JP2022526914A - 慢性腎臓病を有する糖尿病患者を治療するためのカナグリフロジン - Google Patents

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Abstract

本開示は、慢性腎臓病を治療するための方法を提供し、治療を必要とする患者に治療有効量のカナグリフロジンを投与することを含み、患者はII型糖尿病と診断されている。

Description

(関連出願の相互参照)
本願は、2019年3月26日に出願された米国仮特許出願第62/823,719号、2019年3月26日に出願された米国仮特許出願第62/823,722号、2019年3月26日に出願された米国仮特許出願第62/823,724号、2019年4月18日に出願された米国仮特許出願第62/835,550号に対する優先権を主張するものであり、これらの開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
(発明の分野)
本発明は、慢性腎臓病を有する被験者を治療するための方法に関する。
2型糖尿病と慢性腎臓病(CKD)を有する被験者は、現在の標準的治療を使用するにもかかわらず、末期腎臓病(ESKD)と心血管イベントの進行リスクが高く、平均余命が短い。糖尿病性腎疾患の患者が末期腎臓病を発症すると、これらの患者の平均余命は短くなり、米国の透析患者の5年生存率は36%であり、発展途上国では更に低い割合である。老年期と長期にわたる併存疾患の数が多いのは、満たされない医療ニーズが高い、CKDを確立した患者集団の典型である。
腎臓は、背中の中央付近に位置する豆形状の器官である。各腎臓内には、ネフロンと呼ばれる約百万個の小さい構造が、血液を濾過する。それらは、老廃物及び余分な水分を除去し、それらは尿になる。ネフロンの損傷は、腎臓病の重要な形態を表す。この損傷は、腎臓を、老廃物を除去することができない状態にし得る。一部の損傷、例えば、過剰濾過に関連する損傷は、何年にもわたってゆっくり生じ得、初期には多くの場合、明白な症状がない。
単一のネフロンレベルで、過剰濾過は、糸球体内高血圧症からアルブミン尿症へと、続いて、糸球体濾過量(GFR)の低減へと至る一連のイベントにおける早期のつながりであると仮定される。したがって、これに基づき、過剰濾過は、それに続く腎損傷についてのリスクを表し、多くの場合に過剰濾過段階と称される、腎臓病理の早期の症状発現として分類され得る。そのような腎過剰濾過は、早期の糸球体病変及び微量アルブミン尿症をもたらし得、それ自体が、顕性アルブミン尿症及び末期腎疾患をもたらし得る。
クレアチニンは、筋肉組織内のクレアチンリン酸の分解産物であり、通常、体内で一定速度で産生される。血清クレアチニンは、腎臓によって変化しないまま排出される筋肉代謝の容易に測定される副産物であるため、腎臓の健康の重要な指標である。クレアチニンは、主として腎臓によって、主に糸球体濾過によってであるが、近位尿細管分泌によっても、血液から除去される。クレアチニンの尿細管再吸収はほとんど又は全く生じない。腎臓における濾過が不十分である場合は、クレアチニンの血中レベルは上昇する。したがって、血中及び尿中のクレアチニンレベルは、糸球体濾過量(GFR)と相関するクレアチニンクリアランス(CrCl)を計算するために使用されてもよい。血中クレアチニンレベルはまた、GFR(eGFR)を推定するために単独で使用されてもよい。
アルブミン尿症は、アルブミンが尿中に存在する状態である。健康な個体において、アルブミンは、腎臓によって濾過される。腎臓が尿から大きい分子(アルブミンなど)を適切に濾過しない場合、アルブミンは、尿中に排出され、典型的には、腎臓損傷又は過剰な食塩摂取量の兆候である。アルブミン尿症はまた、I(1)型糖尿病又はII(2)型糖尿病のいずれかである、長期にわたる糖尿病の患者において生じ得る。尿中アルブミンは、試験紙によって、又は24時間の期間にわたって採取された尿の全量中に排出されたタンパク質の量の直接的基準として測定され得る。
糖尿病性腎症は、糖尿病の細小血管合併症のうちの1つであり、持続性アルブミン尿症及び腎機能の進行性の低下によって特徴付けられる。高血糖症は、糖尿病性腎症の発病及び進行にとって重要な一因である。
T1DM(1型糖尿病)の患者における糖尿病性腎症の臨床的進行は、特徴がはっきりしている。最初に、糸球体濾過量(GFR)の増加及び腎血漿流量の増加を伴う過剰濾過が見られる。メタ分析により、T1DMの患者における過剰濾過の存在が、微量アルブミン尿症又は顕性アルブミン尿症を発症するリスクを2倍超にすることが見出された。この位相には、30mg/日(又は20μg/分)以上及び300mg/24時間未満(又は200μg/分未満)の尿中アルブミン排出として定義される、GFRの低減及び微量アルブミン尿症の進行が続き、それは、血圧の上昇を伴い得る。後に、GFRが低下し続ける疾患の進行において、300mg/日未満の尿中アルブミン排出として定義される、顕性タンパク尿症(即ち、顕性アルブミン尿症)が続いて生じ、高血圧症の悪化と関連する。最終的に、ESKD(末期腎臓病)が進行し、腎代替療法の必要性につながる。
2型糖尿病(T2DM)の患者において、臨床的進行は、主に、高血糖症だけではなく、虚血性腎損傷をもたらす血管病理も含む、複数の腎傷害により変動する。しかしながら、他の一般的な特徴は、T2DMの患者における腎損傷に寄与する可能性が高く、単一ネフロンのレベルにおける過剰濾過、近位尿細管糖毒性、及び尿細管細胞中へのナトリウム結合型グルコースの輸送の増強の結果としての尿細管細胞成長への刺激を含む。
アルブミン尿症の程度は、ESKDの進行及び有害なCV転帰と正に相関する。血行力学的機序(即ち、ACEi及びARB)によって作用する薬剤を使用した、T2DM及びアルブミン尿症患者における治療に関連したアルブミン尿症の低減は、糖尿病性腎症の進行及び有害なCV転帰の発生の低減と相関する。したがって、特有の血行力学的機序によって作用して、他の抗高血圧剤又は血糖降下剤で見られるよりもアルブミン尿症を減少させ、かつレニン・アンジオテンシン系を妨げる薬剤に相加的である薬剤は、腎臓保護効果を発揮し得、かつ糖尿病性腎症における有害なCV転帰を低減し得る可能性がある。
現在の標準的治療にもかかわらず、II型糖尿病と慢性腎臓病を有する被験者は、ESKDと心血管イベントの進行リスクが高く、平均余命が短い。必要なのは、慢性腎臓病のより進行した段階にある患者を治療する方法である。
いくつかの態様では、本開示は、II型糖尿病及び慢性腎臓病(CKD)を有する患者を治療することを対象とする。特定の実施形態では、患者はステージ2~3腎臓病を有する。他の実施形態では、患者はまた、顕性アルブミン尿症を有する。本方法は、治療有効量のカナグリフロジンを投与することを含む。他の実施形態では、方法は、アンギオテンシン変換酵素阻害剤及び/又はアンギオテンシン受容体遮断薬を投与することを含む、付随する標準的治療を更に含む。本明細書に記載の方法はまた、臨床的に安全かつ/又は臨床的に有効であることが証明されている。
他の態様では、本開示は、慢性腎臓病を有する糖尿病患者を治療する方法に関し、(a)患者が慢性腎臓病を有するか否かを判定することと、(b)慢性腎臓病を治療するために、治療有効量のカナグリフロジンを患者に投与することとを含む。
更なる態様では、本開示は、カナグリフロジンを含む製剤を販売する方法、製剤を販売することを含む方法に関し、製剤に対する参照リスト薬の製剤ラベルは、慢性腎臓病を治療することの指示を含む。
更に他の態様では、本開示は、臨床的に安全であることが証明されかつ臨床的に有効であることが証明されている量のカナグリフロジンを含む医薬品に関する。
実施例1の一次複合エンドポイントの最初の発生のカプランマイヤープロットである。 30以上45未満mL/分/1.73mのeGFR層をスクリーニングするためのHbA1cのベースラインからのLS平均変化の経時的な折れ線グラフである。 45以上60未満mL/分/1.73mのeGFR層をスクリーニングするためのHbA1cのベースラインからのLS平均変化の経時的な折れ線グラフである。 60以上90未満mL/分/1.73mのeGFR層をスクリーニングするためのHbA1cのベースラインからのLS平均変化の経時的な折れ線グラフである。
本開示では、特に明示しない限り、単数形「a」、「an」及び「the」は、複数形の言及を含み、特定の数値への言及は、少なくともその特定の値を含む。したがって、例えば、「材料(a material)」への言及は、少なくとも1つのこのような材料、及び当業者に公知のその等価物、及び類似のものへの言及である。
値が、記述語「約」又は「実質的に」の使用によって近似値として表現されるとき、その特定の値は、別の実施形態を形成することが理解される。一般的に、用語「約」又は「実質的に」の使用は、開示する発明主題によって得ようとする所望の特性に依存して変動し得る近似値を示し、その機能に基づき、それが使用される特定の文脈において解釈されるべきである。当業者は、これを日常的な問題として解釈することができる。一部の場合、特定の値に対して用いられる有効数字の数は、用語「約」又は「実質的に」の程度を決定する1つの非限定的な方法であり得る。他の場合、一連の値において用いられる漸次的変化を用い、各値について用語「約」又は「実質的に」に利用可能な意図する範囲を決定し得る。存在する場合、全ての範囲は、包括的かつ組み合わせ可能である。すなわち、範囲で記述される値への言及は、その範囲内の全ての値を含む。
リストが提示される場合、特に指定しない限り、そのリストの各個々の要素及びそのリストの全ての組み合わせを別々の実施形態として解釈すべきであることを理解されたい。例えば、「A、B、又はC」として提示される実施形態のリストは、実施形態「A」、「B」、「C」、「A又はB」、「A又はC」、「B又はC」、又は「A、B、又はC」を含むと解釈されるべきである。
別個の実施形態の文脈において明確性のために本明細書に記載される、本発明のある特定の特徴はまた、単一の実施形態内に組み合わされて提供されてもよいことが理解される。即ち、明白に不適合であるか又は除外されない限り、各個々の実施形態は、任意の他の実施形態に適合すると見なされ、このような組み合わせは、別の実施形態であると考えられる。逆に、説明を簡単にするために単一の実施形態との関連において述べられる本発明の異なる特徴が、別々に又は任意の部分的組み合わせとして提供される場合もある。特許請求の範囲は、いずれかの任意要素を除外するように起案される場合もあることに更に留意されたい。したがって、この記載は、特許請求の範囲の要素の列挙に関連する「だけ」、「のみ」などの排他的な用語の使用、又は「否定的」限定の使用に対する先行的限定の根拠として機能することを意図する。最後に、実施形態は、一連の工程の一部として又はより一般的な構造の一部として記載し得るが、各工程をそれ自体が独立する実施形態であると考えてもよい。
方法
本開示は、慢性腎臓病(CKD)を治療するための方法を提供し、治療を必要とする患者に治療有効量のカナグリフロジンを投与することを含む。いくつかの態様では、患者は糖尿病患者である。更なる態様では、患者は、慢性腎臓病を有する糖尿病患者である。他の態様では、患者は2型糖尿病と診断されている。他の態様では、患者は顕性アルブミン尿症と更に診断されている。
本明細書に記載の方法は、患者の特定の亜集団、即ち、II型糖尿病(T2DM)及び慢性腎臓病(CKD)を有する患者の治療におけるカナグリフロジンの有効性を反映する。ACE阻害剤(ACEi)とアンギオテンシン受容体遮断薬(ARB)が15年以上前から糖尿病性腎疾患の進行を予防するための標準的治療となったため、本明細書に開示される方法は、これらの患者の腎転帰に(任意のメカニズムによって)利益をもたらす。本明細書に記載の方法は、ACEi又はARB療法を含む現在の標準治療に加えて、特定の一次エンドポイントのリスクを約25%低減する。本発明者らはまた、有意な持続時間の効果及び/又は併存疾患の減少、並びにカナグリフロジンによって提供される効果が1年の治療後でも維持されたことを発見する。この効果の持続時間は、試験された患者のすべての下位群にわたって一貫し、それによって苦しんでいる患者のための長期的な治療オプションを示唆する。重要なことに、一次エンドポイントの利点の発見は、ラボの成分(即ち、血清クレアチニンの倍増)によってのみ推進されたのではなく、ESKDの「ハードエンドポイント」(裁定持続性eGFR<15mL/分/1.73m、慢性透析又は腎移植で構成される)の大幅な削減によって明らかになる。
本明細書で使用される場合、用語「糖尿病」は、1型及び2型を含む。いくつかの実施形態では、糖尿病は1型糖尿病を指す。他の実施形態では、糖尿病は2型糖尿病を指す。1型糖尿病及び2型糖尿病は、当業者に理解される。1型糖尿病を有する患者では、患者の免疫系が膵臓のベータ細胞を攻撃して破壊し、インスリンを産生する。したがって、1型糖尿病患者はインスリンを産生しない。2型糖尿病患者では、患者の体がインスリンを効率的に使用しない。したがって、2型糖尿病患者は、体内で産生されたインスリンに反応しない。
