理論に束縛されるものではないが、驚くべきことに、親水性有効成分粒子は、本明細書にて開示した半固体多相口腔用組成物中に存在する場合、非常に低い濃度にて効果的であることが見出された。本発明は、多相口腔用組成物の約0.001重量%~約50重量%の親水性有効成分粒子と、疎水性相と、を含み、親水性有効成分粒子は、水に可溶性であり、水と接触すると膨潤し、及び/又は水と接触すると有効成分を放出する。
多相組成物は、液体又は半固体疎水性相中の、漂白剤、抗菌剤、及び/又は抗カリエス剤を含む、親水性有効成分粒子の半固体分散物であり得る。理論に束縛されるものではないが、半固体分散物が歯の表面に接触すると、分散物内で安定化された親水性有効成分粒子は、親水性有効成分を歯の表面上の親水性生物膜に送達すると考えられる。これにより、より低い総濃度の有効成分で、歯のホワイトニングなどの活性物質の効力を高めることができる。
「口腔ケア組成物」とは、本明細書で使用するとき、通常の使用過程において、特定の治療剤を全身投与する目的で意図的に嚥下されるものではなく、むしろ、歯の表面又は口腔組織と接触させるのに十分な時間にわたって口腔内に保持される製品を意味する。口腔ケア組成物の例としては、歯磨剤、歯磨ゲル、歯肉縁下用ゲル、マウスリンス、ムース、フォーム、マウススプレー、トローチ剤、チュアブル錠、チューインガム、歯用ホワイトニングストリップ、フロス及びフロスコーティング、口臭予防用溶解ストリップ、義歯用ケア製品、又は義歯用接着製品が挙げられる。口腔ケア組成物はまた、口腔表面に直接適用又は付着するためのストリップ又はフィルム上に組み込まれてもよい。
本明細書で使用される「歯磨剤」という用語は、特に指示がない限り、歯用又は歯肉縁下用ペースト、ゲル、又は液体製剤を包含する。歯磨剤組成物は、単相組成物であってもよく、又は2つ以上の別個の歯磨剤組成物の組合せであってもよい。歯磨剤組成物は、深い縞状、表面的な縞状、多層状、ペーストをゲルで包囲した状態、又はこれらのいずれかの組合せなど、任意の所望の形態であってもよい。2つ以上の別個の歯磨剤組成物を含む歯磨剤中の各歯磨剤組成物は、ディスペンサの物理的に分離された区画内に収容され、同時に分注されてもよい。
用語「不混和性」又は「不溶性」とは、本明細書で使用するとき、1重量部未満の物質が100重量部の第2の物質中に溶解することを意味する。
用語「可溶性」とは、本明細書で使用するとき、100重量部の第2の物質中に溶解し得る物質の最大重量部数である。
用語「相」とは、本発明で使用するとき、連続的又は非連続的であってよく、別の相とは異なる1つ以上の特性を有する、物理的に異なる領域又は複数の領域を意味する。相間で異なってよい特性の非限定例としては、組成、粘度、溶解性、疎水性、親水性、及び混和性が挙げられる。相の例としては、固体、液体、及び気体が挙げられる。
用語「多相口腔用組成物」とは、本明細書で使用するとき、例えば疎水性相における親水性有効成分粒子の分散物などの、互いに不混和性である2つ以上の相の混合物を含む。相は、連続的、非連続的、又はこれらの組合せであってよい。多相口腔用組成物の例としては、懸濁液及びゾルなどの分散物が挙げられる。多相口腔用組成物又は多相口腔用組成物の相は、固体、液体、半固体、又はこれらの組合せであってもよい。特に、本明細書に開示される多相口腔用組成物は、半固体である。多相口腔用組成物の例としては、相が、二重連続性、層状、ストリップ状、マーブル模様状、リボン状、渦巻状、及びこれらの組合せを含む多重連続性である組成物もまた挙げられる。
用語「分散物」とは、本明細書で使用するとき、(1)相のうち少なくとも1つが非連続性であり、かつ、(2)相のうち少なくとも1つが連続性である、半固体多相口腔用組成物の一例である。分散物の例としては、疎水性相中に分散した親水性有効成分粒子が挙げられる。この例では、親水性有効成分粒子及び疎水性相は互いに不混和性であり、親水性有効成分粒子は非連続相であり、疎水性相は連続相である。
用語「異種性混合物」は、本明細書で使用するとき、2種以上の物質の不均質な組合せである。異種性混合物の例としては、疎水性相中に分散された親水性有効成分粒子が挙げられる。異種性混合物は、均質な混合物(溶質が溶媒中に均一に溶解している溶液など)を含まない。
用語「異種性分散物」は、本明細書で使用するとき、2種以上の物質の不均質な組合せである。異種性分散物の例としては、疎水性相中に分散された親水性有効成分粒子が挙げられる。異種性分散物は、均質な分散物(溶質が溶媒中に均一に溶解している溶液など)を含まない。
用語「粒子」は、本明細書で使用するとき、別個の固体又は半固体の材料である。固体粒子は、個々の原子又は分子よりも大きい寸法を有し、典型的には、それらの最大寸法においてサブミクロン~約1ミリメートルである。加えて、粒子は、離散粒子の凝集体に凝集されてもよい。好ましい粒子は、約50nm~約1mmの寸法又は数平均等価直径又は体積平均等価直径を有し得る。
用語「固体」は、本明細書で使用するとき、室温で、(1)容器中に制限されていない場合であっても画定された寸法を有する、又は(2)表面から取り上げられ、その後表面上にまた戻された場合であっても、その元の形状を維持する、材料である。固体の例としては、過酸化尿素、及び過酸化水素とポリビニルピロリドンポリマーとの複合体が挙げられる。
用語「予備形成シート」は、本明細書で使用するとき、口腔内に適合するよう好適に成形されたシートへと形成された組成物を指す。予備形成シートは形成された後に固体となる。
用語「スティック型製品」は、本明細書で使用するとき、処理される表面に適用さたときにその構造的一体性及び形状を保持する、分配容器内に保持された、見かけ上硬い固体材料のバーである組成物を指す。スティックの一部が表面にわたって引かれると、スティック組成物のフィルムが表面に転写される。例としては、リップクリーム及び口紅が挙げられる。
用語「液体」は、本明細書で使用するとき、室温において、(1)重力下で流れる、又は(2)内部に配置される容器の形状をとる、材料である。液体の例としては、鉱油、水、及びシリコーンオイルが挙げられる。
用語「半固体」は、本明細書で使用するとき、室温において、(1)いくつかの固体様特性及びいくつかの液体様特性を有する、又は(2)固体若しくは液体の上記定義を満たす能力が、評価される材料の量に依存し得る、材料である。すなわち、例えば、大きな容器中に配置された少量のワセリンは重力下で流れず、容器の形状をとらない可能性がある(したがって、液体の定義を満たさない)が、しかし、大容器に入れられた大量のワセリンは重力下で流れる可能性があるか、又は容器の形状をとる可能性がある(したがって、液体の定義を満たす)。半固体の例としては、ワセリン、練り歯磨き、シリコーンゲル、マヨネーズ、ローション、及びバターが挙げられる。半固体の例としてはまた、ASTM 937に従って測定された、約10~約500、約25~約300、約50~約250、又は約100~約200の円錐貫入稠度値を有する材料を挙げることができる。半固体の例としては、ASTM法D127に従って測定した融点若しくは滴下融点、又はASTM法D938に従って測定した凝結点が、約40℃~約120℃、約50℃~約100℃、約50°~約90℃、又は約60℃~約80℃である材料も含み得る。好ましい実施形態では、半固体は、処理される表面に適用されるときにその構造的一体性及び形状を保持する、分配容器内に保持されたスティック型製品又は見かけ上堅い固体材料のバーを含まなくてもよい。
用語「粒子を含む半固体分散物」は、本明細書で使用するとき、粒子が半固体相中に分散している分散物の一例である。粒子を含む半固体分散物の例としては、ワセリン中に分散された親水性有効成分粒子が挙げられる。
用語「親水性有効成分粒子」は、本明細書で使用するとき、(a)有効成分を含み、(b)水に可溶性であり、水と接触すると膨潤する(体積及び/又は重量の増加)、及び/又は水と接触すると有効成分を放出する、粒子である。有効成分が放出される場合、有効成分は、液体中に溶解した気体、液体、又は固体であってもよい。加えて、親水性有効成分粒子は、疎水性相に不溶性であってもよい。親水性有効成分粒子又は半固体多相口腔用組成物は、例えば、水、水溶性溶媒、アルコール、カーボポール、ポリアルキレングリコール、湿潤剤、グリセリン、ソルビトール、キシリトール、ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、及びプロピレングリコール、並びにこれらの混合物などの、水溶性、水混和性、又はこれらの組合せである成分を更に含んでもよい。親水性有効成分粒子はまた、水和水又は結晶化溶媒を含んでもよい。これらの成分が親水性有効成分粒子に添加されるか、又は親水性有効成分粒子中に存在する場合、組成物中の親水性有効成分粒子の割合は、これらの成分を除外することによって計算される。非水溶性又は水不混和性充填剤が親水性有効成分粒子又は半固体多相口腔用組成物に添加される場合、組成物中の親水性有効成分粒子の割合は、これらの充填剤を除外することによって計算される。特に、親水性有効成分粒子は、漂白剤、抗菌剤及び/又は抗カリエス剤を含んでもよい。
用語「有効成分」は、本明細書で使用するとき、有益性を提供する親水性有効成分粒子の構成成分である。特に、有効成分は、漂白剤、抗菌剤及び/又は抗カリエス剤を含んでもよい。
用語「漂白剤」は、本明細書で使用するとき、漂白をする漂白剤粒子の構成成分である。例えば、過酸化尿素(過酸化尿素付加物としても知られる)を漂白剤粒子として使用する場合、過酸化尿素粒子の過酸化水素構成成分は漂白剤である。同様に、過酸化水素とポリビニルピロリドン(PVP)ポリマーとの複合体を漂白剤粒子として使用する場合、過酸化水素とポリビニルピロリドン(PVP)ポリマーとの複合体の過酸化水素構成成分は、漂白剤である。
用語「疎水性相」とは、本明細書で使用するとき、水と不混和性である、組成物の全ての構成成分を意味する。加えて、疎水性相は、水に不溶性であってもよい。その上、疎水性相は、例えば、疎水性相中に溶解させた炭化水素溶媒、疎水性相中に溶解させたポリエチレン、疎水性相中に溶解させた微晶蝋、又はこれらの混合物などの、疎水性相における、水溶性である、水混和性である、又はこれらの組合せである成分を更に含んでもよい。特に、疎水性相は、半固体である。非水溶性又は水不混和性充填剤が親水性有効成分粒子又は半固体多相口腔用組成物に添加される場合、組成物中の疎水性相の割合は、これらの充填剤を疎水性相の一部として含むことによって計算される。
用語「ワセリン」は、本明細書で使用するとき、炭化水素の半固体混合物を意味する。ワセリンは、ASTM法D937に従って測定した場合、約10~約500、約25~約300、約50~約250、又は約100~約200の円錐貫入稠度値を有し得る。ワセリンは、約40℃~約120℃、約50℃~約100℃、約50°~約90℃、又は約60℃~約80℃である、ASTM法D127に従って測定した融点若しくは滴下融点、又はASTM法D938に従って測定した凝結点を有する材料も含み得る。
用語「円錐貫入稠度値」は、本明細書で使用するとき、標準円錐体が質量、時間、及び温度の固定条件下で試料を貫通する深さ(10分の1ミリメートル単位)を意味する。円錐貫入稠度値はASTM法D937に従って測定される。
用語「送達支持材料」とは、本明細書で使用するとき、歯の表面に対して半固体多相口腔用組成物を保持するために使用される材料又は器具を含む。送達支持材料の例としては、ストリップ又は歯科用トレイが挙げられる。
用語「ストリップ」とは、本発明で使用するとき、1)その最も長い寸法長さが、一般に、その幅よりも大きい、及び2)その幅が、一般に、その厚さよりも大きい、材料を含む。ストリップは、長方形、アーチ状、湾曲状、半円状であってよく、丸みのある角部を有してよく、その内部に切り込まれたスリットを有してよく、その内部に切り込まれたノッチを有してよく、三次元形状に曲げられていてもよく、又はこれらの組合せであってよい。ストリップは、固体、半固体、表面模様付き、成形性、可撓性、変形可能、永久変形可能、又はこれらの組合せであってよい。ストリップは、ポリエチレンなどのプラスチックシート、又はワックスシートから作製されてよい。ストリップの例としては、約66mmの長さ、15mmの幅、及び0.0178mmの厚さのポリエチレン片が挙げられる。永久変形可能なストリップの例としては、約66mmの長さ、15mmの幅、及び0.4mmの厚さの鋳造ワックスシート片が挙げられる。
粒子を含む半固体分散物であり得る、本明細書の半固体多相口腔用組成物は、局所適用、特に口腔内における局所適用に有用である。例えば、組成物は、口腔ケア組成物であってよい。
本発明で使用するとき、用語「又は」とは、2つ以上の要素の接続詞として使用される場合に、要素を個々に、及び組合せで含むことを意味し、例えば、X又はYは、X若しくはY、又はこれら両方を意味する。
本発明で使用するとき、冠詞「a」及び「an」は、特許請求される又は記載される材料、例えば、「口腔ケア組成物」又は「漂白剤」の1つ以上を意味するものと理解される。
本発明で使用するとき、「安全かつ有効な量」とは、健全な医学/歯学的判断の範囲内で、治療すべき状態を有意に(よい方向に)改変する、又は所望のホワイトニング効果をもたらすのには十分多いが、重篤な副作用を(妥当な利点/危険比にて)回避できるだけ少ない、構成成分の量を意味する。構成成分の安全かつ有効な量は、治療される特別な症状、治療される患者の年齢及び身体状態、症状の重症度、治療期間、併用療法の性質、用いられる特定の形態、並びに構成成分を適用する特別なビヒクルによって変化し得る。
「ホワイトニングを達成するための十分な期間」又は「有効物の所望の効果を達成するのに十分な時間」とは、本明細書で使用するとき、適用当たり、約10秒を超える間、又は約2.5分~約12時間(例えば、一晩中にわたる処置)、若しくは約3分~約180分などの、約1分を超える間、又は約5分~約60分などの、約5分を超える間、又は約10分~約60分などの、約10分を超える間、又は約1、5、10分若しくは15分~約20、30、60、120分の間、又は、そのような狭い数値範囲が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつこのようなより広い数値範囲内に入る、任意の他の数値範囲の間、参加者により組成物が使用される若しくは装用される、又は参加者が組成物を使用する若しくは装用するように指示されることを意味する。加えて、処置は、1日に約1、2又は3回~1日に約4、5、6又は7回適用されてよい。この処置は、約1、2、3、4、5、6、若しくは7日~約8、9、10、11、12、13、14、21、若しくは28日にわたって、又はそのようなより狭い数値範囲が本明細書に全て明示的に記載されているかのように、より狭く、かつこのようなより広い数値範囲内に入る任意の他の数値範囲にわたって適用されてもよい。更に、所望の利点、例えば、歯のホワイトニングを達成するための処置の長さは、は、特定の期間の間持続し、必要に応じて、例えば、約1日~約6か月、特に、約1日~約28日、又は約7日~約28日の間繰り返されてよい。適用の最適な持続時間及び頻度は、所望の効果、処置される任意の病態の重症度、ユーザの健康及び年齢、並びに同様の留意事項に依存する。
用語「ディスペンサ」とは、本発明で使用するとき、口腔ケア組成物を分配するための、任意のポンプ、チューブ、又は容器を意味する。
用語「μm」又は「マイクロメートル」は、本発明で使用するとき、マイクロメートルを意味する。
粒子の、用語「等しい寸法」とは、本明細書で使用するとき、粒子と同一の体積を有する球体の寸法を意味する。
本明細書にて以後使用される全ての割合及び比率は、特に指示がない限り、組成物全体の重量%(wt%)である。本明細書で言及される成分の全ての割合、比率、及び濃度は、特に指示がない限り、成分の実際の量に基づき、市販製品として成分に組み合わされている場合がある溶媒、充填剤、又はその他の物質を含まない。
特に指示がない限り、本明細書で言及される測定は、全て約23℃(すなわち、室温)で行われる。
本明細書にて有用な「有効物質及び他の成分」は、美容的及び/若しくは治療的な効果、又はそれらの想定される作用様式若しくは機能によって、本明細書中で分類又は記述されてよい。しかし、本明細書にて有用な有効物質及びその他の成分が、場合によっては、2つ以上の美容的及び/又は治療的効果をもたらす、あるいは2つ以上の作用様式で機能又は作用してよいことを理解すべきである。したがって、本明細書における分類は便宜上実施されるものであり、成分を列挙される具体的に規定された機能又は作用に制限しようとするものではない。
用語「歯」とは、本発明で使用するとき、天然歯、並びに人工歯又は義歯を意味し、1つの歯又は複数の歯を含むものと解釈される。したがって、用語「歯の表面」とは、本発明で使用するとき、天然歯の表面(複数可)、並びに人口歯の表面(複数可)又は義歯の表面(複数可)を意味する。
用語「経口で受容可能な支持材料」とは、口腔内にて使用するのに好適な1つ以上の相溶性のある固体若しくは液体賦形剤、又は希釈剤を含む。用語「相溶性」とは、本発明で使用するとき、組成物の成分が、組成物の安定性及び/又は有効性を実質的に低下させるような方式で相互作用することなく、混合され得ることを意味する。
用語「約」は、±10%を意味する。
多相口腔用組成物
本明細書に開示される半固体多相口腔用組成物は、疎水性相中に分散された親水性有効成分粒子を含む。本明細書に開示される半固体多相口腔用組成物は、疎水性相中に分散された親水性漂白剤粒子などの親水性有効成分粒子を含む半固体分散物であり得る。
親水性有効成分粒子を含む分散物の場合、親水性有効成分粒子の粒子のサイズは、漂白剤が使用される場合に口腔内/局所的刺激を減少させる、歯の知覚過敏を低下させる、又は漂白有効性を増加させる要因であり得る。理論に束縛されるものではないが、親水性有効成分粒子のサイズが大きすぎる場合、高濃度の有効成分に曝される口腔/局所/歯表面上に、大型の斑点をもたらす場合があり、引き続いてこれが、口腔内/局所的過敏、及び/又は歯の知覚過敏をもたらす場合がある。例えば、親水性有効成分粒子の数平均等価直径、表面積平均等価直径、又は体積平均等価直径は、約0.001マイクロメートル、0.01マイクロメートル、0.1マイクロメートル、1マイクロメートル、5マイクロメートル、10マイクロメートル、50マイクロメートル、100マイクロメートル、500マイクロメートル、若しくは1000マイクロメートル以下、又は、そのようなより狭い数値範囲が本明細書に全て明示的に記載されているかのように、より狭く、かつこのようなより広い数値範囲内に入る任意のその他の数値範囲であってもよい。特に、親水性有効成分粒子の数平均等価直径、表面積平均等価直径、又は体積平均等価直径は、約0.001マイクロメートル~約1000マイクロメートル、好ましくは約0.01マイクロメートル~約1000マイクロメートル、より好ましくは約0.1マイクロメートル~約100マイクロメートル、及び最も好ましくは約1マイクロメートル~約100マイクロメートル、又は、そのようなより狭い数値範囲が本明細書に全て明示的に記載されているかのように、より狭く、かつこのようなより広い数値範囲内に入る、任意の他の数値範囲であってもよい。高い密度の大きな親水性有効成分粒子を有する組成物は、口腔内/局所的過敏、及び/又は歯の知覚過敏をもたらす場合がある。例えば、約1000、3000、10000、20000、又は50000平方マイクロメートルより大きい断面積を有する親水性有効成分粒子の二次元の密度は、二次元平面の平方センチメートル当たり、約100、50、25、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1、又は0.5以下であってよい、又は、そのようなより狭い数値範囲が本明細書に全て明示的に記載されているかのように、より狭く、かつこのようなより広い数値範囲内に入る、任意の他の数値範囲であってもよい。特に、約10000平方マイクロメートルより大きい断面積を有する親水性有効成分粒子の二次元の密度は、二次元平面の平方センチメートル当たり、約25以下、好ましくは10以下、より好ましくは5以下、また最も好ましくは1以下、又は、そのようなより狭い数値範囲が本明細書に全て明示的に記載されているかのように、より狭く、かつこのようなより広い数値範囲内に入る、任意の他の数値範囲であってもよい。
親水性有効成分粒子及び疎水性相の構成成分及び特性は、有効成分が組成物から容易に放出されることを可能にするように選択される。
理論に束縛されるものではないが、親水性漂白剤粒子を含む半固体分散物などの本発明が歯表面と接触した場合、親水性漂白剤粒子が歯表面に移動して、漂白剤を表面の親水性生物膜に送達すると考えられる。可能性のある正味効果は、歯の処置効果が、処置される歯の表面に接触した後のみに開始されるということである。すなわち、親水性有効成分は、環境の影響から保護され、それによって、使用するまで半固体多相口腔用組成物の疎水性相により、また潜在的に、使用中にフィルム又は層の形態の疎水性相により、安定化することができる。したがって、活性効果が歯の表面に適用されることができ、また親水性有効成分、例えば、漂白剤は、使用中の口腔環境から潜在的に遮断されることができる。それによって、半固体多相口腔用組成物の有効性を高める及び/又は促進することができる。
理論に束縛されることを更に望むものではないが、本発明は、組成物の部分的疎水性及び部分的親水性の性質により、歯又は歯肉表面などの口腔表面への親水性有効成分の送達を改善することができる。送達の改善からもたらされる推進力故に、親水性有効成分粒子は、歯の表面に向かって推進され得る。したがって、驚くほど低い総量の漂白剤が使用されるにもかかわらず、有効成分の速度の増大及び/又は有効性の増大が、達成され得る。本発明は、したがって、0.1重量%、0.1重量%、1重量%、若しくは5重量%未満、又はそれら以下の有効成分などの所与の全体の総濃度にて、著しく高いレベルの処置有効性を送達することができ、同程度の有効性を得るために必要な適用がより少なくて済む場合があり、又は同程度の有効性を得るために必要なゲル装填(単位面積当たりのゲルのミリグラム)がより少なくて済む場合がある。理論に束縛されることを望むものではないが、本発明の半固体多相口腔用組成物によって送達される高い有効性の理由の一部は、それらが歯に対して自己接着性又は自己持続性であり、唾液又は他の液体中で洗い流されにくいためであり得ると考えられる。これにより、歯表面又は口腔内などの口腔表面と接触している漂白剤などの有効成分を長期間にわたって維持することができ、したがって、高い有効性がもたらされる。口腔内の表面は湿っているので、口腔に対して接着性又は持続性な物質は、一般に、親水性であることは注目に値する。また、いくつかの製品形態、特にスティック型製品が、口腔内の表面に組成物を接着させるために添加された持続性剤を必要とする場合があることも注目すべきである。しかしながら、驚くべきことに、本発明の半固体多相口腔用組成物及び/又は本発明の疎水性相は、添加された接着剤(例えば、水分によって活性化されたときに粘着性になる親水性粒子、又は親水性の液体)又は添加された持続性剤がなかったとしても、歯表面などの口腔内の表面に対して自己接着性又は自己持続性であることが見出された。添加された親水性接着剤又は親水性持続性剤を使用せずに接着性又は持続性を達成することは、唾液又は他の液体中で洗い流されにくい半固体多相口腔用組成物を作製するのに役立ち得るため、すなわち、より効果が高くなるため、特に有用である。これは、添加された親水性接着剤又は添加された親水性持続性剤を使用せずに接着性又は持続性を達成することにより、疎水性構成成分(洗い流されにくい)の濃度を増加させること、及び/又は親水性構成成分(洗い流されやすい)の濃度を減少させることが可能になり得るためである。反直感的に、これは、半固体多相口腔用組成物の持続性を増加させるのに役立つ可能性があり、高濃度の有効成分又は漂白剤が歯表面又は口腔内などの口腔表面と長時間接触し、これが結果として、高い有効性につながる。更に、理論に拘束されることを望むものではないが、親水性液体もまた、半固体多相口腔用組成物から浸出し、消費者による使用の前に、半固体多相口腔用組成物が製造、充填、輸送、又は貯蔵中(例えば、1日、2日、1週間、2週間、1か月、2か月、3か月、6か月、12か月、18か月、又は24か月)に曝され得る温度(例えば、-7℃、4℃、23℃、25℃、30℃、40℃、50℃、又は60℃)及び条件で、1つ以上の構成成分の巨視的分離をもたらし得ると考えられる。これは、親水性液体が疎水性相によって撥液されて、半固体多相口腔用組成物から押し出され得るためである。したがって、好ましくは、本発明の半固体多相口腔用組成物及び/又は本発明の疎水性相は、添加された接着剤を実質的に含まず、好ましくは、添加された親水性接着剤(例えば、水分によって活性化されると粘着性になる親水性粒子)又は添加された親水性持続性剤を実質的に含まず、より好ましくは、添加された親水性液体接着剤(例えば、グリセリン)を実質的に含まない。好ましくは、本発明の半固体多相口腔用組成物及び/又は本発明の疎水性相は、歯表面などの口腔に対して自己接着性又は自己持続性である。
