JP2022538323A - 化粧用物品を製造するための方法 - Google Patents

Abstract

化粧品組成物(C)を塗布し、取り出し、または分配するための表面(17)を画定している連続気泡ポリマー発泡体(15)を含む化粧用物品(1)を製造するための方法であって、該発泡体(15)の少なくとも一部を融解させることを含む処理を実施するステップを含む、方法。

Description

本発明は化粧品分野に関し、より詳細には、限定されないが、ヒトの角質物質、詳細には皮膚をメイクアップをするかまたは手入れをすることを目的とする化粧用物品を製造するための方法に関し、また、本方法を実施することにより得られる、化粧品組成物を取り出し、分配し、または塗布するための化粧用物品に関する。

多孔質構造体に化粧品組成物を含浸させることは知られており、製品を載せるために、指またはアプリケータを前記多孔質構造と接触させることが可能である。

多数の特許出願がこの種の化粧用物品を扱っている。詳細には、一面がメッシュで覆われた、不織布で構成されている繊維マットを含む物品を開示している国際公開第2017/016608(A1)号が挙げられる。

また、化粧用物品が、指でまたはアプリケータを使用して、組成物が通して取り出されるスクリーンを載せている化粧品組成物のリザーバを収容するケースを含むことが知られている。組成物の通過用の様々なスクリーンがKR101380587およびKR20140147706から知られている。国際公開第2016148371号は、スクリーン上に配置されている追加部品について説明している。

KR101380587は、蓋部の外周の周囲にかつ容器に固定するために底部に向かって配設されている弾性バンドを有する、化粧製品容器上に取り付けられている、ゴムまたはシリコーンで作製されている弾性分配蓋部、薄い外周フィルム、および中央にある下向き突出部、拡散溝部、および該突出部内で蓋部を通過する直線状のまたは十字形の溝穴部を有する補強部分について説明している。化粧製品が、パウダーパフを使用して分配蓋部を圧迫することによって取り出されているので、蓋部は変形され、それにより溝穴部を開き、蓋部を通してパウダーパフに向かって製品を分配することを可能にする。

KR10-2016-0146510は、外側からかけられる圧力により、分配表面を通して化粧製品を分配するためのデバイスについて説明しており、この分配表面は、その辺のうちの少なくとも1つに、凸状突出部または凹状陥凹部を備えた少なくとも1つのボスを有する。分配表面は横断面が波形であり得る。

FR3052649が、第1の面と、該第1の面の反対側の第2の面と、第1の面および第2の面により範囲を定められている内部とを含む、少なくとも1つの多孔質材から少なくとも部分的に作製されている、化粧製品、詳細にはクレンジング製品またはケア製品用のアプリケータに関する。第1の面および第2の面の少なくとも一方が多孔質材の少なくとも部分的なフェルト化処理から生じる。該アプリケータは、一方の部分では、第1の面および第2の面のうちの少なくとも一方と、他方の部分では、アプリケータの内部との間で、多孔率勾配を有する。

要望があれば、美的効果、ユーザにとって心地よい物品との皮膚接触、およびまた化粧品組成物の良好な放出を容易に得る可能性を提供する、化粧品組成物を取り出し、分配し、または塗布するための化粧用物品を製造するための方法から利益を得る必要がある。

国際公開第2017/016608(A1)号 KR101380587 KR20140147706 国際公開第2016148371号 KR10-2016-0146510 FR3052649

本発明の目的は、化粧品組成物を含有するリザーバを含む化粧用物品をさらに改善するための方法、およびまたそのような物品を提供することである。本発明のさらなる目的が、アプリケータとして使用することができる化粧用物品を製造するための方法を提案すること、およびそのような物品を提案することである。

化粧用物品を製造するための方法
したがって、その態様のうちの1つによる本発明の主題が、化粧品組成物を塗布し、取り出し、または分配するための表面を画定している連続気泡ポリマー発泡体を含む化粧用物品を製造するための方法であって、該発泡体の少なくとも一部を融解させることを含む処理を実施するステップを含む、方法である。