用語「2型糖尿病(Type 2 diabetes)」及び「II型糖尿病(Type II diabetes mellitus)」は互換性があり、最低でも2回の独立した機会に測定した場合、患者の空腹時(即ち、約8時間カロリー摂取がない)の血糖値又は血清グルコース濃度が約125mg/dL(約6.94mmol/L)を超える状態として定義される。2型糖尿病はまた、高血糖症又は高血糖症緊急症の古典的症状と併せた、経口グルコース負荷試験(OGTT)中に患者のHbA1cが約6.5%以上、2時間の血漿グルコースが約200mg/dL(約11.1mmol/L)以上、又はランダムグルコース濃度が約200mg/dL(約11.1mmol/L)以上である状態として定義される。明白な高血糖症の非存在下で、大部分の診断試験と同様に、糖尿病の試験結果診断は、検査過誤を除外するために繰り返されるべきである。
HbA1cの評価は、全米グリコヘモグロビン標準化プログラムによって認定され、かつ糖尿病管理及び合併症試験の参照アッセイに標準化される又はそれに遡ることが可能な方法を使用して実行され得る。OGTTが実施される場合、糖尿病患者の血糖値は、空腹時に約75gのグルコースを摂取してから約2時間後に、約200mgのグルコース/dL(約11.1mmol/L)の血漿を超える。グルコース負荷試験では、約75gのグルコースが、最低約8時間後、典型的に約10~約12時間の絶食後に、試験される患者に経口投与され、血糖値は、グルコースの摂取直前と摂取してから約1時間及び約2時間後に記録される。健康な患者では、グルコースを摂取する前の血糖値は、血漿の約60~約110mg/dL、グルコースを摂取してから約1時間後には約200mg/dL未満、及び約2時間後には約140mg/dL未満になる。約2時間後、値が約140~約200mgである場合、これは耐糖能異常と見なされる。
いくつかの態様では、II型糖尿病と診断された患者は、本明細書で定義されるように、測定されたHbA1cを有する。用語「HbA1c」又は「ヘモグロビンA1c」は、ヘモグロビンB鎖の非酵素的糖化の生成物を指し、その決定は当業者によく知られる。糖尿病の治療を監視する上で、HbA1c値は非常に重要である。その産生は血糖値と赤血球の寿命に本質的に依存するため、「血糖値の記憶」という意味でのHbA1cは、過去約4~約6週間の平均血糖値を反映する。特定の実施形態では、本明細書に記載の方法に従って治療される患者は、約7%~約10.5%の範囲、例えば、7.0%以上10.5%以下の範囲の測定されたHbA1cを有する。他の実施形態では、患者は、約7%、約7.1%、約7.2%、約7.3%、約7.4%、約7.5%、約7.6%、約7.7%、約7.8%、約7.9%、約8%、約8.1%、約8.2%,約8.3%、約8.4%、約8.5%、約8.6%、約8.7%、約8.8%、約8.9%、約9%、約9.1%、約9.2%、約9.3%、約9.4%、約9.5%、約9.6%、約9.7%、約9.8%、約9.9%、約10%、約10.1%、約10.2%、約10.3%、約10.4%、又は約10.5%の測定されたHbA1cを有する。他の実施形態では、患者は、約7%~約10%、約7%~約9.5%、約7%~約9%、約7%~約8.5%、約%~約8%、約7.5%~約10.5%、約8%~約10.5%、約8.5%~約10.5%、約9%~約10.5%、又は約9.5~約10.5%の測定されたHbA1cを有する。
本明細書に開示されるように、治療される患者は慢性腎臓病を有する。いくつかの実施形態では、患者はステージ2慢性腎臓病を有する。他の実施形態では、患者はステージ3慢性腎臓病を有する。更なる実施形態では、患者はステージ2~3慢性腎臓病を有する。
本明細書に記載の方法は、患者が慢性腎臓病を有するという判定を含み得る。典型的には、その判定は主治医によって行われる。慢性腎臓病の診断又は判定は、当業者によって知られる技術を使用して判定され得る。いくつかの実施形態では、慢性腎臓病は、血液検査、尿検査、腎臟撮像、又は腎臓生検のうちの1つ以上によって判定される。好ましくは、慢性腎臓病は、血液検査によって診断される。より好ましくは、血液検査は、推定糸球体濾過量を測定する。
いくつかの態様では、慢性腎臓病を有する患者は、約30~約90未満mL/分/1.73mのeGFR、例えば、30以上90未満mL/分/1.73mのeGFRを有する。いくつかの実施形態では、患者は、約30、約31、約32、約33、約34、約35、約36、約37、約38、約39、約40、約41、約42、約43、約44、約45、約46、約47、約48、約49、約50、約51、約52、約53、約54、約55、約56、約57、約58、約59、約60、約61、約62、約63、約64、約65、約66、約67、約68、約69、約70、約71、約72、約73、約74、約75、約76、約77、約78、約79、約80、約81、約82、約83、約84、約85、約86、約87、約88、又は約89mL/分/1.73mのeGFRを有する。更なる実施形態では、患者は、約30~約89、約30~約85、約30~約80、約30~約75、約30~約70、約30~約65、約30~約65、約30~約60、約30~約55、約30~約50、約35~約89、約30~約85、約35~約80、約35~約75、約35~約70、約35~約65、約35~約60、約35~約55、約35~約50、約40~約89、約40~約85、約40~約80、約40~約75、約40~約70、約40~約65、約40~約60、約40~約55、約40~約50、約40~約45、約50~約89、約50~約85、約50~約80、約50~約75、約50~約70、約50~約65、約50~約60、約50~約55、約55~約89、約55~約85、約55~約80、約55~約75、約55~約70、約55~約65、約55~約60、約60~約89、約60~約85、約60~約80、約60~約75、約60~約70、約60~約65、約65~約89、約65~約85、約65~約80、約65~約75、約65~約70、約70~約89、約70~約85、約70~約80、約70~約75、約75~約89、約75~約85、約75~約80、約80~約89、又は約85~約89mL/分/1.73mのeGFRを有する他の態様では、患者は、約30~約45未満mL/分/1.73mのeGFR、例えば、30以上約45未満mL/分/1.73mのeGFRを有する。更なる実施形態では、患者は、約30~約40、約30~約35、約35~約45、約35~約40、又は約40~約45mL/分/1.73mのeGFRを有する。更に別の態様では、患者は、約45~約59mL/分間/1.73mのeGFR、例えば、45以上60未満mL/分/1.73mのeGFRを有する。特定の実施形態では、eGFRは、約45~約59、約45~約55、約45~約50、約50~約59、又は約50~約55mL/分/1.73mである。更に他の態様では、患者は、約60~約89mL/分/1.73mのeGFR、例えば、60以上90未満mL/分/1.73mのeGFRを有する。更なる実施形態では、eGFRは、約60~約85、約60~約80、約60~約75、約60~約70、約65~約89、約65~約85、約65~約80、約65~約75、約70~約89、約70~約85、約70~約80、約75~約89、又は約75~約85mL/分/1.73mのeGFRを有する。
他の実施形態では、患者はステージ2慢性腎臓病を有する。本明細書で使用される場合、「ステージ2慢性腎臓病」は、約60~約89mL/分/1.73m、例えば、60以上90未満mL/分/1.73mのeGFRを有する患者を指す。ステージ2慢性腎臓病の患者には症状がない場合がある。これらの患者に腎臓損傷の兆候がある限り、兆候としては、尿中のタンパク質、片方若しくは両方の腎臓への身体的損害、又はこれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、ステージ2慢性腎臓病を有する患者は、既存の腎臓損傷を有する。
他の実施形態では、患者はステージ3慢性腎臓病を有する。本明細書で使用される場合、「ステージ3慢性腎臓病」は、約30~約59mL/分/1.73m、例えば、30以上60未満mL/分/1.73mのeGFRを有する患者を指す。ステージ3慢性腎臓病の患者には症状がない場合がある。これらの患者に腎臓損傷の兆候がある限り、兆候としては、尿中のタンパク尿、片方若しくは両方の腎臓への身体的損害、手及び/若しくは足の腫れ、腰痛、通常より多い若しくは少ない排尿、又はこれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、ステージ3慢性腎臓病患者は、中程度の腎臓損傷を有する。更なる実施形態では、ステージ3慢性腎臓病は、約45~約59mL/分/1.73mのeGFRを伴うステージ3aであり得る。更に他の実施形態では、ステージ3慢性腎臓病は、約30から約44mL/分/1.73mのeGFRを伴うステージ3bである。
更なる態様では、患者はステージ2~3の慢性腎臓病を有する。本明細書で使用される場合、「ステージ2~3慢性腎臓病」は、30以上90未満mL/分/1.73mを含む、約30~約89mL/分/1.73mのeGFRを有する患者を指す。ステージ2~3慢性腎臓病の患者には症状がない場合がある。これらの患者に腎臓損傷の兆候がある限り、兆候としては、尿中のタンパク尿、片方若しくは両方の腎臓への身体的損害、手及び/若しくは足の腫れ、腰痛、通常より多い若しくは少ない排尿、又はこれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、ステージ2~3慢性腎臓病患者は、中等度であり得る既存の腎臓損傷を有する。
用語「糸球体濾過量(glomerular filtration rate、GFR)」は、腎(腎臓)糸球体毛管からボーマン嚢内に濾過された流体の単位時間当たり体積として定義される。糸球体濾過量(GFR)は、全体的な腎臓機能を示す。糸球体濾過量(GFR)は、血液中に定常レベルを有し、かつ、自由に濾過されるが、腎臓によって再吸収されたり分泌されたりしない任意の化学物質を測定することによって計算することができる。したがって測定される速度は、尿中の、計算可能な体積の血液に由来する物質の量である。GFRは、イヌリンを血漿中に注入することによって決定することができる。イヌリンは、糸球体濾過後に腎臓によって再吸収されたり分泌されたりしないため、イヌリンの排出速度は、水と溶質の糸球体フィルタを通過する濾過速度に正比例する。通常のGFR値は、約90~約125mL/分/1.73mであり、好ましくは、約100~約125mL/分/1.73mのGFRである。GFRを決定する他の原理は、51Cr-EDTA、[125I]イオタラミン酸又はイオヘキシルの測定を含む。GFRは、典型的には、時間当たりの体積を単位として、例えば、ミリリットル/分で記録され、以下の式を使用することができる:
Figure 2022526914000001
本明細書で使用される場合、「推定糸球体濾過率」又は「eGFR」は、全て当技術分野で知られる、例えば、慢性腎臓病疫学共同研究の式、コッククロフト・ゴールト式、又は腎臓疾患における食事の修正式に基づいて、血清クレアチニン値からのスクリーニングで導出されるものとして定義される。腎機能が正常な被験者は、約90mL/分以上のeGFRを有すると定義される。
慢性腎臓病とII型糖尿病を有することに加えて、患者は顕性アルブミン尿症を有する場合がある。本明細書で使用される場合、用語「顕性アルブミン尿症」は、アルブミン/クレアチニン比(ACR)が約300mg/gを超える患者を指す。いくつかの実施形態では、顕性アルブミン尿症の患者は、約300~約5000mg/gのACRを有する。更なる実施形態では、顕性アルブミン尿症の患者は、約300、約400、約500、約750、約1000、約1250、約1500、約1750、約2000、約2250、約2500、約2750、約3000、約3250、約3500、約3750、約4000、約4250、約4500、約4750、又は約5000mg/gのACRを有する。他の実施形態では、顕性アルブミン尿症の患者は、約300~約4000、約300~約3000、約300~約2000、約300~約1000、約1000~約5000、約1000~約4000、約1000~約3000、約1000~約2000、約2000~約5000、約2000~約4000、約2000~約3000、約3000~約5000、約3000~約4000、又は約4000~約5000mg/gのACRを有する。
本方法は、治療有効量のカナグリフロジンを投与することを含む。本明細書で使用される場合、用語「治療有効量」は、研究者、獣医、医師又は他の臨床医により求められている、治療されている疾患又は障害の症状の緩和を含む、組織系、動物又はヒト内で生体学的反応又は医薬反応を引き出す活性化合物又は医薬品の量を意味する。いくつかの実施形態では、カナグリフロジンの治療有効量は約50~約500mgである。更なる実施形態では、カナグリフロジンの治療有効量は、約50mg、約100mg、約150mg、約200mg、約250mg、約300mg、約350mg、約400mg、約450mg、又は約500mgである。他の実施形態では、カナグリフロジンの治療有効量は、約50~約450mg、約50~約400mg、約50~約300mg、約50~約250mg、約50~約200mg、約50~約150mg、約50~約100mg、約100~約500mg、約100~約450mg、約100~約400mg、約100~約350mg、約100~約300mg、約100~約250mg、約100~約200mg、約150~約500mg、約150~約450mg、約150~約400mg、約150~約350mg、約150~約300mg、約150~約250mg、約200~約500mg、約200~約450mg、約200~約400mg、約200~約350mg、約200~約300mg、約250~約500mg、約300~約450mg、約300~約400mg、約350~約500mg、約350~約450mg、又は約400~約500mgである。更に別の実施形態では、治療有効量は、約100~約300mgである。更に別の実施形態では、治療有効量は約100mgである。
