JP7463518B2 - インクジェットインク - Google Patents
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Description
本開示の別の目的は、インクジェットインクの乾燥形態を含む、新規な印刷物を提供することである。
本開示の別の目的は、インクジェットインクを基材上に塗布し、乾燥させることによって、基材上に印刷画像を形成する新規な方法を提供することである。
(1)(A)α-ピネンから製造されるテルペン樹脂と、(B)メチルエチルケトンとを含有するインクジェットインク。
(2)前記テルペン樹脂(A)がα-ピネンから製造されるホモポリマーである、(1)に記載のインクジェットインク。
(3)前記テルペン樹脂(A)の数平均分子量が500~1,500g/molである、(1)又は(2)に記載のインクジェットインク。
(4)前記テルペン樹脂(A)の軟化点が60~160℃である、(1)~(3)のいずれかに記載のインクジェットインク。
(5)前記テルペン樹脂(A)が、前記インクジェットインクの総重量に基づいて0.1~10重量%の量で存在する、(1)~(4)のいずれかに記載のインクジェットインク。
(6)前記メチルエチルケトン(B)が、前記インクジェットインクの総重量に基づいて60~95重量%の量で存在する、(1)~(5)のいずれかに記載のインクジェットインク。
(7)前記メチルエチルケトン(B)と前記テルペン樹脂(A)との重量比((B):(A))が、10:1~50:1である、(1)~(6)のいずれかに記載のインクジェットインク。
(8)(C)グリコールエーテルを更に含有する、(1)~(7)のいずれかに記載のインクジェットインク。
(9)前記グリコールエーテル(C)の沸点が200℃未満である、(8)に記載のインクジェットインク。
(10)前記グリコールエーテル(C)が、前記インクジェットインクの総重量に基づいて15重量%までの量で存在する、(8)又は(9)に記載のインクジェットインク。
(11)(D)ロジン樹脂を更に含有する、(1)~(10)のいずれかに記載のインクジェットインク。
(12)前記ロジン樹脂(D)が水素添加酸性ロジンである、(11)に記載のインクジェットインク。
(13)前記ロジン樹脂(D)が、前記インクジェットインクの総重量に基づいて10重量%までの量で存在する、(11)又は(12)に記載のインクジェットインク。
(14)(E)アリールアルキル変性シリコーン樹脂を更に含有する、(1)~(13)のいずれかに記載のインクジェットインク。
(15)前記アリールアルキル変性シリコーン樹脂(E)が、前記インクジェットインクの総重量に基づいて10重量%までの量で存在する、(14)に記載のインクジェットインク。
(16)(F)着色剤を更に含有する、(1)~(15)のいずれかに記載のインクジェットインク。
(17)基材と、前記基材上に配置された(1)~(16)のいずれかに記載のインクジェットインクの乾燥形態とを含む、印刷物。
(18)基材上に印刷画像を形成する方法であって、サーマルインクジェットプリントヘッドを用いて(1)~(16)のいずれかに記載のインクジェットインクを前記基材上に塗布することと、前記インクジェットインクを乾燥させることとを含む、方法。
(19)前記インクジェットインクが、30秒間以下の間空気に曝されたままにすることによって乾燥される、(18)に記載の方法。
(20)前記インクジェットインクを乾燥させるためにヒーターを使用しない、(18)又は(19)に記載の方法。
本開示は、周囲の温度及びプリントヘッドの動作温度の両方で適切な物理的及び化学的安定性を有し、確実に噴射され、高い光学濃度の画像を提供し、基材上に塗布された後に依然として迅速に乾燥する(例えば、30秒間以下の乾燥時間)一方で、長期デキャップ時間を有するインクジェットインクを対象とする。本明細書に開示される成分の組み合わせは、驚くべきことに、速い乾燥時間と延長されたデキャップ時間との間のバランスをとることが見出された。
