JP2022510912A - インクジェットインク - Google Patents

インクジェットインク Download PDF

Info

Publication number
JP2022510912A
JP2022510912A JP2021530105A JP2021530105A JP2022510912A JP 2022510912 A JP2022510912 A JP 2022510912A JP 2021530105 A JP2021530105 A JP 2021530105A JP 2021530105 A JP2021530105 A JP 2021530105A JP 2022510912 A JP2022510912 A JP 2022510912A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
inkjet ink
weight
ink according
inkjet
alkanolamine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2021530105A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7336520B2 (ja
Inventor
雄大 松本
ダニエル サンカー
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kao Corp filed Critical Kao Corp
Publication of JP2022510912A publication Critical patent/JP2022510912A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7336520B2 publication Critical patent/JP7336520B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D11/00Inks
    • C09D11/02Printing inks
    • C09D11/10Printing inks based on artificial resins
    • C09D11/106Printing inks based on artificial resins containing macromolecular compounds obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D11/00Inks
    • C09D11/30Inkjet printing inks
    • C09D11/38Inkjet printing inks characterised by non-macromolecular additives other than solvents, pigments or dyes
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41MPRINTING, DUPLICATING, MARKING, OR COPYING PROCESSES; COLOUR PRINTING
    • B41M5/00Duplicating or marking methods; Sheet materials for use therein
    • B41M5/0023Digital printing methods characterised by the inks used
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D11/00Inks
    • C09D11/02Printing inks
    • C09D11/10Printing inks based on artificial resins
    • C09D11/102Printing inks based on artificial resins containing macromolecular compounds obtained by reactions other than those only involving unsaturated carbon-to-carbon bonds
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D11/00Inks
    • C09D11/02Printing inks
    • C09D11/10Printing inks based on artificial resins
    • C09D11/106Printing inks based on artificial resins containing macromolecular compounds obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds
    • C09D11/107Printing inks based on artificial resins containing macromolecular compounds obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds from unsaturated acids or derivatives thereof
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D11/00Inks
    • C09D11/30Inkjet printing inks
    • C09D11/36Inkjet printing inks based on non-aqueous solvents

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)
  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Ink Jet (AREA)

Abstract

(A)テルペンフェノール樹脂及び(B)アルカノールアミンを含むインクジェットインクであって、長いデキャップ時間、及び基材上に塗布した際に迅速な乾燥性を有することを特徴とするインクジェットインク。乾燥形態のインクジェットインクを含む印刷物、及びサーマルインクジェットプリントヘッドを用いて印刷画像を形成する方法も提供される。

Description

本発明は、インクジェットインクに関し、具体的には、(A)テルペンフェノール樹脂及び(B)アルカノールアミンを含むインクジェットインクに関する。
本明細書で提供される「背景技術」の説明は、本開示の文脈を一般的に提示するためのものである。この背景技術の項に記載されている範囲での本発明者らの研究、ならびに出願時に従来技術とみなされない可能性がある説明の態様は、本発明に対する従来技術として明示的にも暗示的にも認められない。
サーマルインクジェット(TIJ)印刷は、連続式インクジェット法等の当分野で競合する技術よりも低コストで高い印刷解像度を提供するので、印刷、コーディング、及びマーキングに望ましい技術である。サーマルインクジェット印刷プロセスでは、プリントカートリッジは一連の小さなチャンバを含み、各チャンバはヒータを含み、インク溶媒の熱蒸発からインク液滴を生成する。噴射プロセスでは、抵抗器が急速に加熱されて蒸気泡を生成し(これが「バブルジェット」という言葉の由来である)、続いてオリフィスから液滴を噴射する。このプロセスは極めて効率的かつ再現可能であり、工業用グラフィックス用途のための最新のTIJプリントヘッドは、36kHz以上の周波数で4pL以下の体積の均一な液滴を生成することができる。
しかしながら、サーマルインクジェット印刷は、経時的な信頼性の低下が問題となり得る。例えば、いくつかのインクジェットインクは、キャップされていないプリントヘッド内の空気への長期曝露による溶媒損失が、プリントヘッドノズルの目詰まり/詰まりをもたらし、したがって、経時的な信頼性の低いインク噴射及び画質浸食をもたらす、不十分なデキャップ挙動(例えば、短いデキャップ時間)に悩まされる。他方で、キャップされていないプリントヘッド設定におけるこのような早期の溶媒損失を防止するために考案された高沸点成分を有する特別な溶媒系の使用は、長い乾燥時間を必要とし、したがって、全体的に非効率的な印刷プロセスとなる。そのため、デキャップ時間(溶媒損失の速度が速すぎる場合)と乾燥時間(溶媒損失の速度が遅すぎる場合)という相反する問題のバランスをとることがしばしば困難である。
特許文献1及び特許文献2は、テルペンフェノール樹脂をフェノール樹脂又はポリアミド樹脂と組み合わせて利用することによって、乾燥時間とデキャップ時間との間の合理的なバランスを提供することが報告されているインクシステムを開示している(それぞれ、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。しかしながら、これらのシステムは、複数の樹脂材料の使用を必要とし、デキャップ及び乾燥時間性能において適度にしか機能しない。
米国特許出願公開第2017/0037269号明細書 米国特許出願公開第2018/0072902号明細書
上記を考慮すると、デキャップ時間が長く、塗布されるとすぐに乾燥するインクジェットインクが必要とされている。
したがって、本発明の1つの目的は、これらの基準を満たす新規なインクジェットインクを提供することである。
本開示の別の目的は、インクジェットインクの乾燥形態を含む、新規な印刷物を提供することである。
本開示の別の目的は、インクジェットインクを基材上に塗布し、乾燥させることによって、基材上に印刷画像を形成する新規な方法を提供することである。
これら及び他の目的は、以下の詳細な説明中に明らかになるであろうが、テルペンフェノール樹脂及びアルカノールアミンの組合せにより、デキャップ時間が長く、同時に塗布後の速乾性を特徴とするインクジェットインクを予想外に提供するという本発明者らの発見によって達成された。
したがって、本発明は以下を提供する。
(1)(A)テルペンフェノール樹脂と、(B)アルカノールアミンとを含有するインクジェットインク。
(2)前記テルペンフェノール樹脂(A)が、モノテルペンと、少なくとも1つの水酸基と、前記少なくとも1つの水酸基に対してオルト位及び/又はパラ位にある少なくとも2つの置換可能な水素原子とを含むフェノール化合物との間の反応から形成されるコポリマーである、(1)に記載のインクジェットインク。
(3)前記モノテルペンが、3-カレン、α-ピネン、β-ピネン、及びカンフェンからなる群から選択される少なくとも1つの二環式モノテルペンである、(2)に記載のインクジェットインク。
(4)前記フェノール化合物がフェノールである、(2)又は(3)に記載のインクジェットインク。
(5)前記テルペンフェノール樹脂(A)の水酸基価が10~80mgKOH/gである、(1)~(4)のいずれかに記載のインクジェットインク。
(6)前記テルペンフェノール樹脂(A)が、前記インクジェットインクの総重量に基づいて0.1~10重量%の量で存在する、(1)~(5)のいずれかに記載のインクジェットインク。
(7)前記アルカノールアミン(B)が2~8個の炭素原子を含む、(1)~(6)のいずれかに記載のインクジェットインク。
(8)前記アルカノールアミン(B)が、前記インクジェットインクの総重量に基づいて5重量%までの量で存在する、(1)~(7)のいずれかに記載のインクジェットインク。
(9)前記アルカノールアミン(B)が、エタノールアミン、プロパノールアミン、イソプロパノールアミン、ジエタノールアミン、及びトリエタノールアミンからなる群より選択される少なくとも1つである、(1)~(8)のいずれかに記載のインクジェットインク。
(10)テルペンフェノール樹脂(A)とアルカノールアミン(B)との重量比((A):(B))が0.5:1~15:1である、(1)~(9)のいずれかに記載のインクジェットインク。
(11)(E)シリコーンアクリレートコポリマーを更に含む、(1)~(10)のいずれかに記載のインクジェットインク。
(12)前記シリコーンアクリレートコポリマー(E)がグラフトコポリマーである、(11)に記載のインクジェットインク。
(13)前記シリコーンアクリレートコポリマー(E)が、前記インクジェットインクの総重量に基づいて5重量%までの量で存在する、(11)又は(12)に記載のインクジェットインク。
(14)(F)着色剤を更に含む、(1)~(13)のいずれかに記載のインクジェットインク。
(15)ケトン溶媒を実質的に含まない、(1)~(14)のいずれかに記載のインクジェットインク。
(16)2-プロパノールを実質的に含まない、(1)~(15)のいずれかに記載のインクジェットインク。
(17)基材と、前記基材上に配置された(1)~(16)のいずれかに記載のインクジェットインクの乾燥形態とを含む、印刷物。
(18)基材上に印刷画像を形成する方法であって、サーマルインクジェットプリントヘッドを用いて(1)~(16)のいずれかに記載のインクジェットインクを前記基材上に塗布することと、前記インクジェットインクを乾燥させることとを含む、方法。
(19)前記インクジェットインクが、30秒以下の間空気に曝されたままにすることによって乾燥される、(18)に記載の方法。
(20)前記インクジェットインクを乾燥させるためにヒーターを使用しない、(18)又は(19)に記載の方法。
前述の段落は、一般的な紹介のために提供されたものであり、以下の特許請求の範囲を限定することを意図したものではない。記載された実施形態は、さらなる利点とともに、以下の詳細な説明を参照することによって最もよく理解されるであろう。
以下の説明では、他の実施形態が利用されてもよく、本明細書に開示される本実施形態の範囲から逸脱することなく、構造的及び動作的変更が行われてもよいことを理解されたい。
「実質的に含まない」という語句は、特に明記しない限り、インクジェットインク中の特定の成分の量が、インクジェットインクの総重量に対して1重量%未満、好ましくは0.5重量%未満、より好ましくは0.1重量%未満、更により好ましくは0.05重量%未満、なお更により好ましくは0重量%であることを表す。
本明細書で使用される場合、「任意選択の」又は「任意選択に」という用語は、続いて記載される事象が起こり得るかもしくは起こり得ないか、又は続いて記載される成分が存在し得るかもしくは存在し得ない(例えば、0重量%)ことを意味する。
「アルキル」という用語は、本明細書で使用される場合、別段の指定がない限り、1~22個、好ましくは2~20個、好ましくは3~18個の炭素原子を有する直鎖、分枝鎖、又は環状の脂肪族フラグメントを指す。アルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、3-メチルペンチル、2,2-ジメチルブチル、2,3-ジメチルブチル、ラウリル、ミリスチル、セチル、ステアリル等が挙げられ、ゲルベ型アルキル基(例えば、2-メチルペンチル、2-エチルヘキシル、2-プロピルへプチル、2-ブチルオクチル、2-ペンチルノニル、2-ヘキシルデシル、2-ヘプチルウンデシル、2-オクチルドデシル、2-ノニルトリデシル、2-デシルテトラデシル、及び2-ウンデシルペンタデシル)を含むが、これらに限定されない。シクロアルキルは環化アルキル基の一種である。例示的なシクロアルキル基としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ノルボルニル、及びアダマンチルが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される場合、「アリール」という用語は、芳香環中に炭素のみを含む芳香族基(例えば、フェニル、ビフェニル、ナフチル、アントラセニル等)を指す。
「(メタ)アクリレート」という用語は、本明細書では、アクリレート基及びメタクリレート基の両方を指すために使用される。言い換えれば、この用語は、「メタ」が任意選択であると読まれるべきである。また、「(メタ)アクリレート」は、アクリル酸系化合物及びアクリル酸エステル系化合物の両方を総称して用いられるものとする。
本明細書で言及される「デキャップ挙動」という用語は、空気に長期間曝された場合に、インクジェットインクがプリントヘッドから容易に吐出される能力を意味する。インクジェットインクの「デキャップ時間」は、潜在的に印刷再開時の目詰まりや詰まりが原因で、プリンタのノズルが適切に作動しなくなる前に、インクジェットプリントヘッドのキャップを外したままにしておくことができる時間として測定される。一般的に、ノズルは、溶媒の損失、インクの痂皮化、及び/又はノズル内及び/又はノズル周辺の様々なインク成分のコゲーションの結果としてノズル内に形成される粘性プラグによって、目詰まりを起こす(すなわち、妨害される、減速される)、又は詰まる(すなわち、塞がれる、実質的に又は完全に閉鎖される)ことがある。ノズルが目詰まりした場合、ノズルのオリフィスを通して吐出されるインク液滴が誤った方向に向けられ、印刷品質に悪影響を及ぼす可能性がある。オリフィスが詰まると、実質的に又は完全に塞がれる。ノズルが詰まった結果、インク液滴は、影響を受けたノズルを通過できなくなる場合がある。したがって、ノズルによる発射の失敗を測定する基準は、ノズルのオリフィスを通るインクの方向が多少なりとも間違っていること、又は完全に詰まっていることであり、これは、印刷された画像を視覚的に検査することによって測定することができる。その最も単純な形態では、デキャップ時間を決定するための1つの方法は、プリントヘッドノズルを用いて所与のテストパターンを印刷して、それらの動作状態を検証することを含む。これに続いて、ノズルを印刷又は吐出することなく、ノズルを一定時間空気に曝す。次に、全てのノズルが、再度、所定のテストパターンで印刷される。次に、テストパターンを比較して、弱い又は誤った方向のノズルの数を決定する。最悪の場合、このようなノズルの目詰まり又は詰まりによって、ノズルによる発射が完全にできなくなる。
[インクジェットインク]
本開示は、周囲の温度及びプリントヘッドの動作温度の両方で適切な物理的及び化学的安定性を有し、確実に噴射され、基材上に塗布された後に依然として迅速に乾燥する(例えば、30秒以下の乾燥時間)一方で、長期デキャップ時間を有するインクジェットインクを対象とする。本明細書に開示される成分の組み合わせは、驚くべきことに、速い乾燥時間と長いデキャップ時間との間のバランスをとることが見出された。
本開示のインクジェットインクは、一般に、以下の成分:(A)テルペンフェノール樹脂及び(B)アルカノールアミンを含み、任意選択で、(C)エタノール、(D)1-プロパノール、(E)シリコーンアクリレートコポリマー、(F)着色剤、及び(G)添加剤のうちの1種以上を含む。
[(A)テルペンフェノール樹脂]
テルペンフェノール樹脂(A)は、1種以上のフェノール化合物と1種以上のテルペンとのアルキル化による共重合反応生成物であり、粘着付与効果を与えるためにインク及び接着剤に使用されている。当業者に知られているように、このような樹脂は、強酸、縮合効果を有する金属塩、漂白土、フリーデルクラフト触媒(例えば、三フッ化ホウ素)等の触媒作用下でフェノール及びテルペンモノマーを共重合することによって容易に得ることができる。共重合反応生成物は、フェノール化合物由来の構成単位及びテルペン由来の構成単位以外の他の構成単位を有していてもよい。他の構成単位の量は、共重合反応生成物の全構成単位(100モル%)に基づいて、好ましくは5モル%未満、好ましくは3モル%未満、好ましくは1モル%未満、好ましくは実質的に含まない。
