JP2022513859A - 植物成長促進剤組成物、その調製方法、及びその使用 - Google Patents

植物成長促進剤組成物、その調製方法、及びその使用 Download PDF

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Abstract

トリコデルマ属の真菌とリグニン画分を含む組成物、及びその調製方法、並びに農業における植物成長促進剤及び果実生産促進剤としての使用が開示される。さらなる態様として、前記組成物と農薬添加物を含む農薬製品も開示される。

Description

本発明は、トリコデルマ属の真菌とリグニン画分を含む組成物、並びに、その調製方法及び農業における植物成長促進剤及び果実生産促進剤としての使用に関する。
肥料は、本質的に植物の成長のための各種の栄養素から成り、農産物の収穫量を向上させるために世界中で広く使用されている。肥料は一般的に、純粋な液体、懸濁液、又は固体の形態であろう。それらは、土壌供給を通して、又は植物の葉面に施肥すること(例えば、散布、灌水等)によって植物に導入することができる。近年では、葉面肥料は環境への悪影響が少ないため、農業現場では、徐々に一般的な土壌用肥料の使用に取って代わりつつある。研究によると、土壌供給を通した従来の施肥方法が水面と地下水の汚染の一因となっていることが示された。
これは、主に、窒素などの肥料の可溶性栄養素が帯水層に浸出することが原因である。この状況では、植物細胞への栄養素の輸送が不十分になる可能性がある。したがって、植物の葉を介して直接植物に栄養素を供給することがより望ましいことが見出された。葉面肥料は、土壌供給法の欠点を克服したように見えるが、しかし、この葉面肥料の植物への不適切な施肥(例えば、高濃度の栄養素が葉に直接施肥されている場合)は、葉の壊死、又は葉の焼けの形で葉面損傷につながる可能性があり、したがって作物収穫量の減少を引き起こす。栄養素の量を減らした葉面肥料は、この葉面損傷を防ぐことができると考えられる。
しかし、栄養素含量の低い葉面肥料を植物に与えるためには、多大な労力を要する作業が必要となり実用的ではない。一例として、特許文献1は、葉面施肥により植物の成長を促進する葉面肥料組成物を開示する。前記組成物は、少なくとも1つの補酵素、さらに少なくとも1つの炭水化物源、錯化剤及び防腐剤から成る水溶液であり、前記補酵素は、好ましくはビタミンBであり、より好ましくは葉酸及び/又はピリドキシンである。対象である肥料は、植物の代謝活性を高めることにより植物による栄養素の取り込みを大幅に改善することができるが、しかし土壌又は葉面肥料から植物の細胞内に取り込まれる栄養素の利用可能性については、まだ答えが出ていない。
したがって、葉に損傷を与えることなく、十分な量の栄養素を植物に与え、特に人間と動物の健康、作物及び環境を保護することによって、植物の成長を効果的に促進することの必要性が感じられる。
米国特許第6475258号明細書
上記目的は、請求項1に記載のトリコデルマ属の真菌とリグニン画分を含む組成物によって達成された。
別の態様では、本発明は、農業における植物成長促進剤及び果実生産促進剤としての前記組成物の使用に関する。
さらなる態様では、本発明は、前記組成物と農薬添加物を含む農薬製品に関する。
さらなる態様では、本発明は、植物の成長及び果実の生産を促進する方法に関し、前記方法は、組成物又は農薬製品を、植物又は植物の土壌に適用する工程を含む。
「植物」なる用語は、営利又は自給のために栽培及び収穫できる植物を示し、農作物、穀物、野菜、果物、及び花、並びに、園芸用や個人用に栽培及び収穫されたものも含む。
「植物の土壌」なる用語は、植物が生育している場所、又は植物が播種されている場所、又は植物が播種される場所の土壌を示しており、したがって、地面、土地、並びに、水栽培及び水耕栽培などの無土壌培地も含まれる。
本発明の特徴及び利点は、以下の詳細な説明、例示のために提供される実施例、及び添付の図から明らかになるであろう。
図1は、本発明の組成物のトマト収量への影響を示す。棒グラフは、植物体当たりの収量の平均値を、結実枝ごとに生産されたトマト果実のグラム数で示す。棒上の種々の文字は、実施例3によるANOVA及びLSD検定(p≦0.05)による有意差を示す。 図2は、本発明の組成物のトマト収量への影響を示す。棒グラフは、植物体当たりの収量の平均値を、植物体ごとに生産されたトマト果実の数で示す。棒上の種々の文字は、実施例3によるANOVA及びLSD検定(p≦0.05)による有意差を示す。 図3は、本発明の組成物のトマト収量への影響を示す。棒グラフは、植物体当たりの収量の平均値を、植物体ごとに生産されたトマト果実のグラム数で示す。棒上の種々の文字は、実施例3によるANOVA及びLSD検定(p≦0.05)による有意差を示す。 図4は、本発明の組成物のトマト収量への影響を示す。棒グラフは、植物体当たりの収量の平均値を、植物体ごとに生産されたトマト果実の数で示す。棒上の種々の文字は、実施例3によるANOVA及びLSD検定(p≦0.05)による有意差を示す。
[発明の詳細な説明]
したがって、本発明の対象は、トリコデルマ属の真菌とリグニン画分を含む組成物であって、以下の通りである:
- 前記真菌は、トリコデルマ属の種、それらのプロトプラスト融合体、及びそれらの混合物から選択され;
