理論により制限されるものではないが、驚くべきことに、漂白剤は、本明細書にて開示した半固体多相口腔用組成物において提供された場合に、非常に低い濃度にて効果的である、ということが見出された。本発明の半固体多相口腔用組成物は、約0.01%~約50%、好ましくは~約40%の親水性漂白剤粒子と、疎水性相、好ましくは少なくとも約50重量%の疎水性相、より好ましくは少なくとも約60重量%の疎水性相とを含み、親水性漂白剤粒子は、水に可溶性であり、かつ/又は水と接触すると膨潤する。好ましい実施形態では、疎水性相はワセリンである。
半固体多相組成物は、液体又は半固体疎水性相中の親水性漂白剤粒子の半固体分散体であり得る。理論によって制限されるものではないが、半固体分散体が歯の表面に接触すると、分散体内で安定化された親水性粒子は、歯の表面上の親水性生物膜に漂白剤を送達し得ると考えられる。これは、より低い総濃度の漂白剤でホワイトニング有効性の増大をもたらすことができる。
「口腔ケア組成物」とは、本明細書で使用するとき、通常の使用過程において、特定の治療剤を全身投与する目的で意図的に嚥下されるものではなく、むしろ、歯の表面又は口腔組織と接触させるのに十分な時間にわたって口腔内に保持される製品を意味する。口腔ケア組成物の例としては、歯磨剤、歯磨ゲル、歯肉縁下用ゲル、マウスリンス、ムース、フォーム、マウススプレー、トローチ剤、チュアブル錠、チューインガム、歯用ホワイトニングストリップ、フロス及びフロスコーティング、口臭予防用溶解ストリップ、義歯用ケア製品、又は義歯用付着性製品が挙げられる。口腔ケア組成物はまた、口腔表面への直接適用又は付着のためのストリップ又はフィルム上に組み込まれてもよい。
本明細書で使用される「歯磨剤」という用語は、特に指示がない限り、歯用又は歯肉縁下用ペースト、ゲル、又は液体製剤を包含する。歯磨剤組成物は、単相組成物であってもよく、又は2つ以上の別個の歯磨剤組成物の組み合わせであってもよい。歯磨剤組成物は、深い縞状、表面的な縞状、多層状、ペーストをゲルで包囲した状態、又はこれらのいずれかの組み合わせなど、任意の所望の形態であってもよい。2つ以上の別個の歯磨剤組成物を含む歯磨剤中の各歯磨剤組成物は、ディスペンサの物理的に分離された区画内に収容され、同時に分注されてもよい。
用語「不混和性」又は「不溶性」とは、本発明で使用する場合、100重量部の第2の物質中に溶解する、1重量部未満の物質を意味する。
用語「溶解性」とは、本発明で使用する場合、100重量部の第2の物質中に溶解することができる物質の重量部の最大数である。
用語「相」とは、本発明で使用する場合、連続的又は非連続的であってよく、別の相とは異なる1つ以上の特性を有する、物理的に異なる領域又は複数の領域を意味する。相間で異なってよい特性の非限定例としては、組成、粘度、溶解性、疎水性、親水性、及び混和性が挙げられる。相の例としては、固体、液体、及び気体が挙げられる。
半固体「多相口腔用組成物」という用語は、本発明で使用する場合、互いに不混和性である2つ以上の相の混合、例えば、疎水性相中の親水性漂白剤粒子の分散体を含む。相は、連続的、非連続的、又はこれらの組み合わせであってよい。半固体多相口腔用組成物の例としては、懸濁液及びゾルなどの分散体が挙げられる。半固体多相口腔用組成物、又は半固体多相口腔用組成物の相は、固体、液体、半固体、又はこれらの組み合わせであってもよい。特に、本明細書に開示される半固体多相口腔用組成物は半固体である。半固体多相口腔用組成物の例としては、相が、二重連続性、層状、縞状、マーブル模様状、リボン状、渦巻状、及びこれらの組み合わせを含む多重連続性である組成物もまた、挙げられる。
用語「分散体」は、本明細書で使用する場合、1)相のうち少なくとも1つが非連続性であり、かつ、2)相のうち少なくとも1つが連続性である、半固体多相口腔用組成物の一例である。分散体の例としては、疎水性相中に分散された親水性漂白剤粒子が挙げられる。この例では、親水性漂白剤粒子及び疎水性相は互いに不混和性であり、親水性漂白剤粒子は不連続相であり、疎水性相は連続相である。
用語「異種混合物」は、本明細書で使用する場合、2種以上の物質の異種組み合わせである。異種混合物の例としては、疎水性相中に分散された親水性漂白剤粒子が挙げられる。異種混合物には、均質な混合物(溶質が溶媒中に均一に溶解している溶液など)は含まれない。
用語「異種分散体」は、本明細書で使用する場合、2種以上の物質の異種組み合わせである。異種分散体の例としては、疎水性相中に分散された親水性漂白剤粒子が挙げられる。異種分散体には、均質な分散体(溶質が溶媒中に均一に溶解している溶液など)は含まれない。
用語「粒子」は、本明細書で使用する場合、別個の固体又は半固体の材料である。固体粒子は、個々の原子又は分子よりも大きい寸法を有し、典型的には、それらの最大寸法においてサブミクロン~約1ミリメートルである。更に、粒子は、離散粒子の凝集体に凝集されてもよい。好ましい粒子は、約50nm~約1mmの寸法又は数平均等価直径若しくは体積平均等価直径を有し得る。
用語「固体」は、本明細書で使用する場合、室温において、1)容器に拘束されていない場合であっても、画定された寸法を有する、又は2)表面から拾い上げられ、続いて表面に再び配置されるとき、元の形状を維持する材料である。固体の例としては、過酸化尿素、及び過酸化水素とポリビニルピロリドンポリマーとの複合体が挙げられる。
用語「予備形成されたシート」は、本明細書で使用する場合、口腔内に適合するように好適に成形されたシートに形成されている組成物を指す。予備形成されたシートは、形成後は固体である。
用語「スティック型製品」は、本明細書で使用する場合、処理対象の表面に適用されるとき、構造的一体性及び形状を維持する分配容器内に保持される明らかに硬い固体材料のバーである組成物を指す。スティックの一部が表面にわたって引かれると、スティック組成物のフィルムが表面に移る。例としては、リップクリーム及びリップスティックが挙げられる。
用語「液体」は、本明細書で使用する場合、室温において、1)重力下で流動する、又は2)自身が入っている容器の形状をとる材料である。液体の例としては、鉱油、水、及びシリコーンオイルが挙げられる。
用語「半固体」は、本明細書で使用する場合、室温において、1)いくつかの固体様特性及びいくつかの流体様特性を有する、又は2)固体若しくは液体の上記定義を満たす能力が、評価される材料の量に依存し得る材料であり、例えば、大きな容器に入れられた少量のワセリンは、重力下で流動することができず、かつ容器の形状をとることができない(したがって、液体の定義を満たしていない)が、大きな容器に入れられた大量のワセリンは、重力下で流動することができるか、又は容器の形状をとることができる(したがって、液体の定義を満たしている)。半固体の例としては、ワセリン、練り歯磨き、シリコーンゲル、マヨネーズ、ローション、及びバターが挙げられる。本明細書で使用される半固体の例としては、ASTM 937に従って測定される、約10~約500、好ましくは約25~約300、より好ましくは約50~約250、又はより好ましくは約100~約200の円錐貫入稠度値を有する材料が挙げられる。半固体の例としては、約40℃~約120℃、約50℃~約100℃、約50°~約90℃、又は約60℃~約80℃の、ASTM法D127に従って測定される融点若しくは滴下融点又はASTM法D938に従って測定される凝固点を有する材料もまた、挙げられ得る。特に、半固体には、スティック型製品も、処理対象の表面に適用されるとき、構造的一体性及び形状を維持する分配容器内に保持される明らかに硬い固体材料のバーも含まれない。
用語「半固体中粒子型分散体」は、本明細書で使用する場合、粒子が半固体相中に分散している分散体の一例である。半固体中粒子型分散体の例としては、ワセリン中に分散された親水性漂白剤粒子が挙げられる。
用語「親水性漂白剤粒子」は、本明細書で使用する場合、a)漂白剤を含み、b)水に可溶性であり、水と接触すると膨潤し(体積及び/又は重量の増加)、かつ/又は水と接触すると漂白剤を放出する漂白剤の固体粒子である。漂白剤が放出されると、その漂白剤は、液体中に溶解された気体、液体、又は固体であり得る。加えて、親水性漂白剤粒子は、疎水性相に不溶性である。親水性漂白剤粒子又は半固体多相口腔用組成物は、例えば、水、水溶性溶媒、アルコール、カーボポール、ポリアルキレングリコール、保湿剤、グリセリン、ソルビトール、キシリトール、ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、及びプロピレングリコール、並びにこれらの混合物など、水溶性、水混和性、又はこれらの組み合わせである成分を更に含んでもよい。親水性漂白剤粒子はまた、水和水又は結晶化溶媒を含んでもよい。これらの成分が親水性漂白剤粒子に添加されるか又は親水性漂白剤粒子中に存在する場合、組成物中の親水性漂白剤粒子の百分率は、これらの成分を除外することによって計算される。水不溶性又は水不混和性充填剤が親水性漂白剤粒子又は半固体多相口腔用組成物に添加される場合、組成物中の親水性漂白剤粒子の百分率は、これらの充填剤を除外することによって計算される。
用語「漂白剤」は、本明細書で使用する場合、漂白剤粒子の漂白成分である。例えば、過酸化尿素(尿素過酸化水素付加物としても知られる)を漂白剤粒子として使用する場合、過酸化尿素粒子の過酸化水素成分は漂白剤である。同様に、過酸化水素とポリビニルピロリドン(PVP)ポリマーとの複合体を漂白剤粒子として使用する場合、過酸化水素とポリビニルピロリドン(PVP)ポリマーとの複合体の過酸化水素成分は漂白剤である。
用語「疎水性相」とは、本明細書で使用する場合、水と不混和性である、組成物の全ての構成成分を意味する。加えて、疎水性相は、水に不溶性であってもよい。加えて、疎水性相は、例えば、疎水性相中へと溶解させた炭化水素溶媒、疎水性相中へと溶解させたポリエチレン、疎水性相中へと溶解させた微晶蝋、又はこれらの混合物など、疎水性相に可用性である、混和性である、又はこれらの組み合わせである成分を更に含んでよい。特に、疎水性相は半固体である。水不溶性又は水不混和性充填剤が親水性漂白剤粒子又は半固体多相口腔用組成物に添加される場合、組成物中の疎水性相の百分率は、これらの充填剤を疎水性相の一部として含めることによって計算される。
用語「ワセリン」とは、本明細書で使用する場合、炭化水素の半固体混合物を意味する。ワセリンは、ASTM法D937に従って測定される、約10~約500、好ましくは約25~約300、より好ましくは約50~約250、又はより好ましくは約100~約200の円錐貫入稠度値を有し得る。ワセリンは、約40℃~約120℃、好ましくは約50℃~約100℃、より好ましくは約50°~約90℃、又はより好ましくは約60℃~約80℃の、ASTM法D127に従って測定される融点若しくは滴下融点又はASTM法D938に従って測定される凝固点を有し得る。
用語「円錐貫入稠度値」とは、本明細書で使用する場合、標準円錐が質量、時間、及び温度の固定条件下で試料に貫入する0.1ミリメートル単位の深さを意味する。円錐貫入稠度値は、ASTM法D937-07に従って測定される。
用語「送達支持材料」は、本発明で使用する場合、歯の表面に対して半固体多相口腔用組成物を保持するために使用される材料又は器具を含む。送達支持材料の例としては、ストリップ又は歯科用トレイが挙げられる。
用語「ストリップ」とは、本発明で使用する場合、1)その最も長い寸法長さが、一般に、その幅よりも大きい、及び2)その幅が、一般に、その厚さよりも大きい材料を含む。ストリップは、長方形、アーチ状、湾曲状、半円状であってよく、丸みのある角部を有してよい、その内部へとスリットカットを有してよい、その内部へとノッチカットを有してよい、三次元形状内へと湾曲してよい、又はこれらの組み合わせであってよい。ストリップは、固体、半固体、表面模様付き、型取り可能、可撓性、変形可能、持続的に変形可能、又はこれらの組み合わせであってよい。ストリップは、ポリエチレン又はワックスシートを含む、プラスチックシートから作製されてよい。ストリップの例としては、約66mmの長さ、15mmの幅、及び0.0178mmの厚さの、ポリエチレン部品が挙げられる。持続的に変形可能なストリップの例としては、約66mmの長さ、15mmの幅、及び0.4mmの厚さの、鋳造ワックスシート部品が挙げられる。
半固体中粒子型分散体であり得る、本明細書の半固体多相口腔用組成物は、局所適用、特に口腔内における局所適用に有用である。例えば、組成物は、口腔ケア組成物であってよい。
本発明で使用する場合、用語「又は」とは、2つ以上の要素の接続詞として使用される場合に、要素を個々に、及び組み合わせで含むことを意味し、例えば、X又はYは、X若しくはY、又はこれら両方を意味する。
本発明で使用する場合、冠詞「a」及び「an」は、特許請求される又は記載される材料、例えば、「口腔ケア組成物」又は「漂白剤」の1つ以上を意味するものと理解される。
本発明で使用する場合、「安全かつ有効な量」とは、健全な医学/歯学的判断の範囲内で、治療すべき状態を有意に(よい方向に)改変し、又は所望のホワイトニング効果をもたらすのには十分多いが、重篤な副作用を(妥当な利点/危険比にて)回避できるほど少ない、構成成分の量を意味する。構成成分の安全かつ有効な量は、治療される特別な症状、治療される患者の年齢及び身体状態、症状の重さ、治療期間、併用療法の性質、用いられる特定の形態、並びに構成成分に適用する特別な溶媒により、変化し得る。
本発明で使用する場合、「ホワイトニングを達成するための十分な期間」とは、適用当たり、約10秒を超える間、又は約2.5分~約12時間(例えば、一晩中にわたる処置)、若しくは約3分~約180分などの、約1分を超える間、又は約5分~約60分などの、約5分を超える間、又は約10分~約60分などの、約10分を超える間、又は約1、5、10分若しくは15分~約20、30、60、120分の間、又は、このようなより狭い数域が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつこのようなより広い数値範囲内に収まる任意のその他の数域にて、参加者により組成物が使用される若しくは装用される、又は組成物を使用する若しくは装用するように参加者に指示することを意味する。なお、処置は、1日に約1、2又は3回~1日に約4、5、6又は7回適用されてよい。この処置は、約1、2、3、4、5、6、若しくは7日~約8、9、10、11、12、13、14、21、若しくは28日、又はこのようなより狭い数域が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつこのようなより広い数値範囲内に収まる、任意のその他の数域に関して適用されてよい。なお、所望の利点を達成するための処置の長さ、例えば歯のホワイトニングは、特定の期間の間持続し、例えば、約1日~約6か月、特に、約1日~約28日、又は約7日~約28日、必要に応じて繰り返されてよい。最適な適用の持続時間及び頻度は、所望の効果、処置される任意の条件の重症度、ユーザの健康及び年齢並びに同様の見地に依存する。
用語「ディスペンサ」とは、本発明で使用する場合、口腔ケア組成物を分配するための、任意のポンプ、管材、又は容器を意味する。
用語「μm」又は「ミクロン」は、本発明で使用する場合、マイクロメートルを意味する。
粒子の「等価直径」という用語は、本発明で使用する場合、粒子と同じ体積を有する球体の直径を意味する。
本明細書にて以後使用される全ての割合及び比率は、特に指示がない限り、組成物全体の重量%(wt%)である。本明細書で言及される成分の百分率、比率、及びレベルは、特に指示がない限り、成分の実際の量に基づき、かつ市販製品として成分に組み合わされている場合がある溶媒、充填剤、又はその他の物質を含まない。
特に指示がない限り、本明細書で言及される測定は、全て約23℃(即ち、室温)で行われる。
本明細書にて有用な「有効物質及び他の成分」は、美容的及び/若しくは治療的な効果、又はそれらが要求される作用形態若しくは機能により、本明細書中で分類又は記述してよい。しかし、本明細書にて有用な有効物質及びその他の成分が、場合によっては、2つ以上の美容的及び/又は治療的効果をもたらす、あるいは2つ以上の作用形態で機能又は作用してよい、と理解すべきである。したがって、本明細書における分類は便宜上実施されるものであり、成分を列挙される具体的に規定した機能又は作用に制限しようとするものではない。
用語「歯」とは、本発明で使用する場合、天然歯、並びに人工歯、又は義歯を意味し、1つの歯又は複数の歯を含むように解釈される。したがって、用語「歯の表面」とは、本発明で使用する場合、天然歯の表面(複数可)、並びに人口歯の表面(複数可)、又は義歯の表面(複数可)を意味する。
用語「経口で受容可能な支持材料」とは、口腔内にて使用するのに好適な1つ以上の相溶性のある固体若しくは液体賦形剤、又は希釈剤を含む。用語「相溶性」とは、本発明で使用する場合、組成物の成分が、組成物の安定性及び/又は有効性を実質的に低下させるような方式で相互作用することなく、混合され得ることを意味する。
用語「約」とは、±10%を意味する。
半固体多相口腔用組成物
本明細書に開示される半固体多相口腔用組成物は、疎水性相中に分散された親水性粒子を含む。本明細書に開示される半固体多相口腔用組成物は、疎水性相中に分散された親水性漂白剤粒子を含む半固体分散体であり得る。
親水性漂白剤粒子を含む分散体の場合、親水性漂白剤粒子の粒子のサイズは、口腔の/局所的な過敏を減少させる、歯の刺激敏感性を低下させる、又は漂白有効性を増加させる要因であってもよい。理論によって制限されるものではないが、親水性漂白剤粒子のサイズが大きすぎる場合、高濃度の漂白剤に曝される口腔表面/局所的な表面/歯表面に大型の斑点をもたらす場合があり、引き続いて、口腔の/局所的な過敏、及び/又は歯の刺激敏感性をもたらす場合がある。例えば、親水性漂白剤粒子の数平均等価直径、表面積平均等価直径、又は体積平均等価直径は、約0.001ミクロン、0.01ミクロン、0.1ミクロン、1ミクロン、5ミクロン、10ミクロン、50ミクロン、100ミクロン、500ミクロン、若しくは1000ミクロン以下、又は、より狭く、かつかかるより狭い数域が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、かかるより広い数域内に収まる、任意のその他の数域であってよい。特に、親水性漂白剤粒子の数平均等価直径、表面積平均等価直径、又は体積平均等価直径は、約0.001ミクロン~約1000ミクロン、好ましくは約0.01ミクロン~約1000ミクロン、より好ましくは約0.1ミクロン~約100ミクロン、及び最も好ましくは約1~約100ミクロン、又は、より狭く、かつかかるより狭い数域が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、かかるより広い数域内に収まる、任意のその他の数域であってよい。
高い密度の大きな親水性漂白剤粒子を有する組成物は、口腔の/局所的な過敏、及び/又は歯の刺激敏感性をもたらす場合がある。例えば、約1000、3000、10000、20000、又は50000平方ミクロンより大きい断面積を有する親水性漂白剤粒子の二次元密度は、二次元平面の平方センチメートル当たり約100、50、25、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1、又は0.5以下、又は、より狭く、かつかかるより狭い数域が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、かかるより広い数域内に収まる、任意のその他の数域であってよい。特に、約10000平方ミクロンより大きい断面積を有する親水性漂白剤粒子の二次元密度は、二次元平面の平方センチメートル当たり約25以下、好ましくは10以下、より好ましくは5以下、最も好ましくは1以下、又は、より狭く、かつかかるより狭い数域が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、かかるより広い数域内に収まる、任意のその他の数域であってよい。
親水性漂白剤粒子及び疎水性相の構成成分及び特性は、組成物から容易に漂白剤を放出することを可能にするように選択される。
理論によって制限されるものではないが、半固体中親水性粒子型分散体などの本発明が歯表面に接触させられると、親水性漂白剤粒子は、歯の表面の親水性生物膜に漂白剤を送達することができると考えられる。可能な網効果は、歯のホワイトニング効果が、処置される歯の表面に接触した後のみに開始される、ということである。即ち、漂白剤は、環境の影響から保護されてよく、したがって、使用するまで半固体多相口腔用組成物の疎水性相により、また潜在的に、使用中にフィルム又は層の形態における疎水性相により、安定化される。したがって、活性効果が歯の表面に適用されてよく、また有効成分、例えば、漂白剤が、使用中の口腔環境に対して潜在的に保護されてよい。したがって、ホワイトニング半固体多相口腔用組成物の有効性を高め得る、及び/又は促進し得る。
理論によって制限されるものではないが、本発明は、歯の表面へのホワイトニング剤の送達を向上させ得、またしたがって、組成物の部分的な疎水性特性及び部分的な親水性特性故に、ホワイトニング性能を向上させ得る。半固体多相組成物と歯表面との接触時に、半固体多相組成物内の親水性漂白剤粒子は、歯表面に向かって推進され得る。本発明は、したがって、0.1重量%未満、0.1重量%、1重量%、若しくは5重量%、又はそれら未満の漂白剤など、所与の全体の総濃度にて、驚くほど高いレベルのホワイトニング有効性を送達し得、同程度のホワイトニングを得るためにより少ない適用を必要とし得、又は同程度のホワイトニングを得るためにより低いゲル装填(単位面積当たり数ミリグラムのゲル)を必要とし得る。
理論によって制限されるものではないが、本発明の半固体多相口腔用組成物によって送達される高い有効性の理由の一部は、それらが歯に対して自己接着的又は自己持続的であり、唾液又は他の液体中で洗い流されることに抵抗するためであると考えられる。これは、長時間にわたって有効成分又は漂白剤を歯表面などの口腔表面と接触させる又は口腔内に留めることができ、したがって、高い有効性をもたらす。一般に、口腔に対して接着的又は持続的である物質は、口腔内の表面が濡れていることから、親水性であることに注目すべきである。また、いくつかの製品形態、特にスティック型製品は、口腔内の表面に組成物を付着させるために、添加された持続剤を必要とし得ることにも注目すべきである。しかしながら、驚くべきことに、本発明の半固体多相口腔用組成物及び/又は本発明の疎水性相は、添加された接着剤(例えば、水分によって活性化されると粘着性になる親水性粒子、又は親水性液体)又は添加された持続剤がなくても、歯表面などの口腔内の表面に対して自己接着的又は自己持続的であることが見出された。添加された親水性接着剤又は親水性持続剤を使用せずに接着性又は持続性を達成することは、唾液又は他の液体中で洗い流されることに抵抗する半固体多相口腔用組成物を作製するのに役立ち得るため、特に有用であり、より高い有効性をもたらす。これは、添加された親水性接着剤又は添加された親水性持続剤を使用せずに接着性又は持続性を達成することにより、疎水性構成成分(洗い流されることに抵抗する)のレベルを増加させること、及び/又は親水性構成成分(洗い流されることが可能である)のレベルを減少させることが可能になるからである。直感に反して、これは、半固体多相口腔用組成物の持続性を増加させるのに役立ち得、歯表面などの口腔表面と接触している又は口腔内にある高濃度の有効成分又は漂白剤が長時間にわたってもたらされ、ひいては、高い有効性につながる。更に、理論によって制限されるものではないが、親水性液体はまた、半固体多相口腔用組成物が消費者による使用の前の製造、充填、輸送、又は保管中(例えば、1日、2日、1週間、2週間、1か月、2か月、3か月、6か月、12か月、18か月、又は24か月の間)に曝露され得る温度(例えば、-7℃、4℃、23℃、25℃、30℃、40℃、50℃、又は60℃)及び条件において半固体多相口腔用組成物から浸出し、構成成分のうちの1つ以上の巨視的な分離をもたらし得ると考えられる。これは、親水性液体が疎水性相によって反発され、半固体多相口腔用組成物から押し出され得るためである。したがって、好ましい実施形態では、本発明の半固体多相口腔用組成物及び/又は本発明の疎水性相は、添加された接着剤を実質的に含まない、好ましくは添加された親水性接着剤(例えば、水分によって活性化されると粘着性になる親水性粒子)又は添加された親水性持続剤を実質的に含まない、より好ましくは添加された親水性液体接着剤(例えばグリセリン)を実質的に含まない。特に、本発明の半固体多相口腔用組成物及び/又は本発明の疎水性相は、歯表面などの口腔に対して自己接着的及び/又は自己持続的である。
