JP2022505979A - ナツメグエキス又はメイスリグナンを有効成分として含有する、環境汚染因子から誘導される皮膚刺激緩和及び皮膚保護用組成物 - Google Patents

ナツメグエキス又はメイスリグナンを有効成分として含有する、環境汚染因子から誘導される皮膚刺激緩和及び皮膚保護用組成物 Download PDF

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Abstract

Figure 2022505979000001
本発明は、ナツメグエキスやメイスリグナンを有効成分として含有する、環境汚染因子から誘導される皮膚刺激緩和及び皮膚保護用組成物に関するものであり、本発明に係るナツメグエキス及びメイスリグナンはXREによって媒介されるCYP1A1遺伝子発現を減少させ、粒子状物質によって損傷した皮膚を改善させたので、環境汚染因子から誘導される皮膚刺激緩和及び皮膚保護用に優れる効果がある。また、本発明は、天然物であるため、副作用なく安全に使用することができ、食品及び化粧品組成物に使用することができる。
【選択図】図8



Description

本出願は、2018年10月26日に出願された韓国特許出願第10-2018-0129382号に基づく優先権を主張し、前記明細書全体は参照により本出願に援用する。
本発明は、ナツメグエキス又はメイスリグナンを有効成分として含有する、環境汚染因子から誘導される皮膚刺激緩和及び皮膚保護用組成物に関するもので、より詳細には本発明の化学式1で表示されるメイスリグナン又はこれを含有するナツメグ抽出物を有効成分として含有する、環境汚染因子から誘導される皮膚刺激緩和及び皮膚保護用組成物に関するものである。
皮膚は、外部環境の刺激から体内の器官を保護して、体温調節などの生体恒常性維持に重要な役割を果たしている。しかし、過度な紫外線や汚染物質にさらされると、皮膚刺激を誘発するようになり、最終的に皮膚の老化につながることになる。このような外部刺激の中でも、特に重金属などの有害物質が混ざった微細なほこりや黄砂(yellow sand)は、皮膚の老化や皮膚損傷の主な原因として知られている(非特許文献1)。
Particulate matter(PM)10は、粒子サイズ10μm以下の粒子状物質を通称し、2.5μm以下の微小粒子状物質はPM2.5に区分される。粒子状物質は主に化石燃料を燃焼する際に発生し、石炭依存度が70%である中国発の粒子状物質が相当部分を占めている。一方、黄砂は、中国及びモンゴルなどの内陸に位置した砂漠における細かい砂や黄土が浮遊して上昇気流に乗って遠く輸送されて、地面近くに落下する現象である。産業国における疾病の約25~33%が環境的危害要因によって発生する。欧州では汚染された空気で、年間約31万人が早期に死亡すると推定されており、微小粒子状物質が1立方メートル(m3)当たり10μg増加すると、全体の死亡率は7%増加する。国内ではPM10を大気汚染物質として規制しており、このような粒子状物質などの大気汚染物質は、呼吸器疾患や心臓病を誘発することが知られている(非特許文献2、非特許文献3)。
敏感肌の場合には、大気汚染物質のような環境の変化に対して、一般的な皮膚よりも3倍以上の皮膚刺激が発生するとの研究がある。特にPM2.5は、一般的な粉塵よりも粒子が小さく、肌の毛穴の中に深く入って肌のトラブルを起こし、刺激性皮膚炎、ニキビ、アレルギー性皮膚炎などの各種症状を更に悪化させる。また、疫学的研究によると、粒子状物質に晒された肌がシワを増加させて、老化に直接的な影響を与えることが知られている。粒子状物質の表面に吸着された多環芳香族炭化水素(polycyclic aromatic hydrocarbon;PAH)がアリール炭化水素受容体(aryl hydrocarbon receptor;AhR)の活性を増加させ、異物応答配列(xenobiotic response receptor;XRE)に結合して、XREによって媒介されるシトクロムP450(cytochrome P450;CYP)1A1遺伝子の発現が増加するにつれて肌の老化が発生する。従って、粒子状物質や黄砂によって誘発された皮膚刺激反応を緩和させることができる、安全かつ効能が高い天然素材の開発が必要である。
これにより、環境汚染因子により誘導される皮膚の老化を防げる素材を「肌汚染防止物(antipollutant)」として定義し、これに対する研究が行われているが(非特許文献4、非特許文献5)、未だに明確な研究成果があるわけではない。
ミリスティカフラグランス(Myristica fragrans)はニクズク科(Myristicaceae)に属し、ミリスティカフラグランスの種子をナツメグ(nutmeg)と称する。今までナツメグと関連して解毒作用、抗糖尿病、抗炎効果などの活性が報告されている。また、ナツメグエキスに含有されている代表成分であるメイスリグナン(macelignan)は、PPARα/γdualアゴニストとして、抗糖尿病、肝臓保護、神経保護、抗菌、抗酸化活性などが報告されている。
しかし、本発明以前には、ナツメグエキス又はメイスリグナンを有効成分として含有する、環境汚染因子から誘導される皮膚刺激の緩和及び皮膚の保護効果に関しては知られていなかった。
J. Prev. Med. Public Health, 39:205-212, 2006 J. Exp. Biol. Med., 232:1109-1118, 2007 J. Biosci., 28:77-81, 2003 Tsai MJ et al., J Mol Med(Berl). 2014 Jun, 92(6):615-28 Ono Y et al., Exp Dermatol. 2013 May, 22(5):349-53
[発明の詳細な説明]
[技術的課題]
そこで、本発明者らは、天然物由来の環境汚染因子から誘導される皮膚刺激の緩和及び皮膚の保護機能がある物質を探索した結果、ナツメグエキス又はメイスリグナンが環境汚染因子から誘導される皮膚刺激の緩和及び皮膚の保護機能があることを究明することにより、本発明を完成した。
従って、本発明の目的は、ナツメグエキス又はメイスリグナンを有効成分として含有する、環境汚染因子から誘導される皮膚刺激緩和及び皮膚保護用薬学的組成物を提供することである。
また、本発明の目的は、ナツメグエキス又はメイスリグナンを有効成分として構成される、環境汚染因子から誘導される皮膚刺激緩和及び皮膚保護用薬学的組成物を提供することである。
また、本発明の目的は、ナツメグエキス又はメイスリグナンを有効成分として必須的に構成される、環境汚染因子から誘導される皮膚刺激緩和及び皮膚保護用薬学的組成物を提供することである。
本発明の他の目的は、ナツメグエキス又はメイスリグナンを有効成分として含有する、環境汚染因子から誘導される皮膚刺激緩和及び皮膚保護用食品組成物を提供することである。
また、本発明の他の目的は、ナツメグエキス又はメイスリグナンを有効成分として構成される、環境汚染因子から誘導される皮膚刺激緩和及び皮膚保護用食品組成物を提供することである。
また、本発明の他の目的は、ナツメグエキス又はメイスリグナンを有効成分として必須的に構成される、環境汚染因子から誘導される皮膚刺激緩和及び皮膚保護用食品組成物を提供することである。
本発明の他の目的は、ナツメグエキス又はメイスリグナンを有効成分として含有する、環境汚染因子から誘導される皮膚刺激緩和及び皮膚保護用化粧品組成物を提供することである。
また、本発明の他の目的は、ナツメグエキス又はメイスリグナンを有効成分として構成される、環境汚染因子から誘導される皮膚刺激緩和及び皮膚保護用化粧品組成物を提供することである。
