JP2023514932A - インクジェットインク - Google Patents

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Abstract

(A)α-ピネンから製造されるテルペン樹脂と、(B)メチルエチルケトンとを含有するインクジェットインクであって、延長されたデキャップ時間及び基材上に塗布された場合の迅速な乾燥特性を特徴とするインクジェットインク。乾燥形態の前記インクジェットインクを含む印刷物、及びサーマルインクジェットプリントヘッドを用いて印刷画像を形成する方法も提供される。

Description

本発明は、インクジェットインクに関し、具体的には、(A)α-ピネンから製造されるテルペン樹脂と、(B)メチルエチルケトンとを含有するインクジェットインクに関する。
本明細書で提供される「背景技術」の説明は、本開示の文脈を一般的に提示するためのものである。この背景技術の項に記載されている範囲での本発明者らの研究、及び出願時に従来技術とみなされない可能性がある説明の態様は、本発明に対する従来技術として明示的にも暗示的にも認められない。
サーマルインクジェット(TIJ)印刷は、連続式インクジェット法等の当分野で競合する技術よりも低コストで高い印刷解像度を提供するので、印刷、コーディング、及びマーキングに望ましい技術である。サーマルインクジェット印刷プロセスでは、プリントカートリッジは一連の小さなチャンバを含み、各チャンバはヒーターを含み、インク溶媒の熱蒸発からインク液滴を生成する。噴射プロセスでは、抵抗器が急速に加熱されて蒸気泡を生成し(これが「バブルジェット」という言葉の由来である)、続いてオリフィスから液滴を噴射する。このプロセスは極めて効率的かつ再現可能であり、工業用グラフィックス用途のための最新のTIJプリントヘッドは、36kHz以上の周波数で4pL以下の体積の均一な液滴を生成することができる。
しかしながら、サーマルインクジェット印刷は、経時的な信頼性の低下が問題となり得る。例えば、いくつかのインクジェットインクは、キャップされていないプリントヘッド内の空気への長期曝露による溶媒損失が、プリントヘッドノズルの目詰まり/詰まりをもたらし、したがって、経時的な信頼性の低いインク噴射及び画質浸食をもたらす、不十分なデキャップ挙動(例えば、短いデキャップ時間)に悩まされる。一方、キャップのないプリントヘッド設定におけるそのような早期の溶媒損失を防止するために高沸点成分を有する特別な溶媒系を使用することは、インクが塗布された後の長い乾燥時間を必要とし、したがって、全体的に非効率的な印刷プロセスとなる。そのため、デキャップ時間(溶媒損失の速度が速すぎる場合)と乾燥時間(溶媒損失の速度が遅すぎる場合)という相反する問題のバランスをとることがしばしば困難である。
接着性を改善するために、ポリウレタン樹脂、テルペン樹脂、セルロースエステル樹脂、スルホンアミド変性エポキシ樹脂、ロジンエステル樹脂、テルペンフェノール樹脂、及びアクリル樹脂等のバインダー樹脂を利用するいくつかのインクジェットインクシステムが報告されている(特許文献1及び特許文献2、それぞれ参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。しかし、デキャップ時間及び乾燥時間の更なる改善が依然として必要である。
国際公開第2017/048499号 特開2000-001642号公報
前述のことを考慮して、デキャップ時間が延長され、塗布されると迅速に乾燥し、高光沢画像を提供するインクジェットインクが必要とされている。
したがって、本発明の1つの目的は、これらの基準を満たす新規なインクジェットインクを提供することである。
本開示の別の目的は、インクジェットインクの乾燥形態を含む、新規な印刷物を提供することである。
本開示の別の目的は、インクジェットインクを基材上に塗布し、乾燥させることによって、基材上に印刷画像を形成する新規な方法を提供することである。
これら及び他の目的は、以下の詳細な説明中に明らかになるであろうが、α-ピネンから形成されるテルペン樹脂とメチルエチルケトン(MEK)との組合せが、予期せぬことに、延長されたデキャップ時間と同時に、一度塗布された場合の迅速な乾燥特性を特徴とするインクジェットインクを提供するという本発明者らの発見によって達成された。
したがって、本発明は以下を提供する。
(1)(A)α-ピネンから製造されるテルペン樹脂と、(B)メチルエチルケトンとを含有するインクジェットインク。
(2)前記テルペン樹脂(A)がα-ピネンから製造されるホモポリマーである、(1)に記載のインクジェットインク。
(3)前記テルペン樹脂(A)の数平均分子量が500~1,500g/molである、(1)又は(2)に記載のインクジェットインク。
(4)前記テルペン樹脂(A)の軟化点が60~160℃である、(1)~(3)のいずれかに記載のインクジェットインク。
(5)前記テルペン樹脂(A)が、前記インクジェットインクの総重量に基づいて0.1~10重量%の量で存在する、(1)~(4)のいずれかに記載のインクジェットインク。
(6)前記メチルエチルケトン(B)が、前記インクジェットインクの総重量に基づいて60~95重量%の量で存在する、(1)~(5)のいずれかに記載のインクジェットインク。
(7)前記メチルエチルケトン(B)と前記テルペン樹脂(A)との重量比((B):(A))が、10:1~50:1である、(1)~(6)のいずれかに記載のインクジェットインク。
(8)(C)グリコールエーテルを更に含有する、(1)~(7)のいずれかに記載のインクジェットインク。
(9)前記グリコールエーテル(C)の沸点が200℃未満である、(8)に記載のインクジェットインク。
(10)前記グリコールエーテル(C)が、前記インクジェットインクの総重量に基づいて15重量%までの量で存在する、(8)又は(9)に記載のインクジェットインク。
(11)(D)ロジン樹脂を更に含有する、(1)~(10)のいずれかに記載のインクジェットインク。
(12)前記ロジン樹脂(D)が水素添加酸性ロジンである、(11)に記載のインクジェットインク。
(13)前記ロジン樹脂(D)が、前記インクジェットインクの総重量に基づいて10重量%までの量で存在する、(11)又は(12)に記載のインクジェットインク。
(14)(E)アリールアルキル変性シリコーン樹脂を更に含有する、(1)~(13)のいずれかに記載のインクジェットインク。
(15)前記アリールアルキル変性シリコーン樹脂(E)が、前記インクジェットインクの総重量に基づいて10重量%までの量で存在する、(14)に記載のインクジェットインク。
(16)(F)着色剤を更に含有する、(1)~(15)のいずれかに記載のインクジェットインク。
(17)基材と、前記基材上に配置された(1)~(16)のいずれかに記載のインクジェットインクの乾燥形態とを含む、印刷物。
(18)基材上に印刷画像を形成する方法であって、サーマルインクジェットプリントヘッドを用いて(1)~(16)のいずれかに記載のインクジェットインクを前記基材上に塗布することと、前記インクジェットインクを乾燥させることとを含む、方法。
(19)前記インクジェットインクが、30秒間以下の間空気に曝されたままにすることによって乾燥される、(18)に記載の方法。
(20)前記インクジェットインクを乾燥させるためにヒーターを使用しない、(18)又は(19)に記載の方法。
前述の段落は、一般的な紹介のために提供されたものであり、以下の特許請求の範囲を限定することを意図したものではない。記載された実施形態は、更なる利点とともに、以下の詳細な説明を参照することによって最もよく理解されるであろう。
以下の説明では、他の実施形態が利用されてもよく、本明細書に開示される本実施形態の範囲から逸脱することなく、構造的及び動作的変更が行われてもよいことを理解されたい。
「実質的に含有しない」という語句は、特に明記しない限り、インクジェットインク中の特定の成分の量が、インクジェットインクの総重量に対して1重量%未満、好ましくは0.5重量%未満、より好ましくは0.1重量%未満、更により好ましくは0.05重量%未満、なお更により好ましくは0重量%であることを表す。
本明細書で使用される場合、「任意選択の」又は「任意選択で」という用語は、続いて記載される事象が起こる可能性もあり、起こらない可能性もあること、又は続いて記載される成分が存在するかもしれず、存在しないかもしれない(例えば、0重量%)ことを意味する。