本明細書で使用される場合、特に断りのない限り、用語「カナグリフロジン」は、式(I)の1,5-アンヒドロ-1-C-(3-{[5-(4-フルオロフェニル)チオフェン-2-イル]メチル]}-4-メチルフェニル)-グルシトールを指す。
Figure 2022526914000002
他の実施形態では、カナグリフロジンは、純粋な又は実質的に純粋な形態としてのエナンチオマー及びジアステレオマーなどのカナグリフロジンの立体異性体を指す。カナグリフロジンはまた、そのラセミ混合物を指す。
特定の実施形態では、「カナグリフロジン」は、1,5-アンヒドロ-1-C-(3-{[5-(4-フルオロフェニル)チオフェン-2-イル]メチル]}-4-メチルフェニル)-D-グルシトールを指す。他の実施形態では、「カナグリフロジン」は、式(II)の(1S)-1,5-アンヒドロ-1-C-(3-{[5-(4-フルオロフェニル)チオフェン-2-イル]メチル]}-4-メチルフェニル)-D-グルシトールである化合物を指す:
Figure 2022526914000003
本明細書で使用される場合、「カナグリフロジン」はまた、カナグリフロジンの非晶形態又は結晶形態を指す。いくつかの実施形態では、カナグリフロジンは結晶形態である。他の実施形態では、カナグリフロジンは非晶形態である。結晶化度は、例えば、単結晶X線回折、粉末X線回折、示差走査熱量測定、融点などの1つ以上の技術を使用して当業者によって決定され得る。
本明細書で使用される場合、「カナグリフロジン」は、その無水物又は水和物を含む。特定の実施形態では、カナグリフロジンは無水形態である。他の実施形態では、カナグリフロジンはその水和物である。更なる実施形態では、カナグリフロジン水和物は、その半水和物である。他の実施形態では、カナグリフロジンはその一水和物である。したがって、カナグリフロジンは、いくつかの実施形態では、式(I)の化合物の半水和物を含む。他の実施形態では、カナグリフロジンは、式(II)の化合物の半水和物を含む。更なる実施形態では、カナグリフロジンは、式(I)の化合物の結晶性半水和物形態を指す。更に別の実施形態では、カナグリフロジンは、式(II)の化合物の結晶性半水和物形態を指す。特定の実施形態では、カナグリフロジンは、国際特許公開第2008/069327号に記載される化合物の結晶性半水和物形態を指し、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。他の実施形態では、カナグリフロジンは、式(I)の化合物の一水和物を含む。更なる実施形態では、カナグリフロジンは、式(II)の化合物の一水和物を含む。
本明細書で使用される場合、「カナグリフロジン」は、その溶媒和物を更に指す。そのような溶媒和物は、分子間力又は化学結合を介してカナグリフロジン分子の1つ以上の位置に結合した溶媒の分子を含む。
本明細書で使用される場合、「カナグリフロジン」はまた、その多形体を指し得る。カナグリフロジンのそのような多形体は、分子の結晶形態を含み、各多形体の結晶格子に変化を有する。
用語「カナグリフロジンはまた、その薬学的に許容される塩を含み得、これは、当業者によって容易に選択され得る。「薬学的に許容される塩」は、非毒性、生物学的に許容される、又は別の方法で被験者への投与に生物学的に適するカナグリフロジンの塩を意味することを意図する。例えばBerge,「Pharmaceutical Salts」,J.Pharm.Sci.,1977,66:1-19、及びHandbook of Pharmaceutical Salts,Properties,Selection,and Use,Stahl and Wermuth,Eds.,Wiley-VCH and VHCA,Zurich,2002を参照し、これらは参照により本明細書に組み込まれる。薬学的に許容される塩の例は、薬理学的に有効であり、かつ過度の毒性、刺激、又はアレルギー反応を伴わずに患者に投与するのに好適な塩である。薬学的に許容される塩の例は、硫酸塩、ピロ硫酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、リン酸塩、リン酸一水素塩、リン酸二水素塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、臭化物(臭化水素酸塩など)、塩化物(塩酸塩など)、ヨウ化物(ヨウ化水素酸塩など)、酢酸塩、プロピオン酸塩、デカン酸塩、カプリル酸塩、アクリル酸塩、蟻酸塩、イソ酪酸塩、カプロン酸塩、ヘプタン酸塩、プロピオール酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、セバシン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、ブチン-1,4-二酸塩、ヘキシン-1,6-二酸塩、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、メトキシ安息香酸、フタル酸塩、スルホン酸塩、キシレンスルホン酸塩、フェニル酢酸塩、フェニルプロピオン酸塩、フェニル酪酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、γ-ヒドロキシ酪酸塩、グリコール酸塩、酒石酸塩、メタン-スルホン酸塩、プロパンスルホン酸塩、ナフタレン-1-スルホン酸塩、ナフタレン-2-スルホン酸塩、及びマンデル酸塩を含む。
当業者に理解されるように、カナグリフロジンは市販されている。例えば、カナグリフロジンはInvokana(登録商標)として入手可能である。カナグリフロジンは、例えばSGLT2などのナトリウム依存性グルコース輸送体に対して阻害活性を示し、参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2005/0233988号に開示されるプロセスに従って調製され得る。
本明細書で使用される場合、特に断りのない限り、用語「治療すること」、「治療」などは、疾患、状態又は障害を治す目的とした患者の管理及びケアを含む。用語「治療すること」及び「治療)」はまた、(a)疾患、状態又は障害の1つ以上の症状又は合併症を軽減し、(b)疾患、状態又は障害の1つ以上の症状若しくは合併症の発病を予防し、及び/又は(c)疾患、状態又は障害の1つ以上の症状若しくは合併症を排除するための、本明細書に記載の化合物又は医薬組成物の投与を含む。
本明細書で使用される場合、特に断りのない限り、用語「予防すること」及び「予防は、(a)1つ以上の症状の頻度を低減すること、(b)1つ以上の症状の重大度を低減すること、(c)更なる症状の進行を遅延させる、緩徐化する若しくは回避すること、及び/又は(d)障害、若しくは状態の後期若しくはより深刻な形態への進行を緩徐化する若しくは回避することを含む。
当業者は、本開示が予防方法に関する場合、それを必要とする患者は、あらゆる患者、又は予防すべき障害、疾患若しくは状態の少なくとも1つの症状を経験若しくは示したことがある患者を含むものであることを認識する。更に、それを必要とする患者は、加えて、予防すべき障害、疾患、又は状態の症状を示したことはないものの、医師、臨床医、又は他の医療専門家により、当該障害、疾患、又は状態の進行リスクがあると見なされた患者であり得る。例えば、患者は、家族歴、体質、併発(重複)疾患又は併発(重複)状態、遺伝子検査などを含むがそれに限定されない、患者の医療歴の結果として、障害、疾患、又は状態の進行リスクがある(それ故に予防又は予防的治療の必要がある)と見なされ得る。
用語「被験者」及び「患者」は、本明細書では互換的に使用され、治療、観察又は実験の対象である動物、好ましくは哺乳動物、最も好ましくはヒトを指す。好ましくは、患者は、治療すべき及び/又は予防すべき疾病又は障害の少なくとも1つの症状を経験し及び/又は示している。
本明細書に記載の方法は、患者における1つ以上の腎臓イベントの発生を低減し又は予防する。本明細書に記載の患者は慢性腎臓病を有するため、腎臓イベントのリスクが高くなる。
本明細書で使用される場合、用語「腎臓イベント」語は、腎機能及び/又は腎過濾過に関連するか又は影響を与える障害を指す。腎障害としては、尿中アルブミンレベルの上昇、血清クレアチニンの上昇、血清アルブミン/クレアチニン比(ACR)の上昇、腎過濾過傷害、糖尿病性腎症(過濾過性糖尿病性腎症が挙げられるがこれに限定されない)、腎過濾過、糸球体過濾過、腎同種移植片過濾過、代償性過濾過、過濾過性慢性腎臓病、過濾過性急性腎不全、肥満、末期腎臓病(ESKD)、又は腎死が挙げられる、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、1つ以上の腎臓イベントは、血清クレアチニンの倍増、末期腎臓病、若しくは腎死、又はこれらの任意の組み合わせを含む。他の実施形態では、1つ以上の腎臓イベントは、血清クレアチニンの倍増を含む。他の実施形態では、1つ以上の腎臓イベントは、末期腎臓病を含む。更に別の実施形態では、1つ以上の腎臓イベントは、腎死を含む。
用語「末期腎臓病」と「ステージ5腎臓病」は互換性があり、約15mL/分/1.73m未満のeGFRを有する患者を指す。末期腎臓病の患者は典型的に、重度の症状を示す。このステージの症状としては、かゆみ、筋けいれん、吐き気、嘔吐、食欲不振、腫れ(多くの場合、手及び足における)、腰痛などの痛み、通常より多い若しくは少ない排尿、呼吸困難、睡眠困難、又はこれらの任意の組み合わせを挙げることができるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、末期慢性腎臓病の患者は、機能不全に近いか、又は完全に機能不全に陥った腎臓を有する。他の実施形態では、これらの患者は、透析であるか、腎移植を必要とするか、又はこれらの任意の組み合わせである。
本明細書に記載の方法はまた、患者における1つ以上の心血管イベントの発生を低減し又は予防する。
本明細書で使用される場合、特に断りのない限り、用語「心血管イベント」は、心血管死、非致死性心筋梗塞、非致死性脳卒中(虚血)、末梢動脈疾患、高血圧性心疾患、虚血性心疾患、冠動脈血管疾患、末梢血管疾患、脳血管疾患、心不整脈(洞性頻脈以外)、心筋症、狭心症(不安定狭心症を含むがこれに限定されない)、心不全(入院を必要とする心不全、心不全などを含むがこれらに限定されない)及び冠状静脈弁疾患を含むが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、心血管イベントは、心血管死、入院中の心不全、非致死性心筋梗塞、非致死性脳卒中、又はこれらの任意の組み合わせである。他の実施形態では、心血管イベントは、心血管死、非致死性心筋梗塞、又は非致死性脳卒中である。更なる実施形態では、心血管又は疾患は、非致死性心筋梗塞である。更なる実施形態では、心血管イベントは、非致死性脳卒中である。更に他の実施形態では、心血管イベントは心血管死である。他の実施形態では、心血管イベントは入院中の心不全である。
他の実施形態では、患者はまた、心血管イベントをもたらし得る1つ以上の心血管リスク因子を有すると診断され得る。心血管リスク因子としては、失神、一過性の虚血性イベント若しくは脳卒中(頭蓋内出血を除く)、心臓移植などの心臓血管手術、心臓刺激装置(ペースメーカー)又は除細動器(「ICD」)などの心臓装置の埋め込み、脳血管又は末梢の介入、肺塞栓症又は深部静脈血栓症、心臓の原因による急性肺水腫又は呼吸困難、安定狭心症又は非定型胸部痛、心房細動などの上室性リズム障害、動脈圧の変動(例えば、低血圧、高血圧、失神を除く)、心血管感染症、大出血/出血(2つ以上の血球ペレット又は頭蓋内出血が必要)、LDLの上昇、HDLの低下、トリグリセリドの上昇などのコレステロールの上昇(高脂血症)、肥満、微量アルブミン尿症、末梢血管疾患、基になる構造的心疾患、アテローム性動脈硬化症、心房細動、頻脈、冠状動脈疾患、非リウマチ性心臓弁膜症、虚血性起源の拡張型心筋症、アブレーション、心房細動又は粗動以外の上室性頻脈、心臓弁手術の病歴、非虚血性拡張型心筋症、肥大型心筋症、リウマチ性弁膜症、持続性心室性頻脈、先天性心疾患、心室細動、少なくとも1つの心臓装置(心臓刺激装置、植込み型除細動器などを含むがこれらに限定されない)、現在又は過去の喫煙の履歴、男性の性別、又はこれらの任意の組み合わせを挙げることができるが、これらに限定されない。例えば、Hohnloser et al.,Journal of cardiovascular electrophysiology,January 2008,Vol.19,No.1,pages 69-73を参照し、これは参照により本明細書に組み込まれる。