また、本発明の他の目的は、ナツメグエキス又はメイスリグナンを有効成分として必須的に構成される、環境汚染因子から誘導される皮膚刺激緩和及び皮膚保護用化粧品組成物を提供することである。
本発明の他の目的は、ナツメグエキス又はメイスリグナンを有効成分として含有する、環境汚染因子から誘導される皮膚の汚染防止用組成物を提供することである。
また、本発明の他の目的は、ナツメグエキス又はメイスリグナンを有効成分として構成される、環境汚染因子から誘導される皮膚の汚染防止用組成物を提供することである。
また、本発明の他の目的は、ナツメグエキス又はメイスリグナンを有効成分として必須的に構成される、環境汚染因子から誘導される皮膚の汚染防止用組成物を提供することである。
本発明の他の目的は、環境汚染因子から誘導される皮膚刺激緩和及び皮膚保護用製剤を製造するためのメイスリグナン又はこれを含有するナツメグエキスの用途を提供することである。
本発明の他の目的は、メイスリグナン又はこれを含有するナツメグエキスを有効成分として含有する組成物の有効量を、これを必要とする個体に投与することを特徴とする環境汚染因子から誘導される皮膚刺激緩和及び皮膚保護方法を提供することである。
本発明の他の目的は、環境汚染因子から誘導される皮膚の汚染防止用製剤を製造するためのメイスリグナン又はこれを含有するナツメグエキスの用途を提供することである。
本発明の他の目的は、メイスリグナン又はこれを含有するナツメグエキスを有効成分として含有する組成物の有効量を、これを必要とする個体に投与することを特徴とする、環境汚染因子から誘導される皮膚の汚染防止を提供することである。
[技術的解決方法]
前記課題を解決するための手段として、本発明は、ナツメグエキス又はメイスリグナンを有効成分として含有する、環境汚染因子から誘導される皮膚刺激緩和及び皮膚保護用薬学的組成物を提供する。
また、本発明は、ナツメグエキス又はメイスリグナンを有効成分として構成される、環境汚染因子から誘導される皮膚刺激緩和及び皮膚保護用薬学的組成物を提供する。
また、本発明は、ナツメグエキス又はメイスリグナンを有効成分として必須的に構成される、環境汚染因子から誘導される皮膚刺激緩和及び皮膚保護用薬学的組成物を提供する。
本発明の他の目的を達成するために、本発明は、ナツメグエキス又はメイスリグナンを含有する、環境汚染因子から誘導される皮膚刺激緩和及び皮膚保護用食品組成物を提供する。
また、本発明は、ナツメグエキス又はメイスリグナンで構成される、環境汚染因子から誘導される皮膚刺激緩和及び皮膚保護用食品組成物を提供する。
また、本発明は、ナツメグエキス又はメイスリグナンで必須的に構成される、環境汚染因子から誘導される皮膚刺激緩和及び皮膚保護用食品組成物を提供する。
本発明の他の目的を達成するために、本発明は、ナツメグエキス又はメイスリグナンを含有する、環境汚染因子から誘導される皮膚刺激緩和及び皮膚保護用食品組成物を提供する。
また、本発明は、ナツメグエキス又はメイスリグナンで構成される、環境汚染因子から誘導される皮膚刺激緩和及び皮膚保護用化粧品組成物を提供する。
また、本発明は、ナツメグエキス又はメイスリグナンで必須的に構成される、環境汚染因子から誘導される皮膚刺激緩和及び皮膚保護用化粧品組成物を提供する。
本発明の他の目的を達成するために、本発明は、ナツメグエキス又はメイスリグナンを有効成分として含有する、環境汚染因子から誘導される皮膚の汚染防止用組成物を提供する。
また、本発明は、ナツメグエキス又はメイスリグナンを有効成分として構成される、環境汚染因子から誘導される皮膚の汚染防止用組成物を提供する。
また、本発明は、ナツメグエキスやメイスリグナンを有効成分として必須的に構成されている、環境汚染因子から誘導される皮膚の汚染防止用組成物を提供する。
本発明の他の目的を達成するために、本発明は、環境汚染因子から誘導される皮膚刺激緩和及び皮膚保護用製剤を製造するためのメイスリグナン又はこれを含有するナツメグエキスの用途を提供する。
本発明の他の目的を達成するために、本発明は、メイスリグナン又はこれを含有するナツメグエキスを有効成分として含有する組成物の有効量を、これを必要とする個体に投与することを特徴とする、環境汚染因子から誘導される皮膚刺激緩和及び皮膚保護方法を提供する。
本発明の他の目的を達成するために、本発明は、環境汚染因子から誘導される皮膚の汚染防止用製剤を製造するためのメイスリグナン又はこれを含有するナツメグエキスの用途を提供する。
本発明の他の目的を達成するために、本発明は、メイスリグナン又はこれを含有するナツメグエキスを有効成分として含有する組成物の有効量を、これを必要とする個体に投与することを特徴とする、環境汚染因子から誘導される皮膚汚染防止方法を提供する。
以下、本発明の構成を具体的に説明する。
本発明は、ナツメグエキス又はメイスリグナンを有効成分として含有する、環境汚染因子から誘導される皮膚刺激緩和及び皮膚保護用薬学的組成物を提供する。
前記ナツメグエキスはニクズク科(Myristicaceae)のニクズク属(Myristica)植物であって、前記ミリスティカフラグランスの種子(seed)が抽出対象になり得る。
具体的に、前記ナツメグエキスは、水、炭素数1~6の有機溶媒又はこれらの混合物を溶媒として抽出することができる。この時、前記有機溶媒はC1~C6の低級アルコール(alcohol)、アセトン(acetone)、エーテル(ether)、ベンゼン(benzene)、クロロホルム(chloroform)、酢酸エチル(ethyl acetate)、塩化メチレン(methylene chloride)、ヘキサン(hexane)、シクロヘキサン(cyclohexane)及び石油エーテル(petroleum ether)からなる群から選択された一つ以上であることが好ましいが、これに限定されない。
また、前記ナツメグの抽出に使用される低級アルコールは、エタノール又はメタノールであることがさらに好ましく、エタノールであることが最も好ましい。
抽出時に乾燥されたナツメグを粉砕した後、水、アルコール又はその混合物を、粉砕したナツメグ重量の2倍~20倍を添加して抽出することが好ましく、3倍~10倍を添加して抽出することがより好ましいが、これに限定されない。抽出温度は20℃~100℃であることが好ましく、60℃~100℃であることがさらに好ましいが、これに限定されない。
抽出時間は1時間~10時間であることが好ましく、2時間~5時間であることがより好ましいが、これに限定されない。
抽出方法は冷浸、超音波抽出又は還流冷却抽出方法がすべて利用可能であり、還流冷却抽出方法を利用することが好ましいが、これに限定されない。抽出回数は1回~5回が好ましく、2回~3回繰り返して抽出することがさらに好ましいが、これに限定されない。
また、前記ナツメグエキスは超高圧、亜臨界流体抽出法または超臨界流体抽出法によって抽出することができる。
抽出に使用されるナツメグは、収穫した後に洗浄してそのまま使用することもできるし、乾燥して使用することもできる。乾燥方法としては日干し、陰干し、熱風乾燥及び自然乾燥する方法を全て使用することができる。また、抽出効率を増大させるためにナツメグ又はその乾体を粉砕機で粉砕して使用することができる。
前記メイスリグナン(macelignan)は、好ましくは下記化学式1の構造を有する。
[化学式1]
Figure 2022505979000002
本発明のメイスリグナン(macelignan)は化学式1の構造を有し、天然から分離精製したり、商業的に購入して使用したり、または当業界に公知の化学的合成法で製造することができる。