本発明により、発泡体の浸透性を局所的に修正するために、発泡体の処理によって、その気泡のいくつかを閉じることを可能にする、物品を製造するための方法が提供されている。したがって、処理は、少なくとも一定の場所において、化粧品組成物の放出を防止するかまたは減速させることができる。これは、たとえば、発泡体の表面を通る組成物の分配を操作することを可能にする。また、本発明は、発泡体の表面上に装飾および/またはテクスチャを作り出すことを可能にする。詳細には、発泡体は、装飾のように、処理によって、特に表面に、ただしインクまたはフィルムなどの要素が発泡体上へ転写される必要なく、マーキングされ得る。処理により、発泡体の一部を融解させることによって、印象が特に局所的に発泡体上に残されることが可能になる。これにより、ある形状が発泡体上にテクスチャを付けられ、刻み込まれることが可能になり、その特性、詳細には組成物に対する浸透性を修正することが可能になる。

本発明による本方法は、融解によって処理されることが意図されている、発泡体の1つまたは複数の領域の位置を正確に定めることを可能にする。

「発泡体の少なくとも一部を融解させる」という表現は、本発明による本方法の間に実施された処理の結果として、処理後に再度凝固させる前に、発泡体の1つまたは複数の領域が流体状態、詳細には液体状態へ移行することを意味すると理解されるべきである。発泡体の外観は、処理によってもたらされる形状に応じて、その機械的特性の全部または一部であり得るように修正される。発泡体の一部のみが融解によって影響を受け、処理は発泡体の1つまたは複数の領域のみを処理することを可能にすることが好ましい。処理は、結果的に、レリーフの生成をもたらしてもよく、またはもたらさなくてもよい。

処理は熱間圧延処理でないことが有利である。

「熱間圧延処理でない」という表現方法は、熱カレンダー加工などの、回転駆動されかつ発泡体の少なくとも一部を融解させるローラまたはシリンダを用いる任意のタイプの処理を除外すると理解されるべきである。処理の利点は、必要に応じて、生成されるパターンをカスタマイズすることをより容易にするローラを使用することなく実施されること、および発泡体が、特定の条件下で、たとえば張力下でまたはホルダ上に取り付けられて、処理され得ることであり、それは圧延処理では不可能である。処理中に発泡体に張力をかけると、特に発泡体がある程度の弾性を示す場合、正確なパターンを生成するのに役立ち得る。

変形形態では、処理は少なくとも1つのローラを用いて実施され得る。

少なくとも1つのシリンダを用いた処理、とも言われる可能性がある「少なくとも1つのローラを用いた処理」という表現は、発泡体の少なくとも一部が前記少なくとも1つのローラに接触させられる処理を意味すると理解される。発泡体を前記少なくとも1つのローラに接触させることは、圧力を用いてまたは用いずに実行され得る。前記少なくとも1つのローラはレリーフの状態でパターンを有し得る。変形形態では、前記少なくとも1つのローラはレリーフの状態でパターンを有さない。2つ以上のローラを用いて、たとえば2つのローラを用いて、処理が実施された場合、該ローラの1つだけがレリーフを有し得る。変形形態では、2つのローラはレリーフに、同一の、補完する、または異なるパターンを有し得る。少なくとも1つのローラを用いた処理は機械仕上げ技術から選択され得る。これらは印刷技術とは異なる。

少なくとも1つのローラを用いた処理は、とりわけカレンダー加工であり得る。カレンダー加工は、発泡体の少なくとも一部が、カレンダーローラである2つ以上の加熱されたローラ間を通過することを意味すると理解される。ローラの少なくとも1つが、レリーフに対応するパターンを有して、エッチングされてもよく、それは反転されるかまたは反転されず、発泡体上のレリーフにこのパターンを生成することを可能にする。

処理は、伝導によってかつ/または放射によってかつ/または超音波エネルギーもしくは無線周波エネルギーによって、熱を加えるステップを含むことが好ましい。

処理は、発泡体、詳細には発泡体の少なくとも1つの表面を処理ツールと接触させることによって実施されることが有利である。変形形態では、処理は、発泡体と接触することなく、処理ツールを用いて実施され得る。

一実施形態では、処理は、詳細には加熱されたパッドおよび/または加熱されたアイロンを使用した、転写のないホットマーキング(transfer-free hot marking)を含む。