「アルキル」という用語は、本明細書で使用される場合、特に明記しない限り、少なくとも1個、好ましくは少なくとも2個、好ましくは少なくとも3個、好ましくは少なくとも4個の炭素原子を有し、及び22個まで、好ましくは20個まで、好ましくは18個まで、好ましくは12個まで、好ましくは8個までの炭素原子を有する、直鎖状、分岐状又は環状の脂肪族フラグメントを指す。アルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、3-メチルペンチル、2,2-ジメチルブチル、2,3-ジメチルブチル、ラウリル、ミリスチル、セチル、ステアリル等が挙げられ、ゲルベ型アルキル基(例えば、2-メチルペンチル、2-エチルヘキシル、2-プロピルへプチル、2-ブチルオクチル、2-ペンチルノニル、2-ヘキシルデシル、2-ヘプチルウンデシル、2-オクチルドデシル、2-ノニルトリデシル、2-デシルテトラデシル、及び2-ウンデシルペンタデシル)を含むが、これらに限定されない。シクロアルキルは環化アルキル基の一種である。例示的なシクロアルキル基としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ノルボルニル、及びアダマンチルが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される場合、「アリール」という用語は、芳香環中に炭素のみを含む芳香族基(例えば、フェニル、ビフェニル、ナフチル、アントラセニル等)を指す。
「アリールアルキル」という用語は、本明細書で使用される場合、アルキル基によってそれ自体が任意選択で置換され得るアリール基(上記定義の通り)によって置換される直鎖状、分枝状、又は環状のアルキル部分(上記定義の通り)を指し、その例としては、ベンジル、フェネチル、3-フェニルプロピル、2-フェニルプロピル、1-フェニルプロピル、4-フェニルブチル、3-フェニルブチル、2-フェニルブチル、2-メチルベンジル、3-メチルベンジル、4-メチルベンジル、2,4-ジメチルベンジル、2-(4-エチルフェニル)エチル、3-(3-プロピルフェニル)プロピル等が挙げられるが、これらに限定されない。
「(メタ)アクリレート」という用語は、本明細書では、アクリレート基及びメタクリレート基の両方を指すために使用される。言い換えれば、この用語は、「メタ」が任意選択であると読まれるべきである。更に、「(メタ)アクリレート」又は「(メタ)アクリル」という用語は、一般に、アクリル酸系化合物及びアクリル酸エステル系化合物の両方を総称して用いるものとする。
本明細書における「デキャップ挙動」という用語は、空気に長期間曝された場合に、インクジェットインクがプリントヘッドから容易に吐出する能力を意味する。インクジェットインクの「デキャップ時間」は、潜在的に印刷再開時の目詰まりや詰まりが原因で、プリンタのノズルが適切に発射しなくなる前に、インクジェットプリントヘッドのキャップを外したままにしておくことができる時間として測定される。一般的に、ノズルは、溶媒の損失、インクの痂皮化、及び/又はノズル内及び/又はノズル周辺の様々なインク成分のコゲーションの結果としてノズル内に形成される粘性プラグによって、目詰まりを起こす(すなわち、妨害される、減速される)、又は詰まる(すなわち、塞がれる、実質的に又は完全に閉鎖される)ことがある。ノズルが目詰まりした場合、ノズルのオリフィスを通して吐出されるインク液滴が誤った方向に向けられ、印刷品質に悪影響を及ぼす可能性がある。オリフィスが詰まると、実質的に又は完全に塞がれる。ノズルが詰まった結果、インク液滴は、影響を受けたノズルを通過できなくなる場合がある。したがって、ノズルによる発射の失敗を測定する基準は、ノズルのオリフィスを通るインクの方向が多少なりとも間違っていること、又は完全に詰まっていることであり、これは、印刷された画像を視覚的に検査することによって測定することができる。その最も単純な形態では、デキャップ時間を決定するための1つの方法は、プリントヘッドノズルを用いて所定のテストパターンを印刷して、それらの動作状態を検証することを含む。これに続いて、ノズルを印刷又は吐出させることなく、ノズルを一定時間空気に曝す。次に、すべてのノズルで、再度、所定のテストパターンを印刷させる。次に、テストパターンを比較して、弱い又は誤った方向のノズルの数を決定する。最悪の場合、このようなノズルの目詰まり又は詰まりによって、ノズルによる発射が完全にできなくなる。
インクジェットインク
本開示は、周囲の温度及びプリントヘッドの動作温度の両方で適切な物理的及び化学的安定性を有し、確実に噴射され、高い光学濃度の画像を提供し、基材上に塗布された後に依然として迅速に乾燥する(例えば、30秒間以下の乾燥時間)一方で、長期デキャップ時間を有するインクジェットインクを対象とする。本明細書に開示される成分の組み合わせは、驚くべきことに、速い乾燥時間と延長されたデキャップ時間との間のバランスをとることが見出された。
本開示のインクジェットインクは、一般に、以下の成分:(A)α-ピネンから製造されるテルペン樹脂及び(B)メチルエチルケトン、並びに任意選択で、(C)グリコールエーテル、(D)ロジン樹脂、(E)アリールアルキル変性シリコーン樹脂、(F)着色剤、及び(G)添加剤のうちの1つ以上を含有する。
(A)α-ピネンから製造されるテルペン樹脂
開示されたインクジェットインクに使用されるテルペン樹脂(A)は、α-ピネンの重合又はオリゴマー化から製造されるものである。当業者に知られているように、このようなテルペン樹脂は、例えば、α-ピネンモノマーの(溶液中での)触媒重合/オリゴマー化によって容易に得ることができ、このモノマーは、典型的には、テレビンノキ、フランスカイガンショウ、アレッポマツ、バビショウ、メルクシマツ、ダイオウマツ、テーダマツ、及びポンデローサマツ等のマツから得られるゴム及び硫酸化テレピン油の分別蒸留から誘導される。
好ましい実施形態において、テルペン樹脂(A)は、α-ピネンから製造されるホモポリマーであり、α-ピネン含有量(α-ピネンから誘導された構成単位)は、テルペン樹脂(A)の全構成単位(100重量%)に基づいて、少なくとも95重量%、好ましくは少なくとも96重量%、より好ましくは少なくとも97重量%、より好ましくは少なくとも98重量%、より好ましくは少なくとも99重量%、更により好ましくは少なくとも99.5重量%、なお更により好ましくは100重量%である。本開示のテルペン樹脂(A)は、α-テルペンモノマーに由来する構成単位以外の少量の他の構成単位を含んでもよいが、他の(例えば、非テルペン系)構成単位の量は、テルペン樹脂(A)の全構成単位(100重量%)に基づいて、好ましくは5重量%未満、より好ましくは3重量%未満、より好ましくは1重量%未満、更により好ましくは0.5重量%未満、なお更により好ましくは0重量%である。
テルペン樹脂(A)のポリマー形態及びオリゴマー形態の両方が、それらの組み合わせを含めて、本明細書中で使用され得る。典型的には、少なくとも330g/mol、好ましくは少なくとも340g/mol、好ましくは少なくとも400g/mol、好ましくは少なくとも450g/mol、好ましくは少なくとも500g/mol、好ましくは少なくとも550g/mol、より好ましくは少なくとも600g/mol、より好ましくは少なくとも650g/mol、更により好ましくは少なくとも700g/mol、なお更により好ましくは少なくとも750g/mol、及び1,500g/molまで、好ましくは1,300g/molまで、より好ましくは1,100g/molまで、より好ましくは1,000g/molまで、より好ましくは900g/molまで、更により好ましくは800g/molまで、なお更により好ましくは790g/molまでの数平均分子量(M)を有するテルペン樹脂(A)が本明細書で使用される。
テルペン樹脂(A)は、室温で固体であっても液体であってもよい。本発明において使用するテルペン樹脂(A)が固体の場合、その軟化点(SP)に基づいて、例えば環球式軟化点法に従って分類することができる。環球式軟化点は、サンプルをグリセロール浴中で所定の速度で加熱しながら、水平リング内に保持されたサンプルの円板が鋼球の重量下で1インチ(25.4mm)の距離だけ下方に押し下げられる温度として定義される(例えば、JIS B7410に準拠し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。いくつかの実施形態では、テルペン樹脂(A)の軟化点は、少なくとも60℃、好ましくは少なくとも80℃、より好ましくは少なくとも100℃、より好ましくは少なくとも110℃、より好ましくは少なくとも115℃、より好ましくは少なくとも120℃、更により好ましくは少なくとも125℃、なお更により好ましくは少なくとも130℃、及び160℃まで、好ましくは155℃まで、好ましくは150℃まで、好ましくは145℃まで、好ましくは140℃まで、好ましくは138℃まで、好ましくは135℃までである。
臭素価は、100グラムのサンプルによって吸収されたグラム単位の臭素(Br)の量であり、サンプルの不飽和度の指標である。いくつかの実施形態において、インクジェットインクに使用されるテルペン樹脂(A)は、少なくとも25、好ましくは少なくとも26、より好ましくは少なくとも27、及び35まで、好ましくは34まで、より好ましくは33まで、より好ましくは32まで、更により好ましくは31まで、なお更により好ましくは30までの臭素価を有するが、これらの値を上回る又は下回る臭素価を有するテルペン樹脂(A)(例えば、水素化テルペン樹脂(A))も開示したインクジェットインクに使用を見出すことができる。