- 前記リグニン画分は、サイズ排除クロマトグラフィーで測定した重量平均分子量が最大で20,000ダルトンのフラグメントを含み、前記フラグメントが重量平均で最大で111個のフェニルプロパン単位を含み;且つ、
真菌は最大で1×10胞子/ml(組成物)の濃度であり、リグニン画分は組成物の重量に基づいて最大で5wt%の濃度である。
好ましくは、本組成物は水溶液、分散液、又は懸濁液の形態である。
好ましくは、前記トリコデルマの種は、トリコデルマ・アグレッシバム(Trichoderma aggressivum)、トリコデルマ・アスペレルム(Trichoderma asperellum)、トリコデルマ・アトロビリデ(Trichoderma atroviride)、トリコデルマ・シトリノビリデ(Trichoderma citrinoviride)、トリコデルマ・クレメウム(Trichoderma cremeum)、トリコデルマ・ハルジアヌム(Trichoderma harzianum)、トリコデルマ・コニンギィ(Trichoderma koningii)、トリコデルマ・ロンギブラキアタム(Trichoderma longibrachiatum)、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)、トリコデルマ・ビレンス(Trichoderma virens)、トリコデルマ・ビリデ(Trichoderma viride)、及びトリコデルマ・ビリデスセンス(Trichoderma viridescens)から選択される。
上記で定義したトリコデルマ属に属する真菌は、様々な裂け目にコロニーを形成し、植物病原微生物と拮抗して制御し、植物と直接有益な相互作用を確立することで、成長、栄養素の摂取、病気に対する全身抵抗性を高めることができる。特に、植物成長の改善は、一般的に、種子発芽、根系、植物の重量及び葉の面積と、種子、花及び/又は果実の大きさ及び/又は数の増加に関連し、収量の増加と、しばしば重要な栄養因子の含有量の増加という結果を生じる。
リグニンは、真菌と細菌の両方に対して抗菌作用があることが知られている。そのため、公知の土壌真菌であるトリコデルマの処理は、既に試験された他の多くの真菌に対して毒性を示すリグニン濃度で直接阻害されることが予想された。したがって、合理的な予想は、農業用途での使用と考えられる典型的なリグニン濃度では、トリコデルマが影響を受けたであろうということであった。驚くべきことに予想外に、以下の実施例に示す通り、上記のトリコデルマの種は、特定の濃度のリグニン画分の影響を受けなかっただけでなく、植物の生産性と植物の成長の観点から、その活性も高めた。
特に、植物成長促進の効果は、単一成分の適用に比べて、場合によっては最大で25%増加することが観察された。
上記に加えて、トリコデルマの種とリグニン画分は異なる方法で機能し、且つ、異なるメカニズムを使用することを認識すべきである:これにより、結果として得られる組成物の効果は、より安定して様々な条件に適したものとなり、一方で、(生態的防除のための)耐性メカニズムの発生を減少させる。
さらに、有利には、それぞれの濃度が非常に低いため、本組成物の調製は簡単でコスト効率が良い。またこれは、本組成物が、使用前に水で上記濃度に容易に希釈できる濃縮形態で調製できることを意味する。
「プロトプラスト融合体」なる用語は、プロトプラスト融合によって得られたトリコデルマの種のハイブリッド株を含むことを意味する。
プロトプラストは、細胞壁が取り除かれた細胞であり、細胞質膜がその細胞の最も外側の層である。プロトプラストは、細胞壁を除去する特定の溶菌酵素により得ることができる。プロトプラスト融合は物理的な現象であり、融合の間、2つ以上のプロトプラストが自発的に、又は融合誘導剤の存在下で接触し、互いに付着する。プロトプラスト融合により、いくつかの遺伝子を別の種に導入ことが可能である。プロトプラスト融合は、糸状菌における遺伝子組み換え及びハイブリッド株の開発をもたらすための菌株改良の重要なツールである。前記改良には、例えばセルラーゼ生産における、より高い収量を含むことができる。
本発明の目的のためのプロトプラスト融合体は、当該技術分野で公知の技術(例えば、Hassan MM(2014);2種のトリコデルマの種のプロトプラスト融合が、細胞外酵素の産生及び拮抗作用に与える影響(Influence of protoplast fusion between two Trichoderma spp. on extracellular enzymes production and antagonistic activity);Biotechnology & Biotechnological Equipment,28:6,1014-1023)に従って得ることができる。
本発明の組成物の好ましい実施形態では、トリコデルマ属の真菌は、T・ハルジアヌム、T・アトロビリデ、及びT・ビレンス、並びにそれらの混合物から選択される。
いくつかの実施形態では、本組成物はトリコデルマの種の混合物を含む。
より好ましい実施形態では、前記真菌は、T・ハルジアヌム HK2、T・アトロビリデ HK4及びT・ビレンス GV41、並びにこれらの混合物から選択される。「HK2」、「HK4」及び「GV41」は、それぞれの好ましい株である。
いくつかの実施形態では、本組成物はトリコデルマ株の混合物を含む。
組成物中に混合物が存在する場合、各々の種又は株は、同じ又はほぼ同じ濃度である。