開示されたインクジェットインクに使用されるテルペン樹脂(A)は、α-ピネンの重合又はオリゴマー化から製造されるものである。当業者に知られているように、このようなテルペン樹脂は、例えば、α-ピネンモノマーの(溶液中での)触媒重合/オリゴマー化によって容易に得ることができ、このモノマーは、典型的には、テレビンノキ、フランスカイガンショウ、アレッポマツ、バビショウ、メルクシマツ、ダイオウマツ、テーダマツ、及びポンデローサマツ等のマツから得られるゴム及び硫酸化テレピン油の分別蒸留から誘導される。
溶媒系インクを利用する多くの印刷プロセスにおいて、特にサーマルインクジェット印刷において、適切な溶媒系の選択は、印刷プロセスの信頼性、印刷されたインク製品の特性/外観、及び全体的な印刷プロセス効率に影響を及ぼし得る。例えば、サーマルインクジェット印刷では、溶媒系の選択は、1)噴射プロセス中の気泡形成を助けて、信頼性のあるインク噴射をもたらし、2)溶媒(複数可)と様々なインクジェットインク成分との間の相互作用力を変化させることによってインクジェットインクの安定性/揮発性に影響を与え、したがってデキャップ挙動、コゲーション、及び/又は液滴軌道に影響を与え、3)溶媒系と他のインクジェットインク成分との間の相互作用力によって、溶媒が乾燥後にもはや存在しなくても、又はより少ない量で存在しても、印刷画像の接着、摩擦及び引っかき抵抗性、並びに光学濃度特性に影響を与え、及び/又は4)塗布後の乾燥時間又は塗布したインクを乾燥させるのに必要な装置に影響を与えることができる。
・1~8個の炭素原子を含有する低級アルコール、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール等;
・エーテル(非グリコールエーテル)、例えばジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、メチルtert-ブチルエーテル、ジブチルエーテル、ジオキサン、及びテトラヒドロフラン等の4~8個の炭素原子を含むエーテル;
・ケトン(MEK以外)、例えば、アセトン、3-ペンタノン及びシクロヘキサノンを含む、3~6個の炭素原子を含有するケトン;
・エステルであって、3~8個の炭素原子を有するものを含むエステル、例えばメチルアセテート、エチルアセテート、n-ブチルアセテート、メチルラクテート、エチルラクテート;
・等、並びにそれらの2種以上の混合物。
インクジェットインクは、任意選択でロジン樹脂(D)を配合することができる。テルペン樹脂(A)及びメチルエチルケトン(B)と相溶性である任意のロジン樹脂(D)を本明細書で利用することができ、これにはガムロジン、ウッドロジン、及びトール油ロジン(その主成分は、アビエチン酸、パラストリン酸、ネオアビエチン酸、ピマル酸、イソピマル酸及び/又はデヒドロアビエチン酸等の樹脂酸である)から誘導されるロジン樹脂(D)、好ましくはウッドロジンから誘導されるロジン樹脂(D)が含有される。使用される場合、ロジン樹脂(D)は、インクジェットインクの総重量に基づいて、10重量%まで、例えば少なくとも0.5重量%、好ましくは少なくとも1重量%、より好ましくは少なくとも1.5重量%、より好ましくは少なくとも2重量%、更により好ましくは少なくとも2.5重量%、なお更により好ましくは少なくとも3重量%、及び10重量%まで、好ましくは8重量%まで、より好ましくは6重量%まで、更により好ましくは5重量%まで、なお更により好ましくは4重量%までの量で使用することができる。
・ロジンエステル樹脂、例えば、グリセリン、ペンタエリスリトール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、メタノール等のアルコールと反応させたアビエチン酸型又はピマル酸型の樹脂酸を主成分とするロジンのエステルであって、任意選択で水素化又は部分水素化されたもの等、具体的には、ハリマ化成グループ株式会社から入手可能なHARIESTER製品、それぞれEastman社から入手可能なSTAYBELITE ESTER 10-E、及びPERMALYN 6110、荒川化学工業株式会社から入手可能なSUPER ESTER A-125、SUPER ESTER A-75、PENSEL D-125、PINECRYSTAL KE-359、及びPinova社から入手可能なFORAL 85、FORAL 105、HERCOLYN製品、PEXALYN製品、及びPENTALYN製品;
