)、2-(2-クロロ-4-ヨードフェニルアミノ)-N-(シクロプロピルメトキシ)-3,4-ジフルオロベンズアミド(CI-1040)、および3-[2(R),3-ジヒドロキシプロピル]-6-フルオロ-5-(2-フルオロ-4-ヨードフェニルアミノ)-8-メチルピリド[2,3-d]ピリミジン-4,7(3H,8H)-ジオン(TAK-733)から選択されるMEK阻害薬で以前に処置された。一実施形態では、対象は、エンコラフェニブ、ダブラフェニブおよびベムラフェニブから選択されるBRAF阻害薬ならびにビニメチニブ、トラメチニブ、およびコビメチニブから選択されるMEK阻害薬で以前に処置された。一実施形態では、対象は、エンコラフェニブおよびビニメチニブで以前に処置された。一実施形態では、対象は、ダブラフェニブおよびトラメチニブで以前に処置された。一実施形態では、対象は、ベムラフェニブおよびコビメチニブで以前に処置された。一実施形態では、対象は、前記先行処置に対して難治性になった。一実施形態では、対象は、前記先行処置中に脳転移を発症した。
一部の実施形態では、転移性黒色腫(例えば、BRAF変異体転移性黒色腫)を有する対象は、式IIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、または式III、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体での処置前に、1種または複数のチェックポイント阻害薬(例えば、本明細書に開示のチェックポイント阻害薬のいずれか、例えば、CTLA-4阻害薬、PD-1阻害薬、および/またはPD-L1阻害薬)での処置を受けたことがある。一実施形態では、対象は、イピリムマブ、ニボルマブ、ペムブロリズマブおよびアベルマブから独立に選択される1種または複数のチェックポイント阻害薬で以前に処置された。一実施形態では、対象は、前記先行処置に対して難治性になった。一実施形態では、対象は、前記先行処置中に脳転移を発症した。
一部の実施形態では、転移性黒色腫(例えば、BRAF変異体転移性黒色腫)を有する対象は、式IIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、または式III、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体での処置前に、1種または複数のPI3Kの阻害薬での処置を受けたことがある。一実施形態では、対象は、ブパルリシブ(BKM120)、アルペリシブ(BYL719)、サモトリシブ(LY3023414)、8-[(1R)-1-[(3,5-ジフルオロフェニル)アミノ]エチル]-N,N-ジメチル-2-(モルホリン-4-イル)-4-オキソ-4H-クロメン-6-カルボキサミド(AZD8186)、テナリシブ(RP6530)、ボクスタリシブ塩酸塩(SAR-245409)、ゲダトリシブ(PF-05212384)、パヌリシブ(P-7170)、タセリシブ(GDC-0032)、トランス-2-アミノ-8-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)シクロヘキシル]-6-(6-メトキシピリジン-3-イル)-4-メチルピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン(PF-04691502)、デュベリシブ(ABBV-954)、N2-[4-オキソ-4-[4-(4-オキソ-8-フェニル-4H-1-ベンゾピラン-2-イル)モルホリン-4-イウム-4-イルメトキシ]ブチリル]-L-アルギニル-グリシル-L-アスパルチル-L-セリン酢酸塩(SF-1126)、ピクチリシブ(GDC-0941)、2-メチル-1-[2-メチル-3-(トリフルオロメチル)ベンジル]-6-(モルホリン-4-イル)-1H-ベンゾイミダゾール-4-カルボン酸(GSK2636771)、イデラリシブ(GS-1101)、ウムブラリシブトシル酸塩(TGR-1202)、ピクチリシブ(GDC-0941)、コパンリシブ塩酸塩(BAY84-1236)、ダクトリシブ(BEZ-235)、1-(4-[5-[5-アミノ-6-(5-tert-ブチル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ピスラジン(pysrazin)-2-イル]-1-エチル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル]ピペリジン-1-イル)-3-ヒドロキシプロパン-1-オン(AZD-8835)、5-[6,6-ジメチル-4-(モルホリン-4-イル)-8,9-ジヒドロ-6H-[1,4]オキサジノ[4,3-e]プリン-2-イル]ピリミジン-2-アミン(GDC-0084)エベロリムス、ラパマイシン、ペリホシン、シロリムス、およびテムシロリムスから選択される1種または複数のPI3K阻害薬で以前に処置された。一実施形態では、対象は、単独か、または組合せでのブパルリシブまたはアルペリシブで以前に処置された。一実施形態では、対象は、前記先行処置に対して難治性になった。一実施形態では、対象は、前記先行処置中に脳転移を発症した。一実施形態では、対象は、前記先行処置中に脳転移を発症した。
一部の実施形態では、転移性黒色腫(例えば、BRAF変異体転移性黒色腫)を有する対象は、式IIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、または式III、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体での処置前に、式I、式II、式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体以外のBRAF阻害薬、および1種または複数のチェックポイント阻害薬(例えば、本明細書に開示のチェックポイント阻害薬のいずれか、例えば、CTLA-4阻害薬、PD-1阻害薬、および/またはPD-L1阻害薬)での処置を受けたことがある。一実施形態では、対象は、エンコラフェニブ、ダブラフェニブ、ベムラフェニブ、N-[3-(5-クロロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イルカルボニル)-2,4-ジフルオロフェニル]プロパン-1-スルホンアミド、および(3R)-N-(3-[[5-(2-シクロプロピルピリミジン-5-イル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル]カルボニル]-2,4-ジフルオロフェニル)-3-フルオロピロリジン-1-スルホンアミド(PLX8394)から選択されるBRAF阻害薬、ならびにイピリムマブ、ニボルマブおよびペムブロリズマブから独立に選択される1種または複数のチェックポイント阻害薬で以前に処置された。一実施形態では、対象は、前記先行処置に対して難治性になった。一実施形態では、対象は、前記先行処置中に脳転移を発症した。
一部の実施形態では、転移性黒色腫(例えば、BRAF変異体転移性黒色腫)を有する対象は、式IIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、または式III、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体での処置前に、BRAF阻害薬(例えば、式I、IIもしくはIIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体以外)、MEK阻害薬、および1種または複数のチェックポイント阻害薬(例えば、本明細書に開示のチェックポイント阻害薬のいずれか、例えば、CTLA-4阻害薬、PD-1阻害薬、および/またはPD-L1阻害薬)での処置を受けたことがある。一実施形態では、対象は、エンコラフェニブ、ダブラフェニブ、ベムラフェニブ、N-[3-(5-クロロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イルカルボニル)-2,4-ジフルオロフェニル]プロパン-1-スルホンアミド(PLX4720)、および(3R)-N-(3-[[5-(2-シクロプロピルピリミジン-5-イル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル]カルボニル]-2,4-ジフルオロフェニル)-3-フルオロピロリジン-1-スルホンアミド(PLX8394)から選択されるBRAF阻害薬、ビニメチニブ、トラメチニブ、コビメチニブ、セルメチニブ、ピマセルチブ、レファメチニブ、N-[2(R),3-ジヒドロキシプロポキシ]-3,4-ジフルオロ-2-(2-フルオロ-4-ヨードフェニルアミノ)ベンズアミド(PD-325901)、2-(2-クロロ-4-ヨードフェニルアミノ)-N-(シクロプロピルメトキシ)-3,4-ジフルオロベンズアミド(CI-1040)、および3-[2(R),3-ジヒドロキシプロピル]-6-フルオロ-5-(2-フルオロ-4-ヨードフェニルアミノ)-8-メチルピリド[2,3-d]ピリミジン-4,7(3H,8H)-ジオン(TAK-733)から選択されるMEK阻害薬、ならびに1種または複数のチェックポイント阻害薬(例えば、本明細書に開示のチェックポイント阻害薬のいずれか、例えば、CTLA-4阻害薬、PD-1阻害薬、および/またはPD-L1阻害薬)で以前に処置された。一実施形態では、対象は、エンコラフェニブ、ダブラフェニブおよびベムラフェニブから選択されるBRAF阻害薬、ビニメチニブ、トラメチニブおよびコビメチニブから選択されるMEK阻害薬、ならびにイピリムマブ、ニボルマブ、ペムブロリズマブおよびアベルマブから独立に選択される1種または複数のチェックポイント阻害薬で以前に処置された。一実施形態では、対象は、前記先行処置に対して難治性になった。一実施形態では、対象は、前記先行処置中に脳転移を発症した。
一部の実施形態では、転移性黒色腫(例えば、BRAF変異体転移性黒色腫)を有する対象は、式IIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、または式III、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体での処置前に、1種または複数のアルキル化薬での処置を受けたことがある。一実施形態では、対象は、テモゾロミド、ホテムスチン、ロムスチンおよびカルムスチンから選択される1種または複数のアルキル化薬で以前に処置された。一実施形態では、対象は、テモゾロミドで以前に処置された。一実施形態では、対象は、前記先行処置に対して難治性になった。一実施形態では、対象は、前記先行処置中に脳転移を発症した。
一部の実施形態では、転移性結腸直腸がん(例えば、BRAF変異体転移性結腸直腸がん)を有する対象は、式IIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、または式III、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体での処置前に、式I、式II、式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体以外のBRAF阻害薬、MEK阻害薬およびEGFR阻害薬での処置を受けたことがある。一実施形態では、対象は、エンコラフェニブ、ダブラフェニブ、ベムラフェニブ、N-[3-(5-クロロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イルカルボニル)-2,4-ジフルオロフェニル]プロパン-1-スルホンアミド(PLX4720)、および(3R)-N-(3-[[5-(2-シクロプロピルピリミジン-5-イル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル]カルボニル]-2,4-ジフルオロフェニル)-3-フルオロピロリジン-1-スルホンアミド(PLX8394)から選択されるBRAF阻害薬、ビニメチニブ、トラメチニブ、コビメチニブ、セルメチニブ、ピマセルチブ、レファメチニブ、N-[2(R),3-ジヒドロキシプロポキシ]-3,4-ジフルオロ-2-(2-フルオロ-4-ヨードフェニルアミノ)ベンズアミド(PD-325901)、2-(2-クロロ-4-ヨードフェニルアミノ)-N-(シクロプロピルメトキシ)-3,4-ジフルオロベンズアミド(CI-1040)、および3-[2(R),3-ジヒドロキシプロピル]-6-フルオロ-5-(2-フルオロ-4-ヨードフェニルアミノ)-8-メチルピリド[2,3-d]ピリミジン-4,7(3H,8H)-ジオン(TAK-733)から選択されるMEK阻害薬、ならびにセツキシマブ、パニツムマブ、オシメルチニブ、エルロチニブ、ゲフィチニブ、ネシツムマブ、ネラチニブ、ラパチニブ、バンデタニブおよびブリガチニブから選択されるEGFR阻害薬で以前に処置された。一実施形態では、対象は、エンコラフェニブ、ダブラフェニブおよびベムラフェニブから選択されるBRAF阻害薬、ビニメチニブ、トラメチニブおよびコビメチニブから選択されるMEK阻害薬、ならびにセツキシマブおよびパニツムマブから選択されるEGFR阻害薬で以前に処置された。一実施形態では、対象は、エンコラフェニブ、ビニメチニブおよびセツキシマブで以前に処置された。一実施形態では、対象は、ダブラフェニブ、トラメチニブおよびパニツムマブで以前に処置された。一実施形態では、対象は、前記先行処置に対して難治性になった。一実施形態では、対象は、前記先行処置中に脳転移を発症した。
一部の実施形態では、BRAF関連転移性結腸直腸がん(例えば、BRAF変異体転移性結腸直腸がん)を有する対象は、式IIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、または式III、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体での処置前に、EGFR阻害薬での処置を受けたことがある。一部の実施形態では、BRAF関連転移性結腸直腸がん(例えば、BRAF変異体転移性結腸直腸がん)を有する対象は、セツキシマブ、パニツムマブ、オシメルチニブ、エルロチニブ、ゲフィチニブ、ネシツムマブ、ネラチニブ、ラパチニブ、バンデタニブおよびブリガチニブから選択されるEGFR阻害薬ならびにエンコラフェニブ、ダブラフェニブ、ベムラフェニブ、N-[3-(5-クロロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イルカルボニル)-2,4-ジフルオロフェニル]プロパン-1-スルホンアミド(PLX4720)、および(3R)-N-(3-[[5-(2-シクロプロピルピリミジン-5-イル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル]カルボニル]-2,4-ジフルオロフェニル)-3-フルオロピロリジン-1-スルホンアミド(PLX8394)から選択されるBRAF阻害薬での処置を受けたことがある。一部の実施形態では、BRAF関連転移性結腸直腸がん(例えば、BRAF変異体転移性結腸直腸がん)を有する対象は、式IIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、または式III、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体での処置前に、セツキシマブまたはパニツムマブでの処置を受けたことがある。一実施形態では、対象は、前記先行処置に対して難治性になった。一実施形態では、対象は、前記先行処置中に脳転移を発症した。
一部の実施形態では、BRAF関連転移性結腸直腸がん(例えば、BRAF変異体転移性結腸直腸がん)を有する対象は、式IIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、または式III、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体での処置前に、EGFR阻害薬および1種または複数の細胞傷害性化学治療薬での処置を受けたことがある。一部の実施形態では、BRAF関連転移性結腸直腸がん(例えば、BRAF変異体転移性結腸直腸がん)を有する対象は、セツキシマブ、パニツムマブ、オシメルチニブ、エルロチニブ、ゲフィチニブ、ネシツムマブ、ネラチニブ、ラパチニブ、バンデタニブおよびブリガチニブから選択されるEGFR阻害薬ならびに1種または複数の細胞傷害性化学治療薬での処置を受けたことがある。一部の実施形態では、BRAF関連転移性結腸直腸がん(例えば、BRAF変異体転移性結腸直腸がん)を有する対象は、式IIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、または式III、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体での処置前に、セツキシマブまたはパニツムマブから選択されるEGFR阻害薬およびNordic FLOX(フルオロウラシル、フォリン酸およびオキサリプラチン)などの1種または複数の細胞傷害性化学治療薬での処置を受けたことがある。一実施形態では、対象は、前記先行処置に対して難治性になった。一実施形態では、対象は、前記先行処置中に脳転移を発症した。
一部の実施形態では、BRAF関連転移性結腸直腸がん(例えば、BRAF変異体転移性結腸直腸がん)を有する対象は、式IIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、または式III、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体での処置前に、EGFR阻害薬およびBRAF阻害薬での処置を受けたことがある。一部の実施形態では、BRAF関連転移性結腸直腸がん(例えば、BRAF変異体転移性結腸直腸がん)を有する対象は、セツキシマブ、パニツムマブ、オシメルチニブ、エルロチニブ、ゲフィチニブ、ネシツムマブ、ネラチニブ、ラパチニブ、バンデタニブおよびブリガチニブから選択されるEGFR阻害薬ならびにエンコラフェニブ、ダブラフェニブ、ベムラフェニブ、N-[3-(5-クロロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イルカルボニル)-2,4-ジフルオロフェニル]プロパン-1-スルホンアミド(PLX4720)、および(3R)-N-(3-[[5-(2-シクロプロピルピリミジン-5-イル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル]カルボニル]-2,4-ジフルオロフェニル)-3-フルオロピロリジン-1-スルホンアミド(PLX8394)から選択されるBRAF阻害薬での処置を受けたことがある。一実施形態では、対象は、セツキシマブおよびパニツムマブから選択されるEGFR阻害薬ならびにエンコラフェニブ、ダブラフェニブおよびベムラフェニブから選択されるBRAF阻害薬で以前に処置された。一実施形態では、対象は、エンコラフェニブおよびセツキシマブで以前に処置された。一実施形態では、対象は、ベムラフェニブおよびパニツムマブで以前に処置された。一実施形態では、対象は、ダブラフェニブおよびパニツムマブで以前に処置された。一実施形態では、対象は、前記先行処置に対して難治性になった。一実施形態では、対象は、前記先行処置中に脳転移を発症した。
一部の実施形態では、転移性結腸直腸がん(例えば、BRAF変異体転移性結腸直腸がん)を有する対象は、式IIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、または式III、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体での処置前に、MEK阻害薬および1種または複数のチェックポイント阻害薬(例えば、本明細書に開示のチェックポイント阻害薬のいずれか、例えば、CTLA-4阻害薬、PD-1阻害薬、および/またはPD-L1阻害薬)での処置を受けたことがある。一実施形態では、対象は、ビニメチニブ、トラメチニブ、コビメチニブ、セルメチニブ、ピマセルチブ、レファメチニブ、N-[2(R),3-ジヒドロキシプロポキシ]-3,4-ジフルオロ-2-(2-フルオロ-4-ヨードフェニルアミノ)ベンズアミド(PD-325901)、2-(2-クロロ-4-ヨードフェニルアミノ)-N-(シクロプロピルメトキシ)-3,4-ジフルオロベンズアミド(CI-1040)、および3-[2(R),3-ジヒドロキシプロピル]-6-フルオロ-5-(2-フルオロ-4-ヨードフェニルアミノ)-8-メチルピリド[2,3-d]ピリミジン-4,7(3H,8H)-ジオン(TAK-733)から選択されるMEK阻害薬、ならびに1種または複数のチェックポイント阻害薬(例えば、本明細書に開示のチェックポイント阻害薬のいずれか、例えば、CTLA-4阻害薬、PD-1阻害薬、および/またはPD-L1阻害薬)で以前に処置された。一実施形態では、対象は、ビニメチニブ、トラメチニブおよびコビメチニブから選択されるMEK阻害薬、ならびにイピリムマブ、ニボルマブ、ペムブロリズマブおよびアベルマブから独立に選択される1種または複数のチェックポイント阻害薬で以前に処置された。一実施形態では、対象は、ビニメチニブであるMEK阻害薬ならびにチェックポイント阻害薬ニボルマブおよびイピリムマブで以前に処置された。一実施形態では、対象は、MEK阻害薬ビニメチニブおよびチェックポイント阻害薬ペムブロリズマブで以前に処置された。一実施形態では、対象は、MEK阻害薬ビニメチニブおよびチェックポイント阻害薬アベルマブで以前に処置された。一実施形態では、対象は、MEK阻害薬トラメチニブならびにチェックポイント阻害薬ニボルマブおよびイピリムマブで以前に処置された。一実施形態では、対象は、前記先行処置に対して難治性になった。一実施形態では、対象は、前記先行処置中に脳転移を発症した。
一部の実施形態では、転移性結腸直腸がん(例えば、BRAF変異体転移性結腸直腸がん)を有する対象は、式IIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、または式III、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体での処置前に、1種または複数のチェックポイント阻害薬(例えば、本明細書に開示のチェックポイント阻害薬のいずれか、例えば、CTLA-4阻害薬、PD-1阻害薬、および/またはPD-L1阻害薬)での処置を受けたことがある。一実施形態では、対象は、イピリムマブ、ニボルマブ、ペムブロリズマブおよびアベルマブから独立に選択される1種または複数のチェックポイント阻害薬で以前に処置された。一実施形態では、対象は、ニボルマブで以前に処置された。一実施形態では、対象は、前記先行処置に対して難治性になった。一実施形態では、対象は、前記先行処置中に脳転移を発症した。
一部の実施形態では、BRAF関連転移性結腸直腸がん(例えば、BRAF変異体転移性結腸直腸がん)を有する対象は、式IIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、または式III、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体での処置前に、1種または複数の細胞傷害性化学治療薬での処置を受けたことがある。一部の実施形態では、BRAF関連転移性結腸直腸がん(例えば、BRAF変異体転移性結腸直腸がん)を有する対象は、式IIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、または式III、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体での処置前に、オキサリプラチン、イリノテカン、FOLFOXIRI(オキサリプラチン、イリノテカンおよびフルオロウラシル)、FOLFIRI(フォリン酸、フルオロウラシルおよびイリノテカン)またはCAPEOX(カペシタビンおよびオキサリプラチン)での処置を受けたことがある。一実施形態では、対象は、前記先行処置に対して難治性になった。一実施形態では、対象は、前記先行処置中に脳転移を発症した。
一部の実施形態では、BRAF関連転移性結腸直腸がん(例えば、BRAF変異体転移性結腸直腸がん)を有する対象は、式IIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、または式III、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体での処置前に、抗体治療および1種または複数の細胞傷害性化学治療薬での処置を受けたことがある。一部の実施形態では、BRAF関連転移性結腸直腸がん(例えば、BRAF変異体転移性結腸直腸がん)を有する対象は、ベバシズマブである抗体治療および1種または複数の細胞傷害性化学治療薬での処置を受けたことがある。一部の実施形態では、BRAF関連転移性結腸直腸がん(例えば、BRAF変異体転移性結腸直腸がん)を有する対象は、式IIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、または式III、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体での処置前に、ベバシズマブおよびイリノテカン、ベバシズマブおよびFOLFOXIRI(オキサリプラチン、イリノテカンおよびフルオロウラシル)、またはベバシズマブおよびFOLFIRI(フォリン酸、フルオロウラシルおよびイリノテカン)での処置を受けたことがある。一実施形態では、対象は、前記先行処置に対して難治性になった。一実施形態では、対象は、前記先行処置中に脳転移を発症した。
一部の実施形態では、BRAF関連転移性結腸直腸がん(例えば、BRAF変異体転移性結腸直腸がん)を有する対象は、式IIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、または式III、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体での処置前に、EGFR阻害薬、式I、式IIまたは式IIIの化合物以外のBRAF阻害薬、および1種または複数の細胞傷害性化学治療薬での処置を受けたことがある。一部の実施形態では、BRAF関連転移性結腸直腸がん(例えば、BRAF変異体転移性結腸直腸がん)を有する対象は、セツキシマブ、パニツムマブ、オシメルチニブ、エルロチニブ、ゲフィチニブ、ネシツムマブ、ネラチニブ、ラパチニブ、バンデタニブおよびブリガチニブから選択されるEGFR阻害薬、エンコラフェニブ、ダブラフェニブ、ベムラフェニブ、N-[3-(5-クロロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イルカルボニル)-2,4-ジフルオロフェニル]プロパン-1-スルホンアミド(PLX4720)、および(3R)-N-(3-[[5-(2-シクロプロピルピリミジン-5-イル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル]カルボニル]-2,4-ジフルオロフェニル)-3-フルオロピロリジン-1-スルホンアミド(PLX8394)から選択されるBRAF阻害薬から選択されるBRAF阻害薬、ならびに1種または複数の細胞傷害性化学治療薬での処置を受けたことがある。一部の実施形態では、BRAF関連転移性結腸直腸がん(例えば、BRAF変異体転移性結腸直腸がん)を有する対象は、セツキシマブ、およびパニツムマブから選択されるEGFR阻害薬、ベムラフェニブであるBRAF阻害薬、ならびにイリノテカンである細胞傷害性化学治療薬での処置を受けたことがある。一実施形態では、対象は、前記先行処置に対して難治性になった。一実施形態では、対象は、前記先行処置中に脳転移を発症した。
一部の実施形態では、BRAF関連転移性結腸直腸がん(例えば、BRAF変異体転移性結腸直腸がん)を有する対象は、式IIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、または式III、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体での処置前に、EGFR阻害薬および1種または複数の細胞傷害性化学治療薬での処置を受けたことがある。一部の実施形態では、BRAF関連転移性結腸直腸がん(例えば、BRAF変異体転移性結腸直腸がん)を有する対象は、セツキシマブ、パニツムマブ、オシメルチニブ、エルロチニブ、ゲフィチニブ、ネシツムマブ、ネラチニブ、ラパチニブ、バンデタニブおよびブリガチニブから選択されるEGFR阻害薬、ならびに1種または複数の細胞傷害性化学治療薬での処置を受けたことがある。一部の実施形態では、BRAF関連転移性結腸直腸がん(例えば、BRAF変異体転移性結腸直腸がん)を有する対象は、セツキシマブ、およびパニツムマブから選択されるEGFR阻害薬、ならびにイリノテカンまたはFOLFIRI(フォリン酸、フルオロウラシルおよびイリノテカン)である細胞傷害性化学治療薬での処置を受けたことがある。一実施形態では、対象は、前記先行処置に対して難治性になった。一実施形態では、対象は、前記先行処置中に脳転移を発症した。
一部の実施形態では、転移性結腸直腸がん(例えば、BRAF変異体転移性結腸直腸がん)を有する対象は、式IIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、または式III、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体での処置前に、外科手術での処置を受けたことがある。一実施形態では、対象は、前記先行処置に対して難治性になった。一実施形態では、対象は、前記先行処置中に脳転移を発症した。
一部の実施形態では、転移性結腸直腸がん(例えば、BRAF変異体転移性結腸直腸がん)を有する対象は、式IIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、または式III、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体での処置前に、外科手術での処置、続いて、式I、式II、式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体以外のBRAF阻害薬、MEK阻害薬およびEGFR阻害薬での処置を受けたことがある。一実施形態では、対象は、外科手術で以前に処置され、かつエンコラフェニブ、ダブラフェニブ、ベムラフェニブ、N-[3-(5-クロロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イルカルボニル)-2,4-ジフルオロフェニル]プロパン-1-スルホンアミド(PLX4720)、および(3R)-N-(3-[[5-(2-シクロプロピルピリミジン-5-イル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル]カルボニル]-2,4-ジフルオロフェニル)-3-フルオロピロリジン-1-スルホンアミド(PLX8394)から選択されるBRAF阻害薬、ビニメチニブ、トラメチニブ、コビメチニブ、セルメチニブ、ピマセルチブ、レファメチニブ、N-[2(R),3-ジヒドロキシプロポキシ]-3,4-ジフルオロ-2-(2-フルオロ-4-ヨードフェニルアミノ)ベンズアミド(PD-325901)、2-(2-クロロ-4-ヨードフェニルアミノ)-N-(シクロプロピルメトキシ)-3,4-ジフルオロベンズアミド(CI-1040)、および3-[2(R),3-ジヒドロキシプロピル]-6-フルオロ-5-(2-フルオロ-4-ヨードフェニルアミノ)-8-メチルピリド[2,3-d]ピリミジン-4,7(3H,8H)-ジオン(TAK-733)から選択されるMEK阻害薬、ならびにセツキシマブ、パニツムマブ、オシメルチニブ、エルロチニブ、ゲフィチニブ、ネシツムマブ、ネラチニブ、ラパチニブ、バンデタニブおよびブリガチニブから選択されるEGFR阻害薬で以前に処置された。一実施形態では、対象は、外科手術で以前に処置され、かつエンコラフェニブ、ダブラフェニブおよびベムラフェニブから選択されるBRAF阻害薬、ビニメチニブ、トラメチニブおよびコビメチニブから選択されるMEK阻害薬、ならびにセツキシマブおよびパニツムマブから選択されるEGFR阻害薬で以前に処置された。一実施形態では、対象は、前記先行処置に対して難治性になった。一実施形態では、対象は、前記先行処置中に脳転移を発症した。
一部の実施形態では、BRAF関連転移性結腸直腸がん(例えば、BRAF変異体転移性結腸直腸がん)を有する対象は、式IIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、または式III、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体での処置前に、放射線治療(例えば、全脳放射線治療または定位放射線手術)での処置を受けたことがある。一実施形態では、対象は、前記先行処置に対して難治性になった。一実施形態では、対象は、前記先行処置中に脳転移を発症した。
一部の実施形態では、転移性結腸直腸がん(例えば、BRAF変異体転移性結腸直腸がん)を有する対象は、式IIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、または式III、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体での処置前に、放射線治療(例えば、全脳放射線治療または定位放射線手術)での処置、続いて、BRAF阻害薬、MEK阻害薬およびEGFR阻害薬での処置を受けたことがある。一実施形態では、対象は、放射線治療で以前に処置され、かつエンコラフェニブ、ダブラフェニブ、ベムラフェニブ、N-[3-(5-クロロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イルカルボニル)-2,4-ジフルオロフェニル]プロパン-1-スルホンアミド(PLX4720)、および(3R)-N-(3-[[5-(2-シクロプロピルピリミジン-5-イル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル]カルボニル]-2,4-ジフルオロフェニル)-3-フルオロピロリジン-1-スルホンアミド(PLX8394)から選択されるBRAF阻害薬、ビニメチニブ、トラメチニブ、コビメチニブ、セルメチニブ、ピマセルチブ、レファメチニブ、N-[2(R),3-ジヒドロキシプロポキシ]-3,4-ジフルオロ-2-(2-フルオロ-4-ヨードフェニルアミノ)ベンズアミド(PD-325901)、2-(2-クロロ-4-ヨードフェニルアミノ)-N-(シクロプロピルメトキシ)-3,4-ジフルオロベンズアミド(CI-1040)、および3-[2(R),3-ジヒドロキシプロピル]-6-フルオロ-5-(2-フルオロ-4-ヨードフェニルアミノ)-8-メチルピリド[2,3-d]ピリミジン-4,7(3H,8H)-ジオン(TAK-733)から選択されるMEK阻害薬、ならびにセツキシマブ、パニツムマブ、オシメルチニブ、エルロチニブ、ゲフィチニブ、ネシツムマブ、ネラチニブ、ラパチニブ、バンデタニブおよびブリガチニブから選択されるEGFR阻害薬で以前に処置された。一実施形態では、対象は、外科手術で以前に処置され、かつエンコラフェニブ、ダブラフェニブおよびベムラフェニブから選択されるBRAF阻害薬、ビニメチニブ、トラメチニブおよびコビメチニブから選択されるMEK阻害薬、ならびにセツキシマブおよびパニツムマブから選択されるEGFR阻害薬で以前に処置された。一実施形態では、対象は、前記先行処置に対して難治性になった。一実施形態では、対象は、前記先行処置中に脳転移を発症した。
一部の実施形態では、転移性非小細胞肺がん(例えば、BRAF変異体転移性非小細胞肺がん)を有する対象は、式IIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、または式III、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体での処置前に、1種または複数のEGFR阻害薬での処置を受けたことがある。一実施形態では、対象は、セツキシマブ、パニツムマブ、オシメルチニブ、エルロチニブ、ゲフィチニブ、ネシツムマブ、ネラチニブ、ラパチニブ、バンデタニブおよびブリガチニブから独立に選択される1種または複数のEGFR阻害薬で以前に処置された。一実施形態では、対象は、エルロチニブで以前に処置された。一実施形態では、対象は、ゲフィチニブで以前に処置された。一実施形態では、対象は、エルロチニブおよびゲフィチニブで以前に処置された。一実施形態では、対象は、前記先行処置に対して難治性になった。一実施形態では、対象は、前記先行処置中に脳転移を発症した。
一部の実施形態では、転移性非小細胞肺がん(例えば、BRAF変異体転移性非小細胞肺がん)を有する対象は、式IIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、または式III、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体での処置前に、式I、式II、式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体以外のBRAF阻害薬での処置を受けたことがある。一実施形態では、対象は、エンコラフェニブ、ダブラフェニブ、ベムラフェニブ、N-[3-(5-クロロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イルカルボニル)-2,4-ジフルオロフェニル]プロパン-1-スルホンアミド(PLX4720)、および(3R)-N-(3-[[5-(2-シクロプロピルピリミジン-5-イル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル]カルボニル]-2,4-ジフルオロフェニル)-3-フルオロピロリジン-1-スルホンアミド(PLX8394)から選択されるBRAF阻害薬、ビニメチニブ、トラメチニブ、コビメチニブ、セルメチニブ、ピマセルチブ、レファメチニブ、N-[2(R),3-ジヒドロキシプロポキシ]-3,4-ジフルオロ-2-(2-フルオロ-4-ヨードフェニルアミノ)ベンズアミド(PD-325901)、2-(2-クロロ-4-ヨードフェニルアミノ)-N-(シクロプロピルメトキシ)-3,4-ジフルオロベンズアミド(CI-1040)、および3-[2(R),3-ジヒドロキシプロピル]-6-フルオロ-5-(2-フルオロ-4-ヨードフェニルアミノ)-8-メチルピリド[2,3-d]ピリミジン-4,7(3H,8H)-ジオン(TAK-733)から選択されるMEK阻害薬、ならびにセツキシマブ、パニツムマブ、オシメルチニブ、エルロチニブ、ゲフィチニブ、ネシツムマブ、ネラチニブ、ラパチニブ、バンデタニブおよびブリガチニブから選択されるEGFR阻害薬で以前に処置された。一実施形態では、対象は、式IIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、または式III、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体での処置前に、ベムラフェニブ、ダブラフェニブおよびエンコラフェニブから選択されるBRAF阻害薬ならびにセツキシマブおよびパニツムマブから選択されるEGFR阻害薬で以前に処置された。一実施形態では、対象は、前記先行処置に対して難治性になった。一実施形態では、対象は、前記先行処置中に脳転移を発症した。
一部の実施形態では、転移性甲状腺がん(例えば、BRAF変異体転移性甲状腺がん)を有する対象は、式IIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、または式III、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体での処置前に、BRAF阻害薬(例えば、式I、式II、式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体以外のBRAF阻害薬)での処置を受けたことがある。一実施形態では、対象は、エンコラフェニブ、ダブラフェニブ、ベムラフェニブ、N-[3-(5-クロロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イルカルボニル)-2,4-ジフルオロフェニル]プロパン-1-スルホンアミド(PLX4720)、および(3R)-N-(3-[[5-(2-シクロプロピルピリミジン-5-イル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル]カルボニル]-2,4-ジフルオロフェニル)-3-フルオロピロリジン-1-スルホンアミド(PLX8394)から選択されるBRAF阻害薬、ビニメチニブ、トラメチニブ、コビメチニブ、セルメチニブ、ピマセルチブ、レファメチニブ、N-[2(R),3-ジヒドロキシプロポキシ]-3,4-ジフルオロ-2-(2-フルオロ-4-ヨードフェニルアミノ)ベンズアミド(PD-325901)、2-(2-クロロ-4-ヨードフェニルアミノ)-N-(シクロプロピルメトキシ)-3,4-ジフルオロベンズアミド(CI-1040)、および3-[2(R),3-ジヒドロキシプロピル]-6-フルオロ-5-(2-フルオロ-4-ヨードフェニルアミノ)-8-メチルピリド[2,3-d]ピリミジン-4,7(3H,8H)-ジオン(TAK-733)から選択されるMEK阻害薬、ならびにセツキシマブ、パニツムマブ、オシメルチニブ、エルロチニブ、ゲフィチニブ、ネシツムマブ、ネラチニブ、ラパチニブ、バンデタニブおよびブリガチニブから選択されるEGFR阻害薬で以前に処置された。一実施形態では、対象は、式IIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、または式III、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体での処置前に、ベムラフェニブ、ダブラフェニブおよびエンコラフェニブから選択されるBRAF阻害薬で以前に処置された。一実施形態では、対象は、前記先行処置に対して難治性になった。一実施形態では、対象は、前記先行処置中に脳転移を発症した。
一実施形態では、対象は、BRAF関連LMDを有し、式IIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、または式III、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体での処置前に、BRAF阻害薬(例えば、式I、IIもしくはIIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体以外のBRAF阻害薬)および1種または複数のチェックポイント阻害薬(例えば、本明細書に開示のチェックポイント阻害薬のいずれか、例えば、CTLA-4阻害薬、PD-1阻害薬、および/またはPD-L1阻害薬)で以前に処置された。一実施形態では、対象は、エンコラフェニブ、ダブラフェニブ、ベムラフェニブ、N-[3-(5-クロロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イルカルボニル)-2,4-ジフルオロフェニル]プロパン-1-スルホンアミド(PLX4720)、および(3R)-N-(3-[[5-(2-シクロプロピルピリミジン-5-イル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル]カルボニル]-2,4-ジフルオロフェニル)-3-フルオロピロリジン-1-スルホンアミド(PLX8394)から選択されるBRAF阻害薬、ならびにイピリムマブ、ニボルマブ、ペムブロリズマブおよびアベルマブから独立に選択される1種または複数のチェックポイント阻害薬で以前に処置された。一実施形態では、対象は、前記先行処置に対して難治性になった。
一実施形態では、対象は、BRAF関連LMDを有し、式IIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、または式III、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体での処置前に、BRAF阻害薬(例えば、式I、IIもしくはIIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体以外のBRAF阻害薬)、MEK阻害薬、および1種または複数のチェックポイント阻害薬(例えば、本明細書に開示のチェックポイント阻害薬のいずれか、例えば、CTLA-4阻害薬、PD-1阻害薬、および/またはPD-L1阻害薬)で以前に処置された。一実施形態では、対象は、エンコラフェニブ、ダブラフェニブ、ベムラフェニブ、N-[3-(5-クロロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イルカルボニル)-2,4-ジフルオロフェニル]プロパン-1-スルホンアミド(PLX4720)、および(3R)-N-(3-[[5-(2-シクロプロピルピリミジン-5-イル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル]カルボニル]-2,4-ジフルオロフェニル)-3-フルオロピロリジン-1-スルホンアミド(PLX8394)から選択されるBRAF阻害薬、ビニメチニブ、トラメチニブ、コビメチニブ、セルメチニブ、ピマセルチブ、レファメチニブ、N-[2(R),3-ジヒドロキシプロポキシ]-3,4-ジフルオロ-2-(2-フルオロ-4-ヨードフェニルアミノ)ベンズアミド(PD-325901)、2-(2-クロロ-4-ヨードフェニルアミノ)-N-(シクロプロピルメトキシ)-3,4-ジフルオロベンズアミド(CI-1040)、および3-[2(R),3-ジヒドロキシプロピル]-6-フルオロ-5-(2-フルオロ-4-ヨードフェニルアミノ)-8-メチルピリド[2,3-d]ピリミジン-4,7(3H,8H)-ジオン(TAK-733)から選択されるMEK阻害薬、ならびにチェックポイント阻害薬(例えば、本明細書に開示のチェックポイント阻害薬のいずれか、例えば、CTLA-4阻害薬、PD-1阻害薬、および/またはPD-L1阻害薬)で以前に処置された。一実施形態では、対象は、エンコラフェニブ、ダブラフェニブおよびベムラフェニブから選択されるBRAF阻害薬、ビニメチニブ、トラメチニブおよびコビメチニブから選択されるMEK阻害薬、ならびにイピリムマブ、ニボルマブ、ペムブロリズマブおよびアベルマブから独立に選択される1種または複数のチェックポイント阻害薬で以前に処置された。一実施形態では、対象は、前記先行処置に対して難治性になった。
一実施形態では、対象はBRAF関連LMDを有し、式IIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、または式III、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体での処置前に、1種または複数のチェックポイント阻害薬(例えば、本明細書に開示のチェックポイント阻害薬のいずれか、例えば、CTLA-4阻害薬、PD-1阻害薬、および/またはPD-L1阻害薬)で以前に処置された。一実施形態では、対象は、イピリムマブ、ニボルマブ、ペムブロリズマブおよびアベルマブから独立に選択される1種または複数のチェックポイント阻害薬で以前に処置された。一実施形態では、対象は、前記先行処置に対して難治性になった。
一実施形態では、対象は、BRAF関連神経膠腫を有し、式IIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、または式III、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体での処置前に、外科手術で以前に処置された。一実施形態では、対象は、前記先行処置に対して難治性になった。一実施形態では、神経膠腫は、グレード2、グレード3またはグレード4神経膠腫である。
一実施形態では、対象は、BRAF関連神経膠腫を有し、式IIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、または式III、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体での処置前に、放射線治療(例えば、全脳放射線治療または定位放射線手術)で以前に処置された。一実施形態では、対象は、前記先行処置に対して難治性になった。一実施形態では、神経膠腫は、グレード2、グレード3またはグレード4神経膠腫である。
一実施形態では、対象は、BRAF関連神経膠腫を有し、式IIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、または式III、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体での処置前に、1種または複数の細胞傷害性化学治療薬で以前に処置された。一実施形態では、対象は、シスプラチン、ペメトレキセド、ビノレルビンおよびパクリタキセルから独立に選択される1種または複数の細胞傷害性化学治療薬で以前に処置された。一実施形態では、対象は、前記先行処置に対して難治性になった。一実施形態では、神経膠腫は、グレード2、グレード3またはグレード4神経膠腫である。
一実施形態では、対象は、BRAF関連神経膠腫を有し、式IIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、または式III、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体での処置前に、オルニチンデカルボキシラーゼ阻害薬で以前に処置された。一実施形態では、対象は、エフロルニチン(ラセミ体、またはDもしくはL鏡像異性体として)であるオルニチンデカルボキシラーゼ阻害薬での処置を以前に受けた。一実施形態では、対象は、前記先行処置に対して難治性になった。一実施形態では、神経膠腫は、グレード2、グレード3またはグレード4神経膠腫である。
一実施形態では、対象は、BRAF関連神経膠腫を有し、式IIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、または式III、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体での処置前に、アルキル化薬で以前に処置された。一実施形態では、対象は、テモゾロミド、ロムスチン、およびカルムスチンから選択されるアルキル化薬での処置を以前に受けた。一実施形態では、対象は、前記先行処置に対して難治性になった。一実施形態では、神経膠腫は、グレード2、グレード3またはグレード4神経膠腫である。
一実施形態では、対象は、BRAF関連神経膠腫を有し、式IIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、または式III、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体での処置前に、アルキル化薬およびオルニチンデカルボキシラーゼ阻害薬で以前に処置された。一実施形態では、対象は、テモゾロミド、ロムスチン、およびカルムスチンから選択されるアルキル化薬、ならびにエフロルニチン(ラセミ体、またはDもしくはL鏡像異性体として)であるオルニチンデカルボキシラーゼ阻害薬での処置を以前に受けた。一実施形態では、対象は、前記先行処置に対して難治性になった。一実施形態では、神経膠腫は、グレード2、グレード3またはグレード4神経膠腫である。
一実施形態では、対象は、BRAF関連神経膠腫を有し、式IIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、または式III、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体での処置前に、放射線治療(例えば、全脳放射線治療または定位放射線手術)およびアルキル化薬で以前に処置された。一実施形態では、対象は、放射線治療(例えば、全脳放射線治療または定位放射線手術)ならびにテモゾロミド、ロムスチン、およびカルムスチンから選択されるアルキル化薬での処置を以前に受けた。一実施形態では、対象は、前記先行処置に対して難治性になった。一実施形態では、神経膠腫は、グレード2、グレード3またはグレード4神経膠腫である。
一実施形態では、対象は、BRAF関連神経膠腫を有し、式IIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、または式III、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体での処置前に、抗体治療で以前に処置された。一実施形態では、対象は、ベバシズマブである抗体治療での処置を以前に受けた。一実施形態では、対象は、前記先行処置に対して難治性になった。一実施形態では、神経膠腫は、グレード2、グレード3またはグレード4神経膠腫である。
一実施形態では、対象は、BRAF関連神経膠腫を有し、式IIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、または式III、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体での処置前に、外科手術および放射線治療で以前に処置された。一実施形態では、対象は、前記先行処置に対して難治性になった。一実施形態では、神経膠腫は、グレード2、グレード3またはグレード4神経膠腫である。
一実施形態では、対象は、BRAF関連神経膠腫を有し、式IIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、または式III、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体での処置前に、外科手術、放射線治療およびアルキル化薬で以前に処置された。一実施形態では、対象は、外科手術、放射線治療(例えば、全脳放射線治療または定位放射線手術)ならびにテモゾロミド、ロムスチン、およびカルムスチンから選択されるアルキル化薬で以前に処置された。一実施形態では、対象は、前記先行処置に対して難治性になった。一実施形態では、神経膠腫は、グレード2、グレード3またはグレード4神経膠腫である。
一実施形態では、対象は、BRAF関連神経膠腫を有し、式IIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、または式III、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体での処置前に、BRAF阻害薬(例えば、式I、IIもしくはIIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体以外のBRAF阻害薬)で以前に処置された。一実施形態では、対象は、N-[3-(5-クロロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イルカルボニル)-2,4-ジフルオロフェニル]プロパン-1-スルホンアミド(PLX4720)、ベムラフェニブ、ダブラフェニブ、エンコラフェニブおよび(3R)-N-(3-[[5-(2-シクロプロピルピリミジン-5-イル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル]カルボニル]-2,4-ジフルオロフェニル)-3-フルオロピロリジン-1-スルホンアミド(PLX8394)から選択されるBRAF阻害薬での処置を以前に受けた。一実施形態では、対象は、前記先行処置に対して難治性になった。一実施形態では、神経膠腫は、グレード2、グレード3またはグレード4神経膠腫である。
一実施形態では、対象は、BRAF関連神経膠腫を有し、式IIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、または式III、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体での処置前に、BRAF阻害薬(例えば、式I、IIもしくはIIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体以外のBRAF阻害薬)およびMEK阻害薬で以前に処置された。一実施形態では、対象は、N-[3-(5-クロロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イルカルボニル)-2,4-ジフルオロフェニル]プロパン-1-スルホンアミド(PLX4720)、ベムラフェニブ、ダブラフェニブ、エンコラフェニブおよび(3R)-N-(3-[[5-(2-シクロプロピルピリミジン-5-イル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル]カルボニル]-2,4-ジフルオロフェニル)-3-フルオロピロリジン-1-スルホンアミド(PLX8394)から選択されるBRAF阻害薬ならびにビニメチニブ、トラメチニブ、コビメチニブ、セルメチニブ、ピマセルチブ、レファメチニブ、N-[2(R),3-ジヒドロキシプロポキシ]-3,4-ジフルオロ-2-(2-フルオロ-4-ヨードフェニルアミノ)ベンズアミド(PD-325901)、2-(2-クロロ-4-ヨードフェニルアミノ)-N-(シクロプロピルメトキシ)-3,4-ジフルオロベンズアミド(CI-1040)、および3-[2(R),3-ジヒドロキシプロピル]-6-フルオロ-5-(2-フルオロ-4-ヨードフェニルアミノ)-8-メチルピリド[2,3-d]ピリミジン-4,7(3H,8H)-ジオン(TAK-733)から選択されるMEK阻害薬での処置を以前に受けた。一実施形態では、対象は、エンコラフェニブ、ダブラフェニブおよびベムラフェニブから選択されるBRAF阻害薬ならびにビニメチニブ、トラメチニブ、およびコビメチニブから選択されるMEK阻害薬で以前に処置された。一実施形態では、対象は、前記先行処置に対して難治性になった。一実施形態では、神経膠腫は、グレード2、グレード3またはグレード4神経膠腫である。
一実施形態では、対象は、BRAF関連脳幹神経節膠腫を有し、式IIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、または式III、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体での処置前に、BRAF阻害薬(例えば、式I、IIもしくはIIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体以外のBRAF阻害薬)で以前に処置された。一実施形態では、対象は、エンコラフェニブ、ダブラフェニブ、ベムラフェニブ、N-[3-(5-クロロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イルカルボニル)-2,4-ジフルオロフェニル]プロパン-1-スルホンアミド(PLX4720)、および(3R)-N-(3-[[5-(2-シクロプロピルピリミジン-5-イル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル]カルボニル]-2,4-ジフルオロフェニル)-3-フルオロピロリジン-1-スルホンアミド(PLX8394)から選択されるBRAF阻害薬で以前に処置された。一実施形態では、対象は、エンコラフェニブ、ダブラフェニブおよびベムラフェニブから選択されるBRAF阻害薬で以前に処置された。一実施形態では、対象は、前記先行処置に対して難治性になった。
そのような処置を必要とする対象においてBRAFにより媒介される疾患または障害を処置する方法であって、対象に、治療有効量の式I、式II、式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、またはその医薬組成物を投与することを含む方法も本明細書において提供する。BRAFにより媒介される疾患または障害には、BRAF変異に直接的または間接的に関連する任意の疾患、障害または状態が含まれ得る。一部の実施形態では、疾患は、がん(例えば、BRAF関連がん)である。一部の実施形態では、がんは、本明細書に記載のがんまたはBRAF関連がんのいずれかである。一部の実施形態では、がんは、CNSがんであり、上記方法は、式IIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、または式III、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体を投与することを含む。一部の実施形態では、CNSがんは転移がんである。一部の実施形態では、CNSがんは原発性脳腫瘍である。一部の実施形態では、上記化合物は、式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体である。一部の実施形態では、式IIIの化合物は、実施例1、4、7、9、10、23、55、63および67の化合物ならびにその薬学的に許容できる塩および溶媒和物、ならびに実施例82から選択される。
がんの種類が異なると、腫瘍形成の遺伝子的基礎は異なり得るが、転移に必要とされる細胞および分子機構は、すべての固形腫瘍の種類で同様であると考えられる。転移カスケードの間、がん細胞は、増殖阻害応答を失い、粘着性が変化し、細胞外マトリックス成分を破壊し得る酵素を産生する。このことが、元の腫瘍からの腫瘍細胞の分離、新たに形成された血管系を介しての循環への浸潤、コロニーを形成し得る有利な遠隔部位での腫瘍細胞の遊走および管外遊出につながる。いくつかの遺伝子が、転移のプロモーターまたはサプレッサーであると同定されている。
したがって、それを必要とする対象においてBRAF関連がんの転移を処置する、阻害する、予防する、その予防を補助する、またはその症状を低下させるための方法であって、対象に、治療有効量の式I、式IIもしくは式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、またはその医薬組成物を投与することを含む方法も本明細書において提供する。一部の実施形態では、式I、式IIもしくは式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体を、別の抗がん処置、例えば、外科手術(例えば、腫瘍の少なくとも部分的な切除)および/または放射線治療と、および/または抗がん薬での処置と組み合わせて使用する。一実施形態では、がんは、脳転移を伴う転移がんであり、上記方法は、式IIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、または式III、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体を投与することを含む。一実施形態では、がんは、脳転移を伴う転移性黒色腫である。一実施形態では、がんは、脳転移を伴う転移性結腸直腸がんである。一実施形態では、がんは、脳転移を伴う転移性非小細胞肺がんである。一実施形態では、がんは、脳転移を伴う転移性卵巣がんである。一実施形態では、がんは、脳転移を伴う転移性甲状腺がんである。一実施形態では、がんは、脳転移を伴う神経芽細胞腫であり、上記方法は、式IIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、または式III、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体を投与することを含む。一実施形態では、対象は、別の抗がん処置、例えば、外科手術(例えば、腫瘍の少なくとも部分的な切除)および/または放射線治療で、および/または抗がん薬での処置で以前に処置された。一実施形態では、対象は、前記先行処置で難治性になった。一実施形態では、対象を、別の抗がん処置、例えば、外科手術(例えば、腫瘍の少なくとも部分的な切除)および/または放射線治療と、および/または抗がん薬での処置と組み合わせて、式I、式II、式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体で処置する。
それを必要とする対象において転移を阻害するための方法であって、対象に、治療有効量の式I、式IIもしくは式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、またはその医薬組成物を投与することを含む方法も本明細書において提供する。一部の実施形態では、式I、式IIもしくは式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体を、別の抗がん処置、例えば、外科手術(例えば、腫瘍の少なくとも部分的な切除)および/または放射線治療および/または抗がん薬での処置と組み合わせて使用する。一実施形態では、がんは、脳転移を伴う転移がんであり、上記方法は、式IIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、または式III、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体を投与することを含む。一実施形態では、がんは、脳転移を伴う転移性黒色腫である。一実施形態では、がんは、脳転移を伴う転移性結腸直腸がんである。一実施形態では、がんは、脳転移を伴う転移性非小細胞肺癌である。一実施形態では、がんは、脳転移を伴う転移性卵巣がんである。一実施形態では、がんは、脳転移を伴う転移性甲状腺がんである。一実施形態では、がんは、脳転移を伴う神経芽細胞腫であり、上記方法は、式IIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、または式III、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体を投与することを含む。一実施形態では、対象は、別の抗がん処置、例えば、外科手術(例えば、腫瘍の少なくとも部分的な切除)および/または放射線治療および/または抗がん薬での処置で以前に処置された。一実施形態では、対象は、前記先行処置に対して難治性になった。一実施形態では、対象を、別の抗がん処置、例えば、外科手術(例えば、腫瘍の少なくとも部分的な切除)および/または放射線治療および/または抗がん薬での処置と組み合わせて、式I、式II、式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体で処置する。一実施形態では、抗がん治療は、抗がん薬である。一実施形態では、抗がん薬は、MEK阻害薬、BRAF阻害薬、EGFR阻害薬、HER2および/またはHER3の阻害薬、Axl阻害薬、PI3K阻害薬、SOS1阻害薬、シグナル伝達経路阻害薬、チェックポイント阻害薬、アポトーシス経路の調節薬、細胞傷害性化学治療薬、血管新生標的治療薬、および免疫標的薬の1種または複数から選択される。一実施形態では、抗がん薬は、MEK阻害薬である。一実施形態では、MEK阻害薬は、ビニメチニブ、トラメチニブおよびコビメチニブから選択される。一実施形態では、MEK阻害薬はビニメチニブである。
それを必要とする対象において転移を阻害する方法であって、対象に、治療有効量の式I、式IIもしくは式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体またはその医薬組成物を投与することを含む方法も本明細書において提供する。一部の実施形態では、式I、式IIもしくは式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体を、別の抗がん処置、例えば、外科手術(例えば、腫瘍の少なくとも部分的な切除)および/または放射線治療および/または抗がん薬での処置と組み合わせて使用する。一実施形態では、がんは、脳転移を伴う転移がんであり、上記方法は、式IIもしくは式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体を投与することを含む。一実施形態では、がんは、脳転移を伴う転移性黒色腫である。一実施形態では、がんは、脳転移を伴う転移性結腸直腸がんである。一実施形態では、がんは、脳転移を伴う転移性非小細胞肺がんである。一実施形態では、がんは、脳転移を伴う転移性卵巣がんである。一実施形態では、がんは、脳転移を伴う転移性甲状腺がんである。一実施形態では、がんは、脳転移を伴う神経芽細胞腫であり、上記方法は、式IIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、または式III、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体を投与することを含む。一実施形態では、対象は、別の抗がん処置、例えば、外科手術(例えば、腫瘍の少なくとも部分的な切除)および/または放射線治療および/または抗がん薬での処置で以前に処置された。一実施形態では、対象は、前記先行処置に対して難治性になった。一実施形態では、対象を、別の抗がん処置、例えば、外科手術(例えば、腫瘍の少なくとも部分的な切除)および/または放射線治療および/または抗がん薬での処置と組み合わせて、式I、式II、式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体で処置する。一実施形態では、抗がん治療は、抗がん薬である。一実施形態では、抗がん薬は、MEK阻害薬、BRAF阻害薬、EGFR阻害薬、HER2および/またはHER3の阻害薬、Axl阻害薬、PI3K阻害薬、SOS1阻害薬、シグナル伝達経路阻害薬、チェックポイント阻害薬、アポトーシス経路の調節薬、細胞傷害性化学治療薬、血管新生標的治療薬、および免疫標的薬から選択される。一実施形態では、抗がん薬は、MEK阻害薬である。一実施形態では、MEK阻害薬は、ビニメチニブ、トラメチニブおよびコビメチニブから選択される。一実施形態では、MEK阻害薬はビニメチニブである。
本明細書で使用される場合、「転移を阻害すること」という用語は、1つもしくは複数の転移の発生(もしくは再発)を減少させること、1つもしくは複数の転移の発生(もしくは再発)を予防すること、または1つもしくは複数の転移の伝播を減少させることを意味する。
BRAF関連がんを有する対象において1つもしくは複数の転移または1つもしくは複数の追加の転移を発生するリスクを低下させる方法であって、対象をBRAF関連がんを有すると選択、同定、または診断するステップと、治療有効量の式I、式IIもしくは式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体を、BRAF関連がんを有すると選択、同定、または診断された対象に投与するステップとを含む方法も提供する。BRAF関連がんを有する対象において1つもしくは複数の転移または1つもしくは複数の追加の転移を発生するリスクを低下させる方法であって、治療有効量の式I、式IIもしくは式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体を、BRAF関連がんを有する対象に投与することを含む方法も提供する。BRAF関連がんを有する対象において1つもしくは複数の転移または1つもしくは複数の追加の転移を発生するリスクの低下を、処置前の対象における1つもしくは複数の転移または1つもしくは複数の追加の転移を発生するリスクと比較することができるか、または同様に、処置を受けたことがないか、または異なる処置を受けたことがある同様または同じBRAF関連がんを有する対象または対象の集団と比較することができる。