好ましい実施形態では、本組成物は、2つのトリコデルマの種又は2つのトリコデルマ株を、2:1~1:2、好ましくは1:1の濃度比で含む。
好ましくは、真菌は、1×10~8×10胞子/ml(組成物)の濃度である。
より好ましくは、真菌は、2×10~6×10胞子/ml(組成物)の濃度である。好ましい実施形態では、真菌は、3×10~5×10胞子/ml(組成物)の濃度である。
リグニンは、いくつかの藻類、その樹皮を含む維管束植物、及び草本植物、例えば、樹(すなわち、針葉樹と広葉樹)、全ての穀物の藁、サトウキビバガス、草、麻、黄麻、大麻又は綿の支持組織の重要な構造を形成する複雑な有機ポリマーの一種である。またリグニンは、泥炭、レオナルダイト、石炭等の鉱物を起源とするものもある。
天然型では、リグニンは、化学的には、フェニルプロパン単位が多くの異なる結合で結合した、非常に不規則な、ランダムに架橋したポリマーであり、重量平均分子量は20,000ダルトン以上である。最も重要な結合パターンを含む代表的で例示的なリグニンフラグメント(I)を以下に示す:
Figure 2022513859000001
前記ポリマーは、3つのフェニルプロパノイドモノマー前駆体の酵素を介した脱水素重合の結果である:
Figure 2022513859000002
それぞれ以下の部位となる:
Figure 2022513859000003
コニフェリルアルコールは全ての種に存在し、そして球果植物(針葉樹)において主要なモノマーである。落葉樹(広葉樹)の種は最大で40%のシナピルアルコール単位を含み、一方、草及び農作物は、クマリルアルコール単位を含むこともある。
リグニンは、その原料のバイオマスの起源に従って、針葉樹リグニンと広葉樹リグニンに分類される。
適切なリグニン画分を得るための適切な出発原料であってもよい原料のバイオマス源は、実質的に純粋なリグニン、クラフトリグニン、バイオマス由来のリグニン、アルカリパルプ化プロセスからのリグニン、ソーダプロセスからのリグニン、オルガノソルブパルプ化からのリグニン、酵素プロセスからのリグニン、水蒸気爆発プロセスからのリグニン、及びそれらの組み合わせを含む任意のリグニンである。
「実質的に純粋なリグニン」なる表現は、乾燥原料のバイオマスを基準に、少なくとも80%の純粋なリグニン、好ましくは少なくとも90%の純粋なリグニン、より好ましくは少なくとも95%の純粋なリグニンと理解されるべきである。残部は、抽出物、ヘミセルロースなどの炭水化物、及び無機物である。
「クラフトリグニン」なる表現は、クラフト黒液に由来するリグニンと理解される。黒液は、リグニン残渣、ヘミセルロース、及びクラフトパルプ化プロセスで使用される無機化学物質のアルカリ性水溶液である。パルプ化プロセスの黒液は、様々な割合で様々な針葉樹種と広葉樹種に由来する成分を含む。リグニンは、例えば沈殿や濾過を含む様々な方法で黒液から分離することができる。リグニンは通常、11~12未満のpH値で沈殿し始める。様々な特性を有するリグニン画分を沈殿させるために、様々なpH値を使用できる。
これらのリグニン画分は、分子量分布(例えば、M及びM)、多分散性、ヘミセルロース及び抽出物の含有量、無機物の含有量などが互いに異なる場合がある。沈殿したリグニンは、酸洗浄プロセスを用いて、無機不純物、ヘミセルロース及び木材抽出物から精製することができる。さらに、濾過により精製することもできる。
また、リグニンは純粋なバイオマスから分離される。分離プロセスは、バイオマスを強アルカリで液化することから始めることができ、続いて中和プロセスを行う。アルカリ処理の後、上記と同様の方法でリグニンを沈殿することができる。
好ましくは、バイオマスからのリグニンの分離は、酵素処理プロセスを含む。酵素処理は、バイオマスから抽出されるリグニンを変化させる。純粋なバイオマスから分離されたリグニンは、実質的に硫黄を含まない(硫黄含有量3%未満)ため、さらなる処理に価値がある。好ましくは、木材を前処理してヘミセルロースを除去し、その後セルロースを加水分解する。結果として得られる不溶性リグニン画分は、最大で30wt%のセルロースを含む。
好ましくは、分離されたリグニンは、フラグメントの重量平均分子量をさらに減少させるために、さらに解重合プロセスに供される。
いくつかの実施形態では、分離されたリグニンは、フラグメントの重量及び数平均分子量をさらに減少させるために、解重合プロセスに供される。
適切な解重合プロセスとしては、塩基触媒解重合、酸触媒解重合、金属触媒解重合、イオン液体による解重合、及び超臨界流体によるリグニン解重合が挙げられる。
好ましい実施形態では、前記リグニン画分は、塩基触媒解重合によって得られる。
好ましくは、前記リグニン画分は、分離したリグニンを300℃未満の温度、30MPa未満の圧力で、塩基触媒解重合に供することにより得られる。
pHは、NaOH、KOH、Ca(OH)、LiOH、KCO、又はそれらの混合物等の塩基を添加することにより、11~14の間に設定される。
リグニン画分中のフラグメントの重量平均分子量(M)は、サイズ排除クロマトグラフィー(又は「SEC」)によって測定される。SECでは、ビーズの細孔内に存在する滞留液体を固定相とし、流動する液体を移動相とする。そのため、移動相はビーズの間を流れ、またビーズの細孔に出入りすることができる。この分離メカニズムは、溶液中のポリマー分子の大きさに基づいている。