・それぞれPinova社から入手可能なFORAL AX及びFORAL DX等の水素化酸性ロジン;
・部分水素化酸性ロジン、例えば、Eastman社から入手可能なSTAYBELITE RESIN-E、及びそれぞれPINOVA社から入手可能なSTAYBELITE及びSTAYBELITE A;
・Eastman社から入手可能なPOLY-PALE部分二量体化ロジン等の二量体化ロジン;及び
・官能化ロジン樹脂、例えば、マレイン酸無水物で変性されたロジンのエステル(例えば、グリセロールエステル)、又はカルボン酸還元条件に付されたロジン、具体的には、それぞれEastman社から入手可能なLEWISOL 28-M及びアビトール-E ヒドロアビエチルアルコール;
・及びそれらの混合物。
インクジェットインクは、任意選択でアリールアルキル変性シリコーン樹脂(E)を配合することができる。一般に、少なくとも1つのアリールアルキル基を含有するように変性された任意のシリコーンポリマー又はオリゴマーを本明細書で使用することができ、これには、ポリジメチルシロキサン主鎖、ポリ(ジメチルシロキサン-コ-メチルフェニルシロキサン)主鎖、ポリ(ジメチルシロキサン-コ-ジフェニルシロキサン)主鎖、又はポリ(ジメチルシロキサン-コ-メチルアルキルシロキサン)主鎖に基づくものが含まれ、ケイ素原子に結合している少なくとも1つのメチル基、フェニル基、又はアルキル基(メチル以外)がアリールアルキル基で置換されている。信越化学工業株式会社から入手可能なKF-410は、アリールアルキル変性ポリジメチルシロキサンの例であり、それぞれBYK Additives&Instrumentsから入手可能なBYK-322及びBYK-323は、アリールアルキル変性ポリ(ジメチルシロキサン-コ-メチルアルキルシロキサン)の例である。
上記のテルペン樹脂(A)、及び任意選択のロジン樹脂(D)及び/又はアリールアルキル変性シリコーン樹脂(E)に加えて、インクジェットインクは、インクジェットインクの総重量に基づいて、少なくとも0.1重量%、好ましくは少なくとも0.5重量%、好ましくは少なくとも1重量%、好ましくは少なくとも1.5重量%、好ましくは少なくとも2重量%、好ましくは少なくとも2.5重量%、及び10重量%まで、好ましくは9重量%まで、好ましくは8重量%まで、好ましくは7重量%まで、好ましくは6重量%まで、好ましくは5重量%まで、好ましくは4重量%まで、好ましくは3重量%までの量で、他の樹脂、バインダー、粘着付与剤又は接着物質を任意選択で含有してもよい。このような追加の樹脂、バインダー、粘着付与剤又は接着剤物質としては、以下のものが挙げられるが、これらに限定されない。
・(i)少なくとも1つの水酸基に対してオルト位及び/又はパラ位に少なくとも2つの置換可能な水素原子を有する1つ以上の一価又は多価フェノール化合物と、(ii)1つ以上のテルペンとのアルキル化からの共重合体反応生成物であるテルペンフェノール樹脂(TPR);(i)フェノール、o-クレゾール、m-クレゾール、p-クレゾール、2,5-キシレノール、2,3-キシレノール、3,4-キシレノール、3,5-キシレノール、2,3,5-トリメチルフェノール、イソプロピルフェノール(例えば、4-イソプロピルフェノール)、tert-ブチルフェノール(例えば、4-tert-ブチルフェノール)、アミルフェノール(例えば、4-tert-アミルフェノール)、ヘプチルフェノール(例えば、4-ヘプチルフェノール)、オクチルフェノール(例えば、o-オクチルフェノール、p-オクチルフェノール等)、ノニルフェノール(例えば、4-(2,4-ジメチルヘプタン-3-イル)フェノール)、デシルフェノール、ドデシルフェノール、ジフェニロールプロパン(ビスフェノールA)、フェニルフェノール(例えば、3-フェニルフェノール)、クミルフェノール、メキノール、ベンジルオキシフェノール、グアイアコール、エトキシフェノール(例えば、4-エトキシフェノール)、レゾルシノール、ピロガロール、カテコール、p-ハイドロキノン、1-ナフトール、及び/又は2-ナフトール等の1つ以上のフェノール化合物と、(ii)直鎖モノテルペン(例えば、ミルセン、オシメン等)、単環式モノテルペン(例えば、リモネン、γ-テルピネン、α-フェランドレン、β-フェランドレン、テルピノレン等)、及び/又は二環式モノテルペン(例えば、3-カレン、α-ピネン、β-ピネン、α-フェンチェン、カンフェン等)を含む1つ以上のテルペンモノマーと、の共重合から生成するもの等;具体的には、ヤスハラケミカル株式会社から入手可能なU130 POLYSTER(ヒドロキシル価(OHV)=25mgKOH/g)、U115 POLYSTER(OHV=30mgKOH/g)、T160 POLYSTER(OHV=60mgKOH/g)、T145 POLYSTER(OHV=65mgKOH/g)、及びPinova社から入手可能なDERTOPHENE T(OHV=40mgKOH/g)、DERTOPHENE T160(OHV=60mgKOH/g);
・フェノール樹脂(すなわち、フェノール化合物とホルムアルデヒドとの共重合体)、例えば、DIC株式会社から入手可能なフェノライトTD-2131及びフェノライトTD-2090等のノボラック樹脂;
・ポリアミド樹脂、例えば、BASFジャパン株式会社から入手可能なVERSAMID725、744、756、759、Sanho Chemical Co.Ltd.から入手可能なTOHMIDE90、92、394-N、及びEvonik社から入手可能なSUNMIDE550、554、615A、638、640;
・スルホンアミド変性エポキシ樹脂を含むエポキシ樹脂、例えば、Rit-Chem社から入手可能なAD-PRO MTS;
・(メタ)アクリレート及びスチレン/(メタ)アクリレート樹脂、例えば、BASF社から入手可能なJONCRYL 63、JONCRYL 67、JONCRYL 586、JONCRYL 611、JONCRYL 682、JONCRYL 693、Palmer Holland社から入手可能なPARALOID DM-55及びPARALOID B-66、Dow Chemical,USAから入手可能なPARALOID B-72、並びにLucite Inc.から入手可能なELVACITE 2013;
・ポリウレタン樹脂、(i)ポリオール、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラヒドロフランジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,9-ノナンジオール、ポリエチレングリコールアジペートジオール、ポリエチレングリコールサクシネートジオール、ポリ(3-メチル-1,5-ペンタンジオールアジペート)グリコール、ポリ(3-メチル-1,5-ペンタンジオールテレフタレート)グリコール等のポリエステルポリオール、及びカーボネートポリオール(これらに限定されるものではない)と、(ii)ジイソシアネート、例えば2,4-トルエンジイソシアネート、2,6-トルエンジイソシアネート、4,4-ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、及びイソホロンジイソシアネート(これらに限定されるものではない)と、の反応から生成するもの等、例えばLubrizol社から入手可能なPERMAX 200、PERMAX 202、及びSANCURE 20025F;
・ポリビニルブチラール樹脂、例えばKuraray America,Inc.から入手可能なPIOLOFORM BN16及びMOWITAL B20H;
・ポリヒドロキシスチレン樹脂、例えばDuPont社からのポリ(p-ヒドロキシスチレン);