「1つまたは複数の転移を発生するリスク」という語句は、原発腫瘍を有する対象または対象が、設定期間中に対象(a subject)または対象(subject)において原発腫瘍から遠位の部位で追加の腫瘍(例えば、固形腫瘍)を発生するであろうリスクを意味し、その際、追加の腫瘍は、原発腫瘍と同じか、または同様のがん細胞を含む。がんを有する対象または対象において1つまたは複数の転移を発生するリスクを減少させるための方法を本明細書において記載する。
「追加の転移を発生するリスク」という語句は、原発腫瘍および原発腫瘍から遠位の部位に1つまたは複数の追加の腫瘍を有する対象または対象が(この際、1つまたは複数の追加の腫瘍は原発腫瘍と同じか、または同様のがん細胞を含む)、1つまたは複数のさらなる腫瘍を原発腫瘍から遠位に発生するリスクを意味し、この際、さらなる腫瘍は原発腫瘍と同じか、または同様のがん細胞を含む。追加の転移を発生するリスクを減少させる方法を本明細書において記載する。
それを必要とする対象において、BRAF関連腫瘍、BRAF関連腫瘍の転移、またはその組合せを処置する方法であって、式IIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、または式III、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体を対象に投与することを含む方法も本明細書において提供する。一実施形態では、対象は、少なくとも1つの転移を有するか、または少なくとも1つの転移を発生するリスクがある。一実施形態では、対象は、少なくとも1つの転移を有し、その際、上記方法は、式IIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、または式III、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体を投与することを含む。一実施形態では、対象は、少なくとも1つの転移を発生するリスクがある。一実施形態では、対象は、少なくとも1つの転移を発生するリスクがあり、その際、前記対象は、黒色腫、結腸直腸がん、甲状腺がん、非小細胞肺がん、または卵巣がんから選択されるがんを有する。一実施形態では、がんは、BRAF変異体がん、例えば、BRAF V600変異体がん、例えば、BRAF V600E、BRAF V600K、BRAF V600D、またはBRAF V600Rである。一実施形態では、対象は、別の抗がん処置、例えば、外科手術(例えば、腫瘍の少なくとも部分的な切除)および/または放射線治療および/または抗がん薬での処置で以前に処置された。一実施形態では、対象は、前記先行処置に対して難治性になった。一実施形態では、対象を、別の抗がん処置、例えば、外科手術(例えば、腫瘍の少なくとも部分的な切除)および/または放射線治療および/または抗がん薬での処置と組み合わせて、式I、式II、式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体で処置する。一実施形態では、抗がん治療は、MEK阻害薬、BRAF阻害薬、EGFR阻害薬、SOS1阻害薬、HER2および/またはHER3の阻害薬、Axl阻害薬、PI3K阻害薬、シグナル伝達経路阻害薬、チェックポイント阻害薬、アポトーシス経路の調節薬、細胞傷害性化学治療薬、血管新生標的治療薬、および免疫標的薬から選択される抗がん薬である。一実施形態では、抗がん薬は、MEK阻害薬である。一実施形態では、MEK阻害薬は、ビニメチニブ、トラメチニブおよびコビメチニブから選択される。
一部の実施形態では、処置の副作用を寛解するために、対象に1種または複数の薬剤を投与する(例えば、コルチコステロイド、セロトニンアンタゴニスト、ドーパミンアンタゴニスト、NK-1阻害薬、カンナビノイド、抗不安薬(例えば、ロラゼパムまたはジアゼパム)、抗生物質、抗真菌剤、コロニー刺激因子、鉄サプリメント、Procrit、エポエチンアルファ、ダルベポエチンアルファ、制吐薬、利尿薬、NSAID、鎮痛薬、メトトレキサート、抗利尿薬、プロバイオティクス、血圧薬、抗悪心薬、緩下薬などの1種または複数)。
一実施形態では、BRAF関連腫瘍は、良性腫瘍であり、良性腫瘍を有する対象を処置するために、式I、式II、もしくは式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体を単独で、または1種または複数の異なる処置の形態と組み合わせて使用することができる。
一部の実施形態では、対象は、CNS腫瘍を有し、これに限定されないが、発作、悪心、頭痛、霧視、視力喪失、平衡喪失、良好な運動技能の変化、および傾眠を含む、CNS腫瘍と関連する1種または複数の症状を寛解するために、1種または複数の薬剤を投与する。CNS腫瘍と関連する1種または複数の症状を寛解するためのそのような薬剤の例には、コルチコステロイド、抗発作薬(例えば、カンナビジオール、ガバペンチンまたはプレガバリン)、疼痛薬物(例えば、NSAID、アセトアミノフェン)および抗悪心薬が含まれる。
哺乳類細胞においてBRAFキナーゼ活性を阻害するための方法であって、細胞を有効量の式I、式IIまたは式IIIの化合物と接触させることを含む方法も提供する。一部の実施形態では、接触はin vitroである。一部の実施形態では、接触はin vivoである。一部の実施形態では、接触はin vivoであり、その際、上記方法は、治療有効量の式I、式IIもしくは式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体を、BRAFキナーゼ活性を有する細胞を有する対象に投与することを含む。一部の実施形態では、細胞はがん細胞である。一部の実施形態では、がん細胞は、本明細書に記載のとおりの任意のがんである。一部の実施形態では、がん細胞はBRAF関連がん細胞である。一部の実施形態では、細胞は脳細胞(例えば、神経細胞または神経膠細胞)である。
哺乳類細胞においてBRAFキナーゼ活性を阻害するための方法であって、細胞を有効量の式I、式IIもしくは式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体と接触させることを含む方法も提供する。一部の実施形態では、接触はin vitroである。一部の実施形態では、接触はin vivoである。一部の実施形態では、接触はin vivoであり、その際、上記方法は、治療有効量の式I、式IIもしくは式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体を、BRAFキナーゼ活性を有する細胞を有する哺乳類に投与することを含む。一部の実施形態では、哺乳類細胞は哺乳類がん細胞である。一部の実施形態では、哺乳類がん細胞は、本明細書に記載のとおりの任意のがんである。一部の実施形態では、哺乳類がん細胞は、BRAF関連がん細胞である。一部の実施形態では、哺乳類細胞は脳細胞である。
本明細書で使用される場合、「接触させること」という用語は、in vitro系またはin vivo系で、表示の部分を一緒にすることを指す。例えば、BRAFキナーゼを、本明細書において提供される化合物と「接触させること」は、BRAFキナーゼを含有する細胞を本明細書において提供される化合物と接触させること、さらには、例えば、本明細書において提供される化合物を、BRAFキナーゼを含有する細胞または精製調製物を含有する試料に導入することを含む。
in vitroまたはin vivoで細胞増殖を阻害する方法であって、細胞を、治療有効量の本明細書において定義されるとおりの式I、式IIもしくは式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体、またはその医薬組成物と接触させることを含む方法も本明細書において提供する。
本明細書で使用される場合、化合物、その医薬組成物、またはその医薬組合せの「治療有効量」は、何らかの1つまたは複数の有利な、または所望の結果をもたらすために十分な量である。予防的使用では、有利な、または所望の結果には、疾患の生化学的、組織学的および/または行動症状、その合併症ならびに疾患の発生中に存在している中間の病的表現型を含めて、リスクを排除もしくは減少させること、重症度を低下させること、または疾患の発生を遅延させることが含まれる。治療的使用では、有利な、または所望の結果には、治療効果をもたらすことが含まれ、それには、腫瘍のサイズを減少させること、腫瘍の進行を阻害すること(例えば、ある程度、減速させること、好ましくは停止させること)、腫瘍成長を阻害すること(例えば、ある程度、減速させること、好ましくは停止させること)、腫瘍侵襲性を阻害すること(例えば、ある程度、減速させること、好ましくは停止させること)、および/または腫瘍転位を阻害すること(例えば、ある程度、減速させること、好ましくは停止させること)ことが含まれ得る。当業者は、ヒト対象における腫瘍進行を様々な方法により決定することができることを理解する。例えば、皮膚の近位の腫瘍のサイズは、キャリパーを用いて腫瘍の幅および深さを確立し、次いで、腫瘍体積を計算することにより測定することができる。肺およびCNSがんなどのアクセスしにくい腫瘍は、磁気共鳴画像法(MRI)走査から得られた画像を観測することにより測定することができる。脳腫瘍などのCNS腫瘍は、MRI走査の組合せにより、および神経性能をモニターすることにより測定することができる。脳腫瘍の成長は典型的に、神経性能の低下を随伴する。治療効果を得ることには、処置の非存在下で予測されたものを超えて対象または対象の生存を延長させること、および/またはがんと関連する1つまたは複数の徴候または症状をある程度、軽減すること(または好ましくは排除すること)も含まれる。一実施形態では、発明による化合物または組合せでの対象または対象の処置は、処置の非存在下で予測されたものを超えて、1か月以上、例えば、3か月以上、例えば、6か月以上、例えば、1年以上、例えば、2年以上、例えば、3年以上、例えば、5年以上、例えば、10年以上生存を延長させる。治療効果を得ることには、がん細胞の数を減少させることも含まれる。治療効果を得ることには、がん細胞を排除することも含まれる。治療効果を得ることには、腫瘍量の減少も含まれる。治療効果を得ることには、がんを寛解させることも含まれる。治療有効量を1回または複数の投与で投与することをができる。本発明の目的では、投薬治療有効量の化合物、またはその医薬組成物は、直接的または間接的のいずれかで予防的または治療的処置を達成するために十分な量である。臨床状況で理解されるとおり、投薬治療有効量の化合物またはその医薬組成物は、別の治療と併せて達成されてもよい。したがって、「治療有効量」を、1種または複数の治療(例えば、1種または複数抗がん薬)を投与する状況で考慮することもあり、1種または複数の他の薬剤と併せて、所望の結果を達成し得るか、または達成する場合には、単一の薬剤を治療有効量で投与することを考慮してもよい。がんの処置に関して、治療有効量は、(1)腫瘍のサイズを減少させる、(2)腫瘍転位の出現を阻害する(すなわち、ある程度、減速させる、好ましくは停止させる)、(3)腫瘍成長または腫瘍侵襲性をある程度阻害する(すなわち、ある程度、減速させる、好ましくは停止させる)、および/または(4)がんと関連する1つまたは複数の徴候または症状をある程度、軽減する(または、好ましくは、排除する)効果を有する量も指し得る。用量および投与レジメンの治療的または薬理学的有効性を、これらの特異的な腫瘍を有する対象において疾患制御および/または全生存期間を誘導する、増強する、維持する、または延長する能力として特徴づけることもでき、それらは、疾患進行前の時間の延長として測定することができる。
一実施形態では、本明細書に開示の方法のいずれかに従って処置される対象を、RECIST(Response Evaluation Criteria in Solid Tumors、例えば、RECIST version 1.0、RECIST version 1.1、および修正RECIST 1.1(mRECIST 1.1))、RANO-BM(Response Assessment in Neuro-Oncology Brain Metastases)、Macdonald、RANO-LMD、およびNANO(Neurologic Assessment in Neuro-Oncology)を含む当技術分野で公知の1つまたは複数の標準的な反応評価基準に従って評価することができる。前記基準のいずれかの一実施形態では、腫瘍を画像研究(例えば、MRI、CT、MDCTまたはPET)により評価する。一実施形態では、処置反応をRECIST version 1.1に従って評価し、その際、完全奏功(CR)は、すべての腫瘍病変の完全な消失と定義され;部分奏功(PR)は、腫瘍測定値の合計の少なくとも30%減少と定義され;進行性疾患(PD)は、腫瘍測定値の合計の少なくとも20%上昇と定義され(その際、新たな病変の発生または非標的病変の実質的進行もPDと定義される)、基線から少なくとも5mmの増大がPDと評価され;安定している疾患(SD)は、処置中の最小合計直径を参照して、PRと認定するには縮小も十分ではなく、PDと認定するには増大も十分ではないと定義される。一実施形態では、評価には、頭蓋内反応(ガドリニウム増強MRIを
使用して修正RECISTにより評価)、頭蓋外反応、全奏功率、病勢コントロール率(DCR)、奏功期間(DOR)、無増悪生存(PFS)、および全生存期間(OS)が含まれる。
一実施形態では、対象は、CNS腫瘍を有し、少なくとも1つの測定可能な頭蓋内腫瘍を有する。一実施形態では、少なくとも1つの測定可能な頭蓋内腫瘍をMRIまたはCTにより測定する。
「測定可能な」腫瘍(腫瘍病変)は、CT走査では10mm(5mm以下のCT走査スライス厚);臨床検査では10mmキャリパー測定;胸部X線では20mmの最小サイズを有する、少なくとも1つの寸法で正確に測定され得る腫瘍を意味する(測定の平面で最長の直径は記録されない)。
医薬品として用いる場合、その薬学的に許容できる塩または溶媒和物を含む式I、式IIまたは式IIIの化合物を医薬組成物の形態で投与することができる。これらの組成物は、医薬分野において周知の手法で調製することができ、局所または全身処置が望ましいか否か、かつ処置される領域に応じて、様々な経路により投与することができる。投与は、局所(経皮、表皮、眼を含み、鼻腔内、膣および直腸送達を含む粘膜へ)、肺(例えば、噴霧器によることを含めて、散剤またはエアロゾルの吸入または吹送により;気管内または鼻腔内)、経口または非経口であり得る。経口投与は、1日1回または1日2回(BID)投与のために製剤化された剤形を含み得る。非経口投与は、静脈内、動脈内、皮下、腹腔内、筋肉内もしくは注射もしくは輸液;または頭蓋内、例えば、髄腔内もしくは脳室内投与を含む。非経口投与は、単一のボーラス用量の形態であり得るか、または例えば、連続潅流ポンプによるものであり得る。局所投与のための医薬組成物および製剤には、経皮貼付剤、軟膏剤、ローション剤、クリーム剤、ゲル剤、滴剤、坐剤、噴霧剤、液剤および散剤が含まれ得る。従来の医薬担体である水性、粉末または油性基剤、増粘剤などが必要か、または望ましいことがある。
活性成分として、式I、式IIもしくは式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体を、1種または複数の薬学的に許容できる担体(賦形剤)との組み合わせで含有する医薬組成物も本明細書において提供する。例えば、式I、式IIもしくは式IIIの化合物またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体を使用して調製された医薬組成物。一部の実施形態では、上記組成物は、局所投与に適切である。本明細書において提供される組成物の作製では、活性成分を典型的には、賦形剤と混合するか、賦形剤により希釈するか、または例えば、カプセル、サシェ、ペーパー、または他の容器の形態のそのような担体内に封入する。賦形剤が希釈剤として機能する場合、それは、活性成分のためのビヒクル、担体または媒質として作用する固体、半固体、または液体物質であり得る。したがって、上記組成物は、錠剤、丸剤、散剤、ロゼンジ剤、サシェ剤、カシェ剤、エリキシル剤、懸濁剤、乳剤、液剤、シロップ剤、エアロゾル剤(固体として、または液体媒質中)、例えば、活性化合物を10重量%まで含有する軟膏剤、軟質および硬質ゼラチンカプセル剤、坐剤、滅菌注射用液剤、ならびに滅菌包装散剤の形態であり得る。一部の実施形態では、上記組成物を経口投与のために製剤化する。一部の実施形態では、上記組成物は固体経口製剤である。一部の実施形態では、上記組成物を錠剤またはカプセル剤として製剤化する。
式I、式IIもしくは式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体を薬学的に許容できる担体と共に含有する医薬組成物をさらに本明細書において提供する。活性成分として式I、式IIもしくは式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体を含有する医薬組成物は、従来の医薬配合技法に従って式I、式IIもしくは式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体を医薬担体と十分に混合することにより調製することができる。担体は、所望の投与経路(例えば、経口、非経口)に応じて広範囲の様々な形態を取ってよい。一部の実施形態では、上記組成物は、固体経口組成物である。
適切な薬学的に許容できる担体は、当技術分野で周知である。これらの薬学的に許容できる担体のいくつかの説明は、American Pharmaceutical Associationおよびthe Pharmaceutical Society of Great Britainにより出版されたThe Handbook of Pharmaceutical Excipientsにおいて見い出すことができる。
医薬組成物を製剤化する方法は、Pharmaceutical Dosage Forms:Tablets,Second Edition,Revised and Expanded、第1~3巻、Liebermanら編;Pharmaceutical Dosage Forms:Parenteral Medications、第1~2巻、Avisら編;およびPharmaceutical Dosage Forms:Disperse Systems、第1~2巻、Liebermanら編、Marcel Dekker,Inc.出版などの多数の刊行物に記載されている。
経口剤形の組成物の調製において、通常の医薬媒質のいずれも使用することができる。したがって、懸濁剤、エリキシル剤および液剤などの液体経口製剤では、適切な担体および添加剤には、水、グリコール、油、アルコール、香味剤、防腐剤、安定剤、着色剤などが含まれ;散剤、カプセル剤および錠剤などの固体経口製剤では、適切な担体および添加剤には、デンプン、糖、希釈剤、造粒剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤などが含まれる。適切な結合剤には、限定ではないが、デンプン、ゼラチン、グルコースまたはベータ-ラクトースなどの天然糖、トウモロコシ甘味剤、アラビアゴム、トラガカントなどの天然および合成ゴムまたはオレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどが含まれる。崩壊剤には、限定ではないが、デンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンガムなどが含まれる。固体経口製剤を糖などの物質でコーティングすることもできるか、または主な吸収部位を調節するように腸溶コーティングすることもできる。非経口投与では、担体は通常、滅菌水からなることとなり、溶解性または保存性を上昇させるために、他の成分を添加することができる。注射用懸濁剤または液剤を、適切な添加剤と共に水性担体を用いて調製することもできる。本明細書における医薬組成物は、投薬単位、例えば、錠剤、カプセル剤、散剤、注射、ティースプーン1杯あたりなど、本明細書に記載のとおりの治療有効量を送達するために必要な量の活性成分を含有することとなる。
式I、式IIもしくは式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体を含む組成物は単位剤形で製剤化することができ、各投薬量は、活性成分約5~約1,000mg(1g)、さらに通常は、約100mg~約500mgを含有する。「単位剤形」という用語は、ヒト対象および他の対象のための単位投薬量として適切な物理的に別個の単位を指し、各単位は、適切な医薬品賦形剤に関連して所望の治療効果をもたらすように計算された所定の量の活性物質(すなわち、式I、式IIもしくは式IIIの化合物またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体)を含有する。
一部の実施形態では、本明細書において提供される組成物は、活性成分約5mg~約50mgを含有する。当技術分野において通常の技能を有する者は、これが活性成分約5mg~約10mg、約10mg~約15mg、約15mg~約20mg、約20mg~約25mg、約25mg~約30mg、約30mg~約35mg、約35mg~約40mg、約40mg~約45mg、または約45mg~約50mgを含有する化合物または組成物を具体的に表すことが分かるであろう。
一部の実施形態では、本明細書において提供される組成物は、活性成分約50mg~約500mgを含有する。当技術分野において通常の技能を有する者は、これが活性成分約50mg~約100mg、約100mg~約150mg、約150mg~約200mg、約200mg~約250mg、約250mg~約300mg、約350mg~約400mg、または約450mg~約500mgを含有する化合物または組成物を具体的に表すことが分かるであろう。一部の実施形態では、本明細書において提供される組成物は、活性成分約10mg、約20mg、約80mg、または約160mgを含有する。
一部の実施形態では、本明細書において提供される組成物は、活性成分約500mg~約1,000mgを含有する。当技術分野において通常の技能を有する者は、これが活性成分約500mg~約550mg、約550mg~約600mg、約600mg~約650mg、約650mg~約700mg、約700mg~約750mg、約750mg~約800mg、約800mg~約850mg、約850mg~約900mg、約900mg~約950mg、または約950mg~約1,000mgを含有する化合物または組成物を具体的に表すことが分かるであろう。
式I、式IIもしくは式IIIの化合物またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体の1日投薬量は、成人1人あたり1日あたり1.0~10,000mgの幅広い範囲、またはそれより高く、または本明細書における任意の範囲で変動し得る。経口投与では、組成物を好ましくは、処置される対象への投薬量を症状により調節するために、活性成分0.01、0.05、0.1、0.5、1.0、2.5、5.0、10.0、15.0、25.0、50.0、100、150、160、200、250および500ミリグラムを含有する錠剤の形態で提供する。治療有効量の薬物を通常、1日あたり約0.1mg/kg~約1000mg/体重kgの投薬レベルで、またはその中の任意の範囲で供給する。好ましくは、範囲は、1日あたり約0.5~約500mg/体重kg、またはその中の任意の範囲である。より好ましくは、1日あたり約1.0~約250mg/体重kg、またはその中の任意の範囲。より好ましくは、1日あたり約0.1~約100mg/体重kg、またはその中の任意の範囲。一例では、範囲は、1日あたり約0.1~約50.0mg/体重kg、またはその中の任意の範囲であり得る。別の例では、範囲は、1日あたり約0.1~約15.0mg/体重kg、またはその中の任意の範囲であり得る。また別の例では、範囲は、1日あたり約0.5~約7.5mg/体重kg、またはその中の任意の範囲の量であり得る。式I、式IIもしくは式IIIの化合物またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体を含有する医薬組成物を1日あたり1~4回のレジメンで、または単回1日用量で投与することができる。
活性化合物は、広い投薬量範囲にわたって有効であり得、一般的に治療有効量で投与される。投与されるべき最適な投薬量を当業者は容易に決定することができる。したがって、実際に投与される化合物の量は通常、医師により決定され、投与様式、投与される実際の化合物、製剤の濃度、処置される状態、および病状の進行を含む関連状況に従って変動することは理解されるであろう。加えて、対象の反応、年齢、体重、食事、投与時間および対象の症状の重症度を含む、処置される特定の対象と関連する因子により、投薬量を調節する必要性が生じることとなる。
一部の実施形態では、本明細書において提供される化合物を約1mg/kg~約100mg/kgの範囲の量で投与することができる。一部の実施形態では、本明細書において提供される化合物を、約1mg/kg~約20mg/kg、約5mg/kg~約50mg/kg、約10mg/kg~約40mg/kg、約15mg/kg~約45mg/kg、約20mg/kg~約60mg/kg、または約40mg/kg~約70mg/kgの量で投与することができる。例えば、約5mg/kg、約10mg/kg、約15mg/kg、約20mg/kg、約25mg/kg、約30mg/kg、約35mg/kg、約40mg/kg、約45mg/kg、約50mg/kg、約55mg/kg、約60mg/kg、約65mg/kg、約70mg/kg、約75mg/kg、約80mg/kg、約85mg/kg、約90mg/kg、約95mg/kg、または約100mg/kg。一部の実施形態では、そのような投与は、1日1回(QD)または1日2回(BID)投与であり得る。一部の実施形態では、そのような投与は、断続的投薬スケジュールにおいてであり得る。例えば、一実施形態では、投薬スケジュールは、式I、式IIもしくは式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体を1日1回、1、2、3、4、5、または6週間投与し、無処置の1、2、3、4、5、または6週間を続け、対象が前記化合物で処置される間、そのサイクルを繰り返すことを含む。一実施形態では、投薬スケジュールは、式I、式IIもしくは式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体を4週間投与し、無処置の2週間を続け、対象が前記化合物で処置される間、そのサイクルを繰り返すことを含む。一実施形態では、投薬スケジュールは、式I、式IIもしくは式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体を1週間投与し、無処置の1週間を続け、対象が前記化合物で処置される間、そのサイクルを繰り返すことを含む。一実施形態では、投薬スケジュールは、式I、式IIもしくは式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体を2週間投与し、無処置の1または2週間を続け、対象が前記化合物で処置される間、そのサイクルを繰り返すことを含む。一実施形態では、投薬スケジュールは、式I、式IIもしくは式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体を3週間投与し、無処置の1、2または3週間を続け、対象が前記化合物で処置される間、そのサイクルを繰り返すことを含む。一実施形態では、投薬スケジュールは、式I、式IIもしくは式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体を4週間投与し、無処置の1、2、3または4週間を続け、対象が前記化合物で処置される間、そのサイクルを繰り返すことを含む。一実施形態では、投薬スケジュールは、式I、式IIもしくは式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体を5週間投与し、無処置の1、2、3、4または5週間を続け、対象が前記化合物で処置される間、そのサイクルを繰り返すことを含む。一実施形態では、投薬スケジュールは、式I、式IIもしくは式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体を6週間投与し、無処置の1、2、3、4、5または6週間を続け、対象が前記化合物で処置される間、そのサイクルを繰り返すことを含む。前記断続的投薬スケジュールのいずれでも、式I、式IIもしくは式IIIの化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは多形体の投与は1日1回(QD)である。
当業者は、適切で、公知で、かつ一般的に許容される細胞および/または動物モデルを使用するin vivoおよびin vitro試験の両方が、所与の障害を処置または予防する試験化合物の能力を予測していることを理解するであろう。
当業者はさらに、健康な対象および/または所与の障害に罹患している者におけるファースト・イン・ヒューマン用量設定および有効性試験を含むヒト治験を、臨床および医学分野において周知の方法に従って完了することができることを理解するであろう。
治療有効量の本明細書において提供される化合物を含む医薬組成物を含有する1つまたは複数の容器を含む、例えば、がんなどのBRAF関連疾患または障害の処置において有用な医薬キットを本明細書において提供する。当業者には容易に分かるであろうとおり、そのようなキットはさらに、所望の場合には、例えば、1種または複数の薬学的に許容できる担体を備えた容器、追加の容器などの様々な従来の医薬キット構成要素の1つまたは複数を含み得る。投与される成分の量、投与のためのガイドライン、および/または成分を混合するためのガイドラインを示す、添付文書として、またはラベルとしての説明書も、キットに含まれ得る。
以下の実施例によって本発明を説明する。
生物学的実施例
(実施例A)
BRAF V600EおよびV600K酵素アッセイ
B-Raf用に、B-Rafに結合した蛍光タグ付き「トレーサー」の量を、同じくB-Rafに結合した抗タグEu標識抗体からのTR-FRETによってモニターする、競合置換アッセイを構築した。FLAGタグ付き全長B-Raf(V600E)について、アッセイ混合物は、25mMのK+HEPES、pH7.4、10mMのMgCl2、0.01%のTritonX-100、1mMのDTT、(化合物からの)2%のDMSO、50nMのTracer1710(ThermoFisher、PR9176A)、0.5nMのEu抗FLAG(M2)-クリプテートAb(Cisbio、61FG2KLB)、および5nMのN末端FLAGタグ付き全長B-Raf(V600E)(Origene Technologies、TP700031)からなるものであった。B-Raf(V600K)を検定したとき、次のもの、すなわち、15nMのTracer178(ThermoFisher、PV5593)、2nMのEu抗GSTAb(ThermoFisher、PV5595)、および5nMのN末端GSTタグ付きB-Raf(V600K)(331が終端、SignalChem、B08-12DG)で代用した。化合物は、通常、最高用量を10μMとした3倍段階希釈プロトコールを使用して設けられる11段階の投入範囲すべてについて、DMSOに希釈した。アッセイは、処理されていない低体積の白色384ウェルポリスチレンマイクロタイタープレート(Costar4512)において、最終体積を12μLとして実施した。低対照ウェルに、対照としての1μMの強力なB-Raf阻害薬を含めた。検定物を周囲温度(通常は22℃)で60分間インキュベートし、次いで、PerkinElmer EnVisionマイクロプレートリーダーにおいて、標準のTRF設定(λEx=320nm、λEm=615および665nm)を使用して読み取った。比で示されたカウント(665nm/615nm)を、次式:
を使用して、対対照パーセント(POC)に変換した。
式中記号:
次いで、4パラメーターロジスティックモデルを、各化合物についてのPOCデータに適合させた。その適合からIC50を推定したが、IC50は、最適な曲線が50POCを横切る化合物の濃度であると定義される。本明細書で開示する化合物をこのアッセイにおいて試験したときのIC50平均値を、表Aに示す。
(実施例B)
MDR 1LLC-PK1およびBCRP MDCKII透過性アッセイ
LLC-PK1およびMDR1形質移入LLC-PK1の両方の細胞を、継代時限を7日に延ばすために、継代培地がウシ胎児血清を2%しか含有しなかったことを除き、製造者の推奨に従って培養および播種した。
BCRP形質移入MDCKII細胞を、製造者の推奨に従って培養および播種した。試験化合物の流出値へのBCRPの寄与を見極めるために、BCRP特異的阻害薬であるKO143を0.3μMの濃度で用いるおよび用いないアッセイ条件を含めた。
陽性と陰性両方の対照を使用して、アッセイにおけるP-gpまたはBCRP流出の相関関係を評価した。アッセイ対照および試験物用のDMSO保存溶液を調製して、最終試験濃度を、それぞれ、10μMおよび1μMとした。検定物中の最終有機物濃度は、1%であった。LLC-PK1またはMDCKII細胞単層完全性をモニターするために、すべての投入溶液が、10μMのルシファーイエローを含有した。
先端から基底への定量(AからB)については、個々のtranswellの先端側に、75μLの輸送緩衝液中試験物を加え、各ウェルに、化合物またはルシファーイエローなしの250μLの基底培地を加えた。基底から先端への定量(BからA)については、各ウェルに、250μLの輸送緩衝液中試験物を加え、各transwellに、化合物またはルシファーイエローなしの75μLの輸送緩衝液を加えた。試験はすべて、三通りに実施し、各化合物を、先端から基底および基底から先端の両方の輸送について試験した。プレートを、50rpmとしたLab-Line Instruments Titerオービタルシェーカー(VWR、ペンシルベニア州ウェストチェスター)上にて、37℃、5%CO2で2時間インキュベートした。すべての培養プレートをインキュベーターから移し、各ウェルの先端および基底部分から50μLの培地を除去し、2:1(v/v)のアセトニトリル(アセトニトリル):H2O中1μMのラベタロール150μLに加えた。
Molecular Devices(カリフォルニア州サニーヴェール)Gemini蛍光光度計を使用してプレートを読み取って、425/535nmの励起/発光波長でルシファーイエロー濃度を評価した。そうした値は、MDR1形質移入LLC-PK1またはBCRP形質移入MDCKII細胞単層を介した先端から基底への流動については2%未満、基底から先端への流動については5%未満であると判明したとき、受け入れられた。プレートを密封し、各ウェルの中身をLC-MS/MSによって分析した。化合物濃度は、化合物のピーク面積の内部標準(ラベタロール)に対する比率を、投入溶液と比較することから求めた。
LC-MS分析
LC-MS/MSシステムは、HTS-PALオートサンプラー(Leap Technologies、ノースカロライナ州Carrboro)、HP1200 HPLC(Agilent、カリフォルニア州パロアルト)、およびMDS Sciex4000Q Trapシステム(Applied Biosystems、カリフォルニア州フォスターシティー)で構成された。分析物および内標準のクロマトグラフィー分離は、C18カラム(Kinetics(登録商標)、50×300mm、粒径2.6μm、Phenomenex、カリフォルニア州トーランス)を、移動相A(1%のイソプロピルアルコールおよび0.1%のギ酸を含有する水)とB(アセトニトリル中0.1%のギ酸)を使用する勾配条件と組み合わせて使用して、室温において実現された。単一注入についての合計実施時間は、再平衡化を含めて、1.2分であった。分析物の質量分析検出は、イオンスプレーポジティブモードを使用して実施した。各化合物に特有の遷移(各試験物については、前駆体イオンおよび選択された生成物イオンのプロトン化、内標準であるラベタロールについては、m/z329からm/z162)の多重反応モニタリング(MRM)によって、分析物反応を測定した。
透過係数(Papp)は、次式:
Papp=[((Cd*V*(1×106))/(t*0.12cm2*C)]
から算出される。ここで、Cd、V、t、およびC0は、それぞれ、検出された濃度(μM)、投入側の体積(mL)、インキュベート時間(s)、および初期投入濃度(μM)である。Pappの算出を各実験について行い、次いで平均した。式Iの化合物についての透過係数を表B1に示す。本アッセイでは、透過性が8×10-6cm/秒より高い場合、化合物が高い透過性を有すると定め、透過性が2×10-6cm/秒~8×10-6cm/秒である場合、化合物が中程度の透過性を有すると定め、透過性が2×10-6cm/秒未満である場合、化合物が低い透過性を有すると定めている。
平均の先端から基底(A-B)Pappデータと基底から先端(B-A)Pappデータから、流出比が算出される。
流出比=Papp(B-A)/Papp(A-B)
WO2012/118492で開示されているそれぞれの化合物、詳細には、Example34および37の化合物について、本アッセイにおいて試験した際の流出比を、表B2に示し、式Iの化合物(式IIおよびIIIの化合物を含む)について、本アッセイにおいて試験した際の流出比を、表B3に示す。式II(実施例1、3、4、7、9、10、11、12、13、14、15、21、22、23、24、25、27、29、31、32、33、34、35、36、37、38、39、44、46、48、49、50、51、52、54、55、57、59、61、65、67、68、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、および80)および式III(実施例1、4、7、9、10、23、55、63、および67)の化合物は、MDR1およびBCRP両方のアッセイにおいて、WO2012/118492におけるそれぞれの化合物に比べて、低めの流出比になる傾向を示し、式IIおよびIIIの化合物が、WO2012/118492のそれぞれの化合物に比べて、脳侵入の増進を示すことが示唆される。
(実施例C)
PK(遊離脳対遊離血漿比)(マウス)
それぞれの化合物がマウスにおけるBBBに侵入しうるかを、雄CD-1マウスにおいて、非結合脳対非結合血漿(遊離脳対遊離血漿とも呼ばれる)濃度比を評価することにより明らかにした。
経口マウスPK投与からの脳化合物レベルを、典型的なサンプル採取時間を10mg/kgでの経口ガバージュ投与から2、4、8、12、および24時間後として生成した。脳サンプルは、分析前には-20±5℃で保管した。アセトニトリルでタンパク質を沈殿させた後、液体クロマトグラフィータンデム質量分析(LC-MS/MS)によって、マウス脳ホモジネート中の試験化合物の濃度を求めた。0.5~10,000ng/mLの範囲にかけての12点の検量線を二通りに準備した。400μg/mLの試験化合物のジメチルスルホキシド(DMSO)溶液を、100%のDMSOに(3倍)段階希釈し、次いで、各標準溶液2.5μLを、未処置雄CD-1マウス脳ホモジネート100μLに加えた。標準曲線における抜き取りを模倣するために、すべての試験サンプルに2.5μLのDMSOを加えた。検量線作成と試験の両方の脳ホモジネートサンプルに、IS(1μg/mLの構造類似体)10μLをスパイク添加した。脳ホモジネートは、MP Fast Prep-24(登録商標)を使用し、ビードビーター管を用いて6m/sで1分間均質化した後の各脳サンプルに、4:1の水:MeOH 0.75mLを加えることにより生成した。300μLのアセトニトリルを加えることにより、100μLの脳ホモジネートからタンパク質を沈殿させた。サンプルを5分間ボルテックス混合し、AllegraX-12R遠心機(Beckman Coulter、カリフォルニア州フラートン;SX4750Aローター)において、4℃にて、およそ1,500×gで15分間スピンにかけた。各上清の一定分量100μLを、550μLのPersonal Pipettor(Apricot Designs、カリフォルニア州モンロヴィア)で96ウェルプレートに移し、HPLCグレード水で1:1希釈した。そうして出来上がるプレートをアルミニウムで密閉し、LC-MS/MS分析に備えた。
脳において測定された化合物の濃度を、血漿において測定された化合物の濃度で割ったものを使用して、脳対血漿比を算出した。脳対血漿比は、常に、単一の動物および時点から生成した。遊離脳対遊離血漿比は、次式:(B/P)*(Bfu/Pfu)を使用して、脳対血漿比に、in vitro脳ホモジネート遊離画分をin vitro血漿遊離画分で割ったものを掛けることにより算出した。
表C1に、WO2012/118492で開示されているExample34および37の化合物を実施例Cのアッセイにおいて試験した際の遊離脳対遊離血漿比を示す。表C2に、本明細書で開示する実施例1、4、7、9、10、23、55、63、および67の化合物の遊離脳対遊離血漿比を示す。表C1および表C2におけるデータから、実施例1、4、7、9、10、23、55、63、および67の化合物についての遊離脳対遊離血漿比の思いがけない向上が証明される。
(実施例D)
N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態B無水物(実施例82)による処置後の頭蓋内A375-ルシフェラーゼ有効性および生存
Envigo(インディアナ州インディアナポリス)からの雌nu/nuNCrマウスを5~6週齢で取得し、5匹の群にして収容した。1週間の最低限の順化期間に続いて、マウスに、10μL体積の0.9%の滅菌ダルベッコリン酸緩衝溶液(DPBS)に懸濁させた3.0×103個のA375-ルシフェラーゼ腫瘍細胞の同所性(i.c.)頭蓋内注射を、トップダウン手法を使用して施した(LaursenおよびBelknap、1986)。細胞移植から7日後(1日目)、動物を無作為化し、5つの群に振り分けた(n=10/群)。A375-ルシフェラーゼ頭蓋内腫瘍異種移植物を有するマウスに、試験化合物N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態B無水物(実施例82)とMEK阻害薬であるビニメチニブとを、単独の薬剤として、または組み合わせて投与した。
試験化合物は、10mL/kgの投与体積で与えられ、投与ストレスを制御するために、媒体は、各群に一致させ、すなわち、すべての群に、表9に示す該当する用量体積およびスケジュールで、経口ガバージュ(PO)による1日2回(BID)の用量投与が施された。ルシフェラーゼ活性を週2回測定することにより、腫瘍成長をモニターした。総流動/マウスは、研究開始(投与開始)1日目に、1桁のばらつきを示す場合がある。総流動は、2日目における流出の最初の測定値を100%として割り当てることにより、マウスごとに正規化した。腫瘍進行の指標としての体重減少を、投与期間の間は毎日、次いで、必要に応じて(少なくとも週1回)求めた。90日目(投与休止から30日後)まで生存を評価した。
本研究において用いた用量およびスケジュールは、すべての群において十分に忍容され、化合物投与からの最大体重減少は、5%未満であり、試験物投与に起因する死はなかった。
単独の薬剤として投与された実施例82の化合物は、このモデルにおいて、用いたどちらの用量でも、非常に有効であった。60日間続けて1日2回(BID)経口ガバージュ(PO)によって投与された実施例82は、図15に示されるとおり、腫瘍成長に対して有意な効果を示した。
組み合わせて投与された実施例82の化合物とビニメチニブは、図15に示されるとおり、実施例82単独より有意に有効であった。図16に示され、表10に要約されるとおり、組合せは、転移性V600E黒色腫のマウスモデルにおいて、腫瘍成長阻害を有意に増進し、生存を向上させた。
合成実施例
合成中間体の調製
中間体P1
6-ブロモ-5-メチルキナゾリン-4(3H)-オン
還流冷却器を備えた500mLのフラスコにおいて、6-アミノ-3-ブロモ-2-メチル安息香酸(10g、43mmol)およびホルムアミジン酢酸塩(5.4g、52mmol)をエタノール(172mL)に溶解させた。反応混合物を16時間80℃に加熱した。混合物を周囲温度に冷却し、真空濃縮した。残渣を水(300mL)で希釈し、60分間激しく撹拌した。得られる固体を濾過によって単離し、濾過ケークを水(500mL)で洗浄した。固体を真空乾燥して、6-ブロモ-5-メチルキナゾリン-4(3H)-オン(6.9g、66%)を白色の固体として得た。MS (apci, m/z) = 239.0, 241.0 (M+H).
中間体P2
6-ブロモ-3,5-ジメチルキナゾリン-4(3H)-オン
6-ブロモ-5-メチルキナゾリン-4(3H)-オン(中間体P1)(11g、46.0mmol)、炭酸カリウム(14.0g、101mmol)、およびヨードメタン(13.1g、92.0mmol)を無水DMF(250mL)に溶解させた。反応混合物を周囲温度で2時間撹拌した。反応混合物全部を900mLの水中に直接注ぎ、得られるスラリーを周囲温度で30分間撹拌した。濾過によって固体を収集し、高真空下で終夜乾燥させて、6-ブロモ-3,5-ジメチルキナゾリン-4(3H)-オン((10.1g、87%)を白色の固体として得た。MS (apci, m/z) = 253.0, 255.0 (M+H).
中間体P3
6-ブロモ-5-メチル-3-(メチル-d3)キナゾリン-4(3H)-オン
50mLのフラスコに、6-ブロモ-5-メチルキナゾリン-4(3H)-オン(中間体P1)(3.37g、14.1mmol)、DMF(94.0mL)、炭酸カリウム(4.29g、31.0mmol)、およびヨードメタン-d3(1.75mL、28.2mmol)を加えた。反応混合物を周囲温度で2時間撹拌した。反応混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出した。有機層を合わせ、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物を、EtOAcからの再結晶によって精製して、6-ブロモ-5-メチル-3-(メチル-d3)キナゾリン-4(3H)-オン(2.94g、81%)を固体として得た。MS (apci, m/z) = 256.0, 258.0 (M+H).
中間体P4
6-ブロモ-3-エチル-5-メチルキナゾリン-4(3H)-オン
10mLのフラスコに、6-ブロモ-5-メチルキナゾリン-4(3H)-オン(中間体P1)(0.100g、0.418mmol)、ヨードエタン(0.101mL、1.25mmol)、炭酸セシウム(0.204g、0.627mmol)、およびDMF(4mL)を加えた。フラスコをゴムセプタムで密封し、混合物を周囲温度で終夜撹拌した。混合物を水および酢酸エチルで希釈した。水層をEtOAcで抽出し、合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し(2回)、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。粗材料を、30%~70%のEtOAc/ヘキサンを溶離液とするカラムクロマトグラフィーによって精製して、6-ブロモ-3-エチル-5-メチルキナゾリン-4(3H)-オン(0.060g、53%)を白色の固体として得た。MS (apci, m/z) = 267.0, 269.0 (M+H).
中間体P5
6-ブロモ-3-イソプロピル-5-メチルキナゾリン-4(3H)-オン
10mLのフラスコに、6-ブロモ-5-メチルキナゾリン-4(3H)-オン(中間体P1)(0.100g、0.418mmol)、2-ヨードプロパン(0.125mL、1.25mmol)、炭酸セシウム(0.204g、0.627mmol)、およびDMF(4mL)を加えた。フラスコをゴムセプタムで密封し、混合物を周囲温度で終夜撹拌した。混合物を水および酢酸エチルで希釈した。水層をEtOAcで抽出し、合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し(2回)、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。粗材料を、30%~70%のEtOAc/ヘキサンを溶離液とするカラムクロマトグラフィーによって精製して、6-ブロモ-3-イソプロピル-5-メチルキナゾリン-4(3H)-オン(0.0716g、61%)を白色の固体として得た。MS (apci, m/z) = 281.0, 283.0 (M+H).
中間体P6
6-ブロモ-3-シクロプロピル-5-メチルキナゾリン-4(3H)-オン
10mLのフラスコに、シクロプロピルボロン酸(0.036g、0.42mmol)、6-ブロモ-5-メチルキナゾリン-4(3H)-オン(中間体P1)(0.05g、0.21mmol)、炭酸セシウム(0.14g、0.42mmol)、およびジオキサン(4mL)を加えた。懸濁液に、1,10-フェナントロリン(0.04g、0.2mmol)、次いで、酢酸銅(II)(0.038g、0.21mmol)を加えた。混合物を屋外にて80℃で40時間加熱し、次いで、室温に冷却し、NH
4Cl飽和水溶液で失活させ、酢酸エチルで希釈した。水層をEtOAcで抽出し(4回)、合わせた有機抽出物をNa
2SO
4で乾燥させ、真空濃縮した。粗材料を、30%~70%のEtOAc/ヘキサンを溶離液とするカラムクロマトグラフィーによって精製して、6-ブロモ-3-シクロプロピル-5-メチルキナゾリン-4(3H)-オン(0.02g、34%)を白色の固体として得た。MS (apci, m/z) = 279.0, 281.0 (M+H).
中間体P7
6-ブロモ-3-(シクロプロピルメチル)-5-メチルキナゾリン-4(3H)-オン
6-ブロモ-5-メチルキナゾリン-4(3H)-オン(中間体P1)(0.100g、0.418mmol)のDMF(1.67mL)溶液に、K
2CO
3(0.116g、0.837mmol)に続いて(ブロモメチル)シクロプロパン(0.102g、0.753mmol)を加えた。混合物を周囲温度で6時間撹拌した。混合物をNH
4Cl飽和水溶液で希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、次いで、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮して固体とした。粗生成物を、0~20%のEtOAc/CH
2Cl
2を溶離液とするカラムクロマトグラフィーによって精製して、6-ブロモ-3-(シクロプロピルメチル)-5-メチルキナゾリン-4(3H)-オン(0.108g、88%)を白色の固体として得た。MS (apci, m/z) = 293.0, 295.0 (M+H).
中間体P8
6-ブロモ-3-シクロブチル-5-メチルキナゾリン-4(3H)-オン
10mLのフラスコに、ブロモシクロブタン(0.118mL、1.26mmol)、6-ブロモ-5-メチルキナゾリン-4(3H)-オン(中間体P1)(0.100g、0.418mmol)、炭酸セシウム(0.204g、0.627mmol)、およびDMF(2.1mL)を加えた。容器をゴムセプタムで密封し、N
2雰囲気中に置き、周囲温度で17時間、次いで70℃で24時間撹拌した。混合物を室温に冷却し、酢酸エチルで希釈し、ブラインで洗浄した。合わせた有機抽出物をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。粗材料を、30%~70%のEtOAc/ヘキサンを溶離液とするカラムクロマトグラフィーによって精製して、6-ブロモ-3-シクロブチル-5-メチルキナゾリン-4(3H)-オン(0.047g、38%)を白色の固体として得た。MS (apci, m/z) = 293.1, 295.1 (M+H).
中間体P9
6-ブロモ-3-シクロペンチル-5-メチルキナゾリン-4(3H)-オン
撹拌子を備えた丸底フラスコに、6-ブロモ-5-メチルキナゾリン-4(3H)-オン(中間体P1)(0.10g、0.42mmol)、無水DMA(4mL)、炭酸セシウム(0.28g、0.84mmol)、およびヨウ化シクロペンチル(0.12g、0.63mmol)を装入した。混合物を周囲温度で16時間撹拌した。混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗材料を、10%~75%のEtOAc/ヘキサンを溶離液とするカラムクロマトグラフィーによって精製して、6-ブロモ-3-シクロペンチル-5-メチルキナゾリン-4(3H)-オン(0.045g、35%)を得た。MS (apci, m/z) = 307.0, 309.0 (M+H).
中間体P10
(S)-6-ブロモ-5-メチル-3-(テトラヒドロフラン-3-イル)キナゾリン-4(3H)-オン
撹拌子および窒素吸気口を備えた丸底フラスコに、6-ブロモ-5-メチルキナゾリン-4(3H)-オン(中間体P1)(0.10g、0.418mmol)、無水DMF(4mL)、(R)-3-ヨードテトラヒドロフラン(0.124g、0.627mmol)、および炭酸セシウム(0.273g、0.837mmol)を装入した。この混合物を周囲温度で12時間撹拌した。12時間後、別の1.0当量の(R)-3-ヨードテトラヒドロフラン(0.124g、0.627mmol)および2.0当量の炭酸セシウム(0.273g、0.837mmol)を加え、混合物をもう24時間70℃に加熱した。混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗材料を、5%~95%のEtOAc/ヘキサンを溶離液とするカラムクロマトグラフィーによって精製して、(S)-6-ブロモ-5-メチル-3-(テトラヒドロフラン-3-イル)キナゾリン-4(3H)-オン(0.054g、41%)を白色の固体として得た。MS (apci, m/z) = 309.0, 311.0 (M+H).
中間体P11
(R)-6-ブロモ-5-メチル-3-(テトラヒドロフラン-3-イル)キナゾリン-4(3H)-オン
撹拌子および窒素吸気口を備えた丸底フラスコに、6-ブロモ-5-メチルキナゾリン-4(3H)-オン(中間体P1)(0.10g、0.42mmol)、無水DMF(4mL)、(S)-3-ヨードテトラヒドロフラン(0.12g、0.63mmol)、および炭酸セシウム(0.27g、0.84mmol)を装入した。この混合物を、窒素雰囲気中において室温で12時間撹拌した。12時間後、別の1.5当量の(S)-3-ヨードテトラヒドロフラン(0.12g、0.63mmol)および2.0当量の炭酸セシウム(0.27g、0.84mmol)を加え、混合物をもう24時間60℃に加熱した。混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗材料を、5%~85%のEtOAc/ヘキサンを溶離液とするカラムクロマトグラフィーによって精製して、(R)-6-ブロモ-5-メチル-3-(テトラヒドロフラン-3-イル)キナゾリン-4(3H)-オン(0.045g、35%)を白色の固体として得た。MS (apci, m/z) = 309.0, 311.0 (M+H).
中間体P12
6-ブロモ-3-(2-メトキシエチル)-5-メチルキナゾリン-4(3H)-オン
6-ブロモ-5-メチルキナゾリン-4(3H)-オン(中間体P1)(0.100g、0.4183mmol)のDMF(1.67mL)懸濁液に、K
2CO
3(0.1214g、0.8784mmol)に続いて、2-ブロモエチルメチルエーテル(0.0786mL、0.8366mmol)を加えた。混合物を周囲温度で18時間撹拌した。混合物をNH
4Cl飽和水溶液で希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、次いで、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮して固体とした。粗生成物を、0~30%のEtOAc/CH
2Cl
2を溶離液とするカラムクロマトグラフィーによって精製して、6-ブロモ-3-(2-メトキシエチル)-5-メチルキナゾリン-4(3H)-オン(0.105g、85%)を白色の固体として得た。MS (apci, m/z) = 297.0, 299.0 (M+H).
中間体P13
6-ブロモ-5-メチル-3-フェニルキナゾリン-4(3H)-オン
撹拌子を備えた耐圧チューブに、6-ブロモ-5-メチルキナゾリン-4(3H)-オン(中間体P1)(0.050g、0.21mmol)、フェニルボロン酸(0.033g、0.27mmol)、DCM(2mL)、ピリジン(0.036g、0.46mmol)、および酢酸銅(II)(0.084g、0.46mmol)を装入した。チューブに、針で穴をあけて空気の流入を可能にしたゴムセプタムのキャップを嵌め、混合物を周囲温度で48時間撹拌した。混合物をDCMで希釈し、GF/F濾紙で濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。粗生成物を、90%のEtOAc/ヘキサンを溶離液とするカラムクロマトグラフィーによって精製して、6-ブロモ-5-メチル-3-フェニルキナゾリン-4(3H)-オン(0.020g、30%)を白色の固体として得た。MS (apci, m/z) = 315.0, 317.0 (M+H).
中間体P14
3-ベンジル-6-ブロモ-5-メチルキナゾリン-4(3H)-オン
6-ブロモ-5-メチルキナゾリン-4(3H)-オン(中間体P1)(100mg、0.4183mmol)のDMF(1.673mL)溶液に、炭酸カリウム(121.4mg、0.8784mmol)および臭化ベンジル(74.63μL、0.6274mmol)を加え、反応混合物を周囲温度で18時間撹拌した。混合物をNH
4Cl飽和水溶液で希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物を、0~30%のCH
2Cl
2/EtOAcを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、3-ベンジル-6-ブロモ-5-メチルキナゾリン-4(3H)-オン(110mg、79%)を白色の固体として得た。MS (apci, m/z) = 329.0, 331.0 (M+H).
中間体P15
6-アミノ-3,5-ジメチルキナゾリン-4(3H)-オン
ステップ1:6-((4-メトキシベンジル)アミノ)-3,5-ジメチルキナゾリン-4(3H)-オンの調製。(4-メトキシフェニル)メタンアミン(1.20mL、9.18mmol)、6-ブロモ-3,5-ジメチルキナゾリン-4(3H)-オン(中間体P2)(2.02g、7.98mmol)、Pd
2(dba)
3(0.365g、0.399mmol)、キサントホス(0.693g、1.20mmol)、およびCs
2CO
3(7.80g、23.9mmol)のトルエン(53.2mL)溶液を、耐圧チューブに入れ、アルゴンで10分間スパージングした。反応容器を密封し、60時間90℃に加熱した。追加のPd
2(dba)
3(0.365g、0.399mmol)およびキサントホス(0.693g、1.20mmol)を加え、溶液を再びアルゴンで10分間スパージングし、密封し、もう16時間90℃に加熱した。反応混合物を周囲温度に冷却し、濾過し、濃縮し、5~95%のEtOAc/DCMを溶離液とするカラムクロマトグラフィーによって精製して、6-((4-メトキシベンジル)アミノ)-3,5-ジメチルキナゾリン-4(3H)-オン(2.4g、97%)を得た。MS (apci, m/z) = 310.2 (M+H).
ステップ2:6-アミノ-3,5-ジメチルキナゾリン-4(3H)-オンの調製。50mLのDCMおよび25mLのTFA中において、6-((4-メトキシベンジル)アミノ)-3,5-ジメチルキナゾリン-4(3H)-オン(2.4g、7.76mmol)の溶液を2時間撹拌した。溶液を濃縮し、残渣を100mLのDCM、10mLのMeOHに溶解させ、4gのK2CO3と共に30分間激しく撹拌した。濾過によってK2CO3を除去し、濾液を濃縮し、残渣を、1~10%のMeOH/DCM(1%のNH4OH)を溶離液とするカラムクロマトグラフィーによって精製して、6-アミノ-3,5-ジメチルキナゾリン-4(3H)-オン(1.45g、99%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.2 (s, 1H), 7.5 (d, 1H), 7.1 (d, 1H), 4.2
(br-s, 2H), 3.6 (s, 3H), 2.8 (s, 3H); MS (apci, m/z) = 190.1 (M+H).
中間体P16
2,6-ジフルオロ-3-(プロピルスルホンアミド)安息香酸
ステップ1:メチル2,6-ジフルオロ-3-ニトロベンゾエートの調製。1Lのフラスコに、2,6-ジフルオロ-3-ニトロ安息香酸(17.0g、83.7mmol)およびMeOH(170mL)を装入した。フラスコを氷水浴に浸し、フラスコに、トリメチルシリル(TMS)ジアゾメタンのヘキサン溶液(2M、209mL、419mmol)が装入された滴下漏斗(addition funnel)を取り付けた。TMSジアゾメタン溶液を、反応フラスコに2時間かけてゆっくりと加えた。試薬をさらに加えた後のN
2放出の終止によって確認される、反応完遂の実現には、大幅に過剰の試薬が必要となった。溶液を真空濃縮して、粗メチル2,6-ジフルオロ-3-ニトロベンゾエートを固体(18.2g)として得た。材料をそれ以上精製せずに使用した。
ステップ2:メチル3-アミノ-2,6-ジフルオロベンゾエートの調製。メチル2,6-ジフルオロ-3-ニトロベンゾエート(18.2g、83.8mmol)が装入された1Lのフラスコに、窒素雰囲気中で、10%wtのPd担持活性炭(4.46g、4.19mmol)を加えた。フラスコにEtOH(350mL)を加え、混合物に15分間水素をくぐらせた。2個の水素バルーンを用いながら、反応混合物を終夜撹拌した。バルーンをH2(g)で満たし直し、混合物をさらに4時間撹拌した。TLCによって確認される、出発材料および中間体ヒドロキシルアミンの消費の後、反応混合物に窒素をフラッシュした。混合物を、ガラスマイクロファイバー(GF/F)濾紙で2回濾過した。溶液を濃縮して、粗メチル3-アミノ-2,6-ジフルオロベンゾエートを油状物(15.66g)として得た。材料をそれ以上精製せずに使用した。
ステップ3:メチル2,6-ジフルオロ-3-(N-(プロピルスルホニル)プロピルスルホンアミド)ベンゾエートの調製。冷却したメチル3-アミノ-2,6-ジフルオロベンゾエート(15.66g、83.7mmol)およびトリエチルアミン(35.00mL、251.1mmol)のCH2Cl2(175mL)溶液に、プロパン-1-スルホニルクロリド(23.46mL、209.3mmol)をゆっくりと加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌した。水(300mL)を加え、有機層を分離し、水(2×300mL)およびブライン(200mL)で洗浄し、次いで乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、濃縮して油状物とした。粗生成物を、15%のEtOAc/ヘキサンを溶離液とするカラムクロマトグラフィーによって精製して、メチル2,6-ジフルオロ-3-(N-(プロピルスルホニル)プロピルスルホンアミド)ベンゾエートを固体(24.4g、3ステップで73%)として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.52-7.45 (m, 1H), 7.08-7.02 (m, 1H), 3.97
(s, 3H), 3.68-3.59 (m, 2H), 3.53-3.45 (m, 2H), 2.02-1.89 (m, 4H), 1.10 (t, J =
7.4 Hz, 6H).
ステップ4:2,6-ジフルオロ-3-(プロピルスルホンアミド)安息香酸の調製。メチル2,6-ジフルオロ-3-(N-(プロピルスルホニル)プロピルスルホンアミド)ベンゾエート(20.0g、50.1mmol)の4:1 THF/MeOH(250mL)溶液に、1N NaOH水溶液(150mL、150mmol)を加えた。反応混合物を室温で12時間撹拌した。有機溶媒を真空濃縮して、半分の体積とした(水浴温度35℃)。混合物に1N HCl(150mL)をゆっくりと加え、得られる固体を濾別し、水(4×50mL)ですすいだ。材料をEt2O(4×15mL)で洗浄して、2,6-ジフルオロ-3-(プロピルスルホンアミド)安息香酸(10.7g、77%)を固体として得た。1H NMR (400 MHz, (CD3)2SO)
δ 9.74 (s, 1H), 7.57-7.50 (m,
1H), 7.23-7.17 (m, 1H), 3.11-3.06 (m, 2H), 1.79-1.69 (m, 2H), 0.98 (t, J = 7.4
Hz, 3H); MS (apci, m/z) = 278.0 (M-H).
中間体P17
2-クロロ-6-フルオロ-3-(プロピルスルホンアミド)安息香酸
ステップ1:1-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-2,5-ジメチル-1H-ピロールの調製。20Lの4口丸底フラスコに、2-クロロ-4-フルオロベンゼンアミン(1300g、8.82mol)のトルエン(10L)溶液、4-メチルベンゼンスルホン酸(3.1g、17.84mmol)、およびヘキサン-2,5-ジオン(1222.5g、10.62mol)を加えた。得られる溶液を、1時間加熱還流し、次いで、周囲温度に冷却した。溶液のpHを、炭酸ナトリウム水溶液(1M)で約8に調整した。得られる混合物を水(5000mL)で洗浄し、真空濃縮した。粗生成物を140℃での蒸留によって精製して、1-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-2,5-ジメチル-1H-ピロール(1700g、85%)を固体として得た。
ステップ2:メチル2-クロロ-3-(2,5-ジメチル-1H-ピロール-1-イル)-6-フルオロベンゾエートの調製。パージし、窒素の不活性雰囲気を維持した5000mLの4口丸底フラスコに、1-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-2,5-ジメチル-1H-ピロール(390g、1.65mol)のテトラヒドロフラン(2000mL)溶液を入れた。反応容器を-78℃に冷却した。反応容器に、n-BuLiの溶液(ヘキサン中2.5M、728mL、1.82mol)を、撹拌しながら80分かけて滴下して加え、クロロギ酸メチル(215.5g、2.27mol)を、撹拌しながら90分かけて滴下して加えた。反応溶液を-78℃で60分間さらに撹拌し、NH4Cl/水(1000mL)を加えて失活させた。得られる溶液を酢酸エチル(1500mL)で抽出した。有機層を合わせ、水(1500mL)および塩化ナトリウム水溶液(1500mL)で洗浄し、無水MgSO4で乾燥させ、真空濃縮して、メチル2-クロロ-3-(2,5-ジメチル-1H-ピロール-1-イル)-6-フルオロベンゾエートを油状物(粗製、566.7g)として得、これをそれ以上精製せずに使用した。
ステップ3:メチル3-アミノ-2-クロロ-6-フルオロベンゾエートの調製。25Lの4口丸底フラスコに、メチル2-クロロ-3-(2,5-ジメチル-1H-ピロール-1-イル)-6-フルオロベンゾエート(1500g、5.05mol)のEtOH/H2O(7500/2500mL)溶液、NH2OH・HCl(5520g、79.20mol)、およびトリエチルアミン(2140g、20.98mol)を入れた。得られる溶液を油浴において18時間加熱還流し、室温に冷却し、濃縮し、酢酸エチル(3×3000mL)で抽出した。有機抽出物を合わせ、無水Na2SO4で乾燥させ、真空濃縮した。残渣を、Et2O/EtOAc(20:1~10:1)を溶離液としながらシリカゲルカラムを使用して精製して、メチル3-アミノ-2-クロロ-6-フルオロベンゾエートを油状物(980g、95%)として得た。
ステップ4:メチル2-クロロ-6-フルオロ-3-(プロピルスルホンアミド)ベンゾエートの調製。20Lの4口丸底フラスコに、メチル3-アミノ-2-クロロ-6-フルオロベンゾエート(980g、4.76mol)のジクロロメタン(8000mL)溶液を入れた。この反応容器に、撹拌しながら、0℃で、トリエチルアミン(1454g、14.25mol)を80分かけて滴下して加えた後、プロパン-1-スルホニルクロリド(1725g、11.94mol)を加えた。得られる溶液を室温で2時間撹拌し、次いで、水(1000mL)で希釈した。有機層を塩化水素(1000mL)および水(1000mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濃縮して、メチル2-クロロ-6-フルオロ-3-(プロピルスルホンアミド)ベンゾエートを固体(1500g、97%)として得た。
ステップ5:2-クロロ-6-フルオロ-3-(プロピルスルホンアミド)安息香酸の調製。10Lの4口丸底フラスコに、メチル2-クロロ-6-フルオロ-3-(プロピルスルホンアミド)ベンゾエート(1500g、4.61mol)のTHF/H2O(3000mL/3000mL)溶液および水酸化カリウム(1000g、17.68mol)を入れた。得られる溶液を2時間還流させ、室温に冷却し、酢酸エチル(3×2000mL)で抽出した。水層を合わせ、塩化水素(2M)でpHを2に調整した。得られる溶液をジクロロメタン(2×3000mL)で抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して、2-クロロ-6-フルオロ-3-(プロピルスルホンアミド)安息香酸を固体(517.5g、37%)として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.86-7.83 (d, 1H, J = 14.4Hz), 7.20-7.16
(d, 1H, J = 17.2 Hz), 6.81 (s, 1H), 3.11-3.07 (m, 2H, J = 15.6 Hz), 1.93-1.86
(m, 2H, J = 30.8 Hz), 1.1.0-1.06 (m, 3H, J = 15.2Hz); MS (apci, m/z) = 296.1
(M+H).
