JP5151463B2 - 紙容器用複合シート材料と該複合シート材料を用いて成形した紙容器 - Google Patents

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Description

本発明は、液体を充填する紙容器用の複合シート材と該複合シート材料を用いて成形した紙容器に関し、特には、容器への成形を安定して行うことが可能な紙容器用複合シート材料と該複合シート材料を用いて成形した紙容器に関する。
従来、主として清酒、ジュース等の液体を包装するための紙容器を製造するためのシート材料としては、板紙を主体とし、その板紙にプラスチックフィルムやアルミニウム箔などを貼り合わせた複合シート材料が使用されている。
図5は、紙容器を成形するための従来の複合シート材料の断面説明図であり、一般的には、板紙(1)の外側にポリエチレン樹脂などの熱可塑性樹脂(5)がラミネートされ、板紙の内側にはポリエチレン樹脂などの接着層(2)を介して、例えば、ポリエチレンテレフタレートのような熱可塑性樹脂フィルムの表面に酸化ケイ素、酸化アルミニウム等の無機化合物の蒸着層を設けた蒸着フィルムやアルミニウム箔等からなるバリア層(3)がラミネートされ、さらにバリア層(3)にはポリエチレン樹脂などの熱可塑性樹脂からなるシーラント層(4)がラミネートされた構成となっている。
このように、板紙(1)の外面(容器の外層側)には、耐水性や、美麗性などを付与するためにポリエチレン樹脂などの熱可塑性樹脂が積層され、また、容器を成形加工するにあたって、複合シート材料の内面(容器の内層側)にも熱融着可能なシーラント層(4)が積層されている。
このような複合シート材料を用いて液体等を包装するための容器形態に成形する場合は、内面のシーラント層と外面の熱可塑性樹脂層とを加熱して互いに溶融接合して、熱による融着シールによって組み立て成形が行われるが、このとき、複合シート材料は熱風等により加熱され板紙(1)に含まれている水分が気化して水蒸気になる。
図6の複合シート材料の断面説明図に示すように、加熱により互いに溶融接合する部分は、加熱(H)により発生した水蒸気(V)が内圧(水蒸気圧により板紙層内部が陽圧)となって、板紙と接して積層している接着層(2)やアルミニウム箔などのバリア層(3)には、板紙から引き剥がそうとする圧力が働き、板紙と接着層やバリア層との層間の所々に気泡(6)が生じ、これが通常発泡と呼ばれる現象を発生させるものである。
このような発泡現象は、加熱により互いに溶融接合する部分を熱融着させるシール面の安定性にも影響を与え、例えば、シール強度の低下やピンホールの発生、あるいは発泡現象による容器の最外層表面の白化や粗面化による紙容器外観の見栄えの低下などの原因となるものである。
このため、加熱溶融により互いに溶融接合するための温度を、発泡現象が生じなく、また、シールに必要な温度の範囲内に制御して加熱しなければならず、調整作業に非常に手間取るものであった。
それを克服するため、加熱時に発生する水蒸気を外側に逃がす技術(例えば、特許文献1参照)が開発されている。
上記先行技術文献を示す。
特開2000−203565号公報。
しかしながら、このの方法においては、外側に設けた熱可塑性樹脂層に多数の孔を設けるための特殊な作業工程が増えたり、開孔による美麗性の低下等の問題が残る。
本発明は、板紙を基材とし、最外層とシーラント層となる最内層にヒートシール性に優れた熱可塑性樹脂を配置し、板紙と最内層の熱可塑性樹脂層の間に溶融ポリエチレン樹脂を接着層としてバリア層が設けられた、外側より熱可塑性樹脂/板紙/接着層/バリア層/シーラント層からなる多層構成の複合シート材料に関する以上のような問題に鑑みてなされたもので、溶融ポリエチレン樹脂を接着層としても成形時に加熱による発泡現象を生じさせることのない複合シート材料と該複合シート材料を用いて成形した紙容器を提供することを課題とする。
本願請求項の発明は、板紙を基材とし、最外層とシーラント層となる最内層にヒートシール性に優れた熱可塑性樹脂を配置し、板紙と最内層の熱可塑性樹脂層の間に溶融ポリエチレン樹脂を接着層としてバリア層が設けられた、外側より熱可塑性樹脂/板紙/接着層/バリア層/シーラント層からなる多層構成の複合シート材料において、前記接着層である溶融ポリエチレン樹脂には、多孔質物質であるシリカ系ゼオライトが含有されていることを特徴とする紙容器用複合シート材料である。
