JP2022504001A - フレキシブル素子製造用積層体及びそれを用いたフレキシブル素子の製造方法 - Google Patents

フレキシブル素子製造用積層体及びそれを用いたフレキシブル素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明によれば、積層体がキャリア基板と可撓性基板層との間に可撓性基板層よりも高屈折率のポリイミドを含む剥離力調節層を備え、これにより、キャリア基板層から可撓性基板をより容易に剥離することができるので、より簡単な工程で素子の損傷なしにフレキシブル素子を製造することができる。

Description

本願は、2018年11月20日付の大韓民国特許出願第10-2018-0143385号及び2019年11月14日付の大韓民国特許出願第10-2019-0145547号に基づいた優先権の利益を主張し、当該大韓民国特許出願の文献に開示されたあらゆる内容は、本明細書の一部として含まれる。
本発明は、キャリア基板から可撓性基板を容易に分離することができる剥離力調節層を備えた積層体及びそれを用いたフレキシブル素子の製造方法に関する。
表示装置市場は、大面積化が容易であり、薄型及び軽量化が可能な平板ディスプレイ(Flat Panel Display:FPD)を中心に急速に変化している。このような平板ディスプレイには、液晶表示装置(Liquid Crystal Display:LCD)、有機発光表示装置(Organic Light Emitting Display:OLED)または電気泳動素子などがある。
特に、最近、このような平板ディスプレイの応用と用途とをさらに拡張するために、平板ディスプレイに可撓性基板を適用した、いわゆるフレキシブルディスプレイ素子などに関する関心が集中されている。このようなフレキシブルディスプレイ素子は、主にスマートフォンなどモバイル機器を中心に適用が検討されており、次第にその応用分野が拡張されている。
ところで、プラスチック基板上に薄膜トランジスタ(TFTs on Plastic:TOP)などのディスプレイ素子構造を形成及びハンドリングする工程は、フレキシブルディスプレイ素子の製造において核心工程である。しかし、既存のガラス基板用素子の製造工程に直接可撓性プラスチック基板を代替適用して、素子構造を形成するに当っては、まだ多くの工程上の問題がある。
特に、可撓性基板内に含まれる薄膜ガラスの場合、衝撃によって容易に割れるために、支持ガラス(carrier glass)上に薄膜ガラスが載せられた状態でディスプレイ用基板の製造工程が実施される。従来技術によれば、ガラス基板などのキャリア基板上にa-シリコンなどからなる犠牲層を形成した後、その上に可撓性基板を形成する。以後、キャリア基板によって支持される可撓性基板上に既存のガラス基板用素子の製造工程を通じて薄膜トランジスタなどの素子構造を形成する。そして、キャリア基板などをレーザまたは光を照射することにより、前記犠牲層を破壊し、前記素子構造が形成された可撓性基板を分離して、最終的にフレキシブルディスプレイ素子などの可撓性基板を有する素子を製造する。
ところで、このような従来技術による製造方法では、前記レーザまたは光を照射する過程で素子構造が影響を受けて不良などが発生する恐れがあるだけではなく、前記レーザまたは光照射のための装備及び別途の工程進行が必要であって、全体として素子製造工程が複雑になり、製造コストも、大幅に高くなる短所がある。
その上に、a-Siなどからなる犠牲層と、可撓性基板間の接着力が十分ではなく、前記犠牲層と可撓性基板との間に別途の接着層などの形成が必要な場合が多く、これは、全体工程をさらに複雑にするだけではなく、さらに苛酷な条件下でのレーザまたは光照射が必要になって、素子の信頼性に悪影響を及ぼしうる恐れがさらに増加した。
本発明が解決しようとする課題は、可撓性基板層との分離を助ける剥離力調節層を備えるフレキシブル素子製造用積層体を提供するところにある。
また、本発明は、前記積層体を用いて製造されたフレキシブル素子を提供する。
また、本発明は、前記積層体を用いて製造されたフレキシブルディスプレイを提供する。
本発明のさらなる課題は、前記積層体を用いるフレキシブル素子の製造方法を提供するところにある。
本発明は、前述した課題を解決するために、キャリア基板;前記キャリア基板上に備えられ、ポリイミドを含む剥離力調節層;及び前記剥離力調節層上に形成された可撓性基板層;を備えるフレキシブル素子製造用積層体であって、前記剥離力調節層と前記可撓性基板層が、下記数式1で定義されるΔn値が0.05以上を満足するものであるフレキシブル素子製造用積層体を提供する。
[数式1]
Figure 2022504001000001