中間体P18
6-クロロ-2-フルオロ-3-(プロピルスルホンアミド)安息香酸
ステップ1:ベンジル3-アミノ-6-クロロ-2-フルオロベンゾエートの調製。撹拌子およびゴムセプタムを備えた火炎乾燥した丸底フラスコに、4-クロロ-2-フルオロアニリン(5.00g、34.35mmol)および無水THF(170mL)を装入した。この溶液を-78℃に冷却し、n-BuLi(ヘキサン中2.5M、14.7mL、36.75mmol)を15分かけて加えた。この混合物を-78℃で20分間撹拌し、次いで、反応混合物に、1,2-ビス(クロロジメチルシリル)エタン(7.76g、36.1mmol)のTHF溶液(25mL)を10分かけて加えた。反応混合物を-78℃で1時間撹拌し、次いで、n-BuLi(ヘキサン中2.5M、15.11mL、37.79mmol)をゆっくりと加えた。混合物を、1時間かけて室温に温め、次いで、再び-78℃に冷却した。3番目の割当て分のn-BuLi(ヘキサン中2.5M、15.66mL、39.16mmol)をゆっくりと加え、混合物を-78℃で75分間撹拌した。クロロギ酸ベンジル(7.40g、41.22mmol)をゆっくりと加え、混合物を-78℃で1時間撹拌した。冷却浴を外し、混合物を30分間周囲温度に加温し、次いで、水(70mL)および濃HCl(25mL)で失活させた。混合物を室温に加温し続けた。混合物をEtOAcで抽出した。抽出物をNaHCO
3飽和溶液で2回、水で1回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。残渣を、カラムクロマトグラフィー(30%の酢酸エチル/ヘキサン)によって精製して、ベンジル3-アミノ-6-クロロ-2-フルオロベンゾエート(4.3g、45%)を油状物として得た。
1H NMR ((CD
3)
2SO,
400 MHz) δ 7.37-7.48 (m, 5H),
7.07 (dd, 1H, J = 8, 2), 6.87 (t, 1H, J = 8), 5.61 (br s, 2H), 5.40 (s, 2H).
ステップ2:ベンジル6-クロロ-2-フルオロ-3-(N-(プロピルスルホニル)プロピルスルホンアミド)ベンゾエートの調製。ベンジル3-アミノ-6-クロロ-2-フルオロベンゾエート(4.3g、15.37mmol)を無水ジクロロメタン(270mL)に溶解させた。トリエチルアミン(5.36mL、38.43mmol)を加え、混合物を0℃に冷却した。プロパン-1-スルホニルクロリド(3.63mL、32.3mmol)をシリンジで加えた結果、沈殿が生じた。加え終えた後、混合物を室温に加温し、TLC(3:1のヘキサン:酢酸エチル)によって確認したところ、出発材料が消費されていた。混合物をジクロロメタン(200mL)で希釈し、2M HCl水溶液(2×100mL)、NaHCO3飽和水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。残渣を、カラムクロマトグラフィー(40%の酢酸エチル/ヘキサン)によって精製して、ベンジル6-クロロ-2-フルオロ-3-(N-(プロピルスルホニル)プロピルスルホンアミド)ベンゾエート(5.5g、72%)を油状物として得たが、静置するとゆっくりと凝固した。NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 7.28-7.45 (m, 7H), 5.42 (s, 2H), 3.58-3.66 (m, 4H), 3.43-3.52 (m,
4H), 1.08 (t, 6H, J=8).
ステップ3:6-クロロ-2-フルオロ-3-(プロピルスルホンアミド)安息香酸の調製。ベンジル6-クロロ-2-フルオロ-3-(N-(プロピルスルホニル)プロピルスルホンアミド)ベンゾエート(5.4g、10.98mmol)をTHF(100mL)および1M KOH水溶液(100mL)に溶解させた。混合物を16時間還流させ、次いで、室温に冷却した。混合物を2M HCl水溶液で酸性化してpHを約2とし、EtOAcで抽出した(2回)。抽出物を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して固体とし、それをヘキサン/Et2Oで摩砕して、2-クロロ-6-フルオロ-3-(プロピルスルホンアミド)安息香酸(2.2g、68%)を固体として得た。1H NMR ((CD3)2SO,
400 MHz) δ 9.93 (s, 1H), 7.49
(t, 1H, J=8), 7.38 (dd, 1H, J = 8, 2), 3.11-3.16 (m, 2H), 1.68-1.78 (m, 2H),
0.97 (t, 3H, J = 8).
中間体P19
2,6-ジフルオロ-3-(3-フルオロプロピルスルホンアミド)安息香酸
ステップ1:メチル2,6-ジフルオロ-3-(N-(3-フルオロプロピルスルホニル)-3-フルオロプロピルスルホンアミド)ベンゾエートの調製。メチル2,6-ジフルオロ-3-(N-(3-フルオロプロピルスルホニル)-3-フルオロプロピルスルホンアミド)ベンゾエートは、プロパン-1-スルホニルクロリドの代わりに3-フルオロプロピルスルホニルクロリドを用いながら、中間体16のステップ3について記載した手順に従って調製した。
1H NMR (400 MHz, (CD
3)
2SO)
δ 8.05-7.99 (m, 1H), 7.44 (t,
1H), 4.62 (t, 2H), 4.50 (t, 2H), 3.93 (s, 3H), 3.89-3.74 (m, 4H), 2.26-2.11 (m,
4H).
ステップ2:2,6-ジフルオロ-3-(3-フルオロプロピルスルホンアミド)安息香酸の調製。2,6-ジフルオロ-3-(3-フルオロプロピルスルホンアミド)安息香酸は、メチル2,6-ジフルオロ-3-(N-(プロピルスルホニル)プロピルスルホンアミド)ベンゾエートの代わりにメチル2,6-ジフルオロ-3-(N-(3-フルオロプロピルスルホニル)-3-フルオロプロピルスルホンアミド)ベンゾエートを用いながら、中間体P16のステップ4における手順に従って調製した。1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 7.64 (m, 1H), 7.07 (m, 1H), 4.58 (m, 1H),
4.47 (m, 1H), 3.22 (m, 2H), 2.26-2.12 (m, 2H); MS (apci, m/z) = 296.1 (M-H).
中間体P20
2-クロロ-6-フルオロ-3-(3-フルオロプロピルスルホンアミド)安息香酸
ステップ1:メチル2-クロロ-6-フルオロ-3-(3-フルオロ-N-(3-フルオロプロピルスルホニル)プロピルスルホンアミド)ベンゾエートの調製。メチル2-クロロ-6-フルオロ-3-(3-フルオロ-N-(3-フルオロプロピルスルホニル)プロピルスルホンアミド)ベンゾエートは、メチル3-アミノ-2,6-ジフルオロベンゾエートの代わりにメチル3-アミノ-2-クロロ-6-フルオロベンゾエート、プロパン-1-スルホニルクロリドの代わりに3-フルオロプロピルスルホニルクロリドを用いながら、中間体P16のステップ3における手順に従って調製した。
ステップ2:2-クロロ-6-フルオロ-3-(3-フルオロプロピルスルホンアミド)安息香酸の調製。2-クロロ-6-フルオロ-3-(3-フルオロプロピルスルホンアミド)安息香酸(2ステップで93%)が、ベンジル6-クロロ-2-フルオロ-3-(N-(プロピルスルホニル)プロピルスルホンアミド)ベンゾエートの代わりにメチル2-クロロ-6-フルオロ-3-(3-フルオロ-N-(3-フルオロプロピルスルホニル)プロピルスルホンアミド)ベンゾエートを用いながら、中間体P16のステップ4についての手順に従って調製された。1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 7.63 (m, 1H), 7.19 (m, 1H), 4.56 (m, 1H),
4.44 (m, 1H), 3.21 (m, 2H), 2.25-2.12 (m, 2H); MS (apci, m/z) = 312.1, 314.1
(M-H).
中間体P21
N-(3-アミノ-2,4-ジフルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド
2,6-ジフルオロ-3-(プロピルスルホンアミド)安息香酸(4.078g、14.6mmol)のTHF(60mL)溶液に、トリエチルアミン(4.68mL、33.59mmol)およびジフェニルホスホリルアジド(3.73mL、16.79mmol)を加えた。反応混合物を室温で3時間撹拌し、次いで、2時間80℃に加温した。水(10mL)を加え、混合物を80℃で15時間撹拌した。反応混合物をEtOAc(300mL)で希釈し、有機層をNaHCO
3飽和水溶液およびブラインで洗浄した。減圧下で溶媒を除去し、残留物を、30/70のEtOAc/hexaneを溶離液とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、N-(3-アミノ-2,4-ジフルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド(2.03g、55%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 9.32 (s, 1H), 6.90-6.80 (m, 1H), 6.51 (td,
J=8.7, 5.5, 1H), 5.28 (s, 2H), 3.05-2.96 (m, 2H), 1.82-1.64 (m, 2H), 1.01-0.90
(m, 3H); MS (apci, m/z) = 251.1 (M+H).
中間体P22
N-(3-アミノ-4-クロロ-2-フルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド
6-クロロ-2-フルオロ-3-(プロピルスルホンアミド)安息香酸(1.70g、5.75mmol)のTHF(23mL)溶液に、トリエチルアミン(1.84mL、13.2mmol)およびジフェニルホスホリルアジド(1.43mL、6.61mmol)を加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌し、70℃に加温し、1時間撹拌した。水(6mL)を加え、その後、反応混合物を再び70℃で3時間撹拌した。混合物を室温に冷却し、酢酸エチルを加え、層を分離した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。粗生成物を、0~50%のEtOAc/ヘプタンを溶離液とするフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、N-(3-アミノ-4-クロロ-2-フルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド(1.01g、66%)を固体として得た。
1H NMR (500 MHz, (CD
3)
2SO)
δ 9.54 (s, 1H), 7.02 (d, 1H),
6.58 (t, 1H), 5.50 (s, 2H), 3.09-2.95 (t, 2H), 1.81-1.64 (m, 2H), 0.96 (t, 3H);
MS (apci, m/z) = 267.1 (M+H)
中間体P23
N-(3-アミノ-2-クロロ-4-フルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド
表題化合物は、2,6-ジフルオロ-3-(プロピルスルホンアミド)安息香酸に代えて2-クロロ-6-フルオロ-3-(プロピルスルホンアミド)安息香酸を出発材料として使用しながら、中間体P21において記載した手順を使用して調製した。
1H NMR (400 MHz, (CD
3)
2SO)
δ 9.20 (s, 1H), 7.28-6.99 (m,
1H), 6.63 (td, J=8.7, 5.5, 1H), 5.45 (s, 2H), 3.07-2.99 (m, 2H), 1.88-1.69 (m,
2H), 1.03-0.95 (m, 3H); MS (apci, m/z) = 267.1 (M+H).
中間体P24
N-(3-アミノ-2,4-ジフルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド
2,6-ジフルオロ-3-(3-フルオロプロピルスルホンアミド)安息香酸(0.485g、1.63mmol)のDMF(10mL)溶液に、トリエチルアミン(0.682mL、4.89mmol)およびジフェニルホスホリルアジド(0.547mL、2.45mmol)を加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌した。水(1.18mL、65.2mmol)を加え、混合物を80℃で15時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(100mL)で希釈し、有機層をNaHCO
3飽和水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。粗生成物を、ヘキサン/酢酸エチル(4:1)を溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーを使用して精製して、N-(3-アミノ-2,4-ジフルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド(0.34g、77%)を得た。
1H NMR (400 MHz, (CD
3)
2SO)
δ 9.49 (br-s, 1H), 6.87 (m,
1H), 6.52 (m, 1H), 5.33 (br-s, 2H), 4.60 (m, 1H), 4.48 (m, 1H), 3.14 (m, 2H),
2.16-2.03 (m, 2H); MS (apci, m/z) = 267.1 (M-H).
中間体P25
N-(3-アミノ-2-クロロ-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド
ステップ1:メチル3-アミノ-2-クロロ-6-フルオロベンゾエートの調製。2-クロロ-4-フルオロアニリン(0.82mL、6.87mmol)をTHF(54mL)に溶解させ、窒素を還流させながら-78℃に冷却した。反応混合物をn-ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M、2.94mL、7.35mmol)でゆっくりと処理し、全部を加えた後、次いで-78℃で15分間撹拌した。反応混合物を、1,2-ビス(クロロジメチルシリル)エタン(1.55g、7.21mmol)のTHF溶液15mLの滴下によって処理し、全部を加えた後、-78℃で15分間撹拌した。反応混合物を、追加のn-ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M、2.94mL、7.35mmol)でゆっくりと処理し、全部を加えた後、氷浴を外し、反応混合物を30分間かけて温めた。反応混合物を-78℃に再び冷却し、追加のn-ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M、2.94mL、7.35mmol)でゆっくりと処理し、-78℃で30分間撹拌した後、クロロギ酸メチル(0.63mL、7.83mmol)の滴下によって処理した。全部を加えた後、氷浴を外し、反応混合物を1時間撹拌した。反応混合物を4.0M HClで処理し、周囲温度で30分間撹拌し、次いで、固体NaHCO
3を使用して、反応混合物をpH約8に中和した。反応混合物をEtOAcで抽出し(2回)、有機層を合わせ、水およびブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc)によって精製して、メチル3-アミノ-2-クロロ-6-フルオロベンゾエート(1.23g、88%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.08 (t, 1H), 6.95 (t, 1H), 5.51 (s, 2H),
3.89 (s, 3H).
ステップ2:2-クロロ-6-フルオロ-3-((3-フルオロ-N-((3-フルオロプロピル)スルホニル)プロピル)-スルホンアミド)ベンゾエートの調製。窒素中において、250mLのフラスコに、メチル3-アミノ-2-クロロ-6-フルオロベンゾエート(5.09g、25.0mmol)、ジクロロメタン(125mL)、およびトリエチルアミン(10.5mL、75.0mmol)を加えた。溶液を0℃に冷却し、3-フルオロプロパン-1-スルホニルクロリド(6.25mL、52.5mmol)で20分かけて処理した。全部を加えた後、反応混合物を周囲温度で15時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、EtOAcで復元し、これを、0.1N HCl水溶液、次いでブラインで洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、濃縮し、次いで、シリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)によって精製して、メチル2-クロロ-6-フルオロ-3-((3-フルオロ-N-((3-フルオロプロピル)スルホニル)-プロピル)スルホンアミド)ベンゾエートを褐色の液体(10.1g、90%)として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.49-7.52 (dd, 1H), 7.16 (t, 1H), 4.63 (t,
2H), 4.53 (t, 2H), 3.99 (s, 3H), 3.74-3.85 (m, 4H), 2.29-2.39 (m, 4H).
ステップ3:2-クロロ-6-フルオロ-3-((3-フルオロプロピル)スルホンアミド)安息香酸の調製。250mLのフラスコに、メチル2-クロロ-6-フルオロ-3-((3-フルオロ-N-((3-フルオロプロピル)スルホニル)-プロピル)スルホンアミド)ベンゾエート(4.0g、8.85mmol)、テトラヒドロフラン(59.0mL)、メタノール(9.84mL)、および2.0M水酸化カリウム(26.6mL、53.1mmol)を加えた。反応混合物を50℃で14時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、残渣をEtOAcに溶解させ、1M HCl水溶液でpHを約2に調製した。水層をEtOAcで抽出し、合わせた有機層をブライン溶液で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、濃縮して、2-クロロ-6-フルオロ-3-((3-フルオロプロピル)スルホンアミド)安息香酸を褐色の固体(2.15g、77%)として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.58-7.61 (dd, 1H), 7.03 (t, 1H), 4.51 (t,
1H), 4.42 (t, 1H), 3.13 (t, 2H), 2.10-2.21 (m, 2H); MS (apci, m/z) = 312.1
(M-H).
ステップ4:N-(3-アミノ-2-クロロ-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミドの調製。窒素中において、100mLのフラスコに、2-クロロ-6-フルオロ-3-((3-フルオロプロピル)スルホンアミド)安息香酸(2.15g、6.854mmol)、DMF(11.42mL)、およびトリエチルアミン(2.866mL、20.56mmol)を加えた。ジフェニルホスホリルアジド(2.216mL、10.28mmol)を加え、反応混合物を周囲温度で90分間撹拌し、この時点で、水(18.28mL、6.854mmol)を加え、反応混合物を15時間80℃に加熱した。反応混合物をEtOAcで希釈し、NaHCO3飽和水溶液で洗浄した。水層をEtOAcで抽出し(4回)、合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濃縮した。粗材料を、EtOAc/ヘキサンを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーを使用して精製して、N-(3-アミノ-2-クロロ-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド(0.91g、47%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 6.94-7.02 (m, 2H), 6.55 (br-s, 1H), 4.58
(t, 1H), 4.48 (t, 1H), 4.22 (br-s, 2H), 3.22 (t, 2H), 2.16-2.27 (m, 2H); MS
(apci, m/z) = 283.0 (M-H).
中間体P26
N-(3-アミノ-2-クロロ-4-フルオロフェニル)-3-フルオロ-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミド
窒素中において、100mLのフラスコに、N-(3-アミノ-2-クロロ-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド(中間体P25)(2.04g、7.17mmol)およびDMF(28.7mL)を加えた。溶液を0℃に冷却し、鉱油中60%の水素化ナトリウム(0.387g、9.67mmol)で処理した。反応混合物を0℃で15分間撹拌した後、2-(トリメチルシリル)エトキシメチルクロリド(1.53mL、8.60mmol)を5分かけて滴下して加えた。反応混合物は、出発材料がすべて消費されるまで、TLCによってモニターされた。反応混合物をEtOAcおよび水で希釈した。水層をEtOAcで抽出し、合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮した。粗材料を、EtOAc/ヘキサンを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーを使用して精製して、N-(3-アミノ-2-クロロ-4-フルオロフェニル)-3-フルオロ-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミド(2.83g、95%)を白色の固体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 6.99-6.94 (dd, 1H), 6.88-6.84 (dd, 1H),
5.24 (d, 1H), 4.68 (d, 1H), 4.62 (t, 1H), 4.50 (t, 1H), 4.22 (s, 2H), 3.69-3.58
(m, 2H), 3.29 (dd, 2H), 2.34-2.21 (m, 2H), 0.94-0.88 (m, 2H), 0.00 (s, 9H).
中間体P27
N-(3-アミノ-2-クロロ-4-フルオロフェニル)-N-(4-メトキシベンジル)プロパン-1-スルホンアミド
N-(3-アミノ-2-クロロ-4-フルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド(75g、280mmol)をDMF(200mL)に溶解させた。60%の水素化ナトリウム鉱油懸濁液(11.85g、296mmol)を複数回に分けて15分かけて加えた。反応混合物を室温で90分間撹拌し、次いで、2時間40℃に加温した。この均質な混合物を0℃に冷却し、p-メトキシベンジルクロリド(40.03mL、295.25mmol)を5分かけて加えた。反応混合物を撹拌および室温に加温したままにした。14時間後、反応混合物を希塩化アンモニウム溶液(1750mL)中に注ぎ、水層をデカントして、油状物を残した。この油状物を水(2L)で3回摩砕した。残りの生成物を1Lのビーカーに移し、水(800mL)で希釈し、30分間音波処理し、室温で1時間撹拌した。得られる固体を濾過によって収集し、凍結乾燥によって乾燥させて、N-(3-アミノ-2-クロロ-4-フルオロフェニル)-N-(4-メトキシベンジル)プロパン-1-スルホンアミド(111.9g、99%)を得た。
1H NMR (500 MHz, (CD
3)
2SO)
δ = 7.11 (d, J=8.6, 2H), 6.96
(dd, J=10.6, 8.8, 1H), 6.81 (t, J=5.7, 2H), 6.51 (dd, J=8.7, 5.1, 1H), 5.42 (s,
2H), 4.71 (d, J=14.4, 1H), 4.57 (d, J=14.4, 1H), 3.70 (s, 3H), 3.21 (td, J=6.7,
1.4, 2H), 1.77 (dd, J=15.3, 7.5, 2H), 1.00 (t, J=7.4, 3H).
中間体P28
N-(3-アミノ-2-クロロ-4-フルオロフェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミド
0℃のN-(3-アミノ-2-クロロ-4-フルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド(中間体P27)(10.0g、37.5mmol)のDMF(187mL)溶液に、60%の水素化ナトリウム鉱油懸濁液(1.65g、41.2mmol)、および(2-(クロロメトキシ)エチル)トリメチルシラン(6.58mL、39.4mmol)を加え、溶液を周囲温度で4時間撹拌した。反応混合物を水で失活させ、EtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。粗生成物を、5%~35%のEtOAc/ヘキサンを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、N-(3-アミノ-2-クロロ-4-フルオロフェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミド(12.7g、85%)を白色の固体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 6.97 (m, 1H), 6.87 (m, 1H), 5.23 (d, 1H),
4.69 (d, 1H), 4.2 (s, 2H), 3.65 (m, 2H), 3.1 (t, 2H), 1.92 (m, 2H), 1.05 (t,
3H), 0.91 (m, 2H), 0.01 (s, 9H).
中間体P29
N-(3-アミノ-2,4-ジフルオロフェニル)-3-フルオロ-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミド
窒素中において、10mLのフラスコに、N-(3-アミノ-2,4-ジフルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド(中間体P24)(204mg、0.764mmol)およびDMF(3.0mL)を加えた。溶液を0℃に冷却し、鉱油中60%の水素化ナトリウム(41.3mg、1.03mmol)で処理した。反応混合物を0℃で15分間撹拌した後、2-(トリメチルシリル)エトキシメチルクロリド(0.163mL、0.917mmol)を5分かけて滴下して加えた。反応混合物は、出発材料がすべて消費されるまで、TLCによってモニターされた。反応混合物をEtOAcおよび水で希釈した。水層をEtOAcで抽出し、合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗材料を、EtOAc/ヘキサンを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーを使用して精製して、N-(3-アミノ-2,4-ジフルオロフェニル)-3-フルオロ-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミド(59.3mg、20%)を白色の固体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ (ppm) 6.73-6.86 (m, 2H), 4.96 (s, 2H),
4.61 (t, 1H), 4.50 (t, 1H), 3.83 (s, 2H), 3.65 (t, 2H), 3.26 (t, 2H), 2.18-2.31
(m, 2H), 0.92 (t, 2H), 0.01 (s, 9H).
中間体P30
N-(3-アミノ-2,4-ジフルオロフェニル)-N-(4-メトキシベンジル)プロパン-1-スルホンアミド
0℃のN-(3-アミノ-2,4-ジフルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド(1.05g、4.196mmol)のDMF(20mL)溶液に、60%の水素化ナトリウム鉱油懸濁液(0.1678g、4.196mmol)を加え、混合物を0℃で15分間撹拌した。反応混合物に1-(クロロメチル)-4-メトキシベンゼン(0.5694mL、4.196mmol)を加え、反応混合物を周囲温度で1時間撹拌した。溶液を水で失活させ、EtOAcで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮し、5%~50%のEtOAc/ヘキサンを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、N-(3-アミノ-2,4-ジフルオロフェニル)-N-(4-メトキシベンジル)プロパン-1-スルホンアミド(0.789g、51%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.14 (d, 2H), 6.78 (d, 2H), 6.67 (m, 1H),
6.42 (m, 1H), 4.69 (s, 2H), 3.77 (s, 3H), 3.06 (t, 2H), 1.92 (m, 2H), 1.06 (t,
3H).
中間体P31
N-(3-アミノ-2-クロロフェニル)-3-フルオロ-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミド
ステップ1:N-(2-クロロ-3-ニトロフェニル)-3-フルオロ-N-((3-フルオロプロピル)スルホニル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。2-クロロ-3-ニトロアニリン(1.0g、5.79mmol)のCH
2Cl
2(29.0mL)溶液を、トリエチルアミン(1.01mL、7.24mmol)に続いて3-フルオロ-プロパン-1-スルホニルクロリド(1.47mL、11.6mmol)で処理し、混合物を周囲温度で2時間撹拌した。追加のトリエチルアミン(1.01mL、7.24mmol)および3-フルオロ-プロパン-1-スルホニルクロリド(1.47mL、11.6mmol)を加え、混合物を周囲温度で30分間撹拌した。50mLの0.5N HCl溶液を加え、層を混合し、分離した。有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、N-(2-クロロ-3-ニトロフェニル)-3-フルオロ-N-((3-フルオロプロピル)スルホニル)プロパン-1-スルホンアミド(2.44g、99%)を得、それ以上精製せずに使用した。
ステップ2:N-(2-クロロ-3-ニトロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミドの調製。N-(2-クロロ-3-ニトロフェニル)-3-フルオロ-N-((3-フルオロプロピル)スルホニル)プロパン-1-スルホンアミド(2.44g、5.80mmol)のTHF(11.6mL)およびMeOH(3.87mL)溶液に、NaOH(5.80mL、11.6mmol、2.0M水溶液)を加え、混合物を周囲温度で30分間撹拌した。1N HCl(10mL)を加えて反応混合物を失活させ、混合物を濃縮してMeOHを除去した。混合物をEtOAcで抽出し、合わせた抽出物をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物を、5%のEtOAc/DCMを溶離液とするカラムクロマトグラフィーによって精製して、N-(2-クロロ-3-ニトロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド(0.933g、54%)を黄色の固体として得た。
ステップ3:N-(3-アミノ-2-クロロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミドの調製。N-(2-クロロ-3-ニトロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド(0.933g、3.14mmol)のEtOH(15.7mL)および水(3.93mL)溶液に、鉄粉(1.76g、31.4mmol)を1回で加えた後、NH4Cl(0.168g、3.14mmol)を加えた。混合物を2.5時間80℃に加熱した。混合物をCelite(登録商標)で濾過し、MeOHで洗浄し、濾液を濃縮した。粗残渣をEtOAcに溶解させ、水で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物を、5%~40%のEtOAc/ヘキサンを溶離液とするカラムクロマトグラフィーによって精製して、N-(3-アミノ-2-クロロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミドを橙色の油状物(0.711g、84%)として得た。
ステップ4:N-(3-アミノ-2-クロロフェニル)-3-フルオロ-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。N-(3-アミノ-2-クロロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド(0.679g、2.55mmol)のDMF(10.2mL)溶液を、水/氷浴において0℃に冷却した。溶液を鉱油中60%の水素化ナトリウム(0.137g、3.44mmol)で処理し、混合物を15分間撹拌した。次いで、2-(トリメチルシリル)エトキシメチルクロリド(0.541mL、3.05mmol)を滴下して加え、混合物を0℃でさらに1時間撹拌した。NH4Cl飽和水溶液を加えて反応混合物を失活させ、混合物を周囲温度に加温し、EtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物を、10%~30%のEtOAc/ヘキサンを溶離液とするカラムクロマトグラフィーによって精製して、N-(3-アミノ-2-クロロフェニル)-3-フルオロ-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミド(0.726g、71%)を濃厚な淡黄色の油状物として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.09 (t, 1H); 6.90 (dd, 1H); 6.80 (dd,
1H); 5.26 (br-m, 1H); 4.74 (br-m, 1H); 4.62 (t, 1H); 4.51 (t, 1H); 4.18 (br-s,
2H); 3.65 (br-m, 2H); 3.31 (m, 2H); 2.29 (m, 2H); 0.92 (m, 2H); 0.01 (s, 9H).
中間体P32
N-(3-アミノ-4-フルオロ-2-メチルフェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミド
ステップ1:6-フルオロ-2-メチル-3-(プロピルスルホンアミド)安息香酸の調製。メチル3-アミノ-6-フルオロ-2-メチルベンゾエート(900mg、4.913mmol)およびトリエチルアミン(2.05mL、14.74mmol)のジクロロメタン(19.6mL)溶液に、プロパン-1-スルホニルクロリド(1.38mL、12.28mmol)を加え、混合物を周囲温度で30分間撹拌した。反応混合物をNaHCO
3飽和水溶液で失活させ、DCMで抽出した。合わせた有機抽出物をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をテトラヒドロフラン(19.6mL)およびメタノール(4.9mL)に溶解させ、50℃において2.0M水酸化カリウム(14.7mL、29.48mmol)で60時間処理した。溶液を濃縮し、Et
2Oで洗浄した。水層を濃HClでpH約2に調整し、4:1のDCM/IPAで抽出した。有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、6-フルオロ-2-メチル-3-(プロピルスルホンアミド)安息香酸(1.13g、84%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 9.2 (s, 1H), 7.35 (m, 1H), 7.15 (t, 1H),
3.08 (m, 2H), 2.3 (s, 3H), 1.73 (m, 2H), 0.99 (t, 3H).
ステップ2:N-(3-アミノ-4-フルオロ-2-メチルフェニル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。6-フルオロ-2-メチル-3-(プロピルスルホンアミド)安息香酸(1.13g、4.105mmol)のDMF(41.05mL)溶液に、トリエチルアミン(1.716mL、12.31mmol)およびジフェニルホスホリルアジド(1.33mL、6.157mmol)を加えた。溶液を周囲温度で1時間撹拌した。次いで、水(5.86mL、4.105mmol)を加え、溶液を終夜80℃に加熱した。溶液を水で失活させ、EtOAcで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮し、10:90のEtOAc/ヘキサンを溶離液とするカラムクロマトグラフィーによって精製して、N-(3-アミノ-4-フルオロ-2-メチルフェニル)プロパン-1-スルホンアミド(0.88g、87%)を得た。MS (apci, m/z) = 247.1 [M+H].
ステップ3:0℃のN-(3-アミノ-4-フルオロ-2-メチルフェニル)プロパン-1-スルホンアミド(880mg、3.57mmol)のDMF(23.8mL)溶液に、水素化ナトリウム(60%の鉱油懸濁液、193mg、4.82mmol)および(2-(クロロメトキシ)エチル)トリメチルシラン(717μL、4.29mmol)を加え、反応液を周囲温度で終夜撹拌した。反応混合物を水で失活させ、EtOAcで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮し、10%~50%のEtOAc/ヘキサンを溶離液とする60%の水素化ナトリウム鉱油懸濁液によって精製して、N-(3-アミノ-4-フルオロ-2-メチルフェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミド(590mg、44%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 6.87 (m, 1H), 6.78 (m, 1H), 5.2 (d, 1H),
4.48 (d, 1H), 3.58 (t, 2H), 3.14 (t, 2H), 2.19 (s, 3H), 1.89 (m, 2H), 1.15 (t,
3H), 0.94 (m, 2H), 0.01 (s, 9H).
中間体P33
N-(3-アミノ-2,4,5-トリフルオロフェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミド
ステップ1:メチル3-アミノ-2,5,6-トリフルオロベンゾエートの調製。2,4,5-トリフルオロアニリン(3.00g、20.394mmol)をTHF(100mL)に溶解させ、N
2を還流させながら-78℃に冷却した。反応混合物をn-ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M、8.97mL、22.434mmol)でゆっくりと処理し、-78℃で15分間撹拌した。反応混合物を、1,2-ビス(クロロジメチルシリル)エタン(4.61g、21.414mmol)のTHF溶液(50mL)の滴下によって処理し、全部を加えた後、-78℃で15分間撹拌した。反応混合物を追加のn-ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M、8.97mL、22.434mmol)でゆっくりと処理した。氷浴を外し、反応混合物を30分間温めた。反応混合物を再び-78℃に冷却し、追加のn-ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M、8.97mL、22.434mmol)でゆっくりと処理し、-78℃で30分間撹拌した。反応混合物をクロロギ酸メチル(2.36mL、30.591mmol)の滴下によって処理した。冷浴を外し、混合物を1時間撹拌した。反応混合物を水で失活させ、4.0M HClを使用してpH約1に酸性化し、室温で30分間撹拌した。固体NaHCO
3を使用して反応混合物をpH約8に調整し、EtOAcで抽出した(2回)。合わせた有機抽出物を水、ブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物を、5:95のヘキサン/酢酸エチルを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーに続き、0.1%のを含有する5:95の水/アセトニトリルを溶離液とする逆相C18クロマトグラフィーによって精製した。産物を、DCMとNaHCO
3飽和水溶液とに分配した。有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、メチル3-アミノ-2,5,6-トリフルオロベンゾエート(2.34g、56%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 6.88 (m, 1H), 5.58 (s, 2H), 3.87 (s, 3H).
ステップ2:メチル2,3,6-トリフルオロ-5-(N-(プロピルスルホニル)プロピルスルホンアミド)ベンゾエートの調製。メチル3-アミノ-2,5,6-トリフルオロベンゾエート(2.32g、11.31mmol)およびトリエチルアミン(4.729mL、33.93mmol)のジクロロメタン(45.24mL)溶液に、プロパン-1-スルホニルクロリド(3.170mL、28.27mmol)を加え、混合物を周囲温度で30分間撹拌した。反応混合物を水で失活させ、DCMで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、濾過し、濃縮し、5%~50%のEtOAc/ヘキサンを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、メチル2,3,6-トリフルオロ-5-(N-(プロピルスルホニル)プロピルスルホンアミド)ベンゾエート(3.08g、65%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.37 (m, 1H), 3.99 (s, 3H), 3.63 (m, 2H),
3.49 (m, 2H), 1,94 (m, 4H), 1.1 (t, 6H).
ステップ3:2,3,6-トリフルオロ-5-(プロピルスルホンアミド)安息香酸の調製。メチル2,3,6-トリフルオロ-5-(N-(プロピルスルホニル)プロピルスルホンアミド)ベンゾエート(3.08g、7.38mmol)のメタノール(8.20mL)およびテトラヒドロフラン(49.2mL)溶液に、2.0M水酸化カリウム(22.1mL、44.3mmol)を加え、混合物を終夜50℃に加熱した。真空下でTHF/MeOHを除去し、残渣を水で希釈し、エーテルで洗浄した。水層を濃HClでpH約2に調整し、4:1のDCM/IPAで抽出した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、2,3,6-トリフルオロ-5-(プロピルスルホンアミド)安息香酸(1.6g、73%)を得た。MS (apci, m/z) = 296.1 [M-H].
ステップ4:N-(3-アミノ-2,4,5-トリフルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。2,3,6-トリフルオロ-5-(プロピルスルホンアミド)安息香酸(1.6g、5.383mmol)のDMF(53.83mL)溶液に、トリエチルアミン(2.251mL、16.15mmol)およびジフェニルホスホリルアジド(1.740mL、8.074mmol)を加えた。溶液を周囲温度で1時間撹拌した。次いで、水(7.690mL、5.383mmol)を加え、反応混合物を24時間80℃に加熱した。溶液を水で失活させ、EtOAcで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮し、50%のEtOAc/ヘキサンを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、N-(3-アミノ-2,4,5-トリフルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド(0.733g、51%)を得た。MS (apci, m/z) = 267.0 [M-H].
ステップ5:N-(3-アミノ-2,4,5-トリフルオロフェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。0℃のN-(3-アミノ-2,4,5-トリフルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド(733mg、2.73mmol)のDMF(13.7mL)溶液に、60%の水素化ナトリウム鉱油懸濁液(148mg、3.69mmol)および(2-(クロロメトキシ)エチル)トリメチルシラン(582μL、3.28mmol)を加え、反応混合物を周囲温度で30分間撹拌した。反応混合物を水で失活させ、EtOAcで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮し、残渣を、5%~50%のEtOAc/ヘキサンを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、N-(3-アミノ-2,4,5-トリフルオロフェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミド(1.02g、94%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 6.66 (m, 1H), 4.93 (s, 2H), 3.97 (br-s,
2H), 3.65 (m, 2H), 3.07 (m, 2H), 1.88 (m, 2H), 1.04 (t, 3H), 0.91 (m, 2H), 0.02
(s, 9H).
中間体P34
N-(3-ブロモ-2-クロロフェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミド
ステップ1:N-(3-ブロモ-2-クロロフェニル)-N-(プロピルスルホニル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。3-ブロモ-2-クロロアニリン(2.026g、9.813mmol)をDCM(20mL)に溶解させ、トリエチルアミン(4.103mL、29.44mmol)で処理した。1-プロパンスルホニルクロリド(2.420mL、21.59mmol)を加え、反応混合物を周囲温度で16時間撹拌した。16時間後、追加のトリエチルアミン(2.05mL、14.72mmol、1.5当量)および1-プロパンスルホニルクロリド(1.21mL、10.79mmol、1.1当量)を加え、反応混合物を周囲温度で2時間撹拌した。反応混合物をDCM(20mL)で希釈し、NaHCO
3飽和水溶液(50mL)で洗浄した。有機相を分離し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、N-(3-ブロモ-2-クロロフェニル)-N-(プロピルスルホニル)プロパン-1-スルホンアミド(4.1g、99%)を得た。材料は、それ以上精製せずにステップ2においてそのまま使用した。
ステップ2:N-(3-ブロモ-2-クロロフェニル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。N-(3-ブロモ-2-クロロフェニル)-N-(プロピルスルホニル)プロパン-1-スルホンアミド(4.1g、9.81mmol)をTHF(50mL)に溶解させ、1.0M水酸化ナトリウム(19.63mL、19.63mmol)で処理した。反応混合物を周囲温度で2時間撹拌した。反応混合物を水で希釈し、4.0M HClを使用してpH約4に調整した。水相をDCM(2×50mL)で抽出した。有機相を合わせ、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、褐色の油状物とした。粗材料を、14%のEtOAc/86%のヘキサンを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーを使用して精製して、N-(3-ブロモ-2-クロロフェニル)プロパン-1-スルホンアミドを黄色の固体(2.90g、95%)として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.66 (dd, 1H) , 7.43 (dd, 1H), 7.16 (t,
1H), 6.85 (s, 1H), 3.11-3.05 (m, 2H), 1.91-1.81 (m, 2H), 1.04 (t, 3H).
ステップ3:N-(3-ブロモ-2-クロロフェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。アルゴン中で、N-(3-ブロモ-2-クロロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド(1.063g、3.40mmol)をDMF(18mL)に溶解させ、氷/水浴において10分間冷却した。反応混合物に、60%の水素化ナトリウム鉱油懸濁液(0.1428g、3.57mmol)を加え、反応混合物を、気体発生が止むまで約15分間撹拌した。(2-(クロロメトキシ)エチル)トリメチルシラン(0.724mL、4.08mmol)を加え、反応混合物をアルゴン中で45分間周囲温度に温めた。溶液をH2O(50mL)で失活させ、生成物をEtOAc(50mL)で抽出した。有機相をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮し、残渣を、5%~50%のEtOAc/ヘキサンを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、N-(3-ブロモ-2-クロロフェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミドを淡黄色の油状物(1.38g、92%)として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.56 (dd, 1H), 7.47 (dd, 1H), 7.19 (t,
1H), 5.22 (d,1H), 4.78 (d, 1H), 3.67 (d, 2H), 3.13-3.06 (m, 2H), 1.98-1.84 (m,
2H), 1.05 (t, 3H), 0.99-0.81(m, 2H), 0.01 (s, 9H).
中間体P35
N-(3-ブロモ-2,5-ジクロロフェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミド
ステップ1:N-(3-ブロモ-2,5-ジクロロフェニル)-N-(プロピルスルホニル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。DCM(30mL)中の3-ブロモ-2,5-ジクロロアニリン(1.0g、4.151mmol)およびプロパン-1-スルホニルクロリド(1.070mL、9.547mmol)に、トリエチルアミン(1.794mL、12.87mmol)を加え、混合物を周囲温度で60時間撹拌した。反応混合物を水(100mL)で失活させ、水層をDCM(2×40mL)で抽出した。有機層を合わせ、ブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、N-(3-ブロモ-2,5-ジクロロフェニル)-N-(プロピルスルホニル)プロパン-1-スルホンアミド(1.87g、99%)を得、これを精製せずに次のステップでそのまま使用した。
ステップ2:N-(3-ブロモ-2,5-ジクロロフェニル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。N-(3-ブロモ-2,5-ジクロロフェニル)-N-(プロピルスルホニル)プロパン-1-スルホンアミド(1.87g、4.13mmol、1.92M)のアセトニトリル(40mL)溶液に、炭酸ナトリウム一水和物(15mL、28.9mmol)を加え、反応混合物を6時間80℃に加熱した。反応混合物を濃縮してアセトニトリルを除去し、10%のクエン酸水溶液を加えて、pHを約3に調整した。生成物をDCM(3×50mL)で抽出し、有機層を合わせ、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、濃褐色の固体を得、これを、20%のEtOAc/ヘキサンを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、N-(3-ブロモ-2,5-ジクロロフェニル)プロパン-1-スルホンアミドを淡褐色の固体(700mg、49%)として得た。MS (apci, m/z) = 343.9 (M-H).
ステップ3:N-(3-ブロモ-2,5-ジクロロフェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-プロパン-1-スルホンアミドの調製N-(3-ブロモ-2,5-ジクロロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド(645mg、1.859mmol)をアルゴン中でDMF(9.2mL)に溶解させ、混合物を氷/水浴で冷却した。反応混合物に(81.77mg、2.044mmol)を加え、反応混合物を0℃で30分間撹拌した。(2-(クロロメトキシ)エチル)トリメチルシラン(395.6μL、2.230mmol)を加え、反応混合物を終夜周囲温度に加温した。溶液をH2O(50mL)で失活させ、生成物をEtOAc(50mL)で抽出した。有機相をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(5~50%のEtOAc/ヘキサン)によって精製して、N-(3-ブロモ-2,5-ジクロロフェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミドを黄色の油状物(575.8mg、65%)として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.68 (d, 1H), 7.47 (d, 1H), 5.21 (d, 1H),
4.74 (d, 1H), 3.67 (d, 2H), 3.14-3.05 (m, 2H), 1.98-1.85 (m, 2H), 1.06 (t, 3H),
0.99-0.82 (m, 2H), 0.02 (s, 9H).
中間体P36
N-(3-ブロモ-2-フルオロ-5-メチルフェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミド
ステップ1:N-(3-ブロモ-2-フルオロ-5-メチルフェニル)-N-(プロピルスルホニル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。3-ブロモ-2-フルオロ-5-メチルアニリン(500mg、2.450mmol)およびプロパン-1-スルホニルクロリド(631.8μL、5.636mmol)のDCM(24.5mL)溶液に、トリエチルアミン(1059μL、7.596mmol)を加え、混合物を周囲温度で16時間撹拌した。反応混合物を100mLの水で失活させ、水層をDCM(2×40mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮して、N-(3-ブロモ-2-フルオロ-5-メチルフェニル)-N-(プロピルスルホニル)プロパン-1-スルホンアミド(1.01g、99%)を橙色の固体として得、これを次のステップでそのまま使用した。
ステップ2:N-(3-ブロモ-2-フルオロ-5-メチルフェニル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。N-(3-ブロモ-2-フルオロ-5-メチルフェニル)-N-(プロピルスルホニル)プロパン-1-スルホンアミド(1.01g、2.40mmol)のアセトニトリル(25mL)溶液に、炭酸ナトリウム(15mL、18.16mmol、1.2M)を加え、反応混合物を1時間80℃に加熱した。反応混合物を濃縮してアセトニトリルを除去し、10%のクエン酸水溶液を加えて、pHを約3に調整した。生成物をDCM(3×50mL)で抽出し、合わせた有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、濃褐色の固体を得、これを、10%のEtOAc/DCMを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、N-(3-ブロモ-2-フルオロ-5-メチルフェニル)プロパン-1-スルホンアミドを白色の固体(650.9mg、81%)として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.37-7.32 (m, 1H), 7.17-7.12 (m, 1H), 6.48
(s, 1H), 3.12-3.05 (m, 2H), 2.31 (s, 3H), 1.93-1.81 (m, 2H), 1.05 (t, 3H).
ステップ3:N-(3-ブロモ-2-フルオロ-5-メチルフェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。N-(3-ブロモ-2-フルオロ-5-メチルフェニル)プロパン-1-スルホンアミド(524mg、1.689mmol)をアルゴン中でDMF(8.45mL)に溶解させ、混合物を氷/水浴で冷却した。反応混合物に、60%の水素化ナトリウム鉱油懸濁液(74.32mg、1.858mmol)を加え、反応混合物を0℃で30分間撹拌した。(2-(クロロメトキシ)エチル)トリメチルシラン(359.5μL、2.027mmol)を加え、反応混合物を1時間周囲温度に加温した。反応混合物を10%のクエン酸水溶液(50mL)で失活させ、水層をEtOAc(50mL)で抽出した。有機相をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、黄色の油状物を得、これを、20%のEtOAc/ヘキサンを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、N-(3-ブロモ-2-フルオロ-5-メチルフェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミドを白色の結晶(588.4mg、79%)として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.40-7.36 (m, 1H), 7.20-7.16 (m, 1H), 4.98
(s, 2H), 3.72-3.66 (m, 2H), 3.10-3.03 (m, 2H), 2.33 (s, 3H), 1.95-1.83 (m, 2H),
1.06 (t, 3H), 0.95-0.88 (m, 2H), 0.01 (s, 9H).
中間体P37
N-(3-ブロモ-5-クロロ-2-フルオロフェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミド
ステップ1:N-(3-ブロモ-5-クロロ-2-フルオロフェニル)-N-(プロピルスルホニル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。DCM(30mL)中の3-ブロモ-5-クロロ-2-フルオロアニリン(900mg、4.010mmol)およびプロパン-1-スルホニルクロリド(1034μL、9.222mmol)に、トリエチルアミン(1733μL、12.43mmol)を加え、混合物を室温で16時間撹拌した。反応混合物を100mLの水で失活させ、水層をDCM(2×40mL)で抽出した。有機層を合わせ、ブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、N-(3-ブロモ-5-クロロ-2-フルオロフェニル)-N-(プロピルスルホニル)プロパン-1-スルホンアミド(1.7g、95%)を得、これを精製せずに次のステップでそのまま使用した。
ステップ2:N-(3-ブロモ-5-クロロ-2-フルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。N-(3-ブロモ-5-クロロ-2-フルオロフェニル)-N-(プロピルスルホニル)プロパン-1-スルホンアミド(1.7g、4.01mmol)のアセトニトリル(30mL)溶液に、炭酸ナトリウム(15mL、28.5mmol、1.9M)を加え、反応液を1時間80℃に加熱した。反応混合物を濃縮し、10%のクエン酸水溶液(50mL)およびEtOAc(50mL)でpHを約3に調整した。層を分離し、水層をEtOAc(3×50mL)で抽出した。有機層を合わせ、ブライン(25mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、淡褐色の固体を得、これを、ヘキサン/EtOAc(9:1)を溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、N-(3-ブロモ-5-クロロ-2-フルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミドを白色の固体(1.3g、97%)として得た。MS (apci, m/z) = 327.9, 329.9 (M-H).
ステップ3:N-(3-ブロモ-5-クロロ-2-フルオロフェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。N-(3-ブロモ-5-クロロ-2-フルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド(1g、3.025mmol)をアルゴン中でDMF(15mL)に溶解させ、氷浴で5分間冷却した。反応混合物に、60%の水素化ナトリウム鉱油懸濁液(0.1331g、3.327mmol)を加え、反応混合物を0℃で30分間撹拌した。(2-(クロロメトキシ)エチル)トリメチルシラン(0.644mL、3.630mmol)を加え、氷浴を外し、反応混合物を1時間周囲温度に加温した。水(50mL)を加えて反応混合物を失活させ、生成物をEtOAc(3×50mL)で抽出した。有機相を合わせ、ブライン(50mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥さ、濾過し、濃縮して、褐色の油状物を得、これを、ヘキサン/EtOAc(9:1)を溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、N-(3-ブロモ-5-クロロ-2-フルオロフェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミドを透明な油状物(751.9mg、54%)として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.60-7.56 (m, 1H), 7.43-7.39 (m, 1H), 4.97
(s, 2H), 3.71-3.63 (m, 2H), 3.12-3.04 (m, 2H), 1.95-1.83 (m, 2H), 1.07 (t, 3H),
0.96-0.88 (m, 2H), 0.02 (s, 9H).
中間体P38
N-(3-ブロモ-2,5-ジフルオロフェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミド
ステップ1:N-(3-ブロモ-2,5-ジフルオロフェニル)-N-(プロピルスルホニル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。3-ブロモ-2,5-ジフルオロアニリン塩酸塩(1g、4.091mmol)およびプロパン-1-スルホニルクロリド(0.963mL、8.59mmol)のDCM(41mL)溶液に、トリエチルアミン(1.768mL、12.68mmol)を加えた。反応混合物を周囲温度で16時間撹拌し、次いで、水(100mL)で失活させた。層を分離し、水層をDCM(2×40mL)で抽出した。有機層を合わせ、ブライン(50mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、N-(3-ブロモ-2,5-ジフルオロフェニル)-N-(プロピルスルホニル)プロパン-1-スルホンアミド(1.6g、93%)を得、これを次のステップでそのまま使用した。
ステップ2:N-(3-ブロモ-2,5-ジフルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。N-(3-ブロモ-2,5-ジフルオロフェニル)-N-(プロピルスルホニル)プロパン-1-スルホンアミド(1.6g、3.81mmol)のアセトニトリル(30mL)溶液に、炭酸ナトリウム(15mL、26.6mmol、1.77M)を加え、反応混合物を1時間80℃に加熱した。反応混合物を濃縮して、アセトニトリルを除去し、10%のクエン酸水溶液(50mL)およびEtOAc(50mL)でpHを約3に調整した。層を分離し、水層をEtOAc(3×50mL)で抽出した。有機層を合わせ、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、淡褐色の固体を得、これを、ヘキサン/EtOAc(9:1)を溶離液としながらシリカゲルで精製して、N-(3-ブロモ-2,5-ジフルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミドを白色の固体(844mg、71%)として得た。MS (apci, /z) = 311.9, 313.9 (M-H).
ステップ3:N-(3-ブロモ-2,5-ジフルオロフェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。N-(3-ブロモ-2,5-ジフルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド(700mg、2.228mmol)をアルゴン中でDMF(11mL)に溶解させ、氷/水浴で5分間冷却した。60%の水素化ナトリウム鉱油懸濁液(93.58mg、2.340mmol)を加え、反応混合物を、気体発生が止むまで撹拌した。(2-(クロロメトキシ)エチル)トリメチルシラン(474.3μL、2.674mmol)を加え、反応混合物を16時間かけて周囲温度に加温した。反応混合物を水(50mL)およびEtOAc(50mL)で失活させた。有機相をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、褐色の固体を得た。固体を、ヘキサン/EtOAc(1:1)を溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、N-(3-ブロモ-2,5-ジフルオロフェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミドを白色の結晶(801.4mg、81%)として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.37-7.32 (m, 1H), 7.21-7.16 (m, 1H), 4.98
(s, 2H), 3.70-3.64 (m, 2H), 3.11-3.05 (m, 2H), 1.94-1.84 (m, 2H), 1.07 (t, 3H),
0.95-0.88 (m, 2H), 0.02 (s, 9H).
中間体P39
N-(3-ブロモ-2-クロロ-5-フルオロフェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミド
ステップ1:N-(3-ブロモ-2-クロロ-5-フルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。3-ブロモ-2-クロロ-5-フルオロアニリン(2.38g、10.60mmol)をDCM(105mL)に溶解させ、次いで、トリエチルアミン(4.434mL、31.81mmol)および1-プロパンスルホニルクロリド(2.615mL、23.33mmol)で順次処理した。反応混合物を周囲温度で1.5時間撹拌した。反応混合物をDCM(250mL)で希釈し、飽和NaHCO
3で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮乾燥した。残渣をTHF(50mL)に溶解させ、水酸化カリウム(15.91mL、31.81mmol)で処理し、周囲温度で30分間撹拌した。4.0M HClを使用して反応混合物をpH約4に酸性化し、次いで、DCM(2×200mL)で抽出した。有機層を合わせ、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮乾燥した。残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc)によって精製して、N-(3-ブロモ-2-クロロ-5-フルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド(3.14g、90%)を得た。
1H NMR (500 MHz, (CD
3)
2SO)
δ = 9.83 (s, 1H), 7.67-7.64
(dd, 1H), 7.40-7.36 (dd, 1H), 3.23-3.19 (m, 2H), 1.79-1.69 (m, 2H), 0.99-0.95
(t, 3H).
ステップ2:N-(3-ブロモ-2-クロロ-5-フルオロフェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。N-(3-ブロモ-2-クロロ-5-フルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド(3.14g、9.50mmol)をDMF(48mL)に溶解させ、氷/水浴で冷却した。60%の水素化ナトリウム鉱油懸濁液(0.570g、14.2mmol)を加え、反応液を、気体発生が止むまで撹拌した。2-(トリメチルシリル)エトキシメチルクロリド(2.02mL、11.4mmol)を加え、反応混合物を周囲温度に加温し、16時間撹拌した。反応混合物を水(50mL)で処理し、EtOAc(2×250mL)で抽出し、次いで、合わせた有機層を、水(3×100mL)およびブライン(1×50mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮乾燥した。残渣を、ヘキサン/EtOAcを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、N-(3-ブロモ-5-クロロ-2-フルオロフェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミド(4.00g、91%)を得た。1H NMR (500 MHz, (CD3)2SO)
δ = 7.96-7.93 (dd, 1H),
7.63-7.60 (dd, 1H), 5.15-5.10 (m, 1H), 4.83-4.78 (m, 1H), 3.68-3.60 (m, 2H),
3.37-3.28 (m, 2H), 1.83-1.73 (m, 2H), 1.03-1.00 (t, 3H), 0.88-0.84 (t, 2H),
0.00 (s, 9H).
中間体P40
N-(3-ブロモ-2-クロロ-5-フルオロフェニル)-3-フルオロ-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミド
ステップ1:N-(3-ブロモ-2-クロロ-5-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミドの調製。3-ブロモ-2-クロロ-5-フルオロアニリン(1.10g、4.90mmol)をDCM(50mL)に溶解させ、次いで、トリエチルアミン(2.05mL、14.7mmol)および3-フルオロ-プロパン-1-スルホニルクロリド(1.28mL、10.8mmol)で順次処理した。反応混合物を周囲温度で1時間撹拌した。反応混合物を追加のDCM(100mL)で希釈し、飽和NaHCO
3(1×100mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮乾燥した。残渣をTHF(50mL)に溶解させ、2.0M水酸化カリウム(7.35mL、14.7mmol)で処理し、周囲温度で30分間撹拌した。4.0M HClを使用して反応混合物をpH約4に酸性化し、次いで、DCM(2×200mL)で抽出し、次いで、合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮乾燥した。残渣を、ヘキサン/EtOAcを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、N-(3-ブロモ-2-クロロ-5-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド(1.29g、76%)を得た。
1H NMR (500 MHz, (CD
3)
2SO)
δ = 10.00 (s, 1H), 7.70-7.67
(dd, 1H), 7.41-7.38 (dd, 1H), 4.61-4.58 (t, 1H), 4.49-4.47 (t, 1H), 3.35-3.31
(m, 2H), 2.18-2.05 (m, 2H).
ステップ2:N-(3-ブロモ-2-クロロ-5-フルオロフェニル)-3-フルオロ-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。N-(3-ブロモ-2-クロロ-5-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド(1.29g、3.70mmol)をDMF(19mL)に溶解させ、0℃に冷却し、次いで、水素化ナトリウム(60%の鉱油懸濁液、0.222g、5.55mmol)および2-(トリメチルシリル)エトキシメチルクロリド(0.788mL、4.44mmol)で順次処理した。反応混合物を周囲温度に温め、16時間撹拌した。反応混合物を水(50mL)で処理し、EtOAc(2×200mL)で抽出し、次いで、合わせた有機層を、水(3×100mL)およびブライン(1×50mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮乾燥した。残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc)によって精製して、N-(3-ブロモ-2-クロロ-5-フルオロフェニル)-3-フルオロ-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミド(1.24g、70%)を得た。1H NMR (500 MHz, (CD3)2SO)
δ = 7.98-7.95 (dd, 1H),
7.66-7.63 (dd, 1H), 5.17-5.14 (m, 1H), 4.83-4.80 (m, 1H), 4.65-4.62 (t, 1H),
4.53-4.50 (t, 1H), 3.69-3.60 (m, 2H), 3.51-3.42 (m, 2H), 2.20-2.10 (m, 2H),
0.89-0.85 (m, 2H), 0.00 (s, 9H).
中間体P41
3-フルオロ-N-(2,4,5-トリフルオロ-3-ヨードフェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミド
ステップ1:2,4,5-トリフルオロ-3-ヨードアニリンの調製。2,4,5-トリフルオロアニリン(3.0g、20.394mmol)の150mLのTHF溶液を、窒素中で-78℃に冷却し、溶液をn-ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M、8.97mL、22.43mmol)でゆっくりと処理し、-78℃で15分間撹拌した。次いで、反応液に、1,2-ビス(クロロジメチルシリル)エタン(4.61g、21.4mmol)の50mLのTHF溶液をゆっくりと加え、15分間撹拌した。次いで、n-ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M、8.97mL、22.43mmol)をゆっくりと加え、反応混合物を-78℃の浴から移し、30分間温めた。反応混合物を再び-78℃に冷却し、n-ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M、8.97mL、22.43mmol)をゆっくりと加え、-78℃で30分間撹拌した。次いで、ヨウ素(7.764g、30.59mmol)の50mLのTHF溶液をゆっくりと加え、反応混合物を周囲温度で1時間撹拌した。溶液を約10mLの4M HClで失活させ、30分間撹拌した。次いで、20mLの飽和チオ硫酸ナトリウムを加え、溶液を固体NaHCO
3でpH約8に調整し、15分間撹拌した。溶液を水で失活させ、EtOAcで抽出した。有機層を水、ブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物を、10%~50%のEtOAc/ヘキサンを溶離液としながらシリカで精製して、2,4,5-トリフルオロ-3-ヨードアニリン(5.1g、92%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 6.66 (m, 1H), 3.78 (br-s, 2H).
