JP2022511733A - セラミック変換要素およびその作製方法 - Google Patents

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Abstract

ここに開示されているのは、セラミック変換要素、発光デバイス、およびセラミック変換要素を作製する方法である。1つの実施形態において、セラミック変換要素には、複数の構造要素を含む構造化上面を備えた中央領域と、中央領域を取り囲みかつ平坦な上面を有するフレームとが含まれ、中央領域とフレームとは一体型で形成されており、セラミック変換要素は、第1放射を、波長範囲の異なる第2放射に変換するように構成されている。

Description

本発明で提供されるのは、セラミック変換要素である。さらに発光デバイスと、セラミック変換要素を作製する方法とが提供される。
背景技術
変換要素は、LED(light emitting diode)またはレーザ(LASER:light amplification by stimulated emission of radiation devices)のような発光デバイスに頻繁に使用されている。これらの発光デバイスの効率は、とりわけ、変換要素の表面構造に依存する。
発明の概要
複数の実施形態により、効率が改善されたセラミック変換要素が提供される。さらに別の複数の実施形態により、このようなセラミック変換要素を有する発光デバイスと、このようなセラミック変換要素を作製する方法とが提供される。
少なくとも1つの実施形態によれば、セラミック変換要素は、第1放射を、波長範囲の異なる第2放射に変換するために形成される。セラミック変換要素は、好ましくは、第1波長範囲の第1放射を第2波長範囲の第2放射に変換する蛍光体を有する。第2波長範囲は、第1波長範囲とは異なり、好ましくは第1波長範囲よりも長い波長を有する。例えば第1放射は、UV光または青色光であってよく、第2放射は、黄色、緑色または赤色のような可視光であってよい。
全セラミック変換要素は、特に好ましくは、完全にセラミック材料から形成される。セラミック変換要素は、好ましくは、モノリシック変換要素である。
少なくとも1つの実施形態によれば、セラミック変換要素は、複数の構造要素を有する構造化上面を備えた中央領域を有する。構造化上面は、中央領域の底面とは反対側であり、いかなる構造要素も有しない。好ましくは、中央領域の底面は、実質的に平坦である。用語「実質的に平坦である」とは、中央領域の底面が、製造許容差の範囲内で平坦であることを意味する。好ましくは、中央領域の底面は、最大で1マイクロメートルの垂直方向の長さを有する凹部または突出部を有する。垂直方向は、セラミック変換要素の主延在面に対して垂直な方向である。
セラミック変換要素の放射出口面は、好ましくは、構造化上面を有する。セラミック変換要素の放射出口面は、好ましくは、第1放射および/または第2放射を放出するように構成されている。換言すると、セラミック変換要素の放射出口面は、好ましくは、セラミック変換要素から大部分の第1放射および/または第2放射が出力結合される表面である。
セラミック変換要素の放射入口面は、好ましくは、中央領域の底面を有する。セラミック変換要素の放射入口面は、好ましくは、第1放射の入口用に構成されている。換言すると、放射入口面は、好ましくは、大部分の第1放射がセラミック変換要素に入力結合される表面である。
構造化上面により、有利には、セラミック変換要素の放射出口面への第1放射および/または第2放射の走入角が変化する。走入角の変化により、放射出口面における第1放射および/または第2放射の全内部反射の発生が少なくなる。したがって放射出口面を介するセラミック変換要素からの第1放射および/または第2放射の出力結合が有利には増大する。さらに、構造化上面の構造要素は、放出される第1放射および/または第2放射の方向を制御できるようにする特定の幾何学形状を有していてよい。
少なくとも1つの実施形態によれば、セラミック変換要素は、中央領域を取り囲むフレームを有する。好ましくは、フレームは、平坦な上面を有する。好ましくは、フレームの平坦な上面は、フレームの底面の反対側に配置される。フレームの上面と底面とは、好ましくは、互いに平行である。
フレームの底面および中央領域の底面は、好ましくは、共通の平面である。好ましくは、フレームの底面および中央領域の底面を有するセラミック変換要素の底面は、実質的に平坦である。ここで用語「実質的に平坦である」とは、フレームの底面および中央領域の底面が、製造許容差の範囲内で平坦であることを意味する。フレームの平坦な上面は、好ましくは、セラミック変換要素の底面に平行である。