前記式において、nは、剥離力調節層の550nmの波長光に対するTE(Transverse Electric)モード屈折率とTM(Transverse Magnetic)モード屈折率との平均値であり、nは、可撓性基板層の550nmの波長光に対するTEモード屈折率とTMモード屈折率との平均値である。
一実施例によれば、前記剥離力調節層は、下記化学式1の構造を有するテトラカルボン酸二無水物1種以上と、下記化学式2の構造を有するジアミン1種以上とを重合して製造されたポリイミドを含みうる。
[化学式1]
Figure 2022504001000002
[化学式2]
Figure 2022504001000003
化学式1及び化学式2において、Xは、脂肪族環または芳香族環の化合物が単一環構造または単一結合で結合された構造またはそれぞれの環が直接接合(fused)された多環式構造を含む4価の有機基であり、Yは、芳香族環または脂環族環の化合物が単一環構造または単一結合で連結された構造またはそれぞれの環が直接接合された多環式構造を含む2価の有機基である。
一実施例によれば、Xが、下記化学式3aから化学式3kの4価の有機基から選択されるものである。
Figure 2022504001000004
前記化学式3aから化学式3kの4価の有機基は置換されていないか、1以上の水素原子が炭素数1~10のアルキル基、炭素数1~10のフルオロアルキル基、炭素数6~12のアリール基、スルホン酸基、及びカルボン酸基からなる群から選択される置換基で置換される。
一実施例によれば、Yが、下記化学式4aから化学式4kから選択される2価の有機基である。
Figure 2022504001000005
前記化学式4aから化学式4kの2価の有機基は置換されていないか、1以上の水素原子が炭素数1~10のアルキル基、炭素数1~10のフルオロアルキル基、炭素数6~12のアリール基、スルホン酸基、及びカルボン酸基からなる群から選択される置換基で置換される。
一実施例によれば、前記剥離力調節層が、下記化学式5の反復構造を含むポリイミドを含みうる。
[化学式5]
Figure 2022504001000006
一実施例によれば、前記化学式1のテトラカルボン酸二無水物を含む二無水物の総モル数が、前記化学式2の構造を有するジアミンを含むジアミンの総モル数よりも小さい。例えば、前記ジアミンの総モル数に対して、前記二無水物の総モル数が100:95~99である。
一実施例によれば、前記可撓性基板層が、ポリイミドを含みうる。
一実施例によれば、前記剥離力調節層の550nmの波長光に対するTEモード屈折率とTMモード屈折率との平均値が、1.65~1.75である。
一実施例によれば、前記可撓性基板層の550nmの波長光に対するTEモード屈折率とTMモード屈折率との平均値が、1.55~1.65未満である。
一実施例によれば、前記剥離力調節層の厚さが、0.1~3.5μである。
本発明は、また、前記積層体を使用してフレキシブル素子を製造する方法を提供する。
一実施例によれば、前記方法は、キャリア基板上に剥離力調節層製造用ポリイミド前駆体組成物をコーティングした後、200~300℃の温度で硬化して剥離力調節層を形成する段階;前記硬化された剥離力調節層上に可撓性基板製造用組成物をコーティング及び硬化して可撓性基板層を形成する段階;前記可撓性基板層上に素子を形成する段階;及び前記素子が形成された可撓性基板層を前記剥離力調節層が形成されたキャリア基板から剥離して素子が形成された可撓性基板を得る段階;を含み、前記剥離力調節層と前記可撓性基板層が、下記数式1で定義されるΔn値が0.05以上であるものである。
[数式1]
Figure 2022504001000007
前記式において、nは、剥離力調節層の550nmの波長光に対するTEモード屈折率とTMモード屈折率との平均値であり、nは、可撓性基板層の550nmの波長光に対するTEモード屈折率とTMモード屈折率との平均値である。
一実施例によれば、前記可撓性基板層を前記剥離力調節層がコーティングされたキャリア基板から剥離する剥離力が、0.1N/cm以下である。
一実施例によれば、前記フレキシブル素子は、フレキシブルディスプレイ装置である。
本発明によるフレキシブル素子製造用積層体に関するものであって、可撓性基板層よりも高屈折率のポリイミドを含む剥離力調節層をキャリア基板と可撓性基板層との間に備えることにより、キャリア基板と可撓性基板層との接着力が減少して、キャリア基板から可撓性基板層をより容易に剥離することができる。これにより、レーザ(laser)工程による素子の損傷なしに可撓性基板をキャリア基板から分離することができる。
