JP2022505849A - 多形化合物およびその使用 - Google Patents

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Abstract

本発明は、mTORC1活性を選択的にモジュレートするのに有用な化合物および方法に関する。本発明は、mTORC1を活性化するのに有用な化合物および方法に関する。本発明はまた、本発明の化合物を含む薬学的に許容される組成物および様々な障害の処置において前記組成物を使用する方法も提供する。本発明は、対象において、肯定的な行動反応を誘発する方法であって、前記対象に提供されている化合物または薬学的に許容されるその組成物を投与するステップを含む方法を提供する。

Description

本発明は、mTORC1活性をモジュレートするのに有用な化合物および方法に関する。本発明は、mTORC1活性を選択的にモジュレートするのに有用な化合物および方法に関する。本発明は、mTORC1を活性化するのに有用な化合物および方法に関する。本発明はまた、本発明の化合物を含む薬学的に許容される組成物および様々な障害の処置において前記組成物を使用する方法も提供する。
発明の背景
ラパマイシン複合体1(mTORC1)タンパク質キナーゼの機構的標的は、増殖因子、細胞ストレス、ならびに栄養素およびエネルギーレベルなどの、多様な環境的合図を感じるマスター成長調節因子である。mTORC1は、活性化されると、mRNA翻訳および脂質合成などの同化作用を賦活する基質をリン酸化し、オートファジーなどの異化作用を制限する。mTORC1の調節異常は、とりわけ、糖尿病、てんかん、神経変性、免疫応答、骨格筋成長の抑制およびがんを含めた、幅広い範囲の疾患において発生する(Howellら、(2013年)Biochemical Society transactions 41巻、906~912頁;Kimら、(2013年) Molecules and cells 35巻、463~473頁;LaplanteおよびSabatini、(2012年) Cell 149巻、274~293頁)。
mTORC1に関連する疾患、障害または状態の一層効果的な処置に対する未だ満たされていない、緊急かつ切実な医療的ニーズがある。
Howellら、(2013年)Biochemical Society transactions 41巻、906~912頁 Kimら、(2013年) Molecules and cells 35巻、463~473頁 LaplanteおよびSabatini、(2012年) Cell 149巻、274~293頁
本発明の化合物、および薬学的に許容されるその組成物は、mTORC1モジュレーターとして有効であることが今や見出された。このような化合物は、化合物Aとして表される以下の化学構造:
Figure 2022505849000001
によって表される。
本発明の化合物および薬学的に許容されるその組成物は、本明細書に記載されているものを含めた、様々な疾患、障害または状態の処置に有用である。本発明の化合物および薬学的に許容されるその組成物は、mTORC1に関連する、様々な疾患、障害または状態の処置に有用である。このような疾患、障害または状態には、本明細書に記載されているものなどの、糖尿病、てんかん、神経変性、免疫応答、骨格筋成長の抑制および細胞増殖性障害(例えば、がん)が含まれる。
図1は、化合物Aの形態AのXRPDパターンの図である。
図2は、化合物Aの形態AのTGAトレースの図である。
図3は、化合物Aの形態AのDSCトレースの図である。
図4は、化合物Aの形態BのXRPDパターンの図である。
図5は、化合物Aの形態BのTGAトレースの図である。
図6は、化合物Aの形態BのDSCトレースの図である。
図7は、化合物Aの形態CのXRPDパターンの図である。
図8は、化合物Aの形態CのTGAトレースの図である。
図9は、化合物Aの形態CのDSCトレースの図である。
図10は、化合物1の形態Aの単位格子の図である。
図11は、化合物1の形態Aのモデル化XRPDパターンの図である。
本発明のある特定の態様の一般説明
それらの各々の全体が参照により本明細書に組み込まれている、米国特許出願第15/331,362号として2016年10月21日に出願され、米国特許公開第2017/0114080号(「第080号公開」)として公開されている米国特許出願第10,100,066号(「第066号特許」)は、ある特定のmTORC1モジュレート化合物を記載している。このような化合物は、化合物A:
Figure 2022505849000002
を含む。
化合物Aである((S)-2-アミノ-5,5-ジフルオロ-4,4-ジメチルペンタン酸)は、第066号特許では化合物I-90と表されており、化合物Aの合成は、第066号特許の実施例90に詳述されている。
水溶解度、安定性および製剤化の容易さの改善などの特徴をもたらす、化合物A(例えば、その遊離塩基またはその水和物として)の固体形態を提供するのが望ましいと思われる。したがって、本発明は、化合物Aの遊離塩基形態および水和物形態を提供する。
化合物Aの遊離塩基形態
化合物Aは、様々な物理形態で存在することができることが企図されている。例えば、化合物Aは、溶液、懸濁液で、または固体形態で存在することができる。ある特定の実施形態では、化合物Aは固体形態にある。化合物Aが固体形態にある場合、前記化合物は、非晶質であっても、結晶性であっても、それらの混合物であってもよい。例示的な固体形態は、以下に一層詳細に記載されている。
一部の実施形態では、本発明は、不純物を実質的に含まない、化合物Aの形態を提供する。本明細書で使用する場合、用語「不純物を実質的に含まない」は、この化合物が有意な量の外来物質を含まないことを意味する。このような外来物質は、化合物Aの異なる形態、残留溶媒、または化合物Aの調製および/もしくは単離に起因し得る任意の他の不純物を含むことができる。ある特定の実施形態では、化合物Aの形態は、少なくとも約95重量%で存在する。本発明のさらに他の実施形態では、化合物Aの形態は、少なくとも約99重量%で存在する。
一実施形態によれば、化合物Aの形態は、少なくとも約97、97.5、98.0、98.5、99、99.5、99.8重量パーセントの量で存在し、この場合、パーセンテージは、組成物の総重量を基準とする。別の実施形態によれば、化合物Aの形態は、HPLCクロマトグラムの合計面積に対して、約3.0面積パーセントHPLC以下の総有機不純物を含有し、ある特定の実施形態では、約1.5面積パーセントHPLC以下の総有機不純物を含有する。他の実施形態では、化合物Aの形態は、HPLCクロマトグラムの合計面積に対して、いかなる単一不純物も約1.0%面積パーセントHPLC以下で含有し、いかなる単一不純物も約0.6面積パーセントHPLC以下で含有し、ある特定の実施形態では、いかなる単一不純物も約0.5面積パーセントHPLC以下で含有する。
化合物Aの形態の図示されている構造はまた、化合物Aのすべての互変異性体を含むことが意図されている。さらに、本明細書において図示されている構造は、1個またはそれよりも多くの同位体に富む原子が存在することしか違いのない、化合物も含まれることが意図される。例えば、重水素またはトリチウムによる水素の置き換え、または13Cもしくは14Cに富む炭素による炭素の置き換えを除く、本構造を有する化合物は、本発明の範囲内にある。
化合物Aは、様々な固体形態で存在することができることが見出されている。例示的なこのような形態は、本明細書に記載されているものなどの多形を含む。
本明細書で使用する場合、用語「多形」とは、化合物、またはその塩もしくは溶媒和物が結晶化し得る、異なる結晶構造を指す。
ある特定の実施形態では、化合物Aは、結晶性固体である。他の実施形態では、化合物Aは、非晶質化合物Aを実質的に含まない結晶性固体である。本明細書で使用する場合、用語「非晶質化合物Aを実質的に含まない」は、この化合物が有意な量の非晶質化合物Aを含まないことを意味する。ある特定の実施形態では、結晶性化合物Aが、少なくとも約95重量%で存在する。本発明のさらに他の実施形態では、結晶性化合物Aが、少なくとも約99重量%で存在する。
化合物Aは、少なくとも3つの区別される多形で存在することができることが見出された。ある特定の実施形態では、本発明は、本明細書において形態Aと称される化合物Aの多形を提供する。ある特定の実施形態では、本発明は、本明細書において形態Bと称される化合物Aの多形を提供する。ある特定の実施形態では、本発明は、本明細書において形態Cと称される化合物Aの多形を提供する。
一部の実施形態では、化合物Aは、非晶質である。一部の実施形態では、化合物Aは非晶質であり、結晶性化合物Aを実質的に含まない。
化合物Aの形態A
一部の実施形態では、化合物Aの形態Aは、以下の表1に列挙されているピークから選択される少なくとも1つ、2つ、3つ、4つまたは5つのスペクトルピークを有する。
Figure 2022505849000003
Figure 2022505849000004
一部の実施形態では、化合物Aの形態Aは、そのX線粉末回折パターンにおいて、約4.4、約16.2および約17.7度2θにおけるピークから選択される1つまたはそれよりも多くのピークを有することを特徴とする。一部の実施形態では、化合物Aの形態Aは、そのX線粉末回折パターンにおいて、約4.4、約16.2および約17.7度2θにおけるピークから選択される、2つまたはそれよりも多くのピークを有することを特徴とする。一部の実施形態では、化合物Aの形態Aは、そのX線粉末回折パターンにおいて、約4.4、約16.2および約17.7度2θにおけるピークから選択される3つのピークのすべてを有することを特徴とする。本明細書で使用する場合、用語「約」とは、2θの値の度を参照して使用する場合、2θが明記されている値±0.2度となることを指す。
ある特定の実施形態では、X線粉末回折パターンは、図1に提示されているXRPDに実質的に類似している。
化合物Aの形態Aを調製する方法は、以下に記載されている。
化合物Aの形態B
一部の実施形態では、化合物Aの形態Bは、以下の表2に列挙されているピークから選択される少なくとも1つ、2つ、3つ、4つまたは5つのスペクトルピークを有する。
Figure 2022505849000005
Figure 2022505849000006
一部の実施形態では、化合物Aの形態Bは、そのX線粉末回折パターンにおいて、約5.0、約15.2および約17.5度2θにおけるピークから選択される1つまたはそれよりも多くのピークを有することを特徴とする。一部の実施形態では、化合物Aの形態Bは、そのX線粉末回折パターンにおいて、約5.0、約15.2および約17.5度2θにおけるピークから選択される、2つまたはそれよりも多くのピークを有することを特徴とする。一部の実施形態では、化合物Aの形態Bは、そのX線粉末回折パターンにおいて、約5.0、約15.2および約17.5度2θにおけるピークから選択される3つのピークのすべてを有することを特徴とする。
ある特定の実施形態では、X線粉末回折パターンは、図4に提示されているXRPDに実質的に類似している。
化合物Aの形態Bを調製する方法が、以下に記載されている。
化合物Aの形態C
一部の実施形態では、化合物Aの形態Cは、以下の表3に列挙されているピークから選択される少なくとも1つ、2つ、3つ、4つまたは5つのスペクトルピークを有する。
Figure 2022505849000007
Figure 2022505849000008
一部の実施形態では、化合物Aの形態Cは、そのX線粉末回折パターンにおいて、約7.0、約16.1および約16.3度2θにおけるピークから選択される1つまたはそれよりも多くのピークを有することを特徴とする。一部の実施形態では、化合物Aの形態Cは、そのX線粉末回折パターンにおいて、約7.0、約16.1および約16.3度2θにおけるピークから選択される、2つまたはそれよりも多くのピークを有することを特徴とする。一部の実施形態では、化合物Aの形態Cは、そのX線粉末回折パターンにおいて、約7.0、約16.1および約16.3度2θにおけるピークから選択される3つのピークのすべてを有することを特徴とする。
ある特定の実施形態では、X線粉末回折パターンは、図7に提示されているXRPDに実質的に類似している。
化合物Aの形態Cを調製する方法が、以下に記載されている。
一部の実施形態では、本発明は、化合物A:
Figure 2022505849000009
であって、前記化合物が結晶性である、化合物Aを提供する。
一部の実施形態では、本発明は、化合物Aであって、前記化合物が非晶質化合物Aを実質的に含まない、化合物Aを提供する。
一部の実施形態では、本発明は、化合物Aであって、前記化合物が不純物を実質的に含まない、化合物Aを提供する。
一部の実施形態では、本発明は、化合物Aであって、そのXRPDにおいて、約4.4、約16.2および約17.7度2θにおけるピークから選択される1つまたはそれよりも多くのピークを有する、化合物Aを提供する。一部のこのような実施形態では、本発明は、化合物1であって、そのXRPDにおいて、約4.4、約16.2および約17.7度2θにおけるピークから選択される、少なくとも2つのピークを有する、化合物1を提供する。一部のこのような実施形態では、本発明は、化合物Aであって、形態Aである化合物Aを提供する。