フレームの平坦な上面と底面とは、セラミック変換要素の少なくとも1つの側面によって接続されている。さらに、セラミック変換要素の中央領域は、好ましくは、セラミック変換要素の側面から横方向に離隔されている。
セラミック変換要素の中央領域とその側面との間の間隔は、好ましくは、フレームの幅によって決定される。フレームの幅は、好ましくは、少なくとも5マイクロメートルでありかつ最大で500マイクロメートルである。
好ましくは、フレームによって中央領域が完全に取り囲まれる。特に好ましくは、中央領域の構造要素は、セラミック変換要素の側面から離隔されている。特に好ましくは、構造要素は、セラミック変換要素の側面の一部ではない。
さらに、セラミック変換要素の放射出口面は、好ましくは、平坦な上面を有する。しかしながら第1放射および/または第2放射は、大部分が中央領域を介してセラミック変換要素から出力結合される。好ましくは、第1放射および/または第2放射の少なくとも90%、特に好ましくは少なくとも95%が、中央領域を介してセラミック変換要素から出力結合される。
少なくとも1つの実施形態によれば、中央領域とフレームとは一体型で形成されている。好ましくは、セラミック変換要素の中央領域とフレームとは、単一のセラミック変換要素から得られる。したがって中央領域とフレームとは、結合層なしに一体型に接合されかつ機械的に安定した仕方で互いに結合される。
1つの実施形態によれば、第1放射を、波長範囲の異なる第2放射に変換するセラミック変換要素は、複数の構造要素を有する構造化上面を備えた中央領域と、中央領域を取り囲みかつ平坦な上面を有するフレームとを有し、中央領域とフレームとは一体型で形成されている。
少なくとも1つの実施形態によれば、フレームの平坦な上面は、隣接する構造要素間の構造化上面と面一に終端している。この場合、隣接する構造要素間の構造化上面は、共通の平面内に配置されている。このときにこの共通の平面は、フレームの平坦な上面の平面とは別の共通の平面内に配置されている。しかしながら構造要素が凹部または突出部である場合、構造要素の構造化上面は、隣接する構造要素間の構造化上面よりも上または下にあってよい。
「よりも上に」とは、構造要素の構造化上面が、隣接する構造要素間の構造化上面よりも、中央領域の底面からさらに遠くに離れていることを意味する。それゆえに「よりも下に」とは、構造要素の構造化上面が、隣接する構造要素間の構造化上面よりも、中央領域の底面により近いことを意味する。
好ましくは、フレームの平坦な上面は、隣接する構造要素間の構造化上面との共通の平面内にあり、これにより、フレームの平坦な上面と、隣接する構造要素間の構造化上面とは、互いに面一に終端する。
例えば、セラミック変換要素は、中央領域において第1高さおよび第2高さを有していてよい。この場合、第1高さは、直接に隣接する構造要素間の領域における垂直方向の最大長さと定義される。さらに、第2高さは、構造要素の領域における垂直方向の最小長さと定義される。フレームの高さは、底面からフレームの平坦な上面への垂直方向の最大長さと定義される。
好ましくは、フレームの高さと第1高さとは実質的に等しい。用語「実質的に等しい」とは、フレームの高さと第1高さとが、製造許容差の範囲内で等しいことを意味する。さらに、第2高さは、フレームの高さよりも小さくてよい。択一的には、第2高さは、フレームの高さよりも大きい。
少なくとも1つの実施形態によれば、フレームの平坦な上面は、隣接する構造要素間の構造化上面よりも垂直方向に上に突き出ている。例えば、この場合、フレームの高さと第1高さとは異なる。さらに、フレームの高さは、第1高さよりも大きくてよい。これに加えて、第2高さは、フレームの高さよりも小さくてよい。択一的には第2高さは、フレームの高さよりも大きい。
少なくとも1つの実施形態によれば、フレームと中央領域とは、同じ材料から形成される。中央領域とフレームとは、一体型で形成され、すなわち、セラミック変換要素の中央領域とフレームとは、単一のセラミック変換要素から結果的に得られるため、フレームと中央領域とは、同じ材料を有する。
セラミック変換要素の蛍光体には、以下の材料、すなわち、
希土類がドーピングされたガーネット、希土類がドーピングされたアルカリ土類硫化物、希土類がドーピングされたチオガリウム酸塩、希土類がドーピングされたアルミン酸塩、希土類がドーピングされたケイ酸塩、希土類がドーピングされたオルトケイ酸塩、希土類がドーピングされたクロロケイ酸塩、希土類がドーピングされたアルカリ土類ケイ素窒化物、希土類がドーピングされた酸窒化物、希土類がドーピングされたアルミニウム酸窒化物、希土類がドーピングされたケイ素窒化物、希土類がドーピングされたサイアロンのうちの任意の1つが適している。