また、いくつかの製品形態、特にスティック型製品が、スティック型製品中に捕捉された活性物質又は過酸化物の放出を改善するために、添加された活性物質放出剤又は添加された過酸化物放出剤を必要とする場合があることも注目すべきである。一般に、活性物質放出剤又は過酸化物放出剤は、組成物に水を浸透させ、活性物質又は過酸化物を浸出させることができる組成物中の水和チャネルを提供し得る、親水性水溶性若しくは水膨潤性ポリマー又は親水性液体である。特定の実施形態では、添加された過酸化物放出剤(過炭酸ナトリウムなど)は、水と接触した場合に生成され得る微小気泡の結果として疎水性マトリックスを破壊するのに役立つことがあり、この崩壊は、過酸化水素などのホワイトニング剤又は有効成分の放出を強化することができる。しかしながら、驚くべきことに、本発明の半固体多相口腔用組成物は、好ましくは自己放出型である(例えば、添加された活性物質放出剤又は添加された過酸化物放出剤を有しなくても活性物質又は過酸化物を放出する)ことが見出された。添加された親水性活性物質放出剤又は添加された親水性過酸化物放出剤を使用せずに活性物質又は過酸化物放出を達成することは、唾液又は他の液体中で洗い流されにくい半固体多相口腔用組成物の製造を助けることができ、したがって、高い有効性がもたらされるため、特に有用である。これは、添加された親水性活性物質放出剤又は添加された親水性過酸化物放出剤を使用することなく活性物質又は過酸化物放出を達成することにより、疎水性構成成分(洗い流されにくい)の濃度を増加させ、及び/又は親水性成分(洗い流されやすい)の濃度を減少させることができるからである。したがって、好ましくは、本発明の半固体多相口腔用組成物は、添加された活性物質放出剤又は添加された過酸化物放出剤を実質的に含まず、好ましくは、添加された親水性活性物質放出剤又は添加された親水性過酸化物放出剤(例えば、水溶性又は水膨潤性ポリマー、親水性液体、又は過炭酸ナトリウム)を実質的に含まない。特に、本発明の多相口腔用組成物及び/又は本発明の疎水性相は、自己放出性である(すなわち、それらは添加された活性物質放出剤又は添加された過酸化物放出剤がなくとも活性物質又は過酸化物を放出する)。
本発明の半固体多相口腔用組成物は、添加された接着剤、添加された親水性接着剤、添加された親水性液体接着剤、添加された親水性持続性剤、添加された親水性活性物質放出剤、又は添加された親水性過酸化物放出剤を含む場合、こうした剤は、多相口腔用組成物の約0、0.1、0.2、0.4、1、2、3、4、5~約0、0.1、0.2、0.4、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20%又は、そのようなより狭い数値範囲が本明細書に全て明示的に記載されているかのように、より狭く、かつこのようなより広い数値範囲内に入る、任意の他の数値範囲で、好ましくは、約20重量%未満、より好ましくは約10重量%未満、更により好ましくは約5重量%未満、又は最も好ましくは約0.5重量%未満で存在し得る。
加えて、疎水性相は、唾液による希釈、及び過酸化物を分解することが可能な唾液の酵素に抵抗するため、歯の表面上における半固体多相口腔用組成物の保持力が向上し得る。なお更に、疎水性相は、歯を脱水させず、ポリカルボン酸などの親水性接着剤を含有する多数の親水性組成物により生成された水の外方向への流動を発生させる。疎水性相は歯を脱水させないため、なおも著しく高いレベルのホワイトニング又は活性有効性を送達しつつ、歯の知覚過敏を著しく低くすることができる。
更に、疎水性相は、更なる利点を提供し得る。例えば、疎水性相は、疎水性相において可溶性である成分のための、安定したマトリックスを表す。例えば、通常、口腔用組成物にて使用される多くの香料成分は、疎水性相において可溶性である。すなわち、香料成分は、口腔用組成物中の親水性有効成分、例えば漂白剤の影響から保護され得る。更に、歯の表面における口腔用組成物の使用中に、疎水性相の少なくとも一部は、理論に束縛されるものではないが、粘膜などの口腔軟組織に向けて配置されてよく、しそれによって、香料組成物などの疎水性相中に存在する成分を、口腔へと提供する。更に、疎水性相は、唾液による希釈などの口腔からのあらゆる影響から、漂白剤などの親水性有効成分を遮蔽することができる。遮蔽効果はまた、歯の表面(複数可)それ自体に適用されてよく、疎水性相は、歯の表面のより高い水和を与える。
本発明の半固体多相口腔用組成物は、ペースト、クリーム、ゲル、半固体、粘弾性ゲル、ゾル、又はこれらの任意の組合せであってもよい。
スティック型製品は、口腔内で繰り返し使用されるため、潜在的な汚染又は生物膜の蓄積に起因して、不衛生となり得ることに注目すべきである。唾液又は水分は、口腔内で使用される場合にスティック型組成物に浸透することがあり、これは、使用間の保管中に有効成分、特に過酸化物などの漂白剤を分解することがあり、この分解は、唾液中に存在する酵素によって更に促進され得る。更に、この分解は、口腔内の唾液又は水分と直接接触するスティック型製品の先端において最も顕著であり得、スティック型製品が使用される次の時点での有効性の低下をもたらす。この「接触・劣化・接触」サイクルは、スティック型製品が使用されるたびに繰り返される可能性があり、最初の適用後の、全てではないとしてもほとんどの適用が、効果的でなくなる。また、スティック型製品は、スティック型製品中に捕捉された活性物質又は過酸化物の放出を改善するために、添加された活性物質放出剤又は添加された過酸化物放出剤を必要とする場合があることにも注目すべきである。一般に、活性物質放出剤又は過酸化物放出剤は、組成物に水を浸透させることができ、かつ活性物質又は過酸化物構成成分を浸出させることができる組成物中の水和チャネルを提供し得る、親水性水溶性若しくは水膨潤性ポリマー又は親水性液体である。しかしながら、これらのチャネルはまた、より多くの唾液が組成物に浸透することを可能にし得、これは活性物質又は過酸化物の分解を促進し得る。
液体形態の多相口腔用組成物は、相の密度の差に起因して、1つ以上の構成成分の巨視的な分離を示し得ることに注目すべきである。具体的には、1つ以上の液体中に分散した粒子である組成物は、液体と比較した粒子の密度の差に起因して、1つ以上の構成成分の巨視的な分離を呈し得る。更に、液体形態の多相口腔用組成物は実体的であり得えず、適用中若しくは使用中に歯から流れ落ちる、又は送達支持材料から流れ出る場合がある。
したがって、スティック型製品又は液体形態は、本発明の多相口腔用組成物にとってあまり好ましくないか、又は好ましくない。対照的に、本発明の多相口腔用組成物は、好ましくはペースト、クリーム、ゲル、半固体、又はこれらの任意の組合せであってもよく、最も好ましくは半固体であってもよい。したがって、本発明の半固体多相口腔用組成物は、好ましくは添加されたワックスを実質的に含まないが、これは、ワックスが、あまり好ましくない又は好ましくないスティック型製品の形成を促進し得るためである。
好ましい実施形態では、本発明の半固体多相口腔用組成物は、異種性混合物及び/又は異種性分散物であってもよい。
活性剤
本発明の組成物は、安全かつ有効な量の1種以上の有効成分を含む。固体親水性有効成分粒子は、安全かつ有効な量の1種以上の有効成分を含み得る。好適な有効成分としては、口腔内での使用に一般に安全であると見なされ、口腔の全体的な外観又は健康に変化をもたらす任意の材料が挙げられる。他の好適な口腔ケア有効成分としては、1種以上の治癒剤(複数可)、抗結石剤(複数可)、フッ化物イオン源、抗菌剤(複数可)、再石灰化剤(複数可)、象牙質減感剤、麻酔剤(複数可)、抗真菌活性物質(複数可)、冷却剤、抗炎症剤(複数可)、選択的H-2アンタゴニスト(複数可)、抗カリエス剤(複数可)、栄養物(複数可)、エリスリトール、プロバイオティクス、エイコサペンタエン酸(EPA)及びドコサヘキサエン酸(DHA)を含むレゾルビン、並びにドコサペンタエン酸(DPA)クルパノドン酸、レゾルビンD’s RvD1(7S,8R,17S-トリヒドロキシ-DHA)、RvD2(7S,16R,17S-トリヒドロキシ-DHA)、RvD3(4S,7R,17S-トリヒドロキシ-DHA)、RvD4(4S,5,17S-トリヒドロキシ-DHA)、RvD5(7S,17S-ジヒドロキシ-DHA)、及びRvD6(4S,17S-ジヒドロキシ-DHA)、及びレゾルビンE’s:RvE1(5S,12R,18R-トリヒドロキシ-EPA)、18S-Rv1(5S,12R,18S-トリヒドロキシ-EPA)、RvE2(5S,18R-ジヒドロキシ-EPA)、及びRvE3(17R,18R/S-ジヒドロキシ-EPA)、トラネキサム酸、グリシン、レチノール、アミノ酸、例えばヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、スレオニン、トリプトファン、バリン、アラニン、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン、システイン、グルタミン、チロシン、グリシン、オルニチン、プロリン、及びセリンなど、ペプチド、アミノ酸のカルシウム塩、並びにペプチド、ナイアシンアミド、ヒト成長因子、及びこれらの混合物が挙げられる。口腔ケア親水性有効成分粒子は、直接使用する場合に、装着者により求められる利点が、それが適用される口腔の表面に有害な影響を与えることなく促進されるレベルで、活性物質を含有してよい。これらの活性物質が対処する口腔状態の例としては、歯の外見及び構造変化、着色の除去、歯垢の除去、歯石の除去、口腔予防及び治療、炎症性の歯茎及び/又は終結性の歯茎、粘膜の傷、損傷、潰瘍、アフタ性潰瘍、単純疱疹、歯の膿瘍、並びに上記の状態及び細菌の増殖などのその他の原因からもたらされる口臭の除去が挙げられるが、これらに限定されない。好ましい実施形態では、半固体多相口腔用組成物において使用されてよい追加の口腔ケア有効成分の濃度は、多相口腔用組成物の約0.01重量%~約50重量%、約0.1重量%~約20重量%、約0.5重量%~約10重量%、若しくは約1重量%~約7重量%、又は、そのようなより狭い数値範囲が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつこのようなより広い数値範囲内に入る、任意の他の数値範囲であってよい。
例えば、口腔ケア有効成分は、治癒若しくは再生プロセスを促進又は増強する、治癒剤であってもよい。このような治癒剤は、ヒアルロン酸又はその塩、グルコサミン又はその塩、アラントイン、クルクミン、Dパンテノール、ナイアシンアミド、エラグ酸、フラボノイド(フィセチン、ケルクチン、ルテオリン、アピゲニンを含む)、ビタミンE、ユビキノン、又はこれらの混合物を含んでもよい。
加えて又はあるいは、口腔ケア有効成分は、ラクトバシラス・ロイテリATCC55730、ラクトバシラス・サリバリウス株TI12711(LS1)、ラクトバシラス・パラカセイADP-1、ストレプトコッカス・サリバリウスK12、ビフィドバクテリウムDN-173 010、L.パラカセイ株(pro-t-action(商標))の濾液、ストレプトコッカス・オラーリスKJ3、ストレプトコッカス・ラッタスJH145、ストレプトコッカス・ウベリスKJ2、ラクトバシラス、ロイテリProdentis、ラクトバシラス・サリバリウスLS1、ラクトバシラス・パラカセイ、ラクトバシラス・パラカセイADP1、ストレプトコッカス・サリバリウスM18、K12、又はBLIS K12及びBLIS M18、バシラス・アミロリケファシエンス、バシラス・クラウジ、バシラス・コアギュランス、バシラス・サブチリス、バシラス・サブチリス:E-300、ビフィドバクテリウム・アニマリス、ビフィドバクテリウムB6、ビフィドバクテリウム・ビフィダム、ビフィドバクテリウム・ブレヴェ(Bb-03)、ビフィドバクテリウムDN-173 010、ビフィドバクテリウムGBI30 6068、ビフィドバクテリウム・インファンティス、ビフィドバクテリウム・ラクティス、ビフィドバクテリウム・ラクティスBb-12、ビフィドバクテリウム・ロンガム、ビフィドバクテリウム・サーモフィラム、エンテロコッカス・フェカーリス、エンテロコッカス・フェシウム、エンテロコッカス・フェシウムNCIMB10415、エンテロコッカスLAB SF68、ラクトバシラス・ロイテリATCC55730及びATCC PTA5289、ラクトバシラス・ロイテリATCC55730及びATCC PTA5289(10:1)、ラクトバシラス・アシドフィルス、ラクトバシラス・アシドフィルスATCC4356及びビフィドバクテリウム・ビフィダムATCC29521、ラクトバシラス・アシドフィルス、ビフィドバクテリウム・ロンガム、ビフィドバクテリウム・ビフィダム、ビフィドバクテリウム・ラクティス、ラクトバシラス・ブレビス、ラクトバシラス・カゼイ(亜種、Casi)、ラクトバシラス・カゼイ・シロタ、ラクトバシラス・コンフスス、ラクトバシラス・クリスパタスYIT12319、ラクトバシラス・クルヴァトゥス、ラクトバシラス・デルブリッキSsp.ブルガリクスPXN39、ラクトバシラス・ファーメンタム、ラクトバシラス・ファーメンタムYIT12320、ラクトバシラス・ガセリ、ラクトバシラス・ガセリYIT12321、ラクトバシラス・ヘルベティカス、ラクトバシラス・ジョンソニー、ラクトバシラス・キムチ、ラクトバシラス・ラクティスL1A、ラクトバシラス・パラカセイ(Lpc37)、ラクトバシラス・パラカセイGMNL-33、ラクトバシラス・ペントサス、ラクトバシラス・プランタルム、ラクトバシラス・プランタルム、ラクトバシラス・プロテクタス、ラクトバシラス・ロイテリ、ラクトバシラス・ロイテリATCC55730、ラクトバシラス・ロイテリSD2112(ATCC55730)、ラクトバシラス・ラムノサス(GG)、ラクトバシラス・ラムノサスGG、ラクトバシラス・ラムノサスGG、L.ラムノサスLC705、プロピオニバクテリウム・フロイデンライヒssp、シェルマニJS、ラクトバシラス・ラムノサスL8020、ラクトバシラス・ラムノサスLB21、ラクトバシラス・サリバリウス、ラクトバシラス・サリバリウスWB21、ラクトバシラス・スポロゲネス、ラクトコッカス・ラクティスSspジアセチラクチス、ラクトコッカス・ラクティスSsp.ラクティス、ペディオコッカス・アシディラクティシ、ペディオコッカス・ペントサセウス、サッカロミセス・ブラウディ、サッカロミセス・ケレウィシアエ、ストレプトコッカス・ウベリスKJ2sm、ストレプトコッカス・オラーリスKJ3sm、ストレプトコッカス・ラッタスJH145、ストレプトコッカス・ミチスYIT12322、ストレプトコッカス・オラーリスKJ3、ストレプトコッカス・ラッタスJH145、ストレプトコッカス・サリバリウス(BLIS K12、又はBLIS M18)、ストレプトコッカス・サリバリウスK12、ストレプトコッカス・サーモフィラス、ストレプトコッカス・ウベリスKJ2、サーマス・サーモフィルス、ワイセラチバリアCMS2、ワイセラチバリアCMS3、及びワイセラチバリアCMU、から選択される、1種以上のプロバイオティクスであってよい。
本発明の半固体多相口腔用組成物においてプロバイオティクスを使用することで、カリエス及び歯垢の減少、歯肉の健康の促進、口臭の改善、及びホワイトニングの促進などの、肯定的な口腔内の衛生効果を促進することができる。半固体多相口腔用組成物におけるプロバイオティクスの有効性は、例えば、次の1種以上:唾液のミュータンスレンサ球菌レベルの低下、歯肉溝滲出液の減少、歯肉縁下の歯垢内の歯周病原菌(カンピロバクター・レクタス、及びポルフィロモナス・ジンジバリス)の減少、酵母数の減少、口腔カンジダ有病率の減少、口腔の揮発性イオウ化合物(VSC)レベルの減少、及びTNF-α及びIL-8の生成の減少、を測定することにより、決定することができる。理論によって制限されるものではないが、上記の1つ以上の肯定的な口腔衛生効果は、口腔内の特定の種類の細菌を除去する又は減少させる細菌毒素の生成を介して達成されてよい、と考えられており、更に、上記の1つ以上の肯定的な口腔衛生効果は、衛生問題をもたらし得る生物膜又は粘着性の堆積物の生成若しくは溶解/緩みを抑制する1種以上の酵素の細菌生成を介して、達成されてよい。
加えて又はあるいは、安全かつ有効な量の少なくとも1つの抗結石剤が、本明細書に開示される組成物に添加されてもよい。当該量は、多相口腔用組成物の約0.01重量%~約40重量%、約0.1重量%~約25重量%、約4.5重量%~約20重量%、若しくは約5重量%~約15重量%、又は、そのようなより狭い数値範囲が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつこのようなより広い数値範囲内に入る、任意の他の数値範囲であってもよい。抗結石剤はまた、半固体多相口腔用組成物のその他の構成成分、特に、有効成分、例えばホワイトニング剤と相容性であってもよい。抗結石剤はまた、ポリホスフェート及びその塩、ポリアミノプロパンスルホン酸(AMPS)及びその塩、ポリオレフィンスルホネート及びその塩、ポリビニルホスホネート及びその塩、ポリオレフィンホスホネート及びその塩、ジホスホン酸及びその塩、ホスホノアルカンカルボン酸及びその塩、ポリホスホネート及びその塩、ポリビニルホスホネート及びその塩、ポリオレフィンホスホネート及びその塩、ポリペプチド、並びにこれらの混合物からなる群から選択することができ、前述の塩は、通常、アルカリ金属塩である。特に、本発明の半固体多相口腔用組成物において使用される抗結石剤はまた、親水性有効成分、例えば、ピロホスフェート、ポリホスフェート、ポリホフォネート、及びこれらの混合物などの漂白剤に対する安定化効果を示す。
例えば、抗結石剤は、ポリホスフェートであってよい。ポリホスフェートは一般に、主に直鎖構造に配置された2つ以上のホスフェート分子を含むと理解されているが、いくつかの環状誘導体が存在する場合もある。直鎖ポリホスフェートは(X PO3)nに対応し、式中、nは約2~約125であり、好ましくは、nは4超であり、またXは、(X PO3)nに関して、例えば、ナトリウム、カリウム等であり、nが少なくとも3である場合に、ポリホスフェートはガラス質の特性を有する。これらのホスフェートに関する対イオンは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、C2~C6アルカノールアンモニウム及びその塩混合物であってよい。ポリホスフェートは、一般に、カリウム塩、ナトリウム塩、アンモニウム塩、及びこれらの混合物のような、全体的に又は部分的に中和された水溶性アルカリ金属塩として使用される。無機ポリホスフェート塩としては、アルカリ金属(例えば、ナトリウム)トリポリホスフェート、テトラポリホスフェート、二酸ジアルキル金属(例えば、二ナトリウム)、一酸トリアルキル金属(例えば、三ナトリウム)、リン酸水素カリウム、リン酸水素ナトリウム、及びアルカリ金属(例えば、ナトリウム)ヘキサメタホスフェート、及びこれらの混合物が挙げられる。テトラポリホスフェートよりも大きいポリホスフェートは、通常、商業的にSodaphos(n≒6)、Hexaphos(n≒13)、ガラスH(n≒21)、及びこれらの混合物と知られる、FMC Corporationにより製造されるようなものなどの、非晶質ガラス状材料として発生する。存在する場合、本発明の組成物は、一般に、組成物の約0.5重量%~約20重量%、特に約4重量%~約15重量%、より特に約6重量%~約12重量%のポリホスフェートを含み得る。
本組成物に有用なピロホスフェートとしては、アルカリ金属ピロホスフェート、ジ-、トリ-及びモノ-ピロリン酸カリウム又はピロリン酸ナトリウム、ジアルカリ金属ピロリン酸塩、テトラアルカリ金属ピロリン酸塩、及びこれらの混合物が挙げられる。例えば、ピロリン酸塩は、ピロリン酸三ナトリウム、ピロリン酸二水素二ナトリウム(Na2H2P2O7)、ピロリン酸二カリウム、ピロリン酸四ナトリウム(Na4P2O7)、ピロリン酸カリウム(K4P2O7)、及びこれらの混合物からなる群から選択され、ピロリン酸四ナトリウムが好ましい。ピロリン酸四ナトリウムは、無水塩形態若しくは十水和物形態、又は本発明の組成物において固体形態で安定している任意のその他の種であってよい。本塩は固体粒子形態であり、これは、塩の粒径が、好ましくは、審美的に許容可能であり、かつ使用中速やかに可溶するのに十分に小さい結晶状態及び/又は非晶質状態であってよい。本発明の組成物におけるピロリン酸塩の濃度は、組成物の約1.5重量%~約15重量%、特に約2重量%~約10重量%、またより特に約3重量%~約8重量%であってよい。
ホスフェート源は、ポリホスフェート及びピロリン酸塩を含むが、これらに限定されず、Kirk&Othmer、Encyclopedia of Chemical Technology、第4版、第18巻、Wiley-Interscience Publishers(1996年)、685~707頁により詳細に記載されている。
ポリオレフィンホスホネートとしては、オレフィン基が2個以上の炭素原子を含有するものが挙げられる。ポリビニルホスホネートとしては、ポリビニルホスホン酸が挙げられる。ジホスホネート及びその塩としては、アゾシクロアルカン-2,2-ジホスホン酸及びその塩、アゾシクロアルカン-2,2-ジホスホン酸及びその塩のイオン(アルカン部分が、5、6、又は7個の炭素原子を有し、窒素原子が非置換である、又は低アルキル置換基、例えばメチルを送達するようなものなど)、アザシクロヘキサン-2,2-ジホスホン酸、アザシクロペンタン-2,2-ジホスホン酸、N-メチル-アザシクロペンタン-2,3-ジホスホン酸、EHDP(ヒドロキシエタン-1,1、-ジホスホン酸)、AHP(アザシクロヘプタン-2,2-ジホスホン酸、別名1-アザシクロヘプチリデン-2,2-ジホスホン酸)、エタン-1-アミノ-1,1-ジホスホネート、ジクロロメタンジホスホネートなどが挙げられる。ホスホノアルカンカルボン酸又はそのアルカリ金属塩としては、それぞれが酸又はアルカリ金属塩である、PPTA(ホスホノプロパントリカルボン酸)、PBTA(ホスホノブタン-1,2,4-トリカルボン酸)が挙げられる。
加えて又はあるいは、抗菌抗歯垢剤が、本発明の組成物中に存在してもよい。このような薬剤としては、トリクロサン、ホップ抽出物からのホップの酸、例えば、フムロン、アドフムロン、コフムロン、ポストフムロン、プレフムロン、及びこれらの組合せを含むホップのアルファ酸、又はルプロン、アドルプロン、コルプロン、及びこれらの組合せを含むホップのベータ酸、並びに米国特許第3,506,720号及び欧州特許出願第0,251,591号に記載されている、The Merck Index、第11版(1989年)第1529頁(登録番号9573)に記載されるような、5-クロロ-2-(2,4-ジクロロフェノキシ)-フェノール;クロルヘキシジン(Merck Index、番号2090)、アレキシジン(メルクインデックス、番号222)、ヘキセチジン(Merck Index、番号4624)、サンギナリン(Merck Index、番号8320)、塩化ベンザルコニウム(Merck Index、番号1066)、サリチルアニリド(Merck Index、番号8299)、臭化ドミフェン(Merck Index、番号3411)、塩化セチルピリジニウム(CPC)(Merck Index、番号2024)、塩化テトラデシルピリジニウム(TPC)、N-テトラデシル-4-エチルピリジニウム塩化物(TDEPC)、オクテニジン、デルモピノール、オクタピノール、及び他のピペリジノ誘導体;ココミジルプロピルベタイン、ココミジルグルタミン酸ナトリウム、ラウリルサルコシン酸ナトリウム、GTF阻害剤、ポビドンヨウ素デルモピノール、プロポリス、フタル酸及びその塩、モノパーサル酸並びにその塩及びエステル、ステアリン酸アスコルビル、オレイルサイコシン、アルキル硫酸塩が挙げられ得るが、これらに限定されない。加えて又はあるいは、抗菌有効量の精油、ハーブ抽出物、及びこれらの組合せ、例えば、シトラル、ゲラニアール、ローズマリー抽出物、茶抽出物、モクレン抽出物、ユーカリプトールゲラニオール、カルバクロール、シトラル、ヒノキチオール、カテコール、メチルサリシレート、エピガロカテキンガレート、エピガロカテキン、没食子酸、ミスワク抽出物、シーバックソーン抽出物、並びにメントール、ユーカリプトール、チモール、及びメチルサリシレートの組合せ;抗菌性金属及びその塩;例えば、亜鉛イオン、錫イオン、銅イオン、及び/又はこれらの混合物を提供するようなもの;ビスビグアニド、又はフェノール;オーグメンチン、アモキシシリン、テトラサイクリン、ドキシサイクリン、ミノサイクリン、及びメトロニダゾルなどの抗生物質;並びに上記の抗菌抗歯垢剤並びに/又は鵞口瘡カンジダ治療のためのようなものなどの抗真菌剤の類縁体及びその塩、が存在し得る。存在する場合、これらの剤は、一般に、安全かつ有効な量で、例えば、本発明の組成物の約0.1重量%~約5重量%の量で存在する。
本発明の組成物は、安全かつ有効な量の抗カリエス剤、及びこれらの混合物を含んでもよい。抗カリエス剤は、フッ化物、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化チタン、フッ化水素酸、アミンフッ化物、モノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化アンモニウム、フッ化第一スズ、塩化第一スズ、グルコン酸第一スズ、銅塩、塩化銅、グリシン酸銅、塩化亜鉛、乳酸亜鉛、クエン酸亜鉛、リン酸亜鉛、ヨウ化ナトリウム(ssodium iodide)、ヨウ化カリウム、塩化カルシウム、乳酸カルシウム、リン酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、フルオロアパタイト、非晶質リン酸カルシウム、結晶質リン酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、シュウ酸、シュウ酸二カリウム、モノナトリウムモノカリウムオキサレート、カゼインホスホペプチド、カゼインホスホペプチド被覆ヒドロキシアパタイト、米国特許第5,735,942号に開示されているもののようなSiO2、CaO、Na2O、P2O5、CaF2、B2O3、K2O、MgOのうちの1つ以上を含有するバイオガラスからなる群から選択することができる。存在する場合、当該組成物は、本明細書にて開示した組成物と共に使用した場合に、歯の表面に接触する、約50ppm~10,000ppm、好ましくは約100~3000ppmの、組成物中のフッ化物イオンを提供する。
親水性有効成分粒子
本発明の半固体多相口腔用組成物は、安全かつ有効な量の親水性有効成分粒子を含む。親水性有効成分粒子は、漂白剤又は親水性漂白剤粒子を含み得る。例えば、親水性有効成分粒子の最大量は、多相口腔用組成物の、約0.01重量%、0.02重量%、0.03重量%、0.04重量%、0.05重量%、0.06重量%、0.07重量%、0.08重量%、0.09重量%、0.095重量%、0.099995重量%、0.1重量%、0.2重量%、0.3重量%、0.4重量%、0.5重量%、0.6重量%、0.7重量%、0.8重量%、0.9重量%、1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、47.5重量%、若しくは50重量%、又は、そのようなより狭い数値範囲が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつこのようなより広い数値範囲内に入る、任意の他の数値範囲であってもよい。