「転写のないホットマーキング」という表現は、転写フィルムを使用することなく、発泡体を、たとえば電気的に加熱されたかつエッチングブロックまたは交換式キャリアストリップなどのマーキング機器を備え付けられている、パッドまたはアイロンなどのホットマーキングツールと接触させるかまたはそれに接近させることを意味すると理解される。この場合、処理ツールは、マーキング機器を備えたマーキングツールを含む。

処理は、ソノトロード、詳細にはレリーフを有するソノトロードまたは平坦なソノトロードと、アンビル、詳細にはレリーフを有するアンビルまたは平坦なアンビルとを用いて超音波を当てることも含み得る。この場合、処理ツールは、超音波発生器に接続されているソノトロードとアンビルとを有していてもよく、該ソノトロードは、処理中、発泡体の一方の側に配設され、アンビルは発泡体の他方の側に配設されることが有利である。

本方法は、発泡体に圧力をかける、詳細にはエンボス加工ツールを用いてエンボス加工するステップを含み得る。発泡体上でのそのような圧力付与は、発泡体またはその一部を平らにすることを可能にする可能性がある。処理の間に、前に、または後に、特に処理中に、詳細にはその浸透性を修正するために発泡体上にレリーフを生成するかつ/または発泡体の厚さを減少させるかつ/または発泡体を圧縮するために、該圧力付与は実施され得る。

発泡体の少なくとも一部の融解、詳細にはレーザ処理または誘導処理を実行するために、他の処理が実施され得る。

処理は、発泡体の表面に対して実質的に垂直に、またはさらには発泡体の表面に対して垂直に、発泡体と接触させられるかまたはそれに接近させられる処理ツールを使用して実施され得る。このツールは、ローラと異なり、それ自体で回転駆動されない。

本方法は、発泡体を平坦に切断するステップを含み得る。このステップは、好ましくは処理の前に実施される。変形形態では、ステップは後に行われる。本発明は、この場合、平坦な発泡体から進めて、処理により生成されたレリーフを有する3D発泡体を得ることを可能にする可能性がある。

変形形態では、本方法は、たとえば前記処理の前に、発泡体を3Dに切削するステップを含み得る。3Dの表現切削は、上方から見た発泡体の外形を画定するばかりでなく、前記外形の内側にそのレリーフを成形もする切削を意味すると理解されるべきである。

発泡体の最大厚さは0.4mmと10mmの間であり、詳細には約1mmに等しいことが好ましい。この厚さは、本発明による処理が実施される前に測定され得る。変形形態では、該厚さは処理後に測定され得る。処理は、詳細には圧力の付与の場合、2つ以上の要因によって、発泡体の厚さを減少させることを可能にする可能性がある。シリンダに基づいて湾曲したレリーフが想定され得る。

本方法は、発泡体をフロック加工するステップを含み得る。このフロック加工するステップは、処理が実施される前にかつ/または後に行われ得る。

本方法は、発泡体に少なくとも1つの穴部を作製するステップを含み得る。この穴部を作製するステップは、処理が実施される前にかつ/または後に行われ得る。穴部は、発泡体を通る化粧品組成物のための1つまたは複数の選択的分配領域を作り出すことを可能にする可能性がある。

1つの特定の実施形態では、本方法が実施されている間、発泡体に張力がかけられない。

変形形態では、本発明は、前記処理の前にかつ/または前記処理の間に、少なくとも1つの延伸軸に沿って、発泡体に張力をかける、詳細には張力が3%と10%の間の延伸を引き起こすステップを含み得る。この張力は、発泡体の表面によって画定される平面にかけられることが有利である。これは、処理後に張力が解放された場合、処理後の発泡体により可視的な美的効果を得ることを可能にし得る。処理中にかけられる張力は、たとえば発泡体を通して組成物を取り出す場合にユーザによってかけられる張力は別として、物品の使用中にかけられる張力よりも大きい可能性がある。