少なくとも1つの実施形態によれば、構造要素は、規則的なパターンで配置されており、直接に隣接する構造要素間の間隔で互いに離隔されている。構造要素は好ましくは、横方向に離隔されている。直接に隣接する構造要素間の間隔は、好ましくは5マイクロメートル~100マイクロメートル、特に好ましくは10マイクロメートル~50マイクロメートルであってよい。
少なくとも1つの実施形態によれば、構造要素は、不規則なパターンで配置されている。この場合、直接に隣接する構造要素間の間隔は、可変であり、好ましくは5マイクロメートル~100マイクロメートル、特に好ましくは10マイクロメートル~50マイクロメートルである。
少なくとも1つの実施形態によれば、フレームは、直接に隣接する2つの構造要素間の間隔以上の幅を有する。さらに、フレームの幅は、好ましくは、直接に隣接する構造要素間の間隔以上である。択一的には、フレームは、直接に隣接する2つの構造要素間の間隔よりも小さい幅を有する。この場合、フレームの幅は、実現可能な最小幅になり得る。
少なくとも1つの実施形態によれば、構造要素は、変換要素を完全には貫通しない凹部である。中央領域においてセラミック変換要素を貫通しない凹部は、特定の深さを有する。この場合、構造要素の構造化上面は、好ましくは、垂直方向に見て、隣接する構造要素間の構造化上面よりも下に、かつ垂直方向に見て、フレームの平坦な上面よりも下に配置されている。
少なくとも1つの実施形態によれば、構造要素は、互いに平行に延在する溝として形成されている。好ましくは、凹部は、直線的に延在して溝を形成する凹部であってよい。溝は好ましくは、横方向に延在している。さらに、隣接して延在する溝間の間隔は、好ましくは、隣接するすべての溝について一定である。溝は、好ましくは、互いに等間隔に形成される。
1つの実施形態によれば、溝は、第1グループおよび第2グループを有し、第1グループは第2グループに対して横方向に延在している。好ましくは、平行かつ等間隔の溝から成る第1グループは、平行かつ等間隔の溝から成る第2グループに、例えば90°の角度で交差している。
少なくとも1つの実施形態によれば、構造要素は、凹部または突出部として形成されており、凹部または突出部は、行および列に配置されている。構造要素は、好ましくは、規則的なグリッドの格子点に配置されている。グリッドは、例えば、三角形のグリッド、正方形のグリッドまたは六角形のグリッドである。択一的には凹部は、不規則なグリッドの格子点に配置されている。規則的なグリッドまたは不規則なグリッドの格子点は、好ましくは、横方向に延在している。
凹部または突出部は、正方形の形状、台形の形状、角錐の形状、角錐台の形状または円筒形の形状を有していてよい。さらに凹部の深さは、好ましくは、5マイクロメートル~50マイクロメートル、特に好ましくは10マイクロメートル~20マイクロメートルであってよい。択一的には突出部は、好ましくは5マイクロメートル~50マイクロメートル、特に好ましくは10マイクロメートル~20マイクロメートルの高さを有してよい。
さらに、発光デバイスが提供される。上述のセラミック変換要素が、この発光デバイスに使用されるように構成されている。セラミック変換要素に関連して述べた特徴および実施形態は、発光デバイスに関連して実現することも可能であり、またこの逆も可能である。
少なくとも1つの実施形態によれば、発光デバイスは、動作中に放射出口領域から第1放射を放出する放射放出半導体チップを有する。この半導体チップは好ましくは、発光ダイオードチップである。
少なくとも1つの実施形態によれば、発光デバイスは、第1放射を、波長範囲の異なる第2放射に変換するセラミック変換要素を有する。このセラミック変換要素は、好ましくは、上述したセラミック変換要素である。したがってセラミック変換要素に関連して開示されたすべての特徴は、発光デバイスに関連しても開示されており、またこの逆も同様である。
少なくとも1つの実施形態によれば、セラミック変換要素は、半導体チップの放射出口領域に配置されている。セラミック変換要素は、好ましくは、半導体チップのビーム路に配置されている。例えば、セラミック変換要素の放射入口面である、セラミック変換要素の底面は、半導体チップの放射出口面に直接に接触して配置可能である。さらに、セラミック変換要素は、例えばシリコーンを使用して、半導体チップの放射出口面に接着可能である。セラミック変換要素が、放射放出半導体チップと直接に接触する場合、発光デバイスの動作時にセラミック変換要素の特に良好な冷却が可能である。
少なくとも1つの実施形態によれば、発光デバイスは、半導体チップおよび変換要素を取り囲む型枠を有する。この型枠により、好ましくは、半導体チップの少なくとも1つの側面が、取り囲まれ、好ましくは完全に取り囲まれる。半導体チップの側面を完全に取り囲む型枠は、好ましくは、半導体チップの側面に直接に接触する。