驚くべきことに、親水性有効成分粒子の水中への可溶性、水との接触時に膨潤する能力、又は水と接触すると有効成分を放出する能力が、組成物の有効性に影響を与えることが見出された。特に、少なくとも約20、25、30、40、50、60、70、又は80重量部の親水性有効成分粒子は、約100重量部の水中に溶解するか、又は親水性有効成分粒子は、水と接触すると、少なくとも約20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%又は80%だけ膨潤する。理論に束縛されるものではないが、驚くべきことに、親水性有効成分粒子を水和して活性成分を放出するために、上顎前歯の前面で利用可能な水の量は、口腔の残りの部分と比較して、少ない。これは、上顎前歯の前面が、笑うときに最も視認可能な歯であるため、特に重要である。したがって、水中への親水性有効成分粒子の可溶性、水との接触時に膨潤するその能力、又は水の接触時に有効成分を放出する能力は、「笑ったときの歯」(上顎前歯の前面)上での組成物の有効性に過度に影響を及ぼし得る。
親水性有効成分粒子の例としては、過酸化尿素(カルバミドペルオキシド、又は過酸化尿素付加物としても知られる)などの親水性漂白剤粒子、及び過酸化水素とポリビニルピロリドン(PVP)ポリマーとの複合体(ペルオキシドンとしても知られる)、及びこれらの混合物が挙げられる。
親水性漂白剤粒子の例としては、歯の色を変える、又は増白する、漂白効果、汚れ漂白効果、汚れ除去効果、汚れの色を変える効果、若しくは任意のその他の効果を提供する薬剤が挙げられる。例えば、親水性漂白剤粒子は、過酸化物ラジカルの供給源を含む。加えて又はあるいは、親水性漂白剤粒子は、過酸化物、金属塩化物、過ホウ酸塩、過炭酸塩、ペルオキシ酸、過硫酸塩、その場で前述の化合物を形成する化合物、及びこれらの組合せを含んでもよい。過酸化化合物の例としては、過酸化尿素、過酸化カルシウム、過酸化カルバミド、及びこれらの混合物を挙げることができる。金属塩化物の例としては、塩化カルシウム、亜塩素酸バリウム、塩化マグネシウム、亜塩素酸リチウム、亜塩素酸ナトリウム、亜塩素酸カリウム、及びこれらの混合物を挙げることができる。親水性漂白剤粒子の例としては、次亜塩素酸塩(金属次亜塩素酸塩など)を挙げることができる。過硫酸塩の例としては、ペルオキシ一硫酸の塩、ペルオキシジサルフェート、及びこれらの混合物が挙げられ得る。過硫酸塩、過ホウ酸塩、過炭酸塩、及び次亜塩素酸塩の例としては、ナトリウム、カルシウム、カリウム、及び他の金属の対応する塩が挙げられる。
加えて又はあるいは、親水性有効成分粒子は、多相口腔用組成物の、約0.001重量%、0.01重量%、0.02重量%、0.03重量%、0.04重量%、0.05重量%、0.06重量%、0.07重量%、0.08重量%、0.09重量%、0.095重量%、0.099995重量%、0.1重量%、0.2重量%、0.3重量%、0.4重量%、0.5重量%、0.6重量%、0.7重量%、0.8重量%、0.9重量%、1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、若しくは47.5重量%~約0.01重量%、0.02重量%、0.03重量%、0.04重量%、0.05重量%、0.06重量%、0.07重量%、0.08重量%、0.09重量%、0.095重量%、0.099995重量%、0.1重量%、0.2重量%、0.3重量%、0.4重量%、0.5重量%、0.6重量%、0.7重量%、0.8重量%、0.9重量%、1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、47.5重量%、若しくは50重量%、又は、そのようなより狭い数値範囲が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつこのようなより広い数値範囲内に入る、任意の他の数値範囲であってもよい。
特に、親水性有効成分粒子の濃度は、多相口腔用組成物の10重量%、9重量%、8重量%、7重量%、6重量%、5重量%、4重量%、3重量%、2重量%、1重量%、0.9重量%、0.8重量%、0.7重量%、0.6重量%、0.5重量%、0.4重量%、0.3重量%、0.2重量%、0.1重量%、0.099995重量%、0.095重量%、若しくは0.09重量%未満であり、より具体的には、多相口腔用組成物の0.9重量%、0.8重量%、0.7重量%、0.6重量%、0.5重量%、0.4重量%、0.3重量%、0.2重量%、若しくは0.1重量%未満である、又は多相口腔用組成物の約0.1重量%~約0.9重量%、若しくは約0.2重量%~約0.8重量%、若しくは約0.3重量%~約0.7重量%、又は、そのようなより狭い数値範囲が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつこのようなより広い数値範囲内に入る、任意の他の数値範囲であってもよい。あるいは、親水性有効成分粒子は、多相口腔用組成物の約0.6重量%~約10重量%、若しくは約0.6重量%~約6重量%、若しくは約1重量%~約5重量%、若しくは約1重量%~約3重量%、又は、そのようなより狭い値範囲が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつこのようなより広い数値範囲内に入る、任意の他の数値範囲であってもよい。
親水性漂白剤粒子の濃度は、分子が汚れを漂白するために供給する、それぞれ利用可能な酸素又は塩素に基づいていてもよい。有効成分の濃度は、多相口腔用組成物の約0.1重量%未満であり、より好ましい実施形態では、多相口腔用組成物の約0.09重量%未満、0.08重量%未満、0.07重量%未満、0.06重量%未満、0.05重量%未満、0.04重量%未満、0.03重量%未満、0.02重量%未満、0.01重量%未満、若しくは0.001重量%未満である、又は多相口腔用組成物の約0.01重量%~約0.099995重量%、約0.01重量%~約0.095重量%、若しくは約0.05重量%~約0.09重量%、又は、そのようなより狭い数値範囲が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつこのようなより広い数値範囲内に入る、任意の他の数値範囲であってもよい。驚くべきことに、本明細書にて開示した、粒子を含む半固体分散物の形態である多相口腔用組成物において、たとえ低いレベルにて使用した場合であっても、親水性有効成分粒子は、著しく効果的である。
例えば、有効成分の最大量は、多相口腔用組成物の、約0.01重量%、0.02重量%、0.03重量%、0.04重量%、0.05重量%、0.06重量%、0.07重量%、0.08重量%、0.09重量%、0.095重量%、0.099995重量%、0.1重量%、0.2重量%、0.3重量%、0.4重量%、0.5重量%、0.6重量%、0.7重量%、0.8重量%、0.9重量%、1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、47.5重量%、若しくは50重量%、又は、そのようなより狭い数値範囲が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつこのようなより広い数値範囲内に入る、任意の他の数値範囲であってもよい。
加えて又はあるいは、有効成分は、多相口腔用組成物の、約0.001重量%、0.01重量%、0.02重量%、0.03重量%、0.04重量%、0.05重量%、0.06重量%、0.07重量%、0.08重量%、0.09重量%、0.095重量%、0.099995重量%、0.1重量%、0.2重量%、0.3重量%、0.4重量%、0.5重量%、0.6重量%、0.7重量%、0.8重量%、0.9重量%、1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、若しくは47.5重量%~約0.01重量%、0.02重量%、0.03重量%、0.04重量%、0.05重量%、0.06重量%、0.07重量%、0.08重量%、0.09重量%、0.095重量%、0.099995重量%、0.1重量%、0.2重量%、0.3重量%、0.4重量%、0.5重量%、0.6重量%、0.7重量%、0.8重量%、0.9重量%、1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、47.5重量%、若しくは50重量%、又は、そのようなより狭い数値範囲が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつこのようなより広い数値範囲内に入る、任意の他の数値範囲であってもよい。
特に、有効成分の濃度は、多相口腔用組成物の10重量%、9重量%、8重量%、7重量%、6重量%、5重量%、4重量%、3重量%、2重量%、1重量%、0.9重量%、0.8重量%、0.7重量%、0.6重量%、0.5重量%、0.4重量%、0.3重量%、0.2重量%、0.1重量%、0.099995重量%、0.095重量%、若しくは0.09重量%未満であってもよく、より具体的には、多相口腔用組成物の0.9重量%未満、0.8重量%未満、0.7重量%未満、0.6重量%未満、0.5重量%未満、0.4重量%未満、0.3重量%未満、0.2重量%未満、若しくは0.1重量%未満であってよく、好ましくは多相口腔用組成物の約0.1重量%~約0.9重量%、より好ましくは約0.2重量%~約0.8重量%、より好ましくは約0.3重量%~約0.7重量%、又は、そのようなより狭い数値範囲が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつこのようなより広い数値範囲内に入る、任意の他の数値範囲であってもよい。
過酸化水素の濃度の比
好ましい実施形態では、親水性漂白剤粒子などの親水性有効成分粒子は、過酸化水素の付加物若しくは複合体、又は過酸化水素の前駆物質であることにより、過酸化水素を送達する。このため、親水性有効成分粒子は、半固体多相口腔用組成物全体中に存在する過酸化水素の重量パーセント濃度に対して、高い比率の重量パーセント濃度の、親水性漂白剤粒子中に存在する過酸化水素を送達する。これは、親水性漂白剤粒子中に存在する過酸化水素の重量パーセント濃度が比較的高いことと、半固体多相口腔用組成物全体中に存在する過酸化水素の重量パーセント濃度が比較的低いこととが相まってもたらされる。
理論に束縛されるものではないが、過酸化水素を含む本発明の実施形態では、見かけ上矛盾したパラメータの驚くべき組合せは、たとえ、歯の表面に送達された過酸化水素の全体の濃度又は量が低い場合であっても、高推進力を伴い、過酸化水素を歯の表面に送達する。結果として、高推進力が、驚くほど高いレベルの漂白有効性及び/又は漂白速度を送達し、一方で、歯の表面に送達される低い全体濃度又は低量の漂白剤は、歯の知覚過敏を低減させるのに役立ち得る。
加えて又はあるいは、半固体多相口腔用組成物全体中に存在する過酸化水素の重量パーセント濃度に対する、親水性漂白剤粒子中に存在する過酸化水素の重量パーセント濃度の比率は、約50000、35000、20000、17500、10000、5000、3500、2000、1750、1160、1000、875、700、580、500、430、400、380、350、200、175、111、110、105、100、90、80、70、60、50、40、30、20、15、10、若しくは5~約50000、35000、20000、17500、10000、5000、3500、2000、1750、1160、1000、875、700、580、500、430、400、380、350、200、175、111、110、105、100、90、80、70、60、50、40、30、20、15、10、若しくは5、又は、そのようなより狭い数値範囲が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつこのようなより広い数値範囲内に入る、任意の他の数値範囲であってもよい。
加えて又はあるいは、半固体多相口腔用組成物全体中に存在する過酸化水素の重量パーセント濃度に対する、親水性漂白剤粒子中に存在する過酸化水素の重量パーセント濃度の比率は、少なくとも約50000、35000、20000、17500、10000、5000、3500、2000、1750、1160、1000、875、700、580、500、430、400、380、350、200、175、110、105、100、90、80、70、60、50、40、30、20、15、10、若しくは5、又は約50000、35000、20000、17500、10000、5000、3500、2000、1750、1160、1000、875、700、580、500、430、400、380、350、200、175、110、105、100、90、80、70、60、50、40、30、20、15、10、若しくは5超、あるいは、そのようなより狭い数値範囲が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつこのようなより広い数値範囲内に入る、任意の他の数値範囲であってもよい。
本発明の親水性有効成分は、疎水性相の遮蔽効果により、分解に対して安定化され得る。
有効成分のための任意の安定化剤
本発明の半固体多相口腔用組成物は、有効成分のための安定化剤を含んでもよい。漂白剤を含む有効成分は、半固体多相口腔用組成物による分解に対して、更に安定化されてもよい。したがって、安定化剤を本発明の組成物へと添加してもよい。好適な安定化剤は、例えば、オルトリン酸、リン酸水素ナトリウムなどのリン酸(複数可)、ピロホスフェート(複数可)、オルガノホスホネート(複数可)、エチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミン-N,N’-二酢酸、エチレンジアミン-N,N’-二コハク酸、錫酸カリウム、錫酸ナトリウム、塩化第一スズ、亜鉛塩、サリチル酸、1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸、及びこれらの組合せである。特に、ピロリン酸塩、トリポリホスフェート、ヘキサメタリン酸塩、フィチン酸塩、n=2~30であるPO3(PO2)nPO3の塩、リン酸、ガントレズ、クエン酸亜鉛を含む亜鉛塩、乳酸亜鉛、塩化亜鉛、リン酸亜鉛、酸化亜鉛、デキストランセス、キシラナーゼ、プロテアーゼなどの酵素、過酸化水素、過酸化尿素、及び過炭酸ナトリウムを含む過酸化物、ビスホスホネートなどのホスホネート、EDTA、EDTAカルシウムナトリウムなどのキレート剤、クエン酸塩、クエン酸、シュウ酸、シュウ酸塩、ポリマー(米国特許出願第16/216,329号に開示されているものなど)、PVP、ポリアクリル酸(カーボポール)、ポリアクリル酸塩、第一スズ塩、第二スズ塩などのリン酸塩によって生成される、抗歯石酸効果などの更なる口腔ケア効果を示す安定剤を使用することができる。安定化剤は、半固体多相口腔用組成物の約0.0000001重量%、0.000001重量%、又は0.00001重量%~約0.00001重量%、0.0001重量%、又は0.01重量%、又は任意のその他の数値範囲の量にて、本発明の多相口腔用組成物中に存在してもよく、そのようなより狭い数値範囲が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつこのようなより広い数値範囲内に入る、任意の他の数値範囲であってもよい。特に、安定化剤は、親水性有効成分粒子の約0.0001重量%若しくは0.01重量%~約0.01重量%、0.1重量%、若しくは約1重量%、又はそのようなより狭い数値範囲が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつこのようなより広い数値範囲内に入る、任意の他の数値範囲の量で、本発明の半固体多相口腔用組成物中に存在してもよい。
安定化剤はまた、キレート剤を含んでよい。キレート剤は、銅、鉄及び/若しくはマンガンキレート剤、又はこれらの混合物であってよい。好適なキレート剤は、ジエチレントリアミン五酢酸、ジエチレントリアミンペンタ(メチルホスホン酸)、エチレンジアミン-N’N’-二コハク酸、エチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ヒドロキシエタンジ(メチレンホスホン酸)、及びそれらの任意の組合せから選択されてよい。好適なキレート剤は、エチレンジアミン-N’N’-二コハク酸(EDDS)、ヒドロキシエタンジホスホン酸(HEDP)、又はこれらの混合物から選択されてよい。安定化剤は、エチレンジアミン-N’N’-二コハク酸、又はその塩を含んでよい。エチレンジアミン-N’N’-二コハク酸は、S,Sエナンチオマー形態でよい。安定剤は、4,5-ジヒドロキシ-m-ベンゼンジスルホン酸二ナトリウム塩、グルタミン酸-N,N-二酢酸(GLDA)及び/又はその塩、2-ヒドロキシピリジン-1-オキサイド、Trilon P(商標)(BASF(Ludwigshafen,Germany)から入手可能)を含んでもよい。好適なキレート剤はまた、炭酸カルシウム結晶成長阻害剤であってよい。好適な炭酸カルシウム結晶成長阻害剤は、1-ヒドロキシエタンジホスホン酸(HEDP)及びその塩、N,N-ジカルボキシメチル-2-アミノペンタン-1,5-二酸及びその塩、2-ホスホノブタン-1,2,4-トリカルボン酸及びその塩、並びにそれらの任意の組合せからなる群から選択されてよい。
安定化剤は、1-ヒドロキシエタンジホスホン酸(HEDP)、N,N-ジカルボキシメチル-2-アミノペンタン-1,5-二酸、2-ホスホノブタン-1,2,4-トリカルボン酸、及びその塩、並びにこれらの任意の組合せなどの、炭酸カルシウム結晶成長阻害剤を含んでよい。
安定剤は、ヒドロキサム酸塩キレート剤を含んでよい。本発明における「ヒドロキサム酸塩」とは、ヒドロキサム酸、又は対応する塩、例えば、ココヒドロキサム酸塩(Axis House RK853)を意味する。
疎水性相
本発明は、安全かつ有効な量の疎水性相を含む。例えば、本発明の半固体多相口腔用組成物は疎水性相を含み、疎水性相は、多相口腔用組成物の少なくとも約550重量%、55重量%、60重量%、65重量%、70重量%、75重量%、80重量%、85重量%、90重量%、95重量%、96重量%、97重量%、98重量%、99重量%、99.1重量%、若しくは99.5重量%、又は約550重量%超、55重量%超、60重量%超、65重量%超、70重量%超、75重量%超、80重量%超、85重量%超、90重量%超、95重量%超、96重量%超、97重量%超、98重量%超、99重量%超、99.1重量%超、若しくは99.5重量%超、あるいは、そのようなより狭い数値範囲が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつこのようなより広い数値範囲内に入る、任意の他の数値範囲であってもよい。特に、疎水性相は、多相口腔用組成物の少なくとも約80重量%、85重量%、90重量%、95重量%、96重量%、97重量%、98重量%、99重量%、99.1重量%、若しくは99.5重量%、又は、そのようなより狭い数値範囲が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつこのようなより広い数値範囲内に入る、任意の他の数値範囲であってもよい。好ましくは、本発明の半固体多相口腔用組成物は疎水性相を含み、ここで、疎水性相は、多相口腔用組成物の約50重量%超であり得る。
加えて、疎水性相は、半固体多相口腔用組成物中に存在する親水性有効成分粒子に対して優位な比率であってもよい。「比率が優勢」とは、本明細書で使用するとき、半固体多相口腔用組成物の疎水性相の重量パーセントが、半固体多相口腔用組成物の親水性有効成分粒子の重量パーセントに対して超過することを意味する。
疎水性相は、不活性であってよい、又は少なくとも部分的に不活性であってよい。疎水性相は、有効成分を含む半固体多相口腔用組成物中で、例えば、香料又は増粘剤などのその他の成分と相互作用し得るが、特定の実施形態ではその他の成分と相互作用しない、又はその他の成分と最小限でのみ相互作用する。
本明細書にて開示したような組成物のための好適な疎水性相は、約2超、3超、4超、5超、又は約5.5超の、オクタノール/水分配係数(logPow)を有してよい。特に、疎水性相は、約6超、又はそのようなより狭い数値範囲が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつこのようなより広い数値範囲内に入る、任意のその他の数値範囲のlogPowを示す。
理論に束縛されるものではないが、疎水性相の融点、滴下融点、又は凝結点は、組成物が、(1)実体的であり、かつ適用中又は使用中に歯から流れ落ちない、又は送達支持材料から流れ出ない、(2)消費者による使用の前に、半固体多相口腔用組成物が製造、充填、輸送又は貯蔵中(例えば、1日、2日、1週間、2週間、1か月、2か月、3か月、6か月、12か月、18か月、又は24か月)に曝され得る温度(例えば、-7℃、4℃、23℃、25℃、30℃、40℃、50℃、又は60℃)及び条件で、1つ以上の構成成分の巨視的分離を阻害する、又は(3)使用中に有効量の有効成分を放出する、ことを確実にする要因であり得る。具体的には、疎水性相の融点、滴下融点、又は凝結点が低すぎる場合、半固体多相口腔用組成物は、実体的であり得えず、かつ、適用中若しくは使用中に歯から流れ落ち得る、又は送達支持材料から流れ出得る。あるいは、半固体多相口腔用組成物は、消費者による使用の前に、半固体多相口腔用組成物が製造、充填、輸送又は貯蔵中(例えば、1日、2日、1週間、2週間、1か月、2か月、3か月、6か月、12か月、18か月、又は24か月)に曝され得る温度(例えば、-7℃、4℃、23℃、25℃、30℃、40℃、50℃、又は60℃)及び条件で、1つ以上の構成成分の巨視的分離を呈し得る。対照的に、疎水性相の融点、滴下融点、又は凝結点が高すぎる場合、半固体多相口腔用組成物は、使用中に、有効量の有効成分を放出しない場合がある。特に、好適な疎水性相の融点、滴下融点、又は凝結点は、約40℃~約120℃、約50°~約100℃、約50℃~約90℃、約60℃~約80℃、又はそのようなより狭い数値範囲が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつこのようなより広い数値範囲内に入る、任意の他の数値範囲であってもよい。加えて又はあるいは、疎水性相の融点、又はASTM法D127に従って測定された滴下融点、又はASTM法D938に従って測定される凝結点は、約120℃、100℃、90℃、85℃、80℃、75℃、70℃、60℃、50℃、40℃、若しくは30℃、~約100℃、90℃、85℃、80℃、75℃、70℃、60℃、50℃、40℃、30℃、若しくは25℃、又は、そのようなより狭い数値範囲が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつこのようなより広い数値範囲内に入る、任意の他の数値範囲であってもよい。
理論に束縛されるものではないが、疎水性相又は半固体多相口腔用組成物の円錐貫入稠度値は、半固体多相口腔用組成物が、(1)実体的であり、かつ適用中又は使用中に歯から流れ落ちない、又は送達支持材料から流れ出ない、(2)消費者による使用の前に、半固体多相口腔用組成物が製造、充填、輸送又は貯蔵中(例えば、1日、2日、1週間、2週間、1か月、2か月、3か月、6か月、12か月、18か月、又は24か月)に曝され得る温度(例えば、-7℃、4℃、23℃、25℃、30℃、40℃、50℃、又は60℃)及び条件で、1つ以上の構成成分の巨視的分離を阻害する、又は(3)使用中に有効量の有効成分を放出する、ことを確実にする要因であり得る。具体的には、疎水性相又は半固体多相口腔用組成物の円錐貫入稠度値が高すぎる場合、半固体多相口腔用組成物は実体的であり得えず、かつ、適用中若しくは使用中に歯から流れ落ち得る、又は送達支持材料から流れ出得る。あるいは、半固体多相口腔用組成物は、消費者による使用の前に、半固体多相口腔用組成物が製造、充填、輸送又は貯蔵中(例えば、1日、2日、1週間、2週間、1か月、2か月、3か月、6か月、12か月、18か月、又は24か月)に曝され得る温度(例えば、-7℃、4℃、23℃、25℃、30℃、40℃、50℃、又は60℃)及び条件で、1つ以上の構成成分の巨視的分離を呈し得る。対照的に、疎水性相又は半固体多相口腔用組成物の円錐貫入稠度値が低すぎる場合、半固体多相口腔用組成物は、使用中に、有効量の有効成分を放出し得ない。一般的には、(1)円錐貫入稠度値を有する疎水性相は、例えば微粒子化によって粒径を最小化するために粉砕又は製造される有効成分又は漂白剤を含む粉末成分と組合せた場合に特に、スティック型製品を形成する傾向がある、(2)ワックスが豊富な疎水性相は、円錐貫入稠度値が低い傾向がある、(3)スティック型製品は、円錐貫入稠度値が低い傾向があり、(4)低い円錐貫入稠度値を有する疎水性相(スティック型製品を形成する傾向にある)もまた、漂白剤又は有効成分の放出を阻害し得る、及び(5)スティック型製品(円錐貫入稠度値が低い傾向にある)もまた、漂白剤又は有効成分の放出を阻害し得る、ことに、注目すべきである。また、低円錐貫入稠度値を有する多相口腔用組成物、又は疎水性相が低円錐貫入稠度値を有する多相口腔用組成物は、チューブから好適な用量の多相口腔用組成物を手動で分配することが困難又は非実用的であり得ることにも注目すべきである。したがって、例えば、疎水性相又は半固体多相口腔用組成物の円錐貫入稠度値は、任意に、約10~約500、約25~約300、約50~約250、若しくは約100~約200の範囲、又は、そのようなより狭い数値範囲が全て本明細書に明示的に記載され、かつ本明細書に明示された方法に従って測定されているかのように、より狭く、かつこのようなより広い数値範囲内に入る、任意の他の数値範囲であってもよい。