本方法はまた、付随する標準的治療を施すことを可能にする。用語「標準的治療」は典型的に、問題となる病状の医師が処方した治療法を指す。いくつかの実施形態では、標準的治療は、アンギオテンシン変換酵素阻害剤、アンギオテンシン受容体遮断薬、又はこれらの組み合わせである追加の医薬品を投与することを含むか、それから構成されるか、又はそれから本質的に構成される。いくつかの実施形態では、本方法は、アンギオテンシン変換酵素阻害剤を投与することを含む。他の実施形態では、本方法は、アンギオテンシン受容体遮断薬を投与することを含む。更なる実施形態では、本方法は、アンギオテンシン変換酵素阻害剤及びアンギオテンシン受容体遮断薬を投与することを含む。典型的には、標準的治療はカナグリフロジンの投与による治療は含まない。標準的治療は、カナグリフロジンの前、後、又は同時に患者に施すことができる。いくつかの実施形態では、標準的治療はカナグリフロジンの前に施される。他の実施形態では、標準的治療はカナグリフロジンの後に施される。更なる実施形態では、標準的治療はカナグリフロジンと同時に施される。
本明細書で使用される場合、用語「アンギオテンシン変換酵素阻害剤(」、「ACE阻害剤」、又は「ACEi」は互換性があり、アンギオテンシン変換酵素を阻害し、それによって血管の張力と血液量を減少させ(即ち、血管を拡張させ)、したがって血圧を低下させる医薬品を指す。ACE阻害剤は、分子構造に基づき、(a)アラセプリル、カプトプリル(CAPOTEN(登録商標))及びゾフェノプリルを含むがこれらに限定されないスルフヒドリル含有剤、(b)エナラプリル(VASOTEC(登録商標))、ラミプリル(ALTACE(登録商標)、PRILACE(登録商標)、RAMACE(登録商標))、キナプリル(ACCUPRIL(登録商標))、ペリンドプリル(COVERSYL(登録商標)、ACEON(登録商標))、リシノプリル(PRINIVIL(登録商標)、ZESTRIL(登録商標))、ベナゼプリル(LOTENSIN(登録商標))、イミダプリル(TANATRIL(登録商標)、TANAPRESS(登録商標)、CARDIPRIL(登録商標))、ゾフェノプリル(ZOFECARD(登録商標))、トランドラプリル(MAVIK(登録商標)、ODRIK(登録商標))、モエキシプリル(UNIVASC(登録商標))、シラザプリル、デラプリル、スピラプリル、テモカプリルを含むがこれらに限定されないジカルボキシレート含有剤、及び(c)フォシノプリル(FOSITEN(登録商標)、MONOPRIL(登録商標))を含むがこれらに限定されないホスホネート含有剤、という3つのグループに分類され得る。いくつかの実施形態では、ACE阻害剤は、ベナゼプリル、カプトプリル、エナラプリル、イミダプリル、リシノプリル、又はラミプリルである。他の実施形態では、ACE阻害剤は、エナラプリル、イミダプリル、リシノプリル、又はラミプリルである。更なる実施形態では、ACE阻害剤は、ベナゼプリル、カプトプリル、エナラプリル、イミダプリル、リシノプリル、ラミプリル、又はこれらの任意の組み合わせである。当業者は、ACE阻害剤の推奨される投与量及び投薬計画が、薬物添付文書、FDAガイドライン、医師用卓上参考書などの適切な参考文献を参照することによって決定され得ることを容易に認識するであろう。
本明細書で使用される場合、特に断りのない限り、用語「ARB」、「アンギオテンシン受容体遮断薬」、及び「アンギオテンシンII受容体拮抗薬」は互換性があり、レニン-アンギオテンシン-アルドステロン系を調節する医薬品を指す。より具体的には、ARBはアンギオテンシンII AT1受容体の活性化を遮断し、その結果、作用の中でもとりわけ、血管拡張(血管の拡張)、バソプレッシンの分泌の低下、アルドステロンの産生と分泌の低下が起こる。複合効果は血圧を低下させることである。ARBの適切な例としては、ロサルタン(COZAAR(登録商標))、イルベサルタン(APROVEL(登録商標)、KARBEA(登録商標)、AVAPRO(登録商標))、オルメサルタン(BENICAR(登録商標))、カンデサルタン(BLOPRESS(登録商標)、ATACAND(登録商標))、バルサルタン(DIOVAN(登録商標))、テルミサルタン(MICARDIS(登録商標))、アジルサルタン(EDARBI(登録商標))及びエプロサルタン(TEVETAN(登録商標))が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、ARBは、カンデサルタン、イルベサルタン、ロサルタン、又はバルサルタンである。他の実施形態では、ARBはイルベサルタン又はロサルタンである。当業者は、ARBの推奨される投与量及び投薬計画が、薬物添付文書、FDAガイドライン、医師用卓上参考書などの適切な参考文献を参照することによって決定され得ることを容易に認識するであろう。
更に他の実施形態では、1つ以上の腎臓及び/又は心血管イベントの発生は、アンギオテンシン変換酵素阻害剤及び/又はアンギオテンシン受容体遮断薬の投与を含む標準的治療と比較して低減又は予防される。例えば、方法は、標準的治療の下で治療されたが、カナグリフロジンを投与することによる治療を受けない、疾患進行が同じレベルの被験者と比較して、本明細書に記載の1つ以上の腎臓及び/又は心血管イベントの発生リスク及び/又は予測される重症度を低減する。
特定の態様では、本明細書に記載の方法は、血清クレアチニンの倍増、ESKD、腎死、若しくは心血管(CV)死、又はこれらの任意の組み合わせに対する相対リスクを低減するのに有効である。いくつかの態様では、本方法は、血清クレアチニンの倍増、ESKD、腎死、又はCV死に対する相対リスクを低減する。他の態様では、本方法は、血清クレアチニンの倍増に対する相対リスクを低減する。更なる態様では、本方法は、ESKDに対する相対リスクを低減する。更に他の態様では、本方法は、腎死に対する相対リスクを低減する。更に別の態様では、本方法は、CV死に対する相対リスクを低減する。
例えば、本明細書に記載の方法は、ACEi及び/又はARBの最大耐量のラベル付き日用量など、標準的治療を受けるがカナグリフロジンによる治療を受けない、疾患進行が同じレベルの患者と比較して、血清クレアチニンの倍増、ESKD、腎死、若しくはCV死、又はこれらの任意の組み合わせのリスクを、約、又は少なくとも約10%、12%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、又は50%減少させるのに有効である。特定の態様では、低減は少なくとも約25%である。他の態様では、低減は少なくとも約30%である。一般に、ACEi及び/又はARBの最大耐量のラベル付き日用量など、標準治療を受けるがカナグリフロジンによる治療を受けない、疾患進行が同じレベルの患者と比較した、血清クレアチニンの倍増、ESKD、腎死、若しくはCV死、又はこれらの任意の組み合わせのリスクの低減は、約10%~約70%、約10%~約60、約10%~約50%、約10%~約40%、約10%~約30%、約10%~約20%、約20%~約70%、約20%~約60%、約20%~約50%、約20%~約40%、約20%~約30%、約30%~約70%、約30%~約60%、約30%~約50%、約30%~約40%、約40%~約70%、約40%~約60%、約40%~約50%、約50%~約70%、約50%~約60%、又は約60%~約70%の範囲である。
他の実施形態では、本方法は、ACEi及び/又はARBの最大耐量のラベル付き日用量など、標準的治療を受けるがカナグリフロジンによる治療を受けない、疾患進行が同じレベルの患者と比較して、血清クレアチニンの倍増、ESKD、若しくは腎死、又はこれらの任意の組み合わせのリスクを、約、又は少なくとも約10%、12%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、又は50%低減させるのに有効である。特定の態様では、低減は少なくとも約25%である。他の態様では、低減は少なくとも約30%である。一般に、ACEi及び/又はARBの最大耐量のラベル付き日用量など、標準治療を受けるがカナグリフロジンによる治療を受けない、疾患進行が同じレベルの患者と比較した、血清クレアチニンの倍増、ESKD、若しくは腎死、又はこれらの任意の組み合わせのリスクの低減は、約10%~約70%、約10%~約60、約10%~約50%、約10%~約40%、約10%~約30%、約10%~約20%、約20%~約70%、約20%~約60%、約20%~約50%、約20%~約40%、約20%~約30%、約30%~約70%、約30%~約60%、約30%~約50%、約30%~約40%、約40%~約70%、約40%~約60%、約40%~約50%、約50%~約70%、約50%~約60%、又は約60%~約70%の範囲である。
他の実施形態では、本明細書に記載の方法は、ACEi及び/又はARBの最大耐量のラベル付き日用量など、標準的治療を受けるがカナグリフロジンによる治療を受けない、疾患進行が同じレベルの患者と比較して、CV死、入院中の心不全、又はこれらの任意の組み合わせのリスクを、約、又は少なくとも約10%、12%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、又は50%低減させるのに有効である。特定の態様では、低減は少なくとも約25%である。他の態様では、低減は少なくとも約30%である。一般に、ACEi及び/又はARBの最大耐量のラベル付き日用量など、標準治療を受けるがカナグリフロジンによる治療を受けない、疾患進行が同じレベルの患者と比較した、CV死、入院中の心不全、又はこれらの組み合わせのリスクの低減は、約10%~約70%、約10%~約60、約10%~約50%、約10%~約40%、約10%~約30%、約10%~約20%、約20%~約70%、約20%~約60%、約20%~約50%、約20%~約40%、約20%~約30%、約30%~約70%、約30%~約60%、約30%~約50%、約30%~約40%、約40%~約70%、約40%~約60%、約40%~約50%、約50%~約70%、約50%~約60%、又は約60%~約70%の範囲である。
他の実施形態では、本明細書に記載の方法は、ACEi及び/又はARBの最大耐量のラベル付き日用量など、標準的治療を受けるがカナグリフロジンによる治療を受けない、疾患進行が同じレベルの患者と比較して、非致死性MI、非致死性脳卒中、又はこれらの組み合わせのリスクを、約、又は少なくとも約10%、12%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、又は50%低減させるのに有効である。特定の態様では、低減は少なくとも約20%である。一般に、ACEi及び/又はARBの最大耐量のラベル付き日用量など、標準治療を受けるがカナグリフロジンによる治療を受けない、疾患進行が同じレベルの患者と比較した、非致死性MI、非致死性脳卒中、又はこれらの組み合わせのリスクの低減は、約10%~約70%、約10%~約60、約10%~約50%、約10%~約40%、約10%~約30%、約10%~約20%、約20%~約70%、約20%~約60%、約20%~約50%、約20%~約40%、約20%~約30%、約30%~約70%、約30%~約60%、約30%~約50%、約30%~約40%、約40%~約70%、約40%~約60%、約40%~約50%、約50%~約70%、約50%~約60%、又は約60%~約70%の範囲である。
他の実施形態では、本明細書に記載の方法は、ACEi及び/又はARBの最大耐量のラベル付き日用量など、標準的治療を受けるがカナグリフロジンによる治療を受けない、疾患進行が同じレベルの患者と比較して、入院中の心不全のリスクを、約、又は少なくとも約10%、12%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、又は50%低減させるのに有効である。特定の態様では、低減は少なくとも約35%である。一般に、ACEi及び/又はARBの最大耐量のラベル付き日用量など、標準治療を受けるがカナグリフロジンによる治療を受けない、疾患進行が同じレベルの患者と比較した入院中の心不全のリスクの低減は、約10%~約70%、約10%~約60、約10%~約50%、約10%~約40%、約10%~約30%、約10%~約20%、約20%~約70%、約20%~約60%、約20%~約50%、約20%~約40%、約20%~約30%、約30%~約70%、約30%~約60%、約30%~約50%、約30%~約40%、約40%~約70%、約40%~約60%、約40%~約50%、約50%~約70%、約50%~約60%、又は約60%~約70%の範囲である。
更に別の実施形態では、本明細書に記載の方法は、血清クレアチニンの倍増、末期腎臓病(ESKD)、腎死、又はこれらの任意の組み合わせを予防するのに有効である。いくつかの態様では、本方法は、血清クレアチニンの倍増を予防するのに有効である。更なる態様では、本方法は、ESKDを予防するのに有効である。他の態様では、本方法、腎死を予防するのに有効である。
