JP2022519304A - 有機化合物の還元 - Google Patents

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Abstract

本発明は、三相反応混合物中で少なくとも1つの水性有機化合物を還元する方法であり、前記反応混合物は、少なくとも1つの固体成分と、少なくとも1つの液体成分と、少なくとも1つの水素含有気体成分とを含み、(i)前記固体成分は、少なくとも1つの有孔透過性担持体(b)をベースとする触媒活性複合体(a)であり、前記触媒活性複合体は、前記担持体の少なくとも片側および内側にあり、(a)前記触媒活性複合体は、‐元素Ce、La、Sc、Y、Ti、Zr、Hf、Rf、V、Nb、Ta、Db、Cr、Mo、W、Sg、Mn、Tc、Re、Bh、Fe、Co、B、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、SbおよびBiのうちの少なくとも1つと、元素Te、Se、S、O、Sb、As、P、N、Ge、Si、CおよびGaのうちの少なくとも1つとの化合物、および/または‐元素Ti、Zr、CeおよびSiのうちの1つと、酸素との化合物、および/または‐Pt、Rh、Ru、Ir、Cu、Ni、Co、ZnおよびPdから選択される金属からなる無機成分を少なくとも1つ含む懸濁液を、ゾル状懸濁液に適用することによって得られ、(b)前記担持体は、炭素、金属、合金、セラミック、ガラス、鉱物、プラスチック、アモルファス物質、複合物、天然物、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの材料からなる繊維を含み、前記固体成分は、前記担持体を、少なくとも1回、100~800℃の温度に10分~5時間加熱し、その間に前記無機成分を含む前記懸濁液が、前記担持体上およびその内側で固化することにより得られたものである方法に関する。【選択図】なし

Description

本発明は、三相反応混合物中での有機化合物の還元方法に関する。具体的には、本方法は、触媒固体成分、触媒液体成分および触媒気体成分の存在下での有機化合物の還元を含む。
水素化などの気液多相触媒反応は、製薬および精密化学産業で特に重要である。これらの反応は、気体成分、液体成分および固体成分の接触を伴い、従来は、熱限界と物質移動限界とを払拭するために、攪拌バッチ反応器内で、高速な攪拌速度で、高温高圧の過酷な反応条件下で行われてきた。また、固体成分、液体成分および気体成分を絶え間なく接触させて反応を行うようにするには、前記三相の反応混合物を絶え間なく攪拌する必要がある。
特に、固体触媒は、とりわけ精密化学分野において、気体二水素と液体基質とのこれらの反応で一般的に使用される。
有機化合物の部分的還元を商業的な面から見て魅力のある収率で得るためには、一般に、比較的高い温度と圧力を使用する必要があり、これには高いエネルギー所要量ときわめて複雑なプラントとが必要となり、いずれも高価である。それでも、反応に数時間かかることもしばしばである。また、所望生成物の満足な収率を得るために、反応成分と反応条件を、厳しく規定された制限内に制御しなければならないこともしばしばである。
これらの還元反応で使用される従来の触媒は、通常、過酷な反応条件によって破壊され、ベストな状態で機能することができない。したがって、現在使用されている還元法にはいくつかの欠点(触媒の回収および再利用を含む)があり、特に、生成物、未反応出発物質および触媒が同じ容器内に同時に存在する場合に課題が残っている。さらに、触媒の失活は、還元が行われるべき反応器の有効保存期間を短くする。
したがって、当技術分野では、3つの相を接触させることができるだけでなく、さらなる反応のために触媒を回収し、再利用することを可能にする、単純かつ経済的な還元方法が必要である。具体的には、当技術分野では、当技術分野で周知の方法と比較して、所望生成物の収率を改善することができる三相還元方法が必要である。
本発明は、固体触媒成分と気体成分の存在下、液体反応媒体中で化合物を還元する工程を含む、有機化合物の制御された触媒還元方法を提供することによって、上記の課題を解決しようとする。特に、前記触媒は繊維触媒である。より具体的には、繊維触媒である固相は、担持体上および担持体内に触媒活性複合体を含んでおり、前記担持体中では、触媒が還元条件に耐えることができる。
本発明の一態様によれば、三相反応混合物中で少なくとも1つの水性有機化合物を還元する方法であり、前記反応混合物は、少なくとも1つの固体成分と、少なくとも1つの液体成分と、少なくとも1つの水素含有気体成分とを含み、
(i)前記固体成分は、少なくとも1つの有孔透過性担持体(b)をベースとする触媒活性複合体(a)であり、前記触媒活性複合体は、前記担持体の少なくとも片側および内側にあり、
(a)前記触媒活性複合体は、
‐元素Ce、La、Sc、Y、Ti、Zr、Hf、Rf、V、Nb、Ta、Db、Cr、Mo、W、Sg、Mn、Tc、Re、Bh、Fe、Co、B、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、SbおよびBiのうちの少なくとも1つと、元素Te、Se、S、O、Sb、As、P、N、Ge、Si、CおよびGaのうちの少なくとも1つとの化合物、および/または
‐元素Ti、Zr、CeおよびSiのうちの1つと、酸素との化合物、および/または
‐Pt、Rh、Ru、Ir、Cu、Ni、Co、ZnおよびPdから選択される金属
からなる無機成分を少なくとも1つ含む懸濁液を、ゾル状懸濁液に適用することによって得られ、