疎水性相又は半固体多相口腔用組成物の円錐貫入稠度値は、約10、25、50、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190~約100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、300、400、500、600、若しくは620、又は、そのようなより狭い数値範囲が全て本明細書に明示的に記載され、かつ本明細書に明示された方法に従って測定されているかのように、より狭く、かつこのようなより広い数値範囲内に入る、任意の他の数値範囲であってもよい。
理論に束縛されるものではないが、消費者による使用の前に、半固体多相口腔用組成物が製造、充填、輸送又は貯蔵中(例えば、1日、2日、1週間、2週間、1か月、2か月、3か月、6か月、12か月、18か月、又は24か月)に曝され得る温度(例えば、-7℃、4℃、23℃、25℃、30℃、40℃、50℃、又は60℃)及び条件における、1つ以上の構成成分の巨視的分離は、有効性、安全性、快適性、使用経験、時間経過に伴う歯表面における活性物質若しくは漂白剤の濃度、活性物質若しくは漂白剤の有効性、又は成分間の相溶性を損なう可能性がある。例えば、消費者による使用の前に、半固体多相口腔用組成物が製造、充填、輸送又は貯蔵中(例えば、1日、2日、1週間、2週間、1か月、2か月、3か月、6か月、12か月、18か月、又は24か月)に曝され得る温度(例えば、-7℃、4℃、23℃、25℃、30℃、40℃、50℃、又は60℃)及び条件において、有効性成分を含有する親水性有効成分粒子又は層の巨視的分離を呈する組成物は、有効成分の濃度を、ある用量と他の用量とで、及び/又は経時的に、変化させ得る。これは、特定の用量での有効性、快適性、又は使用経験を損なう可能性があり(例えば、口腔刺激又は歯の知覚過敏による)、これは用量毎に及び/又は経時的に変化し得る。具体的には、例えば、親水性有効成分粒子の相当な部分が1つの相に巨視的に分離されている場合、この相に不釣合に豊富な用量は、口腔軟組織又は歯と接触した場合に、口腔刺激又は歯の知覚過敏を引き起こす場合がある。対照的に、例えば、疎水性相の相当な部分が1つの相に巨視的に分離している場合、この相に不釣合に豊富な用量は、減少した有効性を有し得る。これらの状況は共に、一方がより高い不快感をもたらし、他方がより低い有効性をもたらすため、望ましくない。
消費者による使用の前に、半固体多相口腔用組成物が製造、充填、輸送又は貯蔵中(例えば、1日、2日、1週間、2週間、1か月、2か月、3か月、6か月、12か月、18か月、又は24か月)に曝され得る温度(例えば、-7℃、4℃、23℃、25℃、30℃、40℃、50℃、又は60℃)及び条件で、本明細書に明示される方法に従って測定した、1つ以上の構成成分の巨視的分離は、約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、若しくは50%~約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、若しくは50%、又は、そのようなより狭い数値範囲が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつこのようなより広い数値範囲内に入る、任意の他の数値範囲であってもよい。加えて又はあるいは、23℃+/-2℃で、1日、2日、1週間、2週間、1か月、2か月、3か月、6か月、12か月、18か月、又は24か月保管した後に本明細書で指定された方法に従って測定された、構成成分のうちの1つ以上の巨視的分離は、約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、若しくは50%~約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、若しくは50%、又は、そのようなより狭い数値範囲が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつこのようなより広い数値範囲内に入る、任意の他の数値範囲であってもよい。加えて又はあるいは、23℃+/-2℃で、1日、2日、1週間、2週間、1か月、2か月、3か月、6か月、12か月、18か月、又は24か月保管した後に本明細書で明示される方法に従って測定された、構成成分のうちの1つ以上の巨視的分離は、約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、又は50%以下若しくは未満であってもよい。
特に、23℃+/-2℃で2日間保管した後に本明細書で指定された方法に従って測定された構成成分のうちの1つ以上の巨視的分離は、約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、若しくは50%~約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、若しくは50%、又は、そのようなより狭い数値範囲が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつこのようなより広い数値範囲内に入る、任意の他の数値範囲であってもよい。加えて又はあるいは、23℃+/-2℃で、2日間保管した後に本明細書で明示される方法に従って測定された、構成成分のうちの1つ以上の巨視的分離は、約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、又は50%以下若しくは未満であってもよい。
多相口腔用組成物の1つ以上の構成成分の巨視的分離率を測定する方法
1.50mLの多相口腔用組成物を50mLのポリプロピレン円錐管(Falconブランドカタログ番号REF 352098、Corning Science(Tamaulipas,Mexico))に移す。多相口腔用組成物が、円錐管に移す前に1つ以上の構成成分の巨視的な分離を呈する場合、多相口腔用組成物を、Speedmixer(Flacktek Inc.(Landrum,SC)からの「Max 300 Long Cup Translucent」、品番501 218t中)で混合し(例えば、800RPMで2分間)、1つ以上の構成成分の巨視的分離を呈する前に、円錐管に移す。多相口腔用組成物が巨視的な気泡又は空隙を有する場合、(1)巨視的気泡又は空隙を含まなくなるまで、円錐管を硬質表面に軽く打ち付ける、又は(2)巨視的な気泡又は空隙を実質的に含まないように、多相口腔用組成物を円錐管内に移す異なる方法を使用する。キャップを円錐管にねじ込む。合計3つの円錐管について繰り返す。
2.3つの円錐管の全てを垂直方向(例えば、試験管ラック内)に、円錐形端部を底部に、キャップを頂部にして配置する。
3.3つ全ての円錐管を、空気が温度(例えば、-7℃、4℃、23℃、25℃、30℃、40℃、50℃、又は60℃)で維持される室内又はチャンバ内で、巨視的分離が測定される期間にわたり、垂直位置で乱されないようにする。
4.垂直位置で巨視的分離を測定すべき期間の終了時(例えば、1日、2日、1週間、2週間、1か月、2か月、3か月、6か月、12か月、18か月、又は24か月)に、円錐管の底部で巨視的に分離した材料の体積を測定する(円錐管上の目盛の支援のもとに)。円錐管の底部に巨視的に分離した材料の体積が25mLを超える場合、円錐管の頂部まで巨視的に分離した材料の体積を測定する。
・3つの管全てにおいて巨視的に分離された材料の平均体積を計算する。
・巨視的に分離された材料の体積の管毎のばらつきを、次のように評価する。各管内で分離した材料の体積は、平均+/-2.5mLの範囲内でなければならない。管のうちのいずれか1つ以上において分離された材料の体積が、平均+/-2.5mLの範囲外である場合、これは、円錐管に移す前の1つ以上の構成成分の巨視的分離に起因する可能性のある試料毎のばらつきの指標であり、試料毎のばらつきを最小化するために、この方法を工程1から繰り返す必要がある。
5.巨視的分離率を次の通り算出する:100×(工程4において測定及び算出された巨視的に分離された材料の平均体積/50mL)。
上記の方法を検証するために、以下に明示される妥当性検査組成物の1つ以上の構成成分の巨視的分離率を測定し、6%~10%であると実証しなければならない。
1Solvay(Houston,Texas)からの、ultra Cosmetic Grade
2EMD Millipore Corporation(Billerica,Massachusetts)からの、Calbiochemカタログ番号4.86505.1000
3Cytec Industries(Princeton,NJ)からの、エアゾールOT-100
4Sonneborn LLC(Petrolia,Pennsylvania)からの、White mineral oil Kaydol grade
巨視的分離率を測定する方法のための妥当性検査組成物を作製する手順
175グラムのバッチの妥当性検査組成物を以下の手順によって作製する。
(a)1.75グラムのエアゾールOT及び163.33グラムの鉱油を、Speedmixer容器(Flacktek Inc.(Landrum,SC)からの「Max 300 Long Cup Translucent」、品番501 218t)に計り入れる。
(b)混合物をオーブン内で加熱し、混合して、エアゾールOTを鉱油に溶解する。これは、60℃~70℃のオーブン内で加熱し、手で旋回させるか、Speedmixer中において800RPMで2分間混合し、エアゾールOTが鉱油に溶解するまで繰り返すことによって行うことができる。
(c)別個のプラスチック容器内で、42.4グラムの滅菌濾過水、及び14.3グラムの35%水溶液であるH2O2を秤量し、一緒に旋回させる。水中のH2O2のこの希釈溶液9.92グラムを、Speedmixer容器の中へ計り入れる。
(d)Speedmixer容器の内容物を、Speedmixer中において800RPMで2分間混合する。その後、プラスチック製のヘラで容器の壁を削り落として、800RPMにて2分間、内容物の2回目の混合を行う。その後、プラスチック製のヘラで容器の壁を削り落として、800RPMにて2分間、内容物の3回目の混合を行う。
理論に束縛されるものではないが、過酸化物を含む多相口腔用組成物に関して、歯に塗抹される多相口腔用組成物の平均残留過酸化物濃度は、多相口腔用組成物が、(1)実体的であり、かつ使用中に洗い流されない、かつ、(2)使用中に、依然として有効量の有効成分を放出する、ということを確実にする要因であり得る。具体的には、歯の表面上の、多相口腔用組成物の平均残留過酸化物濃度が低すぎる場合、多相口腔用組成物は実体的ではあり得ず、かつ使用中に洗い流され得る、又は使用中に、有効量の有効成分を放出しない場合がある。本明細書で明記された手順を使用して測定された、歯に塗抹される多相口腔用組成物の平均残留過酸化物濃度は、約1、2、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、125、150、175、200若しくは225~約2、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、125、150、175、200、若しくは225、又は、そのようなより狭い数値範囲が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつこのようなより広い数値範囲内に入る、任意の他の数値範囲であってもよい。特に、本明細書で明記された手順を使用して測定された、歯に塗抹される多相口腔用組成物の平均残留過酸化物濃度は、約1~約200、好ましくは約10~約200、より好ましくは約50~約200、また最も好ましくは約100~約200、又は、そのようなより狭い数値範囲が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつこのようなより広い数値範囲内に入る、任意の他の数値範囲であってもよい。
歯に塗抹された組成物の平均残留過酸化物濃度を測定するための方法
1.ヒトの門歯の前面から、円形ディスク(直径7.5~7.8mm×厚さ1.2~1.3mm)を切り取る。前面を無傷に保つが、研摩紙を使用して、切り取られた歯の後面を平坦にする。ガラス瓶において、USP規格条件を満たす15~20mLの水中に、少なくとも24時間、歯ディスクを浸漬させる。歯ディスクを水から取り出して、前面を上向きにして、清浄なペーパータオル上に置く。
2.USP規格条件を満たす290~310グラムの水を、直径82~107mm×高さ106~108mmのねじ蓋を有する円筒形のプラスチック容器(「Max200 Long Cup Translucent」、アイテム番号501 220t、Flacktek(Landrum,SC)より入手)に計り入れる。熱対流炉内において、33C~35Cの空気温度にて、少なくとも12時間、堅くねじ込まれた蓋を有する容器内の水に予熱を与える。
3.0.04~0.06グラムの組成物を計りとり、使い捨て式リップグロスアプリケータ(ナイロン及びポリスチレン製の「Flocked Doe Foot Lip Gloss Applicator」、Qosmedix Inc.(Ronkonkoma,NY)より購入、カタログ番号74111)上に載せる。
4.最初に、組成物が装填されたリップグロスアプリケータの先端部を歯ディスク上で回転させることによって、歯ディスク上へと組成物を移動させ、次に、円形の端部に向かって扇型に広げることにより、湿った歯ディスクの前面上へと組成物を塗抹する。
5.ピンセットを用いて、歯ディスクを持ち上げる。ピンセットが、歯ディスクの円形の端部のみに接触し、組成物が塗抹された歯ディスクの表面に接触しないことを確認する。プラスチック容器を傾斜させ、円筒壁と平底とが接する容器の円筒壁上において、水の中に歯ディスクを静かに置く。歯ディスクの処理表面が、容器の円筒壁から上向きに離れて面していることを確認する。
6.ローラミキサ(VWR(Batavia,IL)から購入したTechneによるモデル番号TSRT9、カタログ番号89132-186;又はCole-Parmer Inc.(Vernon Hills,IL)からの品番04750-30)上に、円筒形の容器を置く。ミキサを作動させ、12~14RPMで容器を緩やかに回転させる。歯ディスクを水に浸漬し続けなければならず、また処理表面は、回転する円筒壁から離れて面していなければならない。この回転運動により、口腔内で唾液及びその他の液体が歯の上を緩やかに移動するのと同様に、水が歯ディスク上を緩やかに流れる。
7.58~62分後に、ローラミキサを停止させ、新しい過酸化物試験ストリップ(EMD Millipore Corporation(Billerica,MA)、供給業者番号1.16974.0001から供給;VWR(Batavia,IL)から購入、カタログ番号EM1.16974.0001)を容器から取り出して、タイマーを起動させる。
8.過酸化物試験ストリップのデジタル画像を撮影する。試験ストリップのデジタル画像を撮影するために使用する機器及びシステム構成は、本明細書におおいて明記される。
9.ピンセットを用いて、水から歯ディスクを取り出す。前述と同様に、ピンセットが、歯ディスクの円形の端部のみに接触し、組成物が塗抹された歯ディスクの表面に接触しないことを確認する。手袋をはめた指先に、歯ディスクを載せる。組成物が塗抹された歯ディスクの表面が、手袋をはめた指先から離れて上向きに面していることを確認する。
10.反応域のうち1つが、残留組成物を有する歯ディスクの表面に接触するように、過酸化物試験ストリップを歯ディスクに対して定置させる。親指と人差し指との間で、過酸化物試験ストリップを歯ディスクに接触させてつまみ、親指と人差し指との間で、2~3秒の間、指圧をしっかりと加える。
11.ペーパータオルの清浄な領域へと、過酸化物試験ストリップを移動させる。濾紙(Whatman Grade 1 Qualitative Filter Paper Standard Grade、円形、90mm、供給元番号1001-090;VWR(Batavia,IL)から購入、カタログ番号28450-081)を、試験ストリップの上に配置する。濾紙の上部に指圧を加える。(濾紙に加えた指圧力を維持しつつ)過酸化物試験ストリップを濾紙の下から1回の動作で引き抜き、これにより、濾紙及びペーパータオル上へと余分なゲルを拭き取る。過酸化物試験ストリップから反応域が外れないことを確実にする。
12.過酸化物試験ストリップのデジタル画像を撮影する。試験ストリップのデジタル画像を撮影するために使用する機器及びシステム構成は、本明細書にて明記される。
13.工程7~12を、タイマーで3分以内に完了させなければならない。
14.工程1~13を、最低で12個の歯に関して繰り返す。
15.本明細書で明記された手順と共にAdobe Photoshop CS4を使用して、各画像内に内蔵のマンセルN8基準として機能する、保持具に取り付けられたマンセルN8マット色シートのストリップの、RED輝度の平均及び標準偏差を測定する。各画像内に内蔵されたマンセルN8基準の平均RED輝度は、204から212でなければならず、かつ標準偏差は3以下でなければならない。
16.本明細書で明記された手順と共にAdobe Photoshop CS4を使用して、ベースライン時(歯ディスクに押圧する前)における過酸化物試験ストリップ上の反応域のRED輝度の平均を測定する。
17.本明細書で明記された手順と共にAdobe Photoshop CS4を使用して、歯ディスクに押圧した後の過酸化物試験ストリップ上の同一の反応域のRED輝度の平均を測定する。
18.歯に塗抹される組成物の平均残留過酸化物濃度は、次のように算出される。最初に、工程16からの各反応域の平均ベースラインRED輝度から、工程17からの歯ディスク上の残留組成物と共に押圧された後の、同一の反応域の平均RED輝度を減出して算出する。歯ディスクに押圧される全ての反応域に関して、この計算を繰り返し、結果を平均化する。これが、歯に塗抹された組成物の平均残留過酸化物濃度である。
加えて又はあるいは、本発明の半固体多相口腔用組成物において使用される疎水性相の密度は、約0.8g/cm3~約1.0g/cm3、約0.85g/cm3~約0.95g/cm3、又は約0.9g/cm3、あるいは、そのようなより狭い数値範囲が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつこのようなより広い数値範囲内に入る、任意の他の数値範囲である。
加えて又はあるいは、疎水性相は、非毒性の食用油などの、非毒性の油であってもよい。特に、疎水性相は、非毒性の食用油、飽和脂肪アルコール又は不飽和脂肪アルコール、脂肪族炭化水素、長鎖トリグリセリド、脂肪酸エステル、及びこれらの混合物を含んでもよい。加えて又はあるいは、疎水性相はまた、シリコーン、ポリシロキサン、及びこれらの混合物を含んでもよい。好ましくは、疎水性相は、鉱油、ワセリン及びこれらの混合物、より好ましくはワセリン、例えば、本発明の組成物の疎水性相として使用されるワセリンから選択されてもよい。ワセリンの例としては、Calumet Specialty Products(Indianapolis,IN)からのSnow White Pet-C、Sonneborn(Parsippany,NJ)からのG-2191、SonnebornからのG2218、SonnebornからのG-1958、SonnebornからのG-2180、SonnebornからのSnow White V28EP、及びSonnebornからのSnow White V30、SonnebornからのG-2494、並びにこれらの混合物が挙げられる。好ましくは、半固体多相口腔用組成物は、連続相としてワセリンを含み、より好ましくは、ワセリンは半固体多相口腔用組成物の連続相である。
脂肪族炭化水素は、デカン、2エチルデカン、テトラデカン、イソテトラデカン、ヘキサデカン、エイコサン、及びこれらの混合物などの、約10、12、14又は16個~約16、18、20、22、24、26、28、30、36、40個の炭素原子を含有してもよい。長鎖トリグリセリドとしては、植物油、魚油、動物性脂肪、水添植物油、部分水添植物油、半合成トリグリセリド、合成トリグリセリド、及びこれらの混合物を挙げることができる。これらの種類の分留油、脱酸油、又は精製油を使用することもできる。長鎖トリグリセリド含有油の例としては、アーモンド油、ババス油、ルリヂサ油、クロフサスグリ種子油、キャノーラ油、ヒマシ油、椰子油、トウモロコシ油、綿実油、エミュー油、月見草油、アマニ油、グレープシード油、落花生油、からし油、オリーブ油、パーム油、パーム核油、ピーナッツ油、菜種油、ベニバナ油、ゴマ油、鮫肝油、大豆油、ヒマワリ油、水素添加ヒマシ油、硬化椰子油、硬化パーム油、硬化大豆油、硬化植物油、硬化綿実油と硬化ヒマシ油との混合物、部分水素化大豆油、部分水素化大豆油と部分水素化綿実油との混合物、トリオレイン酸グリセリル、トリリノール酸グリセリル、トリリノレイン酸グリセリル、オメガ3-多価不飽和脂肪酸トリグリセリド含有油、及びこれらの混合物、が挙げられる。長鎖トリグリセリド含有油は、好ましくは、トウモロコシ油、オリーブ油、パーム油、ピーナッツ油、ベニバナ油、ゴマ油、大豆油、ヒマシ油、亜麻仁油、菜種油、米糠油、椰子油、水素化ヒマシ油、部分水素化大豆油、トリオレイン酸グリセリル、トリリノール酸グリセリル、オメガ3-多価不飽和脂肪酸トリグリセリド含有油、及びこれらの混合物、からなる群から選択されてよい。
飽和脂肪アルコール又は不飽和脂肪アルコールは、約6個~約20個の炭素原子、セテアリルアルコール、ラウリルアルコール、及びこれらの混合物を有してもよい。例えば、Lipo Chemicalにより、Lipowax(セテアリルアルコール及びセテアレス-20)が供給及び製造される。
シリコーン流体、ゴム、及び樹脂を含むシリコーン並びにシリコーンの製造における一般情報は、Encyclopedia of Polymer Science and Engineering、第15巻、第2版、204~308頁、John Wiley & Sons Inc.1989、及びChemistry and Technology of Silicones、Walter Noll、Academic Press Inc.(発行者Harcourt Brue Javanovich、ニューヨーク)、1968、282~287頁及び409~426頁に見出すことができる。
本明細書にて開示した半固体多相口腔用組成物は、所望により追加することができ、かつ以下で更に詳細に述べる、追加の成分を含んでもよい。
好ましくは、本発明の半固体多相口腔用組成物は、分散剤を含まなくてもよい。分散剤を使用しない場合でも、粒子を含む半固体分散物の形態であり得る多相口腔用組成物を形成することができる。理論に束縛されるものではないが、少量の親水性有効成分粒子と、流体力学的特性、流動特性、融点、滴下融点、凝結点、及び/又は疎水性相の円錐貫入稠度、及び/又は組成物の調製プロセスとの組合せが、親水性有効成分粒子を疎水性相中へと分散させて、分散剤を使用することもなく親水性有効成分粒子の分散を維持するのに役立ち得る、と考えられている。加えて又はあるいは、半固体多相口腔用組成物は、消費者による使用の前に、半固体多相口腔用組成物が製造、充填、輸送又は貯蔵中(例えば、1日、2日、1週間、2週間、1か月、2か月、3か月、6か月、12か月、18か月、又は24か月)に曝され得る、温度(例えば、-7℃、4℃、23℃、25℃、30℃、40℃、50℃、又は60℃ C)及び条件で、(1)有効性、快適性、使用体験、歯の表面における有効成分若しくは漂白剤の経時的な濃度、活性物質若しくは漂白剤の有効性、又は成分間の相溶性を損なう可能性がある、又は(2)他の成分と反応する、他の成分を分解する、泡若しくは圧力を蓄積させる、半固体多相口腔用組成物の歯に対する持続性を低下させる、半固体多相口腔用組成物を厚く若しくは硬化させる、又はチューブから半固体多相口腔用組成物の適切な用量を手動で分注することを困難若しくは非実用的する、あるいは半固体多相口腔用組成物の1つ以上の構成成分を巨視的に分離させる可能性のある、成分、例えば分散剤、特に、隣接する炭素原子間に二重又は三重の共有結合を有する分散剤を実質的に含まなくてもよい。「分散剤を実質的に含まない」とは、本明細書で使用するとき、組成物が、0.001重量%未満の分散剤を含むことを意味する。より好ましい本発明の半固体ホワイトニング多相口腔用組成物は、分散剤を含まない、すなわち、いかなる分散剤をも含まない。特に、半固体多相口腔用組成物は、消費者による使用の前に、半固体多相口腔用組成物が製造、充填、輸送又は貯蔵中(例えば、1日、2日、1週間、2週間、1か月、2か月、3か月、6か月、12か月、18か月、又は24か月)に曝され得る、温度(例えば、-7℃、4℃、23℃、25℃、30℃、40℃、50℃、又は60℃)及び条件で、(1)有効性、快適性、使用体験、歯の表面における有効成分若しくは漂白剤の経時的な濃度、活性物質若しくは漂白剤の有効性、又は成分間の相溶性を損なう可能性があり、又は(2)他の成分と反応するか、又は他の成分を分解する可能性がある、又は泡若しくは圧力を蓄積させ、半固体多相口腔用組成物の歯に対するパッケージ持続性を低下させる可能性がある、保管され、半固体多相口腔用組成物を厚く若しくは硬化させる、又はチューブから半固体多相口腔用組成物の適切な用量を手動で分注することを困難若しくは非実用的にする、あるいは半固体多相口腔用組成物の1つ以上の構成成分を巨視的に分離させる可能性のある、成分、例えば、水、親水性液体、グリセリン、水分、ヒドロキシル基、又はこれらの組合せによって活性化される場合に粘着性になる親水性粒子を、実質的に含まなくてもよい。