より大きな分子は最初に溶出する。ビーズ内の多くの細孔に入ることができる小さな分子は、カラムを通過するのに長い時間がかかるため、ゆっくりとカラムから出る。ポリマーサンプルの成分の分子量を測定するために、重量が既知の標準ポリマーを用いたキャリブレーションを行う必要がある。その後、未知のサンプルの値を検量線グラフと比較する。保持時間は、使用するカラム材料、溶離液、及び使用する標準がサンプルと比較してどの程度類似するかによって異なる。好ましくは、溶離液は0.1M NaOHであることが好ましい。
好ましくは、前記リグニン画分は、重量平均分子量が2,000~20,000ダルトンのフラグメントを含む。
より好ましくは、前記リグニン画分は、重量平均分子量が3,000~20,000ダルトンのフラグメントを含む。
さらに好ましくは、前記リグニン画分は、重量平均分子量が4,000~15,000ダルトンのフラグメントを含む。
いくつかの好ましい実施形態では、前記リグニン画分は、4,000~6,000ダルトンの重量平均分子量を有するフラグメントを含む。
他の好ましい実施形態では、前記リグニン画分は、9,000~11,000ダルトンの重量平均分子量を有するフラグメントを含む。
好ましくは、これらの実施形態において、前記フラグメントは、重量平均で11~111個のフェニルプロパン単位を含み、より好ましくは、重量平均で22~111個のフェニルプロパン単位を含む。
3つのフェニルプロパノイドモノマー前駆体の分子量は、クマリルアルコールの150Da、コニフェリルアルコールの180Da、及びシナピルアルコールの210Daの間で変化する。したがって、平均重量は180Daであり、この値は「フェニルプロパン単位」として使用した。M値を180Daで除算し、その結果、重量平均でのフェニルプロパン単位数を得た。
さらなる実施形態では、リグニン画分は、1.25~12の多分散性指数(PDI)を有する。
多分散指数(PDI)もしくは不均一指数、又は単に分散性は、特定のポリマーサンプル中の分子量の分布の指標である。PDIは、重量平均分子量(M)を数平均分子量(M)で割った値である。これは、ポリマーのバッチ内の個々の分子量の分布を示す。
好ましくは、前記リグニン画分は、リグニン画分の重量に基づいて、最大で30wt%のセルロースをさらに含み、より好ましくは10~30wt%のセルロースを含む。トリコデルマ属の真菌は、エキソグルカナーゼ(EXG)、エンドグルカナーゼ(EG)、β-グルコシダーゼ(BGL)などのセルロース分解酵素を生産する。セルラーゼは、セルロース系の基質を完全に加水分解して、発酵可能な糖であるグルコースの単量体にする最も効率的な酵素系である。糖は植物の細胞呼吸と細胞成長を助けるので、本発明の組成物中にセルロースが存在することは、植物成長促進の全体的な効率をさらに向上させるために有利であると言える。
好ましい実施形態では、本発明の組成物は、トリコデルマ属の真菌とリグニン画分を含み:
- 前記真菌は、トリコデルマ・ハルジアヌム、トリコデルマ・アトロビリデ、トリコデルマ・ビレンス、及びこれらの混合物から選択され;
- 前記リグニン画分は、サイズ排除クロマトグラフィーで測定した重量平均分子量が3,000~20,000ダルトンのフラグメントを含み、前記フラグメントが重量平均で16~111個のフェニルプロパン単位を含み;且つ、
真菌は1×10~8×10胞子/ml(組成物)の濃度であり、リグニン画分は組成物の重量に基づいて0.1wt%~4wt%の濃度である。
より好ましくは、本発明の組成物は、トリコデルマ属の真菌とリグニン画分を含み:
- 前記真菌は、トリコデルマ・ハルジアヌム、トリコデルマ・アトロビリデ、トリコデルマ・ビレンス、及びこれらの混合物から選択され;
- 前記リグニン画分は、サイズ排除クロマトグラフィーで測定した重量平均分子量が3,000~20,000ダルトンのフラグメントを含み、前記フラグメントが重量平均で16~111個のフェニルプロパン単位を含み;且つ、
真菌は2×10~6×10胞子/ml(組成物)の濃度であり、リグニン画分は組成物の重量に基づいて0.5wt%~3wt%の濃度である。
いくつかの好ましい実施形態では、本発明の組成物は、トリコデルマ属の真菌とリグニン画分を含み:
- 前記真菌は、トリコデルマ・ハルジアヌム HK2、トリコデルマ・アトロビリデ HK4、トリコデルマ・ビレンス GV41、及びこれらの混合物から選択され;
- 前記リグニン画分は、サイズ排除クロマトグラフィーで測定した重量平均分子量が4,000~6,000ダルトンのフラグメントを含み、前記フラグメントが重量平均で22~33個のフェニルプロパン単位を含み;且つ、
真菌は3×10~5×10胞子/ml(組成物)の濃度であり、リグニン画分は組成物の重量に基づいて1wt%~2wt%の濃度である。
他の好ましい実施形態では、本発明の組成物は、トリコデルマ属の真菌とリグニン画分を含み:
- 前記真菌は、トリコデルマ・ハルジアヌム HK2、トリコデルマ・アトロビライドHK4、トリコデルマ・ビレンス GV41、及びこれらの混合物から選択され;
- 前記リグニン画分は、サイズ排除クロマトグラフィーで測定した重量平均分子量が9,000~11,000ダルトンのフラグメントを含み、前記フラグメントが重量平均で50~61個のフェニルプロパン単位を含み;且つ、
真菌は3×10~5×10胞子/ml(組成物)の濃度であり、リグニン画分は組成物の重量に基づいて1wt%~2wt%の濃度である。