また、いくつかの製品形態、特にスティック型製品が、スティック型製品中に捕捉された有効成分又は過酸化物の放出を改善するために、添加された有効成分放出剤又は添加された過酸化物放出剤を必要とし得ることも注目すべきである。一般に、有効成分放出剤又は過酸化物放出剤は、水が組成物に浸透することを可能にし、かつ有効成分又は過酸化物が浸出することを可能にする組成物内の水和チャネルを提供し得る、親水性の水溶性若しくは水膨潤性ポリマー又は親水性液体である。特定の実施形態では、添加された過酸化物放出剤(過炭酸ナトリウムなど)は、水と接触すると生成され得る微小気泡の結果として疎水性マトリックスを破壊するのに役立ち得、この崩壊は、過酸化水素などのホワイトニング剤の放出を増強し得る。しかしながら、驚くべきことに、一般に、本発明の半固体多相口腔用組成物は、自己放出である(例えば、添加された有効成分放出剤又は添加された過酸化物放出剤がなくても、有効成分又は過酸化物を放出する)ことが見出された。添加された親水性有効成分放出剤又は添加された親水性過酸化物放出剤を使用せずに有効成分又は過酸化物の放出を達成することは、唾液又は他の液体中で洗い流されることに抵抗する半固体多相口腔用組成物を作製するのに役立ち得るため、特に有用であり、高い有効性をもたらす。これは、添加された親水性有効成分放出剤又は添加された親水性過酸化物放出剤を使用せずに有効成分又は過酸化物の放出を達成することにより、疎水性構成成分(洗い流されることに抵抗する)のレベルを増加させること、及び/又は親水性構成成分(洗い流されることが可能である)のレベルを減少させることが可能になるからである。したがって、好ましい実施形態では、本発明の本発明の半固体多相口腔用組成物は、添加された有効成分放出剤又は添加された過酸化物放出剤を実質的に含まない、好ましくは、添加された親水性有効成分放出剤又は添加された親水性過酸化物放出剤(例えば、水溶性又は水膨潤性ポリマー、親水性液体、又は過炭酸ナトリウム)を実質的に含まない。一般に、本発明の半固体多相口腔用組成物及び/又は本発明の疎水性相は、自己放出である(即ち、添加された有効成分放出剤又は添加された過酸化物放出剤がなくても有効成分又は過酸化物を放出する)。
しかしながら、特定の実施形態では、本発明の半固体多相口腔用組成物が、添加された接着剤、添加された親水性接着剤、添加された親水性液体接着剤、添加された親水性持続剤、添加された親水性有効成分放出剤、又は添加された親水性過酸化物放出剤を含む場合、この添加剤は、組成物の約0、0.1、0.2、0.4、1、2、3、4、5~約0、0.1、0.2、0.4、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20重量%の範囲、又は、より狭く、かつかかるより狭い数域が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、かかるより広い数域内に収まる、任意のその他の数域、好ましくは半固体多相口腔用組成物の約20重量%未満、より好ましくは約10重量%未満、更により好ましくは約5重量%未満、又は最も好ましくは約0.5重量%未満で存在してよい。
なお、歯の表面上における半固体多相口腔用組成物の保持力は、疎水性相が、過酸化物を分解することが可能な、唾液による希釈及び唾液の酵素に影響を受けない際に、向上し得る。更になお、疎水相は、おそらく、歯を脱水せず、ポリカルボン酸などの親水性の接着剤を含有する多数の親水性組成物により生成された水の、外方向への流動を発生させない。疎水性相がおそらく歯を脱水させない故に、なおも著しく高いレベルのホワイトニング有効性を送達しつつ、歯の刺激敏感性が著しく低い、という結果をもたらす。
なお、疎水性相は、更なる利点を提供し得る。例えば、疎水性相は、疎水性相において可溶性である成分のための、安定したマトリックスを表す。例えば、通常、口腔用組成物にて使用される多くの香料成分は、疎水性相において可溶性である。即ち、香料成分は、有効成分、例えば口腔用組成物中の漂白剤の影響から、保護され得る。なお、歯の表面における口腔用組成物の使用中に、疎水性相の少なくとも一部が-理論によって制限されることなく-粘膜などの口腔軟組織に向かって配置されてよく、したがって、香料組成物などの疎水性相中に存在する成分を、口腔へと提供する。なお、疎水性相は、唾液による希釈などの、口腔からのいずれかの影響に対して、漂白剤などの有効成分を保護し得る。保護効果はまた、歯の表面(複数可)それ自体に適用されてよく、疎水性相は、歯の表面により強い水和を提供する。
スティック型製品は、潜在的な汚染又は生体膜の蓄積があることから、口腔内での繰り返しの使用に対して非衛生的であり得ることは注目すべきである。唾液又は水分は、口腔内で使用中のスティック型組成物に浸透し得、これは、有効成分、特に使用間の保管中に過酸化物などの漂白剤を劣化させることがあり、この劣化は、唾液中に存在する酵素によって更に促進され得る。更に、この劣化は、口腔内の唾液又は水分と直接接触するスティック型製品の先端において最も顕著であり得、次にスティック型製品が使用されるときに有効性の低下をもたらす。この「接触-劣化-接触」のサイクルは、スティック型製品が使用されるたびに繰り返され得、第1の適用後の全てではないがほとんどの適用で有効性が低下する。また、スティック型製品が、スティック型製品中に捕捉された有効成分又は過酸化物の放出を改善するために、添加された有効成分放出剤又は添加された過酸化物放出剤を必要とし得ることも注目すべきである。一般に、有効成分放出剤又は過酸化物放出剤は、水が組成物に浸透することを可能にし、かつ有効成分又は過酸化物成分が浸出することを可能にする組成物内の水和チャネルを提供し得る、親水性の水溶性若しくは水膨潤性ポリマー又は親水性液体である。しかしながら、これらのチャネルはまた、より多くの唾液が組成物に浸透することを可能にし得、これは有効成分又は過酸化物の劣化を促進し得る。よって、スティック型製品形態は、本発明の多相口腔用組成物に対してあまり好ましくないか、又は好ましくなく、したがって、本発明の多相口腔用組成物は、添加されたワックスなど、スティック型製品の形成を促進し得る任意の化合物及び成分を実質的に含まない。
液体形態の多相口腔用組成物は、相の密度の差に起因して1つ以上の構成成分の巨視的な分離を呈し得ることは注目すべきである。具体的には、1種以上の液体中に分散した粒子である組成物は、液体と比較して粒子の密度に差があることに起因して、1つ以上の構成成分の巨視的な分離を呈し得る。更に、液体形態の多相口腔用組成物は、持続的でないことがあり、適用中又は使用中に歯を流れ落ちるか又は送達支持材料から流出することがある。したがって、液体形態は、本発明の多相口腔用組成物に対してあまり好ましくないか、又は好ましくない。
本発明の多相口腔用組成物は、ペースト、クリーム、ゲル、半固体、又はこれらの任意の組み合わせ、好ましくは半固体であってよく、異種半固体混合物及び/又は異種半固体分散体が好ましい。
親水性漂白剤粒子
本発明の半固体多相口腔用組成物は、安全かつ有効な量の親水性漂白剤粒子を含み、親水性漂白剤粒子のレベルは、その分子が着色汚れを漂白するために与える利用可能な酸素又は塩素にそれぞれ基づく。例えば、親水性漂白剤粒子の最大量は、半固体多相口腔用組成物の約0.01重量%、0.02重量%、0.03重量%、0.04重量%、0.05重量%、0.06重量%、0.07重量%、0.08重量%、0.09重量%、0.095重量% 0.099995重量%、0.1重量%、0.2重量%、0.3重量%、0.4重量%、0.5重量%、0.6重量%、0.7重量%、0.8重量%、0.9重量%、1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、47.5重量%、若しくは50重量%、又は、より狭く、かつかかるより狭い数域が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、かかるより広い数域内に収まる、任意のその他の数域であってよい。
驚くべきことに、水中の親水性漂白剤粒子の溶解性、水との接触時に膨潤する能力、又は水との接触時に漂白剤を放出する能力が、組成物の漂白有効性に影響を与えることが見出された。特に、少なくとも約20、25、30、40、50、60、70、若しくは80重量部の親水性漂白剤粒子が約100重量部の水に溶解するか、又は親水性漂白剤粒子が、水との接触時に少なくとも約20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、若しくは80%膨潤する。理論によって制限されるものではないが、驚くべきことに、親水性漂白剤粒子を水和し、漂白成分を放出するために、上顎前歯の前面上で利用可能な水の量が、口腔の残りの部分と比較して低くなっている。このことは、上顎前歯の前面が、笑うときに最も視認可能な部分であることから、特に重要である。したがって、水中の親水性漂白剤粒子の溶解性、水との接触時に膨潤する能力、又は水との接触時に漂白剤を放出する能力は、「笑顔時の歯」(上顎前歯の前面)に偏って組成物の漂白有効性に影響を与える可能性がある。
親水性漂白剤粒子の好ましい例としては、過酸化尿素(過酸化カルバミド、又は尿素過酸化水素付加物としても知られる)、及び過酸化水素とポリビニルピロリドン(PVP)ポリマーとの複合体(Peroxydoneとしても知られる)、並びにこれらの混合物が挙げられる。
親水性漂白剤粒子の更なる例としては、歯の色を変える、又は増白する、漂白効果、着色漂白効果、着色除去効果、着色色換え効果、若しくは任意のその他の効果を提供する薬剤が挙げられる。例えば、親水性漂白剤粒子は、過酸化物ラジカルの供給源を含む。追加的に又は代替的に、親水性漂白剤粒子としては、過酸化物、金属塩化物、過ホウ酸塩、過炭酸塩、ペルオキシ酸、過硫酸塩、その場で前述の化合物を形成する化合物、及びこれらの組み合わせが挙げられてよい。過酸化化合物の例としては、過酸化尿素、過酸化カルシウム、過酸化カルバミド、及びこれらの混合物が挙げられてよい。金属塩化物の例としては、塩化カルシウム、亜塩素酸バリウム、塩化マグネシウム、亜塩素酸リチウム、亜塩素酸ナトリウム、亜塩素酸カリウム、及びこれらの混合物が挙げられてよい。親水性漂白剤粒子の例としては、次亜塩素酸塩(金属次亜塩素酸塩など)が挙げられてよい。過硫酸塩の例としては、ペルオキシ一硫酸の塩、ペルオキシジサルフェート、及びこれらの混合物が挙げられてよい。過硫酸塩、過ホウ酸塩、過炭酸塩、及び次亜塩素酸塩の例としては、ナトリウム、カルシウム、カリウム、及び他の金属の対応する塩が挙げられる。
追加的に又は代替的に、親水性漂白剤粒子は、半固体多相口腔用組成物の約0.001重量%、0.01重量%、0.02重量%、0.03重量%、0.04重量%、0.05重量%、0.06重量%、0.07重量%、0.08重量%、0.09重量%、0.095重量% 0.099995重量%、0.1重量%、0.2重量%、0.3重量%、0.4重量%、0.5重量%、0.6重量%、0.7重量%、0.8重量%、0.9重量%、1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、若しくは47.5重量%~約0.01重量%、0.02重量%、0.03重量%、0.04重量%、0.05重量%、0.06重量%、0.07重量%、0.08重量%、0.09重量%、0.095重量% 0.099995重量%、0.1重量%、0.2重量%、0.3重量%、0.4重量%、0.5重量%、0.6重量%、0.7重量%、0.8重量%、0.9重量%、1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、47.5重量%、若しくは50重量%、又は、より狭く、かつかかるより狭い数域が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、かかるより広い数域内に収まる、任意のその他の数域であってよい。
特に、親水性漂白剤粒子のレベルは、半固体多相口腔用組成物の10重量%、9重量%、8重量%、7重量%、6重量%、5重量%、4重量%、3重量%、2重量%、1重量%、0.9重量%、0.8重量%、0.7重量%、0.6重量%、0.5重量%、0.4重量%、0.3重量%、0.2重量%、0.1重量%、0.099995重量%、0.095重量%若しくは0.09重量%未満、より特に、半固体多相口腔用組成物の0.9重量%、0.8重量%、0.7重量%、0.6重量%、0.5重量%、0.4重量%、0.3重量%、0.2重量%、若しくは0.1重量%未満、又は半固体多相口腔用組成物の約0.1重量%~約0.9重量%、若しくは約0.2重量%~約0.8重量%、若しくは約0.3重量%~約0.7重量%、又は、より狭く、かつかかるより狭い数域が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、かかるより広い数域内に収まる、任意のその他の数域であってよい。代替的に、親水性漂白剤粒子は、半固体多相口腔用組成物の約0.6重量%~約10重量%、若しくは約0.6重量%~約6重量%、若しくは約1重量%~約5重量%、若しくは約1重量%~約3重量%、又は、より狭く、かつかかるより狭い数域が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、かかるより広い数域内に収まる、任意のその他の数域であってよい。
親水性漂白剤粒子のレベルは、その分子が着色汚れを漂白するために与える利用可能な酸素又は塩素にそれぞれ基づいたものとすることができる。好ましい実施形態では、親水性漂白剤粒子のレベルは、半固体多相口腔用組成物の約0.1重量%未満若しくはそれ以下、より好ましい実施形態では、半固体多相口腔用組成物の約0.09重量%、0.08重量%、0.07重量%、0.06重量%、0.05重量%、0.04重量%、0.03重量%、0.02重量%、0.01重量%、若しくは0.001重量%未満、又は半固体多相口腔用組成物の約0.01重量%~約0.099995重量%、約0.01重量%~約0.095重量%、若しくは約0.05重量%~約0.09重量%、又は、より狭く、かつかかるより狭い数域が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、かかるより広い数域内に収まる、任意のその他の数域である。驚くべきことに、本明細書にて開示した半固体多相口腔用組成物において、たとえ低いレベルにて使用した場合であっても、親水性漂白剤粒子は著しく効果的であり、これは、半固体中粒子型分散体の形態であってよい。
例えば、漂白剤の最大量は、半固体多相口腔用組成物の約0.01重量%、0.02重量%、0.03重量%、0.04重量%、0.05重量%、0.06重量%、0.07重量%、0.08重量%、0.09重量%、0.095重量% 0.099995重量%、0.1重量%、0.2重量%、0.3重量%、0.4重量%、0.5重量%、0.6重量%、0.7重量%、0.8重量%、0.9重量%、1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、47.5重量%、若しくは50重量%、又は、より狭く、かつかかるより狭い数域が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、かかるより広い数域内に収まる、任意のその他の数域であってよい。
追加的に又は代替的に、漂白剤は、半固体多相口腔用組成物の約0.001重量%、0.01重量%、0.02重量%、0.03重量%、0.04重量%、0.05重量%、0.06重量%、0.07重量%、0.08重量%、0.09重量%、0.095重量% 0.099995重量%、0.1重量%、0.2重量%、0.3重量%、0.4重量%、0.5重量%、0.6重量%、0.7重量%、0.8重量%、0.9重量%、1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、47.5重量%、若しくは50重量%~約0.01重量%、0.02重量%、0.03重量%、0.04重量%、0.05重量%、0.06重量%、0.07重量%、0.08重量%、0.09重量%、0.095重量% 0.099995重量%、0.1重量%、0.2重量%、0.3重量%、0.4重量%、0.5重量%、0.6重量%、0.7重量%、0.8重量%、0.9重量%、1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、47.5重量%、若しくは50重量%、又は、より狭く、かつかかるより狭い数域が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、かかるより広い数域内に収まる、任意のその他の数域であってよい。
特に、漂白剤のレベルは、半固体多相口腔用組成物の10重量%、9重量%、8重量%、7重量%、6重量%、5重量%、4重量%、3重量%、2重量%、1重量%、0.9重量%、0.8重量%、0.7重量%、0.6重量%、0.5重量%、0.4重量%、0.3重量%、0.2重量%、0.1重量%、0.099995重量%、0.095重量%若しくは0.09重量%未満、より特に、半固体多相口腔用組成物の0.9重量%、0.8重量%、0.7重量%、0.6重量%、0.5重量%、0.4重量%、0.3重量%、0.2重量%、若しくは0.1重量%未満、好ましくは半固体多相口腔用組成物の約0.1重量%~約0.9重量%、より好ましくは約0.2重量%~約0.8重量%、より好ましくは約0.3重量%~約0.7重量%、又は、より狭く、かつかかるより狭い数域が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、かかるより広い数域内に収まる、任意のその他の数域であってよい。
過酸化水素の濃度の比率
好ましい実施形態では、親水性漂白剤粒子は、過酸化水素の付加物若しくは錯体、又は過酸化水素の前駆体であることにより、過酸化水素を送達する。したがって、それらは、半固体多相口腔用組成物全体中に存在する過酸化水素の重量パーセント濃度に対する親水性漂白剤粒子中に存在する過酸化水素の重量パーセント濃度の高い比率を送達する。これは、半固体多相口腔用組成物全体中に存在する比較的低い重量パーセント濃度の過酸化水素と組み合わされた親水性漂白剤粒子中に存在する高い重量パーセント濃度の過酸化水素から得られる。
理論によって制限されるものではないが、過酸化水素を含む本発明の実施形態では、見かけ上矛盾したパラメータのこの驚くべき組み合わせは、歯表面に送達される過酸化水素の全体濃度又は量が低い場合であっても、高い推進力で過酸化水素を歯表面に送達する。結果として、高い推進力が、驚くほど高いレベルの漂白有効性及び/又は漂白速度を送達し、一方で、歯の表面に送達される低い全体濃度又は低量の漂白剤は、歯の刺激敏感性を低減させるのに役立ち得る。
追加的に又は代替的に、半固体多相口腔用組成物全体中に存在する過酸化水素の重量パーセント濃度に対する親水性漂白剤粒子中に存在する過酸化水素の重量パーセント濃度の比率は、約50000、35000、20000、17500、10000、5000、3500、2000、1750、1160、1000、875、700、580、500、430、400、380、350、200、175、111、110、105、100、90、80、70、60、50、40、30、20、15、10、若しくは5~約50000、35000、20000、17500、10000、5000、3500、2000、1750、1160、1000、875、700、580、500、430、400、380、350、200、175、111、110、105、100、90、80、70、60、50、40、30、20、15、10、若しくは5、又は、より狭く、かつかかるより狭い数域が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、かかるより広い数域内に収まる、任意のその他の数域であってよい。
追加的に又は代替的に、半固体多相口腔用組成物全体中に存在する過酸化水素の重量パーセント濃度に対する親水性漂白剤粒子中に存在する過酸化水素の重量パーセント濃度の比率は、少なくとも、又は約50000超、35000超、20000超、17500超、10000超、5000超、3500超、2000超、1750超、1160超、1000超、875超、700超、580超、500超、430超、400超、380超、350超、200超、175超、110超、105超、100超、90超、80超、70超、60超、50超、40超、30超、20超、15超、10超、若しくは5超、又は、より狭く、かつかかるより狭い数域が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、かかるより広い数域内に収まる、任意のその他の数域であってよい。
本発明の漂白剤は、疎水性相の保護効果により、分解に対して安定化され得る。
漂白剤のための任意の安定化剤
本発明の半固体多相口腔用組成物は、漂白剤のための任意の安定化剤を含んでよい。半固体多相口腔用組成物による分解に対して、本漂白剤を更に安定化させてよい。したがって、本発明の組成物へと、安定化剤を添加してよい。好適な安定化剤は、例えば、オルトリン酸、リン酸水素ナトリウムなどのリン酸(複数可)、ピロリン酸(複数可)、オルガノホスホネート(複数可)、エチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミン-N,N’-二酢酸、エチレンジアミン-N,N’-二コハク酸、錫酸カリウム、錫酸ナトリウム、塩化第一錫、亜鉛塩、サリチル酸、1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸、及びこれらの組み合わせである。特に、ピロリン酸塩、トリポリリン酸塩、ヘキサメタリン酸塩などのリン酸塩、フィチン酸、PO3(PO2)nPO3(式中、n=2~30)の塩、リン酸、ガントレッズ(gantrez)、クエン酸亜鉛、乳酸亜鉛、塩化亜鉛、リン酸亜鉛、酸化亜鉛を含む亜鉛塩、デキストラナーゼ(dextransess)、キシラナーゼ、プロテアーゼなどの酵素、過酸化水素、過酸化尿素及び過炭酸ナトリウムを含む過酸化物、ビスホスホネートなどのホスホネート、EDTA、カルシウムナトリウムEDTA、クエン酸塩、クエン酸、シュウ酸、シュウ酸塩などのキレート剤、ポリマー(米国特許出願第16/216,329号に開示されているものなど)、PVP、ポリアクリル酸(カーボポール)、ポリアクリレート、第一スズ塩、第二スズ塩によって生じる、歯石防止効果など、追加の口腔ケア効果を示す安定化剤が使用され得る。安定化剤は、半固体多相口腔用組成物の約0.0000001重量%、0.000001重量%、若しくは0.00001重量%~約0.00001重量%、0.0001重量%、若しくは0.01重量%、又は、より狭く、かつかかるより狭い数域が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、かかるより広い数域内に収まる、任意のその他の数域の量にて、本発明の半固体多相口腔用組成物中に存在してよい。特に、安定化剤は、親水性漂白剤粒子の約0.0001重量%、若しくは0.01重量%~約0.01重量%、0.1重量%若しくは約1重量%、又は、より狭く、かつかかるより狭い数域が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、かかるより広い数域内に収まる、任意のその他の数域の量にて、本発明の半固体多相口腔用組成物中に存在してよい。
安定化剤はまた、キレート剤を含んでよい。キレート剤は、銅、鉄及び/又はマンガンキレート剤、又はこれらの混合物であってよい。好適なキレート剤は、ジエチレントリアミン五酢酸、ジエチレントリアミンペンタ(メチルホスホン酸)、エチレンジアミン-N’N’-二コハク酸、エチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ヒドロキシエタンジ(メチレンホスホン酸)、及びそれらの任意の組み合わせから選択されてよい。好適なキレート剤は、エチレンジアミン-N’N’-二コハク酸(EDDS)及び/又はヒドロキシエタンジホスホン酸(HEDP)から選択されてよい。安定化剤は、エチレンジアミン-N’N’-二コハク酸、又はその塩を含んでよい。エチレンジアミン-N’N’-二コハク酸は、S,Sエナンチオマー形態でよい。安定剤は、4,5-ジヒドロキシ-m-ベンゼンジスルホン酸二ナトリウム塩、グルタミン酸-N,N-二酢酸(GLDA)及び/又はその塩、2-ヒドロキシピリジン-1-オキサイド、Trilon P(商標)(BASF(Ludwigshafen,Germany)から入手可能)を含んでもよい。好適なキレート剤はまた、炭酸カルシウム結晶成長阻害剤であってよい。好適な炭酸カルシウム結晶成長阻害剤は、1-ヒドロキシエタンジホスホン酸(HEDP)及びその塩、N,N-ジカルボキシメチル-2-アミノペンタン-1,5-二酸及びその塩、2-ホスホノブタン-1,2,4-トリカルボン酸及びその塩、並びにそれらの任意の組み合わせからなる群から選択されてよい。
安定化剤は、1-ヒドロキシエタンジホスホン酸(HEDP)、N,N-ジカルボキシメチル-2-アミノペンタン-1,5-二酸、2-ホスホノブタン-1,2,4-トリカルボン酸、及びその塩、並びにこれらの任意の組み合わせなどの、炭酸カルシウム結晶成長阻害剤を含んでよい。
安定剤は、ヒドロキサム酸塩キレート剤を含んでよい。本発明における「ヒドロキサム酸塩」とは、ヒドロキサム酸、又は対応する塩、例えば、ココヒドロキサム酸塩(Axis House RK853)を意味する。
疎水性相
本発明は、安全かつ有効な量の疎水性相を含む。例えば、本発明の半固体多相口腔用組成物は疎水性相を含み、疎水性相は、半固体多相口腔用組成物の少なくとも、又は約50重量%超、60重量%超、65重量%超、70重量%超、75重量%超、80重量%超、85重量%超、90重量%超、95重量%超、96重量%超、97重量%超、98重量%超、99重量%超、99.1重量%超、若しくは99.5重量%超、又は、より狭く、かつかかるより狭い数域が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、かかるより広い数域内に収まる、任意のその他の数域であってよい。特に、疎水性相は、半固体多相口腔用組成物の少なくとも約95重量%、96重量%、97重量%、98重量%、99重量%、99.1重量%、若しくは99.5重量%、又は、より狭く、かつかかるより狭い数域が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、かかるより広い数域内に収まる、任意のその他の数域であってよい。
加えて、疎水相は、半固体多相口腔用組成物中に存在する親水性漂白剤粒子に対して比率が優勢であってよい。本発明で使用する場合、「比率が優勢」とは、半固体多相口腔用組成物の疎水性相の重量パーセントが、半固体多相口腔用組成物の親水性漂白剤粒子の重量パーセントに対して超過することを意味する。