本明細書で利用されるテルペンフェノール樹脂(A)は、フェノール化合物によってアルキル化され得る少なくとも1つのオレフィン性二重結合を有する任意のテルペンに基づき得る。テルペンは、基本骨格(Cを有し、式中、pは、連続的に頭尾結合しているイソプレン単位の数を表す正の整数である。例えば、ヘミテルペン(p=1)はC骨格を有し、モノテルペン(p=2)はC1016骨格を有し、セスキテルペン(p=3)はC1524骨格を有する等である。
いくつかの実施形態において、テルペンフェノール樹脂(A)は、モノテルペンモノマー単位に基づく。モノテルペンは、直鎖モノテルペン(例えば、ミルセン、オシメン等)、単環式モノテルペン(例えば、リモネン、γ-テルピネン、α-フェランドレン、β-フェランドレン、テルピノレン等)、又は二環式モノテルペン(例えば、3-カレン、α-ピネン、β-ピネン、α-フェンチェン、カンフェン等)であり得、それらの種々の立体異性体ならびにそれらの混合物を含む。好ましい実施形態では、モノテルペンは二環式モノテルペンであり、特に好ましくは3-カレン、α-ピネン、β-ピネン、及びカンフェン、より好ましくはα-ピネン及び/又はβ-ピネンである。
フェノール化合物は、フェニル環に直接結合した少なくとも1つの水酸基を有する。フェノール化合物が少なくとも1つの水酸基に対してオルト位及び/又はパラ位に少なくとも2つの置換可能な水素原子を有するならば、すべての一価又は多価フェノール化合物が本明細書に記載のテルペンフェノール樹脂の調製に有用である。すなわち、フェノール化合物は、テルペン(複数可)でポリアルキル化(例えば、ビスアルキル化)されることが可能であるべきであり、したがって、アルキル化のために少なくとも1つの水酸基に対して少なくとも2つの利用可能なオルト位/パラ位を有するべきである。
好ましい実施形態では、フェノール化合物はフェノールであり、これは親の非置換フェノール化合物と考えられる(すなわち、フェニル環に直接結合した1つの水酸基を含有し、他の置換はない)。あるいは、フェノール化合物は、フェノール性水酸基に加えて3つまでの位置で置換され得、ここで、フェノールの芳香族水素のうちの1個、2個又は3個は、同数の置換基(各々独立して、水酸基;C~C22アルキル基、好ましくはC~C18アルキル基、より好ましくはC~C12アルキル基、更により好ましくはC~Cアルキル基(例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル);C~C22アルコキシ基、好ましくはC~C12アルコキシ基、より好ましくはC~Cアルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ及びイソプロポキシ);アリール基;アリールアルキル基(例えば、ベンジル基);ならびにハロ基(例えば、塩素、臭素、フッ素及びヨウ素)から選択される)で置換される。
置換フェノール化合物の具体例としては、o-クレゾール、m-クレゾール、p-クレゾール、2,5-キシレノール、2,3-キシレノール、3,4-キシレノール、3,5-キシレノール、2、3、5-トリメチルフェノール、イソプロピルフェノール(例えば、4-イソプロピルフェノール)、tert-ブチルフェノール(例えば、4-tert-ブチルフェノール)、アミルフェノール(例えば、4-tert-アミルフェノール)、ヘプチルフェノール(例えば、4-ヘプチルフェノール)、オクチルフェノール(例えば、o-オクチルフェノール、p-オクチルフェノール等)、ノニルフェノール(例えば、4-(2,4-ジメチルヘプタン-3-イル)フェノール)、デシルフェノール、ドデシルフェノール、ジフェニロールプロパン(ビスフェノール-A)、フェニルフェノール(例えば、3-フェニルフェノール)、クミルフェノール、メキノール、ベンジルオキシフェノール、グアイアコール、エトキシフェノール(例えば、4-エトキシフェノール)、並びにレゾルシノール、ピロガロール、カテコール、及びp-ハイドロキノン等の多価フェノール化合物(上記のいずれかの2つ以上の混合物を含む)が挙げられるが、これらに限定されない。ナフトール(例えば、1-ナフトール、2-ナフトール等)及び類似の化合物等の縮合環フェノールも含まれる。
好ましい実施形態では、インクジェットインクに用いられるテルペンフェノール樹脂(A)は、α-ピネン及びフェノールから形成されるコポリマーである。
テルペンフェノール樹脂(A)は、インクジェットインクの総重量に基づいて、少なくとも0.1重量%、好ましくは少なくとも0.5重量%、好ましくは少なくとも1重量%、好ましくは少なくとも1.5重量%、好ましくは少なくとも2重量%、好ましくは少なくとも2.5重量%、及び10重量%まで、好ましくは9重量%まで、好ましくは8重量%まで、好ましくは7重量%まで、好ましくは6重量%まで、好ましくは5重量%まで、好ましくは4重量%まで、好ましくは3重量%までの量でインクジェットインク中に存在し得る。
テルペンフェノール樹脂(A)の分子量は、多くの他の要因の中でも、利用されるモノマー、反応条件に応じて変化し得るが、典型的には、少なくとも400g/mol、好ましくは少なくとも500g/mol、より好ましくは少なくとも600g/mol、更に好ましくは少なくとも700g/mol、及び3,000g/molまで、好ましくは2,500g/molまで、より好ましくは2,000g/molまで、更に好ましくは1,500g/molまでの重量平均分子量を有するテルペンフェノール樹脂(A)が使用される。
水酸基価(OHV)は、遊離水酸基を含む化学物質1gをアセチル化する際に取り込まれる酢酸を中和するのに必要な水酸化カリウムのmg数として定義される。したがって、水酸基価、又はテルペンフェノール樹脂(A)の相対水酸基含有量の尺度は、テルペンフェノール樹脂(A)内のフェノール化合物の含有量と直接相関し、より高い水酸基価は、コポリマーへのより高いフェノール化合物の組み込み(及びより低いテルペン組み込み)を示す。水酸基価は、日本工業規格JIS K0070:1992「化学製品の酸価、けん化価、エステル価、よう素価、水酸基価及び不けん化物の試験方法」に準拠して求めることができる。
開示されるインクジェットインクに用いられるテルペンフェノール樹脂(A)の水酸基価は様々であってよいが、典型的には、少なくとも10mgKOH/g、好ましくは少なくとも15mgKOH/g、好ましくは少なくとも20mgKOH/g、好ましくは少なくとも22mgKOH/g、好ましくは少なくとも24mgKOH/g、好ましくは少なくとも26mgKOH/g、好ましくは少なくとも28mgKOH/g、好ましくは少なくとも30mgKOH/g、好ましくは少なくとも32mgKOH/g、好ましくは少なくとも34mgKOH/g、より好ましくは少なくとも36mgKOH/g、更により好ましくは少なくとも38mgKOH/g、なお更により好ましくは少なくとも40mgKOH/g、なお更により好ましくは少なくとも46mgKOH/gの水酸基価を有し、かつ80mgKOH/gまで、好ましくは76mgKOH/gまで、好ましくは72mgKOH/gまで、好ましくは70mgKOH/gまで、好ましくは68mgKOH/gまで、好ましくは66mgKOH/gまで、より好ましくは64mgKOH/gまで、更により好ましくは62mgKOH/gまで、なお更により好ましくは60mgKOH/gまでの水酸基価を有するものが好ましい。このようなテルペンフェノール樹脂(A)の好適な例としては、ヤスハラケミカル株式会社から入手可能なU130ポリスター(OHV=25mgKOH/g)、U115ポリスター(OHV=30mgKOH/g)、T160ポリスター(OHV=60mgKOH/g)、T145ポリスター(OHV=65mgKOH/g)、及びPinova社から入手可能なDERTOPHENE T(OHV=40mgKOH/g),DERTOPHENE T160(OHV=60mgKOH/g)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
インクジェットインクは、テルペンフェノール樹脂(A)に加えて、テルペンフェノール樹脂について上述した量の他の粘着付与剤又は接着剤物質を任意選択に含有してもよい。
このような追加の粘着付与剤又は接着剤物質としては、以下のものが挙げられるが、これらに限定されない。
フェノール樹脂(すなわち、フェノール化合物とホルムアルデヒドとのコポリマー)、例えば、DIC株式会社から入手可能なフェノライトTD-2131及びフェノライトTD-2090等のノボラック樹脂;
テルペン樹脂(すなわち、テルペンモノマーのみから作製されたホモポリマー又はコポリマー)、例えば、ヤスハラケミカル株式会社から入手可能なYS樹脂PX1250、YS樹脂PX1150、YS樹脂PX1000、YS樹脂PX800、YS樹脂PX1150N、及びYS樹脂PX300N;
ロジンエステル樹脂であり、アビエチン型又はピマル型の樹脂酸を主成分とするロジンと、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリエチレングリコール等のアルコール類とのエステルであり得、例えばハリマ化成社から入手可能なハリエスター製品、イーストマン社からの入手可能なSTAYBELITE ESTER 10-E、荒川化学工業株式会社から入手可能なスーパーエステルA-125、スーパーエステルA-75、ペンセルD-125、パインクリスタルKE-359、Pinova社から入手可能なFORAL85及びPENTALYN製品;
ポリアミド樹脂、例えば、BASFジャパン株式会社から入手可能なVERSAMID725、744、756、759、Sanho Chemical Co.Ltd.から入手可能なTOHMIDE90、92、394-N、及びEvonikから入手可能なSUNMIDE550、554、615A、638、640;
エポキシ樹脂、例えばRit-Chemから入手可能なAD-PRO MTS;
アクリル樹脂、例えばBASFから入手可能なJONCRYL 63、JONCRYL 67、JONCRYL 682、JONCRYL 693;
ポリウレタン樹脂、例えばLubrizolから入手可能なPERMAX200、PERMAX202、及びSANCURE20025F;
ポリビニルブチラール樹脂、例えばKuraray America,Inc.から入手可能なPIOLOFORM BN16及びMOWITAL B20H;
ビニル樹脂、例えば、Dow Chemical Companyから入手可能なUCAR VYHH、VMCH、VMCA、及びVATF、ならびにWacker Chemie AG(ドイツ)から入手可能なVINNOL E15/45、H14/36、E15/45M、及びE16/40A;
等、それらの混合物を含む。
いくつかの実施形態では、インクジェットインクは、フェノール樹脂を実質的に含まない。いくつかの実施形態では、インクジェットインクは、テルペン樹脂を実質的に含まない。いくつかの実施形態では、インクジェットインクはロジンエステル樹脂を実質的に含まない。いくつかの実施形態では、インクジェットインクはポリアミド樹脂を実質的に含まない。好ましい実施形態において、テルペンフェノール樹脂(A)は、インクジェットインク中に存在する唯一の粘着付与剤又は接着剤樹脂である。
[(B)アルカノールアミン]
アルカノールアミンは、水酸基(-OH)及びアミノ基(第一級、第二級、又は第三級)の両方を含有するアルカン系化合物である。
いくつかの実施形態において、アルカノールアミン(B)は、合計で、少なくとも2個の炭素原子、好ましくは少なくとも3個の炭素原子、好ましくは少なくとも4個の炭素原子、及び8個までの炭素原子、好ましくは7個までの炭素原子、より好ましくは6個までの炭素原子、より好ましくは5個までの炭素原子を有する。
好ましい実施形態では、本明細書のインクジェットインクに使用されるアルカノールアミン(B)は、以下の一般式Iを有する。
Figure 2022510912000001
(式中、X、Y及びZは、独立して、水素;C~Cアルキル基、好ましくはC~Cアルキル基;及びアルカノール基、好ましくはC~Cアルカノール基、より好ましくはC~Cアルカノール基からなる群から選択され、式中、X、Y及びZの少なくとも1つはアルカノール基(少なくとも1つの水酸基を有するアルキル置換基)である。)
いくつかの実施形態において、X、Y、及びZのうちの1つは、アルカノール基である。いくつかの実施形態において、X、Y、及びZのうちの2つは、アルカノール基である。いくつかの実施形態において、X、Y及びZはすべてアルカノール基である。
1つ以上のアルカノール基に関して、そのアルキル鎖は分枝を含んでもよい。あるいは、アルカノール基のアルキル鎖は直鎖(アルキル分岐を含まない)であってもよい。好ましい実施形態では、アルカノール基(複数可)は直鎖アルキル鎖に基づく。更に、アルカノール基の水酸基含有炭素は、第一級、第二級、又は第三級炭素であってもよく、好ましくは水酸基含有炭素は第一級又は第二級炭素である。