加えて、又はあるいは、本発明の半固体多相口腔用組成物は、多相口腔用組成物の0~約0.1重量%、約0.1~約4重量%、約0.1~約3重量%、又は約0.5~約1.5重量%の水、親水性液体、グリセリン、水分によって活性化された場合に粘着性となる親水性粒子、又はこれらの組合せを含んでもよい。好ましくは、本発明の半固体多相口腔用組成物は、約0.001%、0.01%、0.1%、0.2%、0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、10%、又は20%未満の水、親水性液体、グリセリン、水分によって活性化された場合に粘着性となる親水性粒子、又はこれらの組合せを含み、より好ましくは、本発明の半固体多相口腔用組成物は、0%の水を含む。したがって、本発明の半固体多相口腔用組成物は、好ましくは非水性である、添加された水を実質的に含まない、又は無水物である。
加えて又はあるいは、半固体多相口腔用組成物は、強力な臭気を有する成分、例えば、アルコール、溶媒、酢酸エチル、ヘプタン、又は99℃未満の沸点を有する成分を、実質的に含まなくともよい。理論に束縛されるものではないが、アルコールにより生じる表面張力の減少が、歯の表面における親水性有効成分粒子の保持時間を減少させ、それにより、口腔ケア活性物質の有効性を減少させ得る、と考えられている。酸の存在は活性物質と矛盾し得る、及び/又は歯の表面にとって、過敏症等の負の副作用を発生させ得る。したがって、本発明の半固体多相口腔用組成物は、好ましくは酸を含まない、アルコールを含まない、又はこれらの混合物を含まない。特に、半固体多相口腔用組成物は、組成物の0.001重量%未満の酸及び/又はアルコールを含んでもよいが、好ましくは、半固体多相口腔用組成物は、酸及び/又はアルコールを含まない。
加えて、又はあるいは、半固体多相口腔用組成物の疎水性相は、他の成分と反応し得る漂白剤などの成分を実質的に含まなくともよい。
加えて、又はあるいは、半固体多相口腔用組成物は、消費者による使用の前に、半固体多相口腔用組成物が製造、充填、輸送又は貯蔵中(例えば、1日、2日、1週間、2週間、1か月、2か月、3か月、6か月、12か月、18か月、又は24か月)に曝され得る、温度(例えば、-7℃、4℃、23℃、25℃、30℃、40℃、50℃、又は60℃)及び条件で、(1)有効性、快適性、使用体験、歯の表面における活性物質若しくは漂白剤の経時的な濃度、有効成分若しくは漂白剤の有効性、又は成分間の相溶性を損なう可能性がある、又は(2)他の成分と反応する、他の成分を分解する、泡若しくは圧力を蓄積させる、半固体多相口腔用組成物の歯に対する持続性を低下させる、半固体多相口腔用組成物を厚く若しくは硬化させる、又はチューブから半固体多相口腔用組成物の適切な用量を手動で分注することを困難若しくは非実用的にする、又は半固体多相口腔用組成物の1つ以上の構成成分を巨視的に分離させる可能性のある、成分、例えばヒュームドシリカ、トリポリリン酸ナトリウム、ポリオルガノシロキサン、シリコーン樹脂とイオルガノシロキサンとの縮合生成物、スチレンのポリマー、エチレンのポリマー、プロピレンのポリマー、ポリビニルピロリドン、グリセリン、フッ化スズ、又はこれらの組合せを、実質的に含まなくてもよい。
特に、半固体多相口腔用組成物は、-7℃、4℃、23℃、25℃、30℃、40℃、50℃、又は60℃で、1日、2日、1週間、2週間、1か月、2か月、3か月、6か月、12か月、18か月、又は24か月後に、チューブから手動で分配することが容易であり得る。
組成物がチューブから手動で分配されやすいかどうかを判定する方法試験
1.以下の寸法を有する箔積層チューブを選択する:
a.ノズルの先端からバレルの底までの全長:約112mm
b.バレルの内径:約28mm
c.ノズルの長さ:約21mm
d.ノズルの内径:バレルに取り付けられたノズルの長さの半分が約9.7mm、及びノズルの出口オリフィスにつながるノズルの他の半分が約4.2mm。
2.約35~約40グラムの組成物を、バレルの底部を通して工程1のチューブに充填する。超音波シール器を使用して、バレルの底部を封止する。
3.空気が温度(例えば、-7℃、4℃、23℃、25℃、30℃、40℃、50℃、又は60℃)に維持された室内又はチャンバ内で、その後に分配の容易さを測定するべき期間の間、チューブを乱さないようにする。
4.チューブは約23℃で少なくとも1日、平衡化させる。
5.片手の親指と他の指との間でチューブを持ち上げる。チューブを空中で保持しながら、チューブを親指と他の指との間で約10秒間圧搾する。チューブのノズルから分配された組成物のビーズの長さを測定する。
6.組成物は、少なくとも1インチの生成物が工程5で分配される場合、指定された温度で指定された期間後に、チューブから手動で分配することが容易であると考えられる。
加えて又はあるいは、半固体多相口腔用組成物は、有効成分の安定性を低下させ得るため、ヒュームドシリカを実質的に含まなくともよい。
供給元(Dow Corning Corporation)からの製品情報文書(書式第52-1052B-01号、2016年8月9日)は、BIO-PSA Standard Silicone Adhesivesが、ヘプタン又は酢酸エチルを溶媒として使用して供給されると述べている。そのどちらも強力な臭気を有し、口腔内での使用に魅力的ではない。欧州化学機関(2016年3月)は、環状シロキサンD4は、難分解性で生物学的累積性かつ毒性の物質であり、環状シロキサンD5は、非常に難分解性で、非常に生物学的累積性が高いと述べている。
加えて又はあるいは、半固体多相口腔用組成物は、消費者による使用の前に、半固体多相口腔用組成物が製造、充填、輸送又は貯蔵中(例えば、1日、2日、1週間、2週間、1か月、2か月、3か月、6か月、12か月、18か月、又は24か月)に曝され得る、温度(例えば、-7℃、4℃、23℃、25℃、30℃、40℃、50℃、又は60℃)及び条件で、(1)有効性、快適性、使用体験、歯の表面における活性物質若しくは漂白剤の経時的な濃度、活性物質若しくは漂白剤の有効性、又は成分間の相溶性を損なう可能性ある、又は(2)他の成分と反応する、他の成分を分解する、泡若しくは圧力を蓄積させる、半固体多相口腔用組成物の歯に対する持続性を低下させる、半固体多相口腔用組成物を厚くする若しくは硬化させる、又はチューブから半固体多相口腔用組成物の適切な用量を手動で分注することを困難若しくは非実用的にする、あるいは半固体多相口腔用組成物の1つ以上の構成成分を巨視的に分離させる可能性のある、成分、例えば、シリコーン接着剤、環状シリコーン、シリコーン、シリコーン流体、ジメチコン、流動パラフィン、シリコーンと炭化水素との混合物、液状シリコーンと液状炭化水素との混合物、トリメチルシロキシシリケート/ジメチコノールクロスポリマー、又はこれらの組合せを、実質的に含まなくてもよい。
加えて又はあるいは、半固体多相口腔用組成物は、消費者による使用の前に、半固体多相口腔用組成物が製造、充填、輸送又は貯蔵中(例えば、1日、2日、1週間、2週間、1か月、2か月、3か月、6か月、12か月、18か月、又は24か月)に曝され得る、温度(例えば、-7℃、4℃、23℃、25℃、30℃、40℃、50℃、又は60℃)及び条件で、(1)有効性、快適性、使用体験、歯の表面における活性物質若しくは漂白剤の経時的な濃度、活性物質若しくは漂白剤の有効性、又は成分間の相溶性を損なう可能性がある、又は(2)他の成分と反応する、他の成分を分解する、泡若しくは圧力を蓄積させる、半固体多相口腔用組成物の歯に対する持続性を低下させる、半固体多相口腔用組成物を厚くする若しくは硬化させる、又はチューブから半固体多相口腔用組成物の適切な用量を手動で分注することを困難若しくは非実用的にする、あるいは半固体多相口腔用組成物の1つ以上の構成成分を巨視的に分離させる可能性のある、成分、例えば隣接する炭素原子間に二重又は三重の共有結合を有する分子を実質的に含まなくてもよい。
増粘剤、粘度調整剤、又は粒状充填剤
本明細書における半固体多相口腔用組成物は、安全かつ有効な量の、増粘剤、粘度調整剤、又は粒状充填剤を含んでもよい。増粘剤は、組成物の許容可能なレオロジーを更に提供し得る。粘度調整剤は、組成物の沈降及び分離を阻害するように、又は再分散を促進する方法にて沈降を制御するように更に作用することができ、また、組成物の流動特性を制御することができる。加えて、増粘剤又は粘度調整剤は、適用装置の表面上への保持を増大させることによって、本組成物をストリップ、フィルム、又は歯科用トレイなどの好適な適用装置と共に使用するのを容易にし得る。増粘剤には、本明細書に記載されたように、接着剤として機能し得る。
増粘剤が存在する場合には、粘度調整剤、又は粒子状充填剤は、多相口腔用組成物の約0.01重量%~約99重量%、約0.1重量%~約50重量%、約1重量%~約25重量%、又は約1重量%~約10重量%の濃度で存在してよい。
本明細書において使用することができる好適な増粘剤、粘度調節剤、又は粒子状充填剤としては、オルガノ変性粘土、シリカ、架橋シロキサンなどの合成ポリマー、セルロース誘導体(例えばメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等)、カルボマーポリマー(例えば、架橋ポリアクリル酸コポリマー又はホモポリマー、及びポリアルケニルポリエステルで架橋されたアクリル酸のコポリマー)、天然及び合成ゴム、カラヤゴム、グアーゴム、ゼラチン、アルギン、アルギン酸ナトリウム、トラガカント、キトサン、ポリエチレンオキシド、アクリルアミドポリマー、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ポリアミン、ポリ四級化合物、エチレンオキシドポリマー、ポリビニルピロリドン、カチオン性ポリアクリルアミドポリマー、ワックス(パラフィンワックス及び微晶蝋を含む)、ポリエチレン、ヒュームドシリカ、ポリメタクリレート、オレフィンコポリマー、水素化スチレン-ジエンコポリマー、スチレンポリエステル、ゴム、ポリ塩化ビニル、ナイロン、フルオロカーボン、ポリウレタンプレポリマー、ポリエチレン、ポリスチレン、アルキル化ポリスチレン、ポリプロピレン、セルロース系樹脂、アクリル系樹脂、エラストマー、ポリ(n-ブチルビニルエーテル)、ポリ(スチレン共無水マレイン酸)、ポリ(フマル酸アルキル共酢酸ビニル)、ポリ(t-ブチルスチレン)、及びこれらの混合物が挙げられる。
ポリエチレンの例としては、ASTM D-1321に基づきそれぞれ約98.5及び約90.0の透過値を有する、Honeywell Corp.((Morristown,NJ)により製造されるA-C1702又はA-C6702、Baker Hughesからの、ポリエチレンPerformaleneシリーズが挙げられ、これには、Baker Hughes Inc.(Houston,TX)からの、ポリエチレンPerformalene400が含まれる。微晶蝋の例としては、Sonneborn(Parsippany,NJ)、Crompton(Witco)からのMultiwaxシリーズが挙げられ、これらには、Multiwax835、Multiwax440、Multiwax180、及びこれらの混合物が含まれる。
ポリメタクリレートの例としては、例えば、アクリレート-メタクリレート共重合体、メタクリレート-スチレン共重合体、又はこれらの組合せが挙げられる。エラストマーの例としては、例えば、水素化スチレン-ブタジエン共重合体、水素化スチレン-イソプレン共重合体、エチレン-エチレン-プロピレンポリマー、エチレン-プロピレンポリマー、スチレン-エチレン-エチレン-プロピレン-スチレンポリマー、又はこれらの混合物が挙げられる。ゴムの例として、水素化ポリイソプレンが挙げられる。粘度調整剤のその他の例は、ChapmanandHall、「Chemistry and Technology of Lubricants」(第2版、1997年)に見出すことができる。
好適なカルボマーは、ペンタエリスリトールのアルキルエーテルで、若しくはスクロースのアルキルエーテルで架橋された、アクリル酸のホモポリマーの部類を含む。カルボマーは、B.F.Goodrich社より、Carbopol(登録商標)シリーズ、例えばCarbopol 934、940、941、956、及びこれらの混合物として市販されている。ポリアクリル酸のホモポリマーについては、例えば、米国特許第2,798,053号に記載されている。有用なホモポリマーのその他の例としては、B.F.Goodrich Company(Greenville,SC)から入手可能な、Ultrez10 ETD2050、及び974Pポリマーが挙げられる。このようなポリマーは、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、無水マレイン酸等などの、不飽和性の重合可能なカルボン酸モノマーのホモポリマーである。
本発明の半固体多相口腔用組成物及び/又は本発明の疎水性相は、構造構築剤、例えば、ポリビニルピロリドン-酢酸ビニル、ポリビニルピロリドン-コ-ポリビニルブチレート、又はポリビニルピロリドン-コ-ポリビニルプロピオネートコポリマーなどの両親媒性コポリマーを実質的に含まなくともよく、これは、口腔ケア組成物を増粘するだけでなく、口腔ケア組成物を均質な状態にさせるか、又は口腔ケア組成物を均質な状態に維持することもできる。これは、両親媒性コポリマーなどの構造構築剤が、(1)親水性である少なくとも1つのモノマーを有し、これにより、半固体多相口腔用組成物が唾液若しくは他の液体中でより洗い流されやすくなり得る、又は(2)口腔ケア組成物を均質な状態にさせることができ、これにより、歯表面における活性物質若しくは漂白剤の濃度が経時的に減少し得る、からである。
他の好適な任意成分
本発明の組成物中の任意の成分として、例えば、組成物の約0.001重量%~約10重量%、より特に約0.1重量%~約1重量%の濃度で、冷却剤、減感剤、及び麻酔剤を使用することができる。冷却剤、減感剤、及び麻酔剤は、刺痛、灼熱痛等などの、潜在的な負の知覚を減少させ得る。冷却剤は、多種多様な材料のうちのいずれかであり得る。このような物質には、カルボキサミド、メントール、ケタール、ジオール、及びこれらの混合物が含まれる。本発明の組成物中の任意の冷却剤は、N-エチル-p-メンタン-3-カルボキサミド(「WS-3」として知られている)、N,2,3-トリメチル-2-イソプロピルブタナミド(「WS-23」として知られている)、メントール、3-1-メントキシプロパン-1,2-ジオール(「TK-10」として知られている)、メントングリセロールアセタール(MGAとして知られている)、メンチルラクテート(フレスコラート(登録商標)として知られている)、及びこれらの混合物などの、パラメンタンカルボキシアミド剤であってもよい。本発明で使用するとき、メントール及びメンチルという用語は、これらの化合物の右旋性及び左旋性の異性体、及びこれらのラセミ混合物を含む。減感剤又は抗痛剤としては、塩化ストロンチウム、硝酸カリウム、ゴールナット、アサルム、クベビン、ガランガ根、黄岑、リアングミアンゼン、白しなどの天然ハーブを挙げることができるが、これらに限定されない。好適な麻酔剤としては、ベンゾカイン、リドカイン、クローブの芽の油、及びエタノールが挙げられる。
加えて又はあるいは、本明細書にて開示されるように、抗炎症剤は、本発明の半固体多相口腔用組成物中に存在してもよい。このような剤としては、アセチルサルチル酸、ケトロラク、フルルビプロフェン、イブプロフェン、ナプロキセン、インドメタシン、アセトアミノフェン、アセチルサリスチル酸、ステロイド、ケトロラク、ナプロキセン、ケトプロフェン、ピロキシカム及びメクロフェナム酸等の非ステロイド性抗炎症剤、バルデコキシブ、セレコキシブ及びロフェコキシブなどのCOX-2阻害剤、並びにこれらの混合物が挙げられ得るが、これらに限定されない。存在する場合、抗炎症剤は、一般に、組成物の約0.001重量%~約5重量%を構成する。
加えて又はあるいは、ミネラルなどの栄養物は、歯及び歯の表面を向上させ得、またしたがって、本明細書にて開示したように、本組成物に含まれ得る。好適なミネラルは、例えば、カルシウム、リン、フッ化物、亜鉛、マンガン、カリウム、及びこれらの混合物である。これらのミネラルは、例えば、Drug Facts and Comparisons(loose leaf drug information service)、Wolters Kluer Company(St.Louis,Mo.)、(著作権)1997年、10頁~17頁に開示されている。
加えて又はあるいは、本明細書にて開示された組成物は、所望により、安全かつ有効な量の香料添加剤を含んでもよい。好適な香料添加剤としては、冬緑油、ペパーミント油、スペアミント油、クローブバッド油、メントール、アネトール、メチルサリチレート、ユーカリプトール、1-メンチルアセテート、セージ、オイゲノール、パセリ油、オキサノン、α-イリソン、マジョラム、レモン、オレンジ、プロペニルグエトール、桂皮、バニリン、チモール、リナロオール、ケイ皮アルデヒドグリセロールアセタール(CGAとして知られている)、及びこれらの混合物が挙げられる。存在する場合、香料添加剤は、一般に、組成物の約0.01重量%~約30重量%、特に約1重量%~約20重量%、より特に約1.5重量%~約15重量%の濃度にて使用される。
加えて又はあるいは、本発明の組成物は、所望により、スクラロース、スクロース、グルコース、サッカリン、デキストロース、レブロース、ラクトース、マンニトール、ソルビトール、フルクトース、マルトース、キシリトール、サッカリン塩類、タウマチン、アスパルテーム、D-トリプトファン、ジヒドロカルコン類、アセスルファム及びシクラメート塩類、特にシクラミン酸ナトリウム及びサッカリンナトリウム、並びにこれらの混合物を含む、甘味剤を含んでもよい。存在する場合、本発明の組成物は、組成物の約0.1重量%~約10重量%、特に約0.1重量%~約1重量%のこれらの剤を含有する。
加えて又はあるいは、本発明の組成物には、所望により、染料、顔料、着色剤、及びそれらの混合物が含まれて、本明細書の組成物に色のついた外観を与えてもよい。顔料及び/又は着色剤を、本明細書の組成物へと添加することの利点は、着色された組成物により適用範囲が容易に確認できる故に、使用者の歯を均等かつ完全に覆っているかどうかを使用者が確認することを可能にする、ということである。加えて、着色剤は、漂白された歯の色と類似した色を提供し得る。本明細書にて有用な着色剤は漂白剤に対して安定であり、安全であることが認識されているものである。本明細書にて所望により使用される染料、顔料及び着色剤の濃度は、組成物の約0.05重量%~約20重量%、特に約0.10重量%~約15重量%、また更に特に約0.25重量%~約5重量%の範囲である。
驚くべきことに、通常は互いに不適合である2種以上の口腔ケア有効成分を、本発明の組成物中の同じ組成物中で組合せることができることが見出された。例えば、本発明は、組成物の漂白有効性を更に改善する追加の口腔ケア有効成分と組合せた、親水性漂白剤粒子を含んでもよい。このような実施形態の例としては、水と接触させたときにpHを増加させる駆動力を提供し得る、追加の口腔ケア活性物質と組合せた親水性漂白剤粒子が挙げられる。具体的には、例として、炭酸水素ナトリウム(重曹)と組み合わされた過酸化物を含む親水性漂白剤粒子が挙げられる。米国特許第5,814,303号が次のように述べていることは注目に値する:「接触すると、過酸化物と重曹とは互いに反応する。そのため、これらの成分は、使用時まで別々に維持されなければならない。これらを異なる区画に分離することによって過酸化物及び重曹を物理的に単離する、分配パッケージが開発されている」。驚くべきことに、本発明では、過酸化物及び焼成ソーダを実際に同じ組成物中で組合せて、異なる区画の必要性を排除することができることが見出された。理論に束縛されることを望むものではないが、互いに通常は不適合である2つ以上の親水性口腔ケア有効成分の粒子を疎水性相中に分散させると、粒子間の疎水性相によって粒子同士が実質的に分離し、顕微鏡スケールでも維持されるこの分離は、不適合性を最小化又は排除することができると仮定される。更に、親水性口腔ケア剤の1つの粒子が、例えば口腔内での使用時に水分と接触すると、粒子の構成成分が少なくとも部分的に溶解又は膨潤し、他の口腔ケア剤の粒子の構成成分と直接接触し得るものと仮定される。しかしながら、これは、主に口腔内での使用時に起こり得、使用前に組成物中で起こることは最小限であるか、全く起こらない。したがって、本発明の半固体多相口腔用組成物は、通常は互いに不適合である2つ以上の口腔ケア有効成分を含んでもよい。
漂白有効性
漂白剤が有効成分として使用される場合、本明細書に開示される臨床プロトコルに従って測定され、-Δb*として計算される本発明の漂白有効性は、少なくとも約0.25、0.5、1、1.5、2、2.5、3、4、5、6、7、8、9、又は10、あるいは、そのようなより狭い数値範囲が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつこのようなより広い数値範囲内に収まる任意のその他の数値範囲である。
特に、本発明の漂白有効性は、適用可能な場合、本明細書に開示される臨床プロトコルに従って測定され、-Δb*として計算されるとき、少なくとも約0.25、好ましくは少なくとも約0.5、より好ましくは少なくとも約1.0、更により好ましくは少なくとも約1.5、更により好ましくは少なくとも約2、更により好ましくは少なくとも約2.5、更により好ましくは少なくとも約3、更により好ましくは少なくとも約3.5、また更により好ましくは少なくとも約4、又は、そのようなより狭い数値範囲が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつこのようなより広い数値範囲内に入る、任意の他の数値範囲であってもよい。一般に、本明細書にて開示されるように臨床プロトコルに従って測定され、-Δb*として算出される少なくとも0.25の黄色度の変化は、注目すべきものである。
適用可能な場合、本発明は、本明細書にて開示される臨床プロトコルに従って測定され、半固体多相口腔用組成物全体中に存在する漂白剤の重量パーセントに対して-Δb*として算出される、漂白有効性の著しく高い比率をもたらし得る。例えば、3%の漂白剤を含有する組成物を有する1.5の-Δb*は、本明細書にて開示されるような臨床プロトコルに従って測定され、かつ0.5の半固体多相口腔用組成物全体中に存在する漂白剤の重量パーセントに対して-Δb*として算出される、漂白有効性の比率をもたらし得ることが見出されてきた。
加えて又はあるいは、適用可能な場合、本明細書に開示される臨床プロトコルに従って測定され、半固体多相口腔用組成物全体に存在する漂白剤の重量パーセントに対して-Δb*として算出される、本発明の漂白有効性の比率は、少なくとも約0.25、0.5、1、1.5、2、2.5、5、10、又は15、あるいは、そのようなより狭い数値範囲が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつこのようなより広い数値範囲内に入る、任意のその他の数値範囲であってもよい。
特に、適用可能な場合、本発明の漂白有効性の比率は、本明細書に開示される臨床プロトコルに従って測定され、かつ半固体多相口腔用組成物全体中に存在する漂白剤の重量パーセントに対して-Δb*として算出されるとき、少なくとも約2.5、好ましくは少なくとも約5、より好ましくは少なくとも約10、更により好ましくは少なくとも約15であってよい。
加えて又はあるいは、適用可能な場合、本明細書に開示される臨床プロトコルに従って測定され、かつ-Δb*として算出される、本発明の漂白有効性の比率は、水溶液又は水性ゲルの形態における比較口腔ケア組成物の漂白有効性よりも、少なくとも約10%、少なくとも約100%、少なくとも約1000%、若しくは少なくとも約10,000%高くてよい。比較口腔ケア組成物は、水溶液又は水性ゲル中に溶解させた、同一濃度の同一の漂白剤を含む。
本発明は、親水性有効成分粒子が漂白剤粒子である場合、(1)本明細書に開示される臨床プロトコル当たりで測定され、かつ口腔刺激を報告した、又は多分若しくはおそらく試験された組成物に起因した口腔刺激を有すると観察された参加者の分率に対して-Δb*として算出される、著しく高い漂白有効性の比率をもたらす、(2)本明細書に開示される臨床プロトコルに従って測定され、多分若しくはおそらく試験された組成物に起因した歯の知覚過敏を報告した参加者の分率に対して-Δb*治療として算出される、著しく高い漂白有効性の比率をもたらす、又は(3)本明細書に開示される臨床プロトコルに従って測定され、歯の知覚過敏を報告した、又は口腔刺激を報告した、又は多分若しくはおそらく試験された組成物に起因した口腔刺激が観察された参加者の分率に対して-Δb*として算出される、著しく高い漂白有効性の比率をもたらす。
加えて又はあるいは、適用可能な場合、本発明の漂白有効性の比率は、本明細書に開示される臨床プロトコルに従って測定され、多分若しくはおそらく本発明に起因した歯の知覚過敏を報告した参加者の分率に対して-Δb*として算出される、とき、少なくとも約6、7、8、9、10、15、20、25、50、若しくは100、又は、そのようなより狭い数値範囲が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつこのようなより広い数値範囲内に入る、任意の他の数値範囲であってもよい。
特に、適用可能な場合、本発明の漂白有効性の比率は、本明細書にて開示される臨床プロトコルに従って測定され、多分若しくはおそらく本発明に起因した歯の知覚過敏を報告した参加者の分率に対して-Δb*として算出されるとき、少なくとも約6、好ましくは少なくとも約7、より好ましくは少なくとも約8、更により好ましくは少なくとも約9、更により好ましくは少なくとも約10、更により好ましくは少なくとも約15、更により好ましくは少なくとも約20、更により好ましくは少なくとも約25、また更により好ましくは少なくとも約50、又は、そのようなより狭い数値範囲が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつこのようなより広い数値範囲内に入る、任意の他の数値範囲であってもよい。