このように請求項に記載の発明によれば、接着層である溶融ポリエチレン樹脂には、シリカ系ゼオライトが含有されているので、この紙容器用複合シート材料を用いて成形した際に、加熱によって生じる板紙中に含まれていた水蒸気は、接着層のシリカ系ゼオライトに吸着され、また、シリカ系ゼオライトを伝わって外部に逃げだすことができ、そのため、板紙と接着層、バリア層との層間には、水蒸気圧の内圧が発生せず、板紙と接して積層している接着層やバリア層には、板紙から引き剥がそうとする圧力がかからず発泡現象を防止することができる。
なお、シリカ系ゼオライトのほかに、酸化チタンなども同じ効果を有する多孔質物質である。
また、発泡現象が防止される結果、加熱により互いに溶融接合する部分を熱融着させるシール面の安定性を向上でき、発泡現象によるシール強度の低下やピンホールの発生、あるいは容器外観の見栄えの低下などを回避することができる。
また、請求項の発明は、請求項記載の発明において、前記接着層は1層以上からなることを特徴とする紙容器用複合シート材料である。
また、請求項の発明は、請求項1または請求項記載の紙容器用複合シート材料を用
いて成形した紙容器である。
このように本発明の紙容器用複合シート材料は、接液側(内側)にクレーコート層を有する板紙を用いることにより、容器に成形時に板紙から発生する水蒸気をクレーコート層によって抑制することができ、発泡現象を防止することができる。
また、溶融押し出し樹脂層にシリカ系ゼオライト等の多孔質物質を分散させた樹脂を用いることにより、容器に成形時に板紙から発生する水蒸気を多孔質物質に吸着または通過させ、発泡現象を防止することができる。
本発明を一実施形態に基づいて以下に詳細に説明する。
本発明の紙容器用複合シート材料(10)は、例えば、図1、図2に示すように、板紙(11)を基材とし、最外層(12)とシーラント層となる最内層(13)にヒートシール性に優れた熱可塑性樹脂を配置し、板紙と最内層の熱可塑性樹脂層の間に溶融ポリエチレン樹脂を接着層(14)としてバリア層(15)が設けられた、外側より熱可塑性樹脂(12)/板紙(11)/接着層(14)/バリア層(15)/シーラント層(13)からなる多層構成の複合シート材料であって、板紙の接着層側にはクレーコート層(16)が設けられているものである。
板紙(11)は、収納する内容物が液状物であり、また、容器成形上、剛性と折り曲げ性を兼ね備えて有することが必要となるため、ミルクカートン原紙、カップ原紙等が好ましく使用できる。
そして、板紙の片面または両面にクレーコート層(16)を有する必要がある。クレーコート層のクレー塗布量は10〜30g/m2とすることが好ましい。
塗布量が10g/m2未満になると、水蒸気圧に耐え切れず発泡現象が起き、塗布量が31g/m2以上になると、複合シート材料が硬くなり、成形不良が起きやすくなる。
複合シート材料(10)の最外層(12)と最内層(13)を構成する熱可塑性樹脂としては、溶融押し出しが可能で、かつ、加熱、加圧によって相互に融着し得るものが良く、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂等を挙げることができる。また、最外層(12)の樹脂と最内層(13)の樹脂を同一の樹脂、あるいは異種の樹脂を組み合わせて使用しても良い。しかしながら作業性を考えると同一の樹脂を使用する方が好ましい。
バリア層(15)としては、例えば、エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム、ポリビニルアルコールフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、二軸延伸ナイロンフィルム、二軸延伸ポリプロピレンフィルム、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム等の単体、あるいは複合フィルムが好ましく使用できる。アルミニウム箔を用いることもできる。
また、上記の二軸延伸ナイロンフィルム、二軸延伸ポリプロピレンフィルム、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム等の延伸フィルム上に酸化アルミニウムや酸化ケイ素などの無機化合物の薄膜を物理蒸着または化学蒸着などの蒸着法により20〜100nm程度の厚さに設けた無機化合物蒸着フィルムを使用することもできる。
板紙(11)とバリア層(15)を接着させる接着層(14)としては、最内層(13)となるシーラント層を構成する熱可塑性樹脂と同様に、溶融押し出しが可能で、かつ、加熱、加圧によって相互に融着し得るものが良く、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂等を挙げることができる。
なかでも高密度ポリエチレン樹脂は、水蒸気圧を抑制できるという理由から、好適に使用できる。
また、図示してないが、接着層(14)は1層に限定されるものではなく、2層以上の多層構成とすることもできる。