さらに、型枠は、横方向にセラミック変換要素を完全に取り囲み、かつ好ましくはセラミック変換要素に直接に接触する。変換要素の側面は、好ましくは少なくともところどころ垂直方向に、型枠によって覆われている。セラミック変換要素の側面が、型枠によって完全に覆われることがさらに可能である。
型枠は、好ましくは、第1放射および/または第2放射に対して反射性に形成される。さらに、型枠には、好ましくは、マトリクス材料が含まれており、このマトリクス材料には、好ましくは、放射反射性粒子が添加される。マトリクス材料は、エポキシまたはシリコーンのような樹脂またはこれらの材料の混合物であってよい。放射反射性粒子は、好ましくは、二酸化チタン粒子である。放射反射性粒子を有する型枠は、好ましくは、第1放射および/または第2放射を少なくとも90%は反射するように形成される。
少なくとも1つの実施形態によれば、セラミック変換要素の構造化上面には型枠がない。好ましくは、型枠は、セラミック変換要素の構造化上面よりも上に垂直方向に突き出ることはない。好ましくは、フレームの平坦な上面にも型枠がない。
変換要素の構造化上面には型枠がないため、一般に第1放射および第2放射は、セラミック変換要素の上面の反射性型枠に起因して、損失なしに変換要素の放射出口面から出力結合される。
少なくとも1つの実施形態によれば、構造要素は、中央領域における構造要素の最大垂直方向長さである第1高さを有する。構造要素が凹部として形成される場合、第1高さは、隣接する構造要素間の構造化上面の高さである。さらに、構造要素が突出部として形成される場合、第1高さは、構造要素の構造化上面の高さである。
少なくとも1つの実施形態によれば、構造要素は、中央領域における構造要素の最小垂直方向長さである第2高さを有する。構造要素が凹部として形成される場合、第2高さは、構造要素の構造化上面の高さである。さらに、構造要素が突出部として形成される場合、第2高さは、隣接する構造要素間の構造化上面の高さである。
少なくとも1つの実施形態によれば、型枠は、第1高さと第2高さとの間の第3高さまで垂直方向に延在している。択一的にはフレームは、第1高さよりも上に突出可能である。
少なくとも1つの実施形態によれば、型枠は、第1高さに等しい第3高さまで垂直方向に延在している。この場合、フレームは、好ましくは、第1高さを有する構造化上面と面一に終端する。
ここで述べられる発光デバイスの1つの着想は、とりわけ、上面の中央領域における構造要素であって、フレームによって取り囲まれている構造要素を有するセラミック変換要素を使用することである。さらに型枠は、好ましくは、その適用中に液状である。型枠は、好ましくは、セラミック変換要素の側面の大きな領域を覆うとよい。というのはこれにより、セラミック変換要素の構造化上面に向かう方向への第1放射および/または第2放射の反射が増大されるからである。有利には、フレームは、型枠の適用中に型枠に対するバリアとして機能し、これにより、液状の型枠は、凹部内または突出部の間に流れ込むことがない。構造化上面には、好適には型枠がなく、これにより、有利には、セラミック変換要素および発光デバイスの効率が増大される。さらに、構造化上面には、好ましくは型枠がないため、セラミック変換要素と、例えば空気との間の屈折率の相違が保たれる。基本的には発光デバイスの輝度は、型枠のない構造化上面により、3%までは増大可能である。さらに、構造化上面により、ΔC(60-0)<0.01まで角度一様性(angular uniformity)が増大される。
さらに、セラミック変換要素を作製する方法が提供される。好ましくは、この方法により、上述のセラミック変換要素が作製される。したがってセラミック変換要素に関連して開示されたすべての特徴は、この方法に関連しても開示されており、またこの逆も同様である。
少なくとも1つの実施形態によれば、この方法は、基体を供給するステップを有する。基体は、グリーン体または焼結された基体のようなセラミック基体であってよい。基体は、好ましくは、第1放射を、波長範囲の異なる第2放射に変換する蛍光体を有する。
少なくとも1つの実施形態によれば、この方法は、中央領域において基体の上面に複数の構造要素を作製するステップを有する。
少なくとも1つの実施形態によれば、この方法は、中央領域を取り囲みかつ平坦な上面を有するフレームを作製するステップを有する。
少なくとも1つの実施形態によれば、基体の中央領域およびフレームを一体型で形成する。
少なくとも1つの実施形態によれば、基体は、セラミック材料を有するグリーン体である。グリーン体を作製するために、好ましくは、セラミック蛍光体粒子と有機バインダとを混合することによってスラリを作製する。引き続き、テープキャスティング加工、射出成形、スリップキャスティング加工、乾式プレス加工、等方圧プレス加工または熱間等方圧プレス加工のような成形法によってグリーン体がスラリから形成される。グリーン体は、形成されたスラリから乾燥することによって得られる。このように作製されるグリーン体はそれぞれ、好ましくは、直方体またはプレートの形状を有する。