(b)前記担持体は、炭素、金属、合金、セラミック、ガラス、鉱物、プラスチック、アモルファス物質、複合物、天然物、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの材料からなる繊維を含み、
前記固体成分は、前記担持体を、少なくとも1回、100~800℃の温度に10分~5時間加熱し、その間に前記無機成分を含む前記懸濁液が、前記担持体上およびその内部で固化することにより得られたものである
方法が提供される。
「担持体の内部」は、「担持体の内側」という表現と互換的に使用することができ、本明細書で使用される場合、担持体の空洞または細孔を指す。
担持体は、少なくとも1回、100~800℃の温度に10分~5時間加熱されてよく、その間に、無機成分を含む懸濁液が担持体上およびその内部で固化する。この加熱工程は、無機成分を含む懸濁液を、担持体上または支持体内、あるいは担持体上および担持体内に安定化させる。このようにして作製された担持体上の複合体は、簡単かつリーズナブルな価格で製造されることができる。特に、担持体上または担持体内、あるいは担持体上および担持体内に存在する懸濁液は、当該懸濁液と共に担持体を50~1,000℃に加熱することによって安定化させることができる。一例では、担持体は、当該担持体上の懸濁液とともに、50~800℃、100~800℃、200~800℃、300~800℃、400~800℃、500~800℃、600~800℃、50~700℃、100~700℃、200~700℃、300~700℃、400~700℃、600~700℃、50~600℃、100~600℃、200~600℃、300~600℃、400~600℃、500~600℃、50~500℃、100~500℃、200~500℃、300~500℃、400~500℃、50~400℃、100~400℃、200~400℃、300~400℃、50~300℃、100~300℃、200~300℃、50~200℃、100~200℃などの温度に少なくとも10分~5時間さらされる。一例では、担持体は、本発明の任意の態様に係る無機成分を含む懸濁液と共に、この高温に少なくとも約10、15、20、25、30、35、40、45、50、55もしくは60分間、または1時間、1.5時間、2時間、2.5時間、3時間、3.5時間、4時間、4.5時間もしくは5時間さらされてよい。担持体は、本発明の任意の態様に係る無機成分を含む懸濁液と共に、この高温に15分~5時間、30分~5時間、1~5時間、2~5時間、3~5時間、4~5時間、15分間~4時間、30分~4時間、1~4時間、2~4時間、3~4時間、15分~3時間、30分~3時間、1~3時間、2~3時間、15分~2時間、30分~2時間、1~2時間、15分~1時間、30分~1時間さらされてよい。
ある特定の例では、担持体は、本発明の任意の態様に係る無機成分を含む懸濁液と共に、100~200℃の温度に1時間さらされてよい。さらなる例では、担持体は、本発明の任意の態様に係る無機成分を含む懸濁液と共に、100~800℃の温度に1秒~10分間さらされてよい。
担持体と本発明の任意の態様に係る無機成分を含む懸濁液との加熱は、温風、熱風、赤外線放射、マイクロ波放射、または電気的に発生させた熱によって行われてよい。一例では、担持体の加熱は、電気抵抗加熱としての担持体材料を使用して行われてよい。この目的のために、担持体は、少なくとも2つの接点によって電源に接続されていてよい。電源の強さや放出される電圧によっては、電源を入れると担持体が熱くなり、この熱によって、担持体の内部や表面に存在する懸濁液が安定化し得る。
さらなる例では、懸濁液の安定化は、予熱された担持体上または担持体内、あるいは担持体上および担持体内に懸濁液を適用し、適用後直ちに懸濁液が安定化することによって達成される。
本明細書で使用される場合、用語「約」と「おおよそ」は、その条件について述べられた参照値に類似する値の範囲を指す。特定の例では、用語「約」は、その条件について述べられた参照値の25、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1%以下に該当する値の範囲を指す。本発明の任意の態様に係る方法で使用される温度は、「約」によって変更される場合、生産プラントや実験室における実験的条件での測定に通常使用される変動値および配慮の度合いを含む。例えば、「約」で変更された場合の温度には、プラントや実験室での複数の実験におけるバッチ間の変動値と、分析方法に内在する変動値が含まれる。「約」で変更されているかどうかに関係なく、量にはそれらの量に相当する量が含まれる。本明細書に記載され、「約」で変更された任意の値についても、「約」で変更されていない量として本発明において用いることができる。
特に、担持体は有孔性および/または透過性である。透過性の複合体および/または担持体は、それぞれ、当該複合体または担持体の実施スタイルに応じて、0.5nm~500μmの粒径を有する物質に対して透過性の材料である。前記物質は、気体、液体もしくは固体、またはこれらの凝集状態の混合物であり得る。
本発明の任意の態様に係る複合体はまた、ギャップの大きさが最大500μmである有孔表面を持つ担持体をコーティングすることができるという利点を有する。