本発明は、多様な変換を加え、さまざまな実施例を有することができるので、特定実施例を図面に例示し、詳細な説明で詳細に説明する。しかし、これは、本発明を特定の実施形態に対して限定しようとするものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる、あらゆる変換、均等物または代替物を含むものと理解しなければならない。本発明を説明するに当って、関連した公知技術についての具体的な説明が、本発明の要旨を不明にする恐れがあると判断される場合、その詳細な説明を省略する。
本明細書において、層、膜、フィルム、基板などの部分が、他の部分「上に」あるとする時、これは、他の部分「真上に」ある場合だけではなく、その中間にさらに他の部分がある場合も含む。逆に、層、膜、フィルム、基板などの部分が、他の部分「下に」あるとする時、これは、他の部分「真下に」ある場合だけではなく、その中間にさらに他の部分がある場合も含む。
本明細書において、あらゆる化合物または有機基は、特別な言及がない限り、置換または非置換のものである。ここで、「置換」とは、化合物または有機基に含まれた少なくとも1つの水素がハロゲン原子、炭素数1~10のアルキル基、ハロゲン化アルキル基、炭素数3~30のシクロアルキル基、炭素数6~30のアリール基、ヒドロキシ基、炭素数1~10のアルコキシ基、カルボン酸基、アルデヒド基、エポキシ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、スルホン酸基、及びこれらの誘導体からなる群から選択される置換基で置き換えられたものを意味する。
一般的に、フレキシブルディスプレイは、ポリイミド溶液を支持基板上にコーティングし、硬化して可撓性基板を形成した後、可撓性基板の上部に素子を形成した後、素子が形成された可撓性基板を支持基板から分離するが、この際、レーザ装備を用いて支持基板を通じて可撓性基板にレーザを照射して可撓性基板を剥離するLLO(Laser Lift Off)工程が行われる。
しかし、このようなLLO工程で使用するレーザ装備は、非常に高価であり、装備のメンテナンスが難しく、剥離工程時に、高いレーザパワー(Laser Power)によって瞬間的に高温が発生して、可撓性基板や素子に影響を与えることができる。
本発明は、キャリア基板から可撓性基板を容易に剥離できるように助ける剥離力調節層を含む積層体を提供することにより、レーザを使用せず、キャリア基板から可撓性基板を剥離することができる。
本発明によるフレキシブル素子製造用積層体は、キャリア基板;前記キャリア基板上に備えられ、ポリイミドを含む剥離力調節層;及び前記剥離力調節層上に形成された可撓性基板層;を備えるフレキシブル素子製造用積層体であって、前記剥離力調節層と前記可撓性基板層が、下記数式1で定義されるΔn値が0.05以上を満足するものである。
[数式1]
Figure 2022504001000008
前記式において、nは、剥離力調節層の550nmの波長光に対するTEモード屈折率とTMモード屈折率との平均値であり、nは、可撓性基板層の550nmの波長光に対するTEモード屈折率とTMモード屈折率との平均値である。
本発明において、前記TEモード屈折率とTMモード屈折率は、プリズム結合器(Prism coupler)を使用して550nmの波長光を用いて測定されたものである。
本発明は、キャリア基板と可撓性基板層との間にポリイミドを含む剥離力調節層を備えることにより、素子が形成された可撓性基板をキャリア基板からより容易に剥離することができる。
特に、可撓性基板層の屈折率よりも高い屈折率を有するポリイミドを剥離力調節層として使用することにより、可撓性基板との剥離力が減少しうる。例えば、高屈折率のポリイミドを含む剥離力調節層は、可撓性基板として使われる上部のポリイミド(剥離層)が下部の剥離力調節層に拡散(Diffusion)されることを防止することにより、低い剥離力が具現可能である。ここで、剥離力とは、可撓性基板層をキャリア基板から取り外す場合に、必要な力を意味し、剥離力が低いほどより小さな力で取り外すことができることを意味する。
本発明は、具体的に、可撓性基板層の屈折率と剥離力調節層の屈折率との関係を前記数式1で定義される△n値が0.05以上である範囲に調節することにより、剥離力調節層による可撓性基板層の剥離力を効率的に調節することができる。前記数式1で定義される△n値は、0.05以上、0.06以上、0.07以上、0.075以上または0.077以上であり、0.1以下、0.09以下、0.08以下または0.0785以下である。
一実施例によれば、前記剥離力調節層のポリイミドは、剛直(rigid)なバックボーン(backbone)を有するものであり、このように剛直なバックボーンを有する分子鎖は、パッキング(Packing)が容易であって、高い屈折率を示すことができる。
前記剥離力調節層として使われるポリイミドは、例えば、下記化学式1の構造を有するテトラカルボン酸二無水物1種以上と化学式2の構造を有するジアミン1種以上とを反応させて製造されたものである。