加えて又はあるいは、適用可能な場合、本発明の漂白有効性の比率は、本明細書に開示される臨床プロトコルに従って測定され、口腔刺激を報告した、又は多分若しくはおそらく試験された組成物に起因した口腔刺激が観察された参加者の分率に対して-Δb*として算出されるとき、少なくとも約6、7、8、9、10、15、20、25、50、若しくは100、又は、そのようなより狭い数値範囲が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつこのようなより広い数値範囲内に入る、任意の他の数値範囲であってもよい。
特に、適用可能な場合、本発明の漂白有効性の比率は、本明細書にて開示される臨床プロトコルに従って測定され、口腔刺激を報告した、又は多分若しくはおそらく試験された組成物に起因した口腔刺激が観察された参加者の分率に対して-Δb*として算出されるとき、少なくとも約6、好ましくは少なくとも約7、より好ましくは少なくとも約8、更により好ましくは少なくとも約9、更により好ましくは少なくとも約10、更により好ましくは少なくとも約15、更により好ましくは少なくとも約20、更により好ましくは少なくとも約25、また更により好ましくは少なくとも約50、又は、そのようなより狭い数値範囲が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつこのようなより広い数値範囲内に入る、任意の他の数値範囲であってもよい。
加えて又はあるいは、適用可能な場合、本発明の漂白有効性の比率は、本明細書に開示される臨床プロトコルに従って測定され、歯の知覚過敏を報告した、若しくは口腔過敏を報告した、又は多分若しくはおそらく試験された組成物に起因した歯の口腔刺激が観察された参加者の分率に対して-Δb*として算出されるとき、少なくとも約6、7、8、9、10、15、20、25、50、若しくは100、又は、そのようなより狭い数値範囲が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつこのようなより広い数値範囲内に入る、任意の他の数値範囲であってもよい。
特に、適用可能な場合、本発明の漂白有効性の比率は、本明細書に開示される臨床プロトコルに従って測定され、歯の知覚過敏を報告した、若しくは口腔刺激を報告した、又は多分若しくはおそらく試験された組成物に起因した口腔刺激が観察された参加者の分率に対して-Δb*として算出されるとき、少なくとも約6、好ましくは少なくとも約7、より好ましくは少なくとも約8、更により好ましくは少なくとも約9、更により好ましくは少なくとも約10、更により好ましくは少なくとも約15、更により好ましくは少なくとも約20、更により好ましくは少なくとも約25、また更により好ましくは少なくとも約50、又は、そのようなより狭い数値範囲が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつこのようなより広い数値範囲内に入る、任意の他の数値範囲であってもよい。
臨床プロトコル
以下の臨床プロトコルを使用して、有効成分として漂白剤を含む半固体多相口腔用組成物の漂白有効性を測定する。約1%未満の漂白剤を伴う組成物を試験する場合、臨床実験を完了させるために、処理グループ当たり17~25人の参加者を採用し、また少なくとも約1%の漂白剤を伴う組成物を試験する場合、8~25人の参加者を採用する。採用された参加者は、全ての測定可能な顔側部位を有する4つの天然の上顎切歯を有していなければならない。参加者のグループの平均ベースラインL*は、71~76でなければならず、また、参加者のグループの平均ベースラインb*は、13~18でなければならない。更に、上顎前歯の不正咬合、テトラサイクリン、フッ素沈着、若しくは低石灰化により引き起こされる重篤又は異型の内因性着色、上顎前歯の前面上の歯冠又は再建のある参加者、メラノーマの病歴を自身で報告している参加者、現在喫煙又はタバコの使用がある参加者、軽度の刺激感応性又は色素沈着皮膚疾患を有する参加者、歯の知覚過敏を自身で報告している参加者、又は以前に専門の治療を用いて、薬局窓口での処方箋なしのキット若しくは治験製品により歯のホワイトニングを行ったことのある参加者は、本試験から除外される。参加者は、Crest Cavity Protection練り歯磨き及びOral-Bの軟性手動式歯ブラシ(両方とも、Procter&Gamble(Cincinnati,OH,USA))を提供されて、慣習的な様式にて、日に2回、使用する。
参加者は歯ブラシ(Team Technolosies,Ind.(Morristown,TN,USA)からの「Anchor41房束白色歯ブラシ」)を使用して、半固体多相口腔用組成物で処置されることに先立って、水を使用して30秒間、自分の歯を磨く。各参加者の上顎前歯は、送達支持材料としてのポリエチレンのストリップを使用して、半固体多相口腔用組成物により、日に1回、60分間処置される。ポリエチレンのストリップは、66mm×15mmのサイズであり、かつ0.0178mmの厚さである。上顎前歯に適用することに先立って、0.6g~0.8gの半固体多相口腔用組成物を、ポリエチレンの各ストリップにわたって適用する。
半固体多相口腔用組成物を電磁放射線と共に使用した場合、
1)ストリップ上の半固体多相口腔用組成物による処置の50分後に、電磁放射線を、上顎前歯の前面に向かって10分間適用し、
2)電磁放射線を、ストリップ及び半固体多相口腔用組成物を介して上顎前歯に向け、
3)ストリップは、少なくとも約90%の、400nm~500nmの電磁放射線を透過させることができる必要があり、かつ
4)図6にて示すように、455nmのピーク強度波長を有する4つの高電力LED(Thorlabs(Newton,NJ,USA)からの、モデル番号M455F1)に接続した4本の光ファイバーケーブル(Thorlabs(Newton,NJ,USA)からの、モデル番号M71L01)を介して、電磁放射線を送達する。4つのLEDは、1000mAにて作動し、それぞれLEDドライバ及びハブ(Thorlabs(Newton,NJ,USA)からの、モデル番号DC4104及びDC4100-ハブ)を使用している。4本の光ファイバーケーブルの出口端部は、透明なマウスピースの後方に取り付けられて、ストリップの外表面に対して電磁放射線を再現可能に位置付けるのに役立つ。4本の光ファイバーケーブルの出口端部は、マウスピースの出口表面から約7mm離れており、電磁放射線が透明のマウスピースを通過する。マウスピースの咬合棚部は、電磁放射線が上顎前歯に向かって通過する透明な窓部が7.4mmの高さとなるようにオフセットされている。また、電磁放射線が上顎前歯に向かって通過する透明な窓部は、端から端(湾曲を含まない)まで直線的に測定して、40mmの長さである。光ファイバーケーブルの出口端部は、光ファイバーケーブルから出る電磁放射線の円錐体が、図6にて示すように、電磁放射線が上顎前歯に向かって通過する透明な窓部内で中央となるように、位置付けられかつ角度が付けられている。また、4本の光ファイバーケーブルの出口端部は、電磁放射線の円錐体が、図6にて示すように、電磁放射線が上顎前歯に向かって通過する透明な窓部の長さに対して離間配置されるように、離間配置される。電磁放射線が上顎前歯に向かって通過する、透明な窓部の出口表面において出る電磁放射線の各円錐体の中央軸線において測定された、400~500nmの電磁放射線の強度は、本明細書にて開示した方法により測定された際に、約175mW/cm2~約225mW/cm2となる必要がある。
一旦、60分間の半固体多相口腔用組成物による処置が完了すると、ストリップが取り外される。この処置は、1%未満の漂白剤を有する組成物に関して最低7日間、また少なくとも約1%の漂白剤を有する組成物に関して最低3日間、日に1回適用される。
約1%未満の漂白剤を有する組成物に関して第7度目の処置後、また少なくとも約1%の漂白剤を有する組成物に関して第3度目の処置後に、半固体多相口腔用組成物による処置故の歯における色の変化を、後述の手順を使用して測定する。
偏光フィルタを装着したレンズを有するデジタルカメラ(アダプタ付きNIKON55mmマイクロNIKKORレンズ搭載、Canon Inc.(Melville,NY)からの、カメラモデル番号CANON EOS 70D)を使用して、歯の色を測定する。ライトシステムは、(それを通して光が他方へと出る、ガラスレンズのうち1つの外側円形表面の中央から測定して)約30cm離れて配置された、150ワット、24V電球モデル番号(Xenophotモデル番号HL X64640)を装着し、45度にて照準される、Dedoライト(モデル番号DLH2)により提供され、これにより、光路が、カメラの焦点面の前面において、約36cmの頤レストの垂直平面で交差する。各ライトは、偏光フィルタ(Lee201フィルタ)、及び遮断フィルタ(Rosco(Stamford,CT,USA)からの、Rosco7mil、Thermashieldフィルタ)を有する。
光路の交差点において、光照射野における再現可能な再位置決めのための、固定された頤レストが取り付けられる。カメラは2つのライトの間に位置付けられ、これにより、その焦点面が、頤レストの垂直面から約36cmとなる。歯の色の測定を開始することに先立って、色基準を撮影して較正設定点を確立する。最初に、マンセルN8グレー基準を撮影する。グレーのRGB値が200となるように、カメラの白バランスを調節する。色基準が撮影されて、色チップの標準RGB値を得る。(マンセルカラー、X-rite社部門(Grand Rapids,MI,USA)からの)色基準及びグレー基準を、以下に列挙する。各色基準を、マンセル命名法にて標識する。色基準の格子を作成するために、それらを次の様式にて配置させることができる。これにより、複数の色基準を、色基準の格子により撮影された単一の画像に含めることが可能になる。
ベースラインの歯の色に関して、参加者は、歯ブラシ(Team Technologies,Inc.(Morristown,TN,USA)からの「Anchor41」剛毛白歯ブラシ)を使用して、水により自分の歯を磨いて、自分の歯から食物の破片を取り除く。各参加者は、次に、(Washington Scientific Camera Company(Sumner,WA,USA)からの製品であり、A&B Deburring Company(Cincinnati,OH,USA)にて艶消マット仕上げ処理された)頬部レトラクタを使用して、頬部を引き戻し、自分の歯の前面が照射されることを可能にする。各参加者は、上顎部門歯の切歯端が下顎部門歯の切歯端に接触するように、自分の歯を一緒に噛合わせるように指示される。参加者は、次に、カメラ視野の中央において、光路の交差点にて、頤レスト上に位置付けられて、歯の画像が捕捉される。全ての参加者が撮像された後、画像解析ソフトウェア(Media Cybernetics,Inc.Silver Spring,MD)により製造されたOptimas)を使用して画像が処理される。中央の4つの門歯が隔離されて、歯の平均RGB値が抽出される。
参加者がホワイトニング製品を使用した後であるが、参加者の歯の画像を捕捉することに先立って、システムをベースライン構成に設定して、前述したように較正する。較正後、各参加者は、前と同様の手順を用いて、参加者が処置前の画像と同じ物理的位置(歯の向きを含む)にいることを確認しながら、2回目の撮像をされる。画像解析ソフトウェアを用いて画像を処理して、中央の4つの上顎切歯平均RGB値を得る。全ての画像のRGB値は、次に、RGB値及び色標準における色チップのL*a*b*値を使用して、CIE L*a*b*色空間内へとマッピングされる。色標準における色チップのL*a*b*値は、Photo Research Inc.(LA)からのPhoto ResearchScan PR650を使用して、前面歯列のデジタル画像を捕獲するために記載された同一の照明条件を使用して測定される。PR650は、カメラとして、色標準からの同一の距離に位置付けられる。各先端部は、製造者取扱説明書による較正後に、L*a*b*に関して、個別に測定される。次に、回帰方程式を使用して、以下のように、RGB値がL*a*b*値へと変換される。
L*、a*、及びb*のためのR2は、>0.95でなければならない。各研究は、その独自の方程式を有するべきである。
これらの方程式は、一般に、歯の色領域(60<L*<95、0<a*<14、6<b*<25)における有効な変換である。各参加者の画像セットからのデータは、次に、ホワイトニング効果の評価に使用されるL*、a*、及びb*、-a*の標準法における変化の観点から、ホワイトニングの性能を評価するために使用される。約1%未満の漂白剤を有する組成物の評価の場合は、L*における変化は、ΔL*=L*
7回の処置後の日-L*
ベースラインとして定義され、正の変化は明るさにおける向上を示し、a*における変化(赤-緑のバランス)は、Δa*=a*
7回の処置後の日-a*
ベースラインとして定義され、負の変化は赤味がより少ない歯を示し、b*における変化(黄-青のバランス)は、Δb*=b*
7回の処置後の日-b*
ベースラインとして定義され、負の変化は、歯の黄色味がより少なくなっていることを示す。少なくとも約1%以上の漂白剤を有する組成物の評価の場合は、L*における変化は、ΔL*=L*
3回の処置後-L*
ベースラインとして定義され、正の変化は明るさにおける向上を示し、a*における変化(赤-緑のバランス)は、Δa*=a*
3回の処置後-a*
ベースラインとして定義され、負の変化は赤味がより少ない歯を示し、b*における変化(黄-青のバランス)は、Δb*=b*
3回の処置後-b*
ベースラインとして定義され、負の変化は、歯の黄色味がより少なくなっていることを示す。-Δb*は、漂白有効性の主要な測定値として使用される。全体の色の変化は、方程式ΔE=(ΔL*2+Δa*2+Δb*2)1/2により算出される。
ホワイトニング製品を使用した後、CIEラボ色空間における色の変化を、所与の方程式に基づいて、各参加者に関して算出することができる。
上記の臨床プロトコルを確実なものとするために、(ストリップ上に送達され、かつ本明細書で開示された電磁放射線と共に使用される)以下で明記される妥当性検査組成物の(-Δb*として算出された)漂白有効性は、7回目の処置の後の日に測定され、かつ>0.5として実証される必要がある。
*組成物全体中に存在するH
2O
2の重量パーセントにおける濃度に対する、水相中に存在するH
2O
2の重量パーセントにおける濃度の比率
1Solvay(Houston,Texas)からの、ultra Cosmetic Grade
2Sonneborn LLC(Parsippany,NJ)からの、G-2191Grade
臨床プロトコル用の妥当性検査組成物を作製する手順
500グラムのバッチの妥当性検査組成物を、過酸化水素(H2O2)の水溶液及びワセリンを、Speedmixer容器(Flacktek Inc.(Landrum,SC)からの「Max 300 Long Cup Translucent」、品番501 218t)に計り入れ、800RPMにて5秒間、1200RPMにて5秒間、また1950RPMにて2分間、Speedmixerにおいて混合することによって作製した。その後、プラスチック製のヘラで容器の壁を削り落として、800RPMにて5秒間、1200RPMにて5秒間、また1950RPMにて2分間、内容物の2回目の混合を行う。その後、プラスチック製のヘラで容器の壁を削り落として、800RPMにて5秒間、1200RPMにて5秒間、また1950RPMにて2分間、内容物の3回目の混合を行う。
任意のアプリケーションシステム
なお、更に本発明は、本発明の組成物を歯の表面に送達するための送達システムに更に関してもよい。例えば、本発明の組成物は、送達支持材料システムを使用せずに、歯へと直接適用することにより、口腔へとホワイトニング効果などの健康的又は美容的利益をもたらしてもよい。加えて、本発明は、送達支持材料と組み合わされた本発明の組成物を含む、送達システムを含んでもよい。例えば、送達システムは、支持材料の第1の層及び本明細書に記載された半固体多相口腔用組成物を含む第2の層を含んでもよく、これにより、有効成分が、放出可能に本発明の組成物内に配置される。好適な第1の層は、材料のストリップ、歯科用トレイ、スポンジ材料、及びこれらの混合物を含む、送達支持材料を含んでよい。特に、送達支持材料は、恒久的に変形可能なストリップなどの材料のストリップであってもよい。好適な材料のストリップ、又は恒久的に変形可能なストリップは、例えば、米国特許第6,136,297号;同第6,096,328号;同第5,894,017号;同第5,891,453号、及び同第5,879,691号、並びに米国特許第5,989,569号、及び同第6,045,811号、並びに米国特許出願公開第2014/0178443(A1)号に記載されている。
送達支持材料は、送達支持材料の一部である付着手段を介して歯に取り付けられてよく、例えば、送達支持材料は、一度適用されると、送達支持材料が口腔軟組織に重なって、処置に可能な表面が大きくなるのに十分なサイズであってもよい。送達支持材料はまた、送達支持材料と歯を含む口腔表面との間の物理的干渉又は機械的連動により、口腔に取り付けられてよい。
送達支持材料は、約200nm~約1700nmの波長を伴う電磁放射線に対して、透明又は半透明であってよい。例えば、送達支持材料は、約400nm~約500nmの電磁放射線の約10%、20%、又は30%~約40%、50%、60%、70%、80%、90%、又は100%が、歯の表面を通過することを可能にする。
送達支持材料が材料のストリップである場合、第2の層の組成物は、ストリップ上にコーティングされてよい、又は使用者によりストリップ上に適用されてよい、又は使用者により歯へと適用され、次に、コーティングされた歯の上にストリップが置かれてよい。ストリップ又は歯の表面に適用される組成物の量は、ストリップのサイズ及び容量、有効成分の濃度、並びに所望の利益に依存してよく、例えば、約0.0001、0.001、若しくは0.01グラム~約0.01、0.1、1、又は5グラムの組成物が使用されてよい、又は、そのようなより狭い数値範囲が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつこのようなより広い数値範囲内に入る、任意のその他の数値範囲の組成物、特に約0.001g~約0.5g、又は約0.1g~約0.4gの半固体多相口腔用組成物が使用されてもよい。加えて、材料の平方センチメートル(g/cm2)当たり、約0.0001、0.001、若しくは0.01グラム~約0.01、0.1、0.5、又は1グラム、又は、そのようなより狭い数値範囲が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつこのようなより広い数値範囲内に入る、任意のその他の数値範囲の組成物、好ましい実施形態では、約0.2g/cm2未満、約0.0001g/cm2~約0.1g/cm2、又は約0.01g/cm2~約0.04g/cm2の組成物が使用されてよい。加えて、又はあるいは、1平方センチメートルの材料当たり約1マイクログラム~約5000マイクログラム(マイクログラム/cm2)の有効成分又は漂白剤、好ましくは、1平方センチメートルの材料当たり、約10マイクログラム/cm2~約500マイクログラム/cm2、またより好ましくは約50マイクログラム/cm2~約100マイクログラム/cm2の有効成分又は漂白剤が、使用されてもよい。
ここで図面を参照すると、より具体的には、図1を参照すると、本明細書にて開示したような半固体多相口腔用組成物により提供される漂白活性物質を、歯及び口腔へと送達するための送達システムを表す、好適な送達システム10の実施形態が示されている。送達システム10は、実質的に平坦であり、かつ丸みを帯びた角部を有してもよい、材料のストリップ形態12の材料を含む。当該ストリップ12上へと、本発明の半固体多相口腔用組成物を含む第2の層14が、取り外し可能に適用される。第2の層14は、図2の断面図において示すように、均質であってよく、ストリップ12上へと均一かつ均等にコーティングされてよい。更に、本発明の組成物を含む第2の層14は、材料のストリップ12の一部の長手方向軸に沿ってのみのコーティングであってよい、又はストライプ状、スポット状、及び/又はその他のパターンとして適用されてよい。しかしながら、代替的に、第2の層14は、構成成分の積層体又は分離された層、構成成分の非晶質混合物、異なる構成成分の別個のストライプ状若しくはスポット状若しくはその他のパターン、又は材料のストリップ12の一部の長手方向軸に沿った第2の層14のコーティングを含むこれらの構造の組合せであってもよい。
加えて又はあるいは、第2の層14は、当該層が接触する表面の外観又は構造における所望の変化に影響を与える又は変化を生じさせることができる、組成物、化合物、又は混合物などの有効成分を含んでもよい、又はそれ自体が有効成分であってもよい。前述のように、代表的な活性物質としては、過酸化水素、過酸化カルバミド、フッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、ピロホスフェート、クロルヘキシジン、ポリホスフェート、トリクロサン、及び酵素が挙げられる。外観及び構造変化の例としては、ホワイトニング、汚れの漂白、汚れの除去、フッ素リン灰石を形成するための再石灰化、歯垢除去、及び歯石の除去が挙げられるが、これらに限定されない。
更に、第2の層14の組成物は、送達システム10を歯の表面へと安定的に取り付けるために、接着手段を含んでよい。本明細書にて開示される組成物は、それ自体が、例えば、本発明の組成物へと接着材料を添加することにより既に接着特性を提供している疎水性相を選択することにより、又は両方により、意図的な粘着性及び接着性を提供してもよい。添加された場合、接着剤は、増粘/レオロジー変性特性などの、追加的な特性を提供し得る。
図3及び図4は、隣接する複数の歯の表面に適用される、本発明の送達システム10を示す。複数の隣接する歯22が、隣接する軟組織20に埋め込まれている。隣接する軟組織20は、本明細書では歯牙構造を取り囲む軟組織として定義され、これには、乳頭、辺縁歯肉、歯肉溝、歯肉間、並びにパレット上の歯肉歯槽粘膜接合部までの、及びこれを含む、舌側及び頬側表面上の歯肉歯茎構造が含まれる。
図3及び図4の両方において、送達システム10は、ストリップ12及び本発明の組成物を含む第2の層14を表し、第2の層14は、材料のストリップ12の歯22に面する側に配置される。第2の層14の組成物は、材料のストリップ12へと事前に適用されてよい、又は、歯への適用に先立って、使用者により、材料のストリップ12へと適用されてよい。代替的に、第2の層14の組成物は、使用者により歯22へと直接適用されて、次にストリップ12により覆われてよい。いずれの場合も、材料のストリップ12は、歯22の起伏のある表面及び隣接する軟組織20に適合することができるような厚さ及び曲げ剛性を有することができる。したがって、材料のストリップ12は、口腔表面の輪郭を形成するのに十分な柔軟性を有してよく、この口腔表面は、隣接する複数の歯22である。ストリップ12はまた、送達システム10が適用されるときに、恒久的に変形することなく、歯の表面及び歯の隙間の空間に容易に適合することができる。送達システム10は、有意な圧力を加えることなく、適用され得る。
送達システム10の第1の層12は、材料のストリップからなり得る。このような第1の層の材料は、米国特許第6,136,297号、同第6,096,328号、同第5,894,017号、同第5,891,453号、同第5,879,691号、同第5,989,569号、及び同第6,045,811号、並びに米国特許出願公開第2014/0178443(A1)号に詳細に記載されている。ストリップ12は、第2の層14において、有効成分のための保護バリアとして機能する。これは、例えば、装着者の舌、唇、及び唾液の消耗などによる、第2の層14の浸出又は浸食を防止する。これにより、第2の層14中の親水性有効成分粒子が、目的の期間、例えば数分~数時間の間、口腔の歯の表面22に作用することが可能となる。
材料のストリップの以下の説明は、図1~図4に示すようなストリップ層12を有する送達システム10、又は任意の形態のストリップに当てはまり得る。材料のストリップは、ポリマー、天然及び合成織布材料、不織布材料、箔、紙、ゴム、及びこれらの組合せを含み得る。材料のストリップは、材料の単層、あるいは2層以上からなる積層物であってよい。層の数に関係なく、材料のストリップは、実質的に非水溶性であってよい。ストリップ材料はまた、非透水性であってよい。好適なストリップ材料は、必要な曲げ剛性を満たし、かつ口腔ケア組成物に適合する、任意の種類のポリマー又はポリマーの混合物であってよい。好適なポリマーとしては、ポリエチレン、エチルビニルアセテート、ポリエステル、エチルビニルアルコール、及びこれらの組合せが挙げられる。ポリエステルの例としては、いずれもDupontにより製造される、Mylar(登録商標)、及びTeflon(登録商標)などのフッ素樹脂が挙げられる。特に、材料のストリップとして使用される材料は、ポリエチレンである。材料のストリップは、約1mm(ミリメートル)未満の厚さ、約0.05mm未満の厚さ、又は約0.001~約0.03mmの厚さであってよい。ポリエチレン材料のストリップは、約0.1mm未満の厚さであってよい、又は約0.005~約0.02mmの厚さであってよい。
加えて又はあるいは、本発明は溶解性フィルムを含んでもよく、これは、口腔内に接着することが可能であり、それにより、有効成分を放出する。溶解性フィルムは、水溶性ポリマー、1種以上の多価アルコール、及び1種以上の有効成分を含む。1種以上の活性物質に加えて、口腔への適用を目的として、溶解性フィルムは、特定の可塑剤若しくは界面活性剤、着色剤、甘味剤、香味剤、風味増強剤、又は、配合物の味を変更するために一般に使用されるその他の賦形剤を、組み合わせて含有してよい。得られた溶解性フィルムは、粘膜組織に適用した後すぐに溶解性フィルムを軟化させることにより、使用者に長時間の口中の不快感を与えない瞬間濡れ性と、通常のコーティング、切断、スリット形成、及び包装作業に適した引張強度とを特徴とする。