本発明の任意の態様に係る触媒活性複合体は、懸濁液中の無機成分が、有孔透過性担持体上およびその内部で安定化されることができ、その結果、製造中にコーティングが損傷することなく、複合体に透過特性を持たせるこができるという利点を有する。したがって、本発明の任意の態様に係る複合体は、部分的にセラミック材料からなるものであるにもかかわらず、最大で1mmの半径に曲げることができるという利点も有する。この特性により、セラミック材料でコーティングすることによって作製された複合体をロールに巻き付けたり、ロールから外したりすることができるので、この複合体をとりわけ簡単な方法で製造することが可能になる。最大で500μmのギャップを持つ担持体も使用できる可能性があるため、非常に手頃な価格の材料を使用できる。使用される担持体材料のギャップサイズと組み合わせて使用される粒径により、使用される反応物に応じて、本発明の任意の態様に係る複合体において、孔径および/または孔径分布を容易に調整することができる。
特に、有孔透過性担持体は、ギャップサイズが0.02~500μmであってよい。ギャップは、細孔、メッシュ、穴、結晶格子空隙、またはくぼみであってよい。担持体は、炭素、金属、合金、セラミック、ガラス、鉱物、プラスチック、アモルファス物質、複合物、天然物、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの材料を含んでいてよい。上記の材料を含み得る担持体は、化学的、熱的もしくは機械的処理、または処理の組み合わせによって変性されていてもよい。特に、本発明の任意の態様に係る触媒活性複合体は、少なくとも1つの機械的変形または処理技術(例:ドローイング、スウェージング、フレックスレベリング、ミリング、ストレッチング、鍛造)によって変性された、少なくとも1つの金属、天然繊維またはプラスチックを含む担持体を含んでいてもよい。一例では、本発明の任意の態様に係る触媒活性複合体は、少なくとも織られ、接着され、フェルト化され、もしくはセラミック結合された繊維、または少なくとも焼結もしくは接着された成形体、球体もしくは粒子を有する少なくとも1つの担持体を含む。別の例では、有孔担持体が使用されてもよい。透過性担持体はまた、レーザーまたはイオンビーム処理によって透過性となる、あるいは透過性にされた担持体であってもよい。
特に、本発明の任意の態様に係る担持体は、炭素、金属、合金、セラミック、ガラス、鉱物、プラスチック、アモルファス物質、複合物、天然物、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される材料からなる繊維を含む。一例では、担持体は、これらの材料の少なくとも1つの組み合わせからなる繊維(例:アスベスト、ガラス繊維、炭素繊維、金属線、鋼線、ロックウール繊維、ポリアミド繊維、ココナッツ繊維、被覆繊維)を含んでいてもよい。より具体的には、金属または合金で作製された織物繊維を少なくとも含む担持体が使用される。金属繊維を金属線にすることもできる。よりいっそう具体的には、本発明の任意の態様に係る担持体は、鋼やステンレス鋼で作られた少なくとも1つのメッシュ(例:製織された鋼線、ステンレス鋼線またはステンレス鋼繊維メッシュ)を有していてもよい。メッシュサイズは、5~500μm、50~500μm、または70~120μmであってよい。より具体的には、担持体はプラスチック担持体であってよい。
本発明の任意の態様に係る透過性の触媒活性複合体は、少なくとも1つの有孔透過性担持体上において、以下の少なくとも1つの無機成分
‐元素Ce、La、Sc、Y、Ti、Zr、Hf、Rf、V、Nb、Ta、Db、Cr、Mo、W、Sg、Mn、Tc、Re、Bh、Fe、Co、B、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、SbおよびBiのうちの少なくとも1つと、元素Te、Se、S、O、Sb、As、P、N、Ge、Si、CおよびGaのうちの少なくとも1つとの化合物、および/または
‐元素Ti、Zr、CeおよびSiのうちの1つと、酸素との化合物、および/または
‐Pt、Rh、Ru、Ir、Cu、Ni、Co、ZnおよびPdから選択される金属
を含む懸濁液を、ゾル状懸濁液に適用することによって得られ、前記担持体は、担持体上もしくはその内部、または当該担持体上およびその内部で、無機成分を含む懸濁液を安定化させるために、その後少なくとも1回加熱され得る。
特に、懸濁液は、スタンピング、押し付けもしくは押し込み、圧延、ブレードまたはブラシを用いた適用、浸漬、噴霧、または注入によって、少なくとも1つの担持体上およびその内部、または担持体上もしくはその内部に適用されてよい。
一例では、本発明の任意の態様に係る透過性複合体は、化学蒸着、含浸、または共沈によっても得ることができる。本発明の任意の態様に係る透過性複合体は、気体、イオン、固体または液体に対して透過性であり、それにより、当該複合体は、0.5nm~10μmの大きさの粒子に対して透過性である。
本発明の任意の態様に係る複合体に含まれる無機成分は、少なくとも1つの金属、メタロイド、組成物金属、またはそれらの混合物の少なくとも1つの化合物を含み、それにより、これらの化合物は、0.001~25μmの粒径を有する。一例では、粒径が1~10,000nmである少なくとも1つの無機成分が、本発明の任意の態様に係る少なくとも1つのゾルに懸濁される場合が有利である。特に、本発明の任意の態様に係る無機成分は、元素Sc、Y、Ti、Zr、V、Nb、Cr、Mo、W、Mn、Fe、Co、B、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、SbまたはBiのうちの少なくとも1つと、元素Te、Se、S、O、Sb、As、P、N、C、Si、GeまたはGaのうちの少なくとも1つと、の化合物の少なくとも1つ(例:TiO、SiO、ZrO、Y、BC、SiC、Fe、SiN、SiP、窒化物、硫酸塩、リン化物、ケイ化物、スピネル)、あるいはこれらの元素自体の1つを含む。無機成分はまた、ゼオライトもしくは部分的に置換されたゼオライト(例:ZSM-5、Na-ZSM-5またはFe-ZSM-5)、あるいは最大で20%の非加水分解性有機化合物を含むことができるアモルファス微孔性混合酸化物系(例:酸化バナジウム-酸化ケイ素-ガラス)を含んでいてもよい。
一例では、本発明の任意の態様に係る複合体は、触媒活性複合体として、元素Mo、Sn、Zn、V、Mn、Fe、Co、Ni、As、Sb、Pb、Bi、Ru、Re、Cr、W、Nb、Hf、La、Ce、Gd、Ga、In、Tl、Ag、Cu、Li、K、Na、Be、Ca、SrおよびBaの少なくとも1つからの少なくとも1つの酸化物を含む。特に、無機成分中の化合物は、元素Pbを含んでいてもよい。
特に、本発明の任意の態様に係る懸濁液では、粒径が1~250nm、または粒径が260~10,000nmの粒径画分中に少なくとも1つの無機成分が存在する。一例では、本発明の任意の態様に係る複合体は、無機成分の少なくとも2つの粒径画分を含む。さらに別の例では、本発明の任意の態様に係る複合体は、少なくとも2つの異なる無機成分の少なくとも2つの粒径画分を含む。粒径比率は、1:1~1:10,000、または1:1~1:100であってよい。複合体中の粒径画分の成分の比率は、0.01:1~1:0.01であってよい。
本発明の任意の態様に係る複合体の透過性は、特定の最大粒径を有する粒子に使用される無機成分の粒径によって制限されてよい。
本発明の任意の態様に係る複合体の破壊抵抗は、有孔透過性担持体の細孔、穴またはギャップの大きさに応じて、懸濁化合物の粒径を適切に選択することによって最適化され得るが、本発明の任意の態様に係る複合体の層厚とゾル、溶媒および金属酸化物の均整のとれた比率とによっても最適化され得る。
一例では、例えば100μmのメッシュ幅を有するメッシュを使用する場合、少なくとも0.7μmの粒径を有する懸濁化合物を含む懸濁液を使用することにより、破壊抵抗を増加させることができる。一般に、メッシュまたは細孔の大きさに対する粒径の比は、それぞれ1:1,000~50:1,000でなければならない。本発明の任意の態様に係る複合体は、5~1,000μmの厚さ、特に、50~150μmの厚さを有してよい。ゾルと懸濁されるべき化合物とからなる懸濁液は、懸濁されるべき化合物に対するゾルの比が0.1:100~100:0.1、または0.1:10~10:0.1重量部であってよい。
本発明の任意の態様に係る複合体の取得を可能にする、本発明の任意の態様に係る無機成分を含む懸濁液は、水、アルコール、酸、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの液体を含んでいてよい。
一例では、本発明の任意の態様に係る複合体は、担持体の内側および/または担持体上で安定化された無機成分が破壊されることなく曲げられるように構成されてよい。本発明の任意の態様に係る複合体は、最大で1mmの最小半径に曲げることができる。しかし、複合材料はまた、孔径が5~500μmである少なくとも1つのエキスパンドメタルを有していてもよい。本発明の任意の態様によれば、担持体はまた、細孔幅が0.1~500μm、特に3~60μmである少なくとも1つの粒状焼結金属、焼結ガラス、または金属ウェブを有していてもよい。
本発明の任意の態様に係るゾルは、無機成分の一部である少なくとも1つの化合物(特に、少なくとも1つの金属化合物、少なくとも1つのメタロイド化合物、または少なくとも1つの組成金属化合物)を、少なくとも1つの液体、固体または気体で加水分解することによって得ることができ、これにより、液体として水、アルコールもしくは酸、固体として氷、気体として水蒸気、あるいはこれらの液体、固体もしくは気体の少なくとも1つの組み合わせを使用する場合に有利である。加水分解されるべき化合物を、加水分解前に、アルコールもしくは酸またはこれらの液体の組み合わせの中に置くことも有利である。一例では、加水分解されるべき化合物として、少なくとも1つの金属硝酸化合物、金属塩化物化合物、金属炭酸化合物、金属アルコラート化合物、または少なくとも1つのメタロイドアルコラート化合物が使用されてよい。特に、少なくとも1つの金属アルコラート化合物、金属硝酸化合物、金属塩化物化合物、金属炭酸化合物、あるいは、元素Ti、Zr、Si、Sn、CeおよびY、またはランタニドとアクチニドの化合物からの少なくとも1つのまたはメタロイドアルコラート化合物(例:チタンイソプロピル酸塩などのチタニウムアルコラート、ケイ素アルコラート、ジルコニウムアルコラート、または硝酸ジルコニウムなどの金属硝酸塩)を加水分解し、本発明の任意の態様に係るゾルを生成してもよい。
加水分解性化合物の加水分解性基に関して、少なくとも半分のモル比の水、水蒸気または氷を用いて、加水分解されるべき本発明の任意の態様に係る化合物の加水分解を行うことが有利な場合もある。解膠するために、加水分解された化合物を、少なくとも1つの有機酸または無機酸で処理してもよい。一例では、10~60%の有機酸または無機酸、特に以下のものからの鉱酸を使用する:硫酸、塩酸、過塩素酸、リン酸およびアゾ酸、またはこれらの酸の混合物。
上記のように製造されたゾルを使用できるだけでなく、市販のゾル(例:硝酸チタンゾル、硝酸ジルコニウムゾルまたはシリカゾル)も本発明の任意の態様に係る懸濁液中で使用することができる。一例では、本発明の任意の態様に係る懸濁成分の質量百分率は、使用される加水分解された化合物の0.1~500倍であってよい。