アルカノールアミン(B)は、第一級アミノ基(すなわち、X、Y、及びZのうちの2つが水素である)、第二級アミノ基(すなわち、X、Y、及びZのうちの1つが水素である)、又は第三級アミノ基(すなわち、X、Y、及びZがすべて非水素である)を含有し得る。第二級アミノ基を含有するアルカノールアミン(B)を採用する場合、2つの非水素置換基は、同じ又は異なるアルカノール基でもよく、好ましくは、例えばジエタノールアミンの場合のように同じアルカノール基であってもよい。第三級アミノ基を含有するアルカノールアミン(B)を採用する場合、3つの非水素置換基は、同じ又は異なるアルカノール基でもよく、好ましくは、例えばトリエタノールアミンの場合のように同じアルカノール基であってよい。
アルカノールアミン(B)の好適な例としては、エタノールアミン、N-メチルエタノールアミン、N,N-ジメチルエタノールアミン、N-エチルエタノールアミン、N-プロピルエタノールアミン、N-イソプロピルエタノールアミン、N,N-ジイソプロピルエタノールアミン、N-ブチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、N-メチルジエタノールアミン、N-エチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、プロパノールアミン(3-アミノ-1-プロパノール)、N-メチルプロパノールアミン、N,N-ジメチルプロパノールアミン、ジプロパノールアミン、トリプロパノールアミン、イソプロパノールアミン、N,N-ジメチルイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、2-アミノ-2-エチル-1,3-プロパンジオール、4-アミノ-1-ブタノール、2-アミノ-1-ブタノール、sec-ブタノールアミン、及びジ-sec-ブタノールアミンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。好ましい実施形態において、アルカノールアミン(B)は、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、プロパノールアミン(3-アミノ-1-プロパノール)、及びイソプロパノールアミンからなる群から選択される少なくとも1つである。
いくつかの実施形態において、アルカノールアミン(B)は、インクジェットインクの総重量に対して、5重量%まで、好ましくは4重量%まで、好ましくは3重量%まで、好ましくは2.5重量%まで、好ましくは2重量%まで、好ましくは1.5重量%まで、好ましくは1重量%まで、好ましくは0.5重量%まで、好ましくは0.25重量%までの量でインクジェットインク中に存在する。いくつかの実施形態では、テルペンフェノール樹脂(A)とアルカノールアミン(B)との重量比((A):(B))は、少なくとも0.5:1、好ましくは少なくとも0.7:1、好ましくは少なくとも1:1、好ましくは少なくとも2:1、より好ましくは少なくとも3:1、更により好ましくは少なくとも4:1であり、かつ15:1まで、好ましくは13:1まで、好ましくは11:1まで、好ましくは10:1まで、好ましくは9:1まで、好ましくは8:1まで、より好ましくは7:1まで、更により好ましくは6:1まで、なお更により好ましくは5:1までである。
テルペンフェノール樹脂(A)とアルカノールアミン(B)との組み合わせが、優れた乾燥時間及び同時に優れたデキャップ時間を有するインクジェットインクを提供することが見出された。理論に束縛されるものではないが、アルカノールアミン(B)のアミン官能基及びヒドロキシル官能基の両方の存在は、テルペンフェノール樹脂(A)との高親和性相互作用を形成し、この高親和性相互作用は、インクジェットインクが基材上に塗布された後の速い乾燥時間を依然として可能にする一方で、早期の溶媒損失を防止することによって望ましいデキャップ時間を提供すると考えられる。
一方、アルカノールアミン(B)成分なしで配合されたインクジェットインク、又はアルカノールアミン(B)成分がアミン官能基のみを含有する(すなわち、1つ以上のアミン官能基を含有し、ヒドロキシル官能基を含有しない)同様のアミン化合物で置換したインクジェットインクは、デキャップ後10分以内に起こるノズルの誤発射に伴う不十分な(すなわち、短い)デキャップ時間に悩まされることが見出されている。このようなアミン化合物としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、メチルジエチルアミン、エチルジメチルアミン、トリイソプロピルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、プロピルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、エチレンジアミン、及びジエチレントリアミンが挙げられ得るが、これらに限定されるものではない。
[溶媒系]
溶媒系インクを利用する多くの印刷プロセスにおいて、特にサーマルインクジェット印刷において、適切な溶媒系の選択は、印刷プロセスの信頼性、印刷されたインク製品の特性/外観、及び全体的な印刷プロセス効率に影響を及ぼし得る。例えば、サーマルインクジェット印刷では、溶媒系の選択は、1)噴射プロセス中の気泡形成を助けて、確かなインク噴射をもたらし、2)溶媒と様々なインクジェットインク成分との間の相互作用力を変化させることによってインクジェットインクの安定性/揮発性に影響を与え、したがってデキャップ挙動、コゲーション、及び/又は液滴軌道に影響を与え、3)溶媒系と他のインクジェットインク成分との間の相互作用力によって、溶媒が乾燥後にもはや存在しなくても、又はより少ない量で存在しても、印刷画像の接着、摩擦及び引っかき抵抗性、ならびに光学濃度特性に影響を与え、及び/又は4)塗布後の乾燥時間又は塗布したインクを乾燥させるのに必要な装置に影響を与えることができる。
上記に照らして、特に好ましいのは、(C)エタノールを更に含むインクジェットインクである。エタノール(C)の含有は、インクジェットインク成分の溶媒和を助け、乾燥時間の目的のために許容可能な揮発性を有するインクジェットインクを提供し得る。エタノール(C)は、本明細書のインクジェットインクに使用される溶媒系の大部分を構成することが好ましい。いくつかの実施形態において、エタノール(C)は、インクジェットインクの総重量に基づいて、少なくとも30重量%、より好ましくは少なくとも40重量%、更により好ましくは少なくとも50重量%、なお更により好ましくは少なくとも60重量%、及び85重量%まで、好ましくは80重量%まで、より好ましくは75重量%まで、更により好ましくは70重量%まで、なお更により好ましくは69重量%までの量で、インクジェットインク中に存在する。
インクジェットインクはまた、好ましくは、(D)1-プロパノールを含むように配合される。1-プロパノール(D)は、高分子成分(例えば、テルペンフェノール樹脂(A))との親和性が高く、なおかつ、n-プロピル鎖の疎水性により、水素結合が多くなりすぎないため、速乾性が実現できる可能性がある。いくつかの実施形態において、1-プロパノール(D)は、インクジェットインクの総重量に基づいて、少なくとも10重量%、好ましくは少なくとも15重量%、より好ましくは少なくとも18重量%、更により好ましくは少なくとも20重量%、及び40重量%まで、好ましくは35重量%まで、より好ましくは30重量%まで、更により好ましくは25重量%までの量でインクジェットインク中に存在する。
好ましい実施形態では、インクジェットインクは、(C)エタノールと(D)1-プロパノールとの組み合わせを含む。このようなブレンドは、エタノール(C)と1-プロパノール(D)の両方からの有利な特徴を組み込むことができ、したがって、インクジェットインクの長いデキャップ時間と速い乾燥時間の特性を増強することができる。合わせて考えると、インクジェットインク中のエタノール(C)及び1-プロパノール(D)の合計重量((C)+(D))は、インクジェットインクの総重量に基づいて、典型的には少なくとも50重量%、好ましくは少なくとも55重量%、より好ましくは少なくとも60重量%、更により好ましくは少なくとも65重量%、なお更により好ましくは少なくとも70重量%、及び95重量%まで、好ましくは90重量%まで、より好ましくは85重量%まで、更により好ましくは80重量%まで、なお更により好ましくは75重量%までである。好ましい実施形態では、エタノール(C)と1-プロパノール(D)との重量比((C):(D))は、少なくとも1.5:1、好ましくは少なくとも2:1、好ましくは少なくとも2.5:1、より好ましくは少なくとも3:1、更により好ましくは少なくとも3.5:1であり、かつ8:1まで、好ましくは7:1まで、より好ましくは6:1まで、更により好ましくは5:1まで、なお更により好ましくは4:1までである。
好ましい実施形態では、本開示のインクジェットインクは実質的に非水性であり、これは、周囲条件に由来する偶発的な量の水分以外の水がインクジェットインクに添加されないことを意味する。このような場合、インクジェットインクは、インクジェットインクの総重量に基づいて、1重量%未満、好ましくは0.5重量%未満、好ましくは0.1重量%未満、好ましくは0.05重量%未満、好ましくは0.01重量%未満、より好ましくは0重量%の水を有し得る。
エタノール(C)及び1-プロパノール(D)に加えて、インクジェットインクは、1種以上の追加の有機溶媒を任意選択に含有してもよい。存在する場合、追加の有機溶媒は、20重量%まで、好ましくは15重量%まで、好ましくは10重量%まで、好ましくは5重量%まで、より好ましくは4重量%まで、更により好ましくは2重量%まで、なお更により好ましくは1重量%までの量で含まれ得る。例示的な追加の有機溶媒としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない。
1~8個の炭素原子を含む低級アルコール、例えばメタノール、1-ブタノール、2-ブタノール、2-プロパノール;
グリコールエーテル類、例えばエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ-n-プロピルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、エチレングリコールモノ-t-ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ-t-ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ-t-ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ-n-プロピルエーテル、プロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ-n-プロピルエーテル、及びジプロピレングリコールモノイソプロピルエーテル;
エーテル(非グリコールエーテル)、例えばジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、メチルtert-ブチルエーテル、ジブチルエーテル、ジオキサン、及びテトラヒドロフラン等の4~8個の炭素原子を含むエーテル;
ケトン類、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、3-ペンタノン及びシクロヘキサノンを含む3~6個の炭素原子を含むケトン類;
3~8個の炭素原子を有するものを含むエステル、例えばメチルアセテート、エチルアセテート、n-ブチルアセテート、メチルラクテート、エチルラクテート、メトキシエチルアセテート、エトキシエチルアセテート、メトキシプロピルアセテート、エトキシプロピルアセテート;
等、並びにそれらの2種以上の混合物。
好ましい実施形態において、エタノール(C)及び1-プロパノール(D)だけが、インクジェットインク中に存在する1~8個の炭素原子を有する低級アルコールであり、すなわち、インクジェットインクは、エタノール(C)及び1-プロパノール(D)以外のすべての低級アルコール(1~8個の炭素原子を有する)を実質的に含まない。特に、インクジェットインクは、好ましくは、2-プロパノール及び1-ブタノールを実質的に含まない。いくつかの実施形態において、インクジェットインクは、ケトン溶媒を実質的に含まず、特に、インクジェットインクは、好ましくは、メチルエチルケトン及びアセトンを実質的に含まない。いくつかの実施形態において、インクジェットインクは、追加の有機溶媒、すなわち、エタノール(C)及び1-プロパノール(D)以外の有機溶媒を実質的に含まない。
[(E)シリコーンアクリレートコポリマー]
インクジェットインクは、任意選択に、(E)シリコーンアクリレートコポリマーを界面活性剤として含んでもよい。このような界面活性剤の組み込みは、インクジェットインクに有利なノズル吐出特性、並びにレベリング及び基材濡れ特性を提供することができ、したがって改善された全体的な印刷画像品質に寄与する。(メタ)アクリレート部分及びシリコーン部分等の別個の材料から作られたコポリマーを使用することによって、単一の成分がインクジェットインクに複数の有益な特性を提供することができる。例えば、(メタ)アクリレート部分は、有利なレベリング及び基材濡れを提供することができ、シリコーン部分は、望ましいクレーター防止特性を提供することができる。
