JP2022183737A - 振動デバイス - Google Patents
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Abstract
【課題】ハンドリングのし難さが改善されるとともに、振動子の割れや欠けなどが抑制される振動デバイスを提供すること。【解決手段】振動デバイス1は、第1面101と、第1面101とは反対側に位置する第2面102と、第1面101を含む第1絶縁層21と、第2面102を含む第2絶縁層22と、第1面101に開口部41を有し、第1絶縁層21を貫通する有底の凹部40と、第1絶縁層21と第2絶縁層22との間に配置される接続用配線層25と、を有する多層基板2と、収容空間52を備える容器51と、収容空間52に収容される振動素子6と、容器51の外面に配置され、振動素子6と電気的に接続される接続用端子70と、を有し、凹部40内に配置される振動素子6と、接続用配線層25と、接続用端子70と、を電気的に接続する導電性接続部材8と、を有する。【選択図】図2
Description
本発明は、振動デバイスに関する。
近年、各種の電子機器の小型化や薄型化が進んでいる。そのため、これらの電子機器に用いられる水晶発振器等の振動デバイスも小型化への対応が求められている。
例えば、特許文献1には、水晶振動子を搭載したシリコンからなる第1基板と、水晶振動子を収容する凹部が形成されたシリコンからなる第2基板と、を凹部内に水晶振動子を収める状態で重ね、接合しパッケージ化することによって、振動デバイスである圧電発振器を小型化できることが記載されている。
また、例えば、特許文献2には、振動部を有する水晶振動板の一主面と水晶から形成された第1封止部材とが接合され、水晶振動板の他主面と水晶から形成された第2封止部材とが接合されてサンドイッチ構造のパッケージが構成され、これにより、振動デバイスである水晶発振器の小型化が図れることが記載されている。
例えば、特許文献1には、水晶振動子を搭載したシリコンからなる第1基板と、水晶振動子を収容する凹部が形成されたシリコンからなる第2基板と、を凹部内に水晶振動子を収める状態で重ね、接合しパッケージ化することによって、振動デバイスである圧電発振器を小型化できることが記載されている。
また、例えば、特許文献2には、振動部を有する水晶振動板の一主面と水晶から形成された第1封止部材とが接合され、水晶振動板の他主面と水晶から形成された第2封止部材とが接合されてサンドイッチ構造のパッケージが構成され、これにより、振動デバイスである水晶発振器の小型化が図れることが記載されている。
しかしながら、特許文献1や特許文献2に記載の振動デバイスは、振動デバイスの小型化によるハンドリングのし難さが顕著となり、また、パッケージを構成する部材がシリコン基板や水晶なので、振動デバイスである振動子や発振器が脆く欠け易い、という課題がある。
振動デバイスは、第1面と、前記第1面とは反対側に位置する第2面と、前記第1面を含む第1絶縁層と、前記第2面を含む第2絶縁層と、前記第1面に開口部を有し、少なくとも前記第1絶縁層を貫通する有底の凹部と、前記第1絶縁層と前記第2絶縁層との間に配置される接続用配線層と、を有する多層基板と、収容空間を備える容器と、前記収容空間に収容される振動素子と、前記容器の外面に配置され、前記振動素子と電気的に接続される接続用端子と、を有し、前記凹部内に配置される振動子と、前記接続用配線層と、前記接続用端子と、を電気的に接続する導電性接続部材と、を有する。
1.実施形態1
実施形態1に係る振動デバイス1について、図1及び図2を参照して説明する。
尚、説明の便宜上、以下の各図には、互いに直交する3つの軸として、X軸、Y軸、及びZ軸を図示している。また、X軸に沿った方向を「X方向」、Y軸に沿った方向を「Y方向」、Z軸に沿った方向を「Z方向」と言う。また、各軸の矢印側を「プラス側」、矢印と反対側を「マイナス側」とも言う。また、Z方向プラス側を「上」、Z方向マイナス側を「下」とも言う。また、Z方向からの平面視において、Z方向プラス側の面を上面、この上面と反対側となるZ方向マイナス側の面を下面として説明する。
実施形態1に係る振動デバイス1について、図1及び図2を参照して説明する。
尚、説明の便宜上、以下の各図には、互いに直交する3つの軸として、X軸、Y軸、及びZ軸を図示している。また、X軸に沿った方向を「X方向」、Y軸に沿った方向を「Y方向」、Z軸に沿った方向を「Z方向」と言う。また、各軸の矢印側を「プラス側」、矢印と反対側を「マイナス側」とも言う。また、Z方向プラス側を「上」、Z方向マイナス側を「下」とも言う。また、Z方向からの平面視において、Z方向プラス側の面を上面、この上面と反対側となるZ方向マイナス側の面を下面として説明する。
図1及び図2に示すように、振動デバイス1は、第1面101と、第1面101とは反対側に位置する第2面102と、第1面101を含む第1絶縁層21と、第2面102を含む第2絶縁層22と、第1面101に開口部41を有し、第1絶縁層21を貫通する有底の凹部40と、第1絶縁層21と第2絶縁層22との間に配置される接続用配線層25と、を有する多層基板2と、収容空間52を備える容器51と、収容空間52に収容される振動素子6と、容器51の外面に配置され、振動素子6と電気的に接続される接続用端子70と、を有し、凹部40内に配置される振動子5と、接続用配線層25と、接続用端子70と、を電気的に接続する導電性接続部材8と、を有する。なお、収容空間52のことを収容部とも言う。
まず、多層基板2について説明する。
多層基板2は、多層基板2の第1面101に直交するZ方向からの平面視で、外形が矩形状の平板である。なお、本実施形態では、第1面101は、多層基板2の上面であり、第2面102は、多層基板2の下面である。
多層基板2は、多層基板2の第1面101に直交するZ方向からの平面視で、外形が矩形状の平板である。なお、本実施形態では、第1面101は、多層基板2の上面であり、第2面102は、多層基板2の下面である。
多層基板2は、例えば、複数のプリント配線板をプリント配線板の厚さ方向であるZ方向に積層した基板である。多層基板2としては、ガラスエポキシ基板、ガラスフェノール基板、ガラスポリイミド基板などの樹脂基板を用いることができる。本実施形態では、多層基板2は、ガラスエポキシ基板である。
多層基板2は、第1面101を含む第1絶縁層21と、第2面102を含む第2絶縁層22と、第1絶縁層21と第2絶縁層22との間に配置される第3絶縁層23と、を有する。第1絶縁層21と、第3絶縁層23と、第2絶縁層22と、は、この順で上方から下方に向かって積層される。
多層基板2において、積層方向であるZ方向に隣り合う第1絶縁層21と第3絶縁層23との間には、第1配線層26が配置される。積層方向に隣り合う第3絶縁層23と第2絶縁層22との間には、第2配線層27が配置される。
また、多層基板2の第2面102には、外部と電気的な接続を行うための外部端子28が配置される。
第2絶縁層22と、第3絶縁層23と、は、第2絶縁層22と、第3絶縁層23と、のそれぞれの厚さ方向であるZ方向に貫通する貫通穴291と、貫通穴291の内部に埋設される貫通電極29と、を有する。貫通電極29は、第1配線層26と、第2配線層27と、外部端子28と、を電気的に接続する。なお、本実施形態では、第1絶縁層21は、貫通穴291と、貫通電極29とを有さないが、第1絶縁層21は、貫通穴291と、貫通電極29とを有していても構わない。