ステップ2:3-フルオロ-N-(2,4,5-トリフルオロ-3-ヨードフェニル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。0℃の2,4,5-トリフルオロ-3-ヨードアニリン(2.5g、9.16mmol)のジクロロメタン(45.8mL)溶液に、3-フルオロプロパン-1-スルホニルクロリド(2.29mL、19.2mmol)およびトリエチルアミン(3.83mL、27.5mmol)を加え、混合物を周囲温度で30分間撹拌した。反応混合物を水で失活させ、DCMで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をアセトニトリル(45.8mL)に溶解させ、60℃において2.0M Na2CO3(36.6mL、73.3mmol)で45分間処理した。10%のクエン酸でpHを約3に調整した。反応混合物を水で失活させ、DCMで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、3-フルオロ-N-(2,4,5-トリフルオロ-3-ヨードフェニル)プロパン-1-スルホンアミド(2.72g、75%)を得た。MS (apci, m/z) = 395.9 [M-H].
ステップ3:3-フルオロ-N-(2,4,5-トリフルオロ-3-ヨードフェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。0℃の3-フルオロ-N-(2,4,5-トリフルオロ-3-ヨードフェニル)-プロパン-1-スルホンアミド(2.72g、6.85mmol)のDMF(34.2mL)溶液に、水素化ナトリウム(60%の鉱油懸濁液、0.370g、9.25mmol)および(2-(クロロメトキシ)エチル)トリメチルシラン(1.46mL、8.22mmol)を加え、反応混合物を周囲温度で30分間撹拌した。反応混合物を水で失活させ、EtOAcで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮し、残渣を、5%~50%のEtOAc/ヘキサンを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、3-フルオロ-N-(2,4,5-トリフルオロ-3-ヨードフェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミド(3.11g、86%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.39 (m, 1H), 4.95 (s, 2H), 4.62 (t, 1H),
4.51 (t, 1H), 3.66 (t, 2H), 3.24 (t, 2H), 2.25 (m, 2H), 0.93 (t, 2H), 0.03 (s,
9H).
中間体P42
N-(2-クロロ-4,5-ジフルオロ-3-ヨードフェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミド
ステップ1:2-クロロ-4,5-ジフルオロ-3-ヨードアニリンの調製。2-クロロ-4,5-ジフルオロアニリン(5.08g、31.06mmol)をTHF(200mL)に溶解させ、N
2を還流させながら-78℃に冷却した。反応混合物をn-ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M、13.667mL、34.167mmol)でゆっくりと処理し、-78℃で15分間撹拌した。反応混合物を、1,2-ビス(クロロジメチルシリル)エタン(7.021g、32.61mmol)のTHF溶液(50mL)の滴下によって処理し、全部を加えた後、-78℃で15分間撹拌した。反応混合物を追加のn-ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M、13.667mL、34.167mmol)で処理した。氷浴を外し、反応混合物を30分間温めた。反応混合物を再び-78℃に冷却し、追加のn-ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M、13.667mL、34.167mmol)でゆっくりと処理し、-78℃で30分間撹拌した。反応混合物を、ヨウ素(11.825g、46.591mmol)のTHF溶液(100mL)の滴下によって処理し、反応混合物を周囲温度で1時間撹拌した。溶液を4M HClで失活させてpH約1とし、30分間撹拌した。溶液を固体NaHCO
3でpH約8に調整し、15分間撹拌した。反応混合物を3.0Mチオ硫酸ナトリウムで処理し、EtOAcで抽出した(2回)。有機層を水、ブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(5~50%のEtOAc/ヘキサン)によって精製して、2-クロロ-4,5-ジフルオロ-3-ヨードアニリン(4.86g、54%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 6.83 (m, 1H) 5.75 (s, 2H).
ステップ2:N-(2-クロロ-4,5-ジフルオロ-3-ヨードフェニル)-N-(プロピルスルホニル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。0℃の2-クロロ-4,5-ジフルオロ-3-ヨードアニリン(2.1g、7.255mmol)のジクロロメタン(36.28mL)溶液に、プロパン-1-スルホニルクロリド(1.708mL、15.24mmol)およびトリエチルアミン(3.034mL、21.77mmol)を加え、反応混合物を周囲温度で30分間撹拌した。反応混合物を水で失活させ、DCMで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、N-(2-クロロ-4,5-ジフルオロ-3-ヨードフェニル)-N-(プロピルスルホニル)プロパン-1-スルホンアミド(3.1g、85%)を得、これを精製せずに使用した。
ステップ3:N-(2-クロロ-4,5-ジフルオロ-3-ヨードフェニル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。N-(2-クロロ-4,5-ジフルオロ-3-ヨードフェニル)-N-(プロピルスルホニル)プロパン-1-スルホンアミド(3.1g、6.2mmol)のアセトニトリル(31mL)溶液および2.0M炭酸ナトリウム(25mL、49mmol)を、90分間60℃に加熱した。溶液を10%のクエン酸でpH約4に調整した。反応混合物を水で失活させ、DCMで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮し、1%~20%のEtOAc/DCMを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、N-(2-クロロ-4,5-ジフルオロ-3-ヨードフェニル)プロパン-1-スルホンアミド(0.91g、37%)を得た。MS (apci, m/z) = 393.9 [M-H].
ステップ4:N-(2-クロロ-4,5-ジフルオロ-3-ヨードフェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。0℃のN-(2-クロロ-4,5-ジフルオロ-3-ヨードフェニル)プロパン-1-スルホンアミド(910mg、2.30mmol)のDMF(11.5mL)溶液に、水素化ナトリウム(60%の鉱油懸濁液、124.2mg、3.106mmol)および(2-(クロロメトキシ)エチル)トリメチルシラン(489.6μL、2.760mmol)を加え、反応混合物を0℃で1時間撹拌した。反応混合物を水で失活させ、EtOAcで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮し、残渣を、5%~50%のEtOAc/ヘキサンを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、N-(2-クロロ-4,5-ジフルオロ-3-ヨードフェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミド(1118mg、92%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.44 (m, 1H), 5.21 (d, 1H), 4.78 (d, 1H),
3.7 (m, 2H), 3.05 (m, 2H), 1.95 (m, 2H), 1.16 (t, 3H), 1.0 (m, 2H) 0.03 (s,
9H).
中間体P44
N-(2-クロロ-4,5-ジフルオロ-3-ヨードフェニル)-3-フルオロ-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミド
ステップ1:2-クロロ-4,5-ジフルオロ-3-ヨードアニリンの調製。2-クロロ-4,5-ジフルオロアニリン(5.08g、31.060mmol)をTHF(200mL)に溶解させ、窒素を還流させながら-78℃に冷却した。反応混合物をn-ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M、13.667mL、34.167mmol)でゆっくりと処理し、-78℃で15分間撹拌した。反応混合物を、1,2-ビス(クロロジメチルシリル)エタン(7.021g、32.614mmol)のTHF溶液(50mL)の滴下によって処理し、全部を加えた後、-78℃で15分間撹拌した。反応混合物を追加のn-ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M、13.667mL、34.167mmol)で処理した。氷浴を外し、反応混合物を30分間温めた。反応混合物を再び-78℃に冷却し、追加のn-ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M、13.667mL、34.167mmol)でゆっくりと処理し、-78℃で30分間撹拌した。反応混合物を、ヨウ素(11.825g、46.591mmol)のTHF溶液(100mL)の滴下によって処理し、反応混合物を周囲温度で1時間撹拌した。溶液を4M HClで失活させてpH約1とし、30分間撹拌した。固体NaHCO
3を使用して反応混合物をpH約8に調整した。反応混合物を3.0Mチオ硫酸ナトリウムで処理し、EtOAcで抽出した(2回)。有機層を水、ブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物を、5%~50%のEtOAc/ヘキサンを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、2-クロロ-4,5-ジフルオロ-3-ヨードアニリン(4.86g、54%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 6.83 (m, 1H) 5.75 (s, 2H).
ステップ2:N-(2-クロロ-4,5-ジフルオロ-3-ヨードフェニル)-3-フルオロ-N-((3-フルオロプロピル)スルホニル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。0℃の2-クロロ-4,5-ジフルオロ-3-ヨードアニリン(2.1g、7.26mmol)のジクロロメタン(36.3mL)溶液に、3-フルオロプロパン-1-スルホニルクロリド(1.81mL、15.2mmol)およびトリエチルアミン(3.03mL、21.8mmol)を加えた。反応混合物を周囲温度で45分間撹拌した。反応混合物を水で失活させ、DCMで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、N-(2-クロロ-4,5-ジフルオロ-3-ヨードフェニル)-3-フルオロ-N-((3-フルオロプロピル)スルホニル)プロパン-1-スルホンアミド(3.8g、97%)を得、これを精製せずに次のステップでそのまま使用した。
ステップ3:N-(2-クロロ-4,5-ジフルオロ-3-ヨードフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミドの調製。N-(2-クロロ-4,5-ジフルオロ-3-ヨードフェニル)-3-フルオロ-N-((3-フルオロプロピル)スルホニル)プロパン-1-スルホンアミド(3.8g、7.07mmol)のアセトニトリル(35.3mL)溶液および2.0M炭酸ナトリウム(28.3mL、56.5mmol)を、1時間60℃に加熱した。溶液を10%のクエン酸でpH約4に調整した。反応混合物を水で失活させ、DCMで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮し、1%~20%のEtOAc/DCMを溶離液としながらシリカで精製して、N-(2-クロロ-4,5-ジフルオロ-3-ヨードフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド(2.89g、99%)を得た。MS (apci, m/z) = 411.9 [M-H].
ステップ4:N-(2-クロロ-4,5-ジフルオロ-3-ヨードフェニル)-3-フルオロ-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。0℃のN-(2-クロロ-4,5-ジフルオロ-3-ヨードフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド(2.89g、6.99mmol)のDMF(34.9mL)溶液に、水素化ナトリウム(60%の鉱油懸濁液、0.377g、9.43mmol)および(2-(クロロメトキシ)エチル)トリメチルシラン(1.49ml、8.39mmol)を加え、反応混合物を0℃で45分間撹拌した。反応混合物を水で失活させ、EtOAcで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮し、残渣を、5%~50%のEtOAc/ヘキサンを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、N-(2-クロロ-4,5-ジフルオロ-3-ヨードフェニル)-3-フルオロ-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミド(3.46g、91%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.48 (m, 1H), 5.21 (d, 1H), 4.78 (d, 1H),
4.65 (t, 1H), 4.58 (t, 1H), 3.7 (m, 2H), 3.3 (t, 2H), 2.3 (m, 2H), 0.95 (m,
2H), 0.02 (s, 9H).
中間体P45
N-(3,5-ジフルオロ-4-ヨードピリジン-2-イル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミド
ステップ1:3,5-ジフルオロ-4-ヨードピリジン-2-アミンの調製。2-アミノ-3,5-ジフルオロピリジン(7.07g、54.3mmol)をTHF(250mL)に溶解させ、-78℃に冷却した。反応混合物を2.5Mのn-ブチルリチウムヘキサン溶液(54.3mL、136mmol)で処理し、全部を加えた後、-78℃で1時間撹拌した。反応混合物を、ヨウ素(41.4g、163mmol)のTHF溶液50mLの滴下によって処理し、周囲温度で30分間撹拌した。反応混合物を10%チオ硫酸ナトリウムで失活させ、EtOAcで抽出した(2回)。有機層を水およびブラインで洗浄した。有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮し、5%~60%のヘキサン/アセトン)を溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、3,5-ジフルオロ-4-ヨードピリジン-2-アミン(8.5g、61%)を得た。MS (apci, m/z) = 257.0 [M+H].
ステップ2:N-(3,5-ジフルオロ-4-ヨードピリジン-2-イル)-N-(プロピルスルホニル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。DCM(38.75mL)中の3,5-ジフルオロ-4-ヨードピリジン-2-アミン(0.992g、3.875mmol)およびプロパン-1-スルホニルクロリド(0.912mL、8.138mmol)に、トリエチルアミン(1.134mL、8.138mmol)を加え、混合物を周囲温度で終夜撹拌した。反応混合物を水で失活させ、DCMで抽出した。有機抽出物をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濃縮して、N-(3,5-ジフルオロ-4-ヨードピリジン-2-イル)-N-(プロピルスルホニル)プロパン-1-スルホンアミド(1.8g、99%)を得、これを精製せずに次のステップでそのまま使用した。
ステップ3:N-(3,5-ジフルオロ-4-ヨードピリジン-2-イル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。N-(3,5-ジフルオロ-4-ヨードピリジン-2-イル)-N-(プロピルスルホニル)プロパン-1-スルホンアミド(1.8g、3.84mmol)のアセトニトリル(19.2mL)溶液および2.0M炭酸ナトリウム(13.5mL、26.9mmol)を、1時間80℃に加熱した。溶液を10%のクエン酸でpH約3に調整した。反応混合物を水で失活させ、DCMで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮し、5%~95%のEtOAc/DCMを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、N-(3,5-ジフルオロ-4-ヨードピリジン-2-イル)プロパン-1-スルホンアミド(0.664g、48%)を得た。MS (apci, m/z) = 363.0 [M+H].
ステップ4:N-(3,5-ジフルオロ-4-ヨードピリジン-2-イル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。0℃のN-(3,5-ジフルオロ-4-ヨードピリジン-2-イル)プロパン-1-スルホンアミド(661mg、1.83mmol)のDMF(9.1mL)溶液に、鉱油懸濁液としての60%水素化ナトリウム(98.6mg、2.46mmol)および(2-(クロロメトキシ)エチル)トリメチルシラン(388μL、2.19mmol)を加え、反応混合物を室温で1時間撹拌した。反応混合物を水で失活させ、EtOAcで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮し、残渣を、5%~50%のEtOAc/ヘキサンを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、N-(3,5-ジフルオロ-4-ヨードピリジン-2-イル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミド(808mg、90%)を油状物として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.07 (s, 1H), 5.10 (s, 2H), 3.68 (t, 2H),
3.34 (t, 2H), 1.95 (m, 2H) 1.09 (t, 2H), 0.89 (t, 3H), 0.02 (s, 9H); MS (apci,
m/z) = 493.1 [M+H].
中間体P46
N-(3,5-ジフルオロ-4-ヨードピリジン-2-イル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミド
ステップ1:3-クロロ-5-フルオロ-4-ヨードピリジン-2-アミンの調製。500mLのフラスコに、3-クロロ-5-フルオロピリジン-2-アミン(5.67g、38.7mmol)およびテトラヒドロフラン(193mL)を加えた。溶液を-78℃に冷却し、2.5Mのn-ブチルリチウムヘキサン溶液(38.7mL、96.7mmol)を滴下して加えて処理し、-78℃で1時間撹拌した。ヨウ素(29.5g、116mmol)のテトラヒドロフラン(59.3mL)溶液を滴下漏斗から滴下して加えた。反応混合物を周囲温度に温め、30分間撹拌した。反応混合物をNa
2S
2O
3飽和水溶液で失活させ、EtOAcで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、0%~95%のアセトン/DCMを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、3-クロロ-5-フルオロ-4-ヨードピリジン-2-アミン(5.7g、54%)を得た。MS (apci, m/z) = 272.9 [M+H].
ステップ2:N-(3-クロロ-5-フルオロ-4-ヨードピリジン-2-イル)-N-(プロピルスルホニル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。3-クロロ-5-フルオロ-4-ヨードピリジン-2-アミン(4.0g、14.68mmol)およびプロパン-1-スルホニルクロリド(3.456mL、30.83mmol)のジクロロメタン(73.41mL)溶液に、トリエチルアミン(4.297mL、30.83mmol)を加え、混合物を周囲温度で終夜撹拌した。反応混合物を水で失活させ、DCMで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、N-(3-クロロ-5-フルオロ-4-ヨードピリジン-2-イル)-N-(プロピルスルホニル)プロパン-1-スルホンアミド(7g、98%)を得、これを精製せずに次のステップでそのまま使用した。MS (apci, m/z) = 485.0 [M+H].
ステップ3:N-(3-クロロ-5-フルオロ-4-ヨードピリジン-2-イル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。N-(3-クロロ-5-フルオロ-4-ヨードピリジン-2-イル)-N-(プロピルスルホニル)プロパン-1-スルホンアミド(7.0g、14mmol)のアセトニトリル(72mL)溶液および2.0M Na2CO3(51mL、101mmol)を、周囲温度で60時間撹拌し、次いで、90分間70℃に加熱した。溶液を10%のクエン酸でpH約3に調整した。反応混合物を水で失活させ、DCMで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮し、5%~75%のEtOAc/ヘキサンを溶離液としながらシリカで精製して、N-(3-クロロ-5-フルオロ-4-ヨードピリジン-2-イル)プロパン-1-スルホンアミド(4.3g、79%)を得た。MS (apci, m/z) = 378.9 [M+H].
ステップ4:N-(3-クロロ-5-フルオロ-4-ヨードピリジン-2-イル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。0℃のN-(3-クロロ-5-フルオロ-4-ヨードピリジン-2-イル)プロパン-1-スルホンアミド(4.30g、11.4mmol)のDMF(56.8mL)溶液に、鉱油懸濁液としての60%水素化ナトリウム(0.613g、15.3mmol)および(2-(クロロメトキシ)エチル)トリメチルシラン(2.42mL、13.6mmol)を加え、反応混合物を室温で1時間撹拌した。反応混合物を水で失活させ、EtOAcで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮し、残渣を、5%~50%のEtOAc/ヘキサンを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、N-(3-クロロ-5-フルオロ-4-ヨードピリジン-2-イル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミド(4.08g、71%)を油状物として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.13 (s, 1H), 5.06 (s, 2H), 3.68 (t, 2H),
3.38 (t, 2H), 1.95 (m, 2H) 1.09 (t, 2H), 0.89 (t, 3H), 0.02 (s, 9H); MS (apci,
m/z) = 509.1 [M+H].
中間体P47
N-(3,5-ジフルオロ-4-ヨードピリジン-2-イル)-3-フルオロ-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミド
ステップ1:3,5-ジフルオロ-4-ヨードピリジン-2-アミンの調製。2-アミノ-3,5-ジフルオロピリジン(7.07g、54.3mmol)をTHF(250mL)に溶解させ、-78℃に冷却した。反応混合物を2.5Mのn-ブチルリチウムヘキサン溶液(54.3mL、136mmol)で処理し、全部を加えた後、-78℃で1時間撹拌した。反応混合物を、ヨウ素(41.4g、163mmol)のTHF溶液50mLの滴下によって処理し、周囲温度で30分間撹拌した。反応混合物を10%チオ硫酸ナトリウムで失活させ、EtOAcで抽出した(2回)。有機層を水およびブラインで洗浄した。有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮し、5%~60%のヘキサン/アセトン)を溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、3,5-ジフルオロ-4-ヨードピリジン-2-アミン(8.5g、61%)を得た。MS (apci, m/z) = 257.0 [M+H].
ステップ2:N-(3,5-ジフルオロ-4-ヨードピリジン-2-イル)-3-フルオロ-N-((3-フルオロプロピル)-スルホニル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。3,5-ジフルオロ-4-ヨードピリジン-2-アミン(1.40g、5.47mmol)および3-フルオロプロパン-1-スルホニルクロリド(1.43mL、12.0mmol)のジクロロメタン(27.3mL)溶液に、トリエチルアミン(2.29mL、16.4mmol)を加え、混合物を周囲温度で45分間撹拌した。反応混合物を水で失活させ、DCMで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、N-(3,5-ジフルオロ-4-ヨードピリジン-2-イル)-3-フルオロ-N-((3-フルオロプロピル)スルホニル)プロパン-1-スルホンアミド(2.7g、98%)を得、これを精製せずに次のステップでそのまま使用した。MS (apci, m/z) = 504.9 [M+H].
ステップ3:N-(3,5-ジフルオロ-4-ヨードピリジン-2-イル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミドの調製。N-(3,5-ジフルオロ-4-ヨードピリジン-2-イル)-3-フルオロ-N-((3-フルオロプロピル)スルホニル)プロパン-1-スルホンアミド(2.7g、5.4mmol)のアセトニトリル(27mL)溶液および2.0M炭酸ナトリウム(21mL、43mmol)を、90分間60℃に加熱した。溶液を10%のクエン酸でpH約4に調整した。反応混合物を水で失活させ、DCMで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮し、1%~20%のEtOAc/DCMを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、N-(3,5-ジフルオロ-4-ヨードピリジン-2-イル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド(1.6g、79%)を得た。MS (apci, m/z) = 380.9 [M+H].
ステップ4:N-(3,5-ジフルオロ-4-ヨードピリジン-2-イル)-3-フルオロ-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。0℃のN-(3,5-ジフルオロ-4-ヨードピリジン-2-イル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド(1.6g、4.209mmol)のDMF(21.05mL)溶液に、水素化ナトリウム(60%の鉱油懸濁液、0.2273g、5.682mmol)、次いで(2-(クロロメトキシ)エチル)トリメチルシラン(0.8959mL、5.051mmol)を加え、反応混合物を0℃で30分間撹拌した。反応混合物を水で失活させ、EtOAcで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮し、残渣を、5%~50%のEtOAc/ヘキサンを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、N-(3,5-ジフルオロ-4-ヨードピリジン-2-イル)-3-フルオロ-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミド(1.97g、92%)を油状物として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.08 (s, 1H), 5.10 (s, 2H), 4.66 (t, 1H),
4.54 (t, 1H), 3.68 (t, 2H), 3.55 (t, 2H), 2.34 (m, 2H) 1.09 (t, 2H), 0.89 (t,
3H) 0.01 (s, 9H); MS (apci, m/z) = 511.0 [M+H].
中間体P48
N-(3-クロロ-5-フルオロ-4-ヨードピリジン-2-イル)-3-フルオロ-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミド
ステップ1:3-クロロ-5-フルオロ-4-ヨードピリジン-2-アミンの調製。500mLのフラスコに、3-クロロ-5-フルオロピリジン-2-アミン(5.67g、38.7mmol)およびテトラヒドロフラン(193mL)を加えた。溶液を-78℃に冷却し、2.5Mのn-ブチルリチウムヘキサン溶液(38.7mL、96.7mmol)を滴下して加えて処理し、-78℃で1時間撹拌した。次いで、ヨウ素(29.5g、116mmol)のテトラヒドロフラン(59.3mL)溶液を滴下漏斗から滴下して加え、反応混合物を周囲温度に温め、30分間撹拌した。反応混合物をNa
2S
2O
3飽和水溶液で失活させ、EtOAcで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、0~95%のアセトン/DCM)を溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、3-クロロ-5-フルオロ-4-ヨードピリジン-2-アミン(5.7g、54%)を得た。MS (apci, m/z) = 272.9 [M+H].
ステップ2:N-(3-クロロ-5-フルオロ-4-ヨードピリジン-2-イル)-3-フルオロ-N-((3-フルオロプロピル)スルホニル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。3-クロロ-5-フルオロ-4-ヨードピリジン-2-アミン(1.28g、4.698mmol)および3-フルオロプロパン-1-スルホニルクロリド(1.362mL、11.75mmol)のジクロロメタン(23.49mL)溶液に、トリエチルアミン(1.637mL、11.75mmol)を加え、混合物を周囲温度で1時間撹拌した。反応混合物を水で失活させ、DCMで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、N-(3-クロロ-5-フルオロ-4-ヨードピリジン-2-イル)-3-フルオロ-N-((3-フルオロプロピル)スルホニル)プロパン-1-スルホンアミド(1.85g、76%)を得、これを精製せずに次のステップでそのまま使用した。MS (apci, m/z) = 520.9 [M+H].
ステップ3:N-(3-クロロ-5-フルオロ-4-ヨードピリジン-2-イル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミドの調製。N-(3-クロロ-5-フルオロ-4-ヨードピリジン-2-イル)-3-フルオロ-N-((3-フルオロプロピル)スルホニル)プロパン-1-スルホンアミド(1.85g、3.55mmol)のアセトニトリル(17.8mL)溶液および2.0M Na2CO3(12.4mL、24.9mmol)を、90分間60℃に加熱した。溶液を10%のクエン酸でpH約3に調整した。反応混合物を水で失活させ、DCMで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮し、5%~95%のEtOAc/ヘキサンを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、N-(3-クロロ-5-フルオロ-4-ヨードピリジン-2-イル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド(1.01g、72%)を得た。MS (apci, m/z) = 396.9 [M+H].
ステップ4:N-(3-クロロ-5-フルオロ-4-ヨードピリジン-2-イル)-3-フルオロ-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。0℃のN-(3-クロロ-5-フルオロ-4-ヨードピリジン-2-イル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド(1.01g、2.55mmol)のDMF(12.7mL)溶液に、水素化ナトリウム(60%の鉱油懸濁液、0.138g、3.44mmol)および(2-(クロロメトキシ)エチル)トリメチルシラン(0.542mL、3.06mmol)を加え、反応混合物を0℃で2時間撹拌した。反応混合物を水で失活させ、EtOAcで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮し、残渣を、5%~50%のEtOAc/ヘキサンを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、N-(3-クロロ-5-フルオロ-4-ヨードピリジン-2-イル)-3-フルオロ-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミド(0.912g、68%)を油状物として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.14 (s, 1H), 5.06 (s, 2H), 4.65 (t, 1H),
4.54, (t, 1H), 3.66 (t, 2H), 3.59 (t, 2H), 2.34 (m, 2H) 1.09 (t, 2H), 0.89 (t,
3H) 0.01 (s, 9H); MS (apci, m/z) = 526.9 [M+H].
中間体P49
N-(2,4-ジクロロ-3-ヨードフェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミド
ステップ1:2,4-ジクロロ-3-ヨードアニリンの調製。2,4-ジクロロアニリン(2.0g、12.345mmol)の80mLのTHF溶液を、窒素中で-78℃に冷却し、溶液をn-ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M、5.432mL、13.579mmol)でゆっくりと処理し、-78℃で15分間撹拌した。次いで、反応液に、1,2-ビス(クロロジメチルシリル)エタン(2.790g、12.962mmol)の30mLのTHF溶液を加え、混合物を-78℃で15分間撹拌した。n-ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M、5.432mL、13.579mmol)をゆっくりと加え、反応混合物を-78℃の浴から移し、30分間温めた。反応混合物を再び-78℃に冷却し、n-ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M、5.432mL、13.579mmol)をゆっくりと加え、-78℃で20分間撹拌した。次いで、ヨウ素(4.70g、18.517mmol)の30mLのTHF溶液をゆっくりと加え、反応混合物を周囲温度で1時間撹拌した。溶液を約10mLの4M HClで失活させ、30分間撹拌した。次いで、20mLの飽和チオ硫酸ナトリウムを加え、溶液を固体NaHCO
3でpH約8に調整し、15分間撹拌した。反応混合物を水で失活させ、EtOAcで抽出した。有機層を水、ブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物を、10%~50%のEtOAc/ヘキサンを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、2,4-ジクロロ-3-ヨードアニリン(1.35g、38%)を得た。MS (apci, m/z) = 287.9 [M+H].
ステップ2:N-(2,4-ジクロロ-3-ヨードフェニル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。0℃の2,4-ジクロロ-3-ヨードアニリン(1.35g、4.69mmol)のジクロロメタン(23.4mL)溶液に、トリエチルアミン(1.96mL、14.1mmol)およびプロパン-1-スルホニルクロリド(1.11mL、9.85mmol)を加え、混合物を周囲温度で1時間撹拌した。反応混合物を水で失活させ、DCMで抽出した。合わせた有機層を濃縮し、残渣をアセトニトリル(23.4mL)に溶解させ、2.0M Na2CO3(18.8mL、37.5mmol)で処理し、60℃で16時間撹拌した。溶液を10%のクエン酸でpH約5に調整した。反応混合物を水で失活させ、DCMで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、N-(2,4-ジクロロ-3-ヨードフェニル)プロパン-1-スルホンアミド(1.8g、97%)を得た。MS (apci, m/z) = 391.9 [M-H].
ステップ3:N-(2,4-ジクロロ-3-ヨードフェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。0℃のN-(2,4-ジクロロ-3-ヨードフェニル)プロパン-1-スルホンアミド(1.8g、4.57mmol)のDMF(30.5mL)溶液に、水素化ナトリウム(60%の鉱油懸濁液、0.247g、6.17mmol)、次いで(2-(クロロメトキシ)エチル)トリメチルシラン(0.917mL、5.48mmol)を加え、溶液を周囲温度で45分間撹拌した。反応混合物を水で失活させ、EtOAcで抽出した。合わせた有機層を濃縮し、残渣を、10%~50%のEtOAc/ヘキサンを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、N-(2,4-ジクロロ-3-ヨードフェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミド(2.3g、96%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.45 (s, 1H), 7.25 (s, 1H), 5.21 (d, 1H),
4.77 (d, 1H), 3.68 (m, 2H), 3.09 (t, 2H), 1.91 (m, 2H), 1.05 (t, 3H), 0.91 (m,
2H), 0.01 (s, 9H).
中間体P50
N-(3,5-ジクロロ-4-ヨードピリジン-2-イル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミド
ステップ1:3,5-ジクロロ-4-ヨードピリジン-2-アミンの調製。3,5-ジクロロピリジン-2-アミン(2.9g、17.791mmol)の150mLのTHF溶液を、N
2中で-78℃に冷却し、溶液をn-ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M、7.83mL、19.570mmol)でゆっくりと処理し、-78℃で15分間撹拌した。次いで、反応液に、1,2-ビス(クロロジメチルシリル)エタン(4.021g、18.681mmol)の50mLのTHF溶液をゆっくりと加え、混合物を-78℃で15分間撹拌した。次いで、n-ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M、8.97mL、19.570mmol)をゆっくりと加え、反応混合物を-78℃の浴から移し、30分間温めた。反応混合物を再び-78℃に冷却し、n-ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M、7.83mL、19.570mmol)をゆっくりと加え、混合物を-78℃で20分間撹拌した。ヨウ素(6.773g、26.687mmol)の50mLのTHF溶液をゆっくりと加え、反応混合物を周囲温度で1時間撹拌した。溶液を約10mLの4M HClで失活させ、30分間撹拌した。次いで、20mLの飽和チオ硫酸ナトリウムを加え、溶液を固体NaHCO
3でpH約8に調整し、15分間撹拌した。反応混合物を水で失活させ、EtOAcで抽出した。有機層を水、ブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗材料をシリカゲルクロマトグラフィー(10~50%のEtOAc/ヘキサン)によって精製して、3,5-ジクロロ-4-ヨードピリジン-2-アミン(3.35g、65%)を得た。MS (apci, m/z) = 288.9 [M+H].
ステップ2:N-(3,5-ジクロロ-4-ヨードピリジン-2-イル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。0℃の3,5-ジクロロ-4-ヨードピリジン-2-アミン(3.35g、11.6mmol)のジクロロメタン(58.0mL)溶液に、プロパン-1-スルホニルクロリド(2.73mL、24.4mmol)およびトリエチルアミン(4.85mL、34.8mmol)を加え、混合物を周囲温度で16時間撹拌した。反応混合物を水で失活させ、DCMで抽出した。合わせた有機層を濃縮し、残渣をアセトニトリル(58.0mL)に溶解させ、60℃において2.0M Na2CO3(46.4mL、92.8mmol)で4時間処理した。溶液を10%のクエン酸でpH約5に調整した。反応混合物を水で失活させ、DCMで抽出した。合わせた有機層を濃縮し、残渣を、5%~50%のEtOAc/ヘキサンを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、N-(3,5-ジクロロ-4-ヨードピリジン-2-イル)プロパン-1-スルホンアミド(1.85g、40%)を得た。MS (apci, m/z) = 394.9 [M+H].
ステップ3:N-(3,5-ジクロロ-4-ヨードピリジン-2-イル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。0℃のN-(3,5-ジクロロ-4-ヨードピリジン-2-イル)プロパン-1-スルホンアミド(1.85g、4.68mmol)のDMF(23.4mL)溶液に、水素化ナトリウム(60%の鉱油懸濁液、0.253g、6.32mmol)および(2-(クロロメトキシ)エチル)トリメチルシラン(0.997mL、5.62mmol)を加え、反応混合物を周囲温度で30分間撹拌した。反応混合物を水で失活させ、EtOAcで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮し、残渣を、5%~50%のEtOAc/ヘキサンを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、N-(3,5-ジクロロ-4-ヨードピリジン-2-イル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミド(1.94g、79%)を得た。MS (apci, m/z) = 525.0 [M+H].
中間体P51
N-(3-クロロ-5-フルオロ-4-ヨードピリジン-2-イル)-1-シクロプロピル-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)メタンスルホンアミド
ステップ1:N-(3-クロロ-5-フルオロ-4-ヨードピリジン-2-イル)-1-シクロプロピル-N-((シクロプロピル-メチル)スルホニル)メタンスルホンアミドの調製。0℃の3-クロロ-5-フルオロ-4-ヨードピリジン-2-アミン(1g、3.670mmol)およびシクロプロピル-メタンスルホニルクロリド(0.9008mL、7.708mmol)のDCM(37mL)溶液に、トリエチルアミン(1.586mL、11.38mmol)を加えた。反応混合物を0℃で10分間撹拌し、16時間40℃に加熱した。反応混合物を100mLの水で失活させ、DCM(2×40mL)で抽出した。有機層を合わせ、ブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させた。溶液を濾過し、濃縮して、N-(3-クロロ-5-フルオロ-4-ヨードピリジン-2-イル)-1-シクロプロピル-N-((シクロプロピルメチル)スルホニル)メタンスルホンアミド(1.68g、90%)を得、これを精製せずに次のステップでそのまま使用した。
ステップ2:N-(3-クロロ-5-フルオロ-4-ヨードピリジン-2-イル)-1-シクロプロピルメタン-スルホンアミドの調製。N-(3-クロロ-5-フルオロ-4-ヨードピリジン-2-イル)-1-シクロプロピル-N-((シクロプロピルメチル)スルホニル)メタンスルホンアミド(1.68g、3.30mmol)のアセトニトリル(40mL)溶液および炭酸ナトリウム一水和物(15mL、23.1mmol、1.54M)を、1時間80℃に加熱した。反応混合物を濃縮してアセトニトリルを除去し、水中10%のクエン酸でpHを約3に調整した。生成物をDCM(3×50mL)で抽出し、有機抽出物を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、濃褐色の固体を得、これを、90%のDCM/10%のEtOAcを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、N-(3-クロロ-5-フルオロ-4-ヨードピリジン-2-イル)-1-シクロプロピルメタンスルホンアミド(400mg、31%)を得た。MS (apci, m/z) = 390.9 (M+H).
ステップ3:N-(3-クロロ-5-フルオロ-4-ヨードピリジン-2-イル)-1-シクロプロピル-N-((2-(トリメチル-シリル)エトキシ)メチル)メタンスルホンアミドの調製。N-(3-クロロ-5-フルオロ-4-ヨードピリジン-2-イル)-1-シクロプロピルメタンスルホンアミド(400mg、1.024mmol)をDMF(5.1mL)に溶解させた。氷浴を使用して溶液を0℃に冷却し、水素化ナトリウム(60%の鉱油懸濁液、43.01mg、1.075mmol)を加えた。反応混合物を0℃で15分間撹拌し、(2-(クロロメトキシ)エチル)トリメチルシラン(218.0μL、1.229mmol)を滴下して加えた。反応混合物を周囲温度で2時間撹拌し、水で失活させ、EtOAcで抽出した。有機相をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗混合物を、0~100%のEtOAc/ヘキサンを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、N-(3-クロロ-5-フルオロ-4-ヨードピリジン-2-イル)-1-シクロプロピル-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)メタンスルホンアミドを黄色の油状物(317.3mg、59%)として得た。MS (apci, m/z) = 521.0 (M+H).
中間体P52
N-(3-クロロ-5-フルオロ-4-ヨードピリジン-2-イル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)エタンスルホンアミド
ステップ1:N-(3-クロロ-5-フルオロ-4-ヨードピリジン-2-イル)-N-(エチルスルホニル)エタンスルホンアミドの調製。0℃のDCM(37mL)中の3-クロロ-5-フルオロ-4-ヨードピリジン-2-アミン(1g、3.670mmol)およびエタンスルホニルクロリド(0.7303mL、7.708mmol)に、トリエチルアミン(1.586mL、11.38mmol)を加えた。反応混合物を0℃で10分間撹拌し、次いで、終夜周囲温度に温めた。反応混合物を水(100mL)で失活させ、水層をDCM(2×40mL)で抽出した。有機層を合わせ、ブラインで洗浄し、次いで、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、N-(3-クロロ-5-フルオロ-4-ヨードピリジン-2-イル)-N-(エチルスルホニル)エタンスルホンアミド(1.5g、89%)を得、これを精製せずに次のステップでそのまま使用した。
ステップ2:N-(3-クロロ-5-フルオロ-4-ヨードピリジン-2-イル)エタンスルホンアミドの調製。N-(3-クロロ-5-フルオロ-4-ヨードピリジン-2-イル)-N-(エチルスルホニル)エタンスルホンアミド(1.5g、3.29mmol)のアセトニトリル(30mL)溶液に、15mLの炭酸ナトリウム一水和物水溶液(2.9g、23.0mmol)を加え、反応混合物を1時間80℃に加熱した。反応混合物を周囲温度に冷却し、濃縮してアセトニトリルを除去し、10%のクエン酸水溶液(50mL)に続いてEtOAc(50mL)で処理した。層を分離し、水層を追加のEtOAcで抽出し、有機抽出物を合わせ、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、淡褐色の固体を得、これをシリカゲルクロマトグラフィー(DCM/EtOAc)によって精製して、N-(3-クロロ-5-フルオロ-4-ヨードピリジン-2-イル)エタンスルホンアミド(623mg、41%)を得た。MS (apci, m/z) = 364.8 (M+H).
ステップ3:N-(3-クロロ-5-フルオロ-4-ヨードピリジン-2-イル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)エタンスルホンアミドの調製。アルゴン雰囲気中において、N-(3-クロロ-5-フルオロ-4-ヨードピリジン-2-イル)エタンスルホンアミド(623mg、1.71mmol)をDMF(11mL)に溶解させ、氷水浴で5分間冷却した。溶液に水素化ナトリウム(60%の鉱油懸濁液、75.19mg、1.88mmol)を加え、反応混合物を、気体発生が止むまで撹拌し、次いで、(2-(クロロメトキシ)エチル)トリメチルシラン(363.7μL、2.05mmol)で処理した。反応混合物を周囲温度に温め、74時間撹拌し、次いで、6時間40℃に加熱した。反応混合物を水(50mL)で失活させ、EtOAc(50mL)で抽出した。有機相をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗反応混合物を、ヘキサン/EtOAcを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、N-(3-クロロ-5-フルオロ-4-ヨードピリジン-2-イル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)エタンスルホンアミドを黄色の油状物(751.8mg、89%)として得た。MS (apci, m/z) = 495.0 (M+H).
中間体P53
N-(3,5-ジフルオロ-4-ヨードピリジン-2-イル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)エタンスルホンアミド
ステップ1:N-(3,5-ジフルオロ-4-ヨードピリジン-2-イル)-N-(エチルスルホニル)エタンスルホンアミドの調製。3,5-ジフルオロ-4-ヨードピリジン-2-アミン(400mg、1.563mmol)およびエタンスルホニルクロリド(0.370mL、3.906mmol)のジクロロメタン(7.81mL)溶液に、トリエチルアミン(0.653mL、4.688mmol)を加え、混合物を周囲温度で終夜撹拌した。反応混合物をEtOAcで希釈し、次いで、水に続いてブラインで洗浄した。有機抽出物を合わせ、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、N-(3,5-ジフルオロ-4-ヨードピリジン-2-イル)-N-(エチルスルホニル)エタンスルホンアミド(0.500g、73%)を得、これを精製せずに次のステップでそのまま使用した。MS (apci, m/z) = 440.9 (M+H).
ステップ2:N-(3,5-フルオロ-4-ヨードピリジン-2-イル)エタンスルホンアミドの調製。N-(3,5-ジフルオロ-4-ヨードピリジン-2-イル)-N-(エチルスルホニル)エタンスルホンアミド(0.50g、1.14mmol)のアセトニトリル(5.68mL)溶液および2.0M炭酸ナトリウム水溶液(4.5mL、9.09mmol)を、90分間60℃に加熱した。反応混合物を周囲温度に冷却し、10%のクエン酸水溶液でpH約3に酸性化した。反応混合物をEtOAcで抽出し、合わせた有機層を水に続いてブラインで洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を、ヘキサン/EtOAcを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、N-(3,5-フルオロ-4-ヨードピリジン-2-イル)エタンスルホンアミド(0.364g、92%)を得た。MS (apci, m/z) = 349.0 (M+H).
ステップ3:N-(3,5-ジフルオロ-4-ヨードピリジン-2-イル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)エタンスルホンアミドの調製。0℃のN-(3,5-ジフルオロ-4-ヨードピリジン-2-イル)エタンスルホンアミド(0.364g、1.05mmol)のDMF(4.2mL)溶液に、鉱油懸濁液としての60%水素化ナトリウム(56.5mg、1.41mmol)を加えた。15分後、反応混合物を(2-(クロロメトキシ)エチル)トリメチルシラン(0.223mL、1.25mmol)で処理し、反応混合物を周囲温度に温め、1時間撹拌した。反応混合物を水で処理し、EtOAcで抽出し、合わせた有機層を水に続いてブラインで洗浄した。有機抽出物をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を、ヘキサン/EtOAcを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、N-(3,5-ジフルオロ-4-ヨードピリジン-2-イル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)エタンスルホンアミド(0.343g、69%)を油状物として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.06 (s, 1H), 5.09 (s, 2H), 3.69-3.65 (dd,
2H), 3.37 (q, 2H), 1.46 (t, 3H), 0.86-0.90 (dd, 2H), 0.01 (s, 9H).
中間体P54
1-シクロプロピル-N-(3,5-ジフルオロ-4-ヨードピリジン-2-イル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)メタンスルホンアミド
ステップ1:1-シクロプロピル-N-((シクロプロピルメチル)スルホニル)-N-3,5-ジフルオロ-4-ヨードピリジン-2-イル)メタンスルホンアミドの調製。3,5-ジフルオロ-4-ヨードピリジン-2-アミン(500mg、1.95mmol)およびシクロプロピルメタンスルホニルクロリド(0.656mL、5.86mmol)のジクロロメタン(9.8mL)溶液に、トリエチルアミン(1.089mL、7.81mmol)を加え、混合物を周囲温度で終夜撹拌した。反応混合物をEtOAcで希釈し、水に続いてブラインで洗浄した。合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、1-シクロプロピル-N-((シクロプロピルメチル)スルホニル)-N-3,5-ジフルオロ-4-ヨードピリジン-2-イル)メタンスルホンアミド(0.915g、95%)を得、これを精製せずに次のステップでそのまま使用した。
ステップ2:1-シクロプロピル-N-(3,5-フルオロ-4-ヨードピリジン-2-イル)メタンスルホンアミドの調製。1-シクロプロピル-N-((シクロプロピルメチル)スルホニル)-N-3,5-ジフルオロ-4-ヨードピリジン-2-イル)メタンスルホンアミド(0.915g、1.86mmol)のアセトニトリル(9.3mL)溶液および2.0M炭酸ナトリウム水溶液(7.4mL、14.9mmol)を、90分間60℃に加熱した。反応混合物を周囲温度に冷却し、10%のクエン酸水溶液でpH約3に酸性化した。反応混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出し、合わせた有機層を水に続いてブラインで洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を、ヘキサン/EtOAcを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、1-シクロプロピル-N-(3,5-フルオロ-4-ヨードピリジン-2-イル)メタンスルホンアミド(0.680g、98%)を得た。MS (apci, m/z) = 372.9 (M-H).
ステップ3:1-シクロプロピル-N-(3,5-ジフルオロ-4-ヨードピリジン-2-イル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)メタンスルホンアミドの調製。0℃の1-シクロプロピル-N-(3,5-フルオロ-4-ヨードピリジン-2-イル)メタンスルホンアミド(0.680g、1.82mmol)のDMF(7.2mL)溶液に、鉱油懸濁液としての60%水素化ナトリウム(98.1mg、2.45mmol)を加えた。15分後、反応混合物を(2-(クロロメトキシ)エチル)トリメチルシラン(0.387mL、2.18mmol)で処理し、反応混合物を周囲温度に温め、1時間撹拌した。反応混合物を水で処理し、EtOAcで抽出し、次いで、合わせた有機層を水に続いてブラインで洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc)によって精製して、1-シクロプロピル-N-(3,5-ジフルオロ-4-ヨードピリジン-2-イル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)メタンスルホンアミド(0.682g、74%)を油状物として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.04 (s, 1H), 5.13 (s, 2H), 3.73-3.68 (dd,
2H), 3.24-3.23 (d, 2H), 1.27-1.24 (m, 1H), 0.91-0.86 (dd, 2H), 0.74-0.69 (m,
2H), 0.52-0.48 (m, 2H), 0.01 (s, 9H).
中間体P55
N-(3-クロロ-4-ヨードピリジン-2-イル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミド
ステップ1:N-(3-クロロ-4-ヨードピリジン-2-イル)-N-(プロピルスルホニル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。3-クロロ-ヨードピリジン-2-アミン(243mg、0.953mmol)および1-プロパンスルホニルクロリド(0.246mL、2.19mmol)のジクロロメタン(4.77mL)溶液に、トリエチルアミン(0.399mL、2.86mmol)を加え、混合物を周囲温度で終夜撹拌した。反応混合物をEtOAcで希釈し、水に続いてブラインで洗浄し、次いで、有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、N-(3-クロロ-4-ヨードピリジン-2-イル)-N-(プロピルスルホニル)プロパン-1-スルホンアミド(0.189g、43%)を得、これを精製せずに次のステップでそのまま使用した。MS (apci, m/z) = 466.9 (M+H).
ステップ2:N-(3-クロロ-4-ヨードピリジン-2-イル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。N-(3-クロロ-4-ヨードピリジン-2-イル)-N-(プロピルスルホニル)プロパン-1-スルホンアミド(0.189g、0.405mmol)のアセトニトリル(2.03mL)溶液および2.0M炭酸ナトリウム水溶液(1.6mL、3.24mmol)を、90分間60℃に加熱した。反応混合物を周囲温度に冷却し、10%のクエン酸水溶液でpH約3に酸性化した。反応混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出し、合わせた有機層を水に続いてブラインで洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を、ヘキサン/EtOAcを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、N-(3-クロロ-4-ヨードピリジン-2-イル)プロパン-1-スルホンアミド(0.121g、83%)を得た。MS (apci, m/z) = 360.9 (M+H).
ステップ3:N-(3-クロロ-4-ヨードピリジン-2-イル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。0℃のN-(3-クロロ-4-ヨードピリジン-2-イル)プロパン-1-スルホンアミド(0.121g、0.336mmol)のDMF(1.3mL)溶液に、鉱油懸濁液としての60%水素化ナトリウム(16.1mg、0.403mmol)を加えた。15分後、反応混合物を(2-(クロロメトキシ)エチル)トリメチルシラン(0.080mL、0.453mmol)で処理した。反応混合物を周囲温度で1時間撹拌した。反応混合物を水で処理し、EtOAcで抽出し、次いで、合わせた有機抽出物を水に続いてブラインで洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を、ヘキサン/EtOAcを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、N-(3-クロロ-4-ヨードピリジン-2-イル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミド(0.13g、79%)を油状物として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.00 (d, 1H), 7.80 (d, 1H), 5.09 (s, 2H),
3.67-3.63 (dd, 2H), 3.45-3.41 (dd, 2H), 2.01-1.91 (m, 2H), 1.08 (t, 3H),
0.91-0.86 (dd, 2H), 0.01 (s, 9H).
中間体P56
N-(3-クロロ-4-ヨードピリジン-2-イル)-3-フルオロ-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミド
ステップ1:N-(3-クロロ-4-ヨードピリジン-2-イル)-3-フルオロ-N-((3-フルオロプロピル)スルホニル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。3-クロロ-ヨードピリジン-2-アミン(256mg、1.01mmol)および3-フルオロプロパン-1-スルホニルクロリド(0.275mL、2.31mmol)のジクロロメタン(5.03mL)溶液に、トリエチルアミン(0.421mL、3.02mmol)を加え、混合物を周囲温度で終夜撹拌した。反応混合物をEtOAcで希釈し、水に続いてブラインで洗浄した。有機抽出物をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、N-(3-クロロ-4-ヨードピリジン-2-イル)-3-フルオロ-N-((3-フルオロプロピル)スルホニル)プロパン-1-スルホンアミド(0.433g、86%)を得、これを精製せずに次のステップでそのまま使用した。MS (apci, m/z) = 502.9 (M+H).
ステップ2:N-(3-クロロ-4-ヨードピリジン-2-イル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミドの調製。N-(3-クロロ-4-ヨードピリジン-2-イル)-3-フルオロ-N-((3-フルオロプロピル)スルホニル)プロパン-1-スルホンアミド(0.433g、0.861mmol)のアセトニトリル(4.31mL)溶液および2.0M炭酸ナトリウム水溶液(3.45mL、6.89mmol)を、90分間60℃に加熱した。反応混合物を周囲温度に冷却し、10%のクエン酸水溶液でpH約3に酸性化した。反応混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出し、合わせた有機層を水に続いてブラインで洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を、ヘキサン/EtOAcを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、N-(3-クロロ-4-ヨードピリジン-2-イル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド(0.292g、90%)を得た。MS (apci, m/z) = 379.0 (M+H).
ステップ3:N-(3-クロロ-4-ヨードピリジン-2-イル)-3-フルオロ-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。0℃のN-(3-クロロ-4-ヨードピリジン-2-イル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド(0.292g、0.771mmol)のDMF(3.09mL)溶液に、鉱油懸濁液としての60%水素化ナトリウム(41.6mg、1.04mmol)を加えた。15分後、反応混合物を(2-(クロロメトキシ)エチル)トリメチルシラン(0.164mL、0.926mmol)で処理し、反応混合物を周囲温度で1時間撹拌した。反応混合物を水で処理し、EtOAcで抽出し、次いで、合わせた有機層を水に続いてブラインで洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を、ヘキサン/EtOAcを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、N-(3-クロロ-4-ヨードピリジン-2-イル)-3-フルオロ-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミド(0.200g、51%)を油状物として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.00 (d, 1H), 7.81 (d, 1H), 5.09 (s, 2H),
4.65 (t, 1H), 4.53 (t, 1H), 3.66-3.61 (dd, 4H), 2.41-2.27 (m, 2H), 0.90-0.86
(dd, 2H), 0.01 (s, 9H).
中間体P57
N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)-3-フルオロ-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミド
ステップ1:2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードアニリンの調製。2-クロロ-4-フルオロアニリン(2.44g、16.76mmol)をTHF(100mL)に溶解させ、N
2を還流させながら-78℃に冷却した。反応混合物をn-ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M、7.38mL、18.44mmol)でゆっくりと処理し、全部を加えた後、次いで-78℃で15分間撹拌した。反応混合物を、1,2-ビス(クロロジメチルシリル)エタン(3.79g、17.60mmol)のTHF溶液50mLの滴下によって処理し、全部を加えた後、-78℃で15分間撹拌した。反応混合物を、追加のn-ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M、7.38mL、18.44mmol)でゆっくりと処理し、全部を加えた後、氷浴を外し、反応混合物を30分間かけて温めた。反応混合物を-78℃に再び冷却し、追加のn-ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M、7.38mL、18.44mmol)でゆっくりと処理し、-78℃で30分間撹拌した後、ヨウ素(6.38g、25.14mmol)のTHF溶液50mLの滴下によって処理した。全部を加えた後、氷浴を外し、反応混合物を1時間撹拌した。反応混合物を水で処理し、次いで、4.0M HClを使用してpH約1に酸性化し、周囲温度で30分間撹拌した。固体NaHCO
3を使用して反応混合物をpH約8に中和し、次いで、3.0Mチオ硫酸ナトリウム水溶液で処理した。混合物をEtOAc(2×250mL)で抽出した。有機層を合わせ、水(1×100mL)およびブライン(1×100mL)で洗浄し、次いで、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc)に続き、0.1%のTFAを含有する水/アセトニトリルを溶離液とする逆相C18クロマトグラフィーによって精製した。所望の画分を合わせ、4:1のDCM/IPAと飽和NaHCO
3(1×100mL)とに分配した。有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードアニリン(2.70g、59%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 6.99-6.95 (m, 1H), 6.83-6.79 (m, 1H), 5.44
(s, 2H).
ステップ2:N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)-3-フルオロ-N-((3-フルオロプロピル)スルホニル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードアニリン(1.7g、6.262mmol)および3-フルオロプロパン-1-スルホニルクロリド(1.815mL、15.66mmol)のジクロロメタン(31.31mL)溶液に、トリエチルアミン(2.182mL、15.66mmol)を加え、混合物を周囲温度で1時間撹拌した。反応混合物を水で処理し、DCMで抽出し(2回)、次いで、合わせた有機抽出物をブラインで洗浄した。有機抽出物をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)-3-フルオロ-N-((3-フルオロプロピル)スルホニル)プロパン-1-スルホンアミド(3.0g、92%)を得、これを精製せずに次のステップでそのまま使用した。
ステップ3:N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミドの調製。N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)-3-フルオロ-N-((3-フルオロプロピル)スルホニル)プロパン-1-スルホンアミド(3.0g、5.8mmol)のアセトニトリル(29mL)溶液および2.0M炭酸ナトリウム水溶液(20mL、40mmol)を、90分間60℃に加熱した。反応混合物を周囲温度に冷却し、次いで、10%のクエン酸水溶液でpH約3に酸性化した。反応混合物を水で希釈し、DCMで抽出し(2回)、合わせた有機層をブラインで洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc)によって精製して、N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド(2.1g、92%)を得た。MS (apci, m/z) = 393.9 (M-H).
ステップ4:N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)-3-フルオロ-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。0℃のN-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド(2.1g、5.31mmol)のDMF(26.5mL)溶液に、水素化ナトリウム(60%の鉱油懸濁液、0.287g、7.17mmol)に続いて(2-(クロロメトキシ)エチル)トリメチルシラン(1.13mL、6.37mmol)を加え、反応混合物を0℃で30分間撹拌した。反応混合物を水で処理し、EtOAcで抽出し、次いで、合わせた有機層を水に続いてブラインで洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc)によって精製して、N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)-3-フルオロ-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミド(2.7g、97%)を得た。1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 7.52 (dd, 1H), 7.07 (dd, 1H), 5.21 (d,
1H), 4.71 (d, 1H), 4.62 (t, 1H), 4.52 (t, 1H), 3.73 (m, 1H), 3.59 (m, 1H), 3.28
(t, 2H), 2.28 (m, 2H), 0.88, (t, 2H), 0.02 (s, 9H).
中間体P58
N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)-1-シクロプロピル-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)メタンスルホンアミド
ステップ1:N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)-1-シクロプロピル-N-((シクロプロピル-メチル)スルホニル)メタンスルホンアミドの調製。2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードアニリン(150mg、0.553mmol)およびシクロプロパンメタンスルホニルクロリド(0.186mL、1.66mmol)のジクロロメタン(2.76mL)溶液に、トリエチルアミン(0.308mL、2.21mmol)を加え、混合物を周囲温度で終夜撹拌した。反応混合物を水で処理し、EtOAcで抽出した(2回)。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)-1-シクロプロピル-N-((シクロプロピルメチル)スルホニル)メタンスルホンアミド(0.281g、99%)を得、これを精製せずに次のステップでそのまま使用した。
ステップ2:N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)-1-シクロプロピルメタンスルホンアミドの調製。N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)-1-シクロプロピル-N-((シクロプロピルメチル)スルホニル)メタンスルホンアミド(0.281g、0.553mmol)のアセトニトリル(2.77mL)溶液および2.0M炭酸ナトリウム水溶液(2.21mL、4.43mmol)を、90分間60℃に加熱した。反応混合物を周囲温度に冷却し、次いで、10%のクエン酸水溶液でpH約3に酸性化した。反応混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出し、合わせた有機層を水に続いてブラインで洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc)によって精製して、N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)-1-シクロプロピルメタンスルホンアミド(0.192g、89%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.76-7.69 (m, 1H), 7.06-6.99 (m, 1H), 3.03
(d, 2H), 1.14-1.06 (m, 1H), 0.71-0.63 (m, 2H), 0.33-0.25 (m, 2H).
ステップ3:N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)-1-シクロプロピル-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)メタンスルホンアミドの調製。0℃のN-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)-1-シクロプロピルメタンスルホンアミド(0.192g、0.493mmol)のDMF(1.9mL)溶液に、鉱油懸濁液としての60%水素化ナトリウム(26.6mg、0.665mmol)を加えた。15分後、反応混合物を(2-(クロロメトキシ)エチル)トリメチルシラン(0.105mL、0.591mmol)で処理し、反応混合物を周囲温度で1時間撹拌した。反応混合物を水で処理し、EtOAcで抽出し、次いで、合わせた有機層を水に続いてブラインで洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc)によって精製して、N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)-1-シクロプロピル-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)メタンスルホンアミド(0.16g、63%)をオフホワイト色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.51 (d, 1H), 7.05 (d, 1H), 5.23 (d, 1H),
4.73 (d, 1H), 3.77-3.54 (m, 2H), 3.12-2.97 (m, 2H), 1.28-1.18 (m, 1H),
0.95-0.85 (m, 2H), 0.74-0.69 (m, 2H), 0.44-0.40 (m, 2H), 0.01 (s, 9H).
中間体P59
N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)-2-メチル-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミド
ステップ1:N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)-N-(イソブチルスルホニル)-2-メチルプロパン-1-スルホンアミドの調製。2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードアニリン(152mg、0.560mmol)および2-メチルプロパン-1-スルホニルクロリド(0.183mL、1.4mmol)のジクロロメタン(2.8mL)溶液に、トリエチルアミン(0.234mL、1.68mmol)を加え、反応混合物を15時間50℃に加熱した。反応混合物を周囲温度に冷却し、濃縮し、次いで、水で処理し、EtOAcで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)-N-(イソブチルスルホニル)-2-メチルプロパン-1-スルホンアミド(0.274g、96%)を得、これを精製せずに次のステップでそのまま使用した。
ステップ2:N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)-2-メチルプロパン-1-スルホンアミドの調製。N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)-N-(イソブチルスルホニル)-2-メチルプロパン-1-スルホンアミド(0.274g、0.536mmol)のアセトニトリル(2.68mL)溶液および2.0M炭酸ナトリウム水溶液(2.14mL、4.28mmol)を、90分間60℃に加熱した。反応混合物を周囲温度に冷却し、次いで、10%のクエン酸水溶液でpH約3に酸性化した。反応混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出し、合わせた有機抽出物を水に続いてブラインで洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を、ヘキサン/EtOAcを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)-2-メチルプロパン-1-スルホンアミド(0.138g、63%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.72-7.67 (m, 1H), 7.09-7.02 (m, 1H), 6.67
(bs, 1H), 2.94 (d, 2H), 2.35-2.23 (m, 1H), 1.09 (d, 6H).