本明細書に記載の方法では、治療有効量のカナグリフロジンは、安全、有効、又は安全かつ有効である。本明細書で使用される場合、特に断りのない限り、用語「安全」は、過度の有害な副作用(毒性、刺激、若しくはアレルギー反応など)がないことを意味するものとし、本発明の様式で使用される場合、妥当な利益/リスク比に相応する。同様に、特に断りのない限り、用語「有効」は、治療有効用量で投与されたとき、慢性腎臓病を有する患者の治療に対して治療の有効性が示されたことを意味する。特定の実施形態では、本明細書に記載の方法は安全である。他の実施形態では、本明細書に記載の方法は有効である。更なる実施形態では、本明細書に記載の方法は、安全かつ有効である。更に他の実施形態では、治療有効量のカナグリフロジンは安全である。なお更なる実施形態では、治療有効量のカナグリフロジンは有効である。他の実施形態では、治療有効量のカナグリフロジンは安全かつ有効である。
本明細書で使用される場合、特に断りのない限り、用語「臨床的に証明された」(独立して、又は用語「安全」及び/又は「有効」を修飾するために使用される)は、米国食品医薬品局の承認基準を満たすのに十分な第III相臨床試験、又はEMEAによる市場認可のための同様の研究によって証拠が証明されていることを意味する。好ましくは、適切なサイズの無作為化二重盲検対照試験を使用し、本明細書に記載の技術によって評価された患者の状態を伴うプラセボと比較して、カナグリフロジンの効果を臨床的に証明する。
本明細書で使用される場合、特に断りがない限り、用語「臨床的に有効であると証明された」は、治療の有効性が、第III相臨床試験によって統計的に有意であると証明されている、即ち、臨床試験の結果は、αレベルが0.05未満である可能性に起因する可能性が低いか、又は臨床有効性の結果が、米国食品医薬品局の承認基準若しくはEMEAによる市場認可のための同様の試験を満たすのに十分であることを意味する。例えば、カナグリフロジンは、本明細書に記載されるように、及び実施例に具体的に記載されるように、慢性腎臓病の進行を低減する治療有効量で投与された場合、慢性腎臓病の患者の治療に臨床的に有効であることが証明された。
本明細書で使用される場合、特に断りのない限り、用語「臨床的に安全であると証明された」は、治験データ及び結果の分析によって第III相臨床治験によって治療の安全性が証明されており、治療は過度の副作用がなく、米国食品医薬品局の承認基準又はヨーロッパ、中東及びアフリカ(EMEA)による市場認可のための同様の試験を満たすのに十分な統計的に有意な臨床的利益(例えば、有効性)に相応することを意味する。例えば、カナグリフロジンは、本明細書に記載されるように、及び実施例に具体的に記載されるように、治療有効量で投与された場合、慢性腎臓病の患者の治療に臨床的に安全であることが証明された。
特定の態様では、カナグリフロジンを含む製剤を販売する方法もまた提供される。本明細書で使用される場合、用語「販売」又は「販売する」は、製剤、例えば、医薬組成物又は剤形を売り手から買い手に移すことを指す。したがって、本方法は、カナグリフロジンを含む製剤を販売することを含み、この方法は、製剤を販売することを含む。いくつかの実施形態では、製剤に対する参照リスト薬の製剤ラベルは、慢性腎臓病を治療することの指示を含む。この方法はまた、カナグリフロジンを含む製剤の販売の申し出を行うことを含む。本明細書で使用される場合、用語「販売の申し出を行う」は、製剤、例えば、医薬組成物又は剤形について、売り手による買い手への販売の提案を指す。これらの方法は、製剤を販売することを含む。
用語「製剤」は、政府機関、例えば、米国食品医薬品局又は他の国における同様の機関によって製造販売を承認された有効活性成分を含有する製品である。いくつかの実施形態では、製剤はカナグリフロジンを含む。
同様に、「ラベル」又は「製剤ラベル」は、製剤に関する関連情報を提供する、患者に提供される情報を指す。このような情報には、薬物の説明、臨床薬理学、適応症(製剤の使用)、禁忌(製剤を服用してはならない人)、警告、注意事項、有害事象(副作用)、薬物の乱用及び依存、用量及び投与、妊娠中の使用、授乳中の母親での使用、子供及び高齢の患者での使用、薬物の供給方法、患者の安全情報、又はこれらの任意の組み合わせのうちの1つ以上が含まれるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、ラベル又は製剤ラベルは、II型糖尿病又は顕性アルブミン尿症の患者に使用するための指示を提供する。他の実施形態では、製剤ラベルは、標準的治療と比較して1つ以上の有害な腎臓又は心血管イベントを低減することのデータを含む。更なる実施形態では、ラベル又は製剤ラベルは、規制機関に承認された化学成分としてカナグリフロジンを特定する。更に他の実施形態では、ラベルは、慢性腎臓病の患者で使用するための指示を提供する。更に別の実施形態では、ラベルは慢性腎臓病の定義を提供し、患者が慢性腎臓病を有する場合、カナグリフロジンを投与するように患者又は医師に指示する。
本明細書で使用される場合、用語「参照リスト薬」又は「RLD」は、それらが生物学的に同等であることを示すために新しいジェネリック版が比較される製剤を指す。また、欧州連合加盟国によって、又は完全な一件書類に基づいて、即ち、指令2001/83/ECの第8(3)条、第10a条、第10b条若しくは第10c条による品質、前臨床及び臨床データの提出により、委員会によって販売許可を付与された医薬品であり、ジェネリック/ハイブリッド医薬品の販売許可の申請が、生物学的同等性の実証によって、通常、適切な生物学的利用能試験の提出を通じて、参照する医薬品である。
米国では、ジェネリックの同等品販売の承認を求める企業は、その略式新薬承認申請(Abbreviated New Drug Application、ANDA)においてRLDを参照する必要がある。例えば、ANDA申請者は、以前に承認された製剤、即ち、RLDが安全で有効であり、とりわけ、提起されたジェネリック製剤がRLDと同じであることを特定の方法で実証する必要があるというFDAの知見に依存する。具体的には、例外を限定的なものとし、ANDAに提出される製剤は、とりわけ、RLDと同じ活性成分、使用条件、投与経路、剤形、強度、及び(特定の許容差を有する)添付文書を有する必要がある。RLDは、ANDA申請者が、提起されたANDA製剤が、有効成分、剤形、投与経路、強度、添付文書、使用条件などの特性に関して同じであることを示す必要のあるリスト薬である。電子版オレンジブックには、RLDについての欄及び参照標準についての欄がある。印刷物のオレンジブックでは、RLD及び参照標準は、特定の記号によって特定される。
欧州では、申請者は、申請者のジェネリック/ハイブリッド医薬製品について申請の形態で特定し、これは、ANDA又は補足NDA(sNDA)製剤、参照医薬製品(製品名、強度、剤形、販売承認取得者(MAH、最初の承認、加盟国/コミュニティ)と同じであり、以下のようにRLDと同義である:
1.欧州の製薬法で規定されたデータ保護期間が満了したことを示すための基礎として使用される、欧州経済領域(EEA)で認可される、又は認可された医薬製品。この参照医薬製品は、データ保護期間の満了を計算する目的で特定されており、ジェネリック/ハイブリッド医薬製品と異なる、強度、剤形、投与経路、又は表示のためのものであってもよい。
2.ジェネリック/ハイブリッド申請内で一件書類(製品名、強度、医薬品形態、MAH、販売許可番号)が相互参照される、医薬品。この参照医薬製品は、データ保護期間の満了を計算する目的で特定された、参照医薬製品とは異なる名称で別個の手順により認可されたものでもよい。この参照医薬製品の製品情報は、原則として、ジェネリック/ハイブリッド医薬製品について注意が引かれる製品情報の根拠として機能する。
3.生物学的同等性試験(適用可能な場合)に使用される医薬製品(製品名、強度、医薬品形態、MAH、供給源の加盟国)。
食品医薬品化粧品(FD&C)法のもとでの製剤の異なる簡略承認経路は、FD&C Actの章第505(j)及び505(b)(2)(それぞれ21 U.S.C.355(j)及び21 U.S.C.23 355(b)(2))に記載される簡略承認経路である。
FDA(「ANDAを提出するか、505(b)(2)、産業向け申請ガイダンスを提出するか否かを決定する」、米国保健社会福祉省、2017年10月、1~14ページ、その内容は参照により本明細書に組み込まれる)によると、NDAとANDAは以下の4つのカテゴリーに分類される:
(1)「スタンドアロンのNDA」は、FD&C Actの章505(b)(1)の下で提出され章505(c)の下で承認された申請であり、これには、申請者によって実施された若しくは申請者のために実施された、又は申請者が参照又は使用の権利を有する、安全性及び有効性の調査の完全な報告が入っている。
(2)章505(b)(2)の申請は、章505(b)(1)の下で提出され、FD&C Actの章505(c)の下承認されたNDAであり、これには、安全性及び有効性の調査に関する完全な報告が入り、承認に必要な情報の少なくとも一部は、申請者によって実施されなかった、又は申請者のために実施されず、申請者が参照又は使用の権利を取得していない研究からのものである。
(3)ANDAは、FD&C Actの章505(j)の下で提出され承認された、以前に承認された製剤の複製についての申請である。ANDAは、以前に承認された製剤、即ち、参照リスト薬(RLD)が安全で有効であるというFDAの知見に依存する。ANDAには、概して、提起されるジェネリックの製品(a)が、活性成分、使用条件、投与経路、剤形、強度、及び添付文書(特定の許容差を有する)についてRLDと同じであること、及び(b)がRLDと生物学的に同等であることについて、示すための情報が入っている必要がある。提起された製品の安全性及び有効性を立証するために試験が必要である場合、ANDAは、提出することができない。
(4)申請したANDAは、剤形、投与経路、強度、又は活性成分がRLDと異なる種類の薬物についてのANDA(2つ以上の活性成分を有する製品において)であり、FDAが、FD&C Actの章505(j)(2)の下で提出された申し立て(適合性申し立て)に応えて、その研究は提起された製剤の安全性及び有効性を立証するために必要ではないと判定したものである。
Hatch-Waxman Actの根底にある科学的前提は、FD&C Actの章505(j)の下でANDAで承認された製剤は、そのRLDと治療的に同等であると推定されるというものである。治療的に同等として分類される製品は、置き換え得るものであり、添付文書にて指定された条件下で患者に投与されたとき、置き換えた製品が所定の製品と同じ臨床効果及び安全性特性をもたらすと、十分に予想される。ANDAとは対照的に、章505(b)(2)の申請は、提起された製品の特性に関してより柔軟なものになる。章505(b)(2)の申請は、承認時に参照するリスト薬と必ずしも治療的に同等と格付けされる必要はない。
この方法はまた、カナグリフロジンを商業の流れに入れることを含み得るか、それから構成され得るか、又はそれから本質的に構成され得る。特定の実施形態では、カナグリフロジンは、カナグリフロジンを使用して慢性腎臓病を安全かつ有効に治療するための説明書を含む添付文書を含む。
更なる態様では、本明細書に記載されるのは、医薬組成物を商業の流れに入れることを含むか、それから構成されるか、又はそれから本質的に構成される、カナグリフロジンを含む医薬組成物を販売する方法である。特定の実施形態では、医薬組成物は、カナグリフロジンを使用して慢性腎臓病を安全かつ有効に治療するための説明書を含む添付文書を含む。
また更なる態様では、本明細書に記載されるのは、カナグリフロジンを商業の流れに入れるための売り出しを含むか、それから構成されるか、又はそれから本質的に構成される、カナグリフロジンの販売の申し出を行う方法である。特定の実施形態では、カナグリフロジンは、カナグリフロジンを使用して慢性腎臓病を安全かつ有効に治療するための説明書を含む添付文書を含む。
処方/組成物
カナグリフロジンを有効成分として含む医薬組成物は、従来の医薬配合技術に従って、1つの化合物又は複数の化合物を医薬担体と緊密に混合することによって調製され得る。本明細書で使用される場合、用語「組成物」及び「処方」は互換的に使用され、指定された量の指定された成分を含む製品、並びに指定された量の指定された成分の組み合わせから直接的又は間接的に生じる医薬品などの任意の製品を包含する。医薬組成物の概要は、かかる開示に関して参照により本明細書に組み込まれている、例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,Nineteenth Ed(Easton,Pa.:Mack Publishing Company,1995);Hoover,John E.,Remington’s Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Co.,Easton,Pennsylvania 1975;Liberman,H.A.and Lachman,L.,Eds.,Pharmaceutical Dosage Forms,Marcel Decker,New York,N.Y.,1980;及びPharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems,Seventh Ed.(Lippincott Williams&Wilkins 1999)に記載されている。
医薬組成物又は医薬製剤は、当技術分野の当業者によって決定されるいくつかの経路によって投与され得る。好ましくは、医薬組成物又は製剤は、カナグリフロジンに適した経路によって投与される。いくつかの実施形態では、医薬組成物又は製剤は、経口的に、非経口的に、又はこれらの任意の組み合わせで投与される。他の実施形態では、医薬組成物又は製剤は経口的に投与される。更なる実施形態では、医薬組成物又は製剤は、非経口的に投与される。