・ビニル樹脂、例えば、Dow Chemical Companyから入手可能なUCAR VYHH、VMCH、VMCA、及びVAGF、並びにWacker Chemie AG(ドイツ)から入手可能なVINNOL E15/45、H14/36、E15/45M、及びE16/40A;
・p-トルエンスルホンアミドホルムアルデヒド樹脂等のスルホンアミド変性ホルムアルデヒド樹脂;
・Eastman社から入手可能なセルロースアセテートブチレート(CAB-551-0.01)等のセルロースエステル樹脂;
・並びにポリエステル、スルホン化ポリエステル、セルロースエーテル、硝酸セルロース樹脂、ポリ無水マレイン酸、アセタールポリマー、スチレン/ブタジエン共重合体、メラミンホルムアルデヒド樹脂、スルホンアミド変性メラミンホルムアルデヒド樹脂、ケトン-アルデヒド樹脂、及びポリケトン樹脂;
・等、それらの混合物を含む。
当業者であれば、インクジェットインクに着色剤を任意選択で含有させて、様々な印刷目的に使用できる着色インクを提供することができ、インクジェットインクは特定の色に限定されるものではないことを容易に理解することができる。インクジェットインクには、所望の色を出すために、染料、顔料、それらの混合物等を含む、任意の着色剤を採用することができる。ただし、着色剤はインクジェットインク内に溶解又は分散可能なものとする。適切な色は、例えば、シアン、マゼンタ、イエロー、及びキー(ブラック)(「CMYK」)、ホワイト、オレンジ、グリーン、ライトシアン、ライトマゼンタ、バイオレット等を含み、スポットカラー及びプロセスカラーの両方を含む。一般に、着色剤は、インクジェットインクの総重量に対して、少なくとも0.1重量%、好ましくは少なくとも0.5重量%、好ましくは少なくとも1重量%、好ましくは少なくとも2重量%、好ましくは少なくとも3重量%、及び20重量%まで、好ましくは15重量%まで、好ましくは10重量%まで、好ましくは8重量%まで、好ましくは7重量%までの量で使用することができる。
既に述べた成分に加えて、インクジェットインクはまた、様々なインク特性及び性能を改善するために任意選択で様々な添加剤(G)と配合することもできる。例えば、インクジェットインクは、コゲーション防止剤、界面活性剤、安定剤、湿潤剤、及び安全保障のための爆発物マーカー(security taggant)のうちの1つ以上を任意選択で含有してもよい。
本明細書に記載されるインクジェットインクの実施形態は、当業者に公知の任意の適切な技術によって調製することができ、例えば、成分(A)テルペン樹脂及び(B)メチルエチルケトンを任意選択の有機溶媒(例えば、(C)グリコールエーテル)及び任意の所望の任意選択成分(例えば、(D)ロジン樹脂、(E)アリールアルキル変性シリコーン樹脂、(F)着色剤、及び/又は添加剤(G))と任意の順序で組み合わせ、20~100℃の温度で適切な時間撹拌、かき混ぜ、及び/又は均質化して均質な溶液を形成することによって調製することができる。
他の利点の中でも、本明細書に開示されるインクジェットインクは、延長されたデキャップ時間と塗布後の迅速な乾燥時間という優れた組み合わせを有する。本明細書に開示されるインクジェットインクはまた、高い光学濃度の印刷物を提供し、所望の光沢を提供するように調整することができる。
インクジェットインクは、多種多様な印刷物の製造のために、三次元部品及びロール形態で供給される平坦なシート又はウェブを含む様々な基材上に印刷することができる。加えて、基材は、様々な表面タイプ、例えば、平坦な表面、粒状化された表面等の構造化された表面、並びに湾曲した及び/又は複雑な表面等の三次元表面を有することができ、これらは、湾曲した及び/又は複雑な表面のすべての部分に到達するためにインクが移動しなければならない長い距離のために、困難な基材であることがよく知られている。このような印刷物は、グラフィックアート、テキスタイル、パッケージング(例えば、食品包装、医薬品包装等)、宝くじ、ビジネスフォーム、出版等の業界に適しており、その例としては、タグやラベル、宝くじ券、出版物、パッケージング(軟包装)、折り畳み式カートン、硬質容器(プラスチックカップや桶、ガラス容器、金属缶、ボトル、ジャー、チューブ)、店頭でのディスプレイ(point-of-sale display)等が挙げられる。