本発明の紙容器用複合シート材料を用いて製函する紙容器(20)としては、図4に示すような、筒状紙容器、四角柱状をしたゲーブルトップ型紙容器、天面が平らフラット型紙容器、等々が挙げられる。
つぎに具体的な実施例を以下に詳述する。
≪実験1≫
クレーコート層を設けた板紙を用いた実験。
先ず、ポリエチレン(厚さ15μm)/ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12μm)/蒸着フィルム(酸化アルミニウムの薄膜を蒸着させたポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12μm)/低密度ポリエチレン(厚さ60μm)からなる構成の複合フィルムを準備した。
別に片面に塗布量が20g/m2となるクレーコート層(16)を有する坪量300g/m2の板紙であるカップ原紙を準備した。
そして、最外層(12)、接着層(14)にいずれも同じ低密度ポリエチレン樹脂を用い
て、タンデム型のエキストルージョンラミネータを使用して、板紙(11)と複合フィルムを貼り合わせ、下記構成の実施例1の紙容器用複合シート材料(10)を作製した。なお、接着層(14)は、接着層(14)と接着層(14')の二層構成とした。
実施例1の紙容器用複合シート材料(10)の層構成は以下の通りである。
低密度ポリエチレン(厚さ20μm)(12)/カップ原紙(坪量300g/m2)(11)・クレーコート層(20g/m2)(16)/低密度ポリエチレン(厚さ30μm)(14)/低密度ポリエチレン(厚さ15μm)(14')/ポリエチレンテレフタレートフィルム・蒸着層(厚さ12μm)(15)/低密度ポリエチレン(厚さ60μm)(13)。(図1参照)。
ここで、クレーコート層(16)は接着層(14)である厚さ30μmの低密度ポリエチレンに接して設けられ、バリア層(15)となる蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルムは、蒸着面がシーラント層(13)と接するように設けられている。
実施例1で用いた片面にクレーコート層を設けたカップ原紙の代わりに、両面に塗布量が20g/m2のクレーコート層を設けた坪量が280g/m2のカップ原紙を用いた以外は実施例1と同じ、材料、方法で下記構成からなる実施例2の紙容器用複合シート材料(10)を作製した。
実施例2の紙容器用複合シート材料(10)の層構成は以下の通りである。
低密度ポリエチレン(厚さ20μm)(12)/クレーコート層(20g/m2)(16)・カップ原紙(坪量280g/m2)(11)・クレーコート層(20g/m2)(16)/低密度ポリエチレン(厚さ30μm)(14)/低密度ポリエチレン(厚さ15μm)(14')
/ポリエチレンテレフタレートフィルム・蒸着層(厚さ12μm)(15)/低密度ポリエチレン(厚さ60μm)(13)。(図2参照)。
ここで、バリア層(15)となる蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルムは、蒸着面がシーラント層(13)と接するように設けられている(以下同じ)。
実施例2において、接着層(14)に用いた低密度ポリエチレンの代わりに、高密度ポリエチレンを用いた以外は実施例2と同じ、材料、方法で下記構成からなる実施例3の紙容器用複合シート材料(10)を作製した。
作製した実施例3の紙容器用複合シート材料(10)の層構成は以下の通りである。
低密度ポリエチレン(厚さ20μm)(12)/クレーコート層(20g/m2)(16)・カップ原紙(坪量280g/m2)(11)・クレーコート層(20g/m2)(16)/高密度ポリエチレン(厚さ30μm)(14)/低密度ポリエチレン(厚さ15μm)(14')
/ポリエチレンテレフタレートフィルム・蒸着層(厚さ12μm)(15)/低密度ポリエチレン(厚さ60μm)(13)。
実施例2において、両面に塗布量20g/m2のクレーコート層を設けた坪量が280g/m2のカップ原紙の代わりに、両面に塗布量4g/m2のクレーコート層を設けた坪量が302g/m2のカップ原紙を用いた以外は実施例2と同じ、材料、方法で下記構成からなる実施例4の紙容器用複合シート材料を作製した。
実施例4の紙容器用複合シート材料の層構成は以下の通りである。
低密度ポリエチレン(厚さ20μm)(12)/クレーコート層(4g/m2)(16)・カップ原紙(坪量302g/m2)(11)・クレーコート層(4g/m2)(16)/低密度ポリエチレン(厚さ30μm)(14)/低密度ポリエチレン(厚さ15μm)(14')/
ポリエチレンテレフタレートフィルム・蒸着層(厚さ12μm)(15)/低密度ポリエチレン(厚さ60μm)(13)。