[化学式1]
Figure 2022504001000009
[化学式2]
Figure 2022504001000010
前記Xは、炭素数3~24の脂肪族環または炭素数6~30の芳香族環を含む4価の有機基であり、具体的には、芳香族環または脂肪族構造が単一環構造、それぞれの環が単一結合で結合された構造またはそれぞれの環が直接連結された多環式構造のように、連結基のない剛直な構造を含む4価の有機基であり、例えば、下記化学式3aから化学式3kの4価の有機基が挙げられるが、これに限定されるものではない。
Figure 2022504001000011
前記化学式3aから化学式3kの4価の有機基内の1以上の水素原子は、炭素数1~10のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、t-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基など)、炭素数1~10のフルオロアルキル基(例えば、フルオロメチル基、パーフルオロエチル基、トリフルオロメチル基など)、炭素数6~12のアリール基(例えば、フェニル基、ナフタレニル基など)、スルホン酸基、及びカルボン酸基からなる群から選択される置換基で置換されても良い。
ここで、化学構造式に表示されたは、連結部品を示す。
前記Yは、炭素数6~24の単環式または多環式芳香族の2価の有機基、炭素数6~18の単環式または多環式脂環族の2価の有機基であり、または、芳香族、脂環族などの環構造化合物が単独、または接合された多環式構造、または単一結合で連結された構造のように、連結基のない剛直な構造を有する2価の有機基から選択されるものである。例えば、下記化学式4aから化学式4kの2価の有機基であるが、これに限定されるものではない。
Figure 2022504001000012
前記化学式4aから化学式4kの2価の有機基内の1以上の水素原子は、炭素数1~10のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、t-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基など)、炭素数1~10のフルオロアルキル基(例えば、フルオロメチル基、パーフルオロエチル基、トリフルオロメチル基など)、炭素数6~12のアリール基(例えば、フェニル基、ナフタレニル基など)、スルホン酸基、及びカルボン酸基からなる群から選択される置換基で置換される。
一実施例によれば、前記化学式2のジアミンの総mol量は、前記化学式1の構造を有する酸二無水物の総mol量に比べて、過量で重合される。例えば、ジアミンに対する酸二無水物の総mol比が、100:95~99であり、最も望ましくは、100:96~97である。ジアミンと酸二無水物とのmol比が適正比率である時、ポリアミド酸溶液のゲル化が抑制されて、均一な表面を有するコーティング層を形成することができ、また、コーティング厚さを一定厚さに均一に調節することが容易である。
一実施例によれば、前記剥離力調節層に含まれたポリイミドは、下記化学式5の反復構造を含みうる。
[化学式5]
Figure 2022504001000013
一実施例によれば、前記剥離力調節層の550nmの波長光に対するTEモード屈折率は、1.75以上、1.78以上、1.79以上または1.80以上、1.85以下、1.84以下、1.83以下、1.82以下または1.81以下であり、TMモード屈折率は、1.49以上、1.52以上または1.55以上、1.65以下、1.63以下、1.60以下または1.59以下である。TEモード屈折率及びTMモード屈折率の平均は、1.65以上、1.66以上、1.68以上または1.69以上、1.75以下、1.72以下または1.70以下である。
本発明によれば、キャリア基板上に前記剥離力調節層製造用ポリイミド前駆体組成物をコーティングした後、200~300℃の温度で硬化させて剥離力調節層を形成する段階;前記剥離力調節層上に可撓性基板製造用組成物をコーティング及び硬化して可撓性基板層を形成する段階;前記可撓性基板層上に素子を形成する段階;及び前記剥離力調節層が形成されたキャリア基板から前記素子が形成された可撓性基板層を剥離する段階;を含む方法でフレキシブル素子を製造することができる。
一実施例によれば、前記剥離力調節層は、前記キャリア基板上に0.1μ以上、0.5μ以上または1μ以上、3.5μ以下、3μ以下または2μ以下の厚さにコーティングされる。
一実施例によれば、前記剥離力調節層が形成されたキャリア基板から前記可撓性基板層を剥離する段階において、剥離力は、0.1N/cm以下、0.07N/cm以下、0.05N/cm以下、0.01N/cm以上または0.02N/cm以上である。