インクジェット印刷では、ドットの精密なパターンが、プリントヘッドとして知られる液滴生成デバイスから印刷媒体上に吐出されると、所望の印刷画像が形成される。プリントヘッドは、ノズルプレート上に配置され、インクジェットプリントヘッド基材に取り付けられた、精密に形成されたノズルのアレイを有する。インクジェットプリントヘッド基材は、1つ以上のインクリザーバとの流体連通を通してインクジェットインクを受容する発射チャンバのアレイを組み込む。各発射チャンバは、発射抵抗器として知られる抵抗素子を有し、この抵抗素子は、インクジェットインクが発射抵抗器とノズルとの間に集まるように、ノズルの反対側に配置される。各抵抗素子は典型的には抵抗材料のパッドであり、例えば約35μm×35μmの大きさである。プリントヘッドは、プリントカートリッジ又はインクジェットペンと呼ばれる外装によって保持及び保護される。特定の抵抗素子に通電すると、インクジェットインクの液滴がノズルを通って印刷媒体に向かって吐出される。インク液滴の発射は、典型的には、マイクロプロセッサの制御下にあり、マイクロプロセッサの信号は、電気トレースによって抵抗素子に伝達され、印刷媒体上に英数字及び他の画像パターンを形成する。ノズルは小さく、典型的には直径10μm~40μmであるので、目詰まりを最小限に抑えるインクが望ましい。特に、サーマルインクジェット(TIJ)は開放雰囲気プリントヘッド設計(ノズルオリフィスは大気に開放されており、インク加圧を可能にするためにオリフィスにバルブシールが存在しない)であるため、TIJ印刷は、デキャップ時間(プリントアイドル時間)がノズル内及び周囲のインクの早期乾燥を引き起こす間欠印刷中の性能低下に歴史的に悩まされてきた。
インクジェットインクのいくつかの例を以下の表1に示す。各成分の量は、インクジェットインクの総重量(100%)に対する重量百分率で表される。グリコールエーテルPMは、プロピレングリコールモノメチルエーテルである。PICCOLYTE A135、PICCOLYTE A115、PICCOLYTE A135 PLUS、及びPICCOLYTE AO PLUSは、Pinova社から入手可能なα-ピネンから製造されたテルペン樹脂である。PICCOLYTE S135は、Pinova社から入手可能なβ-ピネンから製造されたテルペン樹脂である。DERTOPHENE T160は、Pinova社から入手可能なテルペンフェノール樹脂である。FORAL AXは、Pinova社から入手可能なロジン樹脂(水素化酸性ウッドロジン)である。KF-410は、信越化学工業株式会社から入手可能なアリールアルキル変性シリコーン樹脂である。OIL BLACK 860は、オリエント化学工業株式会社から入手可能な有機染料である。*は、例が比較例であることを示す。
実施例のインクを調製するために、樹脂(複数可)を最初にメチルエチルケトン(MEK)と合わせ、機械的撹拌機によって少なくとも30分間混合した。次いで、グリコールエーテル(使用する場合)を混合物に添加し、少なくとも15分間混合した。次いで、染料を混合物に添加し、少なくとも30分間混合して、インクジェットインクを得た。次いで、インクジェットインク例を、船井電機株式会社製のFUNAI TIJカートリッジにより評価した。
樹脂の軟化点を決定する方法の一例は、以下の通りである。溶融状態のサンプル2.1gを所定のリングに注入し、サンプルを室温まで冷却した後、JIS B7410に規定される以下の条件でSP値を測定する。
測定装置:自動環球式軟化点
試験機:ASP-MGK2(MEITECH社製)
加熱速度:5℃/分
加熱を開始する温度:40℃
測定溶媒:グリセロール
印刷サンプル調製
インクを評価するために、船井電機株式会社製に関連する熱印刷技術を使用した(ソフトウェアとハードウェアはXiJet社製、搬送台はKirk Rudy社製)。印刷基材には白色PETフィルム(帝人株式会社製U292W)を用いた。