一部の実施形態では、本発明は、化合物Aであって、図1に図示されているものと実質的に類似したXRPDを有する、化合物Aを提供する。
一部の実施形態では、本発明は、化合物Aであって、そのXRPDにおいて、約5.0、約15.2および約17.5度2θにおけるピークから選択される1つまたはそれよりも多くのピークを有する、化合物Aを提供する。一部のこのような実施形態では、本発明は、化合物Aであって、そのXRPDにおいて、約5.0、約15.2および約17.5度2θにおけるピークから選択される、少なくとも2つのピークを有する、化合物Aを提供する。一部のこのような実施形態では、本発明は、化合物Aであって、形態Bである化合物Aを提供する。
一部の実施形態では、本発明は、化合物Aであって、図4に図示されているものと実質的に類似したXRPDを有する、化合物Aを提供する。
一部の実施形態では、本発明は、化合物Aであって、そのXRPDにおいて、約7.0、約16.1および約16.3度2θにおけるピークから選択される1つまたはそれよりも多くのピークを有する、化合物Aを提供する。一部のこのような実施形態では、本発明は、化合物Aであって、そのXRPDにおいて、約7.0、約16.1および約16.3度2θにおけるピークから選択される、少なくとも2つのピークを有する、化合物Aを提供する。一部のこのような実施形態では、本発明は、化合物Aであって、形態Cである化合物Aを提供する。
一部の実施形態では、本発明は、化合物Aであって、図7に図示されているものと実質的に類似したXRPDを有する、化合物Aを提供する。
一部の実施形態では、本発明は、化合物Aおよび薬学的に許容される担体または賦形剤を含む組成物を提供する。
一部の実施形態では、本発明は、以下:化合物Aの形態A;化合物Aの形態Bおよび化合物Aの形態Cから選択される化合物を提供する。
一部の実施形態では、本発明は、患者におけるmTORC1活性をモジュレートする方法であって、前記患者に化合物Aまたはその組成物を投与するステップを含む、方法を提供する。一部の実施形態では、本発明は、患者におけるmTORC1活性を選択的にモジュレートする方法であって、前記患者に化合物Aまたはその組成物を投与するステップを含む、方法を提供する。一部の実施形態では、本発明は、患者におけるmTORC1を活性化する方法であって、前記患者に化合物Aまたはその組成物を投与するステップを含む、方法を提供する。
一部の実施形態では、本発明は、処置抵抗性うつ病、リソソーム貯蔵障害、JNCL、シスチン症、ファブリー病、MLIV、精神遅滞または自閉症の遺伝的形態から選択される、疾患、障害または状態を処置する方法であって、患者に化合物Aまたはその組成物を投与するステップを含む、方法を提供する。
一部の実施形態では、本発明は、化合物Aの固体形態を調製する方法であって、溶媒の除去および溶媒の添加からなる1つまたはそれよりも多くのステップを含む、方法を提供する。一部の実施形態では、添加される溶媒は、除去される溶媒と同一である。一部の実施形態では、添加される溶媒は、除去される溶媒と異なる。溶媒除去の手段は、合成技術および化学技術において公知であり、以下に限定されないが、本明細書および実施例に記載されている技術のいずれかを含む。
一部の実施形態では、化合物Aの固体形態を調製する方法は、調製物を加熱することまたは冷却することからなる1つまたはそれよりも多くのステップを含む。
一部の実施形態では、化合物Aの固体形態を調製する方法は、調製物をかき混ぜることまたは撹拌することからなる1つまたはそれよりも多くのステップを含む。
一部の実施形態では、化合物Aの固体形態を調製する方法は、好適な酸を化合物Aの溶液またはスラリーに添加するステップを含む。
一部の実施形態では、化合物Aの固体形態を調製する方法は、加熱ステップを含む。
ある特定の実施形態では、化合物Aの固体形態は、混合物から沈殿する。別の実施形態では、化合物Aの固体形態は、混合物から結晶化する。他の実施形態では、化合物Aの固体形態は、溶液に種晶を加えた(すなわち、化合物Aの結晶を溶液に加える)後に溶液から結晶化する。
化合物Aの固体形態は、反応混合物から沈殿することができるか、または溶媒蒸発、蒸留、ろ過(例えば、ナノろ過、限外ろ過)、逆浸透、吸収および反応などの方法により溶媒の一部または全部を除去することにより、ヘプタンなどの抗溶媒を添加することにより、冷却することにより、またはこれらの方法の様々な組合せにより生成することができる。
上で一般に記載されている通り、化合物Aの固体形態は、必要に応じて単離される。化合物Aの固体形態は、当業者に公知の任意の好適な物理手段によって単離することができることを理解しているであろう。ある特定の実施形態では、析出した化合物Aの固体形態は、ろ過によって上清から分離される。他の実施形態では、化合物Aの析出した固体形態は、上清のデカンテーションにより上清から分離される。
ある特定の実施形態では、化合物Aの固体形態は、ろ過によって上清から分離される。
ある特定の実施形態では、化合物Aの単離した固体形態は、空気中で乾燥される。他の実施形態では、化合物Aの単離した固体形態は、減圧下、必要に応じて高温で乾燥される。
本発明において有用な好適な溶媒の例には、以下に限定されないが、プロトン性溶媒、非プロトン性溶媒、極性非プロトン性溶媒またはそれらの混合物が含まれる。ある特定の実施形態では、好適な溶媒には、エーテル、エステル、アルコール、ケトンまたはそれらの混合物が含まれる。一部の実施形態では、溶媒は、1種またはそれよりも多種の有機アルコールである。一部の実施形態では、溶媒は、塩素化されている。一部の実施形態では、溶媒は、芳香族溶媒である。
ある特定の実施形態では、好適な溶媒は、メタノール、エタノール、イソプロパノールまたはアセトンであり、前記溶媒は、無水であるか、または水もしくはヘプタンと組み合わされている。一部の実施形態では、好適な溶媒には、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、グライム、ジグライム、メチルt-ブチルエーテル、t-ブタノール、n-ブタノールおよびアセトニトリルが挙げられる。一部の実施形態では、好適な溶媒は、エタノールである。一部の実施形態では、好適な溶媒は、無水エタノールである。一部の実施形態では、好適な溶媒は、MTBEである。
一部の実施形態では、好適な溶媒は、酢酸エチルである。一部の実施形態では、好適な溶媒は、メタノールと塩化メチレンとの混合物である。一部の実施形態では、好適な溶媒は、アセトニトリルと水との混合物である。ある特定の実施形態では、好適な溶媒は、酢酸メチル、酢酸イソプロピル、アセトンまたはテトラヒドロフランである。ある特定の実施形態では、好適な溶媒は、ジエチルエーテルである。ある特定の実施形態では、好適な溶媒は、水である。ある特定の実施形態では、好適な溶媒は、メチルエチルケトンである。ある特定の実施形態では、好適な溶媒は、トルエンである。
化合物Aの水和物形態
一部の実施形態では、水および化合物Aはイオン結合するかまたは水素結合して、下記の化合物1を形成する。化合物1は、様々な物理形態で存在することができることが企図されている。例えば、化合物1は、溶液、懸濁液で、または固体形態で存在することができる。ある特定の実施形態では、化合物1は、固体形態にある。化合物1が、固体形態にある場合、前記化合物は、非晶質であっても、結晶性であっても、それらの混合であってもよい。化合物1の例示的なこのような固体形態は、以下に一層詳細に記載されている。
化合物1(化合物Aの水和物)
一実施形態によれば、本発明は、化合物1によって表される、化合物Aの水和物:
Figure 2022505849000010
(式中、0<x≦約1である)を提供する。
水および化合物Aは、イオン結合するかまたは水素結合して化合物1を形成することが、当業者により理解されよう。化合物1は、様々な物理形態で存在することができることが企図されている。例えば、化合物1は、溶液、懸濁液で、または固体形態で存在することができる。ある特定の実施形態では、化合物1は、固体形態にある。化合物1が、固体形態にある場合、前記化合物は、非晶質であっても、結晶性であっても、それらの混合物であってもよい。例示的な固体形態は、以下に一層詳細に記載されている。
一部の実施形態では、本発明は、不純物を実質的に含まない化合物1を提供する。本明細書で使用する場合、用語「不純物を実質的に含まない」は、この化合物が有意な量の外来物質を含まないことを意味する。このような外来物質は、過剰の1,2-エタン二スルホン酸、過剰の化合物A、残留溶媒、または化合物1の調製および/もしくは単離に起因し得る任意の他の不純物を含むことがある。ある特定の実施形態では、化合物1が、少なくとも約95重量%で存在する。本発明のさらに他の実施形態では、化合物1が、少なくとも約99重量%で存在する。
一実施形態によれば、化合物1は、少なくとも約97、97.5、98.0、98.5、99、99.5、99.8重量パーセントの量で存在し、この場合、パーセンテージは、組成物の総重量を基準とする。別の実施形態によれば、化合物1は、HPLCクロマトグラムの合計面積に対して、約3.0面積パーセントHPLC以下の総有機不純物を含有し、ある特定の実施形態では、約1.5面積パーセントHPLC以下の総有機不純物を含有する。他の実施形態では、化合物1は、HPLCクロマトグラムの合計面積に対して、いかなる単一不純物も約1.0%面積パーセントHPLC以下で含有し、いかなる単一不純物も約0.6面積パーセントHPLC以下で含有し、ある特定の実施形態では、いかなる単一不純物も約0.5面積パーセントHPLC以下で含有する。
化合物1の図示されている構造はまた、化合物1のすべての互変異性体を含むことが意図されている。さらに、本明細書において図示されている構造は、1個またはそれよりも多くの同位体に富む原子が存在することしか違いのない、化合物も含まれることが意図される。例えば、重水素またはトリチウムによる水素の置き換え、または13Cもしくは14Cに富む炭素による炭素の置き換えを除く、本構造を有する化合物は、本発明の範囲内にある。
化合物1は、様々な固体形態で存在することができることが見出されている。例示的なこのような形態は、本明細書に記載されているものなどの多形を含む。一部の実施形態では、化合物Aおよび水は、約1:1の比にある。一部の実施形態では、水および化合物Aは、約1:2の比にある。一部の実施形態では、水および化合物Aは、約3:4の比にある。一部の実施形態では、水および化合物Aは、約1:4の比にある。一部の実施形態では、水および化合物Aは、約2:3の比にある。一部の実施形態では、水および化合物Aは、約1:3の比にある。一部の実施形態では、xは、化合物1に対して約1/4である。一部の実施形態では、xは、化合物1に対して約1/2である。一部の実施形態では、xは、化合物1に対して約3/4である。一部の実施形態では、xは、化合物1に対して約2/3である。一部の実施形態では、xは、化合物1に対して約1/3である。一部の実施形態では、xは、化合物1に対して約1である。
ある特定の実施形態では、化合物1は、結晶性固体である。他の実施形態では、化合物1は、非晶質化合物1を実質的に含まない結晶性固体である。本明細書で使用する場合、用語「非晶質化合物1を実質的に含まない」は、この化合物が有意な量の非晶質化合物1を含まないことを意味する。ある特定の実施形態では、結晶性化合物1は、少なくとも約95重量%で存在する。本発明のさらに他の実施形態では、結晶性化合物1は、少なくとも約99重量%で存在する。
化合物1は、少なくとも1つの区別される多形で存在することができることが見出された。一部の実施形態では、本発明は、本明細書において形態Aと称される化合物1の多形を提供する。ある特定の実施形態では、化合物1の形態Aは、水および化合物Aを約3:4の比で含む。ある特定の実施形態では、xは、化合物1の形態Aに対して約3/4である。
一部の実施形態では、化合物1は、非晶質である。一部の実施形態では、化合物1は非晶質であり、結晶性化合物1を実質的に含まない。
化合物1の形態A
一部の実施形態では、化合物1の形態Aは、以下の表4に列挙されているピークから選択される少なくとも1つ、2つ、3つ、4つまたは5つのスペクトルピークを有する。
Figure 2022505849000011
Figure 2022505849000012
一部の実施形態では、化合物1の形態Aは、そのX線粉末回折パターンにおいて、約17.1、約17.3および約18.3度2θにおけるピークから選択される1つまたはそれよりも多くのピークを有することを特徴とする。一部の実施形態では、化合物1の形態Aは、そのX線粉末回折パターンにおいて、約17.1、約17.3および約18.3度2θにおけるピークから選択される、2つまたはそれよりも多くのピークを有することを特徴とする。一部の実施形態では、化合物1の形態Aは、そのX線粉末回折パターンにおいて、約17.1、約17.3および約18.3度2θにおけるピークから選択される3つのピークのすべてを有することを特徴とする。