また、多層基板2は、第1面101に開口部41を有する有底の凹部40を有する。
本実施形態では、凹部40は、第1面101を含む第1絶縁層21を貫通している。つまり、第1絶縁層21は、凹部40に相当する貫通部を有する。第1絶縁層21が有する凹部40に相当する貫通部において、第1面101とは反対側に位置する面は、第1絶縁層21と積層方向に隣り合う第3絶縁層23により塞がれる。このようにして、第1面101に開口部41を有し、第1絶縁層21を貫通する有底の凹部40が形成される。凹部40の底面42は、第1絶縁層21が有する凹部40に相当する貫通部を塞ぐ第3絶縁層23における第1絶縁層21に対向する面である。
本実施形態では、凹部40は、第1面101を含む第1絶縁層21を貫通している。つまり、第1絶縁層21は、凹部40に相当する貫通部を有する。第1絶縁層21が有する凹部40に相当する貫通部において、第1面101とは反対側に位置する面は、第1絶縁層21と積層方向に隣り合う第3絶縁層23により塞がれる。このようにして、第1面101に開口部41を有し、第1絶縁層21を貫通する有底の凹部40が形成される。凹部40の底面42は、第1絶縁層21が有する凹部40に相当する貫通部を塞ぐ第3絶縁層23における第1絶縁層21に対向する面である。
本実施形態では、凹部40の開口部41は、Z方向からの平面視で、矩形状であり、開口部41は、第1面101で囲まれている。言い換えると、凹部40の周囲は、第1面101で囲まれている。
上述したように、積層方向に隣り合う第1絶縁層21と、第3絶縁層23と、の間には、第1配線層26が配置されているので、第3絶縁層23における第1絶縁層21に対向する面である凹部40の底面42には、第1配線層26を配置することができる。そして、凹部40の底面42に配置される第1配線層26は、接続用配線層25として機能させることができる。つまり、凹部40の底面42には、接続用配線層25としての第1配線層26が配置される。
凹部40の底面42に配置される接続用配線層25としての第1配線層26は、多層基板2の第1面101よりもZ方向マイナス側に位置し、多層基板2の第2面102よりもZ方向プラス側に位置する。つまり、接続用配線層25としての第1配線層26は、多層基板2の第1面101と、多層基板2の第2面102と、の間に配置されている。
接続用配線層25としての第1配線層26は、凹部40内に配置される振動子5における容器51の外面に配置される後述する接続用端子70と、導電性接続部材8を介して電気的に接続される。
また、接続用配線層25としての第1配線層26は、貫通電極29を介して、または、貫通電極29と第2配線層27とを介して、多層基板2の第2面102に配置される外部端子28と電気的に接続される。
次に、振動子5について説明する。
振動子5は、収容空間52を備える容器51と、収容空間52に収容される振動素子6と、容器51の外面に配置され、振動素子6と電気的に接続される接続用端子70と、を有する。なお、容器51の外面とは、容器51の外表面を意味し、容器51の上面、下面及び側面を含む。
容器51は、半導体基板であるベース53と、半導体基板であるリッド54と、を含む。
ベース53は、板状である。ベース53は、リッド54に対向する面55と、リッド54に対向する面55とは反対側に位置する面56と、を有する。本実施形態では、リッド54に対向する面55とは反対側に位置する面56が、容器51の下面となる。
本実施形態では、ベース53は、単結晶シリコンを含む半導体基板である。なお、ベース53としては、シリコン以外の半導体基板、例えば、ゲルマニウム、ヒ化ガリウム、リン化ガリウム、窒化ガリウム、炭化珪素等の半導体基板を用いても構わない。
リッド54は、箱状である。リッド54は、ベース53に対向する面57と、ベース53に対向する面57とは反対側に位置する面58と、リッド54においてベース53に対向する面57に開口する有底の凹部541を有する。本実施形態では、ベース53に対向する面57とは反対側に位置する面58が、容器51の上面となる。
本実施形態では、リッド54は、単結晶シリコンを含む半導体基板である。なお、リッド54としては、シリコン以外の半導体基板、例えば、ゲルマニウム、ヒ化ガリウム、リン化ガリウム、窒化ガリウム、炭化珪素等の半導体基板を用いても構わない。
リッド54における凹部541の開口を塞ぐように、ベース53におけるリッド54に対向する面55と、凹部541の外縁に位置するリッド54におけるベース53に対向する面57と、が接合部材511を介して接合される。これにより、振動素子6を収容する収容空間52が形成される。なお、接合部材511を用いずに、ベース53やリッド54に含まれる金属の拡散を利用した拡散接合、シリコン同士の拡散接合、表層を親水化しSi-O-Si結合層を有する親水化接合などにより接合しても構わない。
また、ベース53は、ベース53の厚さ方向であるZ方向に貫通する貫通孔531を有する。貫通孔531の内面と、リッド54に対向する面55と、リッド54に対向する面55とは反対側に位置する面56と、を含むベース53の表面には、絶縁膜532が形成される。貫通孔531内には、貫通電極59が埋設される。
ベース53におけるリッド54に対向する面55とは反対側に位置する面56には、接続用端子70が配置される。言い換えると、接続用端子70は、容器51の外面に配置されており、具体的には、ベース53におけるリッド54に対向する面55とは反対側に位置する面56である容器51の下面に配置されている。
ベース53におけるリッド54に対向する面55には、配線71が配置される。接続用端子70と、配線71と、は貫通電極59により電気的に接続される。
収容空間52に収納される振動素子6は、水晶基板である振動片61と、振動片61を振動させる励振電極62と、振動素子6をベース53に機械的及び電気的に接続し、振動信号を外部に出力するための接続電極63と、励振電極62と接続電極63とを電気的に接続するリード電極64と、を有する。なお、本実施形態では、振動片61として、ATカット水晶基板を用いているが、SCカット水晶基板、BTカット水晶基板、Zカット水晶基板、STカット水晶基板などを用いても構わない。
振動素子6の接続電極63と、ベース53におけるリッド54に対向する面55に配置される配線71と、は金属バンプ等の導電性部材65を介して接合している。これにより、振動素子6はベース53に機械的に接続されるとともに、振動素子6の接続電極63と、リッド54に対向する面55に配置される配線71と、が電気的に接続される。振動素子6の接続電極63と、リッド54に対向する面55に配置される配線71と、が電気的に接続されることにより、導電性部材65と、配線71と、貫通電極59と、を介して、ベース53におけるリッド54に対向する面55とは反対側に位置する面56に配置される接続用端子70と、振動素子6と、が電気的に接続される。
次に、多層基板2における振動子5の配置について説明する。
本実施形態では、多層基板2の上面である第1面101に開口部41を有する有底の凹部40内に、振動子5が配置される。
本実施形態では、多層基板2の上面である第1面101に開口部41を有する有底の凹部40内に、振動子5が配置される。