テルペンフェノール樹脂(A)は、インクジェットインクの総重量に基づいて、少なくとも0.1重量%、好ましくは少なくとも0.5重量%、より好ましくは少なくとも1重量%、より好ましくは少なくとも1.5重量%、より好ましくは少なくとも2重量%、更により好ましくは少なくとも2.5重量%、なお更により好ましくは少なくとも3重量%、及び10重量%まで、好ましくは9重量%まで、より好ましくは8重量%まで、より好ましくは7重量%まで、より好ましくは6重量%まで、更により好ましくは5重量%まで、なお更により好ましくは4重量%までの量でインクジェットインク中に存在し得る。
本開示のインクジェットインクは、α-ピネンから製造される1種類のテルペン樹脂(A)を用いて、又はα-ピネンから製造される2種類以上のテルペン樹脂(A)の組み合わせを用いて配合され得る。本明細書のインクジェットインクに単独で又は組み合わせて使用することができるα-ピネンから製造されるテルペン樹脂(A)の例としては、それぞれPinova社から入手可能なPICCOLYTE A115(環球式SP=112~118℃、臭素価=31.5)、PICCOLYTE A125(環球式SP=122~128℃、臭素価=31.5)、PICCOLYTE A135(環球式SP=132~138℃、臭素価=27)、PICCOLYTE A135 PLUS(環球式SP=132~138℃)、PICCOLYTE AO PLUS(オリゴマー、液体)、及びPINOVA RESIN 2495(環球式SP=132~138℃、臭素価=27)が挙げられるが、これらに限定されない。
α-ピネンから製造されるテルペン樹脂(A)とメチルエチルケトン(B)との組合せは、以下に説明するように、優れた乾燥時間及び同時に優れたデキャップ時間をインクジェットインクに提供することが予想外に発見された(例えば、表2、実施例1、5~10参照)。一方、α-ピネンから製造されるテルペン樹脂(A)が、他のテルペンモノマーから製造されるテルペン樹脂(例えば、β-ピネンから製造されるテルペン樹脂、例えば、PICCOLYTE S135、環球式SP=130~136℃、臭素価=27、Pinova社から入手可能)又は他の樹脂/バインダー/粘着付与剤/粘着物質(例えば、DERTOPHENE T160等のテルペンフェノール樹脂、FORAL AX等のロジン樹脂、それぞれPinova社から入手可能、等)で置換されたインクジェットインクは、デキャップ後1分間以内に発生するノズルの不吐出を伴う不十分な(すなわち、短い)デキャップ時間に悩まされることが見出された(例えば、表2、実施例2~4参照)。
溶媒系
溶媒系インクを利用する多くの印刷プロセスにおいて、特にサーマルインクジェット印刷において、適切な溶媒系の選択は、印刷プロセスの信頼性、印刷されたインク製品の特性/外観、及び全体的な印刷プロセス効率に影響を及ぼし得る。例えば、サーマルインクジェット印刷では、溶媒系の選択は、1)噴射プロセス中の気泡形成を助けて、信頼性のあるインク噴射をもたらし、2)溶媒(複数可)と様々なインクジェットインク成分との間の相互作用力を変化させることによってインクジェットインクの安定性/揮発性に影響を与え、したがってデキャップ挙動、コゲーション、及び/又は液滴軌道に影響を与え、3)溶媒系と他のインクジェットインク成分との間の相互作用力によって、溶媒が乾燥後にもはや存在しなくても、又はより少ない量で存在しても、印刷画像の接着、摩擦及び引っかき抵抗性、並びに光学濃度特性に影響を与え、及び/又は4)塗布後の乾燥時間又は塗布したインクを乾燥させるのに必要な装置に影響を与えることができる。
上記に照らして、特に好ましいのは、(B)メチルエチルケトン(MEK)を更に含有するインクジェットインクである。メチルエチルケトン(B)の含有は、インクジェットインク成分の溶媒和を助け、乾燥時間の目的のために許容可能な揮発性を有するインクジェットインクを提供し得る。メチルエチルケトン(B)は、本明細書のインクジェットインクに使用される溶媒系の大部分を構成することが好ましい。いくつかの実施形態において、メチルエチルケトン(B)は、インクジェットインクの総重量に基づいて、少なくとも60重量%、好ましくは少なくとも65重量%、より好ましくは少なくとも70重量%、より好ましくは少なくとも75重量%、更により好ましくは少なくとも80重量%、なお更により好ましくは少なくとも82重量%、及び95重量%まで、好ましくは90重量%まで、より好ましくは89重量%まで、より好ましくは88重量%まで、更により好ましくは86重量%まで、なお更により好ましくは84重量%までの量で、インクジェットインク中に存在する。
いくつかの実施形態において、メチルエチルケトン(B)とテルペン樹脂(A)との重量比((B):(A))は、少なくとも10:1、好ましくは少なくとも15:1、より好ましくは少なくとも20:1、より好ましくは少なくとも25:1、更により好ましくは少なくとも28:1、なお更により好ましくは少なくとも30:1、及び50:1まで、好ましくは45:1まで、より好ましくは40:1まで、更により好ましくは35:1まで、なお更により好ましくは32:1までである。
メチルエチルケトン(B)に加えて、インクジェットインクは、インク乾燥時間に悪影響を及ぼすことなくデキャップ性能を更に改善するために、任意選択でグリコールエーテル(C)を配合してもよい。グリコールエーテル(C)は、モノアルキルエーテル、ジアルキルエーテル、モノアルキルモノエステルエーテル、又はこれらの組み合わせであってもよい。好ましい実施形態において、グリコールエーテル(C)は、モノアルキルエーテルであり、すなわち、1個の遊離ヒドロキシ基を含有する。使用される場合、グリコールエーテル(C)は、インクジェットインクの総重量に基づいて、15重量%までの量で、例えば、少なくとも1重量%、好ましくは少なくとも2重量%、より好ましくは少なくとも3重量%、更により好ましくは少なくとも4重量%、及び15重量%まで、好ましくは10重量%まで、より好ましくは8重量%まで、更により好ましくは6重量%まで、なお更により好ましくは5重量%までの量でインクジェットインク中に存在し得る。
有利なデキャップ及び乾燥時間特性は、200℃未満、好ましくは190℃未満、好ましくは180℃未満、より好ましくは170℃未満、より好ましくは160℃未満、より好ましくは150℃未満、より好ましくは140℃未満、更により好ましくは130℃未満、なお更により好ましくは125℃未満の沸点(標準圧力で)を有するグリコールエーテル(C)が使用される場合に実現され得る。
グリコールエーテル(C)は、好ましくは少なくとも3個の炭素原子、より好ましくは少なくとも4個の炭素原子、及び好ましくは12個までの炭素原子、より好ましくは10個までの炭素原子、より好ましくは8個までの炭素原子を含有し得る。開示されたインクジェットインクに任意選択で含有され得るグリコールエーテル(C)の許容可能な例としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ-イソプロピルエーテル、エチレングリコールモノ-n-プロピルエーテル、エチレングリコールモノ-t-ブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノ-イソブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ-t-ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ-n-プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ-イソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。好ましい実施形態において、グリコールエーテル(C)は、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、及びプロピレングリコールモノ-n-プロピルエーテルからなる群から選択される少なくとも1つであり、好ましくはプロピレングリコールモノメチルエーテルである。
メチルエチルケトン(B)及び任意選択でグリコールエーテル(C)に加えて、インクジェットインクは、任意選択で、1種以上の追加の有機溶媒を含有し得る。存在する場合、追加の有機溶媒は、20重量%まで、好ましくは15重量%まで、好ましくは10重量%まで、好ましくは5重量%まで、より好ましくは4重量%まで、更により好ましくは2重量%まで、なお更により好ましくは1重量%までの量で含有され得る。例示的な追加の有機溶媒としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない。
