JP2022183777A - 包装袋容器 - Google Patents

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考世 松田
Takayo Matsuda
剛 青木
Takeshi Aoki
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【課題】飲料水などを入れて保管しても、内容物に容器の着香が生じない包装袋容器で、それを内袋に使用したバックインボックスにも利用可能な容器を得る。【解決手段】注出口(2)を有し可撓性のある合成樹脂フィルムからなる包装袋容器において、包装袋(1)が空気層(13)を介して重ね合わせた少なくとも二層のフィルムからなり、該二層のフィルムの間の空気層に、活性炭シート(3)を挿入したことを特徴とする包装袋容器。【選択図】図2

Description

本発明は、外箱の中に、柔軟な収納部と収納部の一端に注出口を融着してなる包装袋を収納することができるバックインボックスなどに使用される容器において、容器の素材から来る着臭を防止した包装袋容器に関する。
食品や非食品の液体の内容物に使用されるバックインボックスの液体収納容器は、果汁飲料、ジュース、お茶、コーヒー等の液体飲料、日本酒、焼酎等の酒類など食品の他、現像液、インキ、塗料、オイルなど、多くの用途に用いられている。しかしながら、このバックインボックスなどに使用する液体収納容器を飲料水に使用する場合には、その包装袋から発生する臭気等によって、著しく飲料の評価を落としてしまい、飲料水の容器として用いるには問題があった。
臭気に対する対策ではないが、バックインボックスの内袋を二重にして、輸送時の振動や衝撃によって破損しないようにする方法はあった。
例えば、特許文献1では、内袋を構成する包装材が外側フィルム層と内側フィルム層の2層からなり、それらが外周のシール部分でのみ接着しているバッグインボックス内袋において、外側フィルム層と内側フィルム層が接する面になる少なくとも一方のフィルム部材に滑剤を添加したことを特徴とするバッグインボックス内袋を提案している。
更に、特許文献1の第2項では、内袋を構成する包装材が外側フィルム層と内側フィイルム層の2層からなり、それらが外周のシール部分でのみ接着しているバッグインボックス内袋におい、外側フィルム層と内側フィルム層が接する面になる少なくとも一方のフィルム部材に凹凸面を形成したことを特徴とするバッグインボックス内袋も提案している。
このバッグインボックス用の内袋は、外層と内層との間でスムースに摺動可能とすることによって、輸送や振動などでピンホールなどが発生しにくくしている。しかしながら、このような方法であっても、フィルムに含む臭気が、内容物の飲料水などに移ってしまう問題があった。
実開平4-68864号公報
そこで、飲料水などを入れて保管しても、内容物に容器の着香が生じない包装袋容器で、それを内袋に使用したバックインボックスにも利用可能な容器を得ることが本発明の課題である。
本発明は、注出口を有し可撓性のある合成樹脂フィルムからなる包装袋容器において、包装袋が空気層を介して重ね合わせた少なくとも二層のフィルムからなり、該二層のフィルムの間の空気層に、活性炭シートを挿入したことを特徴とする包装袋容器である。
本発明の包装袋容器は、バックインボックスなどに使用する包装袋を二重とし、その層の間に活性炭シートを挿入するだけで、臭いを吸着しやすい飲料水であっても、臭いが移
行しにくい包装袋容器とすることができる。
本発明の第一実施形態例における包装袋容器で、外箱と注出口を有する包装袋とを示す外観斜視図である。 本発明の第一実施形態例における包装袋容器を内袋として、それを外箱に入れた状態を示すバックインボックス容器の縦断面図である。 本発明の第一実施形態例における包装袋容器を製造する製袋機の工程を示す図である。 本発明の第二実施形態例における包装袋容器を示す外観斜視図と縦断面図である。
以下、本発明の包装袋容器の実施形態例について、図を用いて詳細に説明する。