ある特定の実施形態では、X線粉末回折パターンは、図11に提示されているXRPDに実質的に類似している。ある特定の実施形態では、化合物1の形態Aは、水および化合物Aを約3:4の比で含む。ある特定の実施形態では、xは、化合物1の形態Aに関して約3/4である。
化合物1の形態Aを調製する方法は、以下に記載されている。
一部の実施形態では、本発明は、化合物1:
Figure 2022505849000013
(式中、0<x≦約1である)を提供する。
一部の実施形態では、本発明は、化合物1であって、結晶性である化合物1を提供する。
一部の実施形態では、本発明は、化合物1であって、非晶質化合物1を実質的に含まない結晶性固体である、化合物1を提供する。
一部の実施形態では、本発明は、化合物1であって、不純物を実質的に含まない化合物1を提供する。
一部の実施形態では、本発明は、化合物1であって、そのXRPDにおいて、約17.1、約17.3および約18.3度2θにおけるピークから選択される1つまたはそれよりも多くのピークを有する、化合物1を提供する。一部のこのような実施形態では、本発明は、化合物1であって、そのXRPDにおいて、約17.1、約17.3および約18.3度2θにおけるピークから選択される、少なくとも2つのピークを有する、化合物1を提供する。一部のこのような実施形態では、本発明は、化合物1であって、形態Aである化合物1を提供する。
一部の実施形態では、本発明は、化合物1であって、図11に図示されているものと実質的に類似したXRPDを有する、化合物1を提供する。
一部の実施形態では、本発明は、化合物1および薬学的に許容される担体または賦形剤を含む組成物を提供する。
一部の実施形態では、本発明は、化合物1の形態Aから選択される化合物を提供する。
一部の実施形態では、本発明は、患者におけるmTORC1活性をモジュレートする方法であって、前記患者に化合物1またはその組成物を投与するステップを含む、方法を提供する。一部の実施形態では、本発明は、患者におけるmTORC1活性を選択的にモジュレートする方法であって、前記患者に化合物1またはその組成物を投与するステップを含む、方法を提供する。一部の実施形態では、本発明は、患者におけるmTORC1を活性化する方法であって、前記患者に化合物1またはその組成物を投与するステップを含む、方法を提供する。
一部の実施形態では、本発明は、処置抵抗性うつ病、リソソーム貯蔵障害、JNCL、シスチン症、ファブリー病、MLIV、精神遅滞または自閉症の遺伝的形態から選択される、疾患、障害または状態を処置する方法であって、患者に化合物1またはその組成物を投与するステップを含む、方法を提供する。
一部の実施形態では、本発明は、化合物1の固体形態を調製する方法であって、溶媒の除去および溶媒の添加からなる1つまたはそれよりも多くのステップを含む、方法を提供する。一部の実施形態では、添加される溶媒は、除去される溶媒と同一である。一部の実施形態では、添加される溶媒は、除去される溶媒と異なる。溶媒除去の手段は、合成技術および化学技術において公知であり、以下に限定されないが、本明細書および実施例に記載されている技術のいずれかを含む。
一部の実施形態では、化合物1の固体形態を調製する方法は、調製物を加熱することまたは冷却することからなる1つまたはそれよりも多くのステップを含む。
一部の実施形態では、化合物1の固体形態を調製する方法は、調製物をかき混ぜることまたは撹拌することからなる1つまたはそれよりも多くのステップを含む。
一部の実施形態では、化合物1の固体形態を調製する方法は、好適な酸を化合物1の溶液またはスラリーに添加するステップを含む。
一部の実施形態では、化合物1の固体形態を調製する方法は、加熱ステップを含む。
ある特定の実施形態では、化合物1の固体形態は、混合物から沈殿する。別の実施形態では、化合物1の固体形態は、混合物から結晶化する。他の実施形態では、化合物1の固体形態は、溶液に種晶を加えた(すなわち、化合物1の結晶を溶液に加えること)後に溶液から結晶化する。
化合物1の固体形態は、反応混合物から沈殿することができるか、または溶媒蒸発、蒸留、ろ過(例えば、ナノろ過、限外ろ過)、逆浸透、吸収および反応などの方法により溶媒の一部または全部を除去することにより、ヘプタンなどの抗溶媒を添加することにより、冷却することにより、またはこれらの方法の様々な組合せにより生成することができる。
上で一般に記載されている通り、化合物1の固体形態は、必要に応じて単離される。化合物1の固体形態は、当業者に公知の任意の好適な物理手段によって単離することができることが理解されよう。ある特定の実施形態では、化合物1の析出した固体形態は、ろ過によって上清から分離される。他の実施形態では、化合物1の析出した固体形態は、上清のデカンテーションにより上清から分離される。
ある特定の実施形態では、化合物1の固体形態は、ろ過によって上清から分離される。
ある特定の実施形態では、化合物1の単離した固体形態は、空気中で乾燥される。他の実施形態では、化合物1の単離した固体形態は、減圧下、必要に応じて高温で乾燥される。
本発明において有用な好適な溶媒の例には、以下に限定されないが、プロトン性溶媒、非プロトン性溶媒、極性非プロトン性溶媒またはそれらの混合物が含まれる。ある特定の実施形態では、好適な溶媒には、エーテル、エステル、アルコール、ケトンまたはそれらの混合物が含まれる。一部の実施形態では、溶媒は、1種またはそれよりも多種の有機アルコールである。一部の実施形態では、溶媒は、塩素化されている。一部の実施形態では、溶媒は、芳香族溶媒である。
ある特定の実施形態では、好適な溶媒は、メタノール、エタノール、イソプロパノールまたはアセトンであり、前記溶媒は、無水であるか、または水もしくはヘプタンと組み合わされている。一部の実施形態では、好適な溶媒には、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、グライム、ジグライム、メチルt-ブチルエーテル、t-ブタノール、n-ブタノールおよびアセトニトリルが挙げられる。一部の実施形態では、好適な溶媒は、エタノールである。一部の実施形態では、好適な溶媒は、無水エタノールである。一部の実施形態では、好適な溶媒は、MTBEである。
一部の実施形態では、好適な溶媒は、酢酸エチルである。一部の実施形態では、好適な溶媒は、メタノールと塩化メチレンとの混合物である。一部の実施形態では、好適な溶媒は、アセトニトリルと水との混合物である。ある特定の実施形態では、好適な溶媒は、酢酸メチル、酢酸イソプロピル、アセトンまたはテトラヒドロフランである。ある特定の実施形態では、好適な溶媒は、ジエチルエーテルである。ある特定の実施形態では、好適な溶媒は水である。ある特定の実施形態では、好適な溶媒は、メチルエチルケトンである。ある特定の実施形態では、好適な溶媒は、トルエンである。
薬学的に許容される組成物
別の実施形態によれば、本発明は、本発明の化合物または薬学的に許容されるその誘導体、および薬学的に許容される担体、アジュバントまたはビヒクルを含む組成物を提供する。本発明の組成物中の化合物の量は、生物試料または患者において、mTORC1活性を測定可能な程度にモジュレートするのに有効となるものである。ある特定の実施形態では、本発明の組成物中の化合物の量は、生物試料または患者において、mTORC1を測定可能に活性化するのに有効となるものである。ある特定の実施形態では、本発明の組成物は、このような組成物を必要とする患者に投与するために製剤化される。一部の実施形態では、本発明の組成物は、患者に経口投与するために製剤化される。
用語「患者」は、本明細書で使用する場合、動物、好ましくは哺乳動物、最も好ましくはヒトを意味する。
用語「薬学的に許容される担体、アジュバントまたはビヒクル」とは、一緒に製剤化される化合物の薬理学的活性を破壊しない、非毒性の担体、アジュバントまたはビヒクルを指す。本発明の組成物に使用され得る、薬学的に許容される担体、アジュバントまたはビヒクルには、以下に限定されないが、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、血清タンパク質(ヒト血清アルブミンなど)、緩衝物質(ホスフェート、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウムなど)、飽和植物性脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、塩または電解質(硫酸プロタミンなど)、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイド状シリカ、マグネシウムトリシリケート、ポリビニルピロリドン、セルロースをベースとする物質、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリレート、ワックス、ポリエチレン-ポリオキシプロピレン-ブロックポリマー、ポリエチレングリコールおよび羊毛脂が含まれる。
本発明の組成物は、経口により、非経口により、吸入スプレーにより、局所的に、直腸に、経鼻により、口腔により、経膣により、または埋込式リザーバーにより投与することができる。用語「非経口」には、本明細書で使用する場合、皮下、静脈内、筋肉内、関節内、滑膜内、胸骨内(intrasternal)、鞘内、肝臓内、病巣内および頭蓋内への注射または注入技法が含まれる。好ましくは、本組成物は、経口により、腹腔内にまたは静脈内に投与される。本発明の組成物の注射可能な滅菌形態は、水性または油性懸濁剤とすることができる。これらの懸濁剤は、好適な分散化剤、または湿潤剤および懸濁化剤を使用して、当技術分野において公知の技法に準拠して製剤化することができる。注射可能な滅菌調製物はまた、例えば、1,3-ブタンジオール中の溶液として、非毒性の非経口的に許容される希釈剤または溶媒中の注射用滅菌溶液剤または懸濁剤とすることもできる。用いることができる許容可能なビヒクルおよび溶媒には、水、リンゲル液および等張性塩化ナトリウム溶液がある。さらに、滅菌の不揮発性油は、溶媒または懸濁媒体として、都合よく用いられる。
この目的のために、合成モノグリセリドまたはジグリセリドを含めた、任意の無刺激性の不揮発性油を用いてよい。オレイン酸およびそのグリセリド誘導体などの脂肪酸が、注射剤の調製に有用であり、とりわけ、そのポリオキシエチル化型(polyoxyethylated version)の、オリーブ油またはヒマシ油などの天然の薬学的に許容される油も有用である
。これらの油性溶液剤または懸濁剤はまた、カルボキシメチルセルロースなどの長鎖アルコール希釈剤もしくは分散剤、または乳剤および懸濁剤を含めた、薬学的に許容される剤形の製剤化において一般に使用される類似の分散化剤を含有していてもよい。Tween、Spanおよび他の乳化剤などの他の一般的に使用される界面活性剤、または薬学的に許容される固体、液体もしくは他の剤形の製造に一般に使用される生物学的利用能増強剤もまた、製剤化のために使用されてもよい。
本発明の薬学的に許容される組成物は、以下に限定されないが、カプセル剤、錠剤、水性懸濁剤または溶液剤を含めた、任意の経口として許容される剤形で、経口投与されてもよい。経口使用向け錠剤の場合、一般に使用される担体には、ラクトースおよびコーンスターチが含まれる。ステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤もまた、通常、添加される。カプセル剤の形態での経口投与に関すると、有用な希釈剤には、ラクトースおよび乾燥コーンスターチが含まれる。水性懸濁剤が経口使用に必要とされる場合、活性成分は、乳化剤および懸濁化剤と組み合わせられる。所望の場合、ある特定の甘味剤、香味剤または着色剤も添加されてもよい。
あるいは、本発明の薬学的に許容される組成物は、直腸投与向けの坐剤の形態で投与されてもよい。これらは、薬剤と、室温で固体であるが、直腸温度で液体である、好適な非刺激性賦形剤とを混合することにより調製することができ、したがって、直腸内で溶解して薬物を放出する。このような物質には、カカオ脂、ビーワックスおよびポリエチレングリコールが含まれる。
本発明の薬学的に許容される組成物はまた、とりわけ、処置の標的が、眼、皮膚または下部腸管の疾患を含めた、局所施用によって容易に接近可能な領域または器官を含む場合、局所的に投与されてもよい。これらの領域または器官の各々にとって好適な局所用製剤は、容易に調製される。
下部腸管向けの局所施用は、直腸の坐剤製剤(上を参照されたい)または好適な浣腸製剤で行うことができる。局所経皮パッチ剤も使用されてもよい。