少なくとも1つの懸濁液がその上部もしくは内部、または上部および内部に適用され得る本発明の任意の態様に係る担持体は、以下の材料のうちの少なくとも1つを含んでいてもよい:炭素、金属、合金、ガラス、セラミック材料、鉱物、プラスチック、アモルファス物質、天然物、複合物、またはこれらの材料の少なくとも1つの組み合わせ。特に、上記の材料から作られた繊維または線材からなるメッシュ(例:金属またはプラスチックメッシュ)を含むか、あるいは前記メッシュのみを含む担持体を使用してもよい。本発明の任意の態様に係る複合体は、以下の少なくとも1つを有する担持体を少なくとも1つ有していてもよい:アルミニウム、けい質、コバルト、マンガン、亜鉛、バナジウム、モリブデン、インジウム、鉛、ビスマス、銀、金、ニッケル、銅、鉄、チタン、プラチナ、ステンレス鋼、鋼、真ちゅう、これらの材料の合金、あるいはAu、Ag、Pb、Ti、Ni、Cr、Pt、Pd、Rhおよび/またはRuでコーティングされた材料。
本発明の任意の態様に係る固体成分を生成するために使用され得る方法は、少なくとも国際公開公報第1999/015272A1号に提供されている。
一例では、本発明の任意の態様に係る担持体は、ロールから出され、1m/ 時間~1m/秒の速度で、懸濁液を当該担持体上もしくはその内部、または当該担持体上およびその内部に適用する少なくとも1つの装置を通過し、本発明の任意の態様に係る懸濁液を加熱によって当該担持体上もしくはその内部、または当該担持体上およびその内部に安定化させることを可能にする少なくとも1つの他の装置を通過してよく、このようにして製造された複合体を第二のロールに巻きつける。このようにして、連続法で本発明の任意の態様に係る複合体を製造することができる。
さらなる例では、本発明の任意の態様に係る無機層は、セラミック材料のグリーン(未焼結)層、あるいは、例えば、補助フィルム上に存在する無機層であってよく、上記のように別の懸濁液で処理された担持体上または複合体上に積層されていてもよい。この複合体は、例えば赤外線放射または炉内で加熱することによって安定化されてもよい。
使用されるグリーンセラミック材料層は、少なくとも1つのメタロイド酸化物または金属酸化物(例:酸化アルミニウム、二酸化チタンまたは二酸化ジルコニウム)からのナノ結晶粉末を含んでいてもよい。グリーン層はまた、有機結合剤を含んでいてもよい。
グリーンセラミック材料層を使用することにより、本発明の任意の態様に係る複合体に追加のセラミック層を提供することが簡単になり、これにより、使用されるナノ結晶粉末の大きさに応じて、この方法で製造された複合体の透過性が最小の粒子に制限される。ナノ結晶粉末のグリーン層の粒径は、1~1,000nmであってもよい。粒径が1~10nmであるナノ結晶粉末を使用する場合、追加のセラミック層が適用された本発明の任意の態様に係る複合体は、使用された粉末の粒径に対応する大きさの粒子に対して透過性を有していてもよい。粒径が10nmを超えるナノ結晶粉末を使用する場合、セラミック層は、使用されたナノ結晶粉末の粒子の半分の大きさの粒子に対して透過性がある。
本発明の任意の態様に係る複合体の一部として少なくとも1つの他の無機層を適用することにより(すなわち、少なくとも2つの無機成分が存在してよい)、細孔勾配を有する本発明の任意の態様に係る複合体を得ることができる。規定された孔径を有する複合体を製造するために、複数の層が適用される場合は、必要な孔径を有する複合体の製造に適さない孔径またはメッシュサイズを有する担持体を使用することが可能な場合もある。これは、例えば、孔径が0.25μmの複合体を、300μmを超えるメッシュ幅を有する担持体を使用して製造する場合に当てはまり得る。そのような複合体を得るために、担持体上に少なくとも1つの懸濁液を適用することが有利な場合があり、これは、メッシュ幅が300μmの担持体を処理し、適用後にこの懸濁液を安定化させるのに適している。このようにして得られた複合体は、次いで、メッシュサイズまたは孔径がそれぞれ小さい担持体として使用されることができる。例えば、粒径が0.5μmの化合物を含む別の懸濁液をこの担持体に適用することもできる。
メッシュ幅または細孔幅がそれぞれ大きい複合体の破壊は、少なくとも2つの懸濁化合物を含む懸濁液を担持体に適用することによって改善されることができる。粒径比が1:1~1:10、特に1:1.5~1:2.5である懸濁化合物を使用することが好ましい。より小さな粒径を有する粒径画分の重量割合は、当該粒径画分の総重量の最大50%、具体的には20%、より具体的には10%の割合を超えてはならない。担持体に無機材料からなる追加層が適用されているにもかかわらず、本発明の任意の態様に係る複合体は曲げやすい。
本発明の任意の態様に係る複合体はまた、担持体(例えば、本発明の任意の態様に係る複合体、または別の適切な担持体材料であるもの)を、第二の担持体(第一の担持体と同一の材料、または別の材料)上、または透過性や多孔性がそれぞれ異なる2つの担持体上に配置することによって製造されることができる。スペーサー、排水材料、または材料伝導に適した別の材料(例:メッシュ複合体)を、2つの担持体材料の間に配置することができる。両担持体の端部は、はんだ付け、溶接または接着などの種々の方法によって互いに接続されている。接着は、市販の接着剤または粘着テープを用いて行うことができる。次に、懸濁液を、上記の方法で製造された担持複合体に適用することができる。