ステップ3:N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル-2-メチル-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。0℃のN-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)-2-メチルプロパン-1-スルホンアミド(0.138g、0.352mmol)のDMF(1.4mL)溶液に、鉱油懸濁液としての60%水素化ナトリウム(19.0mg、0.476mmol)を加えた。15分後、反応混合物を(2-(クロロメトキシ)エチル)トリメチルシラン(0.075mL、0.423mmol)で処理し、反応混合物を周囲温度で1時間撹拌した。反応混合物を水で処理し、EtOAcで抽出し、次いで、合わせた有機層を水に続いてブラインで洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc)によって精製して、N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)-2-メチル-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミド(0.113g、61%)をオフホワイト色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.52-7.49 (dd, 1H), 7.07-7.04 (dd, 1H),
5.21 (d, 1H), 4.70 (d, 1H), 3.76-3.55 (m, 2H), 3.01 (d, 2H), 2.38-2.28 (m, 1H),
1.10 (d, 6H), 0.95-0.85 (m, 2H), 0.01 (s, 9H).
中間体P60
N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)エタンスルホンアミド
ステップ1:N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)-N-(エチルスルホニル)エチルスルホンアミドの調製。2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードアニリン(150mg、0.553mmol)およびエタンスルホニルクロリド(0.157mL、1.66mmol)のジクロロメタン(2.8mL)溶液に、トリエチルアミン(0.308mL、2.21mmol)を加え、混合物を周囲温度で15時間撹拌した。反応混合物を水で処理し、EtOAcで抽出し、次いで、合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、次いで、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)-N-(エチルスルホニル)エチルスルホンアミド(0.250g、99%)を得、これを精製せずに次のステップでそのまま使用した。
ステップ2:N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)エタンスルホンアミドの調製。N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)-N-(エチルスルホニル)エタンスルホンアミド(0.250g、0.45mmol)のアセトニトリル(2.3mL)溶液および2.0M炭酸ナトリウム水溶液(1.8mL、3.6mmol)を、90分間60℃に加熱した。反応混合物を周囲温度に冷却し、次いで、10%のクエン酸水溶液でpH約3に酸性化した。反応混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出し、合わせた有機層を水に続いてブラインで洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を、ヘキサン/EtOAcを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)エタンスルホンアミド(0.158g、63%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.73-7.68 (m, 1H), 7.07-7.01 (m, 1H), 3.10
(q, 2H), 1.37 (t, 3H).
ステップ3:N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)エタンスルホンアミドの調製。0℃のN-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)-エタンスルホンアミド(0.158g、0.435mmol)のDMF(1.7mL)溶液に、鉱油懸濁液としての60%水素化ナトリウム(23.5mg、0.587mmol)を加えた。15分後、反応混合物を(2-(クロロメトキシ)エチル)トリメチルシラン(0.093mL、0.521mmol)で処理し、反応混合物を周囲温度で1時間撹拌した。反応混合物を水で処理し、EtOAcで抽出し、次いで、合わせた有機層を水に続いてブラインで洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を、ヘキサン/EtOAcを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)エタンスルホンアミド(0.166g、77%)をオフホワイト色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.53-7.49 (dd, 1H), 7.07-7.04 (dd, 1H),
5.20 (d, 1H), 4.74 (d, 1H), 3.78-3.71 (m, 1H), 3.63-3.56 (m, 1H), 3.14 (q, 2H),
1.45 (t, 3H), 0.97-0.84 (m, 2H), 0.01 (s, 9H).
中間体P61
N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)ピロリジン-1-スルホンアミド
ステップ1:N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)-N-(ピロリンジン-1-イルスルホニル)ピロリジン-1-スルホンアミドの調製。2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードアニリン(150mg、0.553mmol)のピリジン(2.8mL)溶液に、ピロリジン-1-スルホニルクロリド(0.070mL、0.608mmol)を加え、混合物を周囲温度で15時間撹拌した。反応混合物を水で処理し、EtOAcで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、次いで、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)-N-(ピロリンジン-1-イルスルホニル)ピロリジン-1-スルホンアミド(0.290g、98%)を得、これを精製せずに次のステップでそのまま使用した。
ステップ2:N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)ピロリジン-1-スルホンアミドの調製。N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)-N-(ピロリンジン-1-イルスルホニル)ピロリジン-1-スルホンアミド(0.290g、0.539mmol)のアセトニトリル(2.7mL)溶液および2.0M炭酸ナトリウム水溶液(2.2mL、4.3mmol)を、90分間60℃に加熱した。反応混合物を周囲温度に冷却し、次いで、10%のクエン酸水溶液でpH約3に酸性化した。反応混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出し、合わせた有機層を水に続いてブラインで洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を、ヘキサン/EtOAcを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)ピロリジン-1-スルホンアミド(0.093g、42%)を得た。
ステップ3:N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)ピロリジン-1-スルホンアミドの調製。0℃のN-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)ピロリジン-1-スルホンアミド(0.093g、0.229mmol)のDMF(0.92mL)溶液に、鉱油懸濁液としての60%水素化ナトリウム(12.4mg、0.309mmol)を加えた。15分後、反応混合物を(2-(クロロメトキシ)エチル)トリメチルシラン(0.049mL、0.275mmol)で処理し、反応混合物を周囲温度で1時間撹拌した。反応混合物を水で処理し、EtOAcで抽出し、次いで、合わせた有機層を水に続いてブラインで洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を、ヘキサン/EtOAcを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)ピロリジン-1-スルホンアミド(0.087g、71%)をオフホワイト色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.68-7.64 (dd, 1H), 7.05-7.02 (dd, 1H),
5.19 (d, 1H), 4.68 (d, 1H), 3.78-3.72 (m, 1H), 3.64-3.58 (m, 1H), 3.37 (d, 2H),
3.21 (d, 2H), 1.89-1.83 (m, 4H), 0.93-0.88 (m, 2H), 0.01 (s, 9H).
中間体P62
N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)ベンゼンスルホンアミド
ステップ1:N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)-N-(フェニルスルホニル)の調製。2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードアニリン(152mg、0.560mmol)のテトラヒドロフラン(1.4mL)およびピリジン(1.4mL)溶液に、フェニルスルホニルクロリド(0.079mL、0.62mmol)を加え、混合物を周囲温度で15時間撹拌した。反応混合物を濃縮して、N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)-N-(フェニルスルホニル)ベンゼンスルホンアミド(0.240g、104%)を得、これを精製せずに次のステップでそのまま使用した。
ステップ2:N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)ベンゼンスルホンアミドの調製。N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)-N-(フェニルスルホニル)ベンゼンスルホンアミド(0.240g、0.45mmol)の4:1のTHF/MeOH(2.3mL)溶液を、2.0M KOH水溶液(1.3mL、2.25mmol)で処理し、混合物を1時間60℃に加熱した。反応混合物を周囲温度に冷却し、次いで、10%のクエン酸水溶液でpH約3に酸性化した。反応混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出し、合わせた有機層を水に続いてブラインで洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)ベンゼンスルホンアミド(0.220g、95%)を得、これを精製せずに次のステップでそのまま使用した。
ステップ3:N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)ベンゼンスルホンアミドの調製。0℃のN-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)ベンゼンスルホンアミド(0.220g、0.534mmol)のDMF(2.1mL)溶液に、鉱油懸濁液としての60%水素化ナトリウム(28.9mg、0.722mmol)を加えた。15分後、反応混合物を(2-(クロロメトキシ)エチル)トリメチルシラン(0.114mL、0.641mmol)で処理した。反応混合物を周囲温度で1時間撹拌した。反応混合物を水で処理し、EtOAcで抽出し、次いで、合わせた有機層を水に続いてブラインで洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc)によって精製して、N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)ベンゼンスルホンアミド(0.180g、62%)をオフホワイト色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.74-7.71 (m, 2H), 7.61-7.56 (m, 1H),
7.49-7.44 (m, 2H), 7.23-7.19 (dd, 1H), 6.99-6.94 (dd, 1H), 5.32 (d, 1H), 4.73
(d, 1H), 3.70-3.58 (m, 2H), 0.92-0.82 (m, 2H), 0.01 (s, 9H).
中間体P63
N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)-2,5-ジフルオロ-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)ベンゼンスルホンアミド
ステップ1:N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)-N-((2,5-ジフルオロフェニル)スルホニル)-2,5-ジフルオロベンゼンスルホンアミドの調製。2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードアニリン(150mg、0.553mmol)のテトラヒドロフラン(1.4mL)およびピリジン(1.4mL)溶液に、2,5-ジフルオロベンゼンスルホニルクロリド(0.082mL、0.608mmol)を加え、混合物を周囲温度で15時間撹拌した。反応混合物を濃縮して、N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)-N-((2,5-ジフルオロフェニル)スルホニル)-2,5-ジフルオロベンゼンスルホンアミド(0.253g、73%)を得、これを精製せずに次のステップでそのまま使用した。
ステップ2:N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)-2,5-ジフルオロベンゼンスルホンアミドの調製。N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)-N-((2,5-ジフルオロフェニル)スルホニル)-2,5-ジフルオロ-ベンゼンスルホンアミド(0.253g、0.41mmol)の4:1のTHF/MeOH(2.03mL)溶液を、2.0M KOH水溶液(1.03mL、2.05mmol)で処理し、反応混合物を1時間60℃に加熱した。反応混合物を周囲温度に冷却し、次いで、10%のクエン酸水溶液でpH約3に酸性化した。反応混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出し、合わせた有機層を水に続いてブラインで洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)-2,5-ジフルオロベンゼンスルホンアミド(0.173g、70%)を得、これを精製せずに次のステップでそのまま使用した。
ステップ3:N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)-2,5-ジフルオロ-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)ベンゼンスルホンアミドの調製。0℃のN-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)-2,5-ジフルオロベンゼンスルホンアミド(0.173g、0.387mmol)のDMF(1.5mL)溶液に、鉱油懸濁液としての60%水素化ナトリウム(20.9mg、0.522mmol)を加えた。15分後、反応混合物を(2-(クロロメトキシ)エチル)トリメチルシラン(0.082mL、0.464mmol)で処理し、周囲温度で1時間撹拌した。反応混合物を水で処理し、EtOAcで抽出し、次いで、合わせた有機層を水に続いてブラインで洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc)によって精製して、N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)-2,5-ジフルオロ-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)ベンゼンスルホンアミド(0.118g、53%)をオフホワイト色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.41-7.34 (m, 2H), 7.29-7.22 (m, 1H),
7.21-7.14 (m, 1H), 7.05-6.99 (m, 1H), 5.43 (d, 1H), 4.91 (d, 1H), 3.82-3.63 (m,
2H), 0.98-0.83 (m, 2H), 0.02 (s, 9H).
中間体P64
N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)フラン-2-スルホンアミド
ステップ1:N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)-N-(フラン-2-イルスルホニル)フラン-2-スルホンアミドの調製。2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードアニリン(150mg、0.553mmol)のジクロロメタン(2.8mL)溶液およびトリエチルアミン(0.231mL、1.66mmol)に、フラン-2-スルホニルクロリド(0.193mg、1.16mmol)を加え、混合物を周囲温度で16時間撹拌した。反応混合物を濃縮して、N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)-N-(フラン-2-イルスルホニル)フラン-2-スルホンアミド(0.061g、21%)を得、これを精製せずに次のステップでそのまま使用した。
ステップ2:N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)フラン-2-スルホンアミドの調製。N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)-N-(フラン-2-イルスルホニル)フラン-2-スルホンアミド(0.061g、0.115mmol)の4:1のTHF/MeOH(0.692mL)溶液を、2.0M KOH水溶液(0.290mL、0.577mmol)で処理し、混合物を周囲温度で18時間撹拌した。反応混合物を周囲温度に冷却し、次いで、10%のクエン酸水溶液でpH約3に酸性化した。反応混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出し、合わせた有機層を水に続いてブラインで洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)フラン-2-スルホンアミド(0.035g、76%)を得、これを精製せずに次のステップでそのまま使用した。
ステップ3:N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)フラン-2-スルホンアミドの調製。0℃のN-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)フラン-2-スルホンアミド(0.035g、0.0879mmol)のDMF(0.35mL)溶液に、鉱油懸濁液としての60%水素化ナトリウム(4.75mg、0.119mmol)を加えた。15分後、反応混合物を(2-(クロロメトキシ)エチル)トリメチルシラン(0.019mL、0.105mmol)で処理し、反応混合物を周囲温度で1時間撹拌した。反応混合物を水で処理し、EtOAcで抽出し、次いで、合わせた有機層を水に続いてブラインで洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を、ヘキサン/EtOAcを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)フラン-2-スルホンアミド(0.032g、68%)をオフホワイト色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.60-7.59 (dd, 1H), 7.30-7.26 (dd, 1H), 7.03-6.99
(dd, 1H), 6.91-6.90 (dd, 1H), 6.51-6.50 (dd, 1H), 5.30 (d, 1H), 4.87 (d, 1H),
3.76-3.63 (m, 2H), 0.96-0.82 (m, 2H), 0.01 (s, 9H).
中間体P65
N-(2-シアノ-3-ヨードフェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミド
ステップ1:N-(2-シアノ-3-ヨードフェニル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。プロパン-1-スルホンアミド(46mg、0.37mmol)のDMF(810μL)溶液に、水素化ナトリウム(60%の鉱油懸濁液、15mg、0.37mmol)を加え、混合物を15分間40℃に加熱した。反応混合物を2-フルオロ-6-ヨードベンゾニトリル(40mg、0.16mmol)で処理し、2時間90℃に加熱し、次いで、周囲温度で16時間撹拌した。反応混合物を10%のクエン酸水溶液でpH約3に酸性化し、EtOAcで抽出し(2回)、合わせた有機層を水およびブラインで洗浄し、次いでNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を、ヘキサン/EtOAcを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、N-(2-シアノ-3-ヨードフェニル)プロパン-1-スルホンアミド(51mg、90%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.76 (d, 1H), 7.68 (d, 1H), 7.28 (t, 1H),
6.89 (br-s, 1H), 3.17 (t, 2H), 1.91 (m, 2H), 1.07 (t, 3H).
ステップ2:N-(2-シアノ-3-ヨードフェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。0℃のN-(2-シアノ-3-ヨードフェニル)プロパン-1-スルホンアミド(50mg、0.143mmol)のDMF(952μL)溶液に、水素化ナトリウム(60%の鉱油懸濁液、7.71mg、0.193mmol)および(2-(クロロメトキシ)エチル)トリメチルシラン(28.7μL、0.171mmol)を加え、反応混合物を0℃で1時間撹拌した。反応混合物を水で処理し、EtOAcで抽出し(2回)、次いで、合わせた有機層を水に続いてブラインで洗浄し、次いで、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を、ヘキサン/EtOAcを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、N-(2-シアノ-3-ヨードフェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミド(50mg、73%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.93 (d, 1H), 7.56 (d, 1H), 7.33 (t, 1H),
5.08 (s, 2H), 3.70 (t, 2H), 3.16 (t, 2H), 1.94 (m, 2H), 1.08 (t, 3H), 0.92 (t,
2H), 0.01 (s, 9H).
中間体P66
N-(3-アミノ-2-シアノ-4-フルオロフェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミド
ステップ1:N-(3-アミノ-2-シアノ-4-フルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。プロパン-1-スルホンアミド(232mg、1.88mmol)のDMSO(2mL)溶液に、水素化ナトリウム(60%の鉱油懸濁液、82.4mg、2.06mmol)を加え、混合物を周囲温度で30分間撹拌した。反応混合物を、2-アミノ-3,6-ジフルオロベンゾニトリル(138mg、0.895mmol)のDMSO溶液2mLで処理し、次いで、反応混合物を16時間かけて100℃に、次いで120℃で24時間加熱した。反応混合物を周囲温度に冷却し、0.5M NaOH水溶液で処理し、次いで、EtOAcで抽出した(2回)。水層をpH約4に酸性化し、EtOAcで抽出し(2回)、次いで、合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を、ヘキサン/EtOAcを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、N-(3-アミノ-2-シアノ-4-フルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド(26mg、11%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.15 (dd, 1H), 6.92 (dd, 1H), 6.54 (br-s,
1H), 4.58 (br-s, 2H), 3.12 (t, 2H), 1.91 (m, 2H), 1.06 (t, 3H).
ステップ2:N-(3-アミノ-2-シアノ-4-フルオロフェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。0℃のN-(3-アミノ-2-シアノ-4-フルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド(25mg、0.0972mmol)のDMF(648μL)溶液に、水素化ナトリウム(60%の鉱油懸濁液、4.28mg、0.107mmol)、次いで、2-(クロロメトキシ)エチル)トリメチルシラン(17.1μL、0.102mmol)を加え、反応混合物を0℃で30分間撹拌した。反応混合物を水で処理し、EtOAcで抽出し(2回)、次いで、合わせた有機層を水に続いてブラインで洗浄し、次いで、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を、ヘキサン/EtOAcを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、N-(3-アミノ-2-シアノ-4-フルオロフェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミド(16mg、43%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.17 (dd, 1H), 6.81 (dd, 1H), 5.01 (s,
2H), 4.60 (br-s, 2H), 3.69 (t, 2H), 3.12 (t, 2H), 1.92 (m, 2H), 1.06 (t, 3H),
0.93 (t, 2H), 0.02 (s, 9H).
中間体P67
tert-ブチル(3-アミノ-2-クロロ-4-フルオロフェニル)カルバメート
ステップ1:メチル3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-2-クロロ-6-フルオロベンゾエートの調製。メチル3-アミノ-2-クロロ-6-フルオロベンゾエート(5.06g、24.9mmol)をDCM(250mL)に溶解させ、0℃に冷却した。反応混合物を、トリエチルアミン(10.4mL、74.6mmol)、4-(ジメチルアミノ)ピリジン(0.304g、2.49mmol)、次いで二炭酸ジ-tert-ブチル(13.6g、62.1mmol)で順次処理し、周囲温度で16時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、残渣を、ヘキサン/アセトンを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、メチル3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-2-クロロ-6-フルオロベンゾエート(7.55g、100%)を得、これを、モノ/ビス-Boc生成物の混合物として次のステップで直ちに使用した。
ステップ2:3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-2-クロロ-6-フルオロ安息香酸の調製。メチル3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-2-クロロ-6-フルオロベンゾエート(7.55g、24.9mmol)を1:1のTHF/MeOH(120mL)に溶解させ、次いで、2.0M NaOH水溶液(37.3mL、74.6mmol)で処理し、周囲温度で16時間撹拌した。反応混合物を追加の水で希釈し、Et2O(2×250mL)で抽出した。Et2O有機物を合わせ、1.0M NaOH(1×50mL)で洗浄し、次いで、合わせた水層を、4.0M HClを使用してpH約4に酸性化し、次いで、4:1のDCM/IPA(2×250mL)で抽出した。DCM/IPA有機層を合わせ、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-2-クロロ-6-フルオロ安息香酸(5.53g、77%)を得、これを精製せずに次のステップでそのまま使用した。
ステップ3:tert-ブチル(3-アミノ-2-クロロ-4-フルオロフェニル)カルバメートの調製。3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-2-クロロ-6-フルオロ安息香酸(5.53g、19.1mmol)をDMF(100mL)に溶解させ、トリエチルアミン(7.98mL、57.27mmol)、次いでジフェニルホスホリルアジド(6.17mL、28.63mmol)で順次処理し、周囲温度で1時間撹拌した。反応混合物を水(20mL)で処理し、16時間80℃に加熱した。反応混合物を周囲温度に冷却し、追加の水(50mL)で希釈し、次いで、EtOAc(2×250mL)で抽出した。有機抽出物を合わせ、水(3×100mL)およびブライン(1×50mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を、ヘキサン/アセトン、次いで再びヘキサン/MTBEを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、tert-ブチル(3-アミノ-2-クロロ-4-フルオロフェニル)カルバメート(1.05g、21%)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.41 (s, 1H), 6.99-6.94 (m, 1H), 6.69-6.66
(m, 1H), 5.34 (s, 2H), 1.43 (s, 9H).
中間体P68
N-(3-アミノ-4-クロロ-2-フルオロフェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミド
0℃のN-(3-アミノ-4-クロロ-2-フルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド(3.0g、11.2mmol)のDMF(45.0mL)溶液に、鉱油懸濁液としての60%水素化ナトリウム(607mg、15.2mmol)を加えた。15分後、反応混合物を(2-(クロロメトキシ)エチル)トリメチルシラン(2.4mL、13.5mmol)の滴下によって処理し、反応混合物を周囲温度で1時間撹拌した。反応混合物を水で処理し、EtOAcで抽出し(2回)、次いで、合わせた有機層を水に続いてブラインで洗浄し、次いで、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を、ヘキサン/EtOAcを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、N-(3-アミノ-2-クロロ-4-フルオロフェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミド(3.85g、86%)をオフホワイト色の固体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.08 (d, 1H), 6.75 (dd, 1H), 4.97 (s, 2H),
4.16 (s, 2H), 3.65 (dd, 2H), 3.08 (dd, 2H), 1.93-1.83 (m, 2H), 1.05 (t, 3H),
0.91 (dd, 2H), 0.01 (s, 9H).
中間体P69
6-((3-アミノ-2-クロロ-6-フルオロフェニル)アミノ)-3,5-ジメチルキナゾリン-4(3H)-オン
ステップ1:tert-ブチル(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)カルバメートの調製。tert-ブチル(3-アミノ-2-クロロ-4-フルオロフェニル)カルバメート(56.7mg、0.217mmol)、6-ブロモ-3,5ジメチルキナゾリン-4(3H)-オン(50mg、0.198mmol)、炭酸セシウム(193mg、0.593mmol)、キサントホス(17.1mg、0.0296mmol)、およびトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(9.05mg、0.0099)をバイアルにおいて合わせ、次いで、減圧下で脱気し、アルゴンガスで満たし直した。トルエン(0.988mL)を加え、溶液をアルゴンで5分間スパージングした後、バイアルを密封し、16時間100℃に加熱した。反応混合物を周囲温度に冷却し、Celite(登録商標)パッドで濾過し、DCM/EtOAcを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、tert-ブチル(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)カルバメートをオフホワイト色の固体(81mg、95%)として得た。MS (apci, m/z) = 333.1 (M-Boc).
ステップ2:6-((3-アミノ-2-クロロ-6-フルオロフェニル)アミノ)-3,5-ジメチルキナゾリン-4(3H)-オンの調製。tert-ブチル(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)カルバメート(81mg、0.187mmol)をDCM(4.7mL)に溶解させ、トリフルオロ酢酸(1.5mL)で処理し、反応混合物を周囲温度で1時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、残渣を、DCM/MeOHおよび1%のNH4OHを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、6-((3-アミノ-2-クロロ-6-フルオロフェニル)アミノ)-3,5-ジメチルキナゾリン-4(3H)-オンを淡黄色の固体(37mg、56%)として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.99 (s, 1H), 7.38 (d, 1H), 7.02 (d, 1H),
6.86 (dd, 1H), 6.51 (dd, 1H), 3.50 (s, 3H), 2.90 (s, 3H); MS (apci, m/z) =
333.1 (M+H).
中間体P70
N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-N-エチル-N-メチル-1-スルホンアミド
ステップ1:N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)-N-エチル-N-メチル-1-スルホンアミドの調製。2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードアニリン(145mg、0.534mmol)のピリジン(2671μL)の溶液に、エチル(メチル)スルファモイルクロリド(177mg、1.12mmol)を加え、反応混合物を周囲温度で終夜撹拌した。反応混合物を10%のクエン酸水溶液で処理し、EtOAcで抽出し(2回)、合わせた有機層を水およびブラインで洗浄し、次いでNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を、ヘキサン/EtOAcを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、次いで、単離された生成物をアセトニトリル(2671μL)および2.0M Na
2CO
3水溶液(2671μL、5.34mmol)に溶解させ、2時間65℃に加熱した。反応混合物を、0.1%のTFAを含有するH
2O/アセトニトリルを溶離液とする逆相C18クロマトグラフィーによって精製し、単離された生成物をDCMに溶解させ、飽和NaHCO
3に続いてブラインで洗浄した。有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)-N-エチル-N-メチル-1-スルホンアミド(21mg、10%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.64 (dd, 1H), 7.02 (dd, 1H), 6.71 (br-s,
1H), 3.22 (q, 2H), 2.81 (s, 3H), 1.01 (t, 3H).
ステップ2:N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-N-エチル-N-メチル-1-スルホンアミドの調製。0℃のN-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)-N-エチル-N-メチル-1-スルホンアミド(21mg、0.0535mmol)のDMF(357μL)溶液に、鉱油中60%の水素化ナトリウム(2.57mg、0.0642mmol)、次いで(2-(クロロメトキシ)エチル)トリメチルシラン(9.39μL、0.0562mmol)を加え、溶液を周囲温度で30分間撹拌した。反応混合物を水で処理し、EtOAcで抽出し(2回)、次いで、合わせた有機層を水に続いてブラインで洗浄し、次いで、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を、ヘキサン/EtOAcを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-N-エチル-N-メチル-1-スルホンアミド(27.5mg、98%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.66 (dd, 1H), 7.04 (dd, 1H), 5.19 (d,
1H), 4.68 (d, 1H), 3.64 (t, 2H), 3.14 (1, 2H), 2.80 (s, 3H), 0.92 (m, 5H), 0.01
(s, 9H).
中間体P71
(R)-N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)-3-フルオロ-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)ピロリジン-1-スルホンアミド
ステップ1:(R)-N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)-3-フルオロピロリジン-1-スルホンアミドの調製。2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードアニリン(197mg、0.726mmol)のピリジン(3629μL)溶液に、(R)-3-フルオロピロリジン-1-スルホニルクロリド(286mg、1.52mmol)を加え、反応混合物を周囲温度で48時間撹拌した。反応混合物を10%のクエン酸水溶液で処理し、EtOAcで抽出し(2回)、合わせた有機層を水およびブラインで洗浄し、次いでNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を、0.1%のTFAを含有するH
2O/アセトニトリルを溶離液とする逆相C18クロマトグラフィーによって精製し、単離された生成物をDCMに溶解させ、飽和NaHCO
3に続いてブラインで洗浄した。有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、(R)-N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)-3-フルオロピロリジン-1-スルホンアミド(200mg、43%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.68 (dd, 1H), 7.02 (dd, 1H), 6.78 (br-s,
1H), 3.59 (m, 3H), 3.47 (m, 2H), 2.24 (m, 1H), 2.05 (m, 1H).
ステップ2:(R)-N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)-3-フルオロ-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)ピロリジン-1-スルホンアミドの調製。0℃の(R)-N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)-3-フルオロピロリジン-1-スルホンアミド(132mg、0.312mmol)のDMF(2082μL)溶液に、鉱油中60%の水素化ナトリウム(15.0mg、0.375mmol)、次いで(2-(クロロメトキシ)エチル)トリメチルシラン(54.8μL、0.328mmol)を加え、溶液を周囲温度で30分間撹拌した。反応混合物を水で処理し、EtOAcで抽出し(2回)、次いで、合わせた有機層を水に続いてブラインで洗浄し、次いで、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を、ヘキサン/EtOAcを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、次いで、逆相C18クロマトグラフィー(0.1%のTFAを含有するH2O/アセトニトリル)によって精製し直し、次いで、単離された生成物をDCMに溶解させ、飽和NaHCO3に続いてブラインで洗浄し、次いで、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、(R)-N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)-3-フルオロ-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)ピロリジン-1-スルホンアミド(25.2mg、15%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.64 (m, 1H), 7.04 (dd, 1H), 5.29 (m, 1H),
5.18 (m, 1H), 3.64 (m, 4H), 3.49 (m, 3H), 2.24 (m, 1H), 2.09 (m, 1H), 0.91 (t,
2H), 0.01 (s, 9H).
中間体P72
6-ブロモ-5-メチル-3-(ピリジン-3-イル)キナゾリン-4(3H)-オン
ピリジン-3-イルボロン酸(51.4mg、0.418mmol)、酢酸銅(II)(38.0mg、0.209mmol)、および15mgの破砕された4オングストローム分子篩を、無水DCM(3mL)に懸濁させた。スラリーを、酸素バルーンを用いながら周囲温度で5分間撹拌した。6-ブロモ-5-メチルキナゾリン-4(3H)-オン(50mg、0.209mmol)およびピリジン(33.8μL、0.418mmol)を加え、反応液を、酸素バルーンを用いながら40℃で42時間撹拌した。反応液をDCM(15mL)で希釈し、濾過によって固体を除去し、DCM(10mL)で洗浄した。有機濾液を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(3×25mL)で洗浄した。水性洗液を合わせ、DCM:IPA(4:1)(2×10mL)で抽出した。有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、緑色の油状物を得、これを、DCMおよびMeOH(0%~10%のMeOH、1%のNH
4OH含有)を溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、6-ブロモ-5-メチル-3-(ピリジン-3-イル)キナゾリン-4(3H)-オン(38.7mg、59%)を白色の固体として得た。MS (apci, m/z) = 316.0, 318.0 (M+H).
中間体P73
6-ブロモ-5-メチル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)キナゾリン-4(3H)-オン
6-ブロモ-5-メチルキナゾリン-4(3H)-オン(50mg、0.2091mmol)のDMF(2.1mL)溶液にK
2CO
3(115.6mg、0.8366mmol)を加え、反応混合物をアルゴン中にて周囲温度で5分間撹拌した。2,2,2-トリフルオロエチルトリフルオロメタンスルホネート(33.14μL、0.2301mmol)を加え、反応液を周囲温度で終夜撹拌した。反応混合物を水(15mL)で失活させ、EtOAc(3×15mL)で抽出した。有機相を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して白色の固体を得、これを、ヘキサンおよびEtOAc(0~30%のEtOAc)を溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、6-ブロモ-5-メチル-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)キナゾリン-4(3H)-オン(60mg、89%)を白色の蝋質固体として得た。MS (apci, m/z) = 321.0, 323.0 (M+H).
中間体P74
5-ブロモ-6-クロロ-3-メチルキナゾリン-4(3H)-オン
ステップ1:5-ブロモ-6-クロロキナゾリン-4(3H)-オンの調製。6-アミノ-2-ブロモ-3-クロロ安息香酸(1.21g、4.831mmol)、ホルムアミド(0.288mL、7.246mmol)、およびPOCl
3(2.25mL、24.15mmol)からなる溶液を、2時間95℃に加熱した。反応混合物を周囲温度に冷却し、濃縮して、余分なPOCl
3を除去し、残渣を水で慎重に失活させた。得られる黄色の懸濁液を周囲温度で30分間撹拌し、固体を濾過によって収集し、水で洗浄し、真空乾燥して、5-ブロモ-6-クロロキナゾリン-4(3H)-オン(1.20g、96%)を得、これを精製せずに次のステップでそのまま使用した。MS (apci, m/z) = 259.0, 261.0 (M+H).
ステップ2:5-ブロモ-6-クロロ-3-メチルキナゾリン-4(3H)-オンの調製。5-ブロモ-6-クロロキナゾリン-4(3H)-オン(1.2g、4.62mmol)のDMF(20mL)溶液に、炭酸カリウム(1.41g、10.2mmol)に続いてヨードメタン(0.576mL、9.25mmol)を加え、反応混合物を周囲温度で16時間撹拌した。反応混合物を100mLの水で希釈し、EtOAcで抽出した(4回)。有機相を合わせ、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、次いで濃縮した。粗生成物を、DCM中10~50%のアセトンを溶離液とするカラムクロマトグラフィーによって精製して、5-ブロモ-6-クロロ-3-メチルキナゾリン-4(3H)-オン(0.78g、62%)を得た。MS (apci, m/z) = 274.9, 276.9 (M+H).
中間体P75
6-クロロ-3-メチル-5-((トリメチルシリル)エチニル)キナゾリン-4(3H)-オン
5-ブロモ-6-クロロ-3-メチルキナゾリン-4(3H)-オン(276.5mg、1.011mmol)をジオキサン(10mL)に溶解させ、トリメチルシリルアセチレン(171.44μL、1.213mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド(141.91mg、0.202mmol)、ヨウ化銅(I)(38.506mg、0.202mmol)、およびトリエチルアミン(563.62μL、4.044mmol)で処理し、次いで、アルゴンで5分間スパージングし、密封し、70℃で16時間加熱した。反応混合物を周囲温度に冷却し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/アセトン)に続いて、逆相C18クロマトグラフィー(0.1%のTFAを含有する水-アセトニトリル)によって精製した。次いで、所望の画分を濃縮乾燥し、得られる残渣を4:1のDCM:IPAに溶解させ、飽和NaHCO
3で洗浄した(1回)。有機画分を合わせ、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、6-クロロ-3-メチル-5-((トリメチルシリル)エチニル)キナゾリン-4(3H)-オン(115.4mg、39%)を得た。MS (apci, m/z) = 291.1, 293.1 (M-H).
中間体P76
6-ヒドロキシ-3,5-ジメチルキナゾリン-4(3H)-オン
ステップ1:3,5-ジメチル-6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)キナゾリン-4(3H)-オンの調製。バイアルに、6-ブロモ-3,5-ジメチルキナゾリン-4(3H)-オン(2.70g、10.7mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(3.25g、12.8mmol)、KOAc(3.14g、32.0mmol)、およびDMSO(26.7mL)を加えた。スラリーをArバブリングによって5分間パージし、次いで、ジクロロ[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロロメタン付加物(0.263g、0.320mmol)を一度に加え、バイアルを密封した。混合物を15時間90℃に加熱した。混合物を周囲温度に冷却し、水(150mL)で希釈し、15分間撹拌した。得られる固体を真空濾過によって単離し、追加の水で洗浄した。得られる固体をEtOAc(150mL)に溶解させ、溶液をNa
2SO
4で乾燥させた。次いで、混合物をシリカ充填物で直接濾過し、所望の生成物をEtOAcで溶離させた。濾液を濃縮して、3,5-ジメチル-6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)キナゾリン-4(3H)-オンを黄褐色の固体(2.48g、77%)として得た。MS (apci, m/z) = 301.1 (M+H).
ステップ2:6-ヒドロキシ-3,5-ジメチルキナゾリン-4(3H)-オンの調製。3,5-ジメチル-6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)キナゾリン-4(3H)-オン(2.48g、8.26mmol)のTHF(41.3mL)溶液を、氷/水浴で0℃に冷却し、次いで、NaOH(2.0M水溶液、20.7mL、41.3mmol)を滴下して加えた。過酸化水素(35%wt、水溶液、5.68mL、66.1mmol)をゆっくりと加えた。反応混合物を0℃で2.5時間撹拌し、次いで、チオ硫酸ナトリウム(3.0M水溶液、24.8mL、74.4mmol)を加えて失活させ、反応混合物を周囲温度に温め、1時間撹拌した。反応混合物を0.1N NaOH水溶液で希釈し、MTBEで洗浄した(2回)。水層を固体クエン酸でpH約4に調整した。得られる固体を真空濾過によって単離し、追加の水で洗浄し、次いで、周囲温度で終夜真空乾燥して、6-ヒドロキシ-3,5-ジメチルキナゾリン-4(3H)-オンをオフホワイト色の固体(1.49g、94%)として得た。MS (apci, m/z) = 191.1 (M+H).
中間体P77
N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)ブタン-2-スルホンアミド
ステップ1:N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)ブタン-2-スルホンアミドの調製。0℃の2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードアニリン(250mg、0.921mmol)のジクロロメタン(4.6mL)溶液に、トリエチルアミン(385μL、2.76mmol)およびブタン-2-スルホニルクロリド(303mg、1.93mmol)を加え、反応混合物を周囲温度で終夜撹拌した。反応混合物をDCMで希釈し、水(1回)およびブライン(1回)で洗浄した。有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(10~75%のEtOAc/ヘキサン)によって精製して、N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)ブタン-2-スルホンアミド(250mg、52%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.75 (dd, 1H), 7.02 (dd, 1H), 2.99 (m,
1H), 1.37 (d, 3H), 1.14 (m, 2H), 1.01 (t, 3H).
ステップ2:N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)ブタン-2-スルホンアミドの調製。0℃のN-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)ブタン-2-スルホンアミド(188mg、0.480mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(32mL)溶液に、鉱油中60%の水素化ナトリウム(23.0mg、0.576mmol)に続いて(2-(クロロメトキシ)エチル)トリメチルシラン(84.3μL、0.504mmol)を加えた。氷浴を外し、溶液を周囲温度で30分間撹拌した。次いで、溶液をEtOAcで希釈し、水で失活させた。有機層を水(1回)およびブライン(1回)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を、逆相クロマトグラフィー(5~95%のMeCN/水、0.1%のTFA)によって精製した。単離された生成物をDCMに溶解させ、飽和NaHCO3で洗浄した。有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)ブタン-2-スルホンアミド(185mg、52%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.51 (dd, 1H), 7.05 (dd, 1H), 5.16 (dd,
1H), 4.81 (dd, 1H), 3.69 (m, 2H), 2.94 (m, 1H), 1.40 (dd, 3H), 1.13 (m, 2H),
1.03 (m, 3H), 0.89 (m, 2H), 0.02 (s, 9H).
中間体P78
2-クロロ-4-フルオロ-3-メトキシアニリン
ステップ1:2-クロロ-4-フルオロ-3-メトキシベンズアルデヒドの調製。N,N,N’-トリメチルエチレンジアミン(1.77mL、13.6mmol)をTHF(50mL)に溶解させ、窒素を還流させながら42℃に冷却し、次いで、n-ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M、5.45mL、13.6mmol)で処理し、全部を加えた後、-42℃で30分間撹拌した。次いで、反応混合物を-78℃に冷却し、4-フルオロ-3-メトキシベンズアルデヒド(2.0g、13.0mmol)のTHF溶液50mLで処理し、次いで、-42℃に加温し、30分間撹拌した。反応混合物を-78℃に冷却し、n-ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M、5.45mL、13.6mmol)で処理し、次いで、-42℃に加温し、1時間撹拌した。反応混合物を、周囲温度において、ヘキサクロロエタン(6.14g、26.0mmol)のTHF溶液50mLに、カニューレで速やかに移し、周囲温度で2時間撹拌した。反応混合物を4.0M HClで処理し、Et
2O(2×250mL)で抽出した。有機相を合わせ、1.0M NaOH(1×100mL)、1.0M HCl(1×100mL)、およびブライン(1×50mL)で洗浄し、次いで、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を、逆相C18クロマトグラフィー(0.1%のTFAを含有する水/アセトニトリル)によって精製し、所望の生成物を含有する画分を合わせ、4:1のDCM:IPAと飽和NaHCO
3(1×100mL)とに分配し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、2-クロロ-4-フルオロ-3-メトキシベンズアルデヒド(1.12g、46%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.26 (s, 1H), 7.70-7.67 (m, 1H),
7.52-7.48 (t, 1H), 3.94 (s, 3H).
ステップ2:2-クロロ-4-フルオロ-3-メトキシ安息香酸の調製。2-クロロ-4-フルオロ-3-メトキシベンズアルデヒド(1.07g、5.67mmol)をアセトニトリル(57mL)に溶解させ、1.0Mのリン酸水素ナトリウム水溶液(8.51mL、8.51mmol)で処理し、次いで、0℃に冷却した。反応混合物を35%wtの過酸化水素水溶液(0.732mL、8.51mmol)で処理した後、1.0Mの亜塩素酸ナトリウム水溶液(8.51mL、8.51mmol)を滴下して加え、次いで、周囲温度に温め、16時間撹拌した。反応混合物を3.0Mのチオ硫酸ナトリウム溶液で処理し、1.0M NaOHで希釈し、Et2O(2×250mL)で洗浄した。4.0M HClを使用して水層をpH約2に酸性化し、4:1のDCM:IPA(2×250mL)で抽出した。有機抽出物を合わせ、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、2-クロロ-4-フルオロ-3-メトキシ安息香酸(1.16g、99%)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 13.45 (br-s, 1H), 7.59-7.56 (m, 1H),
7.40-7.36 (t, 1H), 3.89 (s, 3H).
ステップ3:2-クロロ-4-フルオロ-3-メトキシアニリンの調製。2-クロロ-4-フルオロ-3-メトキシ安息香酸(1.16g、5.670mmol)をDMF(57mL)に溶解させ、トリエチルアミン(2.37mL、17.01mmol)に続いてジフェニルホスホリルアジド(1.83mL、8.51mmol)で処理し、周囲温度で1時間撹拌した。反応混合物を10mLの水で処理し、16時間80℃に加熱した。反応混合物を周囲温度に冷却し、水で希釈し、EtOAc(2×250mL)で抽出した。有機相を合わせ、水(3×100mL)およびブライン(1×50mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc)によって精製して、2-クロロ-4-フルオロ-3-メトキシアニリン(640.9mg、64%)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 6.98-6.94 (t, 1H), 6.52-6.49 (m, 1H), 5.24 (br-s, 2H), 3.82 (s,
3H).
中間体P79
3-アミノ-2-クロロ-6-フルオロフェノール
2-クロロ-4-フルオロ-3-メトキシアニリン(400mg、2.2mmol)のDCM(10mL)溶液に、0℃でBBr
3(4.5mL、DCM中1.0M、4.5mmol)を加え、反応混合物を周囲温度で16時間撹拌した。反応混合物をメタノール(3mL)で失活させ、次いで、冷水(75mL)中に注ぎ、酢酸エチル(100mL×2)で抽出した。有機層を水(2×50mL)およびブライン(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発にかけた。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中10%の酢酸エチル)によって精製して、3-アミノ-2-クロロ-6-フルオロフェノールをオフホワイト色の固体(220mg、60%)として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 9.87 (br-s, 1H), 6.83 (dd, 1H), 6.22-60.18
(m, 1H), 5.03 (br-s, 2H). MS (m/z) = 159.8 (M-H).
中間体P80
3-アミノ-2,6-ジフルオロフェノール
ステップ1:2-(2,4-ジフルオロ-3-メトキシフェニル)イソインドリン-1,3-ジオンの調製。2,4-ジフルオロ-3-メトキシアニリン(4.89g、30.7mmol)、イソベンゾフラン-1,3-ジオン(4.55g、30.7mmol)、およびトリエチルアミン(4.28mL、30.7mmol)のトルエン(76.8mL)中の混合物を、dean starkトラップを用いて16時間加熱還流した。反応混合物を周囲温度に冷却し、濃縮した。残渣をEtOAcで希釈し、水で失活させた。有機相を水(1回)およびブライン(1回)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(100%のDCM)によって精製して、2-(2,4-ジフルオロ-3-メトキシフェニル)イソインドリン-1,3-ジオン(8.0g、90%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.0 (m, 2H), 7.95 (m, 2H), 7.35 (m, 2H),
3.98 (s, 3H).
ステップ2:2-(2,4-ジフルオロ-3-ヒドロキシフェニル)イソインドリン-1,3-ジオンの調製。0℃の2-(2,4-ジフルオロ-3-メトキシフェニル)イソインドリン-1,3-ジオン(7.6g、26mmol)のジクロロメタン(131mL)溶液に、1.0Mのトリブロモボラン(34mL、34mmol)を加え、反応液を周囲温度に温め、4時間撹拌した。溶液を氷上に注ぎ、2時間撹拌した。得られる固体を濾過によって収集し、真空乾燥して、2-(2,4-ジフルオロ-3-ヒドロキシフェニル)イソインドリン-1,3-ジオン(6.2g、86%)を得た。MS (apci, m/z) = 274.1 [M-H].
ステップ3:3-アミノ-2,6-ジフルオロフェノールの調製。2-(2,4-ジフルオロ-3-ヒドロキシフェニル)イソインドリン-1,3-ジオン(200mg、0.727mmol)および1.0Mヒドラジン(1453μL、1.45mmol)のメタノール(1453μL)溶液を、周囲温度で終夜撹拌した。溶液を濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(1~20%のMeOH/DCM、1%のNH4OH)によって精製して、3-アミノ-2,6-ジフルオロフェノール(91mg、86%)を得た。1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 6.62 (m, 1H), 6.24 (m, 1H); MS (apci, m/z)
= 146.1 [M+H].
中間体P81
tert-ブチル3-フルオロ-2-メチル-6-ニトロベンゾエート
3-フルオロ-2-メチル-6-ニトロ安息香酸(800mg、4.02mmol)がtert-BuOHとDCMの混合物(1:1、5mL)に溶解している撹拌された溶液に、Boc
2O(1.38mL、6.03mmol)に続いてDMAP(147mg、1.2mmol)を加え、反応混合物を窒素雰囲気中において周囲温度で16時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、粗残渣を水(150mL)で失活させ、酢酸エチル(2×150mL)で抽出した。合わせた有機層を水(2×100mL)、ブライン(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物を、ヘキサン中15~20%の酢酸エチルを使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、tert-ブチル3-フルオロ-2-メチル-6-ニトロベンゾエートを無色の液体(600mg、60%)として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.10-8.07 (dd, 1H), 7.34 (t, 1H), 2.30 (s,
3H), 1.60 (s, 9H).
中間体P82
N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミド
ステップ1:N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)-N-(プロピルスルホニル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。0℃の2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードアニリン(2.0g、7.4mmol)のDCM(50mL)溶液に、トリエチルアミン(2.6mL、18.5mmol)およびプロパン1-スルホニルクロリド(2.1mL、18.5mmol)を加え、反応液を窒素中において周囲温度で16時間撹拌した。反応混合物を水中に注ぎ、DCM(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物を、ヘキサン中20%の酢酸エチルを使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)-N-(プロピルスルホニル)プロパン-1-スルホンアミド(2.5g、70%)を褐色の固体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.48 - 7.39 (m, 1H), 7.12-7.03 (m, 1H),
3.73-3.61 (m, 2H), 3.62-3.49 (m, 2H), 2.06-1.88 (m, 4H), 1.09 (t, J = 7.4 Hz,
6H).
ステップ2:N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)-N-(プロピルスルホニル)プロパン-1-スルホンアミド(8.0g、16.59mmol)のアセトニトリル(100mL)溶液に、炭酸水素ナトリウム(17.5g、170mmol)および25mLの水を加え、反応混合物を70℃で16時間加熱した。反応混合物を周囲温度に冷却し、クエン酸飽和溶液でpH約1に酸性化し、酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物を、ヘキサン中20%の酢酸エチルを溶離液とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)プロパン-1-スルホンアミド(5.0g、80%)を褐色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.74-7.66 (m, 1H), 7.09-7.00 (m, 1H), 6.67
(s, 1H), 3.08-2.99 (m, 2H), 1.92-1.78 (m, 2H), 1.03 (t, J = 7.5 Hz, 3H); MS
(m/z) = 377.9 (M+H).
ステップ3:N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。0℃のN-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)プロパン-1-スルホンアミド(2.0g、7.38mmol)のDMF(10mL)溶液に、鉱油中60%の水素化ナトリウム(396mg、9.88mmol)を少量ずつ加え、反応混合物を0℃で30分間撹拌した。これに、2-(トリメチルシリル)エトキシメチルクロリド(1.5mL、8.85mmol)を加え、反応混合物を周囲温度で1時間撹拌した。反応混合物を冷水中に注ぎ、酢酸エチル(100mL×3)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物を、ヘキサン中5%の酢酸エチルを使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミド(3.2g、85%)を白色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.67-7.58 (m, 1H), 7.41-7.30 (m, 1H), 5.09
(d, J = 11.1 Hz, 1H), 4.71 (d, J = 11.1 Hz, 1H), 3.60 (q, J = 7.7 Hz, 2H),
3.31-3.15 (m, 2H), 1.75 (q, J = 7.5 Hz, 2H), 0.99 (t, J = 7.4 Hz, 3H), 0.83 (t,
J = 8.2 Hz, 2H), -0.02 (s, 9H).
中間体P83
N-(3-ブロモ-2-フルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド
3-ブロモ-2-フルオロアニリン(1.0g、5.26mmol)のピリジン(10mL)溶液に、プロパン-1-スルホニルクロリド(5.92mL、52.62mmol)を加え、反応混合物をアルゴン雰囲気中において60℃で3時間撹拌した。反応混合物を周囲温度に冷却し、減圧下で溶媒を除去した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中5%の酢酸エチル)によって精製して、N-(3-ブロモ-2-フルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミドを淡黄色の固体(950mg、60%)として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 9.86 (s, 1H), 7.57-7.48 (m, 1H), 7.46-7.37
(m, 1H), 7.19-7.10 (m, 1H), 3.16-3.08 (m, 2H), 1.80-1.66 (m, 2H), 0.97 (t, J =
7.4 Hz, 3H).
中間体P84
3-アミノ-5-クロロ-2-フルオロフェノール
ステップ1:5-クロロ-2-フルオロ-3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)アニリンの調製。3-ブロモ-5-クロロ-2-フルオロアニリン(184mg、0.82mmol)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’-オクタメチル-2,2’-ビ(1,3,2-ジオキサボロラン)(271mg、1.07mmol)、PdCl
2(dppf)-dcm(18mg、0.025mmol)、および酢酸カリウム(161mg、1.64mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(1949μL)溶液を、アルゴンで10分間スパージングし、アルゴンバルーンを用いながら16時間100℃に加熱した。反応混合物を周囲温度に冷却し、水で希釈し、EtOAcで抽出した(3回)。合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(5~50%のEtOAc/ヘキサン)によって精製して、5-クロロ-2-フルオロ-3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)アニリン(169mg、76%)を得た。
ステップ2:3-アミノ-5-クロロ-2-フルオロフェノールの調製。0℃の5-クロロ-2-フルオロ-3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)アニリン(134mg、0.494mmol)のテトラヒドロフラン(4935μL)溶液に、2.0M水酸化ナトリウム(1234μL、2.47mmol)および35%の過酸化水素(340μL、3.95mmol)を加え、反応混合物を0℃で30分間撹拌した。反応混合物を5mLの飽和チオ硫酸ナトリウムで失活させ、周囲温度で30分間撹拌した。反応混合物を10%のクエン酸でpH約5に酸性化し、水で希釈し、EtOAcで抽出した(3回)。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(5~95%のEtOAc/ヘキサン)によって精製して、3-アミノ-5-クロロ-2-フルオロフェノール(63mg、79%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 6.39 (m, 1H), 6.33 (m, 1H), 5.02 (m, 1H),
3.79 (br-s, 2H).
中間体P85
3-アミノ-2,6-ジフルオロフェノール
ステップ1:2-(2,4-ジフルオロ-3-メトキシフェニル)イソインドリン-1,3-ジオンの調製。2,4-ジフルオロ-3-メトキシアニリン(4.4g、28mmol)、イソベンゾフラン-1,3-ジオン(4.1g、28mmol)、およびトリエチルアミン(3.9mL、28mmol)の69mLのトルエン中の混合物を、Dean Starkトラップを用いて16時間加熱還流した。反応混合物を周囲温度に冷却し、水で希釈し、EtOAcで抽出した(3回)。合わせた有機層を水、ブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮し、逆相クロマトグラフィー(5~95%のACN/水、0.1%のTFA)によって精製した。単離された生成物をDCMに溶解させ、NaHCO
3飽和水溶液で洗浄した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、2-(2,4-ジフルオロ-3-メトキシフェニル)イソインドリン-1,3-ジオン(6.3g、79%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.02 (m, 4H), 6.69 (m, 1H), 6.38 (m, 1H),
3.98 (s, 3H).
ステップ2:2-(2,4-ジフルオロ-3-ヒドロキシフェニル)イソインドリン-1,3-ジオンの調製。0℃の2-(2,4-ジフルオロ-3-メトキシフェニル)イソインドリン-1,3-ジオン(6.1g、21.1mmol)の70mLのジクロロメタン溶液に、DCM中1.0Mのトリブロモボラン(27.4mL、27.4mmol)を加え、反応液を周囲温度に温め、16時間撹拌した。溶液を氷上に注ぎ、得られる固体を濾過によって収集し、真空乾燥して、2-(2,4-ジフルオロ-3-ヒドロキシフェニル)イソインドリン-1,3-ジオン(4.29g、74%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.97 (m, 2H), 7.82 (m, 2H), 7.05 (m, 1H),
6.88 (m, 1H).
ステップ3:3-アミノ-2,6-ジフルオロフェノールの調製。2-(2,4-ジフルオロ-3-ヒドロキシフェニル)イソインドリン-1,3-ジオン(4.29g、15.6mmol)および1.0Mのヒドラジン(31.2mL、31.2mmol)の溶液を、メタノール(31.2mL)中において周囲温度で16時間撹拌した。反応混合物をCeliteで濾過し、Celiteをメタノールですすぎ、濾液を減圧下で濃縮した。残渣を水中のクエン酸でpH約5に調整し、EtOAcで抽出した(3回)。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(5~95%のEtOAc/ヘキサン)によって精製して、3-アミノ-2,6-ジフルオロフェノール(2.11g、93%)を得た。MS (apci, m/z) = 146.1 (M+H).
中間体P86
3-アミノ-2,5-ジフルオロフェノール
2,5-ジフルオロ-3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)アニリン(0.500g、1.960mmol)のTHF(9.80mL)溶液を、氷/水浴で0℃に冷却し、2.0M NaOH(4.90mL、9.801mmol)を滴下して加えた。これに、35wt%の過酸化水素(1.35mL、15.68mmol)をゆっくりと加え、混合物を0℃で2.5時間撹拌した。反応液を3.0Mのチオ硫酸ナトリウム(5.88mL、17.64mmol)で失活させ、混合物を周囲温度に温め、0.5時間撹拌した。混合物を0.1N NaOHで希釈し、混合物をMTBEで抽出した(2回)。水層を固体クエン酸で処理してpH約4~5とした。混合物をEtOAcで抽出し(3回)、合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、3-アミノ-2,6-ジフルオロフェノール(0.236g、82%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 9.75 (s, 1H), 5.97 (ddd, J = 10.6, 6.3,
3.1 Hz, 1H), 5.87 (ddd, J = 9.4, 6.3, 3.1 Hz, 1H), 5.28 (brs, 2H).
中間体P87
3-アミノ-2-フルオロフェノール
2-フルオロ-3-メトキシアニリン(2g、14.18mmol)のDCM(15mL)溶液に、0℃でBBr
3(29mL、DCM中1M、28.36mmol)を加え、反応混合物を周囲温度で16時間撹拌した。反応混合物をメタノール(30mL)で失活させ、濃縮した。残渣を冷水(20mL)中に注ぎ、酢酸エチル(2×200mL)で抽出した。合わせた有機相を水(2×100mL)およびブライン(100mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(10%のEtOAc/ヘキサン)によって精製して、3-アミノ-2-フルオロフェノール(1.6g、88%)を褐色の固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 9.28 (s-br, 1H), 6.60 (t, J = 8.1 Hz, 1H),
6.18 (t, J = 7.9 Hz, 1H), 6.11 (t, J = 7.9 Hz, 1H), 4.93 (s-br, 2H). MS (apci,
m/z) = 126.0 (M-H).
中間体P88
3-アミノ-2-フルオロ-5-メチルフェノール
ステップ1:tert-ブチル(2-フルオロ-5-メチルフェノキシ)ジメチルシランの調製。2-フルオロ-5-メチルフェノール(12g、95.23mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(30mL)溶液に、1H-イミダゾール(9.71g、142.85mmol)を加え、反応混合物を0℃に冷却した。これに、tert-ブチルジメチルシリルクロリド(21.42g、142.85mmol)を加え、反応混合物を周囲温度で16時間撹拌した。反応混合物を冷水で希釈し、酢酸エチル(3×100mL)で抽出した。合わせた有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(5%のEtOAc/ヘキサン)によって精製して、tert-ブチル(2-フルオロ-5-メチルフェノキシ)ジメチルシランを無色の油状物(21.3g、94%)として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 6.88-6.93 (m, 1H), 6.67-6.72 (m, 2H), 2.25
(s, 3H), 1.00 (s, 9H), 0.19 (s, 6H).
ステップ2:3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2-フルオロ-5-メチルベンズアルデヒドの調製。撹拌されたtert-ブチル(2-フルオロ-5-メチルフェノキシ)ジメチルシラン(5.0g、20.83mmol)のTHF(100mL)溶液に、N,N,N’,N",N"-ペンタメチルジエチレントリアミン(PMDTA、2.6mL、12.5mmol)を加え、反応混合物を-78℃に冷却した。これに、n-BuLi(ヘキサン中1.6M、14mL、22.91mmol)を滴下して加え、反応混合物を-35℃で1時間撹拌した。反応混合物を-78℃に冷却し、N,N-ジメチルホルムアミド(9.7mL、125mmol)を滴下して加えた。反応混合物をゆっくりと室温に加温し、1時間撹拌し、塩化アンモニウム飽和水溶液(70mL)で失活させた。得られる混合物を酢酸エチル(3×100mL)で抽出し、有機層を冷水(2×20mL)で洗浄した。合わせた有機層を無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(10%のEtOAc/ヘキサン)によって精製して、3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2-フルオロ-5-メチルベンズアルデヒドを無色の粘稠な液体(3.5g、63%)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.15 (s, 1H), 7.15-7.20 (m, 2H), 2.29 (s,
3H), 0.97 (s, 9H), 0.19 (s, 6H).
ステップ3:2-フルオロ-3-ヒドロキシ-5-メチル安息香酸の調製。3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2-フルオロ-5-メチルベンズアルデヒド(11.0g、41.04mmol)のアセトニトリル(40mL)溶液に、リン酸水素ナトリウム(9.6g、61.56mmol)の飽和水溶液を加え、反応混合物を0℃に冷却した。これに、過酸化水素水溶液(30%w/w、6.9mL、61.56mmol)を加えた後、亜塩素酸ナトリウム(5.54g、61.56mmol)飽和水溶液を滴下して加え、反応混合物を周囲温度で16時間撹拌した。反応混合物をチオ硫酸ナトリウム飽和水溶液(100mL)で処理し、2N NaOH(50mL)でpH約9に塩基性化し、酢酸エチル(3×30mL)で抽出した。水層を4N HCl溶液(50mL)で酸性化し、酢酸エチル(3×200mL)で抽出した。合わせた有機層を無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、粗2-フルオロ-3-ヒドロキシ-5-メチル安息香酸を褐色の固体(4.5g、64%)として得、これを次のステップでそのまま使用した。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 13.00 (s-br, 1H), 9.93 (s-br, 1H), 7.01
(d, J = 5.2 Hz, 1H), 6.94 (d, J = 8 Hz, 1H), 2.21 (s, 3H); MS (m/z) = 168.9 (M-H).