疎水性相は、不活性であってよい、又は少なくとも部分的に不活性であってよい。疎水性相は、漂白剤を含む半固体多相口腔用組成物中で、例えば、香料又は増粘剤などのその他の成分と相互作用し得るが、特定の実施形態ではその他の成分と相互作用しない、又はその他の成分と最小限でのみ相互作用する。
本明細書にて開示したような組成物のための好適な疎水相は、約2超、3超、4超、5超、又は約5.5超の、オクタノール/水分配係数(logPOW)を有してよい。特に、疎水性相は、約6超、又は、より狭く、かつかかるより狭い数域が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、かかるより広い数域内に収まる、任意のその他の数域のlogPowを示す。
理論によって制限されるものではないが、疎水性相の融点、滴下融点又は凝固点は、組成物が、1)持続的であり、かつ適用中若しくは使用中に歯を流れ落ちない若しくは送達支持材料から流出しないか、2)半固体多相口腔用組成物が消費者による使用の前の製造、充填、輸送、若しくは保管中(例えば、1日、2日、1週間、2週間、1か月、2か月、3か月、6か月、12か月、18か月、又は24か月の間)に曝露され得る温度(例えば、-7℃、4℃、23℃、25℃、30℃、40℃、50℃、又は60℃)及び条件における構成成分のうちの1つ以上の巨視的な分離を阻害するか、又は3)使用中に有効量の漂白剤若しくは有効成分を放出するということを確実にする要因であり得る。具体的には、疎水性相の融点、滴下融点又は凝固点が低すぎる場合、半固体多相口腔用組成物は持続的であり得ず、かつ適用中若しくは使用中に歯を流れ落ちる若しくは送達支持材料から流出し得るか、又は半固体多相口腔用組成物は、半固体多相口腔用組成物が消費者による使用の前の製造、充填、輸送、又は保管中(例えば、1日、2日、1週間、2週間、1か月、2か月、3か月、6か月、12か月、18か月、又は24か月の間)に曝露され得る温度(例えば、-7℃、4℃、23℃、25℃、30℃、40℃、50℃、又は60℃)及び条件において構成成分のうちの1つ以上の巨視的な分離を呈し得る。対照的に、疎水性相の融点、滴下融点又は凝固点が高すぎる場合、半固体多相口腔用組成物は、使用中に、有効量の漂白剤又は有効成分を放出し得ない。好適な疎水性相の、ASTM法D127に従って測定される融点若しくは滴下融点又はASTM法D938に従って測定される凝固点は、約40℃~約120℃、約50°~約100℃、約50℃~約90℃、若しくは約60℃~約80℃の範囲、又は、より狭く、かつかかるより狭い数域が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、かかるより広い数域内に収まる、任意のその他の数域であってよい。追加的に又は代替的に、疎水性相の、ASTM法D127に従って測定される融点若しくは滴下融点又はASTM法D938に従って測定される凝固点は、約40℃、50℃、60℃、70℃、75℃、若しくは80℃~約60℃、70℃、80℃、85℃、90℃、95℃、100℃、若しくは120℃、又は、より狭く、かつかかるより狭い数域が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、かかるより広い数域内に収まる、任意のその他の数域であってよい。
理論によって制限されるものではないが、疎水性相又は半固体多相口腔用組成物の円錐貫入稠度値は、半固体多相口腔用組成物が、1)持続的であり、かつ適用中若しくは使用中に歯を流れ落ちない若しくは送達支持材料から流出しないか、2)半固体多相口腔用組成物が消費者による使用の前の製造、充填、輸送、若しくは保管中(例えば、1日、2日、1週間、2週間、1か月、2か月、3か月、6か月、12か月、18か月、又は24か月の間)に曝露され得る温度(例えば、-7℃、4℃、23℃、25℃、30℃、40℃、50℃、又は60℃)及び条件における構成成分のうちの1つ以上の巨視的な分離を阻害するか、又は3)使用中に有効量の漂白剤若しくは有効成分を放出するということを確実にする要因であり得る。具体的には、疎水性相又は半固体多相口腔用組成物の円錐貫入稠度値が高すぎる場合、半固体多相口腔用組成物は持続的であり得ず、かつ適用中若しくは使用中に歯を流れ落ちる若しくは送達支持材料から流出し得るか、又は半固体多相口腔用組成物は、半固体多相口腔用組成物が消費者による使用の前の製造、充填、輸送、又は保管中(例えば、1日、2日、1週間、2週間、1か月、2か月、3か月、6か月、12か月、18か月、又は24か月の間)に曝露され得る温度(例えば、-7℃、4℃、23℃、25℃、30℃、40℃、50℃、又は60℃)及び条件において構成成分のうちの1つ以上の巨視的な分離を呈し得る。対照的に、疎水性相又は半固体多相口腔用組成物の円錐貫入稠度値が低すぎる場合、半固体多相口腔用組成物は、使用中に有効量の漂白剤若しくは有効成分を放出し得ない、又は半固体多相口腔用組成物は歯と良好に接触し得ない。一般に、1)低い円錐貫入稠度値を有する疎水性相は、特に、例えば微粒子化により、粒径を最小化するように粉砕又は製造される有効成分又は漂白剤を含む粉末成分と組み合わされる場合、スティック型製品を形成する傾向があり、2)ワックスが豊富な疎水性相は、低い円錐貫入稠度値を有する傾向があり、3)スティック型製品は、低い円錐貫入稠度値を有する傾向があり、4)低い円錐貫入稠度値を有する疎水性相(スティック型製品を形成する傾向がある)はまた、漂白剤又は有効成分の放出を阻害し得、5)スティック型製品(低い円錐貫入稠度値を有する傾向がある)もまた、漂白剤又は有効成分の放出を阻害し得ることは注目すべきである。また、低い円錐貫入稠度値を有する多相口腔用組成物、又は疎水性相が低い円錐貫入稠度値を有する多相口腔用組成物は、チューブから好適な用量の多相口腔用組成物を手動で分配することが困難であるか、又は非実用的であり得ることも注目すべきである。したがって、疎水性相又は半固体多相口腔用組成物の円錐貫入稠度値は、最適には、約10~約500、約25~約300、又は約50~約250の範囲、好ましくは約100~約200の範囲であり得る。疎水性相又は多相口腔用組成物の円錐貫入稠度値は、本明細書で明記された方法に従って測定されるとき、約10、25、50、100、110、120、130、140、150、160、170、180、若しくは190~約100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、300、400、若しくは500、又は、より狭く、かつかかるより狭い数域が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、かかるより広い数域内に収まる、任意のその他の数域であってよい。
理論によって制限されるものではないが、半固体多相口腔用組成物が消費者による使用の前の製造、充填、輸送、又は保管中(例えば、1日、2日、1週間、2週間、1か月、2か月、3か月、6か月、12か月、18か月、又は24か月の間)に曝露され得る温度(例えば、-7℃、4℃、23℃、25℃、30℃、40℃、50℃、又は60℃)及び条件における構成成分のうちの1つ以上の巨視的な分離は、有効性、安全性、快適性、使用経験、歯表面における経時的な有効成分若しくは漂白剤の濃度、活性若しくは漂白有効性、又は成分間の相溶性を損ない得る。例えば、半固体多相口腔用組成物が消費者による使用の前の製造、充填、輸送、又は保管中(例えば、1日、2日、1週間、2週間、1か月、2か月、3か月、6か月、12か月、18か月、又は24か月の間)に曝露され得る温度(例えば、-7℃、4℃、23℃、25℃、30℃、40℃、50℃、又は60℃)及び条件において、漂白剤を含有する親水性漂白剤粒子又は相の巨視的な分離を呈する組成物は、漂白剤の濃度をある用量から他の用量に、及び/又は経時的に変化させ得る。これは、特定の用量において(例えば、口腔刺激又は歯の刺激敏感性によって)有効性、快適性、又は使用経験を損なうことがあり、これは用量間で及び/又は経時的に変化し得る。具体的には、例えば、漂白剤粒子のかなりの部分が1つの相に巨視的に分離される場合、この相が偏って豊富である用量は、口腔軟組織又は歯と接触したときに、口腔刺激又は歯の刺激敏感性を引き起こし得る。対照的に、例えば、疎水性相のかなりの部分が1つの相に巨視的に分離される場合、この相が偏って豊富である用量は、漂白有効性を減少させ得る。これらの両方の条件は、一方がより高い不快感をもたらし、他方がより低い有効性をもたらすため、望ましくない。
半固体多相口腔用組成物が消費者による使用の前の製造、充填、輸送、又は保管中(例えば、1日、2日、1週間、2週間、1か月、2か月、3か月、6か月、12か月、18か月、又は24か月の間)に曝露され得る温度(例えば、-7℃、4℃、23℃、25℃、30℃、40℃、50℃、又は60℃)及び条件における、本明細書で明記された方法に従って測定される、構成成分のうちの1つ以上の巨視的な分離は、約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、若しくは50%~約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、若しくは50%、又は、より狭く、かつかかるより狭い数域が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、かかるより広い数域内に収まる、任意のその他の数域であってよい。追加的に又は代替的に、23C+/-2Cでの1日、2日、1週間、2週間、1か月、2か月、3か月、6か月、12か月、18か月、又は24か月にわたる保管後の、本明細書で明記された方法に従って測定される、構成成分のうちの1つ以上の巨視的な分離は、約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、若しくは50%~約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、若しくは50%、又は、より狭く、かつかかるより狭い数域が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、かかるより広い数域内に収まる、任意のその他の数域であってよい。追加的に又は代替的に、23C+/-2Cでの1日、2日、1週間、2週間、1か月、2か月、3か月、6か月、12か月、18か月、又は24か月にわたる保管後の、本明細書で明記された方法に従って測定される、構成成分のうちの1つ以上の巨視的な分離は、約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、又は50%以下又は未満であってよい。
特に、23C+/-2Cでの2日にわたる保管後の、本明細書で明記された方法に従って測定される、構成成分のうちの1つ以上の巨視的な分離は、約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、若しくは50%~約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、若しくは50%、又は、より狭く、かつかかるより狭い数域が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、かかるより広い数域内に収まる、任意のその他の数域であってよい。追加的に又は代替的に、23C+/-2Cでの2日にわたる保管後の、本明細書で明記された方法に従って測定される、構成成分のうちの1つ以上の巨視的な分離は、約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、又は50%以下又は未満であってよい。
半固体多相口腔用組成物の1つ以上の構成成分の巨視的分離パーセントを測定する方法
1. 50mLの半固体多相口腔用組成物を50mLポリプロピレン円錐管(Falconブランドカタログ番号REF 352098、Corning Science(タマウリパス、メキシコ))に移す。半固体多相口腔用組成物が、円錐管に移す前に1つ以上の構成成分の巨視的な分離を呈する場合は、半固体多相口腔用組成物をSpeedmixer(Flacktek Inc.(ランドラム、サウスカロライナ州)からの「Max 300 Long Cup Translucent」、アイテム番号501 218t)内で(例えば、800RPMで2分間)混合し、1つ以上の構成要素の巨視的な分離を呈する前に円錐管に移す。半固体多相口腔用組成物が巨視的な気泡又は空隙を有する場合は、1)巨視的な気泡若しくは空隙を含まなくなるまで、円錐管を硬質表面上でタッピングするか、又は2)巨視的な気泡若しくは空隙を実質的に含まないように半固体多相口腔用組成物を円錐管に移す異なる方法を使用する。円錐管にキャップを締める。合計で3本の円錐管に対して繰り返す。
2. 3本の円錐管全てを、円錐形端部を底部にし、キャップを上部にして、垂直方向に(例えば試験管ラック内に)位置付ける。
3. 3本の円錐管全てを、巨視的な分離が測定されるまでの所定の期間にわたって空気が所定の温度(例えば、-7℃、4℃、23℃、25℃、30℃、40℃、50℃、又は60℃)に維持される室内又はチャンバー内に垂直位置で静置する。
4. 巨視的な分離が測定されるまでの所定の期間(例えば、1日、2日、1週間、2週間、1か月、2か月、3か月、6か月、12か月、18か月、又は24か月)の終了時、垂直位置で、円錐管の底部に巨視的に分離した材料の体積を測定する(円錐管上の目盛によって補助される)。円錐管の底部に巨視的に分離した材料の体積が25mLを超える場合は、円錐管の頂部に巨視的に分離した材料の体積を測定する。
・3本の管全てでの巨視的に分離した材料の平均体積を計算する。
・巨視的に分離した材料の体積の管間の変動性を以下のように評価する:各管において分離した材料の体積はいずれも皆、平均の+/-2.5mLの範囲内でなければならない。管のうちのいずれか1つ以上において分離された材料の体積が、平均の+/-2.5mLの範囲外である場合:これは、円錐管に移す前の1つ以上の構成要素の巨視的な分離に起因する可能性のある試料間の変動性を示すものであり、試料間の変動性を最小にするために、方法を工程1から繰り返す必要がある。
5. 巨視的分離パーセントを以下のように計算する:100×(工程4で測定され、計算された、巨視的に分離した材料の平均体積を50mLで割ったもの)。
上記の方法を検証するために、以下に指定される検証組成物の1つ以上の構成要素の巨視的分離パーセントを測定し、6%~10%であることを実証しなければならない。
1Solvay(ヒューストン、テキサス州)からの、ultra Cosmetic Grade
2EMD Millipore Corporation(ビレリカ、マサチューセッツ州)からのCalbiochemカタログ番号4.86505.1000
3Cytec Industries(プリンストン、ニュージャージー州)からのエアゾールOT-100
4Sonneborn LLC(ペトローリア、ペンシルベニア州)からの白色鉱油Kaydol Grade
巨視的分離パーセントを測定する方法のための検証組成物を作製する手順
検証組成物の175グラムのバッチを以下の手順により作製する。
a)1.75グラムのエアゾールOT及び163.33グラムの鉱油をSpeedmixer容器(「Max 300 Long Cup Translucent」、アイテム番号501 218t(Flacktek Inc.(ランドラム、サウスカロライナ州))に計量する。
b)混合物を炉内で加熱し、混合して、鉱油中のエアゾールOTを溶解させる。これは、炉内で60℃~70℃に加熱し、手動旋回により又は800RPMのSpeedmixer内で2分間混合し、エアゾールOTが鉱油に溶解するまで繰り返すことによって、行うことができる。
c)別個のプラスチック容器内で、42.4グラムの滅菌濾過水及び14.3グラムの35%H2O2水溶液を計量し、一緒に旋回させる。9.92グラムのこの希釈された水中のH2O2の溶液をSpeedmixer容器に計量する。
d)Speedmixer容器の内容物をSpeedmixer内で800RPMにて2分間混合する。その後、プラスチック製のヘラで容器の内側を削り落とし、800RPMにて2分間、内容物の2回目の混合を行う。その後、プラスチック製のヘラで容器の内側を削り落とし、800RPMにて2分間、内容物の3回目の混合を行う。
理論によって制限されるものではないが、過酸化物を含む半固体多相口腔用組成物に関して、歯に塗抹される半固体多相口腔用組成物の平均残留過酸化物濃度は、半固体多相口腔用組成物が、1)持続的であり、かつ使用中に洗い流されない、かつ、2)使用中に、依然として有効量の漂白剤を放出する、ということを確実にする要因であり得る。具体的には、歯の表面上の、半固体多相口腔用組成物の平均残留過酸化物濃度が低すぎる場合、半固体多相口腔用組成物は持続的ではあり得ず、かつ使用中に洗い流され得る、又は使用中に、有効量の漂白剤を放出しない場合がある。本明細書で明記された手順を使用して測定された、歯の上へと塗抹される半固体多相口腔用組成物の平均残留過酸化物濃度は、約1、2、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、125、150、175、200若しくは225~約2、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、125、150、175、200、若しくは225、又は、より狭く、かつかかるより狭い数域が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、かかるより広い数域内に収まる、任意のその他の数域であってよい。特に、本明細書で明記された手順を使用して測定された、歯の上へと塗抹される半固体多相口腔用組成物の平均残留過酸化物濃度は、約1~約200、好ましくは約10~約200、より好ましくは約50~約200、また最も好ましくは約100~約200、又は、より狭く、かつかかるより狭い数域が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、かかるより広い数域内に収まる、任意のその他の数域であってよい。
歯の上に塗抹された組成物の平均残留過酸化物濃度を測定する方法
1. ヒトの門歯の前面から、円形盤(直径7.5~7.8mmx厚さ1.2~1.3mm)を切り取る。前面を無傷に保つが、研摩紙を使用して、切り取られた歯の後ろ面を平坦に戻す。ガラス瓶において、USP規格条件を満たす15~20mLの水中に、少なくとも24時間、歯盤を浸漬させる。歯盤を水から取り出して、前面を上向きにして、清浄なペーパータオル上に置く。
2. USP規格条件を満たす290~310グラムの水を、直径82~107mmx高さ106~108mm(Flacktek(ランドラム、サウスカロライナ州)からの、アイテム番号501 220t、「Max200 Long Cup Translucent」)のねじ蓋を伴う円筒形のプラスチック容器内へと押し込む。熱対流炉内において、33C~35Cの空気温度にて、少なくとも12時間、堅くねじ込まれた蓋を伴う容器内の水に予熱を与える。
3. 0.04~0.06グラムの組成物を、使い捨て式リップグロス塗布具(Qosmedix Inc.(ロンコンコマ、ニューヨーク州)から購入される、カタログ番号74111、ナイロン及びポリスチレン製の「Flocked Doe Foot Lip Gloss Applicator」)上へと圧迫する。
4. 第1に、歯盤の前面上に組成物と共に配置されたリップグロス塗布具の先端部を回転させて、歯盤上へと組成物を移動させ、次に円形の端部に向かって扇型に広げることにより、湿った歯盤の前面上へと組成物を塗抹する。
5. ピンセットを用いて、歯盤を拾い上げる。ピンセットが、歯盤の円形の端部のみに接触し、かつ組成物により塗抹された歯盤の表面に接触しないことを確認する。プラスチック容器を傾斜させ、かつ円筒壁と平底とが接する容器の円筒壁上において、水の中に歯盤を緩やかに定置させる。歯盤の処理表面が、容器の円筒壁から上向きに離れて面していることを確認する。
6. ローラミキサ(カタログ番号89132-186にて、VWR(バタビア、イリノイ州)から購入される、Techneによるモデル番号TSRT9、又はCole-Parmer Inc.(ヴァーノンヒルズ、イリノイ州)からの、アイテム番号04750-30)上に、円筒形の容器を定置させる。ミキサを作動させる-これは、12~14RPMにて容器を緩やかに回転させる。歯盤を水に浸漬し続けなければならず、また処理表面は、回転する円筒壁から離れて面していなければならない。この回転運動により、口腔内における、歯にわたる唾液及びその他の液体の緩やかな移動と同様に、歯盤にわたって水が緩やかに流れる。
7. 58~62分後に、ローラミキサを停止させ、新規の過酸化物試験ストリップ(EMD Millipore Corporation(供給業者番号1.16974.0001、ビレリカ、マサチューセッツ州)から供給され、カタログ番号EM1.16974.0001にて、VWR(バタビラ、イリノイ州)から購入される)を容器から取り出して、タイマーを起動させる。
8. 過酸化物試験ストリップのデジタル画像を撮影する。試験ストリップのデジタル画像を撮影するために使用する機器及びシステム構成が、本明細書にて明記される。
9. ピンセットを用いて、水から歯盤を取り除く。従来どおり、ピンセットが、歯盤の円形の端部のみに接触し、かつ組成物により塗抹された歯盤の表面に接触しないことを確認する。手袋をはめた指先に、歯盤を載置させる。組成物が塗抹された歯盤の表面が、手袋をはめた指先から離れて上向きに面していることを確認する。
10. 反応域のうち1つが、残留組成物を伴う歯盤の表面に接触するように、過酸化物試験ストリップを歯盤に対して定置させる。親指と人差し指との間で、過酸化物試験ストリップを歯盤に接触させてつまみ、親指と人差し指との間で、2~3秒の間、指圧をしっかりと加える。
11. ペーパータオルの清浄な領域へと、過酸化物試験ストリップを移動させる。濾紙(Whatman Grade 1 Qualitative Filter Paper Standard Grade、円形、90mm、供給業者番号1001-090;カタログ番号28450-081にてVWR(バタビラ、イリノイ州)から購入される)を試験ストリップの上に定置させる。濾紙の上部に指圧を加える。単一の塗り付けにおいて、(濾紙上の指圧力を維持しつつ)過酸化物試験ストリップを濾紙の下から引き抜き、これにより、濾紙及びペーパータオル上へと余分なゲルを拭き取る。過酸化物試験ストリップから反応域が外れないことを確実にする。
12. 過酸化物試験ストリップのデジタル画像を撮影する。試験ストリップのデジタル画像を撮影するために使用する機器及びシステム構成が、本明細書にて明記される。
13. 工程7~12を、タイマーで3分以内に完了させなければならない。
14. 工程1~13を、最小12個の歯に関して繰り返す。
15. 本明細書で明記された手順と共にAdobe Photoshop CS4を使用して、各画像内に内蔵のマンセルN8基準として機能する、保持具に取り付けられたマンセルN8マット色シートのストリップの、RED輝度の平均及び標準偏差を測定する。各画像内に内蔵されたマンセルN8基準の平均RED輝度は、204から212でなければならず、かつ標準偏差は3以下でなければならない。
16. 本明細書で明記された手順と共にAdobe Photoshop CS4を使用して、(歯盤と接触させて押圧する前に)基線にて、過酸化物試験ストリップ上の反応域のRED輝度の平均を測定する。
17. 本明細書で明記された手順と共にAdobe Photoshop CS4を使用して、歯盤と接触させて押圧した後に、過酸化物試験ストリップ上の同一の反応域のRED輝度の平均を測定する。
18. 歯の上に塗抹される組成物の平均残留過酸化物濃度は、次のように算出される。第1に、工程16からの各反応域の平均基線RED輝度から、工程17からの歯盤上の残留組成物と共に押圧された後の、同一の反応域の平均RED輝度を減出して算出する。歯盤と接触させて押圧される全ての反応域に関して、この計算を繰り返し、かつ結果を平均化する。これは、歯の上に塗抹された組成物の、平均残留過酸化物濃度である。
追加的に又は代替的に、本発明の半固体多相口腔用組成物に手使用される疎水性相の密度は、約0.8g/cm3~約1.0g/cm3、約0.85/cm3~約0.95/cm3の範囲、若しくは約0.9/cm3、又は、より狭く、かつかかるより狭い数域が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、かかるより広い数域内に収まる、任意のその他の数域である。
追加的に又は代替的に、疎水性相は、非毒性の食用油などの、非毒性の油であってよい。特に、疎水性相は、非毒性の食用油、飽和脂肪アルコール又は不飽和脂肪アルコール、脂肪族炭化水素、長鎖トリグリセリド、脂肪酸エステル、及びこれらの混合物を含んでよい。追加的に又は代替的に、疎水性相はまた、シリコーン、ポリシロキサン、及びこれらの混合物を含んでもよい。好ましくは、疎水性相は、鉱油、ワセリン及びこれらの混合物から選択され得、より好ましいワセリン、例えば、白色ワセリンが、本発明の組成物の疎水性相として使用される。ワセリンの例としては、Calumet Specialty Products(インディアナポリス、インディアナ州)からのSnow White Pet-C、Sonneborn(パーシッパニー、ニュージャージー州)からのG-2191、SonnebornからのG2218、SonnebornからのG1958、SonnebornからのG2180、SonnebornからのSnow White V28 EP、及びSonnebornからのSnow White V30、SonnebornからのG-2494、並びにこれらの混合物が挙げられる。好ましい実施形態では、半固体多相口腔用組成物は、連続相としてワセリンを含んでもよく、より好ましいワセリンは、半固体多相口腔用組成物の連続相である。