前記剥離強度が0.1N/cmよりも高い場合、可撓性基板層の剥離が容易ではないか、または剥離過程で前記可撓性基板上に形成された素子に損傷を与えて、剥離力調節層としての適用が困難である。
前記剥離力調節層と可撓性基板層は、物理的刺激によって分離され、前記物理的刺激とは、化学的変化を引き起こさず、物理的な力のみで剥離することを意味する。
本発明によるポリイミド系樹脂を含んだ剥離力基板層をキャリア基板と、フレキシブルディスプレイ素子などの基板として適用される可撓性基板との間に付け加えることにより、レーザまたは光照射工程を省略し、単純に物理的刺激のみを加えても、前記可撓性基板を剥離力調節層から容易に分離することができる状態になって、前記フレキシブルディスプレイ素子など可撓性基板を有する素子を非常に容易に製造することができる。これは、高屈折率のポリイミドを剥離力調節層として使用することにより、剥離力調節層の上部に位置する可撓性基板層の高分子、例えば、ポリイミドが、剥離力調節層に拡散されることを防止することにより、剥離力が低くなる。
前記可撓性基板としては、通常可撓性素子の基板などに適用可能なものと知られたポリマーであれば、特別な限定なしに含みうる。具体例としては、ポリエーテルスルホン、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリエステル、ポリエーテルアミドイミド、ポリエステルアミドイミド、及びポリアリレートからなる群から選択された1種以上の高分子樹脂を含み、より望ましくは、ポリイミド系樹脂を含み、ポリイミドの種類は、特に制限されない。
一実施例によれば、前記可撓性基板層に含まれる高分子樹脂のTEモード屈折率は、1.65以上または1.67以上、1.70以下、1.69以下、1.68以下または1.672以下であり、TMモード屈折率は、1.50以上、1.54以上または1.55以上、1.60以下、1.58以下または1.57以下である。TEモード及びTMモード屈折率の平均は、1.55以上、1.58以上または1.60以上、1.65未満、1.64以下、1.63以下、または1.62以下である。
前記剥離層及び可撓性基板層に含まれたポリイミドを製造するための酸二無水物とジアミン化合物との重合反応は、溶液重合など通常のポリイミドまたはその前駆体の重合方法によって実施される。
前記反応は、無水条件で実施され、前記重合反応時に、温度は、-75~50℃、望ましくは、0~40℃で実施される。ジアミン系化合物が有機溶媒に溶解された状態で酸二無水物を投入する方式で実施される。
また、前記重合反応に使われる有機溶媒としては、具体的に、γ-ブチロラクトン、1,3-ジメチル-イミダゾリジノン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノンなどのケトン類;トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類;エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテルなどのグリコールエーテル類(セロソルブ);酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、カルビトール、ジメチルアセトアミド(DMAc)、N,N-ジエチルアセトアミド(DEAc)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジエチルホルムアミド(DEF)、N-メチルピロリドン(NMP)、N-エチルピロリドン(NEP)、N-ビニルピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、N,N-ジメチルメトキシアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ピリジン、ジメチルスルホン、ヘキサメチルホスホルアミド、テトラメチルウレア、N-メチルカプロラクタム、テトラヒドロフラン、m-ジオキサン、P-ジオキサン、1,2-ジメトキシエタン、ビス(2-メトキシエチル)エーテル、1,2-ビス(2-メトキシエトキシ)エタン、ビス[2-(2-メトキシエトキシ)]エーテル、及びこれらの混合物からなる群から選択されるものが使われる。
また、ポリアミド酸またはポリイミドを合成する場合、過剰のポリアミノ基または酸無水物基を不活性化するために、分子末端をジカルボン酸無水物またはモノアミンを反応させて、ポリイミドの末端を封止する末端封止剤をさらに添加することができる。
前記製造されたポリイミド前駆体組成物を用いてポリイミドを製造する方法は、前記ポリイミド前駆体組成物を基板の一面に塗布し、イミド化及び硬化工程する段階を含む。