発泡体がその外縁に外形、詳細には円形の外形を有するので、張力は発泡体の外縁全体に、詳細には均一にかけられ得る。

本方法は、発泡体を物品のホルダに固定するステップを含み得る。そのようなホルダはフレームであってもよい。処理前に発泡体をフレームに固定すると、融解されている発泡体の前記少なくとも一部の場所をより良く制御することが可能になり得る。詳細には、処理によって得られる1つまたは複数のパターンがより容易に中心に置かれ得る。処理が実施される前に発泡体が化粧用物品のフレームに固定された場合、処理ツールは、たとえばフレームの周囲のソノトロードとアンビルとの間で形状を補完することによって、発泡体がフレームに対して配置され、したがって処理中に融解される発泡体の前記少なくとも一部の場所を正確に操作することを確実にするように構成され得る。フレームは、回転対称性の有無にかかわらず、様々な形状、たとえば円形形状または多角形形状、を有し得る。フレームは円形であってもよく、リングを形成し得る。

発泡体は張力なしでフレームに固定されることが可能であり、該張力は、詳細には処理ツールを使用して、処理の間だけかけられることが可能である。

発泡体は、処理と同時にフレームに固定されることが可能である。発泡体は、結合、溶接によって、または任意の他の固定手段によって、フレームに固定されることが可能である。発泡体の局所融解を引き起こす、詳細には発泡体にパターンを形成するツールはまた、発泡体が材料の局所融解によってフレームに固定されることを確実にし得る。したがって、単一の動作が、発泡体の固定とその処理の両方を得ることを可能にする。

本発明は、2層スクリーンを形成するために、詳細には超音波溶接によって、発泡体をテキスタイルに固定するステップを含み得る。

化粧用物品
本発明のさらなる主題は、その態様の別のものによれば、上記と組み合わせて、化粧品組成物を塗布し、取り出し、または分配するための表面を画定する連続気泡ポリマー発泡体を含む化粧用物品であり、該物品は、前述されている方法を用いて得られる。

一実施形態では、前記表面は前記処理を経ている。

変形形態ではまたはさらに、前記表面の裏面が前記処理を経ている。

発泡体は、処理表面上に、処理から生じたレリーフ、詳細には0.5mm以上の深さがあるかまたは0.5mm以上の突出部を形成するレリーフを有し得る。

連続気泡ポリマー発泡体は、ポリウレタン、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、天然ゴム(NR)、含水(wetted)ウレタン、乾燥ウレタン、ポリエーテル、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン、詳細にはポリエチレン、エチレン酢酸ビニル(EVA)、ラテックス、シリコーン、スチレン-イソプレン-スチレン(SIS)、ポリビニルアルコール(PVA)、シリコーンエラストマー、ニトリルゴム、ブチルゴム、およびネオプレン熱可塑性エラストマーの発泡体からなる群から選択されることが好ましい。

一般に、ポリマー発泡体は、ポリマーから作製され、かつ空間的にランダムな配向で気泡を取り囲む、中実の壁および/または中実の畝部を有する固体骨格によって形成される3次元構造で構成されている気泡性材料であると理解される。

ポリマー発泡体では、孔すなわち気泡によって作り出される空隙のすべてである多孔率は、一般に発泡体の全体積の70%を超える。

「連続気泡ポリマー発泡体」が、本発明の本方法による処理の少なくとも前に、この材料の気泡の大半が隣接する気泡へかつ外側へ開いていることを意味すると理解される。この場合、発泡体の固体骨格を形成する気泡を取り囲んでいるのは、畝部のみである。中実の壁は存在しない。気泡の形状は球形または多面体であり得る。少数の、すなわち発泡体内の気泡の総数の50%よりも真に少ない量の、詳細には発泡体内の気泡の総数の20%またはさらには10%未満の、閉じた気泡が存在し得る。

PPI(Pores Per Inch)と呼ばれる単位長さ当たりの気泡の数はポリマー発泡体を特徴づけることを可能にする。PPIは、1インチ(2.54cm)の長さで区切られる孔すなわち気泡の数に対応する。

発泡体の構造は処理によって修正され得る。詳細には、単位長さ当たりの気泡の数(PPI)は処理後に修正され得る。発泡体の多孔率は、必ずしも発泡体を閉じるかまたは発泡体の気泡を局所的に閉じることなく、該発泡体の浸透性を低下させるために、少なくとも局所的に低下させられ得る。

発泡体の特性は処理によって修正されている可能性がある。発泡体はたとえば局所的に不浸透性であるか、または処理を経た発泡体の1つもしくは複数の領域、たとえば中心領域、において浸透性を低下させている。