少なくとも1つの実施形態によれば、グリーン体を焼結することにより、グリーン体を変換要素に変える。グリーン体の焼結プロセス中、好ましくは、有機バインダを完全に除去する。完成されたセラミック変換要素には、好ましくは、有機バインダがない。
グリーン体を焼結してグリーン体を変換要素に変える間に、完成される変換要素は、グリーン体の体積と比べてサイズが約15~20%は小さくなる。さらに、焼結プロセスの間にグリーン体の構造要素も、好ましくは、約15%~20%は縮む。
少なくとも1つの実施形態によれば、第1ツールによって未焼結グリーン体に構造要素を作製する。またフレームも、第2ツールによって未焼結グリーン体に作製可能である。
少なくとも1つの実施形態によれば、第1ツールは、エンボス加工によって未焼結グリーン体に構造要素を作製するように形成されている。第1ツールは好ましくは、スタンプを有する。さらに、好ましくは、スタンプのパターンをグリーン体に転写するスタンプにより、グリーン体に構造要素をエンボス加工する。このエンボス加工は、スタンプ、ホットプレスまたはローラを使用するなどのいくつかの仕方で行うことが可能である。好ましくは、グリーン体の構造要素の反転した幾何学形状に対応する凹部または突出部として、スタンプのパターンを形成する。
少なくとも1つの実施形態によれば、第2ツールは、打ち抜き加工によって未焼結グリーン体にフレームを作製するように形成されている。好ましくは、第2ツールは打ち抜き加工ツールである。さらに、焼結状態または未焼結状態のグリーン体は、打ち抜き加工によって分離可能である。この分離により、基体はより小さい部品に切り離される。打ち抜き加工のステップ中、基体の横方向の寸法を規定可能である。
択一的には、基体は、切断加工を介して複数の部分に切り離し可能である。
少なくとも1つの実施形態によれば、レーザである第1ツールにより、焼結グリーン体に構造要素を作製する。レーザスクライビング加工のようなレーザ構造化により、焼結グリーン体に構造要素を作製する。択一的には、レーザにより、未焼結グリーン体に構造要素を作製可能である。
レーザ構造化は、エンボス加工に対して、扱いがより容易であるという利点を有する。さらに、レーザ構造化を使用する場合の歩留まりは、他の手法と比べて良好である。しかしながらレーザ構造化は、かなり低速であり、したがってエンボス加工に比べて高価である。
少なくとも1つの実施形態によれば、エンボス加工および打ち抜き加工によって基体に構造要素を作製するためにかつフレームを作製するために形成されている第3ツールにより、未焼結グリーン体に構造要素およびフレームを作製する。この場合、第1ツールおよび第2ツールは、好ましくは、一緒に第3ツールに組み込まれる。
少なくとも1つの実施形態によれば、構造要素の作製中に中実の打ち抜き型の上に一時的に基体を配置する。構造要素を作製するために、スタンプを有する第1ツールまたは第3ツールを基体に押し付ける必要がある。それゆえに中実の打ち抜き型である支持体の上に基体を配置する必要がある。
少なくとも1つの実施形態によれば、フレームを作製する間に、中空の打ち抜き型の上に一時的に基体を配置する。好ましくは、中空の打ち抜き型は、開口部を有し、この開口部は、構造要素が配置されかつ中央領域である領域よりも横方向に大きな領域を有する。
中央領域を有する基体を中空の打ち抜き型の上に配置し、これにより、中央領域が、好ましくは、開口部の中央に配置されるようにする。引き続き、平面図で見て、開口部に重なる基体の領域を、第2ツールまたは第3ツールにより、開口部を通して押圧するかまたは打ち抜く。基体は、好ましくは、打ち抜きによって分離され、すなわち、基体は、より小さい部分に切り離される。開口部の領域は、好ましくは、中央領域の領域よりも大きいため、切り離される基体の縁部領域によってフレームが形成される。
例示的な実施形態および関連する図を参照して、以下、本明細書に記載されたセラミック変換要素と、発光デバイスと、セラミック変換要素を作製する方法とをより詳しく説明する。
例示的な1つの実施形態による、セラミック変換要素の概略平面図である。 例示的な1つの実施形態による発光デバイスの概略断面図である。 別の例示的な1つの実施形態による発光デバイスの概略断面図である。 さらに別の例示的な1つの実施形態による発光デバイスの概略断面図である。 セラミック変換要素の表面形態を表す例示的な走査電子顕微鏡画像を示す図である。 別のセラミック変換要素の表面形態を表す例示的な走査電子顕微鏡画像を示す図である。 例示的な1つの実施形態にしたがって、セラミック変換要素を作製する方法の方法ステップの概略断面図を示している。 例示的な1つの実施形態にしたがって、セラミック変換要素を作製する方法の別の方法ステップの概略断面図を示している。 例示的な1つの実施形態にしたがって、セラミック変換要素を作製する方法のさらに別の方法ステップの概略断面図を示している。