図1は本発明の第一実施形態例における包装袋容器の、注出口2を有する包装袋1と、それを使用して外箱4に入れたバックインボックスの容器を示す外観斜視図である。
バックインボックスに用いる外箱4は、底板41と、底板41を介して対向する二対の側面板42と、前記一対の側面板42に連結した上面板43と、を有し、段ボールなどで形成されている。
包装袋1は、可撓性のある合成樹脂フィルムからなる包装袋であって、一端に内容物を注出可能な注出口2を有している。
バックインボックス用外箱4には、上面板43、あるいは側面板42に、前記包装袋1の注出口2を露出する注出用開口部421を設けている。
図2は本発明の第一実施形態例における包装袋容器である包装袋1と、それを外箱4に入れた状態を示す縦断面図である。
本発明の包装袋容器は、外観は図1に示した注出口2を有する包装袋1であるが、包装袋1が少なくとも二層のフィルムからなり、該二層のフィルムの間に、活性炭シート3を挿入した注出側空気層13を有する構造としている。
包装袋1を構成する二層フィルムは、外側に酸素バリア性の層を有するフィルム、あるいは剛性のある二軸延伸フィルムを含む積層フィルムとし、内側は耐水性、融着性の高いフィルムから構成されている。
そして、上記注出口2を融着した注出側外側フィルム11と注出側内側フィルム12との間に注出側空気層13が設けられている。注出口2は、上記注出側外側フィルム11と注出側内側フィルム12とを融着し、かつ、該融着部中央に注出孔111を開けた開口部内側に、注出口2のフランジを融着した包装袋1になっている。
また、注出口2を融着していない背面側においても、背面側外側フィルム14と、背面側内側フィルム15との、二層になっており、かつ、該背面側外側フィルム14と該背面側内側フィルム15との間に背面空気層16を設けている。
さらに、注出側外側フィルム11と注出側内側フィルム12との間の注出側空気層13には、活性炭シート3を挿入する。
前記活性炭シート3は、無数の小さな孔が開いているので、臭い物質は、その小さな穴に吸着され、内層フィルムを通して臭いが内容物である飲料水などに移る恐れを無くしている。
この活性炭シート3は、注出側外側フィルム11や注出側内側フィルム12などの面積の30パーセント以上、50パーセント以下の面積とする。
30パーセント未満では、臭気の吸着が少なく、空気層の臭気を完全に抜き切ることができない。また、50パーセント以上としても、価格が上がり、かつ、袋を外箱の内壁形状に合わせにくくなるので、30~50パーセントとする。
この活性炭シートは、圧縮時には0.6mmほどの厚みである。しかし、上記注出側外側フィルム11と注出側内側フィルム12との間に挿入した通常の使用状態では、厚みが3mm程に膨らむので、シール際では、シール端部から充分に離した位置に挿入されているように、間隔を空けて設置することが好ましい。
図3は、本発明の第一実施形態例における包装袋容器の包装袋1を製造する製袋機の工程を示す図である。
原紙の積層フィルムを1層から4層まで用意する。
そして、まず、第一工程61では、注出側外側フィルム11となる1層目原反51と注出側内側フィルム12となる2層目原反52からフィルムを引き出し、1層目と2層目のフィルムを合わせる。
次の第二工程62では、合わせた1層目と2層目のフィルムを重ねた状態で、注出孔111を開孔する。
第三工程63では、注出孔111に、1層目と2層目を重ねたフィルム内面側から、注出口2を挿入し、フィルムの1層目と2層目を重ねた注出孔111周縁と、注出口2のフランジ21で、融着する。
第四工程64では、背面側内側フィルム15となる3層目原反53と背面側外側フィルム14となる4層目原反54からフィルムを引き出し、3層目と4層目のフィルムを合わせ、それを、1層目と2層目のフィルムに合わせる。
第五工程65では、側面からフィルムの1層目と2層目との間に、活性炭シート4を挿入する。
第六工程66では、サイドシールバー71で、左側シール部、右側シール部をヒートシールする。
第七工程67では、トップシールバー72で、トップシール部とボトムシール部を同時にヒートシールする。