一例では、2つの担持体の間に配置された少なくとも1つのスペーサー、排水材料、または類似の材料によって、上下方向に隣接する2つの担持体は、担持体の端部同士を接合する前または後(特に、接合後)に巻き上げられてよい。担持体の端部同士を接合するためにより厚いまたはより薄い粘着テープを使用することにより、上下方向に隣接する2つの担体複合体の間隔が、巻き上げ時に影響を受ける可能性がある。上記のような懸濁液は、例えば、懸濁液に浸漬することによって、このようにして巻き上げられた担持複合体に適用されることができる。浸漬後、圧縮空気を使用して、担持複合体から余分な懸濁液を取り除くことができる。担体複合体に適用された懸濁液は、上記の方法で安定化されることができる。上記の方法で製造された複合体は、巻き付けモジュールにおいて形状選択的膜として使用されることができる。
さらなる例では、上記の担持複合体はまた、2つの担持体と、所望の場合は少なくとも1つのスペーサーと、が1つのロールから出され、次いで、上下方向に隣接して配置される場合に製造されることができる。端部同士は、はんだ付け、溶接や接着、または平面体の接合に適した他の方法よって、再度接合されることができる。次に、懸濁液を、この方法で製造された担持複合体に適用することができる。これは、例えば、懸濁液を担持複合体に噴霧または塗装すること、あるいは懸濁液を含む浴に担持複合体を通すことよって実施され得る。適用された懸濁液は、上記の方法の1つに従って安定化される。この方法で製造された複合体をロールに巻き付けることができる。別の無機層を、さらなる懸濁液の追加適用および安定化によって、そのような材料の内部および/または上部に適用することができる。異なる懸濁液を使用すると、所望のまたは意図した使用目的に応じて、材料特性を調整できる。これらの複合体にさらなる懸濁液を適用できるだけでなく、上記の方法で積層することによって得られる未焼結のセラミック層および/または無機層も適用することができる。本発明の任意の態様に係る固体成分の製造に使用される方法は、連続的または断続的に実施され得る。この方法で製造された複合体は、平坦モジュールにおいて形状選択的膜として使用されることができる。当業者であれば、使用されるべき反応および/または反応物に基づいて、本発明の任意の態様に係る固体成分の生成方法を変更することができる。
一例では、本発明の任意の態様に係る固体成分中の担持体は、担持体材料に応じて、再度除去されてよく、したがって、微量の担持体材料も含まないセラミック材料/複合体を作製する。例えば、担持体が綿フリースなどの天然材料である場合、これは、酸化によって、適切な反応器内の固体成分および複合体から除去され得る。担持体材料が、鉄などの金属である場合、この担持体は、固体成分を酸、好ましくは濃塩酸で処理することによって溶解され得る。複合体がゼオライトから作られている場合も、形状選択的触媒作用に適した平坦なゼオライト体を製造することができる。
本発明の任意の態様に係る固体成分を製造するための担持体として、本発明の任意の態様に係る複合体を使用することが有利な場合がある。
一例では、本発明の任意の態様に係る固体成分の異なる生成方法を組み合わせることができる場合もある。
特に、固体成分(i)中の触媒活性複合体は、ロールに巻き取られること、あるいはロールから巻き出されることが可能であってよい。
本発明の任意の態様に係る方法はまた、液体成分と、少なくとも1つの水素含有気体成分と、を含み、
(ii)前記液体成分は、水性反応溶液を含み、
(iii)前記気体成分は、少なくとも1つの水素含有気体を含む。
液体成分は、反応の基質として使用されるべき少なくとも1つの有機化合物を含む水性反応溶液であってよい。用語「水性有機化合物」は、「水性有機溶液」とほとんど同じ意味で使用することができ、溶液中の有機化合物を指す。用語「水溶液」は、水(主に、本発明の任意の態様に係る基質として使用されるべき反応物または有機化合物を希釈するために使用され得る溶媒としての水)を含む任意の溶液を包含する。水溶液はまた、有機成分が反応を受けるために必要とされ得る任意の追加基質を含んでいてもよい。当業者は、多数の水溶液の調製に精通している。水溶液として、最小限の媒体(すなわち、実施されるべき反応に不可欠な塩と栄養素の最小限のセットのみを含む、適度に単純な組成の媒体)を使用して、望ましくない副産物による生成物の不要なコンタミを回避することが有利である。
特に、本発明の任意の態様に従って存在する有機化合物は、ニトロ化合物、硫化物、亜硫酸塩、アルケン、アルキン、芳香族化合物、カルボン酸、ジカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸、カルボン酸エステル、ヒドロキシカルボン酸エステル、アルコール、アルデヒド、ケトン、アミンおよびアミノ酸からなる群から選択されてよい。有機化合物は、還元工程に耐え抜くことができる可能性のある置換または非置換の化合物であってよい。
本発明の任意の態様に係る水素含有気体成分は、少なくとも1つの水素含有気体を含んでいてもよい。気体は、Hおよび炭化水素からなる群から選択されてよい。
本発明の任意の態様に係る方法は、単一の三相反応器内で実施されてよい。本発明の任意の態様に係る反応器は、
a)第一供給ラインの第一端部に接続された、本発明の任意の態様に係る固体成分を含む液体容器であり、第一ポンプに流体連通している第一容器と、
b)第二供給ラインの第一端部に接続された気体容器と、
c)対象生成物が収集される流出物容器と、
を有していてもよい。
別の例では、液体、気体、および固体成分を保持するために使用される容器は、1つだけである。この例では、容器は、2つの別個の供給ラインを有し、第一供給ラインは、本発明の任意の態様に係る液体成分を当該容器に供給し、第二供給ラインは、気体成分を当該容器に供給する。本発明の任意の態様に係る反応器内に存在するポンプは、蠕動型ポンプであってよい。