発泡体の多孔率は、意図的に、詳細にはより低い多孔率に向けて、処理によって修正され得る。発泡体は化粧品組成物に対する浸透性を保持し得る。多孔率は、表面内で均一でないことが可能である。発泡体の処理領域は中心領域であり、発泡体の全範囲を対象にしない可能性がある。

発泡体は、処理から生じる少なくとも1つのパターンを有し得る。発泡体は、処理から生じる少なくとも1つのレリーフ、詳細には0.5mm以上の深さがあるまたは0.5mm以上の突出部を形成するレリーフを有し得る。存在する場合、レリーフは複数のパターン形状を呈することができる。随意にレリーフの状態のパターンは幾何学的、左右対称、または不揃いであり得る。

発泡体は、化粧品組成物を塗布し、取り出し、または分配するために、表面の少なくとも一部に亘ってフロック加工され得る。

物品は、物品内に固定されているかまたは可動であるホルダ、詳細にはフレームを有していてもよく、詳細には発泡体が組成物に押し付けられることによって、組成物が発泡体を通過することができるように、発泡体は、組成物リザーバの上方に、該ホルダによって保持される。発泡体は次いでスクリーンとしての機能を果たすことができる。

発泡体は、詳細には結合によって、下層の多孔質構造体、詳細には化粧品組成物に随意に含浸されているスポンジに固定され得る。

物品は、化粧品組成物を含有するハウジングを有する本体を有するケースを有していてもよく、発泡体は化粧品組成物の上方に配設されており、該ケースは、該本体と協働するように設計されている蓋部を有することが好ましい。

変形形態では、物品は化粧品組成物アプリケータを形成する。この場合、物品はパッドまたはパウダーパフを形成し得る。物品は次いで洗浄可能であり得る。変形形態では、アプリケータは把持部に固定されている。

化粧品組成物は液体または粉末である可能性がある。

本発明は、その非制限的実施例の下記の詳細な説明を読むことによって、かつ添付図面を検討することによって、より良く理解され得る。

本発明による物品のケースの例の概略斜視図である。 本発明による物品の発泡体の別の例の、塗布、取出し、または分配の表面の概略図である。 本発明による物品の発泡体の別の例の、塗布、取出し、または分配の表面の概略図である。 本発明の方法による処理の前の、物品の例の一部の横断面概略図である。 物品の例における、本発明による方法の実施を示す横断面部分概略図である。 化粧用物品を製造することを目的とする発泡体上での、本方法の別の実施例の横断面概略図である。 本発明の方法による処理の後の発泡体の横断面概略図である。 本発明による方法を実施するためのツールの例の部分概略斜視図である。 処理が実施される前、発泡体に近接して配置されている、本発明による方法を実施するためのツールの別の例の部分概略斜視図である。 図9の発泡体において、図9のツールを用いた、本発明による方法の処理ステップの実施の図である。 本発明による化粧用物品の別の例の横断面部分概略図である。 本発明による化粧用物品の別の例の概略正面図である。 本発明による化粧用物品の別の例の概略正面図である。 本発明の方法による処理の後の発泡体の横断面概略図である。

説明の残部では、同一のまたは同一機能を有する要素には、同一参照符号が示されている。本明細書を簡潔にするために、該要素を図の各々で説明せず、説明されている実施形態間の差異のみを説明する。

図1は、本体3を有するケース2を有する、本発明による化粧用物品1を示す。該ケース2は、本例では該本体3に蝶番で取り付けられている蓋部5も有する。該蓋部はケースに何らかの他の方法で固定される、たとえばねじで取り付けられる、可能性がある。

また、ケース2は、本例では蓋部5と本体3との間の蝶番の回転軸に対して垂直な回転軸を中心として本体3に蝶番で取り付けられているアプリケータホルダ6を収容する。アプリケータはこの図に示されていない。皿部4がケース2の本体3のハウジング8内に受容されている。皿部4は化粧品組成物のリザーバを収容している。