最も好ましい実施形態は、本発明の組成物がトリコデルマ属の真菌とリグニン画分を含み:
- 前記真菌は、トリコデルマ・ビレンス GV41であり;
- 前記リグニン画分は、サイズ排除クロマトグラフィーで測定した重量平均分子量が9,000~11,000ダルトンのフラグメントを含み、該フラグメントが重量平均で50~61個のフェニルプロパン単位を含み;且つ、
真菌は3×10~5×10胞子/ml(組成物)の濃度であり、リグニン画分は組成物の重量に基づいて1wt%~2wt%の濃度である。
他の実施形態では、本組成物は、トリコデルマ属の真菌とリグニン画分から本質的に成り:
- 前記真菌が、トリコデルマ・アグレッシバム、トリコデルマ・アスペレルム、トリコデルマ・アトロビリデ、トリコデルマ・シトリノビリデ、トリコデルマ・クレメウム、トリコデルマ・ハルジアヌム、トリコデルマ・コニンギィ、トリコデルマ・ロンギブラキアタム、トリコデルマ・リーゼイ、トリコデルマ・ビレンス、トリコデルマ・ビリデ、トリコデルマ・ビリデスセンス、それらのプロトプラスト融合体、及びそれらの混合物から選択され;
- 前記リグニン画分は、サイズ排除クロマトグラフィーで測定した重量平均分子量が最大で10,000ダルトンのフラグメントを含み、前記フラグメントが重量平均で最大で55個のフェニルプロパン単位を含み;且つ、
真菌は最大で1×10胞子/ml(組成物)の濃度であり、リグニン画分は組成物の重量に基づいて最大で5wt%の濃度である。
本発明の目的において、「本質的に成る」なる表現は、前記真菌と前記リグニン画分が、組成物中に存在する植物成長促進剤及び果実生産促進剤として作用する唯一の有効成分であり、考えられる他の成分は異なる活性を有するか、又は単なる製剤補助剤(co-formulants)であることを意味する。
さらなる実施形態では、本組成物は、上記の通り、トリコデルマ属の真菌とリグニン画分から成る。
別の態様では、本発明は、農業における植物成長促進剤及び果実生産促進剤としての前記組成物の使用に関する。
好ましくは、本組成物は、5~15日ごとに、植物体当たり100~300mlの量で適用することができる。
さらなる態様では、本発明は、本組成物と農薬添加物を含む農薬製品に関する。
適切な添加物は、pH調整剤、酸性度調整剤、水の硬度調整剤、鉱物油、植物油、肥料、葉用肥料、及びそれらの組み合わせである。
例示的な添加物としては、2-エチルヘキサノールEO-PO、アルコキシル化アルコール、アルコキシル化脂肪アミン、アルコキシル化トリグリセリド、アルキルポリグリコシド、アルキルエーテル硫酸ナトリウム塩、アルキルフェノールエチレンオキシド縮合物、アルキルフェニルヒドロキシポリオキシエチレン、アリルポリエチレングリコールメチルエーテル、ジプロピオン酸型両性界面活性剤、ジ-1-p-メンテン、ジメチルポリシロキサン、エステル化植物油、エチレンオキシド縮合物、脂肪酸エステル、脂肪アルコールエチレンオキシド縮合物、脂肪アルコールポリアルコキシレート、レシチン(大豆)、メチル化菜種油、n-ドデシルピロリドン、n-メチルピロリドン、n-オクチルピロリドン、非イオン性界面活性剤、ノニルフェノールエチレンオキサイド縮合物、パラフィン油、ポリ(ビニルピロリジオン/1-ヘキサデセン、ポリアクリルアミド、ポリアルキレングリコール、ポリアルキレンオキシド、ポリエーテル変性トリシロキサン、ポリエチレンポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレンモノラウレート、プロピオン酸、スチレン-ブタジエン共重合体、合成ラテックス、獣脂アミンエトキシレート、植物油、及びこれらの混合物を挙げることができる。
本組成物は、真菌やリグニン画分の濃度を大きく減じても有効であるという事実を考慮すると、有利には、好ましくは、農薬製品は、農薬製品1kg当たり1~500gの濃度で前記組成物を含む。
農薬製品は、固体であっても、液体であってもよい。
農薬製品が固体である場合、前記固体は、タブレット、ミニタブレット、マイクロタブレット、細粒、微粒、ペレット、多粒子、微粒子化粒子、又は粉末とすることができる。
農薬製品が液体である場合、前記液体は、溶液、懸濁液、エマルジョン、分散液、滴下液又は噴霧可能な液体とすることができ、また水性又は油性の液体とすることができる。前記液体は、溶媒を含むことができる。適切な溶媒は、水、グリコール、アルコール、多価アルコール、有機酸、及びそれらの組み合わせである。
好ましい溶媒は、水、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、イソブタノール、アリルアルコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、1,2-エチレングリコール、ポリエチレングリコール(PEG)、グリセロール、乳酸、ポリ乳酸、及びこれらの混合物である。より好ましい溶媒は、水、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、1,2-エチレングリコール、ポリエチレングリコール(PEG)、及びこれらの混合物である。
好ましくは、農薬製品が液体の場合、前記液体のpHは5~9、より好ましくは6~8である。
農薬製品が液体である場合、前記液体は、本組成物を1~50wt%含む。これは、農薬製品が濃縮物であり、必要に応じて使用前に適切に希釈すること、又は、他の化学製品と直接混合することが可能であることを意味する。