実施例2において、両面に塗布量20g/m2のクレーコート層を設けた坪量が280g/m2のカップ原紙の代わりに、両面に塗布量40g/m2のクレーコート層を設けた坪量が240g/m2のカップ原紙を用いた以外は実施例2と同じ、材料、方法で下記構成からなる実施例5の紙容器用複合シート材料を作製した。
実施例5の紙容器用複合シート材料の層構成は以下の通りである。
低密度ポリエチレン(厚さ20μm)(12)/クレーコート層(40g/m2)(16)・カップ原紙(坪量240g/m2)(11)・クレーコート層(40g/m2)(16)/低密度ポリエチレン(厚さ30μm)(14)/低密度ポリエチレン(厚さ15μm)(14')
/ポリエチレンテレフタレートフィルム・蒸着層(厚さ12μm)(15)/低密度ポリエチレン(厚さ60μm)(13)。
実施例1において、片面にクレーコート層を設けた坪量が300g/m2のカップ原紙の代わりに、クレーコート層の設けてない坪量が320g/m2のカップ原紙を用いた以外は実施例1と同じ、材料、方法で下記構成からなる実施例6の紙容器用複合シート材料を作製した。
実施例6の紙容器用複合シート材料の層構成は以下の通りである。
低密度ポリエチレン(厚さ20μm)(12)/カップ原紙(坪量300g/m2)(11)/低密度ポリエチレン(厚さ30μm)(14)/低密度ポリエチレン(厚さ15μm)(14')/ポリエチレンテレフタレートフィルム・蒸着層(厚さ12μm)(15)/低密度ポリエチレン(厚さ60μm)(13)。
このようにして作製した実施例1〜実施例6の6種類の紙容器用複合シート材料から、紙容器の一実施例である筒状紙容器用の胴部材用複合シートを作製し、胴部材用複合シートの一方の端縁ともう一方の端縁を重ね合わせて熱融着して上下が開放された胴部材とした。
この胴部材の上下の開放部分に別に準備した下記層構成からなる筒状紙容器用の蓋部材用複合シート、底部材用複合シートから打ち抜いた蓋部材、底部材を配置し、蓋部材および底部材の周縁を折り返した折り返し部を、胴部材の両端を包み込むように折り曲げて重ね合わせ、熱融着により胴部材と蓋部材、底部材を一体化した容量が200ミリリットルの実施例1〜実施例6の筒状紙容器(20)を作製した(図3参照)。
〔蓋部材用複合シート層構成〕
低密度ポリエチレン(厚さ40μm)/カップ原紙(坪量250g/m2)/低密度ポリエチレン(厚さ55μm)/ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12μm)/蒸着フィルム(酸化アルミニウムの薄膜を蒸着させたポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12μm)/低密度ポリエチレン(厚さ60μm)。
〔底部材用複合シート層構成〕
低密度ポリエチレン(厚さ20μm)/カップ原紙(坪量200g/m2)/低密度ポリエチレン(厚さ35μm)/ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12μm)/蒸着フィルム(酸化アルミニウムの薄膜を蒸着させたポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12μm)/低密度ポリエチレン(厚さ60μm)。
この実施例1〜実施例6の筒状紙容器、各100本に赤色染色液を充填し、12時間後に液が漏れているかどうかを確認した。その結果を表1に示す。
Figure 0005151463
表1の結果から、少なくとも接液側にクレーコート層を設けた紙容器用複合シート材料を用いることにより、蓋部材や底部材と貼り合わせるための熱によって胴部材から発生する水蒸気圧の発泡による液漏れは大きく低下することがわかる(実施例1〜実施例3)。≪実験2≫
接着層に用いる低密度ポリエチレンにシリカ系ゼオライトを混入した実験。
先ず、ポリエチレン(厚さ15μm)/ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12μm)/蒸着フィルム(酸化アルミニウムの薄膜を蒸着させたポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12μm)/低密度ポリエチレン(厚さ60μm)からなる構成の複合フィルムを準備した。
別に坪量が300g/m2の板紙であるカップ原紙を準備した。そして、最外層(12)および接着層(14)にいずれも同じ低密度ポリエチレン樹脂を用いて、タンデム型のエキストルージョンラミネータを使用して、カップ原紙(11)と複合フィルムを貼り合わせ、下記構成の実施例7の紙容器用複合シート材料(10)を作製した。なお、接着層(14)を構成する低密度ポリエチレン樹脂にはあらかじめシリカ系ゼオライトを5%含有したものを使用した。