局所施用に関すると、提供される薬学的に許容される組成物は、1つまたはそれよりも多くの担体に懸濁または溶解した、活性構成成分を含有する好適な軟膏剤中に製剤化されてもよい。本発明の化合物の局所投与向け担体には、以下に限定されないが、鉱物油、液体ワセリン、白色ワセリン、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン化合物、乳化性ワックスおよび水が含まれる。あるいは、提供される薬学的に許容される組成物は、1種またはそれよりも多種の薬学的に許容される担体に懸濁または溶解されている活性構成成分を含有する好適なローション剤またはクリーム剤に製剤化することができる。好適な担体には、以下に限定されないが、鉱物油、ソルビタンモノステアレート、ポリソルベート60、セチルエステルワックス、セテアリルアルコール、2-オクチルドデカノール、ベンジルアルコールおよび水が含まれる。
眼科的使用に関すると、提供される薬学的に許容される組成物は、pHが調整された等張性滅菌食塩水中の微細化懸濁剤として、または好ましくは塩化ベンジルアルコニウムなどの保存剤を含むもしくは含まないのどちらか一方のpHが調整された等張性の滅菌食塩水中の溶液として製剤化されてもよい。あるいは、眼科的使用に関すると、薬学的に許容される組成物は、ワセリンなどの軟膏剤中で製剤化されてもよい。
本発明の薬学的に許容される組成物はまた、経鼻エアゾールまたは吸入によって投与されてもよい。このような組成物は、医薬製剤の当技術分野において周知の技法に従って調製され、ベンジルアルコールまたは他の好適な保存剤、生物学的利用能を増強する吸収促進剤、フルオロカーボン、および/または他の慣用的な可溶化剤もしくは分散化剤を用いる、食塩水中の溶液剤として調製されてもよい。
最も好ましくは、本発明の薬学的に許容される組成物は、経口投与向けに製剤化される。このような製剤は、食物と共に、または食物なしで投与されてもよい。一部の実施形態では、本発明の薬学的に許容される組成物は、食物なしで投与される。他の実施形態では、本発明の薬学的に許容される組成物は、食物と一緒に投与される。
単回剤形の組成物を生成するために担体材料と組み合わされてもよい、本発明の化合物の量は、処置される宿主、特定の投与形式に応じて様々である。好ましくは、提供される組成物は、阻害剤が0.01~100mg/kg体重/日の間となる投与量が、これらの組成物の投与を受ける患者に投与され得るよう製剤化されるべきである。
任意の特定の患者のための具体的な投与量および処置レジメンは、用いられる具体的な化合物の活性、年齢、体重、全般的な健康、性別、食事、投与時間、排出速度、薬物組合せ、ならびに処置医師の判断および処置を受けている具体的な疾患の重症度を含めた、様々な因子に依存することがやはり理解されるべきである。本組成物中の本発明の化合物の量はまた、該組成物中の具体的な化合物に依存する。
化合物および薬学的に許容される組成物の使用
本明細書に記載されている化合物および組成物は、mTORC1活性のモジュレートに一般に有用である。一部の実施形態では、提供される化合物またはその組成物は、mTORC1の活性化因子である。
本明細書で使用する場合、用語「処置」、「処置する」および「処置すること」とは、本明細書に記載されている通り、疾患もしくは障害の進行、またはその1つもしくは複数の症状の反転、緩和、それらの発症の遅延、または阻害を指す。一部の実施形態では、処置は、1つまたはそれよりも多くの症状を発症した後に投与されてもよい。他の実施形態では、処置は、症状の非存在下で投与されてもよい。例えば、処置は、症状の発症前に、感受性の高い個体に投与されてもよい(例えば、症状歴に照らし合わせて、および/または遺伝的もしくは他の感受性因子に照らし合わせて)。処置はまた、例えば、それらの再発を予防または遅延させるために、症状が解消した後に継続してもよい。
本明細書で使用する場合、用語「mTORC1媒介性」障害、疾患および/または状態は、本明細書で使用する場合、mTORC1がある役割を果たすことが公知である、任意の疾患または他の有害状態を意味する。したがって、本発明の別の実施形態は、mTORC1がある役割を果たすことが公知である、1つもしくは複数の疾患を処置する、またはその重症度を軽減することに関する。
一部の実施形態では、mTORCを活性化する方法を使用して、うつ病を処置または予防する。(Ignacioら、(2015年)Br J Clin Pharmacol. 11月27日を参照されたい)。したがって、一部の実施形態では、本発明は、うつ病を処置または予防するを必要とする患者において、うつ病を処置または予防する方法であって、前記患者に、提供される化合物または薬学的に許容されるその組成物を投与するステップを含む方法を提供する。一部の実施形態では、うつ病は、処置抵抗性うつ病(treatment-resistantdepression)(「TRD」)である。一部の実施形態では、処置抵抗性うつ病は、第1選択処置に抵抗性である。一部の実施形態では、処置抵抗性うつ病は、第2選択処置に抵抗性である。
一部の実施形態では、本発明は、うつ病を処置することを必要とする患者においてうつ病を処置する方法であって、前記患者が、抑うつ尺度スコアの50%の低下を経験する、方法を提供する。一部の実施形態では、患者は、本化合物または薬学的に許容される組成物の投与の6週間未満のうちに抑うつ尺度スコアの50%低下を経験する。一部の実施形態では、患者は、本化合物または薬学的に許容される組成物の投与の4週間未満のうちに抑うつ尺度スコアの50%低下を経験する。一部の実施形態では、患者は、本化合物または薬学的に許容される組成物の投与の2週間以内に抑うつ尺度スコアの50%低下を経験する。一部の実施形態では、患者は、本化合物または薬学的に許容される組成物の投与の2週間未満のうちに抑うつ尺度スコアの50%低下を経験する。一部の実施形態では、患者は、本化合物または薬学的に許容される組成物の投与の1週間以内に抑うつ尺度スコアの50%低下を経験する。一部の実施形態では、患者は、本化合物または薬学的に許容される組成物の投与の7日間以内に抑うつ尺度スコアの50%低下を経験する。一部の実施形態では、患者は、本化合物または薬学的に許容される組成物の投与の6日間以内に抑うつ尺度スコアの50%低下を経験する。一部の実施形態では、患者は、本化合物または薬学的に許容される組成物の投与の5日間以内に抑うつ尺度スコアの50%低下を経験する。一部の実施形態では、患者は、本化合物または薬学的に許容される組成物の投与の4日間以内に抑うつ尺度スコアの50%低下を経験する。一部の実施形態では、患者は、本化合物または薬学的に許容される組成物の投与の3日間以内に抑うつ尺度スコアの50%低下を経験する。一部の実施形態では、患者は、本化合物または薬学的に許容される組成物の投与の2日間以内に抑うつ尺度スコアの50%低下を経験する。一部の実施形態では、患者は、本化合物または薬学的に許容される組成物の投与の1日間以内に抑うつ尺度スコアの50%低下を経験する。一部の実施形態では、患者は、本化合物または薬学的に許容される組成物の投与の24時間以内に抑うつ尺度スコアの50%低下を経験する。一部の実施形態では、抑うつ尺度スコアは、Montgomery-Asbergうつ病評価尺度(MADRS)、Hamiltonうつ病評価尺度(HAMD-6)、うつ病症状の自己評価尺度の一覧(IDS-SR)、および臨床総合印象重症度尺度(CGI-S)から選択される。
一部の実施形態では、本発明は、うつ病を処置することを必要とする患者に、提供されている化合物または薬学的に許容されるその組成物を経口投与するステップを含む、前記患者においてうつ病を処置する方法であって、患者が、腹腔内注射により投与されるケタミンと同等の、抑うつ尺度スコアの低下を経験する、方法を提供する。一部の実施形態では、抑うつ尺度スコアの低下は、単回経口投与から生じる。ある実施形態では、抑うつ尺度スコアの低下は、複数の経口投与から生じる。
一部の実施形態では、mTORC1を活性化する方法を使用して、迅速な抗うつ活性の開始を誘発させる。したがって、一部の実施形態では、本発明は、迅速な抗うつ活性の開始を誘発させることを必要とするTRDに罹患している患者において、迅速な抗うつ活性の開始を誘発させる方法であって、前記患者に、提供されている化合物または薬学的に許容されるその組成物を投与するステップを含む方法を提供する。一部の実施形態では、迅速な抗うつ活性の開始は、前記化合物または組成物を投与して2週間以内に起こる。一部の実施形態では、迅速な抗うつ活性の開始は、前記化合物または組成物を投与して1週間以内に起こる。一部の実施形態では、迅速な抗うつ活性の開始は、前記化合物または組成物を投与して7日以内に起こる。一部の実施形態では、迅速な抗うつ活性の開始は、前記化合物または組成物を投与して6日以内に起こる。一部の実施形態では、迅速な抗うつ活性の開始は、前記化合物または組成物を投与して5日以内に起こる。一部の実施形態では、迅速な抗うつ活性の開始は、前記化合物または組成物を投与して4日以内に起こる。一部の実施形態では、迅速な抗うつ活性の開始は、前記化合物または組成物を投与して3日以内に起こる。一部の実施形態では、迅速な抗うつ活性の開始は、前記化合物または組成物を投与して2日以内に起こる。一部の実施形態では、迅速な抗うつ活性の開始は、前記化合物または組成物を投与して1日以内に起こる。一部の実施形態では、迅速な抗うつ活性の開始は、前記化合物または組成物を投与して24時間未満のうちに起こる。
一部の実施形態では、本発明は、うつ病に罹患している長期間作用性持続抗うつ活性を誘発させることを必要とする患者において、長期間作用性持続抗うつ活性を誘発させる方法であって、前記患者に提供されている化合物または薬学的に許容されるその組成物を投与するステップを含む方法を提供する。一部の実施形態では、必要とする患者は、TRDに罹患している。一部の実施形態では、長期間作用性持続抗うつ活性は、提供される化合物または薬学的に許容されるその組成物の単回投与後に、少なくとも24時間、持続する。一部の実施形態では、長期間作用性持続抗うつ活性は、1日より長く持続する。一部の実施形態では、長期間作用性持続抗うつ活性は、少なくとも2日間、持続する。一部の実施形態では、長期間作用性持続抗うつ活性は、少なくとも3日間、持続する。一部の実施形態では、長期間作用性持続抗うつ活性は、少なくとも4日間、持続する。一部の実施形態では、長期間作用性持続抗うつ活性は、少なくとも5日間、持続する。一部の実施形態では、長期間作用性持続抗うつ活性は、少なくとも6日間、持続する。一部の実施形態では、長期間作用性持続抗うつ活性は、少なくとも7日間、持続する。
一部の実施形態では、本発明は、迅速な開始と長期作用持続性の両方である、抗うつ活性を誘発させる方法を提供する。
一部の実施形態では、本発明は、対象において、肯定的な行動反応を誘発する方法であって、前記対象に提供されている化合物または薬学的に許容されるその組成物を投与するステップを含む方法を提供する。一部の実施形態では、肯定的な行動反応は、気分の改善に相関する。一部の実施形態では、肯定的な行動反応は、不安症の低下に相関する。一部の実施形態では、肯定的な行動反応は、気分の改善に相当する。一部の実施形態では、肯定的な行動反応は、ストレスに対処する能力の改善に相関する。
一部の実施形態では、本発明は、対象において、迅速な肯定的な行動反応の開始を誘発する方法であって、前記対象に提供されている化合物または薬学的に許容されるその組成物を投与するステップを含む方法を提供する。一部の実施形態では、肯定的な行動反応は、投与の24時間以内に起こる。一部の実施形態では、肯定的な行動反応は、投与の1日以内に起こる。一部の実施形態では、肯定的な行動反応は、投与の2日以内に起こる。一部の実施形態では、肯定的な行動反応は、投与の3日以内に起こる。一部の実施形態では、肯定的な行動反応は、投与の4日以内に起こる。一部の実施形態では、肯定的な行動反応は、投与の5日以内に起こる。一部の実施形態では、肯定的な行動反応は、投与の6日以内に起こる。一部の実施形態では、肯定的な行動反応は、投与の7日以内に起こる。一部の実施形態では、肯定的な行動反応は、投与の1週間以内に起こる。
一部の実施形態では、本発明は、対象において、長期作用性の持続的な肯定的な行動反応を誘発する方法であって、前記患者に提供されている化合物または薬学的に許容されるその組成物を投与するステップを含む方法を提供する。一部の実施形態では、長期作用性の持続的な肯定的な行動反応は、1日より長く持続する。一部の実施形態では、長期作用性の持続的な肯定的な行動反応は、少なくとも2日間、持続する。一部の実施形態では、長期作用性の持続的な肯定的な行動反応は、少なくとも3日間、持続する。一部の実施形態では、長期作用性の持続的な肯定的な行動反応は、少なくとも4日間、持続する。一部の実施形態では、長期作用性の持続的な肯定的な行動反応は、少なくとも5日間、持続する。一部の実施形態では、長期作用性の持続的な肯定的な行動反応は、少なくとも6日間、持続する。一部の実施形態では、長期作用性の持続的な肯定的な行動反応は、少なくとも7日間、持続する。
一部の実施形態では、本発明は、迅速な開始と長期作用持続性の両方である、肯定的な行動反応を誘発させる方法を提供する。