・1~8個の炭素原子を含有する低級アルコール、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール等;
・エーテル(非グリコールエーテル)、例えばジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、メチルtert-ブチルエーテル、ジブチルエーテル、ジオキサン、及びテトラヒドロフラン等の4~8個の炭素原子を含むエーテル;
・ケトン(MEK以外)、例えば、アセトン、3-ペンタノン及びシクロヘキサノンを含む、3~6個の炭素原子を含有するケトン;
・エステルであって、3~8個の炭素原子を有するものを含むエステル、例えばメチルアセテート、エチルアセテート、n-ブチルアセテート、メチルラクテート、エチルラクテート;
・等、並びにそれらの2種以上の混合物。
いくつかの実施形態において、インクジェットインクは、低級アルコール溶媒(1~8個の炭素原子を有する)を実質的に含有しない。いくつかの実施形態において、インクジェットインクは、エーテル溶媒(グリコールエーテル(C)以外)を実質的に含有しない。いくつかの実施形態において、インクジェットインクは、ケトン溶媒(MEK以外)、特にアセトンを実質的に含有しない。いくつかの実施形態において、インクジェットインクは、エステル溶媒を実質的に含有しない。いくつかの実施形態では、インクジェットインクは、追加の有機溶媒、すなわち、メチルエチルケトン(B)及びいくつかの場合にはグリコールエーテル(C)以外の有機溶媒を実質的に含有しない。
好ましい実施形態では、本開示のインクジェットインクは実質的に非水性であり、これは、周囲条件に由来する偶発的な量の水分以外の水がインクジェットインクに添加されないことを意味する。このような場合、インクジェットインクは、インクジェットインクの総重量に基づいて、1重量%未満、好ましくは0.5重量%未満、好ましくは0.1重量%未満、好ましくは0.05重量%未満、好ましくは0.01重量%未満、より好ましくは0重量%の水を有し得る。
ロジン樹脂(D)
インクジェットインクは、任意選択でロジン樹脂(D)を配合することができる。テルペン樹脂(A)及びメチルエチルケトン(B)と相溶性である任意のロジン樹脂(D)を本明細書で利用することができ、これにはガムロジン、ウッドロジン、及びトール油ロジン(その主成分は、アビエチン酸、パラストリン酸、ネオアビエチン酸、ピマル酸、イソピマル酸及び/又はデヒドロアビエチン酸等の樹脂酸である)から誘導されるロジン樹脂(D)、好ましくはウッドロジンから誘導されるロジン樹脂(D)が含有される。使用される場合、ロジン樹脂(D)は、インクジェットインクの総重量に基づいて、10重量%まで、例えば少なくとも0.5重量%、好ましくは少なくとも1重量%、より好ましくは少なくとも1.5重量%、より好ましくは少なくとも2重量%、更により好ましくは少なくとも2.5重量%、なお更により好ましくは少なくとも3重量%、及び10重量%まで、好ましくは8重量%まで、より好ましくは6重量%まで、更により好ましくは5重量%まで、なお更により好ましくは4重量%までの量で使用することができる。
ロジン樹脂(D)は、エステル化、水素化(部分水素化を含む)、二量体化、及び/又は他の修飾/官能化、例えば、不飽和二酸(例えば、マレイン酸又はフマル酸/無水物)とのディールス-アルダー反応、それぞれのアルデヒド/アルコールへのカルボン酸還元、二重結合異性化、脱水素化、酸化、不均化等によって前述のロジンを変性することによって形成することができる。例示的なロジン樹脂(D)としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:
・ロジンエステル樹脂、例えば、グリセリン、ペンタエリスリトール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、メタノール等のアルコールと反応させたアビエチン酸型又はピマル酸型の樹脂酸を主成分とするロジンのエステルであって、任意選択で水素化又は部分水素化されたもの等、具体的には、ハリマ化成グループ株式会社から入手可能なHARIESTER製品、それぞれEastman社から入手可能なSTAYBELITE ESTER 10-E、及びPERMALYN 6110、荒川化学工業株式会社から入手可能なSUPER ESTER A-125、SUPER ESTER A-75、PENSEL D-125、PINECRYSTAL KE-359、及びPinova社から入手可能なFORAL 85、FORAL 105、HERCOLYN製品、PEXALYN製品、及びPENTALYN製品;
・それぞれPinova社から入手可能なFORAL AX及びFORAL DX等の水素化酸性ロジン;
・部分水素化酸性ロジン、例えば、Eastman社から入手可能なSTAYBELITE RESIN-E、及びそれぞれPINOVA社から入手可能なSTAYBELITE及びSTAYBELITE A;
・Eastman社から入手可能なPOLY-PALE部分二量体化ロジン等の二量体化ロジン;及び
・官能化ロジン樹脂、例えば、マレイン酸無水物で変性されたロジンのエステル(例えば、グリセロールエステル)、又はカルボン酸還元条件に付されたロジン、具体的には、それぞれEastman社から入手可能なLEWISOL 28-M及びアビトール-E ヒドロアビエチルアルコール;
・及びそれらの混合物。
いくつかの実施形態において、ロジン樹脂(D)は、少なくとも50℃、好ましくは少なくとも55℃、より好ましくは少なくとも60℃、更により好ましくは少なくとも65℃、及び80℃まで、好ましくは75℃まで、より好ましくは70℃まで、更により好ましくは68℃までの軟化点(環球式SP)を有する。いくつかの実施形態において、ロジン樹脂(D)は酸性ロジン(非エステル化)であり、酸価(mgKOH/g)が少なくとも100、好ましくは少なくとも110、より好ましくは少なくとも120、より好ましくは少なくとも130、更により好ましくは少なくとも140、なお更により好ましくは少なくとも150、及び170まで、好ましくは165まで、より好ましくは160まで、更により好ましくは158までである。
好ましい実施形態では、ロジン樹脂(D)は、水素化酸性ロジン、好ましくは水素化酸性ウッドロジン、例えば、それぞれPinova社から入手可能なFORAL AX及びFORAL DXである。いくつかの実施形態において、インクジェットインクは、ロジンエステル樹脂、部分水素化酸性ロジン、二量体化ロジン、及び他の官能化/変性ロジン樹脂を実質的に含有しない。いくつかの実施形態では、水素化酸性ロジンは、インクジェットインク中に存在する唯一のロジン樹脂(D)である。
アリールアルキル変性シリコーン樹脂(E)
インクジェットインクは、任意選択でアリールアルキル変性シリコーン樹脂(E)を配合することができる。一般に、少なくとも1つのアリールアルキル基を含有するように変性された任意のシリコーンポリマー又はオリゴマーを本明細書で使用することができ、これには、ポリジメチルシロキサン主鎖、ポリ(ジメチルシロキサン-コ-メチルフェニルシロキサン)主鎖、ポリ(ジメチルシロキサン-コ-ジフェニルシロキサン)主鎖、又はポリ(ジメチルシロキサン-コ-メチルアルキルシロキサン)主鎖に基づくものが含まれ、ケイ素原子に結合している少なくとも1つのメチル基、フェニル基、又はアルキル基(メチル以外)がアリールアルキル基で置換されている。信越化学工業株式会社から入手可能なKF-410は、アリールアルキル変性ポリジメチルシロキサンの例であり、それぞれBYK Additives&Instrumentsから入手可能なBYK-322及びBYK-323は、アリールアルキル変性ポリ(ジメチルシロキサン-コ-メチルアルキルシロキサン)の例である。
アリールアルキル修飾は、側鎖修飾(ケイ素原子に結合した側鎖である少なくとも1つのメチル基、フェニル基、又はアルキル基がアリールアルキル基で置換されている)、末端基修飾(ポリシロキサンの一端又は両端のケイ素原子に結合した少なくとも1つのメチル基、フェニル基、又はアルキル基がアリールアルキル基で置換されている)、又はこれらの組み合わせであってもよい。
アリールアルキル基は、少なくとも7個、好ましくは少なくとも8個、より好ましくは少なくとも9個の炭素原子、及び32個までの炭素原子、好ましくは22個までの炭素原子、より好ましくは18個までの炭素原子、更により好ましくは12個までの炭素原子を有することができ、なお更により好ましくは9個の炭素原子を有するアリールアルキル基である。例示的なアリールアルキル基としては、ベンジル、フェネチル、3-フェニルプロピル、2-フェニルプロピル、1-フェニルプロピル、4-フェニルブチル、3-フェニルブチル、2-フェニルブチル、2-メチルベンジル、3-メチルベンジル、4-メチルベンジル、2,4-ジメチルベンジル、及び2-(4-エチルフェニル)エチル、3-(3-プロピルフェニル)プロピルが挙げられるが、これらに限定されず、2-フェニルプロピル(-CH-CH(C)-CH)が特に好ましい。