ステップ4:メチル2-フルオロ-3-メトキシ-5-メチルベンゾエートの調製。0℃の2-フルオロ-3-ヒドロキシ-5-メチル安息香酸(4.5g、26.47mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(10mL)溶液に、炭酸カリウム(14.61g、105.88mmol)およびヨウ化メチル(9.9mL、158.82mmol)を加え、反応混合物を周囲温度で3時間撹拌した。反応混合物を水(30mL)で希釈し、酢酸エチル(3×100mL)で抽出した。合わせた有機層を冷水(2×30mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(10%のEtOAc/ヘキサン)によって精製して、メチル2-フルオロ-3-メトキシ-5-メチルベンゾエートを褐色の液体(2.75g、52%)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.22-7.24 (m, 1H), 6.91 (d, J = 8 Hz, 1H),
3.89, (s, 3H). 3.86 (s, 3H), 2.31 (s, 3H); MS (m/z) = 199.3 (M+H).
ステップ5:2-フルオロ-3-メトキシ-5-メチル安息香酸の調製。メチル2-フルオロ-3-メトキシ-5-メチルベンゾエート(4.0g、20.20mmol)のTHFおよび水(4:1、50mL)溶液に、水酸化リチウム一水和物(3.8g、90.90mmol)を加え、反応混合物を周囲温度で3時間撹拌した。反応混合物を0℃に冷却し、1N HCl水溶液で失活させてpH約1とし、酢酸エチル(3×100mL)で抽出した。合わせた有機層を無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、粗2-フルオロ-3-メトキシ-5-メチル安息香酸を白色の固体(3.0g、80%)として得、これを次のステップでそのまま使用した。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 13.12 (s-br, 1H), 7.14-7.21 (m, 2H), 3.83
(s, 3H), 1.90 (s, 3H); MS (m/z) = 183.2 (M-1).
ステップ6:tert-ブチル(2-フルオロ-3-メトキシ-5-メチルフェニル)カルバメートの調製。2-フルオロ-3-メトキシ-5-メチル安息香酸(3.0g、16.30mmol)がtert-BuOH/トルエン混合物(1:1、60mL)に溶解している撹拌された溶液に、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA、4.5mL、26.08mmol)を加え、混合物を0℃に冷却した。これに、ジフェニルホスホリルアジド(DPPA、5.25mL、24.45mmol)を加え、反応液を周囲温度に加温し、次いで、110℃で16時間還流させた。反応混合物を周囲温度に冷却し、水(20mL)で希釈し、酢酸エチル(3×100mL)で抽出した。合わせた有機層を無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(10%のEtOAc/ヘキサン)によって精製して、tert-ブチル(2-フルオロ-3-メトキシ-5-メチルフェニル)カルバメートを無色の固体(1.7g、41%)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.80 (s-br, 1H), 6.95 (d, J = 8 Hz, 1H),
6.69 (d, J = 8 Hz, 1H), 3.78 (s, 3H), 2.23 (s, 3H), 1.44 (s, 9H).
ステップ7:3-アミノ-2-フルオロ-5-メチルフェノールの調製。0℃のtert-ブチル(2-フルオロ-3-メトキシ-5-メチルフェニル)カルバメート(1.7g、6.66mmol)のDCM(10mL)溶液に、三臭化ホウ素(17mL、DCM中1M、16.66mmol)を加え、反応混合物を周囲温度で16時間撹拌した。反応混合物をメタノール(30mL)で失活させ、次いで濃縮した。残渣を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液で処理してpH約5とし、酢酸エチル(2×200mL)で抽出した。合わせた有機層を水(100mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、粗3-アミノ-2-フルオロ-5-メチルフェノールを褐色の固体(1.2g、粗生成物)として得、これを精製せずにそのまま使用した。MS (m/z) = 140.0 (M-H).
中間体P89
3-アミノ-2-クロロ-5,6-ジフルオロフェノール
ステップ1:3,4-ジフルオロ-2-メトキシアニリンの調製。Fe粉末(26g、465.61mmol)のメタノール(70mL)および水(30mL)中の懸濁液に、濃HCl(4mL)を滴下して加え、混合物を75℃に加熱した。これに、1,2-ジフルオロ-3-メトキシ-4-ニトロベンゼン(22g、116.40mmol)のメタノール(30mL)溶液を30分かけて滴下して加え、混合物を75℃で4時間撹拌した。反応混合物を周囲温度に冷却し、Celiteで濾過し、CeliteをDCM(2×250mL)で洗浄した。濾液を濃縮し、粗残渣を水(250mL)で希釈し、DCM(2×500mL)で抽出した。有機層を水(2×100mL)およびブライン(100mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(20%のEtOAc/ヘキサン)によって精製して、3,4-ジフルオロ-2-メトキシアニリンを淡黄色の液体(15g、81%)として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 6.83 (q, J = 9.0 Hz, 1H), 6.47-6.38 (m,
1H), 5.01 (s-br, 2H), 3.78 (s, 3H).
ステップ2:6-ブロモ-3,4-ジフルオロ-2-メトキシアニリンの調製。3,4-ジフルオロ-2-メトキシアニリン(15.0g、94.3mmol)のDCM(50mL)溶液に、N-ブロモスクシンイミド(16.6g、94.3mmol)のDMF(10mL)溶液を加え、反応混合物を0℃で30分間撹拌した。反応混合物を濃縮し、残渣を水で希釈し、酢酸エチル(2×500mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和Na2S2O3(4×150mL)、水(3×75mL)、およびブライン(2×100mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物をアミンシリカカラムクロマトグラフィー(5%のEtOAc/ヘキサン)によって精製して、6-ブロモ-3,4-ジフルオロ-2-メトキシアニリン(10.0g、44%)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.35 (dd, J = 7.9, 10.2 Hz, 1H), 5.14
(s-br, 2H), 3.83 (s, 3H); MS (m/z) =238.0, 240.0 [M+H].
ステップ3:1-ブロモ-2-クロロ-4,5-ジフルオロ-3-メトキシベンゼンの調製。無水塩化第二銅(1.01g、7.56mmol)と6-ブロモ-3,4-ジフルオロ-2-メトキシアニリン(1.2g、5.04mmol)の無水アセトニトリル(10mL)中の混合物に、55℃で、亜硝酸t-ブチル(1.04g、10.08mmol)を5分かけて滴下して加えた。反応混合物を55℃でもう10分間撹拌し、冷やした10%のHCl水溶液(10mL)で失活させ、酢酸エチル(2×100mL)で抽出した。合わせた有機相を水(2×50mL)およびブライン(50mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン)によって精製して、1-ブロモ-2-クロロ-4,5-ジフルオロ-3-メトキシベンゼンを淡黄色の液体(1.0g、77%)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.84 (t, J = 8.8 Hz, 1H), 3.98 (s, 3H).
ステップ4:2-クロロ-4,5-ジフルオロ-3-メトキシアニリンの調製。1-ブロモ-2-クロロ-4,5-ジフルオロ-3-メトキシベンゼン(6.0g、23.34mmol)、ベンゾフェノンイミン(8.46g、46.69mmol)、およびNaOtBu(3.37g、35.01mmol)のトルエン(15mL)溶液に、Pd2(dba)3(1.07g、1.17mmol)およびBINAP(1.45g、2.34mmol)を加え、反応混合物をArで15分間スパージングし、密封し、110℃で16時間加熱した。反応混合物を周囲温度に冷却し、減圧下で濃縮した。残渣を水で希釈し、酢酸エチル(2×250mL)で抽出した。合わせた有機層を水(2×75mL)およびブライン(2×50mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、粗N-(2-クロロ-4,5-ジフルオロ-3-メトキシフェニル)-1,1-ジフェニルメタンイミン(7.0g)を得、これをそれ以上精製せずに次のステップで直ちに使用した。
ステップ5:2-クロロ-4,5-ジフルオロ-3-メトキシアニリンの調製。N-(2-クロロ-4,5-ジフルオロ-3-メトキシフェニル)-1,1-ジフェニルメタンイミン(7.0g)のTHF(10mL)溶液に、1N HCl(10mL、10mmol)を滴下して加え、反応混合物を周囲温度で1時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、残渣を水に溶解させ、固体NaHCO3でpHを約7に調整した。水層を酢酸エチル(2×250mL)で抽出し、合わせた有機層を水(2×50mL)およびブライン(50mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物をアミンシリカカラムクロマトグラフィー(10%のEtOAc/ヘキサン)によって精製して、2-クロロ-4,5-ジフルオロ-3-メトキシアニリンを淡黄色の液体(1.85g、22%)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 6.51 (dd, J = 7.3, 12.8 Hz, 1H), 5.55
(s-br, 2H), 3.88 (s, 3H).
ステップ6:3-アミノ-2-クロロ-5,6-ジフルオロフェノールの調製。2-クロロ-4,5-ジフルオロ-3-メトキシアニリン(2.2g、9.24mmol)のDCM(30mL)溶液に、0℃で1NのBBr3DCM溶液(28.0mL、27.73mmol)を加えた。反応混合物を、Ar中において0℃で1時間、次いで25℃で16時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、残渣を0℃でMeOHに溶解させ、飽和NaHCO3でpHを約7に調整した。反応混合物を濃縮し、水層を酢酸エチル(2×250mL)で抽出した。合わせた有機相を水(2×50mL)およびブライン(50mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、3-アミノ-2-クロロ-5,6-ジフルオロフェノールを淡褐色の固体(1.1g、66%)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 5.96 (dd, J = 6.9, 12.8 Hz, 1H), 5.03
(s-br, 2H). MS (m/z) =177.8 [M-H].
中間体P90
3-フルオロ-2-メチル-6-ニトロ安息香酸
3-フルオロ-2-メチル安息香酸(5g、32.4mmol)の氷冷濃H
2SO
4(50mL)溶液に、濃HNO
3(3.5mL)をゆっくりと加え、反応混合物を周囲温度で6時間撹拌した。反応混合物を氷冷水中に注ぎ、濾過によって固体を収集し、水(2×50mL)で洗浄し、減圧下で乾燥させて、3-フルオロ-2-メチル-6-ニトロ安息香酸をオフホワイト色の固体(3.0g、47%)として得た。
1H NMR (400 MHz, MeOD) δ 8.11-8.07 (m, 1H), 7.34 (t, 1H), 2.32 (s,
3H); MS (m/z) = 197.6 (M-H).
中間体P91
3-アミノ-2,5,6-トリフルオロフェノール
ステップ1:tert-ブチル(2,4,5-トリフルオロ-3-メトキシフェニル)カルバメートの調製。2,4,5-トリフルオロ-3-メトキシ安息香酸(5.0g、24.27mmol)のトルエン:tert-ブタノール混合物(1:1、20mL)溶液に、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(5.7mL、31.55mmol)を加え、混合物を0℃に冷却した。これにジフェニルホスホリルアジド(7.8mL、36.4mmol)を加え、反応混合物を周囲温度に加温し、次いで、100℃で16時間撹拌した。反応混合物を周囲温度に冷却し、水で希釈し、酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(10%のEtOAc/ヘキサン)によって精製して、tert-ブチル(2,4,5-トリフルオロ-3-メトキシフェニル)カルバメートを無色の固体(5.0g、74%)として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.73 (s-br, 1H), 6.60 (s, 1H), 4.01 (s,
3H), 1.51 (s, 9H); MS (m/z) = 278.0 (M+H).
ステップ2:2,4,5-トリフルオロ-3-メトキシアニリンの調製。tert-ブチル(2,4,5-トリフルオロ-3-メトキシフェニル)カルバメート(5.0g、18.0mmol)の1,4-ジオキサン(20mL)溶液に、4N HClジオキサン溶液(22.5mL、90.25mmol)を加え、反応混合物を周囲温度で16時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液でpHを約7に調整した。水層を酢酸エチル(3×100mL)で抽出し、合わせた有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、2,4,5-トリフルオロ-3-メトキシアニリンを褐色がかった半固体(2.5g、60%)として得。これを次のステップでそのまま使用した。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 6.33-6.21 (m, 1H), 3.99 (s, 3H), 3.66
(s-br, 2H); MS (m/z) = 175.9 (M-H).
ステップ3:3-アミノ-2,5,6-トリフルオロフェノールの調製。撹拌された2,4,5-トリフルオロ-3-メトキシアニリン(2.5g、17.73mmol)のジクロロメタン(20mL)溶液に、0℃でDCM中1.0Mの三臭化ホウ素(35.5mL、35.46mmol)を加えた。反応混合物を周囲温度で16時間撹拌した。反応混合物をメタノール(50mL)で失活させ、減圧下で濃縮し、炭酸水素ナトリウム飽和溶液(10mL)でpHを約6に調整した。水層を酢酸エチル(3×50mL)で抽出し、合わせた有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、3-アミノ-2,5,6-トリフルオロフェノールを褐色の固体(1.75g、61%)として得。これを次のステップでそのまま使用した。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.27 (s-br, 1H), 6.36-5.85 (m, 1H), 5.14
(s-br, 2H); MS (m/z) = 161.9 (M-H).
合成実施例の調製
(実施例1)
N-(3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-2,4-ジフルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド
ステップ1:N-(3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ-2,4-ジフルオロフェニル)-N-(4-メトキシベンジル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。N-(3-アミノ-2,4-ジフルオロフェニル)-N-(4-メトキシベンジル)プロパン-1-スルホンアミド(83.7mg、0.226mmol)、6-ブロモ-3,5-ジメチルキナゾリン-4(3H)-オン(52mg、0.205mmol)、炭酸セシウム(201mg、0.616mmol)、キサントホス(17.8mg、0.0308mmol)、およびトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(9.41mg、0.0103)をバイアルにおいて合わせ、次いで、減圧下で脱気し、アルゴンガスで満たし直した。トルエン(1.03mL)を加え、溶液をアルゴンで5分間スパージングした後、バイアルを密封し、16時間90℃に加熱した。反応混合物を周囲温度に冷却し、Celite(登録商標)パッドで濾過し、DCM/EtOAcを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、N-(3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ-2,4-ジフルオロフェニル)-N-(4-メトキシベンジル)プロパン-1-スルホンアミドを白色の固体(65mg、58%)として得た。MS (apci, m/z) = 543.2 (M+H).
ステップ2:N-(3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ-2,4-ジフルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。N-(3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ-2,4-ジフルオロフェニル)-N-(4-メトキシベンジル)プロパン-1-スルホンアミド(65mg、0.12mmol)をDCM(3.0mL)に溶解させ、トリフルオロ酢酸(1.0mL)で処理し、反応混合物を周囲温度で1時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、残渣を、1%のNH4OHを含有するDCM/MeOHを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、N-(3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-2,4-ジフルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミドを白色の固体(37.5mg、43%)として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.94 (s, 1H), 7.45 (d, 1H), 7.29-7.23 (m,
1H), 7.16-7.12 (m, 1H), 6.98 (t, 1H), 6.62 (br-s, 1H), 5.41 (br-s, 1H), 3.54
(s, 3H), 3.07 (dd, 2H), 2.95 (s, 3H), 1.92-1.83 (m, 2H), 1.05 (t, 3H); MS
(apci, m/z) = 423.1 (M+H).
(実施例2)
N-(3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-2,4-ジフルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド
ステップ1:N-(3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-2,4-ジフルオロフェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル))プロパン-1-スルホンアミドの調製。N-(3-アミノ-2,4-ジフルオロフェニル)-3-フルオロ-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミド(34.6mg、0.087mmol)、6-ブロモ-3,5-ジメチルキナゾリン-4(3H)-オン(20mg、0.079mmol)、炭酸セシウム(77mg、0.237mmol)、キサントホス(6.9mg、0.012mmol)、およびトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(3.62mg、0.00395)をバイアルにおいて合わせ、次いで、減圧下で脱気し、アルゴンガスで満たし直した。トルエン(0.395mL)を加え、溶液をアルゴンで5分間スパージングした後、バイアルを密封し、16時間90℃に加熱した。反応混合物を周囲温度に冷却し、Celite(登録商標)パッドで濾過し、シリカゲルクロマトグラフィー(DCM/EtOAc)によって精製して、N-(3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-2,4-ジフルオロフェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル))プロパン-1-スルホンアミドを白色の固体(35.6mg、79%)として得た。MS (apci, m/z) = 571.2 (M+H).
ステップ2:N-(3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-2,4-ジフルオロフェニル)3-フルオロプロパン-1-スルホンアミドの調製。N-(3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ-2,4-ジフルオロフェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル))プロパン-1-スルホンアミド(35.6mg、0.0624mmol)をDCM(1.5mL)に溶解させ、トリフルオロ酢酸(0.5mL)で処理し、反応混合物を周囲温度で1時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(1%のNH4OHを含有するDCM/MeOH)によって精製して、N-(3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-2,4-ジフルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミドを白色の固体(16.0mg、46%)として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.90 (s, 1H), 7.42 (d, 1H), 7.17-7.22 (m,
1H), 7.09-7.12 (m, 1H), 6.92-6.97 (m, 1H), 5.49 (br-s, 1H), 4.57 (t, 1H), 4.45
(t, 1H), 3.51 (s, 3H), 3.21 (dd, 2H), 2.91 (s, 3H), 2.15-2.27 (m, 2H). MS
(apci, m/z) = 441.1 (M+H).
(実施例3)
N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)フェニル)プロパン-1-スルホンアミド
ステップ1:N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)フェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。N-(3-ブロモ-2-クロロフェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミド(41mg、0.093mmol)、6-アミノ-3,5-ジメチルキナゾリン-4(3H)-オン(中間体P15)(18mg、0.093mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(4.2mg、0.0046mmol)、キサントホス(8.0mg、0.014mmol)、および炭酸セシウム(90mg、0.28mmol)のトルエン(617μL)溶液を、アルゴンで10分間スパージングし、次いで、バイアルに密封し、終夜90℃に加熱した。反応混合物を周囲温度に冷却し、DCM/EtOAcを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)フェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミドを得た。MS (apci, m/z) = 551.2 [M+H].
ステップ2:N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)フェニル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。1mLのDCMおよび0.2mLのトリフルオロ酢酸中で、N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)フェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミドの溶液を45分間撹拌した。反応混合物を濃縮し、1mLのTHFおよび1mLの飽和NaHCO3に溶解させ、30分間撹拌した。反応混合物を追加の飽和NaHCO3で希釈し、DCMで抽出し(2回)、次いで、合わせた有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を逆相C18クロマトグラフィー(0.1%のTFAを含有するH2O/アセトニトリル)によって精製し、単離された生成物をDCMに溶解させ、飽和NaHCO3に続いてブラインで洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)フェニル)プロパン-1-スルホンアミド(17mg、2ステップで44%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.01 (s, 1H), 7.62 (d, 1H), 7.57 (d, 1H),
7.15 (d, 1H), 7.07 (t, 1H), 6.78 (s-br, 1H), 6.47 (d, 1H), 5.98 (s-br, 1H),
3.57 (s, 3H), 3.14 (t, 2H), 2.82 (s, 3H), 1.90 (m, 2H), 1.06 (t, 3H). MS (apci,
m/z) = 421.1 [M+H].
(実施例4)
N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)フェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド
ステップ1:N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)フェニル)-3-フルオロ-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。N-(3-アミノ-2-クロロフェニル)-3-フルオロ-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミド(0.045g、0.11mmol)、6-ブロモ-3,5-ジメチルキナゾリン-4(3H)-オン(0.026g、0.10mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.0047g、0.0051mmol)、キサントホス(0.0089g、0.015mmol)、および炭酸セシウム(0.10g、0.31mmol)のトルエン(1.0mL)懸濁液を、アルゴンバブリングによって5分間スパージングした。バイアルを密封し、混合物を終夜90℃で加熱した。混合物を周囲温度に冷却し、NH
4Cl飽和水溶液で希釈し、混合物をEtOAcで抽出した(3回)。合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物を、DCM/EtOAcを溶離液とするカラムクロマトグラフィーによって精製して、N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)フェニル)-3-フルオロ-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミドを淡黄色の固体泡沫(0.055g、94%)として得た。MS (apci, m/z) = 569.2 [M+H].
ステップ2:N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)フェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミドの調製。N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)フェニル)-3-フルオロ-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミド(0.055g、0.097mmol)を収容するバイアルに、CH2Cl2(0.483mL)を加え、溶液をトリフルオロ酢酸(0.185mL、2.42mmol)で処理した。溶液を周囲温度で2時間撹拌した。混合物をNaHCO3飽和水溶液に加え、混合物をCHCl3で抽出した。合わせた有機抽出物をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH)によって精製して、N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)フェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミドをオフホワイト色の固体(0.026g、58%)として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.00 (s, 1H); 7.59 (m, 2H); 7.15 (dd, 1H);
7.08 (t, 1H); 6.80 (brs, 1H); 6.49 (dd, 1H); 5.98 (brs, 1H); 4.63 (t, 1H); 4.51
(t, 1H); 3.56 (s, 3H); 3.32 (m, 2H); 2.83 (s, 3H); 2.27 (m, 2H); MS (apci, m/z)
= 439.0 [M+H].
(実施例5)
N-(3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-2,4,5-トリフルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド
ステップ1:N-(3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-2,4,5-トリフルオロフェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。N-(2,4,5-トリフルオロ-3-ヨードフェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミド(105mg、0.206mmol)、6-アミノ-3,5-ジメチルキナゾリン-4(3H)-オン(中間体P15)(39.0mg、0.206mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(9.44mg、0.0103mmol)、キサントホス(17.9mg、0.0309mmol)、および炭酸セシウム(201mg、0.618mmol)のトルエン(1374μL)溶液を、アルゴンで10分間スパージングし、次いで、密封されたフラスコにおいて3時間90℃に加熱した。反応混合物を周囲温度に冷却し、次いで、DCM/EtOAcを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、N-(3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-2,4,5-トリフルオロフェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミド(59mg、50%)を得た。MS (apci, m/z) = 571.2 [M+H].
ステップ2:N-(3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-2,4,5-トリフルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。N-(3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-2,4,5-トリフルオロフェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミド(96mg、0.168mmol)のジクロロメタン(1mL)およびトリフルオロ酢酸(0.5mL)溶液を、周囲温度で30分間撹拌した。溶液を濃縮し、次いで、テトラヒドロフラン(1mL)および飽和NaHCO3(1mL)に溶解させ、周囲温度で20分間撹拌した。反応混合物を追加の飽和NaHCO3で希釈し、DCMで抽出し(2回)、次いで、合わせた有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。有機層を、DCM/EtOAcを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、N-(3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-2,4,5-トリフルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド(47.5mg、64%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.37 (s, 1H), 7.71 (d, 1H), 7.27 (m, 2H),
6.52 (s-br, 1H), 5.63 (br-s, 1H), 3.79 (s, 3H), 3.16 (t, 2H), 2.94 (s, 3H),
1.90 (m, 2H), 1.09 (t, 3H); MS (apci, m/z) = 441.1 [M+H].
(実施例6)
N-(3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-2,4,5-トリフルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド
ステップ1:N-(3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ-2,4,5-トリフルオロフェニル)-3-フルオロ-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル))プロパン-1-スルホンアミドの調製。3-フルオロ-N-(2,4,5-トリフルオロ-3-ヨードフェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミド(39mg、0.074mmol)、6-アミノ-3,5-ジメチルキナゾリン-4(3H)-オン(中間体P15)(14mg、0.074mmol)、炭酸セシウム(72mg、0.22mmol)、キサントホス(9.0mg、0.016mmol)、およびトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(4.7mg、0.0052)をバイアルにおいて合わせ、次いで、減圧下で脱気し、アルゴンガスで満たし直した。トルエン(0.395mL)を加え、溶液をアルゴンで5分間スパージングした後、バイアルを密封し、16時間110℃に加熱した。反応混合物を周囲温度に冷却し、Celite(登録商標)パッドで濾過し、DCM/EtOAcを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、N-(3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ-2,4,5-トリフルオロフェニル)-3-フルオロ-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル))プロパン-1-スルホンアミドを白色の固体(28.9mg、66%)として得た。MS (apci, m/z) = 589.2 (M+H).
ステップ2:N-(3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-2,4,5-トリフルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミドの調製。N-(3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ-2,4,5-トリフルオロフェニル)-3-フルオロ-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル))プロパン-1-スルホンアミド(28.9mg、0.0491mmol)をDCM(1.2mL)に溶解させ、トリフルオロ酢酸(0.41mL)で処理し、反応混合物を周囲温度で1時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、残渣を逆相C18クロマトグラフィー(0.1%のTFAを含有するH2O/アセトニトリル)によって精製し、次いで、単離された生成物をDCMに溶解させ、飽和NaHCO3に続いてブラインで洗浄し、次いで、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、N-(3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-2,4,5-トリフルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミドを白色の固体(8.20mg、24%)として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.89 (s, 1H), 7.35 (d, 1H), 7.13 (d, 1H),
6.98-7.05 (m, 1H), 6.02 (br-s, 1H), 4.51 (t, 1H), 4.39 (t, 1H), 3.46 (s, 3H),
3.15 (dd, 2H), 2.82 (s, 3H), 2.06-2.19 (m, 2H); MS (apci, m/z) = 459.1 (M+H).
(実施例7)
N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4,5-ジフルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド
ステップ1:クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4,5-ジフルオロフェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。N-(2-クロロ-4,5-ジフルオロ-3-ヨードフェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミド(39mg、0.074mmol)、6-アミノ-3,5-ジメチルキナゾリン-4(3H)-オン(中間体P15)(14mg、0.074mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(3.4mg、0.0037mmol)、キサントホス(6.4mg、0.011mmol)、および炭酸セシウム(72mg、0.22mmol)のトルエン(494μL)溶液を、アルゴンで10分間スパージングし、次いで、密封されたバイアルにおいて終夜90℃に加熱した。反応混合物を周囲温度に冷却し、DCM/EtOAcを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4,5-ジフルオロフェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミド(33mg、75%)を得た。MS (apci, m/z) = 587.2 [M+H].
ステップ2:クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4,5-ジフルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4,5-ジフルオロフェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-プロパン-1-スルホンアミド(33mg、0.567mmol)の1mLのDCMおよび0.2mLのトリフルオロ酢酸溶液を、周囲温度で1時間撹拌した。溶液を濃縮し、1mLのTHFおよび1mLの飽和NaHCO3に溶解させ、周囲温度で30分間撹拌した。反応混合物を追加の飽和NaHCO3で希釈し、DCMで抽出し(2回)、次いで、合わせた有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を逆相クロマトグラフィー(0.1%のTFAを含有するH2O/アセトニトリル)によって精製し、次いで、単離された生成物をDCMに溶解させ、飽和NaHCO3に続いてブラインで洗浄し、次いで、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4,5-ジフルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド(15mg、44%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.96 (s, 1H), 7.48 (d, 1H), 7.31 (dd, 1H),
7.18 (dd, 1H), 6.72 (br-s, 1H), 5.69 (br-s, 1H), 3.56 (s, 3H), 3.12 (t, 2H),
2.96 (s, 3H), 1.88 (m, 2H), 1.07 (t, 3H); MS (apci, m/z) = 457.1 [M+H].
(実施例8)
N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4,5-ジフルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド
ステップ1:N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4,5-ジフルオロフェニル)-3-フルオロ-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル))プロパン-1-スルホンアミドの調製。N-(2-クロロ-4,5-ジフルオロ-3-ヨードフェニル)-3-フルオロ-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミド(52mg、0.095mmol)、6-アミノ-3,5-ジメチルキナゾリン-4(3H)-オン(中間体P15)(18mg、0.095mmol)、炭酸セシウム(93mg、0.29mmol)、キサントホス(14.0mg、0.024mmol)、およびトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(7.4mg、0.0081)をバイアルにおいて合わせ、次いで、減圧下で脱気し、アルゴンガスで満たし直した。トルエン(0.475mL)を加え、溶液をアルゴンで5分間スパージングした後、バイアルを密封し、16時間110℃に加熱した。反応混合物を周囲温度に冷却し、Celite(登録商標)パッドで濾過し、次いで、シリカゲルクロマトグラフィー(DCM/EtOAc)によって精製して、N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4,5-ジフルオロフェニル)-3-フルオロ-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル))プロパン-1-スルホンアミドを白色の固体(34.5mg、60%)として得た。MS (apci, m/z) = 605.2 (M+H).
ステップ2:N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4,5-ジフルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミドの調製。N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4,5-ジフルオロフェニル)-3-フルオロ-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)-メチル))プロパン-1-スルホンアミド(34.5mg、0.057mmol)をDCM(1.2mL)に溶解させ、トリフルオロ酢酸(0.41mL)で処理し、反応混合物を周囲温度で1時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、残渣を逆相クロマトグラフィー(0.1%のTFAを含有するH2O/アセトニトリル)によって精製し、次いで、単離された生成物をDCMに溶解させ、飽和NaHCO3に続いてブラインで洗浄し、次いで、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4,5-ジフルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミドを白色の固体(20.5mg、45%)として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.95 (s, 1H), 7.49 (d, 1H), 7.30 (d, 1H),
7.17 (dd, 1H), 6.72 (br-s, 1H), 5.69 (br-s, 1H), 4.63 (t, 1H), 4.51 (t, 1H),
3.55 (s, 3H), 3.29 (dd, 2H), 2.95 (s, 3H), 2.18-2.32 (m, 2H); MS (apci, m/z) =
475.1 (M+H).
(実施例9)
N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド
ステップ1:N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-N-(4-メトキシベンジル)プロパン-1-スルホンアミドの調製N-(3-アミノ-2-クロロ-4-フルオロフェニル)-N-(4-メトキシベンジル)プロパン-1-スルホンアミド(42mg、0.11mmol)、6-ブロモ-3,5-ジメチルキナゾリン-4(3H)-オン(27mg、0.11mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(5.0mg、0.0054mmol)、キサントホス(9.4mg、0.016mmol)、および炭酸セシウム(106mg、0.33mmol)のトルエン(724μL)溶液を、アルゴンで10分間スパージングし、次いで、密封されたバイアルにおいて終夜90℃に加熱した。反応混合物を周囲温度に冷却し、シリカゲルクロマトグラフィー(DCM/EtOAc)によって精製して、N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-N-(4-メトキシベンジル)プロパン-1-スルホンアミド(43mg、70%)を得た。MS (apci, m/z) = 559.2 [M+H].
ステップ2:N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-N-(4-メトキシベンジル)プロパン-1-スルホンアミド(43mg、0.077mmol)の1mLのDCMおよび0.2mLのトリフルオロ酢酸溶液を、周囲温度で3時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、残渣を逆相C18クロマトグラフィー(0.1%のTFAを含有するH2O/アセトニトリル)によって精製し、次いで、単離された生成物をDCMに溶解させ、飽和NaHCO3に続いてブラインで洗浄し、次いで、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド(23mg、48%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.94 (s, 1H), 7.44 (d, 1H), 7.41 (dd, 1H),
7.11 (d, 1H), 7.08 (d, 1H), 6.76 (br-s, 1H), 5.61 (br-s, 1H), 3.55 (s, 3H),
3.10 (t, 2H), 2.97 (s, 3H), 1.88 (m, 2H), 1.05 (t, 3H); MS (apci, m/z) = 439.1
[M+H].
(実施例10)
N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド
方法A
ステップ1:N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロ-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。N-(3-アミノ-2-クロロ-4-フルオロフェニル)-3-フルオロ-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミド(中間体P26、150mg、0.361mmol)、6-ブロモ-3,5-ジメチルキナゾリン-4(3H)-オン(中間体P2、91.5mg、0.361mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(16.6mg、0.0181mmol)、キサントホス(31.4mg、0.0542mmol)、および炭酸セシウム(353mg、1.08mmol)のトルエン(2410μL)溶液を、アルゴンで10分間スパージングし、次いで、密封されたバイアルにおいて終夜90℃に加熱した。反応混合物を周囲温度に冷却し、シリカゲルクロマトグラフィー(DCM/EtOAc)によって精製して、N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロ-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミド(200mg、94%)を得た。MS (apci, m/z) = 587.2 [M+H].
ステップ2:N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミドの調製。2mLのDCMおよび0.5mLのトリフルオロ酢酸中で、N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロ-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミド(200mg、0.34mmol)の溶液を周囲温度で45分間撹拌した。反応混合物を濃縮し、残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(1%のNH4OHを含有するDCM/MeOH)および逆相C18クロマトグラフィー(0.1%のTFAを含有するH2O/アセトニトリル)によって精製した。 所望の生成物を含有する画分をDCMに溶解させ、飽和NaHCO3に続いてブラインで洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド(65mg、39%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.93 (s, 1H), 7.44 (d, 1H), 7.41 (dd, 1H),
7.12 (d, 1H), 7.08 (d, 1H), 6.79 (br-s, 1H), 5.61 (br-s, 1H), 4.61 (t, 1H),
4.50 (t, 1H), 3.55 (s, 3H), 3.28 (t, 2H), 2.98 (s, 3H), 2.25 (t, 2H); MS (apci,
m/z) = 457.1 [M+H].
方法B
ステップA:5-メチルキナゾリン-4(3H)-オンの調製。2-アミノ-6-メチル安息香酸(74.7g、494mmol)および酢酸ホルムアミジン(61.7g、593mmol)のエタノール(1.2L)溶液を、窒素雰囲気中において還流温度で18時間加熱した。反応混合物を周囲温度に冷却して、濃厚なスラリーを得た。濾過によって固体を単離し、エタノール(500mL)で洗浄し、真空オーブンにおいて50℃で18時間乾燥させた。濾液を濃縮して500mLとし、次いで、水(1L)で希釈し、周囲温度で18時間静置して、濃厚なスラリーを得た。濾過によって固体を単離し、真空オーブンにおいて50℃で18時間乾燥させた。1回目の濾過からと2回目の濾過からの固体を合わせて、5-メチルキナゾリン-4(3H)-オン(63.3g、80%)を白色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.01 (br-s, 1H), 8.00 (s, 1H), 7.63 (t,
1H), 7.47 (d, 1H), 7.26 (d, 1H), 2.78 (s, 3H); MS (apci, m/z) = 161.2 (M+H).
ステップB:5-メチル-6-ニトロキナゾリン-4(3H)-オンの調製。5-メチルキナゾリン-4(3H)-オン(50g、312.2mmol)の濃硫酸(555mL)溶液を、外付け氷水浴で冷却して内部温度を10℃とした。反応混合物に硝酸の溶液(5M濃硫酸溶液、68.67mL、343.4mmol)を加えた。加える速度は、内部反応温度が30℃未満に保たれるように制御された。反応混合物を20分間撹拌し、次いで、氷水(5.5L)で希釈し、反応混合物の内部温度が25℃未満になるまで、外付け氷水浴で冷却した。10M NaOH水溶液(2L)をゆっくりと加えることにより反応混合物のpHを4に調整して、黄色の濃厚なスラリーを得た。濾過によって固体を単離し、水(1L)で洗浄して、濾過ケークを得た。濾過ケークをメタノール(7L)および酢酸エチル(500mL)に懸濁させ、次いで、55℃に加熱して、橙色の溶液を得た。18時間かけて周囲温度に冷却すると、黄色の結晶の懸濁液が生成した。結晶を濾過し、メタノール(1L)で洗浄し、高真空オーブンにおいて50℃で18時間乾燥させて、5-メチル-6-ニトロキナゾリン-4(3H)-オン(59.94g、94%)を黄色の結晶として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.50 (br-s, 1H), 8.18 (s, 1H), 8.13 (d,
1H), 7.63 (d, 1H), 2.82 (s, 3 H); MS (apci, m/z) = 206.1 (M+H).
ステップC:3,5-ジメチル-6-ニトロキナゾリン-4(3H)-オンの調製。5-メチル-6-ニトロキナゾリン-4(3H)-オン(59.94g、292.1mmol)のDMF溶液(0.2M、1.5L)を外付け氷水浴で冷却した。反応混合物にK2CO3(80.75g、584.3mmol)およびヨードメタン(27.28mL、438.2mmol)を加えた。反応混合物を周囲温度で3時間撹拌し、次いで、水(7.5L)に希釈して、黄色の濃厚なスラリーを得、これを周囲温度で1時間撹拌した。濾過によって固体を単離し、水(1L)で洗浄し、18時間真空乾燥して、3,5-ジメチル-6-ニトロキナゾリン-4(3H)-オン(45.85g、72%)をかすかな黄色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.49 (s, 1H), 8.13 (d, 1H), 7.63 (d, 1H),
3.47 (s, 3H), 2.81 (s, 3H); MS (apci, m/z) = 220.1 (M+H)
ステップD:6-アミノ-3,5-ジメチルキナゾリン-4(3H)-オンの調製。3,5-ジメチル-6-ニトロキナゾリン-4(3H)-オン(45.85g、209.2mmol)およびパラジウム炭素(11.13g、5.229mmol)のメタノール(3L)懸濁液を、窒素で30分間スパージングし、次いで、水素バルーン下に置いた。反応混合物を周囲温度で18時間撹拌し、次いでえ、窒素でスパージングし、珪藻土パッドで濾過した。濾液を濃縮して、6-アミノ-3,5-ジメチルキナゾリン-4(3H)-オン(37.59g、95%)を黄色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.02 (s, 1H), 7.26 (d, 1H), 7.13 (d, 1H),
5.28 (br-s, 2H), 3.39 (s, 3H), 2.62 (s, 3H); MS (apci, m/z) = 190.1 (M+H)
ステップE:2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードアニリンの調製。3つの滴下漏斗、内部温度プローブ、および磁気撹拌子を備えた5Lの4口フラスコにおいて、N2を還流させながら、2-クロロ-4-フルオロアニリン(82.03mL、687.00mmol)をTHF(1.5L)に溶解させ、-78℃に冷却した。次いで、反応混合物をn-ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M)(299.53mL、748.82mmol)の滴下によって処理し、全部を加えた後、-78℃15分間撹拌した。反応混合物を、1,2-ビス(クロロジメチルシリル)エタン(155.28g、721.35mmol)のTHF溶液(500mL)の滴下によって処理し、全部を加えた後、-78℃で30分間撹拌した。反応混合物を追加のn-ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M)(299.53mL、748.82mmol)の滴下によって処理し、次いで、全部を加えた後、氷浴を外し、反応混合物を1時間撹拌した。次いで、反応混合物を再び-78℃に冷却し、追加のn-ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M)(299.53mL、748.82mmol)の滴下によって処理し、全部を加えた後、-78℃で30分間撹拌した。反応混合物を、ヨウ素(249.34g、982.40mmol)のTHF溶液(600mL)の滴下によって処理し、氷浴を外し、反応混合物を周囲温度に温め、16時間撹拌した。反応混合物を1Lの水に続いて塩酸(4.0M水溶液)(601.12mL、2404.5mmol)で処理し、周囲温度で1時間撹拌した。固体NaHCO3を使用して反応混合物をpH約8に中和し、次いで、チオ硫酸ナトリウム(3.0M水溶液)(801.49mL、2404.5mmol)で処理し、周囲温度で30分間撹拌した。反応混合物を、フラスコをMTBEおよび水ですすぎながら6Lの抽出漏斗に移し、層を分離した。水層をMTBEで抽出し(1回)、有機層を合わせ、ブラインで洗浄し(1回)、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードアニリン(186.49g、100%)を得、これを次のステップでそのまま使用した。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.08-7.04 (m, 1H), 6.91-6.88 (m, 1H), 5.52
(br-s, 2H). MS (apci, m/z) = 271.9, 273.9 (M+H).
ステップF:ビス-tert-ブチル(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)カルバメートの調製。3Lの1口フラスコにおいて、2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードアニリン(186.49g、687.0mmol)をTHF(2.0L)に溶解させ、4-(ジメチルアミノ)ピリジン(8.393g、68.7mmol)で処理した後、二炭酸ジ-tert-ブチル(314.87g、1442.7mmol)を加えた。反応混合物を、通気を可能にしながら(open to air)ビグリューカラムを用いて周囲温度で1時間撹拌した。次いで、反応混合物を濃縮乾燥し、得られる固体をヘプタン(1L)に懸濁させ、30分間撹拌した。得られる固体を濾過によって収集し、追加のヘプタン(250mL×2)ですすいで、ビス-tert-ブチル(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)カルバメート(150.7g、47%)を黄褐色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.55-7.51 (m, 1H), 7.32-7.27 (m, 1H), 1.33
(s, 18H).
ステップG:tert-ブチル(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)カルバメートの調製。ビス-tert-ブチル(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)カルバメート(150.7g、319.5mmol)をMeOH(800mL)に溶解させ、炭酸カリウム(48.57g、351.4mmol)で処理し、反応混合物を1時間65℃に加熱した。反応混合物を周囲温度に冷却し、3.0Lの水中に注ぎ、30分間撹拌した。得られる固体を濾過によって収集し、追加の水(1L)ですすいだ。次いで、固体をDCM(1L)に溶解させ、ヘキサン(1L)で希釈し、追加の1:1のDCM:ヘキサン(4.0L)を溶離液としながらシリカゲル充填物(500g)で濾過した。所望の生成物を含有する画分を濃縮して、tert-ブチル(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)カルバメート(101.0g、85%)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.82 (br-s, 1H), 7.53-7.49 (m, 1H),
7.27-7.20 (m, 1H), 1.42 (s, 9H).
ステップH:tert-ブチル(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)カルバメートの調製。還流冷却器および磁気撹拌子を備えた3Lのフラスコにおいて、6-アミノ-3,5-ジメチルキナゾリン-4(3H)-オン(50.5g、266.9mmol)をトルエン(1065mL)に溶解させ、tert-ブチル(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)カルバメート(109.1g、293.6mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(2.44g、2.67mmol)、キサントホス(3.86g、6.67mmol)、および炭酸セシウム(173.9g、533.78mmol)で処理した。反応混合物をアルゴンで15分間スパージングし、次いで、アルゴンバルーンを用いながら24時間110℃に加熱した。反応混合物を周囲温度に冷却し、DCM(2.0L)で希釈し、30分間撹拌した。反応混合物をCelite(登録商標)で濾過し、濾液を濃縮した。得られる固体をDCM(2.5L)に溶解させ、次いで、ヘプタンの撹拌溶液(12.5L)中に注ぎ、周囲温度で30分間撹拌した。得られる固体を濾過によって収集し、追加のヘプタン(1.5L)ですすいで、tert-ブチル(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)カルバメート(95.3g、83%)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.70 (s, 1H), 8.15 (s, 1H), 7.36-7.23 (m,
4H), 6.81-6.79 (m, 1H), 3.43 (s, 3H), 2.81 (s, 3H), 1.45 (s, 9H); MS (apci,
m/z) = 433.2, 435.2 (M+H).
ステップI:tert-ブチル(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)((3-フルオロプロピル)スルホニル)カルバメートの調製。2つの滴下漏斗、内部温度プローブ、磁気撹拌子、および窒素吸気口を備えた5Lの3口フラスコにおいて、tert-ブチル(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)カルバメート(95.3g、220mmol)をTHF(2.2L)に溶解させ、N2を還流させながら5℃に冷却した。反応混合物を、1.0Mのナトリウムビス(トリメチルシリル)アミドTHF溶液(209mL、209mmol)の滴下によって処理し、次いで、全部を加えた後、15分間撹拌した。反応混合物を、3-フルオロプロパン-1-スルホニルクロリド(33.6g、209mmol)のTHF溶液150mLの滴下によって処理し、次いで氷浴を外し、反応混合物を周囲温度で1時間撹拌した。反応混合物を濃縮して、tert-ブチル(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)((3-フルオロプロピル)スルホニル)カルバメート(123g、100%)を得、これを次のステップでそのまま使用した。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.17 (s, 1H), 7.53 (s, 1H), 7.40 (s, 1H),
7.39 (s, 1H), 7.33-7.31 (d, 1H), 6.80-6.78 (d, 1H), 4.67-4.64 (t, 1H),
4.55-4.52 (t, 1H), 4.00-3.93 (m, 1H), 3.85-3.77 (m, 1H), 3.43 (s, 3H), 2.80 (s,
3H), 2.25-2.19 (m, 2H), 1.41 (s, 9H). MS (m/z) = 557.2, 559.2 (M+H).
ステップJ:N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミドの調製。tert-ブチル(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)カルバメート(123g、221.0mmol)のDCM(500mL)溶液に、500mLのトリフルオロ酢酸を一様な流れで加え、全部を加えた後、混合物を周囲温度で1時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、得られる残渣をDCM(1500mL)に溶解させ、1500mLの水で処理し、固体NaHCO3を使用してpH約7~8に中和した。次いで、溶液を濾過し、層を分配し、水性NaHCO3層をDCMで抽出した(1回)。合わせた有機層を、飽和NaHCO3で(1回)、次いで1.0M NaOHで(3回)洗浄した。合わせた水性NaOH層をDCMで洗浄し(1回)、水性NaOH層をフラスコに移し、4:1のDCM:IPA(1000mL)で希釈し、4.0M HClを使用してpH約2に酸性化した。層を分離し、水性HCl層を4:1のDCM:IPAで抽出した(2回)。合わせた4:1 DCM:IPA層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。得られる残渣をDCM(2000mL)に溶解させ、SiliaMetS Thiol(100グラム)と共に周囲温度で16時間撹拌した。混合物をシリカゲル充填物(500g)にかけ、EtOAc(8.0L)で溶離させた。濾液を濃縮して、N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド(78.9g、78.4%)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.64 (br-s, 1H), 8.16 (s, 1H), 7.34-7.25
(m, 4H), 6.88-6.85 (d, 1H), 4.62-4.59 (t, 1H), 4.50-4.47 (t, 1H), 3.43 (s, 3H),
3.25-3.21 (m, 2H), 2.81 (s, 3H), 2.19-2.06 (m, 2H). MS (m/z) = 457.1, 459.1
(M+H).
(実施例11)
N-(3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-2,5-ジフルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド
ステップ1:N-(3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-2,5-ジフルオロフェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。N-(3-ブロモ-2,5-ジフルオロフェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミド(72.6mg、0.163mmol)、6-アミノ-3,5-ジメチルキナゾリン-4(3H)-オン(中間体P15)(30.9mg、0.163mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(10.5mg、0.0114mmol)、キサントホス(19.8mg、0.0343mmol)、および炭酸セシウム(160mg、0.490mmol)のトルエン(4mL)溶液を、アルゴンで5分間スパージングし、次いで、15mLの封管において100℃で18時間加熱した。反応混合物を周囲温度に冷却し、次いで、水(25mL)および4:1のDCM:IPA(25mL)で希釈した。層を分離し、有機相をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、褐色の油状物を得、これを、シリカゲルクロマトグラフィー(DCM/EtOAc)によって精製して、N-(3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-2,5-ジフルオロフェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミド(62.9mg、70%)をオフホワイト色の泡沫として得た。MS (apci, m/z) = 553.2 (M+H)
ステップ2:N-(3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-2,5-ジフルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。N-(3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-2,5-ジフルオロフェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミド(62.9mg、0.114mmol)をDCM(5mL)および無希釈トリフルオロエタン酸(3507μL)に溶解させ、反応混合物を周囲温度で1.5時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、次いで、シリカゲルクロマトグラフィー(DCM/EtOAc)に続く逆相C18クロマトグラフィー(0.1%のTFAを含有するH2O/アセトニトリル)によって精製し、次いで、単離された生成物を4:1のDCM:IPAに溶解させ、飽和NaHCO3で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、N-(3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-2,4-ジフルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド(13.6mg、28%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.01 (s, 1H), 7.64-7.56 (m, 1H), 6.82-6.75
(m, 1H), 6.55 (s, 1H), 6.19-6.13 (m, 1H), 5.74 (s, 1H), 3.56 (s, 3H), 3.21-3.14
(m, 2H), 2.84 (s, 3H), 1.97-1.86 (m, 2H), 1.09 (t, 3H); MS (apci, m/z) = 423.1
(M+H).
(実施例12)
N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-5-フルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド
ステップ1:N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-5-フルオロフェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。N-(3-ブロモ-5-クロロ-2-フルオロフェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミド(47mg、0.102mmol)、6-アミノ-3,5-ジメチルキナゾリン-4(3H)-オン(中間体P15)(19.3mg、0.102mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(7.00mg、0.00765mmol)、キサントホス(13.3mg、0.0229mmol)、および炭酸セシウム(99.7mg、0.306mmol)のトルエン(4mL)溶液を、アルゴンで10分間スパージングし、次いで、アルゴンバルーンを用いながら終夜110℃に加熱した。反応混合物を周囲温度に冷却し、濃縮した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(DCM/アセトン)によって精製して、N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-5-フルオロフェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミド(38mg、66%)を得た。MS (apci, m/z) = 569.2 (M+H).
ステップ2:N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-5-フルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-5-フルオロフェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミド(0.038g、0.067mmol)のトリフルオロ酢酸(4mL)溶液を、周囲温度で1時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、残渣をTHFおよび飽和NaHCO3(4mL、1:1)で30分間処理した。反応混合物を酢酸エチルと水とに分配した。有機層を分離し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(DCM/アセトン)によって精製して、N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-5-フルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド(13mg、44%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.03 (s, 1H), 7.60 (s, 2H), 6.91 (dd, 1H),
6.86 (br-s, 1H), 6.09-6.05 (m, 2H), 3.56 (s, 3H), 3.19-3.14 (m, 2H), 2.81 (s,
3H), 1.95-1.85 (m, 2H), 1.07 (t, 3H); MS (apci, m/z) = 439.1 (M+H).
(実施例13)
N-(5-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-2-フルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド
ステップ1:N-(5-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-2-フルオロフェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。N-(3-ブロモ-5-クロロ-2-フルオロフェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミド(75.2mg、0.163mmol)、6-アミノ-3,5-ジメチルキナゾリン-4(3H)-オン(中間体P15)(29.9mg、0.158mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(10.1mg、0.0111mmol)、キサントホス(19.2mg、0.0332mmol)、および炭酸セシウム(154mg、0.474mmol)のトルエン(1.5mL)溶液を、アルゴンで5分間スパージングし、次いで、15mLの封管においてアルゴン中で18時間100℃に加熱した。反応混合物を水(25mL)および4:1のDCM:IPA(25mL)で希釈した。層を分離し、有機相をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮し、次いで、シリカゲルクロマトグラフィー(DCM/EtOAc)によって精製して、N-(5-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-2-フルオロフェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-プロパン-1-スルホンアミド(60.0mg、67%)を黄色の油状物として得た。MS (apci, m/z) = 569.2 (M+H).
ステップ2:N-(5-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-2-フルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。N-(5-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-2-フルオロフェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミド(60mg、0.105mmol)を0℃でDCM(5mL)およびトリフルオロ酢酸(3249μL)に溶解させ、次いで周囲温度に加温し、30分間撹拌した。真空下で溶媒を除去し、黄色の油状物をDCM(25mL)に溶解させ、NaHCO3飽和水溶液(15mL)と共に30分間撹拌した。層を分離し、有機相をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮し、次いで、シリカゲルクロマトグラフィー(DCM/EtOAc)によって精製して、N-(5-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-2-フルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド(13.6mg、29%)を白色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.01 (s, 1H), 7.62-7.56 (m, 2H), 7.04 (dd,
1H), 6.52 (d, 1H), 6.42 (dd, 1H), 5.69 (d, 1H), 3.56 (s, 3H), 3.21-3.14 (m,
2H), 2.84 (s, 3H), 1.97-1.86 (m, 2H), 1.09 (t, 3H); MS (apci, m/z) = 439.0
(M+H).
(実施例14)
N-(2,4-ジクロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)フェニル)プロパン-1-スルホンアミド
ステップ1:N-(2,4-ジクロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)フェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。N-(2,4-ジクロロ-3-ヨードフェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミド(50mg、0.095mmol)、6-アミノ-3,5-ジメチルキナゾリン-4(3H)-オン(中間体P15)(18mg、0.095mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(4.4mg、0.0048mmol)、キサントホス(8.3mg、0.014mmol)、および炭酸セシウム(93mg、0.29mmol)のトルエン(636μL)溶液を、アルゴンで10分間スパージングし、次いで、バイアルに密封し、終夜90℃に加熱した。反応混合物を周囲温度に冷却し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(DCM/EtOAc)によって精製して、N-(2,4-ジクロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)フェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミド(45mg、80%)を得た。MS (apci, m/z) = 585.1 [M+H].
ステップ2:N-(2,4-ジクロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)フェニル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。N-(2,4-ジクロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)フェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミド(45mg、0.077mmol)の1mLのDCMおよび0.2mLのトリフルオロ酢酸溶液を、周囲温度で30分間撹拌した。溶液を濃縮し、次いで、1mLのTHFおよび1mLの飽和NaHCO3に溶解させ、周囲温度で20分間撹拌した。反応混合物を追加の水で希釈し、DCMで抽出し(2回)、合わせた有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(DCM/アセトン)によって精製して、N-(2,4-ジクロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)フェニル)プロパン-1-スルホンアミド(23mg、53%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.92 (s, 1H), 7.48 (d, 1H), 7.41 (t, 1H),
6.88 (d, 1H), 6.79 (br-s, 1H), 5.72 (br-s, 1H), 3.55 (s, 3H), 3.11 (t, 2H),
3.00 (s, 3H), 1.88 (m, 2H), 1.04 (t, 3H); MS (apci, m/z) = 455.1 [M+H].
(実施例15)
N-(3,5-ジクロロ-4-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)ピリジン-2-イル)プロパン-1-スルホンアミド
ステップ1:N-(3,5-ジクロロ-4-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)ピリジン-2-イル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。N-(3,5-ジクロロ-4-ヨードピリジン-2-イル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミド(40mg、0.076mmol)、6-アミノ-3,5-ジメチルキナゾリン-4(3H)-オン(中間体P15)(14mg、0.076mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(3.5mg、0.0038mmol)、キサントホス(6.6mg、0.011mmol)、および炭酸セシウム(74mg、0.23mmol)のトルエン(508μL)溶液を、アルゴンで10分間スパージングし、次いで、バイアルに密封し、終夜90℃に加熱した。反応混合物を周囲温度に冷却し、シリカゲルクロマトグラフィー(DCM/EtOAc)によって精製して、N-(3,5-ジクロロ-4-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)ピリジン-2-イル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミド(20mg、44%)を得た。MS (apci, m/z) = 586.1 [M+H].
ステップ2:N-(3,5-ジクロロ-4-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)ピリジン-2-イル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。N-(3,5-ジクロロ-4-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)ピリジン-2-イル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミド(20mg、0.034mmol)の1mLのDCMおよび0.2mLのトリフルオロ酢酸溶液を、周囲温度で45分間撹拌した。溶液を濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(1%のNH4OHを含有するDCM/MeOH)によって精製して、N-(3,5-ジクロロ-4-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)ピリジン-2-イル)プロパン-1-スルホンアミド(13mg、37%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.12 (s, 1H), 8.01 (s, 1H), 7.50 (d, 1H),
7.24 (d, 1H), 7.21 (br-s, 1H), 6.25 (br-s, 1H), 3.66 (t, 2H), 3.56 (s, 3H),
2.91 (s, 3H), 1.92 (m, 2H), 1.09 (t, 3H); MS (apci, m/z) = 456.1 [M+H].
(実施例16)
N-(4-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-3,5-ジフルオロピリジン-2-イル)プロパン-1-スルホンアミド
ステップ1:N-(4-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-3,5-ジフルオロピリジン-2-イル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。N-(3,5-ジフルオロ-4-ヨードピリジン-2-イル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミド(38mg、0.077mmol)、6-アミノ-3,5-ジメチルキナゾリン-4(3H)-オン(中間体P15)(15mg、0.077mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(3.5mg、0.0039mmol)、キサントホス(6.7mg、0.012mmol)、および炭酸セシウム(75mg、0.23mmol)のトルエン(514μL)溶液を、アルゴンで10分間スパージングし、次いで、バイアルに密封し、終夜90℃に加熱した。反応混合物を周囲温度に冷却し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(DCM/EtOAc)によって精製して、N-(4-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-3,5-ジフルオロピリジン-2-イル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミド(35mg、81%)を得た。MS (apci, m/z) = 554.2 [M+H].
ステップ2:N-(4-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-3,5-ジフルオロピリジン-2-イル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。N-(4-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-3,5-ジフルオロピリジン-2-イル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミド(35mg、0.063mmol)の1mLのDCMおよび0.2mLのトリフルオロ酢酸溶液を、周囲温度で45分間撹拌した。反応混合物を濃縮し、残渣を逆相C18クロマトグラフィー(0.1%のTFAを含有するH2O/アセトニトリル)によって精製し、次いで、単離された生成物をDCMに溶解させ、飽和NaHCO3に続いてブラインで洗浄し、次いで、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、N-(4-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-3,5-ジフルオロピリジン-2-イル)プロパン-1-スルホンアミド(21mg、64%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.04 (s, 1H), 7.94 (s, 1H), 7.48 (d, 1H),
7.41 (d, 1H), 5.93 (s, 1H), 3.62 (t, 2H), 3.54 (s, 3H), 2.89 (s, 3H), 1.93 (m,
2H), 1.08 (t, 3H); MS (apci, m/z) = 424.1 [M+H].
(実施例17)
N-(4-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-3,5-ジフルオロピリジン-2-イル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド
ステップ1:N-(4-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-3,5-ジフルオロピリジン-2-イル)-3-フルオロ-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。N-(3,5-ジフルオロ-4-ヨードピリジン-2-イル)-3-フルオロ-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミド(44mg、0.086mmol)、6-アミノ-3,5-ジメチルキナゾリン-4(3H)-オン(中間体P15)(16mg、0.086mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(3.9mg、0.0043mmol)、キサントホス(7.5mg、0.013mmol)、および炭酸セシウム(84mg、0.26mmol)のトルエン(575μL)溶液を、アルゴンで10分間スパージングし、次いで、バイアルに密封し、終夜90℃に加熱した。反応混合物を周囲温度に冷却し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(DCM/EtOAc)によって精製して、N-(4-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-3,5-ジフルオロピリジン-2-イル)-3-フルオロ-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミド(37mg、76%)を得た。MS (apci, m/z) = 572.2 [M+H].
ステップ2:N-(4-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-3,5-ジフルオロピリジン-2-イル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミドの調製。N-(4-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-3,5-ジフルオロピリジン-2-イル)-3-フルオロ-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミド(37mg、0.065mmol)の1mLのDCMおよび0.2mLのトリフルオロ酢酸溶液を、周囲温度で30分間撹拌した。反応混合物を濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(1%のNH4OHを含有するDCM/MeOH)によって精製して、N-(4-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-3,5-ジフルオロピリジン-2-イル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド(18mg、47%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.02 (s, 1H), 7.94 (s, 1H), 7.52 (d, 1H),
7.42 (d, 1H), 5.92 (br-s, 1H), 4.66 (t, 1H), 4.54 (t, 1H), 3.80 (t, 2H), 3.55
(s, 3H), 2.90 (s, 3H), 2.31 (m, 2H); MS (apci, m/z) = 442.1 [M+H].