本発明の任意の態様に従って使用される反応器は、上向流または下向流の操作モードで操作されてよい。
本発明のさらなる態様によれば、三相反応混合物中で少なくとも1つの水性有機化合物を反応させる方法であり、前記反応混合物は、少なくとも1つの固体成分と、少なくとも1つの液体成分と、少なくとも1つの水素含有気体成分とを含み、
(i)前記固体成分は、少なくとも1つの有孔透過性担持体(b)をベースとする触媒活性複合体(a)であり、前記触媒活性複合体は、前記担持体の少なくとも片側および内側にあり、
(a)前記触媒活性複合体は、
‐元素Ce、La、Sc、Y、Ti、Zr、Hf、Rf、V、Nb、Ta、Db、Cr、Mo、W、Sg、Mn、Tc、Re、Bh、Fe、Co、B、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、SbおよびBiのうちの少なくとも1つと、元素Te、Se、S、O、Sb、As、P、N、Ge、Si、CおよびGaのうちの少なくとも1つとの化合物、および/または
‐元素Ti、Zr、CeおよびSiのうちの1つと、酸素との化合物、および/または
‐Pt、Rh、Ru、Ir、Cu、Ni、Co、ZnおよびPdから選択される金属
からなる無機成分を少なくとも1つ含む懸濁液を、ゾル状懸濁液に適用することによって得られ、
(b)前記担持体は、炭素、金属、合金、セラミック、ガラス、鉱物、プラスチック、アモルファス物質、複合物、天然物、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの材料からなる繊維を含み、
前記固体成分は、前記担持体を、少なくとも1回、100~800℃の温度に10分~5時間加熱し、その間に前記無機成分を含む前記懸濁液が、前記担持体上およびその内側で固化して得られるものであり、
(ii)前記液体成分が水性有機化合物を含み、かつ
(iii)前記気体成分が少なくとも1つの水素含有気体を含む
方法が提供される。
本発明の任意の態様に係る有機化合物は、還元されていてもよい。一例では、無機成分は、金属Pdの化合物であってよい。
本発明の別の態様によれば、三相反応混合物中で少なくとも1つの有機化合物を反応させる方法が提供され、前記方法は、本発明の任意の態様に係る反応器内で実施される。
本発明のさらに別の態様によれば、有機化合物を還元するための、本発明の任意の態様に係る方法の使用が提供される。
上文は、好ましい実施形態を説明するものであり、当業者によって理解されるように、特許請求の範囲から逸脱することなく、設計、構成または操作の変更または修正を受けてもよい。例えば、これらの変更は、特許請求の範囲によってカバーされることを意図している。
実験例1(比較例)
水素化は、5mLの反応器容量を有する反応管/反応器内で連続的に実施された。反応管は、水素化を実施するためのプラントの一部であり、プラントは、液体貯蔵器、反応管、および液体分離器を有していた。担持触媒(すなわち、Al上のパラジウム(SA 5151、ノートン社、オハイオ州アクロン))を触媒として使用した。顆粒状の担持触媒の平均粒径は1~2mm、粒子密度は0.6g/Lであった。反応管内の固定床触媒の高さは25mmであった。反応温度は、伝熱油の循環を介して確立された。反応管へ入る水素の圧力と流れは電子的に調整された。作動溶液をポンプで水素の流れに計量し、当該混合物を気泡塔手順で水素化反応管の底に導入した。反応管/反応器を通った後、生成物を一定の間隔で分離器から取り出した。主にアルキル芳香族とテトラブチル尿素をベースとする作業溶液は、反応担体として、87.8g/Lの濃度の2-エチルテトラヒドロアントラキノンと、33g/Lの濃度のエチルアントラキノンを含む。反応器圧力は0.5MPaであった。液体負荷LHSVは4時間<-1>、反応器温度は61℃であった。反応器に供給された水素の流れは10Nl/時間であった。
担持体を充填するために硝酸パラジウム水溶液を使用した。100gの担持体材料を最初にコーティングパンに導入し、29gの水と0.22gの硝酸パラジウムとの溶液を回転パン内の材料の上に注いだ。コーティングされた担持体を16時間風乾し、次いで管状オーブン内で200℃まで加熱した。続いて、触媒を水素を用いて200℃で8時間還元し、次いで毎回40mLの蒸留水で3回洗浄した。最終的に、反応器には5mL×0.6g/mL×2g/1,000g=6mgPdが含まれていた。
Figure 2022519304000001
実験は、H当量濃度は操作時間にわたって一定のままであることを示している。したがって、20g/時間×6g/1,000g=0.12gH/時間が生成された。これは、20mgH/mgPd/時間が生成されたことを意味する。
実験例2
繊維触媒(TexCat 2)を使用したHの還元
この実験の反応器では、アルミナ上に2重量%のパラジウムを含む粉末92mg(Evonik Industries社製、商品名:Noblyst(登録商標))を、繊維触媒(TexCat 2)を形成する繊維0.0045mに固定した。
最初に、担持体であるポリフェニレンスルフィド(PPS)不織布を準備した。 次いで、以下の表2に示すレシピに従って、バインダと粒子のTexCat 2混合物を準備した。次いで、布担持体を、2.5m/分の速度で、バインダと粒子のTexCat2混合物でコーティングした。このコーティングされた布担持体を、22℃で1~2時間乾燥させた。最後に、TexCat 2を120℃で1時間焼成した。これで、TexCat 2を使用する準備が整った。
Figure 2022519304000002