インクジェットインク中で任意選択に使用されるシリコーンアクリレートコポリマー(E)は、当業者に公知の方法に従って、例えば、米国特許第5219560号(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載されているように、例えば、少なくとも1つの重合性基(例えば、鎖の末端の一方又は両方の末端に)を含むポリオルガノシロキサンマクロマーと(メタ)アクリレートモノマーとの重合(例えば、フリーラジカル重合)又はグラフト化によって得ることができる。好ましくは、シリコーンアクリレートコポリマー(E)は、ポリシロキサン(ポリオルガノシロキサン)変性ポリ(メタ)アクリレート、すなわち、ポリ(メタ)アクリレート主鎖と、アクリル主鎖にグラフトされたポリオルガノシロキサンとから構成されるコポリマー(すなわち、グラフトコポリマー)である。好ましい実施形態では、シリコーンアクリレートコポリマー(E)の大部分はポリ(メタ)アクリレートである。好ましい実施形態において、シリコーンアクリレートコポリマー(E)は、シリコーンアクリレートコポリマー(E)の総重量に基づいて、少なくとも1重量%、好ましくは少なくとも2重量%、より好ましくは少なくとも3重量%、更により好ましくは少なくとも4重量%、及び20重量%まで、好ましくは15重量%まで、より好ましくは10重量%まで、更により好ましくは8重量%までのポリオルガノシロキサン含有量を有する。
ポリオルガノシロキサンマクロマーは、適切に官能化されたシランの重合及び/又は重縮合から形成することができ、(四価)ケイ素原子に直接結合したアルキル及び/又はアリール基を有するポリシロキサン主鎖構造(ケイ素原子は酸素原子、-Si-O-Si-を介して互いに結合している)を有する、様々な分子量の直鎖構造の任意の有機ケイ素ポリマー又はオリゴマーに基づくことができる。例えば、ポリオルガノシロキサン主鎖は、主鎖中の各ケイ素原子が2つのメチル基に直接結合しているポリジメチルシロキサン主鎖であってもよい。本明細書で使用されるシリコーンアクリレートコポリマー(E)を得るために使用され得るポリオルガノシロキサンマクロマーは、好ましくはポリシロキサン鎖の末端の少なくとも一方に位置する少なくとも1つの重合性基を含有してもよく、すなわち、ポリオルガノシロキサンマクロマーは、例えば、ポリシロキサン鎖の両末端に重合性基を有してもよく、又はポリシロキサン鎖の一方の末端に重合性基を有し、鎖の他方の末端に非重合性末端基(例えば、トリメチルシラン、トリフェニルシラン、フェニルジメチルシラン等)を有してもよい。いくつかの実施形態では、重合性基は、スチレニル型基(CH=C(R)-アリーレン-)又は(メタ)アクリレート基、特にCH=CR-CO-O-R-によって表される基であってもよく、式中、Rは水素又はメチル基であり、Rは、1~10個の炭素原子、好ましくは2~8個の炭素原子、好ましくは3~6個の炭素原子を有し、任意選択にエーテル結合(例えば、1個、2個、3個、4個等のエーテル結合)をその中に含有する二価の直鎖又は分岐鎖炭化水素基である。好ましい実施形態において、Rは、-(CH-(n=1~10)、-CHCH(CH)CH-、-CHCHOCHCH-、-CHCHOCHCHCH(CH)CH-、及びCHCHOCHCHOCHCHCH-である。
シリコーンアクリレートコポリマー(E)は、(メタ)アクリル酸(アクリル酸及びメタクリル酸)ならびにアリール又はアルキル(メタ)アクリレートエステルであってもよいエステル変異体の両方を含む、多種多様な(メタ)アクリレートモノマーを使用して作製されてもよい。ポリ(メタ)アクリレート主鎖は、1種類のモノマーを使用する場合にはホモポリマーであってもよく、あるいは2種類以上の(メタ)アクリレートモノマーが重合される場合にはコポリマーであってもよい。好ましい実施形態において、(メタ)アクリレートモノマーは、(メタ)アクリレートアルキルエステルであり、これは、直鎖、分枝鎖又は環状アルキルエステル、例えば、アクリレート及びメタクリレートのC~C22アルキルエステル、好ましくはC~C20アルキルエステル、好ましくはC~C18アルキルエステルから選択され得る。いくつかの実施形態では、アルキル基は、メチル、エチル、ブチル、ステアリル、イソステアリル、及び2-エチルヘキシル、ならびにそれらの混合物から選択される。好適な(メタ)アクリレートモノマーとしては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n-ブチルアクリレート、tert-ブチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、トリデシルアクリレート、ステアリルアクリレート、イソステアリルアクリレート、ベヘニルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n-ブチルメタクリレート、tert-ブチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、2-エチルヘキシルメタクリレート、トリデシルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、イソステアリルメタクリレート、ベヘニルメタクリレート、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、シリコーンアクリレートコポリマー(E)は、3,000g/molから、好ましくは4,000g/molから、より好ましくは5,000g/molから、更により好ましくは8,000g/molから、なお更により好ましくは10,000g/molから、及び500,000g/molまで、好ましくは400,000g/molまで、より好ましくは300,000g/molまで、更により好ましくは200,000g/molまで、なお更により好ましくは100,000g/molまでの重量平均分子量を有する。
インクジェットインクに使用する場合、シリコーンアクリレートコポリマー(E)は、そのまま使用してもよく、あるいは、2~8個の炭素原子を含有する低級アルコール(例えば、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール等)、エステル溶媒(例えば、メトキシエチルアセテート、エトキシエチルアセテート、メトキシプロピルアセテート、エトキシプロピルアセテート、ブチルアセテート等)又は油(例えば、シクロペンタシロキサン)等の有機溶媒に分散又は溶解させてもよい。いくつかの実施形態において、分散液又は溶液として使用される場合、溶媒はエステル溶媒であり、最も好ましくはメトキシプロピルアセテートである。いくつかの実施形態では、分散液又は溶液の固形分は、分散液/溶液の総重量に対して、少なくとも30重量%、好ましくは少なくとも40重量%、好ましくは少なくとも50重量%であり、かつ60重量%まで、好ましくは55重量%まで、好ましくは52重量%までである。
市販されており、本明細書に記載のインクジェットインクに使用することができるシリコーンアクリレートコポリマー(E)の代表的な例としては、KP-541、KP-543、KP-545、KP-550、KP-575(ポリジメチルシロキサン側鎖でグラフトされたアクリルポリマー、信越化学株式会社から入手可能)、BYK-3550(ビックケミー・ジャパン株式会社から入手可能)(これらの混合物を含む)が挙げられるが、これらに限定されない。好ましい実施形態では、シリコーンアクリレートコポリマー(E)はBYK-3550である。
シリコーンアクリレートコポリマー(E)は、インクジェットインクの総重量に基づいて、少なくとも0.01重量%、好ましくは少なくとも0.05重量%、好ましくは少なくとも0.1重量%、及び5重量%まで、好ましくは4重量%まで、好ましくは3重量%まで、好ましくは2.5重量%まで、好ましくは2重量%まで、好ましくは1.5重量%まで、好ましくは1重量%まで、好ましくは0.5重量%までの量で使用され得る。
[(F)着色剤]
当業者であれば、インクジェットインクに着色剤を任意選択に含有させて、様々な印刷目的に使用できる着色インクを提供することができ、インクジェットインクは特定の色に限定されるものではないことを容易に理解することができる。インクジェットインクには、所望の色を出すために、染料、顔料、それらの混合物等を含み、インクジェットインク内に溶解又は分散可能な任意の着色剤を採用することができる。適切な色は、例えば、シアン、マゼンタ、イエロー、及びキー(ブラック)(「CMYK」)、ホワイト、オレンジ、グリーン、ライトシアン、ライトマゼンタ、バイオレット等を含み、スポットカラー及びプロセスカラーの両方を含む。一般に、着色剤は、インクジェットインクの総重量に対して、少なくとも0.1重量%、好ましくは少なくとも0.5重量%、好ましくは少なくとも1重量%、好ましくは少なくとも2重量%、好ましくは少なくとも3重量%、及び20重量%まで、好ましくは15重量%まで、好ましくは10重量%まで、好ましくは8重量%まで、好ましくは7重量%までの量で使用することができる。
(染料)
インクジェットインクは、種々の染料、特に好ましくは金属錯体染料と配合することができる。
(顔料)
インクジェットインクは、種々の無機顔料及び/又は有機顔料と配合することができる。インクジェットインクに色を与えることに加えて、そのような顔料は、印刷画像の耐光性、耐候性等を改善することができる。
[(G)添加剤]
既に述べた成分に加えて、インクジェットインクはまた、様々なインク特性及び性能を改善するために様々な添加剤(G)と配合することができる。例えば、インクジェットインクは、コゲーション防止剤、界面活性剤、安定剤、及びセキュリティタガントのうちの1種以上を任意選択に含有することができる。
[製造方法]
本明細書に記載されるインクジェットインクの実施形態は、当業者に公知の任意の好適な技術によって、例えば、成分(A)テルペンフェノール樹脂及び(B)アルカノールアミンを、任意の選択された有機溶媒(例えば、(C)エタノール及び/又は(D)1-プロパノール)及び任意の所望の任意選択の成分(例えば、(E)シリコーンアクリレートコポリマー、(F)着色剤、及び/又は添加剤(G))と任意の順序で組み合わせ、均一な溶液が形成されるまで20~100℃の温度で撹拌、かき混ぜ、及び/又は均一化することによって調製され得る。
一例では、インクジェットインクは、最初に任意の溶媒(例えば、エタノール(C)及び1-プロパノール(D))を容器内でアルカノールアミン(B)と組み合わせ、続いて任意のポリマー成分(例えば、テルペンフェノール樹脂(A)及びシリコーンアクリレートコポリマー(E))及び任意の所望の添加剤(G)を添加し、均一な溶液が形成されるまで混合することによって作製されてもよい。次いで、着色剤(F)を、混合を続けながら最終成分として添加してもよく、次いで、溶液を少なくとも30分間混合して、インクジェットインクを得てもよい。次いで、得られたインクジェットインクを、ヒューレットパッカード社製のHP45SI等の印刷カートリッジに入れることができる。
[特性]
他の利点の中でも、本明細書に開示されるインクジェットインクは、長いデキャップ時間と塗布後の迅速な乾燥時間という優れた組み合わせを有する。
乾燥時間は、インクジェットインクをソリッドブロック画像(例えば、1cm×10cm)の形態で基材上に塗布し、インクジェットインクが周囲条件下(室温、約23℃の空気中、熱を加えない)で乾燥するのを一定時間、例えば、5、10、15、20、25、又は30秒間待ち、次いで、指による摩耗試験を行って、試験した時間間隔で印刷画像から指に色が転写するかどうかを試験することによって測定することができる。色移りが生じた場合、試験した乾燥時間は、完全な乾燥を達成するのに十分ではない(「不良」、NGと評価)。色移りが生じない場合、試験した乾燥時間は、完全な乾燥を達成するのに十分である(「良好」、Gと評価)。「良好」評価を達成するために30秒を超える乾燥時間を必要とする任意のインクジェットインクは、許容できない(遅い乾燥)とみなされ、一方、30秒以下の乾燥時間で「良好」評価を達成するものは、許容可能(すなわち迅速)とみなされる。好ましい実施形態において、本開示のインクジェットインクは、許容可能な(迅速な)乾燥時間を有し、塗布後30秒以内、好ましくは25秒以内、より好ましくは20秒以内、更により好ましくは15秒以内に乾燥する。