振動子5における容器51の上面であるリッド54におけるベース53に対向する面57とは反対側に位置する面58は、多層基板2における凹部40の開口部41側に位置する容器51の面512となる。振動子5における容器51の下面であるベース53におけるリッド54に対向する面55とは反対側に位置する面56は、多層基板2における凹部40の底面42側に位置する容器51の面513となる。容器51において、多層基板2における凹部40の開口部41側に位置する容器51の面512は、多層基板2における凹部40の底面42側に位置する容器51の面513の反対側に位置する。
多層基板2における凹部40の底面42に配置される接続用配線層25としての第1配線層26と、多層基板2における凹部40の底面42側に位置する容器51の面513であるベース53におけるリッド54に対向する面55とは反対側に位置する面56に配置される接続用端子70と、は導電性接続部材8により電気的に接続される。
このように、多層基板2の凹部40内に、振動子5が配置されることにより、振動デバイス1の小型化に伴うハンドリングのし難さが改善される。また、振動子5は、多層基板2により保護されるため、振動子5の割れや欠けなどを抑制することができる。
本実施形態では、上述したように、振動子5における容器51を構成する部材は、シリコン基板である。シリコン基板などの半導体基板は、脆く欠け易い部材である。このような脆く欠け易い半導体基板で構成される容器51を有する振動子5に対して、振動子5の割れや欠けを効果的に抑制することができる。
また、本実施形態では、上述したように、多層基板2は、ガラスエポキシ基板である。ガラスエポキシ基板のような樹脂基板は、機械的特性に優れ、割れや欠けが生じ難いため、振動デバイス1を容易にハンドリングすることができる。
また、本実施形態では、図2に示すように、多層基板2における凹部40の開口部41側に位置する容器51の面512であるリッド54におけるベース53に対向する面57とは反対側に位置する面58は、多層基板2における凹部40の開口部41が形成される多層基板2の第1面101と面一である。
具体的には、多層基板2における凹部40の開口部41側に位置する容器51の面512であるリッド54におけるベース53に対向する面57とは反対側に位置する面58と、多層基板2における凹部40の開口部41が形成される多層基板2の第1面101と、は同一のXY平面である面F1上に位置している。言い換えると、多層基板2における凹部40の開口部41側に位置する容器51の面512と、多層基板2の第1面101と、はZ方向の位置が同じである。
つまり、振動子5は、多層基板2の第1面101に開口部41を有する凹部40から突出しないように、凹部40内に配置される。
このように、本実施形態では、振動子5は、多層基板2の第1面101よりも上方に突出しないため、振動子5の割れや欠けなどを効果的に抑制することができる。
また、本実施形態では、上述したように、多層基板2の下面である第2面102に外部端子28が配置されている。このため、例えば、吸着コレットを用いて振動デバイス1を外部基板に表面実装する場合、振動デバイス1は、多層基板2の上面である第1面101を吸着コレットにより吸着、保持されることになる。このとき、振動子5は多層基板2の第1面101よりも上方に突出しないため、振動子5は吸着コレットに干渉しない。これにより、吸着コレットによる振動デバイス1の吸着、保持が安定し、振動デバイス1を外部基板に容易に実装することができる。
また、本実施形態では、上述したように、Z方向からの平面視で、凹部40の開口部41は、第1面101で囲まれている。これにより、振動子5の割れや欠けなどをさらに効果的に抑制することができる。また、吸着コレットによる振動デバイス1の吸着、保持がさらに安定し、振動デバイス1を外部基板にさらに容易に実装することができる。
また、本実施形態では、接続用端子70と、接続用配線層25としての第1配線層26と、は金属バンプや半田ペーストなどの導電性接続部材8を介して接合されている。これにより、容器51の外面に配置される接続用端子70を有する振動子5と、凹部40の底面42に配置される接続用配線層25としての第1配線層26を有する多層基板2と、は電気的に接続されるとともに、振動子5と、多層基板2と、は機械的に接続される。
また、本実施形態では、接続用端子70と、接続用配線層25としての第1配線層26と、はZ方向からの平面視で、重なるように配置されている。これにより、接続用端子70と、接続用配線層25としての第1配線層26と、を導電性接続部材8を介して接合することにより、振動デバイス1を小型化することができる。
なお、振動子5における接続用端子70と、多層基板2における接続用配線層25としての第1配線層26と、を導電性接続部材8を介して接合する際には、多層基板2の凹部40内に振動子5を配置する前に、予め、振動子5における接続用端子70に金属バンプや半田ペーストなどの導電性接続部材8を付着させておくことが好ましい。これにより、多層基板2の凹部40内に振動子5を配置する前に、予め、凹部40の底面42に配置される接続用配線層25に導電性接続部材8を付着させておく必要がなく、振動デバイス1を容易に製造することができる。
以上述べたように本実施形態の振動デバイス1は、第1面101と、第1面101とは反対側に位置する第2面102と、第1面101を含む第1絶縁層21と、第2面102を含む第2絶縁層22と、第1面101に開口部41を有し、第1絶縁層21を貫通する有底の凹部40と、第1絶縁層21と第2絶縁層22との間に配置される接続用配線層25と、を有する多層基板2と、収容空間52を備える容器51と、収容空間52に収容される振動素子6と、容器51の外面に配置され、振動素子6と電気的に接続される接続用端子70と、を有し、凹部40内に配置される振動素子6と、接続用配線層25と、接続用端子70と、を電気的に接続する導電性接続部材8と、を有する。
これにより、小型化に伴うハンドリングのし難さが改善されるとともに、振動子5の割れや欠けなどが抑制される振動デバイス1を提供することができる。
これにより、小型化に伴うハンドリングのし難さが改善されるとともに、振動子5の割れや欠けなどが抑制される振動デバイス1を提供することができる。
なお、本実施形態では、多層基板2は、第1絶縁層21、第2絶縁層22、及び第3絶縁層23の3層であるが、第1絶縁層21と第2絶縁層22との間に複数の第3絶縁層23を積層することにより、多層基板2を4層以上としても構わない。
また、本実施形態では、凹部40は、第1絶縁層21を貫通しているが、凹部40は、第1絶縁層21と、第1絶縁層21と積層方向に隣り合う第3絶縁層23と、を貫通していても構わない。つまり、凹部40は、少なくとも第1絶縁層21を貫通していれば構わない。
また、本実施形態では、振動子5における容器51は、半導体基板であるシリコン基板により構成されるが、容器51を半導体基板以外の部材、例えば、半導体基板と同様に脆く欠け易い部材である水晶により構成しても構わない。
また、本実施形態では、振動子5は発振回路を有さないが、振動子5が発振回路を有する発振器であっても構わない。
2.実施形態2
次に、実施形態2に係る振動デバイス1aについて、図3及び図4を参照して、説明する。なお、実施形態1と同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
実施形態2は、多層基板2aにおける凹部40aの深さ、すなわち、凹部40aの底面42aにおけるZ方向の位置が異なること以外は、実施形態1と同様である。