(実施例18)
N-(3-クロロ-4-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-5-フルオロピリジン-2-イル)プロパン-1-スルホンアミド
ステップ1:N-(3-クロロ-4-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-5-フルオロピリジン-2-イル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。N-(3-クロロ-5-フルオロ-4-ヨードピリジン-2-イル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミド(105mg、0.206mmol)、6-アミノ-3,5-ジメチルキナゾリン-4(3H)-オン(中間体P15)(39.0mg、0.206mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(9.45mg、0.0103mmol)、キサントホス(17.9mg、0.0310mmol)、および炭酸セシウム(202mg、0.619mmol)のトルエン(1376μL)溶液を、アルゴンで10分間スパージングし、次いで、密封されたフラスコにおいて終夜90℃に加熱した。反応混合物を周囲温度に冷却し、濾過し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(DCM/EtOAc)によって精製して、N-(3-クロロ-4-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-5-フルオロピリジン-2-イル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-プロパン-1-スルホンアミド(111mg、94%)を得た。MS (apci, m/z) = 570.2 [M+H].
ステップ2:N-(3-クロロ-4-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-5-フルオロピリジン-2-イル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。N-(3-クロロ-4-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-5-フルオロピリジン-2-イル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-プロパン-1-スルホンアミド(111mg、0.19mmol)の1mLのDCMおよび0.5mLのトリフルオロ酢酸溶液を、周囲温度で30分間撹拌した。反応混合物を濃縮し、DCMに溶解させ、NaHCO3飽和水溶液で洗浄し、次いで、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(DCM/EtOAc)によって精製して、N-(3-クロロ-4-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-5-フルオロピリジン-2-イル)プロパン-1-スルホンアミド(71mg、78%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.04 (s, 1H), 7.96 (d, 1H), 7.54 (d, 1H),
7.40 (d, 1H), 6.11 (br-s, 1H), 3.66 (t, 2H), 3.56 (s, 3H), 2.89 (s, 3H), 1.95
(m, 2H), 1.09 (t, 3H); MS (apci, m/z) = 440.1 [M+H].
(実施例19)
N-(3-クロロ-4-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-5-フルオロピリジン-2-イル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド
ステップ1:N-(3-クロロ-4-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-5-フルオロピリジン-2-イル)-3-フルオロ-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル))プロパン-1-スルホンアミドの調製。N-(3-クロロ-5-フルオロ-4-ヨードピリジン-2-イル)-3-フルオロ-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)ムチル))プロパン-1-スルホンアミド(53mg、0.101mmol)、6-アミノ-3,5ジメチルキナゾリン-4(3H)-オン(17.4mg、0.092mmol)、炭酸セシウム(90mg、0.276mmol)、キサントホス(8.0mg、0.0138mmol)、およびトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(4.2mg、0.0046)をバイアルにおいて合わせ、次いで、減圧下で脱気し、アルゴンガスで満たし直した。トルエン(0.46mL)を加え、溶液をアルゴンで5分間スパージングした後、バイアルを密封し、16時間100℃に加熱した。反応混合物を周囲温度に冷却し、Celite(登録商標)パッドで濾過し、シリカゲルクロマトグラフィー(DCM/EtOAc)によって精製して、N-(3-クロロ-4-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-5-フルオロピリジン-2-イル)-3-フルオロ-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル))プロパン-1-スルホンアミドを白色の固体(34.5mg、63%)として得た。MS (apci, m/z) = 588.2 (M+H).
ステップ2:N-(3-クロロ-4-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-5-フルオロピリジン-2-イル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミドの調製。N-(3-クロロ-4-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-5-フルオロピリジン-2-イル)-3-フルオロ-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル))プロパン-1-スルホンアミド(34.5mg、0.057mmol)をDCM(1.4mL)に溶解させ、トリフルオロ酢酸(0.48mL)で処理し、反応混合物を周囲温度で1時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、残渣を逆相C18クロマトグラフィー(0.1%のTFAを含有するH2O/アセトニトリル)によって精製した。単離された生成物をDCMに溶解させ、飽和NaHCO3に続いてブラインで洗浄し、次いで、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、N-(3-クロロ-4-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-5-フルオロピリジン-2-イル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミドを白色の固体(12.1mg、29%)として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.94 (s, 1H), 7.76 (d, 1H), 7.37 (d, 1H),
7.31 (dd, 1H), 4.52 (t, 1H), 4.41 (t, 1H), 3.87 (s, 3H), 3.64 (t, 2H), 3.43 (s,
3H), 2.22-2.09 (m, 2H); MS (apci, m/z) = 458.0 (M+H).
(実施例20)
N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)フラン-2-スルホンアミド
ステップ1:N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)フラン-2-スルホンアミドの調製。N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)フラン-2-スルホンアミド(31.2mg、0.0587mmol)、6-アミノ-3,5-ジメチルキナゾリン-4(3H)-オン(中間体P15)(10mg、0.0534mmol)、炭酸セシウム(52mg、0.16mmol)、キサントホス(4.6mg、0.00801mmol)、およびトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(2.4mg、0.00267)をバイアルにおいて合わせ、次いで、減圧下で脱気し、アルゴンガスで満たし直した。トルエン(0.356mL)を加え、溶液をアルゴンで5分間スパージングした後、バイアルを密封し、16時間90℃に加熱した。反応混合物を周囲温度に冷却し、次いで、Celite(登録商標)パッドで濾過し、シリカゲルクロマトグラフィー(DCM/EtOAc)によって精製して、N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)フラン-2-スルホンアミドを白色の固体(15.3mg、48%)として得た。MS (apci, m/z) = 593.1 (M+H).
ステップ2:N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)フラン-2-スルホンアミドの調製。N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)フラン-2-スルホンアミド(15.3mg、0.0258mmol)をDCM(0.65mL)に溶解させ、トリフルオロ酢酸(0.215mL)で処理し、反応混合物を周囲温度で1時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、残渣を、1%のNH4OHを含有するDCM/MeOHを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)フラン-2-スルホンアミドを白色の固体(8.4mg、32%)として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.93 (s, 1H), 7.55 (q, 1H), 7.40-7.36 (m,
2H), 7.07 (dd, 2H), 7.00 (dd, 1H), 6.89 (s, 1H), 6.48 (dd, 1H), 5.51 (br-s,
1H), 3.54 (s, 3H), 2.93 (s, 3H); MS (apci, m/z) = 463.0 (M+H).
(実施例21)
N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)ピロリジン-1-スルホンアミド
ステップ1:N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ-4-フルオロフェニル)-N-((2-トリメチルシリル)エトキシ)メチル)ピロリジン-1-スルホンアミドの調製。N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)ピロリジン-1-スルホンアミド(52mg、0.097mmol)、6-アミノ-3,5-ジメチルキナゾリン-4(3H)-オン(中間体P15)(16.6mg、0.088mmol)、炭酸セシウム(86mg、0.263mmol)、キサントホス(7.61mg、0.0132mmol)、およびトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(4.0mg、0.00439)をバイアルにおいて合わせ、次いで、減圧下で脱気し、アルゴンガスで満たし直した。トルエン(0.585mL)を加え、溶液をアルゴンで5分間スパージングした後、バイアルを密封し、16時間90℃に加熱した。反応混合物を周囲温度に冷却し、Celite(登録商標)パッドで濾過し、シリカゲルクロマトグラフィー(DCM/EtOAc)によって精製して、N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ-4-フルオロフェニル)-N-((2-トリメチルシリル)エトキシ)メチル)ピロリジン-1-スルホンアミドを白色の固体(36mg、69%)として得た。MS (apci, m/z) = 596.2 (M+H).
ステップ2:N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)ピロリジン-1-スルホンアミドの調製。N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ-4-フルオロフェニル)-N-((2-トリメチルシリル)エトキシ)メチル)ピロリジン-1-スルホンアミド(36mg、0.0604mmol)をDCM(1.5mL)に溶解させ、トリフルオロ酢酸(0.500mL)で処理し、反応混合物を周囲温度で1時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、残渣を逆相C18クロマトグラフィー(0.1%のTFAを含有するH2O/アセトニトリル)によって精製し、次いで、単離された生成物をDCMに溶解させ、飽和NaHCO3に続いてブラインで洗浄し、次いで、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)ピロリジン-1-スルホンアミドを白色の固体(4.2mg、10%)として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.93 (s, 1H), 7.44 (d, 1H), 7.41 (dd, 1H),
7.08 (d, 1H), 7.03 (dd, 1H), 6.73 (s, 1H), 5.58 (br-s, 1H), 3.54 (s, 3H),
3.36-3.33 (m, 4H), 2.97 (s, 3H), 1.89-1.86 (m, 4H); MS (apci, m/z) = 466.1
(M+H).
(実施例22)
(R)-N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロピロリジン-1-スルホンアミド
ステップ1:(R)-N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロ-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)ピロリジン-1-スルホンアミドの調製。(R)-N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)-3-フルオロ-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)ピロリジン-1-スルホンアミド(25mg、0.045mmol)、6-アミノ-3,5-ジメチルキナゾリン-4(3H)-オン(中間体P15)(8.6mg、0.045mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(2.1mg、0.0023mmol)、キサントホス(3.9mg、0.0068mmol)、および炭酸セシウム(44mg、0.14mmol)のトルエン(301μL)溶液を、アルゴンで10分間スパージングし、次いで、バイアルに密封し、24時間90℃に加熱した。反応混合物を周囲温度に冷却し、次いで、Celite(登録商標)で濾過し、濃縮して、(R)-N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロ-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)ピロリジン-1-スルホンアミド(25mg、90%)を得、これを精製せずに次のステップで使用した。MS (apci, m/z) = 614.2 (M+H).
ステップ2:(R)-N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロピロリジン-1-スルホンアミドの調製。(R)-N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロ-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)ピロリジン-1-スルホンアミド(25mg、0.041mmol)を0.2mLのトリフルオロ酢酸および0.2mLのDCM中で30分間撹拌した。反応混合物を濃縮し、0.2mLのTHFに溶解させ、次いで、0.2mLの飽和NaHCO3で処理し、周囲温度で20分間撹拌した。反応混合物を水で希釈し、DCMで抽出し(2回)、次いで、合わせた有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。有機層を逆相C18クロマトグラフィー(0.1%のTFAを含有するH2O/アセトニトリル)によって精製した。単離された生成物をDCMに溶解させ、飽和NaHCO3に続いてブラインで洗浄し、次いで、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、(R)-N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロピロリジン-1-スルホンアミド(13mg、59%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.92 (s, 1H), 7.42 (m, 2H), 7.06 (m, 2H),
6.75 (br-s, 1H), 5.57 (br-s, 1H), 3.63 (m, 3H), 3.55 (s, 3H), 3.49 (m, 2H),
2.98 (s, 3H), 2.26 (m, 1H), 2.09 (m, 1H); MS (apci, m/z) = 484.1 [M+H].
(実施例23)
N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-((5-メチル-3-(メチル-d3)-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)フェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド
ステップ1:N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-((5-メチル-3-(メチル-d3)-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)フェニル)-3-フルオロ-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル))プロパン-1-スルホンアミドの調製。N-(3-アミノ-2-クロロ-4-フルオロフェニル)-3-フルオロ-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミド(533mg、1.283mmol)、6-ブロモ-5-メチル-3-(メチル-d3)キナゾリン-4(3H)-オン(298.8mg、1.167mmol)、炭酸セシウム(1140mg、3.5mmol)、キサントホス(101mg、0.175mmol)、およびトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(53.4mg、0.0583)をバイアルにおいて合わせ、次いで、減圧下で脱気し、アルゴンガスで満たし直した。トルエン(5.83mL)を加え、溶液をアルゴンで5分間スパージングした後、バイアルを密封し、18時間100℃に加熱した。反応混合物を周囲温度に冷却し、Celite(登録商標)パッドで濾過し、DCM/EtOAcを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-((5-メチル-3-(メチル-d3)-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)フェニル)-3-フルオロ-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル))プロパン-1-スルホンアミドを白色の固体(670mg、97%)として得た。MS (apci, m/z) = 590.2 (M+H).
ステップ2:N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-((5-メチル-3-(メチル-d3)-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)フェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミドの調製。N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-((5-メチル-3-(メチル-d3)-4オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)フェニル)-3-フルオロ-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル))プロパン-1-スルホンアミド(670mg、1.135mmol)をDCM(28mL)に溶解させ、トリフルオロ酢酸(9.5mL)で処理し、反応混合物を周囲温度で1時間撹拌した。反応混合物を飽和NaHCO3水溶液で失活させ、EtOAcで抽出した(3回)。合わせた有機抽出物をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を逆相C18クロマトグラフィー(0.1%のTFAを含有するH2O/アセトニトリル)によって精製し、次いで、単離された生成物をDCMに溶解させ、飽和NaHCO3に続いてブラインで洗浄し、次いで、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-((5-メチル-3-(メチル-d3)-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)フェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミドを白色の固体(319mg、60%)として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.92 (s, 1H), 7.46 (d, 1H), 7.40 (dd, 1H),
7.12 (d, 1H), 7.07 (dd, 1H), 6.65 (br-s, 1H), 5.60 (br-s, 1H), 4.62 (t, 1H),
4.50 (t, 1H), 3.27 (dd, 2H), 2.98 (s, 3H), 2.31-2.18 (m, 2H); MS (apci, m/z) =
460.1 (M+H).
(実施例24)
N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-((5-メチル-3-(メチル-d3)-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)フェニル)プロパン-1-スルホンアミド
ステップ1:N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-((5-メチル-3-(メチル-d3)-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)フェニル)-N-(4-メトキシベンジル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。N-(3-アミノ-2-クロロ-4-フルオロフェニル)-N-(メトキシベンジル)プロパン-1-スルホンアミド(116mg、0.301mmol)、6-ブロモ-5-メチル-3-(メチル-d3)キナゾリン-4(3H)-オン(70mg、0.273mmol)、炭酸セシウム(267mg、0.820mmol)、キサントホス(23.7mg、0.0410mmol)、およびトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(12.5mg、0.0137)をバイアルにおいて合わせ、次いで、減圧下で脱気し、アルゴンガスで満たし直した。トルエン(1.37mL)を加え、溶液をアルゴンで5分間スパージングした後、バイアルを密封し、16時間90℃に加熱した。反応混合物を周囲温度に冷却し、Celite(登録商標)パッドで濾過し、DCM/EtOAcを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-((5-メチル-3-(メチル-d3)-4-オキソ-3,4-ジヒドルキナゾリン-6-イル)アミノ)フェニル)-N-(4-メトキシベンジル)プロパン-1-スルホンアミドを白色の固体(144mg、94%)として得た。MS (apci, m/z) = 562.2 (M+H).
ステップ2:N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-((5-メチル-3-(メチル-d3)-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)フェニル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-((5-メチル-3-(メチル-d3)-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)フェニル)-N-(4-メトキシベンジル)プロパン-1-スルホンアミド(144mg、0.256mmol)をDCM(6.4mL)に溶解させ、トリフルオロ酢酸(2.1mL)で処理し、反応混合物を周囲温度で1時間撹拌した。反応混合物を飽和NaHCO3水溶液で失活させ、EtOAcで抽出した(3回)。合わせた有機画分をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗混合物をシリカゲルクロマトグラフィー(1%のNH4OHを含有するDCM/MeOH)によって精製して、N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-((5-メチル-3-(メチル-d3)-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)フェニル)プロパン-1-スルホンアミドを黄色の固体(66mg、55%)として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.92 (s, 1H), 7.45 (d, 1H), 7.41 (dd, 1H),
7.11 (d, 1H), 7.06 (dd, 1H), 6.62 (br-s, 1H), 5.60 (br-s, 1H), 3.10 (dd, 2H),
2.98 (s, 3H), 1.93-1.83 (m, 2H), 1.05 (t, 3H); MS (apci, m/z) = 442.1 (M+H).
(実施例25)
N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-2,5-ジフルオロベンゼンスルホンアミド
ステップ1:N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-2,5-ジフルオロ-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)ベンゼンスルホンアミドの調製。N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)-2,5-ジフルオロ-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)ベンゼンスルホンアミド(63mg、0.109mmol)、6-アミノ-3,5-ジメチルキナゾリン-4(3H)-オン(中間体P15)(18.8mg、0.0994mmol)、炭酸セシウム(97mg、0.298mmol)、キサントホス(8.6mg、0.0149mmol)、およびトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(4.6mg、0.00497)をバイアルにおいて合わせ、次いで、減圧下で脱気し、アルゴンガスで満たし直した。トルエン(0.662mL)を加え、溶液をアルゴンで5分間スパージングした後、バイアルを密封し、18時間90℃に加熱した。反応混合物を周囲温度に冷却し、Celite(登録商標)パッドで濾過し、シリカゲルクロマトグラフィー(DCM/EtOAc)によって精製して、N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-2,5-ジフルオロ-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)ベンゼンスルホンアミドを白色の固体(15.1mg、24%)として得た。MS (apci, m/z) = 639.2 (M+H).
ステップ2:N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-2,5-ジフルオロベンゼンスルホンアミドの調製。N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-2,5-ジフルオロ-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)ベンゼンスルホンアミド(15.1mg、0.0236mmol)をDCM(0.47mL)に溶解させ、トリフルオロ酢酸(0.197mL)で処理し、反応混合物を周囲温度で1時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、残渣を、1%のNH4OHを含有するDCM/MeOHを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-2,5-ジフルオロベンゼンスルホンアミドを白色の固体(2.4mg、5.0%)として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.86 (s, 1H), 7.45-7.40 (m, 1H), 7.29 (d,
1H), 7.22-7.14 (m, 2H), 7.11-7.04 (m, 1H), 6.95 (t, 1H), 6.82-6.77 (m, 1H),
5.63 (br-s, 1H), 3.47 (s, 3H), 2.81 (s, 3H); MS (apci, m/z) = 509.1 (M+H).
(実施例26)
N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)ピリジン-2-スルホンアミド
6-((アミノ-2-クロロ-6-フルオロフェニル)アミノ)-3,5-ジメチルキナゾリン-4(3H)-オン(18mg、0.054mmol)およびトリエチルアミン(0.030mL、0.216mmol)のDCM(0.540mL)溶液に、ピリジン-2-スルホニルクロリド(20.2mg、0.114mmol)を加えた。反応混合物を周囲温度で16時間撹拌し、水で失活させた。水層をEtOAcで抽出し(3回)、合わせた有機層をブラインで洗浄し(1回)、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物を逆相C18クロマトグラフィー(0.1%のTFAを含有するH
2O/アセトニトリル)によって精製し、次いで、単離された生成物をDCMに溶解させ、飽和NaHCO
3に続いてブラインで洗浄し、次いで、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)ピリジン-2-スルホンアミドを白色の固体(2.75mg、11%)として得た。
1H NMR (400 MHz, CD
3OD) δ 8.63 (d, 1H), 8.11 (s, 1H), 8.01 (t, 1H),
7.92-7.89 (m, 1H), 7.62-7.59 (m, 1H), 7.36 (dd, 1H), 7.32 (d, 1H), 7.14 (t,
1H), 6.77 (d, 1H), 3.52 (s, 3H), 2.83 (s, 3H); MS (apci, m/z) = 474.1 (M+H).
(実施例27)
N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-2-メトキシエタン-1-スルホンアミド
ステップ1:N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-2-メトキシ-N-((2-メトキシエチル)スルホニル)エタン-1-スルホンアミドの調製。0℃の6-((3-アミノ-2-クロロ-6-フルオロフェニル)アミノ)-3,5-ジメチルキナゾリン-4(3H)-オン(15.3mg、0.046mmol)およびトリエチルアミン(0.026mL、0.184mmol)のDCM(0.115mL)溶液に、2-メトキシエチルスルホニルクロリド(0.011mL、0.0966mmol)を加えた。反応混合物を周囲温度に温め、16時間撹拌し、次いで、水で失活させた。水層をEtOAcで抽出し(3回)、合わせた有機層をブラインで洗浄し(1回)、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物を、1%のNH
4OHを含有するDCM/MeOHを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-2-メトキシ-N-((2-メトキシエチル)スルホニル)エタン-1-スルホンアミド(18mg、68%)を得た。MS (apci, m/z) = 577.1 (M+H).
ステップ2:N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-2-メトキシエタン-1-スルホンアミドの調製。N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-2-メトキシ-N-((2-メトキシエチル)スルホニル)エタン-1-スルホンアミド(18mg、0.033mmol)をMeCN(0.165mL)に溶解させ、2.0M Na2CO3水溶液(0.132mL、0.263mmol)で処理し、次いで、1時間60℃に加熱した。反応混合物を周囲温度に冷却し、次いで、水で処理し、EtOAcで抽出した(3回)。合わせた有機抽出物をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(1%のNH4OHを含有するDCM/MeOH)によって精製して、N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-2-メトキシエタン-1-スルホンアミドを白色の固体(1.9mg、13%)として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.92 (s, 1H), 7.47-7.44 (m, 2H), 7.11-7.05
(m, 2H), 6.96 (br-s, 1H), 5.60 (br-s, 1H), 3.83 (t, 2H), 3.55 (s, 3H),
3.40-3.38 (m, 2H), 3.35 (s, 3H), 2.97 (s, 3H); MS (apci, m/z) = 455.1 (M+H).
(実施例28)
N-(2-シアノ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド
ステップ1:N-(2-シアノ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。N-(3-アミノ-2-シアノ-4-フルオロフェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミド(16mg、0.041mmol)、6-ブロモ-3,5-ジメチルキナゾリン-4(3H)-オン(10mg、0.041mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(1.9mg、0.0021mmol)、キサントホス(3.6mg、0.0062mmol)、および炭酸セシウム(40mg、0.12mmol)のトルエン(275μL)溶液を、アルゴンで10分間スパージングし、次いで、バイアルに密封し、18時間90℃に加熱した。反応混合物を周囲温度に冷却し、次いで、水で希釈し、DCMで抽出し(2回)、合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を、粗N-(2-シアノ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミドとして精製せずに先に進めた。MS (apci, m/z) = 560.2 [M+H].
ステップ2:N-(2-シアノ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。0.5mLのDCMおよび0.2mLのトリフルオロ酢酸中で、N-(2-シアノ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミドの溶液を30分間撹拌した。反応混合物を濃縮し、残渣を逆相C18クロマトグラフィー(0.1%のTFAを含有するH2O/アセトニトリル)によって精製し、次いで、単離された生成物をDCMに溶解させ、飽和NaHCO3に続いてブラインで洗浄し、次いで、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、N-(2-シアノ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド(6.4mg、36%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.01 (s, 1H), 7.55 (d, 1H), 7.40 (d, 1H),
7.26 (dd, 1H), 7.18 (dd, 1H), 6.58 (br-s, 1H), 5.94 (br-s, 1H), 3.56 (s, 3H),
3.13 (m, 2H), 2.91 (s, 3H), 1.88 (m, 2H), 1.06 (t, 3H); MS (apci, m/z) = 430.2
[M+H].
表1にある化合物は、N-(3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-2,4-ジフルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド(実施例1)の合成について記載したのと同様の方法を、ステップ1において、6-ブロモ-3,5ジメチルキナゾリン-4(3H)-オンおよび/またはN-(3-アミノ-2,4-ジフルオロフェニル)-N-(4-メトキシベンジル)プロパン-1-スルホンアミドを、適切な3,5-置換6-ブロモ-キナゾリン-4(3H)-オンおよびSEMまたはPMB保護されたアニリンと替え、ステップ2において、N-(3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ-2,4-ジフルオロフェニル)-N-(4-メトキシベンジル)プロパン-1-スルホンアミドを、ステップ1からの適切なSEMまたはPMB保護されたカップリング生成物と替える変更を採用しながら使用して調製した。表1にある、TFA塩である化合物は、0.1%のTFAを含有するH2O/アセトニトリルを溶離液とする逆相C18クロマトグラフィーによって粗材料が精製された後、所望の生成物を含有する画分が濃縮されて単離された。
表2にある化合物は、N-(3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-2,5-ジフルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド(実施例11)の合成について記載したのと同様の方法を、ステップ1において、N-(3-ブロモ-2,5-ジフルオロフェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミドおよび/または6-アミノ-3,5-ジメチルキナゾリン-4(3H)-オン(中間体P15)を、適切な3,5-置換6-アミノ-キナゾリン-4(3H)-オンおよびSEMまたはPMB保護されたアリールまたはヘテロアリールハロゲン化物と替え、ステップ2において、N-(3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-2,5-ジフルオロフェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミド(実施例11、ステップ1)を、適切なSEMまたはPMB保護されたカップリング生成物と替える変更を採用しながら使用して調製した。
(実施例55)
N-{2-クロロ-3-[(3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)オキシ]-4-フルオロフェニル}プロパン-1-スルホンアミド
ステップ1:tert-ブチル3-(3-アミノ-2-クロロ-6-フルオロフェノキシ)-2-メチル-6-ニトロベンゾエートの調製。3-アミノ-2-クロロ-6-フルオロフェノール(100mg、0.62mmol)のDMF(3.0mL)溶液に、Cs
2CO
3(505mg、1.55mmol)に続いてtert-ブチル3-フルオロ-2-メチル-6-ニトロベンゾエート(136mg、0.68mmol)を加え、反応混合物を封管において100℃で2時間加熱した。反応混合物を周囲温度に冷却し、水で失活させ、酢酸エチル(2×100mL)で抽出した。有機層を水(2×50mL)、ブライン(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発にかけた。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中50%の酢酸エチル)によって精製して、tert-ブチル3-(3-アミノ-2-クロロ-6-フルオロフェノキシ)-2-メチル-6-ニトロベンゾエートを淡黄色の固体(140mg、56%)として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.04 (d, 1H), 7.21 (t, 1H), 6.79-6.73 (m,
2H), 5.57 (br-s, 2H), 2.37 (s, 3H), 1.58 (s, 9H); MS (m/z) = 394.9 (M-H).
ステップ2:tert-ブチル3-{2-クロロ-6-フルオロ-3-[N-(プロパン-1-スルホニル)プロパン-1-スルホンアミド]-フェノキシ}-2-メチル-6-ニトロベンゾエートの調製。撹拌されたtert-ブチル3-(3-アミノ-2-クロロ-6-フルオロフェノキシ)-2-メチル-6-ニトロベンゾエート(140.0mg、0.35mmol)のジクロロメタン(6mL)溶液に、窒素中でトリエチルアミン(0.15mL、1.06mmol)を加えた。溶液を0℃に冷却し、プロパン-1-スルホニルクロリド(0.09mL、0.74mmol)で処理し、周囲温度で6時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、水で希釈し、酢酸エチル(2×100mL)で抽出した。有機層を水(2×50mL)およびブライン(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発にかけた。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中50%の酢酸エチル)によって精製して、tert-ブチル3-{2-クロロ-6-フルオロ-3-[N-(プロパン-1-スルホニル)プロパン-1-スルホンアミド]-フェノキシ}-2-メチル-6-ニトロベンゾエートを淡黄色の固体(160mg、60%)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.10 (d, 1H), 7.88-7.84 (m, 1H), 7.70 (t,
1H), 6.75 (d, 1H), 3.77-3.76 (m, 4H), 2.40 (s, 3H), 1.87-1.80 (m, 4H), 1.58 (s,
9H), 1.01 (t, 6H).
ステップ3:tert-ブチル-6-アミノ-3-{2-クロロ-6-フルオロ-3-[N-(プロパン-1-スルホニル)プロパン-1-スルホンアミド]フェノキシ}-2-メチルベンゾエートの調製。tert-ブチル-3-{2-クロロ-6-フルオロ-3-[N-(プロパン-1-スルホニル)プロパン-1-スルホンアミド]フェノキシ}-2-メチル-6-ニトロベンゾエート(160mg、0.23mmol)がメタノール(3mL)と水(0.5mL)の混合物に溶解している周囲温度の溶液に、塩化アンモニウム(70mg、1.3mmol)に続いてFe粉末(147mg、2.6mmol)を加えた。反応混合物を周囲温度で16時間撹拌した。反応混合物をCelite(登録商標)で濾過し、DCM(2×30mL)で洗浄し、減圧下で濃縮した。残渣を水(30mL)で希釈し、DCM(2×100mL)で抽出した。有機層を水(2×50mL)およびブライン(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗材料をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中5~10%の酢酸エチル)によって精製して、tert-ブチル-6-アミノ-3-{2-クロロ-6-フルオロ-3-[N-(プロパン-1-スルホニル)プロパン-1-スルホンアミド]フェノキシ}-2-メチルベンゾエートを淡黄色の固体(80mg、53%)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.69-7.66 (dd, 1H), 7.52 (t, 1H), 6.52 (d,
1H), 6.33 (d, 1H), 5.16 (br-s, 2H), 3.78-3.63 (m, 4H), 2.30 (s, 3H), 1.85-1.83
(m, 4H), 1.56 (s, 9H), 1.01 (t, 6H).
ステップ4:N-{2-クロロ-3-[(3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)オキシ]-4-フルオロフェニル}プロパン-1-スルホンアミドの調製。tert-ブチル-6-アミノ-3-{2-クロロ-6-フルオロ-3-[N-(プロパン-1-スルホニル)プロパン-1-スルホンアミド]フェノキシ}-2-メチルベンゾエート(55.mg、0.12mmol)のN-メチルホルムアミド(1.5mL)溶液に、ギ酸(0.004mL、0.11mmol)を加え、反応混合物を2時間180℃に加熱した。反応混合物を周囲温度に冷まし、水で希釈し、酢酸エチル(2×80mL)で抽出した。有機層を水(2×50mL)、ブライン(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗材料をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中50%の酢酸エチル)によって精製した後、ジエチルエーテルで摩砕して、N-{2-クロロ-3-[(3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)オキシ]-4-フルオロフェニル}プロパン-1-スルホンアミドをオフホワイト色の固体(25mg、56%)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.66 (br-s, 1H), 8.27 (s, 1H), 7.50-7.43
(m, 3H), 7.00 (d, 1H), 3.45 (s, 3H), 3.13 (t, 2H), 2.90 (s, 3H), 1.78-1.72 (m,
2H), 0.97 (t, 3H). MS (m/z) = 440.1 [M+H].
(実施例56)
N-(3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)オキシ)-2,4-ジフルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド
ステップ1:tert-ブチル3-(3-アミノ-2,6-ジフルオロフェノキシ)-2-メチル-6-ニトロベンゾエートの調製。3-アミノ-2,6-ジフルオロフェノール(70mg、0.482mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(2.4mL)溶液に、炭酸セシウム(393mg、1.21mmol)およびtert-ブチル3-フルオロ-2-メチル-6-ニトロベンゾエート(135mg、0.531mmol)を加え、反応液を窒素中で2時間100℃に加熱した。溶液を周囲温度に冷却し、水で希釈し、EtOAcで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗材料をシリカゲルクロマトグラフィー(5~95%のEtOAc/ヘキサン)によって精製して、tert-ブチル3-(3-アミノ-2,6-ジフルオロフェノキシ)-2-メチル-6-ニトロベンゾエート(134mg、73%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.94 (d, 1H), 6.85 (m, 1H), 6.67 (m, 2H),
2.44 (s, 3H), 1.64 (s, 9H).
ステップ2:tert-ブチル3-(2,6-ジフルオロ-3-((3-フルオロ-N-((3-フルオロプロピル)スルホニル)プロピル)スルホンアミド)フェノキシ)-2-メチル-6-ニトロベンゾエートの調製。0℃のtert-ブチル3-(3-アミノ-2,6-ジフルオロフェノキシ)-2-メチル-6-ニトロベンゾエート(134mg、0.352mmol)のジクロロメタン(3.5mL)溶液に、トリエチルアミン(147μL、1.06mmol)および3-フルオロプロパン-1-スルホニルクロリド(92.2μL、0.775mmol)を加え、反応混合物を周囲温度で16時間撹拌した。反応混合物を水で希釈し、DCMで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗材料をシリカゲルクロマトグラフィー(5~95%のEtOAc/ヘキサン)によって精製して、tert-ブチル3-(2,6-ジフルオロ-3-((3-フルオロ-N-((3-フルオロプロピル)スルホニル)プロピル)スルホンアミド)フェノキシ)-2-メチル-6-ニトロベンゾエート(208mg、94%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.98 (d, 1H), 7.35 (m, 1H), 7.18 (m, 1H),
6.63 (d, 1H), 4.64 (t, 2H), 4.51 (t, 2H), 3.73 (m, 4H), 2.46 (s, 3H), 2.32 (m,
4H), 1.65 (s, 9H).
ステップ3:6-アミノ-3-(2,6-ジフルオロ-3-((3-フルオロ-N-((3-フルオロプロピル)スルホニル)プロピル)スルホンアミド)フェノキシ)-2-メチルベンゾエートの調製。tert-ブチル3-(2,6-ジフルオロ-3-((3-フルオロ-N-((3-フルオロプロピル)スルホニル)プロピル)スルホンアミド)フェノキシ)-2-メチル-6-ニトロベンゾエート(170mg、0.270mmol)および10%パラジウム炭素(28.8mg、0.0270mmol)のメタノール(2.7mL)溶液を、水素バルーンを用いながら周囲温度で8時間撹拌した。溶液をCelite(登録商標)で濾過し、濃縮して、tert-ブチル6-アミノ-3-(2,6-ジフルオロ-3-((3-フルオロ-N-((3-フルオロプロピル)スルホニル)プロピル)スルホンアミド)フェノキシ)-2-メチルベンゾエート(122mg、75%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.18 (m 1H), 7.06 (m, 1H), 6.54 (d, 1H),
6.46 (d, 1H), 4.62 (t, 2H), 4.51 (t, 2H), 3.72 (m, 4H), 2.42 (s, 3H), 2.32 (m,
4H), 1.61 (s, 9H); MS (apci, m/z) = 599.2 (M+H).
ステップ4:N-(3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)オキシ)-2,4-ジフルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミドの調製。tert-ブチル6-アミノ-3-(2,6-ジフルオロ-3-((3-フルオロ-N-((3-フルオロプロピル)スルホニル)プロピル)スルホンアミド)フェノキシ)-2-メチルベンゾエート(34mg、0.057mmol)のN-メチルホルムアミド(568μL)およびギ酸(2.9μL、0.062mmol)溶液を、90分間180℃に加熱した。反応混合物を周囲温度に冷却し、逆相クロマトグラフィー(5~95%のMeCN/水、0.1%のTFA)によって精製した。次いで、生成物を、DCMとNaHCO3飽和水溶液とに分配した。有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、N-(3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)オキシ)-2,4-ジフルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド(7mg、28%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.98 (s, 1H), 7.42 (m, 2H), 7.04 (m, 2H),
6.78 (br-s, 1H), 4.61 (t, 1H), 4.49 (t, 1H), 3.55 (s, 3H), 3.26 (t, 2H), 2.98
(s, 3H), 2.22 (m, 2H); MS (apci, m/z) = 442.2 (M+H).
(実施例57)
N-(3-クロロ-4-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)プロパン-1-スルホンアミド
ステップ1:6-((2,3-ジクロロピリジン-4-イル)オキシ)-3,5-ジメチルキナゾリン-4(3H)-オンの調製。バイアルに、6-ヒドロキシ-3,5-ジメチルキナゾリン-4(3H)-オン(0.050g、0.26mmol)、2,3-ジクロロ-4-ヨードピリジン(0.086g、0.32mmol)、およびDMF(1.3mL)を加えた。得られる溶液を炭酸セシウム(0.13g、0.39mmol)で処理し、反応混合物を100℃に加温し、7時間撹拌した。混合物を周囲温度に冷却し、水(3mL)で希釈した。得られる個体を真空濾過によって収集し、追加の水で洗浄し、真空乾燥した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(50~100%のEtOAc/DCM)によって精製して、6-((2,3-ジクロロピリジン-4-イル)オキシ)-3,5-ジメチルキナゾリン-4(3H)-オンを白色の固体(0.061g、69%)として得た。MS (apci, m/z) = 336.0, 338.0 (M+H).
ステップ2:N-(3-クロロ-4-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。バイアルに、6-((2,3-ジクロロピリジン-4-イル)オキシ)-3,5-ジメチルキナゾリン-4(3H)-オン(0.060g、0.18mmol)、プロパン-1-スルホンアミド(0.033g、0.27mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.016g、0.018mmol)、キサントホス(0.026g、0.045mmol)、および炭酸セシウム(0.17g、0.54mmol)を加えた。ジオキサン(1.8mL)を加え、混合物をアルゴンバブリングによって10分間パージした。バイアルを密封し、混合物を90℃で14時間、次いで110℃でもう8時間加熱した。次いで、混合物を周囲温度に冷却し、NH4Cl飽和水溶液で希釈し、5%のIPA/CHCl3で抽出した(3回)。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。次いで、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(0~4%のMeOH/DCM)によって精製して、N-(3-クロロ-4-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)プロパン-1-スルホンアミドをオフホワイト色の固体(0.054g、68%)として得た。MS (apci, m/z) = 423.1, 425.1 (M+H).
以下のものは、N-(3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-2,4-ジフルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド(実施例1)の合成について記載したのと同様の方法を使用して調製した。
以下の化合物は、N-(3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-2,5-ジフルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド(実施例11)の合成について記載したのと同様の方法を使用して調製した。
(実施例62)
N-(4-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)オキシ)-3,5-ジフルオロピリジン-2-イル)プロパン-1-スルホンアミド
ステップ1:N-(4-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)オキシ)-3,5-ジフルオロピリジン-2-イル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。6-ヒドロキシ-3,5-ジメチルキナゾリン-4(3H)-オン(0.040g、0.21mmol)およびN-(3,5-ジフルオロ-4-ヨードピリジン-2-イル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミド(0.12g、0.25mmol)のDMF(2.1mL)溶液に、炭酸セシウム(0.14g、0.42mmol)を加え、混合物を1時間100℃に加熱した。反応混合物を周囲温度に冷却し、酢酸エチルと水とに分配した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物を、水中5~95%のアセトニトリル(0.1%のTFA)を溶離液とする逆相クロマトグラフィーによって精製した。粗生成物をDCM/IPA(4:1)に溶解させ、飽和NaHCO
3、ブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、N-(4-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)オキシ)-3,5-ジフルオロピリジン-2-イル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミド(0.073g、63%)を得た。MS (apci, m/z) = 555.2 (M+H).
ステップ2:N-(4-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)オキシ)-3,5-ジフルオロピリジン-2-イル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。N-(4-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)オキシ)-3,5-ジフルオロピリジン-2-イル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミド(0.073g、0.13mmol)のTFA(4mL)溶液を、周囲温度で1時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、粗生成物を、水中5~95%のアセトニトリル(0.1%のTFA)を溶離液とする逆相クロマトグラフィーによって精製した。単離された生成物をDCM/IPA(4:1)に溶解させ、飽和NaHCO3、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、N-(4-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)オキシ)-3,5-ジフルオロピリジン-2-イル)プロパン-1-スルホンアミド(15mg、27%)を得た。MS (apci, m/z) = 425.1 (M+H).
(実施例63)
N-(3-クロロ-4-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)オキシ)-5-フルオロピリジン-2-イル)プロパン-1-スルホンアミド
6-ヒドロキシ-3,5-ジメチルキナゾリン-4(3H)-オン(0.043g、0.23mmol)およびN-(3-クロロ-5-フルオロ-4-ヨードピリジン-2-イル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミド(0.14g、0.27mmol)のDMF(2.3mL)溶液に、炭酸セシウム(0.15g、0.45mmol)を加え、混合物を16時間100℃に加熱した。反応混合物を周囲温度に冷却し、酢酸エチルと水とに分配した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物を、水中5~95%のアセトニトリル(0.1%のTFA)を溶離液とする逆相クロマトグラフィーによって精製した。単離された生成物をDCM/IPA(4:1)に溶解させ、飽和NaHCO
3、ブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、N-(3-クロロ-4-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)オキシ)-5-フルオロピリジン-2-イル)プロパン-1-スルホンアミド(15mg、15%)を得た。MS (apci, m/z) = 441.1, 443.1 (M+H).
(実施例64)
N-(4-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)オキシ)-3,5-ジフルオロピリジン-2-イル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド
ステップ1:N-(4-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)オキシ)-3,5-ジフルオロピリジン-2-イル)-3-フルオロ-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。6-ヒドロキシ-3,5-ジメチルキナゾリン-4(3H)-オン(0.050g、0.26mmol)、N-(3,5-ジフルオロ-4-ヨードピリジン-2-イル)-3-フルオロ-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミド(0.15g、0.29mmol)のDMF(2.6mL)溶液に、炭酸セシウム(0.17g、0.53mmol)を加え、反応混合物を100℃で3時間撹拌した。反応混合物を周囲温度に冷却し、酢酸エチルと水とに分配した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物を、水中5~95%のアセトニトリル(0.1%のTFA)を溶離液とする逆相クロマトグラフィーによって精製した。単離された生成物をDCM/IPA(4:1)に溶解させ、飽和NaHCO
3、ブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、N-(4-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)オキシ)-3,5-ジフルオロピリジン-2-イル)-3-フルオロ-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミド(0.029g、19%)を得た。MS (apci, m/z) = 573.2 (M+H).
ステップ2:N-(4-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)オキシ)-3,5-ジフルオロピリジン-2-イル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミドの調製。N-(4-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)オキシ)-3,5-ジフルオロピリジン-2-イル)-3-フルオロ-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミド(0.029g、0.051mmol)のTFA(4mL)溶液を、周囲温度で2時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、逆相クロマトグラフィー(水中5~95%のアセトニトリル、0.1%のTFA)によって精製した。単離された生成物をDCM/IPA(4:1)に溶解させ、飽和NaHCO3、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、N-(4-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)オキシ)-3,5-ジフルオロピリジン-2-イル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド(3mg、13%)を得た。MS (apci, m/z) = 443.1 (M+H).
(実施例65)
N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)チオ)-4-フルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド
ステップ1:2-エチルヘキシル3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)チオ)プロパノエートの調製。6-ブロモ-3,5-ジメチルキナゾリン-4(3H)-オン(600.0mg、2.37mmol)、2-エチルヘキシル3-メルカプトプロパノエート(1.06mL、4.74mmol)、およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.83mL、4.74mmol)のジオキサン(6mL)の溶液に、キサントホス(411.50mg、0.71mmol)およびPd(OAc)
2(160.00mg、0.71mmol)を加えた。反応混合物をアルゴンで10分間脱気し、密封し、次いで、140℃で48時間加熱した。反応が終了した後、反応混合物を減圧下で濃縮し、水で希釈し、酢酸エチル(2×100mL)で抽出した。有機層を水(2×50mL)、ブライン(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発にかけた。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中60%の酢酸エチル)によって精製して、2-エチルヘキシル3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)チオ)プロパノエートを黄色の液体(800mg、86%)として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.31 (s, 1H), 7.79 (d, J = 8.6 Hz, 1H),
7.48 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 3.92 (d, J = 5.8 Hz, 2H), 3.43 (s, 3H), 3.19 (t, J =
6.8 Hz, 2H), 2.89 (s, 3H), 2.60 (t, J = 6.7 Hz, 2H), 1.54-1.44 (m, 1H), 1.34-1.19
(m, 8H), 0.87-0.78 (m, 6H); MS (apci, m/z) = 390.8 (M+H).
ステップ2:6-メルカプト-3,5-ジメチルキナゾリン-4(3H)-オンの調製。0℃の2-エチルヘキシル-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)チオ)プロパノエート(280.0mg、0.72mmol)のTHF(3mL)溶液に、ナトリウムエトキシド(53.7mg、0.79mmol)を加え、反応混合物を窒素雰囲気中において0℃で30分間撹拌した。反応が終了した後、溶媒を蒸発させ、固体をDCMで洗浄した。次いで、得られる固体を水に溶解させ、2N HClを加えてpHを約7に調整した。沈殿を濾過によって収集し、真空乾燥して、6-メルカプト-3,5-ジメチルキナゾリン-4(3H)-オンを淡黄色の固体(130mg、87%)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.27 (s, 1H), 7.80 (d, J = 8.5 Hz, 1H),
7.38 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 5.61 (s, 1H), 3.43 (s, 3H), 2.80 (s, 3H); MS (apci,
m/z) = 207.0 (M+H).
ステップ3:N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)チオ)-4-フルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。6-メルカプト-3,5-ジメチルキナゾリン-4(3H)-オン(54.00mg、0.26mmol)、N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ヨードフェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミド(132.72mg、0.26mmol)、およびリン酸三カリウム(111.14mg、0.52mmol)のDMA(1.0mL)溶液に、DMEDA(0.01mL、0.11mmol)およびCuI(9.97mg、0.05mmol)を加えた。反応混合物をArで10分間脱気し、密封し、130℃で16時間加熱した。反応が終了した後、反応混合物を減圧下で濃縮し、水で希釈し、酢酸エチル(2×25mL)で抽出した。有機層を水(2×10mL)、ブライン(10mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発にかけた。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中40%の酢酸エチル)によって精製して、N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)チオ)-4-フルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミドを淡褐色の固体(14mg、12%)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.63 (s, 1H), 8.32 (s, 1H), 7.68-7.57 (m,
1H), 7.41 (t, J = 8.9 Hz, 2H), 7.21 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 3.44 (s, 3H),
3.15-3.06 (m, 2H), 2.98 (s, 3H), 1.79-1.65 (m, 2H), 0.94 (t, J = 7.4 Hz, 3H);
MS (apci, m/z) = 456.1 (M+H).
(実施例66)
N-{2-シアノ-3-[(3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)オキシ]フェニル}プロパン-1-スルホンアミド
ステップ1:2-[(3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)オキシ]-6-フルオロベンゾニトリルの調製。6-ヒドロキシ-3,5-ジメチル-3H-キナゾリン-4-オン(233mg、1.22mmol)のDMF(4mL)冷(0℃)溶液に、鉱油中60%のNaH(49.0mg、1.22mmol)を加え、反応混合物を0℃で30分間撹拌した。これに、2,6-ジフルオロベンゾニトリル(170.41mg、1.22mmol)を加え、混合物を周囲温度で16時間撹拌した。反応混合物を氷冷水で失活させ、酢酸エチル(2×100mL)で抽出した。有機層をブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物を、50%の酢酸エチル/ヘキサンを使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、2-[(3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)オキシ]-6-フルオロベンゾニトリル(151mg、39%)をオフホワイト色の固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.39 (s, 1H), 7.70-7.58 (m, 3H), 7.22 (t,
J = 8.7 Hz, 1H), 6.53 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 3.47 (s, 3H), 2.66 (s, 3H).
ステップ2:N-{2-シアノ-3-[(3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)オキシ]フェニル}プロパン-1-スルホンアミドの調製。封管中のプロパン-1-スルホン酸アミド(120.2mg、0.98mmol)のNMP(5mL)溶液に、NaH(鉱油中60%、39.1mg、0.98mmol)を加え、反応混合物を60℃で40分間撹拌した。これに、2-[(3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)オキシ]-6-フルオロベンゾニトリル(151.0mg、0.49mmol)を加え、反応混合物を130℃で18時間撹拌した。反応混合物を周囲温度に冷却し、0.5M NaOH溶液で希釈した。水層を酢酸エチル(2×15mL)で洗浄し、次いで、6N HClでpH約5に酸性化した。水層を酢酸エチル(3×15mL)で抽出し、合わせた有機層を水およびブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物を、逆相クロマトグラフィー(20~95%のアセトニトリル/水、20mMのNH4CO3)によって精製して、N-{2-シアノ-3-[(3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)オキシ]フェニル}プロパン-1-スルホンアミド(100mg、49%)を白色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.24 (s, 1H), 8.37 (s, 1H), 7.64-7.54 (m,
2H), 7.54-7.44 (m, 1H), 7.17 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 6.43 (s, 1H), 3.47 (s, 3H),
3.20 (m, 2H), 2.66 (s, 3H), 1.80 (q, J = 7.7 Hz, 2H), 1.01 (t, J = 7.4 Hz, 3H);
MS (m/z) = 413.3 (M+H).
(実施例67)
N-{2-クロロ-3-[(3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)オキシ]-4-フルオロフェニル}-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド
ステップ1:tert-ブチル-3-{2-クロロ-6-フルオロ-3-[N-(3-フルオロプロパンスルホニル)-3-フルオロプロパンスルホンアミド]フェノキシ}2-メチル-6-ニトロベンゾエートの調製。tert-ブチル3-(3-アミノ-2-クロロ-6-フルオロフェノキシ)-2-メチル-6-ニトロベンゾエート(500.0mg、1.26mmol)のジクロロメタン(15mL)溶液に、窒素中でトリエチルアミン(0.53mL、3.78mmol)を加えた。溶液を0℃に冷却し、3-フルオロプロパン-1-スルホニルクロリド(505mg、3.15mmol)で処理し、反応混合物を周囲温度で6時間撹拌した。反応が終了した後、反応混合物を減圧下で濃縮し、水で希釈し、酢酸エチル(2×100mL)で抽出した。有機層を水(2×50mL)、ブライン(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発にかけた。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中50%の酢酸エチル)によって精製して、tert-ブチル-3-{2-クロロ-6-フルオロ-3-[N-(3-フルオロプロパンスルホニル)-3-フルオロプロパンスルホンアミド]フェノキシ}2-メチル-6-ニトロベンゾエートを淡黄色の固体(600mg、73%)として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.96 (d, J = 9.1 Hz, 1H), 7.47-7.39 (m,
1H), 7.29 (t, J = 8.8 Hz, 1H), 6.50 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 4.64 (t, J = 5.6 Hz,
2H), 4.52 (t, J = 5.6 Hz, 2H), 3.89-3.71 (m, 4H), 2.46 (s, 3H), 2.50-2.26 (m,
4H), 1.65 (s, 9H).
ステップ2:tert-ブチル-6-アミノ-3-{2-クロロ-6-フルオロ-3-[N-(3-フルオロプロパンスルホニル)3-フルオロプロパンスルホンアミド]フェノキシ}-2-メチルベンゾエートの調製。tert-ブチル-3-{2-クロロ-6-フルオロ-3-[N-(3-フルオロプロパンスルホニル)3-フルオロプロパンスルホンアミド]フェノキシ}2-メチル-6-ニトロベンゾエート(600mg、0.93mmol)がメタノール(10mL)と水(3mL)の混合物に溶解している周囲温度の溶液に、塩化アンモニウム(250mg、4.6mmol)および鉄粉(520mg、9.3mmol)を加えた。反応混合物を周囲温度で16時間撹拌した。反応が終了した後、反応混合物をCelite(登録商標)で濾過し、DCM(2×30mL)で洗浄し、減圧下で濃縮した。粗残渣を水(30mL)で希釈し、DCM(2×100mL)で抽出した。有機層を水(2×50mL)、ブライン(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中5~10%の酢酸エチル)によって精製して、tert-ブチル-6-アミノ-3-{2-クロロ-6-フルオロ-3-[N-(3-フルオロプロパンスルホニル)3-フルオロプロパンスルホンアミド]フェノキシ}-2-メチルベンゾエートを褐色の粘着性固体(300mg、53%)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.82-9.70 (m, 1H), 7.79-7.70 (m, 1H), 7.56
(t, J = 9.5 Hz, 1H), 7.46-7.34 (m, 1H), 6.51 (t, J = 9.1 Hz, 1H), 6.35 (t, J =
8.3 Hz, 1H), 5.22-5.08 (m, 2H), 4.67-4.56 (m, 2H), 4.55-4.44 (m, 2H), 3.96-3.75
(m, 2H), 3.29-3.20 (m, 1H), 2.38-2.23 (m, 4H), 2.27-2.16 (m, 1H), 2.20-2.03 (m,
1H), 1.56 (s, 9H).
ステップ3:N-{2-クロロ-3-[(3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)オキシ]-4-フルオロフェニル}-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミドの調製。tert-ブチル-6-アミノ-3-{2-クロロ-6-フルオロ-3-[N-(3-フルオロプロパンスルホニル)3-フルオロプロパンスルホンアミド]フェノキシ}-2-メチルベンゾエート(250mg、0.82mmol)のN-メチルホルムアミド(4mL)溶液に、ギ酸(0.031mL、0.82mmol)を加え、反応混合物を2時間180℃に加熱した。反応が終了した後、反応混合物を周囲温度に冷却し、水で希釈し、酢酸エチル(2×80mL)で抽出した。有機層を水(2×50mL)、ブライン(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発にかけた。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中50%の酢酸エチル)によって精製した後、ジエチルエーテルで摩砕して、N-{2-クロロ-3-[(3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)オキシ]-4-フルオロフェニル}-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミドをオフホワイト色の固体(70mg、20%)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.82 (s, 1H), 8.28 (s, 1H), 7.54-7.40 (m,
3H), 7.00 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 4.60 (t, J = 6.0 Hz, 1H), 4.49 (t, J = 6.0 Hz,
1H), 3.46 (s, 3H), 3.27 (t, J = 7.9 Hz, 2H), 2.91 (s, 3H), 2.22-2.04 (m, 2H);
MS (apci, m/z) = 458.1 (M+H).
(実施例68)
N-(3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)オキシ)-2-フルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド
N-(3-ブロモ-2-フルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド(1.2g、4.05mmol)、6-ヒドロキシ-3,5-ジメチルキナゾリン-4(3H)-オン(1.2g、6.07mmol)、K
3PO
4(2.58g、12.15mmol)、ピコリン酸(498mg、4.05mmol)、およびCuI(772mg、4.05mmol)のDMSO(12mL)溶液を、アルゴンパージによって15分間脱気した。反応混合物を密封し、16時間150℃に加熱した。反応が終了した後、反応混合物を減圧下で濃縮し、水で希釈し、酢酸エチル(2×100mL)で抽出した。有機層を水(2×50mL)、ブライン(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発にかけた。粗材料を、逆相クロマトグラフィー(30~95%のアセトニトリル/水、20mMのNH
4HCO
3)によって精製して、N-(3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)オキシ)-2-フルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド(66mg、4%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 9.80 (s, 1H), 8.33 (s, 1H), 7.53 (d, J =
8.8 Hz, 1H), 7.38 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.17 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 7.09 (t, J =
8.3 Hz, 1H), 6.69 (t, J = 7.7 Hz, 1H), 3.46 (s, 3H), 3.18-3.09 (m, 2H), 2.74
(s, 3H), 1.81-1.69 (m, 2H), 0.98 (t, J = 7.5 Hz, 3H); MS (m/z) = 406.3 (M+H).
(実施例69)
N-(2-シアノ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)オキシ)-4-フルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド
ステップ1:2-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)オキシ)-3,6-ジフルオロベンゾニトリルの調製。撹拌された6-ヒドロキシ-3,5-ジメチルキナゾリン-4(3H)-オン(250mg、1.31mmol)のDMF(5.0mL)溶液に、0℃で鉱油中60%のNaH(62mg、1.579mmol))を加え、反応混合物を周囲温度で30分間撹拌した。次いで、2,3,6-トリフルオロベンゾニトリル(206.69mg、1.31mmol)を加え、反応混合物を周囲温度で2時間撹拌した。反応が終了した後、反応混合物を5℃に冷却し、反応混合物をNH
4Cl飽和水溶液(15mL)で失活させ、水で希釈し、DCM(2×50mL)で抽出した。有機層を水(2×25mL)、ブライン(25mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発にかけた。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中30%の酢酸エチル)によって精製して、2-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)オキシ)-3,6-ジフルオロベンゾニトリルをオフホワイト色の固体(300mg、77%)として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.32 (s, 1H), 7.95-7.83 (m, 1H), 7.54-7.43
(m, 2H), 7.41 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 3.46 (s, 3H), 2.87 (s, 3H).
ステップ2:N-(2-シアノ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)オキシ)-4-フルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。撹拌されたプロパン-1-スルホンアミド(210mg、1.71mmol)のDMF(5.0mL)溶液に、0℃で鉱油中60%のNaH(92mg、2.28mmol))を加え、反応混合物を周囲温度で1時間撹拌した。2-(3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)オキシ)-3,6-ジフルオロベンゾニトリル(350mg、1.06mmol)を加え、反応混合物を100℃で2時間撹拌した。反応混合物を5℃に冷まし、反応混合物をNH4Cl飽和水溶液(20mL)で失活させ、水で希釈し、DCM(3×50mL)で抽出した。有機層を水(2×30mL)、ブライン(30mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発にかけた。粗生成物を、逆相クロマトグラフィー(10~95%のアセトニトリル/水、20mMのNH4HCO3)によって精製して、N-(2-シアノ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)オキシ)-4-フルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミドを白色の固体(70mg、15%)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.24 (s, 1H), 8.37 (s, 1H), 7.81-7.75 (m,
1H), 7.50-7.47 (m, 1H), 7.42-7.38 (m, 1H), 7.25 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 3.47 (s,
3H), 3.20 (m, 2H), 2.90 (s, 3H), 1.80 (q, J = 7.7 Hz, 2H), 1.01 (t, J = 7.4 Hz,
3H); MS (m/z) = 431.3 (M+H).
(実施例70)
N-(5-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)オキシ)-2-フルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド
ステップ1:tert-ブチル3-(3-アミノ-5-クロロ-2-フルオロフェノキシ)-2-メチル-6-ニトロベンゾエートの調製。3-アミノ-5-クロロ-2-フルオロフェノール(61mg、0.38mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(1888mL)溶液に、炭酸セシウム(308mg、0.94mmol)およびtert-ブチル3-フルオロ-2-メチル-6-ニトロベンゾエート(106mg、0.42mmol)を加え、反応液を窒素中で90分間100℃に加熱した。溶液を室温に冷却し、水で希釈し、EtOAcで抽出した(3回)。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物を、シリカゲルクロマトグラフィー(5~95%のEtOAc/ヘキサン)、次いで逆相クロマトグラフィー(5~95%のMeCN/水、0.1%のTFA)によって精製した。単離された生成物をDCMに溶解させ、NaHCO
3飽和水溶液で洗浄した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、tert-ブチル3-(3-アミノ-5-クロロ-2-フルオロフェノキシ)-2-メチル-6-ニトロベンゾエート(90mg、60%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.98 (d, 1H), 6.78 (d, 1H), 6.66 (dd, 1H),
6.43 (dd, 1H), 2.39 (s, 3H), 1.64 (s, 9H).
ステップ2:tert-ブチル6-アミノ-3-(3-アミノ-5-クロロ-2-フルオロフェノキシ)-2-メチルベンゾエートの調製。tert-ブチル3-(3-アミノ-5-クロロ-2-フルオロフェノキシ)-2-メチル-6-ニトロベンゾエート(47mg、0.12mmol)、亜鉛末(77mg、1.2mmol)、およびNH4Cl(127mg、2.4mmol)のメタノール(592μL)溶液を、周囲温度で30分間撹拌した。溶液をCeliteで濾過し、CeliteをMeOHですすぎ、濾液を濃縮した。粗生成物を、逆相クロマトグラフィー(5~95%のMeCN/水、0.1%のTFA)によって精製した。単離された生成物をDCMに溶解させ、NaHCO3飽和水溶液で洗浄した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、tert-ブチル6-アミノ-3-(3-アミノ-5-クロロ-2-フルオロフェノキシ)-2-メチルベンゾエート(20mg、46%)を得た。MS (apci, m/z) = 367.1 (M+H).