本明細書に開示されるインクジェットインクはまた、細線画像(1mm×1cm、細線、モノクロビットマップ)を印刷し、インクジェットインクを特定の時間空気に曝露し(インクカートリッジをデキャップする)、同じ細線画像を再印刷し、デキャップ後に再印刷した画像を元の画像と比較してノズルの損失が生じたかどうかを判定することによって測定される、長いデキャップ時間を有する。テストした時間間隔でノズル抜けがない場合、インクジェットインクに「良好」なデキャップ評価を与える。そうではなく、ノズル抜けが存在する場合、インクジェットインクは、その時間間隔で「不良」として分類される。10分間以上デキャップされた場合に「良好」なデキャップ評価を維持するインクジェットインクは、許容可能な(長い又は長期の)デキャップ時間を有すると考えられる。好ましい実施形態において、本開示のインクジェットインクは、デキャップ時間、すなわち、デキャップされた(すなわち、空気に曝露された)場合に「良好」なデキャップ分類を維持する時間が、10分以上、好ましくは30分以上、より好ましくは1時間以上、更により好ましくは2時間以上、なお更により好ましくは4時間以上である。換言すれば、インクジェットインクは、10分以上、好ましくは30分以上、より好ましくは1時間以上、更により好ましくは2時間以上、なお更により好ましくは4時間以上空気に曝露された(すなわち、デキャップされた)場合であっても、元の印刷画像と実質的に同一である印刷画像を形成することができる。もちろん、定義上、特定の時間(例えば10分)にわたってデキャップしたときに「良好」なデキャップ分類を維持する条件を満たすインクジェットインクは、その特定の時間間隔までのすべての時間(例えば10分までのすべての時間)においても「良好」なデキャップ分類も達成することを認識すべきである。
いくつかの実施形態において、インクジェットインクは、6.0以上、好ましくは6.5以上、好ましくは7.0以上、好ましくは7.5以上、好ましくは8.0以上、及び9.5まで、好ましくは9.3まで、好ましくは9.0まで、好ましくは8.8まで、好ましくは8.6まで、好ましくは8.4までのpHを有する。
[印刷物]
インクジェットインクは、多種多様な印刷物の製造のために、三次元部品ならびにロール形態で供給される平坦なシート又はウェブを含む様々な基材上に印刷することができる。更に、基材は、様々な表面タイプ、例えば、平坦な表面、構造化された表面、例えば粒状化された表面、及び三次元表面、例えば湾曲した及び/又は複雑な表面を有することができる。このような印刷物は、グラフィックアート、テキスタイル、パッケージング、宝くじ、ビジネスフォーム、出版等の業界に適しており、その例としては、タグやラベル、宝くじ券、出版物、パッケージング(例えば、軟包装)、折り畳み式カートン、硬質容器(例えば、プラスチックカップや桶、ガラス容器、金属缶、ボトル、ジャー、チューブ)、店頭ディスプレイ等が挙げられる。
インクジェットインクは、多孔質又は浸透性基材上に印刷されてもよく、その例としては、非コート紙、木材、膜、及び布(例えば、織布、不織布、及びホイルラミネート布が挙げられるが、これらに限定されない)が挙げられるが、これらに限定されない。
インクジェットインクはまた、非多孔性又は非浸透性基材、例えば、様々なプラスチック、ガラス、金属、及び/又は非浸透紙(例えば、コート紙)上に印刷されてもよい。これらとしては、成形プラスチック部品ならびにプラスチックフィルムの平坦なシート又はロールが挙げられ得るが、これらに限定されない。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、二軸延伸ポリスチレン(OPS)等のポリエステル、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、延伸ポリプロピレン(OPP)等のポリオレフィン、ポリ乳酸(PLA)、延伸ナイロン、ポリ塩化ビニル(PVC)、セルローストリアセテート(TAC)、ポリカーボネート、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリアセタール、ポリビニルアルコール(PVA)等を含むものが挙げられる。好ましい実施形態では、基材はPETフィルムであり、その一例は帝人製のU292Wである。
[印刷画像の形成方法]
インクジェット印刷では、ドットの正確なパターンが、プリントヘッドとして知られる液滴生成デバイスから印刷媒体上に吐出されると、所望の印刷画像が形成される。プリントヘッドは、ノズルプレート上に配置され、インクジェットプリントヘッド基材に取り付けられた、正確に形成されたノズルのアレイを有する。インクジェットプリントヘッド基材は、1つ以上のインクリザーバとの流体連通を通してインクジェットインクを受容する発射チャンバのアレイを組み込む。各発射チャンバは、発射抵抗器として知られる抵抗素子を有し、この抵抗素子は、インクジェットインクが発射抵抗器とノズルとの間に集まるように、ノズルの反対側に配置される。各抵抗素子は典型的には抵抗材料のパッドであり、例えば約35μm×35μmの大きさである。プリントヘッドは、プリントカートリッジ又はインクジェットペンと呼ばれる外装によって保持及び保護される。特定の抵抗素子に通電すると、インクジェットインクの液滴がノズルを通って印刷媒体に向かって吐出される。インク液滴の発射は、典型的には、マイクロプロセッサの制御下にあり、マイクロプロセッサの信号は、電気トレースによって抵抗素子に伝達され、印刷媒体上に英数字及び他の画像パターンを形成する。ノズルは小さく、典型的には直径10μm~40μmであるので、目詰まりを最小限に抑えるインクが望ましい。
本開示は、1つ以上の実施形態において、サーマルインクジェットプリントヘッドによって基材の表面上にインクジェットインクを塗布し、インクジェットインクを乾燥させることによって、印刷画像を形成する方法を提供する。本明細書に記載されるインクジェットインクを使用することで、サーマルインクジェットプロセスに一般的に関連する短いデキャップ時間(溶媒損失の速度が速すぎる)及び遅い乾燥時間(溶媒損失の速度が遅すぎる)という相反する問題を克服しながら、依然として高品質の印刷を生成することができる
本方法の印刷ユニットとしては、インクジェット印刷の技術分野で当業者に知られている任意のドロップオンデマンドプリントヘッドを使用することができ、これには、連続プリントヘッド、サーマルプリントヘッド、静電プリントヘッド、及び音響プリントヘッドが含まれるが、好ましくはサーマルプリントヘッド(熱変換器を有する)が使用される。例えば、印刷解像度、印刷速度、プリントヘッドパルス加温温度、駆動電圧及びパルス長等の典型的なパラメータは、プリントヘッドの仕様に従って調整することができる。本明細書の方法での使用に一般に適したプリントヘッドは、2~80pLの範囲の液滴サイズ及び10~100kHzの範囲の液滴周波数を有し、高品質のプリントは、例えば、駆動電圧を8.0~9.0ボルトに、印刷速度を300フィート/分まで、パルス加温温度を35~45℃に、及びパルス長を1.0~2.5マイクロ秒に設定することによって得ることができるが、これらの値を上回っても、あるいは下回っても使用することができ、依然として満足のいくプリントを得ることができる。開示された方法での使用に適した1つの非限定的なプリントヘッドの例は、ヒューレットパッカード社製のHP45SIである。
塗布後、インクジェットインクを乾燥させる。好ましい実施形態では、乾燥は、塗布されたインクジェットインクを周囲条件下(空気中、約23℃)で30秒以下、好ましくは25秒以下、より好ましくは20秒以下、更により好ましくは15秒以下乾燥させることによって達成される。
好ましい実施形態では、乾燥を促進するため、又は乾燥速度を増加させるために、外部熱は適用されない。例えば、塗布後にインクジェットインクを乾燥させるためにヒーターを使用しないことが好ましい。更に、本開示の方法は、UV又は電子ビーム硬化を必要としない。塗布されたインクが乾燥したと判断されたら、更にインクジェットインクを塗布してもよいし、又は当業者に公知の任意の処理ステップを必要に応じて実行してもよい。
また、本明細書の方法では、インクジェットインクを塗布する前に、コロナ処理、大気圧プラズマ処理、及び火炎処理等の基材表面処理を任意選択に使用して、印刷物特性、例えばインク接着性を改善することができることも認識すべきである。このような基材表面処理のパラメータは、印刷される基材材料、利用される特定のインクジェットインク、適用される印刷方法、ならびに印刷物の所望の特性及び用途に応じて大きく変動し得る。
以下の実施例は、インクジェットインクを更に例示することを意図しており、特許請求の範囲を限定することを意図していない。
<インクジェットインク>
インクジェットインクのいくつかの例を以下の表1に示す。なお、各成分の含有量は、総重量を100%としたときの重量%で表される。
水酸基価(OHV)は、JIS K0070:1992に準拠して測定した。RM=原材料。BYK-3550は、BYKから入手可能なシリコーンアクリレートコポリマーである。U115ポリスター及びT160ポリスターは、ヤスハラケミカルから入手可能なテルペンフェノール樹脂である。DERTOPHENE T160は、Pinova社から入手可能なテルペンフェノール樹脂である。VALIFAST Black3870は、オリエント化学工業から入手可能な黒色アゾ金属錯体染料である。
以下の表において、*は例が比較例であることを示す。
Figure 2022510912000002
(調製方法)
最初に、溶媒及びアルカノールアミン(又はアミン)を200mLビーカーに添加した。次に、ポリマーを溶液に添加し、ポリマーが溶解するまでマグネチックスターラーを用いて混合した。最後に、着色剤(例えば、染料)を溶液に添加し、少なくとも30分間混合した。得られたインクを、ヒューレットパッカード社製のHP45SIカートリッジに充填した。
<インクジェットインク評価方法>
(印刷サンプル調製)
インクを評価するために、ヒューレットパッカード社に関連する熱印刷技術を使用した(ソフトウェアとハードウェアはInc.jet製、搬送台はKirk Rudy社製)。印刷基材には白色PETフィルム(帝人製U292W)を用いた。
(乾燥時間測定)
乾燥時間を評価するために使用した印刷条件は以下の通りである。
・印刷解像度:600dpi×300dpi(縦×横)
・印刷速度:100フィート/分
・駆動電圧:8.4V
・パルス長:1.80μs
・パルス加温温度:40℃
・印刷画像:100%デューティ(1cm×10cm、モノクロビットマップ、ソリッドブロック画像)
摩耗試験は、一定時間(5、10、15、20、25、及び30秒)経過後に指で行った。色のついた指は、完全な乾燥に十分な時間が経過していないことを示し(NG、不良)、色のついていない指は、完全な乾燥に十分な時間が経過していることを示す(G、良好)。30秒を超える乾燥時間は許容できない(遅い乾燥)と見なされ、30秒以下の乾燥時間は許容できる(迅速な乾燥)と見なされた。
(デキャップ時間測定)
デキャップ時間を評価するために使用した印刷条件は以下の通りであった。
・印刷解像度:300dpi×300dpi(縦×横)
・印刷速度:100フィート/分
・駆動電圧:8.4V
・パルス長:1.80μs
・パルス加温温度:40℃
・印刷画像:100%デューティ(1 mm×1 cm、モノクロビットマップ、細線画像)
細線画像を印刷し、印刷画像にノズル抜けがないことを確認した。確認後、プリントヘッドを特定の時間(5分、10分、1時間、又は4時間)デキャップのままにし、次いで同じ細線画像を使用して再印刷した。再印刷した画像(特定の時間経過後)を、ノズル抜けがないかチェックした。ノズル抜けがなかった場合、その時間間隔でインクジェットインクをG(良好)と評価した。そうではなく、ノズル抜けが明らかである場合、インクジェットインクは、その時間間隔でNG(不良)と評価した。10分以上デキャップ(すなわち、空気に曝される)してもデキャップ分類が「良好」に保たれるインクジェットインクは許容可能であるとみなされた(長い又は長期のデキャップ時間を有する)。
(pH測定)
インクのpH値を、SympHonyから入手可能なベンチトップpH計「SB20」を使用して25℃で測定した(表2)。
<インクジェットインク特性及び性能>
Figure 2022510912000003
Figure 2022510912000004
表3に示されるように、アルカノールアミンと組み合わせてテルペンフェノール樹脂を含有するインクジェットインク(実施例2~8及び12~13)は、速乾性(30秒以下の乾燥時間で「良好」な評価を達成する)と、長いデキャップ時間を有する(10分以上デキャップされた場合に「良好」なデキャップ分類を維持する)という両方の特徴を備えていた。
一方、アルカノールアミンが除去されたインクジェットインク(比較例1)は、許容できないデキャップ時間を有する。更に、アルカノールアミン成分をジエチレントリアミンで置き換えても(比較例9)、許容できないデキャップ時間を有するインクジェットインクが製造され、アルカノールアミンをトリエチルアミン又はトリプロピルアミンで置き換えたインクジェットインク(それぞれ比較例10及び11)は、デキャップ時間及び乾燥時間が許容できないものとなった。
数値の限界又は範囲が本明細書に記載されている場合、端点も含まれる。また、数値の限界又は範囲内のすべての値及び部分範囲は、明示的に記載されているかのように具体的に含まれる。
本明細書で使用される場合、単語「a」及び「an」等は、「1つ以上」という意味を有する。
明らかに、本発明の多数の変更及び変形が上記の教示に照らして可能である。したがって、添付の特許請求の範囲内で、本発明は、本明細書に具体的に記載されている以外の方法で実施され得ることを理解されたい。
上記のすべての特許及び他の参考文献は、詳細に記載されている場合と同じように、この参考文献によって完全に本明細書に組み込まれる。
Figure 2022510912000005