次に、実施形態2に係る振動デバイス1aについて、図3及び図4を参照して、説明する。なお、実施形態1と同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
実施形態2は、多層基板2aにおける凹部40aの深さ、すなわち、凹部40aの底面42aにおけるZ方向の位置が異なること以外は、実施形態1と同様である。
図3及び図4に示すように、多層基板2aは、第1面101に開口部41aを有する有底の凹部40aを有する。
本実施形態では、凹部40aは、第1絶縁層21と、第1絶縁層21と積層方向に隣り合う第3絶縁層23と、を貫通している。つまり、第1絶縁層21は、第1絶縁層21を貫通する第1貫通部43を有し、第3絶縁層23は、第3絶縁層23を貫通する第2貫通部44を有する。本実施形態では、Z方向からの平面視で、第1絶縁層21に形成される凹部40aに対応する第1貫通部43の形状と、第3絶縁層23に形成される凹部40aに対応する第2貫通部44の形状と、は略同一であり、第1絶縁層21を貫通する第1貫通部43と、第3絶縁層23を貫通する第2貫通部44と、は、Z方向からの平面視で重なっている。
凹部40aの底面42aは、第3絶縁層23とは積層方向に隣り合う第2絶縁層22における第3絶縁層23に対向する面である。言い換えると、凹部40aの底面42aは、第2絶縁層22における多層基板2aの第2面102とは反対側に位置する面である。
つまり、本実施形態では、多層基板2aにおける凹部40aの深さは、凹部40aが貫通する第3絶縁層23の厚さに相当する分、実施形態1よりも深くなっている。言い換えると、凹部40aの底面42aのZ方向の位置は、凹部40aが貫通する第3絶縁層23の厚さに相当する分、実施形態1に比べ、多層基板2aの第2面102側に位置している。
積層方向に隣り合う第3絶縁層23と、第2絶縁層22と、の間には、第2配線層27が配置されているので、第2絶縁層22における第3絶縁層23に対向する面である凹部40aの底面42aには、第2配線層27を配置することができる。そして、凹部40aの底面42aに配置される第2配線層27は、接続用配線層25aとして機能させることができる。つまり、凹部40aの底面42aには、接続用配線層25aとしての第2配線層27が配置される。
凹部40aの底面42aに配置される接続用配線層25aとしての第2配線層27は、多層基板2aの第1面101よりもZ方向マイナス側に位置し、多層基板2aの第2面102よりもZ方向プラス側に位置する。つまり、接続用配線層25aとしての第2配線層27は、多層基板2aの第1面101と、多層基板2aの第2面102と、の間に配置されている。
接続用配線層25aとしての第2配線層27は、多層基板2aにおける凹部40aの底面42a側に位置する容器51の面513に配置される接続用端子70と、導電性接続部材8を介して電気的に接続される。
本実施形態では、図4に示すように、多層基板2aにおける凹部40aの開口部41a側に位置する容器51の面512であるリッド54におけるベース53に対向する面57とは反対側に位置する面58は、多層基板2aにおける凹部40aの開口部41aが形成される多層基板2aの第1面101よりも多層基板2aの第2面102側に位置している。
具体的には、多層基板2aにおける凹部40aの開口部41a側に位置する容器51の面512であるリッド54におけるベース53に対向する面57とは反対側に位置する面58は、多層基板2aにおける凹部40aの開口部41aが形成される多層基板2aの第1面101を含むXY平面である面F1よりも、下方に位置している。つまり、多層基板2aにおける凹部40aの開口部41a側に位置する容器51の面512と、多層基板2aの第1面101と、はZ方向の位置が異なり、多層基板2aにおける凹部40aの開口部41a側に位置する容器51の面512は、多層基板2aの第1面101よりも多層基板2aの第2面102側に位置している。
本実施形態によれば、実施形態1での効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
多層基板2aにおける凹部40aの開口部41a側に位置する振動子5における容器51の面512は、多層基板2aの第1面101よりも多層基板2aの第2面102側に位置している。このように、振動子5は、多層基板2aにおける凹部40aの開口部41aが形成される第1面101よりも凹部40aの底面42a側である多層基板2aの第2面102側に位置しているため、振動子5の割れや欠けなどをさらに効果的に抑制することができる。
多層基板2aにおける凹部40aの開口部41a側に位置する振動子5における容器51の面512は、多層基板2aの第1面101よりも多層基板2aの第2面102側に位置している。このように、振動子5は、多層基板2aにおける凹部40aの開口部41aが形成される第1面101よりも凹部40aの底面42a側である多層基板2aの第2面102側に位置しているため、振動子5の割れや欠けなどをさらに効果的に抑制することができる。
3.実施形態3
次に、実施形態3に係る振動デバイス1bについて、図5~図7を参照して、説明する。なお、実施形態1と同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
実施形態3は、多層基板2bにおける凹部40bの形状が異なること以外は、実施形態1と同様である。
次に、実施形態3に係る振動デバイス1bについて、図5~図7を参照して、説明する。なお、実施形態1と同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
実施形態3は、多層基板2bにおける凹部40bの形状が異なること以外は、実施形態1と同様である。
図5に示すように、多層基板2bは、多層基板2bの第1面101に直交するZ方向からの平面視で、外形が矩形状の平板である。多層基板2bは、Z方向からの平面視で、X方向に沿う第1側面20Aと、第1側面20Aに対向しX方向に沿う第2側面20Bと、第1側面20Aと第2側面20Bとに隣り合いY方向に沿う第3側面20Cと、第3側面20Cに対向しY方向に沿う第4側面20Dと、を有する。多層基板2bの上面である第1面101と、多層基板2bの下面である第2面102と、は第1側面20A、第2側面20B、第3側面20C、及び第4側面20Dを介して接続している。
図5~図7に示すように、多層基板2bは、第1面101に開口部41bを有する有底の凹部40bを有する。凹部40bは、第1絶縁層21を貫通し、多層基板2bの互いに対向する一方の側面である第1側面20Aから他方の側面である第2側面20Bまで溝状に延設されている。凹部40bは、多層基板2bの第1側面20A及び第2側面20Bにおいて、多層基板2bの外部に連通している。
また、本実施形態では、図6に示すように、多層基板2bにおける凹部40bの開口部41b側に位置する容器51の面512であるリッド54におけるベース53に対向する面57とは反対側に位置する面58は、多層基板2bにおける凹部40bの開口部41bが形成される多層基板2bの第1面101と面一である。
本実施形態によれば、実施形態1での効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