複数の図において同じ要素、類似の要素または同じ作用の要素には同じ参照符号が付されている。図および図に表されている要素の相互間の大きさの比は、縮尺通りに描画されていない。むしろ個々の要素、特に層厚は、より説明し易くするために、かつ/またはわかり易くするために誇張して大きく表されることがある。
例示的な実施形態の詳細な説明
図1の例示的な実施形態によるセラミック変換要素1は、複数の構造要素4を有する構造化上面3を備えた中央領域2を有する。
構造化上面3は、セラミック変換要素の放射出口面17を形成する。放射出口面の反対側にある中央領域の底面は、セラミック変換要素の放射入口面18を形成する。変換要素により、第1放射が第2放射に変換される。例えば、変換要素により、青色光が黄色光に変換される。第1放射および第2放射は、大部分が、セラミック変換要素の放射出口面17から出力結合される。
構造要素4は、凹部9または突出部11として形成される。構造要素4は、横方向に延在する規則的な三角形のグリッドの格子点に配置されている。凹部または突出部は、正方形の形状を有する。さらに、凹部の深さは、5マイクロメートル~50マイクロメートル、好ましくは10マイクロメートル~20マイクロメートルであってよい。択一的には、突出部は、好ましくは5マイクロメートル~50マイクロメートル、特に好ましくは10マイクロメートル~20マイクロメートルの高さを有してよい。
構造要素4は、規則的な三角形のパターンで配置されているため、隣接する構造要素4は、互いに離隔されており、これにより、隣接する構造要素間の間隔8が存在する。隣接する構造要素間の間隔8は、ここでは、隣接する構造要素4の対向する側面の間隔である。
さらに、セラミック変換要素1は、中央領域2を取り囲むフレーム5を有し、フレーム5は、平坦な上面6を有する。フレーム5の平坦な上面6と底面とは、セラミック変換要素の少なくとも1つの側面25によって接続されている。さらに、セラミック変換要素1の中央領域2は、セラミック変換要素の側面25から横方向に離隔されており、これによってフレーム5の幅7が定められる。
フレーム5は、中央領域2を完全に取り囲んでいる。したがって、構造要素4は、セラミック変換要素の側面25とはまったく接触しない。さらに、フレーム5の幅7は、隣接する構造要素の間隔8よりも大である。
セラミック変換要素1の中央領域2とフレーム5とは一体型で形成されている。中央領域2とフレーム5とは、いかなる境界もなく互いに連続して接続されている。
図2Aの例示的な実施形態による発光デバイスは、セラミック変換要素1および放射放出半導体チップ12を有する。半導体チップ12は、第1放射が出力結合される放射出口領域16を有する。
セラミック変換要素1は、半導体チップの放射出口領域16の上に配置されている。さらに、セラミック変換要素1は、半導体チップ12のビーム路に配置されている。セラミック変換要素の放射入口面18は、半導体チップの放射出口面16に直接に接触して配置されている。
第1放射および第2放射に対して反射性に形成されている型枠13により、半導体チップ12およびセラミック変換要素1が取り囲まれている。型枠13は、半導体チップ12の少なくとも1つの側面を完全に取り囲みかつ覆っている。さらに、型枠13は、半導体チップ12の側面に直接に接触している。
さらに、型枠13は、セラミック変換要素1を横方向に完全に取り囲んでおり、かつセラミック変換要素1に直接に接触している。変換要素の側面25は、ところどころ型枠13によって覆われている。セラミック変換要素1の構造化上面3には型枠13がない。特に、キャスティングプロセス中にセラミック変換要素1の構造化上面3が型枠材料によって汚染されてしまうことが、フレーム5によって阻止される。
構造要素4は、中央領域2における構造要素4の最大垂直方向長さである第1高さ14を有する。さらに、構造要素4は、中央領域2における構造要素4の最小垂直方向長さである第2高さ15を有する。型枠13は、第1高さ14と第2高さ15との間の第3高さまで垂直方向に延在している。したがってフレーム5は、第1高さ14よりも上には配置されていないか、または第2高さ15よりも下には配置には配置されていない。しかしながら、型枠13は、第1高さ14を有する構造化上面3と面一で終端してよい。
図2Bの例示的な実施形態による発光デバイスの構造要素4は、図2Aの例示的な実施形態とは異なり、角錐の形状を有する凹部9として形成されている。ここでは、構造要素の構造化上面は、隣接する構造要素間の構造化上面よりも下にある。