好ましくは、本発明のメイスリグナンは、天然から分離精製することができる。より好ましくは、ミリスチカフラグランス(Myristica fragrans)から分離精製することができ、最も好ましくは、ミリスチカフラグランスの種子(ナツメグ;nutmeg)や仮種皮(aril)から分離精製することができる。また、他のニクズク科植物のミリスチカアルゲンティアウォールブ(Myristica argentea Warb)からでも分離精製することができ(Nat. Prod. Lett. 16:1-7, 2002)、タブノキ(Machilus thunbergii)(Bio. Pharm. Bull., 27:1305-1307, 2004)、レウカスアスぺラ(Leucas aspera)などからでも分離精製することができる(Chem. Pharm. Bull., 51:595-598, 2003)。
好ましくは、本発明のメイスリグナンは、ナツメグから、当業界に公知の溶媒抽出法及びクロマトグラフィーを用いた分離方法により分離、精製することができる。
本発明の一実施例によれば、本発明に係る組成物は、XREによって媒介される遺伝子の発現量を減少させることにより、環境汚染因子から誘導される皮膚刺激の緩和及び皮膚の保護及び皮膚の汚染防止に使用することができる。
本発明の組成物は、皮膚刺激の緩和及び皮膚の保護効果を有し、これらの皮膚刺激は、環境汚染因子による皮膚機能の低下、皮膚の老化促進などへの皮膚疾患として当業界に報告された疾患であることが好ましく、これを予防及び保護することを意味する。
本発明の皮膚刺激は皮膚炎(dermatitis)、アトピー(atopy)、乾癬(psoriasis)、ニキビ(acne)、皮膚癌(skin cancer)、及び湿疹(eczema)からなる群から選択されるいずれか一つ以上であることがより好ましいが、これに限定されない。
また、本発明の皮膚刺激緩和は“肌の汚染防止(anti-pollution)”することでもある。皮膚の汚染防止は自然要因(内因性老化)または環境汚染因子(多環芳香族炭化水素(poly aromatic hydrocarbons)、粒子状物質(particulate matter)、タバコの煙、黄砂又は重金属など)から肌を保護し、皮膚状態の改善を誘導することを意味し、好ましくは、環境汚染因子から皮膚を保護することを意味する。
本発明での用語“下記化学式1で表示されるメイスリグナン又はこれを含有するナツメグエキス”には、これらの薬学的に許容可能なこれらの塩、又はこれらのプロドラッグを含むものと見做す。
本発明での用語“プロドラッグ”とは、標的となる生理学的システム内で、プロドラッグが活性薬物として分泌または変換(例えば、酵素的に、生理学的に、機械的に、電子的に)されるために生変異(例えば、原発的な又は酵素的な)が必要となるように、“薬物”供給分子を薬学的に不活性にした誘導体を意味する。プロドラッグは安定性、毒性、特異性の欠如又は限られた生体利用率と関連した問題点を克服するためにデザインされる。典型的なプロドラッグらは、活性薬物分子そのものと化学的遮断グループ(例えば、逆にその薬物の活性を阻止するグループ)を含む。いくつかの先行する薬物は、代謝条件に応じて分離可能なグループを有する成分らの変形体または誘導体である。典型的な薬物は生理学的条件下で加溶媒分解を実行したり、酵素的分解を実行したり、他の生化学的変形(例えば、リン酸化、水素化、脱水素化、グリコシル化反応)が行われるとき、薬学的に体内及び体外で活性化される。プロドラッグは、たまたま溶解度、組織適合性、または哺乳類体内での徐放性などの利点を提供する。一般的なプロドラッグは適切なアルコール(例えば、低級アルカノール)を酸供給成分と反応させて得られるエステルのような酸誘導体、アミンと酸供給成分が反応してなされたアミド又は塩基性グループが反応して形成するアシル化された塩基誘導体(例えば、低級アルキルアミド)などを含む。
本発明のナツメグエキス又はメイスリグナンは、薬学的に許容可能な塩の形態で組成物内に含めることができる。“薬学的に許容可能な塩”とは、生理学的に許容され、ヒトに投与した時、通常的なアレルギー反応又はこれと類似した反応を起こさないことを意味し、前記塩には、薬学的に許容可能な遊離酸(free acid)によって形成された酸付加塩が好ましい。前記遊離酸は、有機酸と無機酸を使用することができる。前記有機酸は、これらに制限されるものではないが、クエン酸、酢酸、乳酸、酒石酸、マレイン酸、フマル酸、ギ酸、プロピオン酸、シュウ酸、トリフルオロ酢酸、安息香酸、グルコン酸、メタスルホン酸、グリコール酸、コハク酸、4-トルエンスルホン酸、グルタル酸及びアスパラギン酸を含む。また、前記無機酸は、これらに限定されるものではないが、塩酸、臭素酸、硫酸、及びリン酸を含む。
本発明の薬学的組成物は、薬学的に許容される担体と共に、当業界に公知の方法で投与経路によって多様に剤形化することができる。
一般的な医薬品の形態で製剤化する場合には、通常使用される充填剤、増量剤、結合剤、湿潤剤、崩解剤、界面活性剤などの希釈剤又は賦形剤を使用して調製される。経口投与のための固形製剤には、錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤などが含まれる。これらの固形製剤は、前記メイスリグナンの少なくとも一つ以上の賦形剤、例えば、澱粉、炭酸カルシウム、スクロースまたはラクトース、ゼラチンなどを混ぜて調製される。また、単純な賦形剤以外にマグネシウムスチレートタルクのような潤滑剤も使用される。経口投与のための液状製剤としては、懸濁剤、内用液剤、乳剤、シロップ剤などが該当するが、よく使用される単純希釈剤である水、リキッドパラフィン以外にさまざまな賦形剤、例えば、湿潤剤、甘味剤、芳香剤、保存剤などが含まれることができる。非経口投与のための製剤には、滅菌された水溶液、非水性溶剤、懸濁剤、乳剤、凍結乾燥製剤、軟膏剤、クリーム剤が含まれる。非水性溶剤、懸濁溶剤はプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブオイルのような植物油、オレイン酸エチルのような注射可能なエステルなどが使用される。
また、本発明の組成物は、非経口投与することができ、非経口投与は、皮下注射、静脈注射、筋肉注射または胸部内注射注入方式及び経皮投与方法による。注射注入方式の非経口投与用剤形に製剤化するためには、メイスリグナンを安定剤または緩衝剤と共に水で混合して溶液又は懸濁液に製造してこれをアンプル又はバイアルの単位投与型に製剤化する。投薬単位は、例えば、個別の投薬量の1、2、3又は4倍、又は1/2、1/3又は1/4倍を含有することができる。個別投薬量は、好ましくは有効薬物が1回に投与される量を含有して、これは通常1日投与量の全部、1/2、1/3、又は1/4倍に相当する。経皮投与剤の場合、軟膏剤、クリーム剤、ローション剤、ゲル剤、外用液剤、パスタ剤、塗布剤、エアゾール剤などの形態が含まれる。前記の“経皮投与”は、薬学的組成物を局所的に皮膚に投与して薬学的組成物に含有された有効な量の活性成分が皮膚内に伝達されることを意味する。
本発明での用語“薬学的に有効な量”とは、医学的用途に適用可能な合理的な受恵/危険比率で皮膚刺激緩和又は皮膚の保護に十分な量を意味し、有効容量水準は個体の種類及び重症度、年齢、性別、薬物の活性、薬物に対する敏感度、投与時間、投与経路及び排出比率、治療期間、同時使用される薬物を含む要素及びその他の医学分野によく知られた要素によって決定することができる。本発明の組成物は個別治療剤として投与するか又は他の治療剤と併用して投与することができ、従来の治療剤とは順次的又は同時に投与することができる。更に、単一又は多重投与することができる。前記要素を全て考慮して副作用無く最小限の量で最大効果が得られる量を投与することが重要であり、当業者により容易に決定することができる。
これらの剤形は、製薬化学に一般的な公知の処方書に記述されている。