多層基板2bにおける凹部40bは、多層基板2bの互いに対向する一方の側面である第1側面20Aから他方の側面である第2側面20Bまで溝状に延設されている。このように、多層基板2bにおける凹部40bを、多層基板2bの互いに対向する一方の側面である第1側面20Aから他方の側面である第2側面20Bまで溝状に延設することにより、凹部40bを容易に形成することができる。つまり、凹部40bを有する多層基板2bの製造コストを低減することができ、従って、製造コストを低減させた振動デバイス1bを提供することができる。
多層基板2bにおける凹部40bは、多層基板2bの互いに対向する一方の側面である第1側面20Aから他方の側面である第2側面20Bまで溝状に延設されている。このように、多層基板2bにおける凹部40bを、多層基板2bの互いに対向する一方の側面である第1側面20Aから他方の側面である第2側面20Bまで溝状に延設することにより、凹部40bを容易に形成することができる。つまり、凹部40bを有する多層基板2bの製造コストを低減することができ、従って、製造コストを低減させた振動デバイス1bを提供することができる。
なお、本実施形態では、多層基板2bにおける凹部40bは、多層基板2bの第1側面20Aから第2側面20Bまで溝状に延設されているが、凹部40bは、多層基板2bの互いに対向する一方の側面である第3側面20Cから他方の側面である第4側面20Dまで溝状に延設されていても構わない。
4.実施形態4
次に、実施形態4に係る振動デバイス1cについて、図8及び図9を参照して、説明する。なお、実施形態1と同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
実施形態4は、多層基板2cにおける凹部40cに配置される接続用配線層25cと、振動子5cにおける容器51の外面に配置される接続用端子70と、を電気的に接続する導電性接続部材8cが導電性ワイヤーであることや、凹部40cの形状が異なることや、凹部40c内における接続用配線層25cの配置が異なることや、凹部40c内における振動子5cの配置が異なること以外は、実施形態1と同様である。
次に、実施形態4に係る振動デバイス1cについて、図8及び図9を参照して、説明する。なお、実施形態1と同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
実施形態4は、多層基板2cにおける凹部40cに配置される接続用配線層25cと、振動子5cにおける容器51の外面に配置される接続用端子70と、を電気的に接続する導電性接続部材8cが導電性ワイヤーであることや、凹部40cの形状が異なることや、凹部40c内における接続用配線層25cの配置が異なることや、凹部40c内における振動子5cの配置が異なること以外は、実施形態1と同様である。
図8及び図9に示すように、多層基板2cは、第1面101に開口部41cを有する有底の凹部40cを有する。凹部40cは、凹部40cの開口部41cと、凹部40cの底面42cと、の間に、凹部40cの内側に突出する段部45を有する。
本実施形態では、凹部40cは、第1絶縁層21と、第1絶縁層21と積層方向に隣り合う第3絶縁層23と、を貫通している。つまり、第1絶縁層21は、第1絶縁層21を貫通する第1貫通部43cを有し、第3絶縁層23は、第3絶縁層23を貫通する第2貫通部44cを有する。
凹部40cの底面42cは、第3絶縁層23とは積層方向に隣り合う第2絶縁層22における第3絶縁層23に対向する面である。言い換えると、凹部40cの底面42cは、第2絶縁層22における多層基板2cの第2面102とは反対側に位置する面である。
Z方向からの平面視で、第1絶縁層21を貫通する第1貫通部43cの形状と、第3絶縁層23を貫通する第2貫通部44cの形状と、は異なる。第3絶縁層23を貫通する第2貫通部44cのX方向の幅は、第1絶縁層21を貫通する第1貫通部43cのX方向の幅よりも小さく、第3絶縁層23を貫通する第2貫通部44cのY方向の幅は、第1絶縁層21に形成される凹部40cに対応する第1貫通部43cのY方向の幅よりも小さい。
このように、Z方向からの平面視で、第3絶縁層23を貫通する第2貫通部44cは、第1絶縁層21を貫通する第1貫通部43cよりも小さいため、凹部40cの開口部41cと、凹部40cの底面42cと、の間に、凹部40cの内側に突出する段部45となる第3絶縁層23を配置することができる。段部45の上面は、第1絶縁層21とは積層方向に隣り合う第3絶縁層23における第1絶縁層21に対向する面である。
積層方向に隣り合う第1絶縁層21と、第3絶縁層23と、の間には、第1配線層26が配置されているので、凹部40cの内側に突出する段部45の上面には、第1配線層26を配置することができる。そして、段部45の上面に配置される第1配線層26は、接続用配線層25cとして機能させることができる。つまり、段部45の上面には、接続用配線層25cとしての第1配線層26が配置される。
また、本実施形態では、凹部40c内における振動子5cの配置は、実施形態1に比べ、振動子5cの上下が逆転している。つまり、振動子5cにおける容器51の下面は、リッド54におけるベース53に対向する面57とは反対側に位置する面58であり、リッド54におけるベース53に対向する面57とは反対側に位置する面58が、多層基板2cにおける凹部40cの底面42c側に位置する容器51の面513となる。そして、振動子5cにおける容器51の上面は、ベース53におけるリッド54に対向する面55とは反対側に位置する面56であり、ベース53におけるリッド54に対向する面55とは反対側に位置する面56が、多層基板2cにおける凹部40cの開口部41c側に位置する容器51の面512となる。
凹部40cの底面42cと、凹部40cの底面42c側に位置する振動子5cにおける容器51の面513と、は熱硬化型接着剤などの接合部材515を介して接合される。これにより、振動子5cと、多層基板2cと、は機械的に接続される。
振動子5cにおける容器51の上面、すなわち、ベース53におけるリッド54に対向する面55とは反対側に位置する面56には、接続用端子70が配置されている。
接続用端子70と、凹部40cにおける段部45の上面に配置される接続用配線層25cとしての第1配線層26と、はワイヤーボンディング技法を用いて導電性接続部材8cである導電性ワイヤーを介して電気的に接続される。
また、本実施形態では、図9に示すように、多層基板2cにおける凹部40cの開口部41c側に位置する容器51の面512であるベース53におけるリッド54に対向する面55とは反対側に位置する面56は、多層基板2cにおける凹部40cの開口部41cが形成される多層基板2cの第1面101よりも多層基板2cの第2面102側に位置している。
具体的には、多層基板2cにおける凹部40cの開口部41c側に位置する容器51の面512であるベース53におけるリッド54に対向する面55とは反対側に位置する面56は、多層基板2cにおける凹部40cの開口部41cが形成される多層基板2cの第1面101を含むXY平面である面F1よりも、下方に位置している。これにより、振動子5cの割れや欠けなどを効果的に抑制することができる。
また、本実施形態では、接続用端子70と、接続用配線層25cとしての第1配線層26と、を電気的に接続する導電性接続部材8cである導電性ワイヤーは、多層基板2cにおける凹部40cの開口部41cが形成される多層基板2cの第1面101を含むXY平面である面F1よりも、下方に位置している。これにより、導電性接続部材8cである導電性ワイヤーの破損を効果的に抑制することができる。