乾燥時間を評価するために使用した印刷条件は以下の通りであった。
・印刷解像度:600dpi×300dpi(縦×横)
・印刷速度:100フィート/分
・プレファイア 260nsec
・デッドタイム 1200nsec
・メインファイア 500nsec
・電圧 9.0V
・温度 30℃
・印刷画像:100%デューティ(1cm×10cm、モノクロビットマップ、ソリッドブロック画像)
デキャップ時間を評価するために使用した印刷条件は以下の通りであった。
・印刷解像度:300dpi×300dpi(縦×横)
・印刷速度:100フィート/分
・プレファイア 260nsec
・デッドタイム 1200nsec
・メインファイア 500nsec
・電圧 9.0V
・温度 30℃
・印刷画像:100%デューティ(1mm×1cm、モノクロビットマップ、細線画像)
完全乾燥後、乾燥時間測定からの印刷画像サンプルを光沢について目視検査し、「高」光沢、「中」光沢、又は「低」光沢に分類した。
本明細書で使用される場合、単語「a」及び「an」等は、「1つ以上」という意味を有する。
明らかに、本発明の多数の変更及び変形が上記の教示に照らして可能である。したがって、添付の特許請求の範囲内で、本発明は、本明細書に具体的に記載されている以外の方法で実施され得ることを理解されたい。
上記のすべての特許及び他の参考文献は、詳細に記載されている場合と同じように、この参考文献によって完全に本明細書に組み込まれる。
Claims (15)
- (A)α-ピネンから製造されるテルペン樹脂と、(B)メチルエチルケトンとを含有するインクジェットインクであって、
前記テルペン樹脂(A)がα-ピネンから製造されるホモポリマーである、インクジェットインク。 - 前記テルペン樹脂(A)の数平均分子量が500~1,500g/molである、請求項1に記載のインクジェットインク。
- 前記テルペン樹脂(A)の軟化点が60~160℃である、請求項1又は2に記載のインクジェットインク。
- 前記テルペン樹脂(A)が、前記インクジェットインクの総重量に基づいて0.1~10重量%の量で存在する、請求項1~3のいずれかに記載のインクジェットインク。
- 前記メチルエチルケトン(B)が、前記インクジェットインクの総重量に基づいて60~95重量%の量で存在する、請求項1~4のいずれか記載のインクジェットインク。
- 前記メチルエチルケトン(B)と前記テルペン樹脂(A)との重量比((B):(A))が、10:1~50:1である、請求項1~5のいずれかに記載のインクジェットインク。
- (C)グリコールエーテルを更に含有する、請求項1~6のいずれかに記載のインクジェットインク。
- 前記グリコールエーテル(C)の沸点が200℃未満である、請求項7に記載のインクジェットインク。
- 前記グリコールエーテル(C)が、前記インクジェットインクの総重量に基づいて15重量%までの量で存在する、請求項7又は8に記載のインクジェットインク。
- (D)ロジン樹脂を更に含有する、請求項1~9のいずれかに記載のインクジェットインク。
- 前記ロジン樹脂(D)が、前記インクジェットインクの総重量に基づいて10重量%までの量で存在する、請求項10記載のインクジェットインク。
- (E)アリールアルキル変性シリコーン樹脂を更に含有する、請求項1~11のいずれかに記載のインクジェットインク。
- (F)着色剤を更に含有する、請求項1~12のいずれかに記載のインクジェットインク。
- 基材と、前記基材上に配置された請求項1~13のいずれかに記載のインクジェットインクの乾燥形態とを含む、印刷物。
- 基材上に印刷画像を形成する方法であって、サーマルインクジェットプリントヘッドを用いて請求項1~13のいずれかに記載のインクジェットインクを前記基材上に塗布することと、前記インクジェットインクを乾燥させることとを含む、方法。
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