その他の薬学的に許容される単体には、当業界に公知のものを参考にすることができる。
さらには、本発明の薬学的組成物は、喘息、アトピー皮膚炎のような皮膚刺激を予防及び治療する効果を有する公知の化合物と並行して投与することができる。
他の様相では、本発明の組成物を、重金属などにより皮膚刺激を示す細胞、組織、器官又は個体に投与して皮膚刺激を緩和又は抑制する方法を提供する。これと関連して皮膚刺激の原因疾患及び病理状態は本組成物及び方法を使用して予防又は治療することができる。
本発明で用語“個体”とは、皮膚刺激を緩和したり皮膚を保護する必要性があるヒトを含む全ての動物を意味し、皮膚刺激を伴う疾患の疾患者又は敏感性皮膚所有者を含む。本発明の組成物を個体に投与することにより皮膚刺激を緩和又は抑制、皮膚を保護することができる。
本発明の皮膚刺激緩和及び皮膚保護用組成物が食品組成物の場合、環境汚染因子から誘導される皮膚刺激緩和及び皮膚保護に使用することができる。
本発明の食品組成物は機能性食品、栄養補助剤、健康食品、食品添加剤及び飼料などの全ての形態を含み、ヒト又は家畜を含む動物を摂食の対象とする。前記類型の食品組成物は、当業界に公知の一般的な方法により多様な形態で製造することができる。
例えば、健康食品には本発明のメイスリグナン又はナツメグの抽出物又はその塩自体をお茶、ジュース及びドリンクの形態で製造して飲用するようにしたり、顆粒化、カプセル化及び粉末化して摂取することができる。更に、本発明のメイスリグナン又はナツメグエキスと皮膚刺激に改善効果があると知られている公知の物質又は活性成分と共に混合して組成物の形態で製造することができる。
前記タイプの食品組成物は、当業界に公知の一般的な方法によって様々な形態で製造することができる。一般食品にはこれに限定されないが、飲料(アルコール性飲料を含む)、果実及びその加工食品(例えば、果物缶詰、瓶詰、ジャム、ママレード等)、魚類、肉類及びその加工食品(例:ハム、ソーセージ、コンビーフ等)、パン類及び麺類(例:うどん、そば、ラーメン、スパゲティ、マカロニ等)、果汁、各種ドリンク、クッキー、飴、乳製品(例えば、バター、チーズなど)、食用植物油脂、マーガリン、植物性タンパク質、レトルト食品、冷凍食品、各種調味料(例えば、味噌、醤油、ソース等)等にナツメグエキス又はメイスリグナンを添加して製造することができる。
また、栄養補助食品としては、これに限定されないが、カプセル、錠剤、丸剤などにナツメグエキス又はメイスリグナンを添加して製造することができる。また、健康機能食品としては、これに限定されないが、例えば、ナツメグエキス又はメイスリグナン自体をお茶、ジュース及びドリンクの形態で製造して飲用(健康飲料)できるように液状化、顆粒化、カプセル化、及び粉末化して摂取することができる。また、ナツメグエキス又はメイスリグナンを食品添加物の形態で使用するためには粉末又は濃縮液形態で製造して使用することができる。また、ナツメグエキス又はメイスリグナンと皮膚刺激緩和及び皮膚保護用効果があると知られている公知の活性成分と共に混合して組成物の形態で製造することができる。
本発明の皮膚刺激緩和及び皮膚保護用組成物が健康飲料組成物として利用される場合、前記の健康飲料組成物は通常の飲料のように様々な香味剤又は天然炭水化物などを追加成分として含有することができる。上述した天然炭水化物はブドウ糖、果糖などの単糖類;マルトース、スクロースのような二糖類;デキストリン、シクロデキストリンのような多糖類;キシリトール、ソルビトール、エリスリトールなどの糖アルコールでもある。甘味剤は、タウマチン、ステビア抽出物のような天然甘味剤;サッカリン、アスパルテームのような合成甘味料などを使用することができる。前記天然炭水化物の割合は、本発明の組成物100mL当たり、一般的に約0.01~0.04g、好ましくは約0.02~0.03gである。
ナツメグエキス又はメイスリグナンは、皮膚刺激緩和及び皮膚保護用食品組成物の有効成分として含有することができるが、その量は、皮膚の刺激緩和及び皮膚の保護作用を達成するのに有効な量で、特に限定されるものではないが、全体の組成物の総重量に対して0.01~100重量%であって、0.01~50重量%であることが望ましい。本発明の食品組成物は、ナツメグエキス又はメイスリグナンと共に皮膚刺激緩和及び皮膚保護に効果があると知られている他の活性成分と一緒に混合して製造することができる。
前記の他に本発明の健康食品は、多様な栄養剤、ビタミン、電解質、風味剤、着色剤、ペクチン酸、ペクチン酸の塩、アルギン酸、アルギン酸の塩、有機酸、保護性コロイド増粘剤、pH調整剤、安定化剤、防腐剤、グリセリン、アルコール、又は炭酸化剤などを含有することができる。その他に本発明の健康食品は、天然フルーツジュース、フルーツジュース飲料、又は野菜飲料の製造のための果肉を含有することができる。これらの成分は、独立的に又は混合して使用することができる。これらの添加剤の割合は、それほど重要ではないが、本発明の組成物100重量部当り0.01~0.1重量部の範囲で選択されるのが一般的である。
また、本発明の皮膚刺激緩和及び皮膚保護用組成物は、化粧品組成物でもある。本発明の化粧料組成物は、本発明のメイスリグナン又はナツメグエキス又はこれらの塩と一緒に化粧料組成物の製造分野で一般的に使用される1つ以上の賦形剤及び添加剤を含めて当分野の公知の方法により容易に製造されることができる。
本発明の化粧品組成物は、ナツメグエキス又はメイスリグナンを有効成分として含有し、皮膚学的に許容可能な賦形剤と一緒に基礎化粧品組成物(化粧水、クリーム、エッセンス、クレンジングフォーム及びクレンジングウォーターのような洗顔剤、パック、ボディオイル)、色調化粧品組成物(ファンデーション、口紅、マスカラ、メイクアップベース)、頭髪製品組成物(シャンプー、リンス、ヘアコンディショナー、ヘアゲル)及び石鹸などの形態で製造することができる。前記賦形剤としてはこれに限定されないが、例えば、皮膚軟化剤、皮膚浸透増強剤、着色剤、芳香剤、乳化剤、濃化剤及び溶媒を含むことができる。また、香料、色素、殺菌剤、酸化防止剤、防腐剤及び保湿剤などをさらに含むことができ、物性改善を目的として増粘剤、無機塩類、合成高分子物質などを含むことができる。
前記賦形剤としては、これに限定されないが、例えば、皮膚軟化剤、皮膚浸透増強剤、着色剤、芳香剤、乳化剤、濃化剤及び溶媒を含むことができる。また、香料、色素、殺菌剤、酸化防止剤、防腐剤及び保湿剤などをさらに含むことができ、物性改善を目的として増粘剤、無機塩類、合成高分子物質などを含むことができる。例えば、本発明の化粧品組成物で洗顔料及び石鹸を製造する場合には、通常の洗顔剤及び石鹸ベースにナツメグエキス又はメイスリグナンを添加して容易に製造することができる。クリームを製造する場合には、一般的な水中油滴型(O/W)のクリームベースにナツメグエキス又はメイスリグナン又はその塩を添加して製造することができる。ここで香料、キレート剤、色素、酸化防止剤、防腐剤などと物性改善を目的としたタンパク質、ミネラル、ビタミンなどの合成又は天然素材を追加して添加することができる。
例えば、本発明のメイスリグナン又はナツメグエキスを含む洗顔剤及び石鹸を製造する場合には、通常の洗顔剤及び石鹸ベースにメイスリグナン又はナツメグエキスを添加して容易に製造することができる。クリームを製造する場合には、一般的な水中油滴型(O/W)のクリームベースにメイスリグナン又はナツメグエキスを添加して製造することができる。ここに香料、キレート剤、色素、酸化防止剤、防腐剤などと物性改善を目的としたタンパク質、ミネラル、ビタミンなどの合成又は天然素材を追加して添加することができる。