一部の実施形態では、本発明は、慢性的で予測不可能なストレス(CUS)によって引き起こされる行動的およびシナプス欠損を改善ならびに/または反転させることを必要とする患者において、慢性的で予測不可能なストレスによって引き起こされる行動的およびシナプス欠損を改善ならびに/または反転させる方法であって、前記患者に提供されている化合物または薬学的に許容されるその組成物を投与するステップを含む、方法を提供する。一部の実施形態では、本方法は、CUSによって引き起こされる行動的欠陥を改善および/または反転させる。一部の実施形態では、本方法は、CUSによって引き起こされるシナプス欠損を改善および/または反転させる。一部の実施形態では、CUSによって引き起こされるシナプス欠損は、シナプス後タンパク質発現量の低下である。一部の実施形態では、シナプス後タンパク質発現量の低下は、GLUR1またはPSD95の発現量の低下である。
一部の実施形態では、mTORC1を活性化する方法を使用して、自閉症の形態を処置または予防する(Novarinoら、(2012年)Science 10月19日、338巻:6105号、394~397頁を参照されたい)。したがって、一部の実施形態では、本発明は、自閉症の形態を処置または予防することを必要とする被験体において、自閉症の形態を処置または予防する方法であって、前記被験体に、提供される化合物または薬学的に許容されるその組成物を投与するステップを含む方法を提供する。一部の実施形態では、自閉症は、自閉症の遺伝的形態である。
一部の実施形態では、本発明は、自閉症の遺伝的形態を処置することを必要とする患者において、自閉症の遺伝的形態を処置する方法であって、前記患者に提供されている化合物または薬学的に許容されるその組成物を投与するステップを含む方法を提供する。SHANK3ハプロ不全は、自閉症スペクトラム障害の高リスクを含めた、Phelan-McDermid症候群(PMDS)の神経学的特徴の原因となる(Bidinosti et al. (2016) Science Reports 351, 1199-1203)。SHANK3におけるmTORC1の下方調節は、そのキナーゼであるCdc2様キナーゼ2によるセリン/トレオニンタンパク質ホスファターゼ2A(PP2A)調節性サブユニットであるB56bのリン酸化および活性化を増強することによる(Bidinostiet al. (2016) Science Reports 351, 1199-1203)。SHANK3変異体マウスは、自閉的形質を示す(Yang etal. (2012) The Journal of Neuroscience 32, 6525- 6541)。自閉的形質および運動遅延を有する患者は、SLC7A5遺伝子において、有害なホモ接合変異を有する。血液脳関門(BBB)に局在する、大きな天然アミノ酸輸送体である、溶質担体輸送体7a5(SLC7A5)は、脳のBCAAの正常レベルの維持に必須の役割を有する。ロイシンを脳室内投与すると、成体の変異体マウスにおける異常な行動が改善される(Tarlungeanuet al. (2016) Cell 167, 1481-1494)。
一部の実施形態では、本発明は、リソソーム蓄積症または障害(「LSD」)を処置することを必要とする患者において、リソソーム蓄積症または障害を処置する方法であって、前記患者に提供されている化合物または薬学的に許容されるその組成物を投与するステップを含む方法を提供する。LSDは、リソソーム機能の欠損に起因する遺伝性代謝障害の一群である。リソソーム貯蔵障害は、通常、脂質、グリコタンパク質(糖含有タンパク質)、またはいわゆるムコ多糖類の代謝に必要な1つの酵素が欠乏している結果として、リソソームの機能不全により引き起こされる。一部の実施形態では、本発明は、脂質貯蔵障害を処置することを必要とする患者において、脂質貯蔵障害を処置する方法であって、前記患者に提供されている化合物または薬学的に許容されるその組成物を投与するステップを含む方法を提供する。一部の実施形態では、脂質貯蔵障害は、スフィンゴリピドーシス(例えば、ガングリオシドーシス、ゴーシェ病、ニーマン-ピック病または異染性白質ジストロフィー)から選択される。一部の実施形態では、本発明は、ガングリオシドーシス(例えば、テイ-サックス病または白質ジストロフィー)を処置する方法を提供する。ある実施形態では、本発明は、ムコ多糖症を処置することを必要とする患者において、ムコ多糖症を処置する方法であって、前記患者に提供されている化合物または薬学的に許容されるその組成物を投与するステップを含む方法を提供する。一部の実施形態では、ムコ多糖症は、ハンター症候群またはハーラー病である。
一部の実施形態では、本発明は、JNCL(バッテン病)を処置することを必要とする患者において、JNCLを処置する方法であって、前記患者に提供されている化合物または薬学的に許容されるその組成物を投与するステップを含む方法を提供する。JNCLは、非機能性タンパク質をもたらす、CLN3遺伝子のエクソン7および8の欠失によって引き起こされる。CLN3によってコードされる完全長タンパク質であるバッテニンは、後期エンドソームおよびリソソームに局在化する膜貫通タンパク質であり、ここで、pH、アミノ酸のバランスおよび小胞輸送(Pearce et al. (1999) Nature Genetics 22, 1; Fossale et al. (2004)BMC Neuroscience 10, 5)を調節する一助となることが示されている。mTOR活性化は、JNCLのin vitroおよびin vivoモデルにおいて、機能性バッテニンの欠如により低下するオートファジーによってもたらされる細胞内栄養素を必要とする(Caoet al. (2006) Journal of Biological Chemistry 281, 29)。
一部の実施形態では、本発明は、シスチン症を処置することを必要とする患者において、シスチン症を処置する方法であって、前記患者に提供されている化合物または薬学的に許容されるその組成物を投与するステップを含む方法を提供する。シスチン症は、CSTN遺伝子において変異した2つのアレルを有するものに影響を及ぼす常染色体劣性遺伝疾患であり、リソソームのシスチン輸送体であるシスチノシンは、リソソームからのシスチンの流出に欠陥があり、腎上皮細管におけるシスチン結晶の形成および腎機能の喪失をもたらす。検討により、CSTNが欠如している細胞および誤配置mTORにおける、mTORC1シグナル伝達の欠陥または低下が示されている(Ivanova et al. (2016) J Inherit Metab Dis.39(3), 457-64; Andrzejewska et al. (2016) J Am Soc Nephrol. 27(6), 1678-1688e)。これらの欠損は、システアミンによりレスキューされ得ない(Ivanova et al. (2016) J Inherit Metab Dis. 39(3), 457-64; Andrzejewska et al. (2016) JAm Soc Nephrol. 27(6), 1678-1688e)。シスチノシンはまた、mTORC1経路構成成分であるv-ATPアーゼ、Ragおよび調節因子に結合することも見出されている(Andrzejewskaet al. (2016) J Am Soc Nephrol. 27(6), 1678-1688e)。CTNS欠乏細胞は、オートファゴソーム数の増加およびシャペロン媒介性オートファジーの低下を示す(Napolitanoet al. (2015) EMBO Mol Med. 7(2), 158-74)。
一部の実施形態では、本発明は、ファブリー病を処置することを必要とする患者において、ファブリー病を処置する方法であって、前記患者に提供されている化合物または薬学的に許容されるその組成物を投与するステップを含む方法を提供する。ファブリー病では、アルファ-ガラクトシダーゼの欠乏が、グロボトリアオシルセラミド脂質のリソソームでの蓄積をもたらす。shRNAによりアルファ-ガラクトシダーゼがノックダウンされているファブリー病の細胞モデルにおいて、mTOR活性の低下およびオートファジーの増加がin vitroおよびin vivoで観察されている(Liebau et al. (2013) PLoS 8, e63506)。過活性オートファジーもまた、アルファ-ガラクトシダーゼがノックアウトされているマウスの脳で観察される(Nelsonet al. (2014) Acta Neuropathologica Communications 2, 20)。
一部の実施形態では、本発明は、ムコリピドーシスIV型(MLIV)を処置することを必要とする患者において、ムコリピドーシスIV型を処置する方法であって、前記患者に提供されている化合物または薬学的に許容されるその組成物を投与するステップを含む方法を提供する。MLIVでは、TRPML1リソソームCa(2+)チャネルの変異により、リソソームの膜トラフィッキングの障害が引き起こされる。DrosophilaにおけるMLIVノックアウトにより、オートファジーの上方調節およびmTOR活性の低下がもたらされ、これらのどちらも、mTORC1を遺伝的に活性化することによって、または動物に高タンパク質の食事を与えることによって反転され得る(Wong et al. (2012) Curr Biol. 22(17), 1616-1621)。オートファジーの増加はまた、MLIV患者由来の線維芽細胞にも観察される(Vergarajaureguiet al. (2008) Human Molecular Genetics 17, 2723-2737)。
一部の実施形態では、本発明は、精神遅滞を処置することを必要とする患者において、精神遅滞を処置する方法であって、前記患者に提供されている化合物または薬学的に許容されるその組成物を投与するステップを含む方法を提供する。Homo sapiensでは、セレブロン変異は、常染色体劣性非症候性精神遅滞の軽度形態にリンクしている。遅延のセレブロンノックアウトマウスモデルでは、小脳において、セレブロンの喪失はAMPKを活性化し、mTORを阻害し、タンパク質翻訳を低減する(Lee et al. (2014) J Biol Chem. 289, 23343-52; Xu et al. (2013) JBiol Chem. 288, 29573-85)。
一部の実施形態では、本発明は、対象において、ニューロンタンパク質発現量を増大する方法であって、前記対象に提供されている化合物または薬学的に許容されるその組成物を投与するステップを含む方法を提供する。一部の実施形態では、ニューロンタンパク質発現量の増大は、シナプス後ニューロンに起こる。一部の実施形態では、ニューロンタンパク質発現量の増大は、脳由来神経栄養因子(BDNF)の発現量増大を含む。一部の実施形態では、ニューロンタンパク質発現量の増大は、グルタミン酸受容体1(GluR1)の発現量増大を含む。一部の実施形態では、ニューロンタンパク質発現量の増大は、シナプシンの発現量増大を含む。一部の実施形態では、ニューロンタンパク質発現量の増大は、PSD95の発現量増大を含む。
一部の実施形態では、本発明は、対象において、シナプス形成を増大する方法であって、前記対象に提供されている化合物または薬学的に許容されるその組成物を投与するステップを含む方法を提供する。一部の実施形態では、シナプス形成の増大は、シナプス再編成を含む。一部の実施形態では、シナプス形成の増大は、樹状突起スパインの誘発を含む。一部の実施形態では、樹状突起スパインの誘発は、樹状突起スパインの密度の上昇を引き起こす。一部の実施形態では、樹状突起スパインは、薄いスパインである。一部の実施形態では、樹状突起スパインは、マッシュルーム型スパインである。
一部の実施形態では、本発明は、対象において、シノプティック機能を増強する方法であって、前記対象に提供されている化合物または薬学的に許容されるその組成物を投与するステップを含む方法を提供する。一部の実施形態では、対象におけるシノプティック機能の増強は、興奮性シナプス後電流(EPSC)の増大を含む。
本発明の薬学的に許容される組成物は、処置される感染の重症度に応じて、ヒトおよび他の動物に、経口用または鼻腔スプレー剤などとして、経口により、経腸により、非経口により、嚢内、膣内、腹腔内、局所的(散剤、軟膏剤または点剤(drop)によるような)、口腔に(bucally)投与することができる。ある特定の実施形態では、本発明の化合物は、所望の治療効果を得るため、1日に1回またはそれよりも多くの回、1日あたり、被験体の体重あたり約0.01mg/kg~約50mg/kg、および好ましくは約1mg/kg~約25mg/kgの投与量レベルで、経口または非経口投与することができる。
経口投与向けの液体剤形には、以下に限定されないが、薬学的に許容される乳剤、マイクロエマルション剤(microemulsion)、溶液剤、懸濁剤、シロップ剤およびエリキシル