好ましい実施形態において、アリールアルキル変性シリコーン樹脂(E)はアリールアルキル変性ポリジメチルシロキサンであり、好ましくは式(I)の側鎖型アリールアルキル変性ポリジメチルシロキサンである。
Figure 2023514932000001
式中、Aは上記のアリールアルキル基であり、oは0又は正の整数であり、pは正の整数である。このタイプのアリールアルキル変性シリコーン樹脂(E)の例は、信越化学工業株式会社から入手可能なKF-410である。
いくつかの実施形態において、アリールアルキル変性シリコーン樹脂(E)は、少なくとも500mm/s、好ましくは少なくとも600mm/s、より好ましくは少なくとも700mm/s、更により好ましくは少なくとも800mm/s、なお更により好ましくは少なくとも900mm/s、及び3,000mm/sまで、好ましくは2,500mm/sまで、より好ましくは2,000mm/sまで、更により好ましくは1,500mm/sまで、なお更により好ましくは1,000mm/sまでの粘度を有する。
アリールアルキル変性シリコーン樹脂(E)は、インクジェットインクの全重量に基づいて10重量%まで、例えば、インクジェットインクの全重量に基づいて、少なくとも0.1重量%、好ましくは少なくとも0.2重量%、より好ましくは少なくとも0.4重量%、より好ましくは少なくとも0.6重量%、更により好ましくは少なくとも0.8重量%、なお更により好ましくは少なくとも1重量%、及び10重量%まで、好ましくは8重量%まで、より好ましくは6重量%まで、より好ましくは5重量%まで、より好ましくは4重量%まで、より好ましくは3重量%まで、更により好ましくは2重量%まで、なお更により好ましくは1.5重量%までの量でインクジェットインクに使用することができる。
その他の樹脂
上記のテルペン樹脂(A)、及び任意選択のロジン樹脂(D)及び/又はアリールアルキル変性シリコーン樹脂(E)に加えて、インクジェットインクは、インクジェットインクの総重量に基づいて、少なくとも0.1重量%、好ましくは少なくとも0.5重量%、好ましくは少なくとも1重量%、好ましくは少なくとも1.5重量%、好ましくは少なくとも2重量%、好ましくは少なくとも2.5重量%、及び10重量%まで、好ましくは9重量%まで、好ましくは8重量%まで、好ましくは7重量%まで、好ましくは6重量%まで、好ましくは5重量%まで、好ましくは4重量%まで、好ましくは3重量%までの量で、他の樹脂、バインダー、粘着付与剤又は接着物質を任意選択で含有してもよい。このような追加の樹脂、バインダー、粘着付与剤又は接着剤物質としては、以下のものが挙げられるが、これらに限定されない。
・(i)少なくとも1つの水酸基に対してオルト位及び/又はパラ位に少なくとも2つの置換可能な水素原子を有する1つ以上の一価又は多価フェノール化合物と、(ii)1つ以上のテルペンとのアルキル化からの共重合体反応生成物であるテルペンフェノール樹脂(TPR);(i)フェノール、o-クレゾール、m-クレゾール、p-クレゾール、2,5-キシレノール、2,3-キシレノール、3,4-キシレノール、3,5-キシレノール、2,3,5-トリメチルフェノール、イソプロピルフェノール(例えば、4-イソプロピルフェノール)、tert-ブチルフェノール(例えば、4-tert-ブチルフェノール)、アミルフェノール(例えば、4-tert-アミルフェノール)、ヘプチルフェノール(例えば、4-ヘプチルフェノール)、オクチルフェノール(例えば、o-オクチルフェノール、p-オクチルフェノール等)、ノニルフェノール(例えば、4-(2,4-ジメチルヘプタン-3-イル)フェノール)、デシルフェノール、ドデシルフェノール、ジフェニロールプロパン(ビスフェノールA)、フェニルフェノール(例えば、3-フェニルフェノール)、クミルフェノール、メキノール、ベンジルオキシフェノール、グアイアコール、エトキシフェノール(例えば、4-エトキシフェノール)、レゾルシノール、ピロガロール、カテコール、p-ハイドロキノン、1-ナフトール、及び/又は2-ナフトール等の1つ以上のフェノール化合物と、(ii)直鎖モノテルペン(例えば、ミルセン、オシメン等)、単環式モノテルペン(例えば、リモネン、γ-テルピネン、α-フェランドレン、β-フェランドレン、テルピノレン等)、及び/又は二環式モノテルペン(例えば、3-カレン、α-ピネン、β-ピネン、α-フェンチェン、カンフェン等)を含む1つ以上のテルペンモノマーと、の共重合から生成するもの等;具体的には、ヤスハラケミカル株式会社から入手可能なU130 POLYSTER(ヒドロキシル価(OHV)=25mgKOH/g)、U115 POLYSTER(OHV=30mgKOH/g)、T160 POLYSTER(OHV=60mgKOH/g)、T145 POLYSTER(OHV=65mgKOH/g)、及びPinova社から入手可能なDERTOPHENE T(OHV=40mgKOH/g)、DERTOPHENE T160(OHV=60mgKOH/g);
・フェノール樹脂(すなわち、フェノール化合物とホルムアルデヒドとの共重合体)、例えば、DIC株式会社から入手可能なフェノライトTD-2131及びフェノライトTD-2090等のノボラック樹脂;
・ポリアミド樹脂、例えば、BASFジャパン株式会社から入手可能なVERSAMID725、744、756、759、Sanho Chemical Co.Ltd.から入手可能なTOHMIDE90、92、394-N、及びEvonik社から入手可能なSUNMIDE550、554、615A、638、640;
・スルホンアミド変性エポキシ樹脂を含むエポキシ樹脂、例えば、Rit-Chem社から入手可能なAD-PRO MTS;
・(メタ)アクリレート及びスチレン/(メタ)アクリレート樹脂、例えば、BASF社から入手可能なJONCRYL 63、JONCRYL 67、JONCRYL 586、JONCRYL 611、JONCRYL 682、JONCRYL 693、Palmer Holland社から入手可能なPARALOID DM-55及びPARALOID B-66、Dow Chemical,USAから入手可能なPARALOID B-72、並びにLucite Inc.から入手可能なELVACITE 2013;
・ポリウレタン樹脂、(i)ポリオール、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラヒドロフランジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,9-ノナンジオール、ポリエチレングリコールアジペートジオール、ポリエチレングリコールサクシネートジオール、ポリ(3-メチル-1,5-ペンタンジオールアジペート)グリコール、ポリ(3-メチル-1,5-ペンタンジオールテレフタレート)グリコール等のポリエステルポリオール、及びカーボネートポリオール(これらに限定されるものではない)と、(ii)ジイソシアネート、例えば2,4-トルエンジイソシアネート、2,6-トルエンジイソシアネート、4,4-ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、及びイソホロンジイソシアネート(これらに限定されるものではない)と、の反応から生成するもの等、例えばLubrizol社から入手可能なPERMAX 200、PERMAX 202、及びSANCURE 20025F;
・ポリビニルブチラール樹脂、例えばKuraray America,Inc.から入手可能なPIOLOFORM BN16及びMOWITAL B20H;
・ポリヒドロキシスチレン樹脂、例えばDuPont社からのポリ(p-ヒドロキシスチレン);
・ビニル樹脂、例えば、Dow Chemical Companyから入手可能なUCAR VYHH、VMCH、VMCA、及びVAGF、並びにWacker Chemie AG(ドイツ)から入手可能なVINNOL E15/45、H14/36、E15/45M、及びE16/40A;
・p-トルエンスルホンアミドホルムアルデヒド樹脂等のスルホンアミド変性ホルムアルデヒド樹脂;
・Eastman社から入手可能なセルロースアセテートブチレート(CAB-551-0.01)等のセルロースエステル樹脂;
・並びにポリエステル、スルホン化ポリエステル、セルロースエーテル、硝酸セルロース樹脂、ポリ無水マレイン酸、アセタールポリマー、スチレン/ブタジエン共重合体、メラミンホルムアルデヒド樹脂、スルホンアミド変性メラミンホルムアルデヒド樹脂、ケトン-アルデヒド樹脂、及びポリケトン樹脂;
・等、それらの混合物を含む。