本発明の化粧品組成物に含有されるナツメグエキス又はメイスリグナンの含有量は、これに限定されないが、全体組成物の総重量に対して、0.001~10重量%であることが好ましく、0.01~5重量%であることがより好ましい。前記含量が0.001重量%未満では、目的とする老化防止又はシワ改善効果を期待することができず、10重量%を超えると安全性又は全ての剤形状製造に困難がありうる。
また、本発明は、ナツメグエキス又はメイスリグナンを有効成分として含有する、環境汚染因子から誘導される皮膚の汚染防止用組成物を提供する。
前記組成物は、薬学的組成物、化粧料組成物及び食品組成物の形態で提供することができる。これに対する説明は前記の前述した通りである。
本発明は、環境汚染因子から誘導される皮膚刺激緩和及び皮膚保護用製剤を製造するためのメイスリグナン又はこれを含有するナツメグエキスの用途を提供する。
また、本発明は、メイスリグナン又はこれを含有するナツメグエキスを有効成分として含有する組成物の有効量を、これを必要とする個体に投与することを特徴とする環境汚染因子から誘導される皮膚刺激緩和及び皮膚保護方法を提供する。
本発明は、環境汚染因子から誘導される皮膚の汚染防止用製剤を製造するためのメイスリグナン又はこれを含有するナツメグエキスの用途を提供する。
本発明は、メイスリグナン又はこれを含有するナツメグエキスを有効成分として含有する組成物の有効量を、これを必要とする個体に投与することを特徴とする環境汚染因子から誘導される皮膚の汚染を防止する方法を提供する。
本発明の前記“有効量”とは、個体に投与したときに、皮膚刺激及び皮膚損傷又は皮膚汚染の改善、治療、予防、検出、診断、又は、皮膚刺激及び皮膚損傷又は皮膚汚染の抑制又は減少効果を示す量を意味し、前記の“個体”とは、動物、好ましくは哺乳動物、特にヒトを含む動物であり得、動物から由来した細胞、組織、器官等であり得る。前記個体は前記の効果が必要な患者でもあり得る。
本発明の前記“治療”とは、皮膚の刺激及び皮膚の損傷又は皮膚の汚染又は皮膚の刺激及び皮膚の損傷又は皮膚汚染の症状を改善させることを包括的に指し、このような疾患を治癒したり、実質的に予防したり、又は状態を改善させることを含むことができ、皮膚刺激及び皮膚損傷又は皮膚の汚染から始まった一つの症状又は殆どの症状を緩和させたり、癒したり予防することを含むが、これに制限されるものではない。
本発明の用語“~を含む(comprising)”とは、“含有する”又は“特徴とする”と同じく使用されて、組成物又は方法において、記載されていない追加的な成分要素または方法の段階を排除しない。用語“~で構成される(consisting of)”とは、別途に記載されていない追加的な要素、ステップ又は成分などを除外することを意味する。用語“本質的に構成される(essentially consisting of)”とは、組成物または方法の範囲において、記載された成分要素又はステップと共にその基本的な特性に実質的に影響を及ぼさない成分要素又はステップなどを含むことを意味する。
本発明によるナツメグエキス又はメイスリグナンは、皮膚細胞内でXREによって媒介されるCYP1A1などの遺伝子の発現量を減少させることにより、環境汚染因子から誘導される皮膚刺激緩和及び皮膚の保護機能に優れ、食品、化粧品組成物に使用することができる。
図1は、ナツメグエキスの、BaP処理によるXREによって媒介されるルシフェラーゼ増加抑制活性の結果を示したものである。 図2は、ナツメグエキスの、BaP処理によるCYP1A1発現量の増加阻害活性結果を示したものである。 図3は、メイスリグナンの、BaP処理によるXREによって媒介されるルシフェラーゼ増加抑制活性の結果を示したものである。 図4は、メイスリグナンの、BaP処理によるCYP1A1発現量の増加阻害活性の結果を示したものである。 図5は、メイスリグナンの、f処理によるXREによって媒介されるルシフェラーゼ増加抑制活性の結果を示したものである。 図6は、メイスリグナンの、PM処理によるAhRのmRNA発現量の増加阻害活性の結果を示したものである。 図7は、メイスリグナンの、PM処理によるCYP1A1、CYP1B1、CYP1A2のmRNA発現量の増加阻害活性の結果を示したものである。 図8は、メイスリグナンの、PM処理による皮膚表皮層の損傷改善効果の結果を示したものである。
[発明の詳細な説明]
以下、本発明を詳細に説明する。
但し、下記実施例は、本発明を例示するものであり、本発明の内容が下記の実施例に限定されるものではない。
実施例1:ナツメグエキスの製造
1-1.メタノール抽出物
乾燥したナツメグをミキサーで粉砕し、粉砕したナツメグ100gを100%メタノール1Lに入れ、3時間常温で抽出した。抽出された試料は、ワットマン(Whatman)2番濾紙で減圧濾過して、濾過された抽出液を真空回転濃縮機で濃縮して溶媒成分を除去した後、ナツメグメタノール抽出物を得た。
1-2.エタノール抽出物
100%エタノール、70%エタノール、50%エタノール、30%エタノールを使用して50℃で抽出したことを除いては、前記実施例1-1と同じ方法で遂行してナツメグエタノール抽出物を得た。
1-3.エチルアセテート抽出物
100%エチルアセテートを使用した点を除いては、前記実施例1-1と同じ方法で遂行してナツメグエチルアセテート抽出物を得た。
1-4.ヘキサン抽出物
100%ヘキサンを使用した点を除いては、前記実施例1-1と同じ方法で遂行してナツメグヘキサン抽出物を得た。
1-5.熱水抽出物
水を使用した点と、80℃とした条件を除いては、前記実施例1-2と同じ方法で遂行してナツメグ熱水抽出物を得た。
1-6.超高圧抽出
乾燥したナツメグをミキサーで粉砕して、18%エタノール76mLをポリエチレンパックに入れて密封した後、超高圧抽出装置(Frescal MFP-7000;三菱重工、東京、日本)を利用して抽出した。超高圧抽出条件は、抽出圧力が320MPa、抽出時間は5分であった。以後、前記の実施例1-1と同じ方法を遂行してナツメグ超高圧抽出物を得た。
1-7.超臨界抽出物
乾燥したナツメグをミキサーで粉砕して、粉砕したナツメグ試料1gを試料カートリッジに充填して超臨界装置(SFX 3560;Isco Inc.、Lincoln、ネブラスカ州、アメリカ合衆国)を用いて抽出した。超臨界流体抽出条件は抽出圧力が40MPa、抽出温度は50℃、超臨界二酸化炭素の流速は60mL/min、抽出時間は60分であった。超臨界抽出が完了すると、抽出装置の圧力を下げて超臨界流体状態を解除してナツメグ超臨界抽出物を得た。
1-8.亜臨界抽出物
粉砕したナツメグ50gを1Lの水と一緒に亜臨界抽出装置(Biovan、Gyeonggi、大韓民国)の亜臨界水反応器に入れて密閉した。密閉した後、反応器の温度を200℃に、圧力は20MPaに上昇させて、反応器の温度が200℃に達すると、前記温度を20分間維持して抽出を行った。20分後、抽出物の冷却水が供給される貯蔵タンクに移送して、30℃まで急速冷却した後、浮遊残渣を分離するために3,600rpmで30分間遠心分離して上澄み液のみを取った。凍結乾燥機(ilShin Lab Co. Ltd.、ソウル、韓国) を利用して水を完全に除去することにより、ナツメグ亜臨界抽出物を製造した。
実施例2:メイスリグナンの分離及び構造決定
前記実施例1-2で100%エタノールを使用して得た濃縮されたナツメグ抽出物をエチルアセテート、ブタノール、水で分画した。エチルアセテート分画物(4.2g)を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて、ヘキサンとエチルアセテートを10:1(v/v)の割合で混合した溶媒で溶出させて、分画物III(1g)を得た。分画物IIIを、ヘキサンとエチルアセテート20:1(v/v)の割合で混合した溶媒でカラムクロマトグラフィーを行って分画物III-B(0.52g)を得た。以降、分画物III-BをRp-18カラムクロマトグラフィー(Lichroprep RP-18 25~40um; Merck & Co.)用いて、80%メタノールで溶出させて、単一物質分画III-B-2(0.5g)を得た。