脂肪族炭化水素は、デカン、2エチルデカン、テトラデカン、イソテトラデカン、ヘキサデカン、エイコサン、及びこれらの混合物などの、約10、12、14又は16個~約16、18、20、22、24、26、28、30、36、40個の炭素原子を含有してよい。長鎖トリグリセリドとしては、植物油、魚油、動物性脂肪、硬化植物油、部分硬化植物油、半合成トリグリセリド、合成トリグリセリド、及びこれらの混合物が挙げられ得る。これらの種類の分留された又は精製された油を使用することもできる。長鎖トリグリセリド含有油の例としては、アーモンド油、ババス油、ルリヂサ油、クロフサスグリ種子油、キャノーラ油、ヒマシ油、椰子油、トウモロコシ油、綿実油、エミュー油、月見草油、アマニ油グレープシード油、落花生油、からし油、オリーブ油、パーム油、パーム核油、ピーナッツ油、菜種油、ベニバナ油、ゴマ油、鮫肝油、大豆油、ヒマワリ油、水素添加ヒマシ油、硬化椰子油、硬化パーム油、硬化大豆油、硬化植物油、硬化綿実油と硬化ヒマシ油との混合物、部分的硬化大豆油、部分的硬化大豆油と部分的硬化綿実油との混合物、トリオレイン酸グリセリル、トリリノール酸グリセリル、トリリノレイン酸グリセリル、オメガ3-ポリ-不飽和脂肪酸トリグリセリド含有油、及びこれらの混合物が挙げられる。長鎖トリグリセリド含有油としては、好ましくは、トウモロコシ油、オリーブ油、パーム油、ピーナッツ油、ベニバナ油、ゴマ油、大豆油、ヒマシ油、亜麻仁油、菜種油、米糠油、椰子油、硬化ヒマシ油、部分的硬化大豆油、トリオレイン酸グリセリル、トリリノール酸グリセリル、オメガ3-ポリ-不飽和脂肪酸トリグリセリド含有油、及びこれらの混合物からなる群から選択されてよい。
飽和脂肪アルコール又は不飽和脂肪アルコールは、約6個~約20個の炭素原子、セテアリルアルコール、ラウリルアルコール、及びこれらの混合物を有してよい。例えば、Lipo Chemicalにより、Lipowax(セテアリルアルコール及びセテアレス-20)が供給及び製造される。
シリコーン流体、ゴム、及び樹脂を含むシリコーン並びにシリコーンの製造における一般情報は、高分子工業科学百科辞典(Encyclopedia of Polymer Science and Enginerring、第15巻、第2版、204~308頁、John Wiley & Sons Inc.)、及びChemistry and Technology of Silicones(Walter Noll、1989年、Academic Press Inc.(発行者Harcourt Brue Javanovich、ニューヨーク)、1968年、282~287頁及び409~426頁)において見出すことができる。
本明細書にて開示した半固体多相口腔用組成物は、所望により追加することができ、かつ以下で更に詳細に述べる、追加の成分を含んでよい。
好ましくは、本発明の半固体多相口腔用組成物は、分散剤を含まなくてよい。半固体中粒子型分散体の形態であり得る半固体油多相口腔用組成物は、分散剤が使用されない場合であっても形成され得る。理論によって制限されるものではないが、疎水性相のレオロジー特性、流動特性、融点、滴下融点、凝固点、及び/若しくは円錐貫入稠度、並びに/又は組成物の調製のプロセスと組み合わされた、低量の親水性漂白剤粒子は、分散剤を使用しなくても親水性漂白剤粒子を疎水性相に分散させ、分散状態を維持するのに役立ち得ると考えられ、特に、半固体多相口腔用組成物が消費者による使用の前の製造、充填、輸送、又は保管中(例えば、1日、2日、1週間、2週間、1か月、2か月、3か月、6か月、12か月、18か月、又は24か月の間)に曝露され得る温度(例えば、-7℃、4℃、23℃、25℃、30℃、40℃、50℃、又は60℃)及び条件において、1)有効性、快適性、使用経験、歯表面における経時的な有効成分若しくは漂白剤の濃度、活性若しくは漂白有効性、若しくは成分間の相溶性を損ない得るか、又は2)他の成分と反応し得る、隣接する炭素原子間の二重又は三重共有結合を有する分散剤は、他の成分を劣化させる、泡若しくは圧力を増加させる、歯に対する半固体多相口腔用組成物の持続性を減少させる、半固体多相口腔用組成物を増粘若しくは硬化させる、又はチューブから好適な用量の半固体多相口腔用組成物を手動で分配することを困難若しくは非実用的なものにする、又は半固体多相口腔用組成物の1つ以上の構成成分を巨視的に分離させる。本明細書で理解されるような「分散剤を実質的に含まない」とは、組成物が、0.001重量%未満の分散剤を含むことを意味する。より好ましい本発明の半固体ホワイトニング多相口腔用組成物は、分散剤を含まない、即ち、いかなる分散剤をも含まない。
追加的に又は代替的に、半固体多相口腔用組成物は、半固体多相口腔用組成物が消費者による使用の前の製造、充填、輸送、又は保管中(例えば、1日、2日、1週間、2週間、1か月、2か月、3か月、6か月、12か月、18か月、又は24か月の間)に曝露され得る温度(例えば、-7℃、4℃、23℃、25℃、30℃、40℃、50℃、又は60℃)及び条件において、1)有効性、快適性、使用経験、歯表面における経時的な有効成分若しくは漂白剤の濃度、活性若しくは漂白有効性、若しくは成分間の相溶性を損ない得るか、又は2)他の成分と反応し得る、他の成分を劣化させ得る、泡若しくは圧力を増加させ得る、歯に対する半固体多相口腔用組成物の持続性を減少させ得る、半固体多相口腔用組成物を増粘若しくは硬化させ得る、若しくはチューブから好適な用量の半固体多相口腔用組成物を手動で分配することを困難若しくは非実用的にし得る、若しくは半固体多相口腔用組成物の1つ以上の構成成分を巨視的に分離させ得る、成分、例えば、水、親水性液体、グリセリン、水分によって活性化されると粘着性になる親水性粒子、ヒドロキシ基、又はこれらの組み合わせを実質的に含まなくてよい。
半固体多相口腔用組成物は、半固体多相口腔用組成物の0~約0.1重量%、約0.1~約4重量%、約0.1~約3重量%、又は約0.5重量%~約1.5重量%の水、親水性液体、グリセリン、水分によって活性化されると粘着性になる親水性粒子、又はこれらの組み合わせを含んでよい。好ましい実施形態では、半固体多相口腔用組成物は、約0.001%、0.01%、0.1%、0.2%、0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、10%、又は20%未満の水、親水性液体、グリセリン、水分によって活性化されると粘着性になる親水性粒子、又はこれらの組み合わせを含んでよい。より好ましい実施形態では、半固体多相口腔用組成物は、0%の水を含んでよく、更により好ましい半固体多相口腔用組成物は、非水性であるか、添加された水を実質的に含まないか、又は無水物である。
加えて、半固体多相口腔用組成物は、強いにおいを有する成分、例えば、アルコール、溶媒、酢酸エチル、ヘプタン、又は99℃未満の沸点を有する成分を実質的に含まなくてよい。理論によって制限されるものではないが、アルコールにより生じる表面張力の減少が、歯の表面における親水性漂白剤粒子の保持時間を減少させ、それにより、口腔ケア有効成分の有効性を減少させる、と考えられている。酸の存在が有効成分と矛盾し得る、及び/又は歯の表面にとって、過敏症等の負の副作用を発生させ得る。したがって、本発明の半固体多相口腔用組成物は、好ましくは酸を含まない、アルコールを含まない、又はこれらの混合物を含まない。特に、半固体多相口腔用組成物は、組成物の0.001重量%未満の酸及び/又はアルコールを含んでよいが、好ましくは、酸及び/又はアルコールを含まない。追加的に又は代替的に、半固体多相口腔用組成物の疎水性相は、他の成分と反応し得る漂白剤などの成分を実質的に含まなくてよい。
追加的に又は代替的に、半固体多相口腔用組成物は、半固体多相口腔用組成物が消費者による使用の前の製造、充填、輸送、又は保管中(例えば、1日、2日、1週間、2週間、1か月、2か月、3か月、6か月、12か月、18か月、又は24か月の間)に曝露され得る温度(例えば、-7℃、4℃、23℃、25℃、30℃、40℃、50℃、又は60℃)及び条件において、1)有効性、快適性、使用経験、歯表面における経時的な有効成分若しくは漂白剤の濃度、活性若しくは漂白有効性、若しくは成分間の相溶性を損ない得るか、又は2)他の成分と反応し得る、他の成分を劣化させ得る、泡若しくは圧力を増加させ得る、歯に対する半固体多相口腔用組成物の持続性を減少させ得る、半固体多相口腔用組成物を増粘若しくは硬化させ得る、若しくはチューブから好適な用量の半固体多相口腔用組成物を手動で分配することを困難若しくは非実用的にし得る、成分、例えば、ヒュームドシリカ、トリポリリン酸ナトリウム、ポリオルガノシロキサン、シリコーン樹脂とオルガノシロキサンの縮合生成物、スチレンのポリマー、エチレンのポリマー、プロピレンのポリマー、ポリビニルピロリドン、グリセリン、フッ化スズ、又はこれらの組み合わせを実質的に含まなくてよい。
追加的に又は代替的に、半固体多相口腔用組成物は、-7℃、4℃、23℃、25℃、30℃、40℃、50℃、又は60℃において1日、2日、1週間、2週間、1か月、2か月、3か月、6か月、12か月、18か月、又は24か月後にチューブから手動で分配することが容易であり得る。
組成物がチューブから手動で容易に分配されるかどうかを判定するための試験方法
1.以下の寸法を有する箔ラミネートチューブを選択する。
a.ノズルの先端から胴体の底部までの全長:約112mm
b.胴体の内径:約28mm
c.ノズルの長さ:約21mm
d.ノズルの内径:胴体に取り付けられたノズルの長さの半分では約9.7mm、及びノズルの出口オリフィスにつながるノズルの他の半分では約4.2mm。
2.工程1の管に約35~約40グラムの組成物を胴体の底部を通して充填する。超音波シール器を使用して、胴体の底部を封止する。
3.チューブを、分配の容易さが測定されるまでの所定の期間にわたって空気が所定の温度(例えば、-7℃、4℃、23℃、25℃、30℃、40℃、50℃、又は60℃)に維持される室内又はチャンバー内に静置する。
4.チューブを約23℃で少なくとも1日にわたって平衡化させる。
5.チューブを片手の親指と他の指との間に拾い上げる。チューブを空気中に保持しながら、チューブを親指と他の指との間で約10秒間しっかりと圧搾する。チューブのノズルから分配された組成物のビードの長さを測定する。
6.工程5で少なくとも1インチの製品が分配される場合、組成物は、指定された温度において指定された期間後にチューブから手動で分配することが容易であると考えられる。
追加的に、又は代替的に、半固体多相口腔用組成物は、漂白剤の安定性を低下させることがあるので、ヒュームドシリカを実質的に含まなくてよい。
供給業者(Dow Corning Corporation)からの製品情報文書(様式番号52-1052B-01、2016年8月9日)には、BIO-PSA標準シリコーン粘着剤は、溶媒にヘプタン又は酢酸エチルを使用して供給されると記載されており、このどちらも強いにおいを有するため、BIO-PSA標準シリコーン粘着剤は、口腔内での使用に魅力的ではない。欧州化学機関(2016年3月)は、環状シロキサンD4が、持続的で、生体蓄積性かつ毒性の物質であり、環状シロキサンD5が、非常に持続的で、非常に生体蓄積性の物質であると述べている。
追加的に又は代替的に、半固体多相口腔用組成物は、半固体多相口腔用組成物が消費者による使用の前の製造、充填、輸送、又は保管中(例えば、1日、2日、1週間、2週間、1か月、2か月、3か月、6か月、12か月、18か月、又は24か月の間)に曝露され得る温度(例えば、-7℃、4℃、23℃、25℃、30℃、40℃、50℃、又は60℃)及び条件において、1)有効性、快適性、使用経験、歯表面における経時的な有効成分若しくは漂白剤の濃度、活性若しくは漂白有効性、若しくは成分間の相溶性を損ない得るか、又は2)他の成分と反応し得る、他の成分を劣化させ得る、泡若しくは圧力を増加させ得る、歯に対する半固体多相口腔用組成物の持続性を減少させ得る、半固体多相口腔用組成物を増粘若しくは硬化させ得る、若しくはチューブから好適な用量の半固体多相口腔用組成物を手動で分配することを困難若しくは非実用的にし得る、若しくは半固体多相口腔用組成物の1つ以上の構成成分を巨視的に分離させ得る、成分、例えば、シリコーン接着剤、環状シリコーン、シリコーン、シリコーン流体、ジメチコン、流動パラフィン、シリコーンと炭化水素との混合物、液状シリコーンと液状炭化水素との混合物、トリメチルシロキシシリケート/ジメチコノールクロスポリマー、又はこれらの組み合わせを実質的に含まなくてよい。
追加的に又は代替的に、半固体多相口腔用組成物は、半固体多相口腔用組成物が消費者による使用の前の製造、充填、輸送、又は保管中(例えば、1日、2日、1週間、2週間、1か月、2か月、3か月、6か月、12か月、18か月、又は24か月の間)に曝露され得る温度(例えば、-7℃、4℃、23℃、25℃、30℃、40℃、50℃、又は60℃)及び条件において、1)有効性、快適性、使用経験、歯表面における経時的な有効成分若しくは漂白剤の濃度、活性若しくは漂白有効性、若しくは成分間の相溶性を損ない得るか、又は2)他の成分と反応し得る、他の成分を劣化させ得る、泡若しくは圧力を増加させ得る、歯に対する半固体多相口腔用組成物の持続性を減少させ得る、蓄積し得る、歯に対する半固体多相口腔用組成物の持続性を減少させ得る、半固体多相口腔用組成物を増粘若しくは硬化させ得る、若しくはチューブから好適な用量の半固体多相口腔用組成物を手動で分配することを困難若しくは非実用的にし得る、若しくは半固体多相口腔用組成物の1つ以上の構成成分を巨視的に分離させ得る、成分、例えば、隣接する炭素原子間の二重又は三重共有結合を有する分子を実質的に含まなくてよい。
増粘剤、粘度調整剤、又は粒状充填剤
本明細書における半固体多相口腔用組成物は、安全かつ効果的な量の、増粘剤、粘度調整剤、又は粒状充填剤を含んでよい。増粘剤は、組成物の許容可能なレオロジーを更に提供し得る。粘度調整剤は、組成物の沈降及び分離を阻害するように、又は再分散を促進する方法にて沈降を制御して、組成物の流動特性を制御し得るように、更に作用してよい。なお、増粘剤又は粘度調整剤は、ストリップ、フィルム、又は歯科用トレイなどの好適な塗布装置を用いて、塗布装置の表面上への保持を増大させることにより、本組成物の使用を促進し得る。増粘剤には、本明細書に記載されたように、接着剤として機能し得る。
存在する場合には、増粘剤、粘度調整剤、又は粒子状充填剤は、半固体多相口腔用組成物の約0.01重量%~約99重量%、約0.1重量%~約50重量%、約1重量%~約25重量%、又は約1重量%~約10重量%のレベルにて存在してよい。
本明細書において使用することができる好適な増粘剤、粘度調節剤、又は粒子状充填剤としては、オルガノ変性粘土、シリカ、架橋シロキサンなどの合成ポリマー、セルロース誘導体(例えばメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシ-プロピルメチルセルロース)、カルボマーポリマー(例えば、架橋ポリアクリル酸コポリマー、又はホモポリマー、及びポリアルケニルポリエステルで架橋されたアクリル酸のコポリマー)、天然及び合成ゴム、カラヤゴム、グアーゴム、ゼラチン、アルギン、アルギン酸ナトリウム、トラガカント、キトサン、ポリエチレン酸化物、アクリルアミドポリマー、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ポリアミン、ポリ四級化合物、酸化エチレンポリマー、ポリビニルピロリドン、カチオン性ポリアクリルアミドポリマー、ワックス(パラフィンワックス及び微晶蝋を含む)、ポリエチレン、ヒュームドシリカ、ポリメタクリレート、オレフィンコポリマー、水素化スチレン-ジエンコポリマー、スチレンポリエステル、ゴム、ポリ塩化ビニル、ナイロン、フルオロカーボン、ポリウレタンプレポリマー、ポリエチレン、ポリスチレン、アルキル化ポリスチレン、ポリプロピレン、セルロース系樹脂、アクリル系樹脂、エラストマー、ポリ(n-ブチルビニルエーテル)、ポリ(スチレン共無水マレイン酸)、ポリ(フマル酸アルキル共酢酸ビニル)、ポリ(t-ブチルスチレン)、及びこれらの混合物が挙げられる。
ポリエチレンの例としては、ASTM D-1321下で、それぞれ約98.5及び約90.0の透過値を伴う、Honeywell Corp.(モリスタウン、ニュージャージー州)により製造されるA-C1702又はA-C6702、Baker Hughesからの、ポリエチレンPerformaleneシリーズが挙げられ、これには、Baker Hughes Inc.(ヒューストン、テキサス州)からの、ポリエチレンPerformalene400が含まれる。微晶蝋の例としては、Sonneborn(パーシッパニー、ニュージャージー州)、Crompton(Witco)からのMultiwaxシリーズが挙げられ、これらには、Multiwax835、Multiwax440、Multiwax180、及びこれらの混合物が含まれる。
ポリメタクリレートの例としては、例えば、アクリレート-メタクリレート共重合体、メタクリレート-スチレン共重合体、又はこれらの組み合わせが挙げられる。エラストマーの例としては、例えば、水素化スチレン-ブタジエン共重合体、水素化スチレン-イソプレン共重合体、エチレン-エチレン-プロピレンポリマー、エチレン-プロピレンポリマー、スチレン-エチレン-エチレン-プロピレン-スチレンポリマー、又はこれらの混合物が挙げられる。ゴムの例として、水素化ポリイソプレンが挙げられる。粘度調整剤のその他の例は、Chapman及びHall「Chemistry and Technology of Lubricants」(第2版、1997年)に記載されている。
好適なカルボマーは、ペンタエリスリトールのアルキルエーテルにより、若しくはスクロースのアルキルエーテルで架橋された、アクリル酸のホモポリマーの部類を含む。カルボマーは、B.F.Goodrich社より、Carbopol(登録商標)シリーズ、例えばCarbopol 934、940、941、956、及びこれらの混合物として市販されている。ポリアクリル酸のホモポリマーについては、例えば米国特許第2,798,053号に記載されている。有用なホモポリマーのその他の例としては、B.F.Goodrich Company(グリーンビル、サウスカロライナ州)から入手可能な、Ultrez10 ETD2050、及び974Pポリマーが挙げられる。このようなポリマーは、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、無水マレイン酸等などの、不飽和性の重合可能なカルボン酸モノマーである。
追加的に又は代替的に、本発明の半固体多相口腔用組成物及び/又は疎水性相は、口腔ケア組成物を増粘し得るだけでなく、口腔ケア組成物を均質な状態に向かって推進させ得るか、又は口腔ケア組成物を均質な状態に維持し得る構造構築剤、例えば、ポリビニルピロリドン-酢酸ビニル、ポリビニルピロリドン-co-ポリビニルブチレート、又はポリビニルピロリドン-co-ポリビニルプロピオネートコポリマーなどの両親媒性コポリマーを実質的に含まなくてよい。これは、両親媒性コポリマーなどの構造構築剤が、1)親水性である少なくとも1つのモノマーを有し、これにより、半固体多相口腔用組成物が唾液若しくは他の液体中で洗い流されやすくなり得るから、又は2)口腔ケア組成物を均質な状態に向かって推進させ得、これにより、歯表面における有効成分若しくは漂白剤の濃度が経時的に減少し得るからである。
任意の追加の口腔ケア有効成分
本発明の組成物は、口腔内で使用するために、一般に安全であり、かつ口腔の全体的な外観又は健康に変化を提供する任意の材料などの、安全かつ有効量の追加の口腔ケア有効成分を、含んでよい。好適な追加の口腔ケア有効成分としては、1種以上の抗結石剤、フッ化物イオン源、抗菌剤、再石灰化剤、象牙質減感剤、麻酔剤、抗真菌剤、抗炎症剤、選択的H-2拮抗薬、抗カリエス剤、栄養素、エリスリトール、プロバイオティクス、プレバイオティクス、エイコサペンタエン酸(EPA)及びドコサヘキサエン酸(DHA)、並びにドコサペンタエン酸(DPA)クルパノドン酸を含むレゾルビン、レゾルビンDのRvD1(7S,8R,17S-トリヒドロキシ-DHA)、RvD2(7S,16R,17S-トリヒドロキシ-DHA)、RvD3(4S,7R,17S-トリヒドロキシ-DHA)、RvD4(4S,5,17S-トリヒドロキシ-DHA)、RvD5(7S,17S-ジヒドロキシ-DHA)、及びRvD6(4S,17S-ジヒドロキシ-DHA)並びにレゾルビンE:RvE1(5S,12R,18R-トリヒドロキシ-EPA)、18S-Rv1(5S,12R,18S-トリヒドロキシ-EPA)、RvE2(5S,18R-ジヒドロキシ-EPA)、及びRvE3(17R,18R/S-ジヒドロキシ-EPA)、トラネキサム酸、グリシン、レチノール、例えば、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、スレオニン、トリプトファン、バリン、アラニン、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン、システイン、グルタミン、チロシン、グリシン、オルニチン、プロリン、及びセリンなどのアミノ酸、ペプチド、アミノ酸及びペプチドのカルシウム塩、ナイアシンアミド、ヒト増殖因子、並びにこれらの混合物が挙げられる。追加の口腔ケア有効成分は、直接使用する場合に、着用者により求められる利点が、それが適用される口腔の表面に有害な影響を与えることなく促進されるレベルでの、有効成分を含有してよい。これらの有効成分が対処する、口腔状態の例としては、歯の外見及び構造変化、着色の除去、歯垢の除去、歯石の除去、口腔予防及び治療、炎症性の歯茎及び/又は終結性の歯茎、粘膜の傷、損傷、潰瘍、アフタ性潰瘍、単純疱疹、歯の膿瘍、及び上記の状態及び細菌の増殖などのその他の場合からもたらされる口臭の除去が挙げられるが、これらに限定されない。半固体多相口腔用組成物において使用されてよい追加の口腔ケア有効成分のレベルは、半固体多相口腔用組成物の約0.01重量%~約50重量%、約0.1重量%~約20重量%、約0.5重量%~約10重量%、若しくは約1重量%~約7重量%、又は、より狭く、かつかかるより狭い数域が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、かかるより広い数域内に収まる、任意のその他の数域であってよい。
例えば、追加の口腔ケア有効成分は、治療若しくは再生プロセスを促進又は増強する、治療剤であってよい。このような治療剤は、ヒアルロン酸若しくはその塩、グルコサミン若しくはその塩、アラントイン、クルクミン、Dパンテノール、ナイアシンアミド、エラグ酸、フラボノイド(フィセチン、ケルセチン、ルテオリン、アピゲニンを含む)、ビタミンE、ユビキノン、又はこれらの混合物を含んでよい。
追加的に又は代替的に、追加の口腔ケア有効成分は、ラクトバシラス・ロイテリATCC55730、ラクトバシラス・サリバリウス株T12711(LS1)、ラクトバシラス・カゼイADP-1、ストレプトコッカス・サリバリウスK12、ビフィドバクテリウムDN-173 010、L.カゼイ株(pro-t-action(商標))の濾液、ストレプトコッカス・オラーリスKJ3、ストレプトコッカス・ラッタスJH145、ストレプトコッカス・ウベリスKJ2、ラクトバシラス、ロイテリProdentis、ラクトバシラス・サリバリウスLS1、ラクトバシラス・カゼイ、ラクトバシラス・カゼイADP1、ストレプトコッカス・サリバリウスM18、K12、又はBLIS K12及びBLIS K18、バシラス・アミロリケファシエンス、バシラス・クラウジ、バシラス・コアギュランス、バシラス・サブチリス、バシラス・サブチリス:E-300、ビフィドバクテリウム・アニマリス、ビフィドバクテリウムB6、ビフィドバクテリウム・ビフィダム、ビフィドバクテリウム・ブレヴェ(Bb-03)、ビフィドバクテリウムDN-173 010、ビフィドバクテリウムGBI30 6068、ビフィドバクテリウム・インファンティス、ビフィドバクテリウム・ラクティス、ビフィドバクテリウム・ラクティスBb-12、ビフィドバクテリウム・ロンガム、ビフィドバクテリウム・サーモフィラム、エンテロコッカス・フェカーリス、エンテロコッカス・フェシウム、エンテロコッカス・フェシウムNCIMB10415、エンテロコッカスLAB SF68、ラクトバシラス・ロイテリATCC55730及びATCC PTA5289、ラクトバシラス・ロイテリATCC55730及びATCC PTA5289(10:1)、ラクトバシラス・アシドフィルス、ラクトバシラス・アシドフィルスATCC4356及びビフィドバクテリウム・ビフィダムATCC29521、ラクトバシラス・アシドフィルス、ビフィドバクテリウム・ロンガム、ビフィドバクテリウム・ビフィダム、ビフィドバクテリウム・ラクティス、ラクトバシラス・ブレビス、ラクトバシラス・カゼイ(亜種、Casi)、ラクトバシラス・カゼイ・シロタ、ラクトバシラス・コンフスス、ラクトバシラス・クリスパタスYIT12319、ラクトバシラス・クルヴァトゥス、ラクトバシラス・デルブリッキSsp.ブルガリクスPXN39、ラクトバシラス・ファーメンタム、ラクトバシラス・ファーメンタムYIT12320、ラクトバシラス・ガセリ、ラクトバシラス・ガセリYIT12321、ラクトバシラス・ヘルベティカス、ラクトバシラス・ジョンソニー、ラクトバシラス・キムチ、ラクトバシラス・ラクティスL1A、ラクトバシラス・カゼイ(Lpc37)、ラクトバシラス・カゼイGMNL-33、ラクトバシラス・ペントサス、ラクトバシラス・プランタルム、ラクトバシラス・プランタルム、ラクトバシラス・プロテクタス、ラクトバシラス・ロイテリ、ラクトバシラス・ロイテリATCC55730、ラクトバシラス・ロイテリSD2112(ATCC55730)、ラクトバシラス・ラムノサス(GG)、ラクトバシラス・ラムノサスGG、ラクトバシラス・ラムノサスGG、L.ファーメンタムLC705、プロピオニバクテリウム・フロイデンライヒ ssp、シェルマニJS、ラクトバシラス・ラムノサスL8020、ラクトバシラス・ラムノサスLB21、ラクトバシラス・サリバリウス、ラクトバシラス・サリバリウスWB21、ラクトバシラス・スポロゲネス、ラクトバシラス・ラクティスSspジアセチラクチス、ラクトバシラス・ラクティスSsp.ラクティス、ペディオコッカス・アシディラクティシ、ペディオコッカス・ペントサセウス、サッカロミセス・ブラウディ、サッカロミセス・ケレウィシアエ、ストレプトコッカス・ウベリスKJ2sm、ストレプトコッカス・オラーリスKJ3sm、ストレプトコッカス・ラッタスJH145、ストレプトコッカス・ミチスYIT12322、ストレプトコッカス・オラーリスKJ3、ストレプトコッカス・ラッタスJH145、ストレプトコッカス・サリバリウス(BLIS K12、又はBLIS M18)、ストレプトコッカス・サリバリウスK12、ストレプトコッカス・サーモフィラス、ストレプトコッカス・ウベリスK2、サーマス・サーモフィルス、ワイセラチバリアCMS2、ワイセラチバリアCMS3、及びワイセラチバリアCMU、から選択される、1種以上のプロバイオティクスであってよい。