医薬組成物又は医薬製剤は、選択された投与経路に適した形態で投与され得る。したがって、医薬組成物又は医薬製剤は、懸濁液、エリキシル剤、溶液、散剤、丸剤、例えば、カプセル、錠剤、又はカプレット、トローチ剤、顆粒剤、シロップ、薄膜、薬用キャンディー、スプレー、ペースト、又は注射液として投与され得る。いくつかの実施形態では、医薬組成物又は医薬製剤は、皮内注射、皮下注射、筋肉内注射、骨内注射、腹腔内注射、又は静脈内注射などの注射として投与される。他の実施形態では、医薬組成物又は医薬製剤は、懸濁液、エリキシル剤、溶液、散剤、丸剤、例えば、カプセル(ハード又はソフト)、錠剤、又はカプレット、トローチ剤、顆粒剤、シロップ、薄膜、薬用キャンディー、スプレー、又はペーストとして投与される。丸剤は、嚥下、チュアブル、舌下使用、又は口腔内使用のために処方され得、又は投与前に水に溶解又は分散させるために発泡性であり得る。いくつかの実施形態では、医薬品は、丸剤、錠剤、粉末、滅菌非経口溶液、又は液体スプレーを含む。
担体は、所望の投与経路(例えば、経口、非経口)に応じて、多種多様な形態をとることができる。それゆえに、懸濁液、エリキシル剤、及び溶液などの経口液体製剤の場合、好適な担体及び添加剤としては、水、グリコール、油、アルコール、着香剤、防腐剤、安定剤、着色剤などが挙げられ、散剤、カプセル、及び錠剤などの経口固形製剤の場合、好適な担体及び添加剤としては、デンプン、糖類、希釈剤、造粒剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤などが挙げられる。経口固形製剤はまた、主要な吸収部位を調節するために、糖などの物質でコーティングされてもよく、又は腸溶コーティングされてもよい。非経口投与では、担体は通常、滅菌水から構成され、溶解度の上昇又は保存のために他の成分を添加されてもよい。したがって、非経口投与の場合、医薬組成物又は医薬品は、滅菌非経口溶液である。注射用の懸濁液又は溶液はまた、水性担体を適切な添加剤と共に用いて調製してもよい。
そのような医薬組成物を調製するために、有効成分としてのカナグリフロジンは、従来の医薬配合技術に従って医薬担体と密接に混合され、その担体は、投与に望まれる調製物の形態、例えば、経口又は筋肉内などの非経口的形態に応じて、多種多様な形態をとることができる。組成物を経口剤形態で調製する際、任意の通常の医薬媒体を用いることができる。それゆえに、例えば、懸濁液、エリキシル剤及び溶液などの経口液体製剤の場合、好適な担体及び添加剤としては、水、グリコール、油、アルコール、着香剤、防腐剤、着色剤などが挙げられ、散剤、カプセル、カプレット、ゲルキャップ、及び錠剤などの経口固形製剤の場合、好適な担体及び添加剤としては、デンプン、糖類、希釈剤、造粒剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤などが挙げられる。投与が容易であるため、錠剤及びカプセルは最も有利な経口投薬単位形態であり、この場合、固体医薬担体が使用されることは明らかである。所望される場合には、標準的技術によって錠剤に糖コーティング又は腸溶コーティングしてもよい。非経口投与の場合、担体は、通常、滅菌水を含むが、例えば溶解性の補助などを目的として又は保存のために他の成分を含んでもよい。注射用懸濁液を調製してもよく、その場合、適切な液体担体、懸濁化剤などを用いてよい。本明細書の医薬組成物は、投薬単位、例えば、錠剤、カプセル、散剤、注射液、ティースプーン1杯分などごとに、上記有効量を送達するのに必要な量の有効成分を含む。本明細書の医薬組成物は、単位投与単位、例えば、錠剤、カプセル、散剤、注射液、坐剤、ティースプーン1杯分などごとに、約25mg~約500mgのカナグリフロジン又はその中の任意の量若しくは範囲(好ましくは、約50mg、約75mg、約100mg、約150mg、約200mg、又は約300mgのカナグリフロジン)を含む。しかし、投与量は、患者の要求、治療される状態の重症度、及び使用される化合物に応じて変えることができる。連日投与又は間欠投与のいずれを用いてもよい。
好ましくは、医薬組成物は、錠剤、丸剤、カプセル、散剤、顆粒剤、滅菌非経口溶液又は懸濁液、計量エアロゾル又は液体スプレー、ドロップ、アンプル、自動注入装置又は坐剤などからの単位剤形であり、経口非経口、鼻腔内、舌下若しくは直腸投与、又は吸入若しくは吹き入れによる投与用である。錠剤などの固体組成物を調製するために、一次有効成分(例えば、カナグリフロジン)は、医薬担体、例えば、コーンスターチ、ラクトース、スクロース、ソルビトール、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、リン酸二カルシウム又はガムなどの従来の錠剤化成分、及び他の医薬希釈剤、例えば、本開示の化合物又はその薬学的に許容される塩の均一な混合物を含む固体の予備処方組成物を形成する水と混合する。特定の実施形態では、2つの有効成分は、例えば、二層錠剤処方で共に処方される。これらの予備処方組成物を均質と呼ぶ場合、組成物を錠剤、丸剤及びカプセルのような同等に有効な投与形態に容易に細分することができるように、有効成分が組成物の全体にわたって均一に分散していることを意味する。この固体の予備処方組成物は、次に約25~約500mg又はその範囲内の任意の量若しくは範囲のカナグリフロジンを含有する、上述の種類の単位剤形に細分される。組成物の錠剤若しくは丸剤は、コーティングされ、又は他の方法により調合され、持続的作用の利点を付与する投薬剤形を提供し得る。例えば、錠剤若しくは丸剤は、内部投与成分及び外部投与成分を含むことができ、後者は前者を封入する形態のものである。
本開示の組成物が経口又は注射による投与のために組み込まれ得る液体形態は、水性液剤、好適に香味付けされたシロップ、水性又は油懸濁液、及び綿実油、ゴマ油、ココナッツ油又はピーナッツ油などの食用油により香味付けされエマルジョン、並びにエリキシル及び同様の医薬賦形剤を含む。水性懸濁液の好適な分散剤又は懸濁化剤としては、トラガカント、アカシア、アルギン酸塩、デキストラン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン又はゼラチンなどの合成及び天然ガムが挙げられる。
本明細書に記載される方法はまた、カナグリフロジン、及び医薬的に許容される担体を含む医薬組成物を使用して実施されてもよい。担体は、結合剤、懸濁化剤、滑沢剤、着香剤、甘味剤、保存剤、染料、及びコーティングが挙げられるがこれらに限定されない、必要かつ不活性な医薬賦形剤を含む。経口投与用に好適な組成物としては、固体形態、例えば、丸剤、錠剤、カプレット、カプセル(各々、即時放出、時限放出及び徐放用処方物が挙げられる)、顆粒剤、及び散剤など、並びに液体形態、例えば、液剤、シロップ、エリキシル剤、エマルジョン、及び懸濁剤などが挙げられる。非経口投与に有用な形態としては、滅菌液剤、エマルジョン及び懸濁液が挙げられる。
有利なことに、カナグリフロジンは、1日投薬量を1回に投与してもよく、又は総1日投薬量を1日2回、3回若しくは4回に分割して投与してもよい。
例えば、錠剤又はカプセルの形態での経口投与の場合、活性薬物成分(例えば、カナグリフロジン)は、エタノール、グリセロール、水などの経口の非毒性の薬学的に許容される不活性担体と組み合わせることができる。更に、望ましい又は必要な場合、好適な結合剤、潤滑剤、崩壊剤及び着色剤もまた、その混合物に組み込まれ得る。好適な結合剤としては、デンプン、ゼラチン、グルコース又はβ-ラクトースなどの天然の糖、コーン甘味料、アカシア、トラガカントなどの天然及び合成ガム、又はオレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどが挙げられるが、これらに限定されない。崩壊剤としては、デンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンガムなどが挙げられるが、これらに限定されない。
液体形態は、例えばトラガカント、アカシア、メチルセルロースなどの合成及び天然ゴムのような好適に香味付けされた懸濁化剤又は分散剤の形態をとる。非経口投与には、滅菌懸濁液及び溶液が望ましい。静脈内投与が所望される場合、好適な保存剤を一般に含有する等張製剤を用いる。
本開示の医薬組成物を調製するために、有効成分としてのカナグリフロジンは、従来の医薬配合技術に従って医薬担体と密接に混合することができ、その担体は、投与に望まれる製剤の形態(例えば、経口又は非経口)に応じて多種多様な形態をとることができる。医薬的に許容される好適な担体は、当該技術分野において周知である。これらの薬学的に許容される担体のいくつかの説明は、米国薬剤協会及び英国薬剤協会によって発行された「医薬品添加剤のハンドブック」に見出すことができ、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。
医薬組成物を製剤化する方法は、Marcel Dekker,Inc.によって発行されたPharmaceutical Dosage Forms:Tablets,Second Edition,Revised and Expanded,Volumes 1-3,edited by Lieberman et al、Pharmaceutical Dosage Forms:Parenteral Medications,Volumes 1-2,edited by Avis et al、及びPharmaceutical Dosage Forms:Disperse Systems,Volumes 1-2,edited by Lieberman et alに記載されており、それらの開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
本開示はまた、臨床的に安全であることが証明されかつ臨床的に有効であることが証明されている量のカナグリフロジンを含む医薬品を提供する。典型的に、医薬品はパッケージであるか、又はパッケージ化される。
いくつかの実施形態では、パッケージはラベルを含む。特定の実施形態では、ラベルは、規制機関に承認された化学成分としてカナグリフロジンを特定する。他の実施形態では、ラベルは、慢性腎臓病の患者で使用するための指示を提供する。更なる実施形態では、ラベルは慢性腎臓病の定義を提供し、患者が慢性腎臓病を有する場合、カナグリフロジンを投与するように患者又は医師に指示する。更に他の実施形態では、ラベルは、II型糖尿病又は顕性アルブミン尿症、あるいはその両方を有する患者で使用するための指示を更に含む。更に別の実施形態では、ラベルは、標準的治療と比較して、1つ以上の有害な腎臓又は心血管イベントの低減を示すデータを含む。
以下の実施例は、本開示内で説明される概念のいくつかを説明するために提供される。実施例は一実施形態を提供すると考えられるが、本明細書に記載のより一般的な実施形態を限定すると考えるべきではない。
以下の実施例では、使用される数値(例えば、量、温度など)に関して正確さを確保するための努力がなされているが、若干の実験誤差と偏差を考慮する必要がある。
I.研究デザイン
これは、2型糖尿病(T2DM)、ステージ2又は3慢性腎臓病(CKD)及び顕性アルブミン尿症の患者における血清クレアチニンの倍増、末期腎疾患(ESKD)、腎臓又は心血管(CV)死への進行に関してプラセボと比較したカナグリフロジンの効果を評価するための、無作為化、二重盲検、イベント駆動型、プラセボ対照、並行群間、2群、多施設共同研究であり、患者は、アンギオテンシン変換酵素阻害剤(ACEi)又はアンギオテンシン受容体遮断薬(ARB)の最大耐量のラベル付き日用量を含む標準的治療を受けた。主な目的は、一次複合エンドポイントの削減では、プラセボと比較したカナグリフロジンの優位性を実証することであった。安全性の目的は、カナグリフロジンの全体的な安全性と耐容性を評価することであった。
無作為化は、カナグリフロジン100mg又は一致するプラセボと1:1の比率を含み、推定糸球体濾過率(eGFR)をスクリーニングすることによって層別化された[30以上45未満、45以上60未満、60以上90未満mL/分/1.73m]。一次有効性複合エンドポイントは、血清クレアチニンの倍増、ESKD、及び腎死又はCV死が最初に発生するまでの時間であった。主要な二次有効性エンドポイント(次の階層順序で試験)には、以下のものが含まれる:
○CV死及び入院中の心不全の複合
○CV死、非致死性MI、及び非致死性脳卒中の複合(即ち、3点「MACE」)
○入院中の心不全
○血清クレアチニンの倍増、ESKD、及び腎死の複合
○CV死
○全ての死因
○CV死、非致死性MI、非致死性脳卒中、入院中の心不全、入院中の不安定狭心症の複合
計画された中間分析が413の一次エンドポイントで実施され、IDMCはその後、事前に指定された中止基準に基づいて有効性のために研究を早期に中止することを推奨した。
II.統計的方法
一次分析は、説明変数として治療を含む層別化Cox比例ハザードモデルを使用して、治療意図(ITT)分析セット(即ち、研究の終わりまでの全ての無作為化被験者)で実行され、eGFRのスクリーニングによって層別化された。二次エンドポイントも同様に分析された。