Claims (20)

  1. (A)テルペンフェノール樹脂と、(B)アルカノールアミンとを含有するインクジェットインク。
  2. 前記テルペンフェノール樹脂(A)が、モノテルペンと、少なくとも1つの水酸基と、前記少なくとも1つの水酸基に対してオルト位及び/又はパラ位にある少なくとも2つの置換可能な水素原子とを含むフェノール化合物との間の反応から形成されるコポリマーである、請求項1に記載のインクジェットインク。
  3. 前記モノテルペンが、3-カレン、α-ピネン、β-ピネン、及びカンフェンからなる群から選択される少なくとも1つの二環式モノテルペンである、請求項2に記載のインクジェットインク。
  4. 前記フェノール化合物がフェノールである、請求項2に記載のインクジェットインク。
  5. 前記テルペンフェノール樹脂(A)の水酸基価が10~80mgKOH/gである、請求項1に記載のインクジェットインク。
  6. 前記テルペンフェノール樹脂(A)が、前記インクジェットインクの総重量に基づいて0.1~10重量%の量で存在する、請求項1に記載のインクジェットインク。
  7. 前記アルカノールアミン(B)が2~8個の炭素原子を含む、請求項1に記載のインクジェットインク。
  8. 前記アルカノールアミン(B)が、前記インクジェットインクの総重量に基づいて5重量%までの量で存在する、請求項1記載のインクジェットインク。
  9. 前記アルカノールアミン(B)が、エタノールアミン、プロパノールアミン、イソプロパノールアミン、ジエタノールアミン、及びトリエタノールアミンからなる群より選択される少なくとも1つである、請求項1に記載のインクジェットインク。
  10. 前記テルペンフェノール樹脂(A)と前記アルカノールアミン(B)との重量比((A):(B))が0.5:1~15:1である、請求項1に記載のインクジェットインク。
  11. (E)シリコーンアクリレートコポリマーを更に含む、請求項1に記載のインクジェットインク。
  12. 前記シリコーンアクリレートコポリマー(E)がグラフトコポリマーである、請求項11に記載のインクジェットインク。
  13. 前記シリコーンアクリレートコポリマー(E)が、前記インクジェットインクの総重量に基づいて5重量%までの量で存在する、請求項11に記載のインクジェットインク。
  14. (F)着色剤を更に含む、請求項1に記載のインクジェットインク。
  15. ケトン溶媒を実質的に含まない、請求項1に記載のインクジェットインク。
  16. 2-プロパノールを実質的に含まない、請求項1に記載のインクジェットインク。
  17. 基材と、前記基材上に配置された請求項1に記載のインクジェットインクの乾燥形態とを含む、印刷物。
  18. 基材上に印刷画像を形成する方法であって、サーマルインクジェットプリントヘッドを用いて請求項1に記載のインクジェットインクを前記基材上に塗布することと、前記インクジェットインクを乾燥させることとを含む、方法。
  19. 前記インクジェットインクが、30秒以下の間空気に曝されたままにすることによって乾燥される、請求項18に記載の方法。
  20. 前記インクジェットインクを乾燥させるためにヒーターを使用しない、請求項18に記載の方法。
JP2021530105A 2018-11-30 2018-11-30 インクジェットインク Active JP7336520B2 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/US2018/063232 WO2020112128A1 (en) 2018-11-30 2018-11-30 Inkjet inks