本実施形態によれば、実施形態1での効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
接続用配線層25cとしての第1配線層26と、接続用端子70と、を導電性接続部材8cである導電性ワイヤーを介して接続することにより、接続用配線層25cとしての第1配線層26と、接続用端子70と、の電気的な接続の信頼性を高めることができる。そのため、高い信頼性を有する振動デバイス1cを提供することができる。
接続用配線層25cとしての第1配線層26と、接続用端子70と、を導電性接続部材8cである導電性ワイヤーを介して接続することにより、接続用配線層25cとしての第1配線層26と、接続用端子70と、の電気的な接続の信頼性を高めることができる。そのため、高い信頼性を有する振動デバイス1cを提供することができる。
5.実施形態5
次に、実施形態5に係る振動デバイス1dについて、図10及び図11を参照して、説明する。なお、実施形態1と同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
実施形態5は、多層基板2dの第1面101dに外部端子28dが配置されることや、多層基板2d及び振動子5dの上下が逆転して配置されること以外は、実施形態1と同様である。
次に、実施形態5に係る振動デバイス1dについて、図10及び図11を参照して、説明する。なお、実施形態1と同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
実施形態5は、多層基板2dの第1面101dに外部端子28dが配置されることや、多層基板2d及び振動子5dの上下が逆転して配置されること以外は、実施形態1と同様である。
図10及び図11に示すように、多層基板2dは、実施形態1に比べ、多層基板2dの上下が逆転している。つまり、多層基板2dの第1面101dは、多層基板2dの下面であり、多層基板2dの第2面102dは、多層基板2dの上面である。
多層基板2dは、第1面101dを含む第1絶縁層21dと、第2面102dを含む第2絶縁層22dと、第1絶縁層21dと第2絶縁層22dとの間に配置される第3絶縁層23dと、を有する。第2絶縁層22dと、第3絶縁層23dと、第1絶縁層21dと、は、この順で上方から下方に向かって積層される。
多層基板2dは、第1面101dに開口部41dを有する有底の凹部40dを有する。凹部40dは、第1絶縁層21dを貫通している。凹部40dの底面42dは、第1絶縁層21dと積層方向に隣り合う第3絶縁層23dにおける第1絶縁層21dに対向する面である。
積層方向に隣り合う第1絶縁層21dと、第3絶縁層23dと、の間には、第1配線層26が配置されているので、第3絶縁層23dにおける第1絶縁層21dに対向する面である凹部40dの底面42dには、第1配線層26を配置することができる。そして、凹部40dの底面42dに配置される第1配線層26は、接続用配線層25dとして機能させることができる。つまり、凹部40dの底面42dには、接続用配線層25dとしての第1配線層26が配置される。
本実施形態では、多層基板2dの第1面101dに、外部と電気的な接続を行うための外部端子28dが配置される。第1面101dを含む第1絶縁層21dは、貫通電極29を有する。外部端子28dは、接続用配線層25dとしての第1配線層26と、貫通電極29を介して電気的に接続される。
また、本実施形態では、振動子5dは、実施形態1に比べ、振動子5dの上下が逆転している。つまり、振動子5dにおける容器51の下面は、リッド54におけるベース53に対向する面57とは反対側に位置する面58であり、リッド54におけるベース53に対向する面57とは反対側に位置する面58が、凹部40dの開口部41d側に位置する容器51の面512となる。そして、振動子5dにおける容器51の上面は、ベース53におけるリッド54に対向する面55とは反対側に位置する面56であり、ベース53におけるリッド54に対向する面55とは反対側に位置する面56が、凹部40dの底面42d側に位置する容器51の面513となる。
また、本実施形態では、図11に示すように、多層基板2dにおける凹部40dの開口部41d側に位置する容器51の面512であるリッド54におけるベース53に対向する面57とは反対側に位置する面58は、多層基板2dにおける凹部40dの開口部41dが形成される多層基板2dの第1面101dと面一である。
具体的には、多層基板2dにおける凹部40dの開口部41d側に位置する容器51の面512であるリッド54におけるベース53に対向する面57とは反対側に位置する面58と、多層基板2dにおける凹部40dの開口部41dが形成される多層基板2dの第1面101dと、は同一のXY平面である面F2上に位置している。言い換えると、多層基板2dにおける凹部40dの開口部41d側に位置する容器51の面512と、多層基板2dの第1面101dと、はZ方向の位置が同じである。
つまり、振動子5dは、多層基板2dの第1面101dに開口部41dを有する凹部40dから突出しないように、凹部40内に配置される。
このように、本実施形態では、振動子5dは、多層基板2dの第1面101dよりも下方に突出しないため、振動子5dの割れや欠けなどを効果的に抑制することができる。
また、本実施形態では、上述したように、多層基板2dの下面である第1面101dに外部端子28dが配置されている。このため、例えば、吸着コレットを用いて振動デバイス1dを外部基板に表面実装する場合、振動デバイス1dは、多層基板2dの上面である第2面102dを吸着コレットにより吸着、保持されることになる。このとき、多層基板2dの第2面102dには、凹部40dは配置されていないため、吸着コレットによる振動デバイス1dの吸着、保持が安定し、振動デバイス1dを外部基板に容易に実装することができる。また、振動子5dは吸着コレットに干渉しないため、振動子5dの割れや欠けなどを効果的に抑制することができる。
本実施形態によれば、実施形態1での効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
多層基板2dの第1面101dには、有底の凹部40dにおける開口部41dと、接続用配線層25dとしての第1配線層26と電気的に接続される外部端子28dとが配置されている。このため、多層基板2dの第1面101dとは反対側に位置する第2面102dを保持することにより、振動デバイス1dを外部基板に容易に実装することができ、また、振動子5dの割れや欠けなどを効果的に抑制することができる。
多層基板2dの第1面101dには、有底の凹部40dにおける開口部41dと、接続用配線層25dとしての第1配線層26と電気的に接続される外部端子28dとが配置されている。このため、多層基板2dの第1面101dとは反対側に位置する第2面102dを保持することにより、振動デバイス1dを外部基板に容易に実装することができ、また、振動子5dの割れや欠けなどを効果的に抑制することができる。
6.実施形態6
次に、実施形態6に係る振動デバイス1eについて、図12及び図13を参照して、説明する。なお、実施形態1と同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