第八工程68では、ミシン目カッター刃73が、トップシール部とボトムシール部との間をミシン目で区切り、容易に切り離し可能に加工する。
第九工程69では、ミシン目に沿って切り裂き、繋がっていた包装袋1を、個々の包装袋1に切り分け、箱詰めを行う。
以上の第一実施形態例の包装袋1製造工程は、内容物を注出口2から注入して充填するが、第七工程のトップシールバー72の縦方向の長さを狭くして、ボトムシールを行わずに、内容物を充填した後の工程で、ボトム部をシールする方法であってもかまわない。
なお、背面側外側フィルム14と背面側内側フィルム15との間は、背面空気層16を確実に設ける為に、不織布などの嵩張るシートを挿入してもかまわない。
図4は、本発明の第二実施形態例におけるバックインボックスの包装袋1を示す外観斜視図と縦断面図である。
第二実施形態例では、注出側外側フィルム11と背面側外側フィルム14とは一体で繋が
っている。
同じように、注出側内側フィルム12と背面側内側フィルム15とは一体で繋がっている。
この第二実施形態例のように、注出側空気層13と背面側空気層16とが通じていると、包装袋の全面で臭気を吸収することができるので、より完全に臭気を内容物に移行させない容器とすることができる。
この為、製造に当たっては、第一実施形態例とは90°向きを変えた製造工程となる。すなわち、第一工程で、包装袋の倍の幅の積層フィルムを使用し、3方シールの形態とする。
第二工程では、合わせた1層目と2層目のフィルムを重ねた状態で、注出孔111を開孔する。
第三工程で、注出孔111に、1層目と2層目を重ねたフィルム内面側から、注出口2を挿入し、フィルムの1層目と2層目を重ねた注出孔111周縁と、注出口2のフランジで、融着する。ここまでは、第一実施形態例と同じような工程である。
次の第四工程では、1層目と2層目を重ねたフィルムのフィルム流れと垂直方向において、セーラーを使用して、中央で折り曲げるように、折り畳む工程が加わる。
折り畳まれることによって、一層目の半分が背面外側フィルム16に、二層目の半分が背面側内側フィルム15となる。
次の第五工程も、第一実施形態例と同じように、側面からフィルムの1層目と2層目との間に、活性炭シート4を挿入する。
しかし、第六工程では、一方の側面は繋がっているので、左側シール部のみを、サイドシールバーでヒートシールする。
第七工程以降は第一実施形態例と同じで製造、使用することができる。
本発明の包装袋は、以上のようなものであるが、バックインボックスだけでなく、包装袋だけの包装容器であってもかまわない。
本発明の包装袋に充填する液体飲料は、基本的には飲料水だが、レモン水などの清涼飲料などであっても良い。
本発明のバックインボックス用外箱は、主に段ボールなどを使用した箱を使用する。内容物の重さや搬送条件等によって、段ボールの強度や厚みを調整する。
また、バックインボックス用外箱の液垂れによる劣化対策として、ロジン系サイズ剤で耐水性を付与させた耐水ノーコートボール紙とパルプボード紙で耐水接着剤を用いて貼合した積層紙からなる耐水紙を使用しても良い。ここで、パルプボード紙としては耐水チップボール紙、耐水接着剤としては酢酸ビニル樹脂系の接着剤を使用できる。
段ボールシートは、AB段ボールシート、あるいは強化段ボールシートが好ましく使用でき、具体的には、例えば、Kライナ210g/m /強化中芯180g/m/Kライナ2100g/mの構成からなるAB段ボールシートなどが使用できる。
更に、容量が少ない場合には、段ボールの代わりに、厚紙を使用しても良い。
厚紙の場合、基材の紙は、坪量を200g/mから800g/mの板紙で、表面に印刷する場合には、片面が白いコートマニラ、コートボール、アイボリーなどを用いることができる。
さらに、容器の側面の胴部合わせ部分や底部をヒートシール、あるいは接着剤等で接着することができる。ヒートシールにするには、少なくとも裏面に15μm~80μmのポリエチレンフィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体、あるいはポリプロピレンフィルムなどのシール適性に優れた熱可塑性フィルムを貼り合せた積層シートが使用される。