一次及び主要な二次有効性エンドポイントの仮説検定は、事前に指定された階層配列で実行され、前の試験の有意性に基づき、エンドポイントが重要性を示さなくなるまで条件付きで進行した。中間分析で停止した結果、一次エンドポイントはアルファ支出関数に基づいて0.022の両側有意水準で試験されたが、二次エンドポイントは0.038で試験された。
治療に起因する安全性分析及び要約は、治療中分析セット(即ち、最後の投与から30日後までの全ての治療被験者)を使用して提示された一方、切断、骨折、及び悪性腫瘍の分析は、研究中分析セット(即ち、研究の終わりまでの全ての治療被験者)を使用して実行された。
III.結果
1.被験体及び治療情報
1.1.試験完了/離脱情報
合計4,401人の無作為化被験者がITT分析セットに含まれ、4人の被験者のみが投与されなかったため、合計4397人の被験者が安全性評価のために研究中及び治療中の分析セットの両方に含まれた。既知の最終的な生命状態と研究の完了は両方とも非常に高かった。表1に関して、グローバルトライアル終了日の通知(GTED)とGTEDの間の時点まで、又はGTEDの前に死亡した被験者の死亡時まで被験者を追跡する場合、被験者が治験薬を服用するか否かに関係なく、被験者は治験を完了したと見なされる。カナグリフロジン群と比較して、プラセボ群で中止された被験者の割合が高く、治療中止の最も頻繁な理由として有害イベントが挙げられた(それぞれ、プラセボ群で13%、カナグリフロジン群で12%)。
Figure 2022526914000004
1.2.人口統計的特性及びベースライン特性
最終的な生命状態(99.9%)と研究完了(99.1%)の両方が非常に高かった。治験薬の早期中止の主な理由は有害イベントであった(カナグリフロジン群で12%、プラセボ群で13%)。2つの治療群間で、ベースラインの人口統計、人体測定、及び糖尿病の特徴に顕著な違いはなかった。全体として、平均年齢は63歳であり、被験者の66.1%は男性で、大多数は白人(66.6%)であった。糖尿病の平均期間は16年、平均ベースラインHbA1cは8.27%であり、被験者の53.2%はベースラインHbA1c≧8%(平均HbA1cは8.27%)を有し、ベースライン中央値中尿アルブミン/クレアチニンは927mg/gであった。ベースラインで使用された最も頻繁な血糖降下薬(AHA)は、インスリン(65.5%)、ビグアニド(57.8%)、及びスルホニル尿素薬(28.8%)であった。ほぼ全ての被験者(99.9%)が無作為化時にACEi又はARBを使用し、95%が無作為化後2年でACEi又はARBを使用した。被験者の約92%がベースラインで心血管療法(ACEi/ARBを含まない)を受け、約60%が抗血栓剤(アスピリンを含む)を服用し、69%がスタチン/高血圧薬を服用したる。
平均ベースラインeGFRは56.2mL/分/1.73mであり、集団の約60%のベースラインeGFRは60mL/分間/1.73m未満であった。被験者の糖尿病の平均期間は約16年であった。以前にCV疾患を有した被験者の割合は50.4%であり、14.8%は心不全の病歴があり、5.3%は切断の病歴があった。研究対象集団全体がベースラインで腎症を有したが、集団の約64%が少なくとも2つの微小血管合併症(即ち、糖尿病性腎症及び別の微小血管合併症)を有した。これらのベースライン特徴では、治療群間で臨床的に関連する違いは認められなかった。
切断の病歴のある被験者の割合は群間で類似した(カナグリフロジン群で5.4%、プラセボ群で5.2%)。
1.3.曝露と追跡の範囲
治験薬への平均曝露は、追跡期間(全体で136週間)と同様に、治療群間(全体で115週間)で同等であった。
2.一次エンドポイント分析
カナグリフロジンは、プラセボと比較して、一次複合エンドポイントのリスクを30%有意に低減し[HR:0.70、95%CI:0.59、0.82、p値<0.0001](表2A)、それにより、研究の主な目的を首尾よく達成する。更に、各個々の成分は、一次複合エンドポイントの全体的な結果と一致し(表2A)、更に、治療中分析セット[HR:0.64、95%CI:0.53、0.78]を使用した支持分析は、ITT分析セットの一次有効性分析と一致した。
Figure 2022526914000005
図1は、一次複合エンドポイントが最初に発生するまでの時間のカプランマイヤープロットを示し、52週目に発生し、研究全体にわたって維持された初期分離を示す。表2B及び2Cに示すように、一次複合エンドポイントの堅牢性は、15の下位群の全てにわたって実証された。上記の分析の基礎となった比例ハザードの仮定の評価では、比例性(p=0.3116)の欠如の証拠は得られなかった。
Figure 2022526914000006
Figure 2022526914000007
3.主要な二次エンドポイント
カナグリフロジンは、以下の二次エンドポイントのリスクを大幅に低減した(表3Bに太字のp値で示される):
●CV死及び入院中の心不全の複合は、31%[HR:0.69、p=0.0001、95%CI:0.57、0.83]であり、
●MACEは、20%[HR:0.80、p=0.0121、95%CI:0.67、0.95]であり、
●心不全による入院は、39%[HR:0.61、p=0.0003、95%CI:0.47、0.80]であり、
●血清クレアチニンの倍増、ESKD、及び腎死の複合は、34%[HR:0.66、p<0.000195%CI:0.53、0.81]である。
残りの二次エンドポイントは、階層試験配列のため、カナグリフロジンを支持する傾向があるが、統計的に有意なものはなかった。更に、カナグリフロジンがESKD、腎死及びCV死[HR:0.73、95%CI:0.61、0.87]の探索的ハード複合のリスクを低減したため、血清クレアチニンの倍増成分が含まれたか否かに関係なく、治療効果は一貫した。表3A及び3Bに関して、HHF=入院中の心不全、DoSC=血清クレアチニンの倍増、NFMI=非致死性MI、NF Stroke=非致死性脳卒中、HUSA=入院中の不安定狭心症。
Figure 2022526914000008
Figure 2022526914000009
4.他の有効性分析
治療の終わりに、ベースラインからの統計的に有意なプラセボを差し引いた低減(カナグリフロジンからプラセボを差し引いたもの)が、HbA1c[最小二乗平均差:-0.13%]、体重[最小二乗平均差:-1.72%]、及び収縮期血圧[最小二乗平均差:-2.81mmHg]に関してカナグリフロジンで治療された被験者で観察された。被験者が140mmHgの平均ベースライン収縮期血圧ですでにかなりよく制御されたことを考えると、治療群間で認められた収縮期血圧の違いが一次有効性の所見に有意な影響を及ぼした可能性は低かった(Home,Impact of the UKPDS:an overview,Diabet.Med.,2008,25:2-8、Kazama,Chronic kidney disease and fragility fracture,Clin.Exp.Nephrol.,2017,21(Suppl 1):S46-S52、Zoungas,Combined effects of routine blood pressure lowering and intensive glucose control on macrovascular and microvascular outcomes in patients with type 2 diabetes:New results from the ADVANCE trial,2009,Diabetes Care 32:2068-2074)。
5.安全性
安全性分析は、治療中分析セット(最終投与から30日までの治療被験者)又は研究中分析セット(研究終了までの治療被験者)のいずれかを使用して実施された。本明細書に説明されるように、切断の発生率[HR 1.11、95%CI:0.79~1.56]及び裁定骨折[HR 0.98、95%CI:0.70~1.37]は、この研究では他の当技術分野の研究と比較して低かった。カナグリフロジン群では、プラセボと比較して、全体的な有害イベント及び重大な有害イベントの発生率が数値的に低かった。
要約すると、カナグリフロジン群では、プラセボと比較して、全体的な有害イベント、重大な有害イベント、及び中止につながる有害イベントの発生率が数値的に低かった。高カリウム血症の有害イベントの発生率の増加はなく、体液量減少に関連する有害イベントの発生率の数値的な増加はなかった。
5.1.全ての有害事象の概要
カナグリフロジン群では、プラセボと比較して、全体的な有害イベント、重大な有害イベント、及び中止につながる有害イベントの発生率が数値的に低かった(表4)。
Figure 2022526914000010
5.2.関心のある選択された有害イベント
5.2.1.下肢切断
この集団における非外傷性下肢切断の比較的高い歴史的発生率[HR:1.11、95%CI:0.79、1.56]にもかかわらず、カナグリフロジンとプラセボを比較したハザード比の95%信頼区間に「1.00」が含まれることを考えると、治療群間で非外傷性下肢切断のリスクに統計的差異はなかった[HR:1.11、95%CI:0.79、1.56](表5)。
Figure 2022526914000011
5.2.2.骨折
プラセボ群とカナグリフロジン群でそれぞれ1000被験者-年あたり12.09と11.80の発生率で、治療群間で裁定骨折のリスクに統計的差異はなく、推定ハザード比は1.00に近い[HR:0.98、95%CI:0.70、1.37](表6)。
Figure 2022526914000012
5.2.3.選択された悪性腫瘍
腫瘍の全体的な発生率は低く、治療群間でバランスが取れる。
5.2.3.1.腎細胞癌
裁定腎細胞癌(RCC)の発生率は、カナグリフロジン群[1被験者(<0.1%)]と比較してプラセボ群[5被験者(0.2%)]で数値的に高かった。具体的には、確認されたRCCを経験した被験者の割合は低く、カナグリフロジンで治療された被験者では、プラセボと比較して、裁定されたRCCの発生率が数値的に低減した(プラセボ群とカナグリフロジン群では、1000患者-年あたりの発生率はそれぞれ0.87と0.17である)。
5.2.3.2.他の悪性腫瘍
1,000被験者-年あたりの膀胱癌の発生率は両方の治療群で類似し[発生率差(IRD):0.16、95%CI:-1.41、1.73]、一方、女性の乳癌の発生率は、プラセボと比較してカナグリフロジン群で数値的に高かった(プラセボ群とカナグリフロジン群で1000患者-年あたりの発生率はそれぞれ1.59と4.08である)が、しかし、IRDの95%信頼区間は「0」[IRD:2.49、95%CI:-1.25、6.23]を含んだ。この研究で報告された褐色細胞腫又は精巣細胞癌の報告はなかった。表7に関して、割合は、各群の被験者数を分母として計算され、発生率は、イベント数ではなく、少なくとも1つの有害イベントを経験する被験者数に基づき、95%CIは、発生率差(IRD)の正規近似に基づき、分母は、乳癌の女性に限定される。
Figure 2022526914000013
5.2.4.腎臓関連の有害イベント
腎臓関連の有害イベントの発生率は、カナグリフロジン群でプラセボと比較して低かった(1,000被験者-年あたりそれぞれ57.12対79.12)。両方の群で最も頻繁に報告された好ましい用語は、「血中クレアチニンが増加する」であった。この発見は、腎臓の有害イベントのリスクが特に高いこの集団で安心感を与え、研究対象の集団における腎転帰のリスクを低減するカナグリフロジンの役割を更に強化する。表8に関して、割合は、各群の被験者数を分母として計算され、発生率は、イベント数ではなく、少なくとも1つの有害イベントを経験する被験者の数に基づくものである。
Figure 2022526914000014
5.2.5.他の選択された有害イベント
高カリウム血症の有害イベントの発生率は、プラセボと比較してカナグリフロジン群で低かった(1,000被験者-年あたりそれぞれ29.74対36.91)一方、体液量減少の有害イベントの発生率は、プラセボと比較してカナグリフロジン群で高かった(1,000被験者-年あたりそれぞれ28.36対23.45)。カナグリフロジン群では、1,000被験者-年あたりの糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)の発生率がプラセボと比較して高く、IRDの95%信頼区間は「0」[IRD:1.73、95%CI:0.32、3.14]を除外する。
6.他の効果
カナグリフロジンで治療された被験者では、HbA1c、体重、及び収縮期血圧に関して、ベースラインから統計的に有意なプラセボを差し引いた低減が観察されたが、治療効果は小さかった。血糖への影響は、eGFRが低いほど減少する。eGFR層により、HbA1cのベースラインからの変化に対するLS平均プラセボ減算差は、30-45 eGFR層で0.03(95%CI:-0.128、0.180)、45-60層で-0.18(-0.328、-0.030)、及び60~90未満のeGFR層で-0.21(95%CI:-0.33、-0.08)であった。各eGFR層の経時的なA1cのベースラインからのLS平均変化を示す図2~4を参照する。体重と収縮期血圧への影響についても同様の傾向が観察された。