実施形態6は、振動子5eが発振回路を含む集積回路80を有し、振動子5eが発振器であること以外は、実施形態1と同様である。
次に、実施形態6に係る振動デバイス1eについて、図12及び図13を参照して、説明する。なお、実施形態1と同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
実施形態6は、振動子5eが発振回路を含む集積回路80を有し、振動子5eが発振器であること以外は、実施形態1と同様である。
図12及び図13に示すように、振動子5eは集積回路80を有する。集積回路80は、ベース53におけるリッド54に対向する面55に配置される。集積回路80は、図示しない複数のトランジスターなどの能動素子が図示しない配線により電気的に接続された回路である。本実施形態では、集積回路80は、振動素子6を発振させてクロック信号等の基準信号の周波数を生成するための発振回路を含む。なお、集積回路80は、発振回路以外に、例えば、振動素子6の振動特性を温度変化に応じて補正する温度補償回路、発振回路からの出力信号を処理する処理回路、静電気保護回路などを含んでいても構わない。
集積回路80の上面には、パッシベーション膜81が形成される。さらに、パッシベーション膜81の上面には、図示しない配線により集積回路80と電気的に接続され、振動素子6を接合するための内部接続端子82が形成されている。
振動素子6の接続電極63と、内部接続端子82と、は金属バンプ等の導電性部材65を介して接合している。これにより、振動素子6はベース53に機械的に接続されるとともに、振動素子6と、集積回路80と、は内部接続端子82、導電性部材65、及び図示しない配線を介して電気的に接続される。
振動素子6と、集積回路80と、が電気的に接続されることにより、集積回路80から出力される発振信号により振動素子6を発振させることができる。
また、集積回路80が有する図示しない配線と、接続用端子70と、は貫通電極59を介して電気的に接続されている。接続用端子70と、集積回路80と、が貫通電極59及び図示しない配線を介して電気的に接続されることにより、接続用端子70を介して、集積回路80に接地電位などを供給することや、集積回路80からクロック信号などを出力することができる。
このように、本実施形態では、振動子5eは発振回路を含む集積回路80を有する発振器である。
また、本実施形態では、図13に示すように、多層基板2における凹部40の開口部41側に位置する容器51の面512であるリッド54におけるベース53に対向する面57とは反対側に位置する面58は、多層基板2における凹部40の開口部41が形成される多層基板2の第1面101と面一である。
本実施形態によれば、振動子5eが発振器である場合でも、実施形態1と同様に、振動子5eの割れや欠けなどを効果的に抑制することができる。
7.実施形態7
次に、実施形態7に係る振動デバイス1fについて、図14及び図15を参照して、説明する。なお、実施形態1と同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
実施形態7は、振動子5fにおける容器51fを構成する部材が水晶であること以外は、実施形態1と同様である。
次に、実施形態7に係る振動デバイス1fについて、図14及び図15を参照して、説明する。なお、実施形態1と同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
実施形態7は、振動子5fにおける容器51fを構成する部材が水晶であること以外は、実施形態1と同様である。
図14及び図15に示すように、振動子5fは、収容空間52fを備える容器51fと、収容空間52fに収容される振動素子6fと、容器51fの外面に配置され、振動素子6fと電気的に接続される接続用端子70fと、を有する。
容器51fは、水晶基板である第1封止基板85と、振動素子6fを囲む外枠部90を有する水晶基板である振動基板86と、水晶基板である第2封止基板87と、を含む。
第1封止基板85と、振動基板86と、第2封止基板87と、はZ方向からの平面視で、外形が矩形状の平板である。
第1封止基板85は、振動基板86の上方であるZ方向プラス側に位置し、第2封止基板87は、振動基板86の下方であるZ方向マイナス側に位置する。つまり、第1封止基板85と、振動基板86と、第2封止基板87と、は、この順で上方から下方に向かって積層される。
第1封止基板85は、振動基板86に対向する面851と、振動基板86に対向する面851とは反対側に位置する面852と、を有する。振動基板86に対向する面851は、第1封止基板85の下面であり、振動基板86に対向する面851とは反対側に位置する面852は、第1封止基板85の上面である。本実施形態では、第1封止基板85における振動基板86に対向する面851とは反対側に位置する面852が、容器51fの上面となる。
振動基板86は、振動素子6fを囲む枠状の外枠部90と、外枠部90の内側に設けられる振動素子6fと、を有する。振動基板86は、第1封止基板85に対向する面861と、第1封止基板85に対向する面861とは反対側に位置する面862と、を有する。第1封止基板85に対向する面861とは反対側に位置する面862は、振動基板86において第2封止基板87に対向する面である。
振動素子6fは、振動片91と、振動片91と外枠部90とを連結する連結部92と、振動片91を振動させる励振電極62fと、振動素子6fを配線71fに電気的に接続し、振動信号を外部に出力するための接続電極63fと、励振電極62fと接続電極63fとを電気的に接続するリード電極64fと、を有する。
振動片91は、外枠部90よりもZ方向の厚さが薄く、振動片91の上面は、振動基板86における第1封止基板85に対向する面861よりもZ方向マイナス側に位置し、振動片91の下面は、振動基板86における第1封止基板85に対向する面861とは反対側に位置する面862よりもZ方向プラス側に位置する。これにより、第1封止基板85と、振動基板86と、第2封止基板87と、が積層されたとき、振動片91と、第1封止基板85及び第2封止基板87と、の接触を抑制することができる。
第2封止基板87は、振動基板86に対向する面871と、振動基板86に対向する面871とは反対側に位置する面872と、を有する。振動基板86に対向する面871は、第2封止基板87の上面であり、振動基板86に対向する面871とは反対側に位置する面872は、第2封止基板87の下面である。本実施形態では、第2封止基板87における振動基板86に対向する面871とは反対側に位置する面872が、容器51fの下面となる。
第1封止基板85における振動基板86に対向する面851と、振動基板86の外枠部90における第1封止基板85に対向する面861と、は接合部材521を介して接合される。振動基板86の外枠部90における第1封止基板85に対向する面861とは反対側に位置する面862と、第2封止基板87における振動基板86に対向する面871と、は接合部材522を介して接合される。つまり、第1封止基板85と、第2封止基板87と、は接合部材521と、接合部材522と、振動基板86の外枠部90と、を介して接合される。
このように、第1封止基板85と、第2封止基板87と、が振動基板86の外枠部90を介して接合されることにより、振動素子6fを収容する収容空間52fが形成される。
また、第2封止基板87は、第2封止基板87の厚さ方向であるZ方向に貫通する貫通孔531fを有する。貫通孔531f内には、貫通電極59fが埋設される。