実施例7の紙容器用複合シート材料(10)の層構成は以下の通りである。
低密度ポリエチレン(厚さ20μm)(12)/カップ原紙(坪量300g/m2)(11)/低密度ポリエチレン・シリカ系ゼオライト5%含有(厚さ30μm)(14)/低密度ポリエチレン(厚さ15μm)(14')/ポリエチレンテレフタレートフィルム・蒸着層(厚さ12μm)(15)/低密度ポリエチレン(厚さ60μm)(13)。(図3参照)。
接着層(14)を構成する低密度ポリエチレン樹脂に混練するシリカ系ゼオライトの含有量を30%とした以外は実施例7と同じ、材料、方法を用いて下記層構成からなる実施例8の紙容器用複合シート材料(10)を作製した。
実施例8の紙容器用複合シート材料(10)の層構成は以下の通りである。
低密度ポリエチレン(厚さ20μm)(12)/カップ原紙(坪量300g/m2)(11)/低密度ポリエチレン・シリカ系ゼオライト30%含有(厚さ30μm)(14)/低密度ポリエチレン(厚さ15μm)(14')/ポリエチレンテレフタレートフィルム・蒸着層(厚さ12μm)(15)/低密度ポリエチレン(厚さ60μm)(13)。
接着層(14)にシリカ系ゼオライト未混練の低密度ポリエチレン樹脂を使用した以外は実施例7と同じ、材料、方法を用いて下記層構成からなる実施例9の紙容器用複合シー
ト材料(10)を作製した。
実施例9の紙容器用複合シート材料(10)の層構成は以下の通りである。
低密度ポリエチレン(厚さ20μm)(12)/カップ原紙(坪量300g/m2)(11)/低密度ポリエチレン(厚さ30μm)(14)/低密度ポリエチレン(厚さ15μm)(14')/ポリエチレンテレフタレートフィルム・蒸着層(厚さ12μm)(15)/低密度ポリエチレン(厚さ60μm)(13)。
このようにして作製した実施例7〜実施例9の3種類の紙容器用複合シート材料から、実験1と同様に紙容器の一実施例である筒状紙容器用の胴部材用複合シートを作製し、胴部材用複合シートの一方の端縁ともう一方の端縁を重ね合わせて熱融着して上下が開放された胴部材とした。
この胴部材のはかに、実験1と同じ蓋部材と底部材を用い、実験1と同様の方法で、容量が200ミリリットルの実施例7〜実施例9の筒状紙容器を作製し、成形適性を観察すると共に、実施例7〜実施例9の筒状紙容器、各100本に赤色染色液を充填し、12時間後に液が漏れているかどうかを確認した。その結果を表2に示す。
Figure 0005151463
表2の結果から接着層に用いる溶融押し出し用のポリエチレン樹脂にシリカ系ゼオライトを混練させることにより、容器に成形する際に熱により発生する紙からの水分を接着層中のシリカ系ゼオライトに吸着または通過させ、接液側の発泡を抑制し液漏れを発生させないことがわかる(実施例7)。また、シリカ系ゼオライトの混練量が多すぎると密着性が悪く、成形不良が多発することも判明した(実施例8)。
本発明の紙容器用複合シート材料の一実施例を示す断面説明図である。 本発明の紙容器用複合シート材料の別の実施例を示す断面説明図である。 本発明の紙容器用複合シート材料のさらに別の実施例を示す断面説明図である。 本発明の紙容器用複合シート材料を用いて製函した紙容器の形態の一実施例を示す斜視説明図である。 従来の紙容器用複合シート材料の一例を示す断面説明図である。 従来の紙容器用複合シート材料の加熱された状態を示す断面説明図である。
符号の説明
1‥‥板紙
2‥‥接着層
3‥‥バリア層
4‥‥シーラント層、内層
5‥‥熱可塑性樹脂、外層
6‥‥気泡
10‥‥紙容器用複合シート材料
11‥‥板紙
12‥‥最外層、熱可塑性樹脂
13‥‥最内層、シーラント層、熱可塑性樹脂
14‥‥接着層
14'‥‥接着層
15‥‥バリア層
16‥‥クレーコート層
20‥‥紙容器

Claims (3)

  1. 板紙を基材とし、最外層とシーラント層となる最内層にヒートシール性に優れた熱可塑性樹脂を配置し、板紙と最内層の熱可塑性樹脂層の間に溶融ポリエチレン樹脂を接着層としてバリア層が設けられた、外側より熱可塑性樹脂/板紙/接着層/バリア層/シーラント層からなる多層構成の複合シート材料において、
    前記接着層である溶融ポリエチレン樹脂には、多孔質物質であるシリカ系ゼオライトが含有されていることを特徴とする紙容器用複合シート材料。
  2. 前記接着層は1層以上からなることを特徴とする請求項記載の紙容器用複合シート材料。
  3. 請求項1または請求項記載の紙容器用複合シート材料を用いて成形した紙容器。
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