前記農薬製品は、粒状ベイト、エアゾール缶、液体(希釈なし)、バルクベイト、マトリックス、濃縮ベイト、油混和性液体濃縮物、カプセル化顆粒、懸濁液カプセル、分散性濃縮物、粉末、種子の乾燥黒化(dry tanning of seeds)用粉末、乳化性濃縮物、帯電性液体、油中水型エマルジョン、種子の黒化(tanning of seeds)用エマルジョン、油中水型エマルジョン、スモーキージャー(smoky jar)、細粒、スモーキーキャンドル、スモーキーカートリッジ、スモーキースラット、黒化用濃縮懸濁液、スモーキータブレット、燻煙剤(燻蒸剤)、スモーキー顆粒(又はペレット)、ガス(圧力下)、顆粒状ベイト、ガス化製品、微小粒、摺動粉、粒状、油性ペースト、高温排煙濃縮物、固体/液体組み合わせ包装、液体/液体組み合わせ包装、低温排煙濃縮物、固体/固体組み合わせ包装、ラッカー、種子の黒化用溶液、マイクロエマルジョン、微小粒状、分散性油、油混和性濃縮懸濁液、油混和性液体、油性懸濁液、ペースト、フラットベイト、濃縮ペースト又はゲル、注ぐもの(pour-on)、植物用スティック、処理又はコーティングされた種子、使用準備済ベイト、ぴったりのもの(spot-on)、断片化ベイト、濃縮懸濁液、懸濁液-エマルジョン、水溶性顆粒状、溶解性濃縮液、フィルム形成オイル、水溶性粉末、種子の黒化用溶解性粉末、懸濁液、錠剤、工業用材料、工業用濃縮液、トレース用粉末、超低容量液体、水分散性マイクロ粒状、水分散性顆粒状、湿潤性粉末、種子の黒化用湿潤性粉末、自己粘着性パッチ、及びこれらの組み合わせとすることができる。
有利には、農薬製品は、窒素、リン、カリウム化合物、又はそれらの混合物を含む肥料をさらに含むことができる。
さらなる態様では、本発明は、植物成長促進及び果実生産促進の方法に関し、前記方法は、本組成物又は本農薬製品を、植物又は植物の土壌に適用する工程を含む。
本農薬製品は、以下の手順の1つ以上によって適用することができる:
- 播種機のホッパー内で、農薬製品を種子と混合すること;
- 播種溝に隣接して農薬製品を散布すること;
- 最後の土壌耕耘の前又は後に、圃場全体に農薬製品を散布すること。
本農薬製品が液体である場合、以下の手順の1つ以上によっても適用することができる:
- 塊茎、球根、及び種子に農薬製品を散布すること;
- 植物体の地上部、葉、茎に農薬製品を散布すること;
- 農薬製品を含む水溶液に植物体の根を浸すこと。
本農薬製品は、1ヘクタール(ha)当たり、1,000g~10,000kgの組成物、好ましくは1,000g~1,000kgの組成物、より好ましくは1,000g~10,000gの組成物となる量で適用することができる。
上記で報告された本発明の組成物、及びその調製方法、並びにその使用の好ましい態様の全ての組み合わせが、本明細書中で開示されたと見なされることもまた理解されるべきである。
上記で開示された本発明の組成物、調製方法、及び使用の好ましい態様の全ての組み合わせは、本明細書に記載されている通りに理解されるべきである。
以下に、例示のために提供される本発明の実施例を示す。
これらの実施例におけるM及びMは、以下の手順に従ってサイズ排除クロマトグラフィーによって測定された。
「wt%」は、特に指定のない限り、有機-無機混合材料の重量に基づく重量%を意味する。
試薬・材料
- 溶離液:0.1M NaOH、流速0.5ml/分
- RI検出器のキャリブレーション:プルラン標準試料、M(Mは最大ピーク分子量である):100,000~1,080(6種の標準試料)
- UV検出器(280nm)のキャリブレーション:PSS標準試料、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム塩、M:65,400~891(6種の標準試料)。標準試料は超純水に溶解し、濃度を約5mg/mlとする。注入量は20μlである。
- 品質管理試料:M分布が既知のリグニンを用いる。
設備及び器具
- Dionex Ultimate 3000 オートサンプラー、カラムコンパートメント、及びポンプ
- Dionex Ultimate 3000 ダイオードアレイ検出器
- 示差屈折率検出器:Shodex RI-101
- カラム:PSS MCXカラム:プレカラムと2本の分析カラム:1000Å及び100000Å、カラムの材質はスルホン化ジビニルベンゼン共重合体マトリックスである。
- シリンジフィルター0.45μm、及びSTD試料用ガラスサンプルボトル。サンプルの濾過:Mini-UniprepシリンジレスフィルターデバイスPTFE又はナイロン、0.45μm。必要に応じて、予備濾過処理用の5μmシリンジフィルター。
- 計量瓶
手順
- 溶離液の調製
理想的には、溶離液の調製に使用する水は、溶存二酸化炭素をできる限り含まない、低抵抗率(18MΩ・cm以上)の高品質の脱イオン水とすべきである。当該水は、生物学的汚染(例えば、細菌及びカビ)及び粒子状物質を含んでいてはならない。
- 10% MeOH-水を用いたニードル洗浄
- 液体サンプル
強アルカリ性の濃縮溶液サンプルを1:100に希釈し、PTFEシリンジフィルター(0.45μm)で濾過してバイアルに入れる。固形リグニンのサンプルを、0.1M NaOHで希釈及び溶解し、PTFE(0.45μm)シリンジフィルターで濾過する。準備したサンプルをオートサンプラーにセットする。注入量は20μlである。カラムを洗浄するためのサンプルとして、サンプルの後に、1M NaOHを注入する。