いくつかの実施形態では、インクジェットインクは、上述のもの等の追加の樹脂、バインダー、粘着付与剤、又は接着物質を実質的に含有しない。いくつかの実施形態では、インクジェットインクはポリウレタン樹脂を実質的に含有しない。いくつかの実施形態では、テルペン樹脂(A)は、インクジェットインク中に存在する唯一の樹脂/バインダー/粘着付与剤/接着剤である。いくつかの実施形態では、インクジェットインクは、テルペン樹脂(A)とロジン樹脂(D)の組み合わせを含有する。いくつかの実施形態では、インクジェットインクは、テルペン樹脂(A)とアリールアルキル変性シリコーン樹脂(E)との組み合わせを含有する。いくつかの実施形態において、インクジェットインクは、テルペン樹脂(A)、ロジン樹脂(D)、及びアリールアルキル変性シリコーン樹脂(E)の組み合わせを含有し、好ましくは、追加の樹脂、バインダー、粘着付与剤、又は接着物質を実質的に含有しない。
(F)着色剤
当業者であれば、インクジェットインクに着色剤を任意選択で含有させて、様々な印刷目的に使用できる着色インクを提供することができ、インクジェットインクは特定の色に限定されるものではないことを容易に理解することができる。インクジェットインクには、所望の色を出すために、染料、顔料、それらの混合物等を含む、任意の着色剤を採用することができる。ただし、着色剤はインクジェットインク内に溶解又は分散可能なものとする。適切な色は、例えば、シアン、マゼンタ、イエロー、及びキー(ブラック)(「CMYK」)、ホワイト、オレンジ、グリーン、ライトシアン、ライトマゼンタ、バイオレット等を含み、スポットカラー及びプロセスカラーの両方を含む。一般に、着色剤は、インクジェットインクの総重量に対して、少なくとも0.1重量%、好ましくは少なくとも0.5重量%、好ましくは少なくとも1重量%、好ましくは少なくとも2重量%、好ましくは少なくとも3重量%、及び20重量%まで、好ましくは15重量%まで、好ましくは10重量%まで、好ましくは8重量%まで、好ましくは7重量%までの量で使用することができる。
インクジェットインクは、種々の染料を用いて配合することができ、特に、オリヱント化学工業株式会社から入手可能なOIL BLACK 860等の有機染料、及び金属錯体染料が好ましい。
インクジェットインクは、種々の無機顔料及び/又は有機顔料と配合することができる。インクジェットインクに色を与えることに加えて、そのような顔料は、印刷画像の耐光性、耐候性等を改善することができる。
(G)添加剤
既に述べた成分に加えて、インクジェットインクはまた、様々なインク特性及び性能を改善するために任意選択で様々な添加剤(G)と配合することもできる。例えば、インクジェットインクは、コゲーション防止剤、界面活性剤、安定剤、湿潤剤、及び安全保障のための爆発物マーカー(security taggant)のうちの1つ以上を任意選択で含有してもよい。
製造方法
本明細書に記載されるインクジェットインクの実施形態は、当業者に公知の任意の適切な技術によって調製することができ、例えば、成分(A)テルペン樹脂及び(B)メチルエチルケトンを任意選択の有機溶媒(例えば、(C)グリコールエーテル)及び任意の所望の任意選択成分(例えば、(D)ロジン樹脂、(E)アリールアルキル変性シリコーン樹脂、(F)着色剤、及び/又は添加剤(G))と任意の順序で組み合わせ、20~100℃の温度で適切な時間撹拌、かき混ぜ、及び/又は均質化して均質な溶液を形成することによって調製することができる。
一例では、インクジェットインクは、最初に、テルペン樹脂(A)をメチルエチルケトン(B)、及び任意選択の樹脂(例えば、(D)ロジン樹脂、(E)アリールアルキル変性シリコーン樹脂、及び/又は任意の追加の樹脂、バインダー、粘着付与剤、若しくは接着物質)又は他の任意選択の添加剤(G)と容器中で合わせ、その後、少なくとも10分間、好ましくは少なくとも15分間、好ましくは少なくとも20分間、好ましくは少なくとも25分間、好ましくは少なくとも30分間、好ましくは少なくとも35分間、好ましくは少なくとも40分間、好ましくは少なくとも45分間撹拌することによって作製することができる。グリコールエーテル(C)を使用する場合には、得られた混合物に添加し、続いて少なくとも10分間、好ましくは少なくとも15分間、好ましくは少なくとも20分間、好ましくは少なくとも25分間撹拌することができる。次いで、着色剤(F)を最終成分として連続的に混合しながら添加し、次いで、溶液を少なくとも10分間、好ましくは少なくとも15分間、好ましくは少なくとも20分間、好ましくは少なくとも25分間、好ましくは少なくとも30分間、好ましくは少なくとも35分間、好ましくは少なくとも40分間、好ましくは少なくとも45分間混合して、インクジェットインクを得ることができる。次いで、得られたインクジェットインクを、印刷カートリッジ、例えば、船井電機株式会社によって製造されたFUNAI TIJカートリッジ、又はMEKベースのインクに適した他のプリントヘッドに入れることができる。
特性
他の利点の中でも、本明細書に開示されるインクジェットインクは、延長されたデキャップ時間と塗布後の迅速な乾燥時間という優れた組み合わせを有する。本明細書に開示されるインクジェットインクはまた、高い光学濃度の印刷物を提供し、所望の光沢を提供するように調整することができる。
乾燥時間は、インクジェットインクをソリッドブロック画像(例えば、1cm×10cm)の形態で基材上に塗布し、インクジェットインクが周囲条件下(室温、約23℃の空気中、熱を加えない)で乾燥するのを一定時間、例えば、5、10、15、20、25、又は30秒間待ち、次いで、指による摩耗試験を行って、試験した時間間隔で印刷画像から指に色が移るかどうかを試験することによって測定することができる。色移りが生じた場合、試験した乾燥時間は、完全な乾燥を達成するのに十分ではない(「不合格」と評価)。色移りが生じない場合、試験した乾燥時間は、完全な乾燥を達成するのに十分である(「合格」と評価)。「合格」評価を達成するのに30秒間を超える乾燥時間を必要とする任意のインクジェットインクは、許容できない/遅い乾燥(「不良」)とみなされ、一方、30秒間以下の乾燥時間で「合格」評価を達成するものは、許容可能/迅速な乾燥(「良好」)とみなされる。好ましい実施形態では、本開示のインクジェットインクは、許容可能な/迅速な乾燥時間(「良好」評価)を有し、塗布後30秒間以内、好ましくは25秒間以内、より好ましくは20秒間以内、更により好ましくは15秒間以内に乾燥する。
本明細書に開示されるインクジェットインクはまた、細線画像(1mm×1cm、細線、モノクロビットマップ)を印刷し、インクジェットインクを特定の時間(1分間、10分間、60分間等)空気に曝露し(インクカートリッジをデキャップする)、同じ細線画像を再印刷し、デキャップ後に再印刷した画像を元の画像と比較してノズルの損失が生じたかどうかを判定することによって測定される、延長されたデキャップ時間を有する。試験した時間間隔でノズル抜けがない場合、インクジェットインクに「良好」なデキャップ評価を与える。試験した時間間隔で数個のノズル抜けが存在するが、細線画像の明瞭性又は可読性に著しい影響を与えるほどでない場合、インクジェットインクには、インクジェットインクが許容可能であることを示す「OK」デキャップ評価が与えられる。細線画像の明瞭性又は可読性が著しく影響を受ける程度に、試験した時間間隔でかなりの数のノズル抜けが存在する場合、インクジェットインクはその時間間隔で不良(「NG」)として分類される。好ましいインクジェットインクは、1分間以上、好ましくは10分間以上、より好ましくは60分間以上にわたってデキャップしたときに「良好」又は「OK」デキャップ評価を維持するものである。
光学濃度は、ソリッドブロック画像(例えば、1cm×10cm)を印刷し、分光光度計(例えば、X-rite社によって販売されているX-rite eXact、濃度/TVIモード)を用いて光学濃度を読み取ることによって測定することができる。光学濃度は、印刷面に引き込まれる反射又は吸収された光の尺度であるため、光学濃度の値は無次元である。1.90未満の光学濃度読み取り値を有する画像を生成するインクジェットインクは、低光学濃度画像を提供すると考えられ、一方、1.90以上の光学濃度読み取り値を提供するインクジェットインクは、高光学濃度画像を提供すると考えられる。好ましい実施形態において、本開示のインクジェットインクは、少なくとも1.90、好ましくは少なくとも1.91、好ましくは少なくとも1.92、好ましくは少なくとも1.94、好ましくは少なくとも1.96、好ましくは少なくとも1.98、好ましくは少なくとも2.00、好ましくは少なくとも2.05、好ましくは少なくとも2.10、好ましくは少なくとも2.15、好ましくは少なくとも2.17、及び好ましくは2.30まで、又は好ましくは2.20までの高い光学濃度を有する印刷画像を提供する。