水素化は、100mLの反応器容量を有する反応管/反応器内で連続的に行われた。反応管は、水素化を行うためのプラントの一部である攪拌容器であり、当該プラントは、液体貯蔵器、反応器、および液体分離器を有していた。反応温度は、伝熱油の循環を介して確立された。Hガスを供給することにより、圧力を0.1MPaで一定に保った。反応器内で、2重量%のパラジウムを含む粉末92mgを、繊維触媒を形成する繊維0.0045mに固定した。反応器を通過した後、生成物を一定の間隔で分離器から取り出した。主にアルキル芳香族とテトラブチル尿素をベースとする作業溶液は、反応担体として、87.8g/Lの濃度の2-エチルテトラヒドロアントラキノンと、33g/Lの濃度のエチルアントラキノンを含んでいた。反応器温度は60℃で維持された。
1時間の液体の滞留時間で、0.2Lの水素が消費された。したがって、繊維触媒を使用すると、0.2LH/時間/100mgCat=0.2LH/時間/mgPd/時間=142mgH/mgPd/時間が生成された。
実験例1の他の触媒と比較して、繊維触媒を使用すると、5倍以上多くのH が生成された。

Claims (14)

  1. 三相反応混合物中で少なくとも1つの水性有機化合物を還元する方法であり、
    前記反応混合物は、少なくとも1つの固体成分と、少なくとも1つの液体成分と、少なくとも1つの水素含有気体成分とを含み、
    (i)前記固体成分は、少なくとも1つの有孔透過性担持体(b)をベースとする触媒活性複合体(a)であり、前記触媒活性複合体は、前記担持体の少なくとも片側および内側にあり、
    (a)前記触媒活性複合体は、
    ‐元素Ce、La、Sc、Y、Ti、Zr、Hf、Rf、V、Nb、Ta、Db、Cr、Mo、W、Sg、Mn、Tc、Re、Bh、Fe、Co、B、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、SbおよびBiのうちの少なくとも1つと、元素Te、Se、S、O、Sb、As、P、N、Ge、Si、CおよびGaのうちの少なくとも1つとの化合物、および/または
    ‐元素Ti、Zr、CeおよびSiのうちの1つと、酸素との化合物、および/または
    ‐Pt、Rh、Ru、Ir、Cu、Ni、Co、ZnおよびPdから選択される金属
    からなる無機成分を少なくとも1つ含む懸濁液を、ゾル状懸濁液に適用することによって得られ、
    (b)前記担持体は、炭素、金属、合金、セラミック、ガラス、鉱物、プラスチック、アモルファス物質、複合物、天然物、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの材料からなる繊維を含み、
    前記固体成分は、前記担持体を、少なくとも1回、100~800℃の温度に10分~5時間加熱し、その間に前記無機成分を含む前記懸濁液が、前記担持体上およびその内側で固化することにより得られたものである
    方法。
  2. (ii)前記液体成分が水性反応溶液を含み、かつ
    (iii)前記水素含有気体成分が水素および炭化水素からなる群から選択される、請求項1記載の方法。
  3. 前記固体成分(i)の前記触媒活性複合体は、ロールに巻き取られること、あるいはロールから巻き出されることができる、請求項1または請求項2記載の方法。
  4. 前記気体は水素である、請求項1~請求項3のいずれか1項記載の方法。
  5. 前記液体成分は、前記還元反応の基質として使用されるべき少なくとも1つの有機化合物を含む水性反応溶液である、請求項1~請求項4のいずれか1項記載の方法。
  6. 前記有機化合物は、ニトロ化合物、硫化物、亜硫酸塩、アルケン、アルキン、芳香族化合物、カルボン酸、ジカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸、カルボン酸エステル、ヒドロキシカルボン酸エステル、アルコール、アルデヒド、ケトン、アミン、アミノ酸からなる群から選択される、請求項4記載の方法。
  7. 前記固体成分は、前記担持体を、少なくとも1回、100~200℃の温度に1時間加熱することにより得られたものである、請求項1~請求項6のいずれか1項記載の方法。
  8. 前記複合体は、触媒活性複合体として、元素Mo、Sn、Zn、V、Mn、Fe、Co、Ni、As、Sb、Pb、Bi、Ru、Re、Cr、W、Nb、Hf、La、Ce、Gd、Ga、In、Tl、Ag、Cu、Li、K、Na、Be、Ca、SrおよびBaのうちの少なくとも1つから選択される少なくとも1つの酸化物を含む、請求項1~請求項7のいずれか1項記載の方法。
  9. 前記無機成分は、TiおよびSiの化合物、または金属Pdである、請求項1~請求項8のいずれか1項記載の方法。
  10. 前記担持体はプラスチック繊維である、請求項1~請求項9のいずれか1項記載の方法。
  11. 前記無機成分の粒径は1~10,000nmである、請求項1~請求項10のいずれか1項記載の方法。
  12. 単一の三相反応器内で行われる、請求項1~請求項11のいずれか1項記載の方法。
  13. 少なくとも1つの無機成分を含む前記懸濁液は、水、アルコール、酸およびこれらの液体の組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの液体を含む、請求項1~請求項12のいずれか1項記載の方法。
  14. 有機化合物を還元するための請求項1~請求項13のいずれか1項記載の方法の使用。
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