機器のパラメータ:
- 流量0.5ml/分
- 溶離液 0.1M NaOH
- カラムオーブン温度 30°C
- 無勾配溶離
- 実行時間 48分
- 固体サンプル
固体サンプル(リグニン)は、必要に応じて60℃のオーブンで一晩乾燥させる。約10mgを10mlの計量瓶に秤量する。サンプルを0.1MのNaOH溶液に溶解及び希釈し、マークに充填する。サンプルをPTFEの0.45μmフィルターで濾過する。サンプルが適切に溶解しない場合は、超音波水浴に入れるか、5μmのシリンジフィルターで濾過することができる。
- キャリブレーション用標準試料
約50mgの各標準試料を10mlの計量瓶に秤量し、超純水を加えてマークに充填する。標準試料はPTFEの0.45μmシリンジフィルターで濾過する。キャリブレーション用試料を実行した後、キャリブレーション結果は処理メソッドに統合されて処理され、保存される。キャリブレーションは線形1次キャリブレーションである。
- 品質管理試料
リグニンサンプルとしては、M分布が既知のリグニンを品質管理試料として使用する。リグニンを0.1M NaOHに溶解する。また濃度は約1mg/mlである。
実施例1
ブナノキ(ファガス・シルバティカ(Fagus sylvatica))から得たオルガノソルブリグニンに酵素前処理を施してヘミセルロースを除去し、その後セルロースを加水分解した。このように純粋なバイオマスから分離したリグニン画分は、以下の特徴を有する:
>全固形分の95%
単一の種:ブナ材
:9,000~11,000 Da(50~61個のフェニルプロパン単位)
本質的に硫黄を含まない(硫黄含有量3%未満)
23~29wt%のセルロースを含む。
この固形リグニン画分は略して「EOS」と呼ばれる。
実施例2
クラフト黒液から以下のリグニン画分を抽出した。前記リグニン画分は以下の特徴を有する:
>全固形分の95%
単一の種:サザンパイン
:4400~5000Da(24~28個のフェニルプロパン単位)
:1200~1300Da(6~7個のフェニルプロパン単位)
OH基の構造:
脂肪族 2.1mmol/g
カルボキシル基 0.5mmol/g
縮合及びシリンギル 1.7mmol/g
グアヤシル 2.0mmol/g
カテコール及びp-OH-フェニル 4.0mmol/g
この固形リグニン画分は、略して「OXO」と呼ばれる。
実施例3
材料と方法
ポリスチレンの箱に播種をして10日後に発芽した苗を、プラスチックトンネル下の土壌に移植し、下記表1の組成物50mlを散布した(すなわち処理)。10日後に同じ組成物50mlを用いて次の散布を行った。その後の散布は10日ごとに2ヶ月間、各植物体に水性組成物(表1)150~200mlを散布した。
処理に真菌コンソーシアムが含まれる場合は、菌株を1:1又は1:1:1の割合で混合し、最終濃度を4×10胞子ml-1とした。
リファレンス(すなわち、陰性対照)は、土壌に水のみを散布して得た。
表1の各処理セットは、21の植物(ランダムに選択された土壌領域の7つの植物の3つの生物学的複製)で構成されていた。
Figure 2022513859000004
移植後3ヶ月目から2ヶ月間(8月及び9月)に3回、完熟した果実を収穫した。
トマトの生産性は、植物のトマト果実のグラム数(下から順に最初の2つの結実枝を考慮)及び各処理の植物の果実の数で収量を測定することによって評価した。
結果
本実施例では、組成物をトマトの苗に適用し、植物の成長と収量に対する影響を評価した。
圃場実験から得られ、図1~4に示された結果は、本組成物が成長と収量を促進するという点でより優れており、結果として、単一成分の組成物と比較して、植物当たりのトマト果実の数とkg数の点で生産量が増加することを示した。

Claims (16)

  1. トリコデルマ属の真菌とリグニン画分を含む組成物であって:
    - 前記真菌は、トリコデルマ属の種、それらのプロトプラスト融合体、及びそれらの混合物から選択され;
    - 前記リグニン画分は、サイズ排除クロマトグラフィーで測定した重量平均分子量が最大で20,000ダルトンのフラグメントを含み、前記フラグメントは、重量平均で最大で111個のフェニルプロパン単位を含み;且つ、
    真菌の濃度が最大で1×10胞子/ml(組成物)であり、リグニン画分の濃度が組成物の重量に基づいて最大で5wt%である、組成物。
  2. 前記トリコデルマの種が、トリコデルマ・アグレッシバム(Trichoderma aggressivum)、トリコデルマ・アスペレルム(Trichoderma asperellum)、トリコデルマ・アトロビリデ(Trichoderma atroviride)、トリコデルマ・シトリノビリデ(Trichoderma citrinoviride)、トリコデルマ・クレメウム(Trichoderma cremeum)、トリコデルマ・ハルジアヌム(Trichoderma harzianum)、トリコデルマ・コニンギィ(Trichoderma koningii)、トリコデルマ・ロンギブラキアタム(Trichoderma longibrachiatum)、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)、トリコデルマ・ビレンス(Trichoderma virens)、トリコデルマ・ビリデ(Trichoderma viride)、及びトリコデルマ・ビリデスセンス(Trichoderma viridescens)から選択される、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記真菌が、T・ハルジアヌム、T・アトロビリデ、及びT・ビレンス、並びにこれらの混合物から選択される、請求項1又は2に記載の組成物。