さらに、図2Cの例示的な実施形態による発光デバイスの構造要素4は、図2Bの例示的な実施形態とは異なり、角錐台の形状を有する突出部11として形成されている。この場合、構造要素の構造化上面は、隣接する構造要素間の構造化上面よりも上にある。
図3の走査電子顕微鏡画像には、焼結後のセラミック変換要素が示されている。
構造要素4は、互いに平行に延在する溝10として形成されている。隣接して延在する溝10間の間隔は、すべての隣接溝10について一定である。溝10は、互いに等間隔に形成されている。ここでは溝は、レーザプロセスによって作製される。
図4の走査電子顕微鏡画像には、図3とは別のセラミック変換要素1が示されている。図4に示されている変換要素は、第1グループの溝と第2グループの溝とを有する。平行かつ等間隔の溝10から成る第1グループは、平行かつ等間隔の溝10から成る第2グループに90°の角度で交差している。
セラミック変換要素1は、縁部に凹部を有する。好ましくは、凹部は、接続領域であってよい領域にセラミック変換要素1がないようにする。この接続領域において半導体チップ12は、例えばボンディングワイヤによって導電接続可能であってよい。
図5~図7の実施形態の方法は最初に、図5に示したように、構造要素4が作製される基体21を供給するステップを有する。ここでは、基体21は、グリーン体であり、構造要素4は、第1ツール19によって作製される。第1ツール19は、エンボス加工によって構造要素4を作製する。
第1ツール19は、グリーン体にスタンプのパターンを転写するスタンプを有する。スタンプのパターンは、構造要素4の反転した幾何学形状に対応する凹部または突出部として形成されている。
中実の打ち抜き型22の上に一時的にグリーン体を配置する。引き続き、第1ツール19のスタンプをグリーン体に押し付け、これにより、グリーン体の上面の中央領域に構造要素4を形成する。
図6によれば、次のステップにおいて、中空の打ち抜き型23の上にグリーン体を一時的に配置する。中空の打ち抜き型23は、開口部24を有し、開口部24は、構造要素4が配置されかつ中央領域2である領域よりも横方向に大きな領域を有する。
中央領域2を有するグリーン体を中空の打ち抜き型23の上に配置し、これにより、中央領域2が、開口部24の中央に配置される。引き続き、平面図で見て開口部24に重なるグリーン体の領域を、第2ツール20により、開口部24を通して押圧するかまたは打ち抜く。
開口部24の領域は好ましくは、グリーン体の中央領域の領域よりも大きいため、切り離されたグリーン体の縁部領域により、フレーム5が形成される。
引き続き、グリーン体を焼結してセラミック変換要素1にする。グリーン体を焼結する間に、完成される変換要素は、グリーン体の体積と比べてサイズが約15~20%は小さくなる。さらに、焼結プロセスの間に構造要素4も好ましくは、約15%~20%は縮む。
本発明は、実施形態の説明に限定されない。むしろ本発明には、任意の新たな特徴も、特徴の任意の組み合わせ、特に特許請求の範囲の特徴の任意の組み合わせも含まれ、このことは、これらの特徴または特徴のこの組み合わせそれ自体が、特許請求の範囲または実施形態に明に示されていないとしても当てはまるものである。
この特許出願は、米国特許出願番号第16/196775号明細書の優先権を主張し、その開示内容は、参照によって本明細書に含まれる。
1 セラミック変換要素
2 中央領域
3 構造化上面
4 構造要素
5 フレーム
6 平坦な上面
7 フレームの幅
8 隣接する構造要素間の間隔
9 凹部
10 溝
11 突出部
12 半導体チップ
13 型枠
14 第1高さ
15 第2高さ
16 半導体チップの放射出口領域
17 セラミック変換要素の放射出口領域
18 セラミック変換要素の放射入口領域
19 第1ツール
20 第2ツール
21 基体
22 中実の打ち抜き型
23 中空の打ち抜き型
24 開口部
25 セラミック変換要素の側面

Claims (20)

  1. セラミック変換要素(1)であって、
    複数の構造要素(4)を有する構造化上面(3)を備えた中央領域(2)と、
    前記中央領域(2)を取り囲みかつ平坦な上面(6)を有するフレーム(5)と、
    を有し、
    前記中央領域(2)と前記フレーム(5)とは一体型で形成されており、
    前記セラミック変換要素(1)は、第1放射を、波長範囲の異なる第2放射に変換するように構成されている、セラミック変換要素(1)。
  2. 前記フレーム(5)の前記平坦な上面(6)は、隣接する前記構造要素(4)間の前記構造化上面(3)と面一に終端している、請求項1記載のセラミック変換要素(1)。