前記で分離された単一物質III-B-2の構造を決定するために、1H-NMRスペクトルと13C-NMRスペクトルを、それぞれ600MHzと150MHz(溶媒:DMSO)で測定した。13C-NMRスペクトルと1H-NMRスペクトルの結果をもとに、1H-1Hの相関関係と1H-13Cの相関関係を測定するため、1H-1H COSYスペクトルと1H-13C HMBCスペクトルを測定した。前記分離された単一物質の質量分析のためにEI/MSで測定した結果、本化合物はEI/MSで[M]+がm/z 328で観測され、分子量が328であることが判明し、分子式は、C20H24O4であった。併せて、前記分離された単一物質III-B-2を20mg、2mlのクロロホルム(CHCl3)に溶かした後、偏光計(Automatic Polarimeter、APIII-589、Rodulph、ニュージャージー州、アメリカ合衆国)で非旋光度([α] D)値を測定した結果、[α] D=+4.0(CHCl3、c=1.0)であった。以上の1H-NMR、13C-NMR、1H-1H COSY、1H-13C HMBC、EI/MS及び[α] Dに対する結果と既に発表された研究報告(Woo, WS et al., Phytochemistry, 26:1542-1543, 1987)を比較分析して同定した結果、分離された単一物質は、化学式1で表示されるメイスリグナンであることが確認された。
[化学式1]
Figure 2022505979000003
実施例3:ナツメグエキスのBaP処理に伴うXREにより媒介されるルシフェラーゼ増加抑制活性
COS-7サル腎細胞(ATCC、Manassas、VAバージニア州、アメリカ合衆国)を、10%ウシ胎児血清(FBS; Hyclone、Logan、ユタ州、アメリカ合衆国)が含まれたダルベッコ改変イーグル培地(DMEM; Hyclone)で培養し、24ウェルプレートに24時間以上培養した。トランスフェクションのため無血清DMEM(Hyclone)にplus reagent(Aptabio、Gyeonggi、大韓民国)とXREプラスミドを一緒に混合して、15分間培養した。その後、lipofecter reagent(Aptabio)を混合して、室温で更に15分間培養させた後、細胞に処理した。4時間後、10%FBS(Hyclone)が含まれたDMEM(Hyclone)で細胞を24時間安定化させた。安定化後、多環芳香族炭化水素に属する物質 benzo(a)pyrene (BaP; Sigma-aldrich、St. Louis、ミズーリ州、アメリカ合衆国)5μMと一緒に、実施例1-2で製造したナツメグ100%エタノール抽出物を0.5μg/mLと1μg/mLで処理した。24時間経過した後、プロテアーゼ阻害剤カクテル(Sigma-aldrich)が含まれたNP-40溶解緩衝液(Elpis、Daejeon、大韓民国)で細胞を溶解させた。ルシフェラーゼ活性程度を、ルシフェラーゼ基質を入れた後、Microlumateplus LB 96V luminometer(Berthlod、Wildbab、ドイツ)を用いて測定した。
その結果、図1に示した通り、BaPはXRE統制下にあるルシフェラーゼの活性を有意的(**p<0.01)に増加させ、ナツメグエキスを処理することにより、増加したルシフェラーゼの活性を有意的(**p<0.01)に減少させた。これは、本発明のナツメグエキスが環境汚染因子による皮膚刺激を効率的に減少させることを意味する。
実施例4:ナツメグエキスのBaP処理に伴うCYP1A1発現量の増加阻害活性
皮膚の角質細胞であるHaCaT(ATCC)を、10%FBS(Hyclone)が含有されたDMEM(Hyclone)と一緒に6ウェルプレートに2×105cell/mLになるように入れた。細胞密度が約80~85%になったとき、5μMのBaP(Sigma-aldrich)と一緒に、実施例1-2のナツメグ100%エタノール抽出物を0.5と1μg/mLで24時間処理した。培養が終わった後、TRIzol試薬(Takara、東京、日本)を使用して総RNAを分離した。分離した総RNAは、ナノドロップ(NanoDrop 1000; Thermo Fisher Scientific Inc.、MA マサチューセッツ州、アメリカ合衆国)を利用して定量した。定量された16μLのRNAを逆転写酵素Premix(Elpis)とPCR装置(Gene Amp PCR System 2700; Applied Biosystems、マサチューセッツ州、アメリカ合衆国)を利用して、42℃で55分、70℃で15分の条件でcDNAで合成した。16μLの生成されたcDNAのうち、3μLのcDNA、下記の特定のプライマー(Bioneer、Daejeon、大韓民国)を、更にPCR premix(Elpis)で、95℃で30秒、60℃で1分、72℃で1分を30回繰り返してPCRを行った。PCRにより増幅されたcDNAを1.5%アガロースゲルで電気泳動して分離し、イメージングシステム(G:BOX EF imaging system (Syngene))を利用して、cDNAのバンドを確認した。その結果を図2に示した。
CYP1A1
フォワードプライマー:5'-CTACCCAACCCTTCCCTGAAT-3'(配列番号1)
リバースプライマー:5'-CGCCCCTTGGGGATGTAAAA-3'(配列番号2)
GAPDH
フォワードプライマー:5'-ATTGTTGCCATCAATGACCC-3'(配列番号3)
リバースプライマー:5'-TCGCCCCACTTGATTTTGGA-3'(配列番号4)
その結果、図2に示した通り、BaPを処理した場合、XREによって媒介されるCYP1A1のmRNA発現量が増加したが、ナツメグエキスを処理することにより濃度依存的に減少した。これは、本発明のナツメグエキスが環境汚染因子による皮膚刺激を効率的に減少させることを意味する。
実施例5:ナツメグエキスのPM処理によるXREによって媒介されるルシフェラーゼ増加抑制活性
ナツメグエキスの、PMで誘導されたXREによって媒介されるルシフェラーゼ抑制活性を調べるために、前記実施例1-2で製造したナツメグ50%エタノール抽出物と100%エタノール抽出物、実施例1-3で製造したナツメグエチルアセテート抽出物、実施例1-4で製造したナツメグヘキサン抽出物、実施例1-5で製造したナツメグ熱水抽出物を、1μg/mLで細胞に処理して、誘導物質をBaPの代わりに標準化された粒子状物質(PM; NIST; Gaitherburg、メリーランド州、アメリカ合衆国)100μg/mLを使用した点を除いては、前記実施例3と同じ方法で実験を行った。
その結果、下記表1に示した通り、PMは、XRE制御下にあるルシフェラーゼの活性を有意的(**p<0.01)に増加させ、ナツメグエキスを処理することにより増加したルシフェラーゼ活性が有意的(**p<0.01)に減少した。これは、本発明のナツメグエキスが環境汚染因子による皮膚刺激を効率的に減少させることを意味する。
Figure 2022505979000004
実施例6:メイスリグナンのBaP処理によるCYP1A1発現量増加阻害活性
メイスリグナンの、CYP1A1のmRNA発現量阻害活性を調べるために、前記実施例2-1で製造したメイスリグナンを、1μM及び5μM細胞に処理して、実施例4と同じ方法で実験を行った。