  4. 前記真菌が、T・ハルジアヌム HK2、T・アトロビリデ HK4及びT・ビレンス GV41、並びにこれらの混合物から選択される、請求項3に記載の組成物。
  5. 前記真菌の濃度が、1×10~8×10胞子/ml(組成物)であり、好ましくは、2×10~6×10胞子/ml(組成物)であり、さらに好ましくは、3×10~5×10胞子/ml(組成物)である、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物。
  6. 前記リグニン画分が、重量平均分子量2,000~20,000ダルトンのフラグメントを含み、好ましくは、重量平均分子量3,000~20,000ダルトンのフラグメントを含み、さらに好ましくは、重量平均分子量4,000~15,000ダルトンのフラグメントを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
  7. 前記リグニン画分が、重量平均分子量4,000~6,000ダルトン又は9,000~11,000ダルトンのフラグメントを含む、請求項6に記載の組成物。
  8. さらに、リグニン画分の重量に基づいて、最大で30wt%のセルロースを含む、より好ましくは20~30wt%のセルロースを含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の組成物。
  9. - 前記真菌が、トリコデルマ・ハルジアヌム、トリコデルマ・アトロビリデ、トリコデルマ・ビレンス、及びこれらの混合物から選択され;
    - 前記リグニン画分が、サイズ排除クロマトグラフィーで測定した重量平均分子量3,000~20,000ダルトンのフラグメントを含み、前記フラグメントが、重量平均で16~111個のフェニルプロパン単位を含み;且つ、
    真菌の濃度が1×10~8×10胞子/ml(組成物)であり、リグニン画分の濃度が組成物の重量に基づいて0.1wt%~4wt%である、請求項1に記載の組成物。
  10. - 前記真菌が、トリコデルマ・ハルジアヌム、トリコデルマ・アトロビリデ、トリコデルマ・ビレンス、及びこれらの混合物から選択され;
    - 前記リグニン画分が、サイズ排除クロマトグラフィーで測定した重量平均分子量3,000~20,000ダルトンのフラグメントを含み、前記フラグメントが、重量平均で16~111個のフェニルプロパン単位を含み;且つ、
    真菌の濃度が2×10~6×10胞子/ml(組成物)であり、リグニン画分の濃度が組成物の重量に基づいて0.5wt%~3wt%である、請求項9に記載の組成物。
  11. - 前記真菌が、トリコデルマ・ハルジアヌム HK2、トリコデルマ・アトロビリデ HK4、トリコデルマ・ビレンス GV41、及びこれらの混合物から選択され;
    - 前記リグニン画分が、サイズ排除クロマトグラフィーで測定した重量平均分子量4,000~6,000ダルトンのフラグメントを含み、前記フラグメントが、重量平均で22~33個のフェニルプロパン単位を含み;且つ、
    真菌の濃度が3×10~5×10胞子/ml(組成物)であり、リグニン画分の濃度が組成物の重量に基づいて1wt%~2wt%である、請求項10に記載の組成物。
  12. - 前記真菌が、トリコデルマ・ハルジアヌム HK2、トリコデルマ・アトロビリデ HK4、トリコデルマ・ビレンス GV41、及びこれらの混合物から選択され;
    - 前記リグニン画分が、サイズ排除クロマトグラフィーで測定した重量平均分子量9,000~11,000ダルトンのフラグメントを含み、前記フラグメントが、重量平均で50~61個のフェニルプロパン単位を含み;且つ、
    真菌の濃度が3×10~5×10胞子/ml(組成物)であり、リグニン画分の濃度が組成物の重量に基づいて1wt%~2wt%である、請求項10に記載の組成物。
  13. - 前記真菌が、トリコデルマ・ビレンス GV41であり;
    - 前記リグニン画分が、サイズ排除クロマトグラフィーで測定した重量平均分子量9,000~11,000ダルトンのフラグメントを含み、前記フラグメントが重量平均で50~61個のフェニルプロパン単位を含み;且つ、
    真菌の濃度が3×10~5×10胞子/ml(組成物)であり、リグニン画分の濃度が組成物の重量に基づいて1wt%~2wt%の濃度である、請求項12に記載の組成物。
  14. 農業における植物成長促進剤及び果実生産促進剤としての請求項1~13のいずれか一項に記載の組成物の使用。
  15. 請求項1~13のいずれか一項に記載の組成物と農薬添加物を含む農薬製品。
  16. 植物の成長及び果実の生産を促進する方法であって、請求項1~13のいずれか一項に記載の組成物又は請求項15に記載の農薬製品を、植物又は植物の土壌に適用する工程を含む方法。
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