ステップ3:6-(3-アミノ-5-クロロ-2-フルオロフェノキシ)-3,5-ジメチルキナゾリン-4(3H)-オンの調製。tert-ブチル6-アミノ-3-(3-アミノ-5-クロロ-2-フルオロフェノキシ)-2-メチルベンゾエート(20mg、0.055mmol)のN-メチルホルムアミド(545μL、0.055mmol)およびギ酸(2.8μL、0.060mmol)溶液を、16時間180℃に加熱した。反応混合物を周囲温度に冷却し、NaHCO3飽和水溶液で希釈し、DCMで抽出した(3回)。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(5~95%のEtOAc/DCM)によって精製して、6-(3-アミノ-5-クロロ-2-フルオロフェノキシ)-3,5-ジメチルキナゾリン-4(3H)-オン(7.2mg、40%)を得た。MS (apci, m/z) = 334.0, 336.0 (M+H).
ステップ4:N-(5-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)オキシ)-2-フルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。0℃の6-(3-アミノ-5-クロロ-2-フルオロフェノキシ)-3,5-ジメチルキナゾリン-4(3H)-オン(7.2mg、0.02157mmol)のジクロロメタン(215.7μL)溶液に、トリエチルアミン(9.021μL、0.06472mmol)およびプロパン-1-スルホニルクロリド(5.342μL、0.04746mmol)を加え、反応液を周囲温度で1時間撹拌した。反応混合物を水で希釈し、DCMで抽出した(3回)。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をアセトニトリル(107.9μL)に溶解させ、2M Na2CO3(107.9μL、0.02157mmol)で1時間60℃に加熱した。溶液を10%のクエン酸でpH約5とし、水で希釈し、DCMで抽出した(3回)。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮し、逆相クロマトグラフィー(5~95%のMeCN/水、0.1%のTFA)によって精製した。単離された生成物をDCMに溶解させ、NaHCO3飽和水溶液で洗浄した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、N-(5-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)オキシ)-2-フルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド(4.5mg、47%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.02 (s, 1H), 7.58 (d, 1H), 7.33 (m, 2H),
6.41 (m, 1H), 3.57 (s, 3H), 3.18 (t, 2H), 2.80 (s, 3H), 1.92 (m, 2H), 1.08 (t,
3H).
(実施例71)
N-(3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)オキシ)-2,4-ジフルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド
ステップ1:tert-ブチル3-(3-アミノ-2,6-ジフルオロフェノキシ)-2-メチル-6-ニトロベンゾエートの調製。3-アミノ-2,6-ジフルオロフェノール(271mg、1.87mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(9338μL)溶液に、炭酸セシウム(1521mg、4.67mmol)およびtert-ブチル3-フルオロ-2-メチル-6-ニトロベンゾエート(524mg、2.05mmol)を加え、反応液を窒素中で90分間100℃に加熱した。溶液を周囲温度に冷却し、水で希釈し、EtOAcで抽出した(3回)。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(5~50%のEtOAc/ヘキサン)によって精製して、tert-ブチル3-(3-アミノ-2,6-ジフルオロフェノキシ)-2-メチル-6-ニトロベンゾエート(681mg、96%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.96 (d, 1H), 6.86 (m, 1H), 6.65 (m, 2H),
2.45 (s, 3H), 1.65 (s, 9H).
ステップ2:tert-ブチル6-アミノ-3-(3-アミノ-2,6-ジフルオロフェノキシ)-2-メチルベンゾエートの調製。tert-ブチル3-(3-アミノ-2,6-ジフルオロフェノキシ)-2-メチル-6-ニトロベンゾエート(681mg、1.79mmol)および10%パラジウム炭素(191mg、0.179mmol)のメタノール(11936μL、1.79mmol)溶液を、アルゴンで10分間パージし、次いで、水素バルーンを用いながら90分間撹拌した。濾過によってパラジウムを除去し、濾液を濃縮して、tert-ブチル6-アミノ-3-(3-アミノ-2,6-ジフルオロフェノキシ)-2-メチルベンゾエート(529mg、84%)を得た。MS (apci, m/z) = 351.1 (M+H).
ステップ3:6-(3-アミノ-2,6-ジフルオロフェノキシ)-3,5-ジメチルキナゾリン-4(3H)-オンの調製。tert-ブチル6-アミノ-3-(3-アミノ-2-フルオロ-6-メチルフェノキシ)-2-メチルベンゾエート(150mg、0.433mmol)のN-メチルホルムアミド(4330μL、0.433mmol)溶液を3時間180℃に加熱した。溶液を周囲温度に冷却し、水で希釈し、EtOAcで抽出した(3回)。有機分を濃縮し、3mLのジオキサンおよび3mLの6M NaOHからなる溶液中で16時間90℃に加熱した。溶液を周囲温度に冷却し、10%のクエン酸でpH約5とした。反応混合物を水で希釈し、DCMで抽出した(3回)。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(5~95%のEtOAc/DCM)によって精製して、6-(3-アミノ-2,6-ジフルオロフェノキシ)-3,5-ジメチルキナゾリン-4(3H)-オン(79mg、58%)を得た。MS (apci, m/z) = 318.1 (M+H).
ステップ4:N-(3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)オキシ)-2,4-ジフルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。6-(3-アミノ-2,6-ジフルオロフェノキシ)-3,5-ジメチルキナゾリン-4(3H)-オン(76mg、0.2395mmol)のジクロロメタン(2395μL)溶液に、トリエチルアミン(100.2μL、0.7186mmol)およびプロパン-1-スルホニルクロリド(59.31μL、0.5270mmol)を加え、反応液を周囲温度で30分間撹拌した。反応混合物を水で希釈し、DCMで抽出した(3回)。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を1mLのMeCNおよび1mLの2M Na2CO3に溶解させ、30分間80℃に加熱した。溶液を周囲温度に冷却し、10%のクエン酸でpH約5とした。反応混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出した(3回)。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(5~95%のEtOAc/DCM)によって精製して、N-(3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)オキシ)-2,4-ジフルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド(55mg、54%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.97 (s, 1H), 7.42 (m, 2H), 7.03 (m, 2H),
6.48 (br-s, 1H), 3.55 (s, 3H), 3.09 (m, 2H), 2.99 (s, 3H), 1.88 (m, 2H), 1.05
(t, 3H). MS (apci, m/z) = 424.1 (M+H).
(実施例72)
N-(3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)オキシ)-2,4,5-トリフルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド
ステップ1:tert-ブチル3-(3-アミノ-2,5,6-トリフルオロフェノキシ)-2-メチル-6-ニトロベンゾエートの調製。3-アミノ-2,5,6-トリフルオロフェノール(1.0g、6.1mmol)のDMF(5mL)溶液に、炭酸カリウム(2.54g、18.4mmol)、およびtert-ブチル3-フルオロ-2-メチル-6-ニトロベンゾエート(1.87g、7.36mmol)のDMF(3mL)溶液を加え、反応混合物を周囲温度で16時間撹拌した。反応混合物を氷水(20mL)中に注ぎ、酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(10%のEtOAc/ヘキサン)によって精製して、tert-ブチル3-(3-アミノ-2,5,6-トリフルオロフェノキシ)-2-メチル-6-ニトロベンゾエートを褐色の固体(1.0g、41%)として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.05 (d, J = 9.1 Hz, 1H), 7.04 (d, J = 9.1
Hz, 1H), 6.80-6.68 (m, 1H), 5.66 (s-br, 2H), 2.37 (s, 3H), 1.58 (s, 9H).
ステップ2:tert-ブチル(2-メチル-6-ニトロ-3-(2,3,6-トリフルオロ-5-(N-(プロピルスルホニル)プロピルスルホンアミド)フェノキシ)ベンゾエートの調製。0℃のtert-ブチル3-(3-アミノ-2,5,6-トリフルオロフェノキシ)-2-メチル-6-ニトロベンゾエート(1.0g、2.5mmol)のジクロロメタン(10mL)溶液に、トリエチルアミン(1.0mL、7.5mmol)およびプロパンスルホニルクロリド(0.75mL、6.2mmol)を加え、反応混合物を周囲温度で6時間撹拌した。反応混合物を冷水(10mL)で失活させ、ジクロロメタン(3×30mL)で抽出した。合わせた有機層を水(10mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(20%のEtOAc/ヘキサン)によって精製して、tert-ブチル(2-メチル-6-ニトロ-3-(2,3,6-トリフルオロ-5-(N-(プロピルスルホニル)プロピルスルホンアミド)フェノキシ)ベンゾエートを褐色の半固体(1.0g、65%)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.15-8.04 (m, 2H), 7.12 (dd, J = 3.6, 9.7
Hz, 1H), 3.78-3.56 (m, 4H), 2.40 (s, 3H), 1.92-1.67 (m, 4H), 1.58 (s, 9H),
1.05-0.95 (m, 6H).
ステップ3:tert-ブチル6-アミノ-2-メチル-3-(2,3,6-トリフルオロ-5-(N-(プロピルスルホニル)プロピルスルホンアミド)フェノキシ)ベンゾエートの調製。tert-ブチル2-メチル-6-ニトロ-3-(2,3,6-トリフルオロ-5-(N-(プロピルスルホニル)プロピルスルホンアミド)フェノキシ)ベンゾエート(1.0g、1.63mmol)のメタノール(50mL)溶液に、10%Pd炭素(水分50%の支持体)(500mg、50%積載)を加え、混合物をアルゴンで10分間スパージングした。反応混合物をH2バルーン下に置き、周囲温度で3日間撹拌した。反応混合物をCeliteパッドで濾過し、濾液を濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(30%のEtOAc/ヘキサン)によって精製して、tert-ブチル6-アミノ-2-メチル-3-(2,3,6-トリフルオロ-5-(N-(プロピルスルホニル)プロピルスルホンアミド)フェノキシ)ベンゾエートを褐色の粘着性液体(300mg、31%)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.94-7.83 (m, 1H), 6.66 (d, J = 8.9 Hz,
1H), 6.55 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 5.27 (s-br, 2H), 3.75-3.55 (m, 4H), 2.29 (s,
3H), 1.90-1.70 (m, 4H), 1.56 (s, 9H), 1.00 (t, J = 7.4 Hz, 6H); MS (m/z) =
581.2 (M+H).
ステップ4:N-(3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)オキシ)-2,4,5-トリフルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。tert-ブチル6-アミノ-2-メチル-3-(2,3,6-トリフルオロ-5-(N-(プロピルスルホニル)プロピルスルホンアミド)フェノキシ)ベンゾエート(400mg、0.086mmol)のN-メチルホルムアミド(2mL)溶液に、ギ酸(0.5mL)を加えた。反応管をアルゴンで10分間フラッシュし、次いで密封し、反応混合物を180℃で3時間撹拌した。反応混合物を周囲温度に冷却し、水で希釈し、酢酸エチル(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物を、逆相カラムクロマトグラフィー(10mMの炭酸水素アンモニウムを含有する30~100%のACN/水)によって精製して、N-(3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)オキシ)-2,4,5-トリフルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミドをオフホワイト色の固体(99mg、32%)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.02 (s-br, 1H), 8.30 (s, 1H), 7.50-7.36
(m, 2H), 7.34 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 3.46 (s, 3H), 3.19-3.11 (m, 2H), 2.88 (s,
3H), 1.70 (q, J = 7.6 Hz, 2H), 0.99-0.89 (m, 3H); MS (m/z) = 442.4 (M+H).
(実施例73)
N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)オキシ)-4,5-ジフルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド
ステップ1:tert-ブチル3-(3-アミノ-2-クロロ-5,6-ジフルオロフェノキシ)-2-メチル-6-ニトロベンゾエートの調製。3-アミノ-2-クロロ-5,6-ジフルオロフェノール(550mg、3.07mmol)のDMF(10.0mL)溶液に、K
2CO
3(848.00mg、6.15mmol)に続いてtert-ブチル3-フルオロ-2-メチル-6-ニトロベンゾエート(783mg、3.07mmol)を加え、反応混合物を封管において90℃で16時間加熱した。反応混合物を周囲温度に冷却し、水で希釈し、酢酸エチル(4×100mL)で抽出した。合わせた有機層を水(4×50mL)およびブライン(2×50mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(10%のEtOAc/ヘキサン)によって精製して、tert-ブチル3-(3-アミノ-2-クロロ-5,6-ジフルオロフェノキシ)-2-メチル-6-ニトロベンゾエート(450mg、35%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.03 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 6.90 (d, J = 9.2
Hz, 1H), 6.78 (dd, J = 7.4, 12.9 Hz, 1H), 5.88 (s-br, 2H), 2.38 (s, 3H), 1.58
(s, 9H); MS (m/z) = 412.5 (M-H).
ステップ2:tert-ブチル-3-(2-クロロ-5,6-ジフルオロ-3-プロピルスルホンアミド)フェノキシ)-2-メチル-6-ニトロベンゾエートの調製。0℃のtert-ブチル3-(3-アミノ-2-クロロ-5,6-ジフルオロフェノキシ)-2-メチル-6-ニトロベンゾエート(500mg、1.21mmol)のジクロロメタン(10mL)溶液に、トリエチルアミン(2.40mL、18.12mmol)に続いてプロパン-1-スルホニルクロリド(0.80mL、8.45mmol)を加え、反応混合物を周囲温度で1時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、水で希釈し、酢酸エチル(3×100mL)で抽出した。合わせた有機層を水(2×50mL)およびブライン(50mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発にかけた。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(10%のEtOAc/ヘキサン)によって精製して、tert-ブチル-3-(2-クロロ-5,6-ジフルオロ-3-プロピルスルホンアミド)フェノキシ)-2-メチル-6-ニトロベンゾエートを淡黄色の固体(600mg、95%)として得た。MS (m/z) = 518.7 [M-H].
ステップ3:tert-ブチル-6-アミノ-3-(2-クロロ-5,6-ジフルオロ-3-(プロピルスルホンアミド)フェノキシ)-2-(メチル)ベンゾエートの調製。tert-ブチル-3-(2-クロロ-5,6-ジフルオロ-3-プロピルスルホンアミド)フェノキシ)-2-メチル-6-ニトロベンゾエート(300mg、0.57mmol)のメタノール(10mL)と水(5mL)の混合物溶液に、塩化アンモニウム(153.00mg、2.89mmol)に続いてFe粉末(224.00mg、8.67mmol)を加え、反応混合物を75℃で4時間撹拌した。反応混合物を周囲温度に冷却し、Celiteで濾過し、CeliteをDCM(2×50mL)で洗浄し、濾液を減圧下で濃縮した。粗残渣を水(50mL)で希釈し、DCM(2×100mL)で抽出した。有機層を水(2×50mL)およびブライン(100mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(20%のEtOAc/ヘキサン)によって精製して、tert-ブチル-6-アミノ-3-(2-クロロ-5,6-ジフルオロ-3-(プロピルスルホンアミド)フェノキシ)-2-(メチル)ベンゾエートを白色の固体(200mg、72%)として得た。MS (m/z) = 488.9 [M-H].
ステップ4:N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)オキシ)-4,5-ジフルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。tert-ブチル-6-アミノ-3-(2-クロロ-5,6-ジフルオロ-3-(プロピルスルホンアミド)フェノキシ)-2-(メチル)ベンゾエート(300mg、0.61mmol)のN-メチルホルムアミド(3.0mL)溶液に、ギ酸(触媒量)を加え、反応混合物を2時間180℃に加熱した。反応混合物を周囲温度に冷却し、水で希釈し、酢酸エチル(3×100mL)で抽出した。有機層を水(2×50mL)およびブライン(50mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(50%のEtOAc/ヘキサン)によって精製した後、ジエチルエーテルで摩砕して、N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)オキシ)-4,5-ジフルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミドをオフホワイト色の固体(70mg、25%)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.85 (s-br, 1H), 8.29 (s, 1H), 7.53 (dd, J
= 7.5, 11.7 Hz, 1H), 7.44 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.17 (d, J = 8.9 Hz, 1H), 3.46
(s, 3H), 3.22-3.17 (m, 2H), 2.90 (s, 3H), 1.75 (q, J = 7.6 Hz, 2H), 0.97 (t, J
= 7.4 Hz, 3H); MS (m/z) = 458.4, 460.3 [M+H].
(実施例74)
N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)オキシ)-5-フルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド
ステップ1:6-(3-アミノ-2-クロロ-5-フルオロフェノキシ)-3,5-ジメチルキナゾリン-4(3H)-オンの調製。封管中の撹拌された6-ヒドロキシ-3,5-ジメチルキナゾリン-4(3H)-オン(1.0g、5.25mmol)、3-ブロモ-2-クロロ-5-フルオロアニリン(1.77g、7.88mmol)、および三りん酸カリウム(3.3g、15.77mmol)のDMSO(10mL)溶液に、ピコリン酸(65mg、0.52mmol)およびCuI(301mg、1.57mmol)を加えた。反応混合物をアルゴンで10分間スパージングし、密封し、140℃で18時間加熱した。反応混合物を周囲温度に冷却し、Celiteパッドで濾過し、Celiteを酢酸エチルで洗浄した。濾液を水で希釈し、酢酸エチル(2×100mL)で抽出した。合わせた有機層を水(2×50mL)およびブライン(50mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物を、アミンシリカ(50%のEtOAc/ヘキサン)でのカラムクロマトグラフィーによって精製して、6-(3-アミノ-2-クロロ-5-フルオロフェノキシ)-3,5-ジメチルキナゾリン-4(3H)-オン(170mg、10%)を褐色の固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.32 (s, 1H), 7.53 (d, J = 8.8 Hz, 1H),
7.38 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 6.35 (dd, J = 2.9, 10.9 Hz, 1H), 5.91 (s-br, 2H),
5.67 (dd, J = 2.8, 9.9 Hz, 1H), 3.45 (s, 3H), 2.67 (s, 3H); MS (m/z) = 334.1
(M+H).
ステップ2:N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)オキシ)-5-フルオロフェニル)-N-(プロピルスルホニル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。6-(3-アミノ-2-クロロ-5-フルオロフェノキシ)-3,5-ジメチルキナゾリン-4(3H)-オン(170mg、0.51mmol)のDCM(10mL)溶液に、トリエチルアミン(0.3mL、2.24mmol)に続いてプロパン-1-スルホニルクロリド(0.21mL、1.87mmol)を加え、反応混合物を窒素雰囲気中において周囲温度で6時間撹拌した。反応混合物を水で希釈し、酢酸エチル(2×50mL)で抽出した。合わせた有機層を水(2×25mL)およびブライン(25mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物を、アミンシリカ(50%のEtOAc/ヘキサン)でのカラムクロマトグラフィーによって精製して、N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)オキシ)-5-フルオロフェニル)-N-(プロピルスルホニル)プロパン-1-スルホンアミド(116mg、42%)を黄色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.37 (s, 1H), 7.59 (d, J = 8.8 Hz, 1H),
7.53 (dd, J = 2.9, 8.5 Hz, 1H), 7.48 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 6.85 (dd, J = 2.9,
9.5 Hz, 1H), 3.87-3.75 (m, 2H), 3.74-3.62 (m, 2H), 3.47 (s, 3H), 2.67 (s, 3H),
1.94-1.74 (m, 4H), 1.04 (t, J = 7.4 Hz, 6H); MS (m/z) = 546.2 (M+H).
ステップ3:N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)オキシ)-5-フルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)オキシ)-5-フルオロフェニル)-N-(プロピルスルホニル)プロパン-1-スルホンアミド(7)(116mg、0.212mmol)のアセトニトリル(12mL)と水(4mL)の混合物溶液に、炭酸水素ナトリウム(139mg、1.66mmol)を加え、反応混合物を80℃で3時間加熱した。反応混合物を周囲温度に冷却し、濃縮した。残渣を水で希釈し、酢酸エチル(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層を水(2×20mL)およびブライン(20mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物を、逆相カラムクロマトグラフィー(10mMの炭酸水素アンモニウムを含有する20~100%のACN/水)によって精製して、N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)オキシ)-5-フルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド(14mg、15%)を白色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.78 (s-br, 1H), 8.35 (s, 1H), 7.56 (d, J
= 8.8 Hz, 1H), 7.45 (d, J = 8.9 Hz, 1H), 7.10 (dd, J = 2.9, 10.2 Hz, 1H),
6.49-6.41 (m, 1H), 3.46 (s, 3H), 3.23 (t, J = 7.7 Hz, 2H), 2.68 (s, 3H), 1.76
(p, J = 7.5 Hz, 2H), 0.99 (t, J = 7.4 Hz, 3H); MS (m/z) = 440.3, 442.3 (M+H).
(実施例75)
N-(3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)オキシ)-2-フルオロ-5-メチルフェニル)プロパン-1-スルホンアミド
ステップ1:tert-ブチル3-(3-アミノ-2-フルオロ-5-メチルフェノキシ)-2-メチル-6-ニトロベンゾエートの調製。3-アミノ-2-フルオロ-5-メチルフェノール(1.2g、粗生成物)のDMF(7mL)溶液に、K
2CO
3(4.69g、34mmol)に続いて、tert-ブチル3-フルオロ-2-メチル-6-ニトロベンゾエート(2.6g、10.21mmol)のDMF(3mL)溶液を加え、反応混合物を周囲温度で16時間撹拌した。反応混合物を氷水中に注ぎ、酢酸エチル(3×100mL)で抽出した。有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(10%のEtOAc/ヘキサン)によって精製して、tert-ブチル3-(3-アミノ-2-フルオロ-5-メチルフェノキシ)-2-メチル-6-ニトロベンゾエートを褐色の半固体(1.5g、47%)として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.06 ( d, J = 8 Hz, 1H), 6.84 (d, J = 12
Hz, 1H), 6.50 (d, J = 4 Hz, 1H), 6.23 (d, J = 4 Hz, 1H), 5.37(s-br, 2H), 2.31
(s, 3H), 2.15 (s, 3H), 1.57 (s, 9H).
ステップ2:tert-ブチル6-アミノ-3-(3-アミノ-2-フルオロ-5-メチルフェノキシ)-2-メチルベンゾエートの調製。周囲温度のtert-ブチル3-(3-アミノ-2-フルオロ-5-メチルフェノキシ)-2-メチル-6-ニトロベンゾエート(1.5g、4.29mmol)のメタノール-水(1:1、60mL)溶液に、塩化アンモニウム(1.13g、21.49mmol)およびFe粉末(2.39g、42.98mmol)を加え、反応混合物を80℃で2時間撹拌した。反応混合物をCeliteパッドで濾過し、Celiteをジクロロメタンで洗浄し、濾液を濃縮した。残渣をジクロロメタン(3×50mL)で抽出し、合わせた有機層を水で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(20%のEtOAc/ヘキサン)によって精製して、tert-ブチル6-アミノ-3-(3-アミノ-2-フルオロ-5-メチルフェノキシ)-2-メチルベンゾエートを白色の固体(800mg、54%)として得た。NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 6.69-6.83 (m, 1H), 6.60-6.65 (m, 1H), 6.21 (d, J = 4 Hz, 1H), 5.60
(J = 8 Hz, 1H), 5.35 (s-br, 1H), 5.13 (s-br, 1H), 2.10 (s, 3H), 2.01 (s, 3H),
1.54 (s, 9H); MS (m/z) = 347.3 (M+H).
ステップ3:6-(3-アミノ-2-フルオロ-5-メチルフェノキシ)-3,5-ジメチルキナゾリン-4(3H)-オンの調製。tert-ブチル6-アミノ-3-(3-アミノ-2-フルオロ-5-メチルフェノキシ)-2-メチルベンゾエート(800mg、2.31mmol)のN-メチルホルムアミド(2mL)溶液を、封管の中でアルゴン中において180℃で3時間撹拌した。反応混合物を周囲温度に冷却し、水で希釈し、酢酸エチル(3×30mL)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、粗6-(3-アミノ-2-フルオロ-5-メチルフェノキシ)-3,5-ジメチルキナゾリン-4(3H)-オン(500mg)を得、これをそれ以上精製せずに次のステップで使用した。MS (m/z) = 314.2 (M+H).
ステップ4:N-(3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)オキシ)-2-フルオロ-5-メチルフェニル)-N-(プロピルスルホニル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。0℃の6-(3-アミノ-2-フルオロ-5-メチルフェノキシ)-3,5-ジメチルキナゾリン-4(3H)-オン(500mg、粗生成物)のジクロロメタン(10mL)溶液に、トリエチルアミン(0.67mL、4.79mmol)および1-プロパンスルホニルクロリド(0.47mL、3.99mmol)を加え、反応混合物を周囲温度で6時間撹拌した。反応混合物を水(10mL)で失活させ、ジクロロメタン(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層を水(20mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、粗N-(3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)オキシ)-2-フルオロ-5-メチルフェニル)-N-(プロピルスルホニル)プロパン-1-スルホンアミド(900mg)を得、これをそれ以上精製せずに次のステップで使用した。MS (m/z) = 526.2 (M+H).
ステップ5:N-(3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)オキシ)-2-フルオロ-5-メチルフェニル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。N-(3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)オキシ)-2-フルオロ-5-メチルフェニル)-N-(プロピルスルホニル)プロパン-1-スルホンアミド(900mg、粗生成物)のアセトニトリル/水の1:1混合物(40mL)溶液に、炭酸ナトリウム(1.26g、12mmol)を加え、反応混合物を80℃で2時間撹拌した。反応混合物を周囲温度に冷却し、10%のクエン酸水溶液でpHを約7に調整した。水層を(3×20mL)で抽出し、合わせた有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物を、逆相カラムクロマトグラフィー(20mMの炭酸水素アンモニウムを含有する30~95%のACN/水)によって精製して、N-(3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)オキシ)-2-フルオロ-5-メチルフェニル)プロパン-1-スルホンアミドをオフホワイト色の固体(70mg、10%)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.71 (s-br, 1H), 8.32 (s, 1H), 7.52 (d, J
= 8.8 Hz, 1H), 7.36 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 6.96 (d, J = 5.7 Hz, 1H), 6.50 (d, J =
6.5 Hz, 1H), 3.45 (s, 3H), 3.12 (t, J = 7.7 Hz, 2H) 2.73 (s, 3H), 2.18 (s, 3H),
1.73 (m, 2H), 0.97 (t, J = 7.4 Hz, 3H); MS (m/z) = 420.2 (M+H).
(実施例76)
N-(3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)オキシ)-2,5-ジフルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド
ステップ1:tert-ブチル3-(3-アミノ-2,5-ジフルオロフェノキシ)-2-メチル-6-ニトロベンゾエートの調製。3-アミノ-2,5-ジフルオロフェノール(0.100g、0.689mmol)およびtert-ブチル3-フルオロ-2-メチル-6-ニトロベンゾエート(0.193g、0.758mmol)のDMF(2.76mL)溶液に、炭酸セシウム(0.561g、1.72mmol)を加え、混合物を100℃に加温し、そこで2時間撹拌した。混合物を周囲温度に冷却し、水で希釈した。混合物をEtOAcで抽出し(3回)、合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(10~20%のEtOAc/ヘキサン)によって精製して、tert-ブチル3-(3-アミノ-2,5-ジフルオロフェノキシ)-2-メチル-6-ニトロベンゾエートを黄色の固体(0.254g、96%)として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.97 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 6.79 (d, J = 9.0
Hz, 1H), 6.39 (ddd, J = 9.4, 6.3, 2.7 Hz, 1H), 6.17 (ddd, J = 8.6, 5.5, 2.7 Hz,
1H), 3.99 (brs, 2H), 2.39 (s, 3H), 1.65 (s, 9H).
ステップ2:tert-ブチル6-アミノ-3-(3-アミノ-2,5-ジフルオロフェノキシ)-2-メチルベンゾエートの調製。tert-ブチル3-(3-アミノ-2,5-ジフルオロフェノキシ)-2-メチル-6-ニトロベンゾエート(0.246g、0.647mmol)のEtOAc(3.23mL)およびMeOH(3.23mL)溶液に、パラジウム(0.0688g、0.0323mmol、Pd/C、10wt%、Degussa型)を加えた。系をH2ガスでパージし、次いで、H2雰囲気中(バルーン圧力下)で3時間撹拌した。混合物をナイロンフィルターで濾過し、固体を追加のMeOHおよびEtOAcで洗浄した。濾液を濃縮して、tert-ブチル6-アミノ-3-(3-アミノ-2,5-ジフルオロフェノキシ)-2-メチルベンゾエート(0.230g、99%)を黄色の濃厚な油状物として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 6.87 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 6.53 (d, J = 8.6
Hz, 1H), 6.13 (ddd, J = 9.4, 6.3, 3.1 Hz, 1H), 5.73 (ddd, J = 9.7, 6.3, 2.7 Hz,
1H), 2.25 (s, 3H), 1.60 (s, 9H).
ステップ3:6-(3-アミノ-2,5-ジフルオロフェノキシ)-3,5-ジメチルキナゾリン-4(3H)-オンの調製。tert-ブチル6-アミノ-3-(3-アミノ-2,5-ジフルオロフェノキシ)-2-メチルベンゾエート(0.227g、0.648mmol)とメチルホルムアミド(1.89mL、32.4mmol)の混合物を150℃に加熱し、そこで22時間撹拌した。混合物を周囲温度に冷却し、次いで、水(15mL)で希釈すると、黄褐色の乳状懸濁液が生じた。混合物を5mLのNaHCO3飽和水溶液で希釈し、次いで、EtOAcで抽出した(3回)。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(20~50%のEtOAc/DCM)によって精製して、6-(3-アミノ-2,5-ジフルオロフェノキシ)-3,5-ジメチルキナゾリン-4(3H)-オン(0.138g、67%)をクリーム色の固体として得た。MS (apci, m/z) = 318.1 (M+H).
ステップ4:N-(3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)オキシ)-2,5-ジフルオロフェニル)-N-(プロピルスルホニル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。バイアルに、6-(3-アミノ-2,5-ジフルオロフェノキシ)-3,5-ジメチルキナゾリン-4(3H)-オン(0.040g、0.1261mmol)およびCH2Cl2(1.26mL)を加え、懸濁液を0℃に冷却した。トリエチルアミン(0.053mL、0.378mmol)を加えた後、1-プロパンスルホニルクロリド(0.031mL、0.277mmol)を加え、混合物を0℃で1時間撹拌した。混合物をNH4Cl飽和水溶液で希釈し、EtOAcで抽出した(3回)。合わせた有機抽出物をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、粗N-(3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)オキシ)-2,5-ジフルオロフェニル)-N-(プロピルスルホニル)プロパン-1-スルホンアミドをベージュ色の泡沫として得、これを精製せずにステップ5において使用した。MS (apci, m/z) = 530.1 (M+H).
ステップ5:N-(3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)オキシ)-2,5-ジフルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。N-(3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)オキシ)-2,5-ジフルオロフェニル)-N-(プロピルスルホニル)プロパン-1-スルホンアミド(0.067g、0.13mmol)を収容するバイアルに、CH3CN(0.63mL)に続いて2M Na2CO3(0.63mL、1.3mmol)を加えた。混合物を40℃に加温し、3時間撹拌し、次いで50℃に加温し、そこでもう3時間撹拌した。混合物を周囲温度に冷却し、水で希釈し、固体クエン酸(0.24g、1.3mmol)でpHを約5に調整した。混合物をEtOAcで抽出し(3回)、合わせた有機抽出物をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(10~30%のEtOAc/DCM)によって精製して、N-(3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)オキシ)-2,5-ジフルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド(0.043g、78%)を白色の固体として得た。MS (apci, m/z) = 424.1 (M+H).
(実施例77)
N-(3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)オキシ)-2,5-ジフルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド
ステップ1:N-(3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)オキシ)-2,5-ジフルオロフェニル)-3-フルオロ-N-((3-フルオロプロピル)スルホニル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。バイアルに、6-(3-アミノ-2,5-ジフルオロフェノキシ)-3,5-ジメチルキナゾリン-4(3H)-オン(0.040g、0.126mmol)およびCH
2Cl
2(1.26mL)を加え、懸濁液を0℃に冷却した。トリエチルアミン(0.053mL、0.378mmol)を加えた後、3-フルオロプロパン-1-スルホニルクロリド(0.035mL、0.277mmol)を加え、混合物を0℃で1時間撹拌した。混合物をNH
4Cl飽和水溶液で希釈し、EtOAcで抽出した(3回)。合わせた有機抽出物をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、粗N-(3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)オキシ)-2,5-ジフルオロフェニル)-3-フルオロ-N-((3-フルオロプロピル)スルホニル)プロパン-1-スルホンアミドをベージュ色の泡沫として得、これをステップ2においてそのまま使用した。MS (apci, m/z) = 566.1 (M+H).
ステップ2:N-(3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)オキシ)-2,5-ジフルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミドの調製。粗N-(3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)オキシ)-2,5-ジフルオロフェニル)-3-フルオロ-N-((3-フルオロプロピル)スルホニル)プロパン-1-スルホンアミド(0.071g、0.126mmol)を収容するバイアルに、CH3CN(0.628mL)に続いて2M Na2CO3(0.628mL、1.26mmol)を加えた。混合物を50℃に加温し、そこで1時間撹拌した。混合物を周囲温度に冷却し、水で希釈し、固体クエン酸(0.241g、1.26mmol)でpHを約5に調整した。混合物をEtOAcで抽出し(3回)、合わせた有機抽出物をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(10~30%のEtOAc/DCM)によって精製して、N-(3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)オキシ)-2,5-ジフルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド(0.046g、82%)をオフホワイト色の固体として得た。MS (apci, m/z) = 442.1 (M+H).
(実施例78)
N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)オキシ)フェニル)プロパン-1-スルホンアミド
ステップ1:6-(3-アミノ-2-クロロフェノキシ)-3,5-ジメチルキナゾリン-4(3H)-オンの調製。6-ブロモ-3,5-ジメチルキナゾリン-4(3H)-オン(300.0mg、1.18mmol)、3-アミノ-2-クロロフェノール(339.1mg、2.37mmol)、リン酸三カリウム(1.0g、4.74mmol)、ピコリン酸(43.76mg、0.36mmol)、およびCuI(112.6mg、0.59mmol)のDMSO(6mL)溶液を、Arで5分間スパージングした。反応混合物を密封し、130℃で48時間加熱した。反応が終了した後、反応混合物を減圧下で濃縮し、水で希釈し、酢酸エチル(2×100mL)で抽出した。合わせた有機層を水(2×50mL)およびブライン(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発にかけた。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中60%の酢酸エチル)によって精製して、6-(3-アミノ-2-クロロフェノキシ)-3,5-ジメチルキナゾリン-4(3H)-オンを淡褐色の固体(260mg、69%)として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.31 (s, 1H), 7.51 (d, J = 8.7 Hz, 1H),
7.32-7.25 (m, 1H), 6.92 (t, J = 8.1 Hz, 1H), 6.58-6.54 (m, 1H), 5.92-5.88 (m,
1H), 5.57 (s, 2H), 3.45 (s, 3H), 2.70 (s, 3H); MS (m/z) = 316.0 (M+H).
ステップ2:N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)オキシ)フェニル)-N-(プロピルスルホニル)プロパン-1-スルホンアミドおよびN-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)オキシ)フェニル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。6-(3-アミノ-2-クロロフェノキシ)-3,5-ジメチルキナゾリン-4(3H)-オン(200mg、0.64mmol)のDCM(5.0mL)溶液に、トリエチルアミン(1.26mL、9.52mmol)に続いてプロパン-1-スルホニルクロリド(0.42mL、4.44mmol)を加えた。反応混合物を、窒素雰囲気中において周囲温度で1時間撹拌した反応が終了した後、反応混合物を水で希釈し、酢酸エチル(2×250mL)で抽出した。合わせた有機層を水(2×100mL)およびブライン(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発にかけた。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中40%の酢酸エチル)によって精製して、N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)オキシ)フェニル)-N-(プロピルスルホニル)プロパン-1-スルホンアミドとN-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)オキシ)フェニル)プロパン-1-スルホンアミドの混合物をペールホワイト色の固体(200mg)として得た。MS (m/z) = 528.2, 422.4 (M+H).
ステップ3:N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)オキシ)フェニル)プロパン-1-スルホンアミドの調製。N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)オキシ)フェニル)-N-(プロピルスルホニル)プロパン-1-スルホンアミドおよびN-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)オキシ)フェニル)プロパン-1-スルホンアミド(240mg)のMeOH溶液に、水酸化ナトリウム(36.43mg、0.91mmol)を加えた。反応混合物を周囲温度で1時間撹拌した。反応が終了した後、反応混合物を減圧下で蒸発乾燥させた。反応混合物を水で希釈し、酢酸エチル(2×50mL)で抽出し、合わせた有機層を水(2×25mL)およびブライン(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発にかけた。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中80%の酢酸エチル)によって精製して、N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)オキシ)フェニル)プロパン-1-スルホンアミドを白色の固体(70.0mg、36%)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.57 (s, 1H), 8.34 (s, 1H), 7.55 (d, J =
8.7 Hz, 1H), 7.36 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.25 (d, J = 5.0 Hz, 2H), 6.65-6.57 (m,
1H), 3.46 (s, 3H), 3.19-3.14 (m, 2H), 2.69 (s, 3H), 1.78 (q, J = 7.5 Hz, 2H),
0.99 (t, J = 7.4 Hz, 3H); MS (m/z) = 422.4 (M+H).
(実施例79)
N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)オキシ)フェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド
ステップ1:tert-ブチル3-(3-アミノ-2-クロロフェノキシ)-2-メチル-6-ニトロベンゾエートの調製。撹拌された3-アミノ-2-クロロフェノール(500mg、3.84mmol)のDMF(10mL)用益に、炭酸セシウム(2.84g、8.74mmol)およびtert-ブチル3-フルオロ-2-メチル-6-ニトロベンゾエート(934mg、3.84mmol)を加えた。反応混合物を120℃で2時間加熱した。反応が終了した後、反応混合物を氷冷水(30mL)中に注ぎ、酢酸エチル(3×40mL)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物を、ヘキサン中10%の酢酸エチルを使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、tert-ブチル3-(3-アミノ-2-クロロフェノキシ)-2-メチル-6-ニトロベンゾエート(800mg、60%)を黄色の液体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.92 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.08 (t, J = 8.1
Hz, 1H), 6.71-6.60 (m, 2H), 6.44 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 5.29 (s, 1H), 4.22 (s,
2H), 2.41 (s, 3H), 1.64 (s, 9H).
ステップ2:tert-ブチル3-(2-クロロ-3-((3-フルオロ-N-((3-フルオロプロピル)スルホニル)プロピル)スルホンアミド)フェノキシ)-2-メチル-6-ニトロベンゾエートの調製。撹拌された0℃のtert-ブチル3-(3-アミノ-2-クロロフェノキシ)-2-メチル-6-ニトロベンゾエート(300mg、0.794mmol)のDCM(15mL)溶液に、トリエチルアミン(0.330mL、2.38mmol)および3-フルオロプロパンスルホニルクロリド(0.317mg、1.98mmol)を順次加えた。反応混合物を周囲温度で6時間撹拌し、減圧下で溶媒を蒸発させた。残渣を水(10mL)で希釈し、DCM(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物を、ヘキサン中5%の酢酸エチルを使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、tert-ブチル3-(2-クロロ-3-((3-フルオロ-N-((3-フルオロプロピル)スルホニル)プロピル)スルホンアミド)フェノキシ)-2-メチル-6-ニトロベンゾエート(400mg、80%)を褐色の液体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.97 (d, J = 9.1 Hz, 1H), 7.47-7.34 (m,
2H), 7.22-7.18 (m, 1H), 6.64 (d, J = 9.1 Hz, 1H), 4.64 (t, J = 5.6 Hz, 2H),
4.53 (t, J = 5.7 Hz, 2H), 3.91-3.73 (m, 4H), 2.44-2.26 (m, 4H), 2.03 (s, 3H),
1.64 (s, 9H).
ステップ3:tert-ブチル6-アミノ-3-(2-クロロ-3-((3-フルオロ-N-((3-フルオロプロピル)スルホニル)プロピル)スルホンアミド)フェノキシ)-2-メチルベンゾエートの調製。tert-ブチル3-(2-クロロ-3-((3-フルオロ-N-((3-フルオロプロピル)スルホニル)プロピル)スルホンアミド)フェノキシ)-2-メチル-6-ニトロベンゾエート(1.0g、1.59mmol)がメタノール/水(2:1)の混合物に溶解している撹拌された周囲温度の溶液に、塩化アンモニウム(426mg、7.97mmol)および鉄粉(890mg、15.94mmol)を加え、反応混合物を周囲温度で16時間撹拌した。反応が終了した後、反応混合物をCeliteで濾過し、CeliteをDCMで洗浄し、濾液を減圧下で濃縮した。残渣を水(10mL)で希釈し、DCM(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物を、ヘキサン中10%の酢酸エチルを使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、tert-ブチル6-アミノ-3-(2-クロロ-3-((3-フルオロ-N-((3-フルオロプロピル)スルホニル)プロピル)スルホンアミド)フェノキシ)-2-メチルベンゾエート(650mg、68%)を白色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.25 (s, 1H), 7.17 (t, J = 8.2 Hz, 1H),
7.08 (dd, J = 1.5, 7.9 Hz, 1H), 6.86 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 6.74 (dd, J = 1.5,
8.3 Hz, 1H), 6.55 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 4.72 (s, 2H), 4.65 (t, J = 5.7 Hz, 2H),
4.53 (t, J = 5.7 Hz, 2H), 3.93-3.75 (m, 4H), 2.46-2.28 (m, 4H), 2.21 (s, 3H),
1.59 (s, 9H).
ステップ4:N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)オキシ)フェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミドの調製。tert-ブチル6-アミノ-3-(2-クロロ-3-((3-フルオロ-N-((3-フルオロプロピル)スルホニル)プロピル)スルホンアミド)フェノキシ)-2-メチルベンゾエート(350mg、0.60mmol)、N-メチルホルムアミド(1mL)、およびギ酸(0.5mL)からなる混合物を、封管において2時間180℃に加熱した。反応が終了した後、反応混合物を周囲温度に冷却し、水(30mL)で希釈し、DCM(2×50mL)で抽出した。合わせた有機層を水(2×25mL)およびブライン(25mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発にかけた。粗生成物を、ヘキサン中50%の酢酸エチルを使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)オキシ)フェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド(60mg、23%)を白色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.72 (s, 1H), 8.33 (s, 1H), 7.55 (d, J =
8.8 Hz, 1H), 7.36 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.31-7.21 (m, 2H), 6.67-6.59 (m, 1H),
4.62 (t, J = 5.9 Hz, 1H), 4.50 (t, J = 6.0 Hz, 1H), 3.46 (s, 3H), 3.30-3.25 (m,
2H), 2.69 (s, 3H), 2.24-2.06 (m, 2H); MS (m/z) = 440.3 (M+H).
(実施例80)
N-(3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)オキシ)-2-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド
ステップ1:tert-ブチル3-(3-アミノ-2-フルオロフェノキシ)-2-メチル-6-ニトロベンゾエートの調製。撹拌された3-アミノ-2-フルオロフェノール(1g、6.21mmol)のDMF(5mL)溶液に、K
2CO
3(3.26g、23.62mmol)、およびtert-ブチル3-フルオロ-2-メチル-6-ニトロベンゾエート(2.4g、7.45mmol)のDMF(3mL)溶液を加えた。反応混合物を周囲温度で16時間撹拌し、氷水中に注ぎ、酢酸エチル(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(10%のEtOAc/ヘキサン)によって精製して、tert-ブチル3-(3-アミノ-2-フルオロフェノキシ)-2-メチル-6-ニトロベンゾエート(2.5g、87%)を淡黄色の固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.07 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 6.99-6.90 (m,
1H), 6.84 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 6.76-6.67 (m, 1H), 6.47-6.37 (m, 1H), 5.47
(s-br, 2H), 2.33 (s, 3H), 1.58 (s, 9H) ; MS (apci, m/z) = 361.3 (M-H).
ステップ2:tert-ブチル3-(2-フルオロ-3-((3-フルオロ-N-((3-フルオロプロピル)スルホニル)プロピル)スルホンアミド)フェノキシ)-2-メチル-6-ニトロベンゾエートの調製。0℃のtert-ブチル3-(3-アミノ-2-フルオロフェノキシ)-2-メチル-6-ニトロベンゾエート(2.5g、6.86mmol)のDCM(15mL)溶液に、トリエチルアミン(3.4mL、23.9mmol)に続いて3-フルオロプロパンスルホニルクロリド(2.74g、17.17mmol)を加え、反応混合物を、窒素雰囲気中において周囲温度で6時間撹拌した。反応混合物を冷水(10mL)で失活させ、DCM(2×20mL)で抽出した。合わせた有機層を水(10mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(10%のEtOAc/ヘキサン)によって精製して、tert-ブチル3-(2-フルオロ-3-((3-フルオロ-N-((3-フルオロプロピル)スルホニル)プロピル)スルホンアミド)フェノキシ)-2-メチル-6-ニトロベンゾエート(2.2g、52%)を褐色の半固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.10 (d, J = 9.1 Hz, 1H), 7.72-7.57 (m,
2H), 7.45 (t, J = 8.2 Hz, 1H), 6.88 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 4.62 (t, J = 5.7 Hz,
2H), 4.50 (t, J = 5.7 Hz, 2H), 3.91-3.72 (m, 4H), 2.36 (s, 3H), 2.29-2.05 (m,
4H), 1.58 (s, 9H).
ステップ3:tert-ブチル6-アミノ-3-(2-フルオロ-3-((3-フルオロ-N-((3-フルオロプロピル)スルホニル)プロピル)スルホンアミド)フェノキシ)-2-メチルベンゾエートの調製。tert-ブチル3-(2-フルオロ-3-((3-フルオロ-N-((3-フルオロプロピル)スルホニル)プロピル)スルホンアミド)フェノキシ)-2-メチル-6-ニトロベンゾエート(1.0g、1.63mmol)のMeOH(10mL)溶液に、10%Pd/C(水分約50%)(500.0mg、50%w/w)を加え、反応混合物をアルゴンで10分間スパージングした。反応混合物を、水素バルーンを用いながら周囲温度で12時間撹拌し、Celiteで濾過し、濾液を濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、tert-ブチル6-アミノ-3-(2-フルオロ-3-((3-フルオロ-N-((3-フルオロプロピル)スルホニル)プロピル)スルホンアミド)フェノキシ)-2-メチルベンゾエート(700mg、73%)を無色の無色の液体として得た。MS (apci, m/z) = 581.3 (M+H).
ステップ4:N-(3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)オキシ)-2-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミドの調製。tert-ブチル6-アミノ-3-(2-フルオロ-3-((3-フルオロ-N-((3-フルオロプロピル)スルホニル)プロピル)スルホンアミド)フェノキシ)-2-メチルベンゾエート(400mg、0.689mmol)、N-メチルホルムアミド(2mL)、およびギ酸(10mL)からなる溶液を、封管において180℃で2時間加熱した。反応混合物を周囲温度に冷却し、水(30mL)で希釈し、DCM(2×50mL)で抽出した。合わせた有機層を水(2×25mL)およびブライン(25mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物を逆相クロマトグラフィー(20~95%のMeCN/水、20mMの炭酸水素アンモニウム)によって精製して、N-(3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)オキシ)-2-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド(155mg、53%)を白色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.93 (s, 1H), 8.32 (s, 1H), 7.53 (d, J =
8.9 Hz, 1H), 7.38 (d, J = 8.9 Hz, 1H), 7.18 (t, J = 7.4 Hz, 1H), 7.11 (t, J =
8.2 Hz, 1H), 6.71 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 4.61 (t, J = 5.9 Hz, 1H), 4.49 (t, J =
5.9 Hz, 1H), 3.46 (s, 3H), 3.30-3.25 (m, 2H), 2.74 (s, 3H), 2.21-2.03 (m, 2H).
MS (m/z) = 424.4 (M+H).
(実施例81)
N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態A無水物の調製方法
方法1A:N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態Cを、20%の水/EtOH(12体積)に溶解させ、加熱還流した。溶液を、滴下によって水(10体積)中にゆっくりと移した。スラリーを2時間撹拌し、次いで濾過し、乾燥させて、N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態A無水物を得た。XRPD走査データは、図1に示され、ピーク割当ては、表3に示している。典型的なDSCサーモグラムを図2に示す。
方法2A:N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態CをEtOH(44体積)に溶かし、完全な溶解が実現されるまで、78℃に加熱した。水(73体積)を速やかに加え、スラリーを22℃に冷却し、15時間5℃に保った。固体を濾別し、乾燥させて、N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態A無水物を得た。
方法3A:N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態B無水物を1,4-ジオキサンに溶解させ、次いで凍結乾燥し、この過程を、XRPDによって材料が完全に非晶性であると判断されるまで繰り返すことにより、非晶性のN-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミドを調製した(図17)。非晶質N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド(20mg)に、2滴の過飽和THF溶液および2×2.8mmのビードミルビーズを加えた。サンプルをビードミルに装入し、3×60秒の時限において、各時限の間に10秒の休止を挟みながら震盪させた。単離された湿った固体を乾燥させて、N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態A無水物を得た。
方法4A:N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態Fを、真空オーブンにおいて40℃で12時間乾燥させて、N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態A無水物を得た。
方法5A:非晶質N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミドの飽和1,4-ジオキサン溶液を、2~8℃で72時間保管した。得られる固体を濾別して、N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態A無水物を得た。
(実施例82)
N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態B無水物の調製方法
方法1B:この手順において、S=倍率(g/g)である。(非晶性形態または形態Aもしくは形態Cとしての)N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミドを、65~75℃でエタノール(9.4S)および脱イオン水(3.0S)に溶解させた。溶液を65~75℃で研磨濾過した(polish filtered)。反応器を、エタノール(1.3S)と水(0.4S)からなる熱(65~75℃)溶液ですすぎ流した。濾過された溶液に、65~75℃で30~120分かけて水(5.6S)を加え、温度を60~65℃に低下させた。溶液に、N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態B(0.001S)をシード添加し、温度を4~8時間かけて20~25℃に低下させた。スラリーを20~25℃で10~24時間ねかせた。遠心分離によって固体を単離し、冷エタノール(0.7S)と脱イオン水(0.9S)の混合物、純粋な脱イオン水(2.5S)で洗浄し、28~32℃で最低でも16時間乾燥させて、N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態B無水物を得た。XRPD走査データは、図4に示され、ピーク割当ては、表4に示している。典型的なDSCサーモグラムを図5に示しており、最大溶融温度は、約151.39℃である。図6は、N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態B無水物の示差走査熱量測定走査データと熱重量分析走査データのオーバーレイである。TG/DSC分析では、DSCトレースにおいて観察された、148℃を始点とし、形態B無水物が融解した152℃にピークを有する吸熱事象の間に、0.2wt%のわずかな重量減少が見出された。重量減少は、融解の際のサンプル挙動のせいである可能性が最も高かった。材料がおよそ250℃で分解し始めるまで、さらなる重量減少または事象は認められなかった。
方法2B:非晶質N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド(20mg、実施例81の方法3Aに記載したとおりに調製)に、2滴の過飽和2-エトキシエタノール、クロロホルム、2-プロパノール、エタノール、エタノール/水、酢酸エチル、ヘプタン、酢酸イソプロピル、メタノール、2-メチルTHF、メチルイソブチルケトン、またはトリフルオロエタノール溶液、および2×2.8mmのビードミルビーズを加えた。サンプルをビードミルに装入し、3×60秒の時限において、各時限の間に10秒の休止を挟みながら震盪させ、得られる固体を単離して、N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態B無水物を得た。
方法3B:N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態Dを、真空オーブンにおいて40℃で12時間乾燥させて、N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態B無水物を得た。
方法4B:非晶質N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミドの飽和トリフルオロエタノール溶液を、2~8℃で72時間保管した。得られる固体を濾別して、N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態B無水物を得た。
方法5B:非晶質N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミドの飽和トリフルオロエタノール溶液を、-10℃で72時間保管した。得られる固体を濾別して、N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態B無水物を得た。
方法6B:非晶質N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミドの飽和2-エトキシエタノール、酢酸、アセトン、アニソール、ベンジルアルコール、クロロホルム、ジクロロメタン、2-プロパノール、エタノール、エタノール/水、酢酸エチル、ヘプタン、酢酸イソプロピル、メタノール、2-メチルTHF、メチルイソブチルケトン、tert-ブチルメチルエーテル、トリフルオロエタノール、または水溶液を、撹拌しながら、4時間サイクルで48時間に及ぶ20℃~40℃の間の熱サイクルにかけた。固体を単離し、乾燥させて、N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態B無水物を得た。
方法7B:非晶質N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミドの飽和2-エトキシエタノール、N,N’-ジメチルホルムアミド、N,N’-ジメチルアセトアミド、またはトリフルオロエタノール溶液を、2mLのバイアルに移した。次いで、バイアルのキャップを外し、周囲温度で溶媒を蒸発させた。得られる固体材料を単離して、N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態B無水物を得た。
方法8B:非晶質N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミドの飽和N,N’-ジメチルホルムアミド溶液に、撹拌しながら、tert-ブチルメチルエーテルを滴下して加えた。次いで、スラリーを露出させ、周囲温度で溶媒を蒸発させた。得られる固体を回収して、N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態B無水物を得た。
方法9B:非晶質N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミドの飽和N,N’-ジメチルアセトアミド溶液に、撹拌しながら、tert-ブチルメチルエーテルを滴下して加えた。次いで、スラリーを露出させ、周囲温度で溶媒を蒸発させた。得られる固体を回収して、N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態B無水物を得た。
方法10B:非晶質N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミドの飽和アセトン溶液に、撹拌しながら、水を滴下して加えた。次いで、スラリーを露出させ、周囲温度で溶媒を蒸発させた。得られる固体を回収して、N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態B無水物を得た。
(実施例83)
N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態Cモノアニソールの調製方法
非晶質N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド(20mg、実施例81の方法3Aに記載したとおりに調製)に、2滴の過飽和アニソール溶液、および2×2.8mmのビードミルビーズを加えた。サンプルをビードミルに装入し、3×60秒の時限において、各時限の間に10秒の休止を挟みながら震盪させ、得られる固体を単離して、N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態Cモノアニソールを得た。XRPD走査データは、図7に示され、ピーク割当ては、表5に示している。図8は、N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態Cモノアニソールの示差走査熱量測定(DSC)走査データと熱重量(TG)分析走査データのオーバーレイである。TG/DSC分析によって、92℃~122℃における18.4%の重量減少が示された。これは、0.95当量のアニソールに匹敵した。分析に利用可能な材料の量が少なく(0.2mg)、分析の前に周囲条件に曝される時間のために、サーモグラムに存在するアニソールの量を正確には表しかねるが、この情報は、形態Cがモノアニソール溶媒和物であったことを示唆していると思われる。乾燥させると、形態Cモノアニソールは、わずかに結晶形態Bに変換された。
(実施例84)
N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態Dヘミジクロロメタン溶媒和物の調製方法
方法1D:非晶質N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド(20mg、実施例81の方法3Aに記載したとおりに調製)に、2滴の過飽和ジクロロメタン溶液、および2×2.8mmのビードミルビーズを加えた。サンプルをビードミルに装入し、3×60秒の時限において、各時限の間に10秒の休止を挟みながら震盪させ、得られる固体を単離して、N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態Dヘミジクロロメタンを得た。XRPD走査データは、図9に示され、ピーク割当ては、表6に示している。図10は、N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態Dヘミジクロロメタンの示差走査熱量測定走査データと熱重量分析走査データのオーバーレイである。形態Dの熱重量分析(TGA)によって、61℃と88℃の間における10.2%の重量減少が示された。これは、0.61当量のジクロロメタンと等価であった。示差熱分析では、147℃を始点とし、150℃にピークを有する小さい吸熱事象が示された。これに続いて、164℃を始点とし、165℃にピークを有する別の小さい吸熱事象が示された。これは、形態A(162℃で始まり、165℃でピークに達する)と一致した。乾燥させると、形態Dヘミジクロロメタンが、結晶形態Bに変換された。
方法2D:非晶質N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミドをジクロロメタンに溶解させた。溶液を濃縮し、固体を単離して、N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態Dヘミジクロロメタンを得た。
(実施例85)
N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態E一トルエン溶媒和物の調製方法。
方法1E:非晶質N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド(20mg、実施例81の方法3Aに記載したとおりに調製)に、2滴のN-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド過飽和トルエン溶液、および2×2.8mmのビードミルビーズを加えた。サンプルをビードミルに装入し、3×60秒の時限において、各時限の間に10秒の休止を挟みながら震盪させ、得られる湿った固体を単離して、N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態Eトルエンを得た。XRPD走査データは、図11に示され、ピーク割当ては、表7に示している。図12は、N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態Eの示差走査熱量測定走査データと熱重量分析走査データのオーバーレイである。熱重量分析(TGA)によって、87℃~128℃の間における17.1%の重量減少が示された。これは、1.02当量のトルエンと等価であった。この重量減少の間に、ベースラインの変化が観察された。この事象は、93℃を始点とし、103℃にピークを伴って観察された。これに続いて、164℃を始点とし、165℃にピークを有する吸熱事象が観察された。これは、形態A(162℃で始まり、165℃でピークに達する)と一致した。
方法2E:非晶質N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミドの飽和トルエン溶液を、撹拌しながら、4時間サイクルで48時間に及ぶ20℃~40℃の間の熱サイクルにかけた。得られる固体を単離して、N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態Eトルエンを得た。
(実施例86)
N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態F 1,4ジオキサンの調製方法
方法1F:非晶質N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミドの飽和1,4-ジオキサン溶液を、2~8℃で72時間保管した。得られる固体を濾別して、N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態F 1,4ジオキサンを得た。XRPD走査データは、図13に示され、ピーク割当ては、表8に示している。図14は、N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態F 1,4-ジオキサンの示差走査熱量測定走査データと熱重量分析走査データのオーバーレイである。形態FのTG/DSC分析によって、49~89℃における23.7%の重量減少が示され、これは、1.6当量の1,4-ジオキサンに匹敵した。DSCトレースにおいて、161℃を始点とし、164℃にピークを伴って、形態A融解吸熱事象が観察されたため、この重量減少は、N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態Aへと脱溶媒するN-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態F 1,4-ジオキサンを表すと思われた。
方法2F:非晶質N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミドの飽和1,4-ジオキサン溶液を、-10℃で72時間保管した。得られる固体を濾別して、N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド形態F 1,4ジオキサンを得た。