本発明の半固体多相口腔用組成物においてプロバイオティクスを使用することで、カリエス及び歯垢の減少、歯茎の健康の促進、口臭の改善、及びホワイトニングの促進などの、肯定的な口腔内の衛生効果を促進することができる。半固体多相口腔用組成物におけるプロバイオティクスの有効性は、例えば、以下の1種以上の項目、唾液のミュータンスレンサ球菌レベルの低下、歯肉溝液の減少、歯肉下の歯垢による歯周病(C.直筋、及びP.歯肉炎)の減少、酵母数の減少、口腔カンジダ有病率の減少、口腔の揮発性イオウ化合物(VSC)レベルの減少、及びTNF-α及びIL-8の生成の減少、を測定することにより、決定することができる。理論によって制限されるものではないが、上記の1つ以上の肯定的な口腔衛生効果は、口腔内の特定の種類の細菌を除去する又は減少させる細菌毒素の生成を介して達成されてよい、と考えられており、更に、上記の1つ以上の肯定的な口腔衛生効果は、衛生問題をもたらし得る生物膜又は粘着性の堆積物の生成若しくは溶解/緩みを抑制する、1種以上の酵素の細菌生成を介して、達成されてよい。
本発明の半固体多相経口組成物が、歯表面の漂白及び歯表面に付着した着色の除去又は減少を対象とするとき、追加的に又は代替的に、本明細書にて開示したように、安全かつ有効な量の少なくとも1種の抗結石剤が、組成物へと添加されてよい。上記量は、半固体多相口腔用組成物の約0.01重量%~約40重量%、約0.1重量%~約25重量%、約4.5重量%~約20重量%、若しくは約5重量%~約15重量%、又は、より狭く、かつかかるより狭い数域が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、かかるより広い数域内に収まる、任意のその他の数域であってよい。抗結石剤はまた、半固体多相口腔用組成物のその他の構成成分、特に、ホワイトニング剤と相容性であってもよい。抗結石剤はまた、ポリホスフェート及びその塩、ポリアミノプロパンスルホン酸(AMPS)及びその塩、ポリオレフィンスルホネート及びその塩、ポリビニルホスホネート及びその塩、ポリオレフィンホスホネート及びその塩、ジホスホン酸及びその塩、ホスホノアルカンカルボン酸及びその塩、ポリホスホネート及びその塩、ポリビニルホスホネート及びその塩、ポリオレフィンホスホネート及びその塩、ポリペプチド、並びにこれらの混合物からなる群から選択することができ、前述の塩は、通常、アルカリ金属塩である。特に、本発明の半固体多相口腔用組成物において使用される抗結石剤はまた、ピロリン酸塩、ポリホスフェート、ポリホスホネート、及びこれらの混合物などの漂白剤に対する、安定化効果を示す。
例えば、抗結石剤は、ポリホスフェートであってよい。ポリホスフェートは一般に、主に直鎖構造に配置された2つ以上のホスフェート分子を含むと理解されているが、いくつかの環状誘導体が存在する場合もある。直鎖ポリホスフェートは(X PO3)nに対応し、式中、nは約2~約125であり、好ましくは、nは4超であり、またXは、(X PO3)nに関して、例えば、ナトリウム、カリウム等であり、nが少なくとも3である場合に、ポリホスフェートはガラス質の特性を有する。これらのホスフェートに関する対イオンは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、C2~C6アルカノールアンモニウム及びその塩混合物であってよい。ポリホスフェートは、一般に、カリウム塩、ナトリウム塩、アンモニウム塩、及びこれらの混合物のような、全体的に又は部分的に中和された水溶性アルカリ金属塩として使用される。無機ポリホスフェート塩としては、アルカリ金属(例えば、ナトリウム)トリポリホスフェート、テトラポリホスフェート、二酸ジアルキル金属(例えば、二ナトリウム)、一酸トリアルキル金属(例えば、三ナトリウム)、リン酸水素カリウム、リン酸水素ナトリウム、及びアルカリ金属(例えば、ナトリウム)ヘキサメタホスフェート、及びこれらの混合物が挙げられる。テトラポリホスフェートよりも大きいポリホスフェートは、通常、商業的にSodaphos(n≒6)、Hexaphos(n≒13)、ガラスH(n≒21)、及びこれらの混合物と知られる、FMC Corporationにより製造されるようなものなどの、非晶質ガラス状材料として発生する。存在する場合、本発明の組成物は、一般に、組成物の約0.5重量%~約20重量%、特に約4重量%~約15重量%、より特に約6重量%~約12重量%のポリホスフェートを含み得る。
本組成物に有用なピロホスフェートとしては、アルカリ金属ピロホスフェート、ジ-、トリ-及びモノ-ピロリン酸カリウム又はピロリン酸ナトリウム、ジアルカリ金属ピロホスフェート、テトラアルカリ金属ピロホスフェート、及びこれらの混合物が挙げられる。例えば、ピロリン酸塩は、ピロリン酸三ナトリウム、ピロリン酸二水素二ナトリウム(Na2H2P2O7)、ピロリン酸二カリウム、ピロリン酸四ナトリウム(Na4P2O7)、ピロリン酸カリウム(K4P2O7)、及びこれらの混合物からなる群から選択され、ピロリン酸四ナトリウムが好ましい。ピロリン酸四ナトリウムは、無水塩形態若しくは十水和物形態、又は本発明の組成物中、固形形態で安定している任意のその他の種であってよい。本塩は固体粒子形態であり、これは、塩の粒径が、好ましくは、審美的に許容可能であり、かつ使用中速やかに可溶するのに十分に小さい結晶状態及び/又は非晶質状態であってよい。本発明の組成物におけるピロリン酸塩のレベルは、組成物の約1.5重量%~約15重量%、特に約2重量%~約10重量%、またより特に約3重量%~約8重量%であってよい。
ホスフェート源は、ポリホスフェート及びピロリン酸塩を含むが、これらに限定されず、Kirk&Othmer,Encyclopedia of Chemical Technology,第4版、第18巻、Wiley-Interscience Publishers(1996年)、685~707頁に、より詳細に記載されている。
ポリオレフィンホスホネートとしては、オレフィン基が2個以上の炭素原子を含有するものが挙げられる。ポリビニルホスホネートとしては、ポリビニルホスホン酸が挙げられる。ジホスホネート及びその塩としては、アゾシクロアルカン-2,2-ジホスホン酸及びその塩、アゾシクロアルカン-2,2-ジホスホン酸及びその塩のイオン(アルカン部分が、5、6、又は7個の炭素原子を有し、窒素原子が非置換である、又は低アルキル置換基、例えばメチルを送達するようなものなど)、アザシクロヘキサン-2,2-ジホスホン酸、アザシクロペンタン-2,2-ジホスホン酸、N-メチル-アザシクロペンタン-2,3-ジホスホン酸、EHDP(ヒドロキシエタン-1,1、-ジホスホン酸)、AHP(アザシクロヘプタン-2,2-ジホスホン酸、a.k.a.1-アザシクロヘプチリデン-2,2-ジホスホン酸)、エタン-1-アミノ-1,1-ジホスホネート、ジクロロメタンジホスホネートなどが挙げられる。ホスホノアルカンカルボン酸、又はそのアルカリ金属塩としては、それぞれが酸、又はアルカリ金属塩である、PPTA(ホスホノプロパントリカルボン酸)、PBTA(ホスホノブタン-1,2,4-トリカルボン酸)が挙げられる。
追加的に又は代替的に、抗菌抗歯垢剤もまた、本発明の組成物中に存在してよい。このような薬剤としては、トリクロサン、フムロン、アドフムロン、コフムロン、ポストフムロン、プレフムロン、及びこれらの組み合わせを含むホップのα酸、又はルプロン、アドルプロン、コルプロン、及びこれらの組み合わせを含むホップのβ酸など、ホップ抽出物からのホップの酸、The Merck Index,11th ed.(1989),pp.1529(entry no.9573)に、米国特許第3,506,720号に、及び欧州特許第0,251,591号に記載されるような、5-クロロ-2-(2,4-ジクロロフェノキシ)-フェノール、クロルヘキシジン(メルクインデックス、2090号)、アレキシジン(メルクインデックス、222号)、ヘキセチジン(Merck Index、4624号)、サンギナリン(Merck Index、8320号)、塩化ベンザルコニウム(Merck Index、1066号)、サリチルアニリド(Merck Index、8299号)、臭化ドミフェン(Merck Index、3411号)、塩化セチルピリジニウム(CPC)(Merck Index、2024号)、塩化テトラデシルピリジニウム(TPC)、N-テトラデシル-4-エチルピリジニウム塩化物(TDEPC)、オクテニジン、デルモピノール、オクタピノール、及び他のピペリジノ誘導体、ココミジル(cocomidyl)プロピルベタイン、ココミジルグルタミン酸ナトリウム、ラウリルサルコシン酸ナトリウム、GTF阻害剤、ポビドンヨードデルモピノール、プロポリス、フタル酸及びその塩、モノパーサル酸(monoperthalic acid)並びにその塩及びエステル、アスコルビルステアラール(ascorbyl stearale)、オレオイルサイコシン(oleoyl saicosine)、硫酸アルキルが挙げられ得るが、これらに限定されない。追加的に又は代替的に、精油、ハーブ抽出物、及びこれらの組み合わせ、例えば、シトラール、ゲラニアール、ローズマリー抽出物、茶抽出物、モクレン抽出物、ユーカリプトールのゲラニオール、カルバクロール、シトラール、ヒノキトール、カテコール、サリチル酸メチル、没食子酸エピガロカテキン、エピガロカテキン、没食子酸、ミスワク(miswak)抽出物、シーバックソーン抽出物、並びにメントール、ユーカリプトール、チモール及びメチルサリチレートの組み合わせ;抗菌性金属及びその塩、例えば、亜鉛イオン、錫イオン、銅イオン、及び/又はこれらの混合物を提供するもの;ビスビグアニド、又はフェノール;オーグメンチン、アモキシシリン、テトラサイクリン、ドキシサイクリン、ミノサイクリン、及びメトロニダゾルなどの抗生物質、並びに上記の抗菌抗歯垢剤並びに/又は鵞口瘡カンジダ治療のためのようなものなどの抗真菌剤の類縁体及びその塩、の有効な抗菌量が、存在し得る。存在する場合、これらの剤は、一般に、例えば、本発明の組成物の約0.1量%~約5重量%の、安全かつ有効な量にて存在する。
本発明の組成物は、安全かつ有効な量の抗カリエス剤、及びこれらの混合物を含んでよい。抗カリエス剤は、フッ化物、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化チタン、フッ化水素酸、フッ化アミン、モノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化アンモニウム、フッ化第一スズ、塩化第一スズ、グルコン酸スズ、銅塩、塩化銅、グリシン銅、塩化亜鉛、乳酸亜鉛、クエン酸亜鉛、リン酸亜鉛、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、塩化カルシウム、乳酸カルシウム、リン酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、フルオロアパタイト、非晶質リン酸カルシウム、結晶質リン酸カルシウム、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、シュウ酸、シュウ酸二カリウム、シュウ酸モノナトリウムモノカリウム、カゼインホスホペプチド、カゼインホスホペプチド被覆ヒドロキシアパタイト、米国特許第5,735,942号に開示されているものなど、SiO2、CaO、Na2O、P2O5、CaF2、B2O3、K2O、MgOのうちの1つ以上を含有するバイオガラスからなる群から選択され得る。存在する場合、即席の組成物は、本明細書にて開示したように、組成物を使用した場合に歯の表面に接触する、約50ppm~10,000ppm、より好ましくは約100~3000ppmの、組成物中のフッ化物イオンを提供する。
本発明の組成物中の任意の成分として、例えば、組成物の約0.001重量%~約10重量%、より特に約0.1重量%~約1重量%のレベルにて、冷却剤、減感剤、及び麻酔剤を使用することができる。冷却剤、減感剤、及び麻酔剤は、刺痛、灼熱痛等などの、潜在的な負の知覚を減少させ得る。冷却剤は、任意の多種多様な材料であり得る。このような物質には、カルボキサミド、メントール、ケタール、ジオール、及びこれらの混合物が含まれる。本発明の組成物中の任意の冷却剤は、N-エチル-p-メンタン-3-カルボキサミド(「WS-3」として知られている)、N,2,3-トリメチル-2-イソプロピルブタナミド(「WS-23」として知られている)、メントール、3-1-メントキシプロパン-1,2-ジオール(「TK-10」として知られている)、メントングリセロールアセタール(MGAとして知られている)、メンチルラクテート(フレスコラート(登録商標)として知られている)、及びこれらの混合物などの、パラメンタンカルボキシアミド剤であってよい。本発明で使用する場合、用語メントール及び用語メンチルは、これらの化合物の右旋性及び左旋性の異性体、及びこれらのラセミ混合物を含む。減感剤又は抗痛剤としては、塩化ストロンチウム、硝酸カリウム、ゴールナット、アサルム、クベビン、ガランガ根、黄岑、リアングミアンゼン、白しなどの天然ハーブが挙げられてよいが、これらに限定されない。好適な麻酔剤としては、ベンゾカイン、リドカイン、クローブの芽の油、及びエタノールが挙げられる。
追加的に、又は代替的に、本明細書にて開示されるように、抗炎症剤は、半固体多相口腔用組成物中に存在してよい。このような薬剤としては、アスピリン、ケトロラック、フルルビプロフェン、イブプロフェン、ナプロキセン、インドメタシン、アセトアミノフェン、アセチルサリスチル酸(acetyl salyscylic acid)、ステロイド、ケトロラック、ナプロキセン、ケトプロフェン、ピロキシカム及びメクロフェナム酸などの非ステロイド系抗炎症剤、バルデコキシブ、セレコキシブ及びロフェコキシブなどのCOX-2阻害剤、並びにこれらの混合物が挙げられ得るが、これらに限定されない。存在する場合、抗炎症剤は、一般に、組成物の約0.001重量%~約5重量%を含む。
追加的に又は代替的に、ミネラルなどの栄養素は、歯及び歯の表面を向上させ得、またしたがって、本明細書にて開示したように、本組成物に含まれ得る。好適なミネラルは、例えば、カルシウム、リン、フッ化物、亜鉛、マンガン、カリウム、及びこれらの混合物である。これらのミネラルは、例えば、Drug Facts and Comparisons(loose leaf drug information service),Wolters Kluer Company(セントルイス、ミズーリ州)、(著作権)1997年、10頁~17頁に開示されている。
追加的に又は代替的に、本明細書にて開示された組成物は、所望により、安全かつ有効な量の香料添加剤を含んでよい。好適な香料添加剤としては、冬緑油、ペパーミント油、スペアミント油、クローブバッド油、メントール、アネトール、メチルサリチレート、ユーカリプトール、1-メンチルアセテート、セージ、オイゲノール、パセリ油、オキサノン、α-イリソン、マジョラム、レモン、オレンジ、プロペニルグエトール、桂皮、バニリン、チモール、リナロオール、ケイ皮アルデヒドグリセロールアセタール(CGAとして知られている)、及びこれらの混合物が挙げられる。存在する場合、香料添加剤は、一般に、組成物の約0.01重量%~約30重量%、特に約1重量%~約20重量%、より特に約1.5重量%~約15重量%のレベルにて使用される。
追加的に又は代替的に、本発明の組成物は、所望により、スクラロース、スクロース、グルコース、サッカリン、デキストロース、レブロース、ラクトース、マンニトール、ソルビトール、フルクトース、マルトース、キシリトール、サッカリン塩類、タウマチン、アスパルテーム、D-トリプトファン、ジヒドロカルコン類、アセスルファム及びシクラメート塩類、特にシクラミン酸ナトリウム及びサッカリンナトリウム、並びにこれらの混合物を含む、甘味剤を含んでよい。存在する場合、本発明の組成物は、組成物の約0.1重量%~約10重量%、特に約0.1重量%~約1重量%のこれらの剤を含有する。
追加的に又は代替的に、本発明の組成物には、所望により、染料、顔料、着色剤、及びそれらの混合物が含まれて、本明細書の組成物に色のついた外観を与えてよい。顔料及び/又は着色剤を、本明細書の組成物へと添加することの利点は、組成物が、着色された組成物により適用範囲が容易に確認できる故に、使用者の歯に均等かつ完全に覆っているかどうかを使用者が確認することを可能にする、ということである。なお、着色剤は、漂白された歯の色と類似した色を提供し得る。本明細書にて有用な着色剤は漂白剤に適しており、かつこれらは安全であると認識されている。本明細書にて所望により使用される染料、顔料及び着色剤は、組成物の約0.05重量%~約20重量%、特に約0.10重量%~約15重量%、また更に特に約0.25重量%~約5重量%の範囲である。
驚くべきことに、通常は互いに不相溶性である2種以上の口腔ケア有効成分が、本発明の同一組成物中に組み合わせることができることが見出された。例えば、本発明は、組成物の漂白有効性を更に改善する追加の口腔ケア有効成分と組み合わせた親水性漂白剤粒子を含んでもよい。このような実施形態の例としては、水と接触させたときにpHを増加させる推進力を提供し得る追加の口腔ケア有効成分と組み合わせた親水性漂白剤粒子が挙げられる。具体的には、このような実施形態の例としては、重炭酸ナトリウム(重曹)と組み合わされた過酸化物を含む親水性漂白剤粒子が挙げられる。米国特許第5,814,303号が「接触しているとき、過酸化物及び重曹は互いに対して反応的である。したがって、これらの成分は、使用時間まで別個に維持されなければならない。過酸化物及び重曹を異なる区画に分けることによってそれらを物理的に分離する分配パッケージが開発されてきた。」と述べていることは注目すべきである。現在、驚くべきことに、異なる区画を不要にして、過酸化物及び重曹を実際に同一組成物中に組み合わせることができることが見出された。理論によって制限されるものではないが、互いに通常は不相溶性である2種以上の親水性口腔ケア有効成分の粒子を疎水性相中に分散させると、粒子は、粒子間の疎水性相によって互いに実質的に分離した状態を維持し、この分離は、微視的スケールであっても、不相溶性を最小化又は排除し得ると仮定される。更に、親水性口腔ケア剤のうちの1種の粒子が、例えば口腔内での使用時に、水分と接触すると、その粒子の構成成分は、少なくとも部分的に溶解又は膨潤し、他種の口腔ケア剤の粒子の構成成分と直接接触し得るが、しかしながら、これは、主に口腔内での使用時に起こり得、それより前には組成物中で最小限にのみ起こり得る又は全く起こり得ないと仮定される。したがって、特定の実施形態では、本発明の半固体多相口腔用組成物は、互いに通常は不相溶性である2種以上の口腔ケア有効成分を含んでもよい。
漂白有効性
本発明の漂白有効性は、本明細書に開示される臨床プロトコルに従って測定され、-ΔΔb*として算出されるとき、少なくとも約0.25、0.5、1、1.5であり得る。2、2.5、3、4、5、6、7、8、9若しくは10又は、より狭く、かつかかるより狭い数域が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、かかるより広い数域内に収まる、任意のその他の数域。
特に、本発明の漂白有効性は、本明細書にて開示される臨床プロトコルに従って測定され、-Δb*として算出されるとき、少なくとも約0.25、好ましくは少なくとも約0.5、より好ましくは少なくとも約1.0、更により好ましくは少なくとも約1.5、更により好ましくは少なくとも約2、更により好ましくは少なくとも約2.5、更により好ましくは少なくとも約3、更により好ましくは少なくとも約3.5、また更により好ましくは少なくとも約4、又は、より狭く、かつかかるより狭い数域が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、かかるより広い数域内に収まる、任意のその他の数域であってよい。一般に、黄色度の変化は、本明細書にて開示されるように臨床プロトコルに従って測定され、少なくとも0.25の-Δb*として算出されるとき、注目に値する。
本発明は、半固体多相口腔用組成物全体中に存在する漂白剤の重量パーセントに対する本発明の漂白有効性(本明細書にて開示される臨床プロトコルに従って測定され、-Δb*として算出される)の驚くほど高い比率を実現し得る。例えば、1.5の-Δb*は、組成物が3%の漂白剤を含有する場合、半固体多相口腔用組成物全体中に存在する漂白剤の重量パーセントに対する漂白有効性(本明細書にて開示されるように臨床プロトコルに従って測定され、-Δb*として算出される)の比率0.5を実現し得る。
追加的に又は代替的に、半固体多相口腔用組成物全体中に存在する漂白剤の重量パーセントに対する本発明の漂白有効性(本明細書にて開示される臨床プロトコルに従って測定され、-Δb*として算出される)の比率は、少なくとも約0.25、0.5、1、1.5であってよい。2、2.5、5、10、若しくは15又は、より狭く、かつかかるより狭い数域が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、かかるより広い数域内に収まる、任意のその他の数域。
特に、半固体多相口腔用組成物全体中に存在する漂白剤の重量パーセントに対する本発明の漂白有効性(本明細書にて開示される臨床プロトコルに従って測定され、-Δb*として算出される)の比率は、少なくとも約2.5、好ましくは少なくとも約5、より好ましくは少なくとも約10、更により好ましくは少なくとも約15であってよい。
追加的に又は代替的に、本明細書にて開示されるように臨床プロトコルに従って測定され、-Δb*として算出される、本発明の漂白有効性は、水溶液又は水性ゲルの形態の比較口腔ケア組成物の漂白有効性より、少なくとも約10%、少なくとも約100%、少なくとも約1000%、又は少なくとも約10,000%高くてよい。比較口腔ケア組成物は、水溶液又は水性ゲル中に溶解させた、同一濃度の同一の漂白剤を含む。
本発明は、1)多分若しくはおそらく試験された組成物に起因した口腔刺激を報告した、若しくはそのような口腔刺激を有すると観察された参加者の分率に対する本発明の漂白有効性(本明細書にて開示されるように臨床プロトコルに従って測定され、-Δb*として算出される)の驚くほど高い比率、2)多分若しくはおそらく試験された組成物に起因した歯の刺激敏感性を報告した参加者の分率に対する本発明の処置の漂白有効性(本明細書にて開示されるように臨床プロトコルに従って測定され、-Δb*として算出される)の驚くほど高い比率、又は3)多分若しくはおそらく試験された組成物に起因した歯の刺激敏感性を報告した、若しくは口腔刺激を報告した、若しくは口腔刺激を有すると観察された参加者の分率に対する本発明の漂白有効性(本明細書にて開示されるように臨床プロトコルに従って測定され、-Δb*として算出される)の驚くほど高い比率を実現し得る。
追加的に又は代替的に、多分又はおそらく本発明に起因する歯の刺激敏感性を報告する参加者の分率に対する本発明の漂白有効性(本明細書にて開示されるように臨床プロトコルに従って測定され、-Δb*として算出される)の比率は、少なくとも約6、7、8、9、10、15、20、25、50、若しくは100又は、より狭く、かつかかるより狭い数域が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、かかるより広い数域内に収まる、任意のその他の数域であってよい。
特に、多分又はおそらく本発明に起因する歯の刺激敏感性を報告する参加者の分率に対する本発明の漂白有効性(本明細書にて開示されるように臨床プロトコルに従って測定され、-Δb*として算出される)の比率は、少なくとも約6、好ましくは少なくとも約7、より好ましくは少なくとも約8、更により好ましくは少なくとも約9、更により好ましくは少なくとも約10、更により好ましくは少なくとも約15、更により好ましくは少なくとも約20、更により好ましくは少なくとも約25、また更により好ましくは少なくとも約50、又は、より狭く、かつかかるより狭い数域が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、かかるより広い数域内に収まる、任意のその他の数域であってよい。