一次有効性分析では、HbA1cと収縮期血圧のベースライン後の測定値を調整することの影響を評価するために分析が行われた。時変共変量としてベースライン後のHbA1c及び収縮期血圧測定を含む一連の比例ハザード回帰モデルが適合した。HbA1cの変化は心血管リスクに遅延効果があるため、いくつかのモデルが構築された。各モデルで、HbA1cは、最初に単一の一致値、単一の遅延値を使用して評価され、次に実行平均値として評価された。単一の同時収縮期血圧測定値が全ての分析に使用された。
表9に示すように、一次複合エンドポイントに対するカナグリフロジンの治療効果は、時変HbA1c及び収縮期血圧測定値を調整するためのアプローチに関係なく堅牢なままである。同時HbA1cは有意な効果を示さなかったが、遅延値と実行平均HbA1cの両方が、同時収縮期血圧と同様に、一次有効性エンドポイントに対して中程度であるが有意な効果を示した。ベースライン後のHbA1cと収縮期血圧の両方が高いほど、治療効果を調整した後、一次複合エンドポイントを経験するリスクが高かった。
Figure 2022526914000015
これらの結果は、カナグリフロジンによる治療が、血糖コントロールにおけるわずかな治療関連の違いのみで、腎機能、ESKD及びCV又は腎死に対して好ましい効果を達成できたことを示した。一般に、カナグリフロジンによる治療は、達成された血糖、血圧、又は脂質制御に有意差なく、糖尿病及びCV及び腎臓イベント予防(これは、ARB又はACE阻害剤の最大のラベル付き用量又は耐量を含む)のための標準的治療を受ける患者の腎転帰の改善を示した。
7.結果の要約
結論として、この実施例は、T2DMと確立されたCKDを有する被験者の管理における重要な進歩を示す。15年以上前に確立された現在の標準的治療にもかかわらず、T2DM及びCKDを有する被験者は、ESKD及びCVイベントの進行リスクが高く、平均余命が短い。カナグリフロジンは、許容できる安全性プロファイルで、これらの被験者の臨床的に重要な腎臓及びCVイベントのリスクを大幅に低減することが示されている。
本発明をその好ましい具体的な実施形態と併せて説明してきたが、前述の記載及びその後の実施例は本発明を例示することを意図し、本発明の範囲を限定することを意図するものではないことを理解すべきである。本発明の範囲から逸脱することなく様々な変更を行ってよく、等価物に置換してもよく、更に、他の態様、利点及び変形例は、本発明が属する分野の当業者に明らかであることが、当業者によって理解される。本明細書に記載する実施形態に加えて、本発明は、本明細書に列挙する本発明の特徴の組み合わせから得られる発明、及び本発明の特徴を補完する引用した先行技術の参照文献の発明を企図し、請求する。同様に、任意の記載する物質、特徴、又は物品は、任意の他の物質、特徴、又は物品と併用してもよく、このような組み合わせは本発明の範囲内であると見なされることが理解される。
本明細書に引用又は記載する各特許、特許出願、及び刊行物の開示は、全ての目的のためにその全文が参照により本明細書に組み込まれる。

Claims (53)

  1. 慢性腎臓病を有する糖尿病患者を治療する方法であって、
    (a)前記患者が慢性腎臓病を有するか否かを判定することと、
    (b)前記慢性腎臓病を治療するために、治療有効量のカナグリフロジンを前記患者に投与することと
    を含む、方法。
  2. 前記患者がヒトである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記糖尿病がII型糖尿病である、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記慢性腎臓病が、血液検査、尿検査、腎臓撮像、又は腎生検によって判定される、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記慢性腎臓病が、推定糸球体濾過量によって判定される、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記患者が、7.0%以上10.5%以下の範囲の測定されたHbA1cを有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記慢性腎臓病が、ステージ2及び/又はステージ3慢性腎臓病である、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記患者が、30以上90未満mL/分/1.73mの推定糸球体濾過率(eGFR)を有する、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記患者が、30以上45未満mL/分/1.73mのeGFRを有する、請求項4に記載の方法。
  10. 前記患者が、45以上60未満mL/分/1.73mのeGFRを有する、請求項4に記載の方法。
  11. 前記患者が、60以上90未満mL/分/1.73mのeGFRを有する、請求項4に記載の方法。
  12. 前記患者が、顕性アルブミン尿症を有する、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記方法が、血清クレアチニンの倍増、末期腎疾患(ESKD)、腎死、又はこれらの任意の組み合わせを予防する、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記方法が、心血管死、入院中の心不全、非致死性心筋梗塞、非致死性脳卒中、又はこれらの任意の組み合わせを予防する、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 付随する標準的治療を更に含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記標準的治療が、アンギオテンシン変換酵素阻害剤及び/又はアンギオテンシン受容体拮抗薬を投与することを含む、請求項15に記載の方法。
  17. 血清クレアチニンの倍増、ESKD、腎死、又は心血管死に対するリスクは、標準的治療を受ける疾患進行が同じレベルの患者と比較して少なくとも約25%低減され、前記標準的治療は、アンギオテンシン変換酵素阻害剤及び/又はアンギオテンシン受容体拮抗薬の投与を含むが、カナグリフロジンによる治療を含まない、請求項1~16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 心血管死又は入院中の心不全に対するリスクは、標準的治療を受ける疾患進行が同じレベルの患者と比較して少なくとも約25%低減され、前記標準的治療は、アンギオテンシン変換酵素阻害剤及び/又はアンギオテンシン受容体拮抗薬の投与を含むが、カナグリフロジンによる治療を含まない、請求項1~17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 非致死性MI又は非致死性脳卒中に対するリスクは、標準的治療を受ける疾患進行が同じレベルの患者と比較して少なくとも約20%低減され、前記標準的治療は、アンギオテンシン変換酵素阻害剤及び/又はアンギオテンシン受容体拮抗薬の投与を含むが、カナグリフロジンによる治療を含まない、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 入院中の心不全に対するリスクは、標準的治療を受ける疾患進行が同じレベルの患者と比較して少なくとも約35%低減され、前記標準的治療は、アンギオテンシン変換酵素阻害剤及び/又はアンギオテンシン受容体拮抗薬の投与を含むが、カナグリフロジンによる治療を含まない、請求項1~19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 前記カナグリフロジンの治療有効量が、約50~約500mgである、請求項1~20のいずれか一項に記載の方法。
  22. 前記カナグリフロジンの治療有効量が、約100~約300mgである、請求項21に記載の方法。
  23. 前記カナグリフロジンの治療有効量が、約100mgである、請求項22に記載の方法。
  24. 慢性腎臓病を治療するための方法であって、治療を必要とする患者に治療有効量のカナグリフロジンを投与することを含み、前記患者はII型糖尿病と診断されている、方法。
  25. 前記患者が、7.0%以上10.5%以下の範囲の測定されたHbA1cを有する、請求項24に記載の方法。
  26. 前記慢性腎臓病が、ステージ2及び/又はステージ3慢性腎臓病である、請求項24又は25に記載の方法。
  27. 前記患者が、30以上90未満mL/分/1.73mの推定糸球体濾過率(eGFR)を有する、請求項24又は26に記載の方法。
  28. 前記患者が、30以上45未満mL/分/1.73mのeGFRを有する、請求項27に記載の方法。
  29. 前記患者が、45以上60未満mL/分/1.73mのeGFRを有する、請求項27に記載の方法。
  30. 前記患者が、60以上90未満mL/分/1.73mのeGFRを有する、請求項27に記載の方法。
  31. 前記患者が、顕性アルブミン尿症と更に診断されている、請求項24~30のいずれか一項に記載の方法。
  32. 1つ以上の腎臓イベントの発生が低減又は予防される、請求項24~30のいずれか一項に記載の方法。
  33. 前記1つ以上の腎臓イベントが、血清クレアチニンの倍増、末期腎臓病(ESKD)、腎死、又はこれらの任意の組み合わせを含む、請求項32に記載の方法。
  34. 1つ以上の心血管イベントの発生が低減又は予防される、請求項24~33のいずれか一項に記載の方法。
  35. 前記1つ以上の心血管イベントが、心血管死、入院中の心不全、非致死性心筋梗塞、非致死性脳卒中、又はこれらの任意の組み合わせを含む、請求項34に記載の方法。
  36. 前記1つ以上の心血管イベントが、心血管死、非致死性心筋梗塞、又は非致死性脳卒中を含む、請求項35に記載の方法。
  37. アンギオテンシン変換酵素阻害剤及び/又はアンギオテンシン受容体遮断薬の投与を含む、付随する標準的治療を更に含む、請求項24~36のいずれか一項に記載の方法。
  38. 前記1つ以上の腎臓及び/又は心血管イベントの発生が、標準的治療と比較して低減又は予防され、前記標準的治療は、アンギオテンシン変換酵素阻害剤及び/又はアンギオテンシン受容体遮断薬の投与を含むが、カナグリフロジンによる治療を含まない、請求項32~37のいずれか一項に記載の方法。
  39. 前記カナグリフロジンの治療有効量が、約50~約500mgである、請求項34~38のいずれか一項に記載の方法。
  40. 前記カナグリフロジンの治療有効量が、約100~約300mgである、請求項39に記載の方法。
  41. 前記カナグリフロジンの治療有効量が、約100mgである、請求項39に記載の方法。
  42. カナグリフロジンを含む製剤を販売する方法であって、前記方法が、前記製剤を販売することを含み、前記製剤に対する参照リスト薬の製剤ラベルは、慢性腎臓病を治療することの指示を含む、方法。
  43. カナグリフロジンを含む製剤の販売の申し出を行う方法であって、前記方法が、そのような製剤の販売の申し出を行うことを含み、そのような製剤に対する参照リスト薬の製剤ラベルは、慢性腎臓病を治療することの指示を含む、方法。
  44. 前記製剤が、ANDA製剤、適応追加申請製剤、又は505(b)(2)製剤である、請求項42又は43に記載の方法。
  45. 前記ラベルが、II型糖尿病又は顕性アルブミン尿症を有する患者に使用するための指示を提供する、請求項42~44のいずれか一項に記載の方法。
  46. 前記製剤ラベルが、標準的治療と比較して1つ以上の有害な腎臓又は心血管イベントを低減することのデータを含む、請求項42~45のいずれか一項に記載の方法。
  47. 前記標準的治療が、アンギオテンシン変換酵素阻害剤及び/又はアンギオテンシン受容体遮断薬を投与することを含むが、カナグリフロジンを投与することによる治療を含まない、請求項46に記載の方法。
  48. 前記1つ以上の腎臓イベントが、血清クレアチニンの倍増、末期腎臓病(ESKD)、腎死、又はこれらの任意の組み合わせを含む、請求項46又は47に記載の方法。
  49. 前記1つ以上の心血管イベントが、心血管死、入院中の心不全、非致死性心筋梗塞、非致死性脳卒中、又はこれらの任意の組み合わせを含む、請求項46又は47に記載の方法。
  50. 請求項1~49のいずれか一項で定義されている方法において使用するための、カナグリフロジン。
  51. 請求項16~23又は37~41のいずれか一項で定義されている方法において使用するための、カナグリフロジン並びにアンギオテンシン変換酵素阻害剤及び/又はアンギオテンシン受容体遮断薬。
  52. 前記カナグリフロジン並びにアンギオテンシン変換酵素阻害剤及び/又はアンギオテンシン受容体遮断薬が、同時に、別々に、又は連続して投与される、請求項51で定義されている方法において使用するための、請求項51に記載のカナグリフロジン並びにアンギオテンシン変換酵素阻害剤及び/又はアンギオテンシン受容体遮断薬。
  53. 請求項42~49のいずれか一項で定義されている方法において使用するための、カナグリフロジンを含む製剤。
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