剤が含まれる。活性化合物に加えて、液体剤形は、例えば、水または他の溶媒などの当技術分野において一般に使用される不活性希釈剤、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(特に、綿実油、落花生油、コーン油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール、およびソルビタンの脂肪酸エステル、ならびにそれらの混合物などの可溶化剤および乳化剤を含有することができる。不活性な希釈剤に加えて、本経口用組成物はまた、湿潤剤、乳化剤および懸濁化剤、甘味剤、着香剤および芳香剤などのアジュバントを含むことができる。
注射可能な調製物、例えば、注射可能な水性懸濁剤または油性懸濁剤は、好適な分散化剤、または湿潤剤および懸濁化剤を使用する公知技術に従って、製剤化することができる。注射可能な滅菌調製物はまた、例えば、1,3-ブタンジオール中の溶液として、非毒性の非経口的に許容される希釈剤または溶媒中の注射用滅菌溶液剤、懸濁剤または乳剤とすることもできる。用いることができる許容可能なビヒクルおよび溶媒には、水、リンゲル液(米国薬局方)および等張性塩化ナトリウム溶液がある。さらに、滅菌の不揮発性油は、溶媒または懸濁媒体として、都合よく用いられる。この目的のために、合成モノグリセリドまたはジグリセリドを含む任意の無刺激性の不揮発性油を用いることができる。さらに、オレイン酸などの脂肪酸が、注射剤の調製に使用される。
注射可能な製剤は、例えば、細菌保持フィルターによるろ過によって、または使用前に滅菌水または他の滅菌の注射可能な媒体に溶解または分散することができる、滅菌の固形組成物の形態の滅菌剤を組み込むことによって滅菌することができる。
本発明の化合物の効果を延長するために、皮下または筋肉内注射からの化合物の吸収を遅延させることが望ましいことが多い。これは、水溶解度に乏しい結晶性物質または非晶質性物質の液体懸濁剤の使用によって行われることができる。次に、化合物の吸収速度は、溶解速度に依存し、ひいては、結晶サイズおよび結晶形態に依存し得る。あるいは、非経口的に投与された化合物形態の吸収の遅延は、油性ビヒクル中に溶解または懸濁させることにより行われる。注射可能なデポ剤の形態は、ポリラクチド-ポリグリコリドなどの生分解性ポリマー中に化合物のマイクロカプセル化マトリックスを形成させることにより作製される。化合物とポリマーとの比、および用いられる特定のポリマーの性質に応じて、化合物の放出速度を制御することができる。他の生分解性ポリマーの例には、ポリ(オルトエステル)およびポリ(無水物)が含まれる。注射可能なデポ製剤はまた、身体組織と適合性があるリポソームまたはマイクロエマルション中に化合物を捕捉することによって調製される。
直腸または膣投与向けの組成物は、好ましくは、本発明の化合物を、周囲温度では固体であるが、体温では液体であり、したがって直腸または膣腔において融解して、活性化合物を放出する、カカオ脂、ポリエチレングリコールまたは坐剤ワックスなどの好適な非刺激性賦形剤または担体と混合することにより調製することができる坐剤である。
経口投与向け固形剤形には、カプセル剤、錠剤、丸剤、散剤および顆粒剤が含まれる。このような固形剤形では、活性化合物は、少なくとも1つの不活性な、薬学的に許容される賦形剤または担体(クエン酸ナトリウムまたはリン酸二カルシウムなど)、および/またはa)充填剤もしくは増量剤(デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトールおよびケイ酸など)、b)結合剤(例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギネート、ゼラチン、ポリビニルピロリジノン、スクロースおよびアカシアなど)、c)保湿剤(グリセロールなど)、d)崩壊剤(寒天、炭酸カルシウム、バレイショデンプンまたはタピオカデンプン、アルギン酸、ある特定のシリケートおよび炭酸ナトリウムなど)、e)溶解遅延剤(パラフィンなど)、f)吸収促進剤(第四級アンモニウム化合物など)、g)湿潤剤(例えば、セチルアルコールおよびモノステアリン酸グリセロールなど)、h)吸収剤(カオリンおよびベントナイトクレイなど)、およびi)滑沢剤(タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム)、およびそれらの混合物と混合される。カプセル剤、錠剤および丸剤の場合、これらの剤形はまた、緩衝化剤を含むことがある。
類似したタイプの固形組成物はまた、ラクトースまたは乳糖、および高分子量ポリエチレングリコールなどの賦形剤を使用して、軟質および硬質充填ゼラチンカプセル中に充填剤として用いられてもよい。錠剤、ドラジェ剤、カプセル剤、丸剤および顆粒剤の固形剤形は、腸溶コーティング剤および医薬調剤分野において周知の他のコーティング剤などの、コーティング剤およびシェルを用いて調製することができる。それらは、乳白剤を任意選択で含有していてもよく、消化管のある部分に、任意選択で遅延様式で、活性成分(複数可)をこれのみ、または優先的に放出する組成物とすることもできる。使用することができる埋め込み用組成物の例には、ポリマー物質およびワックスを含む。類似したタイプの固形組成物はまた、ラクトースまたは乳糖、および高分子量ポリエチレングリコール(polethylene glycol)などの賦形剤を使用して、軟質および硬質充填ゼラチンカプセル
中に充填剤として用いられてもよい。
活性化合物はまた、上記の通り、1つまたはそれよりも多くの賦形剤と一緒にマイクロ封入された形態とすることができる。錠剤、ドラジェ剤、カプセル剤、丸剤および顆粒剤の固形剤形は、腸溶コーティング剤、制御放出コーティング剤および医薬調剤分野において周知の他のコーティング剤などの、コーティング剤およびシェルを用いて調製することができる。このような固形剤形では、活性化合物は、スクロース、ラクトースまたはデンプンなどの少なくとも1種の不活性な希釈剤と混合されてもよい。このような剤形はまた、通常の実作業のように、不活性希釈剤以外のさらなる物質、例えば、ステアリン酸マグネシウムおよび微結晶性セルロースなどの錠剤用滑沢剤および他の錠剤用助剤を含んでもよい。カプセル剤、錠剤および丸剤の場合、剤形はまた、緩衝化剤を含んでもよい。それらは、乳白剤を任意選択で含有していてもよく、消化管のある部分に、任意選択で遅延様式で、活性成分(複数可)をこれのみまたは優先的に放出する組成物とすることもできる。使用することができる埋め込み用組成物の例は、ポリマー物質およびワックスを含む。
本発明の化合物の局所または経皮投与向け剤形には、軟膏剤、ペースト剤、クリーム剤、ローション剤、ゲル剤、散剤、溶液剤、噴霧剤、吸入剤またはパッチ剤が含まれる。活性構成成分は、滅菌条件下で薬学的に許容される担体と混合され、任意の必要な保存剤または緩衝剤が必要となることがある。眼科用製剤、点耳剤および点眼剤もまた、本発明の範囲内にあるものとして企図される。さらに、本発明は、経皮パッチ剤の使用を企図しており、経皮パッチ剤は、身体への化合物の制御送達を実現するという追加の利点を有する。このような剤形は、適切な媒体中で化合物を溶解または分注することによって作製することができる。吸収促進剤はまた、皮膚を通る化合物の流入を向上させるために使用することもできる。この速度は、速度制御膜を設けることによって、またはポリマーマトリックスもしくはゲル中に化合物を分散させることによってのどちらかで制御することができる。
一実施形態によれば、本発明は、生物試料中のmTORC1活性をモジュレートするかまたは選択的にモジュレートする方法であって、前記生物試料を本発明の化合物または前記化合物を含む組成物に接触させるステップを含む方法に関する。
用語「生物試料」には、本明細書で使用する場合、非限定的に、細胞培養物またはその抽出物;哺乳動物またはその抽出物から得られる生検物質;および血液、唾液、尿、大便、精液、涙液、または他の体液もしくはその抽出物が含まれる。
本発明の別の実施形態は、患者におけるmTORC1を活性化する方法であって、前記患者に本発明の化合物または前記化合物を含む組成物を投与するステップを含む方法に関する。
別の実施形態によれば、本発明は、mTORC1により媒介される障害を処置することを必要とする患者において、mTORC1により媒介される障害を処置する方法であって、前記患者に、本発明による化合物または薬学的に許容されるその組成物を投与するステップを含む方法を提供する。このような障害は、本明細書において、詳細に記載されている。
他の治療剤との組合せ
具体的な処置される状態または疾患に応じて、そのような状態を処置するために通常、投与される追加の治療剤もまた、本発明の組成物中に存在していてもよい。本明細書で使用する場合、具体的な疾患または状態を処置するために通常、投与される追加の治療剤は、「処置される疾患または状態に適した」ものとして公知である。
一部の実施形態では、提供される化合物は、抗うつ治療剤と組み合わせて投与される。抗うつ治療剤は、当業者に周知であり、選択的セロトニン再吸収阻害剤(「SSRI」、例えば、セルトラリン、エスシタロプラム、シタロプラム、フルボキサミン、フルオキセチン、パロキセチン)、抗うつ剤(例えば、ブプロピオン、ベンラファキシン、ミルタザピン、デュロキセチン、アミトリプチリン、イミプラミン、セレジリン、ノルトリプチリン、トラゾドン、デスベンラファキシンおよびアリピプラゾール)を含む。
一部の実施形態では、提供される化合物は、1つもしくはそれよりも多くのLSDを処置するのに有用な追加的な治療剤または方法と組み合わせて投与される。一部の実施形態では、提供される化合物は、酵素置換療法、化学的シャペロン治療法、骨髄移植、基質還元療法、α-L-イズロニダーゼ、組換えヒトN-アセチルガラクトサミン-4-スルファターゼ(アリールスルファターゼB)、糖スフィンゴ脂質合成の阻害剤、N-ブチルデオキシノジリマイシン(ミグルスタット)、疎水性イミノ糖、またはα-ガラクトシダーゼA(例えば、1-デオキシ-ガラクトノジリマイシン)の阻害剤と組み合わせて投与される。
それらの追加剤は、複数の投与量レジメンの一部として、本発明の化合物を含有する組成物から、個別に投与されてもよい。あるいは、それらの剤は、単一組成物中の本発明の化合物と一緒に混合された、単回剤形の一部であってもよい。複数の投与量レジメンの一部として投与する場合、2種の活性剤は、同時に、逐次に、または通常、互いに5時間内の相互の期間内に投与することができる。
本明細書で使用する場合、用語「組合せ」、「組み合わせた」および関連する用語は、本発明による治療剤の同時投与または逐次投与を指す。例えば、本発明の化合物は、別の治療剤と同時に、または個別の単位剤形で逐次、または単一単位剤形で一緒に投与されてもよい。したがって、本発明は、本発明の化合物、追加の治療剤、および薬学的に許容される担体、アジュバントまたはビヒクルを含む単一単位剤形を提供する。
担体材料と組み合わせて単回剤形を生成するための、本発明の化合物と追加の治療剤(上記の追加の治療剤を含むそうした組成物中)の両方の量は、処置される宿主および特定の投与形式に応じて様々になる。好ましくは、本発明の組成物は、本発明の化合物が0.01~100mg/kg体重/日の間の投与量で投与され得るよう製剤化すべきである。
追加の治療剤を含むそのような組成物では、そうした追加の治療剤および本発明の化合物は、相乗的に作用することがある。したがって、このような組成物中の追加の治療剤の量は、その治療剤しか利用しない単剤療法に必要とされる量未満である。このような組成物では、0.01~1,000μg/kg体重/日の間の投与量の追加の治療剤が投与され得る。
本発明の組成物に存在する追加の治療剤の量は、活性剤単独として治療剤を含む組成物中で、通常、投与される量以下である。好ましくは、開示されている組成物中の追加の治療剤の量は、その剤を含む組成物中に、治療活性剤単独として通常、存在している量の約50%~100%の範囲である。
本発明の化合物またはその医薬組成物はまた、補綴物、人工弁、脈管移植片、ステントおよびカテーテルなどの埋込式医療用デバイスをコーティングするための組成物に組み込まれてもよい。例えば、血管ステントは、再狭窄(損傷後の血管壁の再狭小化)を克服するために使用されてきた。しかし、ステントまたは他の埋込式デバイスを使用する患者は、凝血形成または血小板活性化というリスクがある。これらの望ましくない作用は、キナーゼ阻害剤を含む薬学的に許容される組成物によりデバイスを予めコーティングすることによって予防または軽減することができる。本発明の化合物によりコーティングされる埋込式デバイスは、本発明の別の実施形態である。
本発明の態様の各々のすべての特徴は、すべての他の態様に変更すべきところは変更して適用される。
本明細書に記載されている発明が一層完全に理解され得るために、以下の実施例を記載する。これらの実施例は、例示目的に過ぎず、本発明を決して制限するものと解釈されるべきではないことを理解すべきである。
例証
以下の実施例に図示されている通り、ある例示的な実施形態では、化合物は、以下の一般手順に従って調製する。一般方法は、本発明のある化合物の合成を図示しているが、以下の一般的な方法および当業者に公知の他の方法は、本明細書に記載されているすべての化合物、ならびにこれらの化合物のそれぞれの部分クラスおよび種に適用することができることが認識される。
一般手順