開示されたインクジェットインクの別の利点は、それらを光沢に関して容易に調整して、特定の用途に望まれるように、高光沢、中光沢、又は低光沢を有する印刷画像を提供することができることである。光沢は、単純な目視検査方法によって評価することができ、「高」光沢、「中」光沢、又は「低」光沢として分類することができる。あるいは、光沢計(例えば、ドイツ国ゲーレッツソートのBYK-Gardner製のBYK-Gardner ヘイズ-光沢反射計)を使用して、60°測定角度(鏡面反射)で印刷画像の光沢強度を測定し、光沢を光沢単位(GU)で記録してもよく、「高」光沢は60°値>70GU、「中」光沢は60°値10~70GU、「低」光沢は60°値<10GUである。
印刷物
インクジェットインクは、多種多様な印刷物の製造のために、三次元部品及びロール形態で供給される平坦なシート又はウェブを含む様々な基材上に印刷することができる。加えて、基材は、様々な表面タイプ、例えば、平坦な表面、粒状化された表面等の構造化された表面、並びに湾曲した及び/又は複雑な表面等の三次元表面を有することができ、これらは、湾曲した及び/又は複雑な表面のすべての部分に到達するためにインクが移動しなければならない長い距離のために、困難な基材であることがよく知られている。このような印刷物は、グラフィックアート、テキスタイル、パッケージング(例えば、食品包装、医薬品包装等)、宝くじ、ビジネスフォーム、出版等の業界に適しており、その例としては、タグやラベル、宝くじ券、出版物、パッケージング(軟包装)、折り畳み式カートン、硬質容器(プラスチックカップや桶、ガラス容器、金属缶、ボトル、ジャー、チューブ)、店頭でのディスプレイ(point-of-sale display)等が挙げられる。
インクジェットインクは、多孔質又は浸透性基材上に印刷されてもよく、その例としては、非コート紙、木材、膜、及び布(例えば、織布、不織布、及びホイルラミネート布が挙げられるが、これらに限定されない)が挙げられるが、これらに限定されない。
インクジェットインクはまた、非多孔性又は非浸透性基材、例えば、様々なプラスチック、ガラス、金属(例えば、鋼、アルミニウム等)、及び/又は非浸透紙(例えば、コート紙)上に印刷されてもよい。これらとしては、成形プラスチック部品及びプラスチックフィルムの平坦なシート又はロールが挙げられ得るが、これらに限定されない。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、二軸延伸ポリスチレン(OPS)等のポリエステル、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、延伸ポリプロピレン(OPP)等のポリオレフィン、ポリ乳酸(PLA)、ナイロン及び延伸ナイロン、ポリ塩化ビニル(PVC)、セルローストリアセテート(TAC)、ポリカーボネート、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリアセタール、ポリビニルアルコール(PVA)等を含むものが挙げられる。好ましい実施形態では、基材はPETフィルムであり、その一例は帝人株式会社製のU292Wである。
印刷画像の形成方法
インクジェット印刷では、ドットの精密なパターンが、プリントヘッドとして知られる液滴生成デバイスから印刷媒体上に吐出されると、所望の印刷画像が形成される。プリントヘッドは、ノズルプレート上に配置され、インクジェットプリントヘッド基材に取り付けられた、精密に形成されたノズルのアレイを有する。インクジェットプリントヘッド基材は、1つ以上のインクリザーバとの流体連通を通してインクジェットインクを受容する発射チャンバのアレイを組み込む。各発射チャンバは、発射抵抗器として知られる抵抗素子を有し、この抵抗素子は、インクジェットインクが発射抵抗器とノズルとの間に集まるように、ノズルの反対側に配置される。各抵抗素子は典型的には抵抗材料のパッドであり、例えば約35μm×35μmの大きさである。プリントヘッドは、プリントカートリッジ又はインクジェットペンと呼ばれる外装によって保持及び保護される。特定の抵抗素子に通電すると、インクジェットインクの液滴がノズルを通って印刷媒体に向かって吐出される。インク液滴の発射は、典型的には、マイクロプロセッサの制御下にあり、マイクロプロセッサの信号は、電気トレースによって抵抗素子に伝達され、印刷媒体上に英数字及び他の画像パターンを形成する。ノズルは小さく、典型的には直径10μm~40μmであるので、目詰まりを最小限に抑えるインクが望ましい。特に、サーマルインクジェット(TIJ)は開放雰囲気プリントヘッド設計(ノズルオリフィスは大気に開放されており、インク加圧を可能にするためにオリフィスにバルブシールが存在しない)であるため、TIJ印刷は、デキャップ時間(プリントアイドル時間)がノズル内及び周囲のインクの早期乾燥を引き起こす間欠印刷中の性能低下に歴史的に悩まされてきた。
本開示は、1つ以上の実施形態において、サーマルインクジェットプリントヘッドによって基材の表面上にインクジェットインクを塗布し、インクジェットインクを乾燥させることによって、印刷画像を形成する方法を提供する。本明細書に記載されるインクジェットインクを使用することで、サーマルインクジェットプロセスに一般的に関連する短いデキャップ時間(溶媒損失の速度が速すぎる)及び遅い乾燥時間(溶媒損失の速度が遅すぎる)という相反する問題を克服しながら、依然として高品質の印刷を生成することができる。
本方法の印刷ユニットとしては、インクジェット印刷の技術分野で当業者に知られている任意のドロップオンデマンドプリントヘッドを使用することができ、これには、連続プリントヘッド、サーマルプリントヘッド、静電プリントヘッド、及び音響プリントヘッドが含まれるが、好ましくはサーマルプリントヘッド(熱変換器を有する)が使用される。例えば、印刷解像度、印刷速度、プリントヘッドパルス加温温度、駆動電圧及びパルス長等の典型的なパラメータは、プリントヘッドの仕様に従って調整することができる。本明細書の方法での使用に一般に適したプリントヘッドは、2~80pLの範囲の液滴サイズ及び10~100kHzの範囲の液滴周波数を有し、高品質のプリントは、例えば、駆動電圧を8.0~9.5ボルトに、印刷速度を300フィート/分まで、パルス加温温度を25~45℃に、及びパルス長を0.7~2.5マイクロ秒に設定することによって得ることができるが、これらの値を上回った、あるいは下回った値も使用することができ、依然として満足のいくプリントを得ることができる。開示された方法での使用に適した1つの非限定的なプリントヘッドの例は、船井電機株式会社製のFUNAI TIJカートリッジである。
塗布後、インクジェットインクを乾燥させる。好ましい実施形態では、乾燥は、塗布されたインクジェットインクを周囲条件下(空気中、約23℃)で30秒間以下、好ましくは25秒間以下、より好ましくは20秒間以下、更により好ましくは15秒間以下乾燥させることによって達成される。
塗布されたインクジェットインクを乾燥させるために外部熱を加えてもよいが、好ましい実施形態では、乾燥を促進するために、又は乾燥速度を増加させるために外部熱を加えない。例えば、塗布後にインクジェットインクを乾燥させるためにヒーターを使用しないことが好ましい。更に、本開示の方法は、エネルギー硬化(例えば、UV又は電子ビーム硬化)を必要としない。塗布されたインクが乾燥したと判断されたら、更にインクジェットインクを塗布してもよいし、又は当業者に公知の任意の処理ステップを必要に応じて実行してもよい。
また、本明細書の方法では、インクジェットインクを塗布する前に、コロナ処理、大気圧プラズマ処理、及び火炎処理等の基材表面処理を任意選択で使用して、印刷物特性、例えばインク接着性を改善することができることも認識すべきである。このような基材表面処理のパラメータは、印刷される基材材料、利用される特定のインクジェットインク、適用される印刷方法、並びに印刷物の所望の特性及び用途に応じて大きく変動し得る。
以下の実施例は、インクジェットインクを更に例示することを意図しており、特許請求の範囲を限定することを意図していない。
インクジェットインク
インクジェットインクのいくつかの例を以下の表1に示す。各成分の量は、インクジェットインクの総重量(100%)に対する重量百分率で表される。グリコールエーテルPMは、プロピレングリコールモノメチルエーテルである。PICCOLYTE A135、PICCOLYTE A115、PICCOLYTE A135 PLUS、及びPICCOLYTE AO PLUSは、Pinova社から入手可能なα-ピネンから製造されたテルペン樹脂である。PICCOLYTE S135は、Pinova社から入手可能なβ-ピネンから製造されたテルペン樹脂である。DERTOPHENE T160は、Pinova社から入手可能なテルペンフェノール樹脂である。FORAL AXは、Pinova社から入手可能なロジン樹脂(水素化酸性ウッドロジン)である。KF-410は、信越化学工業株式会社から入手可能なアリールアルキル変性シリコーン樹脂である。OIL BLACK 860は、オリエント化学工業株式会社から入手可能な有機染料である。*は、例が比較例であることを示す。