追加的に又は代替的に、多分又はおそらく本発明に起因する口腔刺激を報告する、又は口腔刺激を有すると観察される参加者の分率に対する本発明の漂白有効性(本明細書にて開示されるように臨床プロトコルに従って測定され、-Δb*として算出される)の比率は、少なくとも約6、7、8、9、10、15、20、25、50、若しくは100又は、より狭く、かつかかるより狭い数域が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、かかるより広い数域内に収まる、任意のその他の数域であってよい。
特に、多分又はおそらく本発明に起因する口腔刺激を報告する、又は口腔刺激を有すると観察される参加者の分率に対する本発明の漂白有効性(本明細書にて開示されるように臨床プロトコルに従って測定され、-Δb*として算出される)の比率は、少なくとも約6、好ましくは少なくとも約7、より好ましくは少なくとも約8、更により好ましくは少なくとも約9、更により好ましくは少なくとも約10、更により好ましくは少なくとも約15、更により好ましくは少なくとも約20、更により好ましくは少なくとも約25、また更により好ましくは少なくとも約50、又は、より狭く、かつかかるより狭い数域が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、かかるより広い数域内に収まる、任意のその他の数域であってよい。
追加的に又は代替的に、多分又はおそらく本発明に起因する歯の刺激敏感性を報告する、又は口腔刺激を報告する、又は口腔刺激を有すると観察される参加者の分率に対する本発明の漂白有効性(本明細書にて開示されるように臨床プロトコルに従って測定され、-Δb*として算出される)の比率は、少なくとも約6、7、8、9、10、15、20、25、50、若しくは100又は、より狭く、かつかかるより狭い数域が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、かかるより広い数域内に収まる、任意のその他の数域であってよい。
特に、多分又はおそらく本発明に起因する歯の刺激敏感性を報告する、又は口腔刺激を報告する、又は口腔刺激を有すると観察される参加者の分率に対する本発明の漂白有効性(本明細書にて開示されるように臨床プロトコルに従って測定され、-Δb*として算出される)の比率は、少なくとも約6、好ましくは少なくとも約7、より好ましくは少なくとも約8、更により好ましくは少なくとも約9、更により好ましくは少なくとも約10、更により好ましくは少なくとも約15、更により好ましくは少なくとも約20、更により好ましくは少なくとも約25、また更により好ましくは少なくとも約50、又は、より狭く、かつかかるより狭い数域が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、かかるより広い数域内に収まる、任意のその他の数域であってよい。
臨床プロトコル
以下の臨床プロトコルを使用して、半固体多相口腔用組成物の漂白有効性を測定する。約1%未満の漂白剤を伴う組成物を試験する場合、臨床実験を完了させるために、処理グループ当たり17~25人の参加者を必要とし、また少なくとも約1%の漂白剤を伴う組成物を試験する場合、8~25人の参加者を必要とする。必要とされる参加者は、全ての測定可能な面部位を伴う、4つの天然の上顎部門歯を有していなければならない。参加者のグループの平均基線L*は、71~76でなければならず、また、参加者のグループの平均基線b*は、13~18でなければならない。なお、上顎前歯の不正咬合、テトラサイクリン、フッ素沈着、若しくは低石灰化により引き起こされる重篤又は異型の内因性着色、上顎前歯の表面上の歯冠又は再建の有る参加者、メラノーマの病歴を自身で報告している参加者、現在喫煙又はタバコの使用がある参加者、軽度の刺激感応性又は色素沈着皮膚疾患を有する参加者、歯の刺激敏感性を自身で報告している参加者、又は以前に専門の治療を用いて、薬局窓口での処方箋なしのキット若しくは治験製品により歯のホワイトニングを行ったことのある参加者は、本試験から除外される。参加者は、Crest Cavity Protectionno練り歯磨き及びOral-Bの軟性手動式歯ブラシ(両方とも、Proctor & Gamble、シンシナティ、オハイオ州、米国からのもの)を提供されて、慣習的な様式にて、日に2回、使用する。
参加者は歯ブラシ(Team Technolosies,Ind.(モリスタウン、テネシー州、米国)からの「Anchor41房束白色歯ブラシ」)を使用して、半固体多相口腔用組成物で処置されることに先立って、水を使用して30秒間、自分の歯を磨く。各参加者の上顎前歯は、送達支持材料としてのポリエチレンのストリップを使用して、半固体多相口腔用組成物により、日に1回、60分間処置される。ポリエチレンのストリップは、66mmx15mmのサイズであり、かつ0.0178mmの厚さである。上顎前歯に塗布することに先立って、0.6g~0.8gの半固体多相口腔用組成物を、ポリエチレンの各ストリップにわたって塗布する。
半固体多相口腔用組成物を電磁放射線と共に使用した場合、
1)ストリップ上における半固体多相口腔用組成物による処置の50分後に、電磁放射線を、上顎前歯の前面に向かって10分間適用し、
2)電磁放射線を、ストリップ及び半固体多相口腔用組成物を介して上顎前歯に向けて、
3)ストリップは、透過させるために、少なくとも約90%の、400nm~500nmの電磁放射線を許容する必要があり、かつ
4)図6にて示すように、455nmのピーク強度波長を伴う4つの高電力LED(Thorlabs(ニュートン、ニュージャージー、米国)からの、モデル番号M455F1)に接続した4本の光ファイバーケーブル(Thorlabs(ニュートン、ニュージャージー、米国)からの、モデル番号M71L01)を介して、電磁放射線を送達する。4つのLEDは、1000mAにて作動し、それぞれLEDドライバ及びハブ(Thorlabs(ニュートン、ニュージャージー、米国)からの、モデル番号DC4104及びDC4100-ハブ)を使用している。4本の光ファイバーケーブルの出口端部は、透明なマウスピースの後方に取り付けられて、ストリップの外側表面に対して電磁放射線を再現可能に位置付けるのに役立つ。4本の光ファイバーケーブルの出口端部は、マウスピースの出口表面から約7mm離れており、電磁放射線が透明のマウスピースを通過する。マウスピースの咬合棚部は、電磁放射線が上顎前歯に向かって通過する透明の窓部が7.4mmの高さとなるようにオフセットされている。また、電磁放射線が上顎前歯に向かって通過する透明な窓部は、端から端(湾曲を含まない)まで直線的に測定して、40mmの長さである。光ファイバーケーブルの出口端部は、光ファイバーケーブルから出る電磁放射線の円錐体が、図6にて示すように、電磁放射線が上顎前歯に向かって通過する透明な窓部内で中央となるように、位置付けられかつ角度付けられている。また、4本の光ファイバーケーブルの出口端部は、電磁放射線の円錐体が、図6にて示すように、電磁放射線が上顎前歯に向かって通過する透明な窓部の長さに対して離間配置されるように、離間配置される。電磁放射線が上顎前歯に向かって通過する、透明な窓部の出口表面において出る電磁放射線の各円錐体の中央軸線において測定された、400~500nmの電磁放射線の強度は、本明細書にて開示した方法により測定された際に、約175mW/cm2~約225mW/cm2となる必要がある。
一度、60分間の半固体多相口腔用組成物による処置が完了すると、ストリップが取り外される。この処置は、1%未満の漂白剤を伴う組成物に関して最小7日間、また少なくとも約1%の漂白剤を伴う組成物に関して最小3日間、日に1回適用される。
半固体多相口腔用組成物を用いた処理による歯の色の変化を、約1%未満の漂白剤を含む組成物では7回目の処理の翌日に、少なくとも約1%の漂白剤を含む組成物では3回目の処理の翌日に、下記に述べる手順を用いて測定する。
偏光フィルタを装着したレンズを有するデジタルカメラ(アダプタ付きNIKON55mmマイクロNIKKORレンズ搭載、Canon Inc.,(メルヴィル、ニューヨーク州)からの、カメラモデル番号CANON EOS 70D、)を使用して、歯の色を測定する。ライト系は、(それを通して光が外部へと出る、ガラスレンズのうち1つの外側円形表面の中央から測定して)約30cm離れて配置された、150ワット、24V電球モデル番号(Wenophotモデル番号HL X64640)を装着し、45度にて照準される、Dedoライト(モデル番号DLH2)により提供され、これにより、光路が、カメラの焦点面の前面において、約36cmの頤レストの垂直平面で交差する。各ライトは、偏光フィルタ(Lee201フィルタ)、及び遮断フィルタ(Rosco(スタンフォード、コネチカット州、米国)からの、Rosco7mil、Thermashieldフィルタ)を有する。
光路の交差点において、光照射野における再現可能な再位置決めのための、固定された頤レストが取り付けられる。カメラは2つのライトの間に位置付けられ、これにより、その焦点面が、頤レストの垂直面から約36cmとなる。歯の色の測定を開始することに先立って、色基準を撮影して較正設定点を確立する。最初に、マンセルN8グレー基準を撮影する。グレーのRGB値が200となるように、カメラの白バランスを調節する。色基準が撮影されて、色チップの標準RGB値を得る。(マンセルカラー、X-rite社部門(グランドラピッズ、マサチューセッツ州、米国)からの)色基準及びグレー基準を、以下に列挙する。各色基準を、マンセル命名法にて標識した。色基準の格子を作成するために、それらを次の様式にて配置させることができる。これにより、複数の色基準を、色基準の格子により撮影された単一の画像に含めることが可能になる。
基線の歯の色に関して、参加者は、歯ブラシ(Team Technologies,Inc.(モリスタウン、テネシー州、アメリカ合衆国)からの「Anchor41」剛毛白歯ブラシ)を使用して、水により自分の歯を磨いて、自分の歯から食物の破片を取り除く。各参加者は、次に、(Washington Scientific Camera Company(サムナー、ワシントン州、アメリカ合衆国)からの製品であり、A&B Deburring Company(シンシナティ、オハイオ州、アメリカ合衆国)にて艶消マット仕上げ処理された)頬部レトラクタを使用して、頬部を引き戻し、自分の歯の前面表面が照射されることを可能にする。各参加者は、上顎部門歯の切歯端が下顎部門歯の切歯端に接触するように、自分の歯を一緒に噛合わせるように指示される。参加者は、次に、カメラ視野の中央において、光路の交差点にて、頤レスト上に位置付けられて、歯の画像が捕捉される。全ての参加者が撮像された後、画像解析ソフトウェア(Media Cybernetics,Inc.(シルバースプリング、メリーランド州)により製造されたOptimas)を使用して画像が処理される。中央の4つの門歯が隔離されて、歯の平均RGB値が抽出される。
参加者がホワイトニング製品を使用した後であるが、参加者の歯の画像を捕捉することに先立って、システムを基線構成に設定して、前述したように較正する。較正後、各参加者は、以前、参加者が同一の物理的位置にいることを確実にしたように、歯の配向を含む事前処理画像として、同一の手順を使用して第2回目の撮像をされる。画像解析ソフトウェアを用いて画像を処理して、中央の4つの上顎切開体の平均RGB値を得る。全ての画像のRGB値は、次に、RGB値及び色標準における色チップのL*a*b*値を使用して、CIE L*a*b*色空間内へとマッピングされる。色標準における色チップのL*a*b*値は、Photo Research Inc.(ロサンゼルス)からのPhoto ResearchScan PR650を使用して、前面歯列のデジタル画像を捕獲するために記載された同一の照明条件を使用して測定される。RR650は、カメラとして、色標準格子からの同一の距離に位置付けられる。各先端部は、製造者取扱説明書による較正後に、L*a*b*に関して、個別に測定される。次に、回帰方程式を使用して、以下のように、RGB値がL*a*b*値へと変換される。
L*=25.16+12.02*(R/100)+11.75*(G/100)-2.75*(B/100)+1.95*(G/100)3
a*=-2.65+59.22*(R/100)-50.52*(G/100)+0.20*(B/100)-29.87*(R/100)2
+20.73*(G/100)2+8.14*(R/100)3-9.17(G/100)3+3.64*[(B/100)2]*[R/100]
b*=-0.70+37.04*(R/100)+12.65*(G/100)-53.81*(B/100)-18.14*(R/100)2
+23.16*(G/100)*(B/100)+4.70*(R/100)3-6.45*(B/100)3
L*、a*、及びb*のためのR2は、>0.95でなければならない。各研究は、その独自の方程式を有するべきである。
これらの方程式は、一般に、歯の色領域(60<L*<95、0<a*<14、6<b*<25)における有効な変換である。各参加者の画像セットからのデータは、次に、ホワイトニング効果の評価に使用されるL*、a*、及びb*、-a*の標準法における変化の観点から、ホワイトニングの性能を評価するために使用される。約1%未満の漂白剤を伴う組成物の評価の場合は、L*における変化は、ΔL*=L*
7回の処置後の日-L*
基線として定義され、正の変化は明るさにおける向上を示し、a*における変化(赤-緑のバランス)は、Δa*=a*
7回の処置後の日-a*
基線として定義され、負の変化は赤味がより少ない歯を示し、b*における変化(黄-青のバランス)は、Δb*=b*
7回の処置後の日-b*
基線として定義され、負の変化は、歯の黄色味がより少なくなっていることを示す。少なくとも約1%以上の漂白剤を伴う組成物の評価の場合は、L*における変化は、ΔL*=L*
3回の処置後-L*
基線として定義され、正の変化は明るさにおける向上を示し、a*における変化(赤-緑のバランス)は、Δa*=a*
3回の処置後-a*
基線として定義され、負の変化は赤味がより少ない歯を示し、b*における変化(黄-青のバランス)は、Δb*=b*
3回の処置後-b*
基線として定義され、負の変化は、歯の黄色味がより少なくなっていることを示す。-Δb*は、漂白有効性の主要な測定値として使用される。全体の色の変化は、方程式ΔE=(ΔL*2+Δa*2+Δb*2)1/2により算出される。
ホワイトニング製品を使用した後、CIEラボ色空間における色の変化を、所与の方程式に基づいて、各参加者に関して算出することができる。
上記の臨床プロトコルを確実なものとするために、(ストリップ上に送達され、かつ本明細書に記載された電磁放射線と共に使用される)以下に指定される検証組成物の(-Δb*として算出された)漂白有効性は、7回目の処置の後の日に測定され、かつ>0.5として実証される必要がある。
*組成物全体中に存在するH
2O
2の重量パーセントにおける濃度に対する、水相中に存在するH
2O
2の重量パーセントにおける濃度の比率
1Solvay(ヒューストン、テキサス州)からの、ultra Cosmetic Grade
2Sonneborn,LLC.(パーシッパニー、ニュージャージー州)からの、G-2191 Grade
臨床プロトコルのための検証組成物を作製する手順
検証組成物の500グラムのバッチを、過酸化水素(H2O2)の水溶液及びワセリンをSpeedmixer容器(Flacktek Inc.(ランドラム、サウスカロライナ州)からの「Max 300 Long Cup Translucent」、アイテム番号501 218t)内へと計量することにより作製し、かつ、800RPMにて5秒間、1200RPMにて5秒間、また1950RPMにて2分間、Speedmixerにおいて混合する。その後、プラスチック製のヘラで容器の内側を削り落として、800RPMにて5秒間、1200RPMにて5秒間、また1950RPMにて2分間、内容物の2回目の混合をする。その後、プラスチック製のヘラで容器の内側を削り落として、800RPMにて5秒間、1200RPMにて5秒間、また1950RPMにて2分間、内容物の3回目の混合をする。
任意のアプリケーションシステム
なお、更に本発明は、本組成物を歯の表面に送達するための送達システムに関し得る。例えば、本発明の組成物は、送達支持材料システムを使用せずに、歯へと直接適用することにより、口腔へとホワイトニング効果を送達してよい。追加的に、本発明は、送達支持材料と組み合わされた本発明の組成物を含む、送達システムを含んでよい。例えば、送達システムは、支持材料の第1の層及び本明細書に記載された半固体多相口腔用組成物を含む第2の層を含んでよく、これにより、漂白剤が、放出可能に本発明の組成物内に配置される。好適な第1の層は、材料のストリップ、歯科用トレイ、スポンジ材料、及びこれらの混合物を含む、送達支持材料を含んでよい。特に、送達支持材料は、恒久的に変形可能なストリップなどのストリップ状の材料であってよい。好適な材料のストリップ、又は恒久的に変形可能なストリップは、例えば、米国特許第6,136,297号、同第6,096,328号、同第5,894,017号、同第5,891,453号、及び同第5,879,691号、並びに米国特許第5,989,569号、及び同第6,045,811号、並びに米国特許出願第2014/0178443A1号に詳細に記載されている。
送達支持材料は、送達支持材料の一部である付着手段を介して歯に付着されてよく、例えば、送達支持材料は、一度適用されると、送達支持材料が内腔軟組織に重なって、漂白に可能な表面が大きくなるのに十分なサイズであってよい。送達支持材料はまた、送達支持材料と歯を含む口腔表面との間の物理的干渉又は機械的連動により、口腔に付着されてよい。
送達支持材料は、約200nm~約1700nmの波長を伴う電磁放射線に対して、透明又は半透明であってよい。例えば、送達支持材料は、約400nm~約500nmの電磁放射線の約10%、20%、又は30%~約40%、50%、60%、70%、80%、90%、又は100%が歯表面まで透過することを可能にする。
送達支持材料が材料のストリップである場合、第2の層の組成物をストリップ上にコーティングしてよい、又は使用者によりストリップ上に塗布されてよい、又は使用者により歯へと塗布され、次に、コーティングされた歯にわたってストリップが置かれてよい。ストリップ又は歯の表面に適用される組成物の量は、ストリップのサイズ及び容量、有効成分の濃度、並びに所望の利点に依存してよく、例えば、約0.0001、0.001、若しくは0.01グラム~約0.01、0.1、1、若しくは5グラムの組成物が使用されてよい、又は、より狭く、かつかかるより狭い数域が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、かかるより広い数域内に収まる、任意のその他の数域の組成物、特に約0.001g~約0.5g若しくは約0.1g~約0.4gの半固体多相口腔用組成物が使用されてよい。なお、材料の平方センチメートル(g/cm2)当たり、約0.0001、0.001、若しくは0.01グラム~約0.01、0.1、0.5、又は1グラムの組成物が使用されてよい、又は任意のその他の数域が使用されてよく、このようなより狭い数域が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつこのようなより広い数値範囲内に収まり、好ましい実施形態では、約0.2g/cm2未満、約0.0001g/cm2~約0.1g/cm2、又は約0.01g/cm2~約0.04g/cm2が使用されてよい。追加的に又は代替的に、1平方センチメートルの材料(マイクログラム/cm2)当たり、約1マイクログラム~約5000マイクログラムの漂白剤、好ましくは、1平方センチメートルの材料当たり、約10マイクログラム/cm2~約500マイクログラム/cm2、またより好ましくは約50マイクログラム/cm2~約100マイクログラム/cm2の漂白剤が、使用されてよい。
ここで図面を参照すると、より具体的には、図1を参照すると、本明細書にて開示したような半固体多相口腔用組成物により提供される漂白剤を、歯及び口腔へと送達するための送達システムを表す、好適な送達システム10の実施形態が示されている。送達システム10は、実質的に平坦であり、かつ丸みを帯びた角部を有してよい、材料のストリップ形態12にて材料を含む。上記ストリップ12上へと、本発明の半固体多相口腔用組成物を含む第2の層14が、放出可能に塗布される。第2の層14は、図2の断面図において示すように、均質であってよく、かつ均一であってよく、またストリップ12上へと均等にコーティングされてよい。なお、本発明の組成物を含む第2の層14は、材料のストリップ12の一部の長手方向軸に沿ってのみのコーティングであってよい、又はストライプ状、スポット状、及び/又はその他のパターンとして適用されてよい。しかし、代替的に、第2の層14は、構成成分の積層体又は分離された層、構成成分の非晶質混合物、別個のストライプ状若しくはスポット状若しくは異なる構成成分のその他のパターン、又は材料のストリップ12の一部の長手方向軸線に沿った第2の層14のコーティングを含むこれらの構造の組み合わせであってよい。
追加的に又は代替的に、第2の層14は、組成物、化合物、又は外観における変化若しくはそれが接触する表面の構造における所望の変化に影響与えることが可能若しくは効果的な混合物などの、有効成分を含んでよい、又はそれ自体が有効成分である。前述のように、代表的な有効成分としては、過酸化水素、過酸化カルバミド、フッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、ピロリン酸、クロルヘキシジン、ポリリン酸塩、トリクロサン、及び酵素が挙げられる。外観及び構造変化の例としては、ホワイトニング、着色の漂白、着色の除去、フッ素リン灰石を形成するための再石灰化、歯垢除去、及び歯石の除去が挙げられるが、これらに限定されない。
なお、第2の層14組成物は、送達システム10を歯の表面へと安定的に取り付けるために、接着剤手段を含んでよい。本明細書にて開示されるような組成物は、それによる、又は例えば、本発明の組成物へと接着剤材料を添加することにより既に接着剤特性を提供している疎水性相を選択することによる、の両方により、意図的な厚さ及び接着性を提供してよい。添加された場合、接着剤は、増粘/レオロジー変性特性などの、追加的な特性を提供し得る。
図3及び図4は、隣接する複数の歯の表面に適用される、本発明の送達システム10を示す。複数の隣接する歯22が、隣接する軟組織20に埋め込まれる。隣接する軟組織20は、乳頭、周縁歯肉、歯肉溝、歯間歯肉、歯肉構造を含む歯構造を囲む軟組織表面であり、パレット上の粘膜歯肉接合部を含む。
図3及び図4の両方において、送達システム10は、ストリップ12及び本発明の組成物を含む第2の層14を表し、第2の層14は、歯22に面する材料のストリップ12の側部上に配置される。第2の層14の組成物は、材料のストリップ12へと事前に塗布されてよい、又は、歯への塗布に先立って、使用者により、材料のストリップ12へと塗布されてよい。代替的に、第2の層14の組成物は、使用者により歯22へと直接塗布されて、次にストリップ12により覆われてよい。いずれの場合も、材料のストリップ12は、歯22の輪郭形成面及び隣接する軟組織20に適合することができるような厚さ及び曲げ剛性を、有することができる。したがって、材料のストリップ12は、口腔表面の輪郭を形成するのに十分な柔軟性を有してよく、その表面は、隣接する複数の歯22となる。ストリップ12はまた、送達システム10が適用される場合に、恒久的に変形することなく、歯の表面及び歯間に容易に適合することができる。送達システム10は、著しい圧力を有することなく、適用され得る。
送達システム10の第1の層12は、材料のストリップからなり得る。このような第1の層の材料は、米国特許第6,136,297号、同第6,096,328号、同第5,894,017号、同第5,891,453号、及び同第5,879,691号、並びに米国特許第5,989,569号、及び同第6,045,811号、並びに米国特許出願第2014/0178443A1号に詳細に記載されている。ストリップ12は、第2の層14において、漂白剤のための保護バリアとして機能する。これは、例えば、舌部、唇部、及び唾液の消耗などによる、第2の層14の浸出又は浸食を防止する。これにより、第2の層14中の有効成分が、目的の時間、例えば数分~数時間の間、口腔の歯の表面22に作用することが可能である。
以下の材料のストリップの説明は、図1~図4にて示すように、ストリップ層12を伴う送達システム10に適用され得る。材料のストリップは、ポリマー、天然及び合成織物、不織材、箔、紙、ゴム、及びこれらの組み合わせを含み得る。材料のストリップは、材料の単層、あるいは一層以上からなる積層物であってよい。層の数に関係なく、材料のストリップは、実質的に非水溶性であってよい。ストリップ材料はまた、非透水性であってよい。好適なストリップ材料は、必要な屈曲剛直性を満たし、かつ口腔ケア組成物に適合する、任意の種類のポリマー又はポリマーの混合物であってよい。好適なポリマーとしては、ポリエチレン、エチルビニルアセテート、ポリエステル、エチルビニルアルコール、及びこれらの組み合わせが挙げられる。ポリエステルの例としては、いずれもDuPontにより製造される、Mylar(登録商標)及びTeflon(登録商標)などの、フッ素樹脂が挙げられる。特に、材料のストリップとして使用される材料は、ポリエチレンである。材料のストリップの厚さは一般に、約1mm(ミリメートル)以下、約0.05mmの厚さ、又は約0.001~約0.03mmの厚さであってよい。ポリエチレン材料のストリップは、約0.1mm未満の厚さであってよい、又は約0.005~約0.02mmの厚さであってよい。