X線粉末回折(XRPD)分析は、標準Aptuit法を使用して、X’Celerator検出器を備えるPanalytical X’Pert ProまたはEmpyrean機器で透過モードで行った。データは、HighScore Plusソフトウェアを使用して評価した。使用した機器パラメータが、以下の表5に列挙されている。
Figure 2022505849000014
管理環境条件でのXRPD分析結果を、Pixel3D検出器を備えるAnton-Paar CHC+チャンバを装備したPanalytical Empyrean機器で、反射モードで採集した。データは、HighScore Plusソフトウェアを使用して評価した。使用した機器パラメータが、以下の表6に列挙されている。
Figure 2022505849000015
熱重量分析(TGA)は、TA Q5000IR機器を使用して行った。この方法パラメータが、以下の表7に列挙されている。
Figure 2022505849000016
示差走査熱量測定(DSC)分析は、TA Q2000 MDSC機器を使用して行った。この方法パラメータが、以下の表8に列挙されている。
Figure 2022505849000017
キラルHPLC分析は、以下の表9に列挙されているパラメータを用いて実施した。
Figure 2022505849000018
重量蒸気収着(GVS)分析は、Hiden AnalyticalによるIGASorp機器で行った。この方法パラメータが、以下の表10に列挙されている。
Figure 2022505849000019
化合物Aは、その全体が参照により本明細書に組み込まれている、米国特許第10,100,066号に記載されている方法に準拠して調製することができる。
(実施例1) 化合物Aの遊離塩基形態Aの調製
Figure 2022505849000020
化合物Aの形態A
化合物Aの形態Aは、以下に記載されている通りに調製した。
化合物Aの形態A - 調製方法1
スラリーは、約65mgの化合物Aを秤量し、0.8mLのアセトン中に化合物Aを懸濁し、過剰の固体が溶解しない状態のままであるかを目視確認することによって作製した(約500~700rpmでの磁気撹拌を適用した)。このスラリーを20℃で14日間、撹拌した。固体をろ過することにより単離し、室温で約2時間、真空乾燥した。
化合物Aの形態A - 調製方法2
スラリーは、約55mgの化合物Aを秤量し、1.0mLのアセトニトリル中に化合物Aを懸濁し、過剰の固体が溶解しない状態のままであるかを目視確認することによって作製した(約500~700rpmでの磁気撹拌を適用した)。このスラリーを20℃で14日間、撹拌した。固体をろ過することにより単離し、室温で約2時間、真空乾燥した。
化合物Aの形態A - 調製方法3
スラリーは、約60mgの化合物Aを秤量し、0.8mLの1-ブタノール中に化合物Aを懸濁し、過剰の固体が溶解しない状態のままであるかを目視確認することによって作製した(約500~700rpmでの磁気撹拌を適用した)。このスラリーを20℃で14日間、撹拌した。固体をろ過することにより単離し、室温で約2時間、真空乾燥した。
化合物Aの形態A - 調製方法4
スラリーは、約60mgの化合物Aを秤量し、0.5mLの2-ブタノン(MEK)中に化合物Aを懸濁し、過剰の固体が溶解しない状態のままであるかを目視確認することによって作製した(約500~700rpmでの磁気撹拌を適用した)。このスラリーを20℃で14日間、撹拌した。固体をろ過することにより単離し、室温で約2時間、真空乾燥した。
化合物Aの形態A - 調製方法5
スラリーは、約55mgの化合物Aを秤量し、0.7mLの酢酸エチル中に化合物Aを懸濁し、過剰の固体が溶解しない状態のままであるかを目視確認することによって作製した(約500~700rpmでの磁気撹拌を適用した)。このスラリーを20℃で14日間、撹拌した。固体をろ過することにより単離し、室温で約2時間、真空乾燥した。
化合物Aの形態A - 調製方法6
スラリーは、約55mgの化合物Aを秤量し、0.9mLのイソプロパノール中に化合物Aを懸濁し、過剰の固体が溶解しない状態のままであるかを目視確認することによって作製した(約500~700rpmでの磁気撹拌を適用した)。このスラリーを20℃で14日間、撹拌した。固体をろ過することにより単離し、室温で約2時間、真空乾燥した。
上記の表1を以下に再現し、化合物Aの形態Aについて観察されたX線回折ピークを説明する。
Figure 2022505849000021
Figure 2022505849000022
図1は、化合物Aの形態AのXRPDパターンを図示している。
図2は、化合物Aの形態AのDSCトレースを図示している。
図3は、化合物Aの形態AのTGAトレーを図示している。
(実施例2) 化合物Aの遊離塩基形態Bの調製
Figure 2022505849000023
化合物Aの形態B
化合物Aの形態Bは、以下に記載されている通りに調製した。
化合物Aの形態B - 調製方法1
約4gの化合物Aを、FBRM Lasentec(登録商標)プローブを備える50mLのEasyMax反応器において、IPA/水70:30、5体積分量(20mL;総体積24mL、167mg/mL)中に懸濁し、結晶化の進行をモニタリングした。この内容物をこのシステムにより許容される最大温度(79℃)まで加熱した。プロペラ式ブレードを用いる撹拌を適用した。化合物はゆっくりと溶解する傾向があった。溶解が達成されなかったので、1体積分量の溶媒混合物を加えた。一部の重い板状粒子および反応器の上部空間の付着物を伴う濁りのない溶液が観察された。さらに0.5体積分量の溶媒混合物を加えた。粒子は消失したが、クラスト(crust)が一部残った(全量30mL、133mg/mL)。この内容物を、76℃まで0.5K/分で冷却した。数分後、IPA/水70/30(0.2mL)中で新しく調製した懸濁液であるが、即座に溶解した、種晶(seed)(30mg、予測生産速度に基づいて計算すると1%w/w)を加えた。この内容物を、72℃まで0.5K/分で冷却した。数分後、乾燥種晶(30mg、予測生産速度に基づいて計算すると、1%w/w)を再度加えた。この温度において4時間、内容物を保持し、種晶の残留(persistence)を確認し、次に、0.2K/分で20℃まで冷却した。この物質は最初に結晶化し、1時間以内に完全に溶解したように見え、勾配冷却の間に50℃で自己結晶化した。20℃では、溶媒の上の壁に沿っておよび反応器の底部に多量の付着物が観察された。スパチュラを用いて、クラストをスラリーに押し込み、ある程度の時間の後に、スラリーは均一になった。XRPD分析のためにサンプリング物を採取し、形態Bが得られた。
含まれる体積が多いので、この実験は、100mLの反応器中で継続した。この反応器を速やかに加熱し、内部を80℃にした。溶媒の蒸発を埋め合わせるため、約1mLの溶媒を必要とした。この溶液は濁りがないように見えたが、クラストの環は存在し続けた。この内容物を、0.5K/分で74℃まで冷却した。数分後、乾燥種晶(A/2919/27/3~30mg、予測生産速度に基づいて計算すると、1%w/w)を加えた。種晶は、1時間内に溶解しなかった。IPA(13体積分量、52mL)を0.3mL/分の速度で加えた(3時間)。この時間の間に、この内容物を74℃に保持した。IPAの添加により、多量の沈殿が引き起こされ、これにより、インペラによる撹拌が不可能になるゼリー様スラリーが生成した。この内容物を、0.2K/分で20℃まで冷却した。静的固体の塊が翌日に見出され、撹拌はインペラの中央部に限定された。スパチュラを用いて固体の塊を移動させることによって、スラリーを動くようにして、均一にした。この固体は、フィルターシリンジ(PTFEフリット、多孔度20μm)上でのろ過によって単離した。この操作の間に、反応器から物質を完全に回収するため、母液の一部のリサイクルが必要であった。洗浄前の脱液後に、XRPD分析用に試料を採取し、形態Bに加えていくつかの余分な反射物をもたらした。次に、洗液(IPA/水90/10、10mL、約1ケーキ体積分)を適用し、この固体を1時間、真空下で乾燥した。洗浄後、XRPD分析用に試料を採取し、形態Bが得られた。この固体を40℃で20時間、真空オーブン中で乾燥した。
化合物Aの形態B - 調製方法2
約4gの化合物Aを、FBRM Lasentec(登録商標)プローブを備える50mLのEasyMax反応器において、IPA/水70:30、5体積分量(20mL;総体積24mL、167mg/mL)中に懸濁し、結晶化の進行をモニタリングした。プロペラ式ブレードを用いる撹拌を500rpmで適用した。この内容物をこのシステムによって許容される最大温度に加熱(81℃、速度3K/分)したが、完全な溶解は達成されず(Lasentec:1800カウント数)、したがって、1体積分量の溶媒混合物を加えた。溶媒レベルより上の反応器壁表面にクラストの形成が観察された。温度を78℃まで低下させて、溶媒混合物の沸点未満に維持し、追加の0.5体積分量の溶媒を加えた。懸濁粒子は消失したが、クラストは一部残留した(全量30mL、133mg/mL)。この内容物を、75℃まで0.5K/分の速度で冷却した。数分後、乾燥種晶(A/2919/27/3、30mg、予測生産速度に基づいて計算すると、1%w/w)を加えた。Lasentecカウント数が、33000まで急上昇し、次に、急速に低下を始めた。温度を73℃(速度0.5K/分)まで低下させて、完全溶解を予防し(以前の実験A/2919/40に観察されたように)、結晶形態を確認するためにサンプリングを行った:A/2919/42/1(湿潤)は、XRD分析によって帰属されない反射を含む混合物中に、形態2が存在することを示した。73℃で4時間、反応器を保持し、次に、0.2K/分で20℃まで冷却した。この反応器を73℃に維持しながら、Lasentecカウント数のゆっくりとした低下が続いた後、勾配冷却を開始した。これは、クラスト形成現象による可能性がある。20℃では、内容物が、溶媒レベルより上の反応器壁に沿って大きな付着物を伴って見えた。スパチュラを用いて、クラストをスラリーに押し込んだ。XRPD分析用に試料を採取し、形態Bが得られた。
種晶の添加後に起こったことを一層明確にするため、物質を79℃で再溶解した(3K/分)。数個のクラストが、反応器壁に存在した。温度を0.2k/分の速度で70℃に低下させた。溶液は濁りのないままであったが、壁表面のクラストの存在は増加した。90分後、乾燥種晶(A/2919/27/3、30mg、予測生産速度に基づいて計算すると、1%w/w)を加えた。Lasentecカウント数が35000まで急上昇し、次に、低下を始めた。1時間後、試料を採取し、XRPD分析に供して、形態Bが得られた。種晶の添加から2時間後に、Lasentecカウント数は15000まで低下し、大きなクラストは反応器壁表面に存在した。スパチュラを用いて、クラストをスラリーに押し込み、Lasentecカウント数が29000に上昇した。これらの証拠は、反応器壁表面のクラスト形成により、このシステムにおける生成物濃度の低下がもたらされることを確認するものであり、これは、種晶添加手順を制御することが困難になる一因となり得る(および、自己種晶添加としても機能する)。
含まれる体積が多いので、この実験は、100mLの反応器中で継続した。この反応器を速やかに加熱し、内部を80℃にした。この時間、アンカーを用いる撹拌を200rpmで適用した。溶媒の蒸発を埋め合わせるため、約1mLの溶媒を必要とした。この溶液は濁りがないように見えたが、クラストの環が存在した。ジャケットを0.5K/分で75℃まで冷却し、数分後、物質は自己結晶化した。完全な溶解が到達するまで、この内容物を80℃で再度、加熱した。約10分後、温度を約74℃[Tジャケット=81.5℃]に低下させて、乾燥種晶(A/2919/27/3、30mg、予測生産速度に基づいて計算すると1%w/w)を加えた。種晶は、20分内に溶解しなかった。IPA(13体積分量、52mL)を0.3mL/分の速度で加えた(3時間)。この時間の間に、ジャケットを81.5℃に保持した。IPAにより、多量の沈殿が引き起こされ、ゼリー様スラリーが生成した。この内容物を、20℃まで0.2K/分で冷却した。翌日に、可動性の均一な塊が見出され、数個のクラストが反応器壁表面に観察された。この固体を、フィルター漏斗(DURAN(登録商標)、多孔度3)上でのろ過によって単離した。反応器から生成物を完全に回収するため、母液の一部のリサイクルが必要であった。脱液後および洗浄前にXRPD分析用に試料を採集し、形態Bが得られた。洗液(IPA/水90/10、10mL、約1ケーキ体積)を適用した。固体を40℃で6時間、真空オーブン中で乾燥した。
化合物Aの形態B - 調製方法3