本例では丸い縁部および角部を有する実質的に四角形の形状を有する、発泡体15の可視面を形成している、組成物を塗布し、取り出し、または分配するための表面17を画定する発泡体15によって、リザーバは上に載られている。発泡体15は、この例ではポリウレタン発泡体で作製されている連続気泡ポリマー発泡体である。発泡体15の少なくとも一部、この例では表面17の少なくとも一部が、少なくとも表面において、発泡体15の少なくとも一部の融解を含む、熱間圧延処理以外の処理によって処理されている。詳細には、この例では、処理は、発泡体15の気泡の少なくともいくつかの壁を融解するステップを含む。

図示の例では、発泡体の表面17の一部が、この例では文字Aの形のパターン20を融解によって形成するために、転写のないホットマーキングによって、詳細には加熱されたアイロンまたは加熱されたパッドを用いて処理されている。本発明により、パターンは適正に表面17の中心に置かれる。この場合、発泡体15に伝導によって熱が加えられる。

本例では、発泡体15は、下にあるリザーバ内に含有されている化粧品組成物を取り出すことを可能にするように意図されている。発泡体15は組成物に浸透性があり、組成物が、該発泡体を作り出す連続気泡を通過することを可能にする。処理は、パターン20の領域内の発泡体15の浸透性を修正する、詳細には低下させることができる。

化粧品組成物のほとんどがリザーバ内に含有されており、詳細には、たとえば液体形態で、完全にその中に含有されている。

処理が、照射によってかつ/または超音波エネルギーもしくは無線周波エネルギーによって熱を加えるステップを含む場合、あるいは処理が、ソノトロードを使用して超音波を当てるステップを含む処理、またはレーザ処理、または熱間圧延を用いた処理以外の、誘導もしくは何らかの他の適切な処理による処理によって実行される場合、これは本発明の範囲からの逸脱に相当しない。処理を経るのが、表面17ではなくまたは表面17に加えて、表面17の裏面である場合、これも本発明の範囲からの逸脱に相当しない。処理はまた、表面17と該表面17の裏面との間に置かれている発泡体の全部または一部に影響を及ぼす可能性がある。

図2は、そのままで、ソノトロードを使用して、超音波エネルギーにより熱を加えることによって実現される、発泡体15の局所的融解によって、本例ではリングの形の中心パターン20を形成するために処理される、円形フレーム21に取り付けられておりかつ固定されている発泡体15の表面17を示す。

図3の例では、発泡体15の表面17は、表面の中心点Oを中心として標的のように同心円の形の幾何学パターン20を形成するために、超音波を当てることによって処理されている。パターン20の各円が、パターン20を形成するために、場合によっては表面の特性を修正する、たとえばこれらの領域内の発泡体15の浸透性を低下させる、ために、少なくとも表面に、発泡体15の局所融解領域を形成する。

処理がローラを用いて実行されないことが好ましいので、図3の場合のように、パターン20が物品1内で中心に置かれることがより容易である。

図4は、軸Xに対して垂直に延在している発泡体15を示し、発泡体15は、本発明による方法の処理の前に、この例では結合によって、その外縁部16においてフレーム21に固定されている。この図は、表面17の反対側の裏面に延在する、発泡体15の裏面18も示している。この例では、発泡体15は、発泡体15の、この例ではたとえば円形の外縁部全体を巡って、少なくとも1つの延伸軸に沿って、約3%の延伸で、フレーム21上に伸ばされている。

図5は、処理を実施するために、軸Xに平行な矢印に沿って、表面17に対して垂直にそれに近接したホットマーキングツールOを示す。ツールOは、詳細には発泡体15の表面17上にパターンを生成するために、レリーフの状態の要素Rを備えた表面を有する。

図5の例では、発泡体15は化粧用物品のフレーム21に取り付けられており、これは、該フレームがたとえば図1のものと同様のケース内に嵌め込まれる前、物品を製造する際の第1のステップである。したがって、物品1の製造は、処理が実施される前に開始する。この図に点線で示されているように、ホットマーキングを実施するために、発泡体の下に一時的ホルダEを付加することが可能である。

発泡体15は、物品1が製造される前に処理されることが可能である。たとえば、図6に示されているように、発泡体15の、たとえば平坦に切断された、2Dシート12が、発泡体15が本発明による物品に使用するために切断される前に、図5の例のように処理される。処理前の発泡体15の厚さはこの例では約1mmである。処理中、発泡体はホルダ上に載っていることができる。