溶解性フィルムは、水溶性ポリマー又は水溶性ポリマーの組合せ、1種以上の可塑剤又は界面活性剤、1種以上の多価アルコール、及び活性物質を含んでよい。
溶解性フィルムに用いられるポリマーは、親水性及び/又は水分散性であるポリマーを含む。使用できるポリマーの例としては、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、又はヒドロキシプロピルセルロースなどの水溶性セルロース誘導体であるポリマー(単独又はそれらの混合物)が挙げられる。その他の任意のポリマーとしては、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、アルギン酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、キサンタンガム、トラガカント、グアーゴム、アカシアガム、アラビアガム等の天然ガム、ポリアクリル酸等の水分散性ポリアクリレート、メチルメタクリレートコポリマー、カルボキシビニルコポリマーが挙げられる。最終フィルムにおける水溶性ポリマーの濃度は、20~75%(w/w)、又は50~75%(w/w)で変化させることができる。
溶解性フィルムに使用され得る界面活性剤は、1種以上の非イオン性界面活性剤であってよい。界面活性剤の組合せを使用する場合には、第1の構成成分は、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、又はアルファ-ヒドロ-オメガ-ヒドロキシポリ(オキシエチレン)ポリ(オキシプロピレン)ポリ(オキシエチレン)ブロックコポリマーであってもよく、一方で、第2の構成成分は、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、又はポリオキシエチレンヒマシ油誘導体であってもよい。存在する場合、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルのHLB値は、10~20でなければならず、それにより、13~17の範囲もまた使用されてよい。アルファ-ヒドロ-オメガ-ヒドロキシポリ(オキシエチレン)ポリ(オキシプロピレン)ブロックコポリマーは、少なくとも約35のオキシプロピレン単位を含み、好ましくは、約50のオキシプロピレン単位以上であってもよい。
ポリオキシエチレンアルキルエーテルは、10~20のHLB値であってよく、また好ましくは、15以上のHLB値が使用されてもよい。ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体は、HLB値が14~16であってよい。
所望の即効の水和性を達成するために、二元界面活性剤混合物の第1の構成成分と第2構成成分との比率は、1:10及び1:1、又は1:5及び1:3内に維持されてもよい。
溶解性フィルム中の界面活性剤の総濃度は、その他の成分の特性に依存するが、通常、0.1~5%(w/w)であってよい。
多価アルコールは、溶解性フィルムの所望のレベルの柔軟性を達成するために使用されてもよい。多価アルコールの例としては、グリセロール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、脂肪酸のグリセリンモノエステル又はその他の薬学的に使用される多価アルコール類が挙げられる。乾燥フィルムにおける多価アルコールの濃度は、通常、0.1~5%(w/w)の範囲である。
材料のストリップの形状は、所望の口腔表面を被覆する任意の形状又はサイズであってよい。例えば、材料のストリップは丸みを帯びた角部を有して口腔軟組織の刺激を防止してもよい。「丸みを帯びた角部」とは、本明細書で使用するとき、一般的には鋭角又は鋭点を欠くこと、例えば、135度以下の1つ以上の角度を欠くことを意味する。材料のストリップの長さは、約2cm(センチメートル)~約12cm、又は約4cm~約9cmであってよい。材料のストリップの幅も同様に、被覆される口腔表面積に依存してよい。材料のストリップの幅は、約0.5cm~約4cm、又は約1cm~約2cmであってよい。材料のストリップは、1つ又はいくつかの歯上でパッチとして装着されて、局部的状態を処置することができる。
材料のストリップは、浅いポケットを含んでもよい。半固体多相口腔用組成物が材料のストリップ上にコーティングされる場合、漂白剤及び/又は口腔ケア活性物質が浅いポケットを充填して、追加の漂白剤及び/又は口腔ケア活性物質のリザーバを提供する。更に、これらの浅いポケットは、送達システムに質感を与えるのに役立つ。この材料のストリップは、浅いポケットの配列を有してもよい。概して、浅いポケットは、およそ0.4mm幅で約0.1mmの深さである。浅いポケットが材料のストリップ内に含まれ、本明細書の半固体多相口腔用組成物が種々の厚さでそのストリップに適用されている場合、特に送達システムの全体的な厚さは、約1mm未満であり、より具体的には、全体的な厚さは、約0.5mm未満である。
曲げ剛性は、材料のストリップの厚さ、幅、及び材料弾性率の組合せの関数である、材料特性である。後述の試験は、ポリオレフィンフィルム及びシートなどの、フィルムの剛性を測定するための方法である。この方法は、水平ビームの端部に取り付けられたひずみ計を使用することにより、試料の曲げ耐性を決定する。ビームの反対側の端部は、試料が静置された際に、試料のストリップに対して押下して、ストリップの一部を水平の台における垂直の溝内へと押し込む。ひずみ計へとワイヤ接続されたマイクロアンペア計は、偏向力の観点から較正される。試料の剛性は、マイクロアンペア計から直接読み取られ、かつ試料ストリップの幅のセンチメートル当たりのグラムとして表示される。本明細書に開示された組成物の送達支持材料として使用されるのに好適な材料のストリップは、Handle-O-Meter、モデル#211-300(Thawing-Albert Instrument Company(Philadelphia,PA)から入手可能)において、試験方法ASTM D2923-95に従って測定されたときにt、約5グラム/cm未満の曲げ剛性を示し得る。本ストリップは、約3グラム/cm未満、約2グラム/cm未満の曲げ剛性、又は約0.1~約1グラム/cmの曲げ剛性を有してよい。概して、ストリップの材料の曲げ剛性は実質的に一定でもよく、通常の使用時には変化しない。例えば、ストリップの材料は、ストリップが上記の特定の範囲における低い曲げ剛性を達成するために、水和することを必要としない。この比較的低い剛性は、材料のストリップが、及ぼされる非常に小さい力で口腔表面の輪郭を覆うことを可能にする。すなわち、口腔表面へと適用される直前の形状、即ち実質的に平坦な形状へと材料のストリップが戻ることを引き起こす残留力が、材料のストリップ内にほとんど残らないので、装着者の口の口腔表面の輪郭への適合が維持される。例えば、材料のストリップの可撓性は、材料のストリップが、刺激なく長期間にわたって軟組織に接触することを可能にし、これにより、材料のストリップは、口腔表面に対して維持するための圧力を必要としない。
本明細書にて使用される送達システムは接着手段を含んでよく、これにより、送達システムは、口腔表面、特に歯への接着が可能である。本接着手段は、本明細書の本発明の組成物により提供されてよい、又は本接着手段は、本明細書の組成物から独立して提供されてよい(例えば、本接着手段は、本明細書の組成物から分離した相であり、組成物もまた、接着手段を有してもよい)。例えば、材料のストリップは、本発明の組成物によりもたらされる接着性の付着により、口腔表面上の所定の位置に保持されてもよい。乾燥した表面に対する半固体多相口腔用組成物の粘性及び通常の粘着性により、ストリップは、会話中、飲水中などに材料のストリップをこする、唇、歯、舌、及びその他の口腔表面によって生成される摩擦力によって、実質的にずれることなく、口腔表面に接着取り付されることができる。しかし、口腔表面へのこの接着は、材料のストリップが、装着者により、装着者の指を使用して材料のストリップを単に剥がすことで容易に取り外されることを可能にするのに十分なほど低くてよい。送達システムは、器具、化学溶媒若しくは薬品、又は過度の摩擦を使用することなく、口腔表面から容易に取り除かれてよい。
加えて、材料のストリップは、送達支持材料それ自体によってもたらされる接着手段及び付着によって、口腔表面上の所定の位置に保持され得る。例えば、材料のストリップを延伸させ、口腔軟組織に取り付け、接着させることができる。また、接着剤を、送達システムを口腔軟組織へと付着させる材料のストリップの部分へと、適用することができる。送達支持材料はまた、送達支持材料と歯を含む口腔表面との間の物理的干渉又は機械的連動により、口腔に取り付けられてよい。なお、材料のストリップは、国際公開第03/015656号に記載されるように、本明細書における本発明の組成物から独立した接着手段により、所定の位置に保持されてよい。
好適な接着手段は、当業者に周知である。接着手段が存在する場合、これは、接着剤により提供され、接着剤は、材料を歯の表面又は口腔表面の表面に接着させるために使用される、任意の接着剤であってよい。好適な接着剤としては、皮膚、歯茎及び粘膜付着性接着剤が挙げられるが、これらに限定されず、またこれらは、口腔ケア活性物質及び/又は漂白剤が効果を発揮するために、口腔環境の湿気、化学物質、及び酵素に長い間耐え得るものでなければならないが、後に溶解及び/又は生物分解できてもよい。好適な接着剤としては、例えば、水溶性ポリマー、疎水性及び/又は非水溶性ポリマー、例えば、口腔内の水分、化学物質又は酵素等の影響の下で、口腔環境に接触すると粘着性となる乾燥接着剤などの感圧及び感湿接着剤を挙げることができる。好適な接着剤としては、天然ガム、合成樹脂、天然又は合成ゴム、「増粘剤」に関して上で列挙したガム及びポリマー、及び既知の接着剤のタイプにて使用される種類の種々のその他の粘着性物質が挙げられ、これらは、米国特許第2,835,628号から周知である。
ストリップなどの送達支持材料は、例えば、図1~図4における実施例に関して示されるように、当該技術分野において周知のフィルム製造プロセスのいくつかにより形成されてよい。例えば、ポリエチレンのストリップは、インフレーション成形又はキャスト法により製造される。押出又は材料のストリップの曲げ剛性に影響を及ぼさないプロセスを含むその他のプロセスもまた、実行可能である。加えて、ストリップ上に第2の層を形成する本発明の組成物は、ストリップの加工中にストリップ上に組み込まれてよい、及び/又は、本発明の組成物は、ストリップ上のラミネート層であってよい。上述のように、このような送達システムのストリップに取り付けられた第2の層は、安全かつ有効な量の本明細書に記載の本発明の組成物を含む。
更に、本送達システムは、任意の剥離ライナーを含んでよい。そのような剥離ライナーは、第2層の組成物がそれ自体及び材料の第1の層のストリップに対して示す親和性よりもより小さい親和性を第2層の組成物に対して示す、任意の材料から形成されてよい。そのような剥離ライナーは、ポリエチレン、紙、ポリエステル、又はその他の材料などの材料の剛性シートを含んでよく、その後、非粘着性材料でコーティングされる。剥離ライナーは、材料のストリップと実質的に同じ大きさ及び形状に切断されてよい。あるいは、剥離ライナーは、材料をストリップから分離するための容易にアクセス可能な手段を提供するために、材料のストリップよりも大きく切断されてよい。剥離ライナーは、ストリップが湾曲した場合に割れる脆性材料、又は複数の材料片若しくは刻み目のついた材料片から形成されてよい。あるいは、剥離ライナーは、典型的な絆創膏の設計などの、重なり合った2つの部分であってよい。剥離剤として好適な材料に関する説明は、Kirk-Othmer Encyclopedia of Chemical Technology、第4版、第21巻、207~218頁に記載されている。
例えば、送達支持材料は、装着者が、約1平方センチメートルの表面積を有する1つの指を使用して、各歯の上でストリップを押すことが見出されてきた故に、材料のストリップが、約250,000パスカル未満の圧力下で恒久的な変形を介して、歯の形状へと実質的に適合するような、降伏点及び厚さを有する、恒久的に変形可能な材料のストリップであってよい。装着者は、典型的には、約100,000パスカル~約250,000パスカルの典型的な適用圧力範囲にて、各歯において、1秒又はそれ未満の間、力を加える。
特に、材料のストリップは、いくつかの歯に対して、及び装着者の口のアーチ周辺に適合させるために、材料のストリップをクリープ並びに屈曲させることを可能にする、粘弾性特性を有する。必要な恒久的変形が、装着者により適用される最小限の通常の力の下で発生する、ということが重要である。
半固体多相口腔用組成物はまた、歯の表面に適用されてよく、またそれが形状付けされる前後に、変形可能なストリップにより覆われてもよい。加えて又はあるいは、半固体多相口腔用組成物は、プレコーティングとして変形可能なストリップに適用されてよく、また変形可能なストリップが形状付けられた前後に、ストリップと一緒に歯の表面に適用されてよく、ストリップは、送達システムが歯の表面上に位置付けられた場合に、半固体多相口腔用組成物が歯の表面に接触して、歯の表面上へと活性物質を提供するように適用される。追加的に又は代替的に、材料の変形可能なストリップは、送達支持材料が少なくとも部分的に歯の形状に適合するように送達支持材料を形状付けるのに十分な力により、歯へと適用されてよく、次に、形状付けられた材料のストリップが歯の表面から取り外され、口腔ケア組成物が形状付けられた材料のストリップへと適用され、形状付けられた材料のストリップは、少なくとも部分的に歯の形状に適合し、かつ歯の表面に対して口腔ケア組成物を接触させるように歯の表面へと再度適用されてよい。変形可能なストリップが、半固体多相口腔用組成物と共に歯の表面に適用される場合、半固体多相口腔用組成物はまた、送達システムを所定の位置に十分な時間保持して、半固体多相口腔用組成物の活性物質が表面に作用することを可能にする、接着剤を含んでもよい。変形可能なストリップと共に使用される場合、半固体多相口腔用組成物は、材料の変形可能なストリップを形状付けるために加えられる通常の力に耐えるのに十分な押出抵抗を有してよく、これにより、材料の変形可能なストリップの手動での形状付け中に、材料の変形可能なストリップと表面との間から、物質が実質的に押し出されない。「から実質的に押し出される」とは、半固体多相口腔用組成物の少なくとも50%又はそれ以上が、材料の変形可能なストリップと歯と近接する軟組織表面との間から押し出されることを意味する。
材料の変形可能なストリップは、単一層又は積層体などの層(複数)若しくは材料の組合せとして、ワックス、パテ、錫又は箔などの、恒久的に変形可能な材料から作製されてよい。特に、変形可能なストリップは、Freeman Mfg&Supply Co.(Cleveland,Ohio)により配合及び製造される#165シートワックスなどの、ワックスであってもよい。この特定のワックスは、約133,000パスカル圧力下で、歯の形状に容易に適合し、この圧力は、装着者が、約1平方センチメートルの面積に約3ポンド(1.36kg)の通常の力を適用する場合に発生する圧力である。材料の変形可能なストリップは、約0.8mmの公称フィルム厚を有してよく、変形可能なストリップは、実質的に平坦であり、かつ丸みを帯びた角部を伴う長方形の形状であってよい。材料の変形可能なストリップは、装着者の口の湾曲及び隣接する歯の間の間隙に適合しつつ、隣接する複数の歯を覆うのに十分な長さを有してよい。材料の変形可能なストリップが、その上にコーティングされた半固体多相口腔用組成物を含む場合には、半固体多相口腔用組成物は、約1.5mm未満の全体の厚さを有してよい。本明細書に開示された変形可能なストリップはまた、図1~図4にて示す材料のストリップ12のための材料として使用されてよい。したがって、例えば、図1~図4に関して上記した材料のストリップの一般的な特徴もまた、材料の変形可能なストリップに適用されてよい。加えて、剥離ライナー及び/又は浅いポケットも同様に、材料の変形可能なストリップと組み合わされてよい。
本発明の組成物は、歯科用トレイ及び/又は発泡材料を含む送達支持材料と組み合わされて、使用されてもよい。歯科用トレイは、ホワイトニング分野において周知であり、また代表的な歯科用トレイ30を図5にて示す。歯科用トレイ30を準備するための一般的なプロセスが、当該技術分野において周知である。歯科医は、ホワイトニングのために、伝統的に、3つの種類の歯科用器具を利用してきた。
第1の種類は、患者の歯列弓に正確に適合する剛性器具である。例えば、全ての歯の表面及び歯肉縁に正しく合わさるアルギン酸印象材が作製され、かつ印象材から直ちに鋳型が作製される。リザーバが所望される場合、それらは、処置される特定の歯の表面上の鋳型上に剛性材料の層を作ることにより、準備される。歯科用トレイは、次に、従来技術を使用した修正鋳型から真空形成される。形成された後、トレイは、好ましくは、頬側表面及び舌側表面の両方上の歯肉縁にかろうじて達するようにトリミングされる。トレイ周囲を仕上げかつ面取りする際に、全ての歯が、歯肉の境界の約1/4~約1/3mm以内が覆われることを確実にするために、十分なトレイ材料が残されなければならない。仕上がったトレイが歯間乳頭を覆わないように、歯間乳頭上でかつその周囲を波形に仕上る。好ましくは、唇及び舌が縁の隆起を感じないようにするために、全てのトレイの縁が平滑にされる。得られたトレイは、患者の歯と、任意に、剛性材料が鋳型上に配置された場所に位置するリザーバ又は間隙とを完全に適合させる。歯科用トレイは、約0.1cm~約0.15cmの予備形成された厚さを有する、軟らかい透明なビニル材料を含んでよい。軟らかい材料は、患者が装着するのにより快適である。トレイを構築するために、より硬い材料(又は厚いプラスチック)を使用してもよい。
第2の種類の剛性カスタム歯科用器具は、「大型」の剛性カスタム歯科用器具である。剛性の、カスタム歯科用器具の作製は、患者の歯列弓の印象の鋳型模型の製造と、患者の歯列弓の鋳型模型に対応する熱可塑性シートの加熱及び真空形成とを必然的に伴う。熱可塑性フィルムは、剛性又は半剛性のシートとして販売され、かつ種々のサイズ及び厚さにて入手可能である。大型の剛性歯科器具のための歯科実験室製作技術は、鋳型模型上の歯の表面を、ダイスペーサ又は光硬化アクリルなどの材料により、増強することを伴う。次に、熱可塑性シート材を加熱し、続いて歯列弓の増強された鋳型模型の周囲に真空形成する。本方法の正味効果により、「大型」の剛性カスタム歯科用器具が実現する。
それほど頻繁には使用されていないが、第3の種類の剛性カスタム歯科用器具は、軟質多孔質発泡体から剛性の非多孔質フィルムに至る範囲の材料の積層体から作製された、剛性二重ラミネートカスタム歯科用器具である。これらの二重ラミネート歯科用器具の、非多孔質の、剛性の熱可塑性シェルは、軟質多孔質発泡体の内側層を覆いかつ支持する。
第4の種類の歯科用トレイは、剛性カスタム歯科用器具を、使い捨て可能なU形状の軟質発泡体トレイに置き換え、この軟質発泡体トレイは、個別に包装されてよく、かつ事前測定された量の本発明の組成物で飽和されていてよい。軟質発泡材は、一般に、連続気泡プラスチック材である。このような装置は、Cadco Dental Products(Oxnard,Calif.)から、商標名VitalWhite(商標)にて市販されている。これらの軟質発泡体トレイは、装置からの有効成分の、口腔内への溶出を最小にし、患者の摂取及び/又は口腔組織の刺激を最小にするためのバッキング材料(例えば、独立気泡プラスチックバッキング材料)を含んでよい。あるいは、軟質発泡体トレイは、非多孔質の可撓性ポリマーにより覆われる、又は連続気泡発泡体は、歯科用器具の前面内壁に取り付けられる、及び/若しくは、連続気泡発泡体は、歯科用器具の後面内壁に取り付けられる。当業者は、本発明の組成物が、発泡体の連続気泡構造の間から単純に流れ出ないのに十分なだけ粘度が高くなければならず、また時間の経過と共に連続気泡発泡体を緩やかに通過するのに十分なだけ粘度が低なければならないことを、容易に認識及び理解するであろう。換言すれば、連続放気泡発泡体材料は、組成物を吸収し、かつ組成物がそこを通過することを可能にするために、組成物の粘度に対して寸法付けられた内部構造間隔を有する。
独立気泡材料の一例は、Voltek division of Sekisui America Corporation(Lawrence,Mass.)により、商標名Voloraにて販売されている、1/32”~1/8”の厚さの独立気泡ポリオレフィン発泡体である。独立気泡材料はまた、可撓性ポリマー材料を含んでよい。開連続気泡材料の一例は、Sentinel Foam Products division of Packaging Industries Group,Inc.(Hyannis,Mass.)により、商標名Opcellにて販売されている、1/16”~3/8”の厚さの連続気泡ポリエチレン発泡体である。本明細書において有用なその他の連続気泡としては、ヒドロゲルポリマー(例えば、Hydromer,Inc.(Branchburg,J.J.)からのMedicell(商標)発泡体)などの、連続気泡材料が挙げられる。連続気泡発泡体はまた、種々の有効成分を化学的に吸収するポリウレタン又はポリビニルピロリドンなどの、活性物質を吸収して流体の高い吸収性を付与する親水性の開放発泡体であってよい。
本発明の半固体多相口腔用組成物の調製
主に、粒子を含む半固体分散物の調製は当該技術分野において周知であり、また任意の好適な製造プロセスを使用して、粒子を含む半固体分散物の形態であり得る半固体多相口腔用組成物を製造することができる。概して、構成成分は、親水性の構成成分と疎水性の構成成分とに分離される。次に、2つの相を混合して、必要であれば加熱し、生成物を撹拌し、次いで任意に冷却する。相の混合後、粒子を含む半固体分散物の形態であり得る本発明の半固体多相口腔用組成物は、振盪、断続的振盪、高剪断撹拌を含む種々の方法により、又は高速度ミキサ、混合機、コロイドミル、ホモジェナイザ、若しくは超音波技術を使用することにより、撹拌又は剪断されてよい。
本明細書に開示される粒子を含む半固体分散物の形態であり得る半固体多相口腔用組成物は、次のように作製され得る:親水性有効成分粒子及び疎水性相を調製する;混合容器中で親水性有効成分粒子と疎水性相とを混ぜ合わせ、当該技術分野では周知の任意の手段によってよく混合する。例えば、Speedmixer(Flacktek Inc.(Landrum,SC))を使用して本発明の粒子を含む半固体分散物の形態であり得る多相口腔用組成物を調製することができる。SpeedMixer(商標)シリーズの混合手順は、二重非対称遠心混合を使用した、混合カップの2回の回転に基づく。この異なるレベルにおいて作用する遠心力の組合せにより、カップ全体を極めて迅速に混合することができる。任意選択で、混合を促進することが必要な場合には、組成物を加熱してもよい。組成物が均一になるまで混合し続ける。活性物質が固形の粒子形態で含有される場合、組成物内での粒子の分散及び懸濁状態を維持するために、シリカなどの任意の粘度調整剤を添加することが適切である場合がある。また、所望により、組成物の相のうち1つへと、風味剤又は甘味料を添加してよい。その後、所望により、送達支持材料へと組成物を添加してよい。
組成物及び/又は送達システムを使用する方法
本発明は、歯科専門家による歯科オフィスの消費者の歯に適用することができ、又は消費者が自宅で使用することができる。一般的に、推奨処置期間は、ホワイトニング又は有効成分の所望の効果を達成するために十分な期間である。
本発明の実施では、ユーザは、有効成分を含有してホワイトニングなどの所望の効果を得るための本明細書における組成物を、1つ以上の歯に適用する。本組成物は、ペイント-オン装置、シリンジ、若しくは単位用量シリンジ、押潰し可能なチューブ、ブラシ、ペン若しくはブラシチップアプリケータ、ドウズフットアプリケータ、スワッブ、リップグロスアプリケータ、塗布後に取り外されるストリップ、適用後に取り外されるトレイなど、又は更には指を使用して適用することができる。組成物はまた、材料のストリップ、歯科用トレイ、又はスポンジ材料などの送達支持材料と組み合をされた後に歯に適用されてもよい。好ましい実施形態では、本明細書の組成物又は送達システムは、歯に適用されたときにほとんど目立たない。所望の期間が経過した後に、歯の表面をぬぐう、ブラッシングする、又はすすぐことにより、あらゆる残留組成物を容易に除去してよい。
一般に、本発明の組成物を適用する前に歯を準備する必要はない。例えば、ユーザは、本発明の組成物を適用する前に歯をブラッシングして口をすすぐことを選択することができるが、適用前に口腔表面を洗浄したり、乾燥させたり、唾液や水で過度に湿潤させたりする必要がない。しかし、適用前に歯を乾燥させると歯のエナメル質表面への付着性が向上すると考えられる。
歯科用トレイ器具は、次のようにして使用することができる。患者又は歯科専門医は、本発明の組成物を軟性又は剛性の歯科用器具内へと分配し、次に、参加者は、器具を参加者の歯列弓にわたって定置させる(又は、自分の歯の周辺に装置を適合させて、トレイを所定の位置に維持する)。一般的に、推奨処理期間は、上で開示したように、ホワイトニングを達成するのに十分な期間である。治療期間の終了時に、歯科用器具を取り外し、水で洗浄して残りの組成物を除去した後、次の適用まで保存する。
上述の組成物及び送達システムは、1.本発明の組成物、及び2.使用説明書を含むキット、又は1.本発明の組成物、2.使用説明書、及び3.送達支持材料、を含むキットに組み込まれてよい。更に、歯が電磁放射線により照射される場合には、キットは、適切な波長の電磁放射線源及び使用のための説明書を更に含んでよく、これにより、キットは、都合の良い様式にて消費者に使用され得る。
任意の電磁放射線処理