Figure 2023514932000002
調製方法
実施例のインクを調製するために、樹脂(複数可)を最初にメチルエチルケトン(MEK)と合わせ、機械的撹拌機によって少なくとも30分間混合した。次いで、グリコールエーテル(使用する場合)を混合物に添加し、少なくとも15分間混合した。次いで、染料を混合物に添加し、少なくとも30分間混合して、インクジェットインクを得た。次いで、インクジェットインク例を、船井電機株式会社製のFUNAI TIJカートリッジにより評価した。
樹脂の軟化点(SP)値
樹脂の軟化点を決定する方法の一例は、以下の通りである。溶融状態のサンプル2.1gを所定のリングに注入し、サンプルを室温まで冷却した後、JIS B7410に規定される以下の条件でSP値を測定する。
測定装置:自動環球式軟化点
試験機:ASP-MGK2(MEITECH社製)
加熱速度:5℃/分
加熱を開始する温度:40℃
測定溶媒:グリセロール
インクジェットインク評価方法
印刷サンプル調製
インクを評価するために、船井電機株式会社製に関連する熱印刷技術を使用した(ソフトウェアとハードウェアはXiJet社製、搬送台はKirk Rudy社製)。印刷基材には白色PETフィルム(帝人株式会社製U292W)を用いた。
乾燥時間測定
乾燥時間を評価するために使用した印刷条件は以下の通りであった。
・印刷解像度:600dpi×300dpi(縦×横)
・印刷速度:100フィート/分
・プレファイア 260nsec
・デッドタイム 1200nsec
・メインファイア 500nsec
・電圧 9.0V
・温度 30℃
・印刷画像:100%デューティ(1cm×10cm、モノクロビットマップ、ソリッドブロック画像)
摩耗試験は、一定時間(5、10、15、20、25、及び30秒間)経過後に指で行った。色のついた指は、完全な乾燥に十分な時間が経過していないことを示し(「不合格」)、色のついていない指は、完全な乾燥に十分な時間が経過していることを示す(「合格」)。「合格」評価を達成するのに30秒間を超える乾燥時間を有するインクジェットインクは、許容できない/遅い乾燥(「不良」)とみなされ、一方、30秒間以下の乾燥時間で「合格」評価を達成するものを、許容できる/迅速な乾燥(「良好」)とみなした。
デキャップ時間測定
デキャップ時間を評価するために使用した印刷条件は以下の通りであった。
・印刷解像度:300dpi×300dpi(縦×横)
・印刷速度:100フィート/分
・プレファイア 260nsec
・デッドタイム 1200nsec
・メインファイア 500nsec
・電圧 9.0V
・温度 30℃
・印刷画像:100%デューティ(1mm×1cm、モノクロビットマップ、細線画像)
細線画像を印刷し、印刷画像にノズル抜けがないことを確認した。確認後、プリントヘッドを特定の時間(1分間、10分間、又は60分間)デキャップのままにし、次いで同じ細線画像を使用して再印刷した。再印刷した画像(特定の時間経過後)を、ノズル抜けがないかチェックした。試験した時間間隔でノズル抜けがなかった場合、インクジェットインクに「良好」なデキャップ評価を与えた。試験した時間間隔で数個のノズル抜けが存在したが、細線画像の明瞭性又は可読性に著しい影響を与えるほどでなかった場合、インクジェットインクには、「OK」デキャップ評価が与えられた。細線画像の明瞭性又は可読性が著しく/負の影響を受ける程度に、試験した時間間隔でかなりの数のノズル抜けが存在した場合、インクジェットインクはその時間間隔で不良(「NG」)として分類された。試験したそれぞれの時間間隔でデキャップした(すなわち、空気に曝露した)ときに「良好」又は「OK」デキャップ分類を維持するインクジェットインクは、有利な/許容可能なデキャップ挙動(長い又は長期のデキャップ時間)を有すると考えられた。
光沢評価
完全乾燥後、乾燥時間測定からの印刷画像サンプルを光沢について目視検査し、「高」光沢、「中」光沢、又は「低」光沢に分類した。
インクジェットインク性能
Figure 2023514932000003
表2に示されるように、メチルエチルケトンと組み合わせてα-ピネンから製造されたテルペン樹脂を含有するインクジェットインク(実施例1及び5~10)は、乾燥時間(迅速乾燥)及びデキャップ時間(延長デキャップ)の両方に関して顕著な効果を達成した。一方、α-ピネンから製造されたテルペン樹脂をβ-ピネンから製造されたテルペン樹脂で置き換えたインクジェットインク(比較例2)は、1分間の短いデキャップ時間を含む、試験したすべてのデキャップ時間で許容できないデキャップ時間を示した。同様に、α-ピネンから製造されたテルペン樹脂をテルペンフェノール樹脂(比較例3)又はロジン樹脂(比較例4)で置き換えたインクジェットインクもまた、試験したすべてのデキャップ時間で許容できないデキャップ時間を示した。
数値の限界又は範囲が本明細書に記載されている場合、端点も含まれる。また、数値の限界又は範囲内のすべての値及び部分範囲は、明示的に記載されているかのように具体的に含まれる。
本明細書で使用される場合、単語「a」及び「an」等は、「1つ以上」という意味を有する。
本開示はまた、明示的に記載されているか否かにかかわらず、本明細書に提示される実施形態又は要素を「含む」、「からなる」及び「から本質的になる」他の実施形態を企図する。
明らかに、本発明の多数の変更及び変形が上記の教示に照らして可能である。したがって、添付の特許請求の範囲内で、本発明は、本明細書に具体的に記載されている以外の方法で実施され得ることを理解されたい。
上記のすべての特許及び他の参考文献は、詳細に記載されている場合と同じように、この参考文献によって完全に本明細書に組み込まれる。

Claims (20)

  1. (A)α-ピネンから製造されるテルペン樹脂と、(B)メチルエチルケトンとを含有するインクジェットインク。
  2. 前記テルペン樹脂(A)がα-ピネンから製造されるホモポリマーである、請求項1に記載のインクジェットインク。
  3. 前記テルペン樹脂(A)の数平均分子量が500~1,500g/molである、請求項1に記載のインクジェットインク。
  4. 前記テルペン樹脂(A)の軟化点が60~160℃である、請求項1に記載のインクジェットインク。
  5. 前記テルペン樹脂(A)が、前記インクジェットインクの総重量に基づいて0.1~10重量%の量で存在する、請求項1に記載のインクジェットインク。
  6. 前記メチルエチルケトン(B)が、前記インクジェットインクの総重量に基づいて60~95重量%の量で存在する、請求項1記載のインクジェットインク。
  7. 前記メチルエチルケトン(B)と前記テルペン樹脂(A)との重量比((B):(A))が、10:1~50:1である、請求項1に記載のインクジェットインク。
  8. (C)グリコールエーテルを更に含有する、請求項1に記載のインクジェットインク。
  9. 前記グリコールエーテル(C)の沸点が200℃未満である、請求項8に記載のインクジェットインク。
  10. 前記グリコールエーテル(C)が、前記インクジェットインクの総重量に基づいて15重量%までの量で存在する、請求項8に記載のインクジェットインク。
  11. (D)ロジン樹脂を更に含有する、請求項1に記載のインクジェットインク。
  12. 前記ロジン樹脂(D)が水素化酸性ロジンである、請求項11に記載のインクジェットインク。
  13. 前記ロジン樹脂(D)が、前記インクジェットインクの総重量に基づいて10重量%までの量で存在する、請求項11に記載のインクジェットインク。
  14. (E)アリールアルキル変性シリコーン樹脂を更に含有する、請求項1に記載のインクジェットインク。
  15. 前記アリールアルキル変性シリコーン樹脂(E)が、前記インクジェットインクの総重量に基づいて10重量%までの量で存在する、請求項1に記載のインクジェットインク。
  16. (F)着色剤を更に含有する、請求項1に記載のインクジェットインク。
  17. 基材と、前記基材上に配置された請求項1に記載のインクジェットインクの乾燥形態とを含む、印刷物。
  18. 基材上に印刷画像を形成する方法であって、サーマルインクジェットプリントヘッドを用いて請求項1に記載のインクジェットインクを前記基材上に塗布することと、前記インクジェットインクを乾燥させることとを含む、方法。
  19. 前記インクジェットインクが、30秒間以下の間空気に曝されたままにすることによって乾燥される、請求項18に記載の方法。
  20. 前記インクジェットインクを乾燥させるためにヒーターを使用しない、請求項18に記載の方法。

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