第2封止基板87における振動基板86に対向する面871とは反対側に位置する面872には、接続用端子70fが配置される。言い換えると、接続用端子70fは、容器51の外面に配置されており、具体的には、第2封止基板87における振動基板86に対向する面871とは反対側に位置する面872である容器51fの下面に配置されている。
第2封止基板87における振動基板86に対向する面871には、配線71fが配置される。接続用端子70fと、配線71fと、は貫通電極59fにより電気的に接続される。
また、第2封止基板87における振動基板86に対向する面871に配置される配線71fと、振動素子6fの接続電極63fと、は金属バンプ等の導電性部材65fを介して接合される。振動素子6fの接続電極63fと、第2封止基板87における振動基板86に対向する面871に配置される配線71fと、が導電性部材65fを介して電気的に接続されることにより、導電性部材65fと、配線71fと、貫通電極59fと、を介して、第2封止基板87における振動基板86に対向する面871とは反対側に位置する面872に配置される接続用端子70fと、振動素子6fと、が電気的に接続される。
本実施形態では、多層基板2の上面である第1面101に開口部41を有する有底の凹部40内に、振動子5fが配置される。
振動子5fにおける容器51fの上面である第1封止基板85における振動基板86に対向する面851とは反対側に位置する面852は、多層基板2における凹部40の開口部41側に位置する容器51fの面512fとなる。振動子5fにおける容器51fの下面である第2封止基板87における振動基板86に対向する面871とは反対側に位置する面872は、多層基板2における凹部40の底面42側に位置する容器51fの面513fとなる。
本実施形態では、図15に示すように、多層基板2における凹部40の開口部41側に位置する容器51fの面512fである第1封止基板85における振動基板86に対向する面851とは反対側に位置する面852は、多層基板2における凹部40の開口部41が形成される多層基板2の第1面101と面一である。
本実施形態によれば、振動子5fが水晶基板で構成される場合でも、実施形態1と同様に、振動子5fの割れや欠けなどを効果的に抑制することができる。
なお、本実施形態では、振動基板86は、ATカット水晶基板であるが、振動基板86は、ATカット水晶基板に限定されず、SCカット水晶基板、BTカット水晶基板、Zカット水晶基板、STカット水晶基板などを用いても構わない。
また、本実施形態では、第1封止基板85及び第2封止基板87は、ATカット水晶基板である。ただし、第1封止基板85及び第2封止基板87は、ATカット水晶基板に限定されず、第1封止基板85及び第2封止基板87の少なくとも一方が振動基板86と異なるカット角の水晶基板から形成されていても構わない。あるいは、第1封止基板85及び第2封止基板87は、カット角は振動基板86と同じであるが結晶軸の方向が振動基板86と異なる方向を向いていても構わない。
1,1a,1b,1c,1d,1e,1f…振動デバイス、2,2a,2b,2c,2d…多層基板、5,5c,5d,5e,5f…振動子、6,6f…振動素子、8,8c…導電性接続部材、21,21d…第1絶縁層、22,22d…第2絶縁層、23,23d…第3絶縁層、25,25a,25c,25d…接続用配線層、26…第1配線層、27…第2配線層、28,28d…外部端子、40,40a,40b,40c,40d…凹部、41,41a,41b,41c,41d…開口部、42,42a,42c,42d…底面、51,51f…容器、52,52f…収容空間、70,70f…接続用端子、101,101d…第1面、102,102d…第2面、512,512f…面、513,513f…面、F1…面、F2…面。
Claims (11)
- 第1面と、前記第1面とは反対側に位置する第2面と、前記第1面を含む第1絶縁層と、前記第2面を含む第2絶縁層と、前記第1面に開口部を有し、少なくとも前記第1絶縁層を貫通する有底の凹部と、前記第1絶縁層と前記第2絶縁層との間に配置される接続用配線層と、を有する多層基板と、
収容空間を備える容器と、前記収容空間に収容される振動素子と、前記容器の外面に配置され、前記振動素子と電気的に接続される接続用端子と、を有し、前記凹部内に配置される振動子と、
前記接続用配線層と、前記接続用端子と、を電気的に接続する導電性接続部材と、
を有する振動デバイス。 - 前記凹部の前記開口部側に位置する前記容器の面は、前記多層基板の前記第1面と面一又は前記多層基板の前記第1面よりも前記多層基板の前記第2面側に位置している、
請求項1に記載の振動デバイス。 - 前記凹部の前記開口部は、前記多層基板の前記第1面で囲まれている、
請求項1又は請求項2に記載の振動デバイス。 - 前記多層基板は、矩形状であり、
前記凹部は、前記多層基板の互いに対向する一方の側面から他方の側面まで溝状に延設されている、
請求項1又は請求項2に記載の振動デバイス。 - 前記多層基板の前記第2面には、前記接続用配線層と電気的に接続される外部端子が配置されている、
請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の振動デバイス。 - 前記多層基板の前記第1面には、前記接続用配線層と電気的に接続される外部端子が配置されている、
請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の振動デバイス。 - 前記接続用配線層は、前記凹部の底面に配置されており、
前記接続用端子は、前記凹部の前記底面に対向する前記容器の面に配置されており、
前記接続用配線層と、前記接続用端子と、は前記導電性接続部材を介して接合されている、
請求項1乃至請求項6の何れか一項に記載の振動デバイス。 - 前記導電性接続部材は、導電性ワイヤーである、
請求項1乃至請求項6の何れか一項に記載の振動デバイス。 - 前記容器は、半導体基板であるベースと、半導体基板であるリッドと、を含み、
前記ベースと、前記リッドと、が接合することにより前記収容空間が形成される、
請求項1乃至請求項8の何れか一項に記載の振動デバイス。 - 前記容器は、水晶基板である第1封止基板と、前記振動素子を囲む外枠部を有する水晶基板である振動基板と、水晶基板である第2封止基板と、を含み、
前記第1封止基板と、前記第2封止基板と、が前記振動基板の前記外枠部を介して接合することにより前記収容空間が形成される、
請求項1乃至請求項8の何れか一項に記載の振動デバイス。 - 前記多層基板は、樹脂基板である、
請求項9又は請求項10に記載の振動デバイス。
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JP2021091206A Pending JP2022183737A (ja) | 2021-05-31 | 2021-05-31 | 振動デバイス |
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2021
- 2021-05-31 JP JP2021091206A patent/JP2022183737A/ja active Pending
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