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2022510912A true JP2022510912A (ja) 2022-01-28
JP7336520B2 JP7336520B2 (ja) 2023-08-31

Family

ID=70854355

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021530105A Active JP7336520B2 (ja) 2018-11-30 2018-11-30 インクジェットインク

Country Status (5)

Country Link
US (1) US20220049118A1 (ja)
EP (1) EP3887459A4 (ja)
JP (1) JP7336520B2 (ja)
CN (1) CN113166568B (ja)
WO (1) WO2020112128A1 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022086517A1 (en) * 2020-10-21 2022-04-28 Kao Corporation Fast drying inkjet inks with extended decap
CN114316671A (zh) * 2022-02-11 2022-04-12 江苏可信电子材料有限公司 一种高柔韧性的白色塞孔油墨及其制备方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09217031A (ja) * 1996-02-13 1997-08-19 Toyo Ink Mfg Co Ltd インクジェット用記録液およびその製造方法
JPH11158425A (ja) * 1997-11-27 1999-06-15 Pentel Kk 油性黒色インキ
JP2000212495A (ja) * 1999-01-28 2000-08-02 Pentel Corp 油性赤色インキ
JP2007112860A (ja) * 2005-10-19 2007-05-10 Toray Ind Inc 水性顔料分散液、およびそれを用いたインク組成物
JP2017061637A (ja) * 2015-09-25 2017-03-30 ゼネラル株式会社 インクジェットインク

Family Cites Families (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB598551A (en) * 1944-01-29 1948-02-20 Gen Printing Ink Corp Improvements in or relating to printing inks
US5219560A (en) 1989-03-20 1993-06-15 Kobayashi Kose Co., Ltd. Cosmetic composition
US6767980B2 (en) 2002-04-19 2004-07-27 Nippon Shokubai Co., Ltd. Reactive diluent and curable resin composition
AU2003266550A1 (en) * 2002-09-20 2004-04-08 Mitsubishi Pencil Co., Ltd. Oil-based ink composition for ballpoint pen using oil-based ink
JP2004277448A (ja) 2003-03-12 2004-10-07 Seiko Epson Corp 水性インク
JP5687146B2 (ja) * 2010-09-30 2015-03-18 理想科学工業株式会社 インクジェット記録用非水系インク組成物
WO2012042665A1 (ja) * 2010-10-01 2012-04-05 リケンテクノス株式会社 接着剤組成物、塗料組成物およびこれを用いたプライマー、インクジェットインク、接着方法および積層体
JP5792606B2 (ja) * 2011-12-08 2015-10-14 理想科学工業株式会社 インクジェット用非水系染料インク
GB2507727A (en) * 2012-11-02 2014-05-14 Domino Printing Sciences Plc Inkjet ink
US9670372B2 (en) 2012-11-02 2017-06-06 Domino Printing Sciences Plc Inkjet ink composition
JP5878224B2 (ja) 2014-04-28 2016-03-08 ゼネラル株式会社 インクジェットインク
JP6387583B2 (ja) * 2015-01-28 2018-09-12 ゼネラル株式会社 インクジェットインク
EP3263660B9 (en) 2015-02-24 2020-07-29 General Co., Ltd. Inkjet ink
EP3350268A1 (en) * 2015-09-15 2018-07-25 Videojet Technologies Inc. High adhesion tij ink

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09217031A (ja) * 1996-02-13 1997-08-19 Toyo Ink Mfg Co Ltd インクジェット用記録液およびその製造方法
JPH11158425A (ja) * 1997-11-27 1999-06-15 Pentel Kk 油性黒色インキ
JP2000212495A (ja) * 1999-01-28 2000-08-02 Pentel Corp 油性赤色インキ
JP2007112860A (ja) * 2005-10-19 2007-05-10 Toray Ind Inc 水性顔料分散液、およびそれを用いたインク組成物
JP2017061637A (ja) * 2015-09-25 2017-03-30 ゼネラル株式会社 インクジェットインク

Also Published As

Publication number Publication date
WO2020112128A1 (en) 2020-06-04
US20220049118A1 (en) 2022-02-17
CN113166568B (zh) 2023-03-21
EP3887459A1 (en) 2021-10-06
JP7336520B2 (ja) 2023-08-31
EP3887459A4 (en) 2022-07-06
CN113166568A (zh) 2021-07-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6068793B2 (ja) エネルギー線硬化型プライマーインク
JP7336519B2 (ja) インクジェットインク
JP7336520B2 (ja) インクジェットインク
JP6170210B2 (ja) エネルギー線硬化型プライマーインク
JP6392941B2 (ja) エネルギー線硬化型プライマーインク
US20230312964A1 (en) Inkjet inks suitable for printing on non-porous substrates
US20230312952A1 (en) Fast drying inkjet inks with extended decap
JP7463518B2 (ja) インクジェットインク
JP7463517B2 (ja) インクジェットインク
US20240076513A1 (en) Solvent-based inkjet inks
WO2022211797A1 (en) Inkjet inks with long throw distance
WO2024118068A1 (en) Inkjet inks containing amine modified silicone
WO2024005834A1 (en) Dioxolane and terpene resin based inkjet inks
WO2024118619A1 (en) Inkjet inks containing amine modified silicone
US20240018375A1 (en) Inkjet inks for opaque printed images

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210921

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210728

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20221101

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20221220

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230418

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230609

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230801

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230821

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 7336520

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151