その結果、図4に示した通り、BaPを処理した場合、XREによって媒介されるCYP1A1のmRNA発現量が増加したが、メイスリグナンを処理することにより、濃度依存的に減少した。これは、本発明のメイスリグナンが環境汚染因子による皮膚刺激を効率的に減少させることを意味する。
実施例7:メイスリグナンのPM処理によるXREによって媒介されるルシフェラーゼ増加抑制活性
メイスリグナンの、PMに誘導されたXREによって媒介されるルシフェラーゼ抑制活性を調べるために、前記実施例2-1で製造したメイスリグナンを、0.5μM及び1μM細胞に処理して、誘導物質としてPMを100μg/mL使用した点を除いては、前記実施例3と同じ方法で実行して実験を行った。
その結果、図5に示した通り、PMは、XRE統制下にあるルシフェラーゼの活性を有意的(**p<0.01)に増加させ、メイスリグナンを処理することにより、増加したルシフェラーゼ活性が有意的(**p<0.01)に減少した。これは、本発明のメイスリグナンが環境汚染因子による皮膚刺激を効率的に減少させることを意味する。
実施例8:メイスリグナンのPM処理によるAhRのmRNA発現量の増加阻害活性
メイスリグナンの、PMに誘導されるAhRのmRNA発現量阻害活性を調べるために、前記実施例2-1で製造したメイスリグナンを、0.5μM及び1μM細胞に処理して、誘導物質としてPMを100μg/mL使用した点と、AhRプライマーを使用した点を除いては、前記実施例4と同じ方法で実験を行った。
AhR
フォワードプライマー:5'-CCACTTCAGCCACCATCCAT-3'(配列番号5)
リバースプライマー:5'-AAGCAGGCGTGCATTAGACT-3'(配列番号6)
その結果、図6に示した通り、PMを処理した場合、AhRのmRNA発現量が増加したが、メイスリグナンを処理することにより、濃度依存的に減少した。これは、本発明のメイスリグナンが、環境汚染因子が結合することができる受容体のmRNA発現量を減少させ、環境汚染因子による皮膚刺激を効率的に減少させることを意味する。
実施例9:メイスリグナンのPM処理によるCYP1A1、CYP1B1、CYP1A2のmRNA発現量の増加阻害活性
メイスリグナンの、PMによるCYP1A1、CYP1B1、CYP1A2のmRNA発現量阻害活性を調べるために、前記実施例2-1で製造したメイスリグナンを、0.5μM及び1μM細胞に処理して、誘導物質としてPMを100μg/mL使用する点と、下記CYP1B1、CYP1A2プライマーを追加して使用した点を除いては、前記実施例4と同じ方法で実験を行った。
CYP1B1
フォワードプライマー:5'-CTGCGACTCCAGTTGTGAGA-3’(配列番号7)
リバースプライマー:5'-AAGGAACTGGGACCTTTGCC-3’(配列番号8)
CYP1A2
フォワードプライマー:5'-GCACTGTCAAGGATGAGCCA-3’(配列番号9)
リバースプライマー:5'-TGAGTGTTCTTCACGAGGCTG-3’(配列番号10)
その結果、図7に示した通り、PMを処理したときに、AhRによって活性化され、XREによって媒介されるCYP1A1、CYP1B1、CYP1A2のmRNA発現量が増加したが、メイスリグナンを処理することにより濃度依存的に減少した。これは、本発明のメイスリグナンが環境汚染因子による皮膚刺激を効率的に減少させることを意味する。
実施例10:メイスリグナンのPM処理による皮膚表皮層の損傷改善効果
メイスリグナンの、PMで誘導される皮膚表皮層の損傷抑制活性を調べるために、3D人工皮膚モデル(Neoderm-ED、Tegoscience)を購入して実験を行った。実験群は、正常群、PM100μg/mL処理群、メイスリグナン0.5μM処理群、メイスリグナン1μM処理群に分けて、各群当たり6つの人工皮膚組織を使用した。Neoderm-EDはTegoscienceの製造方法によって製造し、Tegoscienceで提供する専用培地を用いて6時間、5%CO2、37℃の条件で、人工皮膚組織を安定化させた後、実験を行った。PMによる皮膚の損傷は、PM100μg/mLをNeoderm-EDの表面にウェル当たり50μLずつ処理して誘導し、正常群にはDPBSを同じ容量で処理した。PM誘導と同時に、前記実施例2-1で製造したメイスリグナン0.5μM及び1μMを、Neoderm-EDの専用培地に処理して、PMによる皮膚損傷の改善を誘導した。5%CO2、37℃の条件で計72時間培養し、24時間ごとにPMとメイスリグナンを追加で処理した。72時間培養が終わった人工皮膚組織は、10%ホルマリンで固定した後、パラフィンブロックを製作した。固定した組織を利用して、組織学的な側面からメイスリグナンの、PMによる皮膚の損傷改善を測定するために、ヘマトキシリン・エオジン(hematoxylin&eosin)染色を実施し、染色された組織は、eXcope T500カメラ(DIXI Science、Daejeon、大韓民国)が装着された光学顕微鏡(CK40; Olympus、東京、日本)で観察した。
その結果、図8に示した通り、正常群と比較して、PM処理群で皮膚の表皮層の中で角質層の構造的形態学的変化が観察されて、表皮層に属する顆粒層、有棘層、基底層の総厚さが、正常群に比べて極めて減少したことを確認した。逆に、メイスリグナンを処理したとき、角質層の形態と角質層を除いた表皮層の総厚さが濃度依存的に正常群と類似して回復されたことを確認した。これは、本発明のメイスリグナンが、PMによる皮膚表皮層の損傷を抑制して改善させる効果があることを意味する。
以下に、本発明によるナツメグエキス又はメイスリグナンを有効成分として含む皮膚刺激緩和及び皮膚保護用の医薬品、食品、化粧品の製造例を説明するが、本発明はこれらに限定されるのではなく、単に具体的に説明することである。皮膚刺激緩和及び皮膚保護活性に優れたナツメグエキス又はメイスリグナンを有する、下記のような組成成分及び組成比による製造例1~3の医薬品、食品、化粧品を、通常的な方法によって製造した。
製造例1:医薬品
1)散剤
前記実施例1~2のナツメグエキス又はメイスリグナン50mg、結晶セルロース2gを混合した後、通常の散剤製造方法によって、気密充填をして散剤を製造した。
2)錠剤
前記実施例1~2のナツメグエキス又はメイスリグナン50mg、結晶セルロース400mg、ステアリン酸マグネシウム5mgを混合した後、通常の錠剤製造方法によって打錠して錠剤を製造した。
3)カプセル剤
前記実施例1~2のナツメグエキス又はメイスリグナン30mg、乳清タンパク質100mg、結晶セルロース400mg、ステアリン酸マグネシウム6mgを混合した後、通常のカプセル剤の製造方法によってゼラチンカプセルに充填してカプセル剤を製造した。
製造例2:食品
1)健康食品の製造
前記実施例1~2のナツメグエキス又はメイスリグナン1000mg、ビタミンAアセテート70μL、ビタミンE 1.0mg、ビタミンB1 0.13mg、ビタミンB2 0.15mg、ビタミンB6 0.5mg、ビタミンB12 0.2μg、ビタミンC 10mg 、ビオチン10μg、ニコチン酸アミド1.7mg、葉酸50μg、パントテン酸カルシウム0.5mg、硫酸第一鉄1.75mg、酸化亜鉛0.82mg、炭酸マグネシウム25.3mg、第一リン酸カリウム15mg、第二リン酸カルシウム55mg、クエン酸カリウム90mg、炭酸カルシウム100mg、塩化マグネシウム24.8mgを混合して製造することができ、その配合比を任意に変形実施してもよく、通常の健康食品の製造方法により、前記の成分を混合した後、顆粒を製造して通常の方法によって健康食品組成物の製造に使用することができる。
2)健康飲料の製造