図7は、発泡体15上で実施される処理が、詳細には処理の間に、前に、または後に発泡体にかけられる圧力によって、この例では表面17の側に窪みを作られたかつ裏面18上に突出している、発泡体15上でのレリーフ25の形成を含み得ることを示す。

変形形態では、図14に示されているように、レリーフ25は、発泡体15の裏面18に影響を及ぼすことなく、表面17上にかつ発泡体の厚さ内にのみ存在し得る。

図8は、A字形パターン20が発泡体15の表面17上に得られることを可能にする、A字形パターンの付いたホットマーキングツールO用のパッドの例を示す。処理中に発泡体15と接触していることになるパッドの表面Sの直径および形状は、完成した化粧用物品1の発泡体の直径および形状と同様であり得る。処理は、たとえばレーザを使用して、本発明の範囲から逸脱することなく、発泡体と接触せずに実行され得る。

図9および図10は、フレーム21に取り付けられている発泡体15上でソノトロードDを使用する処理の実施を示す。図9では、処理ツールは、発泡体15の裏面18から非ゼロ距離に保たれるために、発泡体15に固定されているフレーム21の端部からフレーム21の反対側端部に当接して、裏面18から延在している超音波発生器(図面をわかりやすくするために図示されていない)に接続されているソノトロードDを含む。ツールは、反対側に、発泡体15の表面17の側に、該表面と接触して配設されているアンビルEも有する。該アンビルEは、発泡体15を支持するフレーム21の周囲に、アンビルEとソノトロードDとの間の補完形状に対応して、ソノトロードDと接触してそれを完全に取り囲む、上部の周縁部を備える。したがって、ソノトロードDはフレーム21上に中心に置かれるように配置され、それによりその後に処理される発泡体15の1つまたは複数のゾーンの場所の正確な操作が可能になる。発泡体15の少なくとも一部を融解させるために、図10に示されているように、アンビルEは、裏面18がソノトロードDと接触するまで、発泡体15に張力をかけるために接近させられ、超音波エネルギーによって熱が加えられ、超音波の付与が、所望のパターンで、発泡体の少なくとも一部、詳細には発泡体の気泡の融解を引き起こす。

図1では、発泡体15は、少なくとも最初の使用後、化粧品組成物と接触している。

図11の例では、発泡体15は、この例では少なくとも使用中に化粧品組成物Cを含有するスポンジまたは気泡多孔質材のブロックで作製される下層構造体35への結合によって固定されている。この例では、発泡体の表面17はレリーフを有さず、処理はレリーフを生成していない発泡体15の少なくとも一部の融解を含む。

本発明は、リザーバ内で組成物と接触する化粧用物品1に限定されない。

詳細には、図12および図13に示されている変形形態は、組成物に含浸されていない化粧品組成物アプリケータを形成するために、たとえば(可視でない)スポンジを覆っている発泡体15を有する化粧用物品1を示す。このアプリケータは、組成物が詰め込まれている表面からまたは製品のブロックから組成物を取り出すのに、かつ手の中に保持されている間にそれを塗布するのに使用され、または変形形態では、何らかの他の方法で塗布される組成物を混合するかもしくは取り出すのに使用される。

図12のアプリケータは全体に柔軟性がある。図13のアプリケータは、発泡体15で覆われておりかつこの例では柄部を形成する剛性握持部または半剛性握持部29に固定されている末端部28を有する。

発泡体15は、気泡とは無関係に、穴部を有していてもよいか、有していなくてもよい。

1 化粧用物品
2 ケース
3 本体
4 皿部
5 蓋部
6 アプリケータホルダ
8 ハウジング
12 2Dシート
15 発泡体
16 外縁部
17 表面
18 裏面
20 パターン、中心パターン、幾何学パターン、A字形パターン
21 円形フレーム
25 レリーフ
28 末端部
29 剛性握持部、半剛性握持部
35 下層構造体、下層多孔質構造体
C 化粧品組成物
D ソノトロード
E 一時的ホルダ、アンビル
S 表面
X 軸
O 中心点、ホットマーキングツール

Claims (23)