具体的に、前記製造方法によって製造されたポリイミド前駆体組成物は、前記有機溶媒中にポリイミド前駆体が溶解された溶液の形態であり、このような形態を有する場合、例えば、ポリイミド前駆体を有機溶媒中で合成した場合には、ポリイミド前駆体組成物は、重合後、得られるポリイミド前駆体溶液のそれ自体または同一溶液をさらに添加したものであっても良く、または、前記重合後、得られたポリイミド前駆体溶液を他の溶媒で希釈したものであっても良い。
前記ポリイミド前駆体組成物は、フィルム形成工程時の塗布性などの工程性を考慮して、適切な粘度を有させる量で固形分を含むことが望ましく、前記固形分は、ポリイミド前駆体組成物総重量に対して5~20重量%に含まれうる。または、前記ポリイミド前駆体組成物が、400~50,000cPの粘度を有するように調節することが望ましい。ポリイミド前駆体組成物の粘度が400cP未満でもある。ポリイミド前駆体組成物の粘度が50,000cPを超過する場合、前記ポリイミド前駆体組成物を利用したディスプレイ基板の製造時に、流動性が低下して、コーティング時に均一に塗布されないなどの製造工程上の問題点を引き起こし得る。
前記キャリア基板としては、ガラス、金属基板またはプラスチック基板などが特に制限なしに使われ、そのうちでも、ポリイミド前駆体に対するイミド化及び硬化工程のうち、熱及び化学的安定性に優れ、別途の離型剤処理なしでも、硬化後、形成されたポリイミド系フィルムに対して損傷なしに容易に分離されるガラス基板が望ましい。
また、前記塗布及びコーティング工程は、通常の塗布方法によって実施され、具体的には、スピンコーティング法、バーコーティング法、ロールコーティング法、エアナイフ法、グラビア法、リバースロール法、キスロール法、ドクターブレード法、スプレー法、浸漬法またはブラシ法などが用いられうる。そのうちでも、連続工程が可能であり、ポリイミド系樹脂のイミド化率を増加させることができるキャスティング法によって実施されることがより望ましい。
また、前記ポリイミド前駆体溶液は、最終的に製造されるポリイミド系フィルムが剥離力調節層またはディスプレイ基板用として適した厚さを有させる厚さの範囲で基板上に塗布されうる。例えば、可撓性基板層の厚さは、5μ以上、10μ以上、12μ以上または15μ以上、30μ以下または20μ以下である。
前記ポリイミド前駆体組成物塗布後、硬化工程に先立って、ポリイミド前駆体組成物内に存在する溶媒を除去するための乾燥工程が選択的にさらに実施される。
前記乾燥工程は、通常の方法によって実施され、具体的に、140℃以下、あるいは80~140℃の温度で実施される。乾燥工程の実施温度が80℃未満であれば、乾燥工程が長くなり、140℃を超過する場合、イミド化が急激に進行して、均一な厚さのポリイミドフィルムの形成が難しい。
前記剥離力調節層の硬化工程は、200~300℃の温度で熱処理によって進行しうる。
前記可撓性基板層に含まれるポリイミドの硬化工程は、300~400℃の温度での熱処理によって進行しうる。前記硬化工程は、前記温度範囲内で多様な温度での多段階加熱処理で進行することもできる。また、前記硬化工程時に、硬化時間は特に限定されず、一例として、3~30分間実施される。
また、剥離力調節層形成時に、前記硬化工程後にポリイミドフィルム内ポリイミド樹脂のイミド化率を高めて、前述した物性的特徴を有するポリイミド系フィルムを形成するために、後続の熱処理工程が選択的にさらに実施することもできる。
前記後続の熱処理工程は、200℃以上、あるいは200~450℃で1~30分間実施されることが望ましい。また、前記後続の熱処理工程は、1回実施することもでき、または、2回以上多段階で実施することもできる。具体的には、200~220℃での第1熱処理、300~380℃での第2熱処理及び400~450℃での第3熱処理を含む3段階で実施される。
前記可撓性基板層に含まれるポリイミドは、約330℃以上のガラス転移温度を有するものである。このように優れた耐熱性を有するために、前記ポリイミドを含むフィルムは、素子製造工程中に付加される高温の熱に対しても優れた耐熱性及び機械的特性を保持することができる。
本発明による積層体は、OLEDまたはLCD、電子ペーパー、太陽電池のような電子機器でのフレキシブルデバイスの製造に特に有用に使われる。
以下、当業者が容易に実施できるように、本発明の実施例について詳しく説明する。しかし、本発明は、さまざまな異なる形態として具現可能であり、ここで説明する実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
PDA(p-フェニレンジアミン)0.095molを窒素雰囲気下でDEAc(N,N-ジエチルアセトアミド)100gに溶解させた後、PMDA(ピロメリット酸無水物)0.0917molと追加溶媒としてDEAc 80gとを添加して、48時間反応させて、ポリアミド酸溶液を製造した。前記ポリアミド酸溶液を適正濃度で希釈して、ガラス基板上に1μの厚さにコーティングした後、250℃で硬化して、剥離力調節層を製造した。