前記実施例1~2のナツメグエキス又はメイスリグナン1000mg、クエン酸1000mg、オリゴ糖100g、梅の実濃縮液2g、タウリン1gに精製水を加えて全体900mLとし、通常の健康飲料製造方法により、前記の成分を混合した後、約1時間85℃で攪拌し、加熱した後、作製された溶液を濾過して滅菌した2L容器に取得して密封滅菌した後、冷蔵保管して健康飲料組成物の製造に使用することができる。
3)チューインガム
ガムベース20重量%、砂糖76.9重量%、香料1重量%及び水2重量%と、実施例1~2のナツメグエキス又はメイスリグナン0.1重量%を配合して通常の方法でチューインガムを製造した。
4)キャンディ
砂糖60重量%、水飴39.8重量%及び香料0.1重量%と、実施例1~2のナツメグエキス又はメイスリグナン0.1重量%を配合して通常の方法でキャンディを製造した。
5)ビスケット
薄力粉25.59重量%、強力粉22.22重量%、精白糖4.80重量%、食塩0.73重量%、グルコース0.78重量%、パームショートニング11.78重量%、アンモニウム1.54重量%、重曹0.17重量%、重亜硫酸ナトリウム0.16重量%、米粉1.45重量%、ビタミンB 0.0001重量%、ミルクの香料0.04重量%、水20.6998重量%、全脂粉乳1.16重量%、代用ミルク0.29重量%、第一リン酸カルシウム0.03重量%、スプレー塩0.29重量%及び噴霧油7.27重量%と、前記実施例1~2のナツメグエキス又はメイスリグナン1重量%を配合して、通常の方法でビスケットを製造した。
製造例3:化粧品
1)栄養化粧水(ミルクローション)
前記実施例1~2のナツメグエキス又はメイスリグナンを下記表2の成分及び含有量で通常的な方法によって栄養化粧水を製造した。
Figure 2022505979000005
2)柔軟化粧水(スキンローション)
前記実施例1~2のナツメグエキス又はメイスリグナンを下記表3の成分及び含量で通常的な方法により柔軟化粧水を製造した。
Figure 2022505979000006
3)栄養クリーム
前記実施例1~2のナツメグエキス又はメイスリグナンを下記の表4の成分及び含有量で通常的な方法によって栄養クリームを製造した。
Figure 2022505979000007
4)マッサージクリーム
前記実施例1~2のナツメグエキス又はメイスリグナンを下記表5の成分及び含量で通常的な方法によってマッサージクリームを製造した。
Figure 2022505979000008
5)パック
前記実施例1~2のナツメグエキス又はメイスリグナンを下記の表6の成分及び含量で通常的な方法によってパックを製造した。
Figure 2022505979000009
6)ゲル
前記実施例1~2のナツメグエキス又はメイスリグナンを下記表7の成分及び含量で通常の方法によってゲルを製造した。
Figure 2022505979000010
以上述べた通り、本発明はナツメグエキス又はメイスリグナンを有効成分として含有する、環境汚染因子から誘導される皮膚刺激緩和及び皮膚保護用組成物に関するものである。より詳細には、本発明のナツメグエキス及びメイスリグナンは、皮膚細胞でXREによって媒介されるCYP1A1遺伝子発現を減少させ、粒子状物質によって損傷した皮膚を改善させたので、粒子状物質、重金属、又は黄砂による皮膚刺激緩和及び皮膚保護に優れた効果がある。従って、本発明のナツメグエキス及びメイスリグナンは天然物であるため、副作用なく安全に使用することができ、皮膚刺激緩和及び皮膚の保護に優れた効果を示す組成物を提供することができるので産業上の利用可能性が高い。

Claims (14)

  1. 下記化学式1で表示されるメイスリグナン又はこれを含有するナツメグエキスを有効成分として含有する、環境汚染因子から誘導される皮膚刺激緩和及び皮膚保護用薬学的組成物。
    [化学式1]
    Figure 2022505979000011
  2. 前記化学式1で表示されるメイスリグナンはナツメグ抽出物から分離されたことを特徴とする、請求項1に記載の環境汚染因子から誘導される皮膚刺激緩和及び皮膚保護用薬学的組成物。
  3. 前記ナツメグエキスはナツメグの種子から抽出することを特徴とする、請求項1に記載の環境汚染因子から誘導される皮膚刺激緩和及び皮膚保護用薬学的組成物。
  4. 前記ナツメグエキスは、ナツメグを水、炭素数1~6の有機溶剤、亜臨界流体及び超臨界流体からなる群から選択される1以上の溶媒または超高圧で抽出したことを特徴とする、請求項1に記載の環境汚染因子から誘導される皮膚刺激緩和及び皮膚保護用薬学的組成物。
  5. 前記皮膚刺激は、皮膚炎(dermatitis)、アトピー(atopy)、乾癬(psoriasis)、ニキビ(acne)、湿疹(eczema)、及び皮膚癌(skin cancer)からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の環境汚染因子から誘導される皮膚刺激緩和及び皮膚保護用薬学的組成物。
  6. 下記化学式1で表示されるメイスリグナン又はこれを含有するナツメグエキスを有効成分として含有する、環境汚染因子から誘導される皮膚刺激緩和及び皮膚保護用食品組成物。
    [化学式1]
    Figure 2022505979000012
  7. 下記化学式1で表示されるメイスリグナン又はこれを含有するナツメグエキスを有効成分として含有する、環境汚染因子から誘導される皮膚刺激緩和及び皮膚保護用化粧品組成物。
    [化学式1]
    Figure 2022505979000013
  8. 下記化学式1で表示されるメイスリグナン又はこれを含有するナツメグエキスを有効成分として含有する、環境汚染因子から誘導される皮膚の汚染防止用薬学的組成物。
    [化学式1]
    Figure 2022505979000014
  9. 下記化学式1で表示されるメイスリグナン又はこれを含有するナツメグエキスを有効成分として含有する、環境汚染因子から誘導される皮膚の汚染防止用食品組成物。
    [化学式1]
    Figure 2022505979000015
  10. 下記化学式1で表示されるメイスリグナン又はこれを含有するナツメグエキスを有効成分として含有する、環境汚染因子から誘導される皮膚の汚染防止用化粧品組成物。
    [化学式1]
    Figure 2022505979000016
  11. 環境汚染因子から誘導される皮膚刺激緩和及び皮膚保護用製剤を製造するための、下記化学式1で表示されるメイスリグナン又はこれを含有するナツメグエキスの使用。
    [化学式1]
    Figure 2022505979000017
  12. 下記化学式1で表示されるメイスリグナン又はこれを含有するナツメグエキスを有効成分として含有する組成物の有効量を、これを必要とする対象に投与することを特徴とする、環境汚染因子から誘導される皮膚刺激緩和及び皮膚を保護する方法。
    [化学式1]
    Figure 2022505979000018
  13. 環境汚染因子から誘導される皮膚の汚染防止製剤を製造するための、下記化学式1で表示されるメイスリグナン又はこれを含有するナツメグエキスの使用。
    [化学式1]
    Figure 2022505979000019
  14. 下記化学式1で表示されるメイスリグナン又はこれを含有するナツメグエキスを有効成分として含有する組成物の有効量を、これを必要とする対象に投与することを特徴とする、環境汚染因子から誘導される皮膚の汚染を防止する方法。
    [化学式1]
    Figure 2022505979000020


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