  3. 前記フレーム(5)の前記平坦な上面(6)は、隣接する前記構造要素(4)間の前記構造化上面(3)よりも垂直方向に上に突き出ている、請求項1記載のセラミック変換要素(1)。
  4. 前記フレーム(5)と前記中央領域(2)とは、同じ材料から形成される、請求項1から3までのいずれか1項記載のセラミック変換要素(1)。
  5. 前記構造要素(4)は、規則的なパターンで配置されておりかつ互いに離隔されており、これにより、直接に隣接する前記構造要素(4)間に間隔が空けられており、前記フレーム(5)は、前記間隔以上の幅を有する、請求項1から4までのいずれか1項記載のセラミック変換要素(1)。
  6. 前記構造要素(4)は、不規則なパターンで配置されている、請求項1から4までのいずれか1項記載のセラミック変換要素(1)。
  7. 前記構造要素(4)は、前記変換要素(1)を完全には貫通しない凹部(9)である、請求項1から6までのいずれか1項記載のセラミック変換要素(1)。
  8. 前記構造要素(4)は、互いに平行に延在する溝(10)として形成されている、請求項1から7までのいずれか1項記載のセラミック変換要素(1)。
  9. 前記溝(10)は、第1グループおよび第2グループを有し、前記第1グループは、前記第2グループに対して横方向に延在している、請求項8記載のセラミック変換要素(1)。
  10. 前記構造要素(4)は、凹部(9)または突出部(11)として形成されており、前記凹部(9)または前記突出部(11)は、行および列で配置されている、請求項1から9までのいずれか1項記載のセラミック変換要素(1)。
  11. 発光デバイスであって、
    動作中に放射出口領域(16)から第1放射を放出するように構成された放射放出半導体チップ(12)と、
    前記半導体チップの前記放射出口領域(16)に配置されている、請求項1から10までのいずれか1項記載の前記セラミック変換要素(1)と、
    前記半導体チップ(12)および前記変換要素(1)を取り囲む型枠(13)と、を有し、
    前記変換要素(1)の前記構造化上面(3)には前記型枠(13)がない、発光デバイス。
  12. 前記構造要素(4)は、前記中央領域(2)における前記構造要素(4)の最大垂直方向長さである第1高さ(14)と、前記中央領域(2)における前記構造要素(4)の最小垂直方向長さである第2高さ(15)とを有し、
    前記型枠(13)は、前記第1高さ(14)と前記第2高さ(15)との間の第3高さまで垂直方向に延在しているか、または前記型枠(13)は、前記第1高さ(14)に等しい第3高さまで垂直方向に延在している、請求項11記載の発光デバイス。
  13. セラミック変換要素(1)を作製する方法であって、
    前記変換要素(1)は、第1放射を、波長範囲の異なる第2放射に変換するように構成されており、前記方法では、
    中央領域(2)において基体(21)の上面に複数の構造要素(4)を作製し、
    前記中央領域(2)を取り囲みかつ平坦な上面(6)を有するフレーム(5)を作製し、
    前記基体(21)の前記中央領域(2)および前記フレーム(5)を一体型で形成する、方法。
  14. 前記基体(21)は、セラミック材料を有するグリーン体である、請求項13記載の方法。
  15. さらに、前記グリーン体を焼結することにより、前記グリーン体を前記変換要素(1)に変える、請求項14記載の方法。
  16. エンボス加工によって未焼結の前記グリーン体に前記構造要素(4)を作製するように形成されている第1ツール(19)により、未焼結の前記グリーン体に前記構造要素(4)を作製する、請求項14または15記載の方法。
  17. 打ち抜き加工によって未焼結の前記グリーン体に前記フレーム(5)を作製するように形成されている第2ツール(20)により、未焼結の前記グリーン体に前記フレーム(5)を作製する、請求項14から16までのいずれか1項記載の方法。
  18. レーザである第1ツール(19)によって前記焼結グリーン体に前記構造要素(4)を作製する、請求項14または15記載の方法。
  19. エンボス加工および打ち抜き加工によって前記基体(21)に前記構造要素(4)を作製するためにかつ前記フレーム(5)を作製するために形成されている第3ツールにより、前記未焼結グリーン体に前記構造要素(4)および前記フレーム(5)を作製する、請求項14または15記載の方法。
  20. 前記構造要素(4)を作製する間に、中実の打ち抜き型(22)の上に一時的に前記基体(21)を配置し、前記フレーム(5)を作製する間に、中空の打ち抜き型(23)の上に一時的に前記基体(21)を配置する、請求項13から19までのいずれか1項記載の方法。
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