糊付けやホットメルト接着剤で固定させる場合には、紙単体でもかまわない。
本発明のバックインボックス用の包装袋に用いる外側フィルムには、保存期間や内容物によって、バリア性や、充填時の条件などを決定する。
例えば、外側から延伸ポリエチレンテレフタレート/ポリアミド樹脂フィルム/シーラントなどの構成が考えられる。
具体的には、2軸延伸ポリアミド/ポリエチレン/無機酸化物蒸着ポリエチレンテレフタレート/低密度ポリエチレン、
2軸延伸ポリエチレンテレフタレート/接着剤/ポリアミド/接着剤/エチレン酢酸ビニル共重合体鹸化物/低密度ポリエチレン、
2軸延伸ポリエチレンテレフタレート/接着樹脂/ポリアミド/接着剤/低密度ポリエチレン、
2軸延伸ポリプロピレン/接着剤/ポリアミド/接着剤/低密度ポリエチレン、
などの一般的な構成が考えられる。
これらのフィルムは、通常のドライラミネーション機、エクストルーダーラミネート機などで貼り合わせるなどして製造することができる。
本発明のバックインボックス用の包装袋に用いる内側フィルムには、低分子量成分の少ない低臭気性の低密度ポリオレフィンを用いる。
保存期間や内容物によって、厚みや、バリア性や、充填時の条件などを決定する。
注出口は、射出成形で製造する。包装袋に融着する融着部には、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂や、エチレン・プロピレン共重合体などの融着可能な樹脂を使用する。
本発明の包装袋は、以上のようなもので、バックインボックスなどに使用される包装袋を二重とし、その層の間に活性炭シートを挿入するだけで、臭いを吸着しやすい飲料水などでも、臭いが移行しにくい包装袋容器とすることができる。しかも、一般的な包装袋製造機を使用して製造できるので、高速で安価に製造できるなど、本発明のメリットは大きい。
1・・・・・・・・・包装袋
11・・・・・・・・注出側外側フィルム
111・・・・・・・注出孔
12・・・・・・・・注出側内側フィルム
13・・・・・・・・注出側空気層
14・・・・・・・・背面側外側フィルム
15・・・・・・・・背面側内側フィルム
16・・・・・・・・背面側空気層
2・・・・・・・・・注出口
21・・・・・・・・フランジ(注出口のフランジ)
3・・・・・・・・・活性炭シート
4・・・・・・・・・外箱
41・・・・・・・・底板
42・・・・・・・・側面板
421・・・・・・・注出用開口部
43・・・・・・・・上面板
51・・・・・・・・1層目原反
52・・・・・・・・2層目原反
53・・・・・・・・3層目原反
54・・・・・・・・4層目原反
61・・・・・・・・第一工程
62・・・・・・・・第二工程
63・・・・・・・・第三工程
64・・・・・・・・第四工程
65・・・・・・・・第五工程
66・・・・・・・・第六工程
67・・・・・・・・第七工程
68・・・・・・・・第八工程
69・・・・・・・・第九工程
71・・・・・・・・サイドシールバー
72・・・・・・・・トップシールバー
73・・・・・・・・ミシン目カッター刃

Claims (4)

  1. 注出口を有し可撓性のある合成樹脂フィルムからなる包装袋容器において、包装袋が空気層を介して重ね合わせた少なくとも二層のフィルムからなり、該二層のフィルムの間の空気層に、活性炭シートを挿入したことを特徴とする包装袋容器。
  2. 二層のフィルムの間に挿入する活性炭シートが、包装袋の総面積の30~50パーセントとしたことを特徴とする請求項1に記載の包装袋容器。
  3. 外箱に、請求項1~2に記載の包装袋容器を収納したことを特徴とするバックインボックス容器。
  4. 注出口を有し可撓性のある合成樹脂フィルムからなる包装袋容器において、
    包装袋が空気層を介して重ね合わせた少なくとも二層のフィルムからなり、該二層のフィルムの間の空気層に、活性炭シートを挿入したことを特徴とする包装袋容器の製造方法。
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