約6gの化合物Aを、アンカーを備える100mLのEasyMax反応器において、IPA/水70:30、6.5体積分量(39mL;総体積45mL、133mg/mL)中に懸濁した。この内容物を78℃まで加熱した。濁りのない溶液が得られた。クラストの環が、液体レベルより上に存在した。この内容物を、0.5K/分で74℃まで冷却した。数分後、乾燥種晶(A/2919/27/3、30mg、予測生産速度に基づいて計算すると、0.6%w/w)を加えた。種晶は残留した。IPA(13体積分量、78mL)を0.44mL/分の速度で加えた(3時間)。この時間の間に、この内容物を74℃に保持した。添加後、この内容物を、0.2K/分で20℃まで冷却した。次に、この固体をゴーチ(gooch)(多孔度3)上でのろ過によって単離し、反応器からこの物質を完全に回収するため、母液の一部のリサイクルを必要とした。洗液(IPA/水90/10、12mL、2体積分量)を適用した。洗浄後、XRPD分析用に試料を採取し、形態Bが得られた。この固体を真空下で1時間、次に、40℃で5時間、真空オーブン中で乾燥した。
化合物Aの形態B - 調製方法4
スラリーは、約65mgの化合物Aを秤量し、0.5mLのメチルイソブチルケトン(MIBK)中に化合物Aを懸濁し、過剰の固体が溶解しない状態のままであるかを目視確認することによって作製した(約500~700rpmでの磁気撹拌を適用した)。このスラリーを20℃で14日間、撹拌した。固体をろ過することにより単離し、室温で約2時間、真空乾燥した。
化合物Aの形態B - 調製方法5
スラリーは、約55mgの化合物Aを秤量し、0.6mLのメチルt-ブチルエーテル(MTBE)中に化合物Aを懸濁し、過剰の固体が溶解しない状態のままであるかを目視確認することによって作製した(約500~700rpmでの磁気撹拌を適用した)。このスラリーを20℃で14日間、撹拌した。固体をろ過することにより単離し、室温で約2時間、真空乾燥した。
化合物Aの形態B - 調製方法6
スラリーは、約60mgの化合物Aを秤量し、0.8mLのトルエン中に化合物Aを懸濁し、過剰の固体が溶解しない状態のままであるかを目視確認することによって作製した(約500~700rpmでの磁気撹拌を適用した)。このスラリーを20℃で14日間、撹拌した。固体をろ過することにより単離し、室温で約2時間、真空乾燥した。
化合物Aの形態B - 調製方法7
スラリーは、約70mgの化合物Aを秤量し、0.7mLのイソプロパノール/水(90:10)中に化合物Aを懸濁し、過剰の固体が溶解しない状態のままであるかを目視確認することによって作製した(約500~700rpmでの磁気撹拌を適用した)。このスラリーを20℃で14日間、撹拌した。固体をろ過することにより単離し、室温で約2時間、真空乾燥した。
化合物Aの形態B - 調製方法8
スラリーは、約60mgの化合物Aを秤量し、0.8mLのアセトン/水(90:10)中に化合物Aを懸濁し、過剰の固体が溶解しない状態のままであるかを目視確認することによって作製した(約500~700rpmでの磁気撹拌を適用した)。このスラリーは、一晩、合計で6サイクルについて、2時間のサイクルで20℃と40℃との間の温度サイクルを行った。固体をろ過することにより単離し、室温で約1~2時間、真空で乾燥した。
化合物Aの形態B - 調製方法9
スラリーは、約70mgの化合物Aを秤量し、0.7mLのイソプロパノール/水(90:10)中に化合物Aを懸濁し、過剰の固体が溶解しない状態のままであるかを目視確認することによって作製した(約500~700rpmでの磁気撹拌を適用した)。このスラリーは、一晩、合計で6サイクルについて、2時間のサイクルで20℃と40℃との間の温度サイクルを行った。固体をろ過することにより単離し、室温で約1~2時間、真空で乾燥した。
化合物Aの形態B - 調製方法10
反応容器に、逐次、化合物A(多形の混合物)、水(2.0V)およびIPA(4.0V)を投入した。得られたスラリーを75℃に加熱し、溶液を形成させた。次に、温度を70~75℃に維持しながら、IPA(8.0V)を90分間かけて、ゆっくりと投入した。この時間の間に、化合物Aが溶液から結晶化した。このスラリーを3時間かけて、周囲温度まで冷却し、周囲温度でさらに50時間、熟成させた。固体をろ過により採集し、IPA(2.0V)により洗浄して、真空下、40℃で乾燥すると、化合物Aの形態Bが収率82%で得られた。
上記の表2を以下に再現し、化合物Aの形態Bについて観察されたX線回折ピークを説明する。
Figure 2022505849000024
Figure 2022505849000025
図4は、化合物Aの形態BのXRPDパターンを図示している。
図5は、化合物Aの形態BのDSCトレースを図示している。
図6は、化合物Aの形態BのTGAトレースを図示している。
(実施例3) 化合物Aの遊離塩基形態Cの調製
Figure 2022505849000026
化合物Aの形態C
化合物Aの形態Cは、以下に記載されている通りに調製した。
化合物Aの形態C - 調製方法1
化合物Aの飽和溶液を3種の溶媒(水、メタノールおよびアセトン)中で作製し、0.45μmのPTFEフィルターに通してろ過した。調製した溶液の一部(約1.5mL)を、その沸点差に基づいて選択した溶媒と一緒にしたメチルt-ブチルエーテル(MTBE)に富む環境に置いた。固体形成について、溶液を目視で定期的に検査した。上清を除去することによって固体を単離し、真空、室温で約1時間、乾燥した。
化合物Aの形態C - 調製方法2
調製方法1(化合物Aの形態B)に準拠して生成した化合物Aの形態Bの、40℃のオーブン中での乾燥を延長すると、形態Cが得られた。
上記の表3を以下に再現し、化合物Aの形態Cについて観察されたX線回折ピークを説明する。
Figure 2022505849000027
Figure 2022505849000028
図7は、化合物Aの形態CのXRPDパターンを図示している。
図8は、化合物Aの形態CのDSCトレースを図示している。
図9は、化合物Aの形態CのTGAトレースを図示している。
(実施例4) - 化合物1の形態Aの単結晶検討
Figure 2022505849000029
(式中、xは、約3/4である)。
化合物1の形態Aは、以下の通り調製した。化合物A 40mg(0.3mmol)を5mLの脱イオン水に溶解し、針様結晶が熱溶液から出現するまで、ホットプレート上で溶媒蒸発させた。この結晶を別のバイアルに移し、栓をした。
これらの結晶は、X線回折に好適であった。この結晶は、薄くて長い「針」様結晶であることが観察され、室温でCu照射を用いてX線回折分析を行った。回折が観察され、単位格子が得られ、粉末パターンをモデル化した。しかし、室温での測定の間、強度の減衰があることが観察され、約30分後、この結晶化度は顕著に失われ、完全なデータセットを決定することはできなかった。
結晶化度の喪失を回避するため、新しい結晶を上記の通り調製し、この新しい結晶のX線回折分析を低温(約250K、不活性ガス流)で行った。これらの条件下で、完全なデータセットが決定され、この構造を解いて精密化した。
化合物1の形態Aの単結晶検討により、以下の表11中に示されているパラメータを有する、キラルな単斜晶P2単位格子が生成した。
Figure 2022505849000030
図10は、非対称な単位であることを示し、これにより、キラル中心が、それぞれ、C12、C22、C32およびC42として標識した炭素原子に見出される。化合物1の形態Aの絶対配置は、単位格子中に存在する分子の場合、Sであると求められた。
単位格子は、非対称であることが観察され、化合物Aの独立した4つの分子、および3つの完全に占有された水分子を含む。格子体積1880.7(3)Åは、単位格子中に化合物Aの分子が8個および6個の水分子が存在することに相当する。分子式は、[C134.[HO]と記載することができ、この場合、[C13]実体が双性イオンである。
低温で得られた上記のデータセットは、室温で得られた上記の単位格子データセットと共に使用した。室温で見出された単位格子は、a=5.90A、b=30.34A、c=10.51Ab=90.78°であり、これは、250Kにおいて見出された単位格子と同等である。
結晶学ソフトウェア(例えば、Mercury Program3.10.1(ビルド168220))を使用して、図11に示されているXRPDパターンをモデル化した。上記の表4を以下に再現し、化合物1の形態Aに関するX線回折ピークを説明する。
Figure 2022505849000031
Figure 2022505849000032
本発明者らは、本発明のいくつかの実施形態を記載しているが、本発明者らの基本的な実施例は、本発明の化合物および方法を利用する他の実施形態を実現するために、改変されてもよいことは明白である。したがって、本発明の範囲は、例として表されている特定の実施形態によってよりもむしろ、添付の特許請求の範囲によって規定されることが理解されよう。

Claims (29)

  1. 形態A、BまたはCの化合物A:
    Figure 2022505849000033
  2. 前記化合物が結晶性である、請求項1に記載の化合物。
  3. 前記化合物が、非晶質化合物Aを実質的に含まない結晶性固体である、請求項1に記載の化合物。
  4. 前記化合物が不純物を実質的に含まない、請求項1に記載の化合物。
  5. そのXRPDにおいて、約4.4、約16.2および約17.7度2θにおけるピークから選択される1つまたはそれよりも多くのピークを有する、請求項1に記載の化合物。
  6. そのXRPDにおいて、約4.4、約16.2および約17.7度2θにおけるピークから選択される少なくとも2つのピークを有する、請求項5に記載の化合物。
  7. 前記化合物が形態Aの化合物である、請求項6に記載の化合物。
  8. 図1に図示されているXRPDと実質的に類似したXRPDを有する、請求項1に記載の化合物。
  9. そのXRPDにおいて、約5.0、約15.2および約17.5度2θにおけるピークから選択される1つまたはそれよりも多くのピークを有する、請求項1に記載の化合物。
  10. そのXRPDにおいて、約5.0、約15.2および約17.5度2θにおけるピークから選択される少なくとも2つのピークを有する、請求項9に記載の化合物。
  11. 前記化合物が形態Bの化合物である、請求項10に記載の化合物。
  12. 図4に図示されているXRPDと実質的に類似したXRPDを有する、請求項1に記載の化合物。
  13. そのXRPDにおいて、約7.0、約16.1および約16.3度2θにおけるピークから選択される1つまたはそれよりも多くのピークを有する、請求項1に記載の化合物。
  14. そのXRPDにおいて、約7.0、約16.1および約16.3度2θにおけるピークから選択される少なくとも2つのピークを有する、請求項9に記載の化合物。
  15. 前記化合物が形態Cの化合物である、請求項10に記載の化合物。
  16. 図7に図示されているXRPDと実質的に類似したXRPDを有する、請求項1に記載の化合物。
  17. 請求項1に記載の化合物および薬学的に許容される担体または賦形剤を含む、組成物。
  18. 処置抵抗性うつ病、リソソーム貯蔵障害、JNCL、シスチン症、ファブリー病、MLIV、精神遅滞または自閉症の遺伝的形態から選択される、疾患、障害または状態を処置する方法を処置する方法であって、
    それを必要とする患者に有効量の請求項1に記載の化合物またはその組成物を投与するステップを含む、方法。
  19. mTORC1を活性化することを必要とする患者に有効量の請求項1に記載の化合物またはその組成物を投与するステップを含む、患者におけるmTORC1を活性化する方法。
  20. 形態Aの化合物1:
    Figure 2022505849000034
    であって、式中、xは、約3/4である、形態Aの化合物1。
  21. 前記化合物が結晶性である、請求項20に記載の化合物。
  22. 前記化合物が、非晶質化合物1を実質的に含まない結晶性固体である、請求項20に記載の化合物。
  23. 前記化合物が不純物を実質的に含まない、請求項20に記載の化合物。
  24. そのXRPDにおいて、約17.1、約17.3および約18.3度2θにおけるピークから選択される1つまたはそれよりも多くのピークを有する、請求項20に記載の化合物。
  25. そのXRPDにおいて、約17.1、約17.3および約18.3度2θにおけるピークから選択される少なくとも2つのピークを有する、請求項24に記載の化合物。
  26. 図11に図示されているXRPDと実質的に類似したXRPDを有する、請求項20に記載の化合物。
  27. 請求項20に記載の化合物および薬学的に許容される担体または賦形剤を含む、組成物。
  28. 処置抵抗性うつ病、リソソーム貯蔵障害、JNCL、シスチン症、ファブリー病、MLIV、精神遅滞または自閉症の遺伝的形態から選択される、疾患、障害または状態を処置する方法を処置する方法であって、
    それを必要とする患者に有効量の請求項20に記載の化合物またはその組成物を投与するステップを含む、方法。
  29. mTORC1を活性化することを必要とする患者に有効量の請求項20に記載の化合物またはその組成物を投与するステップを含む、患者におけるmTORC1を活性化する方法。
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