可撓性基板層の形成のために、TFMB(2,2'-ビス(トリフルオロメチル)-4,4'-ジアミノビフェニル)0.0666molを窒素雰囲気下でDEAc 70gに溶解させた後、PMDA 0.033mol及びBPDA 0.033molを追加溶媒としてDEAc 150gと共に添加して、48時間反応させて、ポリアミド酸溶液を製造した。このポリアミド酸溶液(TFMB-PMDA/BPDA)を剥離力調節層上に15μの厚さにコーティングした後、300℃で硬化させて、可撓性基板層が形成された積層体を製造した。
<比較例1>
TFMB(2,2'-ビス(トリフルオロメチル)-4,4'-ジアミノビフェニル)0.0666 molを窒素雰囲気下でDEAc 70gに溶解させた後、PMDA 0.033mol及びBPDA 0.033molを追加溶媒としてDEAc 150gと共に添加して、48時間反応させて、ポリアミド酸溶液を製造した。
このポリアミド酸をガラス基板上に1μの厚さにコーティングした後、250℃で硬化して、剥離力調節層を製造した。引き続き、同じポリアミド酸溶液を剥離力調節層上に15μの厚さにコーティングした後、300℃で硬化させて、可撓性基板層が形成された積層体を製造した。
<実施例2から実施例4>
酸二無水物とジアミンとのmol比を表1に示すように調節したことを除いては、実施例1と同じ方法で積層体を製造した。
<実験例1>
<屈折率の測定>
剥離力調節層と可撓性基板層とのポリイミドの550nmの波長光に対するTEモードとTMモードとの屈折率をMetricon社の2010Mプリズム結合器を用いて測定した。
前記測定された屈折率に基づいて数式1の△n値を計算して、下記表1に示した。
[数式1]
Figure 2022504001000014
:550nmの波長光に対する剥離力調節層のTEモード屈折率とTMモード屈折率との平均値
:550nmの波長光に対する可撓性基板層のTEモード屈折率とTMモード屈折率との平均値。
<剥離力の測定>
積層体の剥離力は、積層体を幅10mm及び長さ100mmの長方形にカッティングした後、カッティングした可撓性基板の端部を握って50mm/minの速度で取り外す場合に入る力をTexture Analyzer(TA、XT plus、Stable microsystems)を用いて測定した。
屈折率及び剥離力の測定結果を表1に示した。
Figure 2022504001000015
前記結果から剥離力調節層と可撓性基板との屈折率から算出した△n値が0.05以上を満足する実施例1及び実施例2の場合には、比較例1に比べて10分の1のレベルに減少した。実施例3及び実施例4の場合にも、比較例1よりも遥かに低い0.1N/cm以下の剥離力が得られた。
これにより、本発明による剥離力調節層を使用する場合、実際の工程でよりも容易にフレキシブル素子を製造することができることが分かる。
但し、実施例3の場合には、剥離力調節層形成用溶液のゲル化(gelation)が発生して、剥離力調節層の表面が多少不均一であり、実施例4の場合には、剥離力調節層形成用溶液の粘度が低くて、剥離力調節層の厚さを適切に形成するのに多少難点があった。したがって、例えば、PDAとPMDAとを使用して剥離力調節層を製造する場合、最も望ましいmol比は、100:96~97であると言える。
以上、本発明の内容の特定の部分を詳しく記述したところ、当業者において、このような具体的な記述は、単に望ましい実施形態であり、これにより、本発明の範囲が制限されるものではないという点は明白である。したがって、本発明の実質的な範囲は、下記の特許請求の範囲とそれらの等価物とによって定義される。

Claims (15)

  1. キャリア基板と、
    前記キャリア基板上に形成されたポリイミドを含む剥離力調節層と、
    前記剥離力調節層上に形成された可撓性基板層と、を備えるフレキシブル素子製造用積層体であって、
    前記剥離力調節層と前記可撓性基板層が、下記数式1で定義されるΔn値が0.05以上を満足する、フレキシブル素子製造用積層体:
    [数式1]
    Figure 2022504001000016
    前記数式1において、
    は、550nmの波長光に対する前記剥離力調節層のTEモードとTMモードとの屈折率の平均値であり、
    は、550nmの波長光に対する前記可撓性基板層のTEモードとTMモードとの屈折率の平均値である。
  2. 前記剥離力調節層は、下記化学式1の構造を有するテトラカルボン酸二無水物1種以上と、下記化学式2の構造を有するジアミン1種以上との重合生成物であるポリイミドを含む、請求項1に記載のフレキシブル素子製造用積層体:
    [化学式1]
    Figure 2022504001000017
    [化学式2]
    Figure 2022504001000018
    化学式1及び化学式2において、
    Xは、脂肪族環または芳香族環の化合物が単一環構造または単一結合で結合された構造またはそれぞれの環が直接接合された多環式構造を含む4価の有機基であり、
    Yは、芳香族環または脂環族環の化合物が単一環構造または単一結合で連結された構造またはそれぞれの環が直接接合された多環式構造を含む2価の有機基である。
  3. 前記Xが、下記化学式3aから化学式3kの4価の有機基から選択される、請求項2に記載のフレキシブル素子製造用積層体:
    Figure 2022504001000019
    前記化学式3aから化学式3kにおいて、
    前記化学式3aから化学式3kの4価の有機基は置換されていないか、1以上の水素原子が炭素数1~10のアルキル基、炭素数1~10のフルオロアルキル基、炭素数6~12のアリール基、スルホン酸基、及びカルボン酸基からなる群から選択される置換基で置換されたものである。
  4. 前記Yが、下記化学式4aから化学式4kから選択される2価の有機基である、請求項2または3に記載のフレキシブル素子製造用積層体:
    Figure 2022504001000020
    前記化学式4aから化学式4kにおいて、
    前記化学式4aから化学式4kの2価の有機基は置換されていないか、1以上の水素原子が炭素数1~10のアルキル基、炭素数1~10のフルオロアルキル基、炭素数6~12のアリール基、スルホン酸基、及びカルボン酸基からなる群から選択される置換基で置換されたものである。
  5. 前記剥離力調節層が、下記化学式5の反復構造を含むポリイミドを含む、請求項1から4の何れか一項に記載のフレキシブル素子製造用積層体:
    [化学式5]
    Figure 2022504001000021
  6. 前記化学式1のテトラカルボン酸二無水物を含む二無水物の総モル数が、前記化学式2の構造を有するジアミンを含むジアミンの総モル数よりも小さい、請求項2から5の何れか一項に記載のフレキシブル素子製造用積層体。
  7. 前記ジアミンの総モル数に対して、前記二無水物の総モル数が100:95~99である、請求項6に記載のフレキシブル素子製造用積層体。
  8. 前記可撓性基板層が、ポリイミドを含む、請求項1から7の何れか一項に記載のフレキシブル素子製造用積層体。
  9. 前記剥離力調節層の550nmの波長光に対するTEモード屈折率とTMモード屈折率との平均値が、1.65~1.75である、請求項1から8の何れか一項に記載のフレキシブル素子製造用積層体。
  10. 前記可撓性基板層の550nmの波長光に対するTEモード屈折率とTMモード屈折率との平均値が、1.55~1.65未満である、請求項1から9の何れか一項に記載のフレキシブル素子製造用積層体。
  11. 前記剥離力調節層の厚さが、0.1~3.5μである、請求項1から10の何れか一項に記載のフレキシブル素子製造用積層体。
  12. 請求項1から請求項11のうち何れか一項に記載のフレキシブル素子製造用積層体を使用してフレキシブル素子を製造する方法。
  13. キャリア基板層上に剥離力調節層製造用ポリイミド前駆体組成物をコーティングした後、200~300℃の温度で硬化させて剥離力調節層を形成する段階と、
    前記剥離力調節層上に可撓性基板製造用組成物をコーティング及び硬化して可撓性基板層を形成する段階と、
    前記可撓性基板層上に素子を形成する段階と、
    前記素子が形成された可撓性基板を前記剥離力調節層が形成されたキャリア基板から剥離する段階と、を含み、
    前記剥離力調節層と前記可撓性基板層は、下記数式1で定義されるΔn値が0.05以上を満足する、フレキシブル素子の製造方法:
    [数式1]
    Figure 2022504001000022
    前記数式1において、
    :前記剥離力調節層の550nmの波長光に対するTEモード屈折率とTMモード屈折率との平均値であり、
    :前記可撓性基板層の550nmの波長光に対するTEモード屈折率とTMモード屈折率との平均値である。
  14. 前記可撓性基板層を前記剥離力調節層がコーティングされたキャリア基板から剥離する場合に、剥離力が0.1N/cm以下である、請求項13に記載のフレキシブル素子の製造方法。
  15. 前記フレキシブル素子が、フレキシブルディスプレイ装置である、請求項13または14に記載のフレキシブル素子の製造方法。
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