追加的に又は代替的に、本発明は溶解性フィルムを含んでよく、これは、口腔内に付着することが可能であり、それにより、有効成分を放出し、溶解性フィルムは、水溶性ポリマー、1種以上の多価アルコール、及び1種以上の有効成分を含む。1種以上の有効成分に加えて、溶解性フィルムは、特定の可塑剤若しくは界面活性剤、着色剤、甘味剤、香味剤、風味増強剤又はその他の賦形剤の組み合わせを含有してよい。得られた溶解性フィルムは、粘膜組織に塗布した後すぐに溶解性フィルムを軟化させる瞬間濡れ性を特徴とし、使用者に長時間の不快感を与えず、通常の塗布、切断、スリット、包装作業に適した引張強度を有する。
溶解性フィルムは、水溶性ポリマー又は水溶性ポリマーの組み合わせ、1種以上の可塑剤又は界面活性剤、1種以上の多価アルコール、及び有効成分を含んでよい。
溶解性フィルムに用いられるポリマーは、親水性及び/又は水分散性であるポリマーを含む。使用できるポリマーとしては、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどの水溶性セルロース誘導体であるポリマー、単独又はそれらの混合物が挙げられる。その他の任意のポリマーとしては、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、アルギン酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、キサンタンガム、トラガカント、グアーガム、アカシアガム、アラビアガム等の天然ガム、ポリアクリル酸等の水分散性ポリアクリレート、メチルメタクリレートコポリマー、カルボキシビニルコポリマーが挙げられる。最終膜における水溶性ポリマーの濃度は、20~75%(w/w)の間、又は50~75%(w/w)の間で変化させることができる。
溶解性フィルムに使用され得る界面活性剤は、1種以上の非イオン性界面活性剤であってよい。界面活性剤の組み合わせを使用する場合には、第1の構成要素は、アルファ-ヒドロ-オメガ-ポリヒドロキシポリ(オキシエチレン)ポリ(オキシプロピレン)ポリ(オキシエチレン)ブロックコポリマーであってよく、一方で、第2の構成要素は、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、又はポリオキシエチレンヒマシ油誘導体であってよい。存在する場合、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルのHLB値は、10~20の間でなければならず、それにより、13~17の範囲もまた使用されてよい。アルファ-ヒドロ-オメガ-ヒドロキシポリ(オキシエチレン)ポリ(オキシプロピレン)ポリ(オキシエチレン)ブロックコポリマーは、少なくとも約35のオキシプロピレン単位、好ましくは約50以上のオキシプロピレン単位を含み得る。
ポリオキシエチレンアルキルエーテルは、10~20の間のHLB値であってよく、好ましくは、15以上のHLB値が使用されてよい。ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体は、HLB値が14~16であってよい。
所望の即効の水和性を達成するために、二成分の界面活性剤混合物の第1の構成成分と第2構成成分との比率は、1:10~1:1、又は1:5~1:3に維持されてよい。
溶解性フィルム中の界面活性剤の総濃度は、その他の成分の特性に依存するが、通常、0.1~5%(w/w)の間であってよい。
多価アルコールは、溶解性フィルムの所望のレベルの柔軟性を達成するために、使用されてよい。多価アルコールの例としてはグリセロール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、脂肪酸を伴うグリセリンモノエステル又はその他の薬学的に使用される多価アルコール類が挙げられる。乾燥フィルムにおける多価アルコールの濃度は、通常、0.1~5%(w/w)の間の範囲である。
材料のストリップの形状は、所望の口腔表面を被覆する任意の形状又はサイズであってよい。例えば、材料のストリップは丸みを帯びた角部を有して口腔軟組織の刺激を防止してよい。本発明で使用する場合、「丸みを帯びた角部」とは、鋭角又は鋭点、例えば、135°以下の1つ以上の角度がないことを意味する。材料のストリップの長さは、約2cm(センチメートル)~約12cm、又は約4cm~約9cmであってよい。材料のストリップの幅も同様に、被覆される口腔表面領域に依存してよい。材料のストリップの幅は、約0.5cm~約4cm、又は約1cm~約2cmであってよい。材料のストリップは、1つ又はいくつかの歯上でパッチとして装着されて、局部的状態を処置する。
材料のストリップは、浅いポケットを含んでもよい。半固体多相口腔組成物が材料のストリップ上に塗布された場合、漂白剤及び/又は口腔ケア有効成分が浅いポケットを充填して、追加の漂白剤及び/又は口腔ケア有効成分のリザーバを提供する。更にまた、これらの浅いポケットは、送達系に質感を与えるのに役立つ。この材料のストリップは、浅いポケットの配列を有してもよい。一般に、浅いポケットは、およそ0.4mm幅で約0.1mmの深さである。浅いポケットが材料のストリップ内に含まれ、本明細書の半固体多相口腔用組成物が種々の厚さでそのストリップに適用されている場合、特に、送達システムの全体的な厚さは、約1mm未満であり、より特に、全体的な厚さは、約0.5mm未満である。
曲げ剛性は、材料のストリップの厚さ、幅、及び材料弾性率の組み合わせの関数である、材料特性である。後述の試験は、ポリオレフィンフィルム及びシート材料などの、フィルムの剛性を測定するための方法である。これは、水平ビームの端部に取り付けられたひずみ計を使用することにより、試料の曲げ耐性を決定する。ビームの反対側の端部は、試料が静置された際に、試料のストリップに対して押下して、ストリップ部分を水平の台における垂直の溝内へと押し込む。ひずみ計へとワイヤ接続されたマイクロアンペア計は、偏向力の観点から較正される。試料の剛性は、マイクロアンペア計から直接読み取られ、かつ試料ストリップの幅のセンチメートル当たりのグラムとして表示される。本明細書に記載された組成物の送達支持材料として使用されるのに好適な材料のストリップは、Handle-O-Meter、モデル#211-300(Thawing-Albert Instrument Company(フィラデルフィア、ペンシルベニア州)から入手可能)において、試験方法ASTM D2923-95に従って測定されるような、約5グラム/cm未満の曲げ剛性を示し得る。本ストリップは、約3グラム/cm未満、約2グラム/cm未満の曲げ剛性、又は約0.1~約1/cmの曲げ剛性を有してよい。一般に、ストリップ材の曲げ剛性は実質的に一定でもよく、通常の使用時には変化しない。例えば、ストリップの材料は、ストリップが上記の特定の範囲における低い曲げ剛性を達成するために、水和することを必要としない。この比較的低い剛性は、材料のストリップが、及ぼされる非常に小さい力により、口腔表面の輪郭を覆うことを可能にする。即ち、材料のストリップ内に小さい残留力が存在して、ちょうど口腔表面へと適用される直前の形状、即ち実質的に平坦な形状へと材料のストリップが戻ることを引き起こす故に、装着者の口の口腔表面の輪郭への適合が維持される。例えば、材料のストリップの可撓性は、材料のストリップが、刺激なく延長された時間にわたって軟組織に接触することを可能にし、これにより、材料のストリップが、口腔表面に対して維持するための圧力を必要としない。
本明細書にて使用される送達システムは接着手段を含んでよく、これにより、前送達システムは、口腔表面、特に歯への接着が可能である。本接着手段は、本明細書の本発明の組成物により提供されてよい、又は本接着手段は、本明細書の組成物から独立して提供されてよい(例えば、本接着手段は、本明細書の組成物から分離した相であり、組成物はまた、接着剤手段を有する)。例えば、材料のストリップは、本発明の組成物によりもたらされる接着性の付着により、口腔表面上の所定の位置に保持されてよい。乾燥表面に対する半固体多相口腔用組成物の粘度及び通常の粘着性により、ストリップが、話し中、飲水中等、材料のストリップに対して摩擦する唇、歯、舌、及びその他の口腔表面により発生する摩擦力から実質的にずれることなく、口腔表面へと粘着的に付着し得る。しかし、口腔表面へのこの接着は、材料のストリップが、装着者により、装着者の指により材料のストリップを単純に剥がすことで容易に取り外されることを可能にするのに十分なほど低くてよい。送達システムは、器具、化学溶媒若しくは薬品、又は過剰の摩擦を適用することなく、口腔表面から容易に取り除かれてよい。
追加的に、材料のストリップは、送達支持材料それ自体によってもたらされる接着性手段及び付着によって、口腔表面上の所定の位置に保持され得る。例えば、材料のストリップを延伸させ、口腔軟組織へと付着、接着させることができる。追加的に、接着剤を、送達システムを口腔軟組織へと付着させる材料のストリップの部分へと、適用することができる。送達支持材料はまた、送達支持材料と歯を含む口腔表面との間の物理的干渉又は機械的連動により、口腔に付着されてよい。なお、材料のストリップは、国際公開第03/015656号に記載されるように、本明細書における本発明の組成物から独立した接着手段により、所定の位置に保持されてよい。
好適な接着手段が、当業者に周知である。接着手段が存在する場合、これは、接着剤により提供され、接着剤は、材料を歯の表面又は口腔表面の表面に接着させるために使用される、任意の接着剤であってよい。好適な接着剤としては、皮膚、歯茎及び粘膜付着性接着剤が挙げられるが、これらに限定されず、またこれらは、口腔ケア有効成分及び/又は漂白剤が効果を発揮するために、口腔環境の湿気、化学物質、及び酵素に長い間耐え得るものでなければならないが、その後、水溶性及び/又は生物分解性でなければならない。好適な接着剤は、例えば、水溶性ポリマー、疎水性及び/又は非水溶性ポリマー、例えば、口腔内の水分、化学又は酵素等の影響の下で、口腔環境に接触すると粘着性となる乾燥接着剤などを含んでもよい。好適な接着剤としては、天然ゴム、合成樹脂、天然又は合成ゴム、上記で「増粘剤」として列挙されたこれらのゴム及びポリマー、及び既知の接着剤のタイプにて使用される種類の種々のその他の粘着性物質が挙げられ、これらは、米国特許第2,835,628号から周知である。
送達支持材料は、例えば、図1~4における実施例に関して示されるように、当該技術分野において周知のフィルム製造プロセスのいくつかにより、形成されてよい。例えば、ポリエチレンのストリップは、吹出プロセス又は鋳造プロセスにより製造される。押出又は材料のストリップの曲げ剛性に影響を及ぼさないプロセスを含むその他のプロセスもまた、実行可能である。なお、ストリップ上に第2の層を形成する本発明の組成物は、ストリップの加工中にストリップ上に組み込まれてよい、及び/又は、本発明の組成物は、ストリップ上のラミネート層であってよい。上述のように、このような送達支持材料のストリップに取り付けられた第2の層は、本明細書に記載されるように、安全かつ有効な量の本発明の組成物を含む。
なお、本送達システムは、任意の剥離ライナーを含んでよい。剥離ライナーは、それ自体及び材料の第1の層のストリップに関して示す第2層の組成物よりもより小さい、第2層の組成物に関する親和性を示す、任意の材料から形成されてよい。剥離ライナーは、ポリエチレン、紙、ポリエステル、又はその他の材料などの、材料の剛性シートを含んでよく、その後、非粘着性材料で被覆される。剥離ライナーは、材料のストリップと実質的に同じ大きさ及び形状に切断されてよい、又は剥離ライナーは、材料をストリップから分離するための容易にアクセス可能な手段を提供するために、材料のストリップよりも大きく切断されてよい。剥離ライナーは、ストリップが湾曲した場合に割れる脆性材料、又は材料の複数の部分若しくは材料の刻み目のついた部分から、形成されてよい。あるいは、剥離ライナーは、典型的な接着性包帯設計などの、重なり合った2つの部分であってよい。剥離剤として好適な材料に関する更なる説明が、Kirk-Othmer Encyclopedia of Chemical Technology、第4版、第21巻、207~218頁に見出される。
例えば、送達支持材料は、装着者が、約1平方センチメートルの表面領域を有する1つの指を使用して、各歯の上でストリップを押し得ることが見出されてきた故に、材料のストリップが、約250,000パスカル未満の圧力下で恒久的な変形を介して、歯の形状へと実質的に適合するような、降伏点及び厚さを有する、恒久的に変形可能な材料のストリップであってよい。これらは、典型的には、約100,000パスカル~約250,000パスカルの典型的な適用圧力範囲にて、各歯において、1秒又はそれ未満の間、力を加える。
特に、材料のストリップは、いくつかの歯に対して、及び装着者の口のアーチ周辺に適合させるために、材料のストリップをクリープ並びに屈曲させることを可能にする、粘弾性特性を有する。必要な恒久的変形が、装着者により適用される最小限の通常の力の下で発生する、ということが重要である。
半固体多相口腔用組成物はまた、歯の表面に適用されてよく、またそれが形状付けされる前後に、変形可能なストリップにより覆われてよい。追加的に又は代替的に、半固体多相口腔用組成物は、プレコーティングとして変形可能なストリップに塗布されてよく、また変形可能なストリップが形状付けられた前後に、ストリップと一緒に歯の表面に適用されてよく、ストリップは、送達システムが歯の表面上に位置付けられた場合に、半固体多相口腔用組成物が歯の表面に接触して、歯の表面上へと有効成分を提供するように適用される。追加的に又は代替的に、材料の変形可能なストリップは、送達支持材料を形状付けるのに十分な力により、歯へと適用されてよく、これにより、それが、少なくとも部分的に歯の形状に適合し、次に、形状付けられた材料のストリップが歯の表面から取り外され、口腔ケア組成物が形状付けられた材料のストリップへと塗布され、また形状付けられた材料のストリップが歯の表面へと再付着し、これにより、それが、少なくとも部分的に歯の形状に適合し、かつ歯の表面に対して口腔ケア組成物を接触させる。変形可能なストリップが、半固体多相口腔用組成物と共に歯の表面に適用される場合、半固体多相口腔用組成物はまた、送達システムを所定の位置に十分な時間保持して、半固体多相口腔用組成物の有効成分が表面において作用することを可能にする、接着剤を含んでよい。変形可能なストリップと共に使用される場合、半固体多相口腔用組成物は、材料の変形可能なストリップを形状付けるための通常の力に耐えるのに十分な押出抵抗を有してよく、これにより、材料の変形可能なストリップの手動での形状付け中に、材料の変形可能なストリップと表面との間から、物質が実質的に押し出されない。「から実質的に押し出される」とは、少なくとも50%又はそれ以上の半固体多相口腔用組成物が、材料の変形可能なストリップと歯と近接する軟組織表面の間から、押し出されることを意味する。
材料の変形可能なストリップは、単一層又は積層体などの層(複数)若しくは材料の組み合わせとして、ワックス、パテ、錫又は箔などの、恒久的に変形可能な材料から作製されてよい。特に、変形可能なストリップは、Freeman Mfg.&Supply Co.(クリーブランド、オハイオ州)により配合及び製造される、#165シートワックスなどの、ワックスであってよい。この特定のワックスは、約133,000パスカル圧力下で、歯の形状に容易に適合し、これは、装着者が、約1平方センチメートルの領域にわたって約3ポンド(1.36kg)の垂直力を加える場合に発生する圧力である。材料の変形可能なストリップは、約0.8mmの通常のフィルム厚を有してよく、変形可能なストリップは、実質的に平坦であり、かつ丸みを帯びた角部を伴う長方形の形状であってよい。材料の変形可能なストリップは、装着者の口の湾曲及び隣接する歯の間の間隙に適合しつつ、隣接する複数の歯を覆うのに十分な長さを有してよい。材料の変形可能なストリップが、その上にコーティングされた半固体多相口腔用組成物を含む場合には、半固体多相口腔用組成物は、約1.5mm未満の全体の厚さを有してよい。本明細書に記載された変形可能なストリップはまた、図1~図4にて示す材料のストリップ12のための材料として、使用されてよい。したがって、例えば、図1~図4に関連した、上記のような材料のストリップの一般的な特徴もまた、材料の変形可能なストリップに適用されてよい。なお、剥離ライナー及び/又は浅いポケットも同様に、材料の変形可能なストリップと組み合わされてよい。
本発明の組成物は、歯科用トレイ及び/又は発泡材料を含む送達支持材料と組み合わされて、使用されてよい。歯科用トレイは、ホワイトニング分野において周知であり、また代表的な歯科用トレイ30を図5にて示す。歯科用トレイ30を準備するための一般的なプロセスが、当該技術分野において周知である。歯科医は、ホワイトニングのために、伝統的に、3つの種類の歯科用器具を利用してきた。
第1の種類は、患者の歯列弓に正確に適合する剛性器具である。例えば、全ての歯の表面及び歯肉縁に正しく合わさるアルギン酸印象材が作製され、かつ印象材から直ちに鋳型が作製される。リザーバが所望される場合、それらは、処置される特定の歯の表面上の鋳型上に剛性材料の層を確立させることにより、準備される。歯科用トレイは、次に、従来技術を使用した修正鋳型から真空形成される。一度形成されると、トレイは、好ましくは、頬側表面及び舌側表面の両方上の歯肉縁のシャイでわずかにトリミングされる。トレイ周囲を仕上げかつ面取りする際に、全ての歯が、約1/4~約1/3mmの歯肉縁内へと覆われることを確実にするために、十分なトレイ材料が残されなければならない。仕上がったトレイがそれらを覆わないように、これをスカラップ形にして、歯間乳頭を丸み付けできる。好ましくは、唇及び舌が鋭い隆起を感じないようにするために、全てのトレイ縁が平滑にされる。患者の歯と、任意に、剛性材料に位置するリザーバ又は間隙との完全な適合を提供する得られたトレイは、鋳型上に定置された。歯科用トレイは、約0.1cm~約0.15cmの厚さを有する、軟らかい透明なビニル材料を含んでよい。軟らかい材料は、患者によって装着がより快適である。トレイを構築するために、より硬い材料(又は厚いプラスチック)を使用してもよい。
第2の種類の剛性カスタム歯科用器具は、「大型」の剛性カスタム歯科用器具である。剛性の、カスタム歯科用器具の作製は、患者の歯列弓の印象材の鋳型模型を必要とし、また患者の歯列弓の鋳型模型に対応する熱可塑性シートの加熱及び真空形成を必要とする。熱可塑性フィルムは、剛性又は半剛性のシートとして販売され、かつ種々の寸法及び厚さにて入手可能である。大型の剛性歯科器具のための歯科実験室製作技術は、鋳型模型上の歯の表面を、ダイスペーサ又は光硬化アクリルなどの材料により、増強することを伴う。次に、熱可塑性シート材を加熱して、続いて歯列弓の増強された鋳型模型の周囲に真空形成する。本方法の純効果により、「大型」の剛性カスタム歯科用器具が実現する。
それほど頻繁には使用されていないが、第3の種類の剛性カスタム歯科用器具は、軟質多孔質発泡体~剛性の非多孔質発泡フィルムまでの範囲の材料の積層体から作製された、剛性二重ラミネートカスタム歯科用器具である。これらの二重ラミネート歯科用器具の、非多孔質の、剛性の熱可逆性シェルは、軟質多孔質発泡体の内側層を覆いかつ支持する。
第4の種類の歯科用トレイは、使い捨て可能なU形状の軟質多孔質発泡体を伴う剛性カスタム歯科用器具に置き換わり、これは、個別に包装されてよく、かつ事前測定された量の本発明の組成物を深くしみ込ませていてよい。軟質発泡材は、一般に、開放気泡プラスチック材である。このような装置は、Cadco Dental Products(オックスナード、カリフォルニア州)から、商標名VitalWhite(商標)にて市販されている。これらの軟質発泡体トレイは、装置からの漂白剤の、口腔内への溶出を最小にし、患者の摂取及び/又は口腔組織の刺激を最小にするためのバッキング材料(例えば、独立気泡プラスチックバッキング材料)を含んでよい。あるいは、軟質発泡体トレイは、非多孔質の可撓性ポリマーにより覆われる、又は開放気泡発泡体は、歯科用器具の前面内壁に取り付けられる、及び/若しくは、開放気泡発泡体は、歯科用器具の後面内壁に取り付けられる。当業者は、本発明の組成物が、発泡体の開放気泡構造との間で単純に使い果たされないように十分に厚くなければならず、また時間の経過とともに、開放気泡発泡体を緩やかに通過するように、十分に薄くなければならない、ということを、容易に認識及び理解するであろう。換言すれば、開放気泡発泡体材料は、組成物の粘度に対して寸法付けられて、組成物を吸収し、かつ組成物がそこを通過することを可能にする、内部構造間隔を有する。
独立気泡材料の一例は、Voltek division of Sekisui America Corporation(ローレンス、マサチューセッツ州)により、商標名Voloraにて販売されている、1/32”~1/8”)の厚さの独立気泡ポリオレフィン発泡体である。独立気泡材料はまた、可撓性ポリマー材料を含んでよい。開放気泡材料の一例は、Sentinel Foam Products division of Packaging Industries Group,Inc.(ハイアニス、マサチューセッツ州)により、商標名Opcellにて販売されている、1/16”~3/8”の厚さの開放気泡ポリエチレン発泡体である。本明細書において有用なその他の開放気泡としては、ヒドロゲルポリマー(例えば、Hydromer,Inc.(ブランチバーグ、ニュージャージー州)からのMdicell(商標)発泡体)などの、開放気泡材料が挙げられる。開放気泡発泡体はまた、種々の有効成分を化学的に吸収するポリウレタン又はポリビニルピロリドンなどの、有効成分を吸収して流体の高い吸収性を付与する親水性の開放発泡体であってよい。
本発明の半固体多相口腔用組成物の調製
主に、半固体中粒子型分散体の調製は当該技術分野において周知であり、任意の好適な製造プロセスを使用して、半固体中粒子型分散体の形態であり得る半固体多相口腔用組成物を作製することができる。一般に、構成成分を親水性のものと疎水性のものとに分離する。次いで、2つの相を混合し(必要であれば加熱する)、生成物を撹拌し、その後、所望により冷却する。相の混合後、半固体中粒子型分散体の形態であり得る、本発明の半固体多相口腔用組成物は、振盪、断続的振盪、高剪断攪拌を含む種々の方法により、又は高速度ミキサ、混合機、コロイドミル、ホモジェナイザ、若しくは超音波技術を使用することにより、撹拌される又は剪断されてよい。
本明細書にて開示される、半固体中粒子型分散体の形態であり得る、半固体多相口腔用組成物は、以下のように作製され得る。親水性漂白剤粒子及び疎水性相を調製し、混合容器中で親水性漂白剤粒子と疎水相とを加え合わせ、当該技術分野では周知の任意の手段によってよく混合する。例えば、Speedmixer(Flacktek Inc.(ランドラム、サウスカロライナ州))を使用して、本発明の、半固体中粒子型分散体の形態であり得る、半固体多相口腔用組成物を作製してよい。SpeedMixer(商標)シリーズの混合手順は、二重非対称遠心混合を使用した、混合カップの2回の回転に基づく。このように異なるレベルにおいて作用する遠心力の組み合わせにより、カップ全体を極めて迅速に混合することができる。混合を促進することが必要な場合には、所望により、組成物を加熱してよい。組成物が均一になるまで混合し続ける。義歯ケア有効成分が固形の粒子形態で含有される場合、組成物内での粒子の分散及び懸濁状態を維持するために、シリカなどの任意の粘度調整剤を添加することが好ましい場合がある。また、所望により、組成物の相のうち1つへと、風味剤又は甘味料を添加してよい。その後、所望により、送達支持材料へと組成物を添加してよい。
半固体多相口腔用組成物の予言的配合実施例
以下の非限定的な予言的配合実施例は、本発明の範囲内にあると期待される実施形態を更に説明するものである。これらの実施例には、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変更が可能である。
予言的配合実施例I
予言的配合実施例Iは、上記に開示した任意の好適な手順を使用して作製し、過酸化尿素を用いて配合することができる。これらの実施例は、1)0.0277%~33.1872%の範囲にある、組成物全体中の過酸化尿素の濃度、2)0.01%~12%の範囲にある、組成物全体中に存在するH2O2(過酸化尿素に組み込まれている)の濃度、及び3)3.01~3615.85の範囲にある、組成物全体中に存在するH2O2の重量パーセント濃度に対する親水性漂白剤粒子中に存在するH2O2の重量パーセント濃度の比率で作製され得る組成物を示す。
*組成物全体中に存在するH
2O
2の重量パーセント濃度に対する親水性漂白剤粒子中に存在するH
2O
2の重量パーセント濃度の比率
#分子式から算出された理論値
1Alfa Aesar(ワードヒル、マサチューセッツ州)からの尿素過酸化水素付加物、カタログ番号L13940。供給元からの安全データシートによれば、20Cにおいて1リットル当たり800グラムの水溶解性(水100部当たり80部)。425ミクロンの目開きを有する米国標準試験用ふるい番号40を用いてふるい分けした。
2Sonneborn,LLC.(パーシッパニー、ニュージャージー州)からの、G-2218 Grade
予言的配合実施例II
予言的配合実施例IIは、上記に開示した任意の好適な手順を使用して作製し、過酸化尿素を用いて配合し得る。これらの実施例は、1)0.0541%~64.8649%の範囲にある、組成物全体中の過酸化水素とポリビニルピロリドン(PVP)ポリマーとの複合体の濃度、2)0.01%~12%の範囲にある、組成物全体中のH2O2(過酸化水素とポリビニルピロリドン(PVP)ポリマーとの複合体に組み込まれている)の濃度、及び3)1.54~1850の範囲にある、組成物全体中に存在するH2O2の重量パーセント濃度に対する親水性漂白剤粒子中に存在するH2O2の重量パーセント濃度の比率で作製され得る組成物を示す。