1. 化粧品組成物(C)を塗布し、取り出し、または分配するための表面(17)を画定している連続気泡ポリマー発泡体(15)を含む化粧用物品(1)を製造するための方法であって、前記発泡体(15)の少なくとも一部を融解させることを含む処理を実施するステップを含む、方法。
2. 前記処理は、伝導によってかつ/または放射によってかつ/または超音波エネルギーもしくは無線周波エネルギーによって熱を加えることを含む、請求項1に記載の方法。
3. 前記処理は、詳細には加熱されたパッドおよび/または加熱されたアイロンを使用する、転写のないホットマーキングを含む、請求項1または2に記載の方法。
4. 前記処理はソノトロード、詳細にはレリーフを有するソノトロードまたは平坦なソノトロードと、アンビル、詳細にはレリーフを有するアンビルまたは平坦なアンビルとを用いて超音波を当てることを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
5. 詳細には前記処理と同時に、前記発泡体(15)に圧力をかける、詳細にはエンボスツールを用いてエンボス加工にするステップを含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
6. 前記処理は熱間圧延処理でない、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
7. 前記発泡体(15)を平坦に切断するステップを含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
8. 前記発泡体(15)の最大厚さが0.4mmと2mmの間である、詳細には約1mmに等しい、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
9. 前記発泡体を前記物品のホルダに固定するステップを含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
10. 2層スクリーンを形成するために、前記発泡体をテキスタイルに固定するステップを含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
11. 前記発泡体は超音波溶接によって前記テキスタイルに固定される、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
12. 化粧品組成物(C)を塗布し、取り出し、または分配するための表面(17)を画定している連続気泡ポリマー発泡体(15)を含む化粧用物品であって、請求項1から11のいずれか一項に記載の前記方法を用いて得られる、化粧用物品。
13. 前記表面(17)が前記処理を経ている、請求項12に記載の物品。
14. 前記表面(17)の裏面(18)が前記処理を経ている、請求項12または13に記載の物品。
15. 前記発泡体(15)は、前記処理から生じるレリーフ(25)を有し、詳細にはレリーフが0.5mm以上の深さを有するかまたは0.5mm以上の突出部を形成する、請求項12から14のいずれか一項に記載の物品。
16. 前記連続気泡ポリマー発泡体(15)は、ポリウレタン、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、天然ゴム(NR)、含水ウレタン、乾燥ウレタン、ポリエーテル、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン、詳細にはポリエチレン、エチレン酢酸ビニル(EVA)、ラテックス、シリコーン、スチレン-イソプレン-スチレン(SIS)、ポリビニルアルコール(PVA)、シリコーンエラストマー、ニトリルゴム、ブチルゴム、およびネオプレン熱可塑性エラストマーの発泡体からなる群から選択される、請求項12から15のいずれか一項に記載の物品。
17. 前記発泡体(15)の構造が前記処理によって修正されている、請求項12から16のいずれか一項に記載の物品。
18. 前記発泡体(15)は局所的に不浸透性であるか、または前記処理を経た前記発泡体(15)の1つもしくは複数のゾーンにおいて浸透性を低下させている、請求項12から17のいずれか一項に記載の物品。
19. 前記発泡体(15)は、処理済みの表面上に、前記処理から生じる少なくとも1つのパターンを有する、請求項12から18のいずれか一項に記載の物品。
20. 前記物品内で固定されているかまたは可動であるホルダ、詳細にはフレーム(21)を有し、前記組成物が、詳細には前記組成物に押し付けられている前記発泡体によって、前記発泡体を通過することができるように、前記発泡体(15)は前記ホルダによって前記組成物(C)のリザーバの上方に保持される、請求項12から19のいずれか一項に記載の物品。
21. 前記発泡体(15)は、詳細には結合によって、下層多孔質構造体(35)、詳細には随意に前記化粧品組成物を含浸させたスポンジに固定されている、請求項12から20のいずれか一項に記載の物品。
22. 前記化粧品組成物を含有するハウジングを有する本体(3)を有するケース(2)を有し、前記発泡体(15)は前記化粧品組成物の上方に配設されており、前記ケース(2)は、前記本体(3)と協働するように設計されている蓋部(5)を有することが好ましい、請求項12から21のいずれか一項に記載の物品。
23. 化粧品組成物アプリケータを形成している、請求項12から19のいずれか一項に記載の物品。

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