有効成分として漂白剤を含む本明細書に開示されるような半固体多相口腔用組成物は、歯のホワイトニング及び/又は歯の表面からの汚れの除去に使用してもよい。更に、漂白有効性は、好適な波長の電磁放射線を少なくとも1つの歯に向かって方向付けることにより、更に増大され得る。このような電磁放射線を提供するのに適した装置が、図6にて示される。好適な波長は、歯の最大吸収帯及び/又は漂白される歯の着色に対応する、いかなる波長であってもよい。例えば、半固体多相口腔用組成物は、約200nm~約1200nmの範囲の1つ以上の波長を伴う電磁放射線により放射されてもよい。電磁放射線は、少なくとも1つの歯に向けられてよい。更に、2つ以上の歯が照射されてもよい。特に、電磁放射線は、約400、405、410、415、420、425、430、435、440、若しくは445、446nm~約450、455、460、465、470、475、480、481、485、490、495、若しくは500nm、又は、そのようなより狭い数値範囲が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつそのようなより広い数値範囲内に入る任意のその他の数値範囲の波長におけるピーク強度を有してよい。より具体的には、電磁放射線は、約425nm~475nm、約445nm~約465nmの範囲での波長におけるピーク強度を有する、又は、電磁放射線のピーク強度波長は、汚れがほとんどの電磁放射線を吸収する波長と類似している。電磁放射線は、組成物を装着している時間の一部又は全体にわたって、あるいは歯から組成物が取り除かれた後に、少なくとも1つの歯に向かって方向付けられてよい。電磁放射線は、少なくともホワイトニングのために十分な期間、又は有効成分の所望の項かを達成するのに十分な期間、例えば、少なくとも約1分間、少なくとも約5分間、又は少なくとも約10分間にわたって適用されてもよい。米国特許出願公開第2013/0295525号に開示された手順を使用して、電磁放射線を適用してもよい。本明細書に開示された半固体多相口腔用組成物は、好ましくは、少なくとも1つの歯に適用され、また第1の期間、少なくとも1つの歯上に維持され、第1の期間の後、電磁放射線は、少なくとも第2の期間、少なくとも1つの歯に向かって方向付けられてよく、第1の期間は、第1及び第2の期間の総持続期間の50%超、好ましくは80%の持続期間を有し、また最終的に、半固体多相口腔用組成物は、少なくとも1つの歯から取り除かれる。
好適な電磁放射線源としては、表題「臨床プロトコル」の項目において、本明細書にて記載される電磁放射線源が挙げられる。
本明細書にて開示された半固体多相口腔用組成物は、約400nm~約500nmの波長を伴う電磁放射線に対して透明又は半透明であってもよい。例えば、本明細書にて開示された半固体多相口腔用組成物は、約0.0001、0.001、若しくは0.01cm~約0.01、0.1、若しくは0.5cmの厚さにて適用された場合に、分光光度計により測定された際に、約400nm~約500nmの電磁放射線の約10%、20%若しくは30%~約40%、50%、60%、70%、80%、90%、若しくは100%を通過させることを可能にする。特に、半固体多相口腔用組成物が約0.1cmの厚さにて適用される場合、分光計により測定して、約80%~約100%の、約400nm~約500nmの電磁放射線を通過させる。本明細書にて開示された半固体多相口腔用組成物が、約0.0001、0.001、若しくは0.01グラム~約0.01、0.1、1、若しくは5グラムの量にて、約5cm2~約20cm2の表面積を有する送達支持材料又はトレイ上に適用される場合、約400nm~約500nmの電磁放射線の約10%、20%、若しくは30%~約40%、50%、60%、70%、80%、90%、若しくは100%を通過させることが可能である。
歯の表面又はストリップであり得る支持材料の外表面上に衝突する、約400~約500nmの範囲の波長における電磁放射線の強度は、約5、10、25、50、75、若しくは100mW/cm2~約500、250、225、205、200、175、150、125、100、75、50、25、10、若しくは5mW/cm2、又は、そのようなより狭い数値範囲が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつこのようなより広い数値範囲内に入る、任意の他の数値範囲の強度の範囲であってよい。
電磁放射線の強度を測定するための手順
先端においてコサインコレクタ(Ocean OpticsからのOP200-2-UV-VIS)を伴うUV-VIS200ミクロン光ファイバーケーブルに接続された分光計(Ocean OpticsからのUSB2000+)を使用して、電磁放射線の強度を測定することができる。分光計は、分光計ソフトウェア(Ocean OpticsからのOceanview1.3.4)を実行するコンピュータに接続されている。光ファイバーケーブルの先端部は、光強度が測定される位置における光源の方を向くように保持される。検出器の表面において収集された光子は、光ファイバーケーブルを介して分光計の電荷結合素子(CCD)へと案内される。CCDは、200nm~1100nmの各波長にて、事前決定された期間の間にCCDに到着する光子の数を数え、かつソフトウェアアルゴリズムを使用して、これらの光子の数を分光放射照度(mW/cm2/nm)へと変換する。分光放射照度は、ソフトウェアにより、200nm~1100nmにて統合されて、吸収射照度(mW/cm2)を得るが、これは、200nm~1100nmの電磁放射線の強度である。ソフトウェアにより、分光放射照度は、400nm~500nmに統合されて、吸収射照度(mW/cm2)を得るが、これは、400nm~500nmの電磁放射線の強度である。
消費者の利便性のために、本明細書にて開示された半固体多相口腔用組成物は、本明細書にて記載された活性組成物、より容易な適用のための送達支持材料、好適な波長にて電磁放射線を放出する任意の電磁放射線源、及び使用説明書を含むキットとして提供されてもよい。
本発明の組成物は、ヒト及びその他の動物(例えば、ペット、動物園の動物、若しくは家畜)の用途の両方に有用である。
以下の非限定的な実施例は、本発明の範囲内の好ましい実施形態を更に記載する。これらの実施例には、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変更が可能である。全ての実施例は、特に指示がない限り、室温(RT)及び大気圧にて実施された。これらの半固体多相口腔用組成物は、前述又は後述するように作製された。
半固体多相組成物の調製
実施例I及び実施例IIの500グラムのバッチを、過酸化尿素(実施例1)、又は過酸化水素とポリビニルピロリドンポリマーとの複合体(実施例II)(親水性有効成分粒子)及びワセリンを、Speedmixer容器(Flacktek Inc.(Landrum,SC)からの「Max 300 Long Cup Translucent」、品番501 218t)に計り入れ、800RPMにて5秒間、1200RPMにて5秒間、また1950RPMにて2分間、Speedmixerにおいて混合することによって作製した。その後、プラスチック製のヘラで容器の壁を削り落として、800RPMにて5秒間、1200RPMにて5秒間、また1950RPMにて2分間、内容物の2回目の混合を行った。その後、プラスチック製のヘラで容器の壁を削り落として、800RPMにて5秒間、1200RPMにて5秒間、また1950RPMにて2分間、内容物の3回目の混合を行った。
実施例IIの50グラムのバッチを、過酸化水素とポリビニルピロリドンポリマーとの複合体(親水性有効成分粒子)及びワセリン、Speedmixer容器(Flacktek Inc.(Landrum,SC)からの「Max 100 Long Cup Translucent」、品番501 221Lt)に計り入れ、800RPMにて5秒間、1200RPMにて5秒間、また1950RPMにて2分間、Speedmixerにおいて混合することによって作製した。その後、プラスチック製のヘラで容器の壁を削り落として、800RPMにて5秒間、1200RPMにて5秒間、また1950RPMにて2分間、内容物の2回目の混合を行った。その後、プラスチック製のヘラで容器の壁を削り落として、800RPMにて5秒間、1200RPMにて5秒間、また1950RPMにて2分間、内容物の3回目の混合を行った。
実施例IIIの50グラムのバッチを、過酸化水素とポリビニルピロリドンポリマーとの複合体(親水性有効成分粒子)し、炭酸水素ナトリウム(親水性有効成分粒子)、鉱油、及びワセリンを,Speedmixer容器(Flacktek Inc.(Landrum,SC)からの「Max 100 Long Cup Translucent」、品番501 221Lt)に計り入れ、800RPMにて5秒間、1200RPMにて5秒間、また1950RPMにて2分間、Speedmixerにおいて混合することによって作製した。その後、プラスチック製のヘラで容器の壁を削り落として、800RPMにて5秒間、1200RPMにて5秒間、また1950RPMにて2分間、内容物の2回目の混合を行った。その後、プラスチック製のヘラで容器の壁を削り落として、800RPMにて5秒間、1200RPMにて5秒間、また1950RPMにて2分間、内容物の3回目の混合を行った。
実施例IVの200グラムのバッチを以下によって作製した。
(1)ワセリンをSpeedmixer容器(Flacktek Inc.(Landrum,SC)からの「Max 300 Long Cup Translucent」、品番501 218t)に計り入れる。
(2)4.00グラムのフッ化スズ(II)及び7.429グラムのグリセリンを、別個のSpeedmixer容器(Flacktek Inc.(Landrum,SC)からの「Max 40 Long Cup Translucent」、品番501 223 Lt)に計り入れ、Speedmixer内で800RPMにて2分間混合することにより、フッ化スズ(II)とグリセリンとの過剰なプレミックスを作製する。
(3)工程2の直後に、2.2858グラムのプレミックスを工程1からのSpeedmixer容器中に計り入れ、Speedmixer内で800RPMにて2分間混合する。
(4)プラスチック製のヘラで容器の壁を削り落とし、約5分後に、800RPMにて10秒間、容器の内容物の2回目の混合を行った。
(5)プラスチック製のヘラで容器の壁をこそぎ、約5分後に、800RPMにて5秒間、内容物の3回目の混合を行った。
実施例Vの200グラムのバッチを以下によって作製した。
(1)ワセリンをSpeedmixer容器(Flacktek Inc.(Landrum,SC)からの「Max 300 Long Cup Translucent」、品番501 218t)に計り入れる。
(2)4.00グラムのフッ化スズ(II)及び7.429グラムのグリセリンを、別個のSpeedmixer容器(Flacktek Inc.(Landrum,SC)からの「Max 40 Long Cup Translucent」品番501 223 Lt)に計り入れ、Speedmixer内で800RPMにて2分間混合することにより、フッ化スズ(II)とグリセリンとの過剰なプレミックスを作製する。
(3)工程2の直後に、2.2858グラムのプレミックスを工程1からのSpeedmixer容器に計り入れ、Speedmixer内で1950RPMにて2分間混合する。
(4)プラスチック製のヘラで容器の壁を削り落とし、約5分後に、ヘキサメタリン酸ナトリウムを計り入れ、Speedmixer中で1950RPMにて2分間混合した。
(5)プラスチック製のヘラで容器の壁をこそぎ、約5分後に、1950RPMにて2分間、内容物の3回目の混合を行った。
実施例I~実施例Vの要約を表1に示す。
1過酸化尿素付加物、Alfa Aesar(Ward Hill,MA)からの、カタログ番号L13940。供給元からの安全データシート1リットル当たり20℃で800グラムの水への溶解度(水100部当たり80部)。425マイクロメートルの開口部を有する米国標準試験ふるい(USA Standard Testing Sieve)第40号でふるいにかける。
2Peroxydone K-30、Ashland Global Specialty Chemicals Inc.(Covington,KY)から。水100部当たりの溶解度は40部超(ポリビニルピロリドンポリマーK-30上の供給元からの製品データシートに提供される情報から推定)。425マイクロメートルの開口部を有する米国標準試験ふるい(USA Standard Testing Sieve)第40号でふるいにかける。
3Sonneborn LLC(Parsippany,NJ)からの、G-2218Grade
4USP No.2grade、Genesis Specialty Alkali LLC(Philadelphia,PA)から。
5Sonneborn LLC(Parsippany,NJ)からの、Kaydol White Mineral Oil Grade
6Honeywell Specialty Chemicals(Seelze,Germany)からの、Extra Pure Grade。106マイクロメートルの開口部を有する米国標準試験ふるい(USA Standard Testing Sieve)第140号でふるいにかける。
7ICL Food Specialties(Creve Coeur,MO)からの、Glass H Food Grade Code 338。106マイクロメートルの開口部を有する米国標準試験ふるい(USA Standard Testing Sieve)第140号でふるいにかける。
81318(シンシナティ、オハイオ州)から、
比較例I
比較例-Iの500グラムのバッチを、過炭酸ナトリウム(親水性有効成分粒子)及びワセリンをSpeedmixer容器(Flacktek Inc.(Landrum,SC)からの「Max 300 Long Cup Translucent」、品番501 218t)に計り入れ、800RPMにて5秒間、1200RPMにて5秒間、また1950RPMにて2分間、Speedmixerにおいて混合することによって作製した。その後、プラスチック製のヘラで容器の壁を削り落として、800RPMにて5秒間、1200RPMにて5秒間、また1950RPMにて2分間、内容物の2回目の混合を行った。その後、プラスチック製のヘラで容器の壁を削り落として、800RPMにて5秒間、1200RPMにて5秒間、また1950RPMにて2分間、内容物の3回目の混合を行った。比較例Iの要約を表2に示す。
*組成物全体中に存在するH
2O
2の重量パーセントにおける濃度に対する、親水性漂白剤粒子中に存在するH
2O
2の重量パーセントにおける濃度の比率
1過炭酸ナトリウム、カタログ番号A16045、Alfa Aesar(Ward Hill,MA)から。水への溶解度は150グラム/リットル(水100重量部当たり15重量部)(Wikipediaからの情報、2018年5月21日付)。425マイクロメートルの開口部を有する米国標準試験ふるい(USA Standard Testing Sieve)第40号でふるいにかける。
2Sonneborn LLC(Parsippany,NJ)からのG-2218Grade
比較例II
比較例IIは、5.25%のH2O2を伴う、市販のCrest Whitetrips tooth whitening strip製品(Proctor&Gamble(Cincinnati,OH,USA))である。これは、5.25%の過酸化水素(H2O2)を含有する水性ゲルであり、また、それは水性ゲルである故に、組成物全体中に存在するH2O2の重量パーセントにおける濃度に対する、水相中に存在するH2O2の重量パーセントにおける濃度の比率は、1である。
全ての実験は、特に指示がない限り、室温(RT)及び大気圧にて実施された。
漂白有効性を測定するためのエクスビボ手順
1.ヒトの門歯の前面から、円形ディスク(直径7.5~7.8mm×厚さ1.2~1.3mm)を切り取る。前面はそのままにして、歯から切り取った舌側面を平らにする。ガラス瓶において、USP規格条件を満たす15~20mLの水中に、少なくとも24時間、歯ディスクを浸漬させる。これを合計12本の歯に繰り返す。手持ち式分光光度計であるコニカミノルタ700dを使用して、24個の歯ディスクのベースラインL*及びb*を連続しない3日間測定し、3日間全てにわたって値を平均する。
2.評価される組成物を用いて、12個の歯ディスクのグループを処置する。具体的には、臨床プロトコルにおいて指定されたのと同じポリエチレンストリップから直径約19.1mmの円形ディスクを切断する。このポリエチレンディスクに直径約9.5mmの円形ディスクで約0.05グラムの組成物を適用する。歯ディスクを水から取り出し、組成物が歯ディスクとポリエチレンディスクとの間に挟まれるように、まだ湿っている間に歯ディスクの前面上に組成物及びポリエチレンディスクを配置する。ポリエチレンディスクに軽く圧力を加えて、ストリップの歯の上の配置をシミュレートする。このサンドイッチを、約34℃(上顎前歯の前面の条件をシミュレートするため)に設定されたオーブン内に約60分間置く。
3.半固体多相口腔用組成物を電磁放射線と共に使用する場合、
・半固体多相口腔用組成物による処置の50分後に、電磁放射線を、歯ディスクの前面に向かって10分間適用する。
・電磁放射線を、ストリップ及び半固体多相口腔用組成物を介して歯ディスクの前面に向ける。
・455nmのピーク強度波長を伴う高電力LED(Thorlabs(Newton,NJ,USA)からの、モデル番号M455F1)に接続した光ファイバーケーブル(Thorlabs(Newton,NJ,USA)からの、モデル番号M71L01)を介して、電磁放射線を送達する。LEDは、LED Driver(モデル番号DC2100、又はDC4100-HUBとペアであるDC4104、Thorlabs(Newton,NJ,USA)を用いて1000mAで作動させる。光ファイバーケーブルの出口端部は、ストリップの外表面に対して電磁放射線を再現可能に位置付けるのに役立つように取り付けられる。光ファイバーケーブルの出口端は、歯の表面から約7mm離れている。この距離における電磁放射線の円錐の中心軸で測定される400nm~500nmの電磁放射線の強度は、本明細書に開示される方法によって測定される場合、約175mW/cm2~約225mW/cm2である必要がある。
・この放射線は、歯ディスク毎に約10分間適用される。
4.半固体多相口腔用組成物による60分の処置が完了すると、ポリエチレンディスクは除去され、残留組成物をペーパータオル及び水を使用して歯ディスクから除去する。
5.各処置の後、ガラス瓶において、USP規格条件を満たす15~20mLの水中に、少なくとも24時間、歯ディスクを浸漬させる。
6.最後に、処置後のb*を測定する。これは連続しない3日間行われ、3日間全てにわたって平均化される。
7.ベースラインからの黄色度の平均変化(Δb*)を算出する。
漂白有効性
ストリップ上に送達され、電磁放射線源と共に使用され、本明細書で定めるエクスビボ手順に従って測定された、実施例I~実施例III及び比較例Iの漂白有効性を表3に列挙する。
表3は、実施例Iが、比較例Iと比べて黄色度の大幅な低減(-Δb*)をもたらしたことを示している。これらの結果は、両方の組成物が同じレベルの有効成分H2O2(3%)を有していても、実施例I(過酸化尿素で作製)が、比較例I(過炭酸ナトリウムで作製)と対比して、驚くほど高い有効性を有することを明確に実証している。
具体的には、これらの結果は、100重量部の水中において80重量部の溶解度を有する親水性有効成分粒子(過酸化尿素)を有して作製された組成物(実施例I)が、100重量部の水中において15重量部だけの溶解度を有する親水性有効成分粒子(過炭酸ナトリウム)を有して作製された組成物(比較例I)と対比して、両方の組成物が同じレベルの有効成分H2O2(3%)を有するにもかかわらず、驚くほど高い有効性を有することを明確に示している。これらの結果は、有効性に対する親水性有効成分粒子の溶解度の驚くほど大きな影響を明確に示す。
表3はまた、実施例II[100重量部の水中において40重量部を超える溶解度を有する親水性有効成分粒子(過酸化水素とポリビニルピロリドンポリマーとの複合体)で作製]が、2.57という驚くほど高い黄色度の減少(-Δb*)をもたらした一方で、比較例I[100重量部の水中において15重量部だけの溶解度を有する親水性有効成分粒子(過炭酸ナトリウム)で作製]が、両方の組成物が同レベルの有効成分H2O2(3%)を有していたにもかかわらず、わずか0.84の黄色度の減少(-Δb*)をもたらしたことも示している。これらの結果は、有効性に対する親水性有効成分粒子の溶解度の驚くほど大きな影響を明確に示す。
表3はまた、実施例IIIが、実施例IIと比べて黄色度のより大幅な減少(-Δb*)をもたらしたことも示す。これらの結果は、実施例III(重炭酸ナトリウムと組合せた、過酸化水素とポリビニルピロリドンポリマーとの複合体で作製)が、実施例II(過酸化水素とポリビニルピロリドンポリマーとの複合体で作られているが、炭酸水素ナトリウムは含まれていない)対比して、両方の組成物が同レベルのH2O2(3%)を有するにもかかわらず、驚くほど高い有効性を有することを明確に実証している。
具体的には、これらの結果は、通常は互いに不適合である2つ以上の口腔ケア親水性有効成分粒子を同一組成物中に混合して製造した組成物(実施例III)が、1つの口腔ケア有効成分のみを有して製造した組成物(実施例II)と対比して、驚くほど高い有効性を有することを明確に実証する。これらの結果はまた、炭酸水素ナトリウムが、親水性漂白剤粒子と組合せた場合、漂白有効性に驚くほど大きな影響を及ぼすことを明確に実証している。
実施例II及び比較例IIの臨床的漂白有効性
本明細書に定める臨床プロトコルに従い、実施例IIの漂白有効性を測定した。具体的には、これは過去に、専門家の漂白処置、市販の漂白処置、又は治験的な歯の漂白処置を受けたことがない大人で行った、単一施設臨床試験であった。全ての参加者は、少なくとも18歳であり、4つの全ての測定可能な上顎部門歯を有しており、かつ歯の知覚過敏の自己報告を有さなかった。
・実施例II(参加者20人、平均L*が72.7、及び平均b*が15.4
参加者の上顎前歯は、送達支持材料としてのポリエチレンのストリップを使用して、口腔用組成物により、日に1回、60分間処置された。ポリエチレンのストリップは、66mm×15mmのサイズであり、かつ0.0178mmの厚さであった。上顎前歯に適用することに先立って、0.6g~0.8gの口腔用組成物を、ポリエチレンの各ストリップにわたって適用した。
上顎のストリップの分配及び全ての適用は、臨床現場のスタッフにより監督された。各処置に関して、参加者は、口腔用組成物を伴うストリップを全体で60分間装着した。各ストリップの装着の50分後、訓練された衛生士が、上顎前歯の前面に向かって、10分間、電磁放射線を適用した。電磁放射線を、ストリップ及び口腔用組成物を介して歯に向けた。電磁放射線は、本明細書の表題「臨床プロトコル」の項目にて記載された電磁放射線源を使用して、送達された。電磁放射線が上顎前歯に向かって通過する、透明な窓部の出口表面において出る電磁放射線の各円錐体の中央軸線において測定された、400~500nmの電磁放射線の強度は、本明細書にて開示した手順により測定された際に、約175mW/cm2~約225mW/cm2と測定された。
デジタル画像は、ベースラインにて、また処置後の1日目、2日目、及び3日目に、収集された。
実施例IIで処置した参加者は、全ての試験時間点において、ベースラインに対して、統計的に有意な(p<0.001)黄色度の漸次的な減少(-Δb*)を示し、また、このグループにおいて、2回目及び3回目の処置(p<0.001)後の日に、明度の増加(ΔL*)が観察された。
水性ゲル中で5.25%のH2O2の最終濃度を含有する、第2の比較組成物(比較例II-5.25%のH2O2を伴う、Crest tooth whitening strip製品)の漂白有効性を、臨床試験において測定した。具体的には、比較例II用の試験は、制御された単一施設臨床試験であった。この標的集団は、以前に歯のホワイトニングの履歴がない大人の参加者であった。参加者は、ポリエチレンのストリップ上に送達された、5.25%のH2O2(比較例II)を伴う上記の比較水性ゲルにより、処置された。グループ(参加者20人、平均L*は72.8、及び平均b*は16.4)は、14日間、1日に一度、60分間、ストリップを装着した。
デジタル画像は、ベースラインにて、また第7日目、第14日目の処置後の日に、得られた。60分間(前述の臨床における、実施例IIと同じ時間の長さ)、ストリップ上に送達された比較例II(5.25%のH2O2を伴う水性ゲル)を装着したグループの結果を、表4に示す。
7回の処置後、比較例II(60分間、ストリップ上に送達された5.25%のH2O2を伴う水性ゲル)は、黄色度における-0.985の平均変化を発生させ、一方で、実施例II(同様に、ストリップ上に送達され、かつ電磁放射線源と共に使用される)は、比較例IIに使用される水性ゲルに対して低いH2O2の濃度を有する(3%のH2O2対5.25%のH2O2)にもかかわらず、わずか1回の処理後には黄色度における-1.14の平均変化をもたらした。同様に、14回の処置後、比較例IIは、黄色度における-1.43の平均変化を発生させ、一方で、実施例IIは、水性ゲルに対して低いH2O2の濃度を有する(3%のH2O2対5.25%のH2O2)にもかかわらず、わずか2回の処理後には黄色度における-1.73の平均変化をもたらした。これらの結果はまた、比較例IIにて使用される比較水性ゲルに対して低いH2O2の濃度を有する(3%のH2O2対5.25%のH2O2)にもかかわらず、実施例II(ストリップ上に送達されて、本明細書に開示された電磁放射線源と共に使用される)の驚くほど高い有効性を明確に実証している。
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、そのような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。