*組成物全体中に存在するH
2O
2の重量パーセント濃度に対する親水性漂白剤粒子中に存在するH
2O
2の重量パーセント濃度の比率
#供給業者のパンフレットによって提供される範囲の中心値
1Ashland Global Specialty Chemicals Inc.(コビントン、ケンタッキー州)からのPeroxydone K-30。425ミクロンの目開きを有する米国標準試験用ふるい番号40を用いてふるい分けした。
2Sonneborn,LLC.(パーシッパニー、ニュージャージー州)からの、G-2218 Grade
組成物及び/又は送達システムを使用する方法
本発明は、歯科専門家による歯科オフィスの消費者の歯に適用することができる、又は消費者が自宅で使用することができる。一般的に、推奨処理期間は、ホワイトニングを達成するための十分な時間である。
本発明の実施では、ユーザは、漂白剤を含有してホワイトニングなどの所望の効果を得るための本明細書における組成物を、1つ以上の歯に塗布する。本組成物は、ペイント-オン装置、シリンジ、若しくは単位用量シリンジ、押潰し可能なチューブ、ブラシ、ペン若しくはブラシチップ塗布具、ドウズフット塗布具、スワッブ、リップグロス塗布具、塗布後に取り外されるストリップ、塗布後に取り外されるトレイ、等、又は指さえも使用して塗布することができる。組成物はまた、材料のストリップ、歯科用トレイ、又はスポンジ材料などの送達支持材料と組み合わせることができ、またその後に歯に塗布することができる。好ましい実施形態では、本明細書の組成物又は送達システムは、歯に適用される場合にほとんど目立たない。所望の時間が経過した後に、歯の表面の布ぶき、ブラッシング、又はすすぎにより、任意の残留組成物を容易に除去してよい。
一般に、本発明の組成物を適用する前に歯を準備する必要はない。例えば、本発明の組成物を塗布する前に、歯の洗浄や口のリンスを行うことができるが、塗布前に口腔表面を乾燥させたり、唾液や水で過度に湿潤させたりする必要がない。しかし、塗布前に歯を乾燥させると歯エナメル面への付着性が向上すると考えられる。
歯科用トレイ器具は、次のようにして使用することができる。患者又は歯科専門医は、本発明の組成物を軟性又は剛性の歯科用器具内へと分配して、次に、参加者は、この器具を参加者の歯列弓にわたって定置させる(又は、自分の歯の周辺に装置を適合させて、トレイを所定の位置に維持する)。一般的に、推奨処理期間は、上で開示したように、ホワイトニングを達成するのに十分な時間である。治療期間の終了時に、歯科用器具を取り外し、水で洗浄して残りの組成物を除去した後、次の塗布まで保存する。
上述の組成物及び送達システムは、1.本発明の組成物、及び2.使用説明書、又は1.本発明の組成物、2.使用説明書、3.送達支持材料を含むキットに組み合わせてよい。なお、歯が電磁放射線により照射され得る場合、キットは、適切な波長の電磁放射線源及び使用のための説明書を更に含んでよく、これにより、キットは、都合の良い様式にて消費者に使用され得る。
任意の電磁放射線処理
本明細書に開示されるような半固体多相口腔用組成物は歯のホワイトニング及び/又は歯表面から着色を除去するのに使用してもよい。なお、ホワイトニング有効性は、好適な波長の電磁放射線を少なくとも1つの歯に向かって方向付けることにより、更に増大してよい。このような電磁放射を提供するのに適した装置が、図6にて示される。好適な波長は、歯の最大吸収帯及び/又は漂白される歯の着色に対応する、任意の波長であってよい。例えば、半固体多相口腔用組成物は、約200nm~約1200nmの範囲内の1つ以上の波長を有する電磁放射線により、放射されてよい。電磁放射は、少なくとも1つの歯に向けられてよい。なお、2つ以上の歯が照射されてもよい。特に、電磁放射線は、約400、405、410、415、420、425、430、435、440、若しくは445、446nm~約450、455、460、465、470、475、480、481、485、490、495、若しくは500nm、又は、このようなより狭い数域が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、任意のその他の数域の範囲での波長におけるピーク強度を有してよい。より特に、電磁放射線は、約425nm~約475nm、約445nm~約465nmの範囲の波長におけるピーク強度を有する、又は、電磁放射線のピーク強度波長は、着色がほとんどの電磁放射線を吸収する波長と類似している。電磁放射線は、組成物を装着している部分的又は全体的な時間にわたって、又は歯から組成物が取り除かれた後に、少なくとも1つの歯に向かって方向付けられてよい。電磁放射線は、少なくともホワイトニングのための十分な時間、例えば、少なくとも約1分間、少なくとも約5分間、又は少なくとも約10分間にて適用されてよい。米国特許第2013/0295525に開示された手順を使用して、電磁放射線を適用してよい。本明細書に開示された半固体多相口腔用組成物は、好ましくは、少なくとも1つの歯に適用され、また第1の期間、少なくとも1つの歯上に維持され、第1の期間後、電磁放射線は、少なくとも第2の期間、少なくとも1つの歯に向かって方向付けられてよく、第1の期間は、第1及び第2の期間の総持続期間の50%超、好ましくは80%超の持続期間を有し、また最終的に、半固体多相口腔用組成物は、少なくとも1つの歯から取り除かれる。
好適な電磁放射線源としては、表題「臨床プロトコル」の項目において、本明細書にて記載される源が挙げられる。
本明細書にて開示された半固体多相口腔用組成物は、約400nm~約500nmの波長を有する電磁放射線に対して透明又は半透明であってよい。例えば、本明細書にて開示された半固体多相口腔用組成物は、約0.0001、0.001、若しくは0.01cm~約0.01、0.1、若しくは0.5cmの厚さにて適用された場合に、分光計により測定された際に、約400nm~約500nmの電磁放射線の10%、20%若しくは30%~約40%、50%、60%、70%、80%、90%、若しくは100%を通過させることを可能にする。特に、半固体多相口腔用組成物が約0.1cmの厚さにて塗布される場合、分光計により測定されるように、約80%~約100%の、約400nm~約500nmの電磁放射線を通過させる。本明細書にて開示された半固体多相口腔用組成物が、約0.0001、0.001、若しくは0.01グラム~約0.01、0.1、1、若しくは5グラムの量にて、約5cm2~約20cm2の表面領域を伴う送達支持材料又はトレイ上に塗布される場合、約400nm~約500nmの電磁放射線の約10%、20%、若しくは30%~約40%、50%、60%、70%、80%、90%、若しくは100%を通過させることが可能である。
歯の表面又はストリップであり得る支持材料の外側表面上に衝突する、約400~約500nmの範囲の波長における電磁放射線は、約5、10、25、50、75、若しくは100mW/cm2~約500、250、225、205、200、175、150、125、100、75、50、25、10、若しくは5mW/cm2、又はその他の数域の強度における範囲であってよく、このようなより狭い数域が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつこのようなより広い数値範囲内に収まる。
電磁放射の強度を測定するための手順
先端において余弦修正器(Ocean OpticsからのOP200-2-UV-VIS)を伴うUV-VIS200ミクロン光ファイバーケーブルに接続された分光計(Ocean OpticsからのUSB2000+)を使用して、電磁放射線の強度を測定することができる。分光計は、ソフトウェア(Ocean OpticsからのOceanview1.3.4)を実行するコンピュータに接続されている。光ファイバーケーブルの先端部は、光強度が測定される位置における光源に向かって指し示すように、保持される。検出器の表面において収集された光子は、光ファイバーケーブルを介して電荷結合デバイス(CCD)へと案内される。CCDは、200nm~1100nmの各波長にて、事前決定された期間の間にCCDに到着する光子の数を数え、かつソフトウェアアルゴリズムを使用して、これらの光子の数を分光放射照度(mW/cm2/nm)へと変換する。分光放射照度は、ソフトウェアにより、200nm~1100nmにて統合されて、吸収射照度(mW/cm2)を得るが、これは、200nm~1100nmの電磁放射線の強度である。ソフトウェアにより、分光放射照度は、400nm~500nmに統合されて、ソフトウェアにより、吸収射照度(mW/cm2)を得るが、これは、400nm~500nmの電磁放射線の強度である。
消費者の利便性のために、本明細書にて開示された半固体多相口腔用組成物は、本明細書にて開示された漂白組成物、より容易な適用のための送達支持材料、好適な波長にて電気放射線を放出する電磁放射線源、及び使用説明書を含むキットとして提供されてよい。
本発明の組成物は、ヒト及びその他の動物(例えば、ペット、動物若しくは家畜)の用途の両方に有用である。
以下の非限定的な実施例は、本発明の範囲内の好ましい実施形態を更に記載する。実施例には、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変更が可能である。全ての実験は、特に指示がない限り、室温(RT)及び大気圧にて実施された。これらの半固体多相口腔用組成物は、前述又は後述するように作製された。
半固体多相口腔用組成物の調製
実施例-I及びIIの500グラムのバッチを、過酸化尿素(実施例I)又は過酸化水素とポリビニルピロリドンポリマーとの複合体(実施例II)(親水性漂白剤粒子)及びワセリンをSpeedmixer容器(Flacktek Inc.(ランドラム、サウスカロライナ州)からの「Max 300 Long Cup Translucent」、アイテム番号501 218t)内へと計量することにより作製し、かつ、800RPMにて5秒間、1200RPMにて5秒間、また1950RPMにて2分間、Speedmixerにおいて混合した。その後、プラスチック製のヘラで容器の壁を削り落として、800RPMにて5秒間、1200RPMにて5秒間、また1950RPMにて2分間、内容物の2回の混合をした。その後、プラスチック製のヘラで容器の壁を削り落として、800RPMにて5秒間、1200RPMにて5秒間、また1950RPMにて2分間、内容物の3回の混合をした。
実施例IIの50グラムのバッチを、過酸化水素とポリビニルピロリドンポリマーとの複合体(親水性漂白剤粒子)及びワセリンをSpeedmixer容器(Flacktek Inc.(ランドラム、サウスカロライナ州)からの「Max 100 Long Cup Translucent」、アイテム番号501 221Lt)内へと計量することにより作製し、かつ、800RPMにて5秒間、1200RPMにて5秒間、また1950RPMにて2分間、Speedmixerにおいて混合した。その後、プラスチック製のヘラで容器の壁を削り落として、800RPMにて5秒間、1200RPMにて5秒間、また1950RPMにて2分間、内容物の2回の混合をした。その後、プラスチック製のヘラで容器の壁を削り落として、800RPMにて5秒間、1200RPMにて5秒間、また1950RPMにて2分間、内容物の3回の混合をした。
実施例IIIの50グラムのバッチを、過酸化水素とポリビニルピロリドンポリマーとの複合体(親水性漂白剤粒子)、重炭酸ナトリウム、鉱油、及びワセリンをSpeedmixer容器(Flacktek Inc.(ランドラム、サウスカロライナ州)からの「Max 100 Long Cup Translucent」、アイテム番号501 221Lt)内へと計量することにより作製し、かつ、800RPMにて5秒間、1200RPMにて5秒間、また1950RPMにて2分間、Speedmixerにおいて混合した。その後、プラスチック製のヘラで容器の壁を削り落として、800RPMにて5秒間、1200RPMにて5秒間、また1950RPMにて2分間、内容物の2回の混合をした。その後、プラスチック製のヘラで容器の壁を削り落として、800RPMにて5秒間、1200RPMにて5秒間、また1950RPMにて2分間、内容物の3回の混合をした。
実施例I~IIIの概要を表1に示す。
1Alfa Aesar(ワードヒル、マサチューセッツ州)からの尿素過酸化水素付加物、カタログ番号L13940。供給元からの安全データシートによれば、20Cにおいて1リットル当たり800グラムの水溶解性(水100部当たり80部)。425ミクロンの目開きを有する米国標準試験用ふるい番号40を用いてふるい分けした。
2Ashland Global Specialty Chemicals Inc.(コビントン、ケンタッキー州)からのPeroxydone K-30。水100部当たり40部超の溶解性(ポリビニルピロリドンポリマーK-30に関する供給業者からの製品データシートに記載の情報から推定した)。425ミクロンの目開きを有する米国標準試験用ふるい番号40を用いてふるい分けした。
3Sonneborn,LLC.(パーシッパニー、ニュージャージー州)からの、G-2218 Grade
4Genesis Specialty Alkali LLC(フィラデルフィア、ペンシルベニア州)からの、USP No.2 grade
5Sonneborn LLC(パーシッパニー、ニュージャージー州)からの、Kaydol White Mineral Oil Grade
比較例I
比較例-Iの500グラムのバッチを、過炭酸ナトリウム(親水性漂白剤粒子)及びワセリンをSpeedmixer容器(Flacktek Inc.(ランドラム、サウスカロライナ州)からの「Max 300 Long Cup Translucent」、アイテム番号501 218t)内へと計量することにより作製し、かつ、800RPMにて5秒間、1200RPMにて5秒間、また1950RPMにて2分間、Speedmixerにおいて混合した。その後、プラスチック製のヘラで容器の壁を削り落として、800RPMにて5秒間、1200RPMにて5秒間、また1950RPMにて2分間、内容物の2回の混合をした。その後、プラスチック製のヘラで容器の壁を削り落として、800RPMにて5秒間、1200RPMにて5秒間、また1950RPMにて2分間、内容物の3回の混合をした。比較例Iの概要を表IIに示す。
*組成物全体中に存在するH
2O
2の重量パーセント濃度に対する親水性漂白剤粒子中に存在するH
2O
2の重量パーセント濃度の比率
1Alfa Aesar(ワードヒル、マサチューセッツ州)からの過炭酸ナトリウム、カタログ番号A16045。1リットル当たり150グラムの水溶解性(水100部当たり15部)-2018年5月21日のWikipediaからの情報。425ミクロンの目開きを有する米国標準試験用ふるい番号40を用いてふるい分けした。
2Sonneborn,LLC.(パーシッパニー、ニュージャージー州)からの、G-2218 Grade
比較例II
比較例IIは、5.25%のH2O2を伴う、市販のCrest Whitetrips tooth whitening strip製品(Proctor&Gamble(シンシナティ、オハイオ州、米国))である。これは、5.25%の過酸化水素(H2O2)を含有する水性ゲルであり、また、それは水性ゲルである故に、組成物全体中に存在するH2O2の、重量パーセントにおける濃度に対する、水相中に存在するH2O2の、重量パーセントにおける濃度の比率は、1である。
全ての実験は、特に指示がない限り、室温(RT)及び大気圧にて実施された。
漂白有効性を測定するためのEX-VIVO手順
1.ヒトの門歯の前面から、円形盤(直径7.5~7.8mmx厚さ1.2~1.3mm)を切り取る。歯から切り取った顔側表面はそのままにし、舌側表面は平坦にする。ガラス瓶において、USP規格条件を満たす15~20mLの水中に、少なくとも24時間、歯盤を浸漬させる。これを合計12本の歯に対して繰り返す。3つの別々の日に手持ち式分光計Konica Minolta 700dを使用して12枚の歯盤の基線L*及びb*を測定し、3つの日全てにわたって値を平均する。
2.評価対象の組成物で12枚の歯盤のグループを処置する。具体的には、臨床プロトコルにおいて指定された同じポリエチレンストリップから直径約19.1mmの円形盤を切断する。直径約9.5mmの円形盤の約0.05グラムの組成物をこのポリエチレン盤に塗布する。歯盤を水から取り出し、それが濡れているまま、組成物が歯盤とポリエチレン盤との間に挟まれるように、組成物及びポリエチレン盤を歯盤の顔側表面に配置する。ストリップが歯の上に位置付けられるのをシミュレートするために、ポリエチレン盤にわずかな圧力を一時的に加える。このサンドイッチを、約60分にわたって約34Cに設定された炉内に定置する(上顎前歯の顔側表面の条件をシミュレートするため)。
3.半固体多相口腔用組成物を電磁放射線と共に使用した場合、
・半固体多相口腔用組成物による処置の50分後に、電磁放射線を、歯盤の顔側表面に向かって10分間適用する。
・電磁放射線を、ストリップ及び半固体多相口腔用組成物を介して歯盤の顔側表面に向ける。
・455nmのピーク強度波長を有する高電力LED(Thorlabs(ニュートン、ニュージャージー、米国)からの、モデル番号M455F1)に接続した光ファイバーケーブル(Thorlabs(ニュートン、ニュージャージー州、米国)からの、モデル番号M71L01)を介して、電磁放射線を送達する。LEDは、LEDドライバ(Thorlabs(ニュートン、ニュージャージー州、米国)からの、モデル番号DC2100、又はDC4100-HUBとペアのDC4104)を使用して1000mAで動作する。光ファイバーケーブルの出口端部は、ストリップの外側表面に対して電磁放射線を再現可能に位置付けるのに役立つように取り付けられる。光ファイバーケーブルの出口端部は、歯表面から約7mm離れている。この距離において電磁放射線の円錐体の中央軸線で測定された400nm~500nmの電磁放射線の強度は、本明細書にて開示した方法により測定された際に、約175mW/cm2~約225mW/cm2となる必要がある。
・この放射線は、歯盤毎に約10分間適用される。
4.半固体多相口腔用組成物による60分の処置が完了したら、ポリエチレン盤を除去し、ペーパータオル及び水を使用して残留組成物を歯盤から除去する。
5.各処置の後、ガラス瓶において、USP規格条件を満たす15~20mLの水中に、少なくとも約24時間、歯盤を浸漬させる。
6.最後に、処置後のb*を測定する。これは3つの別々の日に行い、3つの日全てにわたって平均する。
7.基線(Δb*)からの黄色度の平均変化を算出する。
漂白有効性
ストリップ上で送達され、電磁放射線源と共に使用され、ex-vivo手順に従って測定された実施例-I~III及び比較例Iの漂白有効性を表3に列挙する。
表3は、実施例-Iが、比較例Iと対比してより大きい黄色度の減少(-Δb*)を実現したことを示す。
これらの結果は、両組成物が同じレベルのH2O2(3%)を有するにもかかわらず、比較例I(過炭酸ナトリウムで作製)と対比して、実施例-I(過酸化尿素で作製)の驚くほど高い有効性を明らかに実証している。
具体的には、これらの結果は、両組成物が同じレベルのH2O2(3%)を有するにもかかわらず、100重量部の水中で15重量部のみの溶解性を有する親水性漂白剤粒子(過炭酸ナトリウム)で作製された組成物(比較例I)と対比して、100重量部の水中で80重量部の溶解性を有する親水性漂白剤粒子(過酸化尿素)で作製された組成物(実施例I)の驚くほど高い有効性を明らかに実証している。
これらの結果は、親水性漂白剤粒子の溶解性が漂白有効性に驚くほど大きく影響することを明らかに実証している。
表3はまた、両組成物が同じレベルのH2O2(3%)を有するにもかかわらず、比較例I[100重量部の水中で15重量部のみの溶解性を有する親水性漂白剤粒子(過炭酸ナトリウム)で作製]が、0.84のみの黄色度の減少(-Δb*)を実現した一方で、実施例II[100重量部の水中で40重量部を超える溶解性を有する親水性漂白剤粒子(過酸化水素とポリビニルピロリドンポリマーとの複合体)で作製]は、驚くほど高い2.57の黄色度の減少(-Δb*)を実現したことも示す。これらの結果は、親水性漂白剤粒子の溶解性が漂白有効性に驚くほど大きく影響することを明らかに実証している。
表3はまた、実施例IIIが、実施例IIと対比してより大きい黄色度の減少(-Δb*)を実現したことも示す。これらの結果は、両組成物が同じレベルのH2O2(3%)を有するにもかかわらず、実施例II(過酸化水素とポリビニルピロリドンポリマーとの複合体で作製、炭酸ナトリウムは含まない)と対比して、実施例III(重炭酸ナトリウムと組み合わされた、過酸化水素とポリビニルピロリドンポリマーとの複合体で作製)の驚くほど高い有効性を明らかに実証している。具体的には、これらの結果は、1種の口腔ケア有効成分のみで作製された組成物(実施例II)と対比して、同一組成物中で通常は互いに不相溶性である2種以上の口腔ケア有効成分で作製された組成物(実施例III)の驚くほど高い有効性を明らかに実証している。これらの結果はまた、重炭酸ナトリウムが、親水性漂白剤粒子と組み合わされたときに、漂白有効性に及ぼす驚くほど大きな影響も明らかに実証している。
実施例II及び比較例IIの臨床的漂白有効性
本明細書にて指定された臨床プロトコルに従って実施例IIの漂白有効性を測定した。具体的には、これは過去に、専門家のホワイトニング処置、薬局窓口での処方箋なしのホワイトニング処置、又は治験的な歯のホワイトニング処置を受けたことがない大人に実施された単一施設の臨床試験であった。全ての参加者は、少なくとも18歳であり、4つの全ての測定可能な上顎部門歯を有しており、かつ歯の刺激敏感性の自己報告を有さなかった。
・実施例II(参加者20人、平均L*が72.7、及び平均b*が15.4
参加者の上顎前歯は、送達支持材料としてのポリエチレンのストリップを使用して、口腔用組成物により、日に1回、60分間処置された。ポリエチレンのストリップは、66mm×15mmのサイズであり、かつ0.0178mmの厚さであった。上顎前歯に塗布することに先立って、0.6g~0.8gの口腔用組成物を、ポリエチレンの各ストリップにわたって塗布した。
上顎ストリップの分配及び全ての参加者は、臨床現場のスタッフにより監督された。各処置に関して、参加者は、口腔用組成物を伴うストリップを全体で60分間装着した。各ストリップの装着の50分後、訓練された衛生士が、上顎前歯の前面に向かって、10分間、電磁放射線を適用した。電磁放射線を、ストリップ及び口腔用組成物を介して歯に向けた。電磁放射線は、本明細書の表題「臨床プロトコル」の項目にて記載された電磁放射線源を使用して、送達された。電磁放射線が上顎前歯に向かって通過する、透明な窓部の出口表面において出る電磁放射線の各円錐体の中央軸線において測定された、400~500nmの電磁放射線の強度は、本明細書にて開示した手順により測定された際に、約175mW/cm2~約225mW/cm2と測定された。デジタル画像は、基線で、並びに1回目、2回目、及び3回目の処置の翌日に収集された。
実施例IIで治療された参加者は、全ての試験時間点において、基線に対して、統計的に有意な(p<0.001)、漸次的な黄色度の減少(-Δb*)を示し、更に、明るさの増加(ΔL*)が、2回目及び3回目の処置の翌日にこのグループで観察された(p<0.001)。
水性ゲル中で5.25%のH2O2の最終濃度を含有する、第2の比較組成物(比較例II-5.25%のH2O2を伴う、Crest Whitestrips歯ホワイトニングストリップ製品)の漂白有効性を、臨床試験において測定した。具体的には、比較例II用の試験が制御され、単一集中式の臨床試験となる。この標的集団は、以前に歯のホワイトニングの履歴がない大人の参加者である。参加者は、ポリエチレンのストリップ上に送達された、5.25%のH2O2(比較例II)を伴う上記の比較水性ゲルにより、処置された。グループ(参加者20人、平均L*72.8、及び平均b*16.4)は、14日間、1日に一度、60分間、ストリップを装着した。デジタル画像は、基線にて、また第7日目、第14日目の処置後の日に、得られた。60分間(前述の臨床における実施例IIと同じ長さの時間)、ストリップ上に送達された比較例II(5.25%のH2O2を伴う水性ゲル)を装着したグループの結果を、表4に示す。
7回の処置後、比較例II(60分間、ストリップ上に送達された5.25%のH2O2を伴う水性ゲル)は、-0.985の黄色度の平均変化を発生させたが、実施例II(同様に、ストリップ上に送達され、かつ電磁放射線源と共に使用される)は、比較例IIに使用される水性ゲルと対比してより低い濃度のH2O2(5.25%のH2O2に対して3%のH2O2)を有するにもかかわらず、たった1回の処置後に-1.14の黄色度の平均変化をもたらした。同様に、14回の処置後、比較例IIは、-1.43の黄色度の平均変化を発生させたが、実施例IIは、水性ゲルと対比してより低い濃度のH2O2(5.25%のH2O2に対して3%のH2O2)を有するにもかかわらず、たった2回の処置後に-1.73の黄色度の平均変化をもたらした。これらの結果はまた、比較例IIに使用される比較水性ゲルと対比してより低い濃度のH2O2(5.25%のH2O2に対して3%のH2O2)を有するにもかかわらず、実施例-II(ストリップ上に送達されて、本明細書に開示された電磁放射線源と共に使用される)の驚くほど高い有効性を